JP3433291B2 - スズ−銅含有合金メッキ浴、スズ−銅含有合金メッキ方法及びスズ−銅含有合金メッキ皮膜が形成された物品 - Google Patents

スズ−銅含有合金メッキ浴、スズ−銅含有合金メッキ方法及びスズ−銅含有合金メッキ皮膜が形成された物品

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  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スズ及び銅を含有
する合金メッキ浴、該メッキ浴を用いるスズ−銅含有合
金メッキ方法、及び該メッキ方法によってメッキ皮膜が
形成された物品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、人体や環境に対する鉛の影響が懸
念されるようになり、また、純粋なスズメッキではホイ
スカー発生の恐れがあることから、鉛を含まないハンダ
メッキの開発が要望されている。
【0003】鉛を含まないハンダとしては、スズ−銀合
金、スズ−ビスマス合金などが検討されているが、スズ
−銀合金はメッキ浴が分解し易く、スズ−ビスマス合金
はメッキ皮膜にクラックが発生し易いという欠点があ
る。
【0004】これに対して、スズ−銅合金は、銅含有率
1.3mol%で共晶組成となり、融点は227℃で接
合温度が若干高いものの、クラックが生じ難く、接合強
度に優れる上、スズ−銀合金などと比べて低コストであ
るため、鉛を含まないハンダの有力候補となっている。
【0005】一般に、スズ−銅含有合金の電気メッキで
は、スズ陽極を用いて第一スズイオンを浴中に補給する
状態でメッキを行っている。しかしながら、浴中に含ま
れる銅塩は陽極のスズより標準電極電位が貴であること
から、銅とスズとの間で化学置換を起こして陽極に金属
銅が析出し易い。銅が陽極に析出すると、浴中の銅塩濃
度が低下して浴組成が変化し、得られるスズ−銅合金の
皮膜組成が不安定になる。特に、通常、スズ−銅合金メ
ッキ浴では、浴中の銅塩濃度は第一スズ塩に比べて小さ
いことから、銅塩濃度が変化すると皮膜組成が大きく変
化することになる。
【0006】更に、スズ−銅合金、スズ−銅−銀合金、
スズ−銅−ビスマス合金等のスズ及び銅を含有する合金
の皮膜組成は、陰極電流密度に依存する傾向があり、高
密度〜低密度の様々な電流密度条件でメッキを行うと、
皮膜組成が変動するという問題がある。
【0007】例えば、スズ−銅合金メッキでは、Cu組
成比1.3mol%の条件で低融点のスズ−銅共晶組成
合金が得られるが、皮膜組成が電流密度によって異なる
場合には、用途に適合した組成比のスズ−銅合金メッキ
皮膜を安定して得ることができない。
【0008】また、スズと銅を含有するメッキ浴は、ス
ズメッキ浴、スズ−鉛合金メッキ浴などとは異なり、浴
の安定性が悪く濁りが生じ易いため、例えば、1週間程
度経過すると微濁が始まり、1カ月経過時点では完全に
濁ってしまう。
【0009】これは、浴中のスズ塩が2価から4価に酸
化されて、酸化スズ水和物のコロイド粒子が生じること
に起因するが、酸化防止剤の添加によってもこの濁りを
防止することは困難である。このため浴中のSn2+の含
有量が低下し易く、安定した組成のスズ−銅含有合金メ
ッキ皮膜を得るためには大きな障害となる。
【0010】スズ及び銅を含有するメッキ浴としては、
例えば、特開平8−13185号公報に、(a)Sn2+
オン、(b)Ag+、Cu2+、In3+、Tl+及びZn2+
らなる群より選ばれた金属イオンの少なくとも一種、及
び(c)ノニオン系界面活性剤を含有するスズ合金メッキ
浴が開示されている。そして、該公報の実施例3には、
メタンスルホン酸第一スズ、メタンスルホン酸銅、メタ
ンスルホン酸及びオクチルフェノールエトキシレートの
エチレンオキシド付加物を含むスズ−銅合金メッキ浴が
開示され、実施例4に、メタンスルホン酸第一スズ、メ
タンスルホン酸銅、メタンスルホン酸及びラウリルアミ
ンのエチレンオキシド付加物を含むスズ−銅合金メッキ
浴が開示されている。そして、これらのメッキ浴の効果
としては、鉛を使用することなくスズ−鉛合金メッキ皮
膜に類似する低融点皮膜が得られ、メッキ皮膜の外観や
ハンダ付け性が良好であり、浴管理が容易であること等
が挙げられている。
【0011】また、特開平9−143786号公報に
は、(a)Ag+イオン、(b)Sn2+、Cu2+、In3+
Tl+、Zn2+及びBi3+からなる群より選ばれた金属
イオンの少なくとも一種、(c)チオ尿素、アセチルチオ
尿素、アリルチオ尿素、トリメチルチオ尿素等のチオ尿
素化合物、チアゾール化合物、ジチオカルバミン酸塩化
合物、チオグリコール、チオグリコール酸、チオジグリ
コール酸、β−チオジグリコールなどの含イオウ化合
物、及び(d)ノニオン系界面活性剤を含有する銀合金メ
ッキ浴が開示されている。そして、該公報の実施例5に
は、メタンスルホン酸銀、メタンスルホン酸第一スズ、
メタンスルホン酸銅、メタンスルホン酸、β−チオジグ
リコール、N,N′−ジエチルジチオカルバミン酸ナト
リウム及びラウリルエーテルのエチレンオキシド付加物
を含む銀−スズ−銅合金メッキ浴が開示されている。そ
して、該メッキ浴の効果としては、メッキ皮膜が緻密で
均一電着性が良く、浴管理が容易であることなどが挙げ
られている。
【0012】しかしながら、上記した特開平9−143
786号公報に記載されたメッキ浴、及び特開平9−1
43786号公報に記載されたメッキ浴は、何れも、前
述した陽極への銅の置換析出、浴の濁りの発生、皮膜組
成の電流密度依存性等の問題については、充分に解決す
るには至っていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
スズ陽極への銅の置換析出が生じ難く、メッキ皮膜組成
の電流密度依存性が低く、浴安定性が良好で濁りが生じ
難い、スズ及び銅を含有するメッキ浴を提供することで
ある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上述した
如きスズ及び銅含有メッキ浴の現状に鑑みて鋭意研究を
重ねた結果、特定の含イオウ化合物を含有するスズ−銅
含有合金メッキ浴によれば、上記目的が達成されること
を見出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0015】即ち、本発明は、下記のスズ−銅含有合金
メッキ浴、及び該メッキ浴を用いてメッキ皮膜が形成さ
れた物品を提供するものである。 1.(A)可溶性第一スズ化合物、(B)可溶性銅化合物、
並びに(C)下記(i)〜(v)に示される化合物からな
る群から選ばれた少なくとも一種の含イオウ化合物:
(i)チオ尿素化合物、(ii)メルカプタン化合物、
(iii)下記一般式(1): Re-Ra-[(X−Rb)L-(Y−Rc)M-(Z−Rd)N]-Rf (1) [式中、各記号は次の意味である:Mは1〜100の整
数、L及びNはそれぞれ0又は1〜100の整数を表
す;YはS又はS−Sを表し、X及びZは同一又は異な
って、それぞれO、S又はS−Sを表す;RaはC1
12の直鎖若しくは分岐鎖アルキレン、又は2−ヒドロ
キシプロピレンを表す;Rb、Rc及びRdは同一又は
異なって、それぞれメチレン、エチレン、プロピレン、
2−ヒドロキシプロピレン、ブチレン、ペンチレン又は
ヘキシレンを表す;X−Rb、Y−Rc及びZ−Rdに
おいて、互いの存在位置は限定されず、ランダムな順列
を取り得る。また、X−Rb、Y−Rc又はZ−Rdの
各結合が繰り返される場合、その結合は、複数種の結合
から構成されてもよい;Re及びRfは同一又は異なっ
て、それぞれ、水素、カルボキシル、ヒドロキシ、アル
キル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、シクロア
ルキル、アリル、多環式シクロアルキル、アリール、多
環式アリール、−O−アルキル、−S−アルキル、−O
−アルケニル、−O−アルキニル、−O−アラルキル、
−O−アリル、−O−多環式シクロアルキル、−O−ア
セチル、−O−アリール又は−O−多環式アリールを表
す;ただし、Re及びRfの内で、水素、カルボキシル
及びヒドロキシ以外の基は、ハロゲン、シアノ、ホルミ
ル、アルコキシ、カルボキシル、アシル、ニトロ及びヒ
ドロキシからなる群から選ばれた少なくとも一個の基で
置換されていても良い。]で表される脂肪族スルフィド
化合物、(vi)下記一般式(2): Rg−[(S)X−Rh]p−[(S)Y−Ri)]q (2) [式中、各記号は次の意味である:X及びYはそれぞれ
1〜4の整数を表し、pは0又は1〜100の整数を表
し、qは1〜100の整数を表す;ここで、(a)p=
0の場合には、Rg及びRiは、下記又はに示す意
味である; Rg及びRiは、同一又は異なって、アルキル、アル
ケニル、アルキニル、アラルキル、シクロアルキル、多
環式シクロアルキル、アリール、多環式アリール、ヘテ
ロ環式基又は多環式ヘテロ環式基を表し、Rg及びRi
の少なくとも一方は、1個以上の塩基性窒素原子を有す
る、或いは、 Rg及びRiは、互いに結合して1個以上の塩基性窒
素原子を有する単環又は多環を形成する;上記及び
において、Rg及びRiは、同一又は異なって良い;
(b)p=1〜100の整数の場合には、Rg、Rh及
びRiは、下記又はに示す意味である; Rg及びRiはアルキル、アルケニル、アルキニル、
アラルキル、シクロアルキル、多環式シクロアルキル、
アリール、多環式アリール、ヘテロ環式基又は多環式ヘ
テロ環式基を表し、Rhはアルキレン、アルケニレン、
アルキニレン、アラルキレン、シクロアルキレン、多環
式シクロアルキレン、アリレン、多環式アリレン、ヘテ
ロ環式基又は多環式ヘテロ環式基を表し、且つ、Rg、
Rh及びRiの少なくとも一つが、1個以上の塩基性窒
素原子を有する、或いは、 RgとRh、RgとRi、又はRhとRiが結合する
か、RgとRh、及びRhとRiが複合的に結合して、
1個以上の塩基性窒素原子を有する単環又は多環を形成
する;上記及びにおいて、Rg、Rh及びRiは、
同一又は異なって良い;但し、上記した(a)及び
(b)において、Rg、Rh及びRiは、ハロゲン、ア
ミノ、シアノ、ホルミル、アルコキシ、カルボキシル、
アシル、ニトロ及びヒドロキシからなる群から選ばれた
少なくとも一個の基で置換されていても良い。]で表さ
れる塩基性窒素原子を含有するスルフィド化合物(但し、
ジチオジアニリンを除く)、(v)チオクラウンエーテ
ル化合物、を含有することを特徴とするスズ−銅合金メ
ッキ浴。 2.(A)可溶性第一スズ化合物、(B)可溶性銅化合物、
(C)可溶性ビスマス化合物、並びに(D)下記(i)〜
(v)に示される化合物からなる群から選ばれた少なく
とも一種の含イオウ化合物:(i)チオ尿素化合物、
(ii)メルカプタン化合物、(iii)下記一般式
(1): Re-Ra-[(X−Rb)L-(Y−Rc)M-(Z−Rd)N]-Rf (1) [式中、各記号は次の意味である:Mは1〜100の整
数、L及びNはそれぞれ0又は1〜100の整数を表
す;YはS又はS−Sを表し、X及びZは同一又は異な
って、それぞれO、S又はS−Sを表す;RaはC1
12の直鎖若しくは分岐鎖アルキレン、又は2−ヒドロ
キシプロピレンを表す;Rb、Rc及びRdは同一又は
異なって、それぞれメチレン、エチレン、プロピレン、
2−ヒドロキシプロピレン、ブチレン、ペンチレン又は
ヘキシレンを表す;X−Rb、Y−Rc及びZ−Rdに
おいて、互いの存在位置は限定されず、ランダムな順列
を取り得る。また、X−Rb、Y−Rc又はZ−Rdの
各結合が繰り返される場合、その結合は、複数種の結合
から構成されてもよい;Re及びRfは同一又は異なっ
て、それぞれ、水素、カルボキシル、ヒドロキシ、アル
キル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、シクロア
ルキル、アリル、多環式シクロアルキル、アリール、多
環式アリール、−O−アルキル、−S−アルキル、−O
−アルケニル、−O−アルキニル、−O−アラルキル、
−O−アリル、−O−多環式シクロアルキル、−O−ア
セチル、−O−アリール又は−O−多環式アリールを表
す;ただし、Re及びRfの内で、水素、カルボキシル
及びヒドロキシ以外の基は、ハロゲン、シアノ、ホルミ
ル、アルコキシ、カルボキシル、アシル、ニトロ及びヒ
ドロキシからなる群から選ばれた少なくとも一個の基で
置換されていても良い。]で表される脂肪族スルフィド
化合物、(vi)下記一般式(2): Rg−[(S)X−Rh]p−[(S)Y−Ri)]q (2) [式中、各記号は次の意味である:X及びYはそれぞれ
1〜4の整数を表し、pは0又は1〜100の整数を表
し、qは1〜100の整数を表す;ここで、(a)p=
0の場合には、Rg及びRiは、下記又はに示す意
味である; Rg及びRiは、同一又は異なって、アルキル、アル
ケニル、アルキニル、アラルキル、シクロアルキル、多
環式シクロアルキル、アリール、多環式アリール、ヘテ
ロ環式基又は多環式ヘテロ環式基を表し、Rg及びRi
の少なくとも一方は、1個以上の塩基性窒素原子を有す
る、或いは、 Rg及びRiは、互いに結合して1個以上の塩基性窒
素原子を有する単環又は多環を形成する;上記及び
において、Rg及びRiは、同一又は異なって良い;
(b)p=1〜100の整数の場合には、Rg、Rh及
びRiは、下記又はに示す意味である; Rg及びRiはアルキル、アルケニル、アルキニル、
アラルキル、シクロアルキル、多環式シクロアルキル、
アリール、多環式アリール、ヘテロ環式基又は多環式ヘ
テロ環式基を表し、Rhはアルキレン、アルケニレン、
アルキニレン、アラルキレン、シクロアルキレン、多環
式シクロアルキレン、アリレン、多環式アリレン、ヘテ
ロ環式基又は多環式ヘテロ環式基を表し、且つ、Rg、
Rh及びRiの少なくとも一つが、1個以上の塩基性窒
素原子を有する、或いは、 RgとRh、RgとRi、又はRhとRiが結合する
か、RgとRh、及びRhとRiが複合的に結合して、
1個以上の塩基性窒素原子を有する単環又は多環を形成
する;上記及びにおいて、Rg、Rh及びRiは、
同一又は異なって良い;但し、上記した(a)及び
(b)において、Rg、Rh及びRiは、ハロゲン、ア
ミノ、シアノ、ホルミル、アルコキシ、カルボキシル、
アシル、ニトロ及びヒドロキシからなる群から選ばれた
少なくとも一個の基で置換されていても良い。]で表さ
れる塩基性窒素原子を含有するスルフィド化合物、
(v)チオクラウンエーテル化合物、を含有することを
特徴とするスズ−銅−ビスマス合金メッキ浴。 3. メルカプタン化合物が、少なくとも1個の塩基性
窒素原子を含むメルカプタン化合物である上記項1又は
2に記載のメッキ浴。 4.(A)可溶性第一スズ化合物、(B)可溶性銅化合物、
(C)可溶性銀化合物、並びに(D)下記(i)〜(iv)に
示される化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種
の含イオウ化合物:(i)下記一般式(1): Re-Ra-[(X−Rb)L-(Y−Rc)M-(Z−Rd)N]-Rf (1) [式中、各記号は次の意味である:Mは1〜100の整
数、L及びNはそれぞれ0又は1〜100の整数を表
す;YはS又はS−Sを表し、X及びZは同一又は異な
って、それぞれO、S又はS−Sを表す;RaはC1
12の直鎖若しくは分岐鎖アルキレン、又は2−ヒドロ
キシプロピレンを表す;Rb、Rc及びRdは同一又は
異なって、それぞれメチレン、エチレン、プロピレン、
2−ヒドロキシプロピレン、ブチレン、ペンチレン又は
ヘキシレンを表す;X−Rb、Y−Rc及びZ−Rdに
おいて、互いの存在位置は限定されず、ランダムな順列
を取り得る。また、X−Rb、Y−Rc又はZ−Rdの
各結合が繰り返される場合、その結合は、複数種の結合
から構成されてもよい;Re及びRfは同一又は異なっ
て、それぞれ、水素、カルボキシル、ヒドロキシ、アル
キル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、シクロア
ルキル、アリル、多環式シクロアルキル、アリール、多
環式アリール、−O−アルキル、−S−アルキル、−O
−アルケニル、−O−アルキニル、−O−アラルキル、
−O−アリル、−O−多環式シクロアルキル、−O−ア
セチル、−O−アリール又は−O−多環式アリールを表
す;ただし、Re及びRfの内で、水素、カルボキシル
及びヒドロキシ以外の基は、ハロゲン、シアノ、ホルミ
ル、アルコキシ、カルボキシル、アシル、ニトロ及びヒ
ドロキシからなる群から選ばれた少なくとも一個の基で
置換されていても良い。]で表される脂肪族スルフィド
化合物(但し、チオジグリコール酸及びチオジグリコー
ルは除く)、(ii)下記一般式(2): Rg−[(S)X−Rh]p−[(S)Y−Ri)]q (2) [式中、各記号は次の意味である:X及びYはそれぞれ
1〜4の整数を表し、pは0又は1〜100の整数を表
し、qは1〜100の整数を表す;ここで、(a)p=
0の場合には、Rg及びRiは、下記又はに示す意
味である; Rg及びRiは、同一又は異なって、アルキル、アル
ケニル、アルキニル、アラルキル、シクロアルキル、多
環式シクロアルキル、アリール、多環式アリール、ヘテ
ロ環式基又は多環式ヘテロ環式基を表し、Rg及びRi
の少なくとも一方は、1個以上の塩基性窒素原子を有す
る、或いは、 Rg及びRiは、互いに結合して1個以上の塩基性窒
素原子を有する単環又は多環を形成する;上記及び
において、Rg及びRiは、同一又は異なって良い;
(b)p=1〜100の整数の場合には、Rg、Rh及
びRiは、下記又はに示す意味である; Rg及びRiはアルキル、アルケニル、アルキニル、
アラルキル、シクロアルキル、多環式シクロアルキル、
アリール、多環式アリール、ヘテロ環式基又は多環式ヘ
テロ環式基を表し、Rhはアルキレン、アルケニレン、
アルキニレン、アラルキレン、シクロアルキレン、多環
式シクロアルキレン、アリレン、多環式アリレン、ヘテ
ロ環式基又は多環式ヘテロ環式基を表し、且つ、Rg、
Rh及びRiの少なくとも一つが、1個以上の塩基性窒
素原子を有する、或いは、 RgとRh、RgとRi、又はRhとRiが結合する
か、RgとRh、及びRhとRiが複合的に結合して、
1個以上の塩基性窒素原子を有する単環又は多環を形成
する;上記及びにおいて、Rg、Rh及びRiは、
同一又は異なって良い;但し、上記した(a)及び
(b)において、Rg、Rh及びRiは、ハロゲン、ア
ミノ、シアノ、ホルミル、アルコキシ、カルボキシル、
アシル、ニトロ及びヒドロキシからなる群から選ばれた
少なくとも一個の基で置換されていても良い。]で表さ
れる塩基性窒素原子を含有するスルフィド化合物、(ii
i)少なくとも一個の塩基性窒素原子を含むメルカプタ
ン化合物、(iv)チオクラウンエーテル化合物、を含有
することを特徴とするスズ−銅−銀合金メッキ浴。 5. チオクラウンエーテル化合物が、次の(a)〜(c)
に示される化合物からなる群から選ばれた少なくとも一
種の化合物である上記項1〜4のいずれか1項に記載の
メッキ浴: (a)少なくとも1個の塩基性窒素原子を含むチオクラウ
ンエーテル化合物、(b)少なくとも1個の塩基性窒素原
子と少なくとも1個の酸素原子を含むチオクラウンエー
テル化合物、(c)上記(a)項のチオクラウンエーテル化
合物及び(b)項のチオクラウンエーテル化合物からなる
群から選ばれた少なくとも二個の化合物が炭素数1〜5
個のアルキレン鎖で結合した化合物。 6. 更に、分子内に2個以上の含窒素芳香環を有する
化合物を含有する上記項1〜5のいずれかに記載のメッ
キ浴。 7. 更に、不飽和脂肪族カルボン酸化合物を含有する
上記項1〜6のいずれかに記載のメッキ浴。 8. 更に、界面活性剤を含有する上記項1〜7のいず
れかに記載のメッキ浴。 9. 界面活性剤が、C8〜C30脂肪族アミンのアルキ
レンオキシド付加物である上記項8に記載のメッキ浴。 10.上記項1〜9のいずれかに記載のメッキ浴中に被
メッキ物を浸漬し、電気メッキ法によってスズ−銅含有
合金メッキ皮膜を形成することを特徴とするスズ−銅含
有合金メッキ方法。 11.上記項10のメッキ方法によってスズ−銅含有合
金メッキ皮膜が形成された物品。 12.電子部品又は電気部品である上記項11に記載の
スズ−銅含有合金メッキ皮膜が形成された物品。 13.半導体デバイス、コネクタ、スィッチ、抵抗、可
変抵抗、コンデンサ、フィルタ、インダクタ、サーミス
タ、水晶振動子、リード線又はプリント基板である上記
項12に記載のスズ−銅含有合金メッキ皮膜が形成され
た物品。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、スズ及び銅を含有する
合金メッキ浴に関するものであり、具体的には、スズ−
銅合金メッキ浴、スズ−銅−銀合金メッキ浴、及びスズ
−銅−ビスマス合金メッキ浴を対象とする。可溶性金属化合物 これらのメッキ浴では、金属化合物として、水中で相当
する金属イオンを生成できる任意の有機又は無機の可溶
性金属化合物を用いることができる。
【0017】可溶性第一スズ化合物の具体例としては、
メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−プロパノー
ルスルホン酸、p−フェノールスルホン酸などの有機ス
ルホン酸の第一スズ塩、ホウフッ化第一スズ、スルホコ
ハク酸第一スズ、硫酸第一スズ、酸化第一スズ、塩化第
一スズなどが挙げられる。これらの可溶性第一スズ化合
物は、一種単独又は二種以上混合して用いることができ
る。
【0018】可溶性銅化合物としては、上記有機スルホ
ン酸の銅塩、硫酸銅、塩化銅、酸化銅、炭酸銅、酢酸
銅、ピロリン酸銅、シュウ酸銅などが挙げられる。これ
らの可溶性銅化合物は、一種単独又は二種以上混合して
用いることができる。
【0019】可溶性銀化合物としては、硫酸銀、亜硫酸
銀、炭酸銀、硝酸銀、酸化銀、スルホコハク酸銀、上記
有機スルホン酸の銀塩、クエン酸銀、酒石酸銀、グルコ
ン酸銀、シュウ酸銀などが挙げられる。これらの可溶性
銀化合物は、一種単独又は二種以上混合して用いること
ができる。
【0020】可溶性ビスマス化合物としては、酸化ビス
マス、塩化ビスマス、臭化ビスマス、硝酸ビスマス、硫
酸ビスマス、上記有機スルホン酸のビスマス塩、スルホ
コハク酸ビスマスなどが挙げられる。これらの可溶性ビ
スマス化合物は、一種単独又は二種以上混合して用いる
ことができる。
【0021】上記した可溶性金属化合物の内で、可溶性
第一スズ化合物の配合量は、0.01〜2モル/l程度
とすることが好ましく、0.05〜1モル/l程度とす
ることがより好ましい。
【0022】可溶性銅化合物の配合量は、0.0001
〜0.5モル/l程度とすることが好ましく、0.00
05〜0.05モル/l程度とすることがより好まし
い。
【0023】可溶性ビスマス化合物の配合量は、0.0
0003〜0.05モル/l程度とすることが好まし
く、0.0002〜0.02モル/l程度とすることが
より好ましい。
【0024】可溶性銀化合物の配合量は、0.0000
8〜0.1モル/l程度とすることが好ましく、0.0
004〜0.03モル/l程度とすることがより好まし
い。
【0025】スズ−銅合金メッキ浴、スズ−銅−銀合金
メッキ浴、及びスズ−銅−ビスマス合金メッキ浴の各メ
ッキ浴における金属化合物の配合割合は、所望する合金
メッキ皮膜の組成に応じて適宜決めればよい。例えば、
スズ:鉛(重量比)=9:1のハンダ皮膜の代替となり
得るスズ含有量の多いスズ−銅含有合金メッキ皮膜を析
出させるためには、メッキ浴中におけるスズ化合物とそ
の他の金属化合物とのモル比を99:1〜85:15程
度とすればよい。
【0026】スズ−銅合金メッキ浴、スズ−銅−銀合金
メッキ浴、及びスズ−銅−ビスマス合金メッキ浴の各メ
ッキ浴における可溶性金属化合物の合計配合量は、0.
0101〜2.65mol/l程度とすることが好まし
く、0.0505〜1.1mol/l程度とすることが
より好ましい。酸及びその塩 本発明のスズ及び銅を含有する合金メッキ浴は、基本成
分として、酸及びその塩から選ばれた少なくとも一種の
成分を含有するものである。酸としては、有機スルホン
酸、脂肪族カルボン酸などの有機酸;硫酸、塩酸、ホウ
フッ化水素酸、ケイフッ化水素酸、スルファミン酸など
の無機酸等を用いることができる。本発明では、特に、
上記した酸及びその塩の内で、金属塩の溶解性、排水処
理の容易性などの点で有機スルホン酸、その塩等が好ま
しい。
【0027】有機スルホン酸としては、アルカンスルホ
ン酸、アルカノールスルホン酸、芳香族スルホン酸など
を用いることができる。
【0028】これらの内で、アルカンスルホン酸として
は、化学式:Cn2n+1SO3H(例えば、n=1〜11)で
示されるものを用いることができる。アルカンスルホン
酸の具体例としては、メタンスルホン酸、エタンスルホ
ン酸、1―プロパンスルホン酸、2―プロパンスルホン
酸、1―ブタンスルホン酸、2―ブタンスルホン酸、ペ
ンタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、デカンスルホ
ン酸、ドデカンスルホン酸などを挙げることができる。
【0029】アルカノールスルホン酸としては、 化学式:Cm2m+1−CH(OH)−Cp2p−SO3H (例えば、m=0〜6、p=1〜5)で示されるものを使用で
きる。アルカノールスルホン酸の具体例としては、2―
ヒドロキシエタン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシプ
ロパン―1―スルホン酸(2−プロパノールスルホン
酸)、2―ヒドロキシブタン―1―スルホン酸、2―ヒ
ドロキシペンタン―1―スルホン酸、1―ヒドロキシプ
ロパン―2―スルホン酸、3―ヒドロキシプロパン―1
―スルホン酸、4―ヒドロキシブタン―1―スルホン
酸、2―ヒドロキシヘキサン―1―スルホン酸、2―ヒ
ドロキシデカン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシドデ
カン―1―スルホン酸などを挙げることができる。
【0030】芳香族スルホン酸としては、ベンゼンスル
ホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、フェノールスル
ホン酸、ナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンス
ルホン酸、ナフトールスルホン酸などを用いることがで
き、具体的には、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフ
タレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスル
ホン酸、p−フェノールスルホン酸、クレゾールスルホ
ン酸、スルホサリチル酸、ニトロベンゼンスルホン酸、
スルホ安息香酸、ジフェニルアミン−4−スルホン酸な
どを例示できる。
【0031】上記した各酸の塩としては、可溶性塩であ
れば良く、例えば、Na塩、K塩等のアルカリ金属塩、
Ca塩等のアルカリ土類金属塩、ジエチルアミン塩等の
アルキルアミン塩、アンモニウム塩等を使用できる。
【0032】上記した有機スルホン酸及びその塩の内で
は、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−プロパ
ノールスルホン酸、フェノールスルホン酸、これらの塩
などが好ましい。
【0033】本発明のスズ及び銅を含有する合金メッキ
浴では、上記した酸及びその塩は、一種単独又は二種以
上混合して用いることができ、その含有量は0.01〜
50mol/l程度とすることが好ましく、0.1〜1
0mol/l程度とすることがより好ましい。含イオウ化合物 本発明のスズ及び銅を含有する合金メッキ浴は、添加剤
として、特定の含イオウ化合物を含有することが必要で
ある。
【0034】添加剤として用いる含イオウ化合物につい
ては、合金メッキ浴の種類によって異なるので、以下に
おいて、合金メッキ浴の種類毎に使用できる含イオウ化
合物を説明する。スズ−銅合金メッキ浴における含イオウ化合物 スズ−銅合金メッキ浴では、含イオウ化合物としては、
下記(i)〜(v)に示される化合物からなる群から選
ばれた少なくとも一種の化合物を用いる。但し、下記一
般式(2)の塩基性窒素原子を含有するスルフィド化合
物からは、ジチオジアニリンは除かれる。 (i)チオ尿素化合物、(ii)メルカプタン化合物、
(iii)下記一般式(1): Re-Ra-[(X−Rb)L-(Y−Rc)M-(Z−Rd)N]-Rf (1) [式中、各記号は次の意味である:Mは1〜100の整
数、L及びNはそれぞれ0又は1〜100の整数を表
す;YはS又はS−Sを表し、X及びZは同一又は異な
って、それぞれO、S又はS−Sを表す;RaはC1
12の直鎖若しくは分岐鎖アルキレン、又は2−ヒドロ
キシプロピレンを表す;Rb、Rc及びRdは同一又は
異なって、それぞれメチレン、エチレン、プロピレン、
2−ヒドロキシプロピレン、ブチレン、ペンチレン又は
ヘキシレンを表す;X−Rb、Y−Rc及びZ−Rdに
おいて、互いの存在位置は限定されず、ランダムな順列
を取り得る。また、X−Rb、Y−Rc又はZ−Rdの
各結合が繰り返される場合、その結合は、複数種の結合
から構成されてもよい;Re及びRfは同一又は異なっ
て、それぞれ、水素、カルボキシル、ヒドロキシ、アル
キル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、シクロア
ルキル、アリル、多環式シクロアルキル、アリール、多
環式アリール、−O−アルキル、−S−アルキル、−O
−アルケニル、−O−アルキニル、−O−アラルキル、
−O−アリル、−O−多環式シクロアルキル、−O−ア
セチル、−O−アリール又は−O−多環式アリールを表
す;ただし、Re及びRfの内で、水素、カルボキシル
及びヒドロキシ以外の基は、ハロゲン、シアノ、ホルミ
ル、アルコキシ、カルボキシル、アシル、ニトロ及びヒ
ドロキシからなる群から選ばれた少なくとも一個の基で
置換されていても良い。]で表される脂肪族スルフィド
化合物、(vi)下記一般式(2): Rg−[(S)X−Rh]p−[(S)Y−Ri)]q (2) [式中、各記号は次の意味である:X及びYはそれぞれ
1〜4の整数を表し、pは0又は1〜100の整数を表
し、qは1〜100の整数を表す;ここで、(a)p=
0の場合には、Rg及びRiは、下記又はに示す意
味である; Rg及びRiは、同一又は異なって、アルキル、アル
ケニル、アルキニル、アラルキル、シクロアルキル、多
環式シクロアルキル、アリール、多環式アリール、ヘテ
ロ環式基又は多環式ヘテロ環式基を表し、Rg及びRi
の少なくとも一方は、1個以上の塩基性窒素原子を有す
る、或いは、 Rg及びRiは、互いに結合して1個以上の塩基性窒
素原子を有する単環又は多環を形成する;上記及び
において、Rg及びRiは、同一又は異なって良い;
(b)p=1〜100の整数の場合には、Rg、Rh及
びRiは、下記又はに示す意味である; Rg及びRiはアルキル、アルケニル、アルキニル、
アラルキル、シクロアルキル、多環式シクロアルキル、
アリール、多環式アリール、ヘテロ環式基又は多環式ヘ
テロ環式基を表し、Rhはアルキレン、アルケニレン、
アルキニレン、アラルキレン、シクロアルキレン、多環
式シクロアルキレン、アリレン、多環式アリレン、ヘテ
ロ環式基又は多環式ヘテロ環式基を表し、且つ、Rg、
Rh及びRiの少なくとも一つが、1個以上の塩基性窒
素原子を有する、或いは、 RgとRh、RgとRi、又はRhとRiが結合する
か、RgとRh、及びRhとRiが複合的に結合して、
1個以上の塩基性窒素原子を有する単環又は多環を形成
する;上記及びにおいて、Rg、Rh及びRiは、
同一又は異なって良い;但し、上記した(a)及び
(b)において、Rg、Rh及びRiは、ハロゲン、ア
ミノ、シアノ、ホルミル、アルコキシ、カルボキシル、
アシル、ニトロ及びヒドロキシからなる群から選ばれた
少なくとも一個の基で置換されていても良い。]で表さ
れる塩基性窒素原子を含有するスルフィド化合物(但し、
ジチオジアニリンを除く)、(v)チオクラウンエーテ
ル化合物。この様な特定の含イオウ化合物を含有するス
ズ−銅合金メッキ浴によれば、電気メッキの際にスズ陽
極に銅が置換析出することが効果的に防止される。更
に、該スズ−銅合金メッキ浴は、形成されるメッキ皮膜
組成の電流密度依存性が低く、浴安定性が良好で濁りが
生じ難いものとなる。
【0035】スズ−銅合金メッキ浴で使用できる含イオ
ウ化合物の内で、チオ尿素化合物としては、チオ尿素及
びその誘導体から選ばれた少なくとも一種の化合物を用
いることができる。チオ尿素誘導体の具体例としては、
1,3−ジメチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジエ
チルチオ尿素、N,N′−ジイソプロピルチオ尿素、ア
リルチオ尿素、アセチルチオ尿素、エチレンチオ尿素、
1,3−ジフェニルチオ尿素、二酸化チオ尿素などが挙
げられる。
【0036】メルカプタン化合物としては、分子中にメ
ルカプト基を含む任意の化合物を用いることができ、例
えば、チオグリコール、チオグリコール酸、メルカプト
コハク酸、メルカプト乳酸、アセチルシステイン、ペニ
シラミンなどの脂肪族メルカプタン化合物;5−メルカ
プト−1,3,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−
メチル−4H−1,2,4−トリアゾール等の芳香族又
は複素環式メルカプタン化合物などを用いることができ
る。
【0037】これらのメルカプタン化合物の内で、ペニ
シラミン、5−メルカプト−1,3,4−トリアゾール、
3−メルカプト−4−メチル−4H−1,2,4−トリ
アゾール等の少なくとも一個の塩基性窒素原子を含むメ
ルカプタン化合物が好ましい。
【0038】本発明のスズ−銅メッキ浴で使用できるス
ルフィド化合物を示す上記一般式(1)及び一般式
(2)に含まれる基の内で、好適なものとしては、アル
キルとしてC1〜C6の直鎖又は分岐鎖アルキル、アルケ
ニルとしてはC2〜C6の直鎖又は分岐鎖アルケニル、ア
ルキニルとしてはC2〜C6の直鎖又は分岐鎖アルキニ
ル、アラルキルとしてはベンジル、フェネチル、スチリ
ル等、シクロアルキルとしてはシクロペンチル、シクロ
ヘキシル等、多環式シクロアルキルとしてはアダマンチ
ル等、アリールとしてはフェニル、クメニル等、多環式
アリールとしてナフチル、フェナントリル等、ヘテロ環
式基及び多環式ヘテロ環式基としてはピリジン環基、ピ
ロール環基、ピラジン環基、ピリダジン環基、チアゾー
ル環基、チアジアゾール環基、イミダゾリン環基、イミ
ダゾール環、チアゾリン環基、トリアゾール環、テトラ
ゾール環基、ピコリン環基、フラザン環基、ピペリジン
環基、ピペラジン環基、トリアジン環、モルホリン環
基、ベンゾチアゾール環基、ベンゾイミダゾール環基、
キノリン環基、キノキサリン環基、プテリジン環基、フ
ェナントロリン環基、フェナジン環基、インドリン環
基、ペルヒドロインドリン環基等を例示できる。
【0039】また、一般式(2)のRhで表されるアル
キレン、アルケニレン、アルキニレン、アラルキレン、
シクロアルキレン、多環式シクロアルキレン、多環式ア
リレン、ヘテロ環式基及び多環式ヘテロ環式としては、
それぞれ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アラル
キル、シクロアルキル、多環式シクロアルキル、アリー
ル、多環式アリール、ヘテロ環式基又は多環式ヘテロ環
式基の具体例として示した基の2価の基が好適である。
【0040】上記した一般式(1)におけるRe及びR
fの内で、水素、カルボキシル及びヒドロキシ以外の基
は、ハロゲン(塩素、フッ素、臭素等)、シアノ、ホル
ミル、アルコキシ(好ましくはC1〜C6アルコキシ)、
カルボキシ、アシル(好ましくはC1〜C6アシル)、ニ
トロ及びヒドロキシからなる群から選ばれた少なくとも
一個の置換基を有しても良い。また、一般式(2)にお
けるRg、Rh及びRiは、上記した各置換基及びアミ
ノ基からなる群から選ばれた少なくとも一個の基で置換
されていても良い。
【0041】上記一般式(1)で表される脂肪族スルフ
ィド化合物は、分子中にスルフィド結合又はジスルフィ
ド結合を有し、塩基性窒素原子を含まない化合物であ
り、その具体例は、次の通りである。但し、構造式中の
Phはフェニル基を表す。
【0042】(1)H−(OCH2CH2)2−S−(CH2
2O)2−Hで表されるチオビス(ジエチレングリコー
ル) (2)チオビス(ヘキサエチレングリコール) (3)H−(OCH2CH(OH)CH2)15−S−(CH2CH
(OH)CH2O)15−Hで表されるチオビス(ペンタデカ
グリセロール) (4)H−(OCH2CH2)20−S−(CH2CH2O)20
Hで表されるチオビス(イコサエチレングリコール) (5)チオビス(ペンタコンタエチレングリコール) (6)HO−CH(CH3)CH2−OCH2CH2−SCH2
CH2−OCH2CH(CH3)−OHで表される4,10−
ジオキサ−7−チアトリデカン−2,12−ジオール (7)HOCH2CH(OH)CH2−S−CH2CH(OH)
CH2OHで表されるチオジグリセリン (8)H−(OCH2CH(OH)CH2)3−S−(CH2CH
(OH)CH2O)3−Hで表されるチオビス(トリグリセリ
ン) (9)H−(OCH2CH(OH)CH2)5−(OCH2CH2)8
−OC48−SC48−O−(CH2CH2O)8−(CH2
CH(OH)CH2O)5−Hで表される2,2′−チオジブ
タノールビス(オクタエチレングリコールペンタグリセ
ロール)エーテル (10)Cl−CH2CH2CH2−(OCH2CH2)8−S−
(CH2CH2O)8−CH2CH2CH2−Clで表されるチ
オビス(オクタエチレングリコール)ビス(2−クロロエ
チル)エーテル (11)チオビス(デカエチレングリコール)ビス(カルボキ
シメチル)エーテル (12)チオビス(ドデカエチレングリコール)ビス(2−ニ
トロエチル)エーテル (13)HOOCCH2OCH2CH2−S−CH2CH2OC
2COOHで表されるチオジグリコールビス(カルボキ
シメチル)エーテル (14)HOOCCH2OCH2CH2−S−S−CH2CH2
OCH2COOHで表されるジチオジグリコールビス(カ
ルボキシメチル)エーテル (15)H−(OCH2CH2)12−S−(CH2CH2O)12−H
で表されるチオビス(ドデカエチレングリコール) (16)H−(OCH2CH2)41−S−S−(CH2CH2O)41
−Hで表されるジチオビス(ヘンテトラコンタエチレン
グリコール) (17)H−(OC36)5−(OC24)20−S−S−(OC2
4)20−(OC36)5−−Hで表されるジチオビス(イコ
サエチレングリコールペンタプロピレングリコール) (18)H−(OCH2CH(OH)CH2)3−S−S−(CH2
CH(OH)CH2O)3−Hで表されるジチオビス(トリグ
リセロール) (19)ジチオビス(デカグリセロール) (20)HOCH2CH2S−CH2CH2−SCH2CH2OH
で表される3,6−ジチアオクタン−1,8−ジオール (21)H−(OC24)10−S−C36−S−(OC24)10
−Hで表される1,3−プロパンジチオールビス(デカエ
チレングリコール)チオエーテル (22)H−(OCH2CH(OH)CH2)15−S−C48−S
−(CH2CH(OH)CH2O)15−Hで表される1,4−
ブタンジチオールビス(ペンタデカグリセロール)チオエ
ーテル (23)H−(OCH2CH2)5−SCH2CH(OH)CH2
−(CH2CH2O)5−Hで表される1,3−ジチオグリセ
ロールビス(ペンタエチレングリコール)チオエーテル (24)H−(OCH(C25)CH2)5−SC24S−(CH2
CH(C25)O)5−Hで表される1,2−エタンジチオ
ールビス(ペンタ(1−エチル)エチレングリコール)チオ
エーテル (25)H−(OCH(CH3)CH2)2−SCH2CH(OH)C
2S−(CH2CH(CH3)O)2−Hで表される1,3−
ジチオグリセロールビス(ジ(1−エチル)エチレングリ
コール)チオエーテル (26)H−(OC24)18−SC24−SC24−S−(C2
4O)18−Hで表される2−メルカプトエチルスルフィ
ドビス(ヘキサトリアコンタエチレングリコール) (27)CH3−(OC24)10−SC24−SC24−S−
(C24O)10−CH3で表される2−メルカプトエチル
スルフィドビス(イコサエチレングリコール)ジメチルエ
ーテル (28)H−(OC24)2−S−CH2CH2OCH2CH2
S−(C24O)2−Hで表される2−メルカプトエチル
エーテルビス(ジエチレングリコール) (29)前記(6)式で表されるチオジグリセロールテトラ(デ
カエチレングリコール)エーテル (30)CH3−S−(CH2CH2O)2−Hで表されるジエチ
レングリコールモノメチルチオエーテル (31)CH3−S−C612−S−(CH2CH(OH)CH2
O)10−Hで表されるデカグリセロールモノ(6−メチル
チオヘキシル)チオエーテル (32)BrCH2CH2−(OCH2CH2)20−(S−CH2
2)3−(OCH2CH2)100−OCH2CH2Brで表され
る2−メルカプトエチルスルフィド−ω−{(2−ブロ
モエチル)イコサエチレングリコール}チオエーテル−
ω′−{(2−ブロモエチル)ヘクタエチレングリコー
ル}チオエーテル (33)PhCH2OCH2CH(CH3)−S−C48−S−
(CH2CH2O)80−(CH2CH(CH3)O)10−Hで表さ
れる1,4−ブタンジオール−ω−{(2−ベンジルオキ
シ−1−メチル)エチル}チオエーテル−ω′−(デカプ
ロピレングリコールオクタコンタエチレングリコール)
チオエーテル (34)CH3−S−CH2CH2−(OCH2CH2)20−S−
S−(CH2CH2O)20−CH2CH2S−CH3で表され
るジチオビス(イコサエチレングリコール)ビス(2−メ
チルチオエチル)エーテル (35)CH3O−Ph−CH2S−CH2CH2−(CH2CH
2O)50−Hで表される1,2−エタンジオール−ω−(4
−メトキシベンジル)チオエーテル−ω′−(ペンタコン
タエチレングリコール)チオエーテル (36)NC−Ph−CH2S−(CH2CH2O)30−Hで表
されるトリアコンタエチレングリコールモノ(4−シア
ノベンジル)チオエーテル (37)CH2=CHCH2−(OCH2CH2)15−S−(CH2
CH2O)15−CH2CH=CH2で表されるチオビス(ペ
ンタデカエチレングリコール)ビスアリルエーテル (38)OHC−Ph−CH2CH2−S−(CH2CH2O)23
−Hで表されるトリコサエチレングリコールモノ(4−
ホルミルフェネチル)チオエーテル (39)CH3COCH2−S−CH2CH2−S−(CH2CH
2O)15−Hで表されるペンタデカエチレングリコールモ
ノ{(アセチルメチル)チオエチル}チオエーテル (40)下記式で表される1,2−エタンジオール−ω−(グ
リシジル)チオエーテル−ω′−イコサエチレングリコ
ールチオエーテル
【0043】
【化1】
【0044】(41)CH3−S−CH2CH2CO−(CH2
CH2O)18−CH2CH2S−CH3で表されるオクタデ
カエチレングリコールビス(2−メチルチオエチル)エー
テル (42)CH3−S−CH2CH2−S−(CH2CH2O)16
Hで表されるヘキサデカエチレングリコールモノ(2−
メチルチオエチル)チオエーテル (43)CH3−S−(CH2CH2O)20−Hで表されるイコ
サエチレングリコールモノメチルチオエーテル (44)C37−S−(CH2CH2O)10−CH2CH2S−C
37で表されるウンデカエチレングリコールジ(n−プ
ロピル)チオエーテル (45)HOCH2CH2S−(CH2CH2O)11−CH2CH2
S−CH2CH2OHで表されるドデカエチレングリコー
ルビス(2−ヒドロキシエチル)チオエーテル (46)ウンデカエチレングリコールジメチルチオエーテル (47)C49−S−S−CH2CH2−S−S−(CH2CH
2O)35−Hで表されるペンタトリアコンタエチレングリ
コールモノ(2−n−ブチルジチオエチル)ジチオエーテ
ル (48)HOCH2CH(OH)CH2−S−CH2CH(OH)
CH2−S−CH2CH(OH)CH2−S−CH2CH(O
H)CH2OHで表される4,8,12−トリチアペンタデ
カン−1,2,6,10,14,15−ヘキサオール (49)C25−S−CH2CH2−S−(CH2CH(OH)C
2O)20−Hで表されるイコサグリセロールモノ(2−
エチルチオエチル)チオエーテル (50)CH3−S−CH2CH2−S−(C24O)30−Hで
表されるトリアコンタエチレングリコールモノ(2−メ
チルチオエチル)チオエーテル (51)Ph−CH2−(OC24)20−S−S−(C24O)
20−CH2−Phで表されるジチオビス(イコサエチレン
グリコール)ジベンジルエーテル (52)CH3−S−(CH2CH2O)10−Hで表されるトリ
デカエチレングリコールモノメチルチオエーテル (53)CH3−S−(CH2CH2O)15−CH2CH2S−C
3で表されるヘキサデカエチレングリコールジメチル
チオエーテル (54)H−(OCH2CH2)20−S−CH2CH2−S−(C
2CH2O)20−Hで表される1,2−エタンジチオール
ビス(イコサエチレングリコール)チオエーテル (55)H−(OCH2CH2)15−S−S−(CH2CH2O)15
−Hで表されるジチオビス(ペンタデカエチレングリコ
ール) (56)HO−CH2CH2CH2−S−CH2CH2CH2−O
Hで表される3,3′−チオジプロパノール 上記一般式(2)で表されるスルフィド化合物は、分子
中にスルフィド、ジスルフィド、トリスルフィド、及び
テトラスルフィド結合から選ばれた少なくとも一種の結
合を1個又は繰り返し有すると共に、少なくとも一個の
塩基性窒素原子を含む化合物であり、脂肪族スルフィド
化合物、芳香族スルフィド化合物などの各種のスルフィ
ド化合物が含まれる。ただし、本発明のスズ−銅合金メ
ッキ浴では、ジチオジアニリンは除かれる。
【0045】この様な一般式(2)で表される塩基性窒
素原子を含むスルフィド化合物について具体的に説明す
ると、例えば、2,2'−ジ(1−メチルピロリル)ジスル
フィドでは、ジスルフィド結合の両端のピロール環が塩
基性窒素原子を有し、また、2,2'−ジチオジアニリン
では、ジスルフィド結合の両端のベンゼン環に置換した
アミノ基が塩基性窒素原子を有する。
【0046】一般式(2)で表される少なくとも1個の
塩基性窒素原子を含むスルフィド化合物の具体例は、次
の通りである。
【0047】(1)2−エチルチオアニリン (2)2−(2−アミノエチルジチオ)ピリジン (3)2,2'−ジチアジアゾリルジスルフィド (4)5,5'−ジ(1,2,3−トリアゾリル)ジスルフィド (5)2,2'−ジピラジニルジスルフィド (6)2,2'−ジピリジルジスルフィド (7)4,4'−ジピリジルジスルフィド (8)2,2'−ジアミノ−4,4'−ジメチルジフェニルジ
スルフィド (9)2,2'−ジピリダジニルジスルフィド (10)5,5'−ジピリミジニルジスルフィド (11)2,2'−ジ(5−ジメチルアミノチアジアゾリル)ジ
スルフィド (12)5,5'−ジ(1−メチルテトラゾリル)ジスルフィド (13)2,2'−ジ(1−メチルピロリル)ジスルフィド (14)2−ピリジル−2−ヒドロキシフェニルジスルフィ
ド (15)2,2'−ジピペリジルジスルフィド (16)2,2'−ジピリジルスルフィド (17)2,6−ジ(2−ピリジルジチオ)ピリジン (18)2,2'−ジピペラジニルジスルフィド (19)2,2'−ジ(3,5−ジヒドロキシピリミジニル)ジ
スルフィド (20)2,2'−ジキノリルジスルフィド (21)2,2'−ジ{6−(2−ピリジル)}ピリジルジスル
フィド (22)2,2'−α−ピコリルジスルフィド (23)2,2'−ジ(8−ヒドロキシキノリル)ジスルフィド (24)5,5'−ジイミダゾリルジスルフィド (25)2,2'−ジチアゾリルジスルフィド (26)2−ピリジル−2−アミノフェニルジスルフィド (27)2−ピリジル−2−キノリルジスルフィド (28)2,2'−ジチアゾリニルジスルフィド (29)2,2'−ジ(4,5-ジアミノ-6-ヒドロキシピリミ
ジニル)ジスルフィド (30)2,2'−ジ(6−クロロピリジル)テトラスルフィド (31)2,2'−ジモルホリノジスルフィド (32)2,2'−ジ(8−メトキシキノリル)ジスルフィド (33)4,4'−ジ(3−メトキシカルボニルピリジル)ジス
ルフィド (34)2−ピリジル−4−メチルチオフェニルジスルフィ
ド (35)2−ピペラジル−4−エトキシメチルフェニルジス
ルフィド (36)2,2'−ジ{6-(2-ピリジルジチオ)ピリジル}ジ
スルフィド (37)2,2'−ジキノキサリニルジスルフィド (38)2,2'−ジプテリジニルジスルフィド (39)3,3'−ジフラザニルジスルフィド (40)3,3'−ジフェナントロリニルジスルフィド (41)8,8'−ジキノリルジスルフィド (42)1,1'−ジフェナジニルジスルフィド (43)4,4'−ジ(3−カルボキシルピリジル)トリスルフ
ィド (44)2,2'−ジチアゾリニルジスルフィド (45)2,2'−ジピコリルジスルフィド (46)ジメチルアミノジエチルジスルフィド (47)2,2'−ジペルヒドロインドリルジスルフィド (48)6,6'−ジイミダゾ[2,1−b]チアゾリルジス
ルフィド (49)2,2'−ジ(5−ニトロベンズイミダゾリル)ジスル
フィド (50)2,4,6−トリス(2−ピリジルジチオ)−1,3,5
−トリアジン (51)2−アミノエチル−2'−ヒドロキシエチルジスル
フィド (52)ジ(2−ピリジルチオ)メタン (53)2,4,6−トリス(2−ピリジル)−1,3,5−トリ
チアン (54)5,5'−ジアミノ−2,11−ジチオ[3,3]パラ
シクロファン (55)2,3−ジチア−1,5−ジアザインダン (56)2,4,6−トリチア−3a,7a−ジアザインデン (57)下記式で表される1,8−ジアミノ−3,6−ジチア
オクタン
【0048】
【化2】
【0049】(58)下記式で表される1,11−ビス(メ
チルアミノ)−3,6,9−トリチアウンデカン
【0050】
【化3】
【0051】(59)下記式で表される1,14−ビス(メ
チルアミノ)−3,6,9,12−テトラチアテトラデカン
【0052】
【化4】
【0053】(60)下記式で表される1,10−ジ(2−ピ
リジル)−1,4,7,10−テトラチアデカン
【0054】
【化5】
【0055】本発明で使用できるチオクラウンエーテル
化合物は、環状のチオエーテル化合物であり、具体例と
して、次の(a)〜(c)に示される化合物を挙げることが
できる。
【0056】(a) 少なくとも1個の塩基性窒素原子を
含むチオクラウンエーテル化合物、(b) 少なくとも1
個の塩基性窒素原子と少なくとも1個の酸素原子を含む
チオクラウンエーテル化合物、(c) 上記(a)項のチオ
クラウンエーテル化合物及び(b)項のチオクラウンエー
テル化合物からなる群から選ばれた少なくとも二個の化
合物が炭素数1〜5個のアルキレン鎖で結合した化合
物。
【0057】上記(a)のチオクラウンエーテル化合物
(アザチアクラウンエーテル化合物)は、クラウンエー
テルの酸素原子をイオウ原子に置き換えた、分子内に少
なくとも1個の塩基性窒素原子を有する化合物である。
その具体例としては、下記の化合物を挙げることができ
る。 (i) 次式に示す1−アザ−4,7,11,14−テトラ
チアシクロヘキサデカン
【0058】
【化6】
【0059】(ii) 次式に示す1,10−ジアザ−4,
7,13,16−テトラチアシクロオクタデカン
【0060】
【化7】
【0061】(iii) 次式に示す1,10−ジアザ−1,
10−ジメチル−4,7,13,16−テトラチアシクロ
オクタデカン
【0062】
【化8】
【0063】(iv) 次式に示す1,16−ジアザ−1,1
6−ビス(2−ヒドロキシベンジル)−4,7,10,13,
19,22,25,28−オクタチアシクロトリアコンタ
【0064】
【化9】
【0065】(v)次式に示す7,8,9,10,18,1
9,20,21−オクタヒドロ−6H,17H−ジベンゾ
[b,k][1,4,10,13,7,16]テトラチアジア
ザシクロオクタデカン
【0066】
【化10】
【0067】(vi)次式に示す3,6,14,17−テト
ラチアトリシクロ[17.3.1.18,12]テトラコサ
−1,8,10,12,19,21−ヘキサエン−23,24
−ジアミン
【0068】
【化11】
【0069】(vii)次式に示す3,7,15,19−テト
ラチア−25,26−ジアザトリシクロ[19.3.1.1
9,13]ヘキサコサ−1,9,11,13,21,23−ヘ
キサエン
【0070】
【化12】
【0071】(viii)次式に示す6,13−ジアミノ−
1,4,8,11−テトラチアシクロテトラデカン
【0072】
【化13】
【0073】上記(b)のチオクラウンエーテル化合物
(アザオキサチアクラウンエーテル化合物)は、上記
(a)のチオクラウンエーテル内に酸素原子を少なくと
も1個有する化合物である。その具体例としては、下記
の化合物を挙げることができる。 (i)次式に示す1−アザ−7−オキサ−4,10−ジ
チアシクロドデカン
【0074】
【化14】
【0075】(ii)次式に示す2,23−ジアザ−5,2
0−ジオキサ−8,11,14,17−テトラチアビシク
ロ[22.2.2]オクタコサ−1,24,27−トリエン
【0076】
【化15】
【0077】(iii)次式に示す1,10−ジアザ−4,
7−ジオキサ−13,16,21,24−テトラチアビシ
クロ[8.8.8]ヘキサコサン
【0078】
【化16】
【0079】上記(c)の化合物は、例えば、上記
(a)のアザチアクラウンエーテル化合物同士、上記
(b)のアザオキサチアクラウンエーテル化合物同士、
又は上記(a)のアザチアクラウンエーテル化合物と上
記(b)のアザオキサチアクラウンエーテル化合物が、
1〜C5のアルキレン鎖を介して結合した化合物であ
る。アルキレン鎖で結合されるチオクラウンエーテル環
は2個以上であっても良い。上記(c)の化合物の具体
例としては、次式に示す1,1′−(1,2−エタンジイ
ル)ビス−1−アザ−4,7,10−トリチアシクロドデ
カンを挙げることができる。
【0080】
【化17】
【0081】スズ−銅−ビスマス合金メッキ浴における
含イオウ化合物 本発明のスズ−銅−ビスマス合金メッキ浴は、一般式
(2)の塩基性窒素含有スルフィド化合物として2,2'
−ジチオジアニリン等のジチオジアニリンを用いても良
い点でスズ−銅合金メッキ浴と異なるが、他の条件は、
スズ−銅合金メッキ浴と同じである。即ち、該スズ−銅
−ビスマス合金メッキ浴では、含イオウ化合物として、
下記(i)〜(v)に示された化合物からなる群から選
ばれた少なくとも一種の化合物を用いる。 (i)チオ尿素化合物、(ii)メルカプタン化合物、
(iii)下記一般式(1): Re-Ra-[(X−Rb)L-(Y−Rc)M-(Z−Rd)N]-Rf (1) (式中、各記号は前記に同じ)で表される脂肪族スルフ
ィド化合物、(iv)下記一般式(2): Rg−[(S)X−Rh]p−[(S)Y−Ri)]q (2) (式中、各記号は前記に同じ)で表される塩基性窒素原
子を含有するスルフィド化合物、(v)チオクラウンエ
ーテル化合物。
【0082】これらの含イオウ化合物の具体例は、スズ
−銅合金メッキ浴と同様である。
【0083】この様な特定の含イオウ化合物を配合した
スズ−銅−ビスマス合金メッキ浴は、陽極への銅の置換
析出が生じ難く、形成されるメッキ皮膜組成の電流密度
依存性が低く、浴安定性が良好で濁りが生じ難いものと
なる。スズ−銅−銀合金メッキ浴における含イオウ化合
本発明のスズ−銅−銀合金メッキ浴については、使用で
きる含イオウ化合物は、スズ−銅合金メッキ浴及びスズ
−銅−ビスマス合金メッキ浴と比べて限定されている。
具体的には、下記(i)〜(iv)に示された化合物から
なる群から選ばれた少なくとも一種の含イオウ化合物を
用いる。 (i)下記一般式(1): Re-Ra-[(X−Rb)L-(Y−Rc)M-(Z−Rd)N]-Rf (1) (式中、各記号は前記に同じ)で表される脂肪族スルフ
ィド化合物(但し、チオジグリコール酸及びチオジグリ
コールは除く)、(ii)下記一般式(2): Rg−[(S)X−Rh]p−[(S)Y−Ri)]q (2) (式中、各記号は前記に同じ)で表される塩基性窒素原
子を含有するスルフィド化合物 (iii)少なくとも一個の塩基性窒素原子を含むメルカ
プタン化合物、(iv)チオクラウンエーテル化合物。
【0084】この様な特定の含イオウ化合物を配合した
スズ−銅−銀合金メッキ浴は、銅の陽極置換が生じ難
く、形成されるメッキ皮膜組成の電流密度依存性が低
く、浴安定性が良好で濁りが生じ難いものとなる。
【0085】スズ−銅−銀合金メッキ浴で使用できる含
イオウ化合物の内で、一般式(1)で表される脂肪族ス
ルフィド化合物としては、チオジグリコール酸とチオジ
グリコールを使用できないことを除いて、上記したスズ
−銅合金メッキ浴で使用できる一般式(1)の脂肪族ス
ルフィド化合物と同様の化合物を使用できる。
【0086】一般式(2)の塩基性窒素原子を含むスル
フィド化合物としては、スズ−銅合金メッキ浴で使用で
きる一般式(2)の脂肪族スルフィド化合物と同様の化
合物を使用でき、その他に2,2'−ジチオジアニリン等
のジチオジアニリンも使用できる。
【0087】少なくとも一個の塩基性窒素原子を含むメ
ルカプタン化合物としては、アセチルシステインなどの
脂肪族メルカプタン化合物、5−メルカプト−1,3,4
−トリアゾールなどの芳香族又は複素環式メルカプタン
化合物等を使用できる。ちなみに、アセチルシステイン
はアミノ基に塩基性窒素原子を含み、5−メルカプト−
1,3,4−トリアゾールはトリアゾール環に塩基性窒素
原子を含む。
【0088】従って、本発明のスズ−銅−銀合金メッキ
浴で使用できるメルカプタン化合物からは、チオグリコ
ール、チオグリコール酸、メルカプトコハク酸などのよ
うな塩基性窒素原子を含まないメルカプタン化合物は除
かれる。
【0089】本発明のスズ−銅−銀合金メッキ浴で使用
できるチオクラウンエーテル化合物は、前述したスズ−
銅合金メッキ浴で使用できる化合物と同様である。
【0090】以上の様に、本発明のスズ−銅−銀合金メ
ッキ浴では、使用できる含イオウ化合物は、スズ−銅合
金メッキ浴及びスズ−銅−ビスマス合金メッキ浴と比べ
て限定されたものである。この様な特定の含イオウ化合
物ではなく、例えば、β−チオジグリコール、チオグリ
コール等を用いる場合には、合金皮膜組成の電流密度依
存性を充分に低減させることができない。含イオウ化合物の配合量 本発明のスズ−銅含有合金メッキ浴では、メッキ浴中の
含イオウ化合物の含有量は、スズ−銅合金メッキ浴、ス
ズ−銅−ビスマス合金メッキ浴及びスズ−銅−銀合金メ
ッキ浴のいずれについても同様であり、0.001〜2
mol/l程度が好ましく、0.005〜0.5mol
/l程度がより好ましい。その他の添加剤 本発明のスズ−銅含有合金メッキ浴には、更に必要に応
じて、分子内に2個以上の含窒素芳香環を有する化合物
を配合することができる。この様な含窒素芳香環を含む
化合物を配合することによって、陽極への銅の置換析出
を防止する効果がより向上する。
【0091】分子内に2個以上の含窒素芳香環を有する
化合物の具体例としては、2,2’−ビピリジル、5,
5’−ジメチル−2,2’−ビピリジル、4,4’−ジ
エチル−2,2’−ビピリジル、2,2’:6’,2”
−テルピリジン、5,5’−ジエチル−4,4’−ジメ
チル−2,2’−ビピリジル、2,2’−ビピリジル−
4,4’−ビスカルボン酸、1,10−フェナントロリ
ン、5−アミノ−1,10−フェナントロリン、4,7
−ジクロロ−1,10−フェナントロリン、5−ニトロ
−1,10−フェナントロリン、2−クロロ−1,10
−フェナントロリン、5−クロロ−1,10−フェナン
トロリン、2−メチル−1,10−フェナントロリン、
5−メチル−1,10−フェナントロリン、2,9−ジ
メチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジメチ
ル−1,10−フェナントロリン、5,6−ジメチル−
1,10−フェナントロリン、3,5,6,8−テトラ
メチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェ
ニル−1,10−フェナントロリン、2,9−ジメチル
−4,7−ジフェニルー1,10−フェナントロリン、
バソフェナントロリンジスルホン酸二ナトリウム塩、
2,4,6−トリス(2−ピリジル)−1,3,5−ト
リアジン等を挙げることができる。
【0092】分子内に2個以上の含窒素芳香環を有する
化合物のスズ−銅合金メッキ浴中への配合量は、0.0
02〜2g/l程度とすることが好ましく、0.005
〜0.5g/l程度とすることがより好ましい。
【0093】本発明のスズ−銅含有合金メッキ浴には、
更に必要に応じて、不飽和脂肪族カルボン酸化合物を配
合することができる。不飽和脂肪族カルボン酸化合物を
配合することによって、メッキ浴の安定性がより向上し
て、濁りが生じ難いものとなる。更に、陽極への銅の置
換析出を防止する効果がより向上する。
【0094】不飽和脂肪族カルボン酸化合物の具体例と
しては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソ
クロトン酸、アンゲリカ酸、チグリン酸、マレイン酸、
フマール酸、プロピオール酸、テトロール酸、アセチレ
ンジカルボン酸等の不飽和カルボン酸;これらの不飽和
カルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピ
ルエステル、ブチルエステル、ヒドロキシプロピルエス
テル、グリセロールエステル、ポリエチレングリコール
エステル、ポリプロピレングリコールエステルなどのエ
ステル類;グリセロールジメタクリレート、グリセリル
ジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレ
ート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポ
リエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレン
グリコールジアクリレート等を挙げることができる。
【0095】不飽和脂肪族カルボン酸化合物のスズ−銅
含有合金メッキ浴中への配合量は、0.05〜100g
/l程度とすることが好ましく、0.5〜10g/l程
度とすることがより好ましい。
【0096】本発明のスズ−銅含有合金メッキ浴には、
上記成分以外に、目的に応じて、公知の界面活性剤、酸
化防止剤、光沢剤、半光沢剤、錯化剤、pH調整剤、緩
衝剤などの各種添加剤を配合できる。
【0097】界面活性剤としては、ノニオン性、アニオ
ン性、カチオン性、両性等の各種界面活性剤を用いるこ
とができる。界面活性剤は、一種単独又は二種以上混合
して用いることができる。界面活性剤の添加量は、0.
01〜100g/l程度とすることが好ましく、0.1
〜50g/l程度とすることがより好ましい。
【0098】界面活性剤は、メッキ皮膜の外観、緻密
性、平滑性、密着性、均一電着性などの改善のために用
いられるが、特に、前記含イオウ化合物との相乗効果に
より、メッキ皮膜組成の電流密度依存性を低減させるた
めに有効である。
【0099】本発明における使用に適するノニオン性界
面活性剤は、C1〜C20アルカノール、フェノール、ナ
フトール、ビスフェノール類、C1〜C25アルキルフェ
ノール、アリールアルキルフェノール、C1〜C25アル
キルナフトール、C1〜C25アルコキシル化リン酸
(塩)、ソルビタンエステル、スチレン化フェノール、ポ
リアルキレングリコール、C1〜C30脂肪族アミン、C1
〜C22脂肪族アミド等に、エチレンオキシド(EO)及び
プロピレンオキシド(PO)から選ばれた少なくとも一種
のアルキレンオキシドを2〜300モル付加縮合したア
ルキレンオキシド付加物である。
【0100】従って、上記したアルカノール、フェノー
ル、ナフトールなどのEO単独の付加物、PO単独の付
加物、或は、EOとPOが共存した付加物のいずれでも
良い。具体的には、α−ナフトール又はβ−ナフトール
のエチレンオキシド付加物(即ち、α−ナフトールポリエ
トキシレートなど)が好ましい。
【0101】アルキレンオキシドを付加縮合させるC1
〜C20アルカノールとしては、オクタノール、デカノー
ル、ラウリルアルコール、テトラデカノール、ヘキサデ
カノール、ステアリルアルコール、エイコサノール、セ
チルアルコール、オレイルアルコール、ドコサノールな
どが挙げられる。
【0102】アルキレンオキシドを付加縮合させるビス
フェノール類としては、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールB、ビスフェノールFなどが挙げられる。
【0103】アルキレンオキシドを付加縮合させるC1
〜C25アルキルフェノールとしては、モノ、ジ、若しく
はトリアルキル置換フェノール、例えば、p−ブチルフ
ェノール、p−イソオクチルフェノール、p−ノニルフ
ェノール、p−ヘキシルフェノール、2,4−ジブチル
フェノール、2,4,6−トリブチルフェノール、p−ド
デシルフェノール、p−ラウリルフェノール、p−ステ
アリルフェノールなどが挙げられる。
【0104】アルキレンオキシドを付加縮合させるアリ
ールアルキルフェノールとしては、2−フェニルイソプ
ロピルフェニルなどが挙げられる。
【0105】アルキレンオキシドを付加縮合させるC1
〜C25アルキルナフトールのアルキル基としては、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、
デシル、ドデシル、オクタデシルなどが挙げられ、ナフ
タレン核の任意の位置にあって良い。
【0106】アルキレンオキシドを付加縮合させるC1
〜C25アルコキシル化リン酸(塩)は、下記の一般式(a)
で表されるものである。
【0107】 Ra・Rb・(MO)P=O …(a) (式(a)中、Ra及びRbは同一又は異なるC1〜C25
ルキル、但し、一方がHであっても良い。Mは、H又はア
ルカリ金属を示す。) アルキレンオキシドを付加縮合させるソルビタンエステ
ルとしては、モノ、ジ又はトリエステル化した1,4
−、1,5−又は3,6−ソルビタン、例えばソルビタン
モノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビ
タンジステアレート、ソルビタンジオレエート、ソルビ
タン混合脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0108】アルキレンオキシドを付加縮合させるC1
〜C30脂肪族アミンとしては、プロピルアミン、ブチル
アミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミ
ン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミ
ン、ベヘニルアミン、ドコセニルアミン、トリアコンチ
ルアミン、ジオレイルアミン、エチレンジアミン、プロ
ピレンジアミンなどの飽和又は不飽和脂肪酸アミンなど
が挙げられる。
【0109】アルキレンオキシドを付加縮合させるC1
〜C22脂肪族アミドとしては、プロピオン酸、酪酸、カ
プリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などのアミドが挙
げられる。
【0110】上記したノニオン性界面活性剤の内で、特
に、C8〜C30脂肪族アミンのアルキレンオキシド付加
物は、前述した特定の含イオウ化合物と共に用いること
により、又は前述した特定の含イオウ化合物に加えて、
更に分子内に2個以上の含窒素芳香環を有する化合物、
不飽和脂肪族カルボン酸化合物等と共に用いることによ
り、銅の陽極置換防止や浴の安定化による濁りの防止効
果をより一層向上させることができる。
【0111】カチオン性界面活性剤としては、下記一般
式(b)で表される第4級アンモニウム塩、下記一般式
(c)で表されるピリジニウム塩などが挙げられる。
【0112】(R1・R2・R3・R4N)+・X- …(b) (式(b)中、Xはハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C5アル
カンスルホン酸又は硫酸、R1、R2及びR3は同一又は
異なるC1〜C20アルキル、R4はC1〜C10アルキル又
はベンジルを示す。)、 R6−(C64N−R5)+・X- …(c) (式(c)中、Xはハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C5アル
カンスルホン酸又は硫酸、R5はC1〜C20アルキル、R
6はH又はC1〜C10アルキルを示す。)塩の形態のカチオ
ン性界面活性剤の例としては、ラウリルトリメチルアン
モニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、ラ
ウリルジメチルエチルアンモニウム塩、オクタデシルジ
メチルエチルアンモニウム塩、ジメチルベンジルラウリ
ルアンモニウム塩、セチルジメチルベンジルアンモニウ
ム塩、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム塩、
トリメチルベンジルアンモニウム塩、トリエチルベンジ
ルアンモニウム塩、ヘキサデシルピリジニウム塩、ラウ
リルピリジニウム塩、ドデシルピリジニウム塩、ステア
リルアミンアセテート、ラウリルアミンアセテート、オ
クタデシルアミンアセテートなどが挙げられる。
【0113】アニオン性界面活性剤としては、アルキル
硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、
アルキルベンゼンスルホン酸塩、(モノ、ジ、トリ)アルキ
ルナフタレンスルホン酸塩などが挙げられる。アルキル
硫酸塩としては、ラウリル硫酸ナトリウム、オレイル硫
酸ナトリウムなどが挙げられる。ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル硫酸塩としては、ポリオキシエチレン
(EO12)ノニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシ
エチレン(EO15)ドデシルエーテル硫酸ナトリウムな
どが挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル硫酸塩としては、ポリオキシエチレン(EO1
5)ノニルフェニルエーテル硫酸塩などが挙げられる。
アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。また、
(モノ、ジ、トリ)アルキルナフタレンスルホン酸塩として
は、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどが挙
げられる。
【0114】両性界面活性剤としては、カルボキシベタ
イン、イミダゾリンベタイン、スルホベタイン、アミノ
カルボン酸などが挙げられる。また、エチレンオキシド
及び/又はプロピレンオキシドとアルキルアミン又はジ
アミンとの縮合生成物の硫酸化又はスルホン酸化付加物
も使用できる。
【0115】代表的なカルボキシベタイン又はイミダゾ
リンベタインとしては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベ
タイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステ
アリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミ
ドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−ウンデシ
ル−1−カルボキシメチル−1−ヒドロキシエチルイミ
ダゾリニウムベタイン、2−オクチル−1−カルボキシ
メチル−1−カルボキシエチルイミダゾリニウムベタイ
ンなどが挙げられる。硫酸化又はスルホン酸化付加物と
しては、エトキシル化アルキルアミンの硫酸付加物、ス
ルホン酸化ラウリル酸誘導体ナトリウム塩などが挙げら
れる。
【0116】上記スルホベタインとしては、ヤシ油脂肪
酸アミドプロピルジメチルアンモニウム−2−ヒドロキ
シプロパンスルホン酸、N−ココイルメチルタウリンナ
トリウム、N−パルミトイルメチルタウリンナトリウム
などが挙げられる。
【0117】アミノカルボン酸としては、ジオクチルア
ミノエチルグリシン、N−ラウリルアミノプロピオン
酸、オクチルジ(アミノエチル)グリシンナトリウム塩な
どが挙げられる。
【0118】また、酸化防止剤は、浴中のスズの酸化防
止を目的とするものであり、その具体例としては、アス
コルビン酸又はその塩、ハイドロキノン、カテコール、
レゾルシン、フロログルシン、クレゾールスルホン酸又
はその塩、フェノールスルホン酸又はその塩、ナフトー
ルスルホン酸又はその塩などが挙げられる。
【0119】光沢剤としては、m−クロロベンズアルデ
ヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベ
ンズアルデヒド、1−ナフトアルデヒド、ベンジリデン
アルデヒド、サリチルアルデヒド、パラアルデヒドなど
の各種アルデヒド、バニリン、トリアジン、イミダゾー
ル、インドール、キノリン、2−ビニルピリジン、アニ
リンなどを用いることができる。
【0120】半光沢剤としては、チオ尿素化合物、N―
(3―ヒドロキシブチリデン)―p―スルファニル酸、N
―ブチリデンスルファニル酸、N―シンナモイリデンス
ルファニル酸、2,4―ジアミノ―6―(2′―メチルイ
ミダゾリル(1′))エチル―1,3,5―トリアジン、2,
4―ジアミノ―6―(2′―エチル―4―メチルイミダ
ゾリル(1′))エチル―1,3,5―トリアジン、2,4―
ジアミノ―6―(2′―ウンデシルイミダゾリル(1′))
エチル―1,3,5―トリアジン、サリチル酸フェニル、
ベンゾチアゾール化合物等を用いることができる。ベン
ゾチアゾール化合物の具体例としては、ベンゾチアゾー
ル、2―メチルベンゾチアゾール、2―(メチルメルカ
プト)ベンゾチアゾール、2―アミノベンゾチアゾー
ル、2―アミノ―6―メトキシベンゾチアゾール、2―
メチル―5―クロロベンゾチアゾール、2―ヒドロキシ
ベンゾチアゾール、2―アミノ―6―メチルベンゾチア
ゾール、2―クロロベンゾチアゾール、2,5―ジメチ
ルベンゾチアゾール、2―メルカプトベンゾチアゾー
ル、6―ニトロ―2―メルカプトベンゾチアゾール、5
―ヒドロキシ―2―メチルベンゾチアゾール、2―ベン
ゾチアゾールチオ酢酸等などが挙げられる。
【0121】錯化剤は、主に銅の浴中への溶解を安定促
進するためのものであり、具体的には、グルコン酸、グ
ルコヘプトン酸、エチレンジアミン、エチレンジアミン
四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DT
PA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、イミノジ酢酸(ID
A)、イミノジプロピオン酸(IDP)、ヒドロキシエチ
ルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレン
テトラミン六酢酸(TTHA)、シュウ酸、クエン酸、酒
石酸、ロッシェル塩、乳酸、リンゴ酸、マロン酸、酢
酸、これらの塩、チオ尿素又はその誘導体などを用いる
ことができる。
【0122】pH調整剤としては、塩酸、硫酸等の各種
の酸、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム等の各種
の塩基などを用いることができる。
【0123】緩衝剤としては、ホウ酸類、リン酸類、塩
化アンモニウムなどを用いることができる。
【0124】本発明のスズ−銅含有合金メッキ浴では、
上記各種添加剤の含有濃度は、バレルメッキ、ラックメ
ッキ、高速連続メッキ、ラックレスメッキ等の使用方法
に応じて、適宜選択すれば良い。メッキ条件 本発明のスズ−銅含有合金メッキ浴を用いて電気メッキ
を行う場合、浴温は0℃程度以上とすることが好まし
く、10〜50℃程度とすることがより好ましい。陰極
電流密度は0.01〜150A/dm2程度とすることが
好ましく、0.1〜30A/dm2程度とすることがより
好ましい。
【0125】また、浴のpHは、酸性からほぼ中性まで
の広い領域とすることができるが、特に、弱酸性〜強酸
性の範囲が好ましい。本発明のスズ−銅含有合金メッキ
浴は、鉛を含まないメッキ浴であって、形成されるメッ
キ皮膜は、従来のスズ−鉛合金皮膜に匹敵するハンダ接
合強度を有するものとなる。従って、本発明のスズ−銅
含有合金メッキ浴は、特に、電気部品又は電子部品を被
メッキ物とした場合に、ハンダ付け性に優れたメッキ皮
膜を形成できる安全性の高いメッキ浴として有用性が高
いものである。被メッキ物とする電気部品又は電子部品
については、特に限定はないが、その具体例としては、
半導体デバイス、コネクタ、スィッチ、抵抗、可変抵
抗、コンデンサ、フィルタ、インダクタ、サーミスタ、
水晶振動子、リード線、プリント基板などを挙げること
ができる。メッキ皮膜の膜厚については、特に限定的で
はないが、通常、1〜20μm程度とすればよい。
【0126】
【発明の効果】(1) 本発明のスズ−銅含有合金メッ
キ浴によれば、電気メッキの際にスズ陽極に銅が置換析
出することを抑制できる。これは、該メッキ浴に含まれ
る含イオウ化合物が、浴中の銅塩に作用して銅の標準電
極電位を卑の方向に変位させるため、スズ陽極への銅の
置換析出が阻害されることによるものと推定される。
【0127】一般に、スズ−銅含有合金メッキ浴中の銅
塩濃度は第一スズ塩に比べて低く設定されるが、本発明
のスズ−銅含有合金メッキ浴では、スズ陽極に銅が置換
析出し難いために浴中の銅塩濃度を適正に維持できる。
このため、陽極への銅の置換により皮膜中の銅比率が低
下する弊害がある従来のメッキ浴とは異なり、本発明の
スズ−銅合金メッキ浴では銅塩を補給する手間が要ら
ず、Sn/Cuの皮膜組成比の安定性が高くなる。
【0128】(2) 本発明のスズ−銅含有合金メッキ
浴によれば、低電流密度から高電流密度までの広い領域
において皮膜組成が一定で、電流密度依存性の小さいス
ズ−銅含有合金皮膜を得ることができる。
【0129】例えば、本発明のスズ−銅合金メッキ浴に
よれば、実用度に優れたCu組成比1.3mol%のス
ズ−銅共晶組成合金などを容易に形成できる。
【0130】(3)本発明のスズ−銅含有合金メッキ浴
は、経時安定性が良好であり、建浴後1カ月程度経過し
た時点でも浴の濁りが殆ど発生しない。
【0131】スズ−銅合金含有メッキ浴の濁りは、スズ
が2価から4価に酸化されることに起因するものであ
り、スズ−銅合金含有メッキ浴では、浴中にCu2+が存
在するため、Cu2+がスズ塩に作用してSn2+をSn4+
に酸化し、同時にスズ塩によって還元された銅イオン
は、スズの酸化反応と対をなす酸素の還元反応によりC
+から元のCu2+に酸化されて、再び浴中のSn2+
悪影響を及ぼすという循環を繰り返すものと推定され
る。
【0132】本発明のスズ−銅合金含有メッキ浴によれ
ば、浴中に含まれる含イオウ化合物が銅塩に作用して安
定化するため、銅イオンは浴中のSn2+に関与できなく
なり、スズの酸化が抑制されて、浴の濁りは解消される
ものと思われる。
【0133】(4)本発明のスズ−銅−銀合金メッキ浴
は、浴中に安定に溶解すること困難な銀を含むが、建浴
後長期間経過しても分解することなく、安定な組成のメ
ッキ皮膜を形成することができる。これは、添加剤とし
て配合する特定の含イオウ化合物が、浴中の銀に作用し
て安定化していることによるものと推定される。
【0134】(5)本発明のスズ−銅含有合金メッキ浴
に、更に、分子内に2個以上の含窒素芳香環を有する化
合物を配合する場合には、電気メッキの際にスズ陽極に
銅が置換析出することをより一層効果的に防止できる。
【0135】(6)本発明のスズ−銅含有合金メッキ浴
に、更に、不飽和脂肪族カルボン酸化合物を配合する場
合には、電気メッキの際にスズ陽極に銅が置換析出する
ことをより一層効果的に防止できる。また、メッキ浴の
安定性がより向上して、長期間に亘って浴の濁りを防止
できる。
【0136】(7)本発明のスズ−銅含有合金メッキ浴
に、更に、界面活性剤を配合する場合には、形成される
メッキ皮膜の外観、緻密性、平滑性、均一電着性などが
大きく向上し、被メッキ物の商品価値を高めることがで
きる。
【0137】特に、界面活性剤を含イオウ化合物と併用
することにより、両者の相乗効果によって合金皮膜組成
の電流密度依存性がより一層低減される。
【0138】(8)本発明のスズ−銅含有合金メッキ浴
により形成されるメッキ皮膜は、鉛を含まないハンダメ
ッキ皮膜であり、人体や環境に対する悪影響が少ない。
また、該皮膜の接合強度は高く、スズ−鉛合金メッキに
準ずる溶融温度を有し、実用度の高い鉛フリーのハンダ
メッキである。
【0139】しかも、スズ−銅合金メッキはクラック発
生の恐れが小さく、スズ−銅−ビスマス合金メッキはホ
イスカーとクラックの両方の発生を有効に防止する観点
からスズ−鉛合金メッキの代替としての期待が大きい。
【0140】
【実施例】以下、スズ−銅合金、スズ−銅−銀合金、及
びスズ−銅−ビスマス合金の各スズ−銅含有合金メッキ
浴の実施例を順次述べるととともに、電着皮膜組成の電
流密度依存性、陽極置換防止能、皮膜外観、並びに浴の
経時安定性の各試験結果を説明する。
【0141】下記の実施例及び比較例では、スズ−銅合
金メッキ浴についてはAグループ、スズ−銅−銀合金メ
ッキ浴についてはBグループ、スズ−銅−ビスマス合金
メッキ浴についてはCグループとして符号を付して記載
する。スズ−銅合金メッキ浴の実施例(Aグループ) Aグループのスズ−銅合金メッキ浴については、実施例
1A〜3A及び13Aは一般式(2)で表される塩基性
窒素原子を含むスルフィド化合物、実施例4A〜6A及
び14A〜18Aは一般式(1)で表される脂肪族スル
フィド化合物、実施例7A〜8Aはチオクラウンエーテ
ル化合物、実施例9A〜10Aはチオ尿素又はその誘導
体、実施例11A〜12Aは塩基性窒素原子を含む脂肪
族又は芳香族メルカプタン化合物を、それぞれ含イオウ
化合物として含有するメッキ浴の例である。これらの内
で、実施例11Aは中性浴の例である。実施例13A〜
14Aは、含イオウ化合物の他に、2個以上の含窒素芳
香環を有する化合物とC8〜C30脂肪族アミンのアルキ
レンオキシド付加物を含有するメッキ浴の例、実施例1
5A、16A及び18Aは、含イオウ化合物の他に、2
個以上の含窒素芳香環を有する化合物、C8〜C30脂肪
族アミンのアルキレンオキシド付加物及び不飽和脂肪族
カルボン酸化合物を含有するメッキ浴の例、実施例17
Aは、含イオウ化合物の他に、2個以上の含窒素芳香環
を有する化合物と不飽和脂肪族カルボン酸化合物を含有
するメッキ浴の例である。
【0142】一方、比較例1Aは含イオウ化合物と界面
活性剤を含まないメッキ浴、比較例2Aは界面活性剤を
含み、含イオウ化合物を含まないメッキ浴、比較例3A
は、特開平8−13185号公報の実施例に記載され
た、ノニオン性界面活性剤を含み、含イオウ化合物を含
まないメッキ浴の例である。
【0143】以下、Aグループのメッキ浴の組成を示
す。 《実施例1A》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.1974mol/l 硫酸銅(Cu2+として) 0.0026mol/l メタンスルホン酸 2mol/l 2,2′−ジピリジルジスルフィド 0.01mol/l α−ナフトールポリエトキシレート(EO10モル) 5g/l 《実施例2A》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.1974mol/l 硫酸銅(Cu2+として) 0.0026mol/l メタンスルホン酸 2mol/l 5,5′−ジ(1,2,3−トリアゾリル)ジスルフィド 0.01mol/l α−ナフトールポリエトキシレート(EO10モル) 5g/l 《実施例3A》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.1974mol/l 硫酸銅(Cu2+として) 0.0026mol/l メタンスルホン酸 2mol/l 2−ピリジル−2−アミノフェニルジスルフィド 0.01mol/l α−ナフトールポリエトキシレート(EO10モル) 5g/l 《実施例4A》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.2mol/l メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 0.005mol/l メタンスルホン酸 2mol/l チオジグリコール酸 0.02mol/l ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO15モル) 5g/l ヒドロキノン 1g/l 《実施例5A》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.2mol/l メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 0.005mol/l メタンスルホン酸 2mol/l チオビス(ドデカエチレングリコール) 0.02mol/l ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO15モル) 5g/l ヒドロキノン 1g/l 《実施例6A》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.2mol/l メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 0.005mol/l メタンスルホン酸 2mol/l チオビス(トリグリセリン) 0.02mol/l ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO15モル) 5g/l ヒドロキノン 1g/l 《実施例7A》 硫酸第一スズ(Sn2+として) 0.1974mol/l 硫酸銅(Cu2+として) 0.0026mol/l 硫酸 1mol/l 1,10−ジアザ−4,7,13,16 −テトラチアシクロオクタデカン 0.01mol/l ラウリルアミンポリエトキシレート(EO10モル) −ポリプロポキシレート(PO3モル) 7g/l カテコール 1g/l 《実施例8A》 硫酸第一スズ(Sn2+として) 0.1974mol/l 硫酸銅(Cu2+として) 0.0026mol/l 硫酸 1mol/l 1−アザ−4,7,11,14 −テトラチアシクロヘキサデカン 0.01mol/l ラウリルアミンポリエトキシレート(EO10モル) −ポリプロポキシレート(PO3モル) 7g/l カテコール 1g/l 《実施例9A》 エタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.1974mol/l 硫酸銅(Cu2+として) 0.0026mol/l エタンスルホン酸 2mol/l チオ尿素 0.01mol/l トリスチレン化フェノールポリエトキシレート(EO15モル) −ポリプロポキシレート(PO3モル) 7g/l ヒドロキノン 1g/l 《実施例10A》 エタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.1974mol/l 硫酸銅(Cu2+として) 0.0026mol/l 1,3−ジメチルチオ尿素 0.01mol/l トリスチレン化フェノールポリエトキシレート(EO15モル) −ポリプロポキシレート(PO3モル) 7g/l ヒドロキノン 1g/l 《実施例11A》 硫酸第一スズ(Sn2+として) 0.1974mol/l 硫酸銅(Cu2+として) 0.0026mol/l 硫酸 1mol/l グルコン酸ナトリウム 250g/l アセチルシステイン 0.01mol/l ラウリルアミンポリエトキシレート(EO10モル) −ポリプロポキシレート(PO3モル) 7g/l カテコール 1g/l pH=5 (NaOHで調整) 《実施例12A》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.1974mol/l 硫酸銅(Cu2+として) 0.0026mol/l メタンスルホン酸 2mol/l 5−メルカプト−1,3,4−トリアゾール 0.01mol/l α−ナフトールポリエトキシレート(EO10モル) 5g/l 《実施例13A》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.08mol/l メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 0.0018mol/l メタンスルホン酸 1mol/l 4,4’−ジピリジルジスルフィド 0.01mol/l 1,10−フェナントロリン 0.02g/l ラウリルアミンポリエトキシレート(EO12モル) 10g/l 《実施例14A》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.165mol/l メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 0.007mol/l メタンスルホン酸 2mol/l 3,6−ジチアオクタン−1,8−ジオール 0.05mol/l 2,2’−ビピリジル 0.04g/l オレイルアミンポリエトキシレート(EO15モル) 8g/l 《実施例15A》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.08mol/l メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 0.0018mol/l メタンスルホン酸 2mol/l チオビス(ドデカエチレングリコール) 0.03mol/l メタクリル酸 4g/l ネオクプロイン 0.02g/l β−ナフトールポリエトキシレート(EO13モル) 5g/l ラウリルアミンポリエトキシレート(EO12モル) 10g/l 《実施例16A》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.08mol/l メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 0.0035mol/l メタンスルホン酸 2mol/l 3,6−ジチアオクタン−1,8−ジオール 0.02mol/l 1−ナフトアルデヒド 0.25g/l メタクリル酸 4g/l β−ナフトールポリエトキシレート(EO13モル) 5g/l オレイルアミンポリエトキシレート(EO12モル) 20g/l 2,2’−ビピリジル 0.03g/l 《実施例17A》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.08mol/l メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 0.0035mol/l メタンスルホン酸 1.2mol/l 1,2−エタンジチオール −ビス(ドデカエチレングリコール)チオエーテル 0.02mol/l プロピオール酸 3g/l ビスフェノールAポリエトキシレート(EO17モル) 20g/l 2,2’−ビピリジル 0.05g/l 《実施例18A》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.5mol/l メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 0.018mol/l メタンスルホン酸 1.3mol/l 1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン −ビス(ヘキサデカエチレングリコール) 0.08mol/l 2,2’−ビピリジル 0.02g/l 1−ナフトアルデヒド 0.2g/l メタクリル酸 4g/l β−ナフトールポリエトキシレート(EO13モル) 2g/l トリスチレン化フェノールポリエトキシレート(EO20モル) 5g/l ラウリルアミンポリエトキシレート(EO15モル) 5g/l カテコール 0.8g/l ハイドロキノン 0.8g/l 《比較例1A》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.1974mol/l 硫酸銅(Cu2+として) 0.0026mol/l メタンスルホン酸 2mol/l 《比較例2A》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.1974mol/l 硫酸銅(Cu2+として) 0.0026mol/l メタンスルホン酸 2mol/l α−ナフトールポリエトキシレート(EO10モル) 5g/l 《比較例3A》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 40g/l メタンスルホン銅(Cu2+として) 0.2g/l メタンスルホン酸 120g/l オクチルフェノールエトキシレートの エチレンオキシド付加物(EO10モル) 7g/l 上記した各メッキ浴について、下記の方法で電流密度依
存性試験、陽極置換防止能に関する試験、皮膜外観試験
及び浴の経時安定性試験を行った。結果を下記表1に示
す。 《電流密度依存性試験》各メッキ浴を用いて、浴温25
℃で、陰極電流密度を下記の(1)又は(2)の条件としてニ
ッケル素地上に電気メッキを行なった。
【0144】 (1)電流密度条件:0.5A/dm2で20分 (2)電流密度条件:3A/dm2で3分20秒 形成されたメッキ皮膜を溶解し、高周波プラズマ発光分
光分析法(ICP)で定量し、メッキ皮膜のSn/Cu組
成比を求めた。 《陽極置換防止能に関する試験》各メッキ液1リットル
中に表面積0.5dm2のスズ板を室温で1日浸漬して、
下式で表される銅塩の液中残留率を求め、これをスズ陽
極への銅の置換析出防止能の指標とした。
【0145】銅塩の残留率=Sn浸漬後のCu2+濃度/
液中の初期Cu2+濃度 《皮膜外観試験》各メッキ浴から得られた電着皮膜につ
いて、皮膜表面の状態を目視観察した。評価基準は次の
通りである。
【0146】A:均一な白色外観であった。
【0147】B:色ムラが認められ、灰色がかった色調
であった。《浴の経時安定性試験》各メッキ浴を調製
後、室温で放置して1カ月経過した時点で、吸光光度計
を用いて、純水を対照として660nmでの浴の吸光度
を測定し、浴の濁りを調べた。
【0148】
【表1】
【0149】以上の結果から次のことが判る。 (1)電流密度依存性試験 実施例1A〜17Aのメッキ浴から得られた電着皮膜の
Sn/Cu比は、0.5A/dm2の低電流密度条件と3
A/dm2の高電流密度条件との間でほとんど変わら
ず、電着皮膜のSn/Cu比の電流密度依存性が非常に
小さいことが認められた。しかも、メッキ浴中の金属塩
の含有率と同様の組成比のスズ−銅合金メッキ皮膜を得
ることができるため、浴組成の調整によって、1.3m
ol%の銅組成比を有するスズ−銅共晶組成皮膜、或は
これに近い皮膜を各実施例で形成できることも明らかに
なった。実施例4A〜6A、14A、16A及び17A
では、浴の銅組成比を他の実施例より高めたことによ
り、皮膜の銅組成比は2〜2.5mol%に高まること
が確認できた。
【0150】これに対して、含イオウ化合物を含まない
比較例1A〜3Aのメッキ浴は、低電流密度と高電流密
度で電着皮膜の組成が大きく異なり、皮膜組成の電流密
度依存性が大きいことが確認できた。特に、界面活性剤
を含有しない比較例1Aは、低電流密度下で銅が優先析
出した。また、比較例2A〜3Aのメッキ浴は、ノニオ
ン性界面活性剤を含むものであり、特に、比較例3A
は、特開平8−13185号公報の実施例を援用した例
であるが、界面活性剤だけでは皮膜組成の電流密度依存
性を充分に低減することはできなかった。 (2)陽極置換防止能に関する試験 含イオウ化合物を含有する実施例1A〜18Aのメッキ
浴は、銅塩の残留率が大きく、浴中の銅塩濃度にあまり
変化がなく、陽極への置換析出がほとんどないことが確
認された。
【0151】これに対して、含イオウ化合物を含有しな
い比較例1A〜2Aのメッキ浴は、銅塩の残留がほとん
どなく、銅の陽極置換を充分に防止できないことが判っ
た。 (3)皮膜外観試験 実施例1A〜18Aのメッキ浴を用いて形成される皮膜
の外観は、全てAの評価であったが、比較例のメッキ浴
を用いて形成される皮膜の評価は劣るものであった。特
に、比較例1Aでは、得られた皮膜はデンドライト状を
呈し、実用性の低いものであった。 (4)浴の経時安定性試験 実施例1A〜18Aのメッキ浴は、全て吸光度が非常に
小さく、浴の透明度が高く、濁りはほとんど認められな
かった。これに対して、比較例のメッキ浴は、実施例に
比べてケタ違いに浴の吸光度が高く、浴の濁りが大きい
ことが確認できた。スズ−銅−銀合金メッキ浴の実施例(Bグループ) Bグループのスズ−銅−銀合金メッキ浴については、実
施例1Bは塩基性窒素原子を有する脂肪族メルカプタン
化合物、実施例2Bは塩基性窒素原子を有する芳香族メ
ルカプタン化合物、実施例3B〜4Bは一般式(2)で
表される塩基性窒素原子を有するスルフィド化合物、実
施例5B及び8Bは一般式(1)で表される脂肪族スル
フィド化合物、実施例6Bは塩基性窒素原子を有する脂
肪族メルカプタン化合物と芳香族スルフィド化合物、実
施例7Bはチオクラウンエーテル化合物を、それぞれ含
イオウ化合物として含有するメッキ浴の例である。これ
らの内で、実施例8Bは、含イオウ化合物の他に、2個
以上の含窒素芳香環を有する化合物とC8〜C30脂肪族
アミンのアルキレンオキシド付加物を含有するメッキ浴
の例である。
【0152】一方、比較例1Bは含イオウ化合物を含ま
ないメッキ浴、比較例2Bは特開平9−143786号
公報に記載された、本発明で用いる特定の含イオウ化合
物以外のスルフィド化合物を含むメッキ浴、比較例3B
は塩基性窒素原子を有しない脂肪族メルカプタン化合物
を含有するメッキ浴の例である。以下、Bグループのメ
ッキ浴の組成を示す。 《実施例1B》 塩化第一スズ(Sn2+として) 0.1924mol/l 硫酸銅(Cu2+として) 0.0026mol/l 酢酸銀(Ag+として) 0.0076mol/l L−酒石酸 1.0mol/l アセチルシステイン 0.2mol/l pH=8 (NaOHで調整) 《実施例2B》 塩化第一スズ(Sn2+として) 0.1924mol/l 硫酸銅(Cu2+として) 0.0026mol/l 酢酸銀(Ag+として) 0.0076mol/l L−酒石酸 1.0mol/l 5−メルカプト−1,3,4−トリアゾール 0.2mol/l pH=8 (NaOHで調整) 《実施例3B》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.2mol/l メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 0.0025mol/l メタンスルホン酸銀(Ag+として) 0.01mol/l メタンスルホン酸 1.0mol/l 2,2′−ジチオジアニリン 0.02mol/l α−ナフトールポリエトキシレート(EO10モル) 5g/l 《実施例4B》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.2mol/l メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 0.0025mol/l メタンスルホン酸銀(Ag+として) 0.01mol/l メタンスルホン酸 1.0mol/l 2,2′−ジピリジルジスルフィド 0.02mol/l α−ナフトールポリエトキシレート(EO10モル) 5g/l 《実施例5B》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.2mol/l メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 0.0025mol/l メタンスルホン酸銀(Ag+として) 0.01mol/l メタンスルホン酸 1.0mol/l チオビス(ドデカエチレングリコール) 0.02mol/l α−ナフトールポリエトキシレート(EO10モル) 5g/l 《実施例6B》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.2mol/l メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 0.0025mol/l メタンスルホン酸銀(Ag+として) 0.01mol/l メタンスルホン酸 1.0mol/l アセチルシステイン 0.2mol/l 2,2′−ジチオジアニリン 0.02mol/l α−ナフトールポリエトキシレート(EO6.7モル) 5g/l 《実施例7B》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.2mol/l メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 0.0025mol/l メタンスルホン酸銀(Ag+として) 0.01mol/l メタンスルホン酸 1.0mol/l 1,10−ジアザ−4,7,13,16 −テトラチアシクロヘキサデカン 0.02mol/l α−ナフトールポリエトキシレート(EO10モル) 5g/l 《実施例8B》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.165mol/l メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 0.007mol/l メタンスルホン酸銀(Ag+として) 0.01mol/l メタンスルホン酸 2mol/l 1,3−プロパンジチオール −ビス(デカエチレングリコール)チオエーテル 0.1mol/l 4,4’−ビピリジル 0.02g/l β−ナフトールポリエトキシレート(EO13モル) 5g/l ラウリルアミンポリエトキシレート(EO12モル) 10g/l 《比較例1B》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.2mol/l メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 0.0025mol/l メタンスルホン酸銀(Ag+として) 0.01mol/l メタンスルホン酸 1.0mol/l α−ナフトールポリエトキシレート(EO10モル) 5g/l 《比較例2B》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 20g/l メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 20g/l メタンスルホン酸銀(Ag+として) 1g/l メタンスルホン酸 80g/l β−チオジグリコール 4g/l N,N′−ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム 4g/l ラウリルエーテルのエチレンオキシド付加物(EO15モル) 5g/l 《比較例3B》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.2mol/l メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 0.0025mol/l メタンスルホン酸銀(Ag+として) 0.01mol/l メタンスルホン酸 1.0mol/l チオグリコール 0.02mol/l α−ナフトールポリエトキシレート(EO10モル) 5g/l 上記した各メッキ浴について、Aグループのメッキ浴と
同様の方法により、電流密度依存性試験、皮膜外観試験
及び浴の経時安定性試験を行った。結果を下記表2に示
す。
【0153】
【表2】
【0154】以上の結果から、次のことが判る。 (1)電流密度依存性試験 実施例1B〜8Bのメッキ浴から得られた電着皮膜のS
n/Cu/Ag組成比は、0.5A/dm2の低電流密度
と3A/dm2の高電流密度の両条件の間でほとんど変
わらず、電着皮膜のSn/Cu/Ag組成比の電流密度
依存性が非常に小さいことが認められた。
【0155】これに対して、含イオウ化合物を含まない
比較例1Bのメッキ浴は建浴直後に分解し、電気メッキ
自体ができなかった。これは、銀塩を浴中で安定化する
作用を有する含イオウ化合物が欠如しているためと推定
できる。比較例2Bのメッキ浴は、特開平9−1437
86号公報の実施例に記載されたものであり、本発明で
用いる特定の含イオウ化合物ではなく、β−チオジグリ
コールを含有するため、高電流密度と低電流密度の間で
皮膜組成は大きく異なり、電流密度依存性が大きかっ
た。同様に、塩基性窒素原子を有しないメルカプタン化
合物(チオグリコール)を含有した比較例3Bも、皮膜組
成の電流密度依存性が大きかった。
【0156】以上の結果から、実施例1B〜8Bのスズ
−銅−銀合金メッキ浴は、比較例に比べて電着皮膜のS
n/Cu/Ag組成比の電流密度依存性が非常に小さ
く、特定の含イオウ化合物を使用することが、この電流
密度依存性の低減に大きく寄与することが確認できた。 (2)皮膜外観試験 実施例1B〜8Bのメッキ浴を用いて形成される皮膜の
外観は、全てAの評価であったが、比較例のメッキ浴を
用いて形成される皮膜の評価は劣るものであった。比較
例1Bのメッキ浴は、建浴直後に分解したため、電気メ
ッキ自体が実施できなかった。 (3)浴の経時安定性試験 実施例1B〜8Bのメッキ浴は、全て吸光度が非常に小
さく、浴の透明度が高く、濁りはほとんど認められなか
った。これに対して、比較例2B及び3Bのメッキ浴
は、実施例に比べて浴の吸光度が高く、濁りが大きいこ
とが確認できた。スズ−銅−ビスマス合金メッキ浴の実施例(Cグルー
プ) Cグループのスズ−銅−ビスマスメッキ浴については、
実施例1Cと3Cは一般式(2)で表される塩基性窒素
原子を有するスルフィド化合物、実施例2C、8C及び
9Cは一般式(1)で表される脂肪族スルフィド化合
物、実施例6Cは塩基性窒素原子を有する芳香族メルカ
プタン化合物、実施例4Cと5Cは塩基性窒素原子を有
しないメルカプタン化合物、実施例7Cはチオ尿素を、
それぞれ含イオウ化合物として含有するメッキ浴の例で
ある。これらの内で、実施例8Cと実施例9Cは、含イ
オウ化合物の他に、2個以上の含窒素芳香環を有する化
合物とC8〜C30脂肪族アミンのアルキレンオキシド付
加物を含有するメッキ浴の例である。
【0157】一方、比較例1Cと2Cは含イオウ化合物
を含有しないメッキ浴の例である。以下、Cグループの
メッキ浴の組成を示す。 《実施例1C》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.2mol/l メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 0.0025mol/l メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 0.01mol/l メタンスルホン酸 1.5mol/l 2,2′−ジチオジアニリン 0.02mol/l 《実施例2C》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.2mol/l メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 0.0025mol/l メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 0.01mol/l メタンスルホン酸 1.5mol/l チオビス(ドデカエチレングリコール) 0.02mol/l 《実施例3C》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.2mol/l メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 0.0025mol/l メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 0.01mol/l メタンスルホン酸 1.5mol/l 2,2′−ジピリジルジスルフィド 0.02mol/l 《実施例4C》 塩化第一スズ(Sn2+として) 0.1924mol/l 硫酸銅(Cu2+として) 0.0025mol/l 硫酸ビスマス(Bi3+として) 0.02mol/l 硫酸 1.0mol/l アセチルシステイン 0.2mol/l 《実施例5C》 塩化第一スズ(Sn2+として) 0.1924mol/l 硫酸銅(Cu2+として) 0.0025mol/l 硫酸ビスマス(Bi3+として) 0.02mol/l 硫酸 1.0mol/l チオグリコール酸 0.2mol/l 《実施例6C》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.2mol/l メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 0.0025mol/l メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 0.01mol/l メタンスルホン酸 1.5mol/l 5−メルカプト−1,3,4−トリアゾール 0.02mol/l 《実施例7C》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.2mol/l メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 0.0025mol/l メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 0.01mol/l メタンスルホン酸 1.5mol/l チオ尿素 0.02mol/l 《実施例8C》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.165mol/l メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 0.007mol/l メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 0.008mol/l メタンスルホン酸 2mol/l 1,4−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)ブタン 0.07mol/l 2,2’:6’,2”−テルピリジン 0.02g/l ラウリルアミンポリエトキシレート(EO12 モル) 10g/l 《実施例9C》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0. 08mol/l メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 0.0035mol/l メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 0.004mol/l メタンスルホン酸 2mol/l 4,7−ジチアデカン −1,2,9,10−テトラオール 0.03mol/l ベンザルアセトン 0.25g/l 5,5’−ジメチル−2,2’−ビピリジル 0.1g/l ラウリルアミンポリエトキシレート(EO12 モル) 10g/l トリスチレン化フェノールポリエトキシレート(EO20モル) −ポリプロポキシレート(PO2モル) 5g/l 《比較例1C》 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.2mol/l メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 0.0025mol/l メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 0.01mol/l メタンスルホン酸 1.5mol/l 《比較例2C》 塩化第一スズ(Sn2+として) 0.1924mol/l 硫酸銅(Cu2+として) 0.0025mol/l 硫酸ビスマス(Bi3+として) 0.02mol/l 硫酸 1.0mol/l 上記した各メッキ浴について、Aグループのメッキ浴と
同様の方法により、電流密度依存性試験、皮膜外観試験
及び浴の経時安定性試験を行った。結果を下記表3に示
す。
【0158】
【表3】
【0159】以上の結果から次のことが判る。 (1)電流密度依存性試験 実施例1C〜9Cのメッキ浴から得られた電着皮膜のS
n/Cu/Bi組成比は、0.5A/dm2の低電流密度
と3A/dm2の高電流密度の両条件の間でほとんど変
わらず、電着皮膜のSn/Cu/Bi組成比の電流密度
依存性が非常に小さいことが認められた。
【0160】これに対して、含イオウ化合物を含まない
比較例1C〜2Cのメッキ浴では、高電流密度と低電流
密度の間で皮膜組成比が大きく異なり、電流密度依存性
は非常に大きかった。 (2)皮膜外観試験 実施例1C〜9Cのメッキ浴を用いて形成される皮膜の
外観は、全てAの評価であったが、比較例のメッキ浴を
用いて形成される皮膜の評価は劣るものであった。 (3)浴の経時安定性試験 実施例1C〜9Cのメッキ浴は、全て吸光度が非常に小
さく、浴の透明度が高く、濁りはほとんど認められなか
った。これに対して、比較例1C及び2Cのメッキ浴
は、実施例に比べて浴の吸光度が高く、濁りが大きいこ
とが確認できた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小幡 惠吾 兵庫県明石市二見町南二見21番地の8 株式会社大和化成研究所内 (72)発明者 武内 孝夫 兵庫県明石市二見町南二見21番地の8 株式会社大和化成研究所内 (72)発明者 縄舟 秀美 大阪府高槻市真上町5丁目38−34 (56)参考文献 特開2001−26898(JP,A) 特開2000−219993(JP,A) 特開2000−80493(JP,A) 特開2000−26991(JP,A) 特開 平11−152594(JP,A) 特開 平11−36095(JP,A) 特開 平11−21693(JP,A) 特開 平11−21692(JP,A) 特開 平11−1791(JP,A) 特開 平10−306396(JP,A) 特開 平10−204676(JP,A) 特開 平10−204675(JP,A) 特開 平10−81991(JP,A) 特開 平10−25595(JP,A) 特開 平9−296289(JP,A) 特開 平9−170094(JP,A) 特開 平9−143786(JP,A) 特開 平9−78285(JP,A) 特開 平8−27591(JP,A) 特開 平8−27590(JP,A) 特開 平8−13185(JP,A) 特開 平7−252684(JP,A) 特開 平4−83894(JP,A) 特開 平4−28893(JP,A) 特開 平1−259190(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 3/60

Claims (31)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)可溶性第一スズ化合物、 (B)可溶性銅化合物、並びに (C)下記(i)〜(iii)に示される化合物からなる群
    から選ばれた少なくとも一種の含イオウ化合物:(i) 下記一般式(1): Re−Ra−[(X−Rb)L−(Y−Rc)M−(Z−
    Rd)N]−Rf (1) [式中、各記号は次の意味である: Mは1〜100の整数、L及びNはそれぞれ0又は1〜
    100の整数を表す; YはS又はS−Sを表し、X及びZは同一又は異なっ
    て、それぞれO、S又はS−Sを表す; RaはC1〜C12の直鎖若しくは分岐鎖アルキレン、又
    は2−ヒドロキシプロピレンを表す; Rb、Rc及びRdは同一又は異なって、それぞれメチ
    レン、エチレン、プロピレン、2−ヒドロキシプロピレ
    ン、ブチレン、ペンチレン又はヘキシレンを表す; X−Rb、Y−Rc及びZ−Rdにおいて、互いの存在
    位置は限定されず、ランダムな順列を取り得る。また、
    X−Rb、Y−Rc又はZ−Rdの各結合が繰り返され
    る場合、その結合は、複数種の結合から構成されてもよ
    い; Re及びRfは同一又は異なって、それぞれ、水素、カ
    ルボキシル、ヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アル
    キニル、アラルキル、シクロアルキル、アリル、多環式
    シクロアルキル、−O−アルキル、−S−アルキル、−
    O−アルケニル、−O−アルキニル、−O−アラルキ
    ル、−O−アリル、−O−多環式シクロアルキル、−O
    −アセチル、−O−アリール又は−O−多環式アリール
    を表す; ただし、Re及びRfの内で、水素、カルボキシル及び
    ヒドロキシ以外の基は、ハロゲン、シアノ、ホルミル、
    アルコキシ、カルボキシル、アシル、ニトロ及びヒドロ
    キシからなる群から選ばれた少なくとも一個の基で置換
    されていても良い。]で表される脂肪族スルフィド化合
    物、(ii) 下記一般式(2): Rg−[(S)X−Rh]p−[(S)Y−Ri)]q
    (2) [式中、各記号は次の意味である: X及びYはそれぞれ1〜4の整数を表し、pは0又は1
    〜100の整数を表し、qは1〜100の整数を表す;
    ここで、 (a)p=0の場合には、Rg及びRiは、下記又は
    に示す意味である; Rg及びRiは、同一又は異なって、アルキル、アル
    ケニル、アルキニル、アラルキル、シクロアルキル又は
    多環式シクロアルキルを表し、Rg及びRiの少なくと
    も一方は、1個以上の塩基性窒素原子を有する、或い
    は、 Rg及びRiは、互いに結合して1個以上の塩基性窒
    素原子を有する単環又は多環を形成する; 上記及びにおいて、Rg及びRiは、同一又は異な
    って良い; (b)p=1〜100の整数の場合には、Rg、Rh及
    びRiは、下記又はに示す意味である; Rg及びRiはアルキル、アルケニル、アルキニル、
    アラルキル、シクロアルキル又は多環式シクロアルキ
    表し、Rhはアルキレン、アルケニレン、アルキニレ
    ン、アラルキレン、シクロアルキレン、多環式シクロア
    ルキレン、アリレン、多環式アリレン、ヘテロ環式基又
    は多環式ヘテロ環式基を表し、且つ、Rg、Rh及びR
    iの少なくとも一つが、1個以上の塩基性窒素原子を有
    する、或いは、 RgとRh、RgとRi、又はRhとRiが結合する
    か、RgとRh、及びRhとRiが複合的に結合して、
    1個以上の塩基性窒素原子を有する単環又は多環を形成
    する; 上記及びにおいて、Rg、Rh及びRiは、同一又
    は異なって良い; 但し、上記した(a)及び(b)において、Rg、Rh
    及びRiは、ハロゲン、アミノ、シアノ、ホルミル、ア
    ルコキシ、カルボキシル、アシル、ニトロ及びヒドロキ
    シからなる群から選ばれた少なくとも一個の基で置換さ
    れていても良い。]で表される塩基性窒素原子を含有す
    るスルフィド化合物(但し、ジチオジアニリンを除く)、(iii) チオクラウンエーテル化合物、を含有すること
    を特徴とするスズ−銅合金メッキ浴。
  2. 【請求項2】含イオウ化合物が、3,6−ジチアオクタ
    ン−1,8−ジオール又は1,8−ジアミノ−3,6−
    ジチアオクタンである請求項1に記載のスズ−銅合金メ
    ッキ浴。
  3. 【請求項3】(A)可溶性第一スズ化合物、 (B)可溶性銅化合物、 (C)可溶性ビスマス化合物、並びに (D)下記(i)〜(iii)に示される化合物からなる
    群から選ばれた少なくとも一種の含イオウ化合物:(i) 下記一般式(1): Re−Ra−[(X−Rb)L−(Y−Rc)M−(Z−
    Rd)N]−Rf (1) [式中、各記号は次の意味である: Mは1〜100の整数、L及びNはそれぞれ0又は1〜
    100の整数を表す; YはS又はS−Sを表し、X及びZは同一又は異なっ
    て、それぞれO、S又はS−Sを表す; RaはC1〜C12の直鎖若しくは分岐鎖アルキレン、又
    は2−ヒドロキシプロピレンを表す; Rb、Rc及びRdは同一又は異なって、それぞれメチ
    レン、エチレン、プロピレン、2−ヒドロキシプロピレ
    ン、ブチレン、ペンチレン又はヘキシレンを表す; X−Rb、Y−Rc及びZ−Rdにおいて、互いの存在
    位置は限定されず、ランダムな順列を取り得る。また、
    X−Rb、Y−Rc又はZ−Rdの各結合が繰り返され
    る場合、その結合は、複数種の結合から構成されてもよ
    い; Re及びRfは同一又は異なって、それぞれ、水素、カ
    ルボキシル、ヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アル
    キニル、アラルキル、シクロアルキル、アリル、多環式
    シクロアルキル、アリール、多環式アリール、−O−ア
    ルキル、−S−アルキル、−O−アルケニル、−O−ア
    ルキニル、−O−アラルキル、−O−アリル、−O−多
    環式シクロアルキル、−O−アセチル、−O−アリール
    又は−O−多環式アリールを表す; ただし、Re及びRfの内で、水素、カルボキシル及び
    ヒドロキシ以外の基は、ハロゲン、シアノ、ホルミル、
    アルコキシ、カルボキシル、アシル、ニトロ及びヒドロ
    キシからなる群から選ばれた少なくとも一個の基で置換
    されていても良い。]で表される脂肪族スルフィド化合
    物、(ii) 下記一般式(2): Rg−[(S)X−Rh]p−[(S)Y−Ri)]q
    (2) [式中、各記号は次の意味である: X及びYはそれぞれ1〜4の整数を表し、pは0又は1
    〜100の整数を表し、qは1〜100の整数を表す;
    ここで、 (a)p=0の場合には、Rg及びRiは、下記又は
    に示す意味である; Rg及びRiは、同一又は異なって、アルキル、アル
    ケニル、アルキニル、アラルキル、シクロアルキル、多
    環式シクロアルキル、アリール、多環式アリール、ヘテ
    ロ環式基又は多環式ヘテロ環式基を表し、Rg及びRi
    の少なくとも一方は、1個以上の塩基性窒素原子を有す
    る、或いは、 Rg及びRiは、互いに結合して1個以上の塩基性窒
    素原子を有する単環又は多環を形成する; 上記及びにおいて、Rg及びRiは、同一又は異な
    って良い; (b)p=1〜100の整数の場合には、Rg、Rh及
    びRiは、下記又はに示す意味である; Rg及びRiはアルキル、アルケニル、アルキニル、
    アラルキル、シクロアルキル、多環式シクロアルキル、
    アリール、多環式アリール、ヘテロ環式基又は多環式ヘ
    テロ環式基を表し、Rhはアルキレン、アルケニレン、
    アルキニレン、アラルキレン、シクロアルキレン、多環
    式シクロアルキレン、アリレン、多環式アリレン、ヘテ
    ロ環式基又は多環式ヘテロ環式基を表し、且つ、Rg、
    Rh及びRiの少なくとも一つが、1個以上の塩基性窒
    素原子を有する、或いは、 RgとRh、RgとRi、又はRhとRiが結合する
    か、RgとRh、及びRhとRiが複合的に結合して、
    1個以上の塩基性窒素原子を有する単環又は多環を形成
    する; 上記及びにおいて、Rg、Rh及びRiは、同一又
    は異なって良い; 但し、上記した(a)及び(b)において、Rg、Rh
    及びRiは、ハロゲン、アミノ、シアノ、ホルミル、ア
    ルコキシ、カルボキシル、アシル、ニトロ及びヒドロキ
    シからなる群から選ばれた少なくとも一個の基で置換さ
    れていても良い。]で表される塩基性窒素原子を含有す
    るスルフィド化合物、(iii) チオクラウンエーテル化合物、を含有すること
    を特徴とするスズ−銅−ビスマス合金メッキ浴。
  4. 【請求項4】(A)可溶性第一スズ化合物、 (B)可溶性銅化合物、 (C)可溶性銀化合物、並びに (D)下記(i)〜(iv)に示される化合物からなる群か
    ら選ばれた少なくとも一種の含イオウ化合物: (i)下記一般式(1): Re−Ra−[(X−Rb)L−(Y−Rc)M−(Z−
    Rd)N]−Rf (1) [式中、各記号は次の意味である: Mは1〜100の整数、L及びNはそれぞれ0又は1〜
    100の整数を表す; YはS又はS−Sを表し、X及びZは同一又は異なっ
    て、それぞれO、S又はS−Sを表す; RaはC1〜C12の直鎖若しくは分岐鎖アルキレン、又
    は2−ヒドロキシプロピレンを表す; Rb、Rc及びRdは同一又は異なって、それぞれメチ
    レン、エチレン、プロピレン、2−ヒドロキシプロピレ
    ン、ブチレン、ペンチレン又はヘキシレンを表す; X−Rb、Y−Rc及びZ−Rdにおいて、互いの存在
    位置は限定されず、ランダムな順列を取り得る。また、
    X−Rb、Y−Rc又はZ−Rdの各結合が繰り返され
    る場合、その結合は、複数種の結合から構成されてもよ
    い; Re及びRfは同一又は異なって、それぞれ、水素、カ
    ルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アラ
    ルキル、シクロアルキル、アリル、多環式シクロアルキ
    ル、アリール、多環式アリール、−O−アルキル、−S
    −アルキル、−O−アルケニル、−O−アルキニル、−
    O−アラルキル、−O−アリル、−O−多環式シクロア
    ルキル、−O−アセチル、−O−アリール又は−O−多
    環式アリールを表す; ただし、Re及びRfの内で、水素及びカルボキシル以
    外の基は、ハロゲン、シアノ、ホルミル、アルコキシ、
    カルボキシル、アシル及びニトロからなる群から選ばれ
    た少なくとも一個の基で置換されていても良い。]で表
    される脂肪族スルフィド化合物(但し、チオジグリコー
    ル酸及びチオジグリコールは除く)、 (ii)下記一般式(2): Rg−[(S)X−Rh]p−[(S)Y−Ri)]q
    (2) [式中、各記号は次の意味である: X及びYはそれぞれ1〜4の整数を表し、pは0又は1
    〜100の整数を表し、qは1〜100の整数を表す;
    ここで、 (a)p=0の場合には、Rg及びRiは、下記又は
    に示す意味である; Rg及びRiは、同一又は異なって、アルケニル、ア
    ルキニル、アラルキル、シクロアルキル、多環式シクロ
    アルキル、アリール、多環式アリール、ヘテロ環式基又
    は多環式ヘテロ環式基を表し、Rg及びRiの少なくと
    も一方は、1個以上の塩基性窒素原子を有する、或い
    は、 Rg及びRiは、互いに結合して1個以上の塩基性窒
    素原子を有する単環又は多環を形成する; 上記及びにおいて、Rg及びRiは、同一又は異な
    って良い; (b)p=1〜100の整数の場合には、Rg、Rh及
    びRiは、下記又はに示す意味である; Rg及びRiはアルケニル、アルキニル、アラルキ
    ル、シクロアルキル、多環式シクロアルキル、アリー
    ル、多環式アリール、ヘテロ環式基又は多環式ヘテロ環
    式基を表し、Rhはアルキレン、アルケニレン、アルキ
    ニレン、アラルキレン、シクロアルキレン、多環式シク
    ロアルキレン、アリレン、多環式アリレン、ヘテロ環式
    基又は多環式ヘテロ環式基を表し、且つ、Rg、Rh及
    びRiの少なくとも一つが、1個以上の塩基性窒素原子
    を有する、或いは、 RgとRh、RgとRi、又はRhとRiが結合する
    か、RgとRh、及びRhとRiが複合的に結合して、
    1個以上の塩基性窒素原子を有する単環又は多環を形成
    する; 上記及びにおいて、Rg、Rh及びRiは、同一又
    は異なって良い; 但し、上記した(a)及び(b)において、Rg、Rh
    及びRiは、ハロゲン、アミノ、シアノ、ホルミル、ア
    ルコキシ、カルボキシル、アシル、ニトロ及びヒドロキ
    シからなる群から選ばれた少なくとも一個の基で置換さ
    れていても良い。]で表される塩基性窒素原子を含有す
    るスルフィド化合物、 (iii)少なくとも一個の塩基性窒素原子を含むメルカ
    プタン化合物、 (iv)チオクラウンエーテル化合物、 を含有することを特徴とするスズ−銅−銀合金メッキ
    浴。
  5. 【請求項5】 チオクラウンエーテル化合物が、次の
    (a)〜(c)に示される化合物からなる群から選ばれた少
    なくとも一種の化合物である請求項1に記載のスズ−銅
    合金メッキ浴: (a)少なくとも1個の塩基性窒素原子を含むチオクラウ
    ンエーテル化合物、 (b)少なくとも1個の塩基性窒素原子と少なくとも1個
    の酸素原子を含むチオクラウンエーテル化合物、 (c)上記(a)項のチオクラウンエーテル化合物及び(b)
    項のチオクラウンエーテル化合物からなる群から選ばれ
    た少なくとも二個の化合物が炭素数1〜5個のアルキレ
    ン鎖で結合した化合物。
  6. 【請求項6】更に、分子内に2個以上の含窒素芳香環を
    有する化合物を含有する請求項1、2又は5に記載の
    ズ−銅合金メッキ浴。
  7. 【請求項7】更に、不飽和脂肪族カルボン酸化合物を含
    有する請求項1、2、5又は6に記載のスズ−銅合金
    ッキ浴。
  8. 【請求項8】更に、界面活性剤を含有する請求項1、
    2、5、6又は7に記載 のスズ−銅合金メッキ浴
  9. 【請求項9】界面活性剤が、C8〜C30脂肪族アミンの
    アルキレンオキシド付加物である請求項に記載のスズ
    −銅合金メッキ浴。
  10. 【請求項10】チオクラウンエーテル化合物が、次の
    (a)〜(c)に示される化合物からなる群から選ばれた少
    なくとも一種の化合物である請求項3に記載のスズ−銅
    −ビスマス合金メッキ浴: (a)少なくとも1個の塩基性窒素原子を含むチオクラウ
    ンエーテル化合物、 (b)少なくとも1個の塩基性窒素原子と少なくとも1個
    の酸素原子を含むチオクラウンエーテル化合物、 (c)上記(a)項のチオクラウンエーテル化合物及び(b)
    項のチオクラウンエーテル化合物からなる群から選ばれ
    た少なくとも二個の化合物が炭素数1〜5個のアルキレ
    ン鎖で結合した化合物。
  11. 【請求項11】更に、分子内に2個以上の含窒素芳香環
    を有する化合物を含有する請求項3又は10に記載のス
    ズ−銅−ビスマス合金メッキ浴。
  12. 【請求項12】更に、不飽和脂肪族カルボン酸化合物を
    含有する請求項3、10又は11に記載のスズ−銅−ビ
    スマス合金メッキ浴。
  13. 【請求項13】更に、界面活性剤を含有する請求項3、
    10、11又は12に記載のスズ−銅−ビスマス合金メ
    ッキ浴。
  14. 【請求項14】界面活性剤が、C 8 〜C 30 脂肪族アミン
    のアルキレンオキシド付加物である請求項13に記載の
    スズ−銅−ビスマス合金メッキ浴。
  15. 【請求項15】チオクラウンエーテル化合物が、次の
    (a)〜(c)に示される化合物からなる群から選ばれた少
    なくとも一種の化合物である請求項4に記載のスズ−銅
    −銀合金メッキ浴: (a)少なくとも1個の塩基性窒素原子を含むチオクラウ
    ンエーテル化合物、 (b)少なくとも1個の塩基性窒素原子と少なくとも1個
    の酸素原子を含むチオクラウンエーテル化合物、 (c)上記(a)項のチオクラウンエーテル化合物及び(b)
    項のチオクラウンエーテル化合物からなる群から選ばれ
    た少なくとも二個の化合物が炭素数1〜5個のアルキレ
    ン鎖で結合した化合物。
  16. 【請求項16】更に、分子内に2個以上の含窒素芳香環
    を有する化合物を含有する請求項4又は15に記載のス
    ズ−銅−銀合金メッキ浴。
  17. 【請求項17】更に、不飽和脂肪族カルボン酸化合物を
    含有する請求項4、15又は16に記載のスズ−銅−銀
    合金メッキ浴。
  18. 【請求項18】更に、界面活性剤を含有する請求項4、
    15,16又は17に記載のスズ−銅−銀合金メッキ
    浴。
  19. 【請求項19】界面活性剤が、C 8 〜C 30 脂肪族アミン
    のアルキレンオキシド付加物である請求項18に記載の
    スズ−銅−銀合金メッキ浴。
  20. 【請求項20】請求項1、2、5、6、7、8又は9
    記載のスズ−銅合金メッキ浴中に被メッキ物を浸漬し、
    電気メッキ法によってスズ−銅合金メッキ皮膜を形成す
    ることを特徴とするスズ−銅合金メッキ方法。
  21. 【請求項21】請求項20のメッキ方法によってスズ−
    銅合金メッキ皮膜が形成された物品。
  22. 【請求項22】電子部品又は電気部品である請求項21
    に記載のスズ−銅合金メッキ皮膜が形成された物品。
  23. 【請求項23】半導体デバイス、コネクタ、スィッチ、
    抵抗、可変抵抗、コンデンサ、フィルタ、インダクタ、
    サーミスタ、水晶振動子、リード線又はプリント基板で
    ある請求項22に記載のスズ−銅合金メッキ皮膜が形成
    された物品。
  24. 【請求項24】請求項3、10、11、12、13又は
    14に記載のスズ−銅−ビスマス合金メッキ浴中に被メ
    ッキ物を浸漬し、電気メッキ法によってスズ−銅−ビス
    マス合金メッキ皮膜を形成することを特徴とするスズ−
    銅−ビスマス合金メッキ方法。
  25. 【請求項25】請求項24のメッキ方法によってスズ−
    銅−ビスマス合金メッキ皮膜が形成された物品。
  26. 【請求項26】電子部品又は電気部品である請求項25
    に記載のスズ−銅−ビスマス合金メッキ皮膜が形成され
    た物品。
  27. 【請求項27】半導体デバイス、コネクタ、スィッチ、
    抵抗、可変抵抗、コンデンサ、フィルタ、インダクタ、
    サーミスタ、水晶振動子、リード線又はプリント基板で
    ある請求項26に記載のスズ−銅−ビスマス合金メッキ
    皮膜が形成され た物品。
  28. 【請求項28】請求項4、15,16、17、18又は
    19に記載のスズ−銅−銀合金メッキ浴中に被メッキ物
    を浸漬し、電気メッキ法によってスズ−銅−銀合金メッ
    キ皮膜を形成することを特徴とするスズ−銅−銀合金メ
    ッキ方法。
  29. 【請求項29】請求項28のスズ−銅−銀合金メッキ方
    法によってスズ−銅−銀合金メッキ皮膜が形成された物
    品。
  30. 【請求項30】電子部品又は電気部品である請求項29
    に記載のスズ−銅−銀合金メッキ皮膜が形成された物
  31. 【請求項31】半導体デバイス、コネクタ、スィッチ、
    抵抗、可変抵抗、コンデンサ、フィルタ、インダクタ、
    サーミスタ、水晶振動子、リード線又はプリント基板で
    ある請求項30に記載のスズ−銅−銀合金メッキ皮膜が
    形成された物品。
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