JP3716380B2 - スズ及びスズ合金メッキ浴、当該メッキ浴の管理方法及び調製方法 - Google Patents

スズ及びスズ合金メッキ浴、当該メッキ浴の管理方法及び調製方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気メッキ用のスズ及びスズ合金メッキ浴の管理方法に関し、メッキ浴の長期使用に伴って酸化第二スズの懸濁粒子が生じても、当該微粒子の凝集を促進して濾過機で速やかに除去することで、透明度を経時的に安定化できる方法を提供する。
【0002】
【発明の背景】
近年、スズメッキ浴又はスズ−鉛合金などのスズ合金メッキ浴は半田付け性を向上させるための皮膜として、半導体デバイス、コネクター、チップ部品等の電子部品の表面処理用として広範に利用されている。
当該スズ又はスズ合金メッキ浴の分野では、塩酸、硫酸、ホウフッ化水素酸などの無機酸や、有機スルホン酸、脂肪族カルボン酸などの有機酸をベースとするメッキ浴が用いられているが、中でも、排水処理性が良く、メッキ浴の腐食性が低いなどの理由からアルカンスルホン酸、アルカノールスルホン酸などの有機スルホン酸をベースとするメッキ浴が広く普及している。
【0003】
しかしながら、このようなスズ又はスズ合金メッキ浴では、一般に、長期使用するに連れて浴中の第一スズイオンが空気中の酸素による酸化や陽極酸化を受けて第二スズイオンに変化し、さらにこのイオンが加水分解して酸化第二スズの微粒子が発生してしまう。
この酸化第二スズの微粒子の粒子径は0.1μm〜数μmの範囲で分布しているため、当該粒子はメッキ浴中に沈降せずに懸濁粒子となって分散し、メッキ浴の透明度は著しく低下する。
【0004】
通常、メッキ装置にはメッキ浴に混入した異物を除去する等の目的で濾過機が付設されており、メッキ浴を連続的に濾過している。しかし、濾過に使用されるフィルターは圧損、メンテナンスの容易性、或はコスト等の制約から、そのポアサイズは数μm〜数十μmのものが使用されるため、フィルターのポアサイズよりメッキ浴中に懸濁している上記酸化第二スズの微粒子の方が微細となり、濾過機で当該微粒子を捕捉して除去することはほとんど困難であった。
【0005】
一方、スズ又はスズ合金メッキ浴中に発生する酸化第二スズの微粒子はその表面に多くの水分子を吸着していると考えられるため、当該微粒子の存在下でスズ又はスズ合金メッキを施すと、電着皮膜中には多くの水分子を吸着した酸化第二スズの粒子が共析することになる。
このように、酸化第二スズと共に多くの水分子がメッキ皮膜中に含まれると、メッキが施された部品を半田付けするときの熱により、水が気化して大きく体積膨張するため、半田接合部にボイド(気泡)が発生するという問題が出て来る。
【0006】
因みに、最近では電子部品は年々小型化して、半田付けにより接合される面積も微細化して来ているため、接合部における接合強度の信頼性の確保が強く求められているが、上述のようなボイドが生じると、接合強度の信頼性を著しく損なうことになる。
このため、スズ又はスズ合金メッキ浴においては、長期使用で発生する酸化第二スズを円滑に除去することが重要な課題となっている。
【0007】
【従来の技術】
スズの電気メッキ浴の従来技術1としては、特開昭56−116894号公報に、メッキ浴の導電性を高め、従来の酸性或はアルカリ性浴に比べて排水処理が容易であるなどの理由からピロリン酸の中性メッキ浴をベースにして、これに二価のスズの酸化を防止するなどの目的で、ヒドラジン、次亜リン酸、亜リン酸、アスコルビン酸又はこれらの塩などを添加するスズメッキ浴が開示されている。
【0008】
また、スズ−鉛合金の電気メッキ浴の従来技術2としては、特開昭59−193296号公報に、塩化第一スズ、酢酸鉛及び塩酸をベースにして、4価のスズを2価に還元する還元剤として二塩化ヒドラジン、或はハイドロキノン、次亜リン酸などを添加するスズ−鉛合金メッキ浴が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術1又は2は、共にヒドラジンやハイドロキノンなどの還元剤(或は、酸化防止剤)をメッキ浴に添加することにより、電気メッキ浴中の第一スズイオンの酸化防止を意図したものであるが、実際には、第一スズイオンの酸化速度をある程度遅延させる効果があるに過ぎず、当該還元剤を添加しても2〜3カ月で酸化第二スズの懸濁微粒子が発生し、メッキ浴の透明度が失われる。
そして、一旦メッキ浴がこのような状態に品質低下すると、前述のように濾過機での除去が困難なことから、メッキ浴から得られる電着皮膜の接合強度の信頼性を確保することもできなくなる。
【0010】
本発明はスズ又はスズ合金の電気メッキ浴において、長期使用により酸化第二スズの粒子が発生しても、当該粒子を円滑に捕捉して透明度を経時的に安定化できるメッキ浴の管理方法を開発することを技術的課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
一般に、スズメッキ浴又はスズ−鉛合金などのスズ合金メッキ浴に生じる酸化第二スズの微粒子は極めて結晶成長又は凝集しにくく、微細なまま存在しようとする性質を持っている。
そこで、本発明者らは、メッキ浴中で酸化第二スズ粒子の結晶成長を促進したり、粒子同士を合体凝集させて粒子径を大きくすることにより、濾過処理でこれらの粒子を捕捉可能にしてメッキ浴から除去し、もって浴の透明度を経時的に安定化させることを着想した。
そして、スズ又はスズ合金メッキ浴中において、種々の化合物の存在下で酸化第二スズの微粒子がどのような挙動を示すかを鋭意研究した結果、当該メッキ浴にリン化合物を添加すると、この酸化第二スズの微粒子は凝集促進されて粒子径が増大することを突き止め、本発明を完成した。
【0012】
即ち、本発明1は、(A)第一スズ塩と、第一スズ塩及び鉛、銀、亜鉛、ビスマス、インジウム、ニッケル、コバルト、銅から選ばれた金属の塩の混合物とのいずれかよりなる可溶性塩と、(B)アルカンスルホン酸、アルカノールスルホン酸、脂肪族カルボン酸などの有機酸、或は、塩酸、硫酸、ホウフッ化水素酸などの無機酸から選ばれた酸、及びその塩の少なくとも一種と、(C)リン化合物よりなる凝集促進剤とを含有するスズ及びスズ合金メッキ浴において、
( ) の可溶性金属塩と ( ) の酸、その塩の少なくとも一種とを含有するメッキ浴にリン化合物を添加して、当該リン化合物の存在下でメッキ浴中に発生した酸化第二スズの微粒子を凝集促進し、濾過処理により酸化第二スズをメッキ浴から除去可能にすることを特徴とするスズ及びスズ合金メッキ浴の管理方法である。
【0013】
本発明2は、上記本発明1のメッキ浴に、さらに界面活性剤を含有することを特徴とするスズ及びスズ合金メッキ浴の管理方法である。
【0014】
本発明3は、上記本発明1又は2のメッキ浴に、さらに光沢剤を含有することを特徴とするスズ及びスズ合金メッキ浴の管理方法である。
【0015】
本発明4は、上記本発明1〜3のいずれかのメッキ浴に、さらに半光沢剤を含有することを特徴とするスズ及びスズ合金メッキ浴の管理方法である。
【0016】
本発明5は、上記本発明1〜4のいずれかに記載のメッキ浴に、さらに酸化防止剤を含有することを特徴とするスズ及びスズ合金メッキ浴の管理方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】
凝集促進剤としての上記リン化合物は、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、次亜リン酸、亜リン酸、及びこれらのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、バリウム塩、鉄塩、亜鉛塩等の塩類などの無機リン化合物を初め、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、リン酸アルキル(例えば、エチルリン酸、ジエチルリン酸など)、及びこれらのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、バリウム塩、鉄塩、亜鉛塩等の塩類などの有機リン化合物をいう。
当該リン化合物は単用又は併用でき、その添加量はメッキ浴全体に対して、一般に0.01〜100g/L、好ましくは0.05〜10g/L、より好ましくは0.1〜5g/Lである。
【0020】
上記の酸としては、メッキ浴での反応が比較的穏やかなアルカンスルホン酸、アルカノールスルホン酸等の有機スルホン酸、或は、脂肪族カルボン酸などの有機酸が好ましいが、塩酸、ホウフッ化水素酸、硫酸、ケイフッ化水素酸、過塩素酸などの無機酸を選択することもできる。
上記の酸は単用又は併用され、酸の添加量は一般に0.1〜400g/L、好ましくは70〜150g/Lである。
【0021】
上記アルカンスルホン酸としては、化学式Cn2n+1SO3H(例えば、n=1〜11)で示されるものが使用でき、具体的には、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1―プロパンスルホン酸、2―プロパンスルホン酸、1―ブタンスルホン酸、2―ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、デカンスルホン酸、ドデカンスルホン酸などが挙げられる。
【0022】
上記アルカノールスルホン酸としては、化学式
m2m+1-CH(OH)-Cp 2p -SO3H(例えば、m=0〜2、p=1〜10)
で示されるものが使用でき、具体的には、2―ヒドロキシエタン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシプロパン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシブタン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシペンタン―1―スルホン酸などの外、1―ヒドロキシプロパン―2―スルホン酸、3―ヒドロキシプロパン―1―スルホン酸、4―ヒドロキシブタン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシヘキサン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシデカン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシドデカン―1―スルホン酸などが挙げられる。
【0023】
上記脂肪族カルボン酸としては、一般に、炭素数1〜6のカルボン酸が使用できる。具体的には、酢酸、プロピオン酸、酪酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、スルホコハク酸などが挙げられる。
【0024】
本発明はスズメッキ浴及びスズ合金メッキ浴を対象とするが、このスズ合金は、上述のように、スズと、鉛、銀、亜鉛、ビスマス、インジウム、ニッケル、コバルト、銅から選ばれた金属との合金である。具体的には、スズ−鉛、スズ−亜鉛、スズ−銀、スズ−ビスマス、スズ−ニッケル、スズ−インジウム、スズ−コバルト、スズ−銅などの2成分系のスズ合金を初め、3成分系のスズ合金も含まれる。上記第一スズ塩又は第一スズ塩と上記スズ以外の金属の塩の混合物としては、任意の可溶性の塩類を使用できるが、前記の酸(特に、有機スルホン酸)との塩類が好ましく、スズ及び他の金属の総濃度(金属としての換算添加量)は、一般に5〜100g/Lである。
【0025】
本発明のスズ又はスズ合金メッキ浴では、界面活性剤の添加によりメッキ外観を向上し、緻密なメッキ皮膜を得ることができる。
上記界面活性剤としてはノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤の中から少なくとも一種を使用することができる。
【0026】
当該ノニオン系界面活性剤の具体例としては、C1〜C20アルカノール、フェノール、ナフトール、ビスフェノール類、C1〜C25アルキルフェノール、アリールアルキルフェノール、C1〜C25アルキルナフトール、C1〜C25アルコキシル化リン酸(塩)、ソルビタンエステル、スチレン化フェノール、ポリアルキレングリコール、C1〜C22脂肪族アミン、C1〜C22脂肪族アミドなどにエチレンオキシド(EO)及び/又はプロピレンオキシド(PO)を2〜300モル付加縮合させたものや、C1〜C25アルコキシル化リン酸(塩)などが挙げられる。
【0027】
エチレンオキシド(EO)及び/又はプロピレンオキシド(PO)を付加縮合させるC1〜C20アルカノールとしては、オクタノール、デカノール、ラウリルアルコール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、ステアリルアルコール、エイコサノール、セチルアルコール、オレイルアルコール、ドコサノールなどが挙げられる。
同じくビスフェノール類としては、ビスフェノールA、ビスフェノールBなどが挙げられる。
1〜C25アルキルフェノールとしては、モノ、ジ、若しくはトリアルキル置換フェノール、例えば、p−ブチルフェノール、p−イソオクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−ヘキシルフェノール、2,4−ジブチルフェノール、2,4,6−トリブチルフェノール、p−ドデシルフェノール、p−ラウリルフェノール、p−ステアリルフェノールなどが挙げられる。
アリールアルキルフェノールとしては、2−フェニルイソプロピルフェニルなどが挙げられる。
1〜C25アルキルナフトールのアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチルヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシルなどが挙げられ、ナフタレン核の任意の位置にあって良い。
1〜C25アルコキシル化リン酸(塩)は、下記の一般式(a)で表されるものである。
【0028】
【化1】
Figure 0003716380
(式(a)中、Ra及びRbは同一又は異なるC1〜C25アルキル、但し、一方がHであっても良い。MはH又はアルカリ金属を示す。)
【0029】
ソルビタンエステルとしては、モノ、ジ又はトリエステル化した1,4−、1,5−又は3,6−ソルビタン、例えばソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンジオレエート、ソルビタン混合脂肪酸エステルなどが挙げられる。
1〜C22脂肪族アミンとしては、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミンなどの飽和及び不飽和脂肪酸アミンなどが挙げられる。
1〜C22脂肪族アミドとしては、プロピオン酸、酪酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などのアミドが挙げられる。
【0030】
更に、上記ノニオン系界面活性剤としては、
1N(R2)2→O
(上式中、R1はC5〜C25アルキル又はRCONHR3(R3はC1〜C5アルキレンを示す)、R2は同一又は異なるC1〜C5アルキルを示す。)
などで示されるアミンオキシドを用いることができる。
【0031】
上記ノニオン系界面活性剤は2つ以上を混合しても良く、メッキ浴の添加量は一般に0.05〜100g/L、好ましくは0.1〜50g/Lである。
【0032】
上記カチオン系界面活性剤としては、下記の一般式(b)で表される第4級アンモニウム塩
【0033】
【化2】
Figure 0003716380
(式(b)中、Xはハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C5アルカンスルホン酸又は硫酸、R1、R2及びR3は同一又は異なるC1〜C20アルキル、R4はC1〜C10アルキル又はベンジルを示す。)
或は、下記の一般式(c)で表されるピリジニウム塩などが挙げられる。
【0034】
【化3】
Figure 0003716380
(式(c)中、Xはハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C5アルカンスルホン酸又は硫酸、R5はC1〜C20アルキル、R6はH又はC1〜C10アルキルを示す。)
【0035】
塩の形態のカチオン系界面活性剤の例としては、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、ラウリルジメチルエチルアンモニウム塩、オクタデシルジメチルエチルアンモニウム塩、ジメチルベンジルラウリルアンモニウム塩、セチルジメチルベンジルアンモニウム塩、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム塩、トリメチルベンジルアンモニウム塩、トリエチルベンジルアンモニウム塩、ヘキサデシルピリジニウム塩、ラウリルピリジニウム塩、ドデシルピリジニウム塩、ステアリルアミンアセテート、ラウリルアミンアセテート、オクタデシルアミンアセテートなどが挙げられる。
【0036】
上記アニオン系界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩などが挙げられる。アルキル硫酸塩としては、ラウリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩としては、ポリオキシエチレン(EO12)ノニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EO15)ドデシルエーテル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩としては、ポリオキシエチレン(EO15)ノニルフェニルエーテル硫酸塩などが挙げられる。アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0037】
上記両性界面活性剤としては、ベタイン、スルホベタイン、アミノカルボン酸などが挙げられる。また、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドとアルキルアミン又はジアミンとの縮合生成物の硫酸化或はスルホン酸化付加物も使用できる。
当該ベタインは下記の一般式(d)又は(e)などで表されるものである。
【0038】
【化4】
Figure 0003716380
(式(d)中、R7はC1〜C20アルキル、R8及びR9は同一又は異なるC1〜C5アルキル、nは1〜3の整数を示す。)
【0039】
【化5】
Figure 0003716380
(式(e)中、R10はC1〜C20アルキル、R11は(CH2)mOH又は(CH2)mOCH2CO2 -、R12は(CH2)nCO2 -、(CH2)nSO3 -、CH(OH)CH2SO3 -、m及びnは1〜4の整数を示す。)
【0040】
代表的なベタインは、ラウリルジメチルアンモニウムベタイン、ステアリルジメチルアンモニウムベタイン、2−ウンデシル−1−カルボキシメチル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−オクチル−1−カルボキシメチル−1−カルボキシエチルイミダゾリニウムベタインなどが挙げられ、硫酸化及びスルホン酸化付加物としてはエトキシル化アルキルアミンの硫酸付加物、スルホン酸化ラウリル酸誘導体ナトリウム塩などが挙げられる。
【0041】
スルホベタインとしては、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアンモニウム−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、N−ココイルメチルタウリンナトリウム、N−パルミトイルメチルタウリンナトリウムなどが挙げられる。
アミノカルボン酸としては、ジオクチルアミノエチルグリシン、N−ラウリルアミノプロピオン酸、オクチルジ(アミノエチル)グリシンナトリウム塩などが挙げられる。
【0042】
前記ノニオン系界面活性剤以外のこれらの界面活性剤は2以上を併用しても良く、メッキ浴への添加量は一般に0.05〜100g/L、好ましくは0.1〜50g/Lである。
【0043】
上記本発明3で使用できる光沢剤の具体例としては、m−クロロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、(o−、p−)メトキシベンズアルデヒド、バニリン、(2,4−、2,6−)ジクロロベンズアルデヒド、(o−、p−)クロロベンズアルデヒド、1−ナフトアルデヒド、2−ナフトアルデヒド、2(4)−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド、2(4)−クロロ−1−ナフトアルデヒド、2(3)−チオフェンカルボキシアルデヒド、2(3)−フルアルデヒド、3−インドールカルボキシアルデヒド、サリチルアルデヒド、o−フタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−バレルアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、グリオキサール、アルドール、スクシンジアルデヒド、カプロンアルデヒド、イソバレルアルデヒド、アリルアルデヒド、グルタルアルデヒド、1−ベンジリデン−7−ヘプタナール、2,4−ヘキサジエナール、シンナムアルデヒド、ベンジルクロトンアルデヒド、アミン−アルデヒド縮合物、酸化メシチル、イソホロン、ジアセチル、ヘキサンジオン−3,4、アセチルアセトン、3−クロロベンジリデンアセトン、sub.ピリジリデンアセトン、sub.フルフリジンアセトン、sub.テニリデンアセトン、4−(1−ナフチル)−3−ブテン−2−オン、4−(2−フリル)−3−ブテン−2−オン、4−(2−チオフェニル)−3−ブテン−2−オン、クルクミン、ベンジリデンアセチルアセトン、ベンザルアセトン、アセトフェノン、(2,4−、3,4−)ジクロロアセトフェノン、ベンジリデンアセトフェノン、2−シンナミルチオフェン、2−(ω−ベンゾイル)ビニルフラン、ビニルフェニルケトン、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、クロトン酸、ピロピレン−1,3−ジカルボン酸、ケイ皮酸、(o−、m−、p−)トルイジン、(o−、p−)アミノアニリン、アニリン、(o−、p−)クロロアニリン、(2,5−、3,4−)クロロメチルアニリン、N−モノメチルアニリン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、N−フェニル−(α−、β−)ナフチルアミン、メチルベンズトリアゾール、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,3−ベンズトリアジン、イミダゾール、2−ビニルピリジン、インドール、キノリン、モノエタノールアミンとo−バニリンの反応物などが挙げられる。
【0044】
これら光沢剤は単用又は併用でき、メッキ浴への添加量は一般に0.005〜40g/L、好ましくは0.01〜20g/Lである。
【0045】
また、本発明のメッキ浴には、2価のスズの酸化を抑制するために上記本発明5の酸化防止剤を添加でき、その添加量は一般に0.05〜50g/L、好ましくは0.1〜10g/Lである。
当該酸化防止剤としては、アスコルビン酸又はその塩、ハイドロキノン、クレゾールスルホン酸又はその塩、フェノールスルホン酸又はその塩、カテコール、レゾルシン、フロログルシンなどが挙げられる。
【0046】
さらに、本発明のメッキ浴は、メッキ表面の平滑性を向上するために上記本発明4の半光沢剤を含有させることができる。当該半光沢剤は各種の前記界面活性剤と併用することにより、さらに相乗的な効果を奏する。
この場合の半光沢剤は、一般に、スズ又はスズ―鉛合金メッキに使われる半光沢剤であれば原則として使用できるが、特に有用な半光沢剤としては、下記の一般式(f)〜(i)で表されるものが挙げられる。
【0047】
【化6】
Figure 0003716380
(式(f)中、Rは水素、アルキル基(C1〜C4)又はフェニル基、RIは水素、水酸基又は存在しない場合、RIIはアルキレン基(C1〜C4)、フェニレン基又はベンジル基、RIIIは水素又はアルキル基(C0〜C4)である。)
【0048】
【化7】
Figure 0003716380
(式(g)中、R、RIはアルキル基(C1〜C18)である。)
【0049】
【化8】
Figure 0003716380
(式(h)中、Rは水素、アルキル基(C1〜C4)又はフェニル基である。)
【0050】
【化9】
Figure 0003716380
(式(i)中、R1、R2、R3、R4及びR5は夫々同一又は異なっていても良く、
(1)H、(2)―SH、(3)―OH、(4)OR(Rは所望により―COOHで置換されていても良いC1〜C6アルキル基)、(5)OH、ハロゲン、―COOH、―(CO)COOH、アリール又はOC1〜C6アルキル基で置換されていても良いC1〜C6アルキル基を意味する。)
【0051】
上記半光沢剤のうちでも、特に、N―(3―ヒドロキシブチリデン)―p―スルファニル酸、N―ブチリデンスルファニル酸、N―シンナモイリデンスルファニル酸、2,4―ジアミノ―6―(2′―メチルイミダゾリル(1′))エチル―1,3,5―トリアジン、2,4―ジアミノ―6―(2′―エチル―4―メチルイミダゾリル(1′))エチル―1,3,5―トリアジン、2,4―ジアミノ―6―(2′―ウンデシルイミダゾリル(1′))エチル―1,3,5―トリアジン、サリチル酸フェニルなどが挙げられる。
【0052】
同じく、上記一般式(i)のベンゾチアゾール類系の半光沢剤としては、特に、ベンゾチアゾール、2―メチルベンゾチアゾール、2―(メチルメルカプト)ベンゾチアゾール、2―アミノベンゾチアゾール、2―アミノ―6―メトキシベンゾチアゾール、2―メチル―5―クロロベンゾチアゾール、2―ヒドロキシベンゾチアゾール、2―アミノ―6―メチルベンゾチアゾール、2―クロロベンゾチアゾール、2,5―ジメチルベンゾチアゾール、6―ニトロ―2―メルカプトベンゾチアゾール、5―ヒドロキシ―2―メチルベンゾチアゾール、2―ベンゾチアゾールチオ酢酸などが挙げられる。
【0053】
上記半光沢剤の添加量は、一般に0.001〜10g/L、好ましくは0.1〜5g/Lである。
【0054】
本発明のメッキ浴での上記各成分の添加濃度は、バレルメッキ、ラックメッキ、高速連続メッキ、ラックレスメッキなどに対応して任意に調整・選択できる。また、本発明のメッキ浴には、上記光沢剤などの各種添加剤の外に、通常のメッキ浴で使用される錯化剤、pH調整剤、緩衝剤などを添加できることは勿論である。
【0055】
【発明の効果】
(1)本発明のスズ又はスズ合金の電気メッキ浴の管理方法では、メッキ浴に凝集促進剤であるリン化合物(無機リン化合物、或は有機リン化合物)を添加するため、メッキ浴の長期使用によって酸化第二スズの微粒子が発生しても、当該微粒子同士の凝集、或は微粒子の結晶成長を促進し、酸化第二スズの粒子径を増大させることができるため、これらの粒子はメッキ装置に付設された濾過機を用いて容易に捕捉できる。
特に、有機スルホン酸浴にリン化合物を添加した場合には、無機酸浴などに比べて、有機スルホン酸とリン化合物の相乗作用が期待できるため、酸化第二スズの凝集促進能力が増大し、顕著な捕捉効果を発揮できる。
このため、後述の試験例に示すように、酸化第二スズの粒子を速やかにメッキ浴から除去し、もって浴の透明度を経時的に安定化できる。
【0056】
因みに、このスズ酸化物の微粒子の凝集或は結晶成長のメカニズムは、複数の要因が複雑に絡み合って解析はきわめて困難であるが、冒述のように、酸化第二スズには多くの水分子が吸着しており、この水分子が酸化第二スズの凝集、結晶成長の主な阻害要因であると考えられ、メッキ浴に添加したリン化合物がこの水分子に作用することにより、酸化第二スズの凝集(或は結晶成長)が促進される契機になることが一応推測できる。
【0057】
従って、従来のメッキ浴では、長期使用により酸化第二スズの微粒子がメッキ浴中に懸濁・分散し、濾過機での除去ができないために、酸化第二スズとともに多くの水分子が、得られたメッキ皮膜中に混入して、メッキを施した部品を半田付けする際に水の気化でボイドが発生するという弊害があったが、本発明ではこの弊害を有効に解消できる。
この結果、本発明の管理方法を用いたスズ又はスズ合金メッキ浴から得られる電着皮膜においては、接合強度の信頼性を高く保持できる。
【0058】
(2)凝集促進剤であるリン化合物に次亜リン酸、亜リン酸、或はこれらの塩を選択すると、メッキ浴中に発生した酸化第二スズの粒子径を増大させるだけではなく、後述の試験例に示すように、酸化第二スズの発生量自体を低く抑制でき、メッキ浴から酸化第二スズをより円滑に除去できる。
また、電気メッキ浴を調製するに当たり、別途にリン化合物を酸、界面活性剤、半光沢剤などの少なくともいずれかに予め混入してから、建浴時に他の浴構成成分と合わせると、後述の試験例に示すように、酸化第二スズの凝集促進作用を一層高く保持できるとともに、メッキ浴にリン化合物を均一に溶解でき、浴の調製が楽になる。
【0059】
(3)本発明2のように、メッキ浴に界面活性剤を追加混合したメッキ浴の管理方法では、酸化第二スズを凝集促進して捕捉・除去し、浴の透明度を経時的に安定化するとともに、浴から得られたスズ又はスズ合金メッキ皮膜の粒子外観、密着性、緻密性などを良好に促進できる。
【0060】
(4)本発明3又は4のように、メッキ浴に光沢剤又は半光沢剤を追加混合したメッキ浴の管理方法では、浴の透明度を経時的に安定化するとともに、浴から得られたスズ又はスズ合金メッキ皮膜の光沢性或は平滑性を良好に促進できる。
【0061】
(5)本発明5のように、メッキ浴に酸化防止剤を追加混合したメッキ浴の管理方法では、浴の透明度を経時的に安定化するとともに、前述したように、2価のスズが4価に酸化される速度を遅らせることができ、酸化第二スズの生成量自体をある程度抑制できる。
【0063】
【実施例】
以下、スズ又はスズ合金の電気メッキ浴の実施例を順次説明するとともに、各実施例のメッキ浴を長期にエアレーションした際の酸化第二スズによる浴の懸濁の度合を経時的に測定した試験例を併記する。尚、本発明は下記の実施例に拘束されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で多くの変形をなし得ることは勿論である。
【0064】
Figure 0003716380
【0065】
《比較例1》
上記実施例1のメッキ浴を基本組成としながら、亜リン酸を省略したものを比較例1として(従って、各成分の添加条件は当該省略成分を除いて全く同じ;以下の各比較例も同様)、スズ−鉛合金メッキ浴を調製した。
【0066】
《実施例2》
上記実施例1のメッキ浴のうち、2−ヒドロキシプロパンスルホン酸鉛を省略し、他の組成を同条件で設定したものを実施例2として、一浴方式によりスズメッキ浴を調製した。
【0067】
《比較例2》
上記実施例2のメッキ浴を基本組成としながら、亜リン酸を省略したものを比較例2として、スズメッキ浴を調製した。
【0068】
次いで、下記の実施例3〜6では、前記実施例1と同じ組成のスズ−鉛合金メッキ浴を、一浴方式の調製方法に代えて、無機リン化合物を浴構成成分の一つに予め混入した後、残りの浴構成成分に混合する分割方式により夫々調製した。
【0069】
《実施例3》
2−ヒドロキシプロパンスルホン酸第一スズの水溶液(Sn2+として10重量%)に予め亜リン酸を0.56重量%の割合で溶解し、この混合液(添加量は180g/L)と他の浴構成成分を合わせて、実施例1と同組成のスズ−鉛合金メッキ浴を調製した。
【0070】
《実施例4》
2−ヒドロキシプロパンスルホン酸鉛の水溶液(Pb2+として20重量%)に予め亜リン酸を10重量%の割合で溶解し、この混合液(添加量は10g/L)と他の浴構成成分を合わせ、実施例1と同組成のスズ−鉛合金メッキ浴を調製した。
【0071】
《実施例5》
遊離2−ヒドロキシプロパンスルホン酸の水溶液(80重量%)に予め亜リン酸を0.57重量%の割合で溶解し、この混合液(添加量は112g/L)と他の浴構成成分を合わせて、実施例1と同組成のスズ−鉛合金メッキ浴を調製した。
【0072】
《実施例6》
ノニルフェノールポリエトキシレート(EO15)80g/L、カテコール10g/L及び亜リン酸10g/Lを予め水を溶媒として混合し、この混合液(添加量は100mL/L)と他の浴構成成分を合わせて、実施例1と同組成のスズ−鉛合金メッキ浴を調製した。
【0073】
《実施例7》
下記の組成でスズ−鉛合金メッキ浴を一浴方式により調製した。
エタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 16g/L
エタンスルホン酸鉛(Pb2+として) 4g/L
遊離エタンスルホン酸 120g/L
ジイソプロピルナフタレンジスルホン酸ナトリウム 0.7g/L
ジスチレン化フェノールポリエトキシレート(EO20) 7.5g/L
ハイドロキノン 0.3g/L
ピロリン酸 1.2g/L
【0074】
《比較例3》
上記実施例7のメッキ浴を基本組成としながら、ピロリン酸を省略したものを比較例3として、スズ−鉛合金メッキ浴を調製した。
【0075】
《実施例8》
上記実施例7のメッキ浴のうち、エタンスルホン酸鉛を省略して、他の組成を同条件で設定したものを実施例8として、一浴方式によりスズメッキ浴を調製した。
【0076】
《比較例4》
上記実施例8のメッキ浴を基本組成としながら、ピロリン酸を省略したものを比較例4として、スズメッキ浴を調製した。
【0077】
《実施例9》
下記の組成でスズ−鉛合金メッキ浴を一浴方式により調製した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 36g/L
メタンスルホン酸鉛(Pb2+として) 4g/L
遊離メタンスルホン酸 150g/L
ラウリルアミンポリエトキシレート(EO15) 10g/L
ラウリルジメチルアンモニウムベタイン 1g/L
1−ナフトアルデヒド 0.1g/L
メタクリル酸 1g/L
レゾルシン 2g/L
次亜リン酸ナトリウム 5g/L
【0078】
《比較例5》
上記実施例9のメッキ浴を基本組成としながら、次亜リン酸ナトリウムを省略したものを比較例5として、スズ−鉛合金メッキ浴を調製した。
【0079】
《実施例10》
上記実施例9のメッキ浴のうち、メタンスルホン酸鉛を省略し、他の組成を同条件で設定したものを実施例10として、一浴方式によりスズメッキ浴を調製した。
【0080】
《比較例6》
上記実施例10のメッキ浴を基本組成としながら、次亜リン酸ナトリウムを省略したものを比較例6として、スズメッキ浴を調製した。
【0081】
Figure 0003716380
【0082】
《比較例7》
上記実施例11のメッキ浴を基本組成としながら、オルトリン酸を省略したものを比較例7として、スズ−鉛合金メッキ浴を調製した。
【0083】
《実施例12》
上記実施例11のメッキ浴のうち、エタンスルホン酸鉛を省略し、他の組成を同条件で設定したものを実施例12として、一浴方式によりスズメッキ浴を調製した。
【0084】
《比較例8》
上記実施例12のメッキ浴を基本組成としながら、オルトリン酸を省略したものを比較例8として、スズメッキ浴を調製した。
【0085】
Figure 0003716380
【0086】
《比較例9》
上記実施例13のメッキ浴を基本組成としながら、ポリリン酸を省略したものを比較例9として、スズ−鉛合金メッキ浴を調製した。
【0087】
《実施例14》
上記実施例13のメッキ浴のうち、プロパンスルホン酸鉛を省略し、他の組成を同条件で設定したものを実施例14として、一浴方式によりスズメッキ浴を調製した。
【0088】
《比較例10》
上記実施例14のメッキ浴を基本組成としながら、ポリリン酸を省略したものを比較例10として、スズメッキ浴を調製した。
【0089】
《比較例11》
前記実施例9のメッキ浴を基本組成としながら、次亜リン酸ナトリウム5g/Lを省略し、これをヒドラジン5g/Lで置き換えたものを比較例11として、スズ−鉛合金メッキ浴を調製した。
【0090】
《実施例15》
下記の組成でスズ−亜鉛合金メッキ浴を一浴方式により調製した。
スルホコハク酸第一スズ(Sn2+として) 24g/L
スルホコハク酸亜鉛(Zn2+として) 6g/L
スルホコハク酸 0.6mol/L
ナフトールポリエトキシレート(EO13) 2g/L
ラウリルジメチルアンモニウムベタイン 0.1g/L
L−アスコルビン酸 1.0g/L
pH(水酸化ナトリウムで調整) 4.5
アミノトリ(メチレンホスホン酸) 0.1g/L
【0091】
《比較例12》
上記実施例15のメッキ浴を基本組成としながら、アミノトリ(メチレンホスホン酸)を省略したものを比較例12として、スズ−亜鉛合金メッキ浴を調製した。
【0092】
《実施例16》
下記の組成でスズ−銀合金メッキ浴を一浴方式により調製した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 17.5g/L
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 0.5g/L
メタンスルホン酸 10g/L
グルコン酸 0.9mol/L
ヨウ化カリウム 1.5mol/L
トリエタノールアミン 0.15mol/L
モノエタノールアミンとo−バニリンの反応物 4g/L
pH(水酸化ナトリウムで調整) 4.5
エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸) 0.3g/L
【0093】
《比較例13》
上記実施例16のメッキ浴を基本組成としながら、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)を省略したものを比較例13として、スズ−銀合金メッキ浴を調製した。
【0094】
《実施例17》
下記の組成でスズ−ビスマス合金メッキ浴を一浴方式により調製した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 40g/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 4g/L
メタンスルホン酸 100g/L
ポリオキシエチレンラウリルアミン(EO10) 5g/L
カテコール 1g/L
ピロリン酸 1g/L
【0095】
《比較例14》
上記実施例17のメッキ浴を基本組成としながら、ピロリン酸を省略したものを比較例14として、スズ−ビスマス合金メッキ浴を調製した。
【0096】
《実施例18》
下記の組成でスズ−ニッケル合金メッキ浴を一浴方式により調製した。
塩化第一スズ 45g/L
塩化ニッケル(6水和物) 300g/L
塩化アンモニウム 100g/L
塩酸(35%) 50ml/L
フッ化アンモニウム 60g/L
pH(アンモニア水で調整) 4.0
1−ヒドロキシエチリデン
−1−ジホスホン酸三ナトリウム 0.2g/L
【0097】
《比較例15》
上記実施例18のメッキ浴を基本組成としながら、ジホスホン酸塩を省略したものを比較例15として、スズ−ニッケル合金メッキ浴を調製した。
【0098】
《実施例19》
下記の組成でスズ−インジウム合金メッキ浴を一浴方式により調製した。
2−プロパノールスルホン酸第一スズ(Sn2+として)10g/L
塩化インジウム(In3+として) 10g/L
2−プロパノールスルホン酸 100g/L
グルコン酸ナトリウム 100g/L
pH(水酸化ナトリウムで調整) 2.0
亜リン酸 0.5g/L
【0099】
《比較例16》
上記実施例19のメッキ浴を基本組成としながら、亜リン酸を省略したものを比較例16として、スズ−インジウム合金メッキ浴を調製した。
【0100】
Figure 0003716380
【0101】
《比較例17》
上記実施例20のメッキ浴を基本組成としながら、ジホスホン酸塩を省略したものを比較例17として、スズ−コバルト合金メッキ浴を調製した。
【0102】
そこで、各メッキ浴に長期のエアレーションを施すことにより、各メッキ浴における酸化第二スズの粒子の発生度合を比較測定した。
《メッキ浴の経時評価試験例》
調製した各スズ又はスズ合金浴のメッキ液を1リットルのトールビーカーに500mL入れ、このビーカーを50℃に保持した恒温槽に収容した。次いで、メッキ液にポンプにより空気を1.5L/分の割合で連続的に吹き込んでエアレーションを行った。
空気の吹き込み操作開始後、2週間及び4週間を経過した時点で、各メッキ液を採取し、レーザー回折式粒度分布測定装置(LA−500;堀場製作所(株)製)を用いて懸濁している酸化第二スズ粒子のメジアン径及び2μm篩下量(体積分率(%))を測定した。
【0103】
また、4週間経過時点で、#5B濾紙により各メッキ液を濾過し、濾過の前・後における各試料の吸光度を純水をリファレンスとして波長660nmにおいて分光光度計(U−2000形ダブルビーム分光光度計;(株)日立製作所製)を用いて夫々測定した。
【0104】
図1〜図2はその結果を示す。
(1)図1〜図2の酸化第二スズのメジアン径を見ると、実施例1〜20の各メッキ液では2週間後で7.7μm以上、4週間後では8.3μm以上に成長したのに対して、比較例1〜17では2週間後で1.05μm以下、4週間後でも1.28μm以下であった。
無機系又は有機系のリン化合物を添加した実施例1〜20の各メッキ液は無添加の比較例1〜17に比べて、酸化第二スズの微粒子が凝集促進、或は結晶成長され、粒子径が著しく増大しているのが認められた。特に、ピロリン酸を添加した実施例7〜8及び17では、2週間後で15.1〜16.7μm、4週間後では18.1〜20.3μmに成長して、酸化第二スズの粒子径が実施例中で最大になった。このため、ピロリン酸はリン化合物の中でも酸化第二スズ粒子の凝集促進作用が大きいことを窺わせる。
【0105】
(2)図1〜図2の2μm篩下量を見ると、実施例1〜20では、上記(1)の結果に示すように酸化第二スズの粒子径が大きいため、2μm篩を透過する割合は、2週間後の実施例1の1.6%、実施例2の0.7%を除いて、残りは全て0%であった。因みに、実施例1及び2は4週間後の篩下量は共に0%であり、また、実施例1と同じ組成のスズ−鉛合金メッキ液であり、且つ、一浴方式ではなく分割方式で調製した実施例3〜6は、2週間後の篩下量は共に0%であった。
これに対して、比較例1〜17では、上記(1)に示すように酸化第二スズの粒子が微細であるため、2μm篩を透過する割合は、4週間後でも95%弱〜100%であった。これは、メッキ装置に付設された濾過機を用いてメッキ液を濾過してもほとんど透過してしまうため、メッキ浴から当該酸化第二スズの粒子を除去するのが困難であることを示している。
【0106】
(3)図1〜図2の濾過前・後の吸光度を見ると、各実施例1〜20共に、濾過前にはメッキ液に生じる酸化第二スズの存在で吸光度は大きいが、濾過後には当該粒子が濾紙でほとんど除去されるために吸光度は微小に激減した。因みに、濾過前の吸光度は4週間経過時点での酸化第二スズの発生量に関係しているが、次亜リン酸塩を添加した実施例9〜10では、この濾過前の吸光度が他の実施例に比べてかなり小さかった。
これは、次亜リン酸塩に還元作用があるため、オルトリン酸やピロリン酸などの他のリン化合物とは異なり、酸化第二スズの発生自体を抑制したものと推定でき、しかも、濾過後の吸光度を見ると、少ない割合で発生した酸化第二スズの粒子径は大きいため、容易に除去可能であることが判る。
これに対して、比較例1〜17では、発生する酸化第二スズの粒子が微細なため、濾紙による濾過効果が期待できず、濾過の前・後で吸光度はほとんど変わらなかった。因みに、次亜リン酸塩を添加した実施例9と、この次亜リン酸を無電解メッキ浴で還元剤として常用されるヒドラジンで置き換えた比較例11を比べると、メジアン径、篩下量並びに濾過後の吸光度の各項目で大きな差異が認められた。
【0107】
(4)上記(1)〜(3)によると、スズ又はスズ合金メッキ浴にリン化合物を添加すると、無添加の場合に比べて、長期使用によるメッキ浴の酸化(空気酸化、或は陽極酸化)が進行して酸化第二スズの微粒子が発生しても、当該粒子を凝集促進し、或は結晶成長させてメジアン径を増大させることができる。
このため、メッキ装置に付設した濾過機を用いて酸化第二スズの粒子を容易に除去することができ、もってメッキ浴の透明度を経時的に安定化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜20に関するスズ又はスズ合金の各メッキ浴にエアレーションを施した場合の、発生した酸化第二スズ粒子のメジアン径、2μm篩下量並びにメッキ液の濾過前・後における吸光度の測定結果を示す図表である。
【図2】比較例1〜17に関するスズ又はスズ合金の各メッキ浴の測定結果を示す図1の相当図である。

Claims (5)

  1. (A)第一スズ塩と、第一スズ塩及び鉛、銀、亜鉛、ビスマス、インジウム、ニッケル、コバルト、銅から選ばれた金属の塩の混合物とのいずれかよりなる可溶性塩と、(B)アルカンスルホン酸、アルカノールスルホン酸、脂肪族カルボン酸などの有機酸、或は、塩酸、硫酸、ホウフッ化水素酸などの無機酸から選ばれた酸、及びその塩の少なくとも一種と、(C)リン化合物よりなる凝集促進剤とを含有するスズ及びスズ合金メッキ浴において、
    ( ) の可溶性金属塩と ( ) の酸、その塩の少なくとも一種とを含有するメッキ浴にリン化合物を添加して、当該リン化合物の存在下でメッキ浴中に発生した酸化第二スズの微粒子を凝集促進し、濾過処理により酸化第二スズをメッキ浴から除去可能にすることを特徴とするスズ及びスズ合金メッキ浴の管理方法。
  2. 請求項1に記載のメッキ浴に、さらに界面活性剤を含有することを特徴とするスズ及びスズ合金メッキ浴の管理方法。
  3. 請求項1又は2に記載のメッキ浴に、さらに光沢剤を含有することを特徴とするスズ及びスズ合金メッキ浴の管理方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のメッキ浴に、さらに半光沢剤を含有することを特徴とするスズ及びスズ合金メッキ浴の管理方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のメッキ浴に、さらに酸化防止剤を含有することを特徴とするスズ及びスズ合金メッキ浴の管理方法。
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