JP4249292B2 - 錫及び錫合金メッキ浴 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、はんだ接合に適した錫及び錫合金皮膜を得るための電気メッキ用錫及び又は錫合金用メッキ浴に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、錫及び錫合金メッキ皮膜は、はんだ付け性向上用メッキ皮膜及びエッチングレジスト皮膜として弱電工業並びに電子工業用部品などに広く利用されている。これらメッキ浴には、浴中での金属イオンの安定化、メッキ皮膜の平滑化、合金皮膜組成の均一安定化を目的に種々な錯化剤が用いられているが、未だ改良すべき点が多い。
【0003】
例えば、錫及び錫合金めっき浴の錯化剤には、グルコン酸、クエン酸、酒石酸、マロン酸、ピロリン酸(特開昭53−124131)、エチレンジアミン四酢酸(特開平2−254194)、脂肪族又は芳香族スルホカルボン酸(特開昭61−194194)等が用いられているが、錯形成能力の弱い錯化剤では経時によって錫酸塩の白色沈殿物を生じ工業的使用が困難である。一方、錯形成能が強い錯化剤では生分解性が悪く、海洋投棄の禁止等の環境問題から使用の削減が提唱されている。
【0004】
錫合金めっき浴では、錫イオンの安定性に加えて合金となる異種金属イオンの安定性を考慮する必要がある。例えば、グルコン酸錫浴とスルホコハク酸銀浴は単独浴では安定であるが、合金浴は経時によって褐色の銀化合物沈殿を生じて浴中の銀イオン濃度を著しく低減させる。また、メタンスルホン酸錫−インジウム合金メッキ浴では経時安定性は良好であるが、錫とインジウムの析出電位の異なることが原因で低電流密度条件ではインシジウムが共析しない問題がある。さらに、錫合金メッキ浴の安定化及び浴中の金属組成と合金皮膜組成を近似させる目的で錯化剤濃度を増加させた場合には、陰極電流効率の低下を招き膜が薄くなると共に、併用添加剤による平滑化作用を低減させるので、光沢剤や半光沢剤を併用した際に生じる緻密で均一なメッキ皮膜を得ることが困難になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の問題点に鑑み発明されたもので、錫塩又は、錫塩及び鉛、銀、亜鉛、ビスマス、インジウム、銅、ニッケルから選ばれた金属塩の混合物とのいずれかよりなる可溶性塩と、特定のアミノ酸化合物及びその塩の少なくとも一種と、特定の非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤の一種以上を含有することを特徴とする錫及び錫合金メッキ浴で、さらに、グリコール酸或いはグリコール酸塩類を添加することによってメッキ皮膜の平滑化と浴の経時安定性、錫合金メッキ浴では電着物組成の安定性をさらに向上させることを特徴とする錫及び錫合金メッキ浴を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく、錫塩又は、錫塩と鉛、銀、亜鉛、ビスマス、インジウム、銅、ニッケルから選ばれた金属塩との混合物のいずれかよりなる可溶性塩からなる錫及び錫合金メッキ液に対して各種錯化剤の添加配合試験を実施した結果、特定のアミノ酸化合物及び(又は)その塩の少なくとも一種を含有させ、さらに、非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤の内の少なくとも一種を併用することによって、浴の経時安定性に優れ、メッキ皮膜は平滑で光沢又は半光沢外観を示し、合金メッキ浴では電流密度に依存する電着物組成の安定な錫及び錫合金メッキ浴を見い出した。
【0007】
従って、本発明は、
(A)錫塩又は、錫塩と鉛、銀、亜鉛、ビスマス、インジウム、銅、ニッケルから選ばれた金属の塩との混合物のいずれかよりなる可溶性塩、
(B)特定のアミノ酸化合物及び(又は)その塩の少なくとも一種、及び
(C)特定の非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤の内の少なくとも一種
を含有することを特徴とする錫及び錫合金メッキ浴である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の錫及び錫合金メッキ浴における(B)成分としての特定のアミノ酸化合物は、イミノジコハク酸、アスパラギン酸一酢酸、アスパラギン酸二酢酸、アスパラギン酸一プロピオン酸、2−スルホメチルアスパラギン酸、2−スルホエチルアスパラギン酸、グルタミン酸二酢酸、2−スルホメチルグルタミン酸、2−スルホエチルグルタミン酸、メチルイミノ二酢酸、フェニルアラニン二酢酸、アントラニル酸二酢酸、スルファニル酸二酢酸、タウリン二酢酸、スルホエチルグルタミン酸二酢酸、セリン二酢酸、或いはこれらのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩から選ばれるアミノ酸化合物及び(又は)その塩の少なくとも一種から選ばれる。さらに、非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤の内の少なくとも一種を併用することで、浴の経時安定性に優れ、メッキ皮膜は平滑で光沢又は半光沢外観を示し、合金メッキ浴では電流密度に依存する電着物組成の安定な錫及び錫合金メッキ浴を見い出した。
【0009】
本発明に用いられるようなアミノ酸化合物が廃水処理において微生物分解性に優れた錯化剤であることは、例えば、特開平9−221697(グルタミン酸二酢酸四ナトリウム)、特開平8−92197(スルホエチルアミノカルボン酸)等に開示されているが、錫及び錫合金浴の錯化剤として用いた場合には、めっき浴の寿命を向上させる。
【0010】
更に、本発明者らは、前記のメッキ浴に、 下記一般式(b)
HOCH2COOM (b)
[式中、Mは水素、アルカリ金属、アンモニウムを表す。]
で表されるグリコール酸或いはこれらの塩類を添加することによって、メッキ皮膜の平滑化と浴の経時安定性、錫合金メッキ浴では電着物組成の安定性がさらに向上した錫及び錫合金メッキ浴を完成するに至った。
【0011】
本発明に用いられる錫塩としては、メタンスルホン酸第一錫、エタンスルホン酸第一錫、プロパンスルホン酸第一錫、2−プロパノールスルホン酸第一錫、スルホコハク酸錫、p−フェノールスルホン酸錫、クレゾールスルホン酸錫、トリフルオロメタンスルホン酸錫、硫酸第一錫、ホウフッ化第一錫、塩化第一錫、酸化第一錫、炭酸第一錫、錫酸ナトリウム、錫酸カリウム、クエン酸錫、酒石酸第一、コハク酸第一錫、グルコン酸第一錫等の任意の可溶性錫塩を用いることができる。
【0012】
一方、錫と合金を形成する金属塩としては、メッキ液中でPb2+、Ag+、Bi3+、In3+、Cu+、Cu2+、Zn2+、Ni2+等の各種金属イオンを生成する任意の可溶性塩を意味する。
【0013】
具体例を下記に示すと、
(1)酸化物:酸化銀、酸化ビスマス、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化第一銅、酸化第二銅、酸化鉛等。
(2)ハロゲン化物:塩化ビスマス、塩化亜鉛、塩化第一銅、塩化第二銅、塩化インジウム、塩化ニッケル、ヨウ化銀等。
(3)無機酸又は有機酸との塩:硫酸ニッケル、硫酸第一銅、硫酸第二銅、硫酸インジウム、硫酸ビスマス、硫酸亜鉛、硫酸銀、メタンスルホン酸銀、メタンスルホン酸第一銅、2−プロパノールスルホン酸第二銅、エタンスルホン酸ニッケル、フェノールスルホン酸亜鉛、ホウフッ化鉛、硝酸銀、炭酸銀、プロパンスルホン酸ビスマスなど。
【0014】
上記錫及び錫合金となる特定の異種金属の総濃度(金属として)は、一般に0.01〜200g/L、好ましくは0.1〜100g/Lである。
【0015】
錫合金浴では、鉛、銀、亜鉛、ビスマス、インジウム、銅、ニッケルから選ばれた金属の一種以上を錫と併用して用いることができる。
【0016】
本発明に係る特定のアミノ酸化合物の錫、鉛、銀、亜鉛、ビスマス、インジウム、銅、ニッケル塩を本メッキ浴に使用することは可能であるが、浴中の金属濃度を増加させるために、他の金属塩と併用させることもできる。
【0017】
本発明の錫及び錫合金メッキ浴は、上記のアミノ酸化合物を単独又は2種類以上を複合して使用することができる。環境汚染防止の観点からは、これら生分解性の良いアミノ酸化合物を主用錯化剤として用いるのが好ましいが、上記アミノ酸化合物一種類と錫及び錫合金メッキ浴に使用されている公知の錯化剤が併用できる。例えば、グルコン酸、酒石酸、マレイン酸、スルホコハク酸、クエン酸、トリポリリン酸、ピロリン酸、スルファミン酸、リンゴ酸、マロン酸、乳酸、酪酸、プロピオン酸、酢酸、チオシアン酸、ヨウ化カリウム等を併用することができる。
【0018】
アミノ酸化合物の使用量は錯化剤の種類や組み合わせ、金属合金種に応じて適宜選択されるが、主錯化剤として添加する場合は、浴中の金属分1モルに対して0.1〜20モル程度が適当であり、好ましくは、0.5〜15モル程度である。また、補助錯化剤として用いる場合は、絶対濃度で0.001mol/L程度の低濃度から、浴中の金属分1モルに対して主錯化剤に匹敵する1〜20モル程度までの高濃度範囲で用いる。
【0019】
本発明の錫及び錫合金メッキ浴は、平滑で緻密なメッキ皮膜を得るために下記に示す特定の非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤の内の少なくとも一種を含有する。
【0020】
本発明の錫メッキ又は錫合金メッキに利用できる効果のある界面活性剤の例としては、例えば下記(1)〜(13)を例示することができる。
【0021】
(1)一般式
【化11】
Figure 0004249292
[ここで、Rはアルキル(C1〜C25)を表し、Aは酸素又は単結合を表す。Mは水素又はアルカリ金属を表す。]
で表されるナフタレンスルホン酸系界面活性剤、
【0022】
(2)一般式
HO−(A)m−(B)n−H
[ここで、A及びBは−CH2−CH2−O−又は−CH2−C(CH3)H−O−を表し、それらの存在位置は限定されず、m及びnは、0〜40の整数を表す。ただし、m及びnの和は1から40の範囲内にある。]
で表されるポリオキシアルキレン系界面活性剤、
【0023】
(3)一般式
R−X−(A)m−(B)n−H
[ここで、A及びBは−CH2−CH2−O−又は−CH2−C(CH3)H−O−を表し、それらの存在位置は限定されず、m及びnは、0〜40の整数を表す。ただし、m及びnの和は1から40の範囲内にある。Rは、炭素数1〜22のアルキル基又は炭素数1〜25の脂肪酸でエステル化したソルビタンを表す。Xは、−O−又は−COO−を表す。]
で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(又はエステル)系界面活性剤、
【0024】
(4)一般式
Ph−O−(A)m−(B)n−H
[ここで、A及びBは−CH2−CH2−O−又は−CH2−C(CH3)H−O−を表し、それらの存在位置は限定されず、m及びnは、0〜40の整数を表す。ただし、m及びnの和は1から40の範囲内にある。Phは、フェニル基又はアルキル基(C1〜C25)で置換したフェニル基を表わす。]
で表されるポリオキシアルキレンフェニル(又はアルキルフェニル)エーテル系界面活性剤、
【0025】
(5)一般式
【化12】
Figure 0004249292
[ここで、A及びBは−CH2−CH2−O−又は−CH2−C(CH3)H−O−を表し、それらの存在位置は限定されず、m及びnは、0〜40の整数を表す。ただし、m及びnの和は1から40の範囲内にある。Rは水素又はアルキル基(C1〜C25)を表す。]
で表されるポリオキシアルキレンナフチル(又はアルキルナフチル)エーテル系界面活性剤、
【0026】
(6)一般式
【化13】
Figure 0004249292
[ここで、A及びBは−CH2−CH2−O−又は−CH2−C(CH3)H−O−を表し、それらの存在位置は限定されず、m及びnは、0〜40の整数を表す。ただし、m及びnの和は1から40の範囲内にある。Ra、Rb、Rcは、それぞれ独立に水素、フェニル基、アルキル基(C1〜C4)又は−CH(CH3)−φを表わす。ただし、少なくとも1つはフェニル基もしくは−CH(CH3)−φであるものとする。]
で表されるポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテル系界面活性剤、
【0027】
(7)一般式
【化14】
Figure 0004249292
[ここで、A及びBは−CH2−CH2−O−又は−CH2−C(CH3)H−O−を表し、それらの存在位置は限定されない。Ra、Rbは、それぞれ独立に水素、フェニル基又はアルキル基(C1〜C4)を表し、Rc、Rdは、それぞれ独立に水素又はメチル基を表し、m1、m2、n1、n2はそれぞれ独立に0〜40の整数を表す。ただし、m1及びn1、さらにm2及びn2の和は1から40の範囲内にある。]
で表されるポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテルのフェニル基にさらにポリオキシアルキレン鎖を付加した系界面活性剤、
【0028】
(8)一般式
【化15】
Figure 0004249292
[ここで、Ra及びRbは水素もしくはアルキル基(C1〜C25)を表し、同一又は異なってもよい。A及びBは−CH2−CH2−O−又は−CH2−C(CH3)H−O−を表し、それらの存在位置は限定されない。m1、m2、n1、n2はそれぞれ独立に0〜40の整数を表す。ただし、m1及びn1、さらにm2及びn2の和は1から40の範囲内にある。Mは水素又はアルカリ金属を示す。]
で表されるリン酸エステル系界面活性剤、
【0029】
(9)一般式
【化16】
Figure 0004249292
[ここで、Rは、アルキル基(C1〜C30)、アルケニル基(C2〜C30)又はアシル基(C1〜C30)を表し、A及びBは−CH2−CH2−O−又は−CH2−C(CH3)H−O−を表し、それらの存在位置は限定されない。m1、m2、n1、n2はそれぞれ独立に0〜6の整数を表す。ただし、m1及びn1、さらにm2及びn2の和は1から6の範囲内にある。−CH2−CH(CH3)−Oの付加モル数が−CH2−CH2−Oの付加モル数より多いことはない。]
で表されるポリオキシアルキル(又はアルケニル)アミン(又はアミド)系界面活性剤、
【0030】
(10)一般式
【化17】
Figure 0004249292
[ここで、A及びBは−CH2−CH2−O−又は−CH2−C(CH3)H−O−を表し、それらの存在位置は限定されない。m1、m2、m3、m4、n1、n2、n3、n4は整数で、m1+m2+m3+m4=5〜70、n1+n2+n3+n4=5〜70である。m1、m2、n1、n2はそれぞれ独立に0〜6の整数を表す。ただし、m1及びn1、さらにm2及びn2の和は1から6の範囲内にある。xは2又は3の整数を表す。Rは、アルキル基(C1〜C30)又はアルケニル基(C2〜C30)を表す。]
で表されるアルキレンジアミンのアルキレンオキシド付加物系界面活性剤、
【0031】
(11)一般式
【化18】
Figure 0004249292
[ここで、Raは、アルキル基(C1〜C20)を表し、Rbは、−(CH2mOH又は−(CH2mOCH2COO−を表し、Rcは、アルキル基(C1〜C4)、−(CH2nCOO−、−(CH2nSO3−、−CH(OH)CH2SO3−を表し、m及びnは1〜4の整数を表す。Mはアルカリ金属を表し、Xはハロゲン、水酸基又はアルカンスルホン酸基(C1〜C5)を表す。Rcがアルキル基の場合には、Mは存在せず、Rcがアルキル基以外の場合には、Mは存在してもしなくてもよく、Mが存在しないときにはXも存在しない。]
で表されるアルキルイミダゾリニウムベタイン系界面活性剤、
【0032】
(12)一般式
【化19】
Figure 0004249292
[ここで、Raは水素又はメチル基を表し、又は結合がなくてもよい。Rbは水素又はメチル基若しくはエチル基を表し、該アルキル基の水素の一つがエーテル結合を介してアシルオキシ基と結合していてもよい。Rcはアルキル基(C5〜C20)を表す。カルボキシル基は水素又はアルカリ金属とイオン結合していてもよい。mは1〜4の整数を、nは0〜4の整数を表す。]
で表されるアルキル(又はアミド)ベタイン系界面活性剤、
【0033】
(13)一般式
【化20】
Figure 0004249292
[ここで、Xは、ハロゲン、OH又はアルカンスルホン酸基(C1〜C5)を表し、Raは、アルキル基(C1〜C20)を表し、Rb及びRcは、アルキル基(C1〜C4)又はアルコキシル基(C1〜C10)を表し、Rdは、アルキル基(C1〜C10)、ベンジル基又は脂肪酸−(CH2)nCOOHを表し、ここで、nは1〜18の整数を表す。Reは、アルキル基(C8〜C20)を表し、Rfは、水素又はアルキル基(C1〜C4)を表す。]
で表されるアンモニウム又はピリジニウム4級塩系界面活性剤、
【0034】
さらにそれらの中で好適なもので市販品として容易に入手できるものを具体的に挙げれば下記のとおりである。
【0035】
前記式(1)で表されるものとして、例えばアルキル(プロピル、プチル・・・)ナフタレンスルホン酸ナトリウム:ペレックスNB−L、β−ナフタレンスルホン酸−ホルマリン縮合物のナトリウム塩:デモールN(共に花王(株)社製)等が含まれる。
【0036】
前記式(2)で表されるものとして、例えばエチレングリコール、ジ−(トリ−、テトラ−、オクタ−・・・)エチレングリコールのようなポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジ−(トリ−、テトラ−、オクタ−・・・)プロピレングリコールのようなポリプロピレングリコール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの縮合物等、特に、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー:エパンタイプ、例えばエパン720、エパン740、エパン750、エパン450(第一工業製薬(株)社製)、プルロニックタイプ、例えばプルロニックL64、プルロニックL101、プルロニックP103、プルロニックPP150(旭電化工業(株)社製)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル:ニッコールBO−20(日光ケミカルズ(株)社製)、ポリオキシエチレン誘導体:エマルゲンL−40(花王(株)社製)、PEO及びPPOのモノメチルエーテル:50HB−2000/5000(三洋化成(株)社製)等が含まれる。
【0037】
前記式(3)で表されるものとして、例えば、上記の(2)に記載のようなポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルキル(例えば、オレイル、セチル、ステアリル、ラウリル・・・)エーテル若しくは脂肪酸エステル、ソルビタンエステル等、特に、ポリオキシエチレンアルキルエーテル:例えばブラウノンEL−1303、ブラウノンEL−1509、ブラウノンCH−310(青木油脂工業(株)社製)、ニューコール1110(日本乳化剤(株)社製)、ニッコールBL(日光ケミカルズ(株)社製)、ノイゲンET−170(第一工業製薬(株)社製)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル:例えばソルゲンTWシリーズ(第一工業製薬(株)社製)、ニューコールシリーズ(日本乳化剤(株)社製)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル:例えばニッコールMYL−10(日光ケミカルズ(株)社製)等が含まれる。
【0038】
前記式(4)で表されるものとして、例えば、上記の(2)に記載のようなポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のフェニルエーテル又はアルキル置換フェニルエーテル等、特に、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル:例えばノイゲンEA−150、ノイゲンEA−130T(第一工業製薬(株)社製));ブラウノンNK−808、N−512、DP−9(青木油脂工業(株)社製);ニューコール704、ニューコール707、ニューコール710、ニューコール714、ニューコール723、ブラウノンLPE−1007(青木油脂工業(株)社製);アデカトールNP−15、アデカトールNP−720(旭電化工業(株)社製)等が含まれる。
【0039】
前記式(5)で表されるものとして、例えば、ナフトール又はアルキルナフトールのエチレンオキサイド及び(又は)プロピレンオキサイド付加物等、特に、ポリオキシエチレンβ−ナフトール:ブラウノンBN−18(青木油脂工業(株)社製)、アデカトールPC−10(旭電化工業(株)社製)、ノイゲンEN−10(第一工業製薬(株)社製)等が含まれる。
【0040】
前記式(6)で表されるものとして、例えば、スチレン化フェノール又はα−メチルスチレン化フェノールのエチレンオキサイド及び(又は)プロピレンオキサイド付加物等、特に、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル:ニューコール2607(日本乳化剤(株)社製)、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル:ブラウノンDSP−9(青木油脂工業(株)社製)等が含まれる。
【0041】
前記式(7)で表されるものとして、例えば、ビスフェノールAのビス(エチレンオキサイド及び(又は)プロピレンオキサイド付加物)等、例えばリポノックスNC−100(ライオン)等が含まれる。
【0042】
前記式(8)で表されるものとして、例えば、アルキルリン酸エステルのナトリウム塩等、ポリオキシエチレン化及び(又は)ポリオキシプロピレン化リン酸のナトリウム塩等、例えば、アデカコールPS−440E、アデカコールCS−141E、アデカコールTS−230E(旭電化工業(株)社製)等が含まれる。
【0043】
前記式(9)で表されるものとして、例えば、アルキル(又はアルケニル)アミン(又はアミド)のエチレンオキサイド及び(又は)プロピレンオキサイド付加物等、例えば、ナイミーンL207、ナイミーンT2−210、ナイミーンS−215(日本油脂(株)社製)、ポリオキシエチレンラウリルアミン:ニューコール420(日本乳化剤(株)社製)、ポリオキシエチレンオレイルアミン:ニッコールTAMNO−15(日光ケミカルズ(株)社製)、エトキシ化オレイン酸アミド:タムド−5、ポリオキシエチレンオレイルアミノエーテル:ブラウノンO−205(青木油脂工業(株)社製)等が含まれる。
【0044】
前記式(10)で表されるものとして、例えば、エチレンジアミンのエチレンオキサイド及び(又は)プロピレンオキサイドN付加物等、例えばテトロニックTR−701、テトロニックTR−702(旭電化工業(株)社製)等が含まれる。
【0045】
前記式(11)で表されるものとして、例えば、アルキル(ラウリル、オレイル、セチル、ステアリル、ベヘニル・・・)ジメチルアンモニウムベタイン、2−アルキル(ラウリル、オレイル、セチル、ステアリル、ベヘニル・・・)−N−メチル(カルボキシメチル)−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等、例えば、ソフタゾリンCH、ソフタゾリンNS(川研ファインケミカル(株)社製)、ニッサンアノンGLM−R(日本油脂(株)社製)、レボン101−H(三洋化成工業(株)社製)、ニッコールAM−103EX(日本乳化剤(株)社製)等が含まれる。
【0046】
前記式(12)で表されるものとして、例えば、ジメチルラウリル(オレイル、セチル、ステアリル、ベヘニル・・・)ベタイン等、特に、ココナツアミンアセテート(ラウリルアミンアセテート):アセタミン24(花王(株)社製)等が含まれる。
【0047】
前記式(13)で表されるものとして、例えば、ラウリル(オレイル、セチル、ステアリル、ベヘニル・・・)トリ(ジ)メチルアンモニウムクロライド等、例えばニッコールCA2150、塩化ベンザルコニウム:ニッコールCA101(日光ケミカルズ(株)社製)、ベンジルアンモニウム塩:テクスノールR−5(日本乳化剤(株)社製)等が含まれる。
【0048】
これら界面活性剤のメッキ浴への添加濃度は、0.001〜50g/lで、さらに好適には0.01〜30g/lが使用される。使用量の不足は平滑で緻密な錫及び錫合金皮膜を得るという前述の効果が期待できず、過剰の添加は、電流効率を低下させたり皮膜組成の均一性を低下させるなどの悪影響を及ぼす可能性がある。
【0049】
更に、本発明の錫及び錫合金メッキ浴は、 下記一般式(b)
HOCH2COOM (b)
[式中、Mは水素、アルカリ金属、アンモニウムを表す。]
で表されるグリコール酸或いはこれらの塩類を併用添加することによってメッキ皮膜の平滑化と浴の寿命、経時安定性、錫合金メッキ浴では電着物組成の安定性をさらに向上させることができる。
【0050】
グリコール酸又はグリコール酸塩の適正添加濃度は、金属合金種に応じて適宜選択されるが、浴中の金属分1モルに対して0.001〜10モル程度が適当であり、好ましくは、0.01〜2モルである。
【0051】
さらに、本発明のメッキ浴は、析出物の結晶を微細化するために上記記載のアミノ酸化合物型化合物及び界面活性剤、グリコール酸に加えて平滑剤及び光沢剤等を併用使用することができる。該平滑剤及び光沢剤には錫メッキ浴又は錫合金メッキ浴において公知の物質が適用できる。効果を発揮した物質の一例を下記(1)〜(19)に示した。これら平滑剤及び光沢剤は単独又は適宜混合添加して使用できる。使用量は、下記(1)の高分子物質を用いる場合は0.001〜50g/lが適当であり、好ましくは0.005〜10g/lである。下記(2)〜(19)の群の添加剤に対しては、0.001〜50g/lが適当であり、さらに好適には0.005〜20g/lが添加される。
【0052】
(1)下記の高分子化合物、ゼラチン、ペプトン、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン
【0053】
(2)一般式
【化21】
Figure 0004249292
[ここで、Raは、水素又はアルキル(C1〜C4)を表し、Rbは、水素、アルキル(C1〜C4)又はフェニルを表し、Rcは、水素又は水酸基を表し、Aは単結合、アルキレン、ベンジリデン又はフェニレンを表す。]
で表されるスルファニル酸誘導体及びその塩。
【0054】
(3)一般式
【化22】
Figure 0004249292
[ここで、Raは、水素又はアルキル(C1〜C4)を表し、Rbは、水素又はメチルを表し、nは2〜15の整数を表す。]
で表されるキノリン類。
【0055】
(4)一般式
【化23】
Figure 0004249292
[ここで、Xは、水素、ハロゲン、アルキル(C1〜C4)、アセチル、アミノ基、水酸基、又はカルボキシル基を表し、Yは、水素、水酸基を表し、nは、0〜12の整数を表す。]
で表されるトリアゾール及びその誘導体。
【0056】
(5)一般式
【化24】
Figure 0004249292
[ここで、R1、R2、R3、R4、R5は、それぞれ同一又は異なってもよく、−H、−SH、−OH、−OR(Rは所望により−COOHで置換されていてもよいC1〜C6のアルキル基)、ハロゲン、−COOH、−COCOOH、アリール、−SR(Rは所望により−COOHにて置換されていてもよいC1〜C6のアルキル)、
【化25】
Figure 0004249292
−NH2、−NRR’(R及びR’はC1〜C6のアルキル又は一緒になって環を形成してもよい)、−NHCOR(RはC1〜C6のアルキル)、−NHCOアリール、−NHNH2、−NO2、−CONHアリール、−CSNHアリール、−CN、−CHO、−SO3H、−SO2NH2又は−SO2NRR’(R及びR’はC1〜C6のアルキル又は一緒になって環を形成してもよい)を表す。]
で表されるベンゾチアゾール及びその誘導体、
【0057】
(6)一般式
【化26】
Figure 0004249292
[ここで、X及びYは、それぞれ独立に水素又は水酸基を表し、Ra、Rbは、それぞれ独立にアルキル(C1〜C5)を表す。]
で表されるイミン類。
【0058】
(7)一般式
【化27】
Figure 0004249292
[ここで、Xは、水素、ハロゲン又はアルキル(C1〜C4)を表し、Yは、水素又は水酸基を表す。]
で表されるトリアジン類。
【0059】
(8)一般式
【化28】
Figure 0004249292
[ここで、Ra、Rbは、同一又は異なっていてもよく水素、アルキル(C1〜C18)、アルコキシ(C1〜C18)又はシクロアルキル(C3〜C7)を表し、Aは、低級アルキレンを表す。]
で表されるトリアジン類。
【0060】
(9)一般式
【化29】
Figure 0004249292
[ここで、Rは、アルキル(C1〜C4)又はフェニルを表す。]
で表される芳香族オキシカルボン酸のエステル類。
【0061】
(10)一般式
Ra−CRb=CH−CO−X−Rc
[ここで、Ra及びRcは、フェニル、ナフチル、ピリジル、キノリル、チエニル、フリル、ピロニル、アミノ基、水酸基、もしくは水素から選ばれた基であり、該基は、アルキル(C1〜C6)、アルキルオキシ(C1〜C6)、アシル(C1〜C6)、アルキルチオ(C1〜C6)、水酸基、ハロゲン、カルボキシル基、ニトロ基及び−NRdRe(Rd及びReは、同一又は異なってよく、各々水素又はアルキル(C1〜C4)を表す)から選ばれた同一又は異なる置換基を1〜4個有してもよく、或いはRaとRcは結合して環状となってもよく、或いは、RcはRa−CRb=CH−CO−に等しくてもよい。Xは、単結合もしくはメチレンである。Rbは水素又はアルキル(C1〜C4)である。]
で表されるC=Oと共役の位置に二重結合を有する化合物。
【0062】
(11)一般式
R−CHO
[ここで、Rは、アルキル(C1〜C6)、アルケニル(C2〜C6)、アルキニル(C2〜C6)、フェニル、ナフチル、アセナフチル、ピリジル、キノリル、チエニル、フリル、インドール及びピロニル、アルデヒド基もしくは水素から選ばれた基であり、該基は、アルキル(C1〜C6)、フェニル、アルキルオキシ(C1〜C6)、アシル(C1〜C6)、アルキルチオ(C1〜C6)、水酸基、ハロゲン、ニトロ基及び−NRaRb(Ra及びRbは、同一又は異なってよく、各々水素又はアルキル(C1〜C4)を表す)から選ばれた同一又は異なる置換基を1〜4個有してもよい。]
で表されるアルデヒド類。
【0063】
(12)一般式
Ra−CO−(CH2n−CO−Rb
[ここで、Ra及びRbは、同一又は異なってもよく、水素、アルキル(C1〜C6)又は−C24−CO−CO−C25を表し、nは0〜2の整数である]
で表されるジケトン類。
【0064】
(13)一般式
Ra−NH−Rb
[ここで、Raは、フェニルを表し、該基は、アルキル(C1〜C3)、ハロゲン又はアミノ基で置換されてもよい。Rbは水素、アルキル(C1〜C3)、−NH−CS−N=N−φ、−CH2又は−φ−NH2を表す。]
で表されるアニリン誘導体。
【0065】
(14)一般式
【化30】
Figure 0004249292
[ここで、Ra、Rbは、それぞれ独立に水素、低級アルキル、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基又はスルホン酸基を表す。]
で表されるニトロ化合物又はそのナトリウム、カリウムもしくはアンモニウム塩。
【0066】
(15)一般式
HOOC−CHR−SH
[ここで、Rは、水素又はアルキル(C1〜C2)を表し、該アルキルの水素はカルボキシル基で置換されていてもよい。]
で表されるメルカプトカルボン酸類
【0067】
(16)下記から選ばれる複素環式化合物類: 1,10−フェナントロリン、2−ビニルピリジン、キノリン、インドール、イミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、1,2,3−(又は1,2,4−又は1,3,5−)トリアジン、1,2,3−ベンゾトリアジン、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−シンナミルチオフェン、
【0068】
(17)アセトフェノン及びハロゲン化アセトフェノン
【0069】
(18)一般式
【化31】
Figure 0004249292
[ここで、Ra、Rb及びRcは、それぞれ独立に、水素、メチル、エチル又は(CH2n−CH(R4)(OH)を表し、Ra、Rb及びRcのうち少なくとも一つは−(CH2n−CH(Rd)(OH)である。Rdは水素又はメチルを表し、nは1又は2の整数を表す。]
で表されるアミンアルコール類、
【0070】
(19) 上記(11)から選ばれたアルデヒドと上記(13)又は下記一般式(a)から選ばれたアミンとの反応生成物、
(a)一般式
Ra−NH−Rb
[ここで、Ra及びRbは水素、アルキル(C1〜C6)、又はシクロアルキル(C3〜C8)を表す。該Ra及びRbの水素は、水酸基、アミノ基で置換されていてよく、また、結合して又は−NH−又は−O−を介して結合して環を形成してもよい。ただし、該Ra及びRbは同時に水素であることはない。]
で表される脂肪族一級又は二級アミン、
【0071】
これらのうち、特に好適な例を挙げると、前記式(2)で表されるものとして、N−ブチリデンスルファニル酸、N−(3−ヒドロキシブチリデン)−p−スルファニル酸、アルドール、
【0072】
前記式(3)で表されるものとして、8−ヒドロキシキノリンに5モルの酸化プロピレンを付加した生成物、
【0073】
前記式(4)で表されるものとして、ベンゾトリアゾール、4−メチルベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4−カルボキシベンゾトリアゾール、
【0074】
前記式(5)で表されるものとして、ベンゾチアゾール、2−メチルベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−アミノ−4−クロロベンゾチアゾール、2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾール、2−ヒドロキシベンゾチアゾール、2−クロロベンゾチアゾール、2−メチル−5−クロロベンゾチアゾール、2,5−ジメチルベンゾチアゾール、5−ヒドロキシ−2−メチルベンゾチアゾール、6−クロロ−2−メチル−4−メトキシベンゾチアゾール、2−(n−ブチル)メルカプト−6−アミノベンゾチアゾール、2−ベンゾチアゾールチオ酢酸、2−ベンゾチアゾールオキシ酢酸、6−エトキシ−2−メルカプトベンゾチアゾール、
【0075】
前記式(6)で表されるものとして、N、N’ジイソ−ブチリデン−o−フェニレンジアミン、
【0076】
前記式(7)で表されるものとして、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル(1’)エチル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチルイミダゾリル(1’)エチル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル(1’)エチル−1,3,5−トリアジン、
【0077】
前記式(8)で表されるものとして、β−N−ドデシルアミノプロピオグアナミン、β−N−ヘキシルアミノプロピオグアナミン、ピペリジンプロピオグアナミン、シクロヘキシルアミノプロピオグアナミン、モルホリンプロピオグアナミン、β−N−(2−エチルヘキシロキシプロピルアミノ)プロピオグアナミン、β−N−(ラウリルオキシプロピルアミノ)プロピオグアナミン、
【0078】
前記式(9)で表されるものとして、o−(又はm−又はp−)安息香酸メチル、サリチル酸フェニル、
【0079】
前記式(10)で表されるものとして、イタコン酸、プロピレン−1,3−ジカルボン酸、アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、エタクリル酸、アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、N−メトキシジメチルアクリルアミド、クルクミン(1,7−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェラル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン)、イソホロン(3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセノン)、メシチルオキシド、ビニルフェニルケトン、フェニルプロペニルケトン、フェニルイソブテニルケトン、フェニル−1−メチルプロペニルケトン、ベンジリデンアセトフェノン(chalcone)、2−(ω−ベンゾイル)ビニルフラン、p−フロロフェニルプロペニルケトン、p−クロロフェニルプロペニルケトン、p−ヒドロキシフェニルプロペニルケトン、m−ニトロフェニルプロペニルケトン、p−メチルフェニルプロペニルケトン、2,4,6−トリメチルフェニルプロペニルケトン、p−メトキシフェニルプロペニルケトン、p−メトキシフェニルブテニルケトン、p−メチルチオフェニルプロペニルケトン、p−イソブチルフェニルプロペニルケトン、α−ナフチル−1−メチルプロペニルケトン、4−メトキシナフチルプロペニルケトン、2−チエニルプロペニルケトン、2−フリルプロペニルケトン、1−メチルピロールプロペニルケトン、ベンジリデンメチルエチルケトン、ベンジリデンアセトンアルコール、p−トルイデンアセトン、アニザルアセトン(アニシリデンアセトン)、p−ヒドロキシベンジリデンアセトン、ベンジリデンメチルイソブチルケトン、3−クロロベンジリデンアセトン、ベンザルアセトン(ベンジリデンアセトン)、ベンジリデンアセチルアセトン、4−(1−ナフチル)−3−ブテン−2−オン、ピリジデンアセトン、フルフリジンアセトン、4−(2−チオフェニル)−3−ブテン−2−オン、4−(2−フリル)−3−ブテン−2−オン、アクロレイン(アクリルアルデヒド、プロペナール)、アリルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド、ベンジルクロトンアルデヒド、テニリデンアセトン、
【0080】
前記式(11)で表されるものとして、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド(バレラール、ペンタナール)、イソバレルアルデヒド、n−カプロンアルデヒド(ヘキサナール、ヘキシルアルデヒド)、スクシンアルデヒド(スクシンジアルデヒド)、グルタルアルデヒド(1,5−ペンタンジアール、グルタルジアルデヒド)、アルドール(3−ヒドロキシブチルアルデヒド、アセトアルドール)、クロトンアルデヒド、桂皮アルデヒド、プロパギルアルデヒド、ベンズアルデヒド、o−フタルアルデヒド、サリチルアルデヒド(O−ヒドロキシベンズアルデヒド)、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、o−(又はp−)メトキシベンズアルデヒド(アニスアルデヒド)、3−メトキシベンズアルデヒド、バニリン、o−バニリン、ベラトルアルデヒド(3,4−ジメトキシベンズアルデヒド)、2,5−ジメトキシベンズアルデヒド、(2,4−、2,6−)ジクロロベンズアルデヒド、1−(又は2−)ナフトアルデヒド、2−(又は4−)クロロ−1−ナフトアルデヒド、2−(又は4−)ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド、5(又は2)−メトキシナフトアルデヒド、2−フルアルデヒド(2−フルアルデヒド=フルフラール)、3−フルアルデヒド、2(3)−チオフェンカルボキシアルデヒド、ピコリンアルデヒド、3−アセナフトアルデヒド、3−インドールカルボキシアルデヒド、
【0081】
前記式(12)で表されるものとして、グリオキサール(エタンジアール、オキサルアルデヒド、ジホルミル、ビホルミル)、ジアセチル(ビアセチル、ジメチルグリオキサール、ブタンジオン)、ヘキサンジオン−3,4、アセチルアセトン(2,4−ペンタンジオン)、ヘキサンジオン−3,4−アセチルアセトン、
【0082】
前記式(13)で表されるものとして、アニリン、o−(又はm−又はp−)トルイジン、o−(又はp−)アミノアニリン、o−(又はp−)クロルアニリン、2,5−(又は3,4−)クロルメチルアニリン、N−モノメチルアニリン、4,4’ジアミノジフェニルメタン、N−フェニル−(α−又はβ−)ナフチルアミン、ジチゾン、
【0083】
前記式(14)で表されるものとして、p−ニトロフェノール、ニトロベンゼンスルホン酸、2,4−ジニトロベンゼンスルホン酸、m−ニトロ安息香酸、
【0084】
前記式(15)で表されるものとして、メルカプト酢酸(チオグリコール酸)、メルカプトコハク酸、
【0085】
前記式(18)で表されるものとして、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、
【0086】
前記式(19)で表されるものとして、アミン−アルデヒド縮合物、例えば、ピペラジン、ビペリジン、モルホリン、シクロプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロオクチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、などの式(a)で表される脂肪族第一若しくは第二アミン類又は前記式(13)で表される芳香族アミン類と前記式(11)で表されるアルデヒド類との縮合物
などを含むことができる。
【0087】
本発明のメッキ浴は、酸性浴、中性浴、アルカリ性浴を問わず、錫及び錫合金種によって適意選択することができる。
【0088】
酸性浴では、前述の錯化剤の他、アルカンスルホン酸、アルカノールスルホン酸、スルホコハク酸、フェノールスルホン酸などの有機酸の他、塩酸、硫酸、ホウフッ化水素酸、ケイフッ化水素酸、過塩素酸等の無機酸を選択することができる。
【0089】
上記アルカンスルホン酸としては、化学式Cn2n+1SO3H(例えば、n=1〜11)で示されるものが使用可能であり、具体的には、メタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、2−プロパンスルホン酸、2−ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、デカンスルホン酸、ドデカンスルホン酸等が含まれる。
【0090】
上記アルカノールスルホン酸としては、Cmm+1−CH(OH)−Cp2p−SO3H(例えば、m=0〜2、p=1〜10)で示されるものが使用可能であり、具体的には、2−ヒドロキブタン−1−スルホン酸、2−ヒドロキプロパン−1−スルホン酸、2−ヒドロキペンタン−1−スルホン酸、2−ヒドロキヘキサン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシドデカン−1−スルホン酸等が含まれる。
【0091】
本メッキ浴のアルカリ調整剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニウム等を用いることができる。
【0092】
本発明の錫及び錫合金メッキ浴は、従来の錫及び錫合金メッキ浴において公知である電導性塩、pH緩衝剤、及び酒石酸マグネシウム、ロッシェル塩、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素アンモニウム、ポリアクリルアミド等の高分子凝集剤等の酸化第二錫微粒子の凝集促進剤、及びヒドロキノン、ピロカテコール、レゾルシン、ピロガロール、クレゾールスルホン酸、アスコルビン酸、フロログリシノールヒドラジン等の酸化防止剤等を適宜添加して用いることが出来る。
【0093】
本発明の錫及び錫合金電気メッキ浴の陰極電流密度条件とメッキ浴温度条件は、バレルメッキ、ラックメッキ、高速度メッキ、スルホールメッキ、ラックレスメッキなどのメッキ方法によって適宜任意に変更することができる。一般の陰極電流密度条件は、0.001〜200A/dm2程度、好ましくは0.05〜50A/dm2、一般の浴温度条件5〜90℃程度、好ましくは15〜50℃の範囲で使用される。
【0094】
錫合金浴は、下記実施例の数例に限定されるものではなく、鉛、銀、亜鉛、ビスマス、インジウム、銅、ニッケルから選ばれた金属の一種以上を錫と併用して用いることができる。
【0095】
次に実施例によって、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら数例によって限定されるものではなく、前述した目的に沿って、メッキ浴の組成及びメッキ条件は適宜、任意に変更することができる。
【0096】
【実施例】
バフ研磨した銅板を素地として用いた。0.3×25×25mmに切断後、定法に従って予備処理として、ベンジン脱脂、電解脱脂、水洗の後、所定の陰極電流密度条件でメッキを施した。
【0097】
メッキ浴の経時安定試験は、メッキ浴を建浴後、室温度条件下で静置保存して濁りや浮遊物、沈殿物の有無を目視観察により評価した。
【0098】
錫合金電着物の合金組成は、得られた電着物を無機酸に溶解後、ICP発光分光分析装置にて測定した。
【0099】
メッキ皮膜の外観評価は、ヤケ(コゲ)、デンドライト等の異常析出物の有無及び平滑性及び均一性を目視で評価した。下記に外観の評価基準を示す。
◎:非常に平滑で均一な外観を示した。
〇:皮膜外観に異常がなく、実用レベルの外観を示した。
△:皮膜粒子が粗く、均一性及び平滑性が実用レベルからやや劣る外観を示した。
×:ヤケ(コゲ)又はデンドライト等が顕著に認められ、実用不可能な外観。
【0100】
参考例1
2−ヒドロキシプロパンスルホン酸
第一錫(Sn2+として) 10 g/L
メタンスルホン酸鉛(Pb2+として) 1 g/L
メタンスルホン酸 100 g/L
アスパラギン酸二酢酸 0.5 mol/L
ポリオキシエチレンラウリルアミン 0.1 g/L
オレイルメチルアンモニウムベタイン 0.5 g/L
N,N’−ジイソブチリデン−o−
フェニレンジアミン 0.05 g/L
pH4(KOHにて)
【0101】
参考
2−ヒドロキシプロパンスルホン酸
第一錫(Sn2+として) 40 g/L
硫酸銀(Ag+として) 0.5 g/L
メタンスルホン酸 100 g/L
スルホエチルグルタミン酸二酢酸 0.3 mol/L
ヨウ化カリウム 0.05 mol/L
ジメチルラウリルベタイン 0.05 g/L
8−ヒドロキシキノリン 0.01 g/L
サリチルアルデヒド 0.05 g/L
pH4(KOHにて)
【0102】
参考
メタンスルホン酸第一錫(Sn2+として) 12 g/L
2−ヒドロキシプロパンスルホン酸鉛
(Pb2+として) 8 g/L
メタンスルホン酸 80 g/L
グルタミン酸二酢酸 0.2 mol/L
ポリオキシエチレンα−ナフトール 10 g/L
N−(3−ヒドロキシブチリデン)−
p−スルファニル酸カリウム 0.1 g/L
【0103】
参考
硫酸第一錫(Sn2+として) 40 g/L
2−ヒドロキシプロパンスルホン酸
ビスマス(Bi3+として) 40 g/L
スルホコハク酸 80 g/L
スルファニル酸酢酸 0.1 mol/L
プロピルナフタレンスルホン酸
ナトリウム 0.005 g/L
ポリエチレングリコール
ノニルフェニルエーテル 10 g/L
4−カルボキシベンゾトリアゾール 0.003 g/L
pH1(アンモニアにて)
【0104】
参考
メタンスルホン酸第一錫(Sn2+として) 30 g/L
硫酸銅(Cu2+として) 0.5 g/L
メタンスルホン酸 90 g/L
L−グルタミン酸二酢酸四ナトリウム 0.5 mol/L
オレイルメチルアンモニウムベタイン 0.5 g/L
ポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレンブロックポリマー 1.0 g/L
サリチル酸フェニル 0.02 g/L
カテコール 0.3 g/L
pH6(NaOHにて)
【0105】
参考
メタンスルホン酸第一錫(Sn2+として) 30 g/L
塩化ニッケル(Ni2+として) 1 g/L
硫酸 60 g/L
メチルイミノ二酢酸 2.0 mol/L
ヒドロキノン 0.8 g/L
ポリエチレングリコールラウリルエーテル 1.3 g/L
ポリオキシエチレンα−ナフトール 0.2 g/L
ポリエチレングリコールラウリルアミン 2.0 g/L
モルホリンプロピオグアナミン 1.5 g/L
ダイアセトンアクリルアミド 0.05 g/L
【0106】
参考
メタンスルホン酸第一錫(Sn2+として) 2 g/L
プロパンスルホン酸鉛(Pb2+として) 30 g/L
フェノールスルホン酸 140 g/L
グルコン酸ナトリウム 0.1 mol/L
イミノジコハク酸 1.0 mol/L
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
トリスチレン化フェノールエーテル 10 g/L
ポリオキシエチレンエチレンジアミン 0.05 g/L
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.05 g/L
アクリル酸エチル 0.02 g/L
【0107】
参考
2−ヒドロキシプロパンスルホン酸
第一錫(Sn2+として) 5 g/L
硫酸亜鉛(Zn2+として) 20 g/L
ブタンスルホン酸 100 g/L
スルホエチルグルタミン二酢酸 0.2 mol/L
アスパラギン酸プロピオン酸 0.2 mol/L
りん酸水素二ナトリウム 1.0 g/L
ポリオキシエチレンα−ナフトール 2.0 g/L
o−トルイジン 3.0 g/L
【0108】
参考
フェノールスルホン酸第一錫(Sn2+として) 1 g/L
スルファミン酸インジウム(In3+として) 40 g/L
スルファミン酸 100 g/L
フェニルアラニン二酢酸 0.5 mol/L
ポリオキシエチレンラウリルアミン 0.1 g/L
オレイルメチルアンモニウムベタイン 0.5 g/L
ポリエチレングリコール 0.01 g/L
【0109】
参考10
ホウフッ化第一錫(Sn2+として) 5 g/L
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 0.5 g/L
フェノールスルホン酸 140 g/L
フェニルアラニン二酢酸 0.05 mol/L
2,2’−ジチオアニリン 0.2 mol/L
ジメチルラウリルアミン 0.05 g/L
ポリオキシエチレンラウリルアミン 0.1 g/L
メルカプトコハク酸 0.03 g/L
p−ニトロフェノール 0.05 g/L
【0110】
参考11
メタンスルホン酸第一錫(Sn2+として) 5 g/L
塩化ニッケル(Ni2+として) 5 g/L
硫酸 100 g/L
セリン二酢酸 0.4 mol/L
ポリオキシエチレンリン酸エステル 0.5 g/L
デシルジメチルラウリルエーテル 0.1 g/L
N−メチチルエタノールアミン 0.2 g/L
pH3.0(アンモニアにて)
【0111】
参考12
2−ヒドロキシプロパンスルホン酸
第一錫(Sn2+として) 30 g/L
メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 3 g/L
硫酸 100 g/L
スルホエチルグルタミン酸 0.5 mol/L
酒石酸カリウム 1 g/L
ポリオキシエチレンα−ナフトール 2.0 g/L
ポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレンブロックポリマー 0.5 g/L
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.007 g/L
クロトンアルデヒド 0.005 g/L
pH4.0(KOHにて)
【0112】
実施例
参考12の浴に、グリコール酸0.05mol/Lを添加した。
2−ヒドロキシプロパンスルホン酸
第一錫(Sn2+として) 30 g/L
メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 3 g/L
硫酸 100 g/L
スルホエチルグルタミン酸 0.5 mol/L
グリコール酸 0.05 mol/L
酒石酸カリウム 1 g/L
ポリオキシエチレンα−ナフトール 2.0 g/L
ポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレンブロックポリマー 0.5 g/L
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.007 g/L
クロトンアルデヒド 0.005 g/L
pH4.0(KOHにて)
【0113】
実施例
参考の浴に、グリコール酸0.2mol/Lを添加した。
2−ヒドロキシプロパンスルホン酸
第一錫(Sn2+として) 5 g/L
硫酸亜鉛(Zn2+として) 20 g/L
アスパラギン酸プロピオン酸 0.2 mol/L
グリコール酸 0.2 mol/L
りん酸水素二ナトリウム 1.0 g/L
ポリオキシエチレンα−ナフトール 2.0 g/L
o−トルイジン 3.0 g/L
【0114】
実施例
2−ヒドロキシプロパンスルホン酸
第一錫(Sn2+として) 20 g/L
プロパンスルホン酸 100 g/L
グルタミン酸二酢酸四ナトリウム 0.5 mol/L
グリコール酸アンモニウム 0.3 mol/L
ビスフェノールAのポリオキシ
エチレン付加物 0.03 g/L
N−メチルエタノールアミン 0.7 g/L
ポリエチレングリコール 2.5 g/L
pH3.5(アンモニアにて)
【0115】
比較例1
参考例1記載の浴を、アスパラギン酸二酢酸無添加にして建浴する。
2−ヒドロキシプロパンスルホン酸
第一錫(Sn2+として) 10 g/L
メタンスルホン酸鉛(Pb2+として) 1 g/L
メタンスルホン酸 100 g/L
ポリオキシエチレンラウリルアミン 0.1 g/L
オレイルメチルアンモニウムベタイン 0.5 g/L
N,N’−ジイソブチリデン−o−
フェニレンジアミン 0.05 g/L
pH4(KOHにて)
【0116】
比較例
参考記載の浴を、スルホエチルグルタミン酸二酢酸無添加にして建浴する。
2−ヒドロキシプロパンスルホン酸
第一錫(Sn2+として) 40 g/L
硫酸銀(Ag+として) 0.5 g/L
メタンスルホン酸 100 g/
ウ化カリウム 0.05 mol/L
ジメチルラウリルベタイン 0.05 g/L
8−ヒドロキシキノリン 0.01 g/L
サリチルアルデヒド 0.05 g/L
pH4(KOHにて)
【0117】
比較例
参考記載の浴にポリオキシエチレンα−ナフトールを添加しないで建浴する。
メタンスルホン酸第一錫(Sn2+として) 12 g/L
2−ヒドロキシプロパンスルホン酸
鉛(Pb2+として) 8 g/L
メタンスルホン酸 80 g/L
グルタミン酸二酢酸 0.2 mol/L
N−(3−ヒドロキシブチリデン)−p−
スルファニル酸カリウム 0.1 g/L
【0118】
比較例
参考記載の浴にスルファニル酸酢酸を添加せずに建浴する。
硫酸第一錫(Sn2+として) 40 g/L
2−ヒドロキシプロパンスルホン酸
ビスマス(Bi3+として) 40 g/L
スルホコハク酸 80 g/L
プロピルナフタレンスルホン酸
ナトリウム 0.005 g/L
ポリエチレングリコールノニル
フェニルエーテル 10 g/L
4−カルボキシベンゾトリアゾール 0.003 g/L
pH1(アンモニアにて)
【0119】
比較例
実施例記載の浴にグルタミン酸二酢酸四ナトリウムを添加せずに建浴する。
2−ヒドロキシプロパンスルホン酸
第一錫(Sn2+として) 20 g/L
プロパンスルホン酸 100 g/L
グリコール酸アンモニウム 0.3 mol/L
ビスフェノールAのポリオキシ
エチレン付加物 0.03 g/L
N−メチルエタノールアミン 0.7 g/L
ポリエチレングリコール 2.5 g/L
pH3.5(アンモニアにて)
【0120】
比較例
実施例記載浴のスルホエチルグルタミン酸を削除して、グリコール酸濃度を0.5mol まで増加させたが、メッキ浴は数時間後に濁りを生じ、浴としては不適当であった。
2−ヒドロキシプロパンスルホン酸
第一錫(Sn2+として) 30 g/L
メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 3 g/L
硫酸 100 g/L
グリコール酸 0.5 mol/L
酒石酸カリウム 1 g/L
ポリオキシエチレンα−ナフトール 2.0 g/L
ポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレンブロックポリマー 0.5 g/L
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.007 g/L
クロトンアルデヒド 0.005 g/L
pH4.0(KOHにて)
【0121】
前記実施例及び比較例の浴安定性と錫の共析率、メッキ外観の試験結果を表1〜4に示した。
【0122】
【表1】
Figure 0004249292
【0123】
【表2】
Figure 0004249292
【0124】
【表3】
Figure 0004249292
【0125】
【表4】
Figure 0004249292
【0126】
参考例1〜2のアミノ酸化合物を添加した錫合金浴と、比較例1〜2のアミノ酸化合物無添加浴を比較すると、添加浴では浴の経時安定性が良く、緻密で平滑なメッキ外観が得られているのに対して、無添加浴では濁りを生じ易い不安定な浴であった。比較例1の建浴初期に沈殿物を生じない浴についてメッキ付け試験を実施したが、得られた皮膜はコゲや異常析出物のある不均一な外観であった。
【0127】
参考と比較例は、界面活性剤ポリオキシエチレンα−ナフトールの添加有無による影響を示したもので、グルタミン酸二酢酸を添加した比較例は、浴安定性は良好であるがメッキ外観が著しく粗野な皮膜で実用上支障のある皮膜であった。
【0128】
参考浴のSn−Bi合金浴においても、スルファニル酸二酢酸の添加有無効果を比較例と比較した場合、メッキ外観と浴安定性の向上に加えて、皮膜組成の電流密度変化に対する安定性が向上した。比較例の3A/dm2条件ではBi含有率が高いが、参考浴の同条件では10.20A/dm2条件と近似した皮膜組成を示した。
【0129】
このように、浴の経時安定の向上と電流密度変化に対して皮膜組成が安定すること、並びにメッキ外観の均一性と平滑性を向上させる効果がアミノ酸化合物と界面活性剤を併用添加した錫−鉛、錫−銅、錫−ニッケル、錫−ビスマス、錫−銀、錫−亜鉛、錫−インジウム合金メッキ浴にあることが、参考11の試験結果により示された。
【0130】
参考12と実施例は、錫銅合金浴のグリコール酸添加による効果を示したもので、グリコール酸を添加した実施例では皮膜組成の電流密度依存性が小さく、メッキ外観がさらに良化する相乗効果を示した。
【0131】
実施例と比較例は錫浴での比較結果であるが、グルタミン酸二酢酸四ナトリウム無添加の比較例浴では建浴時に濁りを生じ実用上不適当であった。
【0132】
以上の参考例1〜12及び実施例1〜3に示した錫及び錫−鉛合金、錫−銀合金、錫−亜鉛合金、錫−ビスマス合金、錫−銅合金、錫−インジウム合金、錫−ニッケル合金、錫系三元合金において、特定のアミノ酸化合物及び一般式(1)〜(12)に示した特定の界面活性剤が、メッキ浴の安定性及び電流密度変化による皮膜組成の安定化、皮膜外観の平滑性に大きな効果を示した。
【0133】
また、アミノ酸化合物とグリコール酸の併用添加が、電着物組成の電流密度依存安定性と皮膜外観の平滑性に相乗効果を示した。

Claims (1)

  1. (A)錫塩又は、錫塩と鉛、銀、亜鉛、ビスマス、インジウム、銅、ニッケルから選ばれた金属の塩との混合物のいずれかよりなる可溶性塩、
    (B)イミノジコハク酸、アスパラギン酸一酢酸、アスパラギン酸二酢酸、アスパラギン酸一プロピオン酸、2−スルホメチルアスパラギン酸、2−スルホエチルアスパラギン酸、グルタミン酸二酢酸、2−スルホメチルグルタミン酸、2−スルホエチルグルタミン酸、メチルイミノ二酢酸、フェニルアラニン二酢酸、アントラニル酸二酢酸、スルファニル酸二酢酸、タウリン二酢酸、スルホエチルグルタミン酸二酢酸、セリン二酢酸、或いはこれらのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩から選ばれるアミノ酸化合物及び(又は)その塩の少なくとも一種、及び
    (C)下記の界面活性剤(1)〜(13):
    (1)一般式
    Figure 0004249292
    [ここで、Rはアルキル(C1〜C25)を表し、Aは酸素又は単結合を表す。Mは水素又はアルカリ金属を表す。]
    で表されるナフタレンスルホン酸系界面活性剤、
    (2)一般式
    HO−(A)m−(B)n−H
    [ここで、A及びBは−CH2−CH2−O−又は−CH2−C(CH3)H−O−を表し、それらの存在位置は限定されず、m及びnは、0〜40の整数を表す。ただし、m及びnの和は1から40の範囲内にある。]
    で表されるポリオキシアルキレン系界面活性剤、
    (3)一般式
    R−X−(A)m−(B)n−H
    [ここで、A及びBは−CH2−CH2−O−又は−CH2−C(CH3)H−O−を表し、それらの存在位置は限定されず、m及びnは、0〜40の整数を表す。ただし、m及びnの和は1から40の範囲内にある。Rは、炭素数1〜22のアルキル基又は炭素数1〜25の脂肪酸でエステル化したソルビタンを表す。Xは、−O−又は−COO−を表す。]
    で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(又はエステル)系界面活性剤、
    (4)一般式
    Ph−O−(A)m−(B)n−H
    [ここで、A及びBは−CH2−CH2−O−又は−CH2−C(CH3)H−O−を表し、それらの存在位置は限定されず、m及びnは、0〜40の整数を表す。ただし、m及びnの和は1から40の範囲内にある。Phは、フェニル基又はアルキル基(C1〜C25)で置換したフェニル基を表わす。]
    で表されるポリオキシアルキレンフェニル(又はアルキルフェニル)エーテル系界面活性剤、
    (5)一般式
    Figure 0004249292
    [ここで、A及びBは−CH2−CH2−O−又は−CH2−C(CH3)H−O−を表し、それらの存在位置は限定されず、m及びnは、0〜40の整数を表す。ただし、m及びnの和は1から40の範囲内にある。Rは水素又はアルキル基(C1〜C25)を表す。]
    で表されるポリオキシアルキレンナフチル(又はアルキルナフチル)エーテル系界面活性剤、
    (6)一般式
    Figure 0004249292
    [ここで、A及びBは−CH2−CH2−O−又は−CH2−C(CH3)H−O−を表し、それらの存在位置は限定されず、m及びnは、0〜40の整数を表す。ただし、m及びnの和は1から40の範囲内にある。Ra、Rb、Rcは、それぞれ独立に水素、フェニル基、アルキル基(C1〜C4)又は−CH(CH3)−φを表わす。ただし、少なくとも1つはフェニル基もしくは−CH(CH3)−φであるものとする。]
    で表されるポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテル系界面活性剤、
    (7)一般式
    Figure 0004249292
    [ここで、A及びBは−CH2−CH2−O−又は−CH2−C(CH3)H−O−を表し、それらの存在位置は限定されない。Ra、Rbは、それぞれ独立に水素、フェニル基又はアルキル基(C1〜C4)を表し、Rc、Rdは、それぞれ独立に水素又はメチル基を表し、m1、m2、n1、n2はそれぞれ独立に0〜40の整数を表す。ただし、m1及びn1、さらにm2及びn2の和は1から40の範囲内にある。]
    で表されるポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテルのフェニル基にさらにポリオキシアルキレン鎖を付加した系界面活性剤、
    (8)一般式
    Figure 0004249292
    [ここで、Ra及びRbは水素もしくはアルキル基(C1〜C25)を表し、同一又は異なってもよい。A及びBは−CH2−CH2−O−又は−CH2−C(CH3)H−O−を表し、それらの存在位置は限定されない。m1、m2、n1、n2はそれぞれ独立に0〜40の整数を表す。ただし、m1及びn1、さらにm2及びn2の和は1から40の範囲内にある。Mは水素又はアルカリ金属を示す。]
    で表されるリン酸エステル系界面活性剤、
    (9)一般式
    Figure 0004249292
    [ここで、Rは、アルキル基(C1〜C30)、アルケニル基(C2〜C30)又はアシル基(C1〜C30)を表し、A及びBは−CH2−CH2−O−又は−CH2−C(CH3)H−O−を表し、それらの存在位置は限定されない。m1、m2、n1、n2はそれぞれ独立に0〜6の整数を表す。ただし、m1及びn1、さらにm2及びn2の和は1から6の範囲内にある。−CH2−CH(CH3)−Oの付加モル数が−CH2−CH2−Oの付加モル数より多いことはない。]
    で表されるポリオキシアルキル(又はアルケニル)アミン(又はアミド)系界面活性剤、
    (10)一般式
    Figure 0004249292
    [ここで、A及びBは−CH2−CH2−O−又は−CH2−C(CH3)H−O−を表し、それらの存在位置は限定されない。m1、m2、m3、m4、n1、n2、n3、n4は整数で、m1+m2+m3+m4=5〜70、n1+n2+n3+n4=5〜70である。m1、m2、n1、n2はそれぞれ独立に0〜6の整数を表す。ただし、m1及びn1、さらにm2及びn2の和は1から6の範囲内にある。xは2又は3の整数を表す。Rは、アルキル基(C1〜C30)又はアルケニル基(C2〜C30)を表す。]
    で表されるアルキレンジアミンのアルキレンオキシド付加物系界面活性剤、
    (11)一般式
    Figure 0004249292
    [ここで、Raは、アルキル基(C1〜C20)を表し、Rbは、−(CH2mOH又は−(CH2mOCH2COO−を表し、Rcは、アルキル基(C1〜C4)、−(CH2nCOO−、−(CH2nSO3−、−CH(OH)CH2SO3−を表し、m及びnは1〜4の整数を表す。Mはアルカリ金属を表し、Xはハロゲン、水酸基又はアルカンスルホン酸基(C1〜C5)を表す。Rcがアルキル基の場合には、Mは存在せず、Rcがアルキル基以外の場合には、Mは存在してもしなくてもよく、Mが存在しないときにはXも存在しない。]
    で表されるアルキルイミダゾリニウムベタイン系界面活性剤、
    (12)一般式
    Figure 0004249292
    [ここで、Raは水素又はメチル基を表し、又は結合がなくてもよい。Rbは水素又はメチル基若しくはエチル基を表し、該アルキル基の水素の一つがエーテル結合を介してアシルオキシ基と結合していてもよい。Rcはアルキル基(C5〜C20)を表す。カルボキシル基は水素又はアルカリ金属とイオン結合していてもよい。mは1〜4の整数を、nは0〜4の整数を表す。]
    で表されるアルキル(又はアミド)ベタイン系界面活性剤、
    (13)一般式
    Figure 0004249292
    [ここで、Xは、ハロゲン、OH又はアルカンスルホン酸基(C1〜C5)を表し、Raは、アルキル基(C1〜C20)を表し、Rb及びRcは、アルキル基(C1〜C4)又はアルコキシル基(C1〜C10)を表し、Rdは、アルキル基(C1〜C10)、ベンジル基又は脂肪酸−(CH2)nCOOHを表し、ここで、nは1〜18の整数を表す。Reは、アルキル基(C8〜C20)を表し、Rfは、水素又はアルキル基(C1〜C4)を表す。]
    で表されるアンモニウム又はピリジニウム4級塩系界面活性剤
    の内の少なくとも一種
    (D)さらに、下記一般式(b)
    HOCH 2 COOM (b)
    [式中、Mは水素、アルカリ金属又はアンモニウムを表す。]
    で表されるグリコール酸或いはこれらの塩類であるアルカリ金属塩又はアンモニウム塩の1種又は2種以上
    を含有することを特徴とする錫又は錫合金メッキ浴。
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