JP2011121854A - 多孔質支持体−ゼオライト膜複合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Si元素源、Al元素源、アルカリ源および有機テンプレートを含む水性反応混合物を用いて、水熱合成により、CHA型ゼオライトを有するゼオライト膜を多孔質支持体上に形成することにより多孔質支持体―ゼオライト膜複合体を製造する方法であって、アルカリ源が、少なくともカリウムを含むものであることを特徴とする多孔質支持体―ゼオライト膜複合体の製造方法。
【選択図】なし
Description
[1]Si元素源、Al元素源、アルカリ源および有機テンプレートを含む水性反応混合物を用いて、水熱合成により、CHA型ゼオライトを有するゼオライト膜を多孔質支持体上に形成することにより多孔質支持体―ゼオライト膜複合体を製造する方法であって、アルカリ源が、少なくともカリウムを含むものであることを特徴とする多孔質支持体―ゼオライト膜複合体の製造方法。
[2]水性反応混合物中のSi元素源とAl元素源の比が、Al元素の酸化物に対するSi元素の酸化物のモル比(SiO2/Al2O3モル比)として、5以上10000以下である、上記[1]に記載の方法。
[3]水性反応混合物中のSi元素源と有機テンプレートの比が、Si元素の酸化物に対する有機テンプレートのモル比(有機テンプレート/SiO2モル比)として、0.005以上1以下である、上記[1]または[2]に記載の方法。
[4]水性反応混合物中のSi元素源とアルカリ源の比が、Si元素の酸化物に対するM(2/n)O(Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を示し、nはその価数1または2を示す。)のモル比(M(2/n)O/SiO2モル比)として、0.02以上0.5以下である、上記[1]ないし[3]のいずれかに記載の方法。
[5]水性反応混合物中のアルカリ源とカリウムの比が、アルカリ源となる金属の全量に対するカリウムのモル比として、0.01以上1以下である、上記[1]ないし[4]のいずれかに記載の方法。
[6]有機テンプレートが、1−アダマンタンアミンから誘導されるカチオンである、上記[1]ないし[5]のいずれかに記載の方法。
[7]CHA型ゼオライトの種結晶を予め付着させた多孔質支持体を水熱合成に供する、上記[1]ないし[6]のいずれかに記載の方法。
[8]上記[1]ないし[7]のいずれかに記載の方法により製造されたことを特徴とする多孔質支持体―ゼオライト膜複合体。
[9]絶対圧5kPaの真空ラインに接続したときの空気透過量が1400L/(m2・h)以下である、上記[8]に記載のゼオライト膜複合体。
[10]ゼオライト膜表面にX線を照射して得たX線回折パターンにおいて、2θ=17.9°付近のピーク強度が、2θ=20.8°付近のピーク強度の0.5倍以上である、上記[8]又は[9]に記載のゼオライト膜複合体。
[11]ゼオライト膜表面にX線を照射して得たX線回折パターンにおいて、2θ=9.6°付近のピーク強度が、2θ=20.8°付近のピーク強度の4倍以上である、上記[8]又は[9]に記載のゼオライト膜複合体。
[12]多孔質支持体上に、CHA型ゼオライトを有するゼオライト膜が形成されてなる多孔質支持体―ゼオライト膜複合体であって、絶対圧5kPaの真空ラインに接続したときの空気透過量が1400L/(m2・h)以下であることを特徴とする多孔質支持体―ゼオライト膜複合体。
[13]多孔質支持体上に、CHA型ゼオライトを有するゼオライト膜が形成されてなる多孔質支持体―ゼオライト膜複合体であって、ゼオライト膜複合体が下記(1)ないし(3)の少なくとも一つの性質を有するものであることを特徴とする多孔質支持体―ゼオライト膜複合体。
(1)含水率30質量%の2−プロパノールと水の混合物を、温度70℃、1気圧(1.01×105Pa)の圧力差で透過させた場合の透過流束が1kg/(m2・h)以上である。
(2)含水率30質量%の2−プロパノールと水の混合物を、温度70℃、1気圧(1.01×105Pa)の圧力差で透過させた場合の水のパーミエンスが3×10−7mol/(m2・s・Pa)以上である。
(3)含水率30質量%の2−プロパノールと水の混合物を、温度70℃、1気圧(1.01×105Pa)の圧力差で透過させた場合の分離係数が1000以上である。
[14]上記[8]ないし[13]のいずれかに記載の多孔質支持体―ゼオライト膜複合体に、有機化合物を含む気体または液体の混合物を接触させて、該混合物から、透過性の高い物質を透過させて分離することを特徴とする分離方法。
本発明において、ゼオライト膜を構成するゼオライトのSiO2/Al2O3モル比は、通常5以上、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、さらに好ましくは12以上である。また上限は、通常2000以下、好ましくは1000以下、より好ましくは500以下、さらに好ましくは100以下である。
本発明において、CHA型ゼオライトとは、International Zeolite Association(IZA)が定めるゼオライトの構造を規定するコードでCHA構造のものであり、天然に産出するチャバサイトと同等の結晶構造を有するゼオライトである。CHA型ゼオライトは3.8×3.8Åの径を有する酸素8員環からなる3次元細孔を有することを特徴とする構造をとり、その構造はX線回折データにより特徴付けられる。
本発明において、多孔質支持体としては、その表面などにゼオライトを膜状に固着、好ましくは結晶化できるような化学的安定性があり、多孔質であれば如何なるものであってもよい。例えば、シリカ、α−アルミナ、γ−アルミナ、ムライト、ジルコニア、チタニア、イットリア、窒化珪素、炭化珪素などのセラミックス焼結体(セラミックス支持体)、鉄、ブロンズ、ステンレス等の焼結金属や、ガラス、カーボン成型体などが挙げられる。
本発明において、多孔質支持体−ゼオライト膜複合体とは、多孔質支持体上にゼオライトが膜状に固着しているものである。ゼオライトは、支持体の表面のみならず、ゼオライトの一部が、多孔質支持体の内部にまで固着している状態のものが好ましい。
本発明の分離方法は、上記ゼオライト膜複合体を膜分離手段として用いるものであり、さらに詳しくは、有機化合物を含む気体または液体の混合物を、上記多孔質支持体―ゼオライト膜複合体に接触させて、該混合物から、透過性の高い物質を透過させて分離することに特徴をもつものである。この発明において、多孔質支持体―ゼオライト膜複合体は、上記と同様のものが用いられる。また、好ましいものも上記と同様である。
[ここで、Pαは透過液中の主成分の質量パーセント濃度、Pβは透過液中の副成分の質量パーセント濃度、Fαは透過液において主成分となる成分の被分離混合物中の質量パーセント濃度、Fβは透過液において副成分となる成分の被分離混合物中の質量パーセント濃度である。]
以下の実験例において、ゼオライト膜の物性及び分離性能は、次の方法で測定した。
XRD測定は以下の条件に基づき行った。
・装置名:オランダPANalytical社製X’PertPro MPD
・光学系仕様 入射側:封入式X線管球(CuKα)
Soller Slit (0.04rad)
Divergence Slit (Valiable Slit)
試料台:XYZステージ
受光側:半導体アレイ検出器(X’ Celerator)
Ni−filter
Soller Slit (0.04rad)
ゴニオメーター半径:240mm
・測定条件 X線出力(CuKα):45kV、40mA
走査軸:θ/2θ
走査範囲(2θ):5.0−70.0°
測定モード:Continuous
読込幅:0.05°
計数時間:99.7sec
自動可変スリット(Automatic−DS):1mm(照射幅)
横発散マスク:10mm(照射幅)
SEM−EDX測定は以下の条件に基づき行った。
・装置名:SEM:FE−SEM Hitachi:S−4800
EDX:EDAX Genesis
・加速電圧:10kV
倍率5000倍での視野全面(25μm×18μm)を走査し、X線定量分析を行った。
SEM測定は以下の条件に基づき行った。
・装置名:SEM:FE−SEM Hitachi:S−4100
・加速電圧:10kV
多孔質支持体―ゼオライト膜複合体の一端を封止し、他端を、密閉状態で5kPaの真空ラインに接続して、真空ラインとゼオライト膜複合体の間に設置したマスフローメーターで空気の流量を測定し、空気透過量[L/(m2・h)]とした。マスフローメーターとしてはKOFLOC社製8300、N2ガス用、最大流量500ml/min(20℃、1気圧換算)を用いた。KOFLOC社製8300においてマスフローメーターの表示が10ml/min(20℃、1気圧換算)以下であるときはLintec社製MM−2100M、Airガス用、最大流量20ml/min(0℃、1気圧換算)を用いて測定した。
パーベーパレーション法に用いた装置の概略図を図1に示す。図1において多孔質支持体―ゼオライト膜複合体5は真空ポンプ9によって内側が減圧され、被分離液4が接触している外側と圧力差が約1気圧(1.01×105Pa)になっている。この圧力差によって、被分離液4中の透過物質(水)が多孔質支持体―ゼオライト膜複合体5に浸透気化して透過する。透過した物質はトラップ7で捕集される。一方、被分離液4中の有機化合物は、多孔質支持体―ゼオライト膜複合体5の外側に滞留する。
以下の製造例1〜12において、CHA型ゼオライトを無機多孔質支持体上に直接水熱合成することで、無機多孔質支持体−ゼオライト膜複合体を製造した。
CHA型ゼオライト膜の作成のために、N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウムヒドロキシド(以下これを「TMADAOH」ということがある。)水溶液を、米国特許第4544538明細書に記載の方法に準じて次のとおり調製した。
1mol/L−NaOH水溶液6.9gと水103.6gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al2O3 53.5質量%含有、アルドリッチ社製)0.43gを加えて撹拌し溶解させ、透明溶液とした。これに有機テンプレートとして、上記のTMADAOH水溶液9.2gを加え(この溶液中にKとして0.17g含有している。)、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)10.4gを加えて3時間撹拌し、水性反応混合物とした。
水熱合成用の反応混合物として、以下のものを調製した。
1mol/L−NaOH水溶液10.5gと1mol/L−KOH水溶液7.0gと水100.0gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al2O3 53.5質量%含有、アルドリッチ社製)0.88gを加えて撹拌し溶解させ、透明溶液とした。これに有機テンプレートとしてTMADAOH水溶液(TMADAOH25質量%含有、セイケム社製)2.95gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)10.5gを加えて2時間撹拌し、反応混合物とした。
水熱合成用の反応混合物として、以下のものを調製した。
1mol/L−NaOH水溶液10.5gと1mol/L−KOH水溶液7.0gと水100.4gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al2O353.5質量%含有、アルドリッチ社製)0.88gを加えて撹拌し溶解させ、透明溶液とした。これに有機テンプレートとしてTMADAOH水溶液(TMADAOH25質量%含有、セイケム社製)2.37gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)10.5gを加えて2時間撹拌し、反応混合物とした。
無機多孔質支持体として多孔質アルミナチューブ(外径12mm、内径9mm)を用いた以外は、製造例3と同様の方法で、無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体を作製した。
水熱合成用の反応混合物として、以下のものを調製した。
1mol/L−NaOH水溶液32gと1mol/L−KOH水溶液48gと水457gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al2O3 53.5質量%含有、アルドリッチ社製)4.0gを加えて撹拌し溶解させ、ほぼ透明溶液とした。これに有機テンプレートとして、TMADAOH水溶液(TMADAOH25質量%含有、セイケム社製)13.5gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)48gを加えて2時間撹拌し、反応混合物とした。
水熱合成用の反応混合物として、以下のものを調製した。
1mol/L−NaOH水溶液30.1gと水66.0gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al2O3 53.5質量%含有、アルドリッチ社製)0.057gを加えて撹拌し溶解させ、ほぼ透明溶液とした。これに有機テンプレートとして、TMADAOH水溶液(TMADAOH25質量%含有、セイケム社製)12.7gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)23.6gを加えて2時間撹拌し、水性反応混合物とした。
水熱合成用の反応混合物として、以下のものを用いた以外は製造例2と同様の条件で無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体を作製した。
水熱合成用の反応混合物を次のとおり調製した。
1mol/L−NaOH水溶液3.5gと1mol/L−KOH水溶液14.0gと水100.5gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al2O3 53.5重量%含有、アルドリッチ社製)0.88gを加えて撹拌し溶解させ、透明溶液とした。これにTMADAOH水溶液(TMADAOH25重量%含有、セイケム社製)2.37gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)10.5gを加えて2時間撹拌し、反応混合物とした。
(1)種結晶の合成
組成(モル比)が、SiO2/Al2O3/NaOH/KOH/H2O/TMADAOH=1/0.033/0.1/0.06/40/0.07の水熱合成用の反応混合物を次のとおり調製した。
水熱合成用の反応混合物を次のとおり調製した。
1mol/L−NaOH水溶液10.5gと1mol/L−KOH水溶液7.0gと水100.4gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al2O3 53.5重量%含有、アルドリッチ社製)0.88gを加えて撹拌し溶解させ、透明溶液とした。これにTMADAOH水溶液(TMADAOH25重量%含有、セイケム社製)2.36gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)10.5gを加えて2時間撹拌し、反応混合物とした。
(1)種結晶の合成
組成(モル比)が、SiO2/Al2O3/NaOH/KOH/H2O/TMADAOH=1/0.033/0.1/0.06/40/0.07の水熱合成用の反応混合物を次のとおり調製した。
水熱合成用の反応混合物を次のとおり調製した。
1mol/L−NaOH水溶液8.8gと1mol/L−KOH水溶液17.6gと水90.2gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al2O3 53.5重量%含有、アルドリッチ社製)1.68gを加えて撹拌し溶解させ、透明溶液とした。これにTMADAOH水溶液(TMADAOH25重量%含有、セイケム社製)2.99gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)13.2gを加えて2時間撹拌して調製した。
水熱合成用の反応混合物を次のとおり調製した。
1mol/L−KOH水溶液10.5gと水107.5gを混合したものに水酸化リチウム1水和物(LiOH・H2O キシダ化学社製)0.30g、水酸化アルミニウム(Al2O3 53.5重量%含有、アルドリッチ社製)0.88gを加えて撹拌して白濁したスラリーとした。これにTMADAOH水溶液(TMADAOH25重量%含有、セイケム社製)2.37gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)10.5gを加えて2時間撹拌し、反応混合物とした。
水熱合成用の反応混合物を次のとおり調製した。
1mol/L−NaOH水溶液17.5gと水100.1gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al2O3 53.5重量%含有、アルドリッチ社製)0.88gを加えて撹拌し溶解させ、透明溶液とした。これに有機テンプレートとして、N,N,N−トリメチル−1−アダ5マンタンアンモニウムヒドロキシド(TMADOH)水溶液(TMADAOH2重量%含有、セイケム社製)2.96gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)10.5gを加えて2時間撹拌し、水熱合成用混合物とした。
製造例1と同様にして合成した種結晶を1質量%で水に分散させたスラリーに、上記支持体を浸漬した後、製造例1と同様の条件で乾燥させて種結晶を付着させた。付着した種結晶の質量は2.1g/m2であった。
以下の試験例1〜22において、上記製造例1〜12で作製した無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体の分離性能を、パーベーパレーション法で測定した。
製造例1で得られたゼオライト膜複合体を用いて、70℃の水/酢酸混合溶液(50/50質量%)から、水を選択的に透過させる分離を行った。
製造例2で得られたゼオライト膜複合体を用いて、70℃の水/酢酸混合溶液(50/50質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
製造例2で得られたゼオライト膜複合体を用いて、80℃の水/酢酸混合溶液(50/50質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
製造例3で得られたゼオライト膜複合体を用いて、70℃の水/酢酸混合溶液(50/50質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
製造例4で得られたゼオライト膜複合体を用いて、70℃の水/2−プロパノール水溶液(30/70質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
製造例5で得られたゼオライト膜複合体を用いてパーベーパレーション法により70℃の水/酢酸混合溶液(50/50質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
製造例6で得られたゼオライト膜複合体を用いて、70℃の水/酢酸混合溶液(50/50質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。この例では、透過開始から約3時間で、透過流束、分離係数、透過液中の水の濃度が安定したので、3時間後の透過成績を示す。
製造例7で得られたゼオライト膜複合体を用いてパーベーパレーション法により70℃の水/酢酸混合溶液(50/50質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
製造例2と同様にして得られたゼオライト膜複合体を用いてパーベーパレーション法により70℃の水/2−プロパノール溶液(30/70質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
製造例2と同様にして得られたゼオライト膜複合体を用いて、50℃の水/2−プロパノール溶液(30/70質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
製造例2と同様にして得られたゼオライト膜複合体を用いて、50℃の水/テトラヒドロフラン溶液(50/50質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
製造例2と同様にして得られた膜複合体を用いて、40℃の水/アセトン溶液(50/50質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
製造例2と同様にして得られたゼオライト膜複合体を用いて、70℃の水/N−メチル−2−ピロリドン溶液(50/50質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
製造例2と同様にして得られたゼオライト膜複合体を用いて、70℃の水/エタノール溶液(86/14質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
製造例2と同様にして得られたゼオライト膜複合体を用いて、70℃の水/N−メチル−2−ピロリドン溶液(30/70質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
製造例2と同様にして得られたゼオライト膜複合体を用いて、有機酸を添加することによりpH4〜5に調整した70℃の水/N−メチル−2−ピロリドン溶液(30/70質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
製造例4で得られたゼオライト膜複合体を用いて、70℃の水/N−メチル−2−ピロリドン溶液(30/70質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
製造例8で得られたゼオライト膜複合体を用いて、パーベーパレーション法により70℃の水/酢酸混合溶液(50/50質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
製造例10で得られたゼオライト膜複合体をもちいてパーベーパレーション法により70℃の水/酢酸混合溶液(50/50重量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
製造例6と同様にして得られたゼオライト膜複合体を用いてパーベーパレーション法により70℃の水/2−プロパノール溶液(30/70質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
[比較例1]
無機多孔質支持体−MOR型ゼオライト膜複合体を、MOR型ゼオライトをムライトチューブ上に直接水熱合成することで作製し、70℃の水/酢酸混合溶液(50/50質量%)から水を選択的に透過させる分離評価を次のとおり行った。
水酸化ナトリウム(97.0質量%、純正化学社製)14.9gと水69.5gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al2O3 53.5質量%含有、Aldrich社製)1.09gを加えて撹拌し溶解させ、透明溶液とした。これにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)90.0gを加えて2時間撹拌し、水性反応混合物とした。
無機多孔質支持体−A型ゼオライト膜複合体を、特開平7−185275の実施例1(合成例1)の記載に準じて、無機多孔質支持体上に直接水熱合成することで作製し、70℃の水/2−プロパノール溶液(50/50質量%)から水を選択的に透過させる分離評価を、次のとおり行った。
2 湯浴
3 撹拌子
4 被分離液
5 無機多孔質支持体―ゼオライト膜複合体
6 ピラニゲージ
7 透過液捕集用トラップ
8 コールドトラップ
9 真空ポンプ
Claims (14)
- Si元素源、Al元素源、アルカリ源および有機テンプレートを含む水性反応混合物を用いて、水熱合成により、CHA型ゼオライトを有するゼオライト膜を多孔質支持体上に形成することにより多孔質支持体―ゼオライト膜複合体を製造する方法であって、アルカリ源が、少なくともカリウムを含むものであることを特徴とする多孔質支持体―ゼオライト膜複合体の製造方法。
- 水性反応混合物中のSi元素源とAl元素源の比が、Al元素の酸化物に対するSi元素の酸化物のモル比(SiO2/Al2O3モル比)として、5以上10000以下である、請求項1に記載の方法。
- 水性反応混合物中のSi元素源と有機テンプレートの比が、Si元素の酸化物に対する有機テンプレートのモル比(有機テンプレート/SiO2モル比)として、0.005以上1以下である、請求項1または2に記載の方法。
- 水性反応混合物中のSi元素源とアルカリ源の比が、Si元素の酸化物に対するM(2/n)O(Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を示し、nはその価数1または2を示す。)のモル比(M(2/n)O/SiO2モル比)として、0.02以上0.5以下である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
- 水性反応混合物中のアルカリ源とカリウムの比が、アルカリ源となる金属の全量に対するカリウムのモル比として、0.01以上1以下である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
- 有機テンプレートが、1−アダマンタンアミンから誘導されるカチオンである、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
- CHA型ゼオライトの種結晶を予め付着させた多孔質支持体を水熱合成に供する、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法により製造されたことを特徴とする多孔質支持体―ゼオライト膜複合体。
- 絶対圧5kPaの真空ラインに接続したときの空気透過量が1400L/(m2・h)以下である、請求項8に記載のゼオライト膜複合体。
- ゼオライト膜表面にX線を照射して得たX線回折パターンにおいて、2θ=17.9°付近のピーク強度が、2θ=20.8°付近のピーク強度の0.5倍以上である、請求項8又は9に記載のゼオライト膜複合体。
- ゼオライト膜表面にX線を照射して得たX線回折パターンにおいて、2θ=9.6°付近のピーク強度が、2θ=20.8°付近のピーク強度の4倍以上である、請求項8又は9に記載のゼオライト膜複合体。
- 多孔質支持体上に、CHA型ゼオライトを有するゼオライト膜が形成しされなる多孔質支持体―ゼオライト膜複合体であって、絶対圧5kPaの真空ラインに接続したときの空気透過量が1400L/(m2・h)以下であることを特徴とする多孔質支持体―ゼオライト膜複合体。
- 多孔質支持体上に、CHA型ゼオライトを有するゼオライト膜が形成されてなる多孔質支持体―ゼオライト膜複合体であって、ゼオライト膜複合体が下記(1)ないし(3)の少なくとも一つの性質を有するものであることを特徴とする多孔質支持体―ゼオライト膜複合体。
(1)含水率30質量%の2−プロパノールと水の混合物を、温度70℃、1気圧(1.01×105Pa)の圧力差で透過させた場合の透過流束が1kg/(m2・h)以上である。
(2)含水率30質量%の2−プロパノールと水の混合物を、温度70℃、1気圧(1.01×105Pa)の圧力差で透過させた場合の水のパーミエンスが3×10−7mol/(m2・s・Pa)以上である。
(3)含水率30質量%の2−プロパノールと水の混合物を、温度70℃、1気圧(1.01×105Pa)の圧力差で透過させた場合の分離係数が1000以上である。 - 請求項8ないし13のいずれか1項に記載の多孔質支持体―ゼオライト膜複合体に、有機化合物を含む気体または液体の混合物を接触させて、該混合物から、透過性の高い物質を透過させて分離することを特徴とする分離方法。
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