JP3574709B2 - 自動車用複合スイッチレバー装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のステアリングコラムに設けられる複合スイッチレバーに一体的に組み込まれる各種スイッチの改良に係り、殊にヘッドライト及びスモールライトの切替を行うライト種切替スイッチとフォグライト点滅スイッチを具備した自動車用複合スイッチレバー装置の改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、自動車のステアリングコラムに設けた複合スイッチレバーに、手動によって点滅または切替操作する二個以上のロータリースイッチを配設した構造のものとしては、例えば、実公昭５９−２５７０８号が知られている。この種の従来の複合スイッチレバーは、図８の（ａ）及び（ｂ）に示すように、該複合スイッチレバー５０にターンシグナル切替スイッチ５１とライト種切替スイッチ５２、ディマー切替・パッシングスイッチ５３及びフォグライト点滅スイッチ５４を構成している。
【０００３】
然るに上記ライト種切替スイッチ５２とフォグライト点滅スイッチ５４は、複合スイッチレバー５０においてそれぞれロータリーの独立したスイッチノブが構成されている。即ち、両スイッチは一つの複合スイッチレバー５０に設けられてはいるが、ライト種の切替及び点滅操作とフォグライトの点滅操作は別個の操作によって行う作動的に独立した構造になっている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
従って、ライト種切替スイッチ５２を「ＯＦＦ」しても、フォグライト点滅スイッチ５４が「ＯＮ」の状態にあることが生じ、消し忘れの惧れがある。またフォグライトを「ＯＮ」するときは前後のスモールライト及び／又は尾灯も「ＯＮ」する必要があるから、前照灯を「ＯＮ」したとき連動して「ＯＮ」するための尾灯回路を併せると、尾灯回路がライト種切替スイッチ５２とフォグライト点滅スイッチ５４の二回路存在することになり、ハーネスが複雑になり、生産コストにも悪い影響を及ぼすといった問題を有していた。
【０００５】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、自動車のステアリングコラムに設けた複合スイッチレバーにおいて、内蔵したライト種切替スイッチとフォグライト点滅スイッチを作用的に連動させると共に、スイッチに導通する回路数を減少することができる構造を提供せんとするものである。
【０００６】
即ち、ライト種切替スイッチとフォグライト点滅スイッチの両スイッチを「ＯＮ」した状態からライト種切替スイッチを手動で「ＯＦＦ」させると、フォグライト点滅スイッチも連動して「ＯＦＦ」する。また、両スイッチが「ＯＦＦ」状態のとき、フォグライト点滅スイッチを手動で「ＯＮ」させると、ライト種切替スイッチも連動してスモールライトが「ＯＮ」するように作動する自動車用複合スイッチレバー装置を提供することを目的とするものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る自動車用複合スイッチレバー装置は、自動車のステアリングコラムに固設する枢設ブロックに基部を枢着して揺動する複合スイッチレバーに複数のロータリースイッチを組み付けてなる自動車用複合スイッチレバー装置において、前記複合スイッチレバーに、ライト種の切替を行うライトスイッチノブと、フォグライトを点滅駆動するフォグスイッッチノブをそれぞれ同軸位置に回動自在に軸設してなり、前記ライトスイッチノブとフォグスイッッチノブが、連動するスイッチが複数のスイッチ端子を選択切替するライト種切替スイッチとスイッチ端子間を断続するフォグライト点滅スイッチを構成してなり 、連結突起を突設したライトスイッチノブと、円周方向に延びる長孔状の貫通孔を穿設した固定ノブと、長孔状の干渉孔を穿設したフォグスイッッチノブとで関連作動機構を構成し、前記連結突起の先端を貫通孔を貫挿した後、干渉孔に挿入すると共に、貫通孔と干渉孔の円周方向の角度を、それぞれ連結突起の円周方向の角度とライトスイッチノブの回転角の和と一致するように前記ライトスイッチノブとフォグスイッッチノブを所定の遊び角度をもって機械的に回動連結した前記関連作動機構を介して連結構成し、ライト種切替スイッチの「ＯＦＦ」位置とフォグライト点滅スイッチの「ＯＦＦ」位置、フォグライト点滅スイッチの「ＯＮ」位置とライト種切替スイッチの「ＯＦＦ」位置を除く他の位置とが同一角度範囲となるように関連付けられた構造としたことを要旨とするものである。
【０００８】、
【作用】
上記ライト種切替スイッチとフォグライト点滅スイッチは、周方向に所定の遊びをもって干渉する関連動作構造を介して機械的に回動連結してある。従って、フォグスイッチノブのスイッチ操作に際して、フォグライト点滅スイッチを「ＯＮ」位置にセットすると、該関連動作構造がライトスイッチノブをライト種切替スイッチが「ＯＮ」位置になるように回動して自動車のスモールライトを点灯する。また、フォグライトを点灯しているとき、ライトスイッチノブのスイッチ操作に際して、ライト種切替スイッチを「ＯＦＦ」位置にセットすると、該関連動作構造がフォグスイッチノブをフォグライト点滅スイッチが「ＯＦＦ」位置になるように回動してフォグライトを消灯する。従って、ライト種切替スイッチ「ＯＦＦ」時のフォグライトの消し忘れ、または、フォグライト点灯時のスモールライトの点灯忘れを解消することができる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る自動車用複合スイッチレバー装置の一実施形態を図１乃至図７に従って説明する。本発明の自動車用複合スイッチレバー装置は、自動車のステアリングコラムに設置したスイッチベース（図示せず）に固設する枢設ブロック１と該枢設ブロック１に基部を枢着し、ステアリング軸に対して周方向及び軸方向に揺動する複合スイッチレバー２とから構成してなる。
【００１０】
上記枢設ブロック１は、ケーシング３の底部に固定極盤４を組付固着すると共に、揺動ブロック５を該部材に突設した突軸６を旋回中心としてステアリング軸に対して周方向揺動自在に軸設内装し、カバー部材７によって被蓋した構造になる。揺動ブロック５の両側方には、コイルスプリング８，８により両側方に向かって突出するように弾性付勢した一対の突出子９，９が突設弾装され、該揺動ブロック５を中立位置に弾性保持してなる。
【００１１】
上記複合スイッチレバー２は、例えば、自動車のターンシグナルスイッチ、パッシングスイッチ、及びメインディマスイッチ等の操作部材であり、揺動ブロック５の突軸６を中心として前後方向に揺動し、突軸１５を中心として上下方向に揺動する。該複合スイッチレバー２は、先端にフォグスイッチノブ２８とライトスイッチノブ２５の二つのロータリースイッチノブと、外筒軸１４の先端に固定した固定ノブ２７とを配置している。該複合スイッチレバー２は、先端側をラッパ状に開口するとともに、その中央からハーネス挿通孔１４ｂを突出している。
【００１２】
また符号１０は該揺動ブロック５の上面に枢設され、コイルスプリング１１によって引張り弾性付勢したキャンセル揺動子１２と干渉して所定角度の旋回姿勢を維持せしめる周方向係止部材であり、図示しないステアリング軸に突設した戻し突起がキャンセル揺動子１２を回動変位すると周方向係止部材１０が外れて揺動ブロック５が安定姿勢に復帰する構成になる。
【００１３】
上記揺動ブロック５には、レバー軸１３を軸挿した外筒軸１４の基端部が、突軸１５を介してステアリング軸方向に揺動自在に枢着してあり、該基端部から突出するようにコイルスプリング１６を介して弾挿したベアリングコロ１７を揺動ブロック５の対向する内壁に押圧し、所定角度位置でクリックストップする構成になる。
【００１４】
また符号１８，１９及び２０は、各導電性の短絡子１８ａ，１９ａ，２０ａを複数個、それぞれバネ材１８ｃ，１９ｃ，２０ｃを介して配設したスイッチ摺動子であり、該各短絡子１８ａ，１９ａ，２０ａが上記固定極盤４の上面に配置固設したスイッチ端子群４ａと干渉摺接するように、揺動ブロック５と固定極盤４間に枢設してなる。
【００１５】
上記スイッチ摺動子１８は、揺動ブロック５の下面に突設した干渉突起５ａを該スイッチ摺動子１８の上面に構成した係合溝１８ｂと横方向にのみ干渉するように遊嵌し、複合スイッチレバー２の周方向の揺動により固定極盤４との相対位置を切り替え維持するターンシグナル切替スイッチ２１を構成してなる。
【００１６】
またスイッチ摺動子１９は、該上面に穿設した係合長孔１９ｂに複合スイッチレバー２の外周軸１４の内端に突設した干渉突起２２を縦方向にのみ干渉するように遊嵌し、複合スイッチレバー２の縦方向の揺動により固定極盤５との相対位置を切り替えるディマー切替・パッシングスイッチ２３を構成してなる。
【００１７】
更に上記第三のスイッチ摺動子２０は、ライト種切替スイッチ２４を構成するものである。先端側にロータリーライトスイッチノブ２５を軸着したレバー軸１３の基端側にはカム部材２６を軸着すると共に、該カム部材２６の干渉突起２６ａを上記スイッチ摺動子２０の上面に構成した係合溝２０ｂと横方向にのみ干渉するように遊嵌してなる。ライトスイッチノブ２５を回動すると、カム部材２６が回動して干渉突起２６ａがスイッチ摺動子２０を横方向に摺動し、上記固定極盤５との相対位置を数段階にクリック変更する構造になる。
【００１８】
複合スイッチレバー２の先端側のラッパ状開口部には、リード線を接続した略リング状のフォグライト用固定極盤３０が嵌着される。上記リード線は、複合スイッチレバー２内を挿通して突軸１５の近傍から引き出される。上記フォグライト用固定極盤３０は、フォグスイッチノブ２８の短絡子３０ａに接触する固定接点と、上記リード線に半田付けする端子を有するプリント基板等でなる。
【００１９】
上記外筒軸１４の端部外周には、固定ノブ２７を外挿一体化した構造になり、該固定ノブ２７のカラー部２７ａに円環状のロータリーフォグスイッチノブ２８を外挿し、外筒軸１４と固定ノブ２７間に軸設してなる。上記外筒部１４には、フォグライト用固定極盤３０、短絡子３０ａ、フォグスイッチノブ２８を挿通し、かつ先端部外周に形成した孔に、固定ノブ２７の爪を係合している。上記孔１４ａが爪２７ｄに係合することで、フォグスイッチノブ２８が複合スイッチレバー２に回動自在に保持され、固定ノブ２７が複合スイッチレバー２に嵌着される。また、上記外筒部１４は、上下面に形成した切欠部１４ｄに上記固定ノブ２７のガタ防止部２７ｅが合致することで、上記固定ノブ２７が外筒部１４に堅固される。
【００２０】
フォグスイッチノブ２８は固定ノブ２７との組付に際して、フォグスイッチノブ２８の端面から突出するように弾挿したコイルスプリング３７，３７によってクリック係止ボール３５，３５を、固定ノブ２７に構成した鋸歯状の節度山を円弧状に並設してなる節度係止構造２７ｂ，２７ｂに対向して押圧付勢してなる。
【００２１】
前記固定ノブ２７は、貫通孔３１の円周方向の両側側壁に、前記フォグスイッチノブ２８の係止突起２８ｂ，２８ｂ間の空隙２８ｂに移動自在に挿入される節度係止構造２７ｂと、前記係止突起２８ｂ，２８ｂの側壁が衝当する当接立壁２７ｃと、を形成している。
【００２２】
また同時にフォグスイッチノブ２８のカラー部２８ａに構成した係止突起２８ｂ（円周方向の角度＝θａ）は、固定ノブ２７の対向面に構成した当接立壁２７ｃ，２７ｃ（当接立壁間の円周方向の角度＝θｂ）に位置するようになり、フォグスイッチノブ２８は所定の角度範囲（θｂ−θａ＝２５°）でクリック回動する構造になる。
【００２３】
上記フォグライト用固定極盤３０は、上記外筒軸１４の端部に固設したプリント基板等でなり、該フォグスイッチノブ２８の他端部に固着した導通性の短絡子３０ａは、バネ材３０ｂによって弾発され該フォグライト用固定極盤３０と摺接回動し、該極盤の端子間を短絡または開放するフォグライト点滅スイッチ２９を構成すると共に、該フォグライト点滅スイッチ２９から導出するスイッチハーネス２９ａは、外筒軸１４の裏側側面位置に形成したハーネス挿通孔１４ｂを経由して導出してなる。
【００２４】
尚、該フォグライト点滅スイッチ２９で点灯及び消灯するフォグライトは、車体の前方に設置されるフロントフォグライトでも、また車体の後方に設置されるリアフォグライトでも、どちらであってもよい。
【００２５】
上記ライト種切替スイッチ２４とフォグライト点滅スイッチ２９は、固定ノブ２７に貫設した貫通孔３１を介して点滅作動するための円周方向に干渉する関連作動機構Ａを構成してなる。即ち符号３２，３２は、ライトスイッチノブ２５の一端からレバー軸１３と平行に突出した連結突起であり、該連結突起３２，３２は円周方向の幅の角度がθｔになり、固定ノブ２７の貫通孔３１，３１（円周方向の角度θｃ）をそれぞれ貫挿して先端をフォグスイッチノブ２８に穿設した干渉孔３３（円周方向の角度θｃ）に挿入した構造になる。
【００２６】
該ライトスイッチノブ２５は固定ノブ２７との組付に際して、固定ノブ２７の端面から突出するように弾挿したコイルスプリング３６，３６によってクリック係止ボール３４，３４を、ライトスイッチノブ２５に構成した鋸歯状の節度山を円弧状に並設してなる節度係止構造２５ａ，２５ａに対向して押圧付勢してなる。
【００２７】
また上記貫通孔３１と干渉孔３３の周方向の角度θｃは、それぞれ連結突起３２の円周方向の角度がθｔとライトスイッチノブ２５の回転角（θ＝５０°）の和（５０°＋θｔ）と一致するように構成されると共に、ライトスイッチノブ２５が、第一段目と第二段目のスイッチ作動角度がそれぞれ２５°になるように上記節度係止構造２５ａの該当位置に他の部分より深い係止部を構成してなる。
【００２８】
即ち、固定ノブ２７の貫通孔３１，３１は、ライトスイッチノブ２５の回動θを妨げないような円周方向に延びる長孔（円周方向の角度θｃ＝５０°＋θｔ）を形成すると共に、フォグスイッチノブ２８の干渉孔３３，３３も、円周方向の角度を同じく５０°＋θｔに構成してある。
【００２９】
従って、フォグライト点滅スイッチ２９を「ＯＮ」するためにフォグスイッチノブ２８を回転（回転角度２５°）したときライトスイッチノブ２５が「ＯＦＦ」ポジションＰ０にあると、該ライトスイッチノブ２５の連結突起３２に干渉孔３３の孔端が当突干渉してライトスイッチノブ２５を第一ポジションＰ１に連動回転（回転角度２５°）する構造になる。
【００３０】
また、ライト種切替スイッチ２４を「ＯＦＦ」するためにライトスイッチノブ２５を第一ポジションＰ１から「ＯＦＦ」ポジションＰ０に回転（回転角度２５°）したときフォグスイッチノブ２８が「ＯＮ」位置にあると、該フォグスイッチノブ２８の干渉孔３３の孔端に連結突起３２が当突干渉してフォグスイッチノブ２８を「ＯＮ」ポジションＰ４から「ＯＦＦ」ポジションＰ３に連動回転（回動角度２５°）する構造になる。
【００３１】
尚、符号３８は上記レバー軸１３の先端に構成した周溝１３ａに板バネ片部２５ａの嵌合リブ２５ｂを回動自在に嵌入し抜け止め構造としたライトスイッチノブ２５の端部に嵌着してなる端部キャップであり、ライトスイッチノブ２５の周壁の内側に位置して構成した係合鉤２５ｃ，２５ｃを端部キャップ３８の筒壁３８ａに穿設した係合孔３８ｂ，３８ｂとそれぞれ部材の弾性を利用して係着すると共に、上記板バネ片部２５ａを外方から筒壁３８ａによって内方に押圧し、嵌合一体化してなる。
【００３２】
次に上記構成になる自動車用複合スイッチレバー装置の関連作動機構Ａの動作を、図５乃至図７に従って説明する。図７の（ａ）は、ライト種切替スイッチ２４のライトスイッチノブ２５の回動範囲と各スイッチのポジションを示す説明図、（ｂ）は、フォグライト点滅スイッチ２９のフォグスイッチノブ２８の回動範囲と「ＯＮ」「ＯＦＦ」位置を示す説明図である。
【００３３】
ライトスイッチノブ２５はライト種切替スイッチ２４の「ＯＦＦ」位置と対応する位置Ｐ０から例えば２５°回転して第一ポジションＰ１、更に例えば２５°回転して第二ポジションＰ２が位置するように５０°の回動範囲θを有し、第一ポジションＰ１がヘッドライト「ＯＮ」位置、第二ポジションＰ２がスモールライト「ＯＮ」位置（Ｐ１でもスモールライトは「ＯＮ」状態である）に設定してある。
【００３４】
またフォグスイッチノブ２８はフォグライト点滅スイッチ２９の「ＯＦＦ」位置と対応する「ＯＦＦ」ポジションＰ３から例えば２５°回転して「ＯＮ」位置と対応する「ＯＮ」ポジションＰ４が構成されている。
【００３５】
従って、ライト種切替スイッチ２４とフォグライト点滅スイッチ２９の両スイッチが「ＯＦＦ」の状態から、フォグスイッチノブ２８を回動してフォグライト点滅スイッチ２９を手動で「ＯＮ」させると、干渉孔３３の孔端が連結突起３２を押圧してライトスイッチノブ２５を２５°回動変位し、ライト種切替スイッチ２４を第一ポジションＰ１に回動する。而して該第一ポジションＰ１はヘッドライト「ＯＮ」位置に対応し、スモールライトと一緒にフォグライトが点灯する。
【００３６】
この状態からライト種切替スイッチ２４を第二ポジションＰ２に切り替えるべくライトスイッチノブ２５を２５°回動すると、該ライトスイッチノブ２５から突出した連結突起３２はフォグスイッチノブ２８の干渉孔３３を摺動変位して該孔端と当突干渉することがなく、ヘッドライトが点灯する。
【００３７】
また上記ライト種切替スイッチ２４とフォグライト点滅スイッチ２９の両スイッチが「ＯＮ」の状態からライトスイッチノブ２５を「ＯＦＦ」ポジションＰ０に回動してライト種切替スイッチ２４を手動で「ＯＦＦ」させると、連結突起３２が干渉孔３３の孔端と第一ポジション位置Ｐ１から「ＯＦＦ」ポジションＰ０に至る範囲で干渉する。
【００３８】
而して、該干渉孔３３の孔端を押圧してフォグスイッチノブ２８を「ＯＦＦ」ポジションＰ３位置に回動変位し、フォグライト点滅スイッチ２９を「ＯＦＦ」するように作動し、ヘッドライトと共にフォグライトが消灯する。ライト種切替スイッチ２４とフォグライト点滅スイッチ２９の両スイッチはこのようにして作用的に連結してなる。
【００３９】
尚、本発明のフォグスイッチノブ２８は、上述したような回動操作が１段のロータリースイッチでも、又はライトスイッチノブ２５のように回動操作が２段のロータリースイッチのノブでもよい。この場合、フォグスイッチノブ２５は、例えば、第１段目の回動操作でフロントフォグライトと共にスモールライトが点灯するようにし、第２段目の回動操作でリアフォグライトが点灯するようにする。また、該フォグスイッチノブ２５は、第２段目から第１段目に戻し操作したとき、リアフォグライトが消灯し、元のＯＦＦ位置に復帰させたときにフロントフォグライトと共にスモールライトが消灯するようにする。
【００４０】
そして、フォグスイッチノブ２８は、ライトスイッチノブ同様、例えば第１段目の回動操作で２５°回動し、第２段目の回動操作で更に２５°回動する。該フォグスイッチノブ２８の回動範囲は、例えば５０°＝（θｂ−θａ）であり、上述した本発明の実施形態における略円弧状の係止突起２８ｂの円周方向の角度θを２５°に削減すればよい。
【００４１】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る自動車用複合スイッチレバー装置は、ステアリングコラムに設けた複合スイッチレバーに組み込んでなる各種スイッチにおいて、ライト種切替スイッチとフォグライト点滅スイッチを、ライトスイッチノブに突設した連結突起とフォグスイッチノブに穿設した干渉孔を回動方向に所定の遊び角度をもたせて干渉させた関連作動機構によって関連付けた構造になる。
【００４２】
このため、ライト種切替スイッチとフォグライト点滅スイッチが「ＯＦＦ」の状態からフォグライト点滅スイッチを手動で「ＯＮ」させると、ライト種切替スイッチを「ＯＮ」位置に回転駆動させスモールライトを点灯すると共に、上記両スイッチを「ＯＮ」した状態からライト種切替スイッチを手動で「ＯＦＦ」させると、フォグライト点滅スイッチも「ＯＦＦ」するように作動し、ライト種切替スイッチとフォグライト点滅スイッチの両スイッチが作動的に連結された構造になる。
【００４３】
従って、降車時のライトの消し忘れ、或はスモールライトの点灯忘れを解消すると共に、各スイッチとライト間のハーネスを一部省略することができ、構造を簡単にすることができる等の特徴を有するものであり、本発明実施後の効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る自動車用複合スイッチレバー装置の一実施形態を示す縦断面図である。
【図２】図１における矢視Ｙ−Ｙ線断面図である。
【図３】同分解斜視図である。
【図４】同関連作動機構の分解した拡大断面図（ａ）とＢ−Ｂ線（ｂ）、Ｃ−Ｃ線（ｃ）、及びＤ−Ｄ線（ｄ）の各断面図である。
【図５】同関連作動機構部材の関係を示す一部切欠した分解斜視図である。
【図６】同固定ノブとライトスイッチノブ関係を示す一部切欠した分解斜視図である。
【図７】（ａ）は、ライト種切替スイッチのライトスイッチノブの回動範囲と各スイッチのスイッチポジションを示す説明図、（ｂ）は、フォグライト点滅スイッチのフォグスイッチノブの回動範囲と「ＯＮ」「ＯＦＦ」のスイッチポジションを示す説明図である。
【図８】従来の自動車用複合スイッチレバー装置を示す図面で、（ａ）は縦断面図、（ｂ）は同図におけるＸ−Ｘ線断面図である。
【符号の説明】
１ 枢設ブロック
２ 複合スイッチレバー
５ 固定極盤
１３ レバー軸
１４ 外筒軸
２１ ターンシグナル切替スイッチ
２３ ディマー切替・パッシングスイッチ
２４ ライト種切替スイッチ
２５ ライトスイッチノブ
２６ カム部材
２７ 固定ノブ
２７ｂ 節度係止構造
２７ｃ 当接立壁
２８ フォグスイッチノブ
２８ａ 短絡子
２８ｂ 係止突起
２８ｄ 空隙
２９ フォグライト点滅スイッチ
３０ フォグライト用固定極盤
３１ 貫通孔
３２ 連結突起
３３ 干渉孔
Ａ 関連作動機構
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のステアリングコラムに設けられる複合スイッチレバーに一体的に組み込まれる各種スイッチの改良に係り、殊にヘッドライト及びスモールライトの切替を行うライト種切替スイッチとフォグライト点滅スイッチを具備した自動車用複合スイッチレバー装置の改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、自動車のステアリングコラムに設けた複合スイッチレバーに、手動によって点滅または切替操作する二個以上のロータリースイッチを配設した構造のものとしては、例えば、実公昭５９−２５７０８号が知られている。この種の従来の複合スイッチレバーは、図８の（ａ）及び（ｂ）に示すように、該複合スイッチレバー５０にターンシグナル切替スイッチ５１とライト種切替スイッチ５２、ディマー切替・パッシングスイッチ５３及びフォグライト点滅スイッチ５４を構成している。
【０００３】
然るに上記ライト種切替スイッチ５２とフォグライト点滅スイッチ５４は、複合スイッチレバー５０においてそれぞれロータリーの独立したスイッチノブが構成されている。即ち、両スイッチは一つの複合スイッチレバー５０に設けられてはいるが、ライト種の切替及び点滅操作とフォグライトの点滅操作は別個の操作によって行う作動的に独立した構造になっている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
従って、ライト種切替スイッチ５２を「ＯＦＦ」しても、フォグライト点滅スイッチ５４が「ＯＮ」の状態にあることが生じ、消し忘れの惧れがある。またフォグライトを「ＯＮ」するときは前後のスモールライト及び／又は尾灯も「ＯＮ」する必要があるから、前照灯を「ＯＮ」したとき連動して「ＯＮ」するための尾灯回路を併せると、尾灯回路がライト種切替スイッチ５２とフォグライト点滅スイッチ５４の二回路存在することになり、ハーネスが複雑になり、生産コストにも悪い影響を及ぼすといった問題を有していた。
【０００５】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、自動車のステアリングコラムに設けた複合スイッチレバーにおいて、内蔵したライト種切替スイッチとフォグライト点滅スイッチを作用的に連動させると共に、スイッチに導通する回路数を減少することができる構造を提供せんとするものである。
【０００６】
即ち、ライト種切替スイッチとフォグライト点滅スイッチの両スイッチを「ＯＮ」した状態からライト種切替スイッチを手動で「ＯＦＦ」させると、フォグライト点滅スイッチも連動して「ＯＦＦ」する。また、両スイッチが「ＯＦＦ」状態のとき、フォグライト点滅スイッチを手動で「ＯＮ」させると、ライト種切替スイッチも連動してスモールライトが「ＯＮ」するように作動する自動車用複合スイッチレバー装置を提供することを目的とするものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る自動車用複合スイッチレバー装置は、自動車のステアリングコラムに固設する枢設ブロックに基部を枢着して揺動する複合スイッチレバーに複数のロータリースイッチを組み付けてなる自動車用複合スイッチレバー装置において、前記複合スイッチレバーに、ライト種の切替を行うライトスイッチノブと、フォグライトを点滅駆動するフォグスイッッチノブをそれぞれ同軸位置に回動自在に軸設してなり、前記ライトスイッチノブとフォグスイッッチノブが、連動するスイッチが複数のスイッチ端子を選択切替するライト種切替スイッチとスイッチ端子間を断続するフォグライト点滅スイッチを構成してなり 、連結突起を突設したライトスイッチノブと、円周方向に延びる長孔状の貫通孔を穿設した固定ノブと、長孔状の干渉孔を穿設したフォグスイッッチノブとで関連作動機構を構成し、前記連結突起の先端を貫通孔を貫挿した後、干渉孔に挿入すると共に、貫通孔と干渉孔の円周方向の角度を、それぞれ連結突起の円周方向の角度とライトスイッチノブの回転角の和と一致するように前記ライトスイッチノブとフォグスイッッチノブを所定の遊び角度をもって機械的に回動連結した前記関連作動機構を介して連結構成し、ライト種切替スイッチの「ＯＦＦ」位置とフォグライト点滅スイッチの「ＯＦＦ」位置、フォグライト点滅スイッチの「ＯＮ」位置とライト種切替スイッチの「ＯＦＦ」位置を除く他の位置とが同一角度範囲となるように関連付けられた構造としたことを要旨とするものである。
【０００８】、
【作用】
上記ライト種切替スイッチとフォグライト点滅スイッチは、周方向に所定の遊びをもって干渉する関連動作構造を介して機械的に回動連結してある。従って、フォグスイッチノブのスイッチ操作に際して、フォグライト点滅スイッチを「ＯＮ」位置にセットすると、該関連動作構造がライトスイッチノブをライト種切替スイッチが「ＯＮ」位置になるように回動して自動車のスモールライトを点灯する。また、フォグライトを点灯しているとき、ライトスイッチノブのスイッチ操作に際して、ライト種切替スイッチを「ＯＦＦ」位置にセットすると、該関連動作構造がフォグスイッチノブをフォグライト点滅スイッチが「ＯＦＦ」位置になるように回動してフォグライトを消灯する。従って、ライト種切替スイッチ「ＯＦＦ」時のフォグライトの消し忘れ、または、フォグライト点灯時のスモールライトの点灯忘れを解消することができる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る自動車用複合スイッチレバー装置の一実施形態を図１乃至図７に従って説明する。本発明の自動車用複合スイッチレバー装置は、自動車のステアリングコラムに設置したスイッチベース（図示せず）に固設する枢設ブロック１と該枢設ブロック１に基部を枢着し、ステアリング軸に対して周方向及び軸方向に揺動する複合スイッチレバー２とから構成してなる。
【００１０】
上記枢設ブロック１は、ケーシング３の底部に固定極盤４を組付固着すると共に、揺動ブロック５を該部材に突設した突軸６を旋回中心としてステアリング軸に対して周方向揺動自在に軸設内装し、カバー部材７によって被蓋した構造になる。揺動ブロック５の両側方には、コイルスプリング８，８により両側方に向かって突出するように弾性付勢した一対の突出子９，９が突設弾装され、該揺動ブロック５を中立位置に弾性保持してなる。
【００１１】
上記複合スイッチレバー２は、例えば、自動車のターンシグナルスイッチ、パッシングスイッチ、及びメインディマスイッチ等の操作部材であり、揺動ブロック５の突軸６を中心として前後方向に揺動し、突軸１５を中心として上下方向に揺動する。該複合スイッチレバー２は、先端にフォグスイッチノブ２８とライトスイッチノブ２５の二つのロータリースイッチノブと、外筒軸１４の先端に固定した固定ノブ２７とを配置している。該複合スイッチレバー２は、先端側をラッパ状に開口するとともに、その中央からハーネス挿通孔１４ｂを突出している。
【００１２】
また符号１０は該揺動ブロック５の上面に枢設され、コイルスプリング１１によって引張り弾性付勢したキャンセル揺動子１２と干渉して所定角度の旋回姿勢を維持せしめる周方向係止部材であり、図示しないステアリング軸に突設した戻し突起がキャンセル揺動子１２を回動変位すると周方向係止部材１０が外れて揺動ブロック５が安定姿勢に復帰する構成になる。
【００１３】
上記揺動ブロック５には、レバー軸１３を軸挿した外筒軸１４の基端部が、突軸１５を介してステアリング軸方向に揺動自在に枢着してあり、該基端部から突出するようにコイルスプリング１６を介して弾挿したベアリングコロ１７を揺動ブロック５の対向する内壁に押圧し、所定角度位置でクリックストップする構成になる。
【００１４】
また符号１８，１９及び２０は、各導電性の短絡子１８ａ，１９ａ，２０ａを複数個、それぞれバネ材１８ｃ，１９ｃ，２０ｃを介して配設したスイッチ摺動子であり、該各短絡子１８ａ，１９ａ，２０ａが上記固定極盤４の上面に配置固設したスイッチ端子群４ａと干渉摺接するように、揺動ブロック５と固定極盤４間に枢設してなる。
【００１５】
上記スイッチ摺動子１８は、揺動ブロック５の下面に突設した干渉突起５ａを該スイッチ摺動子１８の上面に構成した係合溝１８ｂと横方向にのみ干渉するように遊嵌し、複合スイッチレバー２の周方向の揺動により固定極盤４との相対位置を切り替え維持するターンシグナル切替スイッチ２１を構成してなる。
【００１６】
またスイッチ摺動子１９は、該上面に穿設した係合長孔１９ｂに複合スイッチレバー２の外周軸１４の内端に突設した干渉突起２２を縦方向にのみ干渉するように遊嵌し、複合スイッチレバー２の縦方向の揺動により固定極盤５との相対位置を切り替えるディマー切替・パッシングスイッチ２３を構成してなる。
【００１７】
更に上記第三のスイッチ摺動子２０は、ライト種切替スイッチ２４を構成するものである。先端側にロータリーライトスイッチノブ２５を軸着したレバー軸１３の基端側にはカム部材２６を軸着すると共に、該カム部材２６の干渉突起２６ａを上記スイッチ摺動子２０の上面に構成した係合溝２０ｂと横方向にのみ干渉するように遊嵌してなる。ライトスイッチノブ２５を回動すると、カム部材２６が回動して干渉突起２６ａがスイッチ摺動子２０を横方向に摺動し、上記固定極盤５との相対位置を数段階にクリック変更する構造になる。
【００１８】
複合スイッチレバー２の先端側のラッパ状開口部には、リード線を接続した略リング状のフォグライト用固定極盤３０が嵌着される。上記リード線は、複合スイッチレバー２内を挿通して突軸１５の近傍から引き出される。上記フォグライト用固定極盤３０は、フォグスイッチノブ２８の短絡子３０ａに接触する固定接点と、上記リード線に半田付けする端子を有するプリント基板等でなる。
【００１９】
上記外筒軸１４の端部外周には、固定ノブ２７を外挿一体化した構造になり、該固定ノブ２７のカラー部２７ａに円環状のロータリーフォグスイッチノブ２８を外挿し、外筒軸１４と固定ノブ２７間に軸設してなる。上記外筒部１４には、フォグライト用固定極盤３０、短絡子３０ａ、フォグスイッチノブ２８を挿通し、かつ先端部外周に形成した孔に、固定ノブ２７の爪を係合している。上記孔１４ａが爪２７ｄに係合することで、フォグスイッチノブ２８が複合スイッチレバー２に回動自在に保持され、固定ノブ２７が複合スイッチレバー２に嵌着される。また、上記外筒部１４は、上下面に形成した切欠部１４ｄに上記固定ノブ２７のガタ防止部２７ｅが合致することで、上記固定ノブ２７が外筒部１４に堅固される。
【００２０】
フォグスイッチノブ２８は固定ノブ２７との組付に際して、フォグスイッチノブ２８の端面から突出するように弾挿したコイルスプリング３７，３７によってクリック係止ボール３５，３５を、固定ノブ２７に構成した鋸歯状の節度山を円弧状に並設してなる節度係止構造２７ｂ，２７ｂに対向して押圧付勢してなる。
【００２１】
前記固定ノブ２７は、貫通孔３１の円周方向の両側側壁に、前記フォグスイッチノブ２８の係止突起２８ｂ，２８ｂ間の空隙２８ｂに移動自在に挿入される節度係止構造２７ｂと、前記係止突起２８ｂ，２８ｂの側壁が衝当する当接立壁２７ｃと、を形成している。
【００２２】
また同時にフォグスイッチノブ２８のカラー部２８ａに構成した係止突起２８ｂ（円周方向の角度＝θａ）は、固定ノブ２７の対向面に構成した当接立壁２７ｃ，２７ｃ（当接立壁間の円周方向の角度＝θｂ）に位置するようになり、フォグスイッチノブ２８は所定の角度範囲（θｂ−θａ＝２５°）でクリック回動する構造になる。
【００２３】
上記フォグライト用固定極盤３０は、上記外筒軸１４の端部に固設したプリント基板等でなり、該フォグスイッチノブ２８の他端部に固着した導通性の短絡子３０ａは、バネ材３０ｂによって弾発され該フォグライト用固定極盤３０と摺接回動し、該極盤の端子間を短絡または開放するフォグライト点滅スイッチ２９を構成すると共に、該フォグライト点滅スイッチ２９から導出するスイッチハーネス２９ａは、外筒軸１４の裏側側面位置に形成したハーネス挿通孔１４ｂを経由して導出してなる。
【００２４】
尚、該フォグライト点滅スイッチ２９で点灯及び消灯するフォグライトは、車体の前方に設置されるフロントフォグライトでも、また車体の後方に設置されるリアフォグライトでも、どちらであってもよい。
【００２５】
上記ライト種切替スイッチ２４とフォグライト点滅スイッチ２９は、固定ノブ２７に貫設した貫通孔３１を介して点滅作動するための円周方向に干渉する関連作動機構Ａを構成してなる。即ち符号３２，３２は、ライトスイッチノブ２５の一端からレバー軸１３と平行に突出した連結突起であり、該連結突起３２，３２は円周方向の幅の角度がθｔになり、固定ノブ２７の貫通孔３１，３１（円周方向の角度θｃ）をそれぞれ貫挿して先端をフォグスイッチノブ２８に穿設した干渉孔３３（円周方向の角度θｃ）に挿入した構造になる。
【００２６】
該ライトスイッチノブ２５は固定ノブ２７との組付に際して、固定ノブ２７の端面から突出するように弾挿したコイルスプリング３６，３６によってクリック係止ボール３４，３４を、ライトスイッチノブ２５に構成した鋸歯状の節度山を円弧状に並設してなる節度係止構造２５ａ，２５ａに対向して押圧付勢してなる。
【００２７】
また上記貫通孔３１と干渉孔３３の周方向の角度θｃは、それぞれ連結突起３２の円周方向の角度がθｔとライトスイッチノブ２５の回転角（θ＝５０°）の和（５０°＋θｔ）と一致するように構成されると共に、ライトスイッチノブ２５が、第一段目と第二段目のスイッチ作動角度がそれぞれ２５°になるように上記節度係止構造２５ａの該当位置に他の部分より深い係止部を構成してなる。
【００２８】
即ち、固定ノブ２７の貫通孔３１，３１は、ライトスイッチノブ２５の回動θを妨げないような円周方向に延びる長孔（円周方向の角度θｃ＝５０°＋θｔ）を形成すると共に、フォグスイッチノブ２８の干渉孔３３，３３も、円周方向の角度を同じく５０°＋θｔに構成してある。
【００２９】
従って、フォグライト点滅スイッチ２９を「ＯＮ」するためにフォグスイッチノブ２８を回転（回転角度２５°）したときライトスイッチノブ２５が「ＯＦＦ」ポジションＰ０にあると、該ライトスイッチノブ２５の連結突起３２に干渉孔３３の孔端が当突干渉してライトスイッチノブ２５を第一ポジションＰ１に連動回転（回転角度２５°）する構造になる。
【００３０】
また、ライト種切替スイッチ２４を「ＯＦＦ」するためにライトスイッチノブ２５を第一ポジションＰ１から「ＯＦＦ」ポジションＰ０に回転（回転角度２５°）したときフォグスイッチノブ２８が「ＯＮ」位置にあると、該フォグスイッチノブ２８の干渉孔３３の孔端に連結突起３２が当突干渉してフォグスイッチノブ２８を「ＯＮ」ポジションＰ４から「ＯＦＦ」ポジションＰ３に連動回転（回動角度２５°）する構造になる。
【００３１】
尚、符号３８は上記レバー軸１３の先端に構成した周溝１３ａに板バネ片部２５ａの嵌合リブ２５ｂを回動自在に嵌入し抜け止め構造としたライトスイッチノブ２５の端部に嵌着してなる端部キャップであり、ライトスイッチノブ２５の周壁の内側に位置して構成した係合鉤２５ｃ，２５ｃを端部キャップ３８の筒壁３８ａに穿設した係合孔３８ｂ，３８ｂとそれぞれ部材の弾性を利用して係着すると共に、上記板バネ片部２５ａを外方から筒壁３８ａによって内方に押圧し、嵌合一体化してなる。
【００３２】
次に上記構成になる自動車用複合スイッチレバー装置の関連作動機構Ａの動作を、図５乃至図７に従って説明する。図７の（ａ）は、ライト種切替スイッチ２４のライトスイッチノブ２５の回動範囲と各スイッチのポジションを示す説明図、（ｂ）は、フォグライト点滅スイッチ２９のフォグスイッチノブ２８の回動範囲と「ＯＮ」「ＯＦＦ」位置を示す説明図である。
【００３３】
ライトスイッチノブ２５はライト種切替スイッチ２４の「ＯＦＦ」位置と対応する位置Ｐ０から例えば２５°回転して第一ポジションＰ１、更に例えば２５°回転して第二ポジションＰ２が位置するように５０°の回動範囲θを有し、第一ポジションＰ１がヘッドライト「ＯＮ」位置、第二ポジションＰ２がスモールライト「ＯＮ」位置（Ｐ１でもスモールライトは「ＯＮ」状態である）に設定してある。
【００３４】
またフォグスイッチノブ２８はフォグライト点滅スイッチ２９の「ＯＦＦ」位置と対応する「ＯＦＦ」ポジションＰ３から例えば２５°回転して「ＯＮ」位置と対応する「ＯＮ」ポジションＰ４が構成されている。
【００３５】
従って、ライト種切替スイッチ２４とフォグライト点滅スイッチ２９の両スイッチが「ＯＦＦ」の状態から、フォグスイッチノブ２８を回動してフォグライト点滅スイッチ２９を手動で「ＯＮ」させると、干渉孔３３の孔端が連結突起３２を押圧してライトスイッチノブ２５を２５°回動変位し、ライト種切替スイッチ２４を第一ポジションＰ１に回動する。而して該第一ポジションＰ１はヘッドライト「ＯＮ」位置に対応し、スモールライトと一緒にフォグライトが点灯する。
【００３６】
この状態からライト種切替スイッチ２４を第二ポジションＰ２に切り替えるべくライトスイッチノブ２５を２５°回動すると、該ライトスイッチノブ２５から突出した連結突起３２はフォグスイッチノブ２８の干渉孔３３を摺動変位して該孔端と当突干渉することがなく、ヘッドライトが点灯する。
【００３７】
また上記ライト種切替スイッチ２４とフォグライト点滅スイッチ２９の両スイッチが「ＯＮ」の状態からライトスイッチノブ２５を「ＯＦＦ」ポジションＰ０に回動してライト種切替スイッチ２４を手動で「ＯＦＦ」させると、連結突起３２が干渉孔３３の孔端と第一ポジション位置Ｐ１から「ＯＦＦ」ポジションＰ０に至る範囲で干渉する。
【００３８】
而して、該干渉孔３３の孔端を押圧してフォグスイッチノブ２８を「ＯＦＦ」ポジションＰ３位置に回動変位し、フォグライト点滅スイッチ２９を「ＯＦＦ」するように作動し、ヘッドライトと共にフォグライトが消灯する。ライト種切替スイッチ２４とフォグライト点滅スイッチ２９の両スイッチはこのようにして作用的に連結してなる。
【００３９】
尚、本発明のフォグスイッチノブ２８は、上述したような回動操作が１段のロータリースイッチでも、又はライトスイッチノブ２５のように回動操作が２段のロータリースイッチのノブでもよい。この場合、フォグスイッチノブ２５は、例えば、第１段目の回動操作でフロントフォグライトと共にスモールライトが点灯するようにし、第２段目の回動操作でリアフォグライトが点灯するようにする。また、該フォグスイッチノブ２５は、第２段目から第１段目に戻し操作したとき、リアフォグライトが消灯し、元のＯＦＦ位置に復帰させたときにフロントフォグライトと共にスモールライトが消灯するようにする。
【００４０】
そして、フォグスイッチノブ２８は、ライトスイッチノブ同様、例えば第１段目の回動操作で２５°回動し、第２段目の回動操作で更に２５°回動する。該フォグスイッチノブ２８の回動範囲は、例えば５０°＝（θｂ−θａ）であり、上述した本発明の実施形態における略円弧状の係止突起２８ｂの円周方向の角度θを２５°に削減すればよい。
【００４１】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る自動車用複合スイッチレバー装置は、ステアリングコラムに設けた複合スイッチレバーに組み込んでなる各種スイッチにおいて、ライト種切替スイッチとフォグライト点滅スイッチを、ライトスイッチノブに突設した連結突起とフォグスイッチノブに穿設した干渉孔を回動方向に所定の遊び角度をもたせて干渉させた関連作動機構によって関連付けた構造になる。
【００４２】
このため、ライト種切替スイッチとフォグライト点滅スイッチが「ＯＦＦ」の状態からフォグライト点滅スイッチを手動で「ＯＮ」させると、ライト種切替スイッチを「ＯＮ」位置に回転駆動させスモールライトを点灯すると共に、上記両スイッチを「ＯＮ」した状態からライト種切替スイッチを手動で「ＯＦＦ」させると、フォグライト点滅スイッチも「ＯＦＦ」するように作動し、ライト種切替スイッチとフォグライト点滅スイッチの両スイッチが作動的に連結された構造になる。
【００４３】
従って、降車時のライトの消し忘れ、或はスモールライトの点灯忘れを解消すると共に、各スイッチとライト間のハーネスを一部省略することができ、構造を簡単にすることができる等の特徴を有するものであり、本発明実施後の効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る自動車用複合スイッチレバー装置の一実施形態を示す縦断面図である。
【図２】図１における矢視Ｙ−Ｙ線断面図である。
【図３】同分解斜視図である。
【図４】同関連作動機構の分解した拡大断面図（ａ）とＢ−Ｂ線（ｂ）、Ｃ−Ｃ線（ｃ）、及びＤ−Ｄ線（ｄ）の各断面図である。
【図５】同関連作動機構部材の関係を示す一部切欠した分解斜視図である。
【図６】同固定ノブとライトスイッチノブ関係を示す一部切欠した分解斜視図である。
【図７】（ａ）は、ライト種切替スイッチのライトスイッチノブの回動範囲と各スイッチのスイッチポジションを示す説明図、（ｂ）は、フォグライト点滅スイッチのフォグスイッチノブの回動範囲と「ＯＮ」「ＯＦＦ」のスイッチポジションを示す説明図である。
【図８】従来の自動車用複合スイッチレバー装置を示す図面で、（ａ）は縦断面図、（ｂ）は同図におけるＸ−Ｘ線断面図である。
【符号の説明】
１ 枢設ブロック
２ 複合スイッチレバー
５ 固定極盤
１３ レバー軸
１４ 外筒軸
２１ ターンシグナル切替スイッチ
２３ ディマー切替・パッシングスイッチ
２４ ライト種切替スイッチ
２５ ライトスイッチノブ
２６ カム部材
２７ 固定ノブ
２７ｂ 節度係止構造
２７ｃ 当接立壁
２８ フォグスイッチノブ
２８ａ 短絡子
２８ｂ 係止突起
２８ｄ 空隙
２９ フォグライト点滅スイッチ
３０ フォグライト用固定極盤
３１ 貫通孔
３２ 連結突起
３３ 干渉孔
Ａ 関連作動機構
Claims (1)
- 自動車のステアリングコラムに固設する枢設ブロック（１）に基部を枢着して揺動する複合スイッチレバー（２）に複数のロータリースイッチを組み付けてなる自動車用複合スイッチレバー装置において、
前記複合スイッチレバー（２）に、ライト種の切替を行うライトスイッチノブ（２５）と、フォグライトを点滅駆動するフォグスイッッチノブ（２８）をそれぞれ同軸位置に回動自在に軸設してなり、
前記ライトスイッチノブ（２５）とフォグスイッッチノブ（２８）が、連動するスイッチが複数のスイッチ端子を選択切替するライト種切替スイッチ（２４）とスイッチ端子間を断続するフォグライト点滅スイッチ（２９）を構成してなり、
連結突起（３２）を突設したライトスイッチノブ（２５）と、円周方向に延びる長孔状の貫通孔（３１）を穿設した固定ノブ（２７）と、長孔状の干渉孔（３３）を穿設したフォグスイッッチノブ（２８）とで関連作動機構を構成し、前記連結突起（３２）の先端を貫通孔（３１）を貫挿した後、干渉孔（３３）に挿入すると共に、貫通孔（３１）と干渉孔（３３）の円周方向の角度を、それぞれ連結突起（３２）の円周方向の角度とライトスイッチノブ（２５）の回転角の和と一致するように前記ライトスイッチノブ（２５）とフォグスイッッチノブ（２８）を所定の遊び角度をもって機械的に回動連結した前記関連作動機構を介して連結構成し、
ライト種切替スイッチ（２４）の「ＯＦＦ」位置とフォグライト点滅スイッチ（２９）の「ＯＦＦ」位置、フォグライト点滅スイッチ（２９）の「ＯＮ」位置とライト種切替スイッチ（２４）の「ＯＦＦ」位置を除く他の位置とが同一角度範囲となるように関連付けられた構造としたことを特徴とする自動車用複合スイッチレバー装置。
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