JP2001026898A - 錫−銅合金電気めっき浴及びそれを使用するめっき方法 - Google Patents
錫−銅合金電気めっき浴及びそれを使用するめっき方法Info
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Abstract
び有機酸並びにそれらの水溶性塩から選ばれる1種又は
2種以上と、チオアミド化合物及びチオール化合物から
選ばれる1種又は2種以上とを含有してなることを特徴
とする錫−銅合金電気めっき浴。 【効果】 本発明によれば、チップ部品、水晶発振子、
コネクターピンやリードフレームのフープ材、パッケー
ジのバンプやリードピン、パッケージ、プリント基板等
の電子機器を構成する部品などに、錫−鉛合金めっき材
料の代替として錫−銅合金めっき皮膜を形成できる。
Description
田)めっき材料の代替として有効な錫−銅合金電気めっ
き浴及びめっき方法に関する。
半田付けを必要とする部品、例えばチップ部品、水晶発
振子、バンプ、コネクターピン、リードフレーム、各種
フープ材、パッケージのリードピン、プリント基板の回
路などの電子機器を構成する部品等に対しては、錫めっ
きや錫−鉛合金めっきを施すことが行われていた。
錫めっきや錫−鉛合金めっき皮膜は、エッチングレジス
ト用としても広く使用されていた。
使用規制が強まり、錫−鉛合金めっき材料の代替として
鉛フリーのめっき浴が望まれるようになった。この場
合、錫めっきでは、半田付け性の劣化や錫めっき皮膜に
ひげ状結晶ウイスカー発生の問題があり、対処できな
い。
行われており、錫−銅合金めっきも注目されている。こ
の錫−銅合金めっき浴としては、従来から銅が50重量
%以上含まれる銅−錫合金めっきが知られており、その
めっき浴はシアン化アルカリ或いはピロリン酸アルカリ
を錯化剤として用いた強アルカリ性浴(特開平8−27
590号公報等)、又は硫酸ベースで錯化剤を使用しな
い単純浴が開発されてきた。しかし、電子部品やプリン
ト基板に使用されている錫めっき、錫−鉛合金めっきに
代わる半田代替めっき浴には使用できなかった。その理
由は、薄膜としては銅が0.01〜10重量%の錫−銅
合金めっきが必要であるが、そのような錫−銅合金組成
を析出させるめっき浴は開発されていなかったことが挙
げられる。なおかつ、有機レジストフィルム等を使用し
ているプリント基板等の被めっき物では、アルカリ性め
っき浴中でその剥離が発生しやすくなるので、中性〜酸
性浴でなければならないからである。更に、硫酸ベース
の単純浴は強酸性であるが、錫、錫−銅合金等の可溶性
陽極を使用すると、無通電時に陽極表面の錫が溶出し、
銅が析出する置換反応が起こるので、めっき浴管理が難
しかった。これに加えて、錫化合物の沈殿が発生しやす
く、浴安定性が悪く、長期使用ができなかった。
で、錫−鉛合金めっきの代替として、半田付けの必要な
各種部品に対して良好な半田付け性を与え、或いはエッ
チングレジスト用として有効な錫−銅合金めっき皮膜を
形成し得る錫−銅合金電気めっき浴及びそれを使用する
めっき方法を提供することを目的とする。
発明は、上記目的を達成するため、第1に、水溶性錫塩
と、水溶性銅塩と、無機酸及び有機酸並びにそれらの水
溶性塩から選ばれる1種又は2種以上と、チオアミド化
合物及びチオール化合物から選ばれる1種又は2種以上
とを含有してなることを特徴とする錫−銅合金電気めっ
き浴、第2に、水溶性錫塩と、水溶性銅塩と、カルボン
酸,ラクトン化合物,縮合リン酸及びホスホン酸並びに
それらの水溶性塩から選ばれる1種又は2種以上と、チ
オアミド化合物及びチオール化合物から選ばれる1種又
は2種以上と、カルボン酸,ラクトン化合物,縮合リン
酸及びホスホン酸以外の無機酸及び有機酸並びにそれら
の水溶性塩から選ばれる1種又は2種以上とを含有して
なることを特徴とする錫−銅合金電気めっき浴、及び第
3に、これを用いためっき方法を提供する。
付け用或いはエッチングレジスト用の錫めっきや錫−鉛
合金めっきの代替として、鉛フリー半田めっきを必要と
するチップ部品、水晶発振子、バンプ、コネクターピ
ン、リードフレーム、各種フープ材、パッケージのリー
ドピン、プリント基板の回路などの電子機器等を構成す
るあらゆる部品に対して適用することができる。
流密度範囲が広く、バレル、ラック、ラックレス(噴
流、フロー等の高速めっき)などの各めっき方法により
良好な錫−銅合金めっき皮膜を得ることができ、また、
セラミック、鉛ガラス、プラスチック、フェライト等の
絶縁性材料を複合化した電子部品の該絶縁性材料に侵
食、変形、変質等を生じさせることなく錫−銅合金めっ
きを行うことができ、しかも錫、錫−銅合金等の可溶性
陽極やめっき皮膜への銅の置換析出も起こらず、銅の優
先析出が生じないものであり、作業上有利である。
本発明の錫−銅合金電気めっき浴は、水溶性錫塩と、水
溶性銅塩と、無機酸及び有機酸並びにそれらの水溶性塩
から選ばれる1種又は2種以上と、チオアミド化合物及
びチオール化合物から選ばれる1種又は2種以上とを含
有する。
があり、第1錫塩(錫塩(II))としては、メタンス
ルホン酸第1錫等の有機スルホン酸錫(II)、硫酸錫
(II)、塩化錫(II)、臭化錫(II)、ヨウ化錫
(II)、酸化錫(II)、リン酸錫(II)、ピロリ
ン酸錫(II)、酢酸錫(II)、クエン酸錫(I
I)、グルコン酸錫(II)、酒石酸錫(II)、乳酸
錫(II)、コハク酸錫(II)、スルファミン酸錫
(II)、ホウフッ化錫(II)、ギ酸錫(II)、ケ
イフッ化錫(II)等が挙げられ、第2錫塩(錫塩(I
V))としては、錫酸ナトリウム、錫酸カリウム等が挙
げられる。
があり、第1銅塩(銅塩(I))としては、酸化銅
(I)、シアン化銅(I)、塩化銅(I)、臭化銅
(I)、ヨウ化銅(I)、チオシアン酸銅(I)等が挙
げられ、第2銅塩(銅塩(II))としては、メタンス
ルホン酸銅(II)等の有機スルホン酸銅(II)、硫
酸銅(II)、塩化銅(II)、臭化銅(II)、ヨウ
化銅(II)、酸化銅(II)、リン酸銅(II)、ピ
ロリン酸銅(II)、酢酸銅(II)、クエン酸銅(I
I)、グルコン酸銅(II)、酒石酸銅(II)、乳酸
銅(II)、コハク酸銅(II)、スルファミン酸銅
(II)、ホウフッ化銅(II)、ギ酸銅(II)、ケ
イフッ化銅(II)等が挙げられる。
は、錫として1〜99g/L、特に5〜59g/Lであ
り、また銅塩の含有量は、銅として0.001〜99g
/L、特に0.01〜54g/Lであることが好ましい
が、銅が0.01〜30%(重量%、以下同じ)の錫−
銅合金めっき皮膜を得る場合は、錫塩の含有量は錫とし
て1〜99g/L、特に5〜59g/L、銅塩の含有量
は銅として0.001〜30g/L、特に0.01〜1
8g/Lとすることが好ましい。
性塩としては、硫酸、塩酸、硝酸、フッ化水素酸、ホウ
フッ化水素酸、リン酸、スルファミン酸、スルホン酸
(脂肪族スルホン酸、芳香族スルホン酸)、カルボン酸
(脂肪族飽和カルボン酸、芳香族カルボン酸、アミノカ
ルボン酸等)、縮合リン酸、ホスホン酸等から選ばれる
酸又はそれらの塩の1種又は2種以上が挙げられる。
ホン酸としては、置換又は未置換のアルカンスルホン
酸、ヒドロキシアルカンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、ナフタレンスルホン酸などが挙げられる。未置換ア
ルカンスルホン酸は、CnH2n+ 1SO3H(但し、nは1
〜5、好ましくは1又は2である。)で示されるものが
使用できる。
は、下記式で示されるものが使用できる。
ルカンスルホン酸は、そのアルキル基の水素原子の一部
がハロゲン原子、アリール基、アルキルアリール基、カ
ルボキシル基、スルホン酸基などで置換されたものが使
用できる。
ルホン酸は、下記式で示されるものである。
ホン酸は、ベンゼン環、ナフタレン環の水素原子の一部
が水酸基、ハロゲン原子、アルキル基、カルボキシル
基、ニトロ基、メルカプト基、アミノ基、スルホン酸基
などで置換されたものが使用できる。
ルホン酸、イセチオン酸、プロパンスルホン酸、2−プ
ロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、2−ブタンスル
ホン酸、ペンタンスルホン酸、クロルプロパンスルホン
酸、2−ヒドロキシエタン−1−スルホン酸、2−ヒド
ロキシプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシブタン−1
−スルホン酸、2−ヒドロキシペンタンスルホン酸、ア
リルスルホン酸、2−スルホ酢酸、2−スルホプロピオ
ン酸、3−スルホプロピオン酸、スルホコハク酸、スル
ホマレイン酸、スルホフマル酸、ベンゼンスルホン酸、
トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ニトロベン
ゼンスルホン酸、スルホ安息香酸、スルホサリチル酸、
ベンズアルデヒドスルホン酸、p−フェノールスルホン
酸などが例示される。
さないものが好ましい。具体的に脂肪族飽和カルボン酸
としては、ギ酸、酢酸、乳酸、プロピオン酸、酪酸、グ
ルコン酸等のモノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コ
ハク酸、酒石酸、リンゴ酸等のジカルボン酸、クエン
酸、トリカルバリル酸等のトリカルボン酸などを挙げる
ことができ、芳香族カルボン酸としては、フェニル酢
酸、安息香酸、アニス酸などが挙げられる。また、アミ
ノカルボン酸としては、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸
(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジ
エチレントリアミン五酢酸などが挙げられる。縮合リン
酸としては、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラポリ
リン酸、ポリリン酸(重合度5以上)、ヘキサメタリン
酸などが挙げられ、ホスホン酸としては、アミノトリメ
チレンホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1
−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホス
ホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン
酸などが挙げられる。
トリウム、カリウム、リチウム塩等)、アルカリ土類金
属塩(マグネシウム、カルシウム、バリウム塩等)、2
価の錫塩、4価の錫塩、1価の銅塩、2価の銅塩、アン
モニウム塩、有機アミン塩(モノメチルアミン、ジメチ
ルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、イソプロ
ピルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン
等)などが挙げられる。
/L以上、特に100g/L以上が好ましく、また60
0g/L以下、より好ましくは500g/L以下、更に
好ましくは400g/L以下、最も好ましくは300g
/L以下であることが好ましい。少なすぎるとめっき浴
の安定性が悪くなり、沈殿物が発生しやすくなる傾向と
なり、多すぎると効果のない過剰量となる傾向となる。
酸、有機酸又はその水溶性塩として、(A)上記カルボ
ン酸、縮合リン酸、ホスホン酸又はそれらの水溶性塩、
更にはこれに加えて、グルコノラクトン、グルコノヘプ
トラクトン等のラクトン化合物から選ばれる1種又は2
種以上を配合すると共に、(B)上記(A)成分以外の
無機酸、有機酸又はその水溶性塩、即ち硫酸、塩酸、硝
酸、フッ化水素酸、ホウフッ化水素酸、リン酸、スルフ
ァミン酸、上記スルホン酸類などや、それらの水溶性塩
の1種又は2種以上を配合することが好ましい。
合物、縮合リン酸、ホスホン酸及びそれらの水溶性塩
は、その1種を単独で又は2種以上を併用して使用する
ことができるが、特にクエン酸、酒石酸、コハク酸、グ
ルコン酸、リンゴ酸、EDTA、NTA、マロン酸及び
それらの水溶性塩が好ましい。そのめっき浴中の含有量
は50〜500g/L、より好ましくは50〜300g
/L、特に100〜300g/Lとすることが好まし
い。少なすぎるとめっき浴の安定性が悪くなり、沈殿物
が発生しやすくなる傾向となる。また、上記の量を超え
て配合してもそれ以上の効果はなく、後述する界面活性
剤を添加する場合には、界面活性剤が十分に溶解せずに
塩析するおそれがある。
としては、特に硫酸、塩酸、硝酸が好ましく、また塩と
しては、カリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩、
マグネシウム塩が好ましい。その配合量は、めっき浴中
5〜200g/L、より好ましくは30〜200g/
L、特に30〜100g/Lであることが好ましく、少
なすぎると、バレル法などでは析出するめっき皮膜中の
錫と銅の合金比率が安定しない場合が生じ、浴電圧が高
くなる傾向がある。また、上記の量を超えて配合して
も、それ以上の効果はなく、界面活性剤を配合する場合
に界面活性剤が十分に溶解せず、塩析しやすくなる傾向
となる。なお、このように(A)成分に加えて上記
(B)成分を配合する場合、(B)成分は、導電性塩及
び析出めっき薄膜の合金組成安定剤として作用する。
又はチオール化合物を浴安定剤又は錯化剤として添加す
る。チオアミド化合物又はチオール化合物としては、チ
オ尿素、ジメチルチオ尿素、ジエチルチオ尿素、トリメ
チルチオ尿素、N,N’−ジイソプロピルチオ尿素、ア
セチルチオ尿素、アリルチオ尿素、エチレンチオ尿素、
1,3−ジフェニルチオ尿素、二酸化チオ尿素、チオセ
ミカルバジド、テトラメチルチオ尿素等の炭素数1〜1
5のチオアミド化合物又はメルカプト酢酸(チオグリコ
ール酸)、メルカプトコハク酸(チオリンゴ酸)、メル
カプト乳酸等の炭素数2〜8のチオール化合物を用いる
ことができ、特に、チオ尿素、ジメチルチオ尿素、ジエ
チルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジイソ
プロピルチオ尿素、アセチルチオ尿素、アリルチオ尿
素、エチレンチオ尿素、1,3−ジフェニルチオ尿素、
二酸化チオ尿素、チオセミカルバジド、テトラメチルチ
オ尿素、メルカプトコハク酸、メルカプト乳酸、チオグ
リコール酸又はそれらの水溶性塩(例えばアルカリ金属
塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩など)が好まし
い。
っき浴中の含有量は1〜200g/L、特に5〜100
g/Lとすることが好ましい。少なすぎるとその添加効
果が十分に発揮し得ない場合があり、多すぎると析出す
るめっき皮膜の結晶の微細化を阻害する場合がある。
オン界面活性剤を配合することができる。非イオン界面
活性剤は、めっき皮膜表面を平滑緻密化させ、析出合金
組成を均一化するものとして作用する。この非イオン界
面活性剤としては、アルキレンオキシド系のものが好適
であり、ポリオキシエチレンβ−ナフトールエーテル、
エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロックコポ
リマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルアミノエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレン多価アルコールエーテル、ポ
リエチレングリコールなどを使用することができる。そ
の配合量は、めっき浴中0.01〜50g/L、特に2
〜10g/Lであることが好ましく、少なすぎると高電
流密度でヤケやコゲが発生する場合があり、多すぎると
めっき皮膜が黒っぽくなったり、色ムラが発生するなど
の不利を生じる場合がある。
イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤及び両性界面活
性剤の1種又は2種以上を配合することができる。この
場合、陽イオン界面活性剤の例としては、ドデシルトリ
メチルアンモニウム塩、ヘキサデシルトリメチルアンモ
ニウム塩、オクタデシルトリメチルアンモニウム塩、ド
デシルジメチルエチルアンモニウム塩、オクタデセニル
ジメチルエチルアンモニウム塩、ドデシルジメチルアン
モニウムベタイン、オクタデシルジメチルアンモニウム
ベタイン、ジメチルベンジルドデシルアンモニウム塩、
ヘキサデシルジメチルベンジルアンモニウム塩、オクタ
デシルジメチルベンジルアンモニウム塩、トリメチルベ
ンジルアンモニウム塩、トリエチルベンジルアンモニウ
ム塩、ヘキサデシルピリジニウム塩、ドデシルピリジニ
ウム塩、ドデシルピコリニウム塩、ドデシルイミダゾリ
ウム塩、オレイルイミダゾリウム塩、オクタデシルアミ
ンアセテート、ドデシルアミンアセテートなどが挙げら
れ、陰イオン界面活性剤の例としては、アルキル硫酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アル
キルベンゼンスルホン酸塩、(ポリ)アルキルナフタレ
ンスルホン酸塩などが挙げられる。アルキル硫酸塩とし
ては、ドデシル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウ
ムなどが挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルエー
テル硫酸塩としては、ポリオキシエチレン(EO12)
ノニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエテレン
(EO15)ドデシルエーテル硫酸ナトリウムなどが挙
げられ、両性界面活性剤の例としては、ベタイン、スル
ホベタイン、イミダゾリウムベタインなどが挙げられ、
また、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド
とアルキルアミン又はジアミンとの縮合生成物の硫酸化
或いはスルホン化付加物も使用できる。これらの界面活
性剤の配合量は、めっき液中0〜50g/L、好ましく
は0.01〜50g/L、特に2〜10g/Lが好まし
い。
表面の平滑剤及び2価の第1錫イオンの酸化防止剤とし
て、メルカプト基含有芳香族化合物、ジオキシ芳香族化
合物及び不飽和カルボン酸化合物の1種又は2種以上を
添加することができる。この場合、メルカプト基含有芳
香族化合物としては、2−メルカプト安息香酸、メルカ
プトフェノール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、
2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトエチ
ルアミン、メルカプトピリジン等が挙げられ、ジオキシ
芳香族化合物としては、ジオキシベンゾフェノン、3,
4−ジオキシフェニルアラニン、レゾルシン、カテコー
ル、ヒドロキノン、ジオキシヘキサン、ジパリン等が挙
げられ、不飽和カルボン酸化合物としては、安息香酸、
フマル酸、フタル酸、アクリル酸、シトラコン酸、メタ
クリル酸等が挙げられる。これら成分のめっき液中の配
合量は0.001〜20g/L、特に0.001〜5g
/Lとすることが好ましい。
表面の光沢剤としてアルデヒド化合物を1種又は2種以
上添加することができる。この場合、アルデヒド化合物
としては、1−ナフトアルデヒド、2−ナフトアルデヒ
ド、o−クロロベンズアルデヒド、m−クロロベンズア
ルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、2,4−ジク
ロロベンズアルデヒド、アセトアルデヒド、サリチルア
ルデヒド、2−チオフェンアルデヒド、3−チオフェン
アルデヒド、o−アニスアルデヒド、m−アニスアルデ
ヒド、p−アニスアルデヒド、サリチルアルデヒドアリ
ルエーテル等が挙げられる。これら成分のめっき液中の
配合量は0.001〜10g/L、特に0.05〜0.
5g/Lとすることが好ましい。
に水溶性金塩、水溶性銀塩、水溶性亜鉛塩、水溶性ビス
マス塩、水溶性ニッケル塩、水溶性コバルト塩、水溶性
パラジウム塩から選ばれる1種又は2種以上の水溶性塩
を配合することが好ましい。これらの水溶性金属塩を配
合することにより、該金属が錫、銅と共に共析して緻密
な錫−銅−該金属系3元合金めっきを形成したり、或い
は微量重金属剤として働き、緻密な錫−銅合金めっき皮
膜を形成し、半田濡れ性が向上し、熱処理後の変色を防
止する。
硫酸金(I)ナトリウム、塩化銀(I)、硫酸銀
(I)、メタンスルホン酸銀(I)、酸化亜鉛、硫酸亜
鉛、塩化亜鉛、酸化ビスマス(III)、硫酸ビスマス
(III)、メタンスルホン酸ビスマス(III)、塩
化ニッケル(II)・6水和物、硫酸ニッケル(II)
・6水和物、スルファミン酸ニッケル(II)・4水和
物、塩化コバルト(II)・6水和物、硫酸コバルト
(II)・7水和物、スルファミン酸コバルト(II)
・4水和物、塩化パラジウム(II)、硫酸パラジウム
(II)等が挙げられる。
に0.001〜99g/L、特に0.005〜18g/
Lとすることが望ましい。この場合、水溶性金属塩は、
微量(0.001〜2g/L、好ましくは0.001〜
1g/L、より好ましくは0.005〜1g/L)の使
用でめっき皮膜の半田濡れ性を改良し、熱処理後の変色
を防止することができる。
好ましくは9以下、更に好ましくは7以下であることが
好ましい。pHの下限は特に制限されないが、カルボン
酸、ラクトン化合物、縮合リン酸及びホスホン酸並びに
それらの水溶性塩から選ばれる1種又は2種以上と、カ
ルボン酸、ラクトン化合物、縮合リン酸及びホスホン酸
以外の無機酸及び有機酸並びにそれらの水溶性塩から選
ばれる1種又は2種以上とを併用する場合は、pH2以
上、特に4以上であることが好ましい。
0以上とすることができるため、pHが2.0未満の強
酸性浴では、絶縁物質にガラス、セラミック、プラスチ
ック等を用いた電子部品において、その部分に侵食・変
質・変形等が起こりやすく、使用し難いような場合にも
有効である。
方法としては常法が採用し得、ラック法でもバレル法で
もよく、高速めっき法を採用することもできる。陰極電
流密度は、これらめっき法によって0.01〜100A
/dm2、特に0.01〜20A/dm2の範囲で適宜選
定されるが、ラック法の場合は通常0.5〜5A/dm
2、特に1〜4A/dm2であり、バレル法の場合は通常
0.01〜1A/dm2、特に0.05〜0.5A/d
m2である。めっき温度は10〜50℃、特に15〜4
0℃とすることができ、撹拌は無撹拌でもよいが、カソ
ードロッキング、スターラーによる撹拌、ポンプによる
液流動などの方法が採用し得る。陽極としては、可溶性
陽極、即ち、錫、銅、錫に銅、金、銀、亜鉛、ビスマ
ス、ニッケル、コバルト、パラジウムから選ばれる1種
又は2種以上の金属を合金化した錫合金を用いることが
できる。これらの可溶性陽極を用いることにより、この
可溶性陽極を構成する金属からそれに相応する金属イオ
ンを補給することができる。なお、本発明のめっき浴に
おいては、無通電下でも錫や錫−銅合金陽極に銅の置換
析出が生じるおそれはない。上記錫に合金化される上記
金属の含有量は、めっき浴中に必要とする当該金属イオ
ンの量に応じて選定される。また、陽極は、炭素、白金
等の不溶性陽極でもよい。なお、本発明のめっき浴の陰
極電流効率は、通常80〜99%である。
気めっき可能な導電性部分を有するものであればよく、
金属等の導電性材料とセラミック、鉛ガラス、プラスチ
ック、フェライト等の絶縁性材料が複合したものであっ
てもよい。これら被めっき物は、その材質に応じた適宜
な前処理を施した後、めっきに供される。なお、本発明
のめっき浴によれば、銅が優先析出したり、めっき皮膜
に銅の置換析出が生じたりすることはなく、また、上記
絶縁性材料を複合化した電子部品等の被めっき物をめっ
きする際、この絶縁性材料に侵食、変形、変質等を生じ
させることはない。
品、水晶発振子、コネクターピン、リードフレーム等の
フープ材、パッケージのリードピン、バンプ、プリント
基板の回路等のあらゆる電子部品やその他の製品の半田
材料必要部分に錫−銅合金めっき皮膜を形成し得る。
めっき皮膜は、その外観が、銅含有率の多少及び光沢成
分や微量の水溶性金属塩添加の有無によって、均一で緻
密な白色から灰白色まで及び光沢から半光沢或いは無光
沢まで選択可能である。また、めっき浴中の第1錫イオ
ンと銅イオンとの割合、めっき条件により合金組成で錫
99.99〜10重量%、銅0.01〜90重量%のも
のを得ることができ、その合金組成は、使用目的によっ
て選定し得るが、半田付け用途、エッチングレジスト用
途等には、錫50重量%以上、好ましくは70重量%以
上、より好ましくは90重量%以上であり、銅は0.0
1重量%以上、特に0.1重量%以上である。
物、縮合リン酸、ホスホン酸又はそれらの水溶性塩と、
これら以外の無機酸、有機酸又はそれらの水溶性塩とを
併用する場合、陰極電流密度が0.01〜0.5A/d
m2の範囲で使用した場合、析出するめっき皮膜中の錫
と銅の合金比率が銅0.5±0.2〜10.0±0.5
重量%の範囲で安定するため、陰極電流密度が平均0.
01〜0.5A/dm 2で使用するバレル法などで特に
有効である。
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
の錫−銅合金めっき浴を調製した。このめっき浴に、常
法によって前処理を施した銅及び鉄−ニッケル42合金
のリードフレームを浸漬し、これを陰極として表1,2
に示す条件でラック法により電気めっきを行った。な
お、めっき浴組成において、pH調整は硫酸溶液、水酸
化ナトリウム溶液等を用いて行った。表1,2にめっき
薄膜の諸特性を示す。
整した (注2)陽極 A:錫−銅合金 B:白金めっきチタン C:カーボン (注3)撹拌 a:カソードロッカー b:めっき液の噴流 (注4)めっき外観 ○:均一で緻密 △:少し色調ムラ有り ×:色調ムラとヤケ有り (注5)めっき薄膜中の錫/銅析出比率安定性 ○:使用する陰極電流密度の変動に伴う錫/銅析出比率
の変動幅が±10%以内である △:使用する陰極電流密度の変動に伴う錫/銅析出比率
の変動幅が±30%以内である ×:使用する陰極電流密度の変動に伴う錫/銅析出比率
の変動幅が±50%以内である (注6)半田濡れ性 ◎:Sn−Pb合金めっきと同等の半田濡れ性 ○:SnめっきとSn−Pb合金めっきとの中間の半田
濡れ性 △:Snめっきと同等の半田濡れ性 ×:Snめっきより劣る半田濡れ性
成の錫−銅合金めっき浴を調製した。このめっき浴に、
常法によって前処理を施した銅及び鉄−ニッケル42合
金のリードフレームを浸漬し、これを陰極とし、陽極に
錫−銅合金を用いて表3,4に示す条件でラック法によ
り電気めっきを行った。なお、めっき浴組成において、
pH調整は硫酸溶液、水酸化ナトリウム溶液等を用いて
行った。表3,4にめっき薄膜の諸特性を示す。
いて調整した (注2)浴安定性 ○:浴安定性が良好で沈殿物が生成しない ×:浴安定性が悪く沈殿物ができやすい (注3)めっき薄膜外観 ○:均一でムラがなく良好 △:少しムラがあり可 ×:ムラがあり不可 (注4)陽極:すべて錫−銅合金
−銅合金めっき浴を調製した。このめっき浴に、常法に
よって前処理を施した銅及び鉄−ニッケル42合金のリ
ードフレームを浸漬し、これを陰極として表5,6に示
す条件により電気めっきを行った。なお、めっき浴組成
において、pH調整は硫酸溶液、水酸化ナトリウム溶液
等を用いて行った。表5,6にめっき薄膜の諸特性を示
す。
いて調整した (注2)陽極 A:錫−銅合金 B:白金めっきチタン (注3)撹拌 a:カソードロッカー b:めっき液の噴流 c:バレル (注4)めっき外観 ○:均一で緻密 △:少し色調ムラ有り ×:色調ムラとヤケ有り (注5)めっき薄膜中の錫/銅析出比率安定性 ○:使用する陰極電流密度の変動に伴う錫/銅析出比率
の変動幅が±10%以内である △:使用する陰極電流密度の変動に伴う錫/銅析出比率
の変動幅が±30%以内である ×:使用する陰極電流密度の変動に伴う錫/銅析出比率
の変動幅が±50%以内である (注6)半田濡れ性 ◎:Sn−Pb合金めっきと同等の半田濡れ性 ○:SnめっきとSn−Pb合金めっきとの中間の半田
濡れ性 △:Snめっきと同等の半田濡れ性 ×:Snめっきより劣る半田濡れ性
子、コネクターピンやリードフレームのフープ材、パッ
ケージのバンプやリードピン、パッケージ、プリント基
板等の電子機器を構成する部品などに、錫−鉛合金めっ
き材料の代替として錫−銅合金めっき皮膜を形成でき
る。
Claims (14)
- 【請求項1】 水溶性錫塩と、水溶性銅塩と、無機酸及
び有機酸並びにそれらの水溶性塩から選ばれる1種又は
2種以上と、チオアミド化合物及びチオール化合物から
選ばれる1種又は2種以上とを含有してなることを特徴
とする錫−銅合金電気めっき浴。 - 【請求項2】 水溶性錫塩と、水溶性銅塩と、カルボン
酸,ラクトン化合物,縮合リン酸及びホスホン酸並びに
それらの水溶性塩から選ばれる1種又は2種以上と、チ
オアミド化合物及びチオール化合物から選ばれる1種又
は2種以上と、カルボン酸,ラクトン化合物,縮合リン
酸及びホスホン酸以外の無機酸及び有機酸並びにそれら
の水溶性塩から選ばれる1種又は2種以上とを含有する
ことを特徴とする錫−銅合金電気めっき浴。 - 【請求項3】 カルボン酸,ラクトン化合物,縮合リン
酸,ホスホン酸又はそれらの水溶性塩が、ギ酸、酢酸、
乳酸、プロピオン酸、酪酸、グルコン酸、シュウ酸、マ
ロン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、トリ
カルバリル酸、フェニル酢酸、安息香酸、アニス酸、イ
ミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢
酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グルコノラクトン、
グルコノヘプトラクトン、ピロリン酸、トリポリリン
酸、テトラポリリン酸、ポリリン酸、ヘキサメタリン
酸、アミノトリメチレンホスホン酸、1−ヒドロキシエ
チリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテ
トラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタ
メチレンホスホン酸又はそれらの水溶性塩であることを
特徴とする請求項2記載の錫−銅合金電気めっき浴。 - 【請求項4】 無機酸、有機酸又はそれらの水溶性塩
が、硫酸、塩酸、硝酸、フッ化水素酸、ホウフッ化水素
酸、リン酸、スルファミン酸、メタンスルホン酸、エタ
ンスルホン酸、イセチオン酸、プロパンスルホン酸、2
−プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、2−ブタン
スルホン酸、ペンタンスルホン酸、クロルプロパンスル
ホン酸、2−ヒドロキシエタン−1−スルホン酸、2−
ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシブタン
−1−スルホン酸、2−ヒドロキシペンタンスルホン
酸、アリルスルホン酸、2−スルホ酢酸、2−スルホプ
ロピオン酸、3−スルホプロピオン酸、スルホコハク
酸、スルホマレイン酸、スルホフマル酸、ベンゼンスル
ホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ニ
トロベンゼンスルホン酸、スルホ安息香酸、スルホサリ
チル酸、ベンズアルデヒドスルホン酸、p−フェノール
スルホン酸又はそれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類
金属塩、2価の錫塩、4価の錫塩、1価の銅塩、2価の
銅塩、アンモニウム塩もしくは有機アミン塩であること
を特徴とする請求項1,2又は3記載の錫−銅合金電気
めっき浴。 - 【請求項5】 水溶性銅塩が、酸化銅(I)、シアン化
銅(I)、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅
(I)又はチオシアン酸銅(I)であることを特徴とす
る請求項1乃至4のいずれか1項記載の錫−銅合金電気
めっき浴。 - 【請求項6】 チオアミド化合物及びチオール化合物か
ら選ばれる1種又は2種以上が、チオ尿素、ジメチルチ
オ尿素、ジエチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,
N’−ジイソプロピルチオ尿素、アセチルチオ尿素、ア
リルチオ尿素、エチレンチオ尿素、1,3−ジフェニル
チオ尿素、二酸化チオ尿素、チオセミカルバジド、テト
ラメチルチオ尿素、メルカプトコハク酸、メルカプト乳
酸、チオグリコール酸又はそれらの水溶性塩であること
を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の錫−
銅合金電気めっき浴。 - 【請求項7】 非イオン界面活性剤を含有することを特
徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の錫−銅合
金電気めっき浴。 - 【請求項8】 陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性
剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上を
含有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1
項記載の錫−銅合金電気めっき浴。 - 【請求項9】 めっき薄膜表面の平滑剤として、メルカ
プト基含有芳香族化合物、ジオキシ芳香族化合物及び不
飽和カルボン酸から選ばれる添加剤の1種又は2種以上
を含有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか
1項記載の錫−銅合金電気めっき浴。 - 【請求項10】 めっき薄膜表面の光沢剤として、1−
ナフトアルデヒド、2−ナフトアルデヒド、o−クロロ
ベンズアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−
クロロベンズアルデヒド、2,4−ジクロロベンズアル
デヒド、アセトアルデヒド、サリチルアルデヒド、2−
チオフェンアルデヒド、3−チオフェンアルデヒド、o
−アニスアルデヒド、m−アニスアルデヒド、p−アニ
スアルデヒド、サリチルアルデヒドアリルエーテルから
選ばれるアルデヒド化合物の1種又は2種以上を含有す
ることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記載
の錫−銅合金電気めっき浴。 - 【請求項11】 水溶性金塩、水溶性銀塩、水溶性亜鉛
塩、水溶性ビスマス塩、水溶性ニッケル塩、水溶性コバ
ルト塩及び水溶性パラジウム塩から選ばれる1種又は2
種以上の水溶性金属塩を含有する請求項1乃至10のい
ずれか1項記載の錫−銅合金電気めっき浴。 - 【請求項12】 pHが10以下である請求項1乃至1
1のいずれか1項記載の錫−銅合金電気めっき浴。 - 【請求項13】 請求項1乃至12のいずれか1項記載
のめっき浴を用いて被めっき物をめっきすることを特徴
とする錫−銅合金電気めっき方法。 - 【請求項14】 使用する陽極が錫又は錫に銅、金、
銀、亜鉛、ビスマス、ニッケル、コバルト及びパラジウ
ムから選ばれる1種又は2種以上を含有する錫合金であ
る請求項13記載の錫−銅合金電気めっき方法。
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