JP4389083B2 - 鉛フリーのスズ−ビスマス系合金電気メッキ浴 - Google Patents
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鉛フリーのハンダとしては、スズ−銀合金やスズ−ビスマス合金などが検討されているが、スズ−銀合金メッキではメッキ浴が分解し易くて浴の安定性が低く、コスト高であるうえ、スズ合金のうちでは相対的にホイスカーが発生し易い。
これに対して、スズ−ビスマス合金は、スズ−銀合金に比べてホイスカーは発生し難く、コストも低減できる点で、鉛フリーのハンダの有力候補として注目されている。
特許文献1は、緻密で良好な皮膜外観を得ることなどを目的として、ノニオン系界面活性剤と共に、アニオン系、カチオン系及び両性の少なくとも一種の界面活性剤とを含有するスズ−ビスマス合金メッキ浴であり(請求の範囲、段落1、段落19)、上記ノニオン系界面活性剤には、C1〜C20アルカノール、フェノール、ナフトール、ビスフェノール類、C1〜C25アルキルフェノール、アリールアルキルフェノール、C1〜C25アルコキシル化リン酸、C1〜C22脂肪族アミン、スチレン化フェノールなどのEO及び/又はPO付加物が挙げられている(段落6)。また、その具体例として、表1には、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、スチレン化フェノールのEO12モル・PO2モル付加物、クミルフェノールのEO13モル付加物が記載されている。
また、メッキ浴には、EDTA、ニトリロ三酢酸(NTA)、DTPA、TTHA、クエン酸、グルコン酸などの錯化剤を含有することができることが記載され(段落36)、実施例6には、両性界面活性剤を含有し、且つ、NTAを含有するスズ−銅−ビスマス合金メッキ浴が開示されている(段落56)。
また、実際のスズ−ビスマス系合金電気メッキにおいては、コスト低減による生産性の見地からアノードにスズ又はスズ合金を使用するが、ビスマスの電極電位はスズに対して貴であるため、電気メッキに際して、アノードからスズが溶解するとともに、ビスマスがアノード表面に置換析出するという問題がある。この置換による消耗が進行すると、メッキ浴中のビスマス濃度が低下し、メッキ浴組成が変動して、電析物の合金組成が変わってしまうと共に、コストアップにもつながる。さらには、被メッキ物にビスマスが置換析出した場合、電着皮膜のハンダ濡れ性、接合強度にも悪影響を及ぼす。
上記特許文献1及び特許文献5〜6のスズ−ビスマス合金メッキ浴、特許文献2のスズ−ビスマス合金を含むスズ合金メッキ浴、又は特許文献4のスズ−銅−ビスマス合金を含むスズ−銅系合金のメッキ浴にあっては、ビスマスのアノード表面への置換析出の防止を目的とするものではなく、従って、その防止機能を期待することができないか、きわめて不充分である。
即ち、所定のHLBを有するジスチレン化フェノールポリエトキシレート・ポリプロポキシレート、ジ又はトリスチレン化クレゾールポリアルコキシレート、ヘキサデシルアミンポリアルコキシレート、オクタデシルアミンポリエトキシレート・ポリプロポキシレートなど、或は、所定の曇点を有するエチレンジアミンポリアルコキシレートより選ばれた特定化学構造種のノニオン系界面活性剤では、この置換析出の防止効果が特異的に大きく、これら以外のノニオン系界面活性剤に対して顕著な優位性を示し、もって特定化学構造種を含むメッキ浴ではメッキ浴組成が安定化し、電気メッキに際して良好な外観の電着皮膜が得られること、さらには、これらの特定化学構造種のノニオン系界面活性剤に、DTPA、TTHA、ジカルボキシメチルグルタミン酸、又はその塩などの特定の錯化作用を奏する化合物を共存させると、この置換防止効果がより促進されることを見い出して、本発明を完成した。
HLBが11.8〜15.2のジスチレン化フェノールポリエトキシレート・ポリプロポキシレート、HLBが8.2〜15.6のジスチレン化クレゾールポリアルコキシレート、HLBが7.7〜15.2のトリスチレン化クレゾールポリアルコキシレート、HLBが3.4〜16.1のテトラデシルアミンポリアルコキシレート、HLBが3.1〜16.0のヘキサデシルアミンポリアルコキシレート、HLBが2.8〜16.6のオクタデシルアミンポリエトキシレート・ポリプロポキシレート、HLBが2.8〜16.6のcis−9−オクタデセニルアミンポリエトキシレート・ポリプロポキシレートよりなるノニオン系界面活性剤、及び曇点が15℃〜30℃であるエチレンジアミンのポリアルコキシレートよりなるノニオン系界面活性剤の少なくとも1種を添加して、スズ又はスズ合金製のアノード表面上へのビスマスの置換析出を防止することを特徴とする鉛フリーのスズ−ビスマス系合金電気メッキ浴である。
可溶性第一スズ塩と、無機酸及び有機酸から選ばれた酸の少なくとも一種とを含有し、さらに、HLBが11.8〜15.2のジスチレン化フェノールポリエトキシレート・ポリプロポキシレート、HLBが8.2〜15.6のジスチレン化クレゾールポリアルコキシレート、HLBが7.7〜15.2のトリスチレン化クレゾールポリアルコキシレート、HLBが3.4〜16.1のテトラデシルアミンポリアルコキシレート、HLBが3.1〜16.0のヘキサデシルアミンポリアルコキシレート、HLBが2.8〜16.6のオクタデシルアミンポリエトキシレート・ポリプロポキシレート、HLBが2.8〜16.6のcis−9−オクタデセニルアミンポリエトキシレート・ポリプロポキシレートよりなるノニオン系界面活性剤、及び曇点が15℃〜30℃であるエチレンジアミンのポリアルコキシレートよりなるノニオン系界面活性剤の少なくとも1種を添加したスズ−ビスマス系合金メッキ浴を用いることにより、アノード表面上にビスマスが置換析出するのを防止するようにしたことを特徴とする鉛フリーのスズ−ビスマス系合金電気メッキ方法である。
これに対して、本発明では、スズ−ビスマス系合金浴に所定のHLB又は曇点を有する特定化学構造種のノニオン系界面活性剤を添加するため、スズ又はスズ合金製のアノード表面へのビスマスの置換析出を有効に防止できる。このため、メッキ浴中のビスマスの過剰な消耗をなくし、メッキ浴組成の変動を抑えて安定化でき、もって、電気メッキに際して光沢性、緻密性、平滑性などに優れ、色調ムラのない良好な外観のスズ−ビスマス系合金の電着皮膜を得ることができる。
また、アノード表面へのビスマスの置換析出を有効に防止できるため、メッキ操作のたびにアノードを洗浄する手間が要らず、メッキ操作を簡便化できる。
尚、本発明の鉛フリーのスズ−ビスマス系合金電気メッキ浴又はメッキ方法では、生産性の見地から、アノードは、白金などの不溶性材料ではなく、スズ又はスズ合金を材質とする(従って、ビスマスの置換析出の防止が課題となる)。
そこで、スズ−ビスマス合金電気メッキ浴(2元合金浴)の基本組成を述べると、可溶性第一スズ塩と、可溶性ビスマス塩と、ベース酸から構成される。
上記可溶性第一スズ塩としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−プロパノールスルホン酸、p−フェノールスルホン酸などの有機スルホン酸の第一スズ塩を初め、ホウフッ化第一スズ、スルホコハク酸第一スズ、硫酸第一スズ、酸化第一スズ、塩化第一スズなどが挙げられる。
前記可溶性ビスマス塩としては、上記有機スルホン酸のビスマス塩、スルホコハク酸のビスマス塩、硫酸ビスマス、酸化ビスマス、硝酸ビスマス、塩化ビスマス、臭化ビスマスなどが挙げられる。
上記可溶性銀塩としては、硫酸銀、亜硫酸銀、炭酸銀、硝酸銀、酸化銀、スルホコハク酸銀、上記有機スルホン酸の銀塩、クエン酸銀、酒石酸銀、グルコン酸銀、シュウ酸銀などが挙げられる。
上記可溶性銅化合物としては、上記有機スルホン酸の銅塩、硫酸銅、塩化銅、酸化銅、炭酸銅、酢酸銅、ピロリン酸銅、シュウ酸銅などが挙げられる。
上記可溶性インジウム塩としては、スルファミン酸インジウム、硫酸インジウム、ホウフッ化インジウム、酸化インジウム、メタンスルホン酸インジウム、2−ヒドロキシプロパンスルホン酸インジウムなどが挙げられる。
亜鉛の可溶性塩としては、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、ピロリン酸亜鉛、シアン化亜鉛、メタンスルホン酸亜鉛、2−ヒドロキシエタンスルホン酸亜鉛、2−ヒドロキシプロパンスルホン酸亜鉛などが挙げられる。
ニッケルの可溶性塩としては、硫酸ニッケル、ギ酸ニッケル、塩化ニッケル、スルファミン酸ニッケル、ホウフッ化ニッケル、酢酸ニッケル、メタンスルホン酸ニッケル、2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ニッケルなどが挙げられる。
コバルトの可溶性塩としては、硫酸コバルト、塩化コバルト、酢酸コバルト、ホウフッ化コバルト、メタンスルホン酸コバルト、2−ヒドロキシプロパンスルホン酸コバルトなどが挙げられる。
アンチモンの可溶性塩としては、ホウフッ化アンチモン、塩化アンチモン、酒石酸アンチモニルカリウム、ピロアンチモン酸カリウム、酒石酸アンチモン、メタンスルホン酸アンチモン、2−ヒドロキシプロパンスルホン酸アンチモンなどが挙げられる。
上記可溶性金属塩は夫々単用又は併用でき、メッキ浴に対する当該可溶性塩の浴中の総濃度は金属塩換算で0.05〜300g/L、好ましくは10〜180g/Lである。また、スズとその他の金属の混合割合は、所望するスズ合金めっき皮膜の組成比に応じて適宜決定される。
具体的には、可溶性第一スズ塩の含有量は1〜250g/Lが適当であり、好ましくは5〜180g/Lである。
また、可溶性ビスマス塩の含有量は0.05〜50g/Lが適当であり、好ましくは0.5〜20g/Lである。
可溶性銅塩の含有量は0.01〜30g/Lが適当であり、好ましくは0.05〜5g/Lである。
可溶性銀塩の含有量は0.01〜10g/Lで適当であり、好ましくは0.05〜5g/Lである。
当該有機スルホン酸は、アルカンスルホン酸、アルカノールスルホン酸、芳香族スルホン酸などであり、アルカンスルホン酸としては、化学式CnH2n+1SO3H(例えば、n=1〜11)で示されるものが使用でき、具体的には、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1―プロパンスルホン酸、2―プロパンスルホン酸、1―ブタンスルホン酸、2―ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、デカンスルホン酸、ドデカンスルホン酸などが挙げられる。
CmH2m+1-CH(OH)-CpH2p-SO3H(例えば、m=0〜6、p=1〜5)
で示されるものが使用でき、具体的には、2―ヒドロキシエタン―1―スルホン酸(イセチオン酸)、2―ヒドロキシプロパン―1―スルホン酸(2−プロパノールスルホン酸)、2―ヒドロキシブタン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシペンタン―1―スルホン酸などの外、1―ヒドロキシプロパン―2―スルホン酸、3―ヒドロキシプロパン―1―スルホン酸、4―ヒドロキシブタン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシヘキサン―1―スルホン酸などが挙げられる。
上記有機スルホン酸では、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−プロパノールスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、フェノールスルホン酸、クレゾールスルホン酸などが好ましい。
所定のHLB又は曇点を有する特定化学構造種のノニオン系界面活性剤は、次の(a)〜(h)の通りである。
(a)HLBが11.8〜15.2のジスチレン化フェノールポリエトキシレート・ポリプロポキシレート
(b)HLBが8.2〜15.6(好ましくは11.6〜15.2)のジスチレン化クレゾールポリアルコキシレート
(c)HLBが7.7〜15.2(好ましくは11.1〜14.5)のトリスチレン化クレゾールポリアルコキシレート
(d)HLBが3.4〜16.1(好ましくは7.6〜15.3)のテトラデシルアミンポリアルコキシレート
(e)HLBが3.1〜16.0(好ましくは8.4〜15.3)のヘキサデシルアミンポリアルコキシレート
(f)HLBが2.8〜16.6(好ましくは7.9〜15.3)のオクタデシルアミンポリエトキシレート・ポリプロポキシレート
(g)HLBが2.8〜16.6(好ましくは7.9〜15.4)のcis−9−オクタデセニルアミンポリエトキシレート・ポリプロポキシレート
(h)曇点が15℃〜30℃であるエチレンジアミンのポリアルコキシレート
上記ノニオン系界面活性剤(a)〜(h)は共にアルキレンオキシド付加物であり、付加するアルキレンオキシドとしてはC2〜C4アルキレンオキシドが適しており、好ましくはエチレンオキシド(EO)及び/又はプロピレンオキシド(PO)である。
特に、ジスチレン化フェノールポリアルコキシレート、オクタデシルアミンポリアルコキシレート、cis−9−オクタデセニルアミンポリアルコキシレートでは、上述の通り、エチレンオキシド(EO)及びプロピレンオキシド(PO)の複合付加物が選択される。
この場合、ジスチレン化フェノールポリエトキシレート・ポリプロポキシレートでは、ジスチレン化フェノール骨格に付加するEOとPOの順番は問わず、EO、POの順番に付加しても良いし、逆にPO、EOの順番に付加しても良い。オクタデシルアミンポリエトキシレート・ポリプロポキシレート、cis−9−オクタデセニルアミンポリエトキシレート・ポリプロポキシレートも同様である。
また、ノニオン系界面活性剤にあっては、その種類が特定されると、HLBが所望の範囲内に指定された相当品を製造会社から入手することはそれほど困難ではない。
そこで、上記特定化学構造種ごとの具体例を個別的に列挙すると、例えば、ジスチレン化クレゾールポリプロポキシレート(PO2モル)・ポリエトキシレート(EO15モル)はHLB=8.2〜15.6の特定領域に属する。また、cis−オクタデセニルアミンポリプロポキシレート(PO2モル)ポリエトキシレート(EO15モル)ポリプロポキシレート(PO2モル)はHLB=2.8〜16.6の特定領域に属する。
H(B)Y−(A)X (A)X−(B)YH
| |
N−CH2CH2−N …(1)
| |
H(B)Y−(A)X (A)X−(B)YH
(式(1)中、A、Bはオキシエチレン基又はオキシプロピレン基のいずれかである;X、Yは夫々1〜100の整数である)
そして、上記一般式(1)に属する化合物の具体例としては、エチレンジアミンポリプロポキシレート(P050モル)・ポリエトキシレート(EO5モル)が挙げられるが、当該化合物の曇点は15〜30℃の特定領域に属する。
ちなみに、ノニオン系界面活性剤にあっては、その種類が特定されると、上記HLBと同様に、曇点が所望の範囲内に指定された相当品を製造会社から入手することはそれほど困難でない。
本発明では、鉛フリーのスズ−ビスマス系合金電気メッキ浴に上記ノニオン系界面活性剤を含有することが必要条件であるが、他種のノニオン系界面活性剤やノニオン系以外の両性、アニオン、カチオンなどの界面活性剤が共存しても差し支えない。
上記ノニオン系界面活性剤(a)〜(j)は単用又は併用でき、メッキ浴に対する含有量はビスマス量の3〜300重量%が適当であり、好ましくは10〜100重量%である。
上記錯化剤は錯化作用を奏する化合物のうちから選択された特定範囲のものであり、例えば、EDTA、NTAは、DTPAやTTHAと同じアミノカルボン酸類に属するが、本発明の錯化剤から外れ、グルコン酸、酒石酸、クエン酸などのオキシカルボン酸も外れる。
上記DTPA、TTHAなどの塩としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アンモニウム、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの塩が挙げられる。
上記錯化剤は単用又は併用しても良く、本発明の特定化学構造種のノニオン系界面活性剤が共存する場合には、メッキ浴への含有量はビスマスに対して0.1〜20倍モルが適し、好ましくは0.5〜10倍モルである。
即ち、本発明のHLBや曇点の低い特定化学構造種のノニオン系界面活性剤以外にも、公知の界面活性剤を目的に応じて共存させることは可能である。これらの界面活性剤は、メッキ皮膜の外観、緻密性、平滑性、密着性、均一電着性等の改善のために添加される。 当該界面活性剤としては、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性などの各種界面活性剤を単用又は併用でき、その添加量はメッキ浴に対して0.01〜100g/L程度が適し、0.1〜50g/L程度が好ましい。
従って、上記アルカノール、フェノール、ナフトールなどのEO単独の付加物、PO単独の付加物、或は、EOとPOが共存した付加物のいずれでも良い。具体的には、α−ナフトール又はβ−ナフトールのエチレンオキシド付加物(即ち、α−ナフトールポリエトキシレートなど)が好ましい。
Ra・Rb・(MO)P=O …(a)
(式(a)中、Ra及びRbは同一又は異なるC1〜C25アルキル、但し、一方がHであっても良い。Mは、H又はアルカリ金属を示す。)
(R1・R2・R3・R4N)+・X- …(b)
(式(b)中、Xはハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C5アルカンスルホン酸又は硫酸、R1、R2及びR3は同一又は異なるC1〜C20アルキル、R4はC1〜C10アルキル又はベンジルを示す。)
R6−(C6H4N−R5)+・X- …(c)
(式(c)中、Xはハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C5アルカンスルホン酸又は硫酸、R5はC1〜C20アルキル、R6はH又はC1〜C10アルキルを示す。)
上記アルキル硫酸塩としては、ドデシル硫酸ナトリウム、cis−9−オクタデセニル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
上記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩としては、ポリオキシエチレン(EO12)ノニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EO15)ドデシルエーテル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
上記ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩としては、ポリオキシエチレン(EO15)ノニルフェニルエーテル硫酸塩などが挙げられる。
上記アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
また、(モノ、ジ、トリ)アルキルナフタレンスルホン酸塩としては、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
また、ゼラチン、ポリペプトン、N−(3−ヒドロキシブチリデン)−p−スルファニル酸、N−ブチリデンスルファニル酸、N−シンナモイリデンスルファニル酸、2,4−ジアミノ−6−(2′−メチルイミダゾリル(1′))エチル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2′−エチル−4−メチルイミダゾリル(1′))エチル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2′−ウンデシルイミダゾリル(1′))エチル−1,3,5−トリアジン、サリチル酸フェニル、或は、ベンゾチアゾール類も平滑剤として有効である。
上記ベンゾチアゾール類としては、ベンゾチアゾール、2-メチルベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-(メチルメルカプト)ベンゾチアゾール、2-アミノベンゾチアゾール、2-アミノ-6-メトキシベンゾチアゾール、2-メチル-5-クロロベンゾチアゾール、2-ヒドロキシベンゾチアゾール、2-アミノ-6-メチルベンゾチアゾール、2-クロロベンゾチアゾール、2,5-ジメチルベンゾチアゾール、6-ニトロ-2-メルカプトベンゾチアゾール、5-ヒドロキシ-2-メチルベンゾチアゾール、2-ベンゾチアゾールチオ酢酸などが挙げられる。
上記錯化剤は、具体的には、グルコン酸、クエン酸、グルコヘプトン酸、グルコノラクトン、グルコヘプトラクトン、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、ジグリコール酸、乳酸、これらの塩、エチレンジアミン、EDTA、イミノジ酢酸(IDA)、イミノジプロピオン酸(IDP)、ロッシェル塩、チオ尿素又はその誘導体、脂肪族スルフィド系化合物などが挙げられる。
上記緩衝剤としては、ホウ酸類、リン酸類、塩化アンモニウム、シュウ酸、コハク酸などのジカルボン酸類、乳酸、酒石酸などのオキシカルボン酸類などが挙げられる。
上記導電性塩としては、硫酸、塩酸、リン酸、スルファミン酸、スルホン酸などのナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、アミン塩などが挙げられるが、上記pH調整剤で共用できる場合もある。
上記防腐剤としては、ホウ酸、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、塩化ベンザルコニウム、フェノール、フェノールポリエトキシレート、チモール、レゾルシン、イソプロピルアミン、グアヤコールなどが挙げられる。
上記消泡剤としては、プルロニック界面活性剤、高級脂肪族アルコール、アセチレンアルコール及びそれらのポリアルコキシレートなどが挙げられる。
本発明のメッキ浴を用いて電気メッキを行う場合、浴温は0℃程度以上が好ましく、10〜50℃程度がより好ましい。陰極電流密度は0.01〜150A/dm2程度が好ましく、0.1〜30A/dm2程度がより好ましい。
また、浴のpHは、酸性からほぼ中性までの広い領域とすることができるが、特に、弱酸性〜強酸性の範囲が好ましい。
また、本発明5は、さらにスズ−ビスマス系合金メッキ浴に、本発明2のDTPA、HHTA、ジカルボキシチメルグルタミン酸、又はその塩などの特定の錯化剤を含有させて、鉛フリーのスズ−ビスマス系合金の電気メッキをする方法である。
この被メッキ物としての電気部品又は電子部品には特に制限はなく、その具体例としては、半導体デバイス、プリント基板、フレキシブルプリント基板、フィルムキャリア、IC、コネクタ、スイッチ、抵抗、可変抵抗、コンデンサ、フィルタ、インダクタ、サーミスタ、水晶振動子、リード線などが挙げられる(本発明6参照)。
また、メッキ皮膜の膜厚についても特に制限はないが、通常、0.1〜20μm程度が好ましい。
尚、本発明は下記の実施例、試験例に拘束されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形をなし得ることは勿論である。
下記の実施例1〜19は共に所定のHLB又は曇点を有する特定化学構造種のノニオン系界面活性剤の単用例である。実施例10〜19は所定のHLBを有する特定化学構造種のノニオン系界面活性剤に、DTPA、TTHA、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジカルボキシメチルグルタミン酸などの特定の錯化剤を併用した例である。
一方、下記の比較例1〜4は特定化学構造種のノニオン系界面活性剤を使用しないブランク例であり、比較例1は特定化学構造種以外のノニオン系界面活性剤を使用した例、比較例2は特定種化学構造以外のノニオン系界面活性剤に両性界面活性剤を共存させた例、比較例3〜4は低HLBで特定化学構造種以外のノニオン系界面活性剤を使用した例である。比較例5〜6は特定化学構造種のノニオン系界面活性剤であるが、HLBが所定範囲から外れるものを使用した例、比較例7は特定化学構造種のノニオン系界面活性剤であるが、曇点が所定範囲から外れるものを使用した例である。
ちなみに、実施例1〜9、実施例11、実施例13〜19では、本発明の特定化学構造種のノニオン系界面活性剤のビスマスに対する含有率は50重量%であり(例えば、実施例1では、(6/12)×100=50重量%)、実施例10では同含有量は(0.24/8)×100=3重量%であり、実施例12では(24/8)×100=300重量%である。また、比較例1〜7では特定化学構造種以外又は特定化学構造種のノニオン系界面活性剤の含有量は共に50重量%である。
下記の組成でスズ−ビスマス合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 18g/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 2g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 100g/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB13.6) 1g/L
下記の組成でスズ−ビスマス合金電気メッキ浴を建浴した。
エタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 60g/L
エタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 12g/L
エタンスルホン酸(遊離酸として) 130g/L
トリスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB11.8) 6g/L
下記の組成でスズ−ビスマス合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 40g/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 8g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/L
cis−9−オクタデセニルアミンポリエトキシレート
−ポリプロポキシレート(HLB10.8) 4g/L
下記の組成でスズ−ビスマス合金電気メッキ浴を建浴した。
2−ヒドロキシプロパン
−1−スルホン酸スズ(Sn2+として) 60g/L
2−ヒドロキシプロパン
−1−スルホン酸ビスマス(Bi3+として) 12g/L
2−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸(遊離酸として)130g/L
テトラデシルアミンポリエトキシレート(HLB6.1) 6g/L
ノニルフェノールポリエトキシレート(HLB15.2) 2g/L
下記の組成でスズ−ビスマス合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 40g/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 8g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/L
ヘキサデシルアミンポリエトキシレート(HLB9.5) 4g/L
ノニルフェノールポリエトキシレート(HLB15.2) 1g/L
下記の組成でスズ−ビスマス合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 18g/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 2g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 100g/L
テトラデシルアミンポリエトキシレート(HLB11.8) 1g/L
下記の組成でスズ−ビスマス合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 18g/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 2g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 100g/L
エチレンジアミンポリプロポキシレート
−ポリエトキシレート(曇点18℃) 1g/L
ビスフェノールAポリエトキシレート(HLB15.5) 1g/L
下記の組成でスズ−ビスマス合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 60g/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 12g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 130g/L
エチレンジアミンポリプロポキシレート
−ポリエトキシレート(曇点27℃) 6g/L
ビスフェノールAポリエトキシレート(HLB15.5) 3g/L
下記の組成でスズ−ビスマス合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 40g/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 8g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/L
エチレンジアミンポリプロポキシレート
−ポリエトキシレート(曇点18℃) 2g/L
ドデシルアミンポリエトキシレート(HLB16.2) 2g/L
下記の組成でスズ−ビスマス合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 40g/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 8g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB13.6) 0.24g/L
ジエチレントリアミンペンタ酢酸 45.2g/L
下記の組成でスズ−ビスマス合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 40g/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 8g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB13.6) 4g/L
ジエチレントリアミンペンタ酢酸 45.2g/L
下記の組成でスズ−ビスマス合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 40g/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 8g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB13.6) 24g/L
ジエチレントリアミンペンタ酢酸 45.2g/L
下記の組成でスズ−ビスマス合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 40g/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 8g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB13.6) 4g/L
トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸 56.8g/L
下記の組成でスズ−ビスマス合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 40g/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 8g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB13.6) 4g/L
ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸 31.9g/L
下記の組成でスズ−ビスマス合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 40g/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 8g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB13.6) 4g/L
1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸 37.0g/L
下記の組成でスズ−ビスマス合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 40g/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 8g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB13.6) 4g/L
ジカルボキシメチルグルタミン酸 40.3g/L
下記の組成でスズ−ビスマス合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 40g/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 8g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB13.6) 4g/L
ヒドロキシエチリデンジホスホン酸 23.7g/L
下記の組成でスズ−ビスマス合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 40g/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 8g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB13.6) 4g/L
ホスホノブタン三カルボン酸 31.0g/L
下記の組成でスズ−ビスマス合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 40g/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 8g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB13.6) 4g/L
ジエチレントリアミンペンタ酢酸 45.2g/L
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.3g/L
アクリル酸 0.5g/L
ドデシルジメチルエチルアンモニウムクロリド 0.2g/L
下記の組成でスズ−ビスマス合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 60g/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 12g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 130g/L
ノニルフェノールポリエトキシレート(HLB14.1) 6g/L
下記の組成でスズ−ビスマス合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 60g/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 12g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 130g/L
β-ナフトールポリエトキシレート(HLB15.0) 6g/L
2−ウンデシル−1−カルボキシメチル
−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン 2g/L
下記の組成でスズ−ビスマス合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 40g/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 8g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/L
トリスチレン化フェノールポリエトキシレート(HLB6.1) 4g/L
ノニルフェノールポリエトキシレート(HLB15.2) 2g/L
下記の組成でスズ−ビスマス合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 40g/Ll
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 8g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/L
ラウリルアミンポリエトキシレート(HLB17.5) 4g/L
下記の組成でスズ−ビスマス合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 60g/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 12g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 130g/L
ジスチレン化フェノールポリエトキシレート(HLB16.1) 6g/L
下記の組成でスズ−ビスマス合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 60g/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 12g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 130g/L
トリスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB15.7) 6g/L
下記の組成でスズ−ビスマス合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 60g/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 12g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 130g/L
エチレンジアミンポリプロポキシレート
−ポリエトキシレート(曇点52℃) 6g/L
ビスフェノールAポリエトキシレート(HLB15.5) 3g/L
《アノードでの置換析出防止性とメッキ浴組成の安定性との評価試験例》
50℃に加温した実施例1〜19及び比較例1〜7の各スズ−ビスマス合金メッキ浴100mlにスズ極板(60mm×20mm)を10時間浸漬した後、スズアノードの外観を目視観察するとともに、当該10時間経過時点でのメッキ浴中のビスマス濃度を原子吸光分析法にて測定し、初期ビスマス濃度に対する残留率に換算表示した。
同図1によると、比較例1〜2では、スズアノードはビスマスの置換析出により真黒色に変色し、また、比較例5〜7では、ビスマスの置換析出はアノードの広い部分に及び、アノードの一部だけが金属光沢を保持していた。10時間経過後のメッキ浴中のビスマス残留率は比較例1〜2では4.1〜4.8%しかなく、ビスマスが置換析出により激しく消耗されていることを裏付けた。さらに、比較例5〜7でも32.8〜39.2%の残留率にとどまった。
尚、比較例3〜4の極板外観の評価は比較例5〜7に準じた結果であった。
これに対して、実施例1〜19では、ビスマスの置換析出は良好に防止され、アノードはスズの全面金属光沢を保持していた。この点は、実施例1〜19における10時間経過後のメッキ浴中のビスマス残留率が、82.6〜98.4%の高い割合を示したことからも裏付けられる。
また、実施例1〜19を比較例5〜7に対比すると、本発明で選択した特定化学構造種のノニオン系界面活性剤であっても、スズ又はスズ合金アノードでのビスマスの置換析出を有効に防止するためには、所定領域のHLB又は曇点を有することが必要である点が明らかになった。
このように、所定のHLB又は曇点を有する特定化学構造種のノニオン系界面活性剤を含有する実施例を用いた電気メッキでは、アノードでのビスマスの置換析出を有効に防止でき、もってメッキ浴の組成を安定化して、優れた外観のメッキ皮膜を得ることができる。この点を、例えば、上記実施例19に代表させて説明すると、当該実施例19から得られたスズ−ビスマス合金の電着皮膜は光沢性、緻密性、平滑性などに優れ、色調ムラのない良好なメッキ外観を呈した。
Claims (6)
- 可溶性第一スズ塩と、可溶性ビスマス塩と、無機酸及び有機酸から選ばれた酸の少なくとも一種とを含有するスズ−ビスマス系合金電気メッキ浴において、
HLBが11.8〜15.2のジスチレン化フェノールポリエトキシレート・ポリプロポキシレート、HLBが8.2〜15.6のジスチレン化クレゾールポリアルコキシレート、HLBが7.7〜15.2のトリスチレン化クレゾールポリアルコキシレート、HLBが3.4〜16.1のテトラデシルアミンポリアルコキシレート、HLBが3.1〜16.0のヘキサデシルアミンポリアルコキシレート、HLBが2.8〜16.6のオクタデシルアミンポリエトキシレート・ポリプロポキシレート、HLBが2.8〜16.6のcis−9−オクタデセニルアミンポリエトキシレート・ポリプロポキシレートよりなるノニオン系界面活性剤、及び曇点が15℃〜30℃であるエチレンジアミンのポリアルコキシレートよりなるノニオン系界面活性剤の少なくとも1種を添加して、スズ又はスズ合金製のアノード表面上へのビスマスの置換析出を防止することを特徴とする鉛フリーのスズ−ビスマス系合金電気メッキ浴。 - さらに、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸、ジカルボキシメチルグルタミン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシエチルアミノジメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、ホスホノブタン三カルボン酸、L−アスパラギン酸−N,N−二酢酸、メチルグリシン−N,N−二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、これらの塩から選ばれた錯化剤の少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1に記載の鉛フリーのスズ−ビスマス系合金電気メッキ浴。
- さらに、界面活性剤、半光沢剤、光沢剤、平滑剤、電導性塩、pH調整剤、補助錯化剤、隠蔽錯化剤及び酸化防止剤の少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の鉛フリーのスズ−ビスマス系合金電気メッキ浴。
- アノードとカソードを鉛フリーのスズ−ビスマス系合金メッキ浴中に浸漬し、スズ又はスズ合金をアノードとし、被メッキ物をカソードとして電気メッキを行うに際して、
可溶性第一スズ塩と、無機酸及び有機酸から選ばれた酸の少なくとも一種とを含有し、さらに、HLBが11.8〜15.2のジスチレン化フェノールポリエトキシレート・ポリプロポキシレート、HLBが8.2〜15.6のジスチレン化クレゾールポリアルコキシレート、HLBが7.7〜15.2のトリスチレン化クレゾールポリアルコキシレート、HLBが3.4〜16.1のテトラデシルアミンポリアルコキシレート、HLBが3.1〜16.0のヘキサデシルアミンポリアルコキシレート、HLBが2.8〜16.6のオクタデシルアミンポリエトキシレート・ポリプロポキシレート、HLBが2.8〜16.6のcis−9−オクタデセニルアミンポリエトキシレート・ポリプロポキシレートよりなるノニオン系界面活性剤、及び曇点が15℃〜30℃であるエチレンジアミンのポリアルコキシレートよりなるノニオン系界面活性剤の少なくとも1種を添加したスズ−ビスマス系合金メッキ浴を用いることにより、アノード表面上にビスマスが置換析出するのを防止するようにしたことを特徴とする鉛フリーのスズ−ビスマス系合金電気メッキ方法。 - スズ−ビスマス系合金メッキ浴に、さらに、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸、ジカルボキシメチルグルタミン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシエチルアミノジメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、ホスホノブタン三カルボン酸、L−アスパラギン酸−N,N−二酢酸、メチルグリシン−N,N−二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、これらの塩から選ばれた錯化剤の少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項4の鉛フリーのスズ−ビスマス系合金電気メッキ方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のスズ−ビスマス系合金電気メッキ浴を用いて、被メッキ物上に鉛フリーのスズ−ビスマス系合金皮膜を形成した電子部品。
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