JP2002263456A - ゼオライト膜の処理方法、および分離方法 - Google Patents

ゼオライト膜の処理方法、および分離方法

Info

Publication number
JP2002263456A
JP2002263456A JP2001064255A JP2001064255A JP2002263456A JP 2002263456 A JP2002263456 A JP 2002263456A JP 2001064255 A JP2001064255 A JP 2001064255A JP 2001064255 A JP2001064255 A JP 2001064255A JP 2002263456 A JP2002263456 A JP 2002263456A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
zeolite membrane
membrane
zeolite
coupling agent
treating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001064255A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Ozeki
雄治 尾関
Tomonori Endo
智徳 遠藤
Masato Yoshikawa
正人 吉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2001064255A priority Critical patent/JP2002263456A/ja
Publication of JP2002263456A publication Critical patent/JP2002263456A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ゼオライト膜表面の疎水性を高める処理方法、
および処理されたゼオライト膜を用いた分離方法を提供
する。 【解決手段】ゼオライト膜をカップリング剤で処理す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゼオライト膜の処
理方法に関するものである。ゼオライトは、分子レベル
の細孔径を有する無機酸化物の結晶であり、その細孔分
布は完全に均一である。そのようなゼオライトを膜状に
合成したゼオライト膜は高性能分離膜として有望な素材
となりうる。特にゼオライト膜の疎水性を利用した分離
では膜の疎水性が高いほど、疎水性物質/親水性物質の
高い分離特性が期待できる。本発明にある処理を施した
ゼオライト膜では、膜表面への親水性物質の液膜の付着
を抑えることができるので、特に親水性物質蒸気や液の
共存下でのガス透過やガス分離、液分離の膜として利用
できる。例えば、水中の脱気膜、電解コンデンサー用水
素透過膜や燃料電池用の燃料水素の分離膜として有効に
利用できる。また、本発明にある処理を施したゼオライ
ト膜を用いれば、水中に存在する微量有機溶媒を選択的
に除去することができる。例えば、発酵法を利用したア
ルコール製造において、該膜を用いて系中に生成した低
濃度のアルコールを選択的に系外に除去することで、ア
ルコール生成効率を高めることができる。また、本発明
にある処理を施したゼオライト膜では、ゼオライト膜中
の粒界、亀裂、およびピンホールの幅や径を狭めること
ができるので、ゼオライト細孔に起因する高い分子ふる
い特性を利用することができる。例えば、混合キシレン
中から最も分子径が小さいパラ体だけを選択的に透過し
うる膜として利用することができる。
【0002】
【従来の技術】ゼオライトの結晶表面は、結晶の破断面
であり、多くのOH基を有する。従って、ゼオライト膜表
面には多くのOH基が存在する。ゼオライトとして疎水性
が高いハイシリカゼオライトまたはオールシリカゼオラ
イトを用いても、ゼオライト膜細孔内は疎水性である
が、ゼオライト膜表面の疎水性は高くない。そのため、
従来の疎水性ゼオライト膜は、結晶間隙や亀裂の存在に
帰因する透過特性の低下だけではなく、ゼオライト膜表
面のOH基に由来する親水性のために、親水性物質を付着
して透過特性が落ちるという欠点があった。例えば、M
icroporous and Mesoporous
Materials、35−36(2000)253
には、ゼオライトにオールシリカゼオライトであるシリ
カライトを用いたエタノールと水の分離特性が記載され
ている。この膜のα(エタノール/水)は約0.3であ
り、エタノールよりも水を選択的に透過するものであっ
た。
【0003】これに対し、 Micrporous M
aterials、5(1995)179−184に
は、C8以上の長い直鎖アルキル基を有するアルキルト
リクロロシランを用いてゼオライト膜を処理する方法が
記載されている。処理剤にオクタデシルトリクロロシラ
ンを用いた場合、α(エタノール/水)は13から45
まで向上している。しかし、長い直鎖アルキル基を有す
るアルキルトリクロロシランは高価で工業的使用には適
さない。また、クロロ基が3つあることで、シラン同士
の重合が進行しやすく、ゼオライト膜表面にシリコーン
膜を生成し、透過率を低下させるといった問題があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記欠
点を全て解消する物であり、ゼオライト膜表面に疎水性
を付与し、かつ、ゼオライト膜中の粒界等を狭め、疎水
性を利用した透過選択性を向上させる物である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、下記の構成を有する。「ゼオライト膜を下
記一般式(1)または(2)で示されるカップリング剤
と接触させたることを特徴とするゼオライト膜の処理方
法。
【0006】
【化2】 (ここで、Mは、SiまたはTi、Xは、ハロゲン、O
H、H、またはORであり、それぞれ同一であっても異
なっていてもよく、Rは、炭素数2以上のアルキル基ま
たはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっ
ていてもよい。)」 「上記の方法で処理されたゼオライト膜を用いた分離方
法。」本発明者らは、ゼオライト膜の疎水性を上げるた
めにゼオライト膜の処理方法を鋭意検討した結果、本発
明に至った。特定の処理剤を用い、本発明の処理法を適
用した場合に、表面を疎水化でき、親水性物質の蒸気の
存在下での分離や透過、および水溶液中の微量有機成分
の除去に有用なゼオライト膜とできる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】第一の発明は、ゼオライト膜を下記一般式
(1)または(2)で示されるカップリング剤と接触さ
せることを特徴とするゼオライト膜の処理方法である。
【0009】
【化3】 (ここで、Mは、SiまたはTi、Xは、ハロゲン、O
H、H、またはORであり、それぞれ同一であっても異
なっていてもよく、Rは、炭素数2以上のアルキル基ま
たはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっ
ていてもよい。)本発明でいうゼオライト膜とはゼオラ
イトまたはゼオライト類似物を主成分とした膜のことで
ある。ゼオライトとは分子サイズの細孔径を有した結晶
性無機酸化物である。分子サイズとは、本発明において
は0.2から2ナノメートル程度の範囲を意味する。ゼ
オライトまたはゼオライト類似物とは、結晶性シリケー
ト、結晶性アルミノシリケート、結晶性メタロシリケー
ト、結晶性アルミノフォスフェート、結晶性メタロアル
ミノフォスフェート等で構成された結晶性マイクロポー
ラス物質のことである、シリカ成分を含んだゼオライ
ト、即ち、結晶性シリケート、結晶性アルミノシリケー
ト、結晶性メタロシリケートは、ヘテロ原子の数を減ら
すことによって、ゼオライト細孔内を疎水性にできるの
で好ましい。本発明の一つの目的は、ゼオライト膜を疎
水性として、極性物質を膜でブロックしたり、極性物質
が液膜として付着することを妨げ、透過特性を長時間に
わたり良好にすることにある。その目的のためには、ゼ
オライトとしては、Si/メタル>5のハイシリカ結晶
性メタロシリケートが好ましい。特に、メタルがアルミ
ニウムの結晶性アルミノシリケートで、Si/Al>5
のものが好んで用いられる。Si/メタル比、Si/A
l比は高いほど好ましく、特にシリカ成分のみの結晶性
シリケートを使用することが好ましい。
【0010】また、本発明は、ゼオライトのSiO2
Al23比が50以上であることを特徴とするゼオライ
ト膜の処理方法に関するものである。本発明は、ゼオラ
イト膜表面の疎水性を高めることが目的の一つであるこ
とから、ゼオライト自体の疎水性が高いものほど好まし
い。そのため、SiO2/Al23比が50以上のゼオ
ライトが好んで用いられ、さらに好ましくは、SiO2
/Al23比が100以上であり、最も好ましくは、実
質的に骨格内にアルミニウムを含まないオールシリカゼ
オライトである。
【0011】ゼオライトの種類は特に制限が無く、例え
ば、アトラス オブ ゼオライトストラクチュア タイ
プス(マイヤー、オルソン、バエロチャー著、ゼオライ
ツ、17(1/2)、1996):Atlas of Zeolite St
ructure types(W. M. Meier, D. H. Olson, Ch. Baerlo
cher, Zeolites, 17(1/2), 1996)に掲載されている構
造を持つゼオライトが挙げられる。またゼオライトの結
晶構造として、SiO2/Al23比が50以上となり
うる構造が好んで用いられる。MFI構造は高SiO2
/Al23比をとりやすく、しかも、細孔径が世の中に
ある一般的な分子と同程度であることから、分離膜とし
て有効であり、好んで用いられる。MFI構造を有する
ゼオライトで、実質的に骨格内にアルミニウムを含まな
いシリカライト−1構造が最も好んで用いられる。
【0012】また、ゼオライト膜は、ゼオライトのみの
単独膜でもよいが、支持体上に形成された膜の方が強度
が高く好ましい。支持体の材質、形態は特に限定されな
いが多孔質支持体を使用するのが望ましい。多孔質支持
体の材質は特に限定されないが、一例として金属、金属
酸化物、有機ポリマーが挙げられる。耐熱性の観点か
ら、金属、金属酸化物が好ましく用いられる。金属の例
としては、ステンレス性の多孔質支持体(燒結金属)等
が挙げられる。金属酸化物としては特に限定されない
が、アルミナ、ジルコニア、シリカ、ムライト、チタニ
ア、ゼオライトまたはゼオライト類似物が好ましく用い
られる。
【0013】支持体の形状も特に限定されることなく、
球状、平板状、チューブ状モノリス状、ハニカム状等通
常市販で得られる物が利用できる。
【0014】本発明に用いるゼオライト膜は、従来既知
の方法により合成できる。例えば、シリカ源、アルミナ
源、アルカリ源、有機テンプレート、水の混合物に支持
体を浸しそのまま80から200℃程度に加熱すること
により合成できる(水熱合成法)。この時に種結晶とし
て予めゼオライトを支持体に塗布しておくことが好まし
い。支持体に、ゼオライト前駆体であるシリカ源、アル
ミナ源、アルカリ源、有機テンプレート、水の混合物を
塗布しておき、それを80〜200℃程度の水蒸気で処
理してゼオライトとする方法もある。この場合も、種結
晶として予めゼオライトを支持体に塗布しておくことが
好ましい(水蒸気合成法)。即ち、水熱合成法は支持体
をゼオライトの原料の中に浸して合成する方法であり、
水蒸気合成法は支持体上にゼオライトの原料を塗布し、
乾燥させた後に、水蒸気を当てながら合成する方法であ
る。水蒸気合成法は水熱合成法と比べて欠陥の少ない結
晶が得られ好ましい。
【0015】シリカ源としてはコロイダルシリカ、ヒュ
ームドシリカ、水ガラス、沈降シリカ、シリコンアルコ
キシド等が使われる。アルカリ源は、水酸化ナトリウ
ム、水酸化リチウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金
属の水酸化物等である。
【0016】アルカリ源としては、水酸化ナトリウム、
水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属や、
水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ
土類金属や、四級アンモニウムヒドロキサイド等が挙げ
られる。
【0017】有機テンプレートは、ゼオライトの孔を構
築する有機化合物の型剤であり、テトラエチルアンモニ
ウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロ
キシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の4
級アンモニウム塩やクラウンエーテル、アルコールなど
が用いられる。
【0018】アルミナ源は、結晶性アルミノシリケート
ゼオライトを作るときは必要であるが、硝酸アンモニウ
ム、硫酸アンモニウム、塩化アルミニウム、酢酸アンモ
ニウム等のアルミニウム塩、水酸化アルミニウム、酸化
アルミニウム、アルミニウムアルコキシド等が利用でき
る。
【0019】本発明におけるゼオライト膜処理方法の特
徴は、一般式(1)または(2)で示されるカップリン
グ剤と接触させることにある。本発明のカップリング剤
の状態は、常温で液体のものが取り扱い上好ましい。接
触の時の状態は、好ましくは液体または気体である。蒸
気圧の高いものは蒸気として、蒸気圧の低いものは液体
として接触させるのが処理しやすく好ましい。固体のも
のは溶媒に溶かして、液体として接触させるのが好まし
い。液体のものでも溶媒に溶かして接触させても良い。
【0020】本発明に用いるカップリング剤は、
【0021】
【化4】 と表される化合物を使用する。
【0022】Rは炭素数2以上のアルキル基またはアリ
ール基である。具体的には、エチル基、イソプロピル
基、ノルマルプロピル基、イソブチル基、ノルマルブチ
ル基、ターシャリーブチル基、フェニル基、ベンジル
基、およびアルキル基で置換されたフェニル基等があ
る。炭素数を2以上とする理由には以下の二つがあげら
れる。まず、本発明の目的の一つは、ゼオライト膜表面
のOH基とカップリング剤を反応させ、OH基量を低減
し、かつ、カップリング剤分子内に含まれる疎水性基に
より、ゼオライト膜表面全体の疎水性を高めることにあ
る。この目的から、疎水性基は炭素数が多いものが好ま
しく、炭素数2以上のカップリング剤が好んで用いられ
る。また、本発明のもう一つの目的は、ゼオライト膜表
面だけでなく、ゼオライト膜中に存在する粒界、亀裂、
およびピンホールのOH基とカップリング剤を反応さ
せ、粒界、亀裂、およびピンホールの幅を狭めることに
ある。この目的から、カップリング剤中心金属に結合し
たRは、嵩高いものほど好ましく、炭素数2以上のカッ
プリング剤が好んで用いられる。アルキル基は炭素と水
素を含む化合物なら特に限定されないが、好ましくは炭
素と水素以外にフッ素を含むものである。その理由はフ
ッ素を含むことにより膜の疎水性を向上するためであ
る。アルキル基の炭素数は特に限定されないが好ましく
は2以上20以下さらに好ましくは2以上10以下であ
る。同じ炭素数でも、側鎖を有するものの方が、疎水性
が大きくなり好ましい。一つの分子内に存在するRは全
て同じ基であっても異なる基であってもよい。
【0023】MはTiまたはSiのどちらでもよい。
【0024】Xはゼオライト膜表面のOH基と反応しう
るハロゲン、OH、H、および/またはORである。具
体的には、塩素、臭素、ヨウ素、OH、H、メトキシ
基、エトキシ基、およびイソプロポキシ基等がある。特
に、ハロゲン、Hが反応性が高く好ましい。その中で、
特にクロロが反応性が非常に高く、最も好ましい。OR
は、取り扱いやすい点で好ましい。ORは特に限定され
ないが、好ましくは炭素数が4以下の物、好ましくはい
エトキシまたはメトキシである。その理由はアルコキシ
の炭素数が少ないものはゼオライト膜上のOH基との反
応活性が比較的高く反応し易いためである。
【0025】Mに結合したXの数は1または2である。
Xの数が3または4になると、ゼオライト膜の処理中に
系内に存在する微量の水分で、カップリング剤同士の重
合が進み、ゼオライト膜上にシリコーン樹脂や含チタン
化合物から成る被覆物が生成してしまうためである。そ
の被覆物によりゼオライト細孔入り口が塞がれ、透過率
が低下する。Xが1なら、系内に微量の水分が共存して
いてもカップリング剤が2量体を形成するのみで、シリ
コーン樹脂や含チタン化合物の生成には至らないため、
最も好んで用いられる。Xが2では、系内に微量に存在
する水分で、カップリング剤が繊維状に結合した化合物
が形成される可能性がある。しかし実際には、カップリ
ング剤が数分子のみ結合した後にカップリング剤末端に
結合した未反応OH基がゼオライト膜表面のOH基と反
応するため、高分子は生成しない。
【0026】また、本発明では、一般式(1)、および
(2)で示されるカップリング剤において式中のXが塩
素であることが好ましい。先述した通り、カップリング
剤の構造の中で、ゼオライト膜表面のOH基と反応する
部位であるXは、反応性が高いほど穏やかな処理条件で
処理することができ好ましい。Xが塩素であるクロロシ
ラン、およびジクロロシランは、反応性が高く好んで用
いられる。
【0027】また、本発明は、一般式(1)、および
(2)で示されるカップリング剤において式中のRが側
鎖を有するアルキル基であることが好ましい。本発明は
ゼオライト膜の処理方法に関するものであり、カップリ
ング剤の構造中に疎水性が高い部位が存在するほど、処
理されたゼオライト膜の疎水性が高まる。Rが側鎖を有
するアルキル基である場合、炭素数が同じ直鎖構造を有
するアルキル基に比べ疎水性が高いゼオライト膜ができ
やすく、好んで用いられる。また、Rが嵩高いほど、ゼ
オライト膜中の粒界、亀裂、およびピンホールの幅を狭
めることができ好ましい。
【0028】一般式(1)または一般式(2)で表され
るシランカップリング剤としては、たとえば、Mがケイ
素でXが塩素で分子内にXが一つである、トリエチルク
ロロシラン、トリイソプロピルクロロシラン、トリノル
マルプロピルクロロシラン、トリイソブチルクロロシラ
ン、トリノルマルブチルクロロシラン、トリターシャリ
ーブチルクロロシランなどがあげられる。また、Mがケ
イ素でXが水素で分子内にXが一つである、トリエチル
シラン、トリイソプロピルシラン、トリノルマルプロピ
ルシラン、トリイソブチルシラン、トリノルマルブチル
シラン、トリターシャリーブチルシランなどがあげられ
る。また、Mがケイ素でXが水酸基で分子内にXが一つ
である、トリエチルクロロシラノール、トリイソプロピ
ルクロロシラノール、トリノルマルプロピルクロロシラ
ノール、トリイソブチルクロロシラノール、トリノルマ
ルブチルクロロシラノール、トリターシャリーブチルク
ロロシラノールなどがあげられる。また、Mがケイ素で
Xがメトキシ基で分子内にXが一つである、トリエチル
メトキシシラン、トリイソプロピルメトキシシラン、ト
リノルマルプロピルメトキシシラン、トリイソブチルメ
トキシシラン、トリノルマルブチルメトキシシラン、ト
リターシャリーブチルメトキシシランなどがあげられ
る。また、MがチタンでXが塩素で分子内にXが一つで
ある、トリエチルクロロチタン、トリイソプロピルクロ
ロチタン、トリノルマルプロピルクロロチタン、トリイ
ソブチルクロロチタン、トリノルマルブチルクロロチタ
ン、トリターシャリーブチルクロロチタンなどがあげら
れる。また、MがチタンでXが水素で分子内にXが一つ
である、トリエチルチタン、トリイソプロピルチタン、
トリノルマルプロピルチタン、トリイソブチルチタン、
トリノルマルブチルチタン、トリターシャリーブチルチ
タンなどがあげられる。また、MがチタンでXがメトキ
シ基で分子内にXが一つである、トリエチルメトキシチ
タン、トリイソプロピルメトキシチタン、トリノルマル
プロピルメトキシチタン、トリイソブチルメトキシチタ
ン、トリノルマルブチルメトキシチタン、トリターシャ
リーブチルメトキシチタンなどがあげられる。また、M
がケイ素でXが塩素で分子内にXが二つである、ジエチ
ルジクロロシラン、ジイソプロピルジクロロシラン、ジ
ノルマルプロピルジクロロシラン、ジイソブチルジクロ
ロシラン、ジノルマルブチルジクロロシラン、ジトリタ
ーシャリーブチルジクロロシランなどがあげられる。ま
た、Mがケイ素でXが水素で分子内にXが二つである、
ジエチルシラン、ジイソプロピルシラン、ジノルマルプ
ロピルシラン、ジイソブチルシラン、ジノルマルブチル
シラン、ジトリターシャリーブチルシランなどがあげら
れる。また、Mがケイ素でXが水酸基で分子内にXが二
つである、ジエチルジクロロシラノール、ジイソプロピ
ルジクロロシラノール、ジノルマルプロピルジクロロシ
ラノール、ジイソブチルジクロロシラノール、ジノルマ
ルブチルジクロロシラノール、ジターシャリーブチルジ
クロロシラノールなどがあげられる。また、Mがケイ素
でXがメトキシ基で分子内にXが二つである、ジエチル
ジエトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、
ジノルマルプロピルジエトキシシラン、ジイソブチルジ
エトキシシラン、ジノルマルブチルジエトキシシラン、
ジトリターシャリーブチルジエトキシシランなどがあげ
られる。また、MがチタンでXが塩素で分子内にXが二
つである、ジエチルジクロロチタン、ジイソプロピルジ
クロロチタン、ジノルマルプロピルジクロロチタン、ジ
イソブチルジクロロチタン、ジノルマルブチルジクロロ
チタン、ジトリターシャリーブチルジクロロチタンなど
があげられる。また、MがチタンでXが水素で分子内に
Xが二つである、ジエチルチタン、ジイソプロピルチタ
ン、ジノルマルプロピルチタン、ジイソブチルチタン、
ジノルマルブチルチタン、ジトリターシャリーブチルチ
タンなどがあげられる。また、MがチタンでXがメトキ
シ基で分子内にXが二つである、ジエチルジエトキシチ
タン、ジイソプロピルジエトキシチタン、ジノルマルプ
ロピルジエトキシチタン、ジイソブチルジエトキシチタ
ン、ジノルマルブチルジエトキシチタン、ジトリターシ
ャリーブチルジエトキシチタンなどがあげられる。
【0029】好ましくは、Mがケイ素でXが塩素で分子
内にXが一つある、トリイソプロピルクロロシラン、ト
リイソブチルクロロシラン、トリターシャリーブチルク
ロロシラン、Mがケイ素でXが水素で分子内にXが一つ
である、トリイソプロピルシラン、トリイソブチルシラ
ン、トリターシャリーブチルシラン、MがチタンでXが
塩素で分子内にXが一つである、トリイソプロピルクロ
ロチタン、トリイソブチルクロロチタン、トリターシャ
リーブチルクロロチタン、MがチタンでXが水素で分子
内にXが一つである、トリイソプロピルチタン、トリイ
ソブチルチタン、トリターシャリーブチルチタンであ
る。
【0030】さらに好ましくは、Mがケイ素でXが塩素
で分子内にXが一つある、トリイソプロピルクロロシラ
ン、トリイソブチルクロロシラン、トリターシャリーブ
チルクロロシラン、MがチタンでXが塩素で分子内にX
が一つである、トリイソプロピルクロロチタン、トリイ
ソブチルクロロチタン、トリターシャリーブチルクロロ
チタン、である。
【0031】また、本発明では、前記一般式(1)また
は(2)で示されるカップリング剤を溶媒で希釈して、
ゼオライト膜と接触させることができる。カップリング
剤を溶媒で希釈することで、少量のカップリング剤を効
率よくゼオライト膜表面全体と接触させることができ
る。用いる溶媒は特に限定されない。エーテル類、アル
コール類、脂肪族炭化水素類、および芳香族炭化水素類
など、カップリング剤を溶解、懸濁等によって高分散で
きるものならばどんな溶媒でも用いることができる。処
理に用いるゼオライトの細孔内に入らない最小分子径を
有する溶媒、もしくは、ゼオライト細孔内に吸着しても
容易に脱離しうる溶媒が特に好んで用いられる。エーテ
ル類は、メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピ
ルエーテル等の単一エーテル、エチルメチルエーテル等
の混合エーテル、ジフェニルエーテル等のフェノールエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環式エー
テルなどがある。アルコール類は、メタノール、エタノ
ール、プロパノール等の脂肪族1価アルコールや、フェ
ノール等の芳香族アルコール、エチレングリコール等の
多価アルコールなどがある。脂肪族炭化水素は、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、オクタンなどがある。芳香族炭化
水素はベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン
などがある。
【0032】溶媒に希釈したカップリング剤の濃度は、
ゼオライト膜表面のOH基と反応するのに十分な量があ
ればよく、その上限も特に限定されない。0.05wt
%から50wt%の濃度が好んで用いられ、0.5wt
%から20wt%の濃度がさらに好んで用いられる。
【0033】また、本発明では、前記一般式(1)また
は(2)で示される液状のカップリング剤をゼオライト
膜と接触させることができる。この場合、溶媒で希釈し
ないで処理することができる。その処理方法は、特に限
定されないが、ゼオライト膜表面にカップリング剤の液
滴を滴下する方法、ゼオライト膜をカップリング剤溶液
中に浸漬する方法等が好んで用いられる。支持体上に作
製したシリカライト膜に処理する場合、カップリング剤
溶液中に浸漬すると、支持体粒子表面のOH基とカップ
リング剤が反応し、カップリング剤を無駄に使うことに
なるため、液滴を滴下する方法が好んで用いられる。
【0034】また、本発明は、前記一般式(1)または
(2)で示されるカップリング剤を気体状でゼオライト
膜を接触させることもできる。気体状カップリング剤を
用いる利点として、少量のカップリング剤でゼオライト
膜表面全体を効率よく処理できることがあげられる。ま
た、ガス化することで処理系内の温度を自由に上げるこ
とができ、温度を上げることにより反応性の低いカップ
リング剤でも反応性が高まることがあげられる。ガス化
方法は特に限定されないが、加熱、バブリング、および
減圧するなど、カップリング剤がガス状になる処理方法
ならばどんな方法でも良い。カップリング剤の加熱方法
は特に限定されないが、オートクレーブ等の密閉容器内
底部にカップリング剤を入れ、液にふれない箇所にゼオ
ライト膜を固定し、密栓後オートクレーブごと加熱する
方法が好んで用いられる。バブリング方法も特に限定さ
れないが、カップリング剤溶液中に窒素、ヘリウム等の
不活性乾燥ガスをバブリングし、蒸気圧濃度のカップリ
ング剤を含んだガスをゼオライト膜に供給する方法が好
んで用いられる。このとき、カップリング剤の蒸気圧濃
度を増加させる目的で、カップリング溶液部分や系内全
体を加熱してもよい。減圧方法も特に限定されないが、
オートクレーブ等の密閉容器内底部にカップリング剤を
入れ、液にふれない箇所にゼオライト膜を固定し、密閉
後、真空ポンプなどを用いオートクレーブ内部を減圧す
る方法が好んで用いられる。加熱、バブリング、および
減圧のうち二つ以上を同時に行い、カップリング剤を気
化させることは、上記目的を達成するために好んで用い
られる。
【0035】また、カップリング剤と接触させたゼオラ
イト膜は、加熱処理および/または減圧処理をするのが
好ましい。加熱処理とは、カップリング剤と接触させた
ゼオライト膜を室温以上の温度に曝すことを言い、その
温度は特に限定されない。加熱する目的は、処理時に発
生する副生物や溶媒がゼオライト細孔内にとどまり、透
過特性を低下させることを防ぐこと、および、ゼオライ
ト表面に物理吸着したカップリング剤とゼオライト表面
の未反応OH基の反応性を高めることにある。この目的
から、加熱温度は80℃以上が好ましく、さらに好まし
くは120℃以上である。また、カップリング剤のアル
キル基、および/またはアリール基が酸化分解される
と、カップリング剤中心金属にOH基が生成し、疎水性
が低下する。そのため、カップリング剤のアルキル基お
よび/またはアリール基が酸化分解されないような温度
で処理することが好ましい。この目的から、加熱温度は
500℃以下が好ましく、さらに好ましくは400℃以
下である。加熱に要する時間は特に限定されないが、上
記目的を満たすために、10分以上加熱することが好ま
しい。さらに好ましくは、30分以上である。なお、ゼ
オライト膜は急激な温度変化を受けると、膜内に亀裂を
生じるため、亀裂を生じさせないような昇温速度、およ
び降温速度が好んで用いられる。その速度は特に限定さ
れないが、昇温速度は5℃/分以下が好んで用いられ、
さらに好ましくは、3℃/分である。降温速度も5℃/
分以下が好んで用いられ、さらに好ましくは、3℃/分
である。
【0036】一方、減圧処理をする目的も、処理時に発
生する副生物や溶媒がゼオライト細孔内にとどまり、透
過特性を低下させることを防ぐことにある。減圧処理の
真空度は、上記目的を満たすことができれば、特に限定
されないが、1000Pa未満が好んで用いられる。さ
らに好ましくは100Pa未満である。減圧下に置く時
間は特に限定されないが、上記目的を満たすために、1
0分以上加熱することが好ましい。さらに好ましくは、
30分以上である。加熱処理と減圧処理を同時に行うこ
とは、上記目的を達成するために好んで用いられる。
【0037】また、本発明は、ゼオライト膜の処理方法
において、ゼオライト膜とカップリング剤を水非共存下
で接触させた後に、加熱処理および/または減圧処理す
ることが好ましい。水共存下でゼオライト膜をカップリ
ング剤に接触させると、カップリング剤はゼオライト膜
表面のOH基と化学反応するよりも、系中に存在する水
と反応し、2量体、または重合物を生成する。それらが
ゼオライト膜表面に堆積すると、加熱、および/また
は、減圧で除去できない。そのような膜を用いて透過用
途に用いると、堆積物が無い膜に比べて透過率が低下す
ることが予測される。このような理由から、ゼオライト
膜をカップリング剤と接触させるときは、水を共存させ
ない系で行うことが好ましい。ゼオライト膜にカップリ
ング剤を接触させるときだけでなく、加熱、および/ま
たは、減圧処理中も水を共存させないことが好ましい。
これは、カップリング剤をゼオライト膜に接触させたと
きに、未反応のカップリング剤がゼオライト膜表面に物
理吸着して、残存しているからである。カップリング剤
が物理吸着したゼオライト膜が水と接触すると、物理吸
着したカップリング剤が水と反応し、2量体、または重
合体を生成し、膜の透過率低下の原因となる。このよう
な理由から、ゼオライト膜をカップリング剤と接触させ
るとき、または接触させた後は、故意に水を加えないこ
とが好ましい。また、同様な理由から、ゼオライト膜を
カップリング剤と接触させるとき、または接触させた後
は、系内の水蒸気濃度を低下させることが好ましい。水
蒸気濃度を低下させる方法として、系内に五酸化二リン
等の水吸着性の高い物質を置いたり、系内を乾燥ガスで
置換する方法などが好んで用いられる。水蒸気濃度は1
%未満が好ましく、さらに好ましくは、1000ppm
未満であり、最も好ましくは、100ppm未満であ
る。また、同様な理由から、処理に用いるゼオライト膜
表面に水が吸着していると、カップリング剤が水と加水
分解反応を起こし、ゼオライト膜表面に堆積物を生じ
る。そのため、本発明にあるゼオライト膜の処理を行う
前に、ゼオライト膜表面を脱水しておくことが好まし
い。脱水方法としては、既知のいかなる方法も適用でき
る。例えば、ゼオライト膜を焼成する方法や、ゼオライ
ト膜表面より水吸着能が高い五酸化二リン等の物質と密
閉容器内に十分な時間放置する方法などが用いられる。
【0038】第2の発明は、上述の処理されたゼオライ
ト膜を用いた分離方法に関するものである。膜を利用し
て分離するとは、2成分以上の成分を含む気体又は液体
混合物の組成比を膜の透過前後で変えることである。本
発明にある処理されたゼオライト膜も透過前後で組成比
を変えることができるので、これを用いて物質を分離す
ることができる。分離のためには、ゼオライト膜を物質
が透過する必要がある。透過の駆動力は、一般的には圧
力差、濃度差である。分離の方法は、公知のいかなる方
法も利用できるが、液体の場合は、パーベーパレーショ
ン法、逆浸透法等の方法が採用できる。気体の場合は、
ガス供給側とガス透過側の圧力差を付けることによって
分離することができる。また、液体成分の場合も気体成
分の場合も膜の透過側にスウィープガスを流して濃度勾
配を利用して分離する方法もある。通常、分離する場
合、表面積を大きくするためにモジュール化する。モジ
ュール化は、通常セラミックス膜に用いられているよう
な公知のモジュール化の方法が適用できる。
【0039】本発明のゼオライト膜は、表面が疎水性で
あり、脱気膜や分離膜として有用である。脱気膜とは、
容器中で内容物が分解し発生したガスを抜いたり、液中
にとけ込んだ気体成分を抜いたりする膜である。ゼオラ
イトは疎水性ゼオライトと親水性ゼオライトが存在する
が疎水性ゼオライトの方がこの用途には好ましい。結晶
性アルミノシリケート系ゼオライトの場合、シリカ/ア
ルミナモル比が高い程、疎水性細孔を有し好ましい。特
に親水性蒸気や、親水性液体の存在下での脱気に本発明
ゼオライトは適している。分離膜としては、例えば、発
酵法を利用したアルコール製造において、該膜を用いて
系中に生成した低濃度のアルコールを選択的に系外に除
去することで、アルコール生成効率を高めることができ
る。
【0040】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に
説明する。もっとも、下記の実施例は例示のために示す
ものであって、いかなる意味においても限定的に解釈し
てはならない。
【0041】
【実施例】参考例1(ゼオライト膜の合成) 20gのテトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイ
ド(TPAOH)の20〜25%水溶液(東京化成20〜25
%水溶液)に0.28gのNaOH(片山試薬一級)を添加
して撹拌した。それに5gのヒュームドシリカ(Aldrich)
を添加して80℃に加熱し透明な水溶液を得た。これを
テフロン(登録商標)ラインのオートクレーブに入れ、
125℃で8時間加熱したところ、シリカライトの微粒
子(80nm)が得られた。これを水で希釈して1%のコ
ロイドにした。
【0042】直径10mm、厚み3mmの円柱形のαアルミナ
多孔質支持体(日本碍子製:片面のみアルミナ微粒子を
厚さ約50μm分コーティングしたもの、平均細孔径は
0.1μm)に乳酸(片山化学製)約0.15gを滴下
し、表面の乳酸が支持体内に染み込んだ後、シリカライ
トコロイド0.1gをアルミナ微粒子で処理された面上
に、なるべく均一に滴下してコーティングした。その
後、室温で風乾後、600℃で2時間焼成した。
【0043】この支持体を、LUDOX HS40と21.9% TPAOH
水溶液1:1の混合ゾルに2分間浸した。取り出した
後、五酸化二リンを入れたデシケーター中で24時間乾
燥した。その後、50mlオートクレーブに0.5gの水を
入れ、水蒸気加圧下で120℃で24時間加熱した。該
膜状試料を550℃で2時間焼成した。なお、昇温速度
は0.6℃/min、降温速度は1.2℃/minとした。シリ
カライトの薄膜が支持体上に形成していることを、X線
回折と電子顕微鏡で確認した。
【0044】得られたシリカライト膜に水素ボンベから
0.2MPaの水素を供給し、透過した水素ガス量から
水素透過率を算出した。その結果を表1に示した。
【0045】次にシリカライト膜に、エタノール/水混
合液(重量比 10:90)を供給し、膜の反対側から
真空ポンプで減圧し、膜を透過した成分を液体窒素で捕
集した。透過選択性α(エタノール/水)を以下の式か
ら算出した。結果を表1に示す。 α=9×(透過液中のエタノール重量濃度)/(透過液
中の水重量濃度) 実施例1(トリイソプロピルクロロシランを用いた処理
−1) トリイソプロピルクロロシラン(チッソ(株)製)1g
をジエチルエーテル(和光純薬製、特級)20gに加え
よく攪拌した。次に参考例1で示したシリカライト膜の
表面を十分に脱水した後に、トリイソプロピルクロロシ
ランのジエチルエーテル溶液に浸した。1時間浸した
後、取り出し、ゼオライト膜表面をジエチルエーテルで
よく洗浄した。これをオーブン中300℃で2時間加熱
処理した。なお、昇温速度は0.6℃/min、降温速度は
1.2℃/minとした。得られたシリカライト膜に水素ボ
ンベから0.2MPaの水素を供給し、透過した水素ガ
ス量から水素透過率を算出した。その結果を表1に示し
た。
【0046】次にシリカライト膜に、エタノール/水混
合液(重量比 10:90)を供給し、膜の反対側から
真空ポンプで減圧し、膜を透過した成分を液体窒素で捕
集した。透過選択性αを表1に示した。
【0047】実施例2(トリイソプロピルクロロシラン
を用いた処理−2) 参考例1で示したシリカライト膜の表面を十分に脱水し
た後に、トリイソプロピルクロロシラン(チッソ(株)
製)約0.05gを滴下し、5分間放置した。その後、
ゼオライト膜をオーブンに入れ、300℃で2時間加熱
処理した。なお、昇温速度は0.6℃/min、降温速度は
1.2℃/minとした。得られたシリカライト膜に水素ボ
ンベから0.2MPaの水素を供給し、透過した水素ガ
ス量から水素透過率を算出した。その結果を表1に示し
た。
【0048】次にシリカライト膜に、エタノール/水混
合液(重量比 10:90)を供給し、膜の反対側から
真空ポンプで減圧し、膜を透過した成分を液体窒素で捕
集した。透過選択性αを表1に示した。
【0049】実施例3(トリイソプロピルクロロシラン
を用いた処理−3) 参考例1で示したシリカライト膜の表面を十分に脱水し
た後に、ガラス容器内に固定した。次に前記ガラス容器
とガラス管で接続されている液溜内に、トリイソプロピ
ルクロロシラン(チッソ(株)製)約50gをいれ、室
温で乾燥窒素でバブリングした。飽和蒸気圧濃度のトリ
イソプロピルクロロシランを含んだ窒素ガスをカラス容
器に供給し、ゼオライト膜に接触させた。接触したガス
はガラス容器の排気口から系外に排出した。1時間後、
窒素ガスの供給を止め、ゼオライト膜を取り出した。こ
のゼオライト膜をオーブンに入れ、300℃で2時間加
熱処理した。なお、昇温速度は0.6℃/min、降温速度
は1.2℃/minとした。得られたシリカライト膜に水素
ボンベから0.2MPaの水素を供給し、透過した水素
ガス量から水素透過率を算出した。その結果を表1に示
した。
【0050】次にシリカライト膜に、エタノール/水混
合液(重量比 10:90)を供給し、膜の反対側から
真空ポンプで減圧し、膜を透過した成分を液体窒素で捕
集した。透過選択性αを表1に示した。
【0051】実施例4(トリイソブチルクロロシランを
用いた処理) トリイソブチルクロロシラン(チッソ(株)製)1gを
ジエチルエーテル(和光純薬製、特級)20gに加えよ
く攪拌した。次に参考例1で示したシリカライト膜の表
面を十分に脱水した後に、トリイソブチルクロロシラン
のジエチルエーテル溶液に浸した。1時間浸した後、取
り出し、ゼオライト膜表面をジエチルエーテルでよく洗
浄した。これをオーブン中300℃で2時間加熱処理し
た。なお、昇温速度は0.6℃/min、降温速度は1.2
℃/minとした。得られたシリカライト膜に水素ボンベか
ら0.2MPaの水素を供給し、透過した水素ガス量か
ら水素透過率を算出した。その結果を表1に示した。
【0052】次にシリカライト膜に、エタノール/水混
合液(重量比 10:90)を供給し、膜の反対側から
真空ポンプで減圧し、膜を透過した成分を液体窒素で捕
集した。透過選択性αを表1に示した。
【0053】実施例5(トリエチルクロロシランを用い
た処理) トリエチルクロロシラン(チッソ(株)製)1gをジエ
チルエーテル(和光純薬製、特級)20gに加えよく攪
拌した。次に参考例1で示したシリカライト膜の表面を
十分に脱水した後に、トリエチルクロロシランのジエチ
ルエーテル溶液に浸した。1時間浸した後、取り出し、
ゼオライト膜表面をジエチルエーテルでよく洗浄した。
これをオーブン中300℃で2時間加熱処理した。な
お、昇温速度は0.6℃/min、降温速度は1.2℃/min
とした。得られたシリカライト膜に水素ボンベから0.
2MPaの水素を供給し、透過した水素ガス量から水素
透過率を算出した。その結果を表1に示した。
【0054】次にシリカライト膜に、エタノール/水混
合液(重量比 10:90)を供給し、膜の反対側から
真空ポンプで減圧し、膜を透過した成分を液体窒素で捕
集した。透過選択性αを表1に示した。
【0055】実施例6(トリイソプロピルクロロシラン
を用いた処理−4) トリイソプロピルクロロシラン(チッソ(株)製)1g
をジエチルエーテル(和光純薬製、特級)20gに加え
よく攪拌した。次に参考例1で示したシリカライト膜の
表面を十分に脱水した後に、トリイソプロピルクロロシ
ランのジエチルエーテル溶液に浸した。1時間浸した
後、取り出し、ゼオライト膜表面をジエチルエーテルで
十分に洗浄したあと、十分な量の蒸留水と接触させた。
これをオーブン中300℃で2時間加熱処理した。な
お、昇温速度は0.6℃/min、降温速度は1.2℃/min
とした。得られたシリカライト膜に水素ボンベから0.
2MPaの水素を供給し、透過した水素ガス量から水素
透過率を算出した。その結果を表1に示した。
【0056】次にシリカライト膜に、エタノール/水混
合液(重量比 10:90)を供給し、膜の反対側から
真空ポンプで減圧し、膜を透過した成分を液体窒素で捕
集した。透過選択性αを表1に示した。
【0057】実施例7(ジイソプロピルジクロロシラン
を用いた処理) ジイソプロピルジクロロシラン(チッソ(株)製)1g
をジエチルエーテル(和光純薬製、特級)20gに加え
よく攪拌した。次に参考例1で示したシリカライト膜の
表面を十分に脱水した後に、トリイソプロピルクロロシ
ランのジエチルエーテル溶液に浸した。1時間浸した
後、取り出し、ゼオライト膜表面をジエチルエーテルで
よく洗浄した。これをオーブン中300℃で2時間加熱
処理した。なお、昇温速度は0.6℃/min、降温速度は
1.2℃/minとした。得られたシリカライト膜に水素ボ
ンベから0.2MPaの水素を供給し、透過した水素ガ
ス量から水素透過率を算出した。その結果を表1に示し
た。
【0058】次にシリカライト膜に、エタノール/水混
合液(重量比 10:90)を供給し、膜の反対側から
真空ポンプで減圧し、膜を透過した成分を液体窒素で捕
集した。透過選択性αを表1に示した。
【0059】実施例8(トリイソプロピルシランを用い
た処理) トリイソプロピルシラン(チッソ(株)製)1gをジエ
チルエーテル(和光純薬製、特級)20gに加えよく攪
拌した。次に参考例1で示したシリカライト膜の表面を
十分に脱水した後に、トリイソプロピルクロロシランの
ジエチルエーテル溶液に浸した。1時間浸した後、取り
出し、ゼオライト膜表面をジエチルエーテルでよく洗浄
した。これをオーブン中300℃で2時間加熱処理し
た。なお、昇温速度は0.6℃/min、降温速度は1.2
℃/minとした。得られたシリカライト膜に水素ボンベか
ら0.2MPaの水素を供給し、透過した水素ガス量か
ら水素透過率を算出した。その結果を表1に示した。
【0060】次にシリカライト膜に、エタノール/水混
合液(重量比 10:90)を供給し、膜の反対側から
真空ポンプで減圧し、膜を透過した成分を液体窒素で捕
集した。透過選択性αを表1に示した。
【0061】実施例9(トリイソプロピルクロロチタン
を用いた処理) トリイソプロピルクロロチタン(チッソ(株)製)1g
をジエチルエーテル(和光純薬製、特級)20gに加え
よく攪拌した。次に参考例1で示したシリカライト膜の
表面を十分に脱水した後に、トリイソプロピルクロロシ
ランのジエチルエーテル溶液に浸した。1時間浸した
後、取り出し、ゼオライト膜表面をジエチルエーテルで
よく洗浄した。これをオーブン中300℃で2時間加熱
処理した。なお、昇温速度は0.6℃/min、降温速度は
1.2℃/minとした。得られたシリカライト膜に水素ボ
ンベから0.2MPaの水素を供給し、透過した水素ガ
ス量から水素透過率を算出した。その結果を表1に示し
た。
【0062】次にシリカライト膜に、エタノール/水混
合液(重量比 10:90)を供給し、膜の反対側から
真空ポンプで減圧し、膜を透過した成分を液体窒素で捕
集した。透過選択性αを表1に示した。
【0063】比較例1(トリメチルクロロシランを用い
た処理) トリメチルクロロシラン(チッソ(株)製)1gをジエ
チルエーテル(和光純薬製、特級)20gに加えよく攪
拌した。次に参考例1で示したシリカライト膜の表面を
十分に脱水した後に、トリメチルクロロシランのジエチ
ルエーテル溶液に浸した。1時間浸した後、取り出し、
ゼオライト膜表面をジエチルエーテルでよく洗浄した。
これをオーブン中300℃で2時間加熱処理した。な
お、昇温速度は0.6℃/min、降温速度は1.2℃/min
とした。得られたシリカライト膜に水素ボンベから0.
2MPaの水素を供給し、透過した水素ガス量から水素
透過率を算出した。その結果を表1に示した。
【0064】次にシリカライト膜に、エタノール/水混
合液(重量比 10:90)を供給し、膜の反対側から
真空ポンプで減圧し、膜を透過した成分を液体窒素で捕
集した。透過選択性αを表1に示した。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】本発明のゼオライト膜の処理法は、ゼオ
ライト膜の表面を簡単に疎水化することができ、かつゼ
オライト膜の粒界、亀裂、およびピンホールの径や幅を
狭めることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA02 GA03 GA12 GA25 GA41 MA02 MA03 MA04 MA21 MB01 MB04 MB10 MC03 MC03X MC65 NA54 PA01 PA03 PB04 PB12 PB20 PB32 PB66 PB68 4G073 BA20 BA63 BB02 BB57 BB65 BC05 BD16 BD18 DZ04 FB30 FB41 UB40

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゼオライト膜を下記一般式(1)または
    (2)で示されるカップリング剤と接触させることを特
    徴とするゼオライト膜の処理方法。 【化1】 (ここで、Mは、SiまたはTi、Xは、ハロゲン、O
    H、H、またはORであり、それぞれ同一であっても異
    なっていてもよく、Rは、炭素数2以上のアルキル基ま
    たはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっ
    ていてもよい。)
  2. 【請求項2】溶媒で希釈したカップリング剤をゼオライ
    ト膜と接触させることを特徴とする請求項1記載のゼオ
    ライト膜の処理方法。
  3. 【請求項3】液状のカップリング剤をゼオライト膜と接
    触させることを特徴とする請求項1記載のゼオライト膜
    の処理方法。
  4. 【請求項4】気体状のカップリング剤をゼオライト膜と
    接触させることを特徴とする請求項1記載のゼオライト
    膜の処理方法。
  5. 【請求項5】一般式(1)または(2)のXが塩素であ
    ることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記
    載のゼオライト膜の処理方法。
  6. 【請求項6】一般式(1)または(2)のRが側鎖を有
    するアルキル基であることを特徴とする請求項1から5
    のいずれか1項に記載のゼオライト膜の処理方法。
  7. 【請求項7】ゼオライト膜とカップリング剤を接触させ
    た後に、加熱処理および/または減圧処理をすることを
    特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載のゼオラ
    イト膜の処理方法。
  8. 【請求項8】ゼオライト膜とカップリング剤を水非共存
    下で接触させた後に、加熱処理および/または減圧処理
    をすることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項
    記載のゼオライト膜の処理方法。
  9. 【請求項9】ゼオライト膜のSiO2/Al23比が5
    0以上であることを特徴とする請求項1から8のいずれ
    か1項記載のゼオライト膜の処理方法。
  10. 【請求項10】請求項1から9のいずれか1項記載の方
    法で処理されたゼオライト膜を用いた分離方法。
JP2001064255A 2001-03-08 2001-03-08 ゼオライト膜の処理方法、および分離方法 Pending JP2002263456A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001064255A JP2002263456A (ja) 2001-03-08 2001-03-08 ゼオライト膜の処理方法、および分離方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001064255A JP2002263456A (ja) 2001-03-08 2001-03-08 ゼオライト膜の処理方法、および分離方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002263456A true JP2002263456A (ja) 2002-09-17

Family

ID=18923097

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001064255A Pending JP2002263456A (ja) 2001-03-08 2001-03-08 ゼオライト膜の処理方法、および分離方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002263456A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007063259A (ja) * 2005-08-04 2007-03-15 National Institute Of Advanced Industrial & Technology シリル化したシリカライト膜を用いた浸透気化分離法による高濃度バイオエタノールの製造方法
JP2010149002A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 浸透気化分離膜およびその製造方法
JP2011132164A (ja) * 2009-12-24 2011-07-07 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 固体材料の表面処理方法
JP2012520757A (ja) * 2009-03-20 2012-09-10 ヴィト ナームロゼ ベンノートチャップ 表面改質された無機マトリックス及びその作製方法
JP2014050840A (ja) * 2009-02-27 2014-03-20 Mitsubishi Chemicals Corp 無機多孔質支持体−ゼオライト膜複合体、その製造方法およびそれを用いた分離方法
WO2016084679A1 (ja) * 2014-11-25 2016-06-02 日本碍子株式会社 分離膜構造体
JP2016104486A (ja) * 2009-11-11 2016-06-09 三菱化学株式会社 多孔質支持体−ゼオライト膜複合体及び分離方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007063259A (ja) * 2005-08-04 2007-03-15 National Institute Of Advanced Industrial & Technology シリル化したシリカライト膜を用いた浸透気化分離法による高濃度バイオエタノールの製造方法
JP2010149002A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 浸透気化分離膜およびその製造方法
JP2014050840A (ja) * 2009-02-27 2014-03-20 Mitsubishi Chemicals Corp 無機多孔質支持体−ゼオライト膜複合体、その製造方法およびそれを用いた分離方法
JP2012520757A (ja) * 2009-03-20 2012-09-10 ヴィト ナームロゼ ベンノートチャップ 表面改質された無機マトリックス及びその作製方法
JP2016104486A (ja) * 2009-11-11 2016-06-09 三菱化学株式会社 多孔質支持体−ゼオライト膜複合体及び分離方法
JP2017225973A (ja) * 2009-11-11 2017-12-28 三菱ケミカル株式会社 多孔質支持体−ゼオライト膜複合体及び分離方法
JP2011132164A (ja) * 2009-12-24 2011-07-07 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 固体材料の表面処理方法
WO2016084679A1 (ja) * 2014-11-25 2016-06-02 日本碍子株式会社 分離膜構造体
US10486111B2 (en) 2014-11-25 2019-11-26 Ngk Insulators, Ltd. Separation membrane structure

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102017483B1 (ko) 다공질 지지체-제올라이트막 복합체
RU2153924C2 (ru) Неорганический слой на носителе в виде молекулярного сита
EP3001819B1 (en) A method for producing a crystalline film of zeolite and/or zeolite like crystals on a porous substrate
CN106795075B (zh) 高浓度醇的制造方法
JP7106883B2 (ja) 多孔質支持体-ゼオライト膜複合体、rho型ゼオライトの製造方法及び分離方法
JP6845753B2 (ja) ゼオライト膜複合体
US7253130B2 (en) Method for making transparent continuous zeolite film and structure of the zeolite film
US10933382B2 (en) Supported zeolite membranes
JP2008074695A (ja) ゼオライト膜製造用の種結晶含有層付き多孔質基材、ゼオライト膜及びゼオライト膜の製造方法
JP2010532259A (ja) ゼオライト膜構造体及びゼオライト膜構造体の製造方法
WO2007077646A1 (ja) 複合膜の製造方法
US11554359B2 (en) Supported zeolite films and methods for preparing
JP4204270B2 (ja) Ddr型ゼオライト膜の製造方法
JP2016174996A (ja) ゼオライト分離膜および分離モジュール
JP4862190B2 (ja) 水選択透過特性に優れた無機分離膜
JP5481075B2 (ja) ゼオライト膜の製造方法
JP2002263456A (ja) ゼオライト膜の処理方法、および分離方法
WO1993019840A1 (en) Deposition process
JPH0550331B2 (ja)
JP2004002160A (ja) ゼオライト結晶のコーティング方法、ゼオライト結晶がコーティングされた基材、ゼオライト膜の製造方法、ゼオライト膜、およびゼオライト膜を利用した分離方法
JP2001031416A (ja) ゼオライト膜の製造方法、mfi型ゼオライト膜および分子を分離する方法
US20030228969A1 (en) Method for synthesizing zeolite membranes
JP2002241124A (ja) メソポーラスシリカ、メソポーラスシリカ複合体及びそれらの製造方法
JP2003238147A (ja) Mfi型ゼオライトの合成方法、mfi型ゼオライト結晶、mfi型ゼオライトが塗布された基材、ゼオライト膜の製造方法、および分離方法
JP2016215081A (ja) 親水性ゼオライト分離膜およびその製造方法