JPH0663110B2 - ビスマス―錫合金電気のめっき浴 - Google Patents

ビスマス―錫合金電気のめっき浴

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JPH0663110B2
JPH0663110B2 JP63238304A JP23830488A JPH0663110B2 JP H0663110 B2 JPH0663110 B2 JP H0663110B2 JP 63238304 A JP63238304 A JP 63238304A JP 23830488 A JP23830488 A JP 23830488A JP H0663110 B2 JPH0663110 B2 JP H0663110B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ビスマス量が30〜55%(重量%、以下同じ)
の低融点ビスマス−錫合金電気めっき皮膜を形成するこ
とができるビスマス−錫合金電気めっき浴に関する。
〔従来の技術〕
従来、電子部品に半田付けを行なうような場合、錫めっ
きや錫−鉛合金めっきを施すことが行なわれていが、最
近半田付けのためにビスマス−錫(Bi−Sn)合金めっき
が要望されている。
このBi−Sn合金めっき法としては、従来、硫酸浴、有機
スルホン酸浴などが知られている(特開昭63−14887号
公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、これらの硫酸浴及び有機スルホン酸浴は、いず
れもビスマスが貴の金属であるため、浴中のビスマスイ
オンが置換反応を起こし易く、被めっき物を浴中に浸漬
するとき或いはBi−Sn合金めっきが施された被めっき物
を浴から引き上げるとき、被めっき物が通電されていな
いと被めっき物やその表面に電気めっきされたBi−Sn皮
膜上にBiが置換析出する。また、Bi−Sn合金陽極上にも
非通電時にBiが置換析出する。このように、被めっき物
にめっき前にBiが置換析出することは、その上にBi−Sn
合金めっき皮膜が形成された場合、その密着を損ない、
また得られたBi−Sn合金めっき皮膜上にBiが置換析出す
ることは、Bi−Sn合金めっき皮膜の特性を損なう。更
に、Bi−Sn合金陽極にBiが置換析出することは、めっき
作業を困難にする。しかも、Biが置換析出した場合、こ
れによって消費したBiを補給しなければならない。
このため、被めっき物或いはその上に形成されたBi−Sn
合金めっき皮膜へのBiの置換を防止する対策として、被
めっき物を浴中に浸漬するとき及び浴中から引き上げる
ときに被めっき物を通電することが必要となる。また、
Bi−Sn合金陽極はめっき作業の終了と同時に浴から引き
上げ、めっき作業の開始時に再び浴中に吊り下げるとい
う作業が必要となり、かなりの手間を要する。
また、従来の硫酸浴は浴の安定性が悪く、しかもビスマ
ス塩の溶解度が低いので、Bi量の低いBi−Sn合金めっき
皮膜しか得られず、低融点とならないという問題があ
る。
一方、有機スルホン酸浴として、上述したように特開昭
63−14887号公報に記載のものが知られているが、これ
に開示されたBi−Sn合金めっき浴からは電流密度が0.3A
/dm以下でBi量が30%以上のBi−Sn合金めっき皮膜は
得られていない。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、Bi量が多
く、低融点のBi−Sn合金めっき皮膜を低電流密度から高
電流密度の広い範囲に亘って確実に得ることができ、ま
た、非通電時において被めっき物やBi−Sn合金陽極にBi
の置換析出のないBi−Sn合金電気めっき浴を提供するこ
とを目的とする。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行なっ
た結果、ビスマス塩をビスマスとして5〜30g/、第
1錫塩を錫として1〜6g/、無機酸又は有機スルホン
酸を50〜400g/、グルコン酸を20〜200g/含有し、
かつビスマスと2価の錫との含有割合を1:1〜10:1とす
ることにより、Bi量が30〜55%の高Bi量のBi−Sn合金電
気めっき皮膜を形成することが可能になり、しかもこの
浴は低電流密度でもめっき皮膜中にBiが入り易く、バレ
ルめっきにおいても高Bi量で低融点のBi−Sn合金めっき
皮膜が得られることを知見した。更に、この浴はBiの置
換析出が生じ難く、被めっき物を通電しながら浴中に浸
漬したり浴中から引き上げたりしなくとも被めっき物或
いはBi−Sn合金めっき皮膜上にBiが置換析出せず、また
Bi−Sn合金陽極やSn陽極にも非通電時にBiの置換析出が
なく、このため作業終了時に陽極を浴から引き上げるよ
うな必要がなく、従って作業性が良好であることを見い
出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、ビスマス塩をビスマスとして5〜30
g/、第1錫塩を錫として1〜6g/、無機酸又は有
機スルホン酸を50〜400g/、グルコン酸を20〜200g/
含有し、かつビスマスと2価の錫との含有割合が重量
比として1:1〜10:1であることを特徴とするビスマス−
錫合金電気めっき浴を提供する。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明浴において使用されるビスマス塩としては、硫酸
ビスマス,メタンスルホン酸ビスマス,フェノールスル
ホン酸ビスマス等の有機スルホン酸ビスマス、グルコン
酸ビスマスなどが挙げられる。また、第1錫塩として
は、硫酸錫,塩化錫,有機スルホン酸錫,グルコン酸錫
などが挙げられる。
これらビスマス塩,第1錫塩の浴中の含有量は種々選定
されるが、ビスマス塩はビスマスとして5〜30g/、
特に8〜20g/とすることが好ましく、第1錫塩は錫
として1〜6g/、特に2〜5g/とすることが好まし
い。この場合、ビスマスと2価の錫との含有割合は、重
量比として1:1〜10:1、特に2:1〜6:1とするもので、こ
れにより高Bi量で低融点のBi−Sn合金めっき皮膜を得る
ことができる。これに対し、ビスマス量が上記範囲より
少ない場合は、ビスマスの析出量が少なくなって低融点
のBi−Sn合金めっき皮膜が得難くなり、またビスマス量
が多くなり過ぎると、ビスマスの共析量が共晶点よりも
多くなり過ぎて、かえって低融点皮膜が得られない場合
が生じる。また、金属(ビスマスと2価の錫)の総含有
量は6〜36g/、特に10〜25g/とすることが好まし
く、金属総量をかかる範囲とすることにより、低電流密
度部でも高Bi量のBi−Sn合金めっき皮膜がより確実に形
成し得る。
また、無機酸としては、硫酸、塩酸、硝酸等が挙げられ
る。有機スルホン酸としては、置換又は未置換のアルカ
ンスルホン酸、ヒドロキシアルカンスルホン酸,ベンゼ
ンスルホン酸,ナフタレンスルホン酸などを挙げること
ができる。
ここで、未置換のアルカンスルホン酸としては C2n+1SOH (但し、nは1〜5、好ましくは1又は2である) 示されるものが使用でき、未置換のヒドロキシアルカン
スルホン酸としては (但し、mは0〜2、lは1〜3である) で示されるものが使用できる。また、置換アルカンスル
ホン酸、ヒドロキシアルカンスルホン酸としてはそのア
ルキル基の水素原子の一部がハロゲン原子、アリール
基、アルキルアリール基、カルボキシル基、スルホン酸
基などで置換されたものが使用できる。一方、ベンゼン
スルホン酸,ナフタレンスルホン酸は、下記式 で示されるものであるが、置換ベンゼンスルホン酸、ナ
フタレンスルホン酸としては、ベンゼン環、ナフタレン
環の水素原子の一部が水酸基、ハロゲン原子、アルキル
基、カルボキシル基、ニトロ基、メルカプト基、アミノ
基、スルホン酸基などで置換されたものが使用できる。
具体的には、有機カルボン酸として、メタンスルホン
酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、2−プロ
パンスルホン酸、ブタンスルホン酸、2−ブタンスルホ
ン酸、ペンタンスルホン酸、クロルプロパンスルホン
酸、2−ヒドロキシエタン−1−スルホン酸、2−ヒド
ロキシプロパン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシブタ
ン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシペンタンスルホン
酸、アリルスルホン酸、2−スルホ酢酸、2−又は3−
スルホプロピオン酸、スルホこはく酸、スルホマレイン
酸、スルホフマル酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンス
ルホン酸、キシレンスルホン酸、ニトロベンゼンスルホ
ン酸、スルホ安息香酸、スルホサルチル酸、ベンズアル
デヒドスルホン酸、p−フェノールスルホン酸などが例
示され、これらの1種又は2種以上を組み合せて用いる
ことができる。
上記酸の含有量は、浴中50〜400g/、特に100〜200g
/とすることが好ましい。
本発明浴には、更にグルコン酸が含有されるが、その含
有量は20〜200g/、特に30〜100g/とすることが好
ましく、その含有量が少な過ぎるとビスマスを十分錯化
し得ず、水酸化ビスマスの沈殿を生じる場合がある。逆
に多過ぎると結晶の微細化を阻害する場合がある。
本発明に係るめっき浴には、上記成分に加え、必要によ
りアルキルノニルフェニルエーテル等のノニオン界面活
性剤を添加することができ、かかる活性剤の添加により
均一かつ微細な結晶を得ることができる。なお、上記活
性剤の含有量は0.1〜20g/、特に4〜8g/とするこ
とが好適である。更に、本発明浴にはゼラチン,ペプト
ン,その他の適宜な添加剤を添加することもできる。
本発明のBi−Sn合金電気めっき浴を用いてめっきを行な
う場合の条件としては、特に制限されるものではない
が、陰極電流密度は0.1〜5A/dmとすることができ、
めっき温度は15〜30℃を採用することができる。また、
攪拌は液流、カソードロッカー等の機械的攪拌を採用し
得る。陽極としては、Bi−Sn合金、Bi金属、Sn金属を用
いることができ、場合によっては白金付チタン板、カー
ボン等の不溶性陽極を用いることができる。この場合、
本発明浴はBiの置換析出が生じ難いので、Bi−Sn合金陽
極、Sn陽極はめっき作業終了後にそのまま浴中に放置し
ておくことができ、放置したままでもこれら陽極表面に
Biの置換膜は形成されないものである。
被めっき物は適宜選択されるが、本発明のめっき浴は上
述したようにBiの置換析出が生じ難いので、被めっき物
を浴中に浸漬する場合や浴中から引き上げる場合に非通
電状態で行なうことができる。
なお、被めっき物はバレル法によりめっきすることもで
きる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、Bi量が30〜55%で、融点が140〜160℃
のBi−Sn合金めっき皮膜を広い電流密度範囲に亘って形
成することができ、またBiの置換析出が防止されるの
で、作業が簡便化される。従って、本発明は半田付を目
的とした電子部品のめっき等に好適に採用される。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本
発明は下記の実施例に制限されるものではない。
〔実施例〕
下記組成のめっき浴を調製し、下記条件でめっきを行な
った。得られためっき皮膜の外観及び皮膜中のBi量を下
記に示す。
なお、比較例3,4の浴は被めっき物を浸漬するとBiの置
換析出が生じたが、実施例の浴及び比較例1,2の浴はBi
の置換析出は起こらなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−5034(JP,A) 特開 昭62−222096(JP,A) 特公 昭41−17126(JP,B1) 特公 昭61−895(JP,B2) 特公 昭59−10997(JP,B2) 特公 昭59−52237(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビスマス塩をビスマスとして5〜30g/
    、第1錫塩を錫として1〜6g/、無機酸又は有機ス
    ルホン酸を50〜400g/、グルコン酸を20〜200g/含
    有し、かつビスマスと2価の錫との含有割合が重量比と
    して1:1〜10:1であることを特徴とするビスマス−錫合
    金電気めっき浴。
JP63238304A 1988-09-22 1988-09-22 ビスマス―錫合金電気のめっき浴 Expired - Fee Related JPH0663110B2 (ja)

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