JP2020190721A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】低温定着性が良好であるのと同時に、低帯電トナーに起因するカブリ及び折り曲げ時の画像剥がれを抑制できるトナー。【解決手段】非晶性ポリエステル及び結晶性ポリエステルを含む樹脂成分を含有するトナー粒子を有するトナーであって、TOF−SIMSによるデプスプロファイル測定において、該トナー粒子の表面からt(nm)の深さにおける該非晶性ポリエステル及び該結晶性ポリエステルに由来する2次イオン強度をそれぞれIa(t)、Ic(t)とし、樹脂に由来する2次イオンの強度をI(t)としたとき、0≦t≦10で、式(1)及び(2)を満たし、Ia(t)>Ic(t)>0.0000 (1)(Ia(t)+Ic(t))/I(t)≧0.80 (2)10<t≦30の範囲において、Ia(t)とIc(t)のデプスプロファイル曲線の交点が1つのみであることを特徴とするトナー。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法などの画像形成方法に使用されるトナーに関する。
近年、複写機やプリンターなどの画像形成装置は、装置の小型化や省エネルギー化が進んでいる。これらに対応するためにトナーにおいては、より低い温度で定着可能な、優れた低温定着性に対するニーズが高まっている。
トナーの低温定着性を達成するためには、トナーの結着樹脂の軟化温度を低くする方法が挙げられる。しかし、結着樹脂の軟化温度が低いと、トナーの耐熱保存性が低下し、特に高温環境下においてトナー粒子同士が融着する、いわゆるブロッキングが発生するという問題があった。
この問題を解決できる技術として、トナーに結晶性樹脂を用いることが知られている。結晶性樹脂は、樹脂の融点で急激に軟化するため、融点以下における耐熱保存性を担保しながら、トナーの軟化温度を融点付近にまで下げることが可能である。したがって、結晶性樹脂をトナーに用いると、低温定着性と耐熱保存性とを両立することが可能となる。
次に、装置の小型化の手段として、例えば本体に装着される定着器の小型化が有効である。定着器の中でも、容易に熱源や装置構成を簡易化できることから、フィルム定着が好ましく用いられている。しかしながら、一般的にフィルム定着は熱量が少なく、また軽圧のため、トナーに十分な熱が伝わりにくくトナーが溶融しにくい。結果として、トナーの溶融不足により、定着後画像上で孤立したトナーが画像を擦った際に色移りしてしまう画像弊害が生じやすくなる問題がある。
上記問題を解決するためには、トナー粒子表面の溶融粘度が重要である。具体的には、トナー粒子表面近傍の溶融粘度を下げることができれば、定着時にトナー同士が融着し、ネットワーク状に繋がるので、上述した画像弊害を抑制することが可能である。特に軽圧な定着器においては、トナーの表面溶融のネットワークによる定着が重要であるため、トナー粒子表面に、結晶性樹脂が存在しやすいように制御する手段がある。
しかしながら、結晶性樹脂は分子鎖が一定の規則性で配向しており、低抵抗であることから、電荷がリークしやすいという特徴がある。そのため、トナー粒子表面に結晶性樹脂が露出すると低帯電のトナーが増えることにより、所望の帯電に達しないトナーが非画像部に現像されるカブリという問題が生じる。
また、結晶性樹脂は上述した配向性に起因して、脆く割れやすいという性質がある。そのため、結晶性樹脂をトナー粒子表面に局在化させるように制御すると、こすりに対する低温定着性は向上するものの、保存用文章を折り曲げて長期保管した際に、折り曲げ箇所の画像剥がれや、画像へのヒビが生じやすいという問題がある。
このため、トナーの低温定着性が良好であるのと同時に、低帯電トナーに起因するカブリ、及び折り曲げ時の画像剥がれを抑制できるトナーが求められている。
こうした課題に対して、従来から、様々な提案がなされてきた。
特許文献1に記載のトナー粒子は、シェル層を二層有するコアシェル型であり、結晶性樹脂からなる層の外側の最表層に非晶性樹脂からなる層を有する構造とすることで、低温定着性と帯電安定性を向上させたものである。
特許文献2に記載のトナー粒子は、コアシェル型であり、シェル層に結晶性樹脂及び非晶性樹脂を用いることによって、低温定着性と耐熱保存性を向上させたものである。
特開2015−169770号公報 特開2011−149986号公報
しかしながら、特許文献1では、非晶性樹脂層を有することにより、トナー粒子表面の溶融粘度が十分に低下せず、結晶性樹脂を用いることによる、こすりの低温定着性向上の効果が十分に発揮されない可能性があることがわかった。
また、上記トナーは、結晶性樹脂と非晶性樹脂が相分離状態で存在するように構成されているため、定着後画像においても、該結晶性樹脂が該非晶性樹脂と相溶せずドメインを形成しやすくなる。そのため、該結晶性樹脂からなるドメイン部分に起因する折り曲げ強度が低下しやすいことがわかった。
また、特許文献2では、シェル層に結晶性樹脂が多量に露出した状態となるため、カブリが発生しやすいことがわかった。
また、帯電特性を向上させるために、該シェル層における結晶性樹脂比率を下げると、低温定着性が損なわれるため、低温定着性と帯電性の両立が困難であることがわかった。
本発明の目的は、低温定着性が良好であるのと同時に、低帯電トナーに起因するカブリ、及び折り曲げ時の画像剥がれを抑制できるトナーを提供することである。
樹脂成分を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該樹脂成分は、非晶性ポリエステル及び結晶性ポリエステルを含有し、
飛行時間型2次イオン質量分析TOF−SIMSによる該トナー粒子の表面の2次イオンのデプスプロファイル測定において、該トナー粒子の表面からt(nm)の深さにおける該非晶性ポリエステルに由来する2次イオン強度をIa(t)とし、該結晶性ポリエステルに由来する2次イオン強度をIc(t)とし、該トナー粒子に含まれる樹脂に由来する2次イオンの全検出強度をI(t)としたとき、
0≦t≦10の範囲において、下記式(1)及び(2)を満たし、
Ia(t)>Ic(t)>0.0000 (1)
(Ia(t)+Ic(t))/I(t)≧0.80 (2)
10<t≦30の範囲において、該Ia(t)のデプスプロファイル曲線と該Ic(t)のデプスプロファイル曲線との交点が、1つのみであることを特徴とするトナー。
本発明によれば、低温定着性が良好であるのと同時に、低帯電トナーに起因するカブリ、及び折り曲げ時の画像剥がれを抑制できるトナーを提供することができる。
本数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX〜YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
上述の通り、トナーの帯電特性を向上させるためには、特許文献1のように結晶性樹脂を含有するコア粒子を非晶性樹脂層で被覆するコアシェル型トナーが有効である。しかしながら、非晶性樹脂層の厚みや結晶性樹脂との関係を精密に制御しなければ、低温定着性と帯電特性を両立させるには不十分である。特に、フィルム定着のような軽圧の定着器構成では、トナーの溶融不足による画像弊害が顕著になりやすい。
本発明者らは、優れた低温定着性を発揮しつつ、帯電特性が高いことに加えて、定着後画像の折り曲げ時の画像剥がれ抑止を図る際のトナー構造について、鋭意検討を行った。
本発明者らのトナーの溶融シミュレーションを用いた検討により、トナー粒子表面近傍の溶融には、結晶性樹脂をトナー粒子表面から60nm程度までの深さの領域に存在させ
ることが重要であることがわかってきた。そのため、フィルム定着のような軽圧の定着器構成においては、トナー粒子に結晶性樹脂を添加し、トナー粒子表面から60nm程度の深さまでの溶融粘度を下げることが、優れた低温定着性を発揮する上で有効である。
しかしながら、トナー粒子表面に結晶性樹脂が多量に露出すると、帯電不良に起因するカブリが生じる。そのため、低温定着性と帯電特性を両立するためには、トナー粒子の表面から60nm程度までの深さの領域に十分な量の結晶性樹脂を配置し、かつ、該結晶性樹脂のトナー粒子表面への露出を抑制するよう、帯電特性に優れる非晶性樹脂の構造を緻密に制御する必要がある。
そこで、発明者らは、結晶性樹脂及び非晶性樹脂について、それぞれ結晶性ポリエステル及び非晶性ポリエステルに着目した。ポリエステル樹脂は、モノマー組成によってその物性を容易に制御することが可能であり、また、結晶性及び非晶性樹脂にポリエステル樹脂を用いることで、相溶性や構造の制御をしやすい。
本発明者らは、以下のトナーにより、上記課題を解決しうることを見出した。
すなわち、
樹脂成分を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該樹脂成分は、非晶性ポリエステル及び結晶性ポリエステルを含有し、
飛行時間型2次イオン質量分析TOF−SIMSによる該トナー粒子の表面の2次イオンのデプスプロファイル測定において、該トナー粒子の表面からt(nm)の深さにおける該非晶性ポリエステルに由来する2次イオン強度をIa(t)とし、該結晶性ポリエステルに由来する2次イオン強度をIc(t)とし、該トナー粒子に含まれる樹脂に由来する2次イオンの全検出強度をI(t)としたとき、
0≦t≦10の範囲において、下記式(1)及び(2)を満たし、
Ia(t)>Ic(t)>0.0000 (1)
(Ia(t)+Ic(t))/I(t)≧0.80 (2)
10<t≦30の範囲において、該Ia(t)のデプスプロファイル曲線と該Ic(t)のデプスプロファイル曲線との交点が、1つのみであることを特徴とする。
以下、詳細に本発明を述べていく。
上記式(1)は、トナー粒子が、トナー粒子表面から10nmまでの深さの領域において、非晶性ポリエステル及び結晶性ポリエステルを有することを示している。また、上記領域において、非晶性ポリエステルの量が結晶性ポリエステルの量よりも多いことを示している。
上記式(2)は、トナー粒子表面から10nmまでの深さの領域において、樹脂成分の80%以上が非晶性ポリエステル及び結晶性ポリエステルで構成されていることを示している。
つまり、上記領域において、上記式(1)及び(2)を同時に満たすように制御することで、低温定着性に有効なトナー粒子表面近傍に結晶性ポリエステルを配置し、かつ、トナー粒子表面に露出する結晶性ポリエステルの量を抑制することができる。その結果、良好な帯電特性を発揮することが可能となる。
0≦t≦10の範囲において、Ia(t)−Ic(t)は、0.0050〜0.0350であることが好ましく、0.0050〜0.0300であることがより好ましい。
0≦t≦10の範囲において、(Ia(t)+Ic(t))/I(t)は、0.85以上であることが好ましく、0.88以上であることがより好ましい。一方、上限は特に制限されないが、0.99以下であることが好ましく、0.95以下であることがより好ましい。
0≦t≦10の範囲において、Ia(t)は、非晶性ポリエステルの分子量及びSP値、非晶性ポリエステルと結晶性ポリエステルのSP値差、樹脂成分中の非晶性ポリエステルの含有量により制御できる。Ic(t)は、結晶性ポリエステルの分子量及びSP値、
結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルのSP値差、樹脂成分中の結晶ポリエステルの含有量により制御できる。また、(Ia(t)+Ic(t))/I(t)は、非晶性ポリエステル及び結晶性ポリエステルのSP値及び分子量、含有量により制御できる。
次に、10<t≦30の範囲において、Ia(t)のデプスプロファイル曲線とIc(t)のデプスプロファイル曲線との交点が、1つのみであることは、下記の構造を示している。すなわち、トナー粒子表面からトナー粒子内部方向へ10nmより大きく30nm以下の領域で、非晶性ポリエステルと結晶性ポリエステルの存在量が連続的に変化する構造を示している。また、交点よりもトナー粒子表面は非晶性ポリエステルが多く、交点よりもトナー粒子内部は結晶性ポリエステルが多い構造であることを示している。
上述したように、優れた低温定着性を得るためには、トナー粒子表面から60nm程度までの深さ領域までに十分な量の結晶性ポリエステルを有する構造である必要がある。そのためには、中間点であるトナー粒子表面から30nmの深さまでに非晶性ポリエステルと結晶性ポリエステルの存在量が入れ替わるような構造でなければ、トナー粒子表面から60nmまでの範囲に十分な量の結晶性ポリエステルが存在しない。そのため、当該特徴を満たさない場合、結果として、トナーの溶融不足に起因して、優れた低温定着性が発揮されない可能性がある。
また、本発明のトナーは、特許文献1のように、非晶性樹脂と結晶性樹脂が相分離状態で層を形成している構造ではなく、トナー粒子表面から内部に向かって、非晶性ポリエステルと結晶性ポリエステルの存在量が連続的に変化している構造を有する。そのため、軽圧な定着器構成にて、トナーの極表面近傍のみが溶融するような場合においても、結晶性ポリエステルが瞬時に周囲の非晶性ポリエステルを可塑し、均一に相溶した状態を取ることが可能となる。
これら溶融したトナーが画像上で冷却されると、非晶性ポリエステルに対して均一な相溶状態にある結晶性ポリエステルは、大きなドメインを形成せずに、微分散した状態で結晶化する。その結果、結晶性ポリエステルの大ドメイン部に起因する、定着後画像の画像剥がれの発生を抑制することができる。
本発明者らは、トナー粒子の構造を特定するために、物質の最表面分析に優れた飛行時間型2次イオン質量分析(TOF−SIMS)を使用し、トナー粒子に対して2次イオンのデプスプロファイル測定を行った。その際、得られた2次イオン強度により、トナー粒子構造の特定を行った。
TOF−SIMSでは、高真空中で高速のイオンビーム(1次イオン)を試料表面に照射し、スパッタリング現象により試料表面からはじき出される2次イオンを収集するため、試料表面から1μm程度までの領域について、2次イオンを安定して観察できる。
トナー粒子構造は、TOF−SIMSのデプスプロファイリング機能を利用することで観察できる。この際、1次イオンのビーム走査面積は、一般的に一辺が100〜数百μmの正方形面積の領域であり、これはトナー数百個分に相当する領域になる。
しかし、トナー粒子の表面近傍の組成を主として測定でき、トナー粒子の深さ方向にエッチングすることで、主としてトナー粒子の組成を測定できる。特に浅い領域、具体的はトナー粒子表面から0.5μmまでの深さの領域に関しては、高分解能のデプスプロファイルを得ることができ、トナー粒子の組成成分に対応する2次イオンのデプスプロファイルを解析することで、トナー粒子の構造を特定することができる。
0≦t≦10の範囲において、Ia(t)は0.0300以上0.0550以下であることが好ましい。より好ましくは0.0350以上0.0500以下である。
0.0300以上であることで、非晶性ポリエステルに起因する帯電特性が十分に発揮され、低帯電トナーに起因するカブリの発生を抑制することができる。また、0.055
0以下とすることで、非晶性ポリエステルが、結晶性ポリエステルによるトナー粒子表面の溶融粘度低下を阻害しにくくなる。
Ia(30)は、0.0100〜0.0250が好ましく、0.0150〜0.0200がより好ましい。
Ia(60)は、0.0050〜0.0100が好ましく、0.0050〜0.0080がより好ましい。
さらに0≦t≦10の範囲において、I(t)は0.0500以上であることが好ましく、より好ましくは0.0550以上である。0.0500以上とすることで、非晶性ポリエステルの良好な帯電特性及び、該結晶性ポリエステルの良好な低温定着性を効果的に発揮することができる。I(t)の上限は特に制限されないが、好ましくは0.1000以下であり、より好ましくは0.0750以下である。
I(30)は、0.0500〜0.0700が好ましく、0.0500〜0.0600がより好ましい。
I(60)は、0.0300〜0.0600が好ましく、0.0300〜0.0400がより好ましい。
Ia(t)のデプスプロファイル曲線とIc(t)のデプスプロファイル曲線との交点は10<t≦30の範囲であることが必要である。好ましくは10<t≦20である。
該交点の位置が10より大きいことで、トナー粒子表面に存在する非晶性ポリエステルに起因する良好な帯電特性を発揮することができる。また、上述の交点の位置が30以下であることで、トナー粒子表面から60nmの深さまでに十分な量の結晶性ポリエステルを存在させる構造となるため、良好な低温定着性を発揮することができる。
該交点の位置は、非晶性ポリエステル及び結晶性ポリエステルのSP値及び分子量、含有量、非晶性ポリエステル及び結晶性ポリエステルのSP値差により制御できる。
以上の通り、トナー粒子の表面から60nm程度までの深さにおける、非晶性ポリエステルと結晶性ポリエステルとの存在状態を緻密に制御することで、低温定着性と帯電特性、かつ、折り曲げ時の画像剥がれの抑制を高度に両立したトナーを提供することが可能である。
<達成手段>
上記特定のトナー構成を得る手段としては、特に制限は無いが、例えば、極性や相溶性を制御した、非晶性ポリエステル及び結晶性ポリエステルを用い、水系媒体中でトナー粒子を製造することが好ましい。水系媒体中で製造することで、極性を有するポリエステル樹脂をトナー粒子表面近傍に制御しやすくなる。
以下、トナー粒子の製造方法の例として、懸濁重合法によるトナー粒子の製造方法に関して説明する。
懸濁重合法では、まず、結着樹脂など樹脂成分を形成しうる重合性単量体中に、非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂、並びに必要に応じて着色剤、重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤を均一に分散させて、重合性単量体組成物を得る。その後、分散安定剤を含有する連続相(例えば水相)中に、適当な攪拌器を用いて、得られた重合性単量体組成物を分散させ、重合性単量体組成物の粒子を形成(造粒)し、重合開始剤を用いて重合性単量体の重合反応を行い、トナー粒子を得る。
トナー粒子は、懸濁重合トナー粒子であることが好ましい。
重合性単量体としては、例えば、
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレンなどのスチレン系単量体;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル
、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル類;
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのメタクリル酸エステル類;
その他のアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド
などが挙げられる。これらの重合性単量体は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上述の重合性単量体の中でも、スチレン系単量体を単独で用いる、または、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類などの他の重合性単量体とスチレン系単量体を併用することが好ましい。トナー粒子の構造を制御し、トナーの低温定着性及び帯電特性を向上しやすいためである。
特に、アクリル酸アルキルエステル類及びメタクリル酸アルキルエステル類からなる群から選択される少なくとも一とスチレン系単量体とを主成分として使用することが好ましい。すなわち、樹脂成分は、スチレンアクリル系樹脂を含むことが好ましい
懸濁重合法によるトナー粒子の製造において使用される重合開始剤としては、重合反応時における半減期が0.5時間〜30時間であるものが好ましい。また、重合性単量体100質量部に対して0.5質量部〜20質量部の量で用いることが好ましい。そうすると、分子量5000〜50000の間に極大を有する重合体を得ることができ、好ましい強度と適当な溶融特性をトナー粒子に与えることができる。
定着性と機械的強度の観点から、スチレンアクリル系樹脂のピーク分子量(Mp)は、10000〜35000であることが好ましく、15000〜30000であることがより好ましい。
重合開始剤としては、例えば、
2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系またはジアゾ系重合開始剤;
ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(セカンダリーブチル)パーオキシジカーボネートなどの過酸化物系重合開始剤
などが挙げられる。
これらの中でも、t−ブチルパーオキシピバレートが好ましい。
これらの重合開始剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
トナー粒子を懸濁重合法により製造する際は、架橋剤を用いてもよい。架橋剤の使用量は、重合性単量体100質量部に対して0.001質量部〜15質量部であることが好ましい。
架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が挙げられ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどのような芳香族ジビニル化合物;
エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−
ブタンジオールジメタクリレートなどのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;
ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンなどのジビニル化合物;
3個以上のビニル基を有する化合物;
などが挙げられる。これらの架橋剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂成分がスチレンアクリル系樹脂を含む場合、樹脂成分中のスチレンアクリル系樹脂の含有割合が、50質量%以上99質量%以下であることが好ましく、60質量%以上95質量%以下であることがより好ましい。
また、樹脂成分がスチレンアクリル系樹脂を含む場合、飛行時間型2次イオン質量分析TOF−SIMSによるトナー粒子の表面の2次イオンのデプスプロファイル測定において、トナー粒子の表面からt(nm)の深さにおける結晶性ポリエステルに由来する2次イオン強度をIc(t)とし、スチレンアクリル系樹脂に由来する2次イオン強度をIs(t)とした場合、0≦t≦30の範囲において、下記式(6)を満たすことが好ましい。より好ましくは式(6’)を満たす。
Ic(t)>Is(t) (6)
0.0100≦Ic(t)−Is(t)≦0.0350 (6’)
上記範囲であると、定着時のトナー粒子表面の溶融粘度が十分に低下し、トナーの低温定着性が向上する。
0≦t≦30の範囲において、Ic(t)は、結晶性ポリエステルの分子量及びSP値、結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルのSP値差、樹脂成分中の結晶ポリエステルの含有量により制御できる。
また、飛行時間型2次イオン質量分析TOF−SIMSによるトナー粒子の表面の2次イオンのデプスプロファイル測定において、トナー粒子の表面からt(nm)の深さにおける該トナー粒子に含まれる樹脂に由来する2次イオンの全検出強度をI(t)とし、スチレンアクリル系樹脂に由来する2次イオン強度をそれぞれIs(t)とした場合、30<t≦60の範囲において、下記式(7)を満たすことが好ましい。より好ましくは式(7’)を満たす。
0.10≦Is(t)/I(t)≦0.50 (7)
0.20≦Is(t)/I(t)≦0.45 (7’)
上記式(7)を満たすことで、耐オフセット性が向上する。
30<t≦60の範囲において、I(t)は、飛行時間型2次イオン質量分析TOF−SIMSの1次イオンの照射量により制御できる。
非晶性ポリエステルは、飽和ポリエステル、不飽和ポリエステル、又はその両者を適宜選択して使用することが可能である。
非晶性ポリエステルは、アルコール成分と酸成分から生成される通常のものが使用でき、両成分については以下に例示する。
アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ブテンジオール、オクテンジオール、シクロヘキセンジメタノール、水素化ビスフェノールA、また下記(A)式で表されるビスフェノール及びその誘導体;下記(B)式で示されるジオール類等が挙げられる。
Figure 2020190721

(式(A)において、Rは、エチレン又はプロピレン基である。x及びyは、それぞれ0以上の整数である。ただし、x+yの平均値は0〜10である。)
Figure 2020190721
非晶性ポリエステルの調製で用いることができる三価以上のアルコールとして、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
非晶性ポリエステルの調製で用いることができる二価のカルボン酸として、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸などのアルケニルコハク酸類又はアルキルコハク酸類、又はその無水物、低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;等のジカルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。ハンドリング性や反応性の観点から、テレフタル酸、イソフタル酸等のようなベンゼンジカルボン酸類が好適に用いられる。
非晶性ポリエステルの調製で用いることができる三価以上の多価カルボン酸成分として、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水物、低級アルキルエステル;下記式(C)で表されるテトラカルボン酸等、及びこれらの無水物、低級アルキルエステル等の多価カルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
Figure 2020190721

(式(C)において、Xは、アルキレン基又はアルケニレン基を表す。ただし、Xは、炭素数3以上の側鎖を1個以上有する炭素数5〜30の置換基である。)
さらに、アルコール成分としてグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルの如き多価アルコールが挙げられ、酸成分としてトリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸が挙げられる。
結晶性ポリエステルの原料モノマーは、結晶性を失わないものであれば、特に限定されず任意のものを使用できる。
『結晶性』とは、示差走査熱量測定DSCにおいて、明確な吸熱ピークを有する(融点を有する)ことを意味する。一方、明確な吸熱ピークが認められない樹脂は、非晶性であることを意味する。
結晶性ポリエステルは、ポリエステル部位とビニル部位を有するハイブリッド樹脂であってもよい。例えば、ポリエステル部位の含有量は、50質量%〜100質量%であることが好ましく、80質量%〜100質量%であることがより好ましい。
結晶性ポリエステルは、直鎖型脂肪族ジカルボン酸及び直鎖型脂肪族ジオールを含むモノマーの縮重合物であることが好ましい。結晶性を有していれば、前述の非晶性ポリエステルのモノマーを用いてもよい。
結晶性ポリエステルは、下記式(X)で示される直鎖型脂肪族ジカルボン酸と、下記式(Y)で示される直鎖型脂肪族ジオールとを含むモノマーにより生成されるポリエステルが主成分であることがより好ましい。主成分とは、その含有量が50質量%以上であることをいう。
HOOC−(CH−COOH (X)
[式中、mは2〜14の整数を示す]
HO−(CH−OH (Y)
[式中、nは2〜16の整数を示す]
上記式(X)で示されるジカルボン酸と、上記式(Y)で示されるジオールから構成される、直鎖型のポリエステルは結晶性に優れるため、トナー中で非晶性ポリエステルと相溶したままにならず、良好な耐熱保存性を発揮することができる。
また、式(X)中のm、式(Y)中のnが2以上であると、融点(Tm)がトナーの定着にとって好適な範囲であるため、低温定着性に優れる。また、式(X)中のmが14以下、式(Y)中のnが16以下であると、実用上の材料の入手が容易である。
なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調製等の目的で、酢酸、安息香酸等の一価の酸や、シクロヘキサノールベンジルアルコール等の一価のアルコールも用いられる。
結晶性ポリエステルは、通常のポリエステル合成法で製造することができる。例えば、ジカルボン酸成分とジアルコール成分をエステル化反応、又はエステル交換反応せしめた後、減圧下又は窒素ガスを導入して常法に従って重縮合反応させることによって得ることができる。
エステル化又はエステル交換反応の時には、必要に応じて硫酸、t‐ブチルチタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸マンガン、酢酸マグネシウム等の通常のエステ
ル化触媒又はエステル交換触媒を用いることができる。また、重合に関しては、通常の重合触媒、例えば、ターシャリーブチルチタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム等の公知のものを使用することができる。重合温度、触媒量は特に限定されるものではなく、必要に応じて任意に選択することができる。
触媒としてはチタン触媒を用いると好ましく、キレート型チタン触媒であるとより好ましい。チタン触媒の反応性が適当であり、好ましい分子量分布のポリエステルが得られる。
また、ポリマー末端のカルボキシル基を封止することで結晶性ポリエステルの酸価を制御することもできる。末端封止にはモノカルボン酸、モノアルコールを用いる事ができる。
モノカルボン酸としては例えば安息香酸、ナフタレンカルボン酸、サリチル酸、4−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、フェノキシ酢酸、ビフェニルカルボン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸などのモノカルボン酸が挙げられる。
また、モノアルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、及び、高級アルコールが使用可能である。
結晶性ポリエステルのSP値をSP1(cal/cm1/2とし、非晶性ポリエステルのSP値をSP2(cal/cm1/2としたとき、SP2−SP1が3.00以上3.70以下であることが好ましい。より好ましくは、3.00以上3.40以下である。
前記のように、水系媒体中でトナー粒子を製造することが好ましい。そのため、SP2−SP1が3.00以上3.70以下であると、SP値の大きな非晶性ポリエステルがトナー粒子表面を覆うように局在化し、その非晶性ポリエステルに対して、一部結晶性ポリエステルが相溶する状態となる。そのため、低温定着性と帯電特性を両立することができる。
SP2−SP1が3.00以上であると、トナー粒子の造粒時において、非晶性ポリエステルと結晶性ポリエステルが必要以上に相溶しない状態となるため、トナー粒子表面に結晶性ポリエステルが露出しにくくなる。その結果、帯電特性が適切になり、カブリを抑制できる。
また、SP2−SP1が3.70以下であると、非晶性ポリエステルと結晶性ポリエステルが適度に相溶する状態となる。そのため、結晶性ポリエステルがトナー粒子内部でドメインを形成し、トナー粒子表面から60nm程度の深さの範囲において、結晶性ポリエステルの存在量が適切になる。そのため、定着時において、結晶性ポリエステルによる非晶性ポリエステルへの可塑効果が向上するので、低温定着性が良好になる。
なお、本発明で用いられるSP値は一般的に用いられているFedorsの方法[Poly.Eng.Sci.,14(2)147 (1974)]により、樹脂、疎水化処理
剤を構成するモノマーの種類と比率から算出する。
SP値は、モノマーの種類と量によって制御することができる。SP値を大きくするためには、例えば、SP値の大きいモノマーを使用すればよい。一方、SP値を小さくするためには、例えば、SP値の小さいモノマーを使用すればよい。SP値の単位は、
(cal/cm1/2であるが、1(cal/cm1/2=2.046×10(J/m1/2によって(J/m1/2の単位に換算することができる。
非晶性ポリエステルのSP値SP2は、12.40以上12.90以下であることが好ましい。12.40以上であると、良好な帯電性を発揮することができ12.90以下で
あると、良好な定着性を発揮することができる。より好ましくは、12.50以上12.80以下である。
非晶性ポリエステルは、アルキレンオキサイドの平均付加モル数3.0以上5.0以下のビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を含有したジアルコール成分と、ジカルボン酸成分との重縮合物であり、アルキレンオキサイドが、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選択される(好ましくはプロピレンオキサイド)ことが好ましい。平均付加モル数はより好ましくは4.0以上5.0以下である。
アルキレンオキサイドの平均付加モル数が3.0以上であると、柔軟な部位が多く存在することとなり、樹脂の主骨格部分の運動性が増し、粘りが増すため靱性を発現しやすくなる。結果として、定着後画像を折り曲げる際に、低温低湿の過酷な環境下においても画像剥がれ(画像へのひび)が抑制されやすくなる。
一方、平均付加モル数が5.0以下であると、高分子量化による定着性阻害を抑制しやすい。
ジアルコール成分中の、平均付加モル数3.0以上5.0以下のビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物の含有量は、50モル%〜100モル%であることが好ましく、80モル%〜100モル%であることがより好ましい。
非晶性ポリエステルの重量平均分子量(Mw)は、7000以上20000以下であることが好ましい。Mwが7000以上であると、トナーの耐熱保存性の低下が抑制されやすい。Mwが、20000以下であると、定着阻害を抑制することができる。より好ましくは9000以上15000以下である。
結晶性ポリエステル樹脂の融点Tm(C)は、55℃以上90℃以下であることが好ましく、60℃以上85℃以下であることがより好ましい。55℃以上であると、トナーの耐熱保存性が良好になる。一方、融点が90℃以下の場合、低温定着性が良化する。
結晶性ポリエステルの重量平均分子量Mwが3000以上50000以下であると好ましい。結晶性ポリエステルの重量平均分子量(Mw)が3000以上であると、トナーの耐熱保存性や耐オフセット性が向上する。50000以下であると定着性が良好である。好ましくは、15000以上40000以下である。
樹脂成分中の結晶性ポリエステルの含有量は、5質量%〜85質量%であることが好ましく、10質量%〜80質量%であることがより好ましい。
樹脂成分がスチレンアクリル樹脂を含む場合は、結晶性ポリエステルの含有量は、スチレンアクリル樹脂100質量部に対して、好ましくは3質量部以上20質量部以下であり、より好ましくは5質量部以上20質量部以下である。3質量部以上であると、上述した本発明の効果が十分に得られやすい。また、20質量部以下であると、結晶性ポリエステル中の低分子量成分のトナー中の含有量が多すぎず、耐熱保存性が低下しにくくなる。
樹脂成分中の非晶性ポリエステルの含有量は、1質量%〜35質量%であることが好ましく、2質量%〜30質量%であることがより好ましい。
樹脂成分がスチレンアクリル樹脂を含む場合は、非晶性ポリエステルの含有量は、スチレンアクリル樹脂100質量部に対して、好ましくは2質量部以上15質量部以下であり、より好ましくは2質量部以上10質量部以下である。
非晶性ポリエステルの含有量に対する結晶性ポリエステルの含有量の比(質量比率:CPES/APES)は、1〜10であることが好ましく、2〜5であることがより好ましい。
結晶性ポリエステルの酸価が、0.1mgKOH/g以上5.0mgKOH/g以下であることが好ましく、0.5mgKOH/g以上4.0mgKOH/g以下であることが
より好ましい。酸価が上記範囲内であれば、結晶性ポリエステルの結晶化度を高めることができ、高温高湿環境で長期使用した際のトナー劣化を抑制し、カブリをより抑制できる。なお、酸価は、重合時のモノマー組成比などによって制御可能である。
また、結晶性ポリエステルのSP値SP1は、9.45以上9.80以下であることが好ましく、9.50以上9.70以下であることがより好ましい。
飛行時間型2次イオン質量分析TOF−SIMSによるトナー粒子の表面の2次イオンのデプスプロファイル測定において、t=0(すなわち、トナー粒子の最表面)における結晶性ポリエステルに由来する2次イオン強度をIc(0)とし、t=0におけるトナー粒子に含まれる樹脂に由来する2次イオンの全検出強度をI(0)としたとき、下記式(3)を満たすことが好ましい。より好ましくは下記式(3’)を満たす。
0.10≦Ic(0)/I(0)≦0.40 (3)
0.20≦Ic(0)/I(0)≦0.30 (3’)
0.10以上であると定着性及び定着後画像の強靭性が向上し、0.40以下であると良好な帯電性を得ることができる。
Ic(0)は、結晶性ポリエステルの分子量及びSP値、結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルのSP値差、樹脂成分中の結晶ポリエステルの含有量により制御できる。I(0)は、飛行時間型2次イオン質量分析TOF−SIMSの1次イオンの照射量により制御できる。
また、飛行時間型2次イオン質量分析TOF−SIMSによるトナー粒子の表面の2次イオンのデプスプロファイル測定において、t=30(すなわち、トナー粒子の表面から30(nm)の深さ)における、結晶性ポリエステルに由来する2次イオン強度をIc(30)とし、t=30におけるトナー粒子に含まれる樹脂に由来する2次イオンの全検出強度をI(30)としたとき、下記式(4)を満たすことが好ましい。より好ましくは下記式(4’)を満たす。
0.40<Ic(30)/I(30)≦0.90 (4)
0.40≦Ic(30)/I(30)≦0.60 (4’)
0.40より大きいと、フィルム定着のような軽圧な定着器構成においても、定着時に瞬時に十分な量の結晶性ポリエステルが溶融するため、低温定着性が飛躍的に向上する。一方、0.90以下であると耐オフセット性が向上し、定着後画像の剥がれを抑制することができる。
Ic(30)は、結晶性ポリエステルの分子量及びSP値、結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルのSP値差、樹脂成分中の結晶ポリエステルの含有量により制御できる。I(30)は、飛行時間型2次イオン質量分析TOF−SIMSの1次イオンの照射量により制御できる。
飛行時間型2次イオン質量分析(TOF−SIMS)による該トナー粒子の表面の2次イオンのデプスプロファイル測定において、0≦t≦10の範囲において、Ic(t)が下記式(5)を満たすことが好ましい。より好ましくは下記式(5’)を満たす。
0.0100≦Ic(t)≦0.0350 (5)
0.0150≦Ic(t)≦0.0300 (5’)
0.0100以上であると結晶性ポリエステルによるトナー粒子表面の溶融粘度を効果的に下げることができ、また、定着後画像の画像剥がれを抑制することができる。そのため、定着性及び定着後画像の強靭性が向上する。0.0350以下であると帯電性が向上し、低帯電トナーに起因するカブリの発生を抑制することができる。
Ic(30)は、0.0150〜0.0500が好ましく、0.0200〜0.0500がより好ましい。
Ic(60)は、0.0100〜0.0300が好ましく、0.0100〜0.020
0がより好ましい。
トナー粒子の重量平均粒径D4は、4.00μm以上15.00μm以下であることが好ましく、より好ましくは5.00μm以上8.00μm以下である。重量平均粒径(D4)が上記範囲であれば、良好な流動性が得られ、規制部で摩擦帯電されやすくなるため低帯電トナーに起因するカブリを抑制でき、また潜像に忠実に現像することができる。
トナーは、磁性一成分トナー、非磁性一成分トナー、非磁性二成分現像剤用のトナーなど、いずれのトナーとしても使用できる。
トナーを磁性一成分トナーとして用いる場合、着色剤としては、磁性体が好ましく用いられる。
磁性一成分トナーに用いられる磁性体としては、例えば、
マグネタイト、マグヘマイト、フェライトのような磁性酸化鉄、又は、さらに他の金属酸化物を含む磁性酸化鉄;
Fe、Co、Niのような金属、又は、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Be、Bi、Cd、Ca、Mn、Se、Ti、W、Vのような金属との合金、及びこれらの混合物などが挙げられる。
これらの磁性体の中でも、マグネタイトが好ましい。マグネタイトの形状としては、多面体、八面体、六面体、球形、針状、燐片状などが挙げられる。これらの形状の中でも、多面体、八面体、六面体、球形などの異方性の少ないものが、画像濃度を高める点で好ましい。
磁性体の体積平均粒径は、0.10μm〜0.40μmであることが好ましい。体積平均粒径が0.10μm以上であると、磁性体が凝集しにくくなり、トナー粒子中での磁性体の均一分散性が向上する。また、体積平均粒径が0.40μm以下であると、トナーの着色力が向上する。
磁性体の体積平均粒径は、透過型電子顕微鏡を用いて測定することができる。具体的には、エポキシ樹脂中へトナーを十分に分散させた後、温度40℃の雰囲気中において2日間かけて硬化させ、硬化物を得る。得られた硬化物をミクロトームによって薄片状のサンプルとして、透過型電子顕微鏡(TEM)において1万倍〜4万倍の拡大倍率の写真で視野中の100個の磁性体の粒径を測定する。そして、磁性体の投影面積に等しい円の相当径を基に、体積平均粒径の算出を行う。また、画像解析装置によって磁性体の体積平均粒径を測定することも可能である。
トナー粒子中の磁性体の含有量は、トナー粒子の樹脂成分100質量部に対して30質量部〜120質量部であることが好ましく、40質量部〜110質量部であることがより好ましい。
トナーに用いられる磁性体は、例えば、以下の方法で製造することができる。
第一鉄塩水溶液に、鉄成分に対して当量又は当量以上の水酸化ナトリウムなどのアルカリを加え、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製する。調製した水溶液のpHを7以上に維持しながら空気を吹き込み、水溶液を70℃以上に加温しながら水酸化第一鉄の酸化反応を行い、磁性体の芯となる種晶をまず生成する。
次に、種晶を含むスラリー状の液に、前に加えたアルカリの量を基準として1当量の硫酸第一鉄を含む水溶液を加える。液のpHを5〜10に維持して空気を吹き込みながら水酸化第一鉄の反応を進め、種晶を芯にして磁性酸化鉄粒子を成長させる。このとき、pH、反応温度および攪拌条件を調整することにより、磁性体の形状及び磁気特性を制御することが可能である。酸化反応が進むにつれて液のpHは酸性側に移行していくが、液のpHは5未満にしないことが好ましい。
このようにして得られた磁性酸化鉄粒子を濾過し、洗浄し、乾燥させることにより、磁
性体を得ることができる。
また、重合法にてトナーを製造する場合、磁性体の表面を疎水化処理することが好ましい。乾式にて表面処理をする場合、洗浄、濾過及び乾燥を行った磁性体の表面にカップリング剤処理を行うことができる。
湿式にて表面処理を行う場合、酸化反応が終了した後、乾燥させたものを再分散させ、または、酸化反応が終了した後、洗浄し、濾過して得られた酸化鉄を乾燥させずに別の水系媒体中に再分散させ、カップリング処理を行うことができる。
再分散を行う場合、具体的には、再分散液を攪拌しながらシランカップリング剤を添加し、加水分解後に温度を上げる、または、加水分解後に再分散液のpHをアルカリ域に調整することでカップリング処理を行うことができる。
これらの中でも、均一な表面処理を行うという観点から、酸化反応が終了した後、濾過し、洗浄した後に乾燥させず、そのままスラリー化し、表面処理を行うことが好ましい。
磁性体の表面処理を湿式で、すなわち水系媒体中においてカップリング剤で処理するには、まず、水系媒体中で磁性体を一次粒径となるように分散させ、沈降したり、凝集したりしないように攪拌羽根などで攪拌する。次いで、上記分散液に適当な量のカップリング剤を投入し、カップリング剤を加水分解させながら表面処理するが、このときも攪拌を行いつつ、ピンミル、ラインミルなどの装置を使い、凝集しないように分散させつつ、表面処理を行うことが好ましい。
水系媒体とは、水を主要成分としている媒体である。例えば、水そのもの、水に少量の界面活性剤を添加した媒体、水にpH調製剤を添加した媒体、水に有機溶剤を添加した媒体などが挙げられる。
界面活性剤としては、ポリビニルアルコールなどのノニオン系界面活性剤が好ましい。界面活性剤は、水系媒体中において0.1質量%〜5.0質量%の濃度になるように添加することが好ましい。
pH調製剤としては、例えば、塩酸などの無機酸が挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、アルコール類などが挙げられる。
磁性体の表面処理において使用できるカップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などが挙げられる。これらの中でも、シランカップリング剤が好ましく、下記式(E)で示されるシランカップリング剤がより好ましい。
−Si−Y (E)
上記式(E)中、Rは、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基)を示し、mは、1〜3の整数を示す。Yは、アルキル基(好ましくは、炭素数2〜20のアルキル基)、フェニル基、ビニル基、エポキシ基、アクリル基、又は、メタクリル基を示す。mおよびnは、それぞれ独立して、1〜3の整数を示す。ただし、m+n=4である。
上記式(E)で示されるシランカップリング剤としては、例えば、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン
、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン
などが挙げられる。
これらの中でも、高い疎水性を磁性体に付与するという点で、下記式(F)で示されるアルキルトリアルコキシシランカップリング剤を用いることが好ましい。
2p+1−Si−(OC2q+1 (F)
上記式(F)中、pは、2〜20の整数を示し、qは、1〜3の整数を示す。
上記式(F)中のpが2以上であると、磁性体に疎水性を十分に付与することができる。pが20以下であると、磁性体同士の合一を抑制することができる。qが3以下であると、シランカップリング剤の反応性が良好で、磁性体に疎水化を十分に付与することができる。
上記式(F)中のpは、3〜15の整数であることが好ましく、qは、1又は2であることが好ましい。
シランカップリング剤などの疎水化処理剤を用いる場合、1種を単独で用いて処理してもよいし、2種以上を併用して処理してもよい。2種以上を併用する場合、それぞれの疎水化処理剤で個別に処理してもよいし、同時に処理してもよい。
用いるカップリング剤の総処理量は、磁性体100質量部に対して0.9質量部〜3.0質量部であることが好ましく、磁性体の表面積、カップリング剤の反応性などに応じて処理剤の量を調整することが好ましい。
磁性体以外の着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどのカーボンブラックが挙げられる。
イエロー色の着色剤としては、顔料や染料を用いることができる。顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、17、23、62、65、73、74、81、83、93、94、95、97、98、109、110、111、117、120、127、128、129、137、138、139、147、151、154、155、167、168、173、174、176、180、181、183、191、C.I.バットイエロー1、3、20などが挙げられる。
染料としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー19、44、77、79、81、82、93、98、103、104、112、162などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
シアン色の着色剤としては、顔料や染料を用いることができる。顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15;1、15;2、15;3、15;4、16、17、60、62、66など、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45などが挙げられる。
染料としては、例えば、C.I.ソルベントブルー25、36、60、70、93、95などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
マゼンタ色の着色剤としては、顔料や染料を用いることができる。顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、48;2、48;3、48;4、49、50、51、52、53、54、55、57、57;1、58、60、63、64、68、81、81;1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、150、163、166、169、177、184、185、202、206、
207、209、220、221、238、254、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35などが挙げられる。
染料としては、例えば、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、52、58、63、81、82、83、84、100、109、111、121、122、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.ディスパースバイオレット1などの油溶染料や、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28などの塩基性染料などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
トナー粒子中の該磁性体以外の着色剤の含有量は、トナー粒子中の樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部〜20質量部であることが好ましい。
トナー粒子は、離型剤を含有してもよい。
離型剤としては、例えば、
カルナウバワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;
脱酸カルナウバワックスなどのような脂肪酸エステル類から酸成分の一部または全部を脱酸したもの;
植物性油脂の水素添加などによって得られる、ヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物;
ステアリン酸ステアリル、ベヘニン酸ベヘニルなどの飽和脂肪酸モノエステル類;
セバシン酸ジベヘニル、ドデカン二酸ジステアリル、オクタデカン二酸ジステアリルなどの飽和脂肪族ジカルボン酸と飽和脂肪族アルコールとのジエステル化物;
ノナンジオールジベヘネート、ドデカンジオールジステアレートなどの飽和脂肪族ジオールと飽和脂肪酸とのジエステル化物、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス;
酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物またはそれらのブロック共重合物;
脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;
パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;
ブラシジン酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;
ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;
ソルビトールなどの多価アルコール類;
リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;
メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;
m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;
ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般的に金属石鹸といわれているもの);
炭素数12以上の長鎖アルキルアルコールまたは長鎖アルキルカルボン酸;
などが挙げられる。
これらの離型剤の中では、飽和脂肪酸モノエステル類やジエステル化物などの1官能または2官能のエステルワックスや、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの炭化水素ワックスが好ましい。
離型剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時の最大吸熱ピークのピーク温度で規定される離型剤の融点は、60℃〜140℃であることが好ましい。より好ましくは60℃〜90℃である。融点が60℃以上であると、トナーの保存性が向上する。一方、融点が140℃以下であると、低温定着性が向上しやすくなる。
トナー粒子中の離型剤の含有量は、トナー粒子中の樹脂成分100質量部に対して、3質量部〜30質量部であることが好ましい。離型剤の含有量が3質量部以上であると、定着性が良化しやすくなる。一方、離型剤の含有量が30質量部以下であると、長期使用時にトナーの劣化が起こりにくくなり、画像安定性が向上しやすくなる。
トナー粒子はそのままトナーとして用いてもよい。トナー粒子に種々の無機微粒子などの外添剤を添加してトナーを得てもよい。さらに無機微粒子に換えて、あるいは無機微粒子と共に有機微粒子を用いてもよい。
無機微粒子として、例えば、シリカ微粒子、フッ素樹脂粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、ポリフッ化ビニリデン粒子のような滑剤;酸化セリウム粒子、炭化ケイ素粒子、アルカリ土類金属のチタン酸塩の微粒子;具体的にはチタン酸ストロンチウム微粒子、チタン酸バリウム微粒子、チタン酸カルシウム微粒子などの研磨剤などが挙げられる。
また、シリカなどのスペーサー粒子を本発明の効果に影響を与えない程度に少量用いることもできる。中でも、シリカ微粒子はトナーの流動性を著しく良化させ、本発明の効果を発揮しやすくなるため、好ましい。
シリカ微粒子を用いる場合、トナーに良好な流動性を付与させるために、窒素吸着によるBET法で測定した比表面積(BET比表面積)が20m/g以上350m/g以下のものが好ましい。より好ましくは25m/g以上300m/g以下である。
上記窒素吸着によるBET法で測定した比表面積(BET比表面積)の測定は、JIS
Z8830(2001年)に準じて行う。測定装置としては、定容法によるガス吸着法を測定方式として採用している「自動比表面積・細孔分布測定装置 TriStar30
00(島津製作所社製)」を用いることができる。
シリカ微粒子、その他無機微粒子は、疎水化処理を施したものであることが好ましく、メタノール滴定試験によって測定された疎水化度が40%以上、より好ましくは50%以上となるように疎水化処理したものが特に好ましい。
上記疎水化処理の方法としては、有機ケイ素化合物、シリコーンオイル、長鎖脂肪酸などで処理する方法が挙げられる。
有機ケイ素化合物として、例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサンなどが挙げられる。これら有機ケイ素化合物は、一種類を用いてもよいし、二種類以上の混合物として用いてもよい。
シリコーンオイルとして、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
長鎖脂肪酸として、炭素数が10〜22の脂肪酸を好適に用いることができるが、直鎖脂肪酸であってもよいし、分岐脂肪酸であってもよい。また、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸のいずれも用いることが可能である。
この中でも、炭素数が10〜22の直鎖の飽和脂肪酸は無機微粒子の表面を均一に処理しやすい点で、非常に好ましい。
直鎖の飽和脂肪酸として、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミルスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸などが挙げられる。
無機微粒子の中でも、シリカ微粒子は、シリコーンオイルにより処理したものが好ましく、より好ましくは、シリカ微粒子を有機ケイ素化合物とシリコーンオイルとにより処理したものが疎水化度を好適に制御できるので、好ましい。
シリカ微粒子をシリコーンオイルで処理する方法としては、例えば、有機ケイ素化合物で処理されたシリカ微粒子とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサーなどの混合機を用いて直接混合する方法や、シリカ微粒子にシリコーンオイルを噴霧する方法が挙げられる。あるいは、適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解又は分散させた後、シリカ微粒子を加えて混合し、溶剤を除去する方法でもよい。
シリコーンオイルの処理量は、良好な疎水性を得るために、シリカ微粒子100質量部に対して1質量部以上40質量部以下であることが好ましく、3質量部以上35質量部以下であることがより好ましい。
次に、物性などの測定方法について説明する。
<非晶性ポリエステル及び結晶性ポリエステルなどの樹脂成分のモノマー分析方法>
[トナーから樹脂成分と離型剤の分離]
トナーをテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、得られた可溶分から溶媒を減圧留去して、トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶成分を得る。得られたトナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶成分をクロロホルムに溶解し、濃度25mg/mLの試料溶液を調製する。得られた試料溶液3.5mLを、下記装置に注入し、下記条件で、分子量2000未満の離型剤由来の低分子量成分と、分子量2000以上の樹脂成分由来の高分子量成分とを分取する。
分取GPC装置:日本分析工業(株)製 分取HPLC LC−980型
分取用カラム:JAIGEL 3H、JAIGEL 5H(日本分析工業(株)社製)
溶離液:クロロホルム
流速:3.5mL/min
樹脂成分由来の高分子量成分を分取した後、溶媒を減圧留去し、さらに90℃雰囲気中、減圧下で24時間乾燥する。樹脂成分が100mg程度得られるまで上記操作を繰り返す。
[樹脂成分から非晶性ポリエステルと結晶性ポリエステルの分離]
上記作業で得られた樹脂成分100mgにアセトン500mLを加え、70℃に加熱し完全に溶解させた後、徐々に25℃まで冷却して結晶性樹脂を再結晶させる。結晶性樹脂を吸引ろ過して、結晶性ポリエステルとろ液に分離する。
次いで、分離したろ液をメタノール500mLへ徐々に加えて、非晶性ポリエステルを再沈殿させる。その後、吸引ろ過器で非晶性ポリエステルを取り出す。
得られた非晶性ポリエステル及び結晶性ポリエステルを40℃で24時間減圧乾燥する。
[非晶性ポリエステル、結晶性ポリエステル及びスチレンアクリル系樹脂などの樹脂成分のモノマー分析]
非晶性ポリエステル、結晶性ポリエステル及びスチレンアクリル系樹脂などの樹脂成分のモノマーの種類は、トナーから分取した各樹脂成分の試料を下記条件で熱分解GC/M
S装置を用いて分析する。
測定装置:「Voyager」(商品名、サーモエレクトロン社製)
熱分解温度:600℃
カラム:HP−1(15m×0.25mm×0.25μm)
Inlet:300℃、Split:20.0
注入量:1.2mL/min
昇温:50℃(4min)−300℃(20℃/min)
<飛行時間型2次イオン質量分析TOF−SIMSを用いたトナー粒子表面の2次イオンのデプスプロファイル測定>
アルバック・ファイ社製TOF−SIMS(TRIFTIV)により、トナー粒子表面を構成する樹脂に由来するイオンのデプスプロファイルを測定した。条件は下記の通りである。
[サンプル調整]
サンプルホルダにインジウム板をのせて、その上にトナー粒子を付着させる。トナー粒子がサンプルホルダ上で動いてしまう場合には、サンプルホルダにインジウム板をのせて、カーボンペーストを塗った上にトナー粒子を固定してもよい。カーボンペーストなどの固定助剤やシリコンウエハーを用いる場合には、トナー粒子がない状態でバックグラウンドを同条件で測定し換算する。
[スパッタ条件]
スパッタイオン種:アルゴンクラスターイオン((Ar、n=2000程度)
加速電圧:10kV
電流値:8.5nA
スパッタ面積:600×600μm
スパッタ時間:2sec/cycle
スパッタレート:1nm/sec
上記スパッタレートについては、上記スパッタ条件で、膜厚が300nmのポリメチルメタクリレート樹脂をスパッタし、膜厚300nmをスパッタし終わる時間を算出し、規格化することで換算した。
[分析条件]
一次イオン種:金イオン(Au
加速電圧:25kV
電流値:2pA
分析面積:200×200μm
画素数:256×256pixel
分析時間:30sec/cycle
繰り返し周波数:8.2kHz
帯電中和:ON
二次イオン極性:Positive
二次イオン質量範囲:m/z0.5−1850
<トナー粒子の表面からt(nm)の深さにおける樹脂成分に由来する2次イオン強度の算出>
[Ia(t)の算出]
上述するモノマー分析によって非晶性ポリエステルのモノマー種を同定した後、他のトナー材料と被らない非晶性ポリエステル由来のマススペクトルのピークを1つ以上選択する。トナー粒子表面からt(nm)における該マススペクトル強度の合計をIa(t)とする。
[Ic(t)の算出]
上述するモノマー分析によって結晶性ポリエステルのモノマー種を同定した後、他のトナー材料と被らない結晶性ポリエステル由来のマススペクトルのピークを1つ以上選択する。トナー粒子表面からt(nm)における該マススペクトル強度の合計をIc(t)とする。
[Is(t)の算出]
上述するモノマー分析によってスチレンアクリル系樹脂のモノマー種を同定した後、他のトナー材料と被らないスチレンアクリル系樹脂由来のマススペクトルのピークを1つ以上選択する。トナー粒子表面からt(nm)における該マススペクトル強度の合計をIs(t)とする。
[I(t)の算出]
上述するモノマー分析によってトナー粒子に用いられる樹脂成分を同定した後、樹脂由来のマススペクトルをすべて選択する。トナー粒子表面からt(nm)における該マススペクトル強度の合計をI(t)とする。
(トナーからのトナー粒子の単離)
以下のようにしてトナーから単離したトナー粒子を用いて上記測定を行うこともできる。
イオン交換水100mLにスクロース(キシダ化学製)160gを加え、湯せんをしながら溶解させ、ショ糖濃厚液を調製する。遠心分離用チューブ(容量50ml)に、上記ショ糖濃厚液を31gと、コンタミノンN(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を6mL入れる。ここにトナー1.0gを添加し、スパチュラなどでトナーのかたまりをほぐす。遠心分離用チューブをシェイカー(AS−1N アズワン株式会社よ
り販売)にて300spm(strokes per min)、20分間振とうする。振とう後、溶液をスイングローター用ガラスチューブ(50mL)に入れ替えて、遠心分離機(H−9R 株式会社コクサン製)にて3500rpm、30分間の条件で分離する。
この操作により、トナー粒子と外添剤とが分離される。トナー粒子と水溶液が十分に分離されていることを目視で確認し、最上層に分離したトナー粒子をスパチュラ等で採取する。採取したトナー粒子を減圧濾過器で濾過した後、乾燥機で1時間以上乾燥し、測定用試料を得る。この操作を複数回実施して、必要量を確保する。
<重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置(商品名:コールターカウンターMultisizer3、ベックマンコールター社製)、及び、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト(商品名:ベックマンコールターMultisizer3 Version3.51、ベックマンコールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出した。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、ベックマンコールター社製のISOTONII(商品名)が使用できる。
なお、測定及び解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行った。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマンコールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTONII(商品名)に設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、
粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm〜60μmに設定する。
具体的な測定法は以下のとおりである。
(1)Multisizer3専用のガラス製の250mL丸底ビーカーに上記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーチューブのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに上記電解水溶液約30mLを入れる。そして、この中に分散剤として、富士フイルム和光純薬(株)製のコンタミノンN(商品名)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。コンタミノンN(商品名)は、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤および有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液である。
(3)超音波分散器(商品名:Ultrasonic Dispersion System Tetora 150、日科機バイオス(株)製)の水槽に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンN(商品名)を約2mL添加する。Ultrasonic Dispersion System Tetora 150は、発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器である。
(4)上記(2)のビーカーを上記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)上記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー粒子約10mgを少量ずつ上記電解水溶液に添加し、分散させる。さらに、60秒間、超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃〜40℃となるように適宜水温を調節する。
(6)サンプルスタンドの内部に設置した上記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナー粒子を分散させた上記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の上記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「算術径」が重量平均粒径(D4)である。
<結晶性ポリエステルの融点Tmの測定>
結晶性ポリエステルの最大吸熱ピークのピーク温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、結晶性ポリエステル約1mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。なお、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークを、結晶性ポリエステルのDSC測定における吸熱曲線の最大吸熱ピークとする。
<トナーのガラス転移温度(Tg)の測定>
ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、トナー約3mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製
のパンを用い、測定範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。
この昇温過程で、温度40℃〜100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、ガラス転移温度とする。
<結晶性ポリエステルの酸価の測定>
酸価は、試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。結晶性ポリエステルの酸価はJIS K0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95体積%)90mLに溶かし、イオン交換水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mLの水に溶かし、エチルアルコール(95体積%)を加えて1Lとする。炭酸ガスなどに触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置した後、濾過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。上記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1mol/Lの塩酸25mLを三角フラスコに取り、上記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、上記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した上記水酸化カリウム溶液の量から求める。上記0.1mol/Lの塩酸は、JIS K8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
粉砕した結晶性ポリエステルの試料2.0gを200mLの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mLを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として上記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、上記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。なお、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわち、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする。)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
ここで、Aは、酸価(mgKOH/g)であり、Bは、空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)であり、Cは、本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)であり、fは、水酸化カリウム溶液のファクターであり、Sは、試料の質量(g)である。
<非晶性ポリエステル及び結晶性ポリエステル、トナー粒子の分子量分布の測定>
非晶性ポリエステル及び結晶性ポリエステル、トナー粒子のTHF可溶分の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、サンプルをテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソー社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<トナーの樹脂成分中のスチレンアクリル系樹脂の含有量の測定>
トナーの樹脂成分中のスチレンアクリル系樹脂の含有量は、トナーから分取した樹脂成分の試料を下記の条件で核磁気共鳴分光分析(H−NMR)[400MHz、CDCl、室温(25℃)]を用いて分析する。
測定装置:FT NMR装置JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数:64回
得られたスペクトルの積分値からトナーの樹脂成分中のスチレンアクリル系樹脂の含有量を質量基準で算出する。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は何らこれらに制限されるものではない。なお、以下の処方において、部は特に断りのない限り質量基準である。
<結晶性ポリエステルCPES1の製造例>
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽中に、1,9−ノナンジオール45mol%、セバシン酸55mol%を入れた後、触媒としてジオクチル酸錫をモノマー総量100部に対して1部添加し、窒素雰囲気下で140℃に加熱して常圧下で水を留去しながら6時間反応させた。次いで、200℃まで10℃/時間で昇温しつつ反応させ、200℃に到達してから2時間反応させた後、反応槽内を5kPa以下に減圧して200℃で分子量を見ながら反応させ、結晶性ポリエステルCPES1を得たCPES1の重量平均分子量(Mw)は39100であった。
<結晶性ポリエステルCPES2〜11の製造例>
結晶性ポリエステル1の製造例において、モノマー組成を表1のように変更することで、結晶性ポリエステルCPES2〜11を得た。なお、アルコールと酸のモノマーのモル比率はCPES1と同様にした。
<結晶性ポリエステルCPES12の製造例>
[ビニルポリマー1の製造]
撹拌機、温度計、窒素導入管、及び減圧装置を備えた反応容器に、キシレン50.0部を窒素置換しながら加熱し、液温140℃で還流させた。前記反応容器にスチレン100.0部、重合開始剤としてDimethyl 2,2’−azobis(2−methy
lpropionate)8.0部を混合したものを3時間かけて滴下し、滴下終了後、溶液を3時間撹拌した。その後、160℃、1hPaにて、キシレン及び残存スチレンを留去しビニルポリマー1を得た。得られたビニルポリマーの重量平均分子量(Mw)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したところ、8000であった。
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、および、減圧装置を備えた反応容器にビニルポ
リマー1を100.0部、有機溶媒としてキシレンを128.0部、1,14−テトラデカンジオールを78.0部添加した。さらにエステル化触媒としてチタン(IV)イソプロポキシド0.6部を加えて、窒素雰囲気下、150℃で4時間反応させた。その後、テトラデカン二酸83.3部を加えて150℃で3時間、180℃で4時間反応させた。
その後、さらに180℃、1hPaで所望の重量平均分子量(Mw)となるまで反応させてCPES12を得た。物性を表1に示す。
Figure 2020190721

表中、酸価の単位は、mgKOH/gである。SP値の単位は、(cal/cm1/2である。
<非晶性ポリエステルAPES1の製造例>
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽中に、原料モノマーとして、カルボン酸成分とアルコール成分を表2に示すように調整し、入れた後、触媒としてジブチル錫をモノマー総量100部に対して1.5部添加した。次いで、窒素雰囲気下にて常圧で180℃まで素早く昇温した後、180℃から210℃まで10℃/時間の速度で加熱しながら水を留去して重縮合を行った。
210℃に到達してから反応槽内を5kPa以下まで減圧し、210℃、5kPa以下の条件下にて重縮合を行い、非晶性ポリエステルAPES1を得た。その際、重量平均分子量(Mw)が表2の値となるように重合時間を調整した。物性を表2に示す。
<非晶性ポリエステルAPES2〜7の製造例>
非晶性ポリエステルAPES1の製造例において、モノマー組成を表2のように変更することで、非晶性ポリエステルAPES2〜7を得た。
<非晶性ポリエステルAPES8の製造例>
無水トリメリット酸以外の原材料モノマーを、表2に示した仕込み量で混合した混合物100部と、触媒であるジ(2−エチルヘキサン酸)錫0.52部とを、窒素導入ラインと、脱水ラインと、攪拌機と、を装備した重合タンクに入れた。次に、重合タンク内を窒素雰囲気にした後、200℃で加熱しながら6時間かけて重縮合反応を行った。更に、210℃に昇温した後、無水トリメリット酸を添加し、重合タンク内を40kPaまで減圧した後で更に縮合反応を行い、APES8を得た。
<非晶性ポリエステルAPES9の製造例>
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽中に、原料モノマーを表2で示すように入れた。次に、反応槽内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し
、200℃で撹拌しつつ、4時間反応させた。さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、160℃まで冷却し、大気圧に戻した。その後、モノマー総量100部に対し、tert−ブチルカテコール(反応禁止剤)0.1部を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度を180℃に維持したまま、1時間反応させ、軟化点が90℃に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め、非晶性ポリエステルAPES9を得た。
<非晶性ポリエステルAPES10の製造例>
非晶性ポリエステルAPES9の製造例において、モノマー組成を表2のように変更することで、非晶性ポリエステルAPES10を得た。
Figure 2020190721

POはプロピレンオキシドである。
<処理磁性体の製造例>
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄原子に対して1.00当量〜1.10当量の水酸化ナトリウム溶液、鉄原子に対してリン原子換算で0.15質量%となる量のP、鉄原子に対してケイ素原子換算で0.50質量%となる量のSiOを混合した。その後、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。この水溶液のpHを8.0とし、空気を吹き込みながら85℃で酸化反応を行い、種晶を有するスラリー液を調製した。
次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(水酸化ナトリウムのナトリウム成分)に対して0.90当量〜1.20当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた。その後、スラリー液をpH7.6に維持して、空気を吹き込みながら酸化反応を進め、磁性酸化鉄を含むスラリー液を得た。
得られたスラリー液を濾過し、洗浄した後、この含水スラリーを一旦取り出した。この時、含水スラリーを少量採取し、含水量を計っておいた。
次に、この含水スラリーを乾燥せずに別の水系媒体中に投入し、撹拌するとともにスラリーを循環させながらピンミルにて再分散させ、再分散液のpHを約4.8に調整した。
そして、撹拌しながらn−ヘキシルトリメトキシシランカップリング剤を磁性酸化鉄100部に対して1.6部(磁性酸化鉄の量は含水スラリーから含水量を引いた値として計算した)添加し、加水分解を行った。その後、撹拌を行い、分散液のpHを8.6にして表面処理を行った。生成した疎水性磁性体をフィルタープレスにて濾過し、多量の水で洗浄した後に15分100℃で乾燥させ、次いで30分間90℃で乾燥させた。その後、得られた粒子を解砕処理して、体積平均粒径が0.21μmの処理磁性体を得た。
<トナー粒子1の製造例>
イオン交換水720部に0.1mol/LのNaPO水溶液450部を投入して60℃に加温した後、1.0mol/LのCaCl水溶液67.7部を添加して、分散剤
を含む水系媒体を得た。
スチレン 74.0部
n−ブチルアクリレート 26.0部
APES1 4.0部
処理磁性体 65.0部
上記材料をアトライター(三井三池化工機(株))を用いて均一に分散混合して重合性単量体組成物を得た。この重合性単量体組成物を63℃に加温し、そこにパラフィンワックス(HNP−51:日本精鑞製 融点74℃)15.0部、CPES1を15部添加混合し、溶解した。その後、重合開始剤tert−ブチルパーオキシピバレート7.0部を溶解した。
上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃、窒素雰囲気下においてT.K.ホモミクサー(特殊機化工業(株))にて12000rpmで10分間撹拌し、粒子を形成(造粒)した。
その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、4時間74℃で反応した。
次いで、水系媒体を100℃まで昇温させ、120分間保持した。その後、毎分3℃で室温まで冷却し、塩酸を加えて分散剤を溶解し、濾過し、水洗し、乾燥させて重量平均粒径(D4)が6.7μmであるトナー粒子1を得た。
得られたトナー粒子1の製造条件を表3に示す。
<トナー粒子2〜15、17、18、比較用トナー粒子1〜6、9、10の製造例>
トナー粒子1の製造において、非晶性ポリエステル、結晶性ポリエステルを変更すること以外は同様にして、トナー粒子2〜15、17、18、比較用トナー粒子1〜6、9、10の製造を行った。各製造条件及び物性を表3に示す。
<トナー粒子16の製造例>
離型剤(パラフィンワックス) 10.0部
(HNP−51:日本精鑞製 融点74℃)
カーボンブラック(Nipex35;Orion Engineered Carbons社製) 5.0部
CPES1 60.0部
APES1 20.0部
トルエン(SP値8.8) 150.0部
上記溶液を容器内に投入し、ホモディスパー(特殊機化工業(株)社製)で、2000rpmで5分間撹拌・分散することにより油相を調製した。
別の容器内に、イオン交換水1152.0部に0.1モル/リットル−リン酸ナトリウム(NaPO)水溶液390.0部を投入し、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて撹拌しながら、70℃に加温した。その後、1.0モル/リットル−塩化カルシウム(CaCl)水溶液58.0部を添加してさらに撹拌を続け、リン酸三カルシウム(Ca(PO)からなる分散安定剤を製造し、水系媒体を調製した。
その後、上記油相を上記水相中に投入し、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて、60℃、窒素雰囲気下にて、10000rpmで10分間撹拌して造粒を行った。さらに、得られた懸濁液を、パドル撹拌翼で150回転/分の回転速度で撹拌しつつ、80℃かつ400mbarに減圧した状態で5時間かけて脱溶媒を行った。その後、該懸濁液を25℃まで冷却し、イオン交換水を加えて分散液の固形分濃度が20質量%になるように調整し、トナースラリー1を得た。
上記トナースラリー1を25℃まで冷却し、pH1.5になるまで塩酸を加えて2時間撹拌を行った。さらに、ろ過、水洗、乾燥を行って、トナー粒子16を得た。
<比較用トナー粒子7の製造例>
[結晶性ポリエステル分散液1の作製]
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に、CPES1を100.0部とトルエン90.0部、ジエチルアミノエタノール2.0部を仕込み、温度80℃に加熱して溶解した。次いで、撹拌下、温度80℃のイオン交換水300.0部を緩やかに添加して転相乳化させた後、得られた水分散体を蒸留装置に移し、留分温度が100℃に達するまで蒸留を行った。冷却後、得られた水分散体にイオン交換水を加え、分散液中の樹脂濃度が20%になるように調整した。これを、結晶性ポリエステル分散液1とした。
[非晶性ポリエステル分散液1の作製]
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に、APES1を100.0部とトルエン90.0部、ジエチルアミノエタノール2.0部を仕込み、温度80℃に加熱して溶解した。次いで、撹拌下、温度80℃のイオン交換水300.0部を緩やかに添加して転相乳化させた後、得られた水分散体を蒸留装置に移し、留分温度が100℃に達するまで蒸留を行った。冷却後、得られた水分散体にイオン交換水を加え、分散液中の樹脂濃度が20%になるように調整した。これを、非晶性ポリエステル分散液1とした。
[着色剤分散液の作製]
カーボンブラック(Nipex35;Orion Engineered Carbons社製) 70.0部
アニオン界面活性剤(商品名:ネオゲンSC、第一工業製薬社製) 3.0部
イオン交換水 400.0部
前記成分を混合して溶解させた後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)を用いて分散させ、着色剤分散液を得た。
[離型剤分散液の作製]
パラフィンワックス(HNP−51:日本精鑞製 融点74℃) 100.0部
アニオン界面活性剤(商品名:パイオニンA−45−D、竹本油脂社製) 2.0部
イオン交換水 500.0部
前記成分を混合して溶解させた後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)を用いて分散させた後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、離型剤微粒子(パラフィンワックス)を分散させてなる離型剤分散液を得た。
結晶性ポリエステル分散液1 180.0部
非晶性ポリエステル分散液1 60.0部
着色剤分散液 50.0部
離型剤分散液 60.0部
カチオン性界面活性剤(商品名:サニゾールB50、花王社製) 3.0部
イオン交換水 500.0部
前記成分を丸底ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(商品名:ウルトラタラックスT50、IKA社製)を用いて混合分散し、混合液を調製した後、加熱用オイルバスで50℃まで撹拌しながら加熱し、50℃で30分保持して凝集粒子を形成した。次に、該凝集粒子が分散した分散液に結晶性ポリエステル分散液1:60.0部と、アニオン性界面活性剤(商品名:ネオゲンSC、第一工業製薬社製)6.0部を追加して65℃まで加熱した。さらに水酸化ナトリウムを適宜添加することにより、系内のpHを7.0に調整し、3時間そのまま保持して凝集粒子を融合させた。その後、25℃まで冷却し、イオン交換水を加えて分散液の固形分濃度が20質量%になるように調整し、トナースラリー2を得た。
さらに、イオン交換水で充分に洗浄した後、ろ過し、乾燥及び分級を行って、比較用トナー粒子7を得た。
<比較用トナー粒子8の製造例>
比較用トナー粒子7の製造例において、CPES1のかわりにCPES8を用い、APES1のかわりにAPES8を用いた以外は、同様にして比較用トナー粒子8を得た。
Figure 2020190721

非晶性ポリエステル及び結晶性ポリエステルの添加量は重合性単量体100部に対する量である。スチレンアクリル系樹脂の含有量は、質量%である。
<トナー1の製造例>
トナー粒子1を100部と、一次粒径12nmのシリカにヘキサメチルジシラザンで処理をした後シリコーンオイルで処理し、処理後のBET比表面積値が120m/gの疎水性シリカ微粒子1.2部を、三井ヘンシェルミキサ(三井三池化工機(株))を用い混合し、トナー1を調製した。物性を表4−1,4−2に示す。
<トナー2〜18、比較用トナー1〜10の製造例>
トナー1の製造において、表4−1,4−2に示すようにトナー粒子を変更し、トナー2〜18、比較用トナー1〜10を得た。物性を表4−1,4−2に示す。
Figure 2020190721
Figure 2020190721

なお、式(1)及び(5)に関し、各実施例及び各比較例において、0≦t≦10の範囲でのIa(t)及びIc(t)の値は、それぞれのt=0の値とt=10の値の間の範囲に含まれる値であった。
式(2)に関し、各実施例及び各比較例において、0≦t≦10の範囲での(Ia(t)+Ic(t))/I(t)の値は、それぞれのt=0の値とt=10の値の間の範囲に含まれる値であった。
式(6)に関し、各実施例及び各比較例において、0≦t≦30の範囲でのIc(t)及びIs(t)の値は、それぞれのt=0の値とt=30の値の間の範囲に含まれる値であった。
式(7)に関し、各実施例及び各比較例において、30<t≦60の範囲でのIs(t)/I(t)の値は、それぞれのt=30の値とt=60の値の間の範囲に含まれる値であった。
<実施例1>
<低温定着性>
低温定着性の評価においては、定着器を取り外した、ヒューレットパッカード社製レー
ザービームプリンター:HP LaserJet Enterprise 600 M603を用意した。また、取り外した定着器を、温度を任意に設定可能にし、更にプロセススピードを440mm/secとなるように改造した。
常温常湿環境下(温度23.5℃,湿度60%RH)において、上記のプリンターを用いて、単位面積当たりのトナー載り量が0.5mg/cmである未定着画像を作製した。次いで、該未定着画像を、160℃に調節した上記の定着器に通した。なお、記録媒体には「プローバーボンド紙」(105g/m、フォックスリバー社製)を用いた。得られた定着画像を4.9kPa(50g/cm)の荷重をかけたシルボン紙で5往復摺擦し、摺擦前後での画像濃度の低下率(%)で評価した。
A:画像濃度の低下率が5.0%未満である。
B:画像濃度の低下率が5.0%以上10.0%未満である。
C:画像濃度の低下率が10.0%以上15.0%未満である。
D:画像濃度の低下率が15.0%以上である。
結果を表5に示す。
<カブリ>
LaserJet Enterprise 600 M603を用いた。常温常湿環境下
(温度23.5℃、湿度60%RH)において、該プリンターを用いて10万枚のプリントアウトを行い、その後、白地部を有する画像を1枚プリントアウトした。得られた画像に対して、反射濃度計(リフレクトメーター モデル TC−6DS 東京電色社製)を用
いて、反射率の測定を行った。測定で用いるフィルターには、グリーンフィルターを用いた。
白地部反射率の最悪値Ds(%)、画像形成前の転写材の反射率をDr(%)とした際のDr−Dsをカブリとして、以下の基準により評価を行った。
A:カブリが1%未満
B:カブリが1%以上3%未満
C:カブリが3%以上5%未満
D:カブリが5%以上
結果を表5に示す。
<耐熱保存性>
トナー10gを50mLのプラスチック製カップに計りとり、55℃の恒温槽に3日間放置した。放置後のトナーを目視で観察し、以下の基準でブロッキング性の評価を行った。C以上を良好と判断した。
A:カップを回すとすぐほぐれる。
B:塊があるが、カップを回すうちに小さくなってほぐれてくる。
C:カップを回してほぐしても塊が残る。
D:大きな塊があり、カップを回してもほぐれない。
結果を表5に示す。
<画像剥がれ>
LaserJet Enterprise 600 M603を用いた。低温低湿環境下
(温度15.0℃、湿度10%RH)において、10枚の画出しを行った。画像としては、50mm×50mmのベタ画像を転写紙の真ん中に形成した。その画像を上記環境下において、真ん中で、20回連続で折り曲げた際に、どの程度ベタ画像に画像剥がれが生じるかを目視で判断を行った。
以下のような判断基準で評価した。
A:画像はがれが確認できない。
B:折り曲げ箇所に、画像剥がれが軽微に確認される。
C:実用上問題ないが、折り曲げ箇所に、画像剥がれが確認される。
D:折り曲げ箇所以外にも、画像剥がれが確認される。
結果を表5に示す。
<耐高温オフセット>
耐高温オフセット性の評価においては、定着器を取り外した、ヒューレットパッカード社製レーザービームプリンター:HP LaserJet Enterprise 600
M603を用意した。また、取り外した定着器を、温度を任意に設定可能にし、更にプロセススピードを440mm/secとなるように改造した。
常温常湿環境下(温度23.5℃,湿度60%RH)において、上記のプリンターを用いて、単位面積当たりのトナー載り量が0.5mg/cmである未定着画像を作成した。次いで、初期温度を100℃として設定温度を5度ずつ順次昇温させながら、各温度で行い未定着画像の定着を行った。下記評価基準に従って、耐高温オフセット性を評価した。
なお、低温側定着開始点とは、低温オフセット現象(トナーの一部が定着器に付着してしまう現象)が観察されない下限温度のことである。
A:高温オフセットが発生しない上限温度が、低温側定着開始点の温度より50℃以上高い。
B:高温オフセットが発生しない上限温度が、低温側定着開始点の温度より40℃、或いは、45℃高い。
C:高温オフセットが発生しない上限温度が、低温側定着開始点の温度より30℃、或いは、35℃高い。
D:高温オフセットが発生しない上限温度が、低温側定着開始点より25℃高い温度以下。
結果を表5に示す。
<実施例2〜18、比較例1〜10>
表4−1,4−2に示すトナーに対して、実施例1と同様の評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 2020190721

Claims (15)

  1. 樹脂成分を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    該樹脂成分は、非晶性ポリエステル及び結晶性ポリエステルを含有し、
    飛行時間型2次イオン質量分析TOF−SIMSによる該トナー粒子の表面の2次イオンのデプスプロファイル測定において、該トナー粒子の表面からt(nm)の深さにおける該非晶性ポリエステルに由来する2次イオン強度をIa(t)とし、該結晶性ポリエステルに由来する2次イオン強度をIc(t)とし、該トナー粒子に含まれる樹脂に由来する2次イオンの全検出強度をI(t)としたとき、
    0≦t≦10の範囲において、下記式(1)及び(2)を満たし、
    Ia(t)>Ic(t)>0.0000 (1)
    (Ia(t)+Ic(t))/I(t)≧0.80 (2)
    10<t≦30の範囲において、該Ia(t)のデプスプロファイル曲線と該Ic(t)のデプスプロファイル曲線との交点が、1つのみであることを特徴とするトナー。
  2. 前記トナー粒子の表面の2次イオンのデプスプロファイル測定において、t=0における前記結晶性ポリエステルに由来する2次イオン強度をIc(0)とし、t=0における前記トナー粒子に含まれる樹脂に由来する2次イオンの全検出強度をI(0)としたとき、下記式(3)を満たす請求項1に記載のトナー。
    0.10≦Ic(0)/I(0)≦0.40 (3)
  3. 前記トナー粒子の表面の2次イオンのデプスプロファイル測定において、t=30における、前記結晶性ポリエステルに由来する2次イオン強度をIc(30)とし、t=30における前記トナー粒子に含まれる樹脂に由来する2次イオンの全検出強度をI(30)としたとき、下記式(4)を満たす請求項1又は2に記載のトナー。
    0.40<Ic(30)/I(30)≦0.90 (4)
  4. 0≦t≦10の範囲において前記Ic(t)が下記式(5)を満たす請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
    0.0100≦Ic(t)≦0.0350 (5)
  5. 前記樹脂成分が、スチレンアクリル系樹脂を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー。
  6. 前記樹脂成分中の、スチレンアクリル系樹脂の含有割合が、50質量%以上99質量%以下である請求項5に記載のトナー。
  7. 飛行時間型2次イオン質量分析TOF−SIMSによる前記トナー粒子の表面の2次イオンのデプスプロファイル測定において、前記トナー粒子の表面からt(nm)の深さにおける前記スチレンアクリル系樹脂に由来する2次イオンの強度をIs(t)としたとき、
    0≦t≦30の範囲において、下記式(6)を満たす請求項5又は6に記載のトナー。
    Ic(t)>Is(t) (6)
  8. 飛行時間型2次イオン質量分析TOF−SIMSによる前記トナー粒子の表面の2次イオンのデプスプロファイル測定において、前記トナー粒子の表面からt(nm)の深さにおける前記スチレンアクリル系樹脂に由来する2次イオンの強度をIs(t)としたとき、
    30<t≦60の範囲において、下記式(7)を満たす請求項5〜7のいずれか1項に記載のトナー。
    0.10≦Is(t)/I(t)≦0.50 (7)
  9. 前記結晶性ポリエステルのSP値をSP1(cal/cm1/2とし、前記非晶性ポリエステルのSP値をSP2(cal/cm1/2としたとき、SP2−SP1が3.00以上3.70以下である請求項1〜8のいずれか1項に記載のトナー。
  10. 前記非晶性ポリエステルのSP値(cal/cm1/2が、12.40以上12.90以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載のトナー。
  11. 前記非晶性ポリエステルは、アルキレンオキサイドの平均付加モル数が3.0以上5.0以下のビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を含有したジアルコール成分と、ジカルボン酸成分との重縮合物であり、
    該アルキレンオキサイドが、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選択される請求項1〜10のいずれか1項に記載のトナー。
  12. 前記結晶性ポリエステルの重量平均分子量Mwが、3000以上50000以下である請求項1〜11のいずれか1項に記載のトナー。
  13. 前記トナー粒子の重量平均粒径D4が4.00μm以上15.00μm以下である請求項1〜12のいずれか1項に記載のトナー。
  14. 前記結晶性ポリエステルは、直鎖型脂肪族ジカルボン酸及び直鎖型脂肪族ジオールを含むモノマーの縮重合物である請求項1〜13のいずれか一項に記載のトナー。
  15. 前記トナー粒子が、懸濁重合トナー粒子である請求項1〜14のいずれか一項に記載のトナー。
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