JP3876383B2 - 銅−錫合金めっき浴及び該めっき浴を用いた銅−錫合金めっき方法 - Google Patents
銅−錫合金めっき浴及び該めっき浴を用いた銅−錫合金めっき方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、色調がニッケルめっきに酷似した銀白色のめっきを施すことができる非ニッケル及び非シアンの銅−錫合金めっき浴に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知の通り、ニッケルめっきは優れた色調と耐蝕性とを有し、装飾めっきの下地めっきとして使用されているが、ニッケルめっきを施した装飾物の着用によるニッケルアレルギーが問題となっていることから、近年、色調がニッケルめっきに酷似している銅−錫合金めっきがニッケルめっきの代替え技術として実施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、前記銅−錫合金めっきを施すめっき浴として、シアン化合物浴、ピロリン酸塩浴、トリポリリン酸塩浴、ホウフッ化物浴等が知られているが、シアン化合物浴は、有毒なシアンを含有しているので、排水処理の設備費等が嵩む上に自然環境上好ましくないという問題点があった。また、非シアン浴により銅−錫合金めっき皮膜を得るためにはピロリン酸、トリポリリン酸、ホウフッ化物、グルコン酸、クエン酸及び酒石酸のような錯化力の強い錯化剤を必要とするが、錯化力の強いこれらの錯化剤を用いると排水処理時に銅及び錫を完全に除去することが困難であり、十分な排水処理を実施するためには前記シアン化合物浴と同様に設備費等が嵩むと共に、不十分な排水処理では自然環境上好ましくないという問題点があった。さらに、前記各めっき浴から得られる銅−錫合金めっき皮膜は、いずれも皮膜組成の電流密度依存性が大きく、外観及び緻密性が劣るという問題点があった。
【0004】
そこで、本発明者等は、非ニッケル及び非シアンのめっき浴から色調がニッケルめっきに酷似した銀白色の外観及び緻密性に優れた銅−錫合金めっき皮膜を広い電流密度領域において形成することができ、しかも、排水処理が容易で環境に優しい銅−錫合金めっき浴を提供することを技術的課題とし、当該技術的課題を下記の実験に基づき達成したものである。
【0005】
即ち、L-メチオニンとポリオキシエチレンα−ナフトール(EO付加mol 数=10:以下「POEN」ともいう。)を添加剤とするスルホコハク酸浴から銀白色のCu−Sn合金皮膜を得るためのめっき条件について検討した。
【0006】
基本浴組成を;
CuSO4 ・5H2O :0.1474 mol/L 、
SnSO4 :0.0526 mol/L 、
Sulfosuccinic acid :1mol /L 、
L-Methionine :0.4mol/L 、
POEN :3g /L とし
めっき条件を;
Temperature :25℃、
Amount of electricity :10C /cm2 、
Current density :0.5 〜4A /dm2 とした。
【0007】
白金板に厚さ約2μm の銅めっきを施したものを素地とし、前記基本浴組成及びめっき条件にてめっきを行った。アノードには錫板を用いた。析出皮膜を濃塩酸に溶解後、高周波プラズマ発光分光分析(ICP )法により定量し、皮膜組成を求めた。また、電流効率はめっき前後の重量差により算出した。
【0008】
皮膜中の錫含有量に及ぼす添加剤の影響を図1に示す。図1において、添加剤無添加(+印で示す)及びPOEN単独添加(△印で示す)では銅が優先析出したが、L-メチオニンを単独添加(□で示す)及びL-メチオニンとPOENとの併用添加(○印で示す)では銅の優先析出が抑制され、めっき皮膜組成の電流密度依存性が小さく広い電流密度領域(0.5 〜4 A/dm2 )においてめっき浴中の銅/錫組成比(点線で示す)に近い合金組成の皮膜が得られることがわかった。
【0009】
L-メチオニン単独添加のめっき浴においては、電流密度2 A/dm2 以上になると平滑性に欠けた黒色の皮膜となり、電流効率が50%以下と著しく低下した。しかし、POENの併用添加により、平滑で緻密な銀白色の皮膜が電流効率80%前後で得られた。
【0010】
L-メチオニンとPOENとを併用添加することで、皮膜組成の電流密度依存性が小さく、広い電流密度領域(0.5 〜4 A/dm2 )において、ほぼめっき浴中の銅/錫組成比であるSn40mass%を有する平滑で緻密なめっき皮膜が比較的高い電流効率75%以上で得られることを確認した。
【0011】
さらに、様々な複雑形状をしているめっき試料は、例えば、電流密度1A /dm2 設定でめっきを行っても複雑形状ゆえに当該試料のある部分では0.5A/dm2 相当の、またある部分では2A /dm2 相当等の電流密度分布が生じて一般に陽極に対して凹部は電流密度が低くなり、凸部では電流密度が高くなって皮膜組成の電流密度依存性が高いと所定の皮膜組成を試料全面にめっきできないという問題点を有していたが、当該めっき浴によれば、皮膜組成の電流密度依存性が小さいため、複雑形状のめっき試料においてもほぼ同等の皮膜組成のめっき皮膜を全面に施すことができることを確認した。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって解決できる。
【0013】
即ち、本発明に係る銅−錫合金めっき浴は、可溶性銅塩と、可溶性第一錫塩と、有機スルホン酸と、L- メチオニン、 DL- メチオニン、 N- アセチル -DL- メチオニン及びメチオノールから選ばれるメチオニン及び/又はメチオニン誘導体とを含有して銅/錫組成比が70/30〜20/80に調整された弱酸性〜強酸性の非ニッケル及び非シアンの銅−錫合金めっき浴であって電流密度 0.1 〜 1.0A / dm 2 において銀白色のめっきを施すことができるものである。
【0014】
また、本発明は、前記銅−錫合金めっき浴において、有機スルホン酸が、スルホコハク酸及びメタンスルホン酸から選ばれるものである。
【0015】
また、本発明に係る銅−錫合金めっき方法は、前記いずれかの銅−錫合金めっき浴を用いて銀白色のめっきを施すものである。
【0016】
また、本発明に係る銅−錫合金めっき浴は、可溶性銅塩と、可溶性第一錫塩と、有機スルホン酸と、L- メチオニン、 DL- メチオニン、 N- アセチル -DL- メチオニン及びメチオノールから選ばれるメチオニン及び/又はメチオニン誘導体と、ノニオン系界面活性剤とを含有して銅/錫組成比が70/30〜20/80に調整された弱酸性〜強酸性の非ニッケル及び非シアンの銅−錫合金めっき浴であって電流密度 0.1 〜 20A / dm 2 において銀白色のめっきを施すことができるものである。
【0017】
さらに、本発明は、前記銅−錫合金めっき浴において、有機スルホン酸が、スルホコハク酸及びメタンスルホン酸から選ばれるものであり、ノニオン系界面活性剤が、ポリオキシエチレンα−ナフトール、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル及びポリオキシエチレンラウリルアミンから選ばれるものである。
【0018】
さらに、本発明に係る銅−錫合金めっき方法は、ノニオン系界面活性剤を含有してなる前記いずれかの銅−錫合金めっき浴を用いて銀白色のめっきを施すものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0020】
実施の形態1.
【0021】
本実施の形態に係る銅−錫合金めっき浴は、可溶性銅塩と、可溶性第一錫塩と、有機酸又は無機酸と、メチオニン及び/又はメチオニン誘導体とを含有していると共に、銅/錫組成比が70/30〜20/80に調整された弱酸性〜強酸性のめっき浴であり、これにより、めっき皮膜組成の電流密度依存性が小さい銀白色のめっきを施すことができるものである。
【0022】
可溶性銅塩と可溶性第一錫塩との供給源としては、非シアンの錫化合物及び非シアンの銅化合物を用いる。錫化合物、銅化合物としては、錫、銅のそれぞれ酸化物及び塩類から選ばれる1種又は2種以上を単独又は適宜混合して使用することができ、例えば、酸化物又は酸素酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、ホウフッ化物、ケイフッ化物、スルファミン酸塩、酢酸塩、
【0023】
一般式(1):R-SO3H
[ここで、RはC1〜C12 のアルキル基又はC2〜C3のアルケニル基を表し、該Rの水素は0〜3個の範囲で水酸基、アルキル基、アリール基、アルキルアリール基、カルボキシル基又はスルホン酸基で置換されていてよく、そして該Rの任意の位置にあってよい。]で表される脂肪族スルホン酸の塩、
【0024】
一般式(2):
【0025】
【化1】
【0026】
[ここで、RはC1〜C3のアルキル基を表す。Xは塩素及び/又はフッ素のハロゲンを表し、該Rの任意の位置にあってよく、該Rの水素と置換された該ハロゲンの置換数n1は1から該Rに配位したすべての水素が飽和置換されたものまでを表し、置換されたハロゲン種は1種類又は2種類である。水酸基は該Rの任意の位置にあってよく、該Rの水素と置換された該水酸基の置換数n2は0又は1である。Yはスルホン酸基を表し、該Rの任意の位置にあってよく、Yで表されるスルホン酸基の置換数n3は0から2の範囲にある。]で表されるハロゲン化アルカンスルホン酸又はハロゲン化アルカノールスルホン酸の塩、
【0027】
一般式(3):
【0028】
【化2】
【0029】
[ここで、Xは水酸基、アルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アルデヒド基、カルボキシル基、ニトロ基、メルカプト基、スルホン酸基又はアミノ基を表し、或いは2個のXはベンゼン環と一緒になってナフタリン環を形成でき、該基の置換数nは0〜3の範囲にある。]で表される芳香族スルホン酸の塩、
【0030】
一般式(4): HO3S-R-COOH
[ここで、RはC1〜C6のアルキレン基又はC2〜C6のアルケニレン基を表し、該Rの水素は水酸基又はカルボキシル基で置換されていてよい。]で表される脂肪族スルホ(ヒドロキシ)カルボン酸の塩、
【0031】
一般式(5):
【0032】
【化3】
【0033】
[ここで、Xは水素、水酸基又はカルボキシル基を表す。スルホン酸基、カルボキシル基及びXは任意の位置にあってよい。]で表される芳香族スルホ(ヒドロキシ)カルボン酸の塩、
【0034】
一般式(6):
【0035】
【化4】
【0036】
[ここで、Rは水素又はC1〜C2のアルキル基を表す。]で表される脂肪族モノヒドロキシジカルボン酸の塩などを使用すればよい。
【0037】
前記有機スルホン酸の塩としては、メタンスルホン酸、メタンジスルホン酸、メタントリスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、2−プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、2−ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、へキサンスルホン酸、デカンスルホン酸、ドデカンスルホン酸、2−ヒドロキシエタン−1−スルホン酸、1−ヒドロキシプロパン−2−スルホン酸、3−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシブタンスルホン酸、2−ヒドロキシペンタンスルホン酸、2−ヒドロキシへキサン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシデカンスルホン酸、2−ヒドロキシドデカンスルホン酸、1−カルボキシエタンスルホン酸、2−カルボキシエタンスルホン酸、1,3−プロパンジスルホン酸、アリルスルホン酸、2−スルホ酢酸、2−又は3−スルホプロピオン酸、スルホコハク酸、スルホマレイン酸、スルホフマル酸、モノクロロメタンスルホン酸、パ−クロロエタンスルホン酸、トリクロロジフルオロプロパンスルホン酸、パーフルオロエタンスルホン酸、モノクロロジフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロエタンスルホン酸、テトラクロロプロパンスルホン酸、トリクロロジフルオロエタンスルホン酸、モノクロロエタノ−ルスルホン酸、ジクロロプロパノールスルホン酸、モノクロロジフルオロヒドロキシプロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ニトロベンゼンスルホン酸、スルホ安息香酸、スルホサリチル酸、ベンズアルデヒドスルホン酸、p−フェノールスルホン酸、フェノール−2,4−ジスルホン酸の塩を挙げることができ、前記脂肪族スルホ(ヒドロキシ)カルボン酸の塩としては、2−スルホ酢酸、2−スルホプロピオン酸、3−スルホプロピオン酸、スルホコハク酸、スルホメチルコハク酸、スルホフマル酸、スルホマレイン酸の塩を挙げることができ、前記芳香族スルホ(ヒドロキシ)カルボン酸の塩としては、2−スルホ安息香酸、3−スルホ安息香酸、4−スルホ安息香酸、5−スルホサリチル酸、4−スルホフタール酸、5−スルホイソフタ−ル酸、2−スルホテレフタール酸の塩を挙げることができ、前記脂肪族モノヒドロキシジカルボン酸の塩としては、リンゴ酸、3−メチルリンゴ酸の塩などを挙げることができる。
【0038】
銅塩のめっき浴に対する好ましい含有量はCu2+として 0.0637 〜0.34775mol/L であり、第一錫塩のめっき浴に対する好ましい含有量はSn2+として 0.03045〜0.15225mol/L であり、好ましい全金属濃度は 0.1〜0.5mol/L である。金属濃度が低すぎると析出効率が低下して所定の膜厚のめっき皮膜を形成するのが困難となり、作業条件に制約が生じる。また、金属濃度が高すぎるとめっき液中に完全に溶解させることが難しく、不経済であり、さらに、めっき作業時の持ち出し金属濃度が多くなり、排水処理に負担をかける。
【0039】
銅−錫合金めっき浴のベースを構成する酸としては、有機スルホン酸、脂肪族カルボン酸などの有機酸、或は、硫酸、塩酸、スルファミン酸などの無機酸を挙げることができるが、錫或は銅の溶解性、排水処理などの点で有機スルホン酸が好ましい。前記酸は単用又は併用でき、その好ましい含有量は0.3 〜2.0mol/Lである。含有量が低すぎると銅、錫の金属塩の溶解性が悪くなってめっき液中に完全に溶解させることが難しくなる。また、含有量が高すぎるとめっき液の粘性が高くなり良好なめっき皮膜が得られ難い。
【0040】
有機スルホン酸はアルカンスルホン酸、アルカノールスルホン酸、芳香族スルホン酸、脂肪族スルホ(ヒドロキシ)カルボン酸、芳香族スルホ(ヒドロキシ)カルボン酸などであり、アルカンスルホン酸としては、
化学式: Cn H2n+1SO3H
(例えば、n=1〜11)で示されるものが使用でき、具体的には、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、2−プロパンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、2−ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、デカンスルホン酸、ドデカンスルホン酸などを挙げることができる。
【0041】
前記アルカノールスルホン酸としては、
化学式: Cm H2m+1 −CH(OH)− Cp H2p − SO3H
(例えば、m=0〜6、p=1〜5)で示されるものが使用でき、具体的には、2−ヒドロキシエタン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸(2−プロパノールスルホン酸)、2−ヒドロキシブタン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシペンタン−1−スルホン酸などの他、1−ヒドロキシプロパン−2−スルホン酸、3−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸、4−ヒドロキシブタン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシヘキサン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシデカン−1−スルホン酸などを挙げることができる。
【0042】
前記芳香族スルホン酸は、基本的にベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、ナフトールスルホン酸などであり、具体的には、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、p−フェノールスルホン酸、クレゾールスルホン酸、スルホサリチル酸、ニトロベンゼンスルホン酸、スルホ安息香酸、ジフェニルアミン−4−スルホン酸などを挙げることができる。
【0043】
前記脂肪族スルホ(ヒドロキシ)カルボン酸としては、2−スルホ酢酸、2−スルホプロピオン酸、3−スルホプロピオン酸、スルホコハク酸、スルホメチルコハク酸、スルホフマル酸、スルホマレイン酸などを挙げることができる。
【0044】
前記芳香族スルホ(ヒドロキシ)カルボン酸としては、2−スルホ安息香酸、3−スルホ安息香酸、4−スルホ安息香酸、5−スルホサリチル酸、4−スルホフタール酸、5−スルホイソフタ−ル酸、2−スルホテレフタール酸などを挙げることができる。
【0045】
そして、前記有機スルホン酸では、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−プロパノ−ルスルホン酸、2−スルホ酢酸、2−スルホプロピオン酸、3−スルホプロピオン酸、スルホコハク酸、スルホメチルコハク酸、スルホフマル酸、スルホマレイン酸、2−スルホ安息香酸、3−スルホ安息香酸、4−スルホ安息香酸、5−スルホサリチル酸、4−スルホフタール酸、5−スルホイソフタ−ル酸、2−スルホテレフタール酸、フェノールスルホン酸などが好ましい。
【0046】
メチオニン又はメチオニン誘導体としては、L-メチオニン、DL- メチオニン、N-アセチル-DL-メチオニン及びメチオノールを使用することができる。メチオニンの存在によって、めっき皮膜中のCu/Sn組成比の電流密度依存性が抑制され、めっき皮膜の外観が改善されて良好なめっき皮膜を得ることができる。しかも、めっきを行なう弱酸性〜強酸性のpH領域においては可溶性であるが、排水処理時のpH領域である中性〜弱アルカリ性においては不溶性となるので、めっき排水のpHを中性〜弱アルカリ性にすることによって、錫・銅イオンをほぼ完全に沈降分離できる。
【0047】
メチオニン又はメチオニン誘導体のめっき浴に対する好ましい含有量は0.1 〜2.0mol/L である。使用量の不足は低電流密度において銅が優先析出するので、Cu/Sn組成比の電流密度依存性を抑制することが困難となり、低電流密度側で銀白色のめっき皮膜が得られない場合がある。また、使用量の過剰は、めっき液の粘性が高くなって良好なめっき皮膜が得られない場合がある。
【0048】
銅−錫合金めっき浴のpH範囲は、弱酸性〜強酸性の範囲であり、具体的にはpH0以下の強酸性〜pH2.0 未満である。pHが高すぎると平滑性に欠けためっき皮膜になるので、好ましくない。また、pH調整剤として塩酸、硫酸等の各種の酸、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の各種の塩基などが使用できる。また、めっき浴のpH変動を少なくするために、pH緩衝剤を添加してもよく、pH緩衝剤には、周知のものが使用でき、例えば、リン酸、酢酸、硼酸、酒石酸のそれぞれナトリウム、カリウム及びアンモニウムの塩、さらには多塩基酸の場合には、水素イオンを含む酸性塩などを単独又は適宜混合して使用できる。pH緩衝剤の使用量は、5〜50g /L 程度が適当であり、好ましくは10〜20 g/L 程度である。
【0049】
また、銅−錫合金めっき浴中の2価の錫イオンは自然酸化を受け易いので、酸化を防止するために錫及び錫合金めっき技術においてその添加が周知である酸化防止剤を使用することができる。酸化防止剤には、周知のものが使用でき、例えは、レゾルシノール、カテコール、ピロカテコール、ハイドロキノン、フロログリシノール、ピロガロール、ヒドラジン、アスコルビン酸などを単独又は適宜混合して使用できる。酸化防止剤の使用量は、0.05〜50g /L 程度が適当であり、好ましくは0.1 〜10 g/L である。
【0050】
さらに、本実施の形態に係るめっき浴においては、析出物の結晶を微細化するための添加剤を使用してもよい。当該添加剤には錫めっき又は錫合金めっき技術において周知の物質を利用することができるが、以下に挙げる添加剤を単独又は適宜混合添加して使用するのが好ましい。
【0051】
ゼラチン、ペプトン、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドンなどの高分子物質。なお、当該各添加剤の使用量は、0.5 〜50g /L 程度が適当であり、好ましくは1〜20g /L である。
【0052】
一般式(7):
【0053】
【化5】
【0054】
[ここで、Raは水素又はアルキル基(C1〜C4)を表し、Rbは水素、アルキル(C1〜C4)又はフェニル基を表し、Rcは水素又は水酸基を表し、Aは単結合、アルキレン、ベンジリデン又はフェニレン基を表す。]で表されるスルファニル酸誘導体及びその塩。
【0055】
一般式(8):
【0056】
【化6】
【0057】
[ここで、Raは水素又はアルキル基(C1〜C4)を表し、Rbは水素又はメチル基を表し、nは2〜15の整数を表す。]で表されるキノリン類。
【0058】
一般式(9):
【0059】
【化7】
【0060】
[ここで、Xは水素、ハロゲン、アルキル(C1〜C4)、アセチル、アミノ基、水酸基又はカルボキシル基を表し、Yは水素又は水酸基を表し、nは0〜12の整数を表す。]で表されるトリアゾール及びその誘導体。
【0061】
一般式(10):
【0062】
【化8】
【0063】
[ここで、R1、R2、R3、R4、R5は、それぞれ同一又は異なってもよく、−H 、−SH、−OH、−OR(Rは所望により−COOHで置換されていてもよいC1〜C6のアルキル基)、ハロゲン、−COOH、−COCOOH、アリール、−SR(Rは所望により−COOHにて置換されていてもよいC1〜C6のアルキル基)、
【0064】
【化9】
【0065】
−NH2 、−NRR'(R及びR’はC1〜C6のアルキル基又は一緒になって環を形成してもよい)、−NHCOR (RはC1〜C6のアルキル基)、−NHCOアリール、−NHNH2 、−NO2 、−CONHアリール、−CSNHアリール、−CN、−CHO 、−SO3H、−SO2NH2又は−SO2NRR’(R及びR’はC1〜C6のアルキル基又は一緒になって環を形成してもよい)を表す。]で表されるべンゾチアゾール及びその誘導体。
【0066】
一般式(11):
【0067】
【化10】
【0068】
[ここで、X及びYは、それぞれ独立に水素又は水酸基を表し、Ra及びRbは、それぞれ独立にアルキル基(C1〜C5)を表す。]で表されるイミン類。
【0069】
一般式(12):
【0070】
【化11】
【0071】
[ここで、Xは、水素、ハロゲン又はアルキル基(C1〜C4)を表し、Yは水素又は水酸基を表し、nは0〜12の整数を表す。]で表されるトリアジン類。
【0072】
一般式(13):
【0073】
【化12】
【0074】
[ここで、Ra及びRbは、同一又は異なっていてもよく水素、アルキル(C1〜C18 )、アルコキシ(C1〜C18 )又はシクロアルキル基(C3〜C7)を表し、Aは低級アルキレン基を表す。]で表されるトリアジン類。
【0075】
一般式(14):
【0076】
【化13】
【0077】
[ここで、Rは、アルキル(C1〜C4)又はフェニル基を表す。]で表される芳香族オキシカルボン酸のエステル類。
【0078】
一般式(15):Ra−CRb =CH−CO−X−Rc
【0079】
[ここで、Ra及びRcはフェニル、ナフチル、ピリジル、キノリル、チエニル、フリル、ピロニル、アミノ、水酸基又は水素から選ばれた基であり、該基はアルキル(C1〜C6)、アルキルオキシ(C1〜C6)、アシル(C1〜C6)、アルキルチオ(C1〜C6)、水酸基、ハロゲン、カルボキシル基、ニトロ基及び−NRdRe (Rd及びReは、同一又は異なってよく、各々水素又はアルキル基(C1〜C4)を表す)から選はれた同一又は異なる置換基を1〜4個有してもよく、或いはRaとRcは結合して環状となってもよく、或いは、RcはRa−CRb =CH−CO−に等しくてもよい。Xは単結合もしくはメチレン基である。Rbは水素又はアルキル(C1〜C4)である。]で表されるC=Oと共役の位置に二重結合を有する化合物。
【0080】
一般式(16):R−CHO
【0081】
[ここで、Rはアルキル(C1〜C6)、アルケニル(C2〜C6)、アルキニル(C2〜C6)、フェニル、ナフチル、アセナフチル、ピリジル、キノリル、チエニル、フリル、インドール、ピロニル、アルデヒド基又は水素から選ばれた基であり、該基はアルキル(C1〜C6)、フェニル、アルキルオキシ(C1〜C6)、アシル(C1〜C6)、アルキルチオ(C1〜C6)、水酸基、ハロゲン、ニトロ基及び−NRaRb (Ra及びRbは、同一又は異なってよく、各々水素又はアルキル(C1〜C4)を表す)から選ばれた同一又は異なる置換基を1〜4個有してもよい。]で表されるアルデヒド類。
【0082】
一般式(17):Ra−CO−(CH2) n −CO−Rb
【0083】
[ここで、Ra及びRbは、同一又は異なってもよく、水素、アルキル基(C1〜C6)又は−C2H4−CO−CO−C2H5を表し、nは0〜2の整数である。]で表されるジケトン類。
【0084】
一般式(18):Ra−NH−Rb
【0085】
[ここで、Raはフェニルを表し、該基は、アルキル(C1〜C3)、ハロゲン又はアミノ基で置換されてもよい。Rbは水素、アルキル基(C1〜C3)、−NH−CS−N =N −φ、−CH2 又は−φ−NH2 を表す。φはフェニル基を表す。]で表されるアニリン誘導体。
【0086】
一般式(19):
【0087】
【化14】
【0088】
[ここで、Ra及びRbは、それぞれ独立に水素、低級アルキル、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基又はスルホン酸基を表す。]で表されるニトロ化合物又はそのナトリウム、カリウム又はアンモニウム塩。
【0089】
一般式(20):HOOC−CHR −SH
【0090】
[ここで、R は水素又はアルキル基(C1〜C2)を表し、該アルキル基の水素はカルボキシル基で置換されていてもよい。]で表されるメルカプトカルボン酸類。
【0091】
1,10−フェナントロリン、2−ビニルピリジン、キノリン、インドール、イミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、1,2,3−(又は1,2,4−又は1,3,5−)トリアジン、1,2,3−ベンゾトリアジン、2−メルカプトベンゾオキサゾール及び2−シンナミルチオフェンから選ばれる複素環式化合物類。
【0092】
アセトフェノン及びハロゲン化アセトフェノン。
【0093】
一般式(21):
【0094】
【化15】
【0095】
[ここで、Ra、Rb及びRcは、それぞれ独立に、水素、メチル、エチル基又は(CH2) n −CH(Rd)(OH)を表し、Ra、Rb及びRcのうち少なくとも一つは−(CH2) n −CH(Rd)(OH)である。Rdは水素又はメチル基を表し、nは1又は2の整数を表す。]で表されるアミンアルコール類。
【0096】
前記一般式(16)から選ばれるアルデヒド類と前記一般式(18)から選ばれるアニリン誘導体又は
【0097】
一般式(22):Ra−NH−Rb
【0098】
[ここで、Ra及びRbは水素、アルキル(C1〜C6)又はシクロアルキル基(C3〜C8)を表す。該Ra及びRbの水素は水酸基、アミノ基で置換されていてよく、また、結合して又は−NH−又は−O −を介して結合して環を形成してもよい。ただし、該Ra及びRbは同時に水素であることはない。]で表される脂肪族一級又はニ級アミン類から選ばれるアミン類との反応生成物。
【0099】
なお、上掲各添加剤の使用量は0.005 〜30g /L が適当であり、好ましくは0.02〜20g /L である。
【0100】
上掲各添加剤のうち、特に好適なものを以下に挙げる。
【0101】
前記一般式(7)で表わされるスルファニル酸誘導体及びその塩として、N−ブチリデンスルファニル酸、N−(3−ヒドロキシブチリデン)−p−スルファニル酸及びアルドール。
【0102】
前記一般式(8)で表わされるキノリン類として、8−ヒドロキシキノリンに5モルの酸化プロピレンを付加した生成物。
【0103】
前記一般式(9)で表わされるトリアゾール及びその誘導体として、ベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4−カルボキシベンゾトリアゾール及び4−メチルベンゾトリアゾール。
【0104】
前記一般式(10)で表わされるべンゾチアゾール及びその誘導体として、べンゾチアゾール、2−メチルベンゾチアゾール、2−メルカブトベンゾチアゾール、2−アミノ−4−クロロベンゾチアゾ−ル、2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾ−ル、2−ヒドロキシベンゾチアゾール、2−クロロベンゾチアゾール、2−メチル−5−クロロベンゾチアゾール、2,5−ジメチルベンゾチアゾール、5−ヒドロキシ−2−メチルベンゾチアゾール、6−クロロ−2−メチル−4−メトキシベンゾチアゾ−ル、2−(n−ブチル)メルカプト−6−アミノベンゾチアゾール、2−ベンゾチアゾールチオ酢酸、2−ベンゾチアゾールオキシ酢酸及び6−エトキシ−2−メルカプトベンゾチアゾール。
【0105】
前記一般式(11)で表わされるイミン類として、N,N’−ジイソブチリデン−O−フェニレンジアミン。
【0106】
前記一般式(12)で表わされるトリアジン類として、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル(1’)エチル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチルイミダゾリル(1’)エチル−1,3,5−トリアジン及び2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル(1’)エチル−1,3,5−トリアジン。
【0107】
前記一般式(13)で表わされるトリアジン類として、β−N−ドデシルアミノプロピオグアナミン、β−N−へキシルアミノプロピオグアナミン、ピペリジンプロピオグアナミン、シクロヘキシルアミノプロピオグアナミン、モルホリンプロピオグアナミン、β−N−(2−エチルヘキシロキシプロピルアミノ)プロピオグアナミン及びβ−N−(ラウリルオキシプロピルアミノ)プロピオグアナミン。
【0108】
前記一般式(14)で表わされる芳香族オキシカルボン酸のエステル類として、o−(又はm−又はp−)安息香酸メチル及びサリチル酸フェニル。
【0109】
前記一般式(15)で表わされるC=0と共役の位置に二重結合を有する化合物として、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、クロトン酸、イタコン酸、プロピレン−1 ,3−ジカルボン酸、桂皮酸、アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、N−メトキシジメチルアクリルアミド、クルクミン、イソホロン、メシチルオキシド、ビニルフェニルケトン、ビフェニルプロペニルケトン、フェニルイソブテニルケトン、フェニル−2−メチルプロペニルケトン、べンジリデンアセチルアセトン、2−(ω−ベンゾイル)ビニルフラン、p−フルオロ又はクロロフェニルプロペニルケトン、p−ヒドロキシフェニルプロペニルケトン、m−ニトロフェニルプロペニルケトン、p−メチルフェニルプロペニルケトン、2,4,6−トリメチルフェニルプロペニルケトン、p−メトキシフェニルプロペニルケトン、p−メトキシフェニルブテニルケトン、p−メチルフェニルプロペニルケトン、p−イソブチルフェニルプロペニルケトン、α−ナフチル−1−メチルプロペニルケトン、4−メトキシナフチルプロペニルケトン、2−チエニルプロペニルケトン、2−フリルプロペニルケトン、1−メチルピロールプロペニルケトン、ベンジリデンメチルエチルケトン、ベンジリデンアセトンアルコール、p−トルイデンアセトン、p−ヒドロキシベンジリデンアセトン、ベンジリデンメチルイソブチルケトン、3−クロロベンジリデンアセトン、ベンザルアセトン、sub ,ピリジリデンアセトン、sub ,フルフリジンアセトン、sub ,テニリデンアセトン、4−(1−ナフチル)−3−ブテン−2−オン、4−(2−フリル)−3−ブテン−2−オン、4−(2−チオフェニル)−3−ブテン−2−オン、(2,4−又は3,4−)ジクロロアセトフェノン、ベンジリデンアセトフェノン、アクロレイン、アリルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド、ベンジルクロトンアルデヒド及びテニリデンアセトン。
【0110】
前記一般式(16)で表わされるアルデヒド類として、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−バレルアルデヒド、グリオキサール、スクシンアルデヒド、カプロンアルデヒド、イソバレルアルデヒド、アリルアルデヒド、グルタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、プロパルギルアルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド、o−フタルアルデヒド、サリチルアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、o−(又はm−又はp−)メトキシベンズアルデヒド、o−バニリン、ベラトルアルデヒド、2,5−ジメトキシベンズアルデヒド、(2,4−又は2,6−)ジクロロベンズアルデヒド、m−(o−又はp−)クロロベンズアルデヒド、1−(又は2−)ナフトアルデヒド、2(又は4)−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド、2(又は4)−クロル−1−ナフトアルデヒド、5−(又は2−)メトキシナフトアルデヒド、ピコリンアルデヒド、3−アセナフトアルデヒド、2(又は3)−チオフェンカルボキシアルデヒド、2(又は3)−フルアルデヒド、ピコリンアルデヒド、3−インドールカルボキシアルデヒド、1−ベンジリデン−7−ヘプテナール、2,4−ヘキサジエナール及びベンジルクロトンアルデヒド。
【0111】
前記一般式(17)で表わされるジケトン類として、グリオキサール、ジアセチル、3,4−ヘキサンジオン、アセチルアセトン及び3,4−ヘキサンジオンアセチルアセトン。
【0112】
前記一般式(18)で表わされるアニリン誘導体として、アニリン、o−(又はm−又はp−)トルイジン、(o−又はp−)アミノアニリン、(o−又はp−)クロルアニリン、(2,5−又は3,4−)クロルメチルアニリン、N−モノメチルアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N−フェニル−(α−又はβ−)ナフチルアミン及びジチゾン。
【0113】
前記一般式(19)で表わされるニトロ化合物又はそのナトリウム、カリウム又はアンモニウム塩として、p−ニトロフェノール、ニトロベンゼンスルホン酸、2,4−ジニトロベンゼンスルホン酸及びm−ニトロ安息香酸。
【0114】
前記一般式(20)で表わされるメルカプトカルボン酸類として、チオグリコール酸及びメルカプトコハク酸。
【0115】
前記アセトフェノン及びハロゲン化アセトフェノンとして、アセトフェノン及び、2,4−(又は3,4−)ジクロロアセトフェノン。
【0116】
前記一般式(21)で表わされるアミンアルコール類として、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン及びN−メチルエタノールアミン。
【0117】
前記脂肪族一級又はニ級アミン類から選ばれるアミン類との反応生成物として、アミン−アルデヒド縮合物、例えば、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、シクロプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロオクチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどの前記一般式(22)で表わされる脂肪族第一若しくは第ニアミン類又は前記前記一般式(18)で表わされる芳香族アミン類と前記一般式(16)で表わされるアルデヒド類との縮合物。
【0118】
本実施の形態に係る銅−錫合金めっき浴を用いためっきに際しては、浴温を0℃以上、好ましくは1〜40℃とする。浴温が高すぎると低電流密度側で銀白色のめっき皮膜が得られず、広い電流密度領域で緻密な銀白色のめっき皮膜が得られない可能性があるので、好ましくない。
【0119】
なお、銅−錫合金めっきの下地めっきとして、電気めっき及び/又は無電解めっきによって銅めっき及びその他のめっきを施してもよい。また、各種添加剤の含有濃度は、バレルめっき、ラックめっき、高速連続めっき、ラックレスめっきなどに対応して任意に調整・選択すればよい。
【0120】
本実施の形態では、メチオニンを使用することにより、高電流密度から低電流密度までの広い電流密度領域でめっき皮膜のCu/Sn組成比がきわめて安定になり、めっき皮膜の外観や緻密性が向上し、電流密度 0.1〜1.0A/dm2 において銀白色のめっきを施すことができ、電流密度依存性の小さい銅−錫合金めっき皮膜を得ることができる。さらに、排水処理時においては、pHを中性〜弱アルカリ性に調整するだけで銅イオン及び錫イオンを容易に沈降分離できるので、排水処理が容易で環境に優しい銅−錫合金めっき浴を提供することができる。
【0121】
実施の形態2.
【0122】
本実施の形態に係る銅−錫合金めっき浴は、前記実施の形態1における可溶性銅塩、可溶性第一錫塩、有機酸又は無機酸、メチオニン及び/又はメチオニン誘導体に、更に、ノニオン系界面活性剤が含有されてなるものであり、これにより、銀白色のめっきを施すことができるものである。
【0123】
ノニオン系界面活性剤の存在によって、メチオニンとの相乗効果により、めっき皮膜中のCu/Sn 組成比の電流密度依存性を抑制しつつ、さらに、めっき皮膜をより一層緻密化させることができる。ノニオン系界面活性剤のめっき浴に対する好ましい含有量は0.5 〜20g /L である。使用量の不足は緻密な銅−錫合金めっき皮膜を広い電流密度領域において得るという効果が得られず、高電流密度側で平滑性に欠けためっき皮膜になる場合がある。また、使用量の過剰は電流密度を低下させ、皮膜組成の均一性を低下させる場合がある。
【0124】
本実施の形態におけるノニオン系界面活性剤は、C1〜C20 アルカノール、フェノール、ナフトール、ビスフェノール類、C1〜C25 アルキルフェノール、アリールアルキルフェノール、C1〜C25 アルキルナフトール、C1〜C25 アルコキシル化リン酸(塩)、ソルビタンエステル、スチレン化フェノール、ポリアルキレングリコール、C1〜C22 脂肪族アミン、C1〜C22 脂肪族アミドなどにエチレンオキシド(EO)及び/又はプロピレンオキシド(PO)を2〜300 モル付加縮合したものであり、所定のアルカノール、フェノール、ナフトールなどのEO単独の付加物、PO単独の付加物、或は、EOとPOが共存した付加物のいずれでも良く、具体的には、α−ナフトール又はβ−ナフトールのエチレンオキシド付加物(即ち、α−ナフトールポリエトキシレートなど)が好ましい。
【0125】
エチレンオキシド(EO)及び/又はプロピレンオキシド(PO)を付加縮合させるC1〜C20 アルカノールとしては、オクタノール、デカノール、ラウリルアルコール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、ステアリルアルコール、エイコサノール、セチルアルコール、オレイルアルコール、ドコサノール、などが挙げられる。同じくビスフェノール類としては、ビスフェノールA、ビスフェノールBなどが挙げられる。C1〜C25 アルキルフェノールとしては、モノ、ジ、若しくはトリアルキル置換フェノール、例えば、p−ブチルフェノール、p−イソオクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−ヘキシルフェノール、2,4−ジブチルフェノール、2,4,6−トリブチルフェノール、p−ドデシルフェノール、p−ラウリルフェノール、p−ステアリルフェノールなどが挙げられる。アリールアルキルフェノールとしては、2−フェニルイソプロピルフェニルなどが挙げられる。
【0126】
C1〜C25 アルキルナフトールのアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチルヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシルなどが挙げられ、ナフタレン核の任意の位置にあって良い。C1〜C25 アルコキシル化リン酸(塩)は、
一般式:Ra・Rb・(MO)P=0
〔式中、Ra及びRbは同一又は異なるC1〜C25 アルキル、但し、一方がHであっても良い。MはH又はアルカリ金属を示す。〕で表されるものである。
【0127】
ソルビタンエステルとしては、モノ、ジ又はトリエステル化した1,4−、1,5−又は3,6−ソルビタン、例えはソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンジオレエート、ソルビタン混合脂肪酸エステルなどが挙げられる。C1〜C22 脂肪族アミンとしては、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミンなどの飽和及び不飽和脂肪酸アミンなどが挙げられる。C1〜C22 脂肪族アミドとしては、プロピオン酸、酪酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などのアミドが挙げられる。
【0128】
即ち、ノニオン系界面活性剤として、好適にはポリオキシエチレンα−ナフトール、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル及びポリオキシエチレンラウリルアミンであり、その外、ポリオキシエチレンアルキルアミンを併用してもよい。
【0129】
本実施の形態では、前記ノニオン系界面活性剤を使用することにより、メチオニンとの相乗効果により、銅−錫合金めっき皮膜中の銅/錫組成比の電流密度依存性を抑制しつつ、銅−錫合金めっき皮膜の外観、緻密性及び平滑性が顕著に向上し、電流密度 0.1〜20A /dm2 において銀白色のめっきを施すことができる。
【0130】
【実施例】
以下、実施例及び比較例について説明する。
【0131】
実施例1.
【0132】
(銅−錫合金めっき浴組成)
硫酸第一錫(Sn2+として) :0.0526 mol/L 、
硫酸銅(Cu2+として) :0.1474 mol/L 、
スルホコハク酸 :1mol /L 、
L −メチオニン :0.4mol/L 、
めっき浴Cu/Sn組成比 :60/40mass%。
【0133】
実施例2.
【0134】
(銅−錫合金めっき浴組成)
硫酸第一錫(Sn2+として) :0.0526 mol/L 、
硫酸銅(Cu2+として) :0.1474 mol/L 、
スルホコハク酸 :1mol /L 、
L −メチオニン :0.4mol/L 、
α−ナフト−ルポリエトキシレート(EO10):3g /L 、
めっき浴Cu/Sn組成比 :60/40mass%。
【0135】
実施例3.
【0136】
(銅−錫合金めっき浴組成)
硫酸第一錫(Sn2+として) :0.0526 mol/L 、
硫酸銅(Cu2+として) :0.1474 mol/L 、
スルホコハク酸 :1mol /L 、
L −メチオニン :0.4mol/L 、
α−ナフト−ルポリエトキシレート(EO10):3g /L 、
ポリオキシエチレンアルキルアミン :3g /L 、
めっき浴Cu/Sn組成比 :60/40mass%。
【0137】
比較例1.
【0138】
(銅−錫合金めっき浴組成)
硫酸第一錫(Sn2+として) :0.0526 mol/L 、
硫酸銅(Cu2+として) :0.1474 mol/L 、
スルホコハク酸 :1mol /L 、
めっき浴Cu/Sn組成比 :60/40mass%。
【0139】
比較例2.
【0140】
硫酸第一錫(Sn2+として) :0.0526 mol/L 、
硫酸銅(Cu2+として) :0.1474 mol/L 、
スルホコハク酸 :1mol /L 、
α−ナフト−ルポリエトキシレート(EO10):3g /L 、
めっき浴Cu/Sn組成比 :60/40mass%。
【0141】
各白金素地上に2μm の銅めっきを行なった後、前記実施例1〜3並びに比較例1,2の各銅−錫合金めっき浴を使用して浴温25℃,陰極電流密度0.5 A /dm2 で33分20秒間、陰極電流密度2A /dm2 で8分20秒間、それぞれ電気めっきを行い、得られた各銅−錫合金めっき皮膜について、各皮膜のCu/Sn組成比の電流密度依存性試験を行った。当該試験は、各皮膜を溶解した後、高周波プラズマ発光分光分析法(ICP )で定量し、皮膜組成比を分析することにより行った。また、皮膜外観試験は、各皮膜表面の状態を目視観察して評価した。結果を表1に示す。なお、表1中、「○」は均一な銀白色の外観であったことを意味し、「×」は色ムラが認められ、黒色がかった色調であったことを意味する。
【0142】
【表1】
【0143】
実施例1に係る銅−錫合金めっき浴では、低電流密度下(0.5 A /dm2 )での銅−錫合金めっき皮膜において、ニッケルめっきに酷似した銀白色の平滑な外観を呈していた。また、銅−錫合金めっき皮膜におけるCu/Sn組成比の電流密度依存性は小さいことが認められたが、高電流密度下(2A /dm2 )での銅−錫合金めっき皮膜の外観は平滑性が劣っていた。
【0144】
実施例2及び3に係る銅−錫合金めっき浴では、銅−錫合金めっき皮膜におけるCu/Sn組成比の電流密度依存性は低電流密度(0.5A/dm2 )で錫含有率が若干低下したが、ほとんど変わらず、電流密度依存性は小さいことが認められた。しかも、めっき浴における錫含有率と同様の組成比の銅−錫合金めっき皮膜が得られていることから、めっき浴組成の調整によって、40mass%の錫含有率を有する銅−錫組成皮膜、或は、これに近い組成の皮膜を形成できることが確認できた。さらに、本実施例における銅−錫合金めっき皮膜の外観は、いずれもニッケルめっきに酷似した銀白色の平滑な外観を呈していた。
【0145】
比較例1及び2の銅−錫合金めっき浴では、低電流密度(0.5A/dm2 )にて銅が優先析出し、この結果、銅−錫合金めっき皮膜のCu/Sn組成比は低電流密度と高電流密度とで大きく異なっており、銅−錫合金めっき皮膜におけるCu/Sn組成比の電流密度依存性はきわめて大きかった。さらに、本比較例における銅−錫合金めっき皮膜の外観は、いずれも平滑性に劣り、黒ずんでいた。
【0146】
前記各実施例及び比較例より、メチオニンと特定のノニオン系界面活性剤を併用した銅−錫合金めっき浴は、その両方、或はその一方が欠如しためっき浴に比べて、銅−錫合金めっき皮膜におけるCu/Sn組成比の電流密度依存性及びめっき皮膜外観(表面状態)の平滑性の点で優位性が顕著であり、高電流密度から低電流密度までの広い電流密度領域で良好なCu/Sn組成比を安定して達成することができ、めっき皮膜の外観がニッケルめっきに酷似した銀白色を有し、平滑で良好であった。
【0147】
次に、実施例2に係る銅−錫合金めっき浴において、中和沈降試験を行った。
【0148】
めっき浴を希釈せずに水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを中性〜弱アルカリ性に調整し、中和沈降処理を施した。中和沈降処理24時間後、当該処理溶液をNo.5C濾紙(東洋濾紙製)にて沈殿物を濾別分離し、濾液中に残留する錫および銅を高周波プラズマ発光分光分析装置で分析した。その結果を図2に示す。なお、錫及び銅の分析結果は各pH調整時に用いた水酸化ナトリウムの希釈を容量補正した。
【0149】
図2に示すように、高濃度のめっき浴であってもpH7〜10に調整することにより、銅イオン及び錫イオン共に10ppm 以下になった。従って、めっき排水においては、100 倍〜200 倍のめっき浴金属濃度が想定されるから、pHを中性〜弱アルカリ性に調整すれば、ほぼ完全に銅イオンと錫イオンとが沈降分離により除去できる。
【0150】
実施例4〜38,比較例3〜4.
【0151】
表2〜表5に示す組成の各銅−錫合金めっき浴(浴1〜浴31)を用意した。そして、各白金素地上に2μm の銅めっきを行なった後、当該各めっき浴を用いてアノードに錫板,カソードに前記銅めっきを施した白金素地を使用し、表6に示すめっき条件にて、電流密度0.2A/dm2で1時間23分20秒間、電流密度0.3A/dm2で55分34秒間、電流密度0.5A/dm2で33分20秒間、電流密度1.0A/dm2で16分40秒間、電流密度2.0A/dm2で8分20秒間、電流密度3.0A/dm2で5分34秒間、電流密度4.0A/dm2で4分10秒間、それぞれ電気めっきを行った(実施例4〜38,比較例3〜4)。めっき浴のpH調整には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、硫酸及びメタンスルホン酸を用いた。なお、実施例31におけるめっき浴のpHは調整しなかった(強酸性)。また、実施例33のみカソードロッカー(めっき液の撹拌)を用いた。
【0152】
【表2】
【0153】
【表3】
【0154】
【表4】
【0155】
【表5】
【0156】
【表6】
【0157】
得られた各銅−錫合金めっき皮膜について、実施例1〜3,比較例1,2と同様の方法により、各皮膜のCu/Sn組成比の電流密度依存性試験と皮膜外観試験とを行った結果を表6に示す。なお、表6中、外観評価において「光」は銀白色光沢を呈していることを意味し、同じく「半」は半光沢の銀白色を呈していることを意味し、同じく「無」は無光沢の銀白色を呈していることを意味する(後出、表8,9中も同じ。)。
【0158】
メチオニンを単独添加しためっき浴(浴1〜浴4)を用いた実施例4〜8では、電流密度0.2 〜1.0A/dm2 において銀白色のめっき皮膜が得られた。表6中、実施例8は、空白であるが、電流密度0.8A/dm2 において錫含有率60.1mass%の無光沢の銀白色めっき皮膜が得られた。
【0159】
また、メチオニン又はこの誘導体とノニオン系界面活性剤とを併用添加しためっき浴(浴5〜浴29)を用いた実施例9〜38において、いずれも銀白色のめっき皮膜が施されていた。
【0160】
なお、メチオニン無添加のめっき浴(浴30,31)を用いた比較例3,4では、いずれも、銀白色のめっき皮膜は得られなかった。
【0161】
実施例39〜44,
【0162】
表7に示す組成の各銅−錫合金めっき浴(浴32〜浴37)を用意し、表8及び表9に示すめっき条件とした外、実施例4〜38,比較例3〜4と同様にして電気めっきを行った後、電流密度依存性試験と皮膜外観試験とを行った。結果を表8及び表9に示す。なお、表8,9中、電流密度0.1A/dm2は2時間46分40秒間、電流密度5.0A/dm2は3分20秒間、電流密度10.0A /dm2は6分40秒間、電流密度15.0A /dm2は4分26秒間、電流密度20.0A /dm2は3分20秒間の電気めっきである。
【0163】
【表7】
【0164】
【表8】
【0165】
【表9】
【0166】
添加剤及び酸化防止剤を添加しためっき浴(浴32,33)を用いた実施例39,40においても銀白色のめっき皮膜が得られていた。また、メチオニン単独添加のめっき浴(浴34)を用いた実施例41では、電流密度 0.1 A/dm2から銀白色の銅−錫合金めっき皮膜が得られていた。これにより、メチオニン単独添加のめっき浴における電流密度の下限は 0.1 A/dm2であった。
【0167】
メチオニンとノニオン系界面活性剤との併用添加めっき浴(浴35〜浴37)を用いた実施例42〜44によれば、実施例42では、ノニオン系界面活性剤のめっき浴に対する濃度が0.5g/L において、電流密度0.5 〜4A /dm2の範囲で銀白色の銅−錫合金めっき皮膜が得られていた。これにより、ノニオン系界面活性剤のめっき浴に対する濃度の下限は0.5g/L 、上限は前記実施例20より 20g/L であった。さらに、実施例42〜44より、メチオニンとノニオン系界面活性剤との併用添加めっき浴では、電流密度 0.1〜20A /dm2の範囲において銀白色の銅−錫合金めっき皮膜が得られた。
【0168】
【発明の効果】
本発明によれば、非ニッケル及び非シアンのめっき浴から皮膜組成の電流密度依存性が小さく広い電流密度領域において、色調がニッケルめっきに酷似した銀白色の外観及び緻密性に優れた銅−錫合金めっき皮膜を形成することができ、また、実施例に示したとおり、光沢、半光沢及び無光沢の各めっき皮膜を形成することが可能であり、しかも、排水処理時においては、pHを中性〜弱アルカリ性に調整するだけで銅イオン及び錫イオンを容易に沈降分離できるので、排水処理が容易で環境に優しい銅−錫合金めっき浴及び該めっき浴を用いためっき方法を提供することができる。
【0169】
従って、本発明の産業上利用性は非常に高いといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】銅−錫合金めっき浴の電流密度と電着皮膜の錫含有率との関係図である。
【図2】pHと残存金属イオン濃度との関係図である。
Claims (6)
- 可溶性銅塩と、可溶性第一錫塩と、有機スルホン酸と、L- メチオニン、 DL- メチオニン、 N- アセチル -DL- メチオニン及びメチオノールから選ばれるメチオニン及び/又はメチオニン誘導体とを含有して銅/錫組成比が70/30〜20/80に調整された弱酸性〜強酸性の非ニッケル及び非シアンの銅−錫合金めっき浴であって電流密度 0.1 〜 1.0A / dm 2 において銀白色のめっきを施すことができることを特徴とする銅−錫合金めっき浴。
- 有機スルホン酸が、スルホコハク酸及びメタンスルホン酸から選ばれるものである請求項1記載の銅−錫合金めっき浴。
- 請求項1又は2記載の銅−錫合金めっき浴を用いて銀白色のめっきを施すことを特徴とする銅−錫合金めっき方法。
- 可溶性銅塩と、可溶性第一錫塩と、有機スルホン酸と、L- メチオニン、 DL- メチオニン、 N- アセチル -DL- メチオニン及びメチオノールから選ばれるメチオニン及び/又はメチオニン誘導体と、ノニオン系界面活性剤とを含有して銅/錫組成比が70/30〜20/80に調整された弱酸性〜強酸性の非ニッケル及び非シアンの銅−錫合金めっき浴であって電流密度 0.1 〜 20A / dm 2 において銀白色のめっきを施すことができることを特徴とする銅−錫合金めっき浴。
- 有機スルホン酸が、スルホコハク酸及びメタンスルホン酸から選ばれるものであり、ノニオン系界面活性剤が、ポリオキシエチレンα−ナフトール、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル及びポリオキシエチレンラウリルアミンから選ばれるものである請求項4記載の銅−錫合金めっき浴。
- 請求項4又は請求項5記載の銅−錫合金めっき浴を用いて銀白色のめっきを施すことを特徴とする銅−錫合金めっき方法。
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