JP2023049693A - 置換インジウムメッキ浴 - Google Patents

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Abstract

【課題】均一性と外観に優れたインジウム皮膜を得ることができる、還元剤を用いない置換インジウムメッキ浴を提供する。【解決手段】(A)可溶性インジウム塩と、(B)酸又はその塩と、(C)チオ尿素類と、(D)チオール類及びスルフィド類から選ばれた含イオウ化合物の少なくとも一種とを含有する置換型インジウムメッキ浴である。チオ尿素類の単用では黒ずんで粗い外観の皮膜しか得られないのに対して、チオ尿素類にスルフィド類及びチオール類からなる所定の含イオウ化合物を併用することで、均一で光沢のある白色外観を具備したインジウム皮膜が得られる。【選択図】なし

Description

本発明は還元剤を用いない置換インジウムメッキ浴に関して、均一性に優れ、光沢のある白色外観の皮膜を形成できるものを提供する。
インジウムは導電性に優れるうえ、透明であり、融点がスズ(232℃)に比して156.4℃と低いので、液晶やプラズマなどのパネルディスプレイの電極に利用される外、スズに替わる低融点のハンダ接合材料として、近年とみに注目されている。
インジウムを用いた無電解メッキ浴の従来技術は余り多くはないが、次のものがある。
(1)特許文献1
インジウムとチオ尿素又はその誘導体を含有した、還元剤を用いない置換型インジウムメッキ浴である。
実施例1のメッキ浴は、可溶性インジウム塩と、チオ尿素と、塩酸からなる(第3頁左上欄)。
実施例2は、可溶性インジウム塩と、チオ尿素と、硫酸からなる(第3頁右上欄)。
また、参考例1には可溶性インジウム塩と、NaBH4(還元剤)と、 エチレンジアミン四酢酸( EDTA)のNa塩と、トリエタノールアミンと、チオジグリコール酸を含有する還元型のインジウムメッキ浴が記載される(第3頁右上欄~左下欄)。
(2)その他の特許文献
無電解メッキ浴は置換型のメッキ浴と還元剤を用いた還元型のメッキ浴に分類できるが、後者の還元型の無電解インジウムメッキ浴を挙げると、次の通りである。
(i)特許文献2~3
特許文献2は、可溶性インジウム塩と、還元剤としての水素化ホウ素化合物と、EDTA又はその塩と、トリエタノールアミンからなる無電解インジウムメッキ浴に関する。
この場合、水素化ホウ素化合物の分解を防止する安定剤として、酢酸鉛、硫酸鉛、チオジグリコール酸などを添加できる(第3頁左上欄及び実施例1参照)。
また、特許文献3は、可溶性インジウム塩と、還元剤としての水素化ホウ素化合物と、錯化剤としてのニトリロ三酢酸(NTA)又はその塩からなる無電解インジウムメッキ浴に関する。
この場合、酢酸鉛、硫酸鉛などの鉛系、酢酸亜鉛、塩化亜鉛などの亜鉛系、或いはチオジグリコール酸、チオ尿素などの有機化合物系の安定剤を添加できる(第3頁左下欄~右下欄参照)。
(ii)特許文献4~6
特許文献4は、ニッケル、亜鉛、インジウム、アンチモンなどの特定の金属析出用の無電解メッキ浴に関して、還元剤に三塩化チタンを用いる。
同文献4の実施例4には、可溶性インジウム塩と、三塩化チタンと、インジウムの錯化剤としてのクエン酸と、チタンの錯化剤としてのNTAを含む無電解インジウム浴が記載される。
特許文献5も上記特許文献4と同様に、ニッケル、亜鉛、インジウム、アンチモンなどの特定の金属析出用の無電解メッキ浴に関して、還元剤には塩化物以外の3価のチタンイオンを含む塩又は化合物(例えば、ヨウ化チタン、トリフェニルチタン、硫酸チタンなど)を用いることを特徴とする。
同文献5の実施例4には、可溶性インジウム塩と、硫酸チタンと、クエン酸(インジウムの錯化剤)と、ニトリロ三酢酸(チタンの錯化剤)を含む無電解インジウム浴が記載される。
特許文献6は、スズ、銀、インジウムなどから選ばれた複数種の特定の金属の塩化物、ヨウ化物、硝酸塩と、三塩化チタン(還元剤)と、EDTA塩と、クエン酸塩と、NTAなどを含有する無電解メッキ浴である。
特開平02-004978号公報 特開昭57-005857号公報 特開昭59-177357号公報 特開平03-191070号公報 特開平04-325688号公報 特開2004-323872号公報
しかしながら、上記特許文献1に基づくインジウム浴を用いて銅板上に置換メッキを行うと、メッキ皮膜の形成自体は可能であるが、析出した皮膜は黒ずんで外観に劣り、メッキむらが目立つため、実用性に乏しいものしか得られなかった(下記の比較例1参照)。
本発明は、還元剤を用いない置換型のインジウムメッキ浴にあって、均一性と外観に優れたインジウム皮膜を得ることを技術的課題とする。
本発明者は、スズ系メッキ浴に多用されるチオ尿素類を置換インジウムメッキ浴に適用するとともに、例えば、上記特許文献1の参考例1や特許文献2~6に記載されるEDTA、NTA 、クエン酸及びこれらの塩を併用添加して置換メッキを試みたが、得られた皮膜の外観は実用水準に及ばないという問題があった(下記の比較例3~4参照)。
一方、本発明の対象であるインジウム浴とは異なるが、本出願人に係わる特開2003-171789号、特開2017-222894号、特開2014-122410号などには、スズ系メッキ浴にスルフィド類やチオール類を錯化剤としてメッキ浴に添加しており、特に、上記特開2017-222894号の実施例21([0079])、或いは特開2014-122410号の実施例9([0060])は、スズ-インジウム合金メッキ浴の具体例である。
そこで、本発明者は、インジウムメッキ浴に対して、上記 EDTAやクエン酸などを、当該 スルフィド類やチオール類からなる含イオウ化合物に 置き換えることを着想し、これらの含イオウ化合物をチオ尿素類と複合すれば、還元剤を含まない条件下でも、インジウム皮膜が実用水準で円滑に形成されることを見い出して、本発明を完成した。
即ち、本発明1は、(A)可溶性インジウム塩と、
(B)酸又はその塩と、
(C)チオ尿素類と、
(D)チオール類及びスルフィド類から選ばれた含イオウ化合物の少なくとも一種
とを含有する置換型インジウムメッキ浴である。
本発明2は、上記本発明1において、チオ尿素類(C)が、チオ尿素、或いは、ジメチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジエチルチオ尿素、ジイソプロピルチオ尿素、アリルチオ尿素、アセチルチオ尿素、ジフェニルチオ尿素、二酸化チオ尿素、チオセミカルバジドから選ばれたチオ尿素誘導体の少なくとも一種であることを特徴とする置換インジウムメッキ浴である。
本発明3は、上記本発明1又は2において、含イオウ化合物(D)が、3-メルカプト-1-プロパンスルホン酸、チオグリコール、チオグリコール酸(メルカプト酢酸)、メルカプト乳酸、メルカプトコハク酸、メルカプトコハク酸、メルカプト安息香酸、メルカプトプロピオン酸、チオサリチル酸、システイン及びその塩から選ばれたチオール類、或いは、
シスチン、メチオニン、1,2-ビス(2-ヒドロキシエチルチオ)エタン、4,7-ジチアデカン-1,10-ジオール、3,6-ジチアオクタン-1,8-ジスルホン酸、1,8-ジアミノ-3,6-ジチアオクタン、ビス(3-スルホプロピル)ジスルフィド、3,6-ジチアオクタン-1,8-ジスルホン酸、4,7-ジチアデカン-1,10-ジスルホン酸、ジチオジエタノール、ジチオジグリコール酸、ジフェニルジスルフィド、2,2′-ジピリジルジスルフィド、2,2′-ジチオジアニリン、ジヘキシルスルフィド、チオジプロピオン酸、3,3′-ジチオジプロピオン酸、メチルチオプロピオン酸、2,2′-チオジエタンチオール及びその塩から選ばれたスルフィド類
の少なくとも一種であることを特徴とする置換インジウムメッキ浴である。
本発明4は、上記本発明1~3のいずれかにおいて、メッキ浴に対するチオ尿素類の含有量が0.05~3.0モル/Lであり、同じく含イオウ化合物の含有量が0.1~3.0モル/Lであることを特徴とする置換インジウムメッキ浴である。
本発明5は、上記本発明1~4のいずれかにおいて、メッキ浴に対するチオ尿素類(C)と含イオウ化合物と(D)の含有モル比率が、C/D=1~6であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の置換インジウムメッキ浴である。
チオ尿素類を用いた上記特許文献1の置換インジウム浴では、析出した皮膜は黒ずんで外観に劣り、メッキムラが目立つという弊害がある(比較例1参照)。
これに対して、本発明の置換インジウム浴を用いると、チオ尿素類にスルフィド類及びチオール類からなる所定の含イオウ化合物を併用するので、均一で光沢のある白色外観を具備したインジウム皮膜を形成できる。
本発明は可溶性インジウム塩と、酸又はその塩と、チオ尿素類と、所定の含イオウ化合物(チオール類及びスルフィド類から選択)とを含有する置換型インジウムメッキ浴である。
上記置換インジウム浴を適用対象とする被メッキ物には銅及び銅合金が適している。
本発明1は、(A)可溶性インジウム塩と、
(B)酸又はその塩と、
(C)チオ尿素類と、
(D)チオール類及びスルフィド類から選ばれた含イオウ化合物の少なくとも一種
とを含有する置換型インジウムメッキ浴である。
上記可溶性インジウム塩(A)は、酸化インジウム、硫酸インジウム、ホウフッ化インジウム、スルファミン酸インジウム、メタンスルホン酸インジウム、2-ヒドロキシエタンスルホン酸インジウム、2-ヒドロキシプロパンスルホン酸インジウムなどある。
上記酸又はその塩(B)は、無機酸、有機酸或いはこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などである。
無機酸は塩酸、硫酸、ホウフッ化水素酸、ケイフッ化水素酸、スルファミン酸などであり、有機酸は有機スルホン酸、脂肪族カルボン酸などである。
上記有機スルホン酸は、アルカンスルホン酸、アルカノールスルホン酸、スルホコハク酸、芳香族スルホン酸などであり、アルカンスルホン酸としては、化学式CnH2n+1SO3H(例えば、n=1~11)で示されるものが使用でき、具体的には、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1―プロパンスルホン酸、2―プロパンスルホン酸、1―ブタンスルホン酸、2―ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸などが挙げられる。
上記アルカノールスルホン酸としては、化学式
CmH2m+1-CH(OH)-CpH2p-SO3H(例えば、m=0~6、p=1~5)
で示されるものが使用でき、具体的には、2―ヒドロキシエタン―1―スルホン酸(イセチオン酸)、2―ヒドロキシプロパン―1―スルホン酸(2-プロパノールスルホン酸)、3―ヒドロキシプロパン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシブタン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシペンタン―1―スルホン酸などの外、1―ヒドロキシプロパン―2―スルホン酸、4―ヒドロキシブタン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシヘキサン―1―スルホン酸などが挙げられる。
上記芳香族スルホン酸は、基本的にベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、ナフトールスルホン酸などであり、具体的には、1-ナフタレンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、p-フェノールスルホン酸、クレゾールスルホン酸、スルホサリチル酸、ニトロベンゼンスルホン酸、スルホ安息香酸、ジフェニルアミン-4-スルホン酸などが挙げられる。
上記有機スルホン酸では、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、2-ヒドロキシプロパンスルホン酸などが好ましい。
上記脂肪族カルボン酸はモノカルボン酸、オキシカルボン酸、ポリカルボン酸などであり、モノカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸及びその塩などが挙げられる。
オキシカルボン酸としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、乳酸、グリコール酸及びその塩などが挙げられる。
ポリカルボン酸としては、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、マロン酸、グルタル酸及びその塩などが挙げられる。
上記チオ尿素類(C)は、チオ尿素及び次のチオ尿素誘導体の少なくとも一種から選択できる。
チオ尿素類(C)をチオ尿素に代表させてメッキ浴での作用を説明すると、例えば、基材の銅上にインジウムメッキする場合、銅はインジウムより電極電位が貴であるが、メッキ浴にチオ尿素を含有すると、チオ尿素が銅に配位して錯体形成し、インジウムと、当該銅-チオ尿素錯体との電極電位が逆転するため、インジウムイオンが銅から電子を供与されて銅上に金属インジウムが置換析出することになる。
上記チオ尿素誘導体はジメチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジエチルチオ尿素、ジイソプロピルチオ尿素、アリルチオ尿素、アセチルチオ尿素、ジフェニルチオ尿素、二酸化チオ尿素、チオセミカルバジドなどである。
本発明1の置換インジウムメッキ浴の特徴は、チオ尿素類(C)に所定の含イオウ化合物(D)を併用することにある。
チオ尿素類(C)による上記銅の錯体化を当該含イオウ化合物(D)が強化し、インジウムと銅との電極電位の逆転をより確実に促進して、金属インジウムの析出を一層円滑に進めることができるものと推測できる。
上記含イオウ化合物(D)はチオール類とスルフィド類の少なくとも一種から選択できる。上記チオール類は、3-メルカプト-1-プロパンスルホン酸(=MPS)、チオグリコール、チオグリコール酸(メルカプト酢酸)、メルカプト乳酸、メルカプトコハク酸、メルカプトコハク酸、メルカプト安息香酸、メルカプトプロピオン酸、チオサリチル酸、システイン及びその塩などである。
例えば、上記チオール類の具体例を構造式で表すと次の通りである。
(1)チオグリコール:HS-CH2CH2-OH
(2)チオグリコール酸:HS-CH2-COOH
(3)メルカプト乳酸:HS-CH2-CH(OH)-COOH
(4)メルカプトコハク酸:HS-CH(COOH)-CH2-COOH
(5)MPS:HS-CH2CH2CH2-SO3H
上記スルフィド類はモノスルフィド、ジスルフィド、トリスルフィドなどが挙げられ、分子内にスルフィド結合を1個乃至複数個有することができる。例えば、2個のモノスルフィド結合を有する化合物としては、下記項目(3)の1,2-ビス(2-ヒドロキシエチルチオ)エタンなどが挙げられる。
スルフィド類の具体例は、シスチン、メチオニン、1,2-ビス(2-ヒドロキシエチルチオ)エタン(=3,6-ジチアオクタン-1,8-ジオール)、4,7-ジチアデカン-1,10-ジオール、3,6-ジチアオクタン-1,8-ジスルホン酸、1,8-ジアミノ-3,6-ジチアオクタン、ビス(3-スルホプロピル)ジスルフィド(=SPS;4,5-ジチアオクタン-1,8-ジスルホン酸)、3,6-ジチアオクタン-1,8-ジスルホン酸、4,7-ジチアデカン-1,10-ジスルホン酸、ジチオジエタノール、ジチオジグリコール酸、ジフェニルジスルフィド、2,2′-ジピリジルジスルフィド、2,2′-ジチオジアニリン、ジヘキシルスルフィド、チオジプロピオン酸、3,3′-ジチオジプロピオン酸、メチルチオプロピオン酸、2,2′-チオジエタンチオール及びその塩などである。
そこで、上記スルフィド類の構造式を次の3例に代表させて示すと次の通りである。
(1)シスチン:HOOC-CH(NH2)-CH2-S-S-CH2-CH(NH2)-COOH
(2)メチオニン:CH3-S-CH2CH2CH(NH2)-COOH
(3)1,2-ビス(2-ヒドロキシエチルチオ)エタン:HOCH2CH2-S-CH2CH2-S-CH2CH2OH(=3,6-ジチアオクタン-1,8-ジオール)
従って、シスチンはジスルフィドに属する。また、メチオニンと1,2-ビス(2-ヒドロキシエチルチオ)エタンは共にモノスルフィドであり、前者のメチオニンは分子内に1個のスルフィド結合を有し、後者は(前述したように)分子内に2個のスルフィド結合を有する。
また、芳香族スルフィド類の具体例として挙げた上記2,2′-ジピリジルジスルフィドは各ピリジン環の2位同士がジスルフィド鎖で結合された分子構造であり、同様に、上記2,2′-ジチオジアニリンはアミノ基が結合した各ベンゼン環(即ち、アニリン環)の2位同士がジスルフィド鎖で結合された分子構造である。
尚、上記具体例の末尾の2,2′-チオジエタンチオールはHS-CH2CH2-S-CH2CH2-SHで表され、スルフィド類(=モノスルフィド)に属すると共に、2個のメルカプト基を有するため、チオール類にも属する。
本発明1において、可溶性インジウム塩(A)は単用又は併用でき、置換インジウムメッキ浴に対する含有量は0.01~1.0モル/L、好ましくは0.02~0.8モル/L、より好ましくは0.03~0.5モル/Lである。
酸又はその塩(B)は単用又は併用でき、メッキ浴に対する含有量は0.5~7.0モル/L、好ましくは0.8~6.0モル/L、より好ましくは1.0~5.0モル/Lである。
チオ尿素類(C)は単用又は併用でき、メッキ浴に対する含有量は0.1~3.0モル/L、好ましくは0.2~2.5モル/L、より好ましくは0.3~2.0モル/Lである。
含イオウ化合物(D)は単用又は併用でき、メッキ浴に対する含有量は0.05~3.0モル/L、好ましくは0.1~2.5モル/L、より好ましくは0.15~2.0モル/Lである。
この場合、メッキ浴に対するチオ尿素類(C)と含イオウ化合物と(D)の含有モル比率はC/D=1~6、好ましくは2~5.5、より好ましくは3~5である。
本発明の置換インジウムメッキ浴には、安定剤、界面活性剤、光沢剤、半光沢剤などの各種添加剤を含有することができる。
上記安定剤は特許文献1に記載のように、アミノカルボン酸類、オキシカルボン酸類、ポリカルボン酸類などであるが、下記の比較例3~4に示すように、美麗なインジウム皮膜を得るためには、チオ尿素類と所定の含イオウ化合物の組み合わせを前提したうえで、当該安定剤を使用することが重要である。
上記アミノカルボン酸類としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、テトラエチレンペンタミン七酢酸(TPHA)及びその塩などが挙げられる。
上記オキシカルボン酸類、ポリカルボン酸類は前記メッキ浴の酸及びその塩(B)の説明で述べた通りである。
当該安定剤のメッキ浴に対する含有量は1.0~200g/L、好ましくは5.0~100g/Lである。
上記界面活性剤には通常のノニオン系、アニオン系、両性、或はカチオン系などの各種界面活性剤が挙げられ、メッキ皮膜の外観、均一性などの改善に寄与する。
上記アニオン系界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩などが挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、モノ~トリアルキルアミン塩、ジメチルジアルキルアンモニウム塩、トリメチルアルキルアンモニウム塩などが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、C1~C20アルカノール、フェノール、ナフトール、ビスフェノール類、或いは、C1~C25アルキルフェノール、アリールアルキルフェノール、C1~C25アルキルナフトール、C1~C25アルコキシルリン酸(塩)、ソルビタンエステル、ポリアルキレングリコール、C1~C22脂肪族アミドなどにエチレンオキシド(EO)及び/又はプロピレンオキシド(PO)を2~300モル付加縮合させたものなどが挙げられる。
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン、イミダゾリンベタイン、スルホベタイン、アミノカルボン酸などが挙げられる。
当該界面活性剤のメッキ浴に対する含有量は0.01~100g/L、好ましくは0.1~50g/Lである。
置換インジウムメッキの条件は任意であるが、浴温は25~90℃であり、析出速度を増す見地から30~70℃が好ましく、より好ましくは35~60℃である。
浸漬時間は30秒~30分であり、好ましくは1分~15分であり、浴温にも左右される。
以下、本発明の置換インジウムメッキ浴の実施例、当該インジウム浴を用いて銅板(基材)に置換メッキして得られる皮膜外観の優劣の評価試験例を順次説明する。
尚、本発明は下記の実施例、試験例に拘束されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形をなし得ることは勿論である。
《本発明の置換インジウムメッキ浴の実施例》
下記の実施例1~17のうち、実施例1はメタンスルホン酸のインジウム塩とメタンスルホン酸とチオ尿素とジスルフィド(シスチン)を用いた置換インジウムメッキ浴である。実施例2~5は夫々当該実施例1を基本とした例であり、実施例2は可溶性インジウム塩の種類と含有量を変更した例、実施例3は酸の種類と含有量を変更した例、実施例4はチオ尿素をチオ尿素誘導体(ジメチルチオ尿素)に変更した例、実施例5はジスルフィドをチオール(MPSのNa塩)に変更した例である。
実施例6は実施例2を基本として酸を変更した例である。実施例7~9は実施例6を基本とした例であり、実施例7はジスルフィドをチオール(チオグリコール酸)に変更した例、実施例8はモノスルフィド(1,2-ビス(2-ヒドロキシエチルチオ)エタン)に変更した例、実施例9は同じくモノスルフィド(メチオニン)に変更した例、実施例10はジスルフィドをモノスルフィド(1,2-ビス(2-ヒドロキシプロピオチオ)エタン)に変更した例である。実施例11は実施例1を基本として、酸の種類をエタンスルホン酸に変更した例である。
実施例12は実施例6を基本として、酸の種類をクエン酸に変更した例である。実施例13~14は実施例1を基本とした例であり、実施例13は可溶性インジウム塩の含有量を増した例、実施例14は酸の含有量を増した例である。実施例15~16は実施例8を基本とした例であり、実施例15は酸(乳酸)の含有量を増した例、実施例16はチオ尿素の含有量を増した例である。実施例17は実施例16を基本として、スルフィドの含有量を増した例である。
一方、比較例1は上記実施例1のチオ尿素類(C)と含イオウ化合物(D)のうち、含イオウ化合物(D)を欠いた例であり、冒述の特許文献1に準拠した例でもある。比較例2は逆に上記実施例1のチオ尿素類(C)を欠いた例である。
また、特許文献1には、チオ尿素類を含有する置換インジウム浴に、安定剤としてEDTA、NTAなどのアミノカルボン酸類や、クエン酸、酒石酸などのオキシカルボン酸類を添加できることが記載されており、比較例3~4はこの記述に準拠した例であって、比較例3はチオ尿素にEDTAを併用した例、比較例4はチオ尿素にクエン酸を併用した例である。
(1)実施例1
下記の組成で置換インジウムメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸インジウム(In3+として) 0.05モル/L
メタンスルホン酸 2.00モル/L
チオ尿素 1.00モル/L
3,3′-ジチオビス(2-アミノプロピオン酸)(=シスチン) 0.30モル/L
(2)実施例2
下記の組成で置換インジウムメッキ浴を建浴した。
硫酸インジウム(In3+として) 0.10モル/L
メタンスルホン酸 2.00モル/L
チオ尿素 1.00モル/L
シスチン 0.30モル/L
(3)実施例3
下記の組成で置換インジウムメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸インジウム(In3+として) 0.05モル/L
硫酸 2.00モル/L
チオ尿素 1.00モル/L
シスチン 0.30モル/L
(4)実施例4
下記の組成で置換インジウムメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸インジウム(In3+として) 0.05モル/L
メタンスルホン酸 2.00モル/L
ジメチルチオ尿素 1.30モル/L
シスチン 0.30モル/L
(5)実施例5
下記の組成で置換インジウムメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸インジウム(In3+として) 0.05モル/L
メタンスルホン酸 2.00モル/L
チオ尿素 1.00モル/L
MPSのNa塩 0.30モル/L
上記MPSのNa塩は3-メルカプト-1-プロパンスルホン酸ナトリウムである。
(6)実施例6
下記の組成で置換インジウムメッキ浴を建浴した。
硫酸インジウム(In3+として) 0.10モル/L
乳酸 2.00モル/L
チオ尿素 1.00モル/L
シスチン 0.30モル/L
(7)実施例7
下記の組成で置換インジウムメッキ浴を建浴した。
硫酸インジウム(In3+として) 0.10モル/L
乳酸 2.00モル/L
チオ尿素 1.00モル/L
チオグリコール酸 0.30モル/L
(8)実施例8
下記の組成で置換インジウムメッキ浴を建浴した。
硫酸インジウム(In3+として) 0.10モル/L
乳酸 2.00モル/L
チオ尿素 1.00モル/L
1,2-ビス(2-ヒドロキシエチルチオ)エタン 0.30モル/L
(9)実施例9
下記の組成で置換インジウムメッキ浴を建浴した。
硫酸インジウム(In3+として) 0.10モル/L
乳酸 2.00モル/L
チオ尿素 1.00モル/L
メチオニン 0.30モル/L
(10)実施例10
下記の組成で置換インジウムメッキ浴を建浴した。
硫酸インジウム(In3+として) 0.10モル/L
乳酸 2.00モル/L
チオ尿素 1.00モル/L
1,2-ビス(2-ヒドロキシプロピルチオ)エタン 0.30モル/L
(11)実施例11
下記の組成で置換インジウムメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸インジウム(In3+として) 0.05モル/L
エタンスルホン酸 2.00モル/L
チオ尿素 1.00モル/L
シスチン 0.30モル/L
(12)実施例12
下記の組成で置換インジウムメッキ浴を建浴した。
硫酸インジウム(In3+として) 0.10モル/L
クエン酸 2.00モル/L
チオ尿素 1.00モル/L
シスチン 0.30モル/L
(13)実施例13
下記の組成で置換インジウムメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸インジウム(In3+として) 0.15モル/L
メタンスルホン酸 2.00モル/L
チオ尿素 1.00モル/L
シスチン 0.30モル/L
(14)実施例14
下記の組成で置換インジウムメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸インジウム(In3+として) 0.05モル/L
メタンスルホン酸 2.50モル/L
チオ尿素 1.00モル/L
シスチン 0.30モル/L
(15)実施例15
下記の組成で置換インジウムメッキ浴を建浴した。
硫酸インジウム(In3+として) 0.10モル/L
乳酸 4.00モル/L
チオ尿素 1.00モル/L
1,2-ビス(2-ヒドロキシエチルチオ)エタン 0.30モル/L
(16)実施例16
下記の組成で置換インジウムメッキ浴を建浴した。
硫酸インジウム(In3+として) 0.10モル/L
乳酸 2.00モル/L
チオ尿素 1.50モル/L
1,2-ビス(2-ヒドロキシエチルチオ)エタン 0.30モル/L
(17)実施例17
下記の組成で置換インジウムメッキ浴を建浴した。
硫酸インジウム(In3+として) 0.10モル/L
乳酸 2.00モル/L
チオ尿素 1.50モル/L
1,2-ビス(2-ヒドロキシエチルチオ)エタン 0.50モル/L
(18)比較例1
下記の組成で置換インジウムメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸インジウム(In3+として) 0.05モル/L
メタンスルホン酸 2.00モル/L
チオ尿素 1.00モル/L
(19)比較例2
下記の組成で置換インジウムメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸インジウム(In3+として) 0.05モル/L
メタンスルホン酸 2.00モル/L
シスチン 0.30モル/L
(20)比較例3
下記の組成で置換インジウムメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸インジウム(In3+として) 0.05モル/L
メタンスルホン酸 2.00モル/L
チオ尿素 1.00モル/L
EDTA 0.30モル/L
(21)比較例4
下記の組成で置換インジウムメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸インジウム(In3+として) 0.05モル/L
メタンスルホン酸 2.00モル/L
チオ尿素 1.00モル/L
クエン酸 0.30モル/L
《置換インジウムメッキ浴により析出したインジウム皮膜の外観評価試験例》
そこで、厚み0.3mm、25mm×25mmの矩形の圧延銅板を試験片として用意し、上記実施例1~17並びに比較例1~4で建浴した各置換インジウムメッキ浴に上記試験片を浸漬し、浴温45℃、メッキ時間5分の条件で置換メッキを行い、試験片に析出したメッキ皮膜について、下記の基準で皮膜外観の優劣を目視により評価した。
○:均一で、光沢のある白色外観を呈した。
×:黒ずんで粗い外観であった。
《置換インジウムメッキによる皮膜外観と膜厚の評価試験結果》
上記実施例1~17及び比較例1~4の各評価試験の結果は下表1の通りである。
[表1]
皮膜外観 膜厚(μm) 皮膜外観 膜厚(μm)
実施例1 ○ 0.04 実施例13 ○ 0.03
実施例2 ○ 0.04 実施例14 ○ 0.07
実施例3 ○ 0.05 実施例15 ○ 0.12
実施例4 ○ 0.04 実施例16 ○ 0.08
実施例5 ○ 0.03 実施例17 ○ 0.10
実施例6 ○ 0.07
実施例7 ○ 0.07 比較例1 × 0.05
実施例8 ○ 0.04 比較例2 × 0.02
実施例9 ○ 0.06 比較例3 × 0.04
実施例10 ○ 0.04 比較例4 × 0.01
実施例11 ○ 0.06
実施例12 ○ 0.08
《置換インジウムメッキによる皮膜外観の総合評価》
上表1に基づいて比較例1~4を評価すると、先ず、本発明の置換インジウムメッキ浴の必須成分のうち、チオ尿素類(C)を含み、含イオウ化合物(D)を含まない比較例1では、皮膜は形成されたが、黒ずんで粗い皮膜しか得られず、実用水準には遠く及ばなかった。
逆に、本発明の必須成分である含イオウ化合物(D)を含み、チオ尿素類(C)を含まない比較例2でも同様に、黒く粗い皮膜しか得られず、しかも、薄い皮膜しか形成されなかった。
上記特許文献1の安定剤の記述を準用した比較例3~4において、チオ尿素類(C)にアミノカルボン酸類(EDTA)を併用した比較例3では、黒く粗い皮膜しか得られなかった。
また、チオ尿素類(C)にオキシカルボン酸類(クエン酸)を併用した比較例4でも、同じく、黒く粗い皮膜しか得られず、皮膜は薄かった。
これに対して、置換インジウムメッキ浴にチオ尿素類(C)と含イオウ化合物(D)を併用した本発明の実施例1~17では、いずれも均一で光沢のある美麗な白色外観のメッキ皮膜が得られるとともに、成分(C)と(D)の含有量や含有比率を調整することで、皮膜を厚く形成することができた(実施例15~17参照)。
従って、本発明の置換インジウムメッキ浴にあっては、チオ尿素類(C)、或いは所定の含イオウ化合物(D)を単用した場合、皮膜は形成できても、均一性や外観の点で実用水準に遠く及ばない皮膜しか得られず、また、チオ尿素類(C)に加えて、特許文献1に記載の安定剤であるアミノカルボン酸類、或いはオキシカルボン酸類を併用しても、得られた皮膜は、やはり実用水準に及ばないことが判った。
この結果、均一で光沢のある美麗なインジウム皮膜を得るには、実施例1~17に見るように、本発明のチオ尿素類(C)に加えて、チオール類及びスルフィド類から選ばれた特定の含イオウ化合物(D)を併用することの必要性が裏付けられた。
次いで、実施例1~17の評価を詳述する。但し、皮膜外観については上述した通りなので、以下では主に膜厚について考察する。
実施例2~5は実施例1(膜厚は0.04μm)を基本としたもので、実施例2はインジウム塩を増量し、実施例3は酸を有機酸から無機酸に変更し、実施例4はチオ尿素をチオ尿素誘導体に変更し、実施例5はジスルフィドをチオールに変更した例であるが、上述のように、実施例1~5では0.03~0.05μmの膜厚を形成できた。
実施例6は実施例2の酸(メタンスルホン酸)を乳酸に変更した例であるが、膜厚は0.04μmから0.07μmに増した。実施例7は実施例6のジスルフィド(シスチン)をチオール(チオグリコール酸)に変更した例であり、膜厚は0.07μmを保持した。
実施例8~10は実施例6を基本として、ジスルフィドをモノスルフィド結合を有する化合物に変更した例であるが(実施例9は分子内のモノスルフィド結合は1個、実施例8と10は夫々モノスルフィド結合が2個)、実施例6の膜厚が0.07μmに対して、実施例8と10の膜厚は0.04μm、実施例9の膜厚は0.06μmであるため、モノスルフィド結合の個数の増加が膜厚の増加に結び付くとは限らないことが推測できる。
実施例11は実施例1(膜厚は0.04μm)を基本として酸をメタンスルホン酸からエタンスルホン酸に変更した例であり、実施例11の膜厚は0.06μmであった。
実施例12は実施例6(膜厚は0.07μm)を基本として酸を乳酸からクエン酸に変更した例であるが、実施例12の膜厚は0.08μmであった。
前述したように、比較例4は特許文献1に準拠して、チオ尿素類に安定剤としてのクエン酸を併用した例であるが、この比較例4を当該実施例12に対比すると、均一で光沢があり、且つ、実用水準の膜厚を得るためには、チオ尿素類と組み合わせる選択肢としてクエン酸ではなく、スルフィド類やチオール類から選ばれた特定の含イオウ化合物を選んで複合する重要性が、明白に浮き彫りになった。
実施例13は実施例1を基本として可溶性インジウム塩を0.05モル/Lから0.15モル/Lに増量した例であり、実施例13の膜厚は実施例1(0.04μm)から0.03μmに少し減じた。
実施例14は実施例1を基本としてメタンスルホン酸を2モル/Lから2.5モル/Lに増量した例であり、実施例12の膜厚は実施例1(0.04μm)から0.07μmに増した。
一方、実施例15は実施例8を基本として乳酸を2モル/Lから4モル/Lに増量した例であり、実施例15の膜厚は実施例8(0.04μm)から0.12μmに増した。
実施例16は実施例8を基本としてチオ尿素を1モル/Lから1.5モル/Lに増量した例であり、実施例16の膜厚は実施例8(0.04μm)から0.08μmに増した。
実施例17は上記実施例16を基本としてジスルフィドを0.3モル/Lから0.5モル/Lに増量した例であり、実施例17の膜厚は実施例16(0.08μm)から0.10μmに増した。

Claims (5)

  1. (A)可溶性インジウム塩と、
    (B)酸又はその塩と、
    (C)チオ尿素類と、
    (D)チオール類及びスルフィド類から選ばれた含イオウ化合物の少なくとも一種
    とを含有する置換型インジウムメッキ浴。
  2. チオ尿素類(C)が、チオ尿素、或いは、ジメチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジエチルチオ尿素、ジイソプロピルチオ尿素、アリルチオ尿素、アセチルチオ尿素、ジフェニルチオ尿素、二酸化チオ尿素、チオセミカルバジドから選ばれたチオ尿素誘導体の少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の置換インジウムメッキ浴。
  3. 含イオウ化合物(D)が、3-メルカプト-1-プロパンスルホン酸、チオグリコール、チオグリコール酸、メルカプト乳酸、メルカプトコハク酸、メルカプト安息香酸、メルカプトプロピオン酸、チオサリチル酸、システイン及びその塩から選ばれたチオール類、或いは、
    シスチン、メチオニン、1,2-ビス(2-ヒドロキシエチルチオ)エタン、4,7-ジチアデカン-1,10-ジオール、3,6-ジチアオクタン-1,8-ジスルホン酸、1,8-ジアミノ-3,6-ジチアオクタン、ビス(3-スルホプロピル)ジスルフィド、3,6-ジチアオクタン-1,8-ジスルホン酸、4,7-ジチアデカン-1,10-ジスルホン酸、ジチオジエタノール、ジチオジグリコール酸、ジフェニルジスルフィド、2,2′-ジピリジルジスルフィド、2,2′-ジチオジアニリン、ジヘキシルスルフィド、チオジプロピオン酸、3,3′-ジチオジプロピオン酸、メチルチオプロピオン酸、2,2′-チオジエタンチオール及びその塩から選ばれたスルフィド類
    の少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の置換インジウムメッ
    キ浴。
  4. メッキ浴に対するチオ尿素類の含有量が0.1~3.0モル/Lであり、同じく含イオウ化合物の含有量が0.05~3.0モル/Lであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の置換インジウムメッキ浴。
  5. メッキ浴に対するチオ尿素類(C)と含イオウ化合物と(D)の含有モル比率が、C/D=1~6であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の置換インジウムメッキ浴。
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