JP2013526435A - プリンタ内の流体および気体を配分するためのシステム - Google Patents

Abstract

３つの流体ポートを有する流体容器と、第１の流体ポートをプリンタのプリントヘッドに接続する第１の流体経路と、第２の流体ポートをプリントヘッドに接続する第２の流体経路と、第３の流体ポートを気体通気孔に接続する第３の流体経路と、を有する、プリンタ内で流体および気体を配分するためのシステムが提供される。第１および第２の流体ポートは、流体容器からの流体が、プリントヘッドを介して、第１の流体経路と第２の流体経路との間を流れるように構成され、第３の流体ポートは、気体が、流体容器と気体通気孔との間を流れるように構成される。

Description

本発明は、連続ウェブ用紙上に印刷するための印刷システム、印刷装置、および方法、特に、連続的なレーベルウェブ用紙、ならびに、かかるシステムおよび装置のコンポーネントのコンフィグレーションおよび構成に関する。関連する印刷システム、装置、および方法は、印刷環境内の流体を配分するものを含む。特に、流体は、インクジェットプリントヘッド等の流体射出プリントヘッドへ、および流体射出プリントヘッドから配分されるような、インクまたはインク定着剤等の印刷用流体である。より詳細には、インクジェット用紙幅プリントヘッドへの流体配分が提供される。関連する印刷システム、装置、および方法は、さらに、かかるプリントヘッドの保守を行い、プリントヘッドによって用紙が印刷される前後に用紙を処理するものを含む。

ほとんどのインクジェットプリンタは、用紙が給紙（ｍｅｄｉａ ｆｅｅｄ）経路に沿って漸進的に前進する際に、印刷幅にわたって反復的に走査または往復運動される走査または往復運動プリントヘッドを有する。これにより、コンパクトかつ安価なプリンタ構成が可能になっている。しかしながら、走査運動の正確な制御および各走査による用紙の漸進的な停止および開始による時間遅延を踏まえると、走査プリントヘッドに基づく印刷システムは、機械的に複雑かつ低速である。

用紙幅プリントヘッドは、用紙全体に及ぶ（ｓｐａｎｎｉｎｇ）静止プリントヘッドを提供することにより、この問題を解決する。かかる用紙幅プリンタは高い性能を提供するが、より大きなプリントヘッドは、より高速のインク供給流れ速度を必要とし、プリントヘッド上のインク入口から、入口から離れたノズルへのインク内圧力の低下によって、滴射出特性が変化する可能性がある。速い供給流れ速度には、インク槽が一杯である場合に生じる静圧と比較してインクレベルが低い場合に、大きな圧力低下を呈す大きなインク槽を必要とする。各プリントヘッドに統合されている個々の圧力調整装置は、複数色プリントヘッド、特に４色以上のインクを含むものには処理しづらく、高価である。例えば、５色のインクを備えるシステムは、２５の調整装置を必要とする。

プリントヘッドからの気泡をプライム、デプライムおよびパージできるインクジェットプリンタは、使用者に明確な利点をもたらす。インク切れしたプリントヘッドの除去により、プリンタからの分離前にデプライムされていない場合に、残留インクの不用意な漏出が起こる可能性がある。

プリントヘッド内に捕捉される気泡は、頻発する問題であり、印刷アーチファクトの一般的な原因である。プリントヘッドからの気泡の積極的かつ迅速な除去により、使用者は、プリントヘッドを交換せずに、印刷上の問題を修正することができる。積極的なプライミング、デプライミング、および空気のパージは、典型的には、真空等によってノズルを通ってインクが吸引される際、多くのインクを使用する。ノズル数が増えるとより多くのインクが失われるため、これは、多くのノズルアレイによって悪化する。

このため、用紙幅印刷システムにとってより簡単で、より信頼性が高く、より効果的な、流体配分ソリューションが求められている。

さらに、インクジェットノズルの多くのアレイを有するかかる用紙幅プリントヘッドは、保守が困難である。例えば、ノズルのアレイが用紙の幅と同じ長さである場合に特に困難となるプリントヘッドの保守を行う必要がある。さらに、保守ステーションは、典型的には、用紙輸送の妨げにならないように、プリントヘッドからずらして配置する必要がある。

いくつかの以前のシステムは、非印刷時に、サービスステーションへプリントヘッドを移動させる。しかしながら、プリントヘッドがその作動位置に戻ると、正確な印刷のためのその整列は、最終的に視覚可能なアーチファクトによって、プリントヘッドを再整列させるためのハードウェアおよび／またはソフトウェア機構が要求されるまでは、ドリフトしやすい。他の以前のシステムでは、サービスステーションは、それらのオフセット位置から平行移動してプリントヘッドをサービスし、一方で、プリントヘッドは、用紙経路の十分上方へ上昇される。これらのシステムデザインは、共に、大きなプリンタ幅寸法、複雑なデザインおよび制御、およびプリントヘッド整列の維持の困難さという欠点がある。さらに、これらのシステムのために、プリンタのサイズが大きくなっている。このため、用紙幅印刷システムにとってより簡略、よりコンパクトかつより効果的な用紙幅プリントヘッド保守ソリューションが求められている。

さらに、かかる用紙幅プリンタで使用される高速の用紙輸送速度、特に連続するウェブ用紙上で印刷する速度により、給紙エラーを最小限にする必要性のため、典型的には、プリンタ内においてより複雑な用紙輸送システムが生じている。このため、用紙幅印刷システムにとってより簡略かつより信頼性の高い用紙輸送ソリューションが求められている。

一態様では、本発明は、
３つの流体ポートを有する流体容器と、
第１の流体ポートをプリンタのプリントヘッドに接続する第１の流体経路と、
第２の流体ポートをプリントヘッドに接続する第２の流体経路と、
第３の流体ポートを気体通気孔に接続する第３の流体経路と、を備え、
第１および第２の流体ポートは、流体容器からの流体が、プリントヘッドを介して、第１の流体経路と第２の流体経路との間を流れるように構成され、第３の流体ポートは、気体が、流体容器と気体通気孔との間を流れるように構成される、プリンタ内の流体および気体を配分するためのシステムを提供する。

任意選択的に、システムは、第１の経路をプリントヘッドに接続する弁をさらに備える。

任意選択的に、第１および第２の経路、プリントヘッド、ならびに流体容器は、流体が、流体容器へ向かって、かつ、流体容器から、ループのいずれの方向にも流れる、閉じた流体流動ループを形成する。

任意選択的に、システムは、前記流体が、流体容器へ向かって、かつ、流体容器から、ループのいずれの方向にも流れることを促進するために、第１または第２の経路上に双方向ポンプをさらに備える。

任意選択的に、流体容器の第１、第２、および第３の流体ポートのそれぞれが、対応する第１、第２、および第３の流体経路の管の隔壁針が封止的に挿入される隔壁を組み込む。

任意選択的に、各隔壁が、隔壁針によって貫通可能な（ｐｉｅｒｃａｂｌｅ）膜を有する第１の隔壁と、隔壁針が通過するスリットを有するスリット隔壁とを備える。

別の態様では、本発明は、印刷システムの流体容器を提供し、流体容器は、
流体貯蔵容器を画定する本体と、
印刷システムのプリントヘッドの第１の流体経路に流体貯蔵容器を接続するための第１の流体ポートと、
プリントヘッドの第２の流体経路に流体貯蔵容器を接続するための第２の流体ポートと、
気体通気孔への第３の流体経路に流体貯蔵容器を接続するための第３の流体ポートと、を備える。

任意選択的に、第１、第２、および第３の流体ポートのそれぞれは、対応する第１、第２、および第３の流体経路の管の隔壁針が封止的に挿入される隔壁を組み込む。

任意選択的に、各隔壁は、隔壁針によって貫通可能な膜を有する第１の隔壁と、隔壁針が通過するスリットを有するスリット隔壁と、を備える。

任意選択的に、第１および第２の隔壁は、隔壁針が、第１の隔壁を貫通する前に第２の隔壁のスリットを通過するように、第１、第２、および第３のそれぞれの流体ポート内に隣接して配置される。

任意選択的に、第１および第２の隔壁は、弾性材料で形成される。

任意選択的に、第１の隔壁の弾性材料は、流体貯蔵容器内に含まれる流体と適合可能である。

任意選択的に、第１の隔壁の弾性材料は、低伸長ニトリルゴムであり、流体貯蔵容器に含まれる流体はインクである。

任意選択的に、第２の隔壁の弾性材料は、流体貯蔵容器内に含まれる流体と適合可能ではない。

任意選択的に、第２の隔壁の弾性材料はイソプレンであり、流体貯蔵容器内に含まれる流体はインクである。

別の態様では、本発明は、流体容器の隔壁アセンブリを提供し、アセンブリは、
流体容器の流体貯蔵容器と流通する流体容器の流体ポート内に封止的に配置される隔壁針によって貫通可能な膜を有する第１の隔壁と、
第１の隔壁の貫通前に隔壁針が第２の隔壁のスリットを通過するように、隔壁針が第１の隔壁に隣接する流体容器の流体ポート内に封止的に配置されて通過する、スリットを有する第２の隔壁と、を備える。

任意選択的に、第１および第２の隔壁は弾性材料で形成される。

任意選択的に、第１の隔壁の弾性材料は流体貯蔵容器内に含まれる流体と適合可能である。

任意選択的に、第１の隔壁の弾性材料は低伸長ニトリルゴムであり、流体貯蔵容器内に含まれる流体はインクである。

任意選択的に、第２の隔壁の弾性材料は流体貯蔵容器内に含まれる流体と適合可能ではない。

任意選択的に、第２の隔壁の弾性材料はイソプレンであり、流体貯蔵容器内に含まれる流体はインクである。

任意選択的に、第１の隔壁は、流体ポートの内部壁に対して押されるおよび変形するように構成される、周方向縁に形成される環状シールを有し、円形になっている。

任意選択的に、第１の隔壁は、第１の隔壁の中央部分に環状シールを接続する切頭円錐形表面を有する。

任意選択的に、中央部分は、隔壁針によって貫通可能な薄い膜として形成される。

任意選択的に、薄い膜は、半径方向のスコアラインを有する。

任意選択的に、薄い膜は、膜の中央点からの同心円状の溝として形成される応力集中形状を有する。

任意選択的に、第２の隔壁は、流体ポートの内部壁に対して押されるおよび変形されるように構成される、周方向縁に形成される２つの環状シールを有し、円形になっている。

任意選択的に、第１の隔壁は、環状シールを第２の隔壁の中央部分に接続させる環状シール間の環状の戻り止めを有する。

任意選択的に、中央部分は、隔壁針が封止的に通過できるスリットを有する。

別の態様では、本発明は、プリンタ内のインク色の混合効果を低減するためのシステムを提供し、システムは、
第１のレベルでプリンタのハウジングに装着される複数インク色チャネルを有するプリントヘッドと、
プリントヘッドに流体的に接続され、かつ、第１のレベルよりも低い複数のレベルを画定する複数の列を有するアレイ内に積層されるように、プリンタハウジングに装着される複数のインク供給カートリッジと、を備え、
複数のインク供給カートリッジは、プリントヘッドの黒インク色チャネルに黒色インクを供給する少なくとも１つの黒インク供給カートリッジを含み、黒インク供給カートリッジは、アレイによって画定される最も低いレベルに配置される。

任意選択的に、複数のインク供給カートリッジは、黒色インクをプリントヘッドの黒インク色チャネルに供給する２つの黒インク供給カートリッジと、シアン色インクをプリントヘッドのシアンインク色チャネルに供給するシアンインク供給カートリッジと、マゼンタ色インクをプリントヘッドのマゼンタインク色チャネルに供給するマゼンタインク供給カートリッジと、イエロー色インクをプリントヘッドのイエローインク色チャネルに供給するイエローインク供給カートリッジとを含む。

任意選択的に、アレイは３列および３行を有し、黒インク供給カートリッジは、アレイの第１および第３の行の最も低い列に配置され、マゼンタおよびシアンインク供給カートリッジは、アレイの第１および第３の行の真ん中の列に配置され、イエローインク供給カートリッジは、アレイの第２の行の最も高い列に配置される。
別の態様では、本発明は、マルチチャネルインクジェットプリントヘッドにインクを供給するインク容器において、気体を放出するためのシステムを提供し、システムは、
複数のインクチャネルを有するプリントヘッドへ流体を供給するための複数のインク容器であって、各インク容器は、プリントヘッドのインクチャネルのうちの対応する１つに接続されたインクポートおよび気体ポートを有する、インク容器と、
複数の気体通気孔を有する気体通気アセンブリであって、各気体通気は、インク容器の気体ポートの対応する１つに接続される、気体通気アセンブリと、を備え
気体通気アセンブリの気体通気孔は、外部雰囲気と流体的に連通する。

任意選択的に、各気体通気孔は、その気体通気孔の内部から外部雰囲気への蛇行する経路を備える。

任意選択的に、蛇行する経路は、サーペンタイン経路である。

任意選択的に、気体通気アセンブリは、本体の一方の側に複数の個別のチャンバおよび本体の反対側に複数のコンパートメントを画定する内部表面を有する本体を備え、チャンバおよびコンパートメントは、本体内に封止される。

任意選択的に、各チャンバ内の内部表面は、アパーチャが内部表面を通ってチャンバをコンパートメントのうちの１つに接続させる凹部を有する。

任意選択的に、各チャンバの凹部は、封止的にフィルタを着座させる（ｓｅａｔ）。

任意選択的に、フィルタは、疎水性材料を備える。

任意選択的に、疎水性材料は、膨張したポリテトラフルオロエチレンである。

任意選択的に、各チャンバは、インク容器の対応する１つの気体ポートに接続される転写ポートを有する。

任意選択的に、各チャンバは、内部表面内の対応するアパーチャを介して一連のコンパートメントに接続される。

任意選択的に、各一連のコンパートメントの各コンパートメントは、蛇行する経路によって、その一連の隣接するコンパートメントにリンクされる。

任意選択的に、接続するアパーチャから最も遠い各一連のコンパートメントの最終的なコンパートメントは、蛇行する経路を介して外部雰囲気に対して流体的に開放している。

任意選択的に、各チャンバは、そのチャンバ内のインクがオーバーフローする可能性のあるオーバーフロー管に接続されるオーバーフローポートを有する。

任意選択的に、各オーバーフローポートは、接続されたオーバーフロー管からのインクの逆流が防止されるように、逆止弁を有する。

任意選択的に、逆止弁は、弾性ダックビル逆止弁である。

別の態様では、本発明は、マルチチャネルプリントヘッドにインクを供給するインク容器に気体を放出するマルチチャネル気体通気装置を提供し、装置は、
複数の側壁および内部表面を有する本体と、
内部側壁によって内部表面の一方の側に画定され、かつ、本体内に封止される複数の個別のチャンバであり、各チャンバは複数のインク容器のうちの対応する１つの気体ポートへ接続するためのものであり、各インク容器はプリントヘッドのインクチャネルのうちの対応する１つに接続されたインクポートを有する、複数の個別のチャンバと、
内部側壁によって内部表面の反対側に画定され、かつ本体内に封止された複数のコンパートメントであって、各コンパートメントは、外部雰囲気と流体的に連通する、複数のコンパートメントと、を備え、
各チャンバ内の内部表面は、アパーチャが、内部表面を介してコンパートメントのうちの１つにチャンバを接続する凹部を有する。

任意選択的に、各チャンバの凹部は、フィルタを封止的に着座させる。

任意選択的に、フィルタは、疎水性材料を備える。

任意選択的に、疎水性材料は、膨張したポリテトラフルオロエチレンである。

任意選択的に、各チャンバは、インク容器のうちの対応する１つの気体ポートに接続された転写ポートを有する。

任意選択的に、各チャンバは、内部表面内の対応するアパーチャを介して、一連のコンパートメントに接続される。

任意選択的に、各一連のコンパートメントの各コンパートメントは、蛇行する経路によって、その一連の隣接するコンパートメントにリンクされる。

任意選択的に、接続するアパーチャから最も遠い各一連のコンパートメントの最終的なコンパートメントは、蛇行する経路を介して外部雰囲気に対して流体的に開放している。

任意選択的に、各チャンバは、そのチャンバ内のインクがオーバーフローする可能性のあるオーバーフロー管に接続されたオーバーフローポートを有する。

任意選択的に、各オーバーフローポートは、接続されたオーバーフロー管からのインクの逆流が防止されるように、逆止弁を有する。

任意選択的に、逆止弁は、弾性ダックビル逆止弁である。

別の態様では、本発明は、
用紙幅プリントヘッドと、
それぞれの複数のインクチューブを介してプリントヘッドに流体的に相互接続される複数のインク容器と、
それぞれの複数の気体チューブを介してプリントヘッドに流体的に相互接続される複数の気体通気孔と、
それぞれ、インクチューブを通る流体流動をブロックし、かつ、インクチューブを通る流体流動を可能にするように、第１のピンチ要素をインクチューブとピンチ接触するように、かつ、ピンチ接触から離すように選択的に移動させるための、および、それぞれ、気体チューブを通る流体流動をブロックし、かつ、気体チューブを通る流体流動を可能にするように、第２のピンチ要素を気体チューブとピンチ接触するように、かつ、ピンチ接触から離すように選択的に移動させるための、マルチチャネル弁構成と、を備える印刷システムを提供する。

任意選択的に、マルチチャネル弁構成は、
本体と、
本体を通って画定される複数のインクポートであって、各インクポートは、それを通ってインクチューブのうちのそれぞれの１つを受容するように構成される、複数のインクポートと、
本体を通って画定される複数の気体ポートであって、各気体ポートは、それを通って気体チューブのうちのそれぞれの１つを受容するように構成される、複数の気体ポートと、
第１および第２のピンチ要素を選択的に移動させるためのピンチ駆動構成と、を備える。

任意選択的に、ピンチ駆動構成は、本体に回転可能に装着されるシャフトと、シャフト上に固定的に装着される偏心カムと、偏心カムが第１および第２のピンチ要素と接触するように、シャフトに第１および第２のピンチ要素を相互接続するばねとを備える。

任意選択的に、各ばねは、第１のピンチ要素に接続された１つのばね部分を有する屈曲ばねと、第２のピンチ要素に接続された第２のばね部分と、シャフトの１つの端を中心に装着された中央部分と、として形成される。

任意選択的に、各ばねの第１および第２のばね部分は、シャフトに向かって、それぞれ、第１および第２のピンチ要素を付勢するように構成される。

任意選択的に、ばねは、圧縮ばねである。

任意選択的に、偏心カムは、シャフトの回転が、ばねの付勢を有するまたはばねの付勢に対して、第１および第２のピンチ要素の前記選択的な動きを生じさせるように構成される。

任意選択的に、マルチチャネル弁構成は、さらに、複数の複数の逆止弁を備え、各逆止弁は、気体チューブのうちのそれぞれの１つ上に配置される。

任意選択的に、逆止弁は弾性ダックビル逆止弁である。

任意選択的に、各気体通気孔は、対応する気体チューブの１つの端に配置されたフィルタを備え、気体チューブの反対の端はプリントヘッドに接続される。

任意選択的に、フィルタは、膨張したポリテトラフルオロエチレンを備える。

別の態様では、本発明は、マルチチャネルプリントヘッドのマルチチャネル弁装置を提供し、装置は、
本体を通って画定される複数のインクポートであって、各インクポートは複数のインク容器をプリントヘッドと相互接続する複数のインクチューブのうちのそれぞれの１つを通って受容するように構成される、複数のインクポートと、
本体を通って画定される複数の気体ポートであって、各気体ポートは、複数の気体通気孔をプリントヘッドと相互接続する複数の気体チューブのうちのそれぞれの１つを通って受容するように構成される、複数の気体ポートと、
それぞれ、インクチューブを通る流体流動をブロックし、かつ、インクチューブを通る流体流動を可能にするように、インクチューブとピンチ接触するように、かつ、ピンチ接触から離すように構成される第１のピンチ要素と、
それぞれ、気体チューブを通る流体流動をブロックし、かつ、気体チューブを通る流体流動を可能にするように、気体チューブとピンチ接触するように、かつ、ピンチ接触から離すように移動されるように構成される第２のピンチ要素と、
第１および第２のピンチ要素を選択的に移動させるためのピンチ駆動構成と、を備える。

任意選択的に、ピンチ駆動構成は、本体に回転可能に装着されるシャフトと、シャフト上に固定して装着される偏心カムと、偏心カムが第１および第２のピンチ要素と接触するように、第１および第２のピンチ要素をシャフトに相互接続するばねと、を備える。

任意選択的に、各ばねは、第１のピンチ要素に接続された１つのばね部分と、第２のピンチ要素に接続された第２のばね部分と、シャフトの１つの端を中心に装着された中央部分を有する屈曲ばねとして形成される。

任意選択的に、各ばねの第１および第２のばね部分は、それぞれ、シャフトに向かって第１および第２のピンチ要素を付勢するように構成される。

任意選択的に、ばねは、圧縮ばねである。

任意選択的に、偏心カムは、シャフトの回転が、ばねの付勢によってまたはばねの付勢に対して第１および第２のピンチ要素の前記選択的な動きを生じさせるように構成される。

任意選択的に、マルチチャネル弁構成は、複数の複数の逆止弁をさらに備え、各逆止弁は気体チューブのうちのそれぞれの１つ上に配置される。

任意選択的に、逆止弁は、弾性ダックビル逆止弁である。

任意選択的に、各気体通気孔は、対応する気体チューブの１つの端に配置されるフィルタを備え、気体チューブの反対側の端はプリントヘッドに接続される。

任意選択的に、フィルタは、膨張したポリテトラフルオロエチレンを備える。

別の態様では、本発明は、プリントヘッドのための保守システムを提供し、システムは、
支持フレームと、
支持フレームによって支持されるワイパモジュールであって、ワイパモジュールは回転可能なシャフト上のワイパローラおよびシャフトの周囲の多孔質材料を備え、転写ローラはワイパローラと回転可能に接触する、ワイパモジュールと、
プリントヘッドに対してワイパローラの多孔質材料を位置決めするために、支持フレームからワイパモジュールを上昇させるためのリフト機構と、
プリントヘッドに対してワイパローラの多孔質材料が回転するようワイパおよび転写ローラを回転させるための回転機構であって、多孔質材料は、前記回転中にプリントヘッドから流体を吸収するように、かつ、ワイパローラの多孔質材料によって吸収された流体が転写ローラに転写されるように構成される、回転機構と、を備える。

任意選択的に、ワイパモジュールは、シャフトに装着される圧縮可能コアをさらに備え、多孔質材料はコア上に提供され、
リフト機構は、圧縮可能コアを圧縮するように、プリントヘッドに対して多孔質材料を位置決めするように構成される。

任意選択的に、コアは、押し出された独立気泡発泡体で形成される。

任意選択的に、転写ローラは、圧縮可能コアを圧縮するように、ワイパローラに接触する滑らかなハードシリンダを備える。

任意選択的に、多孔質材料は、不織布マイクロファイバーで形成される。

任意選択的に、不織布マイクロファイバーは、マイクロファイバーの少なくとも２つのレイヤーがレイヤー間に接着剤を有するコアを中心にして存在するように、スパイラル技術によって、コアを中心にして巻き付けられる。

別の態様では、本発明は、プリントヘッドを保守するための装置を提供し、装置は、
シャフトおよびシャフトの周囲の多孔質材料を備える回転可能なワイパローラと、
ワイパローラと回転可能に接触する回転可能な転写ローラと、
多孔質材料は、前記回転中にプリントヘッドから流体を吸収するように構成される、多孔質材料がプリントヘッドに対して回転するように、ワイパローラを回転させるための、および、多孔質材料によって吸収された流体が転写ローラに転写されるように、ワイパローラに対して転写ローラを回転させるための機構と、を備える。

任意選択的に、プリントヘッドは用紙幅プリントヘッドであり、ワイパおよび転写ローラは少なくとも用紙幅の縦の長さで細長くなっている。

任意選択的に、ワイパおよび転写ローラは、スレッドによって支持されるワイパモジュールに回転可能に装着される。

任意選択的に、転写ローラは、転写ローラが、プリントヘッドに接触するワイパローラの上部周方向領域の下のワイパローラの垂直方向の周方向領域上のワイパローラに接触するように、ワイパモジュールに装着される。

任意選択的に、ワイパローラは、シャフトに装着される圧縮可能コアを備え、多孔質材料は、コア上に提供される。

任意選択的に、多孔質材料は、不織布マイクロファイバーで形成される。

任意選択的に、不織布マイクロファイバーは、マイクロファイバーの少なくとも２つのレイヤーがレイヤー間に接着剤を有するコアを中心にして存在するように、スパイラル技術によってコアを中心に巻き付けられる。

任意選択的に、転写ローラは、滑らかなハードシリンダを備える。

任意選択的に、滑らかなハードシリンダは、ワイパローラの圧縮可能コア上に接触圧力がかかるに、ワイパモジュールに装着される。

別の態様では、本発明は、プリントヘッドの保守システムを提供し、システムは、
支持フレームと、
支持フレームによって支持されるワイパモジュールであって、ワイパモジュールはプリントヘッドから流体および微粒子を吸収するためにプリントヘッドに回転可能に接触するための多孔質ローラと、多孔質ローラから流体および微粒子を吸収および転写するために多孔質ローラと回転可能に接触する非多孔質ローラと、前記回転中に非多孔質ローラから転写された流体および微粒子を除去するために非多孔質ローラと接触するスクレーパーと、を備える、ワイパモジュールと、
プリントヘッドに対して多孔質ローラを位置決めするために、支持フレームからワイパモジュールを上昇させるためのリフト機構と、
多孔質ローラがプリントヘッドに対して回転し、非多孔質ローラが多孔質ローラおよびスクレーパーに対して回転するように、多孔質および非多孔質ローラを回転させるための回転機構と、を備える。

任意選択的に、多孔質ローラは、圧縮可能コア上に多孔質材料を備え、
リフト機構は、圧縮可能コアを圧縮するように、プリントヘッドに対して多孔質材料を位置決めするように構成される。

任意選択的に、コアは、押し出された独立気泡発泡体で形成される。

任意選択的に、非多孔質ローラは、圧縮可能コアを圧縮するように、多孔質ローラに接触する滑らかなハードシリンダを備える。

任意選択的に、多孔質材料は、不織布マイクロファイバーで形成される。

任意選択的に、スクレーパーは、弾性的に柔軟である。

別の態様では、本発明は、プリントヘッドを保守するための装置を提供し、装置は、
回転可能な多孔質ローラと、
多孔質ローラと回転可能に接触する回転可能な非多孔質ローラと、
非多孔質ローラと接触するスクレーパーと、
多孔質ローラがプリントヘッドに対して回転し、非多孔質ローラが多孔質ローラおよびスクレーパーに対して回転するように、多孔質および非多孔質ローラを回転させるための機構であって、多孔質ローラは、前記回転中にプリントヘッドから流体および微粒子を吸収するように構成され、非多孔質ローラは、多孔質ローラから、吸収された流体および微粒子を転写するように構成され、スクレーパーは、前記回転中に非多孔質ローラから転写された流体および微粒子をクリーニングするように構成される、機構と、を備える。

任意選択的に、プリントヘッドは用紙幅プリントヘッドであり、多孔質および非多孔質ローラならびにスクレーパーは、少なくとも用紙幅の縦の長さで、細長くなっている。

任意選択的に、多孔質および非多孔質ローラは、スレッドによって支持されるワイパモジュールに回転可能に装着される。

任意選択的に、非多孔質ローラは、非多孔質ローラが、プリントヘッドに接触する多孔質ローラの上部周方向領域の下の多孔質ローラの垂直方向の周方向領域上で多孔質ローラに接触するように、ワイパモジュールに装着される。

任意選択的に、多孔質ローラは、圧縮可能コア上に多孔質材料を備える。

任意選択的に、多孔質材料は、不織布マイクロファイバーで形成される。

任意選択的に、非多孔質ローラは、滑らかなハードシリンダを備える。

任意選択的に、滑らかなハードシリンダは、多孔質ローラの圧縮可能コア上に接触圧力がかかるように、ワイパモジュールに装着される。

任意選択的に、スクレーパーが、多孔質ローラに接触する非多孔質ローラの上部周方向領域の下の非多孔質ローラの垂直方向の周方向領域上の非多孔質ローラに接触するように、スクレーパーは、ワイパモジュールに装着される。

任意選択的に、スクレーパーは、弾性的に柔軟である。

別の態様では、本発明は、プリントヘッドを保守するための拭き取りデバイスを提供し、拭き取りデバイスは、
プリンタの保守ユニット内に支持される本体と、
本体に回転可能に装着される多孔質ローラであって、本体は、多孔質ローラをプリンタのプリントヘッドと接触させるように、保守ユニットから上昇されるように構成される、多孔質ローラと、
多孔質ローラがプリントヘッドをきれいに拭き取りつつプリントヘッドに対して回転するように、多孔質ローラを回転させるために本体に装着される機構であって、プリンタの電源に接続可能であり、かつ、電源に接続される一方で、本体と共に保守ユニットから上昇されるように構成される、機構と、を備える。

任意選択的に、プリントヘッドは用紙幅プリントヘッドであり、多孔質ローラは、少なくとも用紙幅の縦の長さで、細長くなっている。

任意選択的に、機構は、モータおよびモータのギヤと多孔質ローラのギヤとの間に接続されたギヤトレインを備え、モータおよびギヤトレインは本体内に装着される。

任意選択的に、モータは、プリンタの電源との柔軟な接続を通じて電力供給される。

任意選択的に、デバイスは、多孔質ローラと接触する本体に回転可能に装着される非多孔質ローラをさらに備え、
非多孔質ローラが多孔質ローラをクリーニングしつつ多孔質ローラに対して回転するように、機構は、非多孔質ローラを回転させる。

任意選択的に、機構は、モータおよびモータのギヤと多孔質ならびに非多孔質ローラのギヤとの間に接続されたギヤトレインを備え、モータおよびギヤトレインは本体内に装着される。

任意選択的に、モータは、プリンタの電源との柔軟な接続を通じて電力供給される。

任意選択的に、多孔質ローラは、圧縮可能コア上に多孔質材料を備える。

任意選択的に、非多孔質ローラは、滑らかなハードシリンダを備える。

任意選択的に、滑らかなハードシリンダは、多孔質ローラの圧縮可能コアに接触圧力がかかるように、本体に装着される。

別の態様では、本発明は、プリントヘッドの保守システムを提供し、システムは、
スレッドと、
スレッドによって支持されるワイパモジュールであって、ワイパモジュールは、互いに接触する回転可能な多孔質および非多孔質ローラを備える、ワイパモジュールと、
プリントヘッドに対して多孔質ローラを位置決めするために、スレッドからワイパモジュールを上昇させるためのリフト機構と、
上昇されたワイパモジュールの多孔質ローラがプリントヘッドに対して回転し、非多孔質ローラが多孔質ローラに対して回転するように、多孔質および非多孔質ローラを回転させるための回転機構であって、多孔質ローラは、前記回転中にプリントヘッドから流体を吸収するように構成され、非多孔質ローラは、多孔質ローラから吸収された流体をクリーニングするように構成される、回転機構と、
多孔質ローラの回転により、プリントヘッドが拭かれるように、プリントヘッドに対してスレッドを摺動するための摺動機構と、を備える。

任意選択的に、回転機構は、ワイパモジュールに装着され、かつ、電源に接続される一方で、回転機構がワイパモジュールと共にスレッドから上昇されるように、プリントヘッドの電源に接続可能である。

任意選択的に、機構は、モータおよびモータのギヤと多孔質および非多孔質ローラのギヤとの間に接続されたギヤトレインを備え、モータおよびギヤトレインはワイパモジュール上に装着される。

任意選択的に、モータは、プリントヘッドの電源との柔軟な接続を通じて電力供給される。

任意選択的に、摺動機構は、ワイパモジュールの各端に対応するスレッドの各端上のラックと、ラックおよびモータのうちの対応する１つとそれぞれ結合するように、シャフトの各端上のピニオンギヤとを備える。

任意選択的に、多孔質ローラは、圧縮可能コア上に多孔質材料を備え、
リフト機構は、圧縮可能コアを圧縮するように、プリントヘッドに対して多孔質材料を位置決めするように構成される。

任意選択的に、非多孔質ローラは、滑らかなハードシリンダを備える。

任意選択的に、滑らかなハードシリンダは、多孔質ローラの圧縮可能コアに接触圧力がかかるように、ワイパモジュールに装着される。

別の態様では、本発明は、プリンタ内の用紙を輸送するためのシステムを提供し、システムは、
プリンタのハウジングと、
プリンタを通って用紙を輸送させるために、ハウジングに回転可能に装着される少なくとも１つのローラと、
ハウジングに装着されるモータと、
モータの回転駆動力をローラに与えるように、モータの駆動シャフトおよびローラを中心にしてループ状にされる駆動ベルトと、
接触のためにハウジングに旋回可能に装着され、それにより、モータ駆動シャフトおよびローラを中心にして駆動ベルトを引っ張る引っ張り部材であって、ハウジングに対する引っ張り部材の旋回位置が、駆動ベルトに与えられる張力の大きさを決定する、引っ張り部材と、
引っ張り部材のスロット型アームを中心に、ハウジングに装着される締め具部材と、
引っ張り部材の旋回位置をロックするために、締め具部材およびスロット型アームを通ってハウジングに固定されるロッキングスクリューであって、締め具部材は、ロッキングスクリューのハウジングへの固定中に、ロッキングスクリューの回転がスロット型アームに与えられないように、ハウジングに固定的に装着される、ロッキングスクリューと、を備える。

任意選択的に、システムは、駆動ベルトに対して引っ張り部材のブッシングを付勢することにより、駆動ベルト上に張力を与えるためのばねをさらに備える。

任意選択的に、締め具部材は、細長い形であり、締め具部材がハウジングに対して回転できないように、ハウジングのそれぞれの穴内にぴったりと受容されるいずれかの端にピンを有する。

任意選択的に、スロット型アームは、ハウジングのスクリュー穴が引っ張り部材の複数の旋回位置により露出する、曲線状のスロットを有する。

任意選択的に、締め具部材は、ハウジング内の露出したスクリュー穴と整列する穴を有する。

任意選択的に、ロッキングスクリューは、締め具部材内の穴を介して、露出したスクリュー穴内に固定される。

任意選択的に、システムは、プリンタを通って用紙を輸送するためにハウジングに回転可能に装着される複数のローラを備え、
駆動ベルトは、モータの回転駆動力をローラに与えるように、各ローラを中心にしてループ状にされる。

別の態様では、本発明は、プリンタの駆動ベルト引っ張り装置を提供し、装置は、
プリンタを通って用紙を輸送するためのローラにモータの回転駆動力を与えるように、駆動ベルトに接触することにより、モータの駆動シャフトおよび少なくとも１つのローラを中心として駆動ベルトを引っ張るように、プリンタのハウジングに旋回可能に装着される引っ張り部材であって、ハウジングに対する引っ張り部材の旋回位置は、駆動ベルトに与えられる張力の大きさを決定する、引っ張り部材と、
引っ張り部材のスロット型アームを中心としてハウジングに装着される締め具部材と、
引っ張り部材の旋回位置をロックするために締め具部材およびスロット型アームを通ってハウジングに固定されるロッキングスクリューであって、締め具部材は、ハウジングへのロッキングスクリューの固定中に、スロット型アームにロッキングスクリューの回転が与えられないように、ハウジングに固定的に装着される、ロッキングスクリューと、を備える。

任意選択的に、装置は、駆動ベルトに対して引っ張り部材のブッシングを付勢することにより、駆動ベルトに張力を与えるためのばねをさらに備える。

任意選択的に、締め具部材は細長い形であり、ハウジングに対して締め具部材が回転できないように、ハウジングのそれぞれの穴内にぴったりと受容されるいずれかの端に、ピンを有する。

任意選択的に、スロット型アームは、ハウジングのスクリュー穴が引っ張り部材の複数の旋回位置を通って露出される曲線状のスロットを有する。

任意選択的に、締め具部材は、ハウジング内の露出されたスクリュー穴と整列される穴を有する。

任意選択的に、ロッキングスクリューは、締め具部材内の穴を介して、露出されたスクリュー穴内に固定される。

別の態様では、本発明は、プリンタ内の駆動およびアイドラローラを整列するためのシステムを提供し、システムは、
プリンタのハウジングであって、ハウジングは、第２のハウジング部分が開いた位置と閉じた位置との間で、第１のハウジング部分に対して可動であるように、第２のハウジング部分にヒンジによって装着される、第１のハウジング部分を有する、ハウジングと、
プリンタを通って用紙を輸送するための第１のハウジング部分に回転可能に装着される少なくとも１つの駆動ローラと、
輸送された用紙上にピンチ接触を提供するように、駆動ローラとの接触のために、第２のハウジング部分内に回転可能に支持される少なくとも１つのアイドラローラと、
第２のハウジング部分が第１のハウジング部分によって閉じた位置にヒンジ止めされるときに、アイドラローラを駆動ローラに整列させるための整列調整機構と、を備える。

任意選択的に、駆動ローラは、第１のハウジング部分に固定的に装着される軸受部材によって、第１のハウジング部分に回転可能に装着される。

任意選択的に、アイドラローラは、第２のハウジング部分に装着されるピンチローラアセンブリ内に制限されたピンチハウジングによって回転可能に支持され、ピンチハウジングは、第２のハウジング部分に対して可動である。

任意選択的に、整列調整機構は、軸受部材内に画定されたスロットと、ピンチハウジング上に画定された整列ピンとを備え、整列ピンは、第２のハウジング部分が第１のハウジング部分によって閉じた位置にヒンジ止めされるとき、スロットと係合するように構成され、前記係合は、第２のハウジング部分に対するピンチハウジングの前記動きを生じさせることにより、アイドラおよび駆動ローラを整列させる。

任意選択的に、軸受部材のスロットは、第２のハウジング部分が第１のハウジング部分によって閉じた位置にヒンジ止めされるとき、整列ピンをスロットに通す傾斜した外部表面を有する。

別の態様では、本発明は、プリンタのピンチローラ装置を提供し、装置は、
プリンタのハウジングにしっかりと装着される支持プレートと、
支持プレートによって可動的に支持されるピンチハウジングと、
ピンチハウジング内に回転可能に保持される一連のピンチローラと、を備え、
ピンチハウジングは、支持プレートに対するピンチハウジングの前記動きによって、プリンタのハウジングと係合するための整列ピンを有し、前記係合は、プリンタを通って輸送される用紙のピンチ接触を提供するために、ピンチローラを、ハウジングに回転可能に装着される駆動ローラと整列させる。

任意選択的に、プリントヘッドは、用紙幅プリントヘッドであり、支持プレートおよびピンチハウジングは、一連のピンチローラが用紙幅に沿って延在するように、少なくとも用紙幅の縦の長さの、細長い形である。

任意選択的に、ピンチハウジングは、ピンチハウジングおよび支持プレートのいずれかの縦の端において、ばねによって支持プレートにリンクされる。

任意選択的に、装置は、プリンタのハウジングにしっかりと装着される装着プレートをさらに備え、支持プレートは、装着プレートにしっかりと装着され、装着プレートは、ピンチハウジングが保持されるタブを有する。

任意選択的に、プリンタのハウジングは、第２のハウジング部分にヒンジによって装着される第１のハウジング部分を有し、支持プレートは第２のハウジング部分にしっかりと装着され、駆動ローラは第１のハウジング部分に回転可能に装着される。

任意選択的に、第２のハウジング部分が第１のハウジング部分によって閉じた位置にヒンジ止めされるとき、ピンチハウジングの整列ピンは、プリンタのハウジングと係合する。

任意選択的に、駆動ローラは、第１のハウジング部分に固定的に装着される軸受部材によって第１のハウジング部分に回転可能に装着され、第２のハウジング部分が、第１のハウジング部分によって閉じた位置にヒンジ止めされるとき、整列ピンは、軸受部材内のスロットと係合するように構成され、前記係合は、第２のハウジング部分に対するピンチハウジングの前記動きを生じさせることにより、ピンチおよび駆動ローラを整列させる。

任意選択的に、各ピンチローラの軸は、それぞれのレバー部材によってピンチハウジングの対応するスロット内に回転可能に保持され、レバー部材は、支持プレートによって旋回可能に支持され、ピンチハウジングによって可動的に支持される。

任意選択的に、装置は、レバー部材と装着プレートとの間にばねをさらに備え、ばねは、レバー部材が装着プレートから離れて付勢されることで、駆動ローラに向けてピンチローラを促進するように構成される。

別の態様では、本発明は、用紙幅プリントヘッドを有するプリンタのピンチローラアセンブリを提供し、アセンブリは、
用紙幅に沿って延在するように、プリンタのハウジングにしっかりと装着される細長い支持プレートと、
用紙幅に沿って延在するように、支持プレートのいずれかの側に可動的に支持される２つの細長いピンチハウジングと、
用紙幅に沿って延在するように、各ピンチハウジング内に回転可能に保持される一連のピンチローラと、を備え、
ピンチハウジングは、支持プレートに対するピンチハウジングの前記動きによる、プリンタのハウジングとの係合のための整列ピンを有し、前記係合は、プリンタを通って輸送される用紙にピンチ接触を提供するために、一連のピンチローラをハウジングに回転可能に装着されたそれぞれの駆動ローラと整列させる。

任意選択的に、ピンチハウジングは、ピンチハウジングおよび支持プレートのいずれかの縦の端で、ばねによって支持プレートにリンクされる。

任意選択的に、アセンブリは、プリンタのハウジングにしっかりと装着される装着プレートをさらに備え、支持プレートは、装着プレートにしっかりと装着され、装着プレートは、ピンチハウジングが保持されるタブを有する。

任意選択的に、プリンタのハウジングは、第２のハウジング部分にヒンジによって装着される第１のハウジング部分を有し、支持プレートは、第２のハウジング部分にしっかりと装着され、駆動ローラは第１のハウジング部分に回転可能に装着される。

任意選択的に、ピンチハウジングの整列ピンは、第２のハウジング部分が第１のハウジング部分によって閉じた位置にヒンジ止めされるとき、プリンタのハウジングと係合する。

任意選択的に、駆動ローラは、第１のハウジング部分に固定的に装着される軸受部材によって第１のハウジング部分に回転可能に装着され、整列ピンは、第２のハウジング部分が第１のハウジング部分によって閉じた位置にヒンジ止めされるとき、軸受部材内のスロットと係合するように構成され、前記係合は、第２のハウジング部分に対するピンチハウジングの前記動きを生じさせることにより、ピンチおよび駆動ローラを整列させる。

任意選択的に、各ピンチローラの軸は、それぞれのレバー部材によって対応するピンチハウジングの対応するスロット内に回転可能に保持され、レバー部材は、支持プレートによって旋回可能に支持され、ピンチハウジングによって可動的に支持される。

任意選択的に、アセンブリは、レバー部材と装着プレートとの間のばねをさらに備え、レバー部材が装着プレートから付勢されることにより、ばねは、駆動ローラに向かってピンチローラを促進するように構成される。

本発明の例示的な特徴、最良の形態および利点は、以下の添付の図面を参照し、本明細書中の記載から理解される。
プリンタの主なシステムコンポーネントのブロック図である。 プリンタのプリントヘッドの斜視図である。 カバーを外した状態のプリントヘッドである。 プリントヘッドの分解図である。 入口または出口カップリングのないプリントヘッドの分解図である。 プリンタの流体配分、保守および用紙処理システムのコンポーネント以外の大部分のコンポーネントを省略した、プリンタの例示的な実施形態である。 図６に図示されるプリンタの反対側の図である。 流体配分システムの例示的な実施形態の概略図である。 流体配分システムの流体供給カートリッジの図である。 流体供給カートリッジの分解図である。 図９のＡ−Ａの線に沿って切り取られた流体供給カートリッジの断面図である。 流体供給カートリッジの蓋の図である。 図１２のＢ〜Ｂの線で切り取られた蓋の断面図である。 フィルタを省略した状態の、図１３Ａの蓋の図である。 図１２のＣ−Ｃに沿って切り取られた蓋の断面図である。 図１２のＤ−Ｄに沿って切り取られた蓋の断面図である。 流体供給カートリッジの流体ポートの隔壁針を示す図１３Ａの部分断面図である。 流体ポートの貫通可能な隔壁の例示的な一実施形態の異なる図である。 流体ポートの貫通可能な隔壁の例示的な一実施形態の異なる図である。 流体ポートの貫通可能な隔壁の別の例示的な実施形態の異なる図である。 流体ポートの貫通可能な隔壁の別の例示的な実施形態の異なる図である。 流体ポートのスリット隔壁の異なる図である。 流体ポートのスリット隔壁の異なる図である。 プリンタ内に装着される、供給カートリッジのレイアウトである。 流体配分システムのマルチチャネル気体通気アセンブリの異なる図である。 流体配分システムのマルチチャネル気体通気アセンブリの異なる図である。 代替のマルチチャネル気体通気アセンブリを組み込む流体配分システムの別の実施形態の概略図である。 廃棄流体ラインを省略した、代替のマルチチャネル気体通気アセンブリを示す。 廃棄流体ラインを示す、代替のマルチチャネル気体通気アセンブリの異なる図である。 バッファユニットを組み込む流体配分システムの別の実施形態の概略図である。 シングルバッファユニットの異なる図である。 シングルバッファユニットの異なる図である。 シングルバッファユニットの異なる図である。 流体配分システムのマルチチャネル弁構成の異なる等角図である。 流体配分システムのマルチチャネル弁構成の異なる等角図である。 マルチチャネル弁構成の分解図である。 ハウジングおよびいくつかの流体ラインを省略したマルチチャネル弁構成を示す。 分離状態のマルチチャネル弁構成のカムシャフトである。 マルチチャネル弁構成の異なる弁の状態である。 マルチチャネル弁構成の異なる弁の状態である。 マルチチャネル弁構成の異なる弁の状態である。 オンデマンドデプライム構成を組み込む流体配分システムの別の実施形態の概略図である。 保守システムの例示的な実施形態のモジュラー保守スレッドである。 保守スレッドの分解図である。 スレッドの例示的な実施形態のワイパモジュールである。 ワイパモジュールの分解図である。 ワイパモジュール位置を示すスレッドの断面図である。 スレッドの底部等角図である。 スレッドの平行移動機構である。 ほとんどのコンポーネントを省略し、非上昇位置のリフト機構と係合されたワイパモジュールを示す、プリンタの断面図である。 上昇位置のリフト機構と係合されたワイパモジュールである。 プリントヘッドに対して作動位置にあるワイパモジュールである。 リフト機構の１セクションの近接図である。 ワイパモジュールの例示的な平行移動された拭き取りの動きの異なる概略図である。 ワイパモジュールの例示的な平行移動された拭き取りの動きの異なる概略図である。 ワイパモジュールの例示的な平行移動された拭き取りの動きの異なる概略図である。 ワイパモジュールの例示的な平行移動された拭き取りの動きの異なる概略図である。 ワイパモジュールの例示的な平行移動された拭き取りの動きの異なる概略図である。 ワイパモジュールの例示的な平行移動された拭き取りの動きの異なる概略図である。 ワイパモジュールの例示的な平行移動された拭き取りの動きの異なる概略図である。 保守システムの流体収集トレイである。 用紙処理システムの例示的な実施形態の上部および下部セクションである。 用紙処理システムの下部セクションの用紙ガイドおよび駆動アセンブリである。 駆動およびピンチアセンブリの駆動およびピンチ要素の係合である。 ピンチ要素のうちの１つのプレートを省略した、ピンチアセンブリの斜視図である。 分離状態のピンチ要素のうちの１つである。 用紙処理システムの上部セクションの駆動アセンブリおよびピンチアセンブリの整列機構である。 図４５Ａにおいて図示された整列機構の断面図である。

当業者は、その応用が、以下の詳細な説明に記載されるおよび／または添付の図面に図示される構造、コンポーネントの構成、およびステップの構成の詳細に限定されるわけではないことを理解されよう。本発明は、他の実施形態にすることもでき、種々の方法で実施または実行することができる。さらに、本明細書中で用いられる表現および用語は、記載を目的とするものであり、制限的なものとみなされるべきではないことを理解するべきである。

プリンタ１００の主なシステムコンポーネントの例示的なブロック図を、図１に示す。プリンタ１００は、プリントヘッド２００、流体配分システム３００、保守システム６００、電子機器８００および用紙処理システム９００を有する。

プリントヘッド２００は、通過する印刷用紙上にインク等の印刷流体を射出するための流体射出ノズルを有する。流体配分システム３００は、プリントヘッド２００のノズルによって射出するためのインクおよび他の流体を配分する。保守システム６００は、信頼性があり精密な流体射出が射出ノズルから提供されるように、プリントヘッド２００の保守を行う。用紙処理システム９００は、印刷のためにプリントヘッド２００を通過する用紙の輸送および誘導を提供する。

電子機器８００は、互いに、および外部コンポーネント／システムへ、プリンタ１００の電子コンポーネントを動作可能に相互接続する。電子機器８００は、接続されたコンポーネントの動作を制御するための制御電子機器８０２を有する。制御電子機器８０２の例示的な構成は、米国特許出願公開第２００５０１５７０４０号（出願者整理番号ＲＲＣ００１ＵＳ）に記載され、その内容は、参照することにより、本明細書に組み込まれる。

プリントヘッド２００は、参照することによりその内容が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第２００９０１７９９４０号（出願者整理番号ＲＲＥ０１７ＵＳ）に記載されるように、プリンタ１００から取り外し可能な用紙幅プリントヘッドカートリッジとして提供され得る。この例示的なプリントヘッドカートリッジは、図２〜５に示されるように、印刷される用紙基板の幅を延長させる、一連のプリントヘッドＩＣ２０４を支持する液晶高分子（ＬＣＰ）成形物２０２を含む。したがって、プリンタ１００に装着されると、プリントヘッド２００は、静止全用紙幅プリントヘッドを構成する。

プリントヘッドＩＣ２０４は、それぞれ、通過する用紙基板上にインクおよび他の印刷流体の液滴を射出するための射出ノズルを備える。ノズルは、真の１６００ｄｐｉ（つまり、インチ当たり１６００ノズルのノズルピッチ）以上の解像度の、ＭＥＭＳ（マイクロ電子機械）構造印刷にしてもよい。適したプリントヘッドＩＣ２０４の製造および構造は、参照することによりその内容が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第２００７００８１０３２号（出願者整理番号ＭＮＮ００１ＵＳ）に詳細に記載されている。

ＬＣＰ成形物２０２は、関連付けられる入口ポート２０８と出口ポート２１０との間のＬＣＰ成形物２０２の長さで延在する主なチャネル２０６を有する。主な各チャネル２０６は、ＬＣＰ成形物２０２の他の側に延在する一連のファインチャネル（図示せず）に供給する。ファインチャネルは、以下に記載するように、それを介してプリントヘッドＩＣがＬＣＰ成形物に装着される、金型取り付け（ｄｉｅ ａｔｔａｃｈ）フィルム内のレーザー剥離孔を通って、プリントヘッドＩＣ２０４にインクを供給する。

上記の主なチャネル２０６は、一連の非プライミング空気腔２１４である。これらの腔２１４は、プリントヘッドプライミング中にエアポケットを捕捉するように設計される。エアポケットにより、システムに対し、印刷流体内の圧力上昇または水圧衝撃を吸収および鈍化するためのいくらかのコンプライアンスがもたらされる。プリンタは、急激に噴射する多数のノズルを有する高速ページ幅または用紙幅プリンタである。これによりインクが急速に消費され、突然、印刷ジョブまたはページの端のみが終了することは、プリントヘッド２００に向かって（およびこれを通って）移動するインク列が、ほぼ瞬時に定着しなければならないということを意味する。空気腔２１４によって提供されるコンプライアンスなしでは、インクの運動量によって、プリントヘッドＩＣ２０４内のノズルをオーバーフローさせることになる。さらに、以降の「あおりを受けた波」によって、コンプライアンスがない場合には誤ってノズルをデプライミング（ｄｅｐｒｉｍｅ）するのに十分な負の圧力を生じさせかねない。

プリントヘッドカートリッジは、上部成形物２１６および取り外し可能な保護カバー２１８を有する。上部成形物２１６は、構造的硬度のための、およびプリンタ１００に対する挿入および取り外し時にプリントヘッドカートリッジを操作するためのきめの粗い把持表面２２０を提供するための中心網を有する。可動キャップ２２２がカバーのベースに提供され、プリンタの設置前に、プリントヘッド２００の入口プリントヘッドカップリング２２４および出口プリントヘッドカップリング２２６を覆うように可動となっている。「入口」および「出口」という用語は、印刷時にプリントヘッド２００を通る流体流動の通常の向きを指定するために使用される。しかしながら、プリントヘッド２００は、流体の流入および流出がプリントヘッド２００に沿って双方向で実現できるように、構成される。

カバー２１８のベースは、プリンタの設置前にプリントヘッドＩＣ２０４およびプリントヘッドの電子接触子２２８を保護し、図３に示されるように、設置のために、プリントヘッドＩＣ２０４および接触子２２８を露出させるため、取り外し可能になっている。保護カバーは、廃棄される、またはその内部の残渣インクからの漏れを含むように取り換えられるプリントヘッドカートリッジに装着されてもよい。

上部成形物２１６は、図４に示されるように、側板２３４と共に、入口カップリング２２４の入口マニホールド２３０および出口カップリング２２６の出口マニホールド２３２を覆う。入口および出口マニホールド２３０、２３２は、それぞれ、入口および注出口２３６、２３８を有する。入口および出口ポートまたは噴出口２３６、２３８の５つはそれぞれ、５つのインクチャネル、例えば、ＣＹＭＫＫまたはＣＹＭＫＩＲを提供する、プリントヘッド２００の図示された実施形態に示される。噴出口の他の構成および数は、異なる印刷流体チャネル構成を提供することができる。例えば、マルチチャネルプリントヘッド印刷の複数インク色の代わりに、いくつかのプリントヘッドは、各印刷に１つ以上のインク色を提供することができる。

各注入口２３６は、ＬＣＰ成形物２０２の入口ポート２０８のうちの対応する１つに流体的に接続される。各注出口２３８は、ＬＣＰ成形物２０２の出口ポート２１０のうちの対応する１つに流体的に接続される。このため、各インク色について、供給されたインクは、主なチャネル２０６の対応する１つを介して、注入口２３６のうちの１つと注出口２３８の対応する１つとの間に配分される。

図５から、チャネル成形物２４０において主なチャネル２０６が形成され、関連付けられる空気腔２１４が腔成形物２４２内に形成されることがわかる。チャネル成形物２４０に、金型取り付けフィルム２４４が接着される。金型取り付けフィルム２４４は、チャネル成形物２４０内に形成されるファインチャネルが、フィルム２４４を通って、小さいレーザー剥離孔２４５を介して、プリントヘッドＩＣ２０４と流体的に連通するように、チャネル成形物２４０にプリントヘッドＩＣ２０４を装着する。

チャネルおよび腔成形物２４０、２４４は、ＬＣＰ成形物２０２を形成するために、プリントヘッドＩＣの電子接触子２２８およびクリップ成形物２４８を含む接触子成形物２４６と共に装着される。クリップ成形物２４８は、ＬＣＰ成形物２０２を上部成形物２１６に確実にクリップ固定するために使用される。

ＬＣＰは、成形物の用紙幅長さにわたって構造的完全性を保持するその硬度、およびプリントヘッド２００の動作中におけるＬＣＰ成形物２０２のファインチャネルおよびプリントヘッドＩＣ２０４のノズルの間の良好な位置合わせを確保する、プリントヘッドＩＣで使用されるシリコンの熱膨張係数とほぼ一致するその熱膨張係数のために、好適な成形物２０２の材料となっている。しかしながら、これらの基準を満たす限り、他の材料を使用することもできる。

図６および７に図示されるように、プリントヘッド２００の複数の流体チャネルのために、プリンタ１００に流体配分システム３００が構成され得る。図８は、例えば、単色インクまたはインク定着剤（固定剤）等の他の印刷流体のための、単数流体チャネルの流体配分システム３００を概略的に示す。図示された実施形態は、出願者の米国仮特許出願第６１３４５５５２号（整理番号ＫＰＦ００１ＰＵＳ）に記載された流体配分システムのピンチおよび逆止弁の実施形態と同様の構成および動作になっている。

流体配分システムの本実施形態は、流体供給カートリッジおよび２方向ピンチ弁に関する、出願者の米国仮特許出願第６１３４５５５２号（整理番号ＫＰＦ００１ＰＵＳ）の組み込まれた記載の識別された実施形態とは異なる。図８の本流体配分システム３００のこれらおよび他のコンポーネントについて、次に詳述する。適している場合、出願者の米国仮特許出願第６１３４５５５２号（整理番号ＫＰＦ００１ＰＵＳ）の組み込まれた記載の同じコンポーネントの同じ参照数字が使用される。流体配分システムの本実施形態は、プリントヘッドの簡略な、受動的および自重送りの流体（インク）配分システムを提供する。

流体配分システム３００は、閉じた流体ループ３４８を介するプリントヘッド２００への供給のためにインクまたは他の流体／液体を含む封止された容器３０１（本明細書において流体供給カートリッジと称される）を有する。図６および７の示された実施形態では、上記のプリントヘッド２００の５つのインクチャネルのために５つの供給カートリッジ３０１および５つの閉じた流体ループ３４８が提供される。本実施形態の流体供給カートリッジは、組み込まれた出願者の米国仮特許出願第６１３４５５５２号（整理番号ＫＰＦ００１ＰＵＳ）の供給および蓄積槽の代わりに提供される。５つの供給カートリッジ３０１がプリンタ１００のハウジング１０１に装着される方法が、後述される。

図９〜１２は、供給カートリッジ３０１のうちの１つを示す。図示するように、供給カートリッジ３０１は、蓋３０５によって液体が封止される本体３０３を有する。本体３０３は、蓋３０５が組み立てられた開口３０３ｃを提供するように、超音波溶接によって結合および気密封止される２つのパーツ３０３ａおよび３０３ｂから成形され得る。あるいは、本体３０３は、シングルユニットとして成形され得る。本体３０３は、図１１に図示されるように、蓋３０５ａの溝３０５ａ内に受容される開口３０３ｃの周囲を中心とするフランジ３０３ｄを有する。組み立てられた本体３０３および蓋３０５は、封止された流体貯蔵容器を形成するように、超音波溶接によって結合および気密封止される。

本体３０３（および蓋３０５）は、好ましくは、インクにおいて不活性の材料で形成され、低水蒸気透過率（ＷＶＴＲ）を有し、超音波的に溶接することができ、蓋３０５が超音波的に本体３０３に溶接される場合に、共振性（ｓｙｍｐａｔｈｅｔｉｃ）超音波溶接の影響を受けにくい。適した材料は、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）およびＮｏｒｙｌ７３１等のポリフェニレンエーテルおよびポリスチレンの組み合わせである。使用する超音波溶接は、好ましくは、強い気密シールを作成する二重せん断節理（ｓｈｅａｒ ｊｏｉｎｔ）であり、２つのコンポーネントの間のサイズの変動に耐性がある。しかしながら、他の超音波溶接または他の結合およびシール技術も可能である。

本体３０３のパーツ３０３ａおよび３０３ｂの片方または両方は、１つ以上の内部リブ３０７で形成される。内部リブ３０７は、供給カートリッジ３０１の剛性を大幅に向上させる。この向上した剛性は、発送中に起こる、また、カートリッジおよび／またはプリンタの発送および処理中に起こり得る衝撃条件において等、正または負の加圧の条件において、カートリッジ内の変形を低減させる。向上した剛性により、さらに、カートリッジコンポーネントの間のより強力な結合を生じさせる可能性がある。ハンドル３０９は、使用者がカートリッジを変形させずに供給カートリッジ３０１を把持し、それにより、封止されたカートリッジ結合をさらに保護するために、把持表面を提供する本体３０３の一部として形成される。

供給カートリッジ３０１の蓋３０５が、図１２〜１４に詳細に図示される。図示するように、蓋３０５は、３つの封止可能な流体ポート３１１を有する。ポート３１１は、以下の機能、つまり、流体出口ポート３１３、気体ポート３１５、流体入口（またはリターン）ポート３１７の役目を果たす。供給カートリッジ３０１内に含まれるインクまたは他の印刷流体は、出口３１３を通って閉じた流体ループ３４８へ吸引され、閉じたループ３４８を介して入口３１７を通って供給カートリッジ３０１へ戻ることができる。気体ポート３１５は、周囲空気および内部水蒸気等の気体が、供給カートリッジ３０１の内外へ通過できるようにする。この構成により、供給カートリッジ３０１の内部気体圧力が外部周囲条件と等しくなることができる。

各ポート３１１は、外部アパーチャ３１１ｂにおいてカートリッジ３０１の外部と流通し、かつ、内部アパーチャ３１１ｃにおいてカートリッジ３０１の内部流体貯蔵容器と流通する内部チャネル３１１ａを有する。出口３１３の内部アパーチャ３１１ｃは、蓋３０５上に形成されるフィルタコンパートメント３１９と流通するチャネル３１３ａとして形成される。図１３Ａおよび１３Ｂに図示されるように、フィルタコンパートメント３１９は、チャネル３１３ａがプレート３１９ａの周辺から突出する側壁３１９ｂを開かせるプレート３１９ａを有する。リッジ３１９ｃは、周辺座部３１９ｄを画定するために側壁３１９ｂの外部表面に形成される。周辺座部３１９ｄは、出口３１３を通って流体が流出する前に、流体貯蔵容器内に含まれるインク、または他の流体から粒子を除去するためのフィルタ３２１を受容し、閉じたループ３４８を通ってプリントヘッド２００に最終的に達する。

フィルタ３２１は、プリントヘッド２００に達するインクに実質的に汚染物質がないように、インクからの汚染物質をフィルタするように使用される。フィルタ３２１は、供給カートリッジ３０１によって格納されるインクと適合可能な材料で形成され、フィルタを通る流体転写を可能にし、微粒子移動を防止する。本明細書中の「適合可能」の使用は、インクと「適合可能」と言われている材料が分解しない、またはインクとの長期の接触のために変化しない、およびインクの特性を全く変化させないことであると理解されている。

好ましくは、フィルタ３２１は、１ミクロンの孔径を有するポリエステルメッシュである。かかるメッシュフィルタ３２１は、好ましくは、フィルタが粒子の転写に対するその周辺を中心に封止されるように、熱ステーキング（ｓｔａｋｉｎｇ）等によってフィルタコンパートメント３１９の座部３１９ｄ上に装着される。供給カートリッジに内部フィルタを提供することにより、閉じた流体ループ３４８内の濾過の必要性がなくなる。

入口３１７の内部アパーチャ３１１ｃは、図１２および１５に図示されるように、シュート３１７ａを介してカートリッジ３０１の内部流体貯蔵容器と流通する。気体ポート３１５の内部アパーチャ３１１ｃは、図１４に図示されるように、カートリッジ３０１の内部流体貯蔵容器と流通するチャネル３１５ａとして形成される。

各ポート３１１の外部アパーチャ３１１ｂは、図１３Ａ、１４および１５に図示されるように、管へ接続するための隔壁３２３を受容する孔として形成される。図示された図１６〜１８Ｂの例示的な実施形態では、各隔壁３２３が、二重隔壁３２５として提供される。各二重隔壁３２５は、共に漏れ止め障壁を形成する、貫通可能な隔壁３２７およびスリット隔壁３２９である２つの隣接する隔壁のアセンブリである。二重隔壁３２５の漏れ止め障壁は、図１６に図示されるように、ポート３１１を通る流体流動を可能にするために、対応する隔壁針３３１によって封止的に貫通される。各隔壁針３３１は、出口および入口３１３、３１７の閉じた流体ループ３４８の管および気体ポート３１５の気体通気孔または空気煙突３３３の管のコネクタとしてバーブ３３１ａを有する。

組み合わせられた貫通可能およびスリット隔壁は、余剰の離脱可能およびコンパクトな流体ポートを提供し、以下の条件で、つまり、（１）隔壁針が挿入される前、（２）隔壁針が挿入される間、および（３）隔壁針が除去された後の流体の漏れを防止する。これらの条件は、以下のように適合される。

貫通可能隔壁３２７は、対応するポート３１１の孔３１１ｂ内に隔壁３２７、３２９の最も内側として組み立てられ、かかるものとして、輸送および貯蔵中、および印刷中にカートリッジ３０１内に含まれる流体と接触する。したがって、貫通可能隔壁３２７は、カートリッジ３０１内の流体と適合可能であり、孔３１１ｂおよび隔壁針３３１に対する流体封止シールを提供する弾性材料から形成される。好ましくは、貫通可能隔壁３２７は、低伸長ニトリルゴム等の弾性材料から形成される。

貫通可能隔壁３２７は円形であり、図１７Ａおよび１７Ｂならびに図１７Ｃおよび１７Ｄに図示される２つの実施形態に図示されるように、構成可能である。両方の実施形態では、貫通可能隔壁３２７は、孔３１１ｂの内部壁に対して押すように構成されるその周方向縁に形成される環状リッジまたはシール３２７ａを有する。この接触圧力は、貫通可能隔壁３２７の周方向縁の周囲の流体の通過に対する障壁を提供する環状リッジ３２７ａを変形させる。この変形は、切頭円錐形表面３２７ｂとして環状リッジ３２７ａへ貫通可能隔壁３２７内部の部分を形成することにより制限される。表面３２７ｂは、環状シール３２７ａのロールおよび封止解除を防止する貫通可能隔壁３２７の内部部分の剛性を提供する。表面３２７ｂは、薄い膜３２７ｃとして形成される貫通可能隔壁３２７の中央部分において、終端する。

好ましくは、貫通可能隔壁３２７の弾性材料は、低引裂強度を有する。図１７Ａおよび１７Ｂに図示された第１の実施形態の膜３２７ｃ内に形成される半径方向のスコアライン３２７ｄと一緒のこの材料選択、図１７Ｃおよび１７Ｄに図示された第２の実施形態の膜３２７ｃの中央点と同心円状の膜３２７ｃ内の溝として形成される応力集中形状３２７ｅは、第１の挿入時に隔壁針３３１が貫通可能隔壁３２７を貫通または穿刺する場合に、より少ない伸縮およびより少ない必要な力によって、膜３２７ｃの貫通をより容易にさせる。穿刺後、貫通した表面３２７ｂの弾性材料は、貫通した境界において流体の流通を最小限にする挿入された隔壁針３３１の周囲の圧縮把持を維持する。したがって、貫通可能隔壁３２７によって提供される材料適合可能な弾性シールは、少なくとも上記の条件（１）および（２）において、流体の漏れを防止する。貫通可能隔壁３２７の適した弾性材料は、低伸長ニトリルゴムである。

スリット隔壁３２９は、対応するポート３１１の孔３１１ｂ内の隔壁３２７、３２９の最も外側として組み立てられ、かかるものとして、輸送および貯蔵中にカートリッジ３０１に含まれる流体と接触しない。したがって、スリット隔壁３２９の材料は、カートリッジ３０１に含まれる流体と完全に適合可能である必要はない。しかしながら、スリット隔壁３２９は、孔３１１ｂおよび隔壁針３３１に対して流体封止シールを提供することが必要であり、したがって、さらに、好ましくは弾性材料で形成される。

スリット隔壁３２９は、図１８Ａおよび１８Ｂに図示されるように、円形になっており、孔３１１ｂの内部壁に対して押すように構成されるその周方向縁で形成される２つの余剰の環状リッジまたはシール３２９ａを有する。この接触圧力は、スリット隔壁３２９の周方向縁の周囲の流体の通過に対する障壁を提供する環状リッジ３２９ａを変形させる。スリット隔壁３２９の中央部分は、流体が閉じたスリット３２９ｂを通って漏れることを防止するように、環状シール３２９ａの圧縮によって生じる接触圧力によって閉じるおよび封止されるスリット３２９ｂを有する。隔壁針３３１は、第１の挿入時に、スリット３２９ｂおよび貫通可能隔壁３２７の貫通可能（ｐｉｅｒｃａｂｌｅ）膜３２７ｃを通って通過する。挿入後、スリット３２９ｂを中心とする弾性材料は、スリット境界における流体の流通を最小限にする挿入された隔壁針３３１を中心とする圧縮把持を維持する。さらに、隔壁針３３１の抜去後に、スリット３２９ｂの弾性材料は、スリット隔壁３２９を再シールするスリット３２９ｂを再び閉じる。

スリット隔壁３２９は、隔壁の弾性材料が、スリット３２９ｂを通して隔壁針３３１が挿入される場合に変形する量を提供する、２つの環状シール３２９ａの間の環状戻り止め３２９ｃを有する。したがって、スリット隔壁３２９によって提供される可能な材料適合不可能弾性シールは、上記の条件（１）、（２）および（３）の全てにおいて、流体漏れを防止する。スリット隔壁３２９の適した弾性材料は、イソプレンである。

スリット隔壁手段のすぐれたシール特性とは、貫通可能隔壁の材料が、供給カートリッジによって含まれる流体との良好な互換性を提供するために選択可能な利用可能な材料の範囲を増加させる、例えば、低引裂強度等の低い弾性特性を有する可能性があることを意味する。例えば、出願者のＭＥＭＪＥＴ（商標）プリンタによって使用されるインクについて、低い弾性特性を有する弾性シール材料のみが、膨張、低粒子脱落、他の所望の特性に関して、インクと適合可能である。かかる低い弾性特性材料で構成される単一隔壁が使用される場合、弾性材料がシールしている表面にうまく沿わないため、隔壁の外部表面周囲にまたは隔壁針によって貫通される表面に沿って流体漏れが生じる可能性がある。このため、二重隔壁３２５を使用することにより、各ポート３１１は、カートリッジ３０１に含まれる流体が、二重隔壁３２５によって形成される２つの弾性シールのうちの１つと材料的に適合不可能である場合でも、確実に封止された流体ポートとして機能することができる。さらに、二重隔壁３２５は、流体供給カートリッジの使用前、使用中、および使用後に流体漏れを防止するための複数の余剰のシール表面を提供する。

図示された例において、２つの隔壁３２７、３２９の外縁の周囲の計３つの余剰の環状シールおよび挿入された隔壁針３３１の周囲の２つの余剰のシールが存在する。しかしながら、余剰がシールの寿命の異なる時点における流体漏れの可能性を減らす限り、異なる数の余剰の外部および内部シールを有する他の構成も可能である。

気体ポート３１５の二重隔壁３２５は、気体通気３３３の通気ライン３３５に接続される。通気ライン３３５は、１つの端の隔壁針３３１のバーブ３３１ａおよび他の端のフィルタ３３７に接続された管の形である。フィルタ３３７は、好ましくは、水蒸気等を除く空気が周囲環境から通気ライン３３５に入ることができるように、ｅＰＴＦＥ等の疎水性材料で形成される。好ましくは、フィルタ３３７の疎水性材料は、これらの気体輸送特性を有する膨張したポリテトラフルオロエチレンである（Ｇｏｒｅ−Ｔｅｘ（登録商標）繊維として知られるｅＰＴＦＥ）。本明細書中の「疎水性」という用語の使用は、水だけではないいずれの液体も、「疎水性」であるといわれる材料によってはじかれるという意味として理解すべきである。

供給カートリッジ内の流体量は、感知構成３４０によって監視される。感知構成３４０は、供給カートリッジ内に含まれる流体のレベルを感知し、プリンタ１００の制御電子機器８０２に感知結果を出力する。例えば、感知結果は、以前に参照および組み込まれた米国特許出願公開第２００５０１５７０４０号に記載されるように、制御電子機器８０２のＱＡデバイスと相互接続する供給カートリッジの品質保障（ＱＡ）デバイス３４２内に格納することができる。

図９〜１２において示された実施形態において、感知構成３４０は、供給カートリッジの所定の流体収容容量を提供する流体レベルに従う位置において、供給カートリッジの蓋３０５に組み込まれたプリズムおよび関連付けられるセンサを有する。かかる感知構成において、当業者に公知であるように、センサは、プリズムへ特定の波長の光を発し、反射される光および反射される光の波長を検出する。

流体が、容量を含む所定の流体（本明細書では「フルレベル」と称される）を提供するレベルで供給カートリッジ内に存在する場合、センサから発せられる光は、第１の波長で反射する光として、プリズムによって再びセンサへと屈折される。この場合、感知構成３４０は、「全」流体レベルを制御電子機器８０２に示す信号を提供する。

フルレベル未満の第１のレベルにおいて（本明細書では「低レベル」と称される）、供給カートリッジに流体が存在する場合、センサによって発せられる光は、第１の波長とは異なる第２の波長で反射された光として、プリズムによって再びセンサへと屈折される。この場合、感知構成３４０は、制御電子機器８０２に対して、「低」流体レベルを示す信号を提供する。

（本明細書では「アウトレベル」と称される）第１のレベル未満の第２のレベルで、供給カートリッジ内に流体が存在する場合、センサによって発せられる光は、反射された光がセンサによって感知されないように、プリズムを通過する。この場合、感知構成３４０は、「アウト」流体レベルを制御電子機器８０２に示す信号を提供する。

供給カートリッジからの閉じたループ３４８へのインクの吸引は、フルレベルから低レベルおよび次いでアウトレベルへの供給カートリッジ内のインクレベルを低減させる。制御電子機器８０２へのこのインクレベル低減の中継は、部分的に印刷されたページ等の低品質印刷を排除するための、プリントヘッド２００による印刷の制御を可能にする。

例えば、フルインジケータにおいて、制御電子機器８０２は、通常印刷の実行を可能にする。低インクレベルインジケータにおいて、制御電子機器８０２は、特定のインク量を必要とする特定の数のページのみの以降の印刷等、低減容量印刷の実行を可能にする。アウトレベルインジケータにおいて、制御電子機器８０２は、さらに、プリンタ１００の使用者への促進等により、供給カートリッジが最充填されるまたはフルカートリッジに取り換えられるまで、さらなる印刷を行わない。

インク切れ時に、供給カートリッジ３０１は、ポート３１１においてシステム３００から切断され、そのままの位置でまたはシステム３００から離れて、交換または最充填され、次いで、システム３００に再接続される。

図示された実施形態では、供給カートリッジ３０１の蓋３０５内の再充填ポート３４４を再充填ステーション等と接続することにより、供給カートリッジ３０１の再充填が提供される。例えば、再充填ポート３４４は、図９に図示されるように、ボール弁３４６、または、再充填ステーションにより開くように作動され、重力下で再充填が実行される他の弁構成を備えてもよい。

供給カートリッジ３０１は、スリムかつ薄い形状を有する。図示された実施形態では、供給カートリッジは、約２４ミリメートルの高さを有する。これにより、インク色の混合を最小限にするために異なるレベルにおいて異なるインク色を含む供給カートリッジ３０１を配置する、図６および２１において図示されたレイアウトのプリンタハウジング１０１内に供給カートリッジ３０１を積層することが可能になる。

図示されたレイアウトでは、５つの供給カートリッジ３０１が、３行および３列を有するアレイに積層される。５つの供給カートリッジ３０１は、２つの黒インク供給カートリッジ３０１Ｋ、シアンインク供給カートリッジ３０１Ｃ、マゼンタインク供給カートリッジ３０１Ｍおよびイエローインク供給カートリッジ３０１Ｙを含む。

図１９において、射出ノズルの射出表面を含むプリントヘッド２００の印刷または射出面は、参照として、ゼロミリメートルで定義される。図示するように、黒インクカートリッジ３０１Ｋは、黒インクカートリッジ３０１Ｋの上部表面が、印刷表面に対して約−９０ミリメートルとなるように、アレイの第１および第３の行のアレイの最も低い列に配置される。マゼンタおよびシアンインクカートリッジ３０１Ｍ、３０１Ｃは、マゼンタおよびシアンインクカートリッジ３０１Ｍ、３０１Ｃの上部表面が印刷表面に対して約−６５ミリメートルになるように、アレイの第１および第３の行のアレイの真ん中の列に配置される。イエローインクカートリッジ３０１Ｙは、イエローインクカートリッジ３０１Ｙの上部表面が印刷表面に対して約−５５ミリメートルになるように、アレイの第２の行のアレイの最も高い列に配置される。

図１９のレイアウト内の異なるインク色のカートリッジを構成することにより、黒インクチャネルは、マゼンタ、シアンおよびイエローインクチャネルよりも低い背圧を有し、マゼンタおよびシアンインクチャネルは、イエローチャネルよりも低い背圧を有する。結果として、プリントヘッド２００において、繊維、粉塵、インクまたは他の汚染物質の存在下において、いずれか２つのインク色チャネルの間で流体経路が形成され、流体が１つのインクチャネルから別のインクチャネルへの流れを開始して色混合が生じる場合に、流れは、イエローインクチャネルからマゼンタおよびシアンインクチャネルへ、およびマゼンタ、シアンおよびイエローインクチャネルから黒インクチャネルへ導かれる。これらの流れ方向により、黒インクが、他の混合インク色を吸収することが可能になるため、全てのインク色が同様の背圧レベルを含む場合よりも、印刷物の色混合が目立たなくなり、プリントヘッド２００内の色混合効果は低減する。

レイアウト内の正しい位置に正しいインク色カートリッジが挿入されることを確実にするために、供給カートリッジ３０１内に含まれるインク色に対応するロックアウトプレート３５０上の位置において特徴３５０ａを有するロックアウトプレート３５０によって、各供給カートリッジ３０１の蓋３０５が提供される。特徴３５０ａは、正しいインク色が流体配分システム３００およびプリントヘッド２００の正しいインクチャネルに供給されるように、レイアウト内のインク色に対応する位置において、プリンタハウジング１０１上のそれぞれの特徴と係合する。供給カートリッジ３０１の蓋３０５には、さらに、プリンタハウジング１０１上のかみ合い特徴を有する供給カートリッジ３０１を配置する配置および整列特徴３６５が提供されており、それにより、適切な流体流動の供給カートリッジを閉じた流体ループおよび通気ラインで整列させる。

上記の構成において、ＣＹＭＫＫインクチャネルコンフィグレーションに、２つの黒インク供給カートリッジが使用されるが、より多いまたはより少ない数のインクチャネルが、プリンタ用途により、同じインク色を提供できる。

図６および７の流体配分システム３００の図示された実施形態では、マルチチャネル気体通気アセンブリ３３３が、５つのインクチャネルの５つの供給カートリッジ３０１に提供される。図２０および２１に、マルチチャネル気体通気アセンブリ３３３が図示される。気体通気アセンブリ３３３は、プリンタハウジング１０１に装着される本体３３９を有する。図示するように、本体３３９は、ボックス、つまり、供給カートリッジ気体ポート３１５の通気ライン３３５の管のコネクタとして、バーブ３４１と共に形成される１つの側壁３３９ａとして形成される。

本体３３９は、側壁３３９ａ、側壁３３９ｂ、３３９ｃおよび３３９ｄ、内部壁３３９ｅ、表面３３９ｆによって、ボックスの１つの側に画定される、多数の個別のチャンバ３４３（図示された実施形態では５つである、プリントヘッド２００のインクチャネルの数に対応する数）を有する。図２０に図示されるように、各チャンバ３４３の残りの開いた側は、本体３３９のさらなる壁または本体３３９上に装着されるシールフィルム等（便宜上、図示されない）のいずれかによって封止できる。

各チャンバ３４３は、コネクタ３４１のうちの対応する１つの中空内部と流通し、それによって、気体通気アセンブリ３３３の転写ポートを画定する、本体３３９の側壁３３９ａを通る穴３４３ａを有する。このように、流体は、チャンバ３４３と対応する通気ライン３３５との間、気体ポート３１５を介して、最終的に対応する供給カートリッジ３０１に流通する。

各チャンバ３４３内の表面３３９ｆは、表面３３９ｆを通ってアパーチャ３４７が形成される凹部３４５と共に形成される。フィルタ３３７は、チャンバ３４３とアパーチャ３４７との間に疎水性フィルタを提供するように、凹部３４５内に封止的に受容される。図２０において、フィルタ３３７のうちの１つは、チャンバ３４３のうちの１つの凹部３４５およびアパーチャ３４７の図解を可能にするために、省略されている。

各アパーチャ３４７は、側壁３３９ａ〜３３９ｄ、内部壁３３９ｇ、表面３３９ｆによって、ボックスの他の側に画定される一連のコンパートメント３４９と流通する。コンパートメント３４９のそれぞれの残りの開いた側は、図２１に図示されるように、本体３３９上に装着される本体３３９のさらなる壁またはシールフィルム等（便宜上、図示されない）のいずれかによって封止することができる。

特定のアパーチャ３４７、およびしたがって特定のチャンバ３４３に対応する一連のコンパートメント３４９は、蛇行するまたはサーペンタイン状の経路３４９ａによって流体的にリンクされる。さらに、図２１の切欠き部分詳細図に図示されるように、各コンパートメントの連続の最後のコンパートメント３４９ｂは、別の蛇行する経路３４９ｃを介して、雰囲気に流体的に開放されている。図示された実施形態では、各コンパートメントの連続において５つのコンパートメント３４９が存在するが、より多いまたは少ないコンパートメントも可能である。

気体通気アセンブリ３３３の各チャネルのこの構成は、対応するチャンバ３４３、フィルタ３３７および一連のコンパートメント３４９を介して、通気ライン３３５と外部雰囲気との間に気体経路を提供する。気体経路は、含まれるインクから蒸発した揮発性物質によって形成される供給カートリッジ３０１の周囲空気および内部蒸気等の気体が、供給カートリッジ３０１内へおよび供給カートリッジ３０１外へ通過することを可能にする。この気体は、コネクタ３４１が、本体３３９下側に位置し、供給カートリッジ３０１の内部気体圧力が外部周囲条件と均圧化することを可能にするように、プリンタハウジング１０１へ、気体通気アセンブリ３３３が装着されることに伴い、移動し、これにより、供給カートリッジ３０１の出口および入口ポート３１３、３１７を通る一貫した流体流動が提供される。

フィルタ３３７の疎水性性質は、チャンバ３４３によって提供される流体含有量と共に、供給カートリッジ３０１からオーバーフローする可能性のあるインクが、コンパートメント３４９内へと通過することを防止する。これにより、制御された圧力の空気が、気体圧力の均圧化を可能にする気体通気３３３内に常に存在すること、および、蒸発した揮発性物質の分の量が提供されることを確実にする。図示された実施形態では、各一連のコンパートメント３４９によって提供される容量は約１５立方センチメートルであり、各コンパートメント３４９の比較的長く狭い蛇行する気体経路によって提供される領域に対する蛇行する経路の長さの比率は約６０ｍｍ^−１であり、各チャンバ３４３によって提供されるインクオーバーフロー容量は約１２．６立方センチメートルである。したがって、気体通気アセンブリは、液体障壁によって保護される気体通気孔への長く狭い蛇行する気体経路を有する、カスケードチャンバを有する。

流体配分システム３００の別の実施形態は、マルチチャネル気体通気アセンブリ３３３の代替の実施形態を組み込む。マルチチャネル気体通気アセンブリ３３３のこの代替の実施形態では、チャンバ３４３によって提供されるインクオーバーフロー容量に含むことができるよりも多い容量で供給カートリッジ３０１からのオーバーフローした流体が、出口気体通気アセンブリ３３３から排出できるように、流体オーバーフロー管理が提供される。この実施形態の流体配分システム３００は、図２２Ａのシングル流体チャネルで概略的に図示され、代替のマルチチャネル気体通気アセンブリ３３３が、図２２Ｂおよび２２Ｃに図示される。

図示するように、各チャンバ３４３は、廃棄流体ライン３５３の管のコネクタとして対応するバーブ３５１の中空内部と流通する、本体３３９の側壁３３９ｄを通るさらなる穴３４３ｂを有する。廃棄流体ライン３５３は、好ましくは、オーバーフローしたインクを排出するシングルチューブ３５３ａへと流れる、または他の印刷流体を、以下に詳細に記載される保守システム６００の流体収集トレイ６０１へ供給する。

逆止弁３５５は、好ましくは、廃棄流体ライン３５３からチャンバ３４３へのインクの逆流が防止されるように、各コネクタ３５１に提供される。つまり、当業者に公知であるように、逆止弁は、逆止弁の亀裂圧力を超える逆止弁の上流側と下流側との間の正の流体差圧が存在する場合には、自由な流体流動を可能にするが、上流と下流側との間の負の流体差圧が存在する場合には、下流側から上流側への逆流を阻止する、一方向弁である。逆止弁は、好ましくは、図２２Ｂに図示されるように弾性ダックビル逆止弁である。

流体配分システム３００のさらなる代替の実施形態では、マルチチャネル気体通気アセンブリは、供給カートリッジ３０１から流体オーバーフロー管理を提供するために、流体オーバーフローバッファユニット３５４によって交換される。この実施形態の流体配分システム３００は、図２２Ｄのシングル流体チャネルについて概略的に図示され、流体オーバーフローバッファユニット３５４は、図２２Ｅ〜２２Ｈに図示される。

バッファユニット３５４は、雰囲気内の周囲温度変化および気圧変動等の効果によって生じる供給カートリッジ３０１内の空気の容量膨張のために、全部または一部充填された供給カートリッジ３０１からオーバーフローする可能性のあるインクを貯蔵するように構成される。深刻なオーバーフローの場合には、バッファユニット３５４は、インクがバッファユニット３５４から流体収集トレイ６０１へ流れることを可能にする、排出経路を提供する。

図１９の供給カートリッジ３０１のレイアウトは、供給カートリッジのうちの２つからのインクの捕捉のために、２つのチャンバ３５８を画定する本体３５６によって、各バッファユニット３５４を構成することにより、収容される。これは、さらには、供給カートリッジのために用いられるレイアウトとは関係なく、バッファユニット３５４の簡略かつ再現可能な製造を可能にする。図２２Ｅにおいて図示された供給カートリッジ３０１のうちの５つのアレイにおいて、それぞれ、上部および下部チャンバ３５８を有する３つのバッファユニット３５４が、アレイの第１行にマゼンタおよび黒インク供給カートリッジ３０１Ｍ、３０１Ｋに役立つ第１のバッファユニット３５４、アレイの第２（中間）行にイエローインク供給カートリッジ３０１Ｙに役立つ第２のバッファユニット３５４、アレイの第３行にシアンおよび黒インク供給カートリッジ３０１Ｃ、３０１Ｋに役立つ第３のバッファユニット３５４として構成される。

シングルバッファユニット３５４が、図２２Ｆ〜２２Ｈに詳細に図示される。バッファユニット３５４のチャンバ３５８は、本体３５６の開放コンパートメントとして形成され、カバー３６０に包囲される。バッファユニット３５４は、インクに対して不活性のプラスチック材料で形成され、好ましくは、以下に記載するように、チャンバ３５８および関連付けられる要素を含むように成形される。カバー３６０は、流体封止である材料で形成され、好ましくは本体３５６上に封止される。

各チャンバ３５８は、対応する供給カートリッジ３０１の気体ポート３１５に接続するためのポート３６４を有するチャネル３６２を有する。ポート３６４は、隔壁針３３１のバーブ３３１ａまたは気体通気孔のバーブ３３１ａに接続された管に直接接続するように構成される。いずれにしても、チャネル３６２は、供給カートリッジ３０１とバッファユニット３５４との間に流体が流れる供給カートリッジ３０１からの通気ライン３３５の一部を形成する。気体およびインクが互いに通過せずに、チャネル３６２を通ってインク「スラグ」が吸引されるように、チャネル３６２が寸法決めされる。つまり、円筒形チャネル３６２の内部直径は、プラスチックチャネル壁とインクメニスカスとの間の所与のぬれ角により、印刷時にインクが吸引される際にインクおよび気泡がチャネル内に捕捉できないように、十分に小さくなっている。同時に、円筒形チャネル３６２の内部直径は、そうでない場合には望ましくない、インク圧力低下を生じさせかねない印刷時のインクの流れを制限しないように、十分に大きくなっている。特に、約２ミリメートルのチャネル３６２の内部直径がこの機能を提供する。このように、チャネル３６２内にインクが残らず、供給カートリッジ３０１からの通常の気体の放出のために、印刷時にバッファユニット３５４からインクが排出されると、クリアな気体経路が生じる。

各チャネル３６２は、それぞれのチャンバ３５８内へ、およびそれぞれのチャンバ３５８外へ流体が流れるＵ字型の排出経路３６６を有する。各排出経路３６６は、気体およびインクが互いに通過せずに、インク「スラグ」が排出経路３６６を通して吸引されるように、例えば、約２ミリメートルの、チャネル３６２の内部直径と同様の内部直径を有する。チャンバ３５８の底部壁３６８は、各チャンバ３５８内の最も低い点が、それぞれのＵ字型の排出経路３６６の位置になるように、２本の軸に沿って傾斜している。底部壁３６８のこの傾斜は、図２２Ｇで最もはっきりとわかる。このように、チャンバ３５８をオーバーフローさせるインクは、排出時に、この点に向かって流れる。

各チャンバ３５８は、供給カートリッジ３０１からオーバーフローする最大量のインクを捕捉するために十分な容量で構成される。チャンバ３５８でオーバーフローするインクは、供給カートリッジ３０１を、気体ポート３１５を通るバッファユニット３５４からのインクの漏れなしに、システム３００から除去できるように、供給カートリッジ３０１の接続された気体ポート３１５よりも下部の仰角（ｅｌｅｖａｔｉｏｎ）において貯蔵される。接続された供給カートリッジ３０１からのバッファユニット３５４のチャンバ３６２のインクの過剰なオーバーフィリングに対処するために、バッファユニット３５４から流体収集トレイ６０１へ余剰インクがオーバーフローすることができる、各チャンバ３５８の上部壁３７２に隣接したオーバーフローポート３７０が提供される。

チャンバ３５８は、さらに、気体量を含む気体貯蔵容器として役立ち、チャンバ３５８がインクで完全に一杯になっていない場合には、含まれる気体が、オーバーフローポート３７０を介して環境に排出されないように構成される。この気体保管により、供給カートリッジ内の気体が容量的に膨張し、そこから、または、そうでなければインク構成を変える可能性のある遅い蒸発によって流れる場合に、インク内の揮発性構成要素の損失を低減する。インク構成は、プリントヘッドからこれが射出される場合に、インク液滴の印刷品質または発射特性に影響しないように、一定に維持されるべきである。これは、カバー３６０に包囲される長く狭いサーペンタイン形態を有するバッファユニット３５４の外側への排出経路３７４を有する各オーバーフローポート３７０を形成することにより、実現される。サーペンタイン経路３７４は、外側の環境への拡散によってチャンバ３５８内の湿った空気を防止し、したがって、バッファユニット３５４と外部環境との間の拡散障壁として役立つ。サーペンタイン経路３７４の内部直径は、インク「スラグ」が、気体およびインクを互いに通過させずに、サーペンタイン経路３７４を通して吸引されるように、チャネル３６２の内部直径と同様に寸法決めされる。このように、サーペンタイン経路３７４内にインクが残らず、蛇行経路３７４は、印刷が行われると自動的にクリアになり、インクは蛇行経路３７４へおよびチャンバ３５８へ吸引される。プリンタがその側でオンになり、バッファユニット３５４内にインクが存在する場合に、サーペンタイン経路３７４へインクが漏れるのを防止するように、オーバーフローポート３７０を中心に、チャンバ３５８内に隔離壁３７６が形成される。

各閉じたループ３４８は、対応する供給カートリッジ３０１とプリントヘッド２００との間に流体経路を提供する。流体が供給カートリッジから流体経路およびプリントヘッドへプライムでき、プライムされた流体がプリントヘッドによって印刷でき、プリントヘッドから流体をデプライムできるように、この流体経路が閉じたループとして提供され、プリンタの従来の流体配分システムの問題である、デプライムされた流体が無駄にならないように、再び、供給カートリッジに、流体経路が提供される。閉じたループ３４８は、さらに、インク等の流体の粘度が、印刷の指定された許容差内で保持されるように、流体配分システム３００内の流体の定期的な再循環の実行を可能にする。

図８の実施形態において、閉じたループ３４８が、複数の流体ラインで構成される。供給カートリッジ出口３１３とプリントヘッド２００との間に印刷流体ライン３８０が提供される。ポンプ流体ライン３８２が、プリントヘッド２００と供給カートリッジ入口３１７との間に提供される。閉じたループ３４８の流体ラインは、管の形態をしており、好ましくは、インク環境内における低撥水（ｌｏｗ ｓｈｅｄｄｉｎｇ）および破砕を呈する管である。したがって、Ｎｏｒｐｒｅｎｅ（登録商標）Ａ−６０−Ｇ等のサーモプラスチックエラストマー管が適している。しかしながら、当業者は、他の種類の管も使用できることを理解している。閉じたループ３４８の管は、供給カップリング３８８によって、プリントヘッド２００に接続される。供給カップリング３８８およびそれらの接続の方法は、出願者の米国仮特許出願第６１３４５５５２号（整理番号ＫＰＦ００１ＰＵＳ）の組み込まれた記載に詳細に記載される。

ポンプ流体ライン３８２上にポンプ３７８が提供される。ポンプ３７８は、ポンプ供給されたインクの汚染が防止され、ポンプの循環ごとに約０．２６ミリリットルのポンプ供給量が可能であるように、好ましくは、蠕動ポンプとなっている。しかしながら、当業者には、他の種類のポンプも使用できることが公知である。

図８に図示されるように、印刷流体ライン３８０上に弁構成３６７が提供される。弁構成３６７は、印刷ライン３８０上に２方向ピンチ弁３６９および気体通気３７３（本明細書では「デプライム通気孔」と称される）の通気ライン３７１、通気ライン３７１上に逆止弁３７５を有する。通気ライン３７１は、他の端に配置されるデプライム通気３７３の逆止弁３７５およびフィルタ３７７に接続された１つの端を有する。出願者の米国仮特許出願第６１３４５５５２号（整理番号ＫＰＦ００１ＰＵＳ）において出願された、共同出願された米国仮特許出願の組み込みの記載のピンチ弁の実施形態の代わりに、本実施形態の弁構成が提供される。

上記の記述は、単数流体チャネルの流体配分システム、例えば、図８（または図２２Ａおよび２２Ｄ）に示されるように構成される１色のインクに関して記載されている。プリントヘッド２００またはそれぞれ１色以上のインク色を印刷する複数のプリントヘッドに、１つよりも多い流体を送達するために、流体配分システム３００は、各流体ごとに複製される。つまり、上述のように、関連付けられた閉じた流体経路ループ３４８を介してプリントヘッド２００に接続される、各流体のための別々の供給カートリッジ３０１が提供される。

これらの分かれたシステムの特定のコンポーネントは、共有されるように構成することができる。例えば、供給カップリング３８８、弁構成３６７およびポンプ３７８は、それぞれ、複数の流体チャネルコンポーネントとして構成でき、単一または分かれたデプライム通気孔３７３を、マルチチャネル弁構成３６７に使用できる。これらの複数の流体経路の例示的な構成が図６および７に図示される。

上記のように、例えば、ＣＹＭＫＫまたはＣＹＭＫＩＲの、５つのインク流れチャネルを有する例示的なプリントヘッド２００について、ポンプ３７８は、各チャネル内のインクを独立してポンプ供給する５チャネルポンプである。かかるマルチチャネルポンプの構造および動作は、当業者に公知である。

マルチチャネル弁構成３６７の使用は、このコンポーネントの効率的な製造および動作を促進する。図２３Ａ〜２７Ｃに図示されるように、マルチチャネル２方向ピンチ弁３６９として、マルチチャネル弁構成３６７が構成され得る。

マルチチャネル２方向ピンチ弁３６９は、それぞれ、本体またはハウジング３８１に沿って、連続して３７９−１、３７９−２、３７９−３、３７９−４、および３７９−５とラベルされる５つのコネクタ３７９、ならびに、それぞれ、さらに、ハウジング３８１に沿って、連続して、３８３−１、３８３−２、３８３−３、３８３−４および３８３−５とラベルされる５つのコネクタ３８３を有する。コネクタ３７９および３８３は、５つの印刷ライン３８０の管に接続され、コネクタ３８３は、さらに、５つの通気ライン３７１の管に接続される。

細長いピンチ要素３８５および３８７は、コネクタ３７９および３８３の接続された管において、それぞれ延在するハウジング３８１上に配置される。ピンチ要素３８５、３８７は、ハウジング３８１のチャネル３８１ａ内に摺動的に受容されるいずれかの縦の端で、バー３８５ａ、３８７ａを有する。ピンチ要素３８５、３８７が、選択的に管を「ピンチ」することで、それぞれ、印刷および通気ラインを通る流体流動を選択的に塞ぐまたは可能にするために、印刷および通気ライン管と接触させるおよび接触から離されるように、バー３８５ａ、３８７ａは、チャネル３８１ａ内で摺動するように構成される。ピンチ要素３８５は、本明細書では「印刷ラインピンチ要素」と称され、ピンチ要素３８７は、本明細書では「通気ラインピンチ要素」と称される。

ハウジング３８１内に配置されるピンチ駆動構成３８９によって、ピンチ要素３８５、３８７のこの摺動が提供される。ピンチ駆動構成３８９は、ハウジング３８１に回転可能に装着されるカムシャフト３９１、カムシャフト３９１上に平行に固定的に装着される２つの偏心カム３９３、相互接続する、ピンチ要素３８５、３８７およびシャフト３９１の間に配置されるばね３９５、ならびに感知構成３９７を有する。

シャフト３９１は、正方形のスプライン形３９３ａが、正方形のスプラインセクション３９１ａに従い、ぴったりとフィットするように、カム３９３の内部の対応する正方形のスプライン形３９３ａと協働するスプラインセクション３９１ａを有する。各カム３９３は、さらに、図２４〜２６に図示されるように、シャフト３９１の凹部または溝３９１ｂおよびポカヨケ形状３９１ｃと係合し、かつ、これによって保持される、アームまたはポカヨケ３９３ｂを有する。この複数の協働により、カム３９３がシャフト３９１の回転によって正確に回転するようにする。

図示された実施形態では、２つの屈曲ばねとしてばね３９５が提供されるが、正方形のばねも、同様に提供されることができる。屈曲ばね３９５は、それぞれ、ピンチ要素３８５の対応する縦の端においてピン３８５ｂに接続される１つのばねセクション３９５ａおよびピンチ要素３８７の対応する縦の端においてピン３８７ｂに接続される第２のばねセクション３９５ｂを有する。２つのばねセクション３９５ａ、３９５ｂの中央の各屈曲ばね３９５の中央セクション３９５ｃは、シャフト３９１上に装着され、装着部材またはブッシング３９９によってその上に保持される。各装着部材３９９は、装着部材３９９、したがってばね３９５が、シャフト３９１と共に回転しないように、スナップフィット等により、シャフト３９１のそれぞれの円筒形セクション３９１ｄにおいて、シャフト３９１上に装着される。ばねセクション３９５ａ、３９５ｂは、シャフト３９１に向かってピンチ要素３８５、３８７を付勢するように構成され、ピンチ要素３８５、３８７がシャフト３９１に平行に付勢されるものとして２つのばね３９５が提供される。ばね３９５は、好ましくは圧縮ばねである。

ピンチ要素３８５、３８７のバー３８５ａ、３８７ａは、ばね３９５によって提供される付勢のために、カム３９３の偏心と係合し、これに従う、係合面４０１を有するカムフォロワーを構成する。カム３９３の偏心形状は、図２７Ａ〜Ｃに図示されるように、円形セクション４０３およびビークセクション４０５を含み、これにより、印刷および通気ライン管を選択的にピンチするかピンチしないようにすることで、以下の２方向ピンチ弁３６９の３つの弁状態を提供するように、ハウジング３８１に対してピンチ要素３８５、３８７を移動させる。

２方向ピンチ弁３６９が、図２７Ａに図示される完全に閉じた（二重ピンチ）状態である場合、印刷ライン管および通気ライン管の両方がピンチされる。カム３９３の円形セクション４０３が、ピンチ要素３８５、３８７に、ばね３９５の付勢によって、シャフト３９１に向かって力が加えられる、ピンチ要素３８５、３８７のバー３８５ａ、３８７ａの係合面４０１と係合するように、シャフト３９１の回転によって完全に閉じた状態が提供される。

２方向ピンチ弁３６９が図２７Ｂに図示される第１の一部閉じた（印刷ラインピンチ）状態である場合、印刷ライン管はピンチされ、一方で、通気ライン管はピンチされない。カム３９３の円形セクション４０３が、印刷ラインピンチ要素３８５に、ばねセクション３９５ａの付勢によって、シャフト３９１に向かって力を加える、印刷ラインピンチ要素３８５のバー３８５ａの係合面４０１と係合するように、シャフト３９１の回転によって第１の一部閉じた状態が提供され、一方で、カム３９３のビークセクション４０５は、通気ラインピンチ要素３８７は、シャフト３９１からのばねの付勢セクション３９５ｂに対する力が弱められる、通気ラインピンチ要素３８７のバー３８７ａの係合面４０１と係合する。

２方向ピンチ弁３６９が、図２７Ｃに図示される第２の一部閉じた（通気ラインピンチ）状態である場合、通気ライン管はピンチされるが、印刷ライン管はピンチされない。第２の一部閉じた状態は、カム３９３の円形セクション４０３が、通気ラインピンチ要素３８７が、ばねセクション３９５ｂの付勢によって、シャフト３９１に向かって力が加えられる、通気ラインピンチ要素３８７のバー３８７ａの係合面４０１と係合するように、回転シャフト３９１の回転によって提供され、一方で、カム３９３のビークセクション４０５は、印刷ラインピンチ要素３８５は、ばねセクション３９５ａの付勢に対して、シャフト３９１からの力が弱められる、印刷ラインピンチ要素３８５のバー３８５ａの係合面４０１と係合する。

ピンチ駆動構成３８９は、さらに、シャフト３９１の回転を提供するために、モータカップリング４０９によって、シャフト３９１の１つの端において結合されるモータ４０７を有する。シャフト３９１およびカム３９３が、シャフト３９１および印刷および通気ライン管に対するピンチ要素３８５、３８７の動きに影響するように、時計回りおよび反時計回り方向の両方で回転可能であるように、モータ４０９は、好ましくは、双方向動作によるステッパモータである。しかしながら、他の構成およびモータタイプも可能である。

図示された実施形態では、モータカップリング４０９に、感知構成３９７のセンサＡおよびＢが、シャフト３９１の回転位置を感知するように協働する突起またはフラグ４０９ａが提供される。センサＡおよびＢは、好ましくは光学的遮断要素であり、突起４０９ａは、好ましくは、光学的エミッタおよびセンサの間の光学的経路を妨げるまたは開のままにするように、光学的遮断要素の光学的エミッタと光学的センサとの間を通るように寸法決めされた半月状のディスクである。しかしながら、シャフト３９１の回転位置を感知する他の感知または動作構成も可能である。

２方向ピンチ弁３６９が、二重ピンチ状態である場合に、突起４０９ａが光学的遮断要素Ａのみのエミッタおよびセンサを妨害するように（図２７Ａを参照）、および２方向ピンチ弁３６９が印刷中または通気ラインピンチ状態である場合に、突起４０９ａは、光学的遮断要素Ｂのみのエミッタおよびセンサを妨害するように（図２７Ｂおよび２７Ｃを参照）、光学的遮断要素ＡおよびＢは、図２７Ａ〜２７Ｃに図示されるように配置される。

モータ４０９の動作が、二重の印刷ラインおよび通気ラインピンチ状態を選択するためのカム３９３の所定の回転位置を選択するために、制御電子機器８０２によって制御することができるように、感知構成３９７は、プリンタ１００の制御電子機器８０２に、センサＡ、Ｂの感知結果を出力する。したがって、ピンチ要素３８５、３８７およびピンチ駆動構成３８９は、２方向ピンチ弁の複数の経路を選択的に開閉することにより、これらの弁状態を選択するための選択デバイスを形成する。ピンチ駆動構成３８９が二重印刷ライン状態と通気ラインピンチ状態との間の切り替えを選択するように動作される特定の方法は、表１に示される。表１において、「ＣＷ」は、モータカップリング、したがってカムシャフトおよびカムの時計回り回転を示し、「ＣＣＷ」は、モータカップリング、したがってカムシャフトおよびカムの反時計回り回転を示し、「Ａ」は、センサＡを示し、「Ｂ」は、センサＢを示す。

（表１）２方向ピンチ弁の状態切り替えのピンチ駆動構成動作

２方向ピンチ弁の上記の記載された実施形態において、ハウジング３８１、モータカップリング４０９ａ、ピンチ要素３８５、３８７、カム３９３およびばね装着部材３９９は、それぞれ、好ましくは、ハウジングおよびモータカップリングでは２０％ガラス繊維強化アクリロニトリルブタジエンスチレン（ＡＢＳ）、ピンチ要素では３０％ガラス繊維強化ナイロンおよびカムおよびばね装着部材ではアセタールコポリマー（ＰＯＭ）等のプラスチック材料で形成される。さらに、カムシャフト３９１およびばね３９５は、好ましくは、カムシャフトではステンレススチール、ばねではミュージックワイヤ等の金属で形成される。

逆止弁３７５は、機械的な一方向弁として提供され得る。機械的逆止弁３７５の状態は、逆止弁３７５の閉じた状態において、通気ライン３７１が印刷ライン３８０から隔離され、逆止弁３７５の開いた状態において、空気がデプライム通気３７３を介してシステム３００に入ることができるように、プリンタ１００の制御電子機器８０２によって制御されてもよい。かかる例において、逆止弁３７５は、当業者によって公知である構造および機能を有する。単一逆止弁３７５は、システム３００内の単一デプライム通気３７３に提供でき、または、システムが前述の５つのインクチャネルの５つ等の、複数のデプライム通気孔３７３を有する場合、別々の逆止弁３７５を、各デプライム通気３７３に提供できる。

図２４に示された実施形態では、ピンチ要素３８７とデプライム通気３７３との間の通気ライン３７１の管内の受動弾性ダックビル逆止弁３７５として、２方向ピンチ弁３６９構造の統合部分として、逆止弁３７５が提供される。ダックビル逆止弁は、低圧力差分における確実な逆流の防止を提供する。図示された実施形態のダックビル逆止弁３７５は、通気ライン３７１が、ピンチ要素３８７によってピンチされない場合に、対応する通気ライン３７１からフィルタ３７７へのインク流れを可能にし、一方で、通気ライン３７１が、ピンチ要素３８７によってピンチされないおよびピンチされる場合に、通気ライン３７１からフィルタ３７７へと通って空気が流れることを防止するように構成される。

このような受動逆止弁の位置決めは、少量のインクが、圧力プライミングに使用される高い流体圧力によって通気ライン管のピンチされたセクションを過ぎて押されてもよい、プリントヘッド（後述）の繰り返された圧力プライミングのために、通気ライン内のインク蓄積を防止する。この蓄積されたインクは、そうでない場合には、疎水性フィルタに悪影響をおよぼす、または、デプライム通気孔を通るインク漏れを生じさせることになる。ダックビル逆止弁３７５の亀裂圧力は、プリントヘッド２００（後述）をデプライミングするそれらの機能の干渉を防止するように、十分に低い。

弁構成３６７の２方向ピンチ弁３６９の３つの弁状態において、流体配分システム３００によって実行される動作を、印刷ライン３８０および通気ライン３７１に対し、表２に示す。表２において、「Ｘ」は、関連付けられる状態が選択されていることを示し、ブランクは、関連付けられる状態が選択されていないことを示す。なお、上記に記載された性質および逆止弁３７５の配置のために、通気ライン３７１が開いている場合、逆止弁３７５も開いており、通気ライン３７１が閉じている場合、逆止弁３７５も閉じられている。

（表２）２方向ピンチ弁の状態

弁構成３６７のこれらの状態設定の使用の形態について、次に記載する。

プライミングが必要である（プリンタのスタートアップ時等）、プリンタの第１のパワーアップ時および第１のパワーアップ以降において、プリントヘッド内の空気が、それらの入口を介して供給カートリッジに移動され、さらなる容量的ポンプ供給手順の開始前に、ポンプが完全に湿るように、最初にヘビーフラッシュを、次いで軽い圧力プライムを実行することにより、流体配分システム３００がプライムされる。ヘビーフラッシュのために、２方向ピンチ弁はＰＲＩＭＥに設定され、インクが、印刷ライン、プリントヘッド、およびポンプラインを介して供給カートリッジ出口から供給カートリッジ入口へ移動することにより、各閉じたループをプライミングするように、ポンプは、５０から１００循環において２００ｒｐｍで時計回り方向に動作する。後述、または出願者の米国仮特許出願第６１３４５５５９号（整理番号ＫＰＭ００１ＰＵＳ）の組み込まれた記載に記載されるように、光圧力プライムにおいて、２方向ピンチ弁はＰＵＬＳＥに設定され、ポンプは、プリントヘッドのノズルからインクが排出されるように、３２５ｒｐｍで２循環、反時計回り方向に動作し、次いで、保守システム６００は、排出されたインクを除去するように、プリントヘッドの射出面を拭うように動作する。

次いで、２方向ピンチ弁がＰＲＩＮＴに設定される。

この圧力プライム手順において、プリントヘッドの拭き取りが、ＰＵＬＳＥ設定からＰＲＩＮＴ設定へ２方向ピンチ弁を移動させる前に実行されることに留意することが重要である。これは、印刷ラインを介して供給カートリッジがプリントヘッドに再接続される場合に確立されるノズルにおける負の流体圧力のために、プリントヘッド射出面のインクがノズルに吸い込まれることを防止するためである。さらに、拭き取り動作終了後の少なくとも１０秒の遅れが、圧力プライミングによって生じる可能性のある、出願者が発見した色混合を最小限にするように、ＰＵＬＳＥ設定からＰＲＩＮＴ設定へ２方向ピンチ弁を移動させる前に見られる。弁をＰＲＩＮＴに設定する前のプリントヘッドの各ノズルからの５０００液滴のスピッティングは、出願者により、この色混合を十分にクリアにすることがわかっている。このスピット手順は、各ノズルの射出液滴サイズが約１ピコリッター（ｐｉｃｏｌｉｔｅｒ）である場合に、プリントヘッド全体によってスピットされる約０．３５ミリリットルのインクと等しい。

印刷が実行される場合、クイックフラッシュが、周期的に、最初に実行される。クイックフラッシュにおいて、２方向ピンチ弁はＰＲＩＭＥに設定され、ポンプは、２００ｒｐｍで少なくとも１０循環の時計回り方向で動作する。次いで、２方向ピンチ弁をＰＲＩＮＴに設定することにより、印刷が実行され、ノズルからのインクの射出によって、印刷ラインを介して供給カートリッジからプリントヘッドへインクを流れさせる。印刷後、２方向ピンチ弁はＳＴＡＮＤＢＹに設定される。

使用者は、印刷の問題が生じる場合に、プリントヘッド回収手順をリクエストできる。使用者は、制御電子機器に接続されるプリンタのユーザインターフェースによって、回収動作を選択することにより、回収を開始できる。回収手順は、回収リクエストの方法により、回収レベルの増減を定義する。最も低い（第１の）回収レベルにおいて、上記に記載されたヘビーフラッシュ、プリントヘッド拭きおよびスピット動作が実行される。次に最も高い（第２の）回収レベルにおいて、上記に記載されたヘビーフラッシュ、軽い圧力プライム、プリントヘッド拭きおよびスピット動作が実行される。最も高い（第３の）回収レベルにおいて、上記に記載されたヘビーフラッシュ動作が実行され、次いで、ヘビー圧力プライムが実行され、その後に、上記に記載されたプリントヘッド拭きおよびスピット動作が行われる。ヘビー圧力プライムにおいて、２方向ピンチ弁はＰＵＬＳＥに設定され、ポンプは、プリントヘッドのノズルからインクが排出されるように、３２５ｒｐｍで３循環、反時計回り方向に動作される。

制御電子機器８０２は、回収リクエストを受け取ると実行される回収レベルの更新可能な設定を格納するレジスタを含む。第１の回収レベルは、回収リクエストを最初に受け取ると設定される。さらなる回収リクエストがそれぞれ以前の回収リクエストの１５分以内に受け取られるたびに、回収レベル設定は、第２の回収レベルおよび次いで第３の回収レベルに増分される。回収レベル設定は、５つの印刷ジョブが実行されるたびに、または回収リクエストを受け取らずに１５分が経過して、最近実行された回収レベルによって、次の最も低い回収レベルに低下される。

印刷が実行される場合、クイックフラッシュが、定期的にまず実行される。クイックフラッシュにおいて、２方向ピンチ弁がＰＲＩＭＥに設定され、ポンプが、２００ｒｐｍで少なくとも１０循環、時計回り方向に動作される。次いで、２方向ピンチ弁をＰＲＩＮＴに設定することにより印刷が実行され、ノズルからのインクの射出により、印刷ラインを介して供給カートリッジからプリントヘッドへのインクの流れが生じる。印刷後、２方向ピンチ弁がＳＴＡＮＤＢＹに設定される。

プリントヘッドが流体配分システム３００から除去される場合またはプリンタの電源を切る場合、プリントヘッドをデプライムすることが必要である。デプライム手順において、２方向ピンチ弁がＤＥＰＲＩＭＥに設定され、インクが、少なくともプリントヘッドに対するポンプの下流の漏れ防止場所へのポンプラインに移動するように、印刷ライン、プリントヘッド、およびポンプラインから供給カートリッジへ、インクを押し出すデプライム通気孔から、空気がプリントヘッドを通過できるようにすることにより、ポンプは、１００〜２００ｒｐｍで２５〜３０循環、印刷ライン、プリントヘッドおよび、ポンプラインをデプライムするよう、時計回り方向に動作される。次いで、２方向ピンチ弁がＳＴＡＮＤＢＹに設定され、これにより、印刷および通気ラインの全てが閉じ、したがって、プリントヘッド等の漏れのない除去を可能にする。

種々のプライミングおよびデプライミング手順におけるポンプ動作の上記の記載された値は、概算的なものであり、記載された手順の実行のために他の値も可能である。さらに、他の手順も可能であり、記載内容は例示的なものである。

マルチチャネル弁構成の上記の記載されたデプライム手順は、第１のプライミング前およびデプライミング後のプリントヘッドの相対的な重量測定によって、出願人によって決定された、プリントヘッドに残っている約１．８ミリリットルのインクを有するプリントヘッドのインクをクリアにする。これは、プリントヘッドの乾燥重量として考慮される。

図２８に図示される２方向ピンチ弁３６９を有する、流体配分システム３００の代替の実施形態において、流体配分システム３００のオンデマンドデプライミングが提供される。環境内の温度および気圧変化によって生じる可能性がある供給カートリッジ内の空気膨張のために、供給カートリッジ外またはインクを充填できる供給カートリッジの通気ライン外に排出することが望ましい状況において、オンデマンドデプライミングが有用である場合がある。

オンデマンドデプライムされた流体は、弁３６９の通気ライン３７１を介して、流体収集トレイ６０１にパージされる。これは、ピンチ要素３８７とそれぞれのデプライム通気３７３との間に各通気ライン３７１上のパージライン４１１を位置決めすることにより実現される。各パージライン４１１は、インクが流体収集トレイ６０１に射出できるように位置決めされる受動弾性ダックビル逆止弁等の逆止弁４１３で終端する。この構成は、インクを無駄にせずに、および供給カートリッジからのインクの正味のオーバーフローなしに、プリントヘッドがオンデマンドでデプライムおよびプライムされることを可能にする。

この代替の実施形態では、プリントヘッドは、以下のように、オンデマンドでデプライムされる。２方向ピンチ弁は、ＤＥＰＲＩＭＥに設定され、ポンプは、空気の「スラグ」がデプライム通気孔からプリントヘッドを通過できるようにすることにより、プリントヘッドをデプライムするために、多数回の循環で、時計回り方向に動作される。なお、等しい量の流体（空気またはインク）が供給カートリッジの通気ラインにオーバーフローするように空気がシステムに導入されている。

プリントヘッドは、２方向ピンチ弁をＤＥＰＲＩＭＥ（つまり、オンデマンドデプライム中と同じ設定）に設定することで、オンデマンドで再プライムされ、ポンプは、パージライン４１１を通して出る空気の導入された「スラグ」に力を加えるために、オンデマンドデプライム中と同じまたはほぼ同じ回数の循環、反時計回り方向に動作される。この作用により、さらに、オンデマンドデプライム中にオーバーフローする通気ラインから供給カートリッジへインクまたは空気を再び引き込む。この手順の後、流体配分システム内には正味のインクは移動されていない。

流体配分システム３００の上記に記載された弁構成は例示的なものであり、他の代替の構成は、出願者の米国仮特許出願第６１３４５５５２号（整理番号ＫＰＦ００１ＰＵＳ）の組み込まれた記載の弁構成等の、システムの閉じた流体ループ内の選択的な流体流通を提供することが可能である。

次に、保守システム６００について記載する。保守システム６００は、出願者の米国仮特許出願第６１３４５５５２号に記載された保守システム（整理番号ＫＰＦ００１ＰＵＳ）と、構成および動作上同様である。

本保守システムは、転写ローラおよびスクレーパーを有するワイパモジュール、保守スレッドの簡略化された廃棄流体収集構成、および流体収集トレイに関する、出願者の米国仮特許出願第６１３４５５５９号（整理番号ＫＰＭ００１ＰＵＳ）の組み込まれた記載の保守システムとは異なる。保守システム６００のこのおよび他のコンポーネントについて、次に詳細に記載する。適している場合、出願者の米国仮特許出願第６１３４５５５９（整理番号ＫＰＭ００１ＰＵＳ）の組み込まれた記載の同じコンポーネントの同じ参照数字が、本明細書で使用される。

保守システム６００は、プリントヘッド２００の動作寿命において、操作順に、プリントヘッド２００、それにより、流体配分システム３００を保守する。

プリントヘッド２００の各印刷サイクル後、およびプリントヘッド２００を使用していない期間において、保守システム６００は、ノズル内の流体の吐き出しを防ぐために、プリントヘッド２００の射出ノズルをキャップ止めするために使用される。これにより、ノズル内の詰まりのため以降の印刷に問題が発生することが少なくなる。

保守システム６００は、さらに、プリントヘッドＩＣの拭き取りによって、プリントヘッド２００の前述の印刷面、つまり、プリントヘッドＩＣ２０４を含むプリントヘッド２００の表面を清掃するために使用される。さらに、保守システム６００は、さらにプライミングおよび保守サイクル中において、ノズルからプリントヘッドが「スピットする」または排出する流体を捕捉するために使用される。

さらに、保守システム６００は、さらに、用紙上の流体転写を最小限にするクリーンな方法で、印刷時の用紙の支持を提供するために使用される。

さらに、保守システム６００は、後の廃棄または再利用のために、プリンタ１００内のこれらの機能の間に収集されたインクおよび他の印刷流体を貯蔵する。

これらの機能を実現するために、保守システム６００は、流体収集トレイ６０１およびモジュラー保守スレッド６０３を採用する。スレッド６０３はプリンタ１００の保守ユニットを画定し、それぞれ異なる機能を有するいくつかの保守デバイスまたはモジュールを収容する。図２９および図３０の図示された実施形態において、保守モジュールは、プラテンモジュール６０４、ワイパモジュール６０５およびキャッパモジュール６０８を含む。出願者の米国仮特許出願第６１３４５５５９（整理番号ＫＰＭ００１ＰＵＳ）の組み込まれた記載の流体収集装置、スレッドおよびワイパモジュールの代わりに、本実施形態の流体収集トレイ６０１、スレッド６０３およびワイパモジュール６０５が提供され、一方で、プラテンおよびキャッパモジュールは、出願者の米国仮特許出願第６１３４５５５９（整理番号ＫＰＭ００１ＰＵＳ）の組み込まれた記載に記載されるのと同様に構成されおよび機能し、したがって、本明細書ではプラテンおよびキャッパモジュールは詳細に記載されない。

スレッド６０３は、プリントヘッド２００に対して選択的に変位可能であるように、かつ、印刷の用紙がプリントヘッド２００とスレッド６０３との間を通過できるように、プリンタハウジング１０１によって収容される。さらに、保守モジュールは、モジュールの支持フレームを形成するスレッドに対して変位可能である。スレッドの変位は、プリントヘッドを有する各保守モジュールを選択的に整列させ、整列された保守モジュールの変位は、整列された保守モジュールをプリントヘッドに対する動作位置にさせる。スレッドのこの動作および保守モジュールの配置は、出願者の米国仮特許出願第６１３４５５５９号（整理番号ＫＰＭ００１ＰＵＳ）の組み込まれた記載において、後でさらに詳細に記載される。

図２９〜３８Ｇは、ワイパモジュール６０５の種々の例示的な態様を示す。ワイパモジュール６０５は、本体６０７、ワイパ要素６０９、転写要素６１１、駆動機構６１３およびスクレーパー要素６１５のアセンブリである。本体６０７は、プリントヘッド２００の用紙幅より長い長さに沿って延在するように細長くなっている。ワイパモジュール６０５は、図２９に図示されるように、プラテンモジュール６０４に隣接するように、スレッド６０３の細長いフレーム６１７内に収容される。フレーム６１７は、ベース６１９およびその内部でノッチ６２１ａが画定されるベース６１９から突出する側壁６２１を有する。

ノッチ６２１ａは、プラテンモジュール６０４の縦の端のリテーナ要素６２２、ワイパモジュール６０５の本体６０７の縦の端のリテーナ要素６２３、キャッパモジュール６０８の縦の端のリテーナ要素６８６を、除去可能に受容する。ノッチおよびリテーナのこの係合は、プラテン、ワイパ、およびキャッパモジュールが、セキュアでないが制限された方法でフレーム６１７によって保持されることを可能にする。つまり、モジュールはスレッド内に効果的に「フロート」し、スレッドに対するモジュールの移動を促進する。ワイパモジュール６０５は、ワイパモジュール６０５がその動作位置内にある場合に、ワイパ要素６０９がプリントヘッド２００を向くように、フレーム６１７内に組み立てられる。

ワイパ要素６０９は、カラー６２９によってシャフト６２７上に保持されるワイパローラ６２５のアセンブリである。ワイパローラ６２５は、少なくともプリントヘッド２００の用紙幅と同じ長さを有し、本体６０７のベース６１９および側壁６２１によって形成される凹部６３３のいずれかの縦の端において、保持クリップ６３１により除去可能かつ回転可能に本体６０７に装着される。保持クリップ６３１は、必要な場合に、ワイパローラ６２５を除去および交換するための単純な機構を提供するように、本体６０７に旋回可能に装着される。

ワイパローラ６２５は、駆動機構６１３によってシャフト６２７の回転により回転するようにされる。この回転は、駆動機構６１３の駆動ギヤトレイン６３７により、シャフト６２７の１つの端上に固定的に装着されるワイパギヤ６３５の協働によって実現される。ギヤトレイン６３７のギヤは、マニホールド６３９によって本体６０７に回転可能に装着され、駆動機構６１３のモータ６４３のモータギヤ６４１と協働する。モータ６４３は、本体６０７に装着され、ワイパモジュール６０５の装着モータを構成する。以下に詳述されるように、プリントヘッド２００の印刷面からインクを拭くためにワイパローラ６２５の回転が利用される。

転写要素６１１は、ワイパローラ６２５の長さと同じ長さを有する非多孔質転写ローラ６４５を有し、縦の端においてピン６４７と一体的に形成され、またはシャフト６４７上に装着される。転写ローラ６４５は、取り外し可能であり、本体６０７内の対応する穴６０７ａ内にピンまたはシャフト６４７を係合させることにより、凹部６３３の縦のいずれかの端において本体６０７に回転可能に装着される。この組み立てられた構成において、転写ローラ６４５の除去は、本体６０７からのワイパローラ６２５の除去時に可能である。しかしながら、ワイパローラに関係なく転写ローラがアクセス可能な、他の相対的な装着構成も可能である。

駆動機構６１３によって、転写ローラ６４５が回転される。この回転は、ピン６４７のうちの１つ上または駆動機構６１３のギヤトレイン６３７により、シャフト６２７の１つの端上に固定的に装着される転写ギヤ６４９の協働によって実現される。以下に詳述するように、ワイパローラ６２５をクリーニングするために転写ローラ６４５のこの回転が利用される。

ワイパモジュール６０５の装着モータ６４３は、制御電子機器８０２の制御下でプリンタ１００の電源（図示せず）と結合されるスレッド６０３のフレーム６１７上に装着される電力カップリング６５１との柔軟な接続６４９を通じて電力供給される。

ワイパローラ６０５がプリントヘッド２００の印刷面に接触するその動作位置へ、スレッド６０３のフレーム６１７からワイパモジュール６０５が上昇されると、制御電子機器８０２と通信するプリンタハウジング１０１上の位置センサは、ワイパモジュール６０５の上昇された位置を感知する。当業者は、かかる位置センサの可能な構成を理解しているため、本明細書では詳細には記載しない。ワイパモジュールの上昇された位置のこの感知は、プリントヘッドに接触する際にワイパローラが既に回転しているように、プリントヘッドの印刷面との接触前に、ワイパローラの回転を制御するように使用される。この回転接触により、そうでなければノズル内のメニスカスを妨害するワイパローラによるプリントヘッドのノズルの汚れ量を低減し、その円周を中心とするワイパローラの望ましくない変形を防止する。

ワイパローラ６２５によるプリントヘッド２００の印刷面からの用紙粉塵および吐き出しインク等のインク、他の流体および残滓の回転拭き取りは、前述のように、プリントヘッド２００のプライミング後および印刷サイクルの完了後に最初に実行される。しかしながら、拭き取りは、ワイパモジュール６０５の選択により、いつでも実行できる。

プリントヘッド２００の印刷面からのインクおよび他の流体の除去は、流体のワイパローラ６２５への吐き出し（ｗｉｃｋｉｎｇ）を促進させるように、印刷面に対して圧縮される多孔質吐き出し材料のワイパローラ６２５の形成によって促進され、印刷面からの残滓の除去は、ワイパローラ６２５の回転によって促進される。

図３２の図示された実施形態では、ワイパローラ６２５は、シャフト６２７に装着された圧縮可能コア６２５ａおよびコア６２５ａ上に提供された多孔質材料６２５ｂを有する。例示的な実施形態では、コア６２５ａは、押し出し独立気泡シリコンまたはポリウレタンフォームで形成され、多孔質材料６２５ｂは、不織布マイクロファイバーで形成される。マイクロファイバーの使用により、印刷面の擦り傷を防ぎ、一方で、不織布材料の使用により、ワイパローラからおよびプリントヘッドのノズルへの材料鎖（ｓｔｒａｎｄｓ）の脱落を防ぐ。不織布マイクロファイバーは、マイクロファイバーの少なくとも２つのレイヤーがレイヤーの間を接着剤で、コアを中心にして存在するように、スパイラル技術によってコアを中心にして巻き付けられる。２つ以上のレイヤーの使用は、流体吸収を補助する、十分な流体吸収およびコアからの多孔質材料の圧縮率を提供し、一方で、スパイラルによって、ワイパローラの高速回転時にコアから多孔質材料がほどかれる可能性が低減される。

出願人は、マイクロファイバーの回転時にプリントヘッドの印刷面に対して圧縮されるマイクロファイバーの使用により、毛管作用によってノズルからマイクロファイバーへインクが導かれることを発見している。ノズルから導かれるインク量は、ノズルの乾燥が生じるほどではないが、ノズル内から乾燥インクを除去するのには十分である。

そうでなければ吸収された流体が再びプリントヘッド２００に転写されてしまうワイパローラ６２５の過飽和を生じさせかねない、マイクロファイバー内に収集される流体のコアへの吸収を防ぐために、感圧接着剤等の疎水性フィルムが、コア６２５ａと多孔質材料６２５ｂとの間に配置される。

ワイパローラ６２５の表面上に収集される流体および残滓は、さらに、転写ローラ６４５をワイパローラ６２５と接触して配置することにより、印刷面に再び転写されることが防止される。転写ローラ６４５は、図３３の切欠き部分詳細図において図示されるように、プリントヘッド２００の印刷面に接触するワイパローラの上部周方向部分の下に、ワイパローラの垂直方向の周方向部分上のワイパローラ６２５の縦の長さに沿って、ワイパローラ６２５の外部多孔質材料６２５ｂに接触するように構成される。さらに、転写ローラ６４５は、材料が特にインク環境において腐食に耐えられる限り、また、耐久性がある限り、固体スチール等の固体材料、ステンレススチール、または他の金属またはめっき金属製の滑らかな円柱形として形成されることが望ましい。かかる滑らかな金属転写ローラ６４５は、一体的にピン６４７を含むように、機械加工することができる。

転写ローラ６４５のこの滑らかな固体の形態、およびワイパローラ６２５とのその接触により、多孔質材料６２５ｂを通る、毛管現象によるワイパローラ６２５からの流体および残滓の除去、ワイパローラ６２５の圧縮可能コア６２５ａの圧縮、それらの回転接触によって提供されるワイパおよび転写ローラ６２５、６４５の低い飽和およびせん断の領域への流体の移動の傾向が生じる。ワイパローラ６２５から除去される流体は、図３３に図示されるように、および以下により詳細に記載されるように、ワイパモジュール６０５の本体６０７内の穴６０７ｂを通して、スレッド６０３のベース６１９内の排出領域６５３に、重力下で排出される。

図示された実施形態では、ワイパおよび転写ローラは、同じ方向に回転するように、駆動機構の駆動されるギヤトレインを通って、共に連動されるが、転写ローラが、図３３に図示された矢印Ａの回転方向にワイパローラの上部周方向部分を回転可能に戻しているワイパローラの部分において圧縮可能ワイパローラ上に接触圧力を及ぼす限り、ワイパおよび転写ローラが反対方向に回転する他のギヤ構成が可能である。つまり、転写ローラは、ワイパローラの回転拭き取り方向の上流に位置する。この位置構成により、流体および粒子が、プリントヘッドに再度接触するこれらの部分の前に、ワイパローラの部分から転写ローラによって取り除かれることを確実にする。

転写ローラによるワイパローラのクリーニングは、ワイパモジュール６０５の装着モータ６４３および駆動トレイン６３７がワイパモジュールのいずれかの作動または非作動位置に作動できるため、ワイパモジュールがプリントヘッドの拭き取りのためのその動作位置にない場合、つまり、ワイパモジュールがスレッド６０３内の非上昇（ホーム）位置にある場合も有効にすることができる。

スクレーパー要素６１５は、転写ローラ６４５の長さと同じ長さを有するスクレーパーまたはドクターブレード６５５を有し、転写ローラ６４５と接触するように、本体６０７の凹部６３３内に装着される。ドクターブレード６５５は、好ましくはスチールまたはマイラーである弾性材料の薄い座部から形成されるが、インクおよび他の印刷流体に対して不活性である他の材料も使用できる。ドクターブレード６５５は、ねじ付きスキージを形成するように、片持ちセクション６５５ａを有する。転写ローラ６４５がそれに対して回転すると、転写ローラ６４５がきれいに拭き取りられるように、片持ちセクション６５５ａの自由端が転写ローラ６４５の外部表面に接触する。

ドクターブレード６５５は、図３３の切り欠き部分詳細図に図示されるように、ワイパローラ６２５と接触する転写ローラの上部周方向部分の下の転写ローラの垂直方向の周方向部分上の転写ローラ６４５の細長い長さに沿って、転写ローラ６４５に接触するように構成される。このように構成されたスクレーパー要素６１５による転写ローラのクリーニングは、ワイパローラ表面に露出される新たにクリーニングされた転写ローラ表面を提供する。ワイパローラ６２５から転写された流体と同様に、転写ローラ６４５から除去された流体が、スレッド６０３のベース６１９内の排出領域６５３に、重力下で排出される。

図３４および３５は、モジュラースレッド６０３の変位機構７００の種々の例示的な態様を示す。変位機構７００は、出願者の米国仮特許出願第６１３４５５５９（整理番号ＫＰＭ００１ＰＵＳ）の組み込まれた記載に記載されたものと同様であり、したがって本明細書では、適している場合には、同じ参照数字が使用される。

変位機構７００は、プリントヘッドによって各保守モジュールを選択的に整列するプリンタハウジング１０１およびプリントヘッド２００に対するスレッド６０３の選択的な変位を提供するために使用される。図示された実施形態では、変位機構７００は、スレッド６０３がプリンタ１００内に設置される場合に用紙移動方向に整列される、スレッド６０３のいずれかの長細い端にラック７０２を有する、二重ラックピニオン機構、および用紙幅方向に整列されるように、プリンタハウジング１０１に回転可能に装着される、シャフト７０６のいずれかの端におけるピニオンギヤ７０４である。スレッド６０３は、プリンタハウジング１０１（図３５では省略）上に装着される線形のブッシング７１０を有するスレッド６０３上のレール７０８の摺動係合によって、ラック端において、プリンタハウジング１０１に装着される。

シャフト７０６の一方の端は、ギヤトレイン７１８を介してモータ７１６に結合される駆動ギヤ７１４を有する。モータ７１６は、結合されたギヤを介してシャフト７０６の回転を駆動させ、これにより線形ブッシング７１０に沿ってスレッド６０３を摺動するために、制御電子機器８０２によって制御される。プリントヘッドによるモジュールの整列のためのスレッド６０３の選択的な配置は、制御電子機器と通信する位置センサを提供することにより実現される。当業者は、かかる位置センサの可能な構成を理解しているため、これらは、本明細書において詳細に記載されない。

プリントヘッドに対してスレッドを平行移動させるための二重ラックピニオン機構の使用は、プリントヘッドによるモジュールの真の整列を促進する、スレッドの偏心しておらず精密な変位を提供する。しかしながら、スレッドの偏心しておらず精密な変位が提供される限り、他の構成も可能である。例えば、スレッドの変位のためにベルト駆動システムを採用することができる。

モジュールの選択されたものがプリントヘッドと整列されると、整列されたモジュールは、スレッドからそのそれぞれの上述の動作位置へ上昇される。モジュールの上昇は、リフト機構７２０によって実行され、その種々の例示的な態様は、ワイパモジュール６０５に関し、図３６Ａ〜３７に図示されている。リフト機構７２０は、出願者の米国仮特許出願第６１３４５５５９（整理番号ＫＰＭ００１ＰＵＳ）の組み込まれた記載に記載されるものと同様であり、したがって、本明細書中では、適する場合には、同じ参照数字が用いられる。

リフト機構７２０は、旋回点７２４において下部ハウジングセクション１０３のいずれかの側壁１０３ａにおけるプリンタハウジング１０１の下部（第１の）ハウジングセクション１０３に旋回可能に装着されるロッカーアーム７２２を有する。各ロッカーアーム７２２は、それぞれの旋回点７２４の反対側において画定されるアーム部分７２６およびカムフォロワー部分７２８を有する。

リフト機構７２０は、さらに、用紙幅方向で整列される側壁１０３ａの間に回転可能に装着されるカムシャフト７２８を有する。カムシャフト７２８は、そのそれぞれの端にカムホイール７３０および７３２を有する。カムシャフト７２８は、各カムホイール７３０、７３２の偏心カム表面７３０ａ、７３２ａがロッカーアーム７２２のそれぞれ１つのカムフォロワー部分と接触するように、配置される。偏心カム７３０、７３２の偏心カム表面７３０ａ、７３２ａは、カムシャフト７２８の回転により、カムフォロワー７２８に対して偏心カム表面７３０ａ、７３２ａの回転された接触によってロッカーアーム７２２の同時のおよび等しい旋回を生じさせるように、互いに一致している。図３６Ｃでは、偏心カム７３２の偏心カム表面７３２ａは、図からは不明瞭になっており、出願者の米国仮特許出願第６１３４５５５９（整理番号ＫＰＭ００１ＰＵＳ）に以前に組み込まれている図４４Ａ、４４Ｂおよび４６は、偏心カム７３２の偏心カム表面７３２ａをより明瞭に示すことを留意されたい。

ロッカーアーム７２２のこの旋回は、偏心カム表面７３０ａ、７３２ａの輪郭および各ロッカーアーム７２２ならびにプリンタハウジング１０１のベース１０１ａの間に装着されるばね７３４によって制限される。図示された実施形態では、図３６Ａに図示されるように、ロッカーアーム７２２がそれらの最も低い向きに対して旋回する場合にばね７３４は圧縮され、図３６Ｂに図示されるように、ロッカーアーム７２２がそれらの最も高い 向きに対して旋回する場合にばね７３４がそれらの休止位置になるように、ばね７３４は圧縮ばねとなっている。

カムシャフト７２８の回転は、側壁１０３ａのうちの１つの外部表面上に装着されるモータ７３６によって提供される。カムホイール７３０が、保守スレッド６０３の内部配置に対して、側壁１０３ａの内部側に配置され、カムシャフト７２８上のウォームギヤ７３７は側壁１０３ａの外部側に配置されるように、カムシャフト７２８は、この側壁１０３ａを通って突出する。モータ７３６は、モータ７３６のウォームスクリュー７３８が、図３７に図示されるように、ウォームギヤ７３７の外部周方向表面７３７ａおよび外部周方向表面７３７ａに沿ったリッジ７３７ｂを有するメッシュと接触するように、側壁１０３ａ上に配置される。ウォームスクリュー７３８のねじ山はらせん形であり、好適には、５°の向きの右回りかつおよびインボリュート輪郭である。同様に、リッジ７３７ｂはらせん形であり、好適には、５°の向きの右回りおよびインボリュート輪郭である。

したがって、制御電子機器８０２の制御下におけるモータ７３６の動作によるウォームスクリュー７３８の回転により、カムシャフト７２８を回転させるカムホイール７３７の回転が生じる。偏心カム表面７３０ａ、７３２ａの回転位置は、他のカムホイール７３２に隣接するプリンタハウジング１０２の側壁１０２ａ上に装着される光学的遮断センサ７３９によって決定される。光学的遮断センサ７３９は、当業者に公知であるように、図３６Ｃに図示されるように、カムホイール７３２のスロット型外部周方向表面７３２ｂと協働する。

保守モジュールのうちの１つを選択するために変位機構７００によってスレッド６０３が平行移動される場合、カムは、ロッカーアーム７２２がそれらの最も低い位置になるように制御される。この最も低い位置において、スレッド６０３に向けて突出するロッカーアーム７２２のアーム部分７２６の突起７４０は、スレッド６０３の変位が抑制されないように、モジュールのリテーナ要素内の凹部を通過することができる。選択されたモジュールが配置されると、カムは、ロッカーアーム７２２がそれらの最も高い位置に移動するように制御される。

最低から最高位置へのロッカーアーム７２２のこの移動中に、突起７４０は、リテーナ要素６２２、６２３、６８６の上昇面７４２と係合する。この係合により、選択されたモジュールが、ロッカーアーム７２２によって上昇される。上昇面７４２は、スレッド６０２のベース６１９に平行であり、かつ、実質的に平坦である。つまり、図示された実施形態において、平坦な上昇面は水平である。ワイパモジュール６０５のリテーナ要素６２３は、ロッカーアーム７２２の突起７４０が上昇面７４２に接触する硬化要素７４９を有する。硬化要素７４９は、ワイパモジュール６０５の昇降中にリテーナ要素に対するより大きな剛性を提供する。

出願者の米国仮特許出願第６１３４５５５９号（整理番号ＫＰＭ００１ＰＵＳ）の組み込まれた記載に記載されたワイパモジュールと同様に、本ワイパモジュール６０５は、ワイパローラ６０５がプリントヘッド２００の印刷面において回転して拭かれるように、用紙移動方向に沿って、前後に平行移動するように構成される。拭き取り時におけるプリントヘッドに対するワイパモジュールのこの変位は、プリントヘッドから拭き取ることができる流体および残滓の量を最大にする。つまり、印刷面のより大きい表面領域は、ワイパモジュールを移動させることによって拭き取ることができ、異なるコンポーネントによって提供される印刷面上の異なる地形的レベルのため拭き取るのが困難な領域における拭き取りを実現できる。

この平行移動拭き取り動作は、ワイパモジュール６０５が、ワイパローラ６２５がプリントヘッド２００に接触するその上昇（拭き取り）位置にあり、駆動機構６１３の駆動によって回転している間に、スレッド６０３の変位によって実現される。図３６Ｂに図示されるように、スレッドフレーム６１７の側壁６２１内のノッチ６２１ａは、拭き取り位置において、ワイパモジュール６０５のリテーナ要素６２３がノッチ６２１ａの制限を残さないように、寸法決めされる。したがって、スレッド６０３が変位されると、ワイパモジュール６０５も、同様に変位される。

本ワイパモジュール６０５の装着モータ６４３は、ワイパモジュール６０５の上昇および平行移動された位置の大きな範囲において、柔軟接続６４９によって、プリンタ１００の電源への保持された接続を可能にする。この大きな範囲の平行移動された拭き取りにより、プリントヘッドの印刷面の選択された表面領域のみから最大で印刷面の全表面領域の拭き取りが可能になり、したがって、プリントヘッドの効果的な全クリーニング動作が提供される。

ワイパモジュール６０５の例示的な平行移動された拭き取り運動が、図３８Ａ〜３８Ｇの概略図に図示される。図３８Ａにおいて、ワイパモジュールは、回転するワイパローラ６２５が印刷面と拭き取り接触されるように、方向Ｉに上昇される。図３８Ｂにおいて、スレッド６０３は、印刷面と常に回転接触するワイパローラ６２５によって、方向ＩＩに平行移動される。図３８Ｃにおいて、ワイパモジュール６０５は、図３８Ｂの平行移動された位置から方向ＩＩＩに、スレッド６０３のそのホーム位置に戻る。図３８Ｄにおいて、スレッド６０３は、そのホーム位置が方向ＩＶに平行移動されたワイパモジュール６０５を有する。図３８Ｅにおいて、スレッド６０３は、印刷面と常に回転接触するワイパローラ６２５によって方向Ｖに平行移動される。図３８Ｆにおいて、ワイパモジュール６０５は、図３８Ｅの平行移動された位置から方向ＶＩに、スレッド６０３内のそのホーム位置に戻る。図３８Ｇにおいて、スレッド６０３は、そのホーム位置が方向ＶＩＩに平行移動されるワイパモジュール６０５を有する。

図４０に関して後述されるように、用紙処理システム９００によって提供される印刷の用紙輸送方向に関し、図３８Ｇの方向ＶＩＩは用紙輸送方向であり、図３８Ｄの方向ＩＶは用紙輸送方向の反対側である。したがって、図３８Ａ〜３８Ｇに図示された概略図のそれぞれの左側が、プリントヘッド２００の「下流」側として画定され、図３８Ａ〜３８Ｇに図示された概略図のそれぞれの右側が、プリントヘッド２００の「上流」側として画定される。

制御電子機器８０２は、保守システム６００の、異なって定義される拭き取りルーチンを提供するように、図３８Ａ〜３８Ｇのこれらの平行移動された拭き取り運動の特定の組み合わせを定義するようにプログラム可能である。いくつかの例示的な拭き取りルーチンについて次に記載するが、多くの他の拭き取りルーチンは、プリンタ１００の印刷用途によって定義することができる。

基本的な拭き取りルーチンは、以下の順序で、図３８Ａ〜３８Ｃの平行移動された拭き取り運動の組み合わせとして定義される。
（１） プリントヘッドのプリントヘッドＩＣによってワイパローラが整列されるように、図３８Ａの運動がスレッド位置で実行され、ワイパローラがプリントヘッドＩＣのノズルに定着するように、プリントヘッドＩＣ上のワイパローラの拭き取り接触がワイパローラの２または３回転を維持される。
（２）図３８Ｂの運動は、プリントヘッドＩＣの下流縁からワイパローラが平行移動されるように、実行される。
（３）図３８Ｃの運動は、ワイパローラが、転写ローラおよびスクレーパーの上記に記載された作用によってワイパローラをクリーニングする、回転時にスレッド内のそのホーム位置に戻るように、実行される。

この基本的な拭き取りルーチンは、プリントヘッドＩＣ上のワイパローラのわずかな休止のために、ノズルから汚染されたインクが出ることによるインク汚染を低減し、プリントヘッドＩＣ上のおよびプリントヘッドＩＣからの平行移動された拭き取りによるノズルからの残滓および繊維をクリアにすることで、非射出ノズルを回復させる。

例示的な全面拭き取りルーチンは、以下の順で、図３８Ａ〜３８Ｆの平行移動された拭き取り運動の組み合わせとして、定義される。
（１）図３８Ａの運動が実施されるが、ワイパローラはプリントヘッドＩＣに休止しない
（２）ワイパローラが、プリントヘッドＩＣの下流縁からおよびプリントヘッドの印刷面の全下流側で平行移動されるように、図３８Ｂの運動が実行される
（３）転写ローラおよびスクレーパーの上記に記載された作用によって、ワイパローラをクリーニングする回転中ではあるが、スレッド内のそのホーム位置にワイパローラが移動するように、図３８Ｃの運動が実行される
（４）ワイパローラがプリントヘッドＩＣの上流縁からすぐのプリントヘッドに整列されるまで、図３８Ｄの運動が実行される
（５）ワイパローラが、（４）の整列位置内の印刷面と拭き取り接触するように、図３８Ａの運動が実行される
（６）図３８Ｅの運動は、ワイパローラがプリントヘッドの印刷面の全上流側に平行移動されるように、実行される
（７）図３８Ｆの運動は、転写ローラおよびスクレーパーの上記に記載された作用によって、ワイパローラをクリーニングする、回転中ではあるが、ワイパローラがスレッド内のそのホーム位置に移動するように実行される

この全面拭き取りルーチンは、プリントヘッドの印刷面領域に蓄積される可能性のある結露、インク溜りおよび繊維をクリアにする。全面拭き取りルーチンは、ノズルを回復させることを意図していないが、これを実現するために、互いに、またはいずれかの他の拭き取りルーチンと共に、基本的なおよび全面拭き取りルーチンを使用できる。

上記のように、ワイパモジュール６０５によって捕捉される流体が、スレッド６０３に排水される。プラテンおよびキャッパモジュールによって捕捉される流体は、同様に、出願者の米国仮特許出願第６１３４５５５９号（整理番号ＫＰＭ００１ＰＵＳ）の組み込まれた記載に記載されるように、スレッド６０３へ排出される。図３３に図示されるように、スレッド６０３は、ベース６１９内の排出領域６３２、６５３、および６９６を有する。排出領域は、排出領域内の流体がスレッド６０３を出ることができる、ベース６１９内の穴６５７に、個別の経路を提供するために、成形等により、ベース６１９内に画定される。スレッド６０３内の穴６５７は、排出された流体が、排出された流体を収集および貯蔵する流体収集トレイ６０１に経路指定されるように、プリンタハウジング１０１のベース１０１ａ内のスロットまたはアパーチャに整列されてもよい。スレッド６０３の移動時の自由な動きから、個別の経路が、スレッド６０３内の流体を制限する排出リブとして作用する壁６１９ａによって画定される。このように、捕捉された流体は、流体をプリントヘッドへ「飛散」させ得るスレッドの周囲に「滴を撒き散ら」さずに、スレッドから排出できる。スレッド６０３は、本明細書で一体的に画定される壁６１９ａと共に、ポリカーボネートおよびアクリロニトリルブタジエンスチレン（ＰＣ／ＡＢＳ）の１０％ガラス繊維強化の組み合わせ等のプラスチック材料から成形されてもよい。

排出領域６５３は、図３２および３３に図示されるように、本体６０７の穴６０７ｂを通ってワイパモジュール６０５から排出される流体を受容する。出願者の米国仮特許出願第６１３４５５５９号（整理番号ＫＰＭ００１ＰＵＳ）の組み込まれた記載に記載されるように、排出領域６３２は、プラテンモジュール６０４から排出された流体を受容し、排出領域６９６は、キャッパモジュール６０８から排水された流体を受ける キャッパモジュール６０８の弁６９８およびスレッド６０３のベース６１９上の突起６９９の係合。

図３９に図示されるように、流体収集トレイ６０１は、トレイ６６１とトレイ６６１内に露出される吸収性材料の流体貯蔵パッド６６３とのアセンブリである。流体収集トレイ６０１は、流体貯蔵パッド６６３の交換およびそれを空にすることが可能であるように、プリンタハウジング１０１内で取り外し可能である。特に、トレイ６６１は、排出された流体が重力下で流体貯蔵パッド６６３へ流れるように、プリンタハウジング１０１内のスレッド６０３の直下の位置に摺動されてもよい。あるいは、図６に図示されるように、トレイ６６１は、排出された流体が重力下でウィッキング要素へ流れ、次いで、毛管作用および重力によって、流体貯蔵パッド６６３へ流れるように、スレッド６０３と流体貯蔵パッド６６３との間に、供給カートリッジ３０１および成型されたウィッキング要素（図示せず）の下の位置に摺動されてもよい。

上記に記載された保守システム６００のコンポーネントは、望ましくない湿ったおよび乾いたインクおよび残滓のない、プリントヘッド２００についての印刷環境を維持することにより、動作条件においてプリントヘッド２００および流体配分システム３００を保守する手段を提供する。特に、選択可能な保守モジュールを有する線形平行移動スレッドは、静止した全用紙幅プリントヘッドを保守する単純およびコンパクトな方法を提供する。プリントヘッドの拭き取り中の完全に平行移動可能であるワイパモジュールの採用により、クリーニングを向上できる。

次に、用紙処理システム９００について説明する。図６、７および３９〜４５Ｂは、用紙処理システム９００の種々の例示的な態様を示す。

用紙処理システム９００が、プリンタハウジング１０１の下部ハウジングセクション１０３と上部（第２の）ハウジングセクション１０５との間に、図４０に図示された（つまり、用紙輸送方向）矢印方向Ｂに沿って、プリントヘッド２００を通過して用紙を輸送およびガイドするために、プリンタ１００内に画定される。上部ハウジングセクション１０５は、ヒンジ要素１０７において下部ハウジングセクション１０３にヒンジにより取り付けられ、ラッチ要素１０９において下部ハウジングセクション１０３にラッチ止めされる。図示された実施形態では、ヒンジ要素１０７は、ねじ付きシャフト１０７ａによってリンクされるが、他の構成も可能である。下部および上部ハウジングセクション１０３、１０５のこのヒンジ係合は、印刷中の用紙ジャム等を容易にクリアにできるように、用紙処理システム９００へアクセスすることを可能にする。

用紙処理システム９００は、下部ハウジングセクション１０３内に画定される駆動ローラアセンブリ９０１を有する。駆動ローラアセンブリ９０１は、図４１において最もはっきりと図示されるように、下部ハウジングセクション１０３の側壁１０３ａに回転可能に装着される一連の駆動用紙輸送ローラを有する。一連の駆動用紙輸送ローラは、用紙輸送方向に対して、プリントヘッド２００の上流側に配置される入口ローラ９０３および入力ローラ９０５、用紙輸送方向に対して、プリントヘッド２００の下流側に配置される出口ローラ９０７を含む。

入口ローラ９０３は、手動または自動で供給される用紙を受け、受けた用紙を入力ローラ９０５へ給紙するために回転される。プリンタ１００に外部的に提供される、またはプリンタ１００のハウジング１０１内に受けられる用紙ロールから、ウェブ用紙、好ましくはラベル情報がプリントヘッド２００によって印刷されるラベルウェブ用紙の処理のために、本例示的な実施形態の用紙処理システム９００が提供される。さらに、個別の用紙を処理するために、本例示的な実施形態の用紙処理システム９００を適用することもできる。かかるウェブまたは用紙を供給するための機構および構成は、当業者に公知である。

入力ローラ９０５は、入口ローラ９０３から給紙された用紙を受け、受けた用紙を印刷のためにプリントヘッド２００へ給紙するために回転される。出口ローラ９０７は、プリントヘッド２００を介して入力ローラ９０５から給紙される用紙を受け、プリントヘッド２００から受けた用紙を輸送するために回転する。ウェブ用紙に関して、出口ローラ９０７は、ウェブ用紙を、プリンタ１００に外部的に提供されるまたはプリンタ１００のハウジング１０１内に受けられ、かつ、ウェブ用紙の印刷されていない部分からウェブ用紙の印刷された部分を分ける、カッター機構等へ輸送する。かかるカッター機構の構成および動作は、当業者に公知である。

駆動ローラ９０３〜９０７の回転は、下部ハウジングセクション１０３の側壁１０３ａのうちの１つに配置される駆動ローラアセンブリ９０１の駆動機構９０９によって駆動される。駆動機構９０９は、当業者に公知であるように、駆動モータ９１１と、ローラ９０３〜９０７のそれぞれに、モータ９１１の回転駆動力を与えるように、モータ９１１の駆動シャフトおよび駆動ローラ９０３〜９０７のそれぞれを中心としてループ状にされる駆動ベルト９１３とを有する。このように、駆動ローラ９０３〜９０７のそれぞれは、プリントヘッド２００を通過する用紙の滑らかな動きを確実にする同じ回転速度で駆動される。図示された実施形態において、駆動ローラの全ては、シングル駆動ベルトを用いて駆動されるが、１つの駆動ローラが駆動ベルトによって駆動される、または複数の駆動ベルトがそれぞれの駆動ローラに提供される他の構成も可能である。

モータ９１１は、カッティング機構によるウェブからの印刷用紙の印刷および分離の中止の際に、印刷されていないウェブ用紙が、プリントヘッド２００の上流の位置に対して引き込むことができるように、好ましくは、双方向モータである。これにより、以前に本明細書でおよび出願者の米国仮特許出願第６１３４５５５９号（整理番号ＫＰＭ００１ＰＵＳ）の組み込まれた記載に記載されるように、保守システム６００のワイパおよびキャッパモジュール６０５、６０８を、プリントヘッド２００に対する動作位置に移動させることを可能にする。

駆動ローラ９０３〜９０７が同じ回転速度で確実に駆動することを確実にする柔軟な駆動ベルト９１３内の適した張力は、モータ９１１と、それを中心に駆動ベルト９１３が走行するブッシング９１７のうちの１つとの間に配置される引っ張りアセンブリ９１５によって維持される。図４１の切り欠き部分詳細図に図示されるように、引っ張りアセンブリ９１５は、旋回ピン９２１において側壁１０３ａに旋回可能に装着される引っ張り部材９１９を有する。らせん状ねじればね９２３が、ばね９２３のアーム９２３ａが側壁１０３ａから突出するタブ１０３ｂに対してねじれ力を与えるように、旋回ピン９２１を中心として配置される。このばね付き構成は、駆動ベルト９１３の方向に引っ張り部材９１９を付勢する。駆動ベルト９１３は、引っ張り部材９１９のこの付勢された接触が、モータシャフト、駆動ローラ９０３〜９０７およびブッシング９１７を中心とする駆動ベルト９１３内の緩みを除去させるように、寸法決めされる。図示された実施形態では、ばねは、らせんねじればねであるが、引っ張り部材が駆動ベルトに向かって付勢される限り、圧縮ばね等の他の種類のばね、または他の付勢手段も使用できる。

引っ張り部材９１９は、図４２に図示されるように、側壁１０３ａ内の穴１０３ｃにロッキングスクリュー９２７がスクリュー止めされる、スロット型アーム９２５を有する。スロット型アーム９２５内のスロットは、側壁１０３ａ内の穴１０３ｃが、その旋回点を中心に、引っ張り部材９１９の回転中に曲線状スロットを通して露出されるように、リュネットを形成するように曲線状になっている。したがって、その回転位置に引っ張り部材９１９をロックするように、ロッキングスクリュー９２７を、引っ張り部材９１９の任意の回転位置内の穴１０３ｃ内に固定できる。

引っ張り部材のこの構成は、駆動ベルト内の張力の大きさを引っ張り部材の回転位置を選択的にロックすることによって選択できるようにする。この選択は、引っ張り部材の回転位置を所望どおり変更できるため、そうでなければ駆動ベルトの緩みを生じさせる、時間の経過により駆動ベルト内の伸縮の許容差を提供する。図示された実施形態では、ロッキングスクリューが使用されるが、引っ張り部材の回転位置を動的に選択できる限り、他のロッキング手段も可能である。

出願者は、引っ張り部材９１９のスロット型アーム９２５に対してロッキングスクリュー９２７が締め付けられる場合に、引っ張り部材９１９の望ましくない回転を生じさせる引っ張り部材９１９に、ロッキングスクリュー９２７の回転力を与えることができることを発見している。この回転は、引っ張り部材の最終的なロックされた回転位置が所望の回転位置とは異なってしまうために、望ましくない。引っ張り部材９１９のこの過回転を防止するために、図４１の切り欠き部分詳細図に図示されるように、スロット型アーム９２５とロッキングスクリュー９２７との間に締め具部材９２９が提供される。

図４２に図示されるように、締め具部材９２９が側壁１０３ａに対して回転できないように、締め具部材９２９は細長く、側壁１０３ａのそれぞれの穴１０３ｄ内にぴったり受けられるいずれかの端にピン９２９ａを有する。このため、ロッキングスクリュー９２７は、締め具部材９２９が引っ張り部材９１９のスロット型アーム９２５に対して力が加えられる位置にスクリュー留めされるため、しかし、ロッキングスクリュー９２７の回転力は、スロット型アーム９２５には与えられない。

用紙処理システム９００は、下部ハウジングセクション１０３内に画定される用紙ガイドアセンブリ９３１をさらに有する。用紙ガイドアセンブリ９３１は、プリントヘッド２００の用紙幅方向に沿ってそれぞれ延在する、一連のガイド部材９３３を有する。個々のガイド部材９３３は、図４１において最もはっきりと図示されるように、用紙輸送方向に対して、プリントヘッド２００の上流および下流の両方の駆動用紙輸送ローラ９０３〜９０７の間に配置される。ガイド部材９３３は、それに沿って給紙された紙がガイドされるプラテンを提供する。

図４１において、保守システム６００のプラテンモジュール６０４が、その動作時（上昇位置）として図示されている。図示されているように、各ガイド部材９３３は、プラテンモジュール６０４のリブ６２６、６２８と整列およびインターロックする一連のリブ９３３ａを有する。このため、本実施形態のプラテンモジュール６０４のリブ６２６、６２８は、出願者の米国仮特許出願第６１３４５５５９号（整理番号ＫＰＭ００１ＰＵＳ）の組み込まれた記載に記載されたプラテンモジュールのリブからのわずかな差である、プラテンモジュール６０４の縁を中心として延在するように形成される（図２９および３０を参照）。用紙ガイドリブのこのインターロックされた構成により、用紙が、プリントヘッド２００を通ってスムーズに輸送されることを確実にする。

用紙処理システム９００は、プリントヘッド２００の用紙幅方向に延在するように、上部ハウジングセクション１０５内に画定されるピンチローラアセンブリ９３５をさらに有する。図４２に図示されるように、下部および上部ハウジングセクション１０３、１０５が、図４０に図示される閉じた位置にヒンジ止めされる場合に、ピンチローラアセンブリ９３５は、入口ローラ９０３に沿って、用紙のピンチされたニップと係合し、これを提供する（第１の）一連の入口ピンチローラ９３７と、入力ローラ９０５に沿って、用紙のピンチされたニップと係合し、これを提供する（第２の）一連の入力ピンチローラ９３９とを有する。したがって、各一連のピンチローラ９３７、９３９は、対応する駆動ローラのアイドラローラを画定する。

各ピンチローラ９３７、９３９は、ピンチローラアセンブリ９３５のピンチ要素９４１の一部である。ピンチ要素９４１は、プリントヘッド２００の用紙幅方向に直列に延在するように、細長い支持プレート９４３と、細長い入口（第１の）ピンチハウジング９４５またはピンチローラアセンブリ９３５の細長い入力（第２の）ピンチハウジング９４７のいずれかとの間に保持される。支持プレート９４３は、固定具９５１によって、細長い装着プレート９４９に締め付けられる。装着プレート９４９は、図４０に図示されるように、上部ハウジングセクション１０５の側壁１０５ａへ、ピンチローラアセンブリ９３５をしっかりと装着する。

図４３に図示されるように、ピンチハウジング９４５、９４７は、装着プレート９４９のブッシュ９４９ｂが（図４３で入口ピンチハウジング９４５に特に図示されるように）ピンチハウジング９４５、９４７内のスロット９５３内に載るように、タブ９４９ａによって、装着プレート９４９に保持される。さらに、ピンチハウジング９４５、９４７は、ピンチハウジング９４５、９４７および支持プレート９４３のいずれかの縦の端において、ばね９５５によって支持プレート９４３にリンクされる。この構成により、ピンチハウジング９４５、９４７は、装着プレート９４９に対して可動であるように、静止支持プレート９４３によって制限される。ピンチハウジングのこの相対的な動きの利点については、後述する。ばね９５５は、圧縮ばね、リーフばね等の他の種類のばねとして図示されているが、ピンチハウジングが装着および支持プレートに対して移動可能である限り、他の種類の付勢手段も使用できる。

ピンチローラ９３７の各軸９３７ａは、それぞれのピンチ要素９４１のレバー部材９５９によって、ピンチハウジング９４５の対応するスロット９５７内に回転可能に保持される。これは、レバー部材９５９のうちの１つが省略される図４３において最もはっきりと図示される。同様に、ピンチローラ９３９のそれぞれの軸９３９ａは、それぞれのピンチ要素９４１のレバー部材９５９によって、ピンチハウジング９４７の対応するスロット９５７内に回転可能に保持される。

図４４に図示されるように、各レバー部材９５９は、１つの端に、支持プレート９４３の対応するフック９４３ａによって旋回可能に支持されるロッド９５９ａと、他の端において、対応するピンチローラ９３７、９３９の軸９３７ａ、９３９ａを受け、かつ、フック９６１（図４２を参照）によって対応するピンチハウジング９４５、９４７内に保持されるより長いアーム９５９ｃを有するヨーク９５９ｂと、レバー部材９５９と装着プレート９４９との間に圧縮されるように対応するばね９６３が受けられる、これらの端の間のアパーチャ９５９ｄと、を有する。

この構成により、ピンチローラ９３７、９３９は、レバー部材９５９のよけアーム９５９ｃおよびピンチハウジング９４５、９４７のフック９６１の相対的な寸法の制限内において、用紙がこの間を通過することを可能にする一方で、それぞれの入口および入力ローラ９０３、９０５と接触するばね９６３によって付勢される。

図示された実施形態では、レバー部材のばねは圧縮ばねであるが、ピンチローラが入口および入力ローラと接触して付勢されている限り、リーフばね等の他の種類のばね、または他の種類の付勢手段も使用できる。さらに、例示的な実施形態において、入口および入力ローラ（および出口ローラ）は、好ましくはグリットローラであり、ピンチローラは、好ましくは、用紙の十分な把持を提供しながら、グリット入口および入力ローラによる磨耗に耐性のあるハードゴム等の材料で形成される。しかしながら、当業者は、用紙の十分なニップおよび把持が提供される限り、駆動およびピンチローラに他の材料も可能であることを理解する。

レバー部材は、支持プレートにしっかりと保持されているが、ピンチローラまたはピンチハウジングに締め付けられておらず、また、ピンチローラはピンチハウジングのスロット内においてこれに固定されずに支持されるため、ピンチローラは、ピンチローラが支持プレートに対してピンチハウジングと共に移動できるように、レバー部材内に効果的に「フロート」している。ピンチローラのこの「フロート」およびピンチハウジングの摺動に対する利点について、以下に記載する。

上部ハウジングセクション１０５は、プリンタ１００の動作中に下部ハウジングセクション１０３に対して、開いた位置と閉じた位置との間にヒンジ止めされるため、駆動およびピンチローラの必要な整列が維持されることが不確実であり、これは給紙ミスおよび用紙ジャム等の用紙輸送の問題を生じる可能性がある。動作中に正確な整列を維持するために、ピンチローラアセンブリ９３５は、上部ハウジングセクション１０５が、下部ハウジングセクション１０３との閉位置に戻るたびに、駆動ローラアセンブリ９０１によって一貫して整列される必要がある。

ピンチハウジング９４５、９４７を、入口および入力ローラ９０３、９０５を下部ハウジングセクション１０３の側壁１０３ａに回転可能に装着する、軸受部材９６７と係合させることによりこれが実現される。特に、図４５Ａおよび４５Ｂに図示されるように、軸受部材９６７内のスロット９６５と係合するピンチハウジング９４５、９４７の各縦の端において、整列ピン９４５ａ、９４７ａが提供される。軸受部材９６７は、整列ピン９４５ａ、９４７ａおよび軸受スロット９６５が係合すると、ピンチローラ９３７、９３９が入口および入力ローラ９０３、９０５に対して不可動になるように、側壁１０３ａに固定的に装着されるように構成される。この構成により、ピンチハウジングの整列ピンは、プリンタの下部ハウジングセクションと効果的に係合できる。

上部ハウジングセクション１０５が下部ハウジングセクション１０３上のその閉じた位置に回転する際に、軸受部材９６７のスロット９６５は、整列ピン９４５ａ、９４７ａをスロット９６５に通す傾斜した外部表面９６５ａを有する。ピンチハウジングは、ピンがスロットに差し込まれる際に、固定的に装着される支持プレートに対して摺動するため、ピンおよび軸受スロットのこの係合は、ピンチハウジングのフロート構成によって促進される。したがって、支持プレートおよびレバー部材ならびにピンチローラの結合された係合に対するピンチハウジングの摺動の動きは、駆動ローラとピンチローラとの間の整列を維持するための整列調整機構を提供する。

本発明は、その例示的な実施形態を参照して図示および記載されているが、種々の修正が明らかであり、本発明の範囲および精神から逸脱しない限り、当業者によって容易に実施されてもよい。したがって、本明細書に記載されているように、請求項の範囲が、記載によって制限されることが意図されているわけではなく、請求項は幅広く解釈されるべきである。

Claims (6)

1. プリンタ内で流体および気体を配分するためのシステムであって、
   ３つの流体ポートを有する流体容器と、
   第１の流体ポートを前記プリンタのプリントヘッドに接続する第１の流体経路と、
   第２の流体ポートを前記プリントヘッドに接続する第２の流体経路と、
   第３の流体ポートを気体通気孔に接続する第３の流体経路と、を備え、
   前記第１および第２の流体ポートは、前記流体容器からの流体が、前記プリントヘッドを介して、前記第１の流体経路と第２の流体経路との間を流れるように構成され、前記第３の流体ポートは、気体が、前記流体容器と気体通気孔との間を流れるように構成される、システム。
2. 前記第１の流体経路を前記プリントヘッドに接続する弁をさらに備える、請求項１に記載のシステム。
3. 前記第１および第２の流体経路、プリントヘッド、ならびに流体容器は、流体が、前記流体容器へ向かって、かつ前記流体容器から、ループのいずれの方向にも流れる、閉じた流体流動ループを形成する、請求項１に記載のシステム。
4. 前記流体が、前記流体容器へ向かって、かつ前記流体容器から、前記ループのいずれの方向にも流れることを促進するために、前記第１または第２の経路上に双方向ポンプをさらに備える、請求項３に記載のシステム。
5. 前記流体容器の前記第１、第２、および第３の流体ポートのそれぞれが、対応する第１、第２、および第３の流体経路の管の隔壁針が封止的に挿入される隔壁を組み込む、請求項１に記載のシステム。
6. 各隔壁が、前記隔壁針によって貫通可能な（ｐｉｅｒｃａｂｌｅ）膜を有する第１の隔壁と、前記隔壁針が通過するスリットを有するスリット隔壁とを備える、請求項５に記載のシステム。

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