JP3844205B2 - 消火栓装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネルなどに設置されて車両火災の消火に使用される消火栓装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、高速道路や自動車専用道路などのトンネルに設置された消火栓装置としては、例えば図11のようなものが知られている(特開2001−95940等)。
【0003】
この消火栓装置100は、ノズル102の付いたホース103が筐体内に内巻きに収容されており、火災時に扉101を開きノズル102を持ってホース103を引き出して消火する。このホース引出しの際に、ホース103が必要以上に出てくるのを防ぐため、扉101の内側にホースガイド104を設け、ホースガイド104を通してホース103を引き出している。
【0004】
また消火栓扉101の隣には、通常、消火器扉105が設けられ、消火器扉105を横に開いて内部に収納している消火器を取出して火災を消火することもできる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年にあっては、トンネル内に設置する消火栓装置についても、デザインの重視などから小型化の要求が高まってきている。またトンネルにおいては走行の快適性を追求するため、消火栓装置の設置位置をドライバーの目線近くまで下げるようなケースも今後出てくることが予想される。
【0006】
しかしながら、このように消火栓装置が道路面近くの高さに設置される場合、消火器を取出そうとするとき、人の目線よりかなり近い低い位置に消火器扉があり、消火器扉の取手が見えづらく、また消火器扉を開いて中の消火器を取出す時に天井板が邪魔になり、消火器が取出しにくいという問題がある。
【0007】
また消火栓側にあっては、消火栓扉を開き、ホースを引き出して消火を行った後に、ホースを筐体内部に収納することになるが、このとき筐体の収納位置が低いことに起因して、ホース収納部が見えず、手探りでホース収納を行うことになるために、ホース収納が確実にできず、収納に手間と時間がかかる問題がある。
【0008】
本発明は、設置位置が低くなっても消火器の取り出しやホースの収納が容易にできるようにした消火栓装置を提供することを目的とする。
【0009】
【問題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明は次のように構成する。本発明は、筐体内にノズル付きホースを収容し、消火時に筐体の消火栓扉を開いて前記ノズル付きホースを引き出して消火する消火栓装置において、消火栓扉は、筐体の正面に配置される正面扉と、筐体上面に配置される天井扉からなり、前面扉は、筐体の正面に配置され筐体正面の下部を中心に下開きするとともに、天井扉は、筐体上面に配置され筐体上面の背後側を中心に上開きすることを特徴とする。
【0010】
ここで、消火栓扉は、正面扉の開放に連動して天井扉を上開きさせる自動開放機構を備える。この自動開放機構は、閉鎖状態にある正面扉に係止して天井扉を閉鎖位置に保持するラッチと、天井扉を開放方向に付勢すると共に開放時に所定の開放位置に保持するリンク機構とを備える。
【0011】
このように本発明の消火栓装置は、消火栓扉を正面扉と天井扉とに分けて構成しており、正面扉を下開きすると、これに連動して天井扉が自動的に上開きし、天井扉が開くことによって筐体内部のホース収納位置を上からみることができ、筐体がかなり低い位置にあっても、ホースを容易に収納することができる。
【0012】
また本発明は、筐体内にノズル付きホースを収容し、消火時に筐体の消火栓扉を開いて前記ノズル付きホースを引き出して消火すると共に、筐体内に消火器を収容し、消火時に筐体の消火器扉を開いて前記消火器を取出して消火する消火栓装置において、消火器扉は、筐体の正面に配置される正面扉と、筐体上面に配置される天井扉からなり、前面扉は、筐体の正面に配置され筐体正面の下部または側部を中心に開くとともに、天井扉は、筐体の上面に配置され筐体上面の背後側を中心に上開きすることを特徴とする。
【0013】
ここで消火器扉は、正面扉又は天井扉のいずれか一方の開放に連動して他方を開放させる自動開放機構を備える。この自動開放機構は、閉鎖状態にある一方の扉に係止して他方の扉を閉鎖位置に保持するラッチと、他方の扉を開放方向に付勢すると共に開放時に所定の開放位置に保持するリンク機構とを備える。
【0014】
このように本発明の消火栓装置は、消火器扉を正面扉と天井扉とに分けて構成しており、例えば正面扉を下開きすると、これに連動して天井扉が自動的に上開きし、正面扉および天井扉の両方が開くことによって、消火器を取り出すために充分な開口が形成でき、筐体がかなり低い位置にあっても、容易に消火器を取出すことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による消火栓装置の正面図であり、図2にその平面図を示す。図1において、本発明の消火栓装置1は架台2aの上に筐体2を乗せており、筐体2のサイズは高さ方向の小型化を図るため、例えば架台2aを含む高さが約65cmで、横幅が例えば2.26m程度としており、従来の消火栓装置に比べるとかなり高さが低い横長の形状を持っている。
【0016】
消火栓装置1の筐体2には消火栓扉が設けられており、本発明にあっては消火栓扉を消火栓正面扉3と消火栓天井扉4で構成している。消火栓正面扉3は筐体2の正面に配置され、下部を中心に下開きする扉構造を持っている。これに対し消火栓天井扉4は、図2の平面図から明らかなように筐体2の上面に配置され、背後側を中心に上開きする扉構造を備えている。
【0017】
即ち消火栓天井扉4は、背後側の両側に設けたヒンジ4aを中心に上開きに回動する。この消火栓天井扉4の内部にはラッチ4bが設けられており、消火栓正面扉3の閉鎖状態でラッチ4bが係合し、消火栓天井扉4を閉鎖状態に保持している。
【0018】
また、消火栓天井扉4の内部両側にはダンパ4cが設けられている。ダンパ4cは消火栓天井扉4を開放方向に付勢すると共に開放時に所定の開放位置に保持するリンク機構として設けられている。
【0019】
再び図1を参照するに、消火栓正面扉3には開閉ハンドル3aが設けられ、開閉ハンドル3aを引くことで消火栓正面扉3を下側を回転軸に前方に開放することができ、これに連動して消火栓天井扉4が上方に自動的に開放する。この実施形態において消火栓正面扉3の開放位置は、後の説明で明らかにするように90°より手前の所定位置となる第1位置と90°開いた第2位置との2段階の開放位置を持っている。
【0020】
また本発明の消火栓装置1の左側には消火器扉が設けられている。消火器扉は消火器正面扉5と消火器天井扉6で構成される。消火器正面扉5は扉下部または扉側部を中心に開放する扉構造を持っている。
【0021】
消火器天井扉6は図2の平面図に示すように筐体2の上面に配置され、背後側のヒンジ6aを中心に上開きする扉構造を備える。また消火器天井扉6には、消火器正面扉5の開放に連動して自動的に開放させる自動開放機構として、閉鎖状態にある消火器正面扉5に係止して消火器天井扉6を閉鎖位置に保持するラッチ6bと、消火器天井扉6を開放方向に付勢すると共に開放時に所定の位置に保持するリンク機構として動作するダンパ6cを設けている。
【0022】
再び図1を参照するに、消火器正面扉5には開閉ハンドル5aが設けられ、開閉ハンドル5aを引くことで、例えば消火器正面扉5は左側を回転軸に横開きに開放することができる。この消火器正面扉5の開放に伴い、消火器天井扉6が連動して斜め上方に開放し、消火器天井扉6と消火器正面扉5の上向きの開口部から内部の消火器を取り出すことができる。
【0023】
消火器正面扉5と消火栓正面扉3の間には、手動発信機7a、赤色表示灯7b及び応答ランプ7cが設けられている。ここで手動発信機7aは、斜め上向きの傾斜面に設けられている。トンネル内での火災事故の際には、手動発信機7aのボタン操作により監視室などに非常通報ができ、非常通報の確認が行われると応答ランプ7cが点滅する。赤色表示灯7bは消火栓装置1の設置位置を示している。
【0024】
図3は図1,図2に示した本発明の消火栓装置1のトンネル内における設置状態の例である。この設置例にあっては、トンネル側壁8に沿った通路9aに対し、20〜30cm程度の段差を持って路面9bが施工されている。この通路9a上には本発明の消火栓装置1が設置されている。
【0025】
このように本発明の消火栓装置1は、その高さが人の膝付近とかなり低くなるが、例えば消火器を取り出す際には図1,図2に示した消火器正面扉5と消火器天井扉6の両方が開くことから、容易に消火器を取り出すことができる。また消火栓正面扉3の開放に連動して消火栓天井扉4も開いているため、消火後にホースを筐体2内に収納する際の作業も容易にできる。
【0026】
図4は本発明の消火栓装置1における消火器扉の開放状態の説明図である。図4において、消火栓装置1に収納している消火器を取り出す際には、消火器正面扉5に設けている開閉ハンドル5aを引くと、この実施形態にあっては消火器正面扉5は側部を中心に横に開くことができる。
【0027】
この消火器正面扉5の開放に伴い、ラッチ6bによる消火器正面扉5に対する係止が解除され、消火器天井扉6がダンパ6cの力により図示のように自動的に上方に開口する。このため、消火器正面扉5による開口部及び消火器天井扉6による開口部から内部の消火器を取り出すことができ、筐体2の高さが約65cmとかなり低くとも容易に消火器を取り出すことができる。
【0028】
また消火栓正面扉3についても、その開閉ハンドル3aを引くことにより、消火栓正面扉3' に示す90°より手前の位置に開く。この消火栓正面扉3の開放に連動して図2のラッチ4bによる保持が解除され、ダンパ4cによって消火栓天井扉4'のように自動的に開放する。
【0029】
本発明の実施形態にあっては、消火栓正面扉3は消火栓正面扉3'ように90°より少ない第1位置に開き、これによって扉が開いたときのホースの取出し位置を、可能な限り人の持つホースの高さの位置に近づけるようにしている。また消火後にホースを収納する際には、消火栓正面扉3'の位置から90°開いた消火栓扉3''の位置に開放することができる。
【0030】
図5は本発明における消火栓装置1の消火器扉の開放状態の他の実施形態の説明図である。この実施形態にあっては、消火器正面扉5は下部を中心に下開きするようにしている。このため消火器正面扉5は、扉下部で筐体2側にヒンジにより回転自在に装着されており、ダンパ5bにより開放位置を保持できるようにしている。消火器正面扉5に対する消火器天井扉6の配置構成は、図4の実施形態と同じである。
【0031】
即ち図5の実施形態にあっても、消火器正面扉5に設けている開閉ハンドル5aを引くことにより、消火器正面扉5をダンパ5bで決まる上向きの位置に開くことができる。この消火器正面扉5の開放に連動して、ラッチ6bによる消火器天井扉6の保持が解除され、ダンパ6cにより消火器天井扉6は図示のように上方に開放する。
【0032】
このように消火器正面扉5及び消火器天井扉6が共に上向きに開放することで、筐体2の高さが70cmとかなり低くとも十分な開口部を上方に開き、内部の消火器を容易に取り出すことができる。なお、消火栓正面扉3及び消火栓天井扉4の開放動作は図4の実施形態と同じである。
【0033】
図6は図1の消火栓正面扉3を外して内部構造を示した説明図である。消火栓正面扉の内部には支持パイプ10とホース収納枠11により形成されたホース収納部が設けられており、この中に保形タイプのホース12を内巻き状態で収納している。
【0034】
図7は図6のホース収納部を取り出している。このホース収納部はU字型の支持パイプ10の上部を筐体2内に固定しており、支持パイプ10の側部から上下に開放した箱型にホース収納枠11を取り付けており、ホース収納枠11の中に図6のように保形タイプのホース12を内巻き状態で収納している。
【0035】
再び図6を参照するに、ホース収納部の右側には給水栓13aを備えた給水弁13が設けられ、給水栓13aにホースを接続して給水弁13のハンドルを回すことで給水ができる。給水弁13の背後には後の説明で明らかにするように給水接続口が設けられ、下部から立ち上げられた給水配管が接続され、消火ポンプ設備からの加圧消火用水を供給することができる。
【0036】
給水弁13に続いては消火栓弁14が設けられる。消火栓弁14は後の説明で明らかにする扉内側の消火栓弁開放レバーとワイヤー接続されており、レバー操作に伴って消火栓弁14を開き、ホース12側に加圧消火用水を供給できる。消火栓弁14に続いては自動調圧弁15が設けられる。自動調圧弁15の出口側には安全弁16が設けられ、所定圧を超えた場合に安全弁16が作動して排水するようにしている。
【0037】
安全弁16に続く配管路は、左側のホース収納枠11に内巻き状態で収納されたホースの端部が接続される。またホース収納枠11の右側には、後の説明で明らかにする消火栓正面扉3を開いた際の衝撃吸収のための緩衝用ダンパ18が設けられている。
【0038】
緩衝用ダンパ18の右側の筐体内にはポンプ起動スイッチ17が設けられており、手動操作によってポンプ起動を可能としている。筐体2の左側に配置した消火器正面扉5の内側には2本の消火器19が収納されている。
【0039】
図8は図1の消火栓装置1の消火栓正面扉3及び消火栓天井扉4を開いた状態での内部構造の平面図である。なお天井面側については透視状態で内部構造を示している。
【0040】
消火栓正面扉3と筐体2との間には緩衝用ダンパ18が設けられ、消火栓正面扉3を滑らかに開放できるようにしている。消火栓正面扉3は下部を中心とした回転軸を備えたラッチ付ヒンジ22で支持されている。
【0041】
このラッチ付ヒンジ22は、消火栓正面扉3を開閉ハンドルの操作で最初に開いた際には、図9の側面図のように90°開放した消火栓正面扉3'' の第2位置に対し、それより手前の斜め上向きの消火栓正面扉3'で示す第1位置に開放するラッチ機構を備えている。また図9の90°手前の最初の開放位置となる消火栓正面扉3'の位置でラッチ付ヒンジ22のラッチを解除すると、90°開いた消火栓天井扉3''の第2位置に開くことができる。
【0042】
消火栓天井扉4の内側の右側部分には消火栓弁開閉レバー23が設けられている。消火栓弁開閉レバー23を手前に操作すると、ワイヤー連結された図6の消火栓弁14が開放位置に切り替わる。このときレバー下部に設けているポンプ起動用連動スイッチ(図示せず)がオンし、消火ポンプ設備のポンプ起動を行うことができる。
【0043】
ノズル21からの放水を停止したい場合には、消火栓弁開閉レバー23を図示の初期位置に戻せばよく、これによりワイヤー連結されている消火栓弁14が閉鎖位置に切り替えられる。同時に、初期位置に戻したレバーの下部に設けているポンプ起動用連動スイッチがオフする。消火ポンプの停止は、消火ポンプ設備に設けているポンプ制御盤のスイッチ操作で行う。
【0044】
筐体2のホース収納枠11の中に内巻き状態で収納した保形タイプのホース12は、U字型に形成した支持パイプ10の間を通って扉側に引き出されており、更に消火栓正面扉の内側に設けた逆U字型のホースガイド20を通してノズルへの接続が行われている。
【0045】
ホースガイド20は図9の消火栓正面扉3'の開放位置における床面からの高さHが90°開いた消火栓正面扉4''の第2位置より高くして、下のノズル付きホースを消火栓装置1から引き出す際のホースの持っている高さとの差を最小限に抑えるようにしている。
【0046】
次に本発明の消火栓装置を用いたトンネル内での火災事故に対する消火活動を説明すると、次のようになる。
【0047】
トンネル内には例えば50mおきに本発明の消火栓装置1が設置されている。トンネル内での火災事故が発生した際には、近くに設置されている消火栓装置1に行き、図1のように消火栓正面扉3に設けている開閉ハンドル3aを持って手前に扉を引く。
【0048】
このとき必要があれば手動発信機7aの押しボタンを押し、火災事故の発生を防災センターに通知する。防災センター側で確認が行われると応答ランプ7cが点滅状態となり、通報が確認できる。
【0049】
開閉ハンドル3aを持って消火栓正面扉3を開くと、消火栓正面扉3は図8のように90°開いた位置より手前の第1位置に停止し、ホースガイド20の高さを人が引き出すホースの高さに合わせる。この消火栓正面扉3の開放に伴って、例えば図4または図5のように消火栓天井扉4が自動的に上方に開放する。
【0050】
この状態で図8のように消火栓正面扉3の内側に装着されているノズル21を取り出し、ホース12を火災現場に向けて引き出す。このとき勢いよくホース12を引き出しても、消火栓正面扉3の内側に設けたホースガイド20を通してホースを引き出しているため必要以上にホースが内巻き状態から引き出されてしまうことが防止できる。
【0051】
またノズル21を持ってホースを引き出す際には、図8,図9のように消火栓正面扉3の内側に設けている消火栓弁開閉レバー23を手前に操作する。これによって消火ポンプ連動スイッチ(図示せず)がオンし、消火ポンプ設備におけるポンプ起動により加圧消火用水の供給が開始される。
【0052】
同時にワイヤーにより消火栓弁14が開き、これによって取扱者は、手に持ったノズル21から放水しながら火災現場に向けてホースを引き出して消火を行う。
【0053】
消火が完了して鎮火したならば、扉内に設けている消火栓弁開閉レバー23を元に戻し、ポンプ室のポンプ制御盤の停止スイッチを押すことにより消火ポンプを停止して放水を停止できる。
【0054】
消火が済んだホース12は、監視員が筐体2内のホース収納枠11の中に内巻き状態で戻す。このとき図9の消火栓正面扉3'のように第1位置に開いている状態で、そのラッチ付ヒンジ22のラッチを解除することで、90°開いた第2位置に消火栓正面扉3''のように開くことができる。
【0055】
このように90°開いた消火栓正面扉3''の第2位置にすることで、筐体2内のホース収納枠11の中に支持パイプ10による開口部を通してホース12を内巻き状態に収納する巻き戻し作業が容易になる。
【0056】
また、消火栓正面扉3の開放に連動して消火栓天井扉4が例えばθ=60°といった斜め上方に開放しているため、筐体2の高さが約65cmとかなり低くとも、ホース収納作業の際に筐体2の内部のホース収納枠11を斜め上方から容易に見ることができ、ホースの巻き戻し作業をホースの収納状態を見ながら確実且つ容易に行うことができる。
【0057】
一方、車両火災の際に消火器を使用したい場合には、図1の消火栓装置1の消火器正面扉5に設けている開閉ハンドル5aを引くことにより、例えば図4のように消火栓正面扉5を開く。この消火栓正面扉5の開放に連動して、ラッチ6bによる解除でダンパ6cにより消火器天井扉6が自動的に上向きに開放する。
【0058】
このような消火器正面扉5及び消火器天井扉6の開放により、筐体2の高さが70cm程度とかなり低くとも十分な開口部が与えられ、内部の消火器を容易に取り出すことができる。
【0059】
図10は本発明における消火栓装置の他の実施形態である。この消火栓装置1にあっては、その横に自動弁格納ユニット24を一体に並べて形成している。消火栓装置1側は、図1〜図9に示したと同じ構造を持っている。このように本発明の消火栓装置は、他のユニットと組み合わせてトンネル内に配置されることもある。
【0060】
なお上記の実施形態にあっては、消火器扉を構成する消火器正面扉5と消火器天井扉6について、消火器正面扉5側を手動操作により開放すると、これに連動して消火器天井扉6が自動開放される場合を例にとっているが、逆に消火器天井扉6側を開閉ハンドルにより開くと、これに連動して消火器正面扉5側が自動開放するように構成しても良い。
【0061】
また上記の実施形態は消火栓装置1の消火栓扉と消火器扉の両方について、正面扉と天井扉に分けて構成し、一方の扉開放に連動して他方の扉を自動開放させる場合を例にとっているが、消火器扉または消火栓扉についてのみ本発明を適用した消火栓装置としてもよいことはもちろんである。
【0062】
更に本発明は筐体の高さが約65cmと比較的低い消火栓装置を例にとるものであったが、これより高い消火栓装置についても同様に適用してもよいことはもちろんである。
【0063】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、消火栓扉を正面扉と天井扉に分けて構成し、正面扉を手動操作で下開きすると、これに連動して天井扉が自動的に上開きし、天井扉が開くことによって筐体内部のホース収納位置を上から見ることができ、筐体がかなり低い位置にあっても、ホースを容易に収納でき、消火後におけるホース収納作業を短時間で効率よく終わらせることができる。
【0064】
また本発明にあっては、消火器扉を正面扉と天井扉に分けて構成しており、例えば正面扉を下開きすると、これに連動して天井扉が自動的に上開きし、正面扉及び天井扉の両方が開くことによって消火器を取り出すための十分な開口が形成でき、筐体がかなり低い位置にあっても、容易に消火器を取り出して迅速に消火活動を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による消火栓装置の正面図
【図2】本発明による消火栓装置の平面図
【図3】本発明による消火栓装置のトンネル内の設置例の説明図
【図4】消火器正面扉を横開きとした本発明による消火栓装置の扉開放状態の説明図
【図5】消火器正面扉を下開きとした本発明による消火栓装置の扉開放状態の説明図
【図6】図1の消火栓正面扉を外した状態での内部構造の説明図
【図7】筐体内のホース収容部を取出した説明図
【図8】図1の消火栓装置の扉を開いた状態での内部構造の平面図
【図9】図8の側面図
【図10】本発明による消火栓装置の他の実施形態の正面図
【図11】従来の消火栓装置の説明図
【符号の説明】
1:消火栓装置
2:筐体
2a:架台
3:消火栓正面扉
3a,5a:開閉ハンドル
4:消火栓天井扉
4a,5b,6a:ヒンジ
4b,6b:ラッチ
4c,6c:ダンパ
7a:手動発信機
7b:赤色表示灯
7c:応答ランプ
8:トンネル側壁
9a:通路
9b:路面
10:支持パイプ
11:ホース収納枠
12:ホース
13:給水弁
14:消火栓弁
15:自動調圧弁
16:安全弁
17:ポンプ起動スイッチ
18:緩衝用ダンパ
19:消火器
20:ホースガイド
21:ノズル
22:ラッチ付ヒンジ
23:消火栓弁開閉レバー
24:自動弁格納ユニット
Claims (4)
- 筐体内にノズル付きホースを収容し、消火時に筐体の消火栓扉を開いて前記ノズル付きホースを引き出して消火する消火栓装置において、
前記消火栓扉は、筐体の正面に配置される正面扉と、筐体上面に配置され該正面扉の開放に連動して上開きする自動解放機構を備えた天井扉からなり、
前記正面扉は、筐体の正面に配置され筐体正面の下部を中心に下開きするとともに、
前記天井扉は、筐体の上面に配置され筐体上面の背後側を中心に上開きする、
ことを特徴とする消火栓装置。 - 請求項1記載の消火栓装置に於いて、前記自動開放機構は、閉鎖状態にある前記正面扉に係止して前記天井扉を閉鎖位置に保持するラッチと、前記天井扉を開放方向に付勢すると共に開放時に所定の開放位置に保持するリンク機構と、を備えたことを特徴とする消火栓装置。
- 筐体内にノズル付きホースを収容し、消火時に筐体の消火栓扉を開いて前記ノズル付きホースを引き出して消火すると共に、筐体内に消火器を収容し、消火時に筐体の消火器扉を開いて前記消火器を取出して消火する消火栓装置において、
前記消火器扉は、筐体の正面に配置される正面扉と、筐体上面に配置される天井扉からなり、
前記正面扉は、筐体の正面に配置され筐体正面の下部または側部を中心に開くとともに、
前記天井扉は、筐体上面に配置され筐体上面の背後側を中心に上開きし、
前記消火器扉は、前記正面扉又は天井扉のいずれか一方の開放に連動して他方を開放させる自動開放機構を備えたことを特徴とする消火栓装置。 - 請求項3記載の消火栓装置に於いて、前記自動開放機構は、閉鎖状態にある一方の扉に係止して他方の扉を閉鎖位置に保持するラッチと、前記他方の扉を開放方向に付勢すると共に開放時に所定の開放位置に保持するリンク機構と、を備えたことを特徴とする消火栓装置。
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