JP6093143B2 - 非シアン銅‐錫合金めっき浴 - Google Patents

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本発明は装飾用の光沢銅‐錫めっき浴に関し、光沢剤としてピリジン類化合物と有機スルホン酸化合物の反応生成物を含み、シアン化合物を含まない光沢銅‐錫合金めっき浴に関する。
シアン化合物は生物に有害であり、水質汚染、大気汚染、作業者の健康などに厳重な管理が必要であるうえ、シアン浴は電流効率が低く、厚付けめっきには不向きであるなどの理由で、シアン化合物を含有しない弱酸性領域から弱アルカリ領域の銅‐錫合金めっきに関する特許が種々報告されている。
しかし、どの浴も良好な光沢外観を維持しながら厚付けめっきを実施するには実用的な範疇ではない。
そのため、表面処理産業においては、安全かつ安定供給が可能で、危険で有害なシアン化合物を含まない所謂非シアン浴に於いて、良好な光沢外観を有し、現在広く使用されている光沢ニッケルめっきに代わる厚付けめっきが短時間で形成可能な光沢銅‐錫合金めっきが求められている。
特許文献1には、アミン誘導体とエピハロヒドリンとの1:1反応生成物と、アルデヒド誘導体と、表面張力調整剤と、ピリジン類化合物と塩化ベンジルとの反応生成物であるN−ベンジルピリジニウム誘導体を配合した銅‐錫合金めっき用ピロリン酸浴が記載されている。また、特許文献2には、アミン誘導体とエピハロヒドリンとの1:1反応生成物と、カチオン界面活性剤とを含有し、さらに添加剤としてN−ベンジルピリジニウム誘導体を配合した銅‐錫合金めっき用ピロリン酸浴が記載されている。
特開平10−102278号公報 特開2001−295092公報
特許文献1および2の方法では、N−ベンジルピリジニウム誘導体が使用されているが、ピリジンの塩化物4級塩はアルカリ域での安定性が悪く、pH変動によりN−ベンジルピリジニウム誘導体からピリジンが遊離し、遊離したピリジンは、めっき皮膜に共析し、皮膜が脆くなり折り曲げ試験等によりめっき剥がれを発生させるという問題があった。
本特許出願人は、優れためっき用ピロリン酸浴を開発するために長く研究を重ね、その結果として開発した銅塩、第1錫、ピロリン酸アルカリ金属塩、水溶性ポリマーおよびキレート剤を特定範囲で含む光沢銅‐錫合金メッキ(特公昭63−9032)をもとに、鋭意研究の結果、ピリジン類化合物と有機スルホン酸化合物とを反応させることにより得られた反応生成物が、ピロリン酸浴中において、pH変動によりピリジンを遊離することがない為、皮膜が脆くなることはなく、皮膜物性に優れていることを見出し、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明の目的は、pH変動によりピリジンを遊離することがなく皮膜物性に優れためっき浴を提供することである。
本発明は、2価銅塩、2価錫塩、錯化剤としてピロリン酸塩を含み、さらに光沢剤としてピリジンのスルホプロピルベタインまたはピコリンのスルホプロピルベタインを含み、めっき浴安定剤としてアミン誘導体、光沢補助剤としてスルホン酸塩を、さらに含み、エピクロロヒドリンとヘキサメチレンテトラミンとの反応生成物、炭酸イオンおよび炭酸水素イオンを含まないことを特徴とする非シアン銅‐錫合金めっき浴である。

また、本発明は、前記スルホン酸塩が、アリルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびテトラデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムから選ばれる1種以上であることを特徴とする。
また、本発明は、前記アミン誘導体が、エチレンジアミン、ジメチルアミン、ヘキサメチレンテトラミン、トリエタノールアミンおよびヘキサメチレンジアミンから選ばれる1種以上であることを特徴とする。
本発明のめっき浴は、ピリジン類化合物と有機スルホン酸化合物との反応生成物であるピリジンのスルホプロピルベタインまたはピコリンのスルホプロピルベタインを含み、当該反応生成物は、アルカリ性においてピリジンが遊離しないため、安定した皮膜が得られ、バレルめっきにおいて約2〜3μmのめっき厚でも皮膜が脆くならず、めっき剥がれの発生しない光沢白色の外観が得られるという効果がある。
また、バレルめっき法において、約2〜3μmの膜厚でもニッケル皮膜と同等の光沢と物性を有するのでボタン、ホック、ファスナーなどに適用できるという効果も有する。
また、本発明は、前記スルホン酸塩が、アリルスルホン酸ナトリウムなどであるので、低電部において光沢外観が得られやすくなるという効果を得ることができる。
また、本発明は、前記アミン誘導体が、エチレンジアミンなどであるので、めっき浴中の錯体が安定するという効果を得ることができる。
ピリジンのFT‐IRチャートである。 参考例1で得られたピリジンと3−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸サルトンとの反応生成物のFT‐IRチャートである。
本発明において、めっき浴を構成する2価銅塩としては、2価の銅と無機酸または有機酸との化合物または2価の銅の酸化物があげられる。かかる2価銅塩としては、たとえば硫酸銅、酸化銅、塩化銅、ピロリン酸銅があげられる。
2価銅塩は、めっき浴中に金属銅として、1〜30g/Lとなる量が含まれることが好ましい。
本発明において、めっき浴を構成する2価錫塩としては、2価の錫と無機酸または有機酸との化合物または2価の錫の酸化物があげられる。
かかる2価錫塩としては、たとえば硫酸第一錫、塩化第一錫、酸化第一錫、ピロリン酸第一錫、シュウ酸第一錫があげられる。
2価錫塩は、めっき浴中に金属錫として、3〜40g/Lとなる量が含まれることが好ましい。
また、前記2価銅塩と2価錫塩とは、そのめっき浴中における金属銅と金属錫との重量比率が、金属銅1に対して、金属錫が1〜1.8となるよう配合されていればよい。好ましくは、金属銅1に対して金属錫が1〜1.5、とりわけ好ましくは金属銅1に対して金属錫が1〜1.2配合される。
本発明のめっき浴においては、光沢白色外観を得るために、金属銅と金属錫との重量配合比率が重要であり、金属銅1に対する金属錫の範囲が、1未満または1.8を超えて配合された場合には、析出合金の組成が変動し、色調をコントロール出来なくなる。
また、錯化剤としては、前記2価銅塩および2価錫塩などの金属塩をピロリン酸錯塩として溶解させる作用を有し、めっきした場合に光沢に影響を与えないものであれば特に限定されないが、ピロリン酸塩が好ましい。
かかるピロリン酸塩としてはピロリン酸のアルカリ金属塩が好ましい。かかるピロリン酸アルカリ金属塩としては、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウムがあげられる。
錯化剤は、めっき浴中の濃度が、100〜500g/Lとなるよう配合される。めっき浴中の錯化剤濃度が前記範囲よりも少ないと銅や錫と不溶性錯塩を形成し正常なめっきが得られなくなる。また多いと電流効率が低下し実用的でない。
本発明のめっき浴において、光沢剤となるピリジンのスルホプロピルベタインまたはピコリンのスルホプロピルベタイン(以下、スルホベタインということがある)は、ピリジン類化合物と有機スルホン酸化合物とを溶媒中で反応させて得られる反応生成物である。
該スルホベタインは、ピリジン類化合物と有機スルホン酸化合物とが、モル比率1:1.1の割合で、反応させて生成した化合物である。
該スルホベタインは、単離した場合は結晶である。図2のFT‐IRチャートに示すように、ピリジン類化合物としてピリジン、有機スルホン酸化合物として3−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸サルトンを反応させた場合に得られる反応生成物は、波数1200cm−付近にスルホ基のピークがあり、ピリジンとスルホン酸化合物が反応生成した化合物であることがわかる。また、原料として用いたピリジンのFT‐IRチャートは図1に示すとおりである。
前記スルホベタインは、めっき浴中に、0.1〜30ml/Lとなるよう配合されればよく、好ましくは0.1〜10ml/L、より好ましくは0.1〜1.5ml/Lとなるよう配合される。
スルホベタインの配合量が0.1ml/Lよりも少ないと光沢外観が得られず、また30ml/Lより多すぎると付き回り性と耐食性が悪化する。
前記スルホベタインの原料であるピリジン類化合物とは、ピリジンのほか、ピリジンに官能基または置換基を導入したもの、あるいはピリジンを還元したものがあげられ、たとえばピリジン、ピコリン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ピペリジンなどがあげられる。
また、ピコリンにおいてはピリジンの2位、3位および4位にメチル基が導入された2−メチルピコリン、3−メチルピコリンおよび4−メチルピコリンの3種類がありうるが本発明においては、これら3種類のピコリンはいずれも好適に使用することができる。
前記ピリジン類化合物は1種または2種以上を混合してスルホベタインの原料として用いることができる。
前記スルホベタインのもう一方の原料である有機スルホン酸化合物としては、アルカノールスルホン酸もしくはその環状エステルまたはそれらの誘導体があげられる。かかるアルカノールスルホン酸もしくはその環状エステルまたはそれらの誘導体としては、たとえば2−ヒドロキシエタン−1−スルホン酸)、2−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸、1−ヒドロキシプロパン−2−スルホン酸、3−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシブタン−1−スルホン酸、4−ヒドロキシブタン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシペンタン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシヘキサン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシデカン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシドデカン−1−スルホン酸、3-ヒドロキシ-1-プロパンスルホン酸サルトン、2-ヒドロキシ-3-クロルプロパンスルホン酸ナトリウムなどがあげられる。
前記有機スルホン酸化合物は、1種または2種以上を混合してスルホベタインの原料として用いることができる。
スルホベタインは、ピリジン類化合物と、有機スルホン酸化合物とを、溶媒中で加熱下に反応させることにより製造することができる。
このとき、ピリジン類化合物と、有機スルホン酸化合物とは、ピリジン類化合物1モルに対して有機スルホン酸化合物を1〜1.2モルとなる量を用いるのが好ましい。溶媒としては、水、エタノールなどの極性溶媒があげられる。反応に際しては、溶媒とピリジン類化合物との比率を1:2とすることが好ましい。加熱温度としては約90〜140℃、とりわけ105〜110℃が好ましく、反応は45分間〜2時間、概ね1時間で完結する。その後、未反応のピリジン類化合物を、たとえば200〜300mmHg程度の減圧下で、30〜40分間濃縮除去する。
生成したスルホベタインは、前記濃縮液を冷却し、結晶を析出させて濾過などによって単離してめっき浴に配合してもよく、あるいはスルホベタインを含む反応液をそのままめっき浴中に配合することもできる。
スルホベタインを、反応液から単離してめっき浴に配合するときは、0.05g〜15g/Lをめっき浴に配合するのが好ましい。
また、スルホベタインを反応液のままめっき浴に配合するときは、ピリジン類化合物の2倍の水を溶媒として反応させた場合を例にとれば、反応終了液の0.1〜30ml/Lをめっき浴に配合するのが好ましい。
さらに、本発明のめっき浴には、光沢補助剤を配合することができ、かかる光沢補助剤としては、たとえばスルホン酸塩として、アリルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、テトラデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどがあげられる。これらの光沢補助剤は、とりわけ低電部の光沢補助剤として有効である。
光沢補助剤の配合量は、めっき浴に0.1〜30g/Lとなるよう配合されるのが好ましく、その添加量が少ないと光沢が不均一となる。また多すぎると錯塩の状態が変化してめっき液が青緑色に変わり正常なめっきが出来なくなる。
さらに、本発明のめっき浴においては、めっき浴安定剤を配合することができ、かかるめっき浴安定化剤としては、エチレンジアミン、ジメチルアミン、ヘキサメチレンテトラミン、トリエタノールアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアミン誘導体があげられる。これらの安定化剤は、めっき浴中のピロリン酸錯塩の状態を安定させるうえで有用であり、その濃度としてはめっき浴に0.1〜30g/Lとなるよう配合されるのが好ましく、その添加量が少ないと錯塩の状態が不安定になり、光沢白色外観が得られなくなる。
本発明のめっき浴においては、上記の成分以外にも、めっきの仕上がりに悪影響を与えない限り、この技術分野において常用ないし汎用される添加剤を配合することができる。
本発明のめっき浴は、pHが中性〜アルカリ性の7〜10、好ましくは8〜9に調整されている。pHが7未満の場合には、ピロリン酸塩がオルソリン酸塩に変化して均一電着性が低下する。また得られるめっきは表面の粗いものとなり、正常なめっきとはならない。さらに、pHが10を超えた場合には、均一電着性や電流効率が低下して、めっき浴の安定性にも悪影響を及ぼす。
さらに、本発明のめっき浴を用いてめっきを施す場合には、めっき浴は10〜35℃、好ましくは15〜25℃に維持され、めっきはバレルめっきなど従来公知のめっき法により行なうことができる。
以下、本発明を実施例などによりさらに詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定されるものではない。
参考例1
<ピリジンのスルホベタインの製造>
ピリジン79g(1モル)と、3−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸サルトン134g(1.1モル)と、水160mlを反応容器に入れ、撹拌しながら110℃に加熱して1時間反応させた。その後、未反応のピリジン類を除去する為に減圧処理(300mmHg)を40分間行った。
かくしてピリジンのスルホベタイン50gを含む反応液190mlを得た。
参考例2
<ピコリンのスルホベタインの製造>
ピリジンに代えてピコリン93g(1モル)を用いる他は、参考例1と同様に実施することにより、ピコリンのスルホベタイン60gを含む反応液200mlを得た。
参考例3
<ピリジンのスルホベタインの製造>
3−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸サルトンに代えて、2−ヒドロキシ−3−クロルプロパンスルホン酸ナトリウム215g(1.1モル)を用いる他は、参考例1と同様に実施することにより、ピリジンのスルホベタイン60gを含む反応液200mlを得た。
参考例4
<N−ベンジルニコチニウム塩酸塩の製造>
水300mlに水酸化ナトリウム1.5mol(60g)を溶解し、更にニコチン酸1mol(123g)を溶解した。液温を50℃に保ち塩化ベンジル1mol(126g)を10回に分けて投入した。この際、反応熱で液温が上昇したが80℃を超えないように塩化ベンジルの投入間隔を調節した。塩化ベンジルの全量投入後、液温を80℃に保ち1時間撹拌を続けた。その後、室温まで自然冷却し、全量を1Lに調整し、1MのN−ベンジルニコチニウム塩酸塩水溶液を得た。
参考例5
<ピペラジンとエピハロヒドリンとの1:1反応生成物の製造>
水300mlとピペラジン1mol(86g)を撹拌溶解して液温を40℃にした。撹拌状態でエピクロロヒドリン1mol(92g)を10回に分けて投入した。この際、反応熱で液温が上昇したが上限を80℃としてエピクロロヒドリンの投入間隔を調節した。エピクロロヒドリンの全量投入後、液温を80℃に保ち1時間撹拌を続けた。その後、室温まで自然冷却し、全量を1Lに調整した。
実験例1
<目的>
参考例1で得た本発明のスルホベタインと、参考例4で得たN−ベンジルニコチニウム塩酸塩反応物とについて、pHを変化させてピリジン遊離状況の比較を行った。
<方法および装置>
それぞれの反応物を含む溶液を10%KOH溶液によりpH変動させたときのピリジン濃度をSHIMAZU製ガスクロマトグラフィーGC−14Bにて測定した。
<結果>
結果は表1に示すとおりであり、参考例1のスルホベタインはpH8、10および12において、全くピリジンの吸収ピークが認められなかったが、参考例2の反応液では
pH8、10および12において、ピリジンの吸収ピークが明確に認められた。
また、参考例1のスルホベタインには各pHにおいてピリジン臭が感じられなかったが、参考例4の反応液では、各pHにおいて強いピリジン臭が観察された。
Figure 0006093143
実施例1
表2〜4に記載の各成分を、脱イオン水5Lに順次溶解し、めっき浴5Lを建浴した。
真鍮製ボタン100個(10dm)をアルカリ電解脱脂し水洗、酸洗浄、水洗の前処理を行った後、前記めっき浴を用いて、ミニバレル中で以下の条件によりめっきを行った。
アルカリ脱脂条件
薬品名(商品名:アクチベータCu、株式会社シミズ製)
陽極=カーボン板、電流密度=3A/dm、通電時間=5分
めっき条件
陽極=SUS板、電流密度=0.5A/dm、めっき時間=30分
めっき厚=約2μm
得られためっきボタンについて、めっきの皮膜特性を確認した。各特性の測定方法は次のとおりである。
(1)金属比
鉄板上に実施例1〜9と同条件でめっきし、エネルギー分散型X線分析装置(Genesis XM4、エダックス・ジャパン株式会社製)で、測定してめっき中の金属比を測定した。
なお、めっき皮膜の金属比は銅と錫の電位差により変化するが、電位差は金属塩の添加量だけでなく、錯化剤、光沢剤、添加剤濃度により少しずつ変化する為、実施例1〜9の全てを測定した。
また、光沢銀白色外観を得るには錫/銅比が40/60〜50/50が必要である。各成分量が上記の範囲内であれば、錫/銅比が40/60〜50/50を外れることはない。
(2)耐食性
JIS−H−8052に基づく塩水噴霧で確認した。めっきしたボタンを塩水噴霧試験機(STP−90V−3、スガ試験機株式会社製)NaCl5%溶液による中性塩水噴霧で24時間連続噴霧した後の腐食の有無を確認した。
(3)めっき剥がれ
めっきしたボタンをペンチで180°折り曲げた時の剥がれの有無を確認した。
実施例2〜9
表2〜4に記載の各成分を用い、実施例1と同様にして実施例2〜9とした。
比較例1〜3
表5に示すめっき浴を用いるほかは、実施例1〜9と同様にしてめっきを行った。
Figure 0006093143
Figure 0006093143
Figure 0006093143
Figure 0006093143
結果は、表6に示すとおりであり、本実施例1〜9のめっき浴を用いてバレルめっきした場合には、得られためっき皮膜は、厚膜(2〜3μm)で光沢白色外観を有し、めっき剥がれの無い皮膜が得られたが、比較例1〜3のめっき浴を用いてバレルめっきした場合には、外観は良好であったものの、すべての例で剥がれが認められ、一部の例で耐食性が劣っていた。
Figure 0006093143

Claims (3)

  1. 2価銅塩、2価錫塩、錯化剤としてピロリン酸塩を含み、さらに光沢剤としてピリジンのスルホプロピルベタインまたはピコリンのスルホプロピルベタインを含み、めっき浴安定剤としてアミン誘導体、光沢補助剤としてスルホン酸塩を、さらに含み、エピクロロヒドリンとヘキサメチレンテトラミンとの反応生成物、炭酸イオンおよび炭酸水素イオンを含まないことを特徴とする非シアン銅‐錫合金めっき浴。
  2. 前記スルホン酸塩が、アリルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびテトラデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の非シアン銅‐錫合金めっき浴。
  3. 前記アミン誘導体が、エチレンジアミン、ジメチルアミン、ヘキサメチレンテトラミン、トリエタノールアミンおよびヘキサメチレンジアミンから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の非シアン銅‐錫合金めっき浴。
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