JP2005046762A - 水処理方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】システムの簡略化、設置面積の低減、低コスト化を可能とするため、従来のような原水中の濁質を除去する目的の前処理を実質的に省略することが可能な水処理方法および水処理装置を提供する。
【解決手段】原水を直接、内圧型中空糸逆浸透膜または内圧型中空糸ナノフィルトレーション膜からなる内圧型中空糸分離膜に供給して透過水と濃縮水とに分離する1段目の膜分離処理を行い、2段目以降、前段の透過水を被処理水として逆浸透膜またはナノフィルトレーション膜からなる分離膜に供給して透過水と濃縮水とに分離する膜分離処理を行うことを特徴とする水処理方法および水処理装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、水処理方法および装置に関し、とくに、システムを簡素化しつつ高い脱塩効率が得られるようにした水処理方法および装置に関する。
従来、海水の淡水化や、超純水、各種製造プロセス用水を得る方法として、例えば逆浸透膜(以下、RO膜と略称することもある。)やナノフィルトレーション膜(以下、NF膜と略称することもある。)を分離膜とするスパイラル型膜エレメントを用い、原水中からイオン成分や低分子成分を分離する方法が知られている。スパイラル型膜エレメントは、例えば、透過水スペーサーの両面に逆浸透膜を重ね合わせて3辺を接着することにより袋状膜を形成し、該袋状膜の開口部側を透過水集水管に取り付け、網状の原水スペーサーと共に、透過水集水管の外周面周りにスパイラル状に巻回することにより構成されている。そして、原水はスパイラル型膜エレメントの一方の端面側から供給され、原水スペーサーに沿って流され、スパイラル型膜エレメントの他方の端面側から濃縮水として排出される。また、原水は、原水スペーサーに沿って流れる過程で、逆浸透膜を透過して透過水となり、この透過水は透過水スペーサーに沿って、中央に位置する透過水集水管の内部に流れ込み、透過水集水管の端部から排出される。このように、巻回された袋状膜間に配設される原水スペーサーにより原水経路が形成されることになる。
また、従来より、前記スパイラル型膜エレメントを装着する分離膜モジュールを1段当たり1基又は2基以上並列に配置した分離膜装置群を、2段以上重ねた多段式分離膜装置が、水の回収率および水の処理量の向上を目的に使用されている。つまり、前段で得た中間濃縮水を後段の分離膜モジュールの供給水として処理することにより、水の回収率を向上させ、また1段当たり複数の分離膜モジュールを並列に配置することにより水の処理量を増やすことが行われている(例えば、特許文献1)。あるいは、前段で得た透過水を後段の分離膜モジュールの供給水として処理することにより、処理水の水質を向上させることが行われている(例えば、特許文献2)。
前記逆浸透膜スパイラル型膜エレメントを用いて海水の淡水化や、超純水、各種製造プロセス用水を得る場合、通常、原水の濁質などを除去する目的で前処理が行われている。この前処理を行うのは、逆浸透膜スパイラル型膜エレメントの原水スペーサーの厚みは、原水流路を確保しつつできる限り原水と逆浸透膜との接触面積を大きくとるため通常1mm以下と薄く、濁質が原水流路にある原水スペーサーに蓄積され、原水流路を閉塞し易い構造となっており、従って、予め原水中の濁質を除去して濁質蓄積による通水差圧の上昇や透過水量、透過水質の低下を回避し、長期間にわたり安定な運転を行うためである。このような除濁目的で用いられる前処理装置は、例えば、凝集沈澱装置、濾過処理又は膜処理などの各装置を含むものであり、これらの装置は、設置コストや運転コストを上昇させると共に、大きな設置面積を必要とするなどの問題を有していた。
特開平5−137903号公報 特公平3−78156号公報
ところで、スパイラル型膜エレメントを装着する分離膜モジュールに対する上記のような除濁のための前処理が省略できれば、濁質を含む原水を前処理なしでスパイラル型逆浸透膜モジュールに供給でき、システムの簡略化、設置面積の低減、低コスト化が可能となり、産業上の利用価値は極めて高いものとなる。しかし、濁質を含む原水を、直接スパイラル型膜エレメントに供給すると、原水流路の閉塞による通水差圧の上昇や、膜面に汚染物質が付着することによる透過水量の減少といった深刻な問題が発生してしまう。また近年、RO膜やNF膜の低圧化が進み、その素材としてポリアミド(PA)系が多く用いられている。PA系の膜は、低圧化が可能であるものの、汚れに弱く、汚染物質が膜面に付着しやすい傾向がある。
そこで本発明の課題は、上記のような実情に鑑み、システムの簡略化、設置面積の低減、低コスト化を可能とするため、原水中の濁質を除去する目的の前処理を実質的に省略することが可能な水処理方法および水処理装置を提供することにある。
また、本発明の課題は、一段処理の場合はもちろんのこと、とくに多段式の膜分離装置において、原水中の濁質を除去する目的の前処理を省略して、RO膜、NF膜を用いた膜分離装置に直接原水を供給可能としつつ、所望の脱塩処理を行うことのできる、水処理方法および水処理装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明者は鋭意検討を行なった結果、とくに、(1)多段式膜分離装置の1段目に内圧型中空糸逆浸透膜または内圧型中空糸ナノフィルトレーション膜を用いることにより、スパイラル型の場合に見られる原水流路の閉塞が抑制されること、(2)1段目の内圧型中空糸にセルロース系の素材を用いることにより、膜面への汚染物質の付着が抑制され、Flux(透過流束)の低下が起こりにくいこと、(3)2段目以降のスパイラル型膜エレメントにポリアミド系の素材を用いることにより、より高い水質の水が得られること、を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る水処理方法は、原水を直接、内圧型中空糸逆浸透膜または内圧型中空糸ナノフィルトレーション膜からなる内圧型中空糸分離膜に供給して透過水と濃縮水とに分離することを特徴とする方法からなる。このような内圧型中空糸分離膜の使用により、従来のような除濁目的の前処理を行うことなく、被処理水としての原水を直接、内圧型中空糸分離膜に供給して処理することが可能となり、システムの簡略化、設置面積の低減、低コスト化が可能となる。本発明においてこのように省略される除濁目的の前処理とは、凝集沈澱処理や濾過処理、膜処理などを言い、単に粗大ごみを除去する目的で設置されるストレーナなどは排除されない。
このような本発明に係る水処理方法においては、上記内圧型中空糸分離膜はセルロース系材料を含む素材からなることが好ましい。内圧型中空糸分離膜にセルロース系の素材を用いることにより、とくに、膜面への汚染物質の付着が抑制され、Fluxの低下が起こりにくくなり、所期の目的が達成される。
また、本発明に係る水処理方法は、とくに多段式膜分離装置に適用して有効なものである。すなわち、本発明に係る水処理方法は、原水を直接、内圧型中空糸逆浸透膜または内圧型中空糸ナノフィルトレーション膜からなる内圧型中空糸分離膜に供給して透過水と濃縮水とに分離する1段目の膜分離処理を行い、2段目以降、前段の透過水を被処理水として逆浸透膜またはナノフィルトレーション膜からなる分離膜に供給して透過水と濃縮水とに分離する膜分離処理を行うことを特徴とする方法からなる。
このような多段処理の場合には、1段目の膜分離処理に用いられる内圧型中空糸分離膜がセルロース系材料を含む素材からなることが好ましい。このような素材を用いることにより、膜面への汚染物質の付着が抑制され、Fluxの低下が起こりにくくなる。また、2段目以降の膜分離処理に用いられる分離膜は特に限定されないが、内圧型中空糸分離膜以外の分離膜を用いることが好ましい。とくに、2段目以降の膜分離処理に用いる分離膜の少なくとも一つに、スパイラル型膜エレメントを用いると、良好な処理、とくに良好な脱塩処理を省スペース、低コストに行うことが可能になる。中でも、スパイラル型膜エレメントがポリアミド系材料を含む素材からなると、低圧化をはかることができるとともに、高い水質の透過水を得ることが可能となる。この場合においては、1段目の膜分離処理において適切に汚染物質の除去が行われているから、ポリアミド系素材からなる分離膜への汚染物質の付着も適切に防止されることになる。
また、本発明に係る水処理方法においては、所定期間処理を行った後に、以下のような洗浄を行うことにより、分離膜の性能を効率よく回復させることが可能である。すなわち、上記内圧型中空糸分離膜に原水を導入する原水導入管に洗浄用水を供給して少なくとも該原水導入管を洗浄するとともに、洗浄後の水を、実質的に内圧型中空糸分離膜へは導入させずに該原水導入管を通過させ、該原水導入管に接続された洗浄用水排水管を通して排出することができる。供給された洗浄用水により原水導入管内に堆積していた濁質等が洗い流されて除去され、除去された濁質等は分離膜側には流されずにそのまま洗浄用水排水管を通して排出されるので、除去された濁質等の分離膜への再付着が防止され、分離膜を薬液洗浄する際の薬液使用量が大幅に低減される。
また、上記のような洗浄においては、上記原水導入管に加えて、膜分離装置からの濃縮水導出管も洗浄対象とすることができ、この場合には、上記洗浄用水を内圧型中空糸分離膜からの濃縮水導出管にも供給可能な洗浄用水供給系を備えている構造とすればよい。
また、上記のような洗浄においては、上記洗浄用水による洗浄後に、上記内圧型中空糸分離膜に対し薬液を通液して分離膜を洗浄するようにすることができる。この場合、薬液を循環、通液させて分離膜の洗浄により有効に使用することができる。とくに、この薬液循環系に、固液分離装置が設けられていると、該固液分離装置により分離された薬液を効率よく洗浄に再利用できる。また、固液分離装置により分離された薬液を貯留する薬液タンクが設けられていると、分離された薬液を一層効率よく洗浄に再利用することが可能になる。この固液分離装置と薬液タンクは、共用することも、つまり一つの装置に両機能を持たせることも可能である。
また、上記のような洗浄においては、原水導入管の洗浄とは独立に、内圧型中空糸分離膜を洗浄するための薬液を循環、通液するに際し、洗浄に使用された薬液を固液分離し、分離された薬液を洗浄に再利用することもできる。この場合にも、分離された薬液を薬液タンクに貯留した後洗浄に再利用するようにすることができる。
本発明に係る水処理装置は、原水を直接、内圧型中空糸逆浸透膜または内圧型中空糸ナノフィルトレーション膜からなる内圧型中空糸分離膜に供給して透過水と濃縮水とに分離することを特徴とするものからなる。この場合、内圧型中空糸分離膜は、セルロース系材料を含む素材からなることが好ましく、このような素材を用いることにより、膜面への汚染物質の付着が抑制され、Fluxの低下が起こりにくくなる。
また、本発明に係る水処理装置は、原水を直接、内圧型中空糸逆浸透膜または内圧型中空糸ナノフィルトレーション膜からなる内圧型中空糸分離膜に供給して透過水と濃縮水とに分離する1段目膜分離装置と、前段の透過水を被処理水として逆浸透膜またはナノフィルトレーション膜からなる分離膜に供給して透過水と濃縮水とに分離する2段目以降の膜分離装置とを有することを特徴とするものからなる。つまり、本発明装置は多段処理装置としても構成できる。この場合にも、1段目の内圧型中空糸分離膜がセルロース系材料を含む素材からなることが好ましい。また、2段目以降の膜分離装置には、内圧型中空糸分離膜以外の分離膜を用いることができる。2段目以降の膜分離装置に用いる分離膜の少なくとも一つに、スパイラル型膜エレメントを用いることが好ましく、これによって、良好な処理、とくに良好な脱塩処理を容易に行うことが可能になる。中でも、スパイラル型膜エレメントがポリアミド系材料を含む素材からなると、低圧化をはかることができるとともに、高い水質の透過水を得ることが可能となる。
また、上記本発明に係る水処理装置においては、洗浄システムを付加することが好ましい。すなわち、上記内圧型中空糸分離膜に原水を導入する原水導入管に、該原水導入管に供給された洗浄用水を実質的に内圧型中空糸分離膜へは導入させずに該原水導入管を通過させて排出する洗浄用水排水管が接続されている構造を採用することができる。また、洗浄用水を上記内圧型中空糸分離膜からの濃縮水導出管にも供給可能な洗浄用水供給系を備えていてもよい。
また、この洗浄システムには、上記内圧型中空糸分離膜に対し、薬液を通液して分離膜を洗浄する薬液洗浄系が設けられている構造を採用することができる。薬液洗浄系は循環系に構成することができる。この薬液循環系には固液分離装置が設けられていることが好ましい。このような固液分離装置を有する薬液循環系は、上述の原水導入管の洗浄系とは独立に設けられてもよい。このような薬液循環系には、上記固液分離装置により分離された薬液を貯留する薬液タンクが設けられていてもよく、固液分離装置と薬液タンクが共用された構造としてもよい。
本発明に係る水処理方法および装置によれば、原水を、実質的に直接、内圧型中空糸逆浸透膜または内圧型中空糸ナノフィルトレーション膜からなる内圧型中空糸分離膜に供給して透過水と濃縮水とに分離する処理を行うが、このような内圧型中空糸分離膜では従来のスパイラル型膜モジュールの場合にみられたような原水流路の閉塞が抑制されることから、従来のような除濁目的の前処理を行うことなく、分離処理を行うことが可能となり、システムの簡略化、設置面積の低減、低コスト化が可能となる。とくに、内圧型中空糸分離膜にセルロース系の素材を用いることにより、Fluxの低下を抑えつつ、良好な処理が可能となる。
また、とくに本発明に係る水処理方法および装置を多段処理に適用し、1段目を上記内圧型中空糸逆浸透膜または内圧型中空糸ナノフィルトレーション膜からなる内圧型中空糸分離膜による処理とし、2段目以降に浸透膜またはナノフィルトレーション膜分離処理、とくにスパイラル型膜エレメントによる膜分離処理とすることにより、1段目で適切に除濁しつつ、2段目以降では除濁された状態にて所望の脱塩処理等を行うことができ、簡素化されたシステムでありながら、優れた処理水の水質が得られる。
以下に、本発明の望ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る水処理装置を示している。図1において、被処理水としての原水1は、ポンプ2により原水導入管3を介して、分離膜モジュール4に送られる。分離膜モジュール4は、中空糸の内側に被処理水が加圧供給される内圧型の中空糸膜モジュールからなり、分離膜モジュール4内には、内圧型中空糸逆浸透膜または内圧型中空糸ナノフィルトレーション膜からなる内圧型中空糸分離膜5が設けられている。原水導入管3を介して供給される原水1は、実質的に直接、内圧型中空糸分離膜5(分離膜エレメント)に供給され、透過水6と濃縮水7とに分離されるようになっている。透過水6は透過水導出管8、開閉弁9を介して導出され、濃縮水7は濃縮水導出管10、開閉弁11を介して導出されるようになっている。濃縮水7は、ブローされて系外に排出されたり、必要に応じて濃縮水処理系に送られたりする。透過水6は、そのまま使用先に供給されたり、後述の多段処理における2段目処理の被処理水として供給される。図1において、12は原水1の供給を制御する開閉弁を示している。また、原水1としてはとくに限定されず、地下水、井戸水、河川水、湖水、雨水、工業用水、水道水、下排水処理水等が例示される。なお、本実施態様では、分離膜モジュール4は一つだけ設けられているが、複数並設されていてもよく、必要とされる造水量に応じて並設数を決めればよい。複数並設する場合には、原水導入管3、透過水導出管8および濃縮水導出管10は共通の母管として設ければよい。なお、本実施態様では、分離膜モジュール4を縦型形態(上下方向配置形態)で示してあるが、横型形態(水平方向配置形態)とすることも可能である。
上記内圧型中空糸分離膜5の膜素材としては、親水性素材、さらにはセルロース系の物質を含む素材が良い。近年、ROやNFの超低圧化が進み、ポリアミド(PA)系の膜が多く使用されているが、PA膜は汚れに弱く、特に前処理をせず直接使用すると、原水中の濁質やフミン質をはじめとする種々の汚染物質が膜表面に付着し、早期にFluxの低下を引き起こす。一方、セルロース系の膜ではこの現象が起こりにくく、Fluxの低下は見られない。この理由は定かではないが、膜表面のゼータ電位の相違、親水性の相違、平滑度の相違などが要因であると考えられる。つまり、上記内圧型中空糸分離膜5に適した膜素材は、ゼータ電位はよりマイナス寄りであること、親水性が高いこと、平滑度が高いこと、が条件になるものと考えられる。したがって、とくにセルロース系の膜を使用することにより、除濁を目的とする前処理を行うことなく、内圧型中空糸分離膜5に実質的に直接原水1を供給して膜分離処理を行うことが可能になる。その結果、システム全体の簡略化、設置面積の低減、低コスト化が可能となる。
さらに本実施態様では、所定期間処理後に分離膜モジュール4の性能を回復させるための洗浄系も設けられている。原水導入管3には、該原水導入管3に供給された洗浄用水を実質的に分離膜モジュール4へは導入させずに該原水導入管3を通過させて排水する洗浄用水排水管13が接続されている。本実施態様では、洗浄用水として、原水1が使用され、ポンプ2により供給された洗浄用水としての原水1が、開閉弁14を開とすることにより、原水導入管3を通過されて原水導入管3内を洗浄した後、洗浄により除去された配管内濁質等とともに、洗浄用水排水管13を通して排出される。この洗浄排水15は、適宜放流等に供すればよく、濃縮水7と合流させて排出してもよい。なお、本実施態様では、洗浄用水として原水1を使用したが、別の洗浄用水(例えば、透過水6)を使用してもよい。また、洗浄用水を膜分離処理時の原水の流れ方向と同じ方向に供給し、排出するようにしたが、原水導入管3中を逆方向に流れるように供給することも可能である。
原水導入管3に洗浄用水としての原水1が導入されることにより、後述の薬液洗浄前に、予め、該原水導入管3内に付着や堆積していた濁質等が洗い流されて除去され、除去された濁質等が洗浄後の水とともに洗浄用水排水管13を通して排出される。分離膜モジュール4の導入側、少なくとも原水導入管3内が予め良好に洗浄されることにより、次に行われる分離膜に対する薬液洗浄時に、循環される薬液を原水導入管3の洗浄に消費しないでも済むようになり、分離膜の薬液洗浄に使用される薬液の量を大幅に低減することができ、洗浄コストが大幅に削減される。また、分離膜の薬液洗浄時間の短縮をはかることも可能となる。
また、本実施態様では、バイパス管16、開閉弁17、18を介して、洗浄用水としての原水1を導出側母管(濃縮水導出管10)側にも供給可能となっており、導出側母管に洗浄用水を供給することにより、導出側においても同様に良好な事前配管洗浄を行うことができる。導出側の配管洗浄を加えれば、分離膜の薬液洗浄に使用される薬液の量はさらに低減される。
分離膜モジュール4の分離膜の洗浄については、主として薬液によって行われる。本実施態様では、分離膜モジュール4に対して、開閉弁18、19、20を有する薬液の循環系21が設けられている。使用する薬液は、分離膜モジュール4の分離膜の種類や、処理対象となる被処理水の性状等に応じて選択すればよく、特に限定されないが、シュウ酸、クエン酸等の有機酸、硝酸、塩酸等の無機酸、苛性ソーダ等のアルカリ、次亜塩素酸ソーダ、ヒドラジン、界面活性剤などが例示される。有機酸を使用する場合には、腐敗防止のために、防腐剤を添加してもよい。
上記薬液の循環系21には、固液分離装置22と、該固液分離装置22により分離された薬液を貯留する薬液タンク23が設けられている。固液分離装置22は、本実施態様では、沈澱分離装置に構成されており、沈澱された分離膜からの除去固形分等が、沈澱槽24の底部から開閉弁25を介して引き抜かれ、分離された上澄液が、例えば溢流堰26を介して薬液タンク23へと回収され、洗浄用に再利用される。固液分離を行うことにより、分離された薬液が効率よく洗浄に再利用され、その分全体としての薬液使用量が一層削減されることになる。なお、上記固液分離装置22と薬液タンク23は、共用可能な装置に構成されてもよい。
上記のように洗浄用水による配管の事前洗浄により、分離膜の洗浄に消費される薬液量は大幅に低減される。そして、固液分離装置22を備えた薬液の循環系21により薬液を再利用することにより、薬液使用量は一層大幅に削減される。このような薬液の循環系21は、上記洗浄用水による配管の事前洗浄を伴わない場合にも、薬液使用量の低減効果を奏するものであり、この構成のみでも効果が得られる。
図2は、本発明を多段処理に適用した実施態様を示している。本実施態様では、図1に示した実施態様に対し、さらに、1段目の分離膜モジュール4の透過水が、2段目処理の被処理水として供給され、2段目の分離膜モジュール31の分離膜32により、透過水33と濃縮水34とに分離処理される。濃縮水34は前述の濃縮水7に合流されてもよく、1段目透過水を被処理水とした濃縮水34で比較的清浄な水なので、別に処理したり、原水1に戻すようにしてもよい。本実施態様では2段目処理の透過水33が最終的な処理水とされているが、要求される最終処理水質に応じて、2段目以降にも同様に前段の透過水を被処理水として膜分離処理することが可能である。また、この2段目以降の膜分離処理においても、造水量に応じて分離膜モジュール31を複数並設することが可能である。
この2段目以降の分離膜モジュール31の分離膜32としては、逆浸透膜またはナノフィルトレーション膜からなる分離膜である限り特に限定されないが、1段目処理で前述の如く実質的に除濁処理されており、汚染物質の含有量も低いことから、より高度な脱塩処理を狙った分離膜32とすることが好ましい。また、低圧型の分離膜モジュール31を用いる場合には(例えば、通常、セルロース系膜よりもポリアミド(PA)系膜の方が低圧で運転可能であるため)、必要に応じて1段目の分離膜モジュール4の透過水導出管8にレギュレータを取り付け、後段の圧力を下げて使用することができる。
2段目以降の膜素材としては、とくに、少なくともポリアミドを含むPA系の素材を用いるのが良く、尿素樹脂等が配合されていてもよい。PA系は汚れに弱いことは前述した通りだが、1段目の処理によって、PA膜の汚染原因は実質的に排除されるため、2段目以降に使用しても差し支えない。また1段目には、原水中の濁質による原水流路の閉塞を避けるため、内圧型中空糸を用いるのが良いが、1段目で除濁されるため、スパイラル型膜エレメントを2段目以降に用いることができるようになる。これらにより、複数段にわたってセルロース系内圧型中空糸を用いるよりも、スパイラル型膜エレメントを用いることにより、水質面、コスト面でのメリットが見込める。また、前処理も省略できることを考えると、システム全体としても、システムの簡略化、設置面積の低減、低コスト化などの非常に大きなメリットが得られる。
なお、図2に示したような多段処理システムにおいても、前述したのと同様の配管洗浄系、薬液洗浄系を設けることが好ましく、図1における説明と同様の操作で洗浄を実施できる。
本発明に係る水処理方法および装置は、とくに除濁目的の前処理を大幅に簡略化しつつ所望の脱塩処理を行うことが要求されるシステムに好適であり、とくに多段処理システムに適用して好適なものである。
本発明の一実施態様に係る水処理装置の概略機器系統図である。 本発明の別の実施態様に係る水処理装置の概略機器系統図である。
符号の説明
1 原水
2 ポンプ
3 原水導入管
4 分離膜モジュール
5 内圧型中空糸分離膜
6 透過水
7 濃縮水
8 透過水導出管
9、11、12、14、17、18、19、20、25 開閉弁
10 濃縮水導出管
13 洗浄用水排水管
15 洗浄排水
16 バイパス管
21 薬液循環系
22 固液分離装置
23 薬液タンク
24 沈澱槽
26 溢流堰
31 分離膜モジュール(2段目)
32 分離膜
33 透過水(2段目)
34 濃縮水(2段目)

Claims (28)

  1. 原水を直接、内圧型中空糸逆浸透膜または内圧型中空糸ナノフィルトレーション膜からなる内圧型中空糸分離膜に供給して透過水と濃縮水とに分離することを特徴とする水処理方法。
  2. 前記内圧型中空糸分離膜がセルロース系材料を含む素材からなる、請求項1の水処理方法。
  3. 原水を直接、内圧型中空糸逆浸透膜または内圧型中空糸ナノフィルトレーション膜からなる内圧型中空糸分離膜に供給して透過水と濃縮水とに分離する1段目の膜分離処理を行い、2段目以降、前段の透過水を被処理水として逆浸透膜またはナノフィルトレーション膜からなる分離膜に供給して透過水と濃縮水とに分離する膜分離処理を行うことを特徴とする水処理方法。
  4. 前記内圧型中空糸分離膜がセルロース系材料を含む素材からなる、請求項3の水処理方法。
  5. 前記2段目以降の膜分離処理に、内圧型中空糸分離膜以外の分離膜を用いる、請求項3または4の水処理方法。
  6. 前記2段目以降の膜分離処理に用いる分離膜の少なくとも一つに、スパイラル型膜エレメントを用いる、請求項3〜5のいずれかに記載の水処理方法。
  7. 前記スパイラル型膜エレメントがポリアミド系材料を含む素材からなる、請求項6の水処理方法。
  8. 前記内圧型中空糸分離膜に原水を導入する原水導入管に洗浄用水を供給して少なくとも該原水導入管を洗浄するとともに、洗浄後の水を、実質的に内圧型中空糸分離膜へは導入させずに該原水導入管を通過させ、該原水導入管に接続された洗浄用水排水管を通して排出する、請求項1〜7のいずれかに記載の水処理方法。
  9. 前記洗浄用水を前記内圧型中空糸分離膜からの濃縮水導出管にも供給して少なくとも該濃縮水導出管を洗浄する、請求項8の水処理方法。
  10. 前記洗浄用水による洗浄後に、前記内圧型中空糸分離膜に対し薬液を通液して分離膜を洗浄する、請求項8または9の水処理方法。
  11. 前記薬液を循環、通液する、請求項10の水処理方法。
  12. 洗浄に使用された薬液を固液分離し、分離された薬液を洗浄に再利用する、請求項11の水処理方法。
  13. 前記内圧型中空糸分離膜を洗浄するための薬液を循環、通液するに際し、洗浄に使用された薬液を固液分離し、分離された薬液を洗浄に再利用する、請求項1〜7のいずれかに記載の水処理方法。
  14. 分離された薬液を薬液タンクに貯留した後洗浄に再利用する、請求項12または13の水処理方法。
  15. 原水を直接、内圧型中空糸逆浸透膜または内圧型中空糸ナノフィルトレーション膜からなる内圧型中空糸分離膜に供給して透過水と濃縮水とに分離することを特徴とする水処理装置。
  16. 前記内圧型中空糸分離膜がセルロース系材料を含む素材からなる、請求項15の水処理装置。
  17. 原水を直接、内圧型中空糸逆浸透膜または内圧型中空糸ナノフィルトレーション膜からなる内圧型中空糸分離膜に供給して透過水と濃縮水とに分離する1段目膜分離装置と、前段の透過水を被処理水として逆浸透膜またはナノフィルトレーション膜からなる分離膜に供給して透過水と濃縮水とに分離する2段目以降の膜分離装置とを有することを特徴とする水処理装置。
  18. 前記内圧型中空糸分離膜がセルロース系材料を含む素材からなる、請求項17の水処理装置。
  19. 前記2段目以降の膜分離装置に、内圧型中空糸分離膜以外の分離膜が用いられている、請求項17または18の水処理装置。
  20. 前記2段目以降の膜分離装置に用いる分離膜の少なくとも一つに、スパイラル型膜エレメントが用いられている、請求項17〜19のいずれかに記載の水処理装置。
  21. 前記スパイラル型膜エレメントがポリアミド系材料を含む素材からなる、請求項20の水処理装置。
  22. 前記内圧型中空糸分離膜に原水を導入する原水導入管に、該原水導入管に供給された洗浄用水を実質的に内圧型中空糸分離膜へは導入させずに該原水導入管を通過させて排出する洗浄用水排水管が接続されている、請求項15〜21のいずれかに記載の水処理装置。
  23. 前記洗浄用水を前記内圧型中空糸分離膜からの濃縮水導出管にも供給可能な洗浄用水供給系を備えている、請求項22の水処理装置。
  24. 前記内圧型中空糸分離膜に対し、薬液を通液して分離膜を洗浄する薬液洗浄系が設けられている、請求項22または23の水処理装置。
  25. 前記薬液洗浄系が循環系に構成されている、請求項24の水処理装置。
  26. 前記薬液循環系に固液分離装置が設けられている、請求項25の水処理装置。
  27. 前記内圧型中空糸分離膜に薬液を通液して洗浄するとともに該薬液を循環させる薬液循環系を有し、該薬液循環系に、固液分離装置が設けられている、請求項15〜21のいずれかに記載の水処理装置。
  28. 前記薬液循環系に、前記固液分離装置により分離された薬液を貯留する薬液タンクが設けられている、請求項26または27の水処理装置。
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