JP4166464B2 - 海水淡水化装置付き浸透圧発電システム - Google Patents

海水淡水化装置付き浸透圧発電システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、海水淡水化装置で逆浸透圧を利用して海水を淡水化する際に同時に生成された濃縮海水が有する正浸透圧エネルギーを利用して発電する海水淡水化装置付き浸透圧発電システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、逆浸透圧を利用して海水を淡水化する海水淡水化装置が実用化されている。逆浸透圧を利用する海水淡水化装置では、海水を高圧で半透膜内部に送り込み、半透膜の表面から淡水を抽出するシステムになっており、淡水が抽出された濃縮海水は塩分濃度が通常の海水に比べて2倍程度に濃くなる。
ところで、半透膜を通じて海水から淡水を抽出する際には、海水を高圧にするための圧力エネルギーが必要となり、いわゆる逆浸透圧エネルギーが消費されることになる。これに対して、淡水抽出時に同時に生成された濃縮海水にこれよりも濃度の薄い海水や淡水を半透膜を介して接すると、濃度の薄い海水や淡水から正浸透圧により水分が濃縮海水側に移動する。つまり、逆浸透圧エネルギーが消費されて淡水が抽出された濃縮海水はこれより薄い海水や淡水に対して正浸透圧エネルギーを有すると考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の逆浸透圧を利用した海水淡水化装置においては、半透膜を通じて海水から淡水を抽出する際に同時に生成された濃縮海水は、これより薄い海水や淡水に対して正浸透圧エネルギーを有するにも係ず、何ら利用されることなく、廃棄されている。
また、廃棄される濃縮海水は、通常、海に排出されるが、海水の塩分濃度の2倍程あるため、そのまま海に排出すると、排出される付近の海水濃度が高まって生態系に悪影響を与える恐れがある。このため、廃棄される濃縮海水に例えば未浄化の淡水や下水用の淡水などを混合してその塩分濃度を下げて海に排出する必要があった。
【0004】
この発明は、上記のような課題に鑑み、その課題を解決すべく創案されたものであって、その目的とするところは、逆浸透圧を利用して海水を淡水化する海水淡水化装置で海水から淡水を抽出する際に同時に生成された濃縮海水が有する正浸透圧エネルギーを利用して発電すると共に、濃縮海水の塩分濃度を下げて海に排出することのできる海水淡水化装置付き浸透圧発電システムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために、請求項1の発明は、海水淡水化装置で逆浸透圧を利用して海水を淡水化する際に同時に生成された濃縮海水に、これよりも濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を半透膜を介して浸透させ、その正浸透圧エネルギーで濃縮海水側の流量を増加させ、増加した流量で水流発電機を駆動させて発電する海水淡水化装置付き浸透圧発電システムであって、逆浸透圧を利用して海水を淡水化する海水淡水化装置から海水を淡水化する際に同時に生成された濃縮海水を浸透圧発電装置に排水する濃縮海水排水管を配設し、海水淡水化装置から排水される濃縮海水の正浸透圧エネルギーを利用して発電する浸透圧発電装置を設置すると共に、当該浸透圧発電装置を、内部が半透膜で高濃度側と低濃度側に二分される発電用半透膜透過器と、上流側が上記濃縮海水排水管側に接続され下流側が上記発電用半透膜透過器の高濃度側に接続される濃縮海水導入管と、上記発電用半透膜透過器の高濃度側に上流側が接続され発電用水を送水する発電用水送水管と、該発電用水送水管に接続され送水される発電用水で発電する水流発電機と、濃縮海水よりも濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水の水源に上流側が接続され上記発電用半透膜透過器の低濃度側に下流側が接続される希釈水導入管と、から少なくとも構成すると共に、上記発電用半透膜透過器の低濃度側に希釈水排水管の上流側を接続し、当該希釈水排水管の下流側を濃縮海水よりも濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水の水源に接続し、濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を循環させることによって、上記発電用半透膜透過器の低濃度側の半透膜の表面を循環する希釈水によって常時洗浄させ、半透膜の表面に不透過膜が形成されるのを回避する手段よりなるものである。
【0007】
ここで、請求項の発明の好ましい態様として、濃縮海水排水管の途中には水流発電機が設けられ、濃縮海水排水管の下流側と濃縮海水導入管の上流側との接続箇所には濃縮海水貯留タンクが設けられ、濃縮海水導入管の途中には浸透圧発電用ポンプが設けられているのがよい。また、濃縮海水排水管の下流側と濃縮海水導入管の上流側との接続箇所には減圧弁が設けられていてもよい。さらに、希釈水導入管の途中には、送水ポンプが設けられているのがよい。
【0008】
また、請求項の発明は、海水淡水化装置で逆浸透圧を利用して海水を淡水化する際に同時に生成された濃縮海水に、これよりも濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を半透膜を介して浸透させ、その正浸透圧エネルギーで濃縮海水側の流量を増加させ、増加した流量で水流発電機を駆動させて発電する海水淡水化装置付き浸透圧発電システムであって、内部が半透膜で高濃度側と低濃度側に二分され且つ使用状態により淡水化用半透膜透過器と発電用半透膜透過器とに切り替わる淡水化兼発電用半透膜透過器を少なくとも2基以上設置し、海水中から海水を供給する海水導入管の下流側を淡水化兼発電用半透膜透過器の個数分だけ分岐し、海水導入管の分岐した端部に海水導入開閉弁をそれぞれ設け、海水導入管の分岐する下流側を海水導入開閉弁を介して各淡水化兼発電用半透膜透過器の高濃度側と連通し、海水導入管の上流側に逆浸透圧用高圧ポンプを設け、高濃度側で濃縮された濃縮海水を高濃度側から排出する濃縮海水排水管の上流側を淡水化兼発電用半透膜透過器の個数分だけ分岐し、濃縮海水排水管の分岐した端部に濃縮海水排水開閉弁をそれぞれ設け、濃縮海水排水管の分岐する上流側を濃縮海水排水開閉弁を介して各淡水化兼発電用半透膜透過器の高濃度側と連通し、濃縮海水排水管の下流側を濃縮海水貯留タンクに接続し、濃縮海水貯留タンクに上流側が接続され濃縮海水を供給する濃縮海水導入管の下流側を淡水化兼発電用半透膜透過器の個数分だけ分岐し、濃縮海水導入管の分岐した端部に濃縮海水導入開閉弁をそれぞれ設け、濃縮海水導入管の分岐する下流側を濃縮海水導入開閉弁を介して各淡水化兼発電用半透膜透過器の高濃度側と連通し、濃縮海水導入管の上流側に浸透圧用ポンプを設け、高濃度側で正浸透圧により流量が増加した発電用水を高濃度側から排出する発電用水送水管の上流側を淡水化兼発電用半透膜透過器の個数分だけ分岐し、発電用水送水管の分岐した端部に発電用水開閉弁をそれぞれ設け、発電用水送水管の分岐する上流側を発電用水開閉弁を介して各淡水化兼発電用半透膜透過器の高濃度側と連通し、発電用水送水管の下流側に水流発電機を設け、各淡水化兼発電用半透膜透過器の低濃度側に淡水排水開閉弁を介して淡水排水管の上流側を連通し、濃縮海水より濃度が薄い海水又は淡水などの希釈水の水源に上流側が接続され希釈水を供給する希釈水導入管の下流側を淡水化兼発電用半透膜透過器の個数分だけ分岐し、希釈水導入管の分岐した端部に希釈水導入開閉弁をそれぞれ設け、希釈水導入管の分岐する下流側を希釈水導入開閉弁を介して各淡水化兼発電用半透膜透過器の低濃度側と連通し、希釈水導入管の上流側に希釈水送水ポンプを設け、各淡水化兼発電用半透膜透過器の低濃度側に希釈水排水開閉弁を介して希釈水排水管の上流側を連通し、当該希釈水排水管の下流側を濃縮海水よりも濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水の水源に接続し、濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を循環させることによって、淡水化兼発電用半透膜透過器の低濃度側の半透膜の表面を循環する希釈水によって常時洗浄させ、半透膜の表面に不透過膜が形成されるのを回避する手段よりなるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に記載の発明の実施の形態に基づいて、この発明をより具体的に説明する。
【0011】
〔実施の形態−1〕
ここで、図1は海水淡水化装置付き浸透圧発電システムの構成図である。
【0012】
図において、海水淡水化装置付き浸透圧発電システム1は、海水淡水化装置2と浸透圧発電装置3から主に構成され、海水淡水化装置2で海水を淡水化する際に同時に生成される濃縮海水が有する正浸透圧エネルギーを利用して浸透圧発電装置3で発電するシステムである。
【0013】
海水淡水化装置2は、逆浸透圧を利用して海水を淡水化する装置で、淡水化用半透膜透過器21、海水導入管22、逆浸透圧用高圧ポンプ23、淡水排水管24、濃縮海水排水管25などから構成されている。
【0014】
淡水化用半透膜透過器21は、その内部が半透膜21aにより高濃度側21bと低濃度側21cとに二分されている。高濃度側21bは海水が送り込まれる側であり、低濃度側21cは海水中から逆浸透圧によって淡水が抽出される側である。
【0015】
即ち、淡水化用半透膜透過器21の高濃度側21bに送られてきた海水は、高圧による逆浸透圧によって海水中の淡水が半透膜21aを透過して低濃度側21cに抽出されるようになっている。海水から抽出された淡水は上水などに使用される。
【0016】
海水導入管22は、淡水化用半透膜透過器21で淡水化される海水を海水中から高濃度側21bに供給する流路であり、その上流側は綺麗な海の海水中に入れられており、又その下流側は淡水化用半透膜透過器21の高濃度側21bに接続されている。海水導入管22の上流側には図示しない例えばフィルターや濾過器などが取り付けられていて、海水をくみ上げる際に不純物が入り込むのを防いでいる。
【0017】
逆浸透圧用高圧ポンプ23は、海水をくみ上げて淡水化用半透膜透過器21の高濃度側21bに所定の高圧例えば60気圧で送り込んで、高濃度側21bに逆浸透圧を生じさせる高圧を作り出すポンプで、海水導入管22の途中に設けられている。
【0018】
淡水排水管24は、淡水化用半透膜透過器21の低濃度側21cに逆浸透圧により抽出された淡水を低濃度側21cから排出する流路で、その上流側は淡水化用半透膜透過器21の低濃度側21cに接続されている。淡水排水管24の下流側は図示しない例えば淡水貯留タンクなどに接続される。
【0019】
濃縮海水排水管25は、淡水化用半透膜透過器21の高濃度側21bで逆浸透圧により淡水が抽出されて塩分濃度が高くなった濃縮海水を排出する流路で、その上流側は淡水化用半透膜透過器21の高濃度側21bに接続されている。
【0020】
濃縮海水排水管25の下流側は浸透圧発電装置3の発電用半透膜透過器31の高濃度側31bに接続されていて、海水淡水化装置2で海水を淡水化する際に同時に生成された濃縮海水は、この濃縮海水排水管25を流下して浸透圧発電装置3の発電用半透膜透過器31の高濃度側31bに供給される。
【0021】
また、濃縮海水排水管25の途中には水流発電機26が設置されている。水流発電機26は、濃縮海水排水管25を流下する濃縮海水の水圧を利用して発電するもので、例えばタービン発電機が使用される。
【0022】
濃縮海水排水管25を流下する濃縮海水は逆浸透圧を生じさせるために高圧になっていて圧力エネルギーを有しており、圧力エネルギーを有する濃縮海水は水流発電機26を通過する際にタービンを駆動させて発電させ、その圧力エネルギーは電力エネルギーに変換されて有効利用される。
【0023】
濃縮海水排水管25の下流側には濃縮海水貯留タンク27が設置されている。濃縮海水貯留タンク27は圧力エネルギーが電力に変換されて水圧が消失した濃縮海水を一時的に貯留するタンクであり、濃縮海水排水管25を流下した濃縮海水はこの濃縮海水貯留タンク27に一時的に貯留された後、濃縮海水導入管32を流下して次の浸透圧発電装置3に送られる。
【0024】
浸透圧発電装置3は、海水淡水化装置2で海水を淡水化する際に同時に生成される濃縮海水が有する正浸透圧エネルギーを利用して発電する装置で、発電用半透膜透過器31、濃縮海水導入管32、浸透圧用ポンプ33、発電用水送水管34、水流発電機35、希釈水導入管36、希釈水貯留タンク37、希釈水排水管38、希釈水送水ポンプ39などから構成されている。
【0025】
発電用半透膜透過器31は、その内部が半透膜31aにより高濃度側31bと低濃度側31cとに二分されている。高濃度側31bは正浸透圧エネルギーを有する濃縮海水が送り込まれる側であり、低濃度側31cは濃縮海水よりも濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水が送り込まれる側である。
【0026】
即ち、発電用半透膜透過器31の低濃度側31cに送り込まれた濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水中の水分は、高濃度側31bの濃縮海水が有する正浸透圧エネルギーによって吸引されて半透膜31aを透過して、高濃度側31bに流入して高濃度側31bの流量を例えば2倍程に増加させる。低濃度側31cの水分が多量に流入することで、高濃度側31bの濃縮海水の塩分濃度は例えば半分程度まで低下する。
【0027】
濃縮海水導入管32は、濃縮海水貯留タンク27に一時的に貯留された濃縮海水を発電用半透膜透過器31の高濃度側31bに供給する流路であり、その上流側は濃縮海水貯留タンク27に接続されており、又その下流側は発電用半透膜透過器31の高濃度側31bに接続されている。
【0028】
浸透圧用ポンプ33は、上記濃縮海水貯留タンク27に一時的に貯留された濃縮海水を発電用半透膜透過器31の高濃度側31bに所定の圧力例えば30気圧で送り込むポンプで、濃縮海水導入管32の途中に設けられている。
【0029】
発電用水送水管34は、発電用半透膜透過器31の高濃度側31bで濃縮海水の正浸透圧によって低濃度側31cより吸引されて流入して流量が例えば2倍程に増加した発電用水を水流発電に供給する流路で、その上流側は発電用半透膜透過器31の高濃度側31bに接続されている。発電用水送水管34の途中には水流発電機35が設置されている。
【0030】
水流発電機35は、発電用水送水管34を流下する発電用水の水圧を利用して発電するもので、例えばタービン発電機が使用される。発電用水送水管34を流下する発電用水は濃縮海水の有する正浸透圧エネルギーによって濃縮海水導入管32を流下する濃縮海水の流量の例えば2倍程に増加しており、流量が増加した発電用水は水流発電機35を通過する際にタービンを駆動させて発電させ、その正浸透圧エネルギーは電力エネルギーに変換されて有効利用される。
【0031】
希釈水導入管36は、発電用半透膜透過器31の低濃度側31cに濃縮海水よりも濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を送り込む流路で、その下流側は発電用半透膜透過器31の低濃度側31cに接続されている。希釈水導入管36の上流側は、濃縮海水よりも濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水の水源としての例えば希釈水貯留タンク37に接続されている。
【0032】
水源としての例えば希釈水貯留タンク37は、濃縮海水よりも濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を一時的に貯留するタンクで、希釈水貯留タンク37に一時的に貯留される淡水には、例えば下水処理水や河川水など飲み水に利用できない淡水が使用される。また、希釈水貯留タンク37に一時的に貯留される濃度の薄い海水には付近の海の水が使用される。
【0033】
希釈水排水管38は、発電用半透膜透過器31の低濃度側31cに送り込まれ水分が一部吸収された濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を排出して循環する流路で、低濃度側31cの半透膜31aの膜表面を逆洗浄する場合には省略される。希釈水排水管38の上流側は発電用半透膜透過器31の低濃度側31cに接続され、下流側は水源としての希釈水貯留タンク37に接続されている。なお、希釈水として海水が使用される場合、希釈水排水管38の下流側を希釈水貯留タンク37に接続せずに、そのまま海に放流するようにしてもよい。
【0034】
発電用半透膜透過器31の低濃度側31cと水源の希釈水貯留タンク37との間に、希釈水導入管36と希釈水排水管38とを配管して、濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を循環させることによって、発電用半透膜透過器31の低濃度側31cの半透膜31aの表面を循環する希釈水によって常時洗浄させ、半透膜31aの表面に不透過膜が形成されるのを回避できるようになっている。
【0035】
希釈水送水ポンプ39は、上記希釈水貯留タンク37に一時的に貯留された濃縮海水より濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を発電用半透膜透過器31の低濃度側31cに所定の圧力で送り込むポンプで、希釈水導入管36の途中に設けられている。
【0036】
次に、上記発明の実施の形態の構成に基づく作用について以下説明する。
海水淡水化装置2の稼動により、綺麗な海水中から汲み上げられた海水は、海水導入管22を流下し、海水導入管22の途中に設けられた逆浸透圧用高圧ポンプ23によって、淡水化用半透膜透過器21で逆浸透圧が生じる所定の圧力例えば60気圧に高められて、淡水化用半透膜透過器21の高濃度側21bに送り込まれる。
【0037】
高濃度側21bに送り込まれた海水は、逆浸透圧によって海水中から淡水の一部が半透膜21aを透過して低濃度側21cに押し出される。逆浸透圧によって淡水の一部が押し出された海水は、塩分濃度が通常海水の例えば2倍程度に高くなり濃縮海水になる。
【0038】
逆浸透圧によって半透膜21aを透過して低濃度側21cに押し出された淡水は、低濃度側21cから淡水排水管24に排出され、淡水排水管24を下流側に向かって流下し、図示しない例えば淡水貯留タンクなどに一時的に貯留された後に、飲み水などに使用される。
【0039】
また、塩分濃度が高くなった濃縮海水は、高濃度側21bから濃縮海水排水管25に排出され、濃縮海水排水管25を下流側に向かって流下する。濃縮海水排水管25を流下する濃縮海水は、逆浸透圧用高圧ポンプ23によって高圧になっていて、圧力エネルギーを有している。
【0040】
一方、濃縮海水が流下する濃縮海水排水管25の途中には水流発電機26が設けられており、高圧の濃縮海水は水流発電機26のタービンをその水圧によって回転させて、濃縮海水が有する圧力エネルギーは電力エネルギーに変換されて消失して濃縮海水排水管25の下流側に流下し、濃縮海水排水管25の下流側に設置された濃縮海水貯留タンク27内に流入して一時的に貯留される。
【0041】
浸透圧発電装置3を稼動すると、浸透圧用ポンプ33により濃縮海水貯留タンク27に一時的に貯留されていた濃縮海水は、濃縮海水導入管32内を圧送されて発電用半透膜透過器31の高濃度側31bに送り込まれる。
【0042】
このとき、希釈水送水ポンプ39も作動しており、希釈水送水ポンプ39により希釈水貯留タンク37に一時的に貯留されている濃縮海水より濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水は、希釈水導入管36内を圧送されて発電用半透膜透過器31の低濃度側31c側に送り込まれる。
【0043】
このように、発電用半透膜透過器31内では、半透膜31aを挟んで高濃度側31bには濃縮海水が流入しており、また低濃度側31cには濃縮海水より濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水が流入している。
【0044】
このため、発電用半透膜透過器31内では、低濃度側31cの濃縮海水より濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水の水分の一部は、高濃度側31bの濃縮海水が有する正浸透圧エネルギーによって吸引されて半透膜31aを透過して、高濃度側31bに流入して高濃度側31bの流量を例えば2倍程に増加させる。低濃度側31cの水分が多量に流入することで、高濃度側31bの濃縮海水の塩分濃度は例えば半分程度まで低下する。
【0045】
そして、発電用半透膜透過器31の高濃度側31bでは、高濃度側31bの濃縮海水が有する正浸透圧エネルギーによって低濃度側31cから水分を吸引して流量が例えば2倍程に増加する一方で塩分濃度が低下して濃縮海水から発電用水に代わり、発電用水送水管34に排出される。
【0046】
流量が増加して発電用水送水管34に排出された発電用水は、発電用水送水管34内を流下する途中で、発電用水送水管34の途中に設けられた水流発電機35のタービンを増加した流量によって回転させて発電させる。このように、濃縮海水が有する正浸透圧エネルギーは電力エネルギーに変換されて有効活用されることになる。
【0047】
水流発電機35を発電させた発電用水は、発電用水送水管34の下流側から海などに放出されるが、塩分濃度が低下しているため、そのまま海に放出しても生態系に悪影響を及ぼすこともない。
【0048】
また、発電用半透膜透過器31の低濃度側31cに希釈水導入管36を通じて送り込まれた濃縮海水より濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水は、水分の一部が高濃度側31bに吸引されて塩分濃度が少し高くなって希釈水排水管38から排出され、希釈水排水管38の下流側の希釈水貯留タンク37に循環排出される。
【0049】
ところで、濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水に含まれる微小な浮遊物などによって低濃度側31cの半透膜31aの表面には不透過膜が形成され、この不透過膜によって低濃度側31cから高濃度側31bへの浸透が妨げられるようになるが、濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を希釈水導入管36から低濃度側31cに送り込み、希釈水排水管38から排出するようにすることによって、低濃度側31c内には半透膜31aの表面に沿って流れを生じさせることができ、半透膜31aの表面に沿っての流れにより、半透膜31aの表面に不透過膜が形成されるのを防ぐことが可能となる。
【0050】
〔実施の形態−2〕
ここで、図2は海水淡水化装置付き浸透圧発電システムの構成図である。
【0051】
図において、海水淡水化装置付き浸透圧発電システム4は、海水淡水化装置5と浸透圧発電装置6から主に構成され、海水淡水化装置5で海水を淡水化する際に同時に生成される濃縮海水が有する正浸透圧エネルギーを利用して浸透圧発電装置6で発電するシステムである。
【0052】
海水淡水化装置5は、逆浸透圧を利用して海水を淡水化する装置で、淡水化用半透膜透過器51、海水導入管52、逆浸透圧用高圧ポンプ53、淡水排水管54、濃縮海水排水管55などから構成されている。
【0053】
淡水化用半透膜透過器51は、その内部が半透膜51aにより高濃度側51bと低濃度側51cとに二分されている。高濃度側51bは海水が送り込まれる側であり、低濃度側51cは海水中から逆浸透圧によって淡水が抽出される側である。
【0054】
即ち、淡水化用半透膜透過器51の高濃度側51bに送られてきた海水は、高圧による逆浸透圧によって海水中の淡水が半透膜51aを透過して低濃度側51cに抽出されるようになっている。海水から抽出された淡水は上水などに使用される。
【0055】
海水導入管52は、淡水化用半透膜透過器51で淡水化される海水を海水中から高濃度側51bに供給する流路であり、その上流側は綺麗な海の海水中に入れられており、又その下流側は淡水化用半透膜透過器51の高濃度側51bに接続されている。海水導入管52の上流側には図示しない例えばフィルターや濾過器などが取り付けられていて、海水をくみ上げる際に不純物が入り込むのを防いでいる。
【0056】
逆浸透圧用高圧ポンプ53は、海水をくみ上げて淡水化用半透膜透過器51の高濃度側51bに所定の高圧例えば60気圧で送り込んで、高濃度側51bに逆浸透圧を生じさせる高圧を作り出すポンプで、海水導入管52の途中に設けられている。
【0057】
淡水排水管54は、淡水化用半透膜透過器51の低濃度側51cに逆浸透圧により抽出された淡水を低濃度側51cから排出する流路で、その上流側は淡水化用半透膜透過器51の低濃度側51cに接続されている。淡水排水管54の下流側は図示しない例えば淡水貯留タンクなどに接続される。
【0058】
濃縮海水排水管55は、淡水化用半透膜透過器51の高濃度側51bで逆浸透圧により淡水が抽出されて塩分濃度が高くなった濃縮海水を排出する流路で、その上流側は淡水化用半透膜透過器51の高濃度側51bに接続されている。
【0059】
濃縮海水排水管55の下流側は浸透圧発電装置6の発電用半透膜透過器61の高濃度側61bに接続されていて、海水淡水化装置5で海水を淡水化する際に同時に生成された濃縮海水は、この濃縮海水排水管55を流下して浸透圧発電装置6の発電用半透膜透過器61の高濃度側61bに供給される。
【0060】
濃縮海水排水管55の下流側には減圧弁56が設けられている。濃縮海水排水管55を流下した濃縮海水はこの減圧弁56で例えば60気圧から30気圧に減圧された後、濃縮海水導入管62を流下して次の浸透圧発電装置6に送られる。
【0061】
浸透圧発電装置6は、海水淡水化装置5で海水を淡水化する際に同時に生成される濃縮海水が有する正浸透圧エネルギーを利用して発電する装置で、発電用半透膜透過器61、濃縮海水導入管62、発電用水送水管64、水流発電機65、希釈水導入管66、希釈水貯留タンク67、希釈水排水管68、希釈水送水ポンプ69などから構成されている。
【0062】
発電用半透膜透過器61は、その内部が半透膜61aにより高濃度側61bと低濃度側61cとに二分されている。高濃度側61bは正浸透圧エネルギーを有する濃縮海水が送り込まれる側であり、低濃度側61cは濃縮海水よりも濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水が送り込まれる側である。
【0063】
即ち、発電用半透膜透過器61の低濃度側61cに送り込まれた濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水中の水分は、高濃度側61bの濃縮海水が有する正浸透圧エネルギーによって吸引されて半透膜61aを透過して、高濃度側61bに流入して高濃度側61bの流量を例えば2倍程に増加させる。低濃度側61cの水分が多量に流入することで、高濃度側61bの濃縮海水の塩分濃度は例えば半分程度まで低下する。
【0064】
濃縮海水導入管62は、減圧弁56で減圧された濃縮海水を発電用半透膜透過器61の高濃度側61bに供給する流路であり、その上流側は減圧弁56に接続されており、又その下流側は発電用半透膜透過器61の高濃度側61bに接続されている。
【0065】
発電用水送水管64は、発電用半透膜透過器61の高濃度側61bで濃縮海水の正浸透圧によって低濃度側61cより吸引されて流入して流量が例えば2倍程に増加した発電用水を水流発電に供給する流路で、その上流側は発電用半透膜透過器61の高濃度側61bに接続されている。発電用水送水管64の途中には水流発電機65が設置されている。
【0066】
水流発電機65は、発電用水送水管64を流下する発電用水の水圧を利用して発電するもので、例えばタービン発電機が使用される。発電用水送水管64を流下する発電用水は濃縮海水の有する正浸透圧エネルギーによって濃縮海水導入管62を流下する濃縮海水の流量の例えば2倍程に増加しており、流量が増加した発電用水は水流発電機65を通過する際にタービンを駆動させて発電させ、その正浸透圧エネルギーは電力エネルギーに変換されて有効利用される。
【0067】
希釈水導入管66は、発電用半透膜透過器61の低濃度側61cに濃縮海水よりも濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を送り込む流路で、その下流側は発電用半透膜透過器61の低濃度側61cに接続されている。希釈水導入管66の上流側は、濃縮海水よりも濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水の水源としての例えば希釈水貯留タンク67に接続されている。
【0068】
水源としての例えば希釈水貯留タンク67は、濃縮海水よりも濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を一時的に貯留するタンクで、希釈水貯留タンク67に一時的に貯留される淡水には、例えば下水処理水や河川水など飲み水に利用できない淡水が使用される。また、希釈水貯留タンク67に一時的に貯留される濃度の薄い海水には付近の海の水が使用される。
【0069】
希釈水排水管68は、発電用半透膜透過器61の低濃度側61cに送り込まれ水分が一部吸収された濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を排出して循環する流路で、低濃度側61cの半透膜61aの膜表面を逆洗浄する場合には省略される。希釈水排水管68の上流側は発電用半透膜透過器61の低濃度側61cに接続され、下流側は水源としての希釈水貯留タンク67に接続されている。なお、希釈水として海水が使用される場合、希釈水排水管68の下流側を希釈水貯留タンク67に接続せずに、そのまま海に放流するようにしてもよい。
【0070】
発電用半透膜透過器61の低濃度側61cと水源の希釈水貯留タンク67との間に、希釈水導入管66と希釈水排水管68とを配管して、濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を循環させることによって、発電用半透膜透過器61の低濃度側61cの半透膜61aの表面を循環する希釈水によって常時洗浄させ、半透膜61aの表面に不透過膜が形成されるのを回避できるようになっている。
【0071】
希釈水送水ポンプ69は、上記希釈水貯留タンク67に一時的に貯留された濃縮海水より濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を発電用半透膜透過器61の低濃度側61cに所定の圧力で送り込むポンプで、希釈水導入管66の途中に設けられている。
【0072】
次に、上記発明の実施の形態の構成に基づく作用について以下説明する。
海水淡水化装置5の稼動により、綺麗な海水中から汲み上げられた海水は、海水導入管52を流下し、海水導入管52の途中に設けられた逆浸透圧用高圧ポンプ53によって、淡水化用半透膜透過器51で逆浸透圧が生じる所定の圧力例えば60気圧に高められて、淡水化用半透膜透過器51の高濃度側51bに送り込まれる。
【0073】
高濃度側51bに送り込まれた海水は、逆浸透圧によって海水中から淡水の一部が半透膜51aを透過して低濃度側51cに押し出される。逆浸透圧によって淡水の一部が押し出された海水は、塩分濃度が通常海水の例えば2倍程度に高くなり濃縮海水になる。
【0074】
逆浸透圧によって半透膜51aを透過して低濃度側51cに押し出された淡水は、低濃度側51cから淡水排水管54に排出され、淡水排水管54を下流側に向かって流下し、図示しない例えば淡水貯留タンクなどに一時的に貯留された後に、飲み水などに使用される。
【0075】
また、塩分濃度が高くなった濃縮海水は、高濃度側51bから濃縮海水排水管55に排出され、濃縮海水排水管55を下流側に向かって流下する。濃縮海水排水管55を流下する濃縮海水は、逆浸透圧用高圧ポンプ53によって高圧になっているので、減圧弁56で例えば60気圧から30気圧に減圧されて濃縮海水導入管62に流入し、濃縮海水導入管62内を圧送されて発電用半透膜透過器61の高濃度側61bに送り込まれる。
【0076】
このとき、希釈水送水ポンプ69も作動しており、希釈水送水ポンプ69により希釈水貯留タンク67に一時的に貯留されている濃縮海水より濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水は、希釈水導入管66内を圧送されて発電用半透膜透過器61の低濃度側61c側に送り込まれる。
【0077】
このように、発電用半透膜透過器61内では、半透膜61aを挟んで高濃度側61bには濃縮海水が流入しており、また低濃度側61cには濃縮海水より濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水が流入している。
【0078】
このため、発電用半透膜透過器61内では、低濃度側61cの濃縮海水より濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水の水分の一部は、高濃度側61bの濃縮海水が有する正浸透圧エネルギーによって吸引されて半透膜61aを透過して、高濃度側61bに流入して高濃度側61bの流量を例えば2倍程に増加させる。低濃度側61cの水分が多量に流入することで、高濃度側61bの濃縮海水の塩分濃度は例えば半分程度まで低下する。
【0079】
そして、発電用半透膜透過器61の高濃度側61bでは、高濃度側61bの濃縮海水が有する正浸透圧エネルギーによって低濃度側61cから水分を吸引して流量が例えば2倍程に増加する一方で塩分濃度が低下して濃縮海水から発電用水に代わり、発電用水送水管64に排出される。
【0080】
流量が増加して発電用水送水管64に排出された発電用水は、発電用水送水管64内を流下する途中で、発電用水送水管64の途中に設けられた水流発電機65のタービンを増加した流量によって回転させて発電させる。このように、濃縮海水が有する正浸透圧エネルギーは電力エネルギーに変換されて有効活用されることになる。
【0081】
水流発電機65を発電させた発電用水は、発電用水送水管64の下流側から海などに放出されるが、塩分濃度が低下しているため、そのまま海に放出しても生態系に悪影響を及ぼすこともない。
【0082】
また、発電用半透膜透過器61の低濃度側61cに希釈水導入管66を通じて送り込まれた濃縮海水より濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水は、水分の一部が高濃度側61bに吸引されて塩分濃度が少し高くなって希釈水排水管68から排出され、希釈水排水管68の下流側の希釈水貯留タンク67に循環排出される。
【0083】
ところで、濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水に含まれる微小な浮遊物などによって低濃度側61cの半透膜61aの表面には不透過膜が形成され、この不透過膜によって低濃度側61cから高濃度側61bへの浸透が妨げられるようになるが、濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を希釈水導入管66から低濃度側61cに送り込み、希釈水排水管68から排出するようにすることによって、低濃度側61c内には半透膜61aの表面に沿って流れを生じさせることができ、半透膜61aの表面に沿っての流れにより、半透膜61aの表面に不透過膜が形成されるのを防ぐことが可能となる。
【0084】
〔実施の形態−3〕
ここで、図3は海水淡水化装置付き浸透圧発電システムの構成図である。
【0085】
図において、海水淡水化装置付き浸透圧発電システム7は、海水淡水化装置と浸透圧発電装置とを兼ねるシステムで、2基以上設置された淡水化兼発電用半透膜透過器71の使用状態を切り換えることで、海水淡水化装置として使用でき又浸透圧発電装置としても使用できるシステムである。
【0086】
即ち、この海水淡水化装置付き浸透圧発電システム7は、使用に際しては複数の淡水化兼発電用半透膜透過器71の一部を淡水化用半透膜透過器71Aとして使用し、又他を発電用半透膜透過器71Bとして使用することで、海水を淡水化する際に同時に生成される濃縮海水を得ると共に、この濃縮海水が有する正浸透圧エネルギーを利用して発電するシステムである。
【0087】
淡水化兼発電用半透膜透過器71は、使用状態により淡水化用半透膜透過器71Aと発電用半透膜透過器71Bとに切り替わる機器で、その内部が半透膜71aにより高濃度側71bと低濃度側71cとに二分されている。
【0088】
淡水化兼発電用半透膜透過器71は、少なくとも2基以上が設置されて使用され、このうち少なくとも1基は淡水化用半透膜透過器71Aとして使用され、又少なくとも他の1基は発電用半透膜透過器71Bとして使用される。実施の形態では、1基が淡水化用半透膜透過器71Aとして使用され、残りは発電用半透膜透過器71Bとして使用される。淡水化兼発電用半透膜透過器71は、通常最初は淡水化用半透膜透過器71Aとして使用された後に、発電用半透膜透過器71Bとして使用される。
【0089】
淡水化兼発電用半透膜透過器71が淡水化用半透膜透過器71Aとして使用される場合には、高濃度側71bは海水が送り込まれる側となり、低濃度側71cは海水中から逆浸透圧によって淡水が抽出される側となる。
【0090】
即ち、淡水化兼発電用半透膜透過器71が淡水化用半透膜透過器71Aとして使用される場合には、淡水化兼発電用半透膜透過器71の高濃度側71bに送られてきた海水は、高圧による逆浸透圧によって海水中の淡水が半透膜71aを透過して低濃度側71cに抽出されるようになっている。海水から抽出された淡水は飲み水などに使用される。
【0091】
また、淡水化兼発電用半透膜透過器71が発電用半透膜透過器71Bとして使用される場合には、高濃度側71bは正浸透圧エネルギーを有する濃縮海水が送り込まれる側となり、低濃度側71cは濃縮海水よりも濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水が送り込まれる側となる。
【0092】
即ち、淡水化兼発電用半透膜透過器71が発電用半透膜透過器71Bとして使用される場合には、淡水化兼発電用半透膜透過器71の低濃度側71cに送り込まれた濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水中の水分は、高濃度側71bの濃縮海水が有する正浸透圧エネルギーによって吸引されて半透膜71aを透過して、高濃度側71bに流入して高濃度側71bの流量を例えば2倍程に増加させる。低濃度側71cの水分が多量に流入することで、高濃度側71bの濃縮海水の塩分濃度は例えば半分程度まで低下する。
【0093】
海水導入管72は、淡水化用半透膜透過器71Aとして使用される淡水化兼発電用半透膜透過器71で淡水化される海水を海水中から高濃度側71bに供給する流路であり、その上流側は綺麗な海の海水中に入れられており、又上流側には図示しない例えばフィルターや濾過器などが取り付けられていて、海水をくみ上げる際に不純物が入り込むのを防いでいる。
【0094】
海水導入管72は、その下流側が途中で淡水化兼発電用半透膜透過器71の個数分だけ分岐していて、分岐した各端部には海水導入開閉弁72aがそれぞれ設けられている。また各海水導入開閉弁72aには海水・濃縮海水導入管73の一端が接続されている。海水導入管72の分岐した各下流側は、海水導入開閉弁72a及び海水・濃縮海水導入管73を介して各淡水化兼発電用半透膜透過器71の高濃度側71bに接続される。
【0095】
海水導入管72の分岐した各下流側の端部に設けられる海水導入開閉弁72aは、淡水化兼発電用半透膜透過器71が淡水化用半透膜透過器71Aとして使用される場合に開かれて、海から汲み上げた海水が淡水化兼発電用半透膜透過器71の高濃度側71bに供給されるようにする。逆に、海水導入開閉弁72aは淡水化兼発電用半透膜透過器71が発電用半透膜透過器71Bとして使用される場合には閉じられる。
【0096】
海水・濃縮海水導入管73は海水又は濃縮海水を淡水化兼発電用半透膜透過器71の高濃度側71bに供給するための流路である。海水・濃縮海水導入管73はその上流側が2つに分岐しており、その一方は海水導入開閉弁72aに接続されて、海水導入管72に連通している。他方は後記の濃縮海水導入開閉弁81aに接続されて、濃縮海水導入管81に連通している。
【0097】
海水・濃縮海水導入管73の下流側は淡水化兼発電用半透膜透過器71の高濃度側71bに接続しており、淡水化兼発電用半透膜透過器71が淡水化用半透膜透過器71Aとして使用される場合には海水・濃縮海水導入管73には海水が流れ、淡水化兼発電用半透膜透過器71が発電用半透膜透過器71Bとして使用される場合には海水・濃縮海水導入管73には濃縮海水が流れる。
【0098】
逆浸透圧用高圧ポンプ74は、海水をくみ上げて淡水化用半透膜透過器71Aとして使用される淡水化兼発電用半透膜透過器71の高濃度側71bに所定の高圧例えば60気圧で海水を送り込んで、高濃度側71bに逆浸透圧を生じさせる高圧を作り出すポンプで、海水導入管72の上流側の途中に設けられている。
【0099】
淡水排水管75は、淡水化用半透膜透過器71Aとして使用される淡水化兼発電用半透膜透過器71の低濃度側71cに逆浸透圧により抽出された淡水を低濃度側71cから排出する流路で、その下流側は図示しない例えば淡水貯留タンクなどに接続される。
【0100】
淡水排水管75は、その上流側が途中で淡水化兼発電用半透膜透過器71の個数分だけ分岐していて、分岐した各端部には淡水排水開閉弁75aがそれぞれ設けられている。また各淡水排水開閉弁75aには淡水・希釈水出入管76の一端が接続されている。淡水排水管75の分岐した各上流側は、淡水排水開閉弁75a及び淡水・希釈水出入管76を介して各淡水化兼発電用半透膜透過器71の低濃度側71cに接続される。
【0101】
淡水排水管75の分岐した各上流側の端部に設けられる淡水排水開閉弁75aは、淡水化兼発電用半透膜透過器71が淡水化用半透膜透過器71Aとして使用される場合に開かれて、淡水化兼発電用半透膜透過器71の低濃度側71cに抽出された淡水を淡水排水管75側から排出されるようにする。逆に、淡水排水開閉弁75aは淡水化兼発電用半透膜透過器71が発電用半透膜透過器71Bとして使用される場合には閉じられる。
【0102】
淡水・希釈水出入管76は、海水から抽出された淡水を淡水化用半透膜透過器71Aとして使用される淡水化兼発電用半透膜透過器71の低濃度側71cから排出する流路と、発電用半透膜透過器71Bとして使用される淡水化兼発電用半透膜透過器71の低濃度側71cに濃縮海水より濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を供給するための流路として機能するものである。
【0103】
淡水・希釈水出入管76はその一端側が2つに分岐しており、分岐するその一方は淡水排水開閉弁75aに接続されて、淡水排水管75に連通している。分岐するその他方は後記の希釈水導入開閉弁85aに接続されて、希釈水導入管85に連通している。
【0104】
淡水・希釈水出入管76の他端側は淡水化兼発電用半透膜透過器71の低濃度側71cに接続しており、淡水化兼発電用半透膜透過器71が淡水化用半透膜透過器71Aとして使用される場合には淡水・希釈水出入管76海水から抽出された淡水が流れ、淡水化兼発電用半透膜透過器71が発電用半透膜透過器71Bとして使用される場合には淡水・希釈水出入管76には濃縮海水より濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水が流れる。
【0105】
濃縮海水排水管77は、淡水化用半透膜透過器71Aとして使用される淡水化兼発電用半透膜透過器71の高濃度側71bで逆浸透圧により淡水が抽出されて塩分濃度が高くなった濃縮海水を排出する流路で、その下流側は濃縮海水貯留タンク79に接続されている。
【0106】
濃縮海水排水管77は、その上流側が途中で淡水化兼発電用半透膜透過器71の個数分だけ分岐していて、分岐した各端部には濃縮海水排水開閉弁77aがそれぞれ設けられている。また各濃縮海水排水開閉弁77aには濃縮海水・発電用水排水管78の一端が接続されている。濃縮海水排水管77の分岐した各上流側は、濃縮海水排水開閉弁77a及び濃縮海水・発電用水排水管78を介して各淡水化兼発電用半透膜透過器71の高濃度側71bに接続される。
【0107】
濃縮海水排水管77の分岐した各上流側の端部に設けられる各濃縮海水排水開閉弁77aは、淡水化兼発電用半透膜透過器71が淡水化用半透膜透過器71Aとして使用される場合に開かれて、淡水化兼発電用半透膜透過器71の高濃度側71bから排出された濃縮海水を濃縮海水排水管77に排出されるようにする。逆に、各濃縮海水排水開閉弁77aは淡水化兼発電用半透膜透過器71が発電用半透膜透過器71Bとして使用される場合には閉じられる。
【0108】
濃縮海水・発電用水排水管78は、淡水化用半透膜透過器71Aとして使用される淡水化兼発電用半透膜透過器71の高濃度側71bから濃縮海水を排出する流路と、発電用半透膜透過器71Bとして使用される淡水化兼発電用半透膜透過器71の高濃度側71bから発電用水を排出する流路として機能する。
【0109】
濃縮海水・発電用水排水管78はその下流側が2つに分岐しており、分岐するその一方は各濃縮海水排水開閉弁77aに接続されて、濃縮海水排水管77に連通している。分岐するその他方は後記の発電用水開閉弁83aに接続されて、発電用水送水管83に連通している。
【0110】
濃縮海水・発電用水排水管78の上流側は淡水化兼発電用半透膜透過器71の高濃度側71bに接続しており、淡水化兼発電用半透膜透過器71が淡水化用半透膜透過器71Aとして使用される場合には濃縮海水・発電用水排水管78には淡水が抽出された濃縮海水が流れ、淡水化兼発電用半透膜透過器71が発電用半透膜透過器71Bとして使用される場合には濃縮海水・発電用水排水管78には濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水が正浸透圧で濃縮海水に流入して流量が増加した発電用水が流れる。
【0111】
濃縮海水排水管77の下流側には濃縮海水貯留タンク79が設置されている。濃縮海水貯留タンク79は濃縮海水を一時的に貯留するタンクであり、濃縮海水排水管77を流下した濃縮海水はこの濃縮海水貯留タンク79に一時的に貯留された後、濃縮海水導入管81を流下して発電用半透膜透過器71Bとして使用される淡水化兼発電用半透膜透過器71の高濃度側71bに送られる。
【0112】
濃縮海水導入管81は、濃縮海水貯留タンク79に一時的に貯留された濃縮海水を発電用半透膜透過器71Bとして使用される淡水化兼発電用半透膜透過器71の高濃度側71bに供給する流路であり、その上流側は濃縮海水貯留タンク79に接続されている。
【0113】
濃縮海水導入管81は、その下流側が途中で淡水化兼発電用半透膜透過器71の個数分だけ分岐していて、分岐した各端部には濃縮海水導入開閉弁81aがそれぞれ設けられている。また各濃縮海水導入開閉弁81aには前記の海水・濃縮海水導入管73の一端が接続されている。濃縮海水導入管81の分岐した各下流側は、濃縮海水導入開閉弁81a及び海水・濃縮海水導入管73を介して各淡水化兼発電用半透膜透過器71の高濃度側71bに接続される。
【0114】
濃縮海水導入管81の分岐した各下流側の端部に設けられる濃縮海水導入開閉弁81aは、淡水化兼発電用半透膜透過器71が発電用半透膜透過器71Bとして使用される場合に開かれて、濃縮海水が淡水化兼発電用半透膜透過器71の高濃度側71bに供給されるようにする。逆に、濃縮海水導入開閉弁81aは淡水化兼発電用半透膜透過器71が淡水化用半透膜透過器71Aとして使用される場合には閉じられる。
【0115】
浸透圧用ポンプ82は、上記濃縮海水貯留タンク79に一時的に貯留された濃縮海水を発電用半透膜透過器71Bとして使用される淡水化兼発電用半透膜透過器71の高濃度側71bに所定の圧力例えば30気圧で送り込むポンプで、濃縮海水導入管81の上流側の途中に設けられている。
【0116】
発電用水送水管83は、発電用半透膜透過器71Bとして使用される淡水化兼発電用半透膜透過器71の高濃度側71bで濃縮海水の正浸透圧によって低濃度側71cより吸引されて流入して流量が例えば2倍程に増加した発電用水を水流発電に供給する流路で、その下流側の途中には水流発電機84が設置されている。
【0117】
発電用水送水管83は、その上流側が途中で淡水化兼発電用半透膜透過器71の個数分だけ分岐していて、分岐した各端部には発電用水開閉弁83aがそれぞれ設けられている。また各発電用水開閉弁83aには濃縮海水・発電用水排水管78の一端が接続されている。発電用水送水管83の分岐した各上流側は、発電用水開閉弁83a及び濃縮海水・発電用水排水管78を介して各淡水化兼発電用半透膜透過器71の高濃度側71bに接続される。
【0118】
発電用水送水管83の分岐した各上流側の端部に設けられる各発電用水開閉弁83aは、淡水化兼発電用半透膜透過器71が発電用半透膜透過器71Bとして使用される場合に開かれて、淡水化兼発電用半透膜透過器71の高濃度側71bから排出された発電用水を発電用水送水管83に排出されるようにする。逆に、各発電用水開閉弁83aは淡水化兼発電用半透膜透過器71が淡水化用半透膜透過器71Aとして使用される場合には閉じられる。
【0119】
水流発電機84は、発電用水送水管83を流下する発電用水の水圧を利用して発電するもので、例えばタービン発電機が使用される。発電用水送水管83を流下する発電用水は濃縮海水の有する正浸透圧エネルギーによって濃縮海水導入管81を流下する濃縮海水の流量の例えば2倍程に増加しており、流量が増加した発電用水は水流発電機84を通過する際にタービンを駆動させて発電させ、その正浸透圧エネルギーは電力エネルギーに変換されて有効利用される。
【0120】
希釈水導入管85は、発電用半透膜透過器71Bとして使用される淡水化兼発電用半透膜透過器71の低濃度側71cに濃縮海水よりも濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を送り込む流路で、その上流側は、濃縮海水よりも濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水の水源としての例えば希釈水貯留タンク86に接続されている。
【0121】
希釈水導入管85は、その下流側が途中で淡水化兼発電用半透膜透過器71の個数分だけ分岐していて、分岐した各端部には希釈水導入開閉弁85aがそれぞれ設けられている。また各希釈水導入開閉弁85aには淡水・希釈水出入管76の分岐する一端が接続されている。希釈水導入管85の分岐した各下流側は、希釈水導入開閉弁85a及び淡水・希釈水出入管76を介して各淡水化兼発電用半透膜透過器71の低濃度側71cに接続される。
【0122】
希釈水導入管85の分岐した各下流側の端部に設けられる希釈水導入開閉弁85aは、淡水化兼発電用半透膜透過器71が発電用半透膜透過器71Bとして使用される場合に開かれて、淡水化兼発電用半透膜透過器71の低濃度側71cに濃縮海水より濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を希釈水導入管85から供給できるようにする。逆に、希釈水導入開閉弁85aは淡水化兼発電用半透膜透過器71が淡水化用半透膜透過器71Aとして使用される場合には閉じられる。
【0123】
水源としての例えば希釈水貯留タンク86は、濃縮海水よりも濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を一時的に貯留するタンクで、希釈水貯留タンク86に一時的に貯留される淡水には、例えば下水処理水や河川水など飲み水に利用できない淡水が使用される。また、希釈水貯留タンク86に一時的に貯留される濃度の薄い海水には付近の海の水が使用される。
【0124】
希釈水排水管87は、発電用半透膜透過器71Bとして使用される淡水化兼発電用半透膜透過器71の低濃度側71cに送り込まれ水分が一部吸収された濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を排出して循環する流路で、低濃度側71cの半透膜71aの膜表面を逆洗浄する場合には省略される。
【0125】
希釈水排水管87の上流側は淡水化兼発電用半透膜透過器71の個数分だけ分岐して各淡水化兼発電用半透膜透過器71の低濃度側71cに接続され、下流側は水源としての希釈水貯留タンク86に接続されている。なお、希釈水として海水が使用される場合、希釈水排水管87の下流側を希釈水貯留タンク86に接続せずに、そのまま海に放流するようにしてもよい。
【0126】
希釈水排水管87の分岐した各上流側には希釈水排水開閉弁87aがそれぞれ設けられている。各希釈水排水開閉弁87aは、淡水化兼発電用半透膜透過器71が発電用半透膜透過器71Bとして使用される場合に開かれて、淡水化兼発電用半透膜透過器71の低濃度側71cから濃縮海水より濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を排出循環できるようにする。逆に、希釈水排水開閉弁87aは淡水化兼発電用半透膜透過器71が淡水化用半透膜透過器71Aとして使用される場合には閉じられる。
【0127】
淡水化兼発電用半透膜透過器71の低濃度側71cと水源の希釈水貯留タンク86との間に、希釈水導入管85と希釈水排水管87とを配管して、濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を循環させることによって、淡水化兼発電用半透膜透過器71の低濃度側71cの半透膜71aの表面を循環する希釈水によって常時洗浄させ、半透膜71aの表面に不透過膜が形成されるのを回避できるようになっている。
【0128】
希釈水送水ポンプ88は、上記希釈水貯留タンク86に一時的に貯留された濃縮海水より濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を、発電用半透膜透過器71Bとして使用される淡水化兼発電用半透膜透過器71の低濃度側71cに所定の圧力で送り込むポンプで、希釈水導入管85の上流側の途中に設けられている。
【0129】
次に、上記発明の実施の形態の構成に基づく作用について以下説明する。
海水淡水化装置付き浸透圧発電システム7を使用して濃縮海水を得ると共にこの濃縮海水を用いて発電する場合において、図3の例えば一番上側の淡水化兼発電用半透膜透過器71を発電用半透膜透過器71Bとして使用し、残りを淡水化用半透膜透過器71Aとして使用する場合で説明する。
【0130】
この場合には、予め、一番上側の淡水化兼発電用半透膜透過器71に関係する開閉弁については、海水導入開閉弁72aを閉じ、淡水排水開閉弁75aを閉じ、濃縮海水排水開閉弁77aを閉じ、濃縮海水導入開閉弁81aを開き、発電用水開閉弁83aを開き、希釈水導入開閉弁85aを開き、希釈水排水開閉弁87aを開く。
【0131】
これに対して、二番以降の淡水化兼発電用半透膜透過器71に関係する開閉弁については、海水導入開閉弁72aを開き、淡水排水開閉弁75aを開き、濃縮海水排水開閉弁77aを開き、濃縮海水導入開閉弁81aを閉じ、発電用水開閉弁83aを閉じ、希釈水導入開閉弁85aを閉じ、希釈水排水開閉弁87aを閉じる。
【0132】
逆浸透圧用高圧ポンプ74の稼動により、綺麗な海水中から汲み上げられた海水は、逆浸透圧用高圧ポンプ74によって、淡水化用半透膜透過器71Aで逆浸透圧が生じる所定の圧力例えば60気圧に高められて、海水導入管72を流下し、海水導入管72の分岐した下流側から海水導入開閉弁72a及び海水・濃縮海水導入管73を通って二番以降の各淡水化用半透膜透過器71Aの高濃度側71bに送り込まれる。
【0133】
二番以降の各淡水化用半透膜透過器71Aの高濃度側71bに送り込まれた海水は、逆浸透圧によって海水中から淡水の一部が半透膜71aを透過して低濃度側71cに押し出される。逆浸透圧によって淡水の一部が押し出された海水は、塩分濃度が通常海水の例えば2倍程度に高くなり濃縮海水になる。
【0134】
逆浸透圧によって半透膜71aを透過して低濃度側71cに押し出された淡水は、低濃度側71cから淡水・希釈水出入管76及び淡水排水開閉弁75aを通って淡水排水管75に排出され、淡水排水管75を下流側に向かって流下し、図示しない例えば淡水貯留タンクなどに一時的に貯留された後に、飲み水などに使用される。
【0135】
また、塩分濃度が高くなった濃縮海水は、二番以降の各淡水化用半透膜透過器71Aの高濃度側71bから濃縮海水・発電用水排水管78及び各濃縮海水排水開閉弁77aを通って濃縮海水排水管77に排出され、濃縮海水排水管77を下流側に向かって流下し、濃縮海水排水管77の下流側に設置された濃縮海水貯留タンク79内に流入して一時的に貯留される。
【0136】
浸透圧用ポンプ82の稼働により、濃縮海水貯留タンク27に一時的に貯留されていた濃縮海水は、濃縮海水導入管81内を圧送されて一番上側の発電用半透膜透過器71Bの高濃度側71bに送り込まれる。
【0137】
このとき、希釈水送水ポンプ88も稼働しており、希釈水送水ポンプ88により希釈水貯留タンク86に一時的に貯留されている濃縮海水より濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水は、希釈水導入管85内を圧送されて希釈水導入開閉弁85a及び淡水・希釈水出入管76を通って発電用半透膜透過器71Bの低濃度側71c側に送り込まれる。
【0138】
このように、発電用半透膜透過器71B内では、半透膜71aを挟んで高濃度側71bには濃縮海水が流入しており、また低濃度側71cには濃縮海水より濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水が流入している。
【0139】
このため、発電用半透膜透過器71B内では、低濃度側71cの濃縮海水より濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水の水分の一部は、高濃度側71bの濃縮海水が有する正浸透圧エネルギーによって吸引されて半透膜71aを透過して、高濃度側71bに流入して高濃度側71bの流量を例えば2倍程に増加させる。低濃度側71cの水分が多量に流入することで、高濃度側71bの濃縮海水の塩分濃度は例えば半分程度まで低下する。
【0140】
そして、発電用半透膜透過器71Bの高濃度側71bでは、高濃度側71bの濃縮海水が有する正浸透圧エネルギーによって低濃度側71cから水分を吸引して流量が例えば2倍程に増加する一方で塩分濃度が低下して濃縮海水から発電用水に代わり、濃縮海水・発電用水排水管78及び発電用水開閉弁83aを通って発電用水送水管83に排出される。
【0141】
流量が増加して発電用水送水管83に排出された発電用水は、発電用水送水管83内を流下する途中で、発電用水送水管83の途中に設けられた水流発電機84のタービンを増加した流量によって回転させて発電させる。このように、濃縮海水が有する正浸透圧エネルギーは電力エネルギーに変換されて有効活用されることになる。
【0142】
水流発電機84を発電させた発電用水は、発電用水送水管83の下流側から海などに放出されるが、塩分濃度が低下しているため、そのまま海に放出しても生態系に悪影響を及ぼすこともない。
【0143】
また、発電用半透膜透過器71Bの低濃度側71cに希釈水導入管85、希釈水導入開閉弁85a及び淡水・希釈水出入管76を通じて送り込まれた濃縮海水より濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水は、水分の一部が高濃度側71bに吸引されて塩分濃度が少し高くなって希釈水排水管87から排出され、希釈水排水管87の下流側の希釈水貯留タンク86に循環排出される。
【0144】
ところで、濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水に含まれる微小な浮遊物などによって発電用半透膜透過器71Bの低濃度側71cの半透膜71aの表面には不透過膜が形成され、この不透過膜によって低濃度側71cから高濃度側71bへの浸透が妨げられるようになるが、濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を希釈水導入管85、希釈水導入開閉弁85a及び淡水・希釈水出入管76を通じて低濃度側71cに送り込み、希釈水排水管87から排出するようにすることによって、発電用半透膜透過器71Bの低濃度側71c内には半透膜71aの表面に沿って流れを生じさせることができ、半透膜71aの表面に沿っての流れにより、半透膜71aの表面に不透過膜が形成されるのを防ぐことが可能となる。
【0145】
なお、この発明は上記発明の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。
【0146】
【発明の効果】
以上の記載より明らかなように、この発明に係る海水淡水化装置付き浸透圧発電システムによれば、海水淡水化装置で海水を淡水化する際に同時に生成され何ら利用されることなく無駄に廃棄されていた濃縮海水が有する正浸透圧エネルギーを利用して発電することができ、濃縮海水が有する正浸透圧エネルギーの有効活用を図ることができる。しかも、正浸透圧エネルギーを利用して発電する際に濃縮海水は、これよりも濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水によって希釈化されるために、塩分濃度を下げることができ、そのまま海に排出することが可能になる等、極めて新規的有益なる効果を奏するものである。
また、請求項1によれば、濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を循環させることによって、発電用半透膜透過器の低濃度側の半透膜の表面を循環する希釈水によって常時洗浄させ、半透膜の表面に不透過膜が形成されるのを回避することができる。
また、請求項によれば、濃縮海水は逆浸透圧を生じさせるために高圧になっていて圧力エネルギーを有しているが、濃縮海水排水管の途中に水流発電機が設けられることで、濃縮海水の圧力エネルギーを電力エネルギーに変換して有効活用することができる。
また、請求項によれば、濃縮海水は逆浸透圧を生じさせるために高圧になっているが、濃縮海水排水管の下流側と濃縮海水導入管の上流側との接続箇所に減圧弁が設けられることで、発電用半透膜透過器が高圧の濃縮海水で破損するのを回避することができる。
また、請求項によれば、所定流量の濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を確実に、発電用半透膜透過器の低濃度側に供給することができ、濃縮海水の正浸透圧を利用して必要な発電用水を希釈水側から得ることができる。
また、請求項によれば、一つの淡水化兼発電用半透膜透過器を淡水化用半透膜透過器と発電用半透膜透過器として使用することができ、淡水化用半透膜透過器としては使用できなくなっても、発電用半透膜透過器としては使用可能であるため、最初は淡水化用半透膜透過器として使用した後、発電用半透膜透過器として使用することにより、一つの淡水化兼発電用半透膜透過器を長期間使用でき経済的である。
また、請求項によれば、濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を循環させることによって、淡水化兼発電用半透膜透過器の低濃度側の半透膜の表面を循環する希釈水によって常時洗浄させ、半透膜の表面に不透過膜が形成されるのを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態−1を示す海水淡水化装置付き浸透圧発電システムの構成図である。
【図2】この発明の実施の形態−2を示す海水淡水化装置付き浸透圧発電システムの構成図である。
【図3】この発明の実施の形態−3を示す海水淡水化装置付き浸透圧発電システムの構成図である。
【符号の説明】
1 海水淡水化装置付き浸透圧発電システム
2 海水淡水化装置
21 淡水化用半透膜透過器
21a 半透膜
21b 高濃度側
21c 低濃度側
22 海水導入管
23 逆浸透圧用高圧ポンプ
24 淡水排水管
25 濃縮海水排水管
26 水流発電機
27 濃縮海水貯留タンク
3 浸透圧発電装置
31 発電用半透膜透過器
31a 半透膜
31b 高濃度側
31c 低濃度側
32 濃縮海水導入管
33 浸透圧用ポンプ
34 発電用水送水管
35 水流発電機
36 希釈水導入管
37 希釈水貯留タンク
38 希釈水排水管
39 希釈水送水ポンプ
4 海水淡水化装置付き浸透圧発電システム
5 海水淡水化装置
51 淡水化用半透膜透過器
51a 半透膜
51b 高濃度側
51c 低濃度側
52 海水導入管
53 逆浸透圧用高圧ポンプ
54 淡水排水管
55 濃縮海水排水管
56 減圧弁
6 浸透圧発電装置
61 発電用半透膜透過器
61a 半透膜
61b 高濃度側
61c 低濃度側
62 濃縮海水導入管
64 発電用水送水管
65 水流発電機
66 希釈水導入管
67 希釈水貯留タンク
68 希釈水排水管
69 希釈水送水ポンプ
7 海水淡水化装置付き浸透圧発電システム
71 淡水化兼発電用半透膜透過器
71A 淡水化用半透膜透過器
71B 発電用半透膜透過器
71a 半透膜
71b 高濃度側
71c 低濃度側
72 海水導入管
72a 海水導入開閉弁
73 海水・濃縮海水導入管
74 逆浸透圧用高圧ポンプ
75 淡水排水管
75a 淡水排水開閉弁
76 淡水・希釈水出入管
77 濃縮海水排水管
77a 濃縮海水排水開閉弁
78 濃縮海水・発電用水排水管
79 濃縮海水貯留タンク
81 濃縮海水導入管
81a 濃縮海水導入開閉弁
82 浸透圧用ポンプ
83 発電用水送水管
83a 発電用水開閉弁
84 水流発電機
85 希釈水導入管
85a 希釈水導入開閉弁
86 希釈水貯留タンク
87 希釈水排水管
87a 希釈水排水開閉弁
88 希釈水送水ポンプ

Claims (5)

  1. 海水淡水化装置で逆浸透圧を利用して海水を淡水化する際に同時に生成された濃縮海水に、これよりも濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を半透膜を介して浸透させ、その正浸透圧エネルギーで濃縮海水側の流量を増加させ、増加した流量で水流発電機を駆動させて発電する海水淡水化装置付き浸透圧発電システムであって、逆浸透圧を利用して海水を淡水化する海水淡水化装置から海水を淡水化する際に同時に生成された濃縮海水を浸透圧発電装置に排水する濃縮海水排水管を配設し、海水淡水化装置から排水される濃縮海水の正浸透圧エネルギーを利用して発電する浸透圧発電装置を設置すると共に、当該浸透圧発電装置を、内部が半透膜で高濃度側と低濃度側に二分される発電用半透膜透過器と、上流側が上記濃縮海水排水管側に接続され下流側が上記発電用半透膜透過器の高濃度側に接続される濃縮海水導入管と、上記発電用半透膜透過器の高濃度側に上流側が接続され発電用水を送水する発電用水送水管と、該発電用水送水管に接続され送水される発電用水で発電する水流発電機と、濃縮海水よりも濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水の水源に上流側が接続され上記発電用半透膜透過器の低濃度側に下流側が接続される希釈水導入管と、から少なくとも構成すると共に、上記発電用半透膜透過器の低濃度側に希釈水排水管の上流側を接続し、当該希釈水排水管の下流側を濃縮海水よりも濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水の水源に接続し、濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を循環させることによって、上記発電用半透膜透過器の低濃度側の半透膜の表面を循環する希釈水によって常時洗浄させ、半透膜の表面に不透過膜が形成されるのを回避することを特徴とする海水淡水化装置付き浸透圧発電システム。
  2. 濃縮海水排水管の途中には水流発電機が設けられ、濃縮海水排水管の下流側と濃縮海水導入管の上流側との接続箇所には濃縮海水貯留タンクが設けられ、濃縮海水導入管の途中には浸透圧発電用ポンプが設けられている請求項に記載の海水淡水化装置付き浸透圧発電システム。
  3. 濃縮海水排水管の下流側と濃縮海水導入管の上流側との接続箇所には減圧弁が設けられている請求項に記載の海水淡水化装置付き浸透圧発電システム。
  4. 希釈水導入管の途中には、送水ポンプが設けられている請求項に記載の海水淡水化装置付き浸透圧発電システム。
  5. 海水淡水化装置で逆浸透圧を利用して海水を淡水化する際に同時に生成された濃縮海水に、これよりも濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を半透膜を介して浸透させ、その正浸透圧エネルギーで濃縮海水側の流量を増加させ、増加した流量で水流発電機を駆動させて発電する海水淡水化装置付き浸透圧発電システムであって、内部が半透膜で高濃度側と低濃度側に二分され且つ使用状態により淡水化用半透膜透過器と発電用半透膜透過器とに切り替わる淡水化兼発電用半透膜透過器を少なくとも2基以上設置し、海水中から海水を供給する海水導入管の下流側を淡水化兼発電用半透膜透過器の個数分だけ分岐し、海水導入管の分岐した端部に海水導入開閉弁をそれぞれ設け、海水導入管の分岐する下流側を海水導入開閉弁を介して各淡水化兼発電用半透膜透過器の高濃度側と連通し、海水導入管の上流側に逆浸透圧用高圧ポンプを設け、高濃度側で濃縮された濃縮海水を高濃度側から排出する濃縮海水排水管の上流側を淡水化兼発電用半透膜透過器の個数分だけ分岐し、濃縮海水排水管の分岐した端部に濃縮海水排水開閉弁をそれぞれ設け、濃縮海水排水管の分岐する上流側を濃縮海水排水開閉弁を介して各淡水化兼発電用半透膜透過器の高濃度側と連通し、濃縮海水排水管の下流側を濃縮海水貯留タンクに接続し、濃縮海水貯留タンクに上流側が接続され濃縮海水を供給する濃縮海水導入管の下流側を淡水化兼発電用半透膜透過器の個数分だけ分岐し、濃縮海水導入管の分岐した端部に濃縮海水導入開閉弁をそれぞれ設け、濃縮海水導入管の分岐する下流側を濃縮海水導入開閉弁を介して各淡水化兼発電用半透膜透過器の高濃度側と連通し、濃縮海水導入管の上流側に浸透圧用ポンプを設け、高濃度側で正浸透圧により流量が増加した発電用水を高濃度側から排出する発電用水送水管の上流側を淡水化兼発電用半透膜透過器の個数分だけ分岐し、発電用水送水管の分岐した端部に発電用水開閉弁をそれぞれ設け、発電用水送水管の分岐する上流側を発電用水開閉弁を介して各淡水化兼発電用半透膜透過器の高濃度側と連通し、発電用水送水管の下流側に水流発電機を設け、各淡水化兼発電用半透膜透過器の低濃度側に淡水排水開閉弁を介して淡水排水管の上流側を連通し、濃縮海水より濃度が薄い海水又は淡水などの希釈水の水源に上流側が接続され希釈水を供給する希釈水導入管の下流側を淡水化兼発電用半透膜透過器の個数分だけ分岐し、希釈水導入管の分岐した端部に希釈水導入開閉弁をそれぞれ設け、希釈水導入管の分岐する下流側を希釈水導入開閉弁を介して各淡水化兼発電用半透膜透過器の低濃度側と連通し、希釈水導入管の上流側に希釈水送水ポンプを設け、各淡水化兼発電用半透膜透過器の低濃度側に希釈水排水開閉弁を介して希釈水排水管の上流側を連通し、当該希釈水排水管の下流側を濃縮海水よりも濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水の水源に接続し、濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を循環させることによって、淡水化兼発電用半透膜透過器の低濃度側の半透膜の表面を循環する希釈水によって常時洗浄させ、半透膜の表面に不透過膜が形成されるのを回避することを特徴とする海水淡水化装置付き浸透圧発電システム。
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