JP6191102B2 - 正浸透膜複合体 - Google Patents
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Description
正浸透分離に使用される膜は、膜が受ける種々のプロセス条件に耐えうることが要求されるが、従来の高分子正浸透膜は、酸や有機溶媒への耐久性や耐熱性、ファウリング除去の洗浄に使用される次亜塩素酸などの薬剤への耐久性、膜強度に課題があり、適用範囲が制限されていた。
本発明の正浸透膜を用いることにより、浸透圧の低い水溶液からの造水、含水有機物の濃縮、正浸透圧エネルギーを用いた発電を効率的に行うことが可能となる。
また、本発明の別の態様の正浸透膜は、酸素10員環以下のゼオライトを含有するものである。
本発明でいう正浸透膜とは、半透膜として機能し、実質的に選択分離性を有する活性、即ち分離活性層に相当する。本発明における正浸透膜は、この分離活性層に相当する部分のみで構成されるものであってもよく、必要に応じて分離活性層と支持層との複合体を形成していてもよい。支持層との複合体を形成することで、正浸透膜の機械的強度を向上させることができる。なお、本明細書において、「正浸透膜」とは「分離活性層」をさし、分離活性層と支持層との複合体を形成しているものを「正浸透膜複合体」と呼称することがある。
本発明において、正浸透膜は支持層と複合体を形成していてもかまわない。正浸透膜は通常、その厚さが薄いほど膜を透過する溶媒の透過量が多くなる傾向にある。支持層と複合体を形成することで、正浸透膜を薄くしても実用上必要な機械的強度を維持することができるため、高い透過量を実現する上で有利である。
<ゼオライト含有量>
本発明において、0.4質量%を超えるゼオライトを含有する正浸透膜とは、半透膜として機能し、実質的に選択分離性を有する活性な薄膜(分離活性層)部分に対し、0.4質量%を超えるゼオライトを含有する膜のことをいう。
0.4質量%を超えるゼオライトを含有する正浸透膜中のゼオライトの含有量は、この分離活性層部分に対し、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上、特に好ましくは15質量%以上、最も好ましくは20質量%以上である。
また、本発明において、酸素10員環以下の細孔構造を有するゼオライトを含有する正浸透膜のゼオライトの含有量は、分離活性層部分に対し、通常0.1質量%より大きく、好ましくは0.4質量%より大きく、より好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上、特に好ましくは15質量%以上、最も好ましくは20質量%以上である。
本発明の正浸透膜の厚さは特に限定されないが、通常0.001μm以上、好ましくは0.005μm以上、より好ましくは0.01μm以上、さらに好ましくは0.05μm以上であり、通常100μm以下、好ましくは60μm以下、より好ましくは20μm以下である。正浸透膜の膜厚が大きすぎると透過量が低下する傾向があり、小さすぎると選択性が低下する傾向がある。
正浸透膜が含有するゼオライトの粒子径は特に限定されないが、一般にゼオライトは粒子径が小さくなると結晶性が低下するために、耐酸性、耐水性などが低下する傾向にあり、これらのゼオライトを含有する正浸透膜の耐酸性、耐水性なども低下する傾向がある。それ故、正浸透膜中のゼオライトの粒子径は通常1nm以上、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、特に好ましくは50nm以上である。また、ゼオライトの粒子径の上限は正浸透膜の膜厚以下である。さらに、正浸透膜が実質的に全てゼオライトで構成されるゼオライト膜である場合には、ゼオライトの粒子径が膜の厚さと同じである場合がより好ましい。ゼオライトの粒子径がゼオライト膜の厚さと同じであると、ゼオライトの粒界が最も小さくなり、阻止率が高くなる。後に述べる水熱合成で得られたゼオライト膜は、ゼオライトの粒子径と膜の厚さが同じになる場合があるので特に好ましい。
本発明において、正浸透膜に含有されるゼオライトとしては、アルミノ珪酸塩であるものが好ましく、そのSiO2/Al2O3モル比は、通常5以上、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、さらに好ましくは12以上である。また上限は、通常10000以下、好ましくは8000以下、より好ましくは5000以下、さらに好ましくは2000以下である。
酸素10員環以下の細孔構造を有するゼオライトを含有する正浸透膜においても同様に、好ましくは酸素6〜10員環構造を有するもの、より好ましくは酸素6〜8員環構造を有するものが望ましい。
フレームワーク密度とは、ゼオライトの1000Å3あたりの、骨格を構成する酸素元素以外の元素(T元素)の数を意味し、この値はゼオライトの構造により決まる。なおフレームワーク密度とゼオライトとの構造の関係は、ATLAS OF ZEOLITE FRAMEWORK TYPES Fifth Revised Edition 2001 ELSEVIERに示されている。
また、X線回折パターンとは、ゼオライトが主として付着している側の表面にCuKαを線源とするX線を照射して、走査軸をθ/2θとして得るものである。測定するサンプルの形状としては、正浸透膜複合体のゼオライト膜側の表面にX線が照射できるような形状であればどのようなものであってもよく、正浸透膜複合体の特徴をよく表すものとして、作製した正浸透膜複合体そのままのもの、あるいは正浸透膜複合体を装置によって制約される適切な大きさに切断したものが好ましい。
X線回折パターンは、正浸透膜複合体の表面が曲面である場合には自動可変スリットを用いて照射幅を固定して測定してもかまわない。自動可変スリットを用いた場合のX線回折パターンとは、可変→固定スリット補正を実施したパターンを指す。
2θ=20.8°付近のピークとは、支持層に由来しないピークのうち20.8°±0.6°の範囲に存在するピークで最大のものを指す。
2θ=9.6°付近のピークとは、支持層に由来しないピークのうち9.6°±0.6°の範囲に存在するピークのうち最大のものを指す。
即ち、2θ=17.9°付近のピークは(1,1,1)面に由来するピーク、2θ=20.8°付近のピークは、(2,0,−1)面に由来するピーク、2θ=9.6°付近のピークは、(1,0,0)面に由来するピークである。
この比が2以上であるということは、例えば、CHA構造をrhombohedral settingとした場合の(1,0,0)面が正浸透膜複合体の表面と平行に近い向きになるようにゼオライト結晶が配向して成長していることを意味すると考えられる。正浸透膜複合体においてゼオライト結晶が配向して成長することは阻止率の高い緻密な膜が出来るという点で有利である。
この比が0.5以上であるということは、例えば、CHA構造をrhombohedral settingとした場合の(1,1,1)面が正浸透膜複合体の表面と平行に近い向きになるようにゼオライト結晶が配向して成長していることを意味すると考えられる。正浸透膜複合体においてゼオライト結晶が配向して成長することは阻止率の高い緻密な膜が出来るという点で有利である。
本発明の正浸透膜または正浸透膜複合体の空気透過量は、通常1400L/(m2・h)以下、好ましくは1000L/(m2・h)以下、より好ましくは700L/(m2・h)以下、より好ましくは600L/(m2・h)以下、さらに好ましくは500L/(m2・h)以下、特に好ましくは300L/(m2・h)以下、最も好ましくは200L/(m2・h)以下である。空気透過量の下限は特に限定されないが、通常0L/(m2・h)以上、好ましくは0.01L/(m2・h)以上、より好ましくは0.1L/(m2・h)以上、より好ましくは1L/(m2・h)以上である。
本発明の正浸透膜の分離機能の一つは、分子ふるいとしての分離であり、用いるゼオライトの有効細孔径以上の大きさを有する分子とそれ以下の分子とを好適に分離することができる。なお、分離に供される分子の大きさに上限はないが、正浸透膜の分離対象となる分子の大きさは、通常100Å程度以下である。
本発明において、正浸透膜および正浸透膜複合体の製造方法は特に限定されないが、正浸透膜が実質的に全てゼオライトで構成される無機多孔質支持層−ゼオライト膜複合体(以下、「ゼオライト膜複合体」と呼ぶことがある。)の場合には、例えば、水熱合成用の反応混合物(以下、これを「水性反応混合物」ということがある。)中に無機多孔質支持層となる多孔質支持体を入れて(浸漬して)直接水熱合成することで、多孔質支持体上にゼオライトを膜状に固着させ、好ましくは結晶化させることにより、正浸透膜複合体を製造する方法が好ましい。
アルカリの種類も特に限定されず、通常、Na、K、Li、Rb、Cs、Ca、Mg、Sr、Baなどが用いられる。これらの中で、Na、Kが好ましく、Kがより好ましい。また、アルカリは2種類以上を併用してもよく、具体的には、NaとKを併用するのが好ましい。
また、このカチオンが伴うアニオンは上記と同様である。
水性反応混合物のSiO2/Al2O3比は特に限定されないが、通常5以上、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは15以上であり、通常10000以下、好ましくは1000以下、より好ましくは500以下、更に好ましくは300以下、特に好ましくは100以下である。
特に、SiO2/Al2O3比がこの範囲にあるとき、緻密な膜を形成しうるCHA型ゼオライトを結晶化させることができる。また、膜が水を選択的に透過するのに十分な親水性を有するCHA型ゼオライトが生成し得るほか、耐酸性に優れたCHA型ゼオライトが得られる。
また、水性反応混合物中へのKの添加は、前述のピーク強度比A、Bを大きくする傾向があり、好ましい。
水の量は緻密なゼオライト膜の生成において特に重要であり、粉末合成法の一般的な条件よりも水がシリカに対して多い条件のほうが緻密な膜ができやすい傾向にある。
一般的に、粉末のCHA型ゼオライトを合成する際の水の量は、H2O/SiO2モル比で15〜50程度である。これに対して、H2O/SiO2モル比が高い(50を超え1000以下)、すなわち水が多い条件にすることにより、多孔質支持体上にCHA型ゼオライトが緻密な膜状に結晶化した分離性能の高いゼオライト膜複合体を得ることができる。
本発明の造水方法は、本発明の正浸透膜あるいは正浸透膜複合体を膜分離手段として用いるものである。以下、本発明の正浸透膜あるいは正浸透膜複合体を「正浸透膜(複合体)」と称す。
本発明の含水有機物の濃縮方法は、本発明の正浸透膜(複合体)を膜分離手段として用いるものである。
本発明の発電方法は、本発明の正浸透膜(複合体)を、正浸透エネルギーを取り出す手段として用いるものである。
以下の実施例において、正浸透膜複合体の物性や分離性能等の測定は、特に明記しない限り次のとおり行った。
ゼオライト膜のXRD測定を、以下の条件で行った。
・装置名:オランダPANalytical社製X’PertPro MPD
・光学系仕様 入射側:封入式X線管球(CuKα)
Soller Slit (0.04rad)
Divergence Slit (Valiable Slit)
試料台:XYZステージ
受光側:半導体アレイ検出器(X’ Celerator)
Ni−filter
Soller Slit (0.04rad)
ゴニオメーター半径:240mm
・測定条件 X線出力(CuKα):45kV、40mA
走査軸:θ/2θ
走査範囲(2θ):5.0−70.0°
測定モード:Continuous
読込幅:0.05°
計数時間:99.7sec
自動可変スリット(Automatic−DS):1mm(照射幅)
横発散マスク:10mm(照射幅)
また、照射幅を自動可変スリットによって1mmに固定して測定し、Materials Data, Inc.のXRD解析ソフトJADE 7.5.2(日本語版)を用いて可変スリット→固定スリット変換を行ってXRDパターンを得た。
ゼオライト膜複合体の一端を封止し、他端を、密閉状態で5kPaの真空ラインに接続して、真空ラインとゼオライト膜複合体の間に設置したマスフローメーターで空気の流量を測定し、空気透過量[L/(m2・h)]とした。マスフローメーターとしてはKOFLOC社製8300、N2ガス用、最大流量500ml/min(20℃、1気圧換算)を用いた。KOFLOC社製8300においてマスフローメーターの表示が10ml/min(20℃、1気圧換算)以下であるときは、Lintec社製MM−2100M、Airガス用、最大流量20ml/min(0℃、1気圧換算)を用いて空気の流量を測定した。
ゼオライト膜のSEM測定は、以下の条件で行った。
・装置名:SEM:FE−SEM Hitachi:S−4100
・加速電圧:10kV
ゼオライト膜のSEM−EDX測定は、以下の条件で行った。
・装置名:SEM:FE−SEM Hitachi:S−4800
EDX:EDAX Genesis
・加速電圧:10kV
倍率5000倍での視野全面(25μm×18μm)を走査してX線定量分析を行った。
評価前後の供給溶液、取り出し側溶液中のイオン濃度の測定は以下の条件で行った。
試料を適切な濃度に希釈し、測定対象イオン毎に次のイオンクロマト装置を用いて測定した。
陽イオンの測定:Dionex社製 イオンクロマト分析装置 DX500i型
陰イオンの測定:Dionex社製 イオンクロマト分析装置 ICS−2100型
正浸透膜の分離性能の評価に用いた装置の概略図を図1に示す。
図1において、管状の正浸透膜複合体1はエンドピン2によって一端が封止され、正浸透膜複合体1の他端は十分な長さのシリコンチューブ3に接続されている。この正浸透膜複合体1を供給溶液4を入れた容器10内にエンドピン2側を下にして直立させて挿入し、正浸透膜複合体1およびシリコンチューブ3の内側に取り出し側溶液5を入れた。この状態で一定時間室温で放置し、一定時間経過後、シリコンチューブ3内の取り出し側溶液5の液面5Aの上昇量から液透過量を算出した。
さらに、一定時間経過後の正浸透膜複合体1およびシリコンチューブ3の内側の溶液と、正浸透膜複合体1の外側の溶液を回収し、それぞれの回収液中の溶質イオンの濃度をイオンクロマト装置により測定し、正浸透膜に接触させる前の供給溶液中および取り出し側溶液中の溶質のイオン濃度と、回収液中の溶質イオン濃度から溶質の阻止率を算出した。
<正浸透膜複合体の作製>
以下の方法で、CHA型ゼオライトを無機多孔質支持体上に直接水熱合成することにより、実質的にCHA型ゼオライト膜のみで構成される正浸透膜が無機多孔質支持体上に形成されたCHA型ゼオライト正浸透膜複合体を作製した。
水熱合成用の水性反応混合物として、以下のものを調製した。
1mol/L−NaOH水溶液10.5gと1mol/L−KOH水溶液7.0gと水100.5gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al2O3 53.5質量%含有、アルドリッチ社製)0.88gを加えて撹拌し溶解させ、透明溶液とした。これに有機テンプレートとして、N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウムヒドロキシド(以下これを「TMADAOH」という。)水溶液(TMADAOH25質量%含有、セイケム社製)2.36gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)10.5gを加えて2時間撹拌し、水性反応混合物とした。
この水性反応混合物の組成(モル比)は、SiO2/Al2O3/NaOH/KOH/H2O/TMADAOH=1/0.066/0.15/0.1/100/0.04、SiO2/Al2O3=15である。
この種結晶を0.3質量%水中に分散させた分散液に、上記支持体を所定時間浸漬した後、100℃で5時間乾燥させて、種結晶を付着させた。付着した種結晶の質量は0.6g/m2であった。
焼成後のゼオライト膜複合体の空気透過量は50L/(m2・h)であった。
SEM−EDXにより測定した、ゼオライト膜のSiO2/Al2O3モル比は17であった。
阻止率=(1−Cp/Cf)×100
以下の方法で、MFI型ゼオライトを無機多孔質支持体上に直接水熱合成することにより、実質的にMFI型ゼオライト膜のみで構成される正浸透膜が無機多孔質支持体上に形成されたMFI型ゼオライト正浸透膜複合体を作製した。
コロイダルシリカ(アルドリッチ社製 HS−40)7.2g、水114.3gと有機テンプレートとして、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(以下これを「TPAOH」という。)水溶液(TPAOH40質量%含有、セイケム社製)を4.2g混合し、1時間撹拌して溶解させ、透明な水性反応混合物とした。
この種結晶を1質量%水中に分散させた分散液に、上記支持体を所定時間浸漬した後、100℃で5時間乾燥させて、種結晶を付着させた。付着した種結晶の質量は4.6g/m2であった。
焼成後のゼオライト膜複合体の空気透過量は550L/(m2・h)であった。
ゼオライト膜のSiO2/Al2O3モル比をSEM−EDXにより測定しようとしたが、出発原料の水性反応混合物にAl2O3が含まれないために、ゼオライト膜のSiO2/Al2O3モル比も非常に高くなることから、正確な値が得られなかった。ゼオライト膜のSEM−EDXでは通常、SiO2/Al2O3モル比の測定限界値が100程度と考えられるため、少なくともこのゼオライト膜のSiO2/Al2O3モル比は100以上であると推測される。
MFI型ゼオライト正浸透膜複合体を透過した水の平均した透過流束は0.068L/(m2・h)であった。
透過実験開始時の供給溶液および取り出し側溶液のイオン濃度と透過実験終了時の供給溶液および取り出し側溶液のイオン濃度をイオンクロマト装置で測定した結果、下記表2に示す通りであった。
以下の方法で、MOR型ゼオライトを無機多孔質支持体上に直接水熱合成することにより、実質的にMOR型ゼオライト膜のみで構成される正浸透膜が無機多孔質支持体上に形成されたMOR型ゼオライト正浸透膜複合体を作製した。
NaOH(97.0質量%、純正化学社製)6.5gと水酸化アルミニウム(Al2O3 53.5質量%含有、アルドリッチ社製)0.23gと水113gを混合、撹拌したものに、コロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)43.5gを加えて2時間撹拌し、水性反応混合物とした。
この種結晶を1質量%水中に分散させた分散液に、上記支持体を所定時間浸漬した後、100℃で5時間乾燥させて、種結晶を付着させた。付着した種結晶の質量は0.6g/m2であった。
乾燥後のゼオライト膜複合体の空気透過量は0L/(m2・h)であった。
MOR型ゼオライト正浸透膜複合体を透過した水の平均した透過流束は0.029L/(m2・h)であった。
透過実験開始時の供給溶液および取り出し側溶液のイオン濃度と透過実験終了時の供給溶液および取り出し側溶液のイオン濃度をイオンクロマト装置で測定した結果、下記表3に示す通りであった。
また、実施例1,2,3の比較から、酸素12員環、酸素10員環、酸素8員環を含む正浸透膜の順で溶質のイオンの阻止率が向上し、また、透過流束も増加することから、正浸透膜に含有されるゼオライトとしては酸素12員環よりも酸素10員環、酸素8員環のゼオライトが好適であり、酸素10員環ゼオライトよりも酸素8員環ゼオライトが好適であることが分かる。
2 エンドピン
3 シリコンチューブ
4 供給溶液
5 取り出し側溶液
Claims (9)
- 90質量%以上の、SiO2/Al2O3モル比が5以上のゼオライトを含有し、厚さが100μm以下である正浸透膜を無機多孔質支持層上に有する、正浸透膜複合体。
- 前記ゼオライトが、酸素10員環以下の細孔構造を有するゼオライトを含有することを特徴とする請求項1に記載の正浸透膜複合体。
- 前記ゼオライトが、酸素8員環以下の細孔構造を有するゼオライトを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の正浸透膜複合体。
- 前記ゼオライトのうち少なくとも一種類のゼオライトがCHA型ゼオライトであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の正浸透膜複合体。
- 前記ゼオライトのSiO2/Al2O3モル比が10000以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の正浸透膜複合体。
- 前記ゼオライトのフレームワーク密度(T/1000Å3)が17以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の正浸透膜複合体。
- 浸透圧の異なる2種類の水溶液(以下、この2種類の水溶液のうち、浸透圧の低い方の水溶液を「低浸透圧水溶液」と称し、浸透圧の高い方の水溶液を「高浸透圧水溶液」と称す。)を請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の正浸透膜複合体を介して接触させ、低浸透圧水溶液から高浸透圧水溶液に水を浸透させた後、該高浸透圧水溶液から水を回収することを特徴とする造水方法。
- 含水有機物と、該含水有機物より浸透圧の高い水溶液を、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の正浸透膜複合体を介して接触させ、該含水有機物から該浸透圧の高い水溶液に水を浸透させることにより、該含水有機物を濃縮することを特徴とする含水有機物の濃縮方法。
- 浸透圧の異なる2種類の溶液(以下、この2種類の溶液のうち、浸透圧の低い方の溶液を「低浸透圧溶液」と称し、浸透圧の高い方の溶液を「高浸透圧溶液」と称す。)を、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の正浸透膜複合体を介して接触させ、低浸透圧溶液から高浸透圧溶液に溶媒を浸透させ、その際の正浸透圧エネルギーを用いて発電機を駆動させることを特徴とする発電方法。
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WO2023276483A1 (ja) | 2021-06-28 | 2023-01-05 | 旭化成株式会社 | 正浸透膜、及びそれを含む正浸透膜モジュール |
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