JP2003238147A - Mfi型ゼオライトの合成方法、mfi型ゼオライト結晶、mfi型ゼオライトが塗布された基材、ゼオライト膜の製造方法、および分離方法 - Google Patents

Mfi型ゼオライトの合成方法、mfi型ゼオライト結晶、mfi型ゼオライトが塗布された基材、ゼオライト膜の製造方法、および分離方法

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JP2003238147A
JP2003238147A JP2002033492A JP2002033492A JP2003238147A JP 2003238147 A JP2003238147 A JP 2003238147A JP 2002033492 A JP2002033492 A JP 2002033492A JP 2002033492 A JP2002033492 A JP 2002033492A JP 2003238147 A JP2003238147 A JP 2003238147A
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mfi
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synthesizing
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Takayuki Ban
隆幸 伴
Yasutaka Takahashi
康隆 高橋
Yutaka Oya
豊 大矢
Yuji Ozeki
雄治 尾関
Masato Yoshikawa
正人 吉川
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Toray Industries Inc
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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】μmオーダーの大きさの薄片状MFI型ゼオラ
イトを再現性良く合成する。 【解決手段】以下に示す組成の反応液を密閉容器中で1
00℃以上に加熱し、1時間以上静置する。SiO2
有機アミン:TPABr(テトラプロピルアンモニウム
ブロマイド):H2O=1:x:y:z (組成比はモル比、x;0.25〜5、y;0.4〜
8、z;100〜300)この方法で得られたMFI型
ゼオライトを基材に配向させて塗布することで、ゼオラ
イト膜を製造する際の基材として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MFI型ゼオライ
トの合成方法、MFI型ゼオライトがコーティングされ
た基材、ゼオライト膜の合成方法、および分離方法に関
するものである。本発明技術を用いることによって、μ
mオーダーの薄片状MFI型ゼオライトを再現性良く得
ることができる。また、そのMFI型ゼオライトを用い
れば、ゼオライト結晶を配向させてコーティングした基
材を容易に得ることができる。この基材は、吸着剤や触
媒として利用できるだけでなく、高性能なゼオライト膜
を得るための原料基材となりうる。また、ゼオライト膜
は、ゼオライト細孔を利用した高性能分離膜として期待
されている。
【0002】
【従来の技術】ゼオライトは、分子サイズの細孔を有す
る無機酸化物の結晶である。結晶であるためその細孔分
布は、均一である。その性質を利用して、非常に高性能
な触媒や吸着剤として広く利用されている。しかし、従
来のゼオライトの利用形態は、粒状に成型して利用する
ことがほとんどであった。近年、ゼオライトを繊維やハ
ニカムセラミックスの表面にコーティングして吸着剤や
触媒として用いたり、ゼオライトを膜状に合成して分離
膜として利用する研究開発が世の中で進められている。
【0003】ゼオライトを膜状に合成する方法として、
ゼオライト微結晶を種結晶として利用する方法が広く検
討されている。例えば、G.Xomeritakisら
は、粒径が約100nmの球状のMFI型ゼオライトの
結晶をα−アルミナ上に数層分敷き詰めた後に、水熱合
成法によりゼオライト膜を合成している。(Micro
porous and Mesoporous Mat
erials、38(2000)61−73)このよう
に、予めゼオライト結晶を基盤上に敷き詰めることによ
り、ゼオライト膜の緻密性は向上すると言われている。
しかし、球状のゼオライトを用いると配向性を制御して
塗布することが難しく、種結晶の配向性は制御できてい
なかった。また、合成したゼオライト膜の配向性の制御
は種々試みられているものの、MFI型ゼオライト膜は
細孔を有しないc軸方向に膜成長しやすい特徴があり、
透過に有利なa軸配向、b軸配向膜を効率よく合成する
手法は見出されていない。また、種結晶を複数層塗布す
ることで、合成したゼオライト膜は多層構造となってい
た。多層構造のゼオライト膜では、結晶と結晶はインタ
ーグロースし、緻密性は向上しているように見られる
が、ゼオライト結晶内の細孔同士が繋がっているとは考
えにくい。このことから、G.Xomeritakis
らが用いた粒径が100nm程度の結晶では、結晶が細
かすぎて層数を単層に制御することは難しく、その結果
として、単層ゼオライト膜は得られていないと推測され
る。以上の理由から、予め基板に塗布するゼオライトは
薄片状で、かつ500nm以上の粒子経を持つものの方
がコーティング状態を制御しやすく好ましいと考えられ
るが、そのような形態のMFI型ゼオライトを選択的に
再現性良く合成する手法は知られていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の従来技術の欠点を解消しようとするものであり、薄片
状で1μm前後の粒径を有するMFI型ゼオライト結晶
を再現性良く得ることができる。
【0005】本発明の他の目的は、このMFI型ゼオラ
イト結晶を利用したゼオライト被覆基材およびそれを利
用して得ることのできるゼオライト膜およびその関連技
術を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、鋭意検討した結果、以下の構成を有する発明に至っ
た。
【0007】以下に示す組成の反応液を密閉容器中で1
00℃以上に加熱し、1時間以上静置することを特徴と
するMFI型ゼオライトの合成方法。
【0008】SiO2:有機アミン:TPABr(テト
ラプロピルアンモニウムブロマイド):H2O=1:
x:y:z (組成比はモル比、x;0.25〜5、y;0.4〜
8、z;100〜300)また、本発明は、MFI型ゼ
オライト結晶のa軸長が350nm以上8μm未満、b
軸長が200nm以上3μm未満、c軸長が500nm
以上20μm未満であり、かつ、a軸長、b軸長、c軸
長の比率が以下の関係を満たすことを特徴とする請求項
5に記載のMFI型ゼオライトも含む。
【0009】 1.75 < a軸長/b軸長 < 40 2.5 < c軸長/b軸長 < 100 また、本発明は、上記ゼオライト結晶が配向して塗布さ
れた基材も含む。
【0010】また、本発明は、上記基材をゼオライト原
料と接触させ、高温高圧下で基材上のゼオライト結晶を
成長させることを特徴とするゼオライト膜の製造方法も
含む。
【0011】また、本発明は、上記に記載の方法で製造
されたゼオライト膜を用いた分離方法も含む。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳述する。
【0013】MFI型ゼオライトの合成に関する発明
は、以下に示す組成の反応液を密閉容器中で100℃以
上に加熱し、1時間以上静置することを特徴とするもの
である。
【0014】SiO2:有機アミン:TPABr(テト
ラプロピルアンモニウムブロマイド):H2O=1:
x:y:z (組成比はモル比、x;0.25〜5、y;0.4〜
8、z;100〜300)ゼオライトとは、分子サイズ
の細孔径を有した結晶性無機酸化物である。分子サイズ
とは、世の中に存在する分子のサイズの範囲であり、一
般的には、0.2から2nm程度の範囲を意味する。ゼ
オライトの種類には、結晶性シリケート、結晶性アルミ
ノシリケート、結晶性メタロシリケート、結晶性アルミ
ノフォスフェート、あるいは結晶性メタロアルミノフォ
スフェート等で構成された結晶性マイクロポーラス物質
がある。結晶性シリケート、結晶性アルミノシリケー
ト、結晶性メタロシリケート、結晶性アルミノフォスフ
ェート、結晶性メタロアルミノフォスフェートの結晶構
造には、例えば、アトラス オブ ゼオライト ストラ
クチュア タイプス(マイヤー、オルソン、バエロチャ
ー、ゼオライツ、17(1/2)、1996)(Atlas
of Zeolite Structure types(W. M. Meier, D. H. Olso
n, Ch. Baerlocher, Zeolites, 17(1/2), 1996))に掲
載されている構造をもつ結晶性無機多孔性物質が挙げら
れる。
【0015】ゼオライトの中でMFI型ゼオライトは、
0.56nm×0.53nmの僅かに歪んだ楕円状細孔
径を有するストレートチャンネルと、0.55nm×
0.51nmの僅かに歪んだ楕円状細孔径を有するシヌ
ソイダルチャンネルを持つ。ストレートチャンネルはM
FI型ゼオライト結晶のb軸方向に沿って直線状に開口
しており、(0 1 0)面に細孔入り口を持つ。一
方、シヌソイダルチャンネルはa軸方向に沿ってジグザ
グに開口しており、(1 0 0)面に細孔入り口を持
つ。ストレートチャンネルとシヌソイダルチャンネルは
結晶内で繋がり合い、2次元的細孔構造を形成する(図
1参照)。MFI型ゼオライトの構成元素は、一般的に
はケイ素とアルミニウムと酸素であり、アルミニウム原
子近傍にイオン交換サイトを有する。そのイオン交換サ
イトに各種金属イオンを導入することができる。また、
アルミニウム含有量は、シリカ/アルミナ比で20から
無限大まで制御でき、特に、シリカ/アルミナ比が無限
大のMFI型ゼオライトは疎水的な性質を有し、シリカ
ライト−1構造と言われる。本発明のMFI型ゼオライ
トは、原料液中にアルミニウムを含まないため、シリカ
ライト−1構造である。
【0016】本発明は、ゼオライト合成用反応液を密閉
容器中で100℃以上に加熱し、1時間以上静置するこ
とを特徴とするMFI型ゼオライトの合成方法に関する
ものである。密閉容器中で100℃以上に加熱すること
で常圧以上の自制圧が発生する。本発明にあるMFI型
ゼオライトの合成方法には常圧以上の自制圧が必須であ
るため、オートクレーブなどの密閉容器を用いることも
必須である。また、容器内の圧力を自制圧以上に高める
ために、窒素、アルゴンなどの不活性ガスで加圧する方
法も好んで用いられる。また、加熱温度は100℃以上
であれば特に限定されないが、好ましくは100℃以上
200℃以下であり、さらに好ましくは110℃以上1
80℃以下であり、最も好ましくは120℃以上150
℃以下である。反応時間は、1時間以上であればゼオラ
イト合成用反応液中のケイ素源のほとんどがゼオライト
になることから、1時間以上であれば特に限定されな
い。好ましくは2時間以上120時間以下、さらに好ま
しくは、3時間以上48時間以下である。また、ゼオラ
イト合成時には、ゼオライト合成用反応液の組成を液中
で均一に保つために、攪拌羽等で液を攪拌したり、密閉
容器自体を回転させる方法が一般的に用いられる。しか
し、本発明にある組成の液を用いた場合、静置させたと
きのみ目的の形態のMFI型ゼオライトを得られやす
く、静置させることは必須である。その理由は、溶液中
で局所的に発生するシリカ高濃度部分でゼオライトの核
発生および結晶成長が起こり、シリカ高濃度部分の状態
が攪拌下では起こりにくいためと考えられる。
【0017】本発明において、ケイ素源は特に限定され
ないが、テトラエチルオルソシリケート、コロイダルシ
リカ、ヒュームドシリカから選ばれる少なくとも一つで
あることが好ましい。ここでテトラエチルオルソシリケ
ートはシリコンアルコキシドの一つであり、ゼオライト
合成のケイ素源に好んで用いられる。コロイダルシリカ
は、数nmから数百nmのシリカ粒子がコロイド状に浮
遊した液のことを言う。ヒュームドシリカはサーマルシ
リカとも言われ、粒径数nmから数μmのシリカ粒子の
ことを言う。本発明には、これらシリカ源を単独で用い
ても良いし、混合して用いても良い。
【0018】本発明において、pH調製剤として有機ア
ミンを用いることは必須である。有機アミンを添加する
理由は、ゼオライト合成中にpHを大きく変化させるこ
となく、常に溶液中で核発生が起こりうるpHに維持す
ることで、MFI型ゼオライト結晶の形態を制御するこ
とにある。このとき、無機水酸化物などの強アルカリ成
分を添加すると、生成するMFI型結晶の形態を制御し
にくい。一方、弱アルカリ成分ではケイ素源を溶解でき
ず、核発生が起こりにくくなり、反応時間が長い、結晶
径が大きくなる、等の問題が発生する。
【0019】有機アミンのpKbは2.5以上かつ3.
7以下であることが好ましい。ここでpKbは、酸解離
定数pKaから次の式で求められる値を意味し、pKb
値が小さいほど強いアルカリ性を示す。
【0020】 pKb=14−pKa pKbが3.7以上であると、シリカ源の過飽和度を十
分に高めることができず、ゼオライトが結晶化しにくか
ったり、結晶径が大きくなり過ぎるといった問題が生じ
る。逆にpKbが2.5以下では、シリカ源の溶解が進
行しすぎて、ゼオライトの核形成が進行しやすくなり、
結晶径が100nm以下になったり粒径の制御が難しい
といった問題が生じる。そのため、pKb値は3.7以
下かつ2.5以上である必要がある。pKb値の例を以
下に示す。トリエチルアミンでは3.28、ジエチルア
ミンでは3.07、エチルアミンでは3.37、シクロ
ヘキシルアミンでは3.36である。
【0021】また、有機アミンが式(1)で表されるも
のであることが好ましい。
【0022】NRz3-z ・・・(1) (R:炭素数2〜10のアルキル基、z:1〜3から選
ばれる整数)炭素数2〜10のアルキル基の種類は特に
限定されるものではない。直鎖状アルキル基、環状アル
キル基、則鎖を有するアルキル基、およびこれらの複合
物が好んで用いられる。また、窒素に結合したアルキル
基の数(z)は1〜3から選ばれる整数であり、その数
は特に制限されるものではない。なお、本発明のコンセ
プトは、反応中に溶液のpHを大きく変えないことにあ
り、本有機アミンもゼオライト細孔内に取り込まれない
ことが好ましい。このことから、炭素数が少ないアルキ
ル基や側鎖や環状部分を含まないアルキル基ではアルキ
ル基の数(z)が多い方が好ましい。また、炭素数が大
きく側鎖や環状部分を有するアルキル基の場合は、アル
キル基の数(z)が少なくても良い。
【0023】ここで、有機アミンのアルキル基が、エチ
ル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマル
ブチル基のいずれかが好ましい。これらのアルキル基を
有する有機アミンであれば、そのアルキル基の数(z)
は限定されないが、特に、zが3の場合は、エチル基、
ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル
基のいずれもが好んで用いられ、zが2の場合は、ノル
マルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基が
好んで用いられる。添加する有機アミンは、トリエチル
アミン、トリノルマルプロピルアミン、トリイソプロピ
ルアミン、トリノルマルブチルアミン、トリイソブチル
アミン等が具体的にあげられる。
【0024】これらの有機アミンをpH調製剤とするこ
とで、合成前の反応液のpHが11.0〜12.5の範
囲内にあり、合成前後の反応液のpH変化が0.5以内
となるように制御するのが好ましい。
【0025】合成前の反応液のpHを11.0〜12.
5の範囲内にすることで、反応液中のシリカ源が徐々に
反応液中に溶解し、ゼオライト結晶の核発生を起こすに
十分なシリカ濃度を維持することができる。pHが1
1.0以下であると、シリカ源の過飽和度を十分に高め
ることができず、ゼオライトが結晶化しにくかったり、
結晶径が大きくなり過ぎるといった問題が生じる。逆に
pHが12.5以上では、シリカ源の溶解が進行しすぎ
て、ゼオライトの核形成が進行しやすくなり、結晶径が
100nm以下になったり粒径の制御が難しいといった
問題が生じる。
【0026】また、合成前後の反応液のpH変化が0.
5以内となるということは、反応中に常にシリカ源の溶
解が継続し、核発生が持続することを意味し、結晶形態
を制御しやすいので好ましい。
【0027】合成前とは、反応液の昇温を開始する前の
ことで、一般には、反応液を混合した後で、かつ密閉容
器に入れる前のことを言う。また、反応後とは、所定の
時間容器を加熱した後に密閉容器を室温付近まで冷却し
た後のことを言う。
【0028】合成前後の反応液のpHを測定する方法と
しては、一般に知られるいかなる方法も適用することが
できる。例えば、pH試験紙による測定方法や、緩衝電
極を用いたpH測定機を使用する方法がある。
【0029】本発明において、MFI型ゼオライト合成
用のテンプレートとしてテトラプロピルアンモニウムブ
ロマイドを用いる。溶液中で解離によりテトラプロピル
アンモニウムイオンを発生する化合物は、MFI型ゼオ
ライトのテンプレートとして好んで用いられる。その代
表的化合物に、テトラプロピルアンモニウムブロマイド
とテトラプロピルアンモニウムヒドロキシドがあり、後
者はそれ自身で高いアルカリ性を示す。本発明のコンセ
プトは、反応中にシリカ源やテンプレートの濃度が変化
してもpHを変化させないことにある。このコンセプト
に基づくと、テンプレートは中性に近いものほど好まし
く、テトラプロピルアンモニウムブロマイドを選定し
た。
【0030】本発明に用いるゼオライト反応液の組成比
は以下の通りである。
【0031】SiO2:有機アミン:TPABr:H2
O=1:x:y:z (組成比はモル比、x;0.25〜5、y;0.4〜
8、z;100〜300)ここで有機アミン濃度は、反
応液のpHに影響し、pHはシリカ源の過飽和度に影響
する。一方、TPABr濃度は核生成速度に影響する。
また、水の量は、pH、核生成速度、結晶生成量に影響
する。これら組成を変え、種々検討した結果、上記組成
比のときに、生成するMFI型ゼオライトの結晶形態を
1μm程度の大きさの薄片状に制御できることを見出し
た。
【0032】本発明の合成方法を採用することで、以下
のようなMFI型ゼオライト結晶を合成することができ
る。MFI型ゼオライト結晶のa軸長が350nm以上
8μm未満、b軸長が200nm以上3μm未満、c軸
長が500nm以上20μm未満であり、かつ、a軸
長、b軸長、c軸長の比率が以下の関係を満たす。
【0033】 1.75 < a軸長/b軸長 < 40 2.5 < c軸長/b軸長 < 100 先述したとおり、MFI型ゼオライトのストレートチャ
ンネルはMFI型ゼオライト結晶のb軸方向に沿って直
線状に開口しており、(0 1 0)面に細孔入り口を
持つ。一方、シヌソイダルチャンネルはa軸方向に沿っ
てジグザグに開口しており、(1 0 0)面に細孔入
り口を持つ。
【0034】そのため、本発明にあるような薄片状のM
FI型ゼオライトは、例えば基盤上などに塗布した場
合、最も広い面積を持つ(0 1 0)面を基板に接触
させて塗布しやすい。このように塗布できれば、ストレ
ートチャンネルを基板表面に対して垂直に配向させるこ
とができる。このようにMFI型ゼオライトが配向して
塗布された基板は、ゼオライト細孔を利用するという意
味で、後述のようにゼオライト膜原料に有用である。
【0035】先述の合成方法を用いてMFI型ゼオライ
トを合成すると、各粒子の軸長は、a軸長が350nm
以上8μm未満、b軸長が200nm以上3μm未満、
c軸長が500nm以上20μm未満となる。この程度
の大きさのゼオライトは、溶媒中に容易に懸濁させるこ
とができ、そのため、基板へ塗布することも容易とな
る。各軸長の測定方法は、例えば、電子顕微鏡により結
晶形態を観察し、MFI型結晶に特徴的な棺型結晶を観
察しやすい倍率とし、撮影した写真上で結晶軸長を実測
し、写真の倍率から実際の軸長を導く方法がある。結晶
の形態と各軸長の関係を図1に示す。各軸において、結
晶軸方向に最長の長さとなる直線が軸長である。
【0036】また、本発明において、a軸長、b軸長、
c軸長の比率が以下の関係を満たす。
【0037】 1.75 < a軸長/b軸長 < 40 2.5 < c軸長/b軸長 < 100 薄片状MFI型ゼオライトとするためには、b軸長を短
くする必要があり、上記比率を満たすMFI型ゼオライ
ト結晶は薄片状となる。各比率は上記比率の範囲内であ
れば特に限定されないが、比率が大きいほど薄片状とな
り好ましい。上記比率の上限以上のゼオライト単結晶
は、現時点では得られていない。
【0038】前記のゼオライト結晶は基材に配向して塗
布することができる。ここで言う配向とは、aまたはb
軸配向のことを言い、細孔が基板表面に対し垂直に向い
ていることを意味する。このようにMFI型ゼオライト
が配向して塗布された基板は、ゼオライト細孔を利用す
るという意味で、後述のようにゼオライト膜原料に有用
である。
【0039】基盤上のゼオライト粒子が配向しているか
どうかは、薄膜X線回折により判断できる。その条件例
を次に示す。ゼオライトを塗布した面に対し、X線源に
CuKαを用い(波長0.154nm)、入射角を1〜5度程度に
固定し、スキャン速度を2θ=1〜5度/分で平行光学
系でX線回折測定する。このようにして測定したX線回
折パターンのそれぞれのピーク強度比がMFI型ゼオラ
イトの粉末X線回折パターンと異なるとき配向している
と判断できる。特に、基材表面に塗布されたMFI型ゼ
オライトのa軸、b軸配向性が高いときには、その回折
パターンにおいて、2θ=7.3〜8.2度内の最大ピークの
ピーク強度をα、2θ=8.5〜9.1度内の最大ピークのピ
ーク強度をβ、2θ=13.0〜14.2度内の最大ピークのピ
ーク強度をγとしたときに、α、β、γが次の関係式を
満たすことが知られている。 (1)α/β<2 (2)β/γ>4.4 配向性が高いほど、α/β比は小さくなり、β/γ比は
大きくなる。
【0040】基材は、その素材など特に制限されること
は無い。有機高分子でもセラミックスでも金属でもかま
わないが、親水性の材料が好ましい。その理由は、水溶
液との親和性がよく、MFI型ゼオライトの懸濁液を塗
布しやすいからである。特に多孔性の基材は、懸濁液を
保持しやすく好ましく用いられる。基材の形状も特に制
限されることは無い。繊維状、粒子状でもかまわなく、
また、平板状、チューブ状、ハニカム状、およびモノリ
ス状などの成型体でもかまわない。
【0041】塗布方法は、単に懸濁液を基材に滴下する
だけでも良いし、MFI型ゼオライト結晶を含む懸濁液
に基材を含浸し引き上げる方法でも良く、さらにはスピ
ンコートやスプレーコート、ブレードコート、ロールコ
ートなど既知のあらゆる方法を使用することができる。
特に、懸濁液中のゼオライト濃度を調製し、基板を懸濁
液に対し30〜60°でディップした場合に、配向塗布
しやすい。
【0042】本発明にあるゼオライト結晶が配向して塗
布された基材は、基材にガラス等の非多孔質透明部材を
用いた場合、センサーなどの光学材料として応用でき
る。また、多孔質基材を用いた場合、後述のゼオライト
膜合成用の原料として用いることができ、特に配向性の
高いゼオライト膜の合成に供することができる。
【0043】さらに、ゼオライト結晶が配向して、かつ
単層で塗布された基材を作ることができる。 ここで言
う単層とは、基盤上にゼオライト粒子の重なりがほとん
ど無く、かつ基盤上の特定の面の大半を結晶が被覆して
いることを言う。理想的には、図2に示すように結晶と
結晶が隙間無く敷き詰められている状態を言い、基板表
面の隙間が30%未満であり、塗布された結晶の重なり
が20%未満であれば、本発明にある単層膜と定義す
る。つまり、基盤上に塗布された結晶層1層目が2層目
以上の結晶層により20%以上が覆われていなければ本
発明の単層に属する。
【0044】単層膜の作製方法は、ゼオライト結晶の懸
濁液の濃度と、その懸濁液を用いた基板のディップ速度
に依存する。懸濁液の濃度が薄すぎると、基盤上を結晶
が十分に覆うことができず被覆率が低下する。逆に、懸
濁液の濃度が高すぎると、多層構造となりやすく好まし
くない。また、ディップ速度は1cm/秒以上の速さで
引き上げると、基板表面への付着量が少なく、かつ、塗
布量を制御しにくく好ましくない。
【0045】単層膜の測定方法は、特に限定されるもの
ではない。例えば、表面被覆率の測定方法は電子顕微鏡
を用い1000倍程度で基板表面を観察し、目視で被覆
率を求めても良いし、ケイ素を含まない基板を用いた場
合、基板表面のEDX(エネルギー分散型X線解析装
置)から、基板に含まれる元素とゼオライトに由来する
ケイ素の比率を求め、被覆率を導いても良い。単層膜の
測定方法としては、例えば、基板の断面を電子顕微鏡で
1000倍程度で観察し、ゼオライト結晶の重なりの程
度を導いても良い。
【0046】ゼオライト結晶が塗布された基材をゼオラ
イト原料と接触させ、高温高圧下で基材上のゼオライト
結晶を成長させることでゼオライト膜を製造方法するこ
とができる。
【0047】本発明のゼオライト膜は、従来既知の方法
により合成できる。例えば、先述のMFI型ゼオライト
結晶をあらかじめ配向塗布した基材をシリカ源、アルミ
ナ源、アルカリ源、有機テンプレート、水の混合物に浸
し、そのまま80から200℃程度に加熱することによ
り合成できる(水熱合成法)。この時に先述の基盤上に
予め配向塗布しておいたMFI型ゼオライトは種結晶と
して利用される。また、支持体にゼオライト前駆体であ
るシリカ源、アルミナ源、アルカリ源、有機テンプレー
ト、水の混合物を塗布しておき、それを80〜200℃
程度の水蒸気で処理してゼオライトとする方法もある
(水蒸気合成法)。この場合も、先述の基盤上に予め配
向塗布しておいたMFI型ゼオライトは種結晶として利
用される。即ち、水熱合成法は支持体をゼオライトの原
料の中に浸して合成する方法であり、水蒸気合成法は支
持体上にゼオライトの原料を塗布し、乾燥させた後に、
水蒸気を当てながら合成する方法である。
【0048】以下にゼオライト膜の製造方法の詳細につ
いて記述する。まず、前述のMFI型ゼオライト結晶を
配向塗布した基材をゼオライト前駆体と接触させる。ゼ
オライト前駆体と接触させる前に、ゼオライト結晶粒子
が塗布された基材を焼成や洗浄してもかまわない。余り
高い温度で焼成すると、ゼオライト構造が破壊されるこ
とがある。そのため、好ましくは700℃以下、更に好
ましくは600℃以下である。
【0049】ゼオライト前駆体を接触させる方法は、特
に限定されないが、基材をゼオライト前駆体に含浸する
方法、ゼオライト前駆体を基材に滴下する方法、スプレ
ーコートする方法、スピンコートする方法、ブレードコ
ートする方法、ロールコートする方法が例として挙げら
れる。本発明では、ゼオライト前駆体と接触させる前に
ゼオライト結晶が、密に敷き詰められているのでそれら
の結晶を結晶成長させて結晶間の隙間を埋め、緻密化さ
せれば良い。従って、予めコーティングされたゼオライ
ト結晶層の結晶間にゼオライト前駆体がしみこみさえす
れば、いかなる方法でも採用できる。ゼオライト前駆体
とは、一定時間加熱するなどしてゼオライトになりうる
混合物であり、シリカ源、アルカリ源、有機テンプレー
ト、水等が含まれたものである。必要に応じてアルミナ
源等も含まれる。ここで必須のものはシリカ源と水であ
りその他のものは作るゼオライトの種類により異なる。
【0050】以下に、ゼオライト膜用のシリカ源、アル
カリ源、有機テンプレート、アルミナ源の例を示すがこ
れに限定されるものではない。
【0051】シリカ源としては、コロイダルシリカ、ヒ
ュームドシリカ、水ガラス、沈降シリカ、シリコンアル
コキシド等が使われる。アルカリ源は、水酸化ナトリウ
ム、水酸化リチウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金
属の水酸化物などである。
【0052】有機テンプレートは、ゼオライトの孔を構
築する有機化合物の型剤であり、テトラエチルアンモニ
ウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロ
キシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の4
級アンモニウム塩やクラウンエーテル、アルコールなど
が用いられる。
【0053】アルミナ源は、結晶性アルミノシリケート
ゼオライトを作るときに必要である。例えば、水和アル
ミナであるベーマイト、擬ベーマイト、または硝酸アル
ミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等のア
ルミニウム塩、または水酸化アルミニウム、酸化アルミ
ニウム、アルミニウムアルコキシド等が使用できる。本
発明で用いるアルミニウム源は特に限定されるものでは
ないが、ベーマイト、および擬ベーマイトが好んで用い
られる。ここで言うベーマイトとは、AlO(OH)で
表される水酸化アルミナのことである。これは水酸化ア
ルミニウム(Al(OH)3)を150〜375℃で熱
水処理することにより得られる。この熱水処理時の水蒸
気処理温度や水蒸気濃度により、他の構造を有する水酸
化アルミナが混入する。それらを擬ベーマイトという。
市販品では、コンデア社のPural等が知られてい
る。
【0054】基板にゼオライト前駆体ゾルを塗布した後
は、ゼオライト前駆体を結晶化させる。その方法は、先
述の通り、前駆体に基材を含浸し水熱処理する方法
(例:特開平7−109116号公報)、前駆体を基材
表面にコーティングしたあと乾燥し、その後水蒸気や有
機アミン蒸気で処理する方法(水蒸気法)(例:特開平
7−89714号公報)が挙げられる。水蒸気法は必要
な量の前駆体だけを、支持体上に、コーティングできる
ため廃液が少なくなる長所があり好ましい。結晶化の温
度は特に限定されないが、80〜200℃が好ましい。
本発明方法は、あらかじめゼオライト結晶が密に敷き詰
められており、それを少し結晶成長させて緻密化するた
め、通常のゼオライトの結晶化より、低温かつ短時間で
結晶化できる。いずれの場合も、100℃より温度が高
くなる場合は、加圧条件になるので、圧力容器を用い
る。
【0055】本発明のゼオライト膜の製法は何回繰り返
しても構わない。2回以上繰り返すとゼオライト膜はよ
り緻密になり好ましい。
【0056】本発明のゼオライト膜とは、ゼオライト結
晶が膜状に成長したものであり、実質的に結晶と結晶の
粒界が無いものを言う。結晶同士がお互いに結晶内成長
した形態を有し、その結晶内成長が支持体上に連続的に
繋がっているものである。支持体上に粒界、ピンホール
などが存在すると、透過選択性が低下するため好ましく
ない。そのため、実質的に粒界が無いとは、例えば、水
素とSF6のシングルガス透過率を比較したときに、ク
ヌッセン拡散以上の透過率比を示すものを言う。本発明
のゼオライト膜は、種結晶が配向して塗布されているた
め、ゼオライト膜の配向性も高い。そのため、ゼオライ
トの細孔構造を有効に利用することができ、高い透過速
度と高い選択透過性が得られる。
【0057】ゼオライト膜は、生成した後、水洗、乾
燥、焼成等の処理を加えても良い。ゼオライト膜が形成
したかどうかは、薄膜用のX線回折装置を用いて確認で
きる。生成したゼオライト膜を焼成する場合は、生成し
たゼオライト膜に、亀裂を発生させないために、なるべ
く時間をかけて昇温する。好ましくはその昇温速度は3
℃/min以下、更に好ましくは2℃/min以下、特に好まし
くは1℃/min以下で昇温する。勿論、降温速度も低い方
が良い。好ましくはその降温速度は5℃/min以下、更に
好ましくは3℃/min以下、特に好ましくは2℃/min以下
で降温する。焼成温度は、一般には150〜600℃程
度である。
【0058】また、生成したゼオライト膜には、焼成や
イオン交換以外にシランカップリング剤やアルコキシシ
ランなどで処理を行っても良い。シラン化合物以外にチ
タン化合物などを用いても良い。
【0059】ゼオライト膜を透過膜として用いる場合
は、支持する基材としては、ゼオライト膜の透過性を阻
害しない程度の多孔性が必要である。
【0060】基材の材質は、上記のような性質があれ
ば、特に限定されないが、一例として金属、金属酸化物
等のセラミックス、カーボンおよび有機ポリマが挙げら
れる。強度や剛直性の観点から、金属および金属酸化
物、金属窒化物、金属炭化物等のセラミックスが好まし
く用いられる。中でも耐熱性と耐薬品性の観点から、セ
ラミックスが好ましく用いられる。ゼオライト層との熱
膨張率の差が少ないことと、ゼオライト層との親和性が
高いことから、金属酸化物がもっとも好ましく用いられ
る。金属酸化物の種類は、特に限定されないが、アルミ
ナ、ジルコニア、シリカ、ムライト、コージェライト、
チタニア、ゼオライト又はゼオライト類似物等が好まし
く用いられる。金属の例としては、ステンレス製の基材
(焼結金属)等が挙げられる。耐熱性が必要でない用途
においては、有機ポリマの基材も剛直であれば用いるこ
とができる。この場合も、透過膜として使用する場合
は、ゼオライト膜部分の破壊を防ぐため、手で曲げよう
としたときに、目で見て曲がらない程度の剛直性を有し
ているものが好ましい。
【0061】基材の形状も特に限定されることなく、例
えば、繊維状、布状、球状、平板状、チューブ状、モノ
リス状、およびハニカム状等、通常市販されている形状
のものが利用できる。分離膜などの透過膜として使用す
る場合は、多孔質でかつ高い表面積が必要であり、チュ
ーブ、モノリス、またはハニカム状の形状であることが
好ましい。基材は、市販されているいかなるものも使用
できる。
【0062】多孔質基材の場合は、細孔径が重要であ
る。セラミックス製の多孔質機材の場合は、成型後の焼
成や、使用する粒子の大きさ、後処理によって細孔径を
コントロールできる。
【0063】本発明で用いられる多孔質基材の製造方法
は、特に限定されないが、通常、セラミックスなどの粉
末をそのまま、あるいはセラミックスなどの粉末に成型
用の助剤やバインダーを添加して、押し出し成形する
か、またはプレス成形を行ない、乾燥と焼成等の工程を
経て、製造する方法を採用することができる。
【0064】最適な焼成温度は、多孔質基材の素材によ
って異なるが、金属酸化物素材の場合、少し焼結が始ま
る程度の温度が強度の点で望ましい。好適な焼成温度
は、素材や粒子の大きさによって異なるが、一般には6
00℃〜2,000℃、好ましくは800〜1,500
℃、特に好ましくは900〜1,400℃である。焼成
前後に、薬液等による洗浄などの処理を施しても構わな
い。また、成形した多孔質基材に、ディップコーティン
グ等の方法で、細かい粒子でコーティングして多孔質支
持体の細孔径を制御したり、ゼオライト結晶層との親和
性を制御したり、あるいは表面荒さを制御したりするこ
とも好ましく行なわれる。このようなコーティング等に
よる層を中間層というが、この中間層を1層以上設ける
ことは、好ましく行なわれる。
【0065】多孔質基材の細孔径が大きすぎると、ゼオ
ライト結晶層やゼオライト膜が膜化せず穴が生じたり、
あるいは多孔質支持体の細孔の中にゼオライト結晶を含
むスラリー、ゾル、または溶液やゼオライト原料溶液が
浸透しすぎて、最終的にゼオライト層によって多孔質支
持体の穴が塞がってしまう、つまり、ガスがゼオライト
層中を透過する距離が長くなりすぎるため、十分なガス
透過量が得られないという欠点が生じることがある。そ
のため多孔質支持体の平均細孔径は、10μm以下が好
ましく、更に好ましくは5μm 以下、更に好ましくは1
μm 以下、特に好ましくは0.5μm未満である。この
ように細孔径を制御する意味でも上記の中間層は好まし
く利用される。平均細孔径の下限は、透過させる分子の
大きさによって異なり特定できないが、所望分子の透過
性の観点からは、0.01μm以上の平均細孔径があっ
た方がよい。
【0066】本発明のゼオライト膜は物質の分離に応用
することができる。
【0067】先述の方法で製造されたゼオライト膜は、
結晶粒界が非常に少ないだけでなく、結晶が配向してい
るためゼオライト細孔が透過に効率よく用いられるため
透過量が多い。また、単層構造のゼオライト膜ではさら
に透過量が多い。これらのゼオライト膜は、脱気膜や分
離膜として非常に有用である。分離機構には、大きく分
けて、分子ふるい能を利用する機構と親和性を利用する
機構がある。分子ふるい能を利用する機構では、ゼオラ
イト細孔径より最小分子径の小さい分子のみを透過し、
ゼオライト細孔径より最小分子径が大きい分子の透過を
阻止する。一方、親和性を利用する機構では、ゼオライ
ト膜の親/疎水性の程度と近い物質を選択的に細孔内に
吸着させ、膜の反対側へ透過させることができる。例え
ば、ゼオライトは疎水性ゼオライトと親水性ゼオライト
が存在し、疎水性ゼオライトは、水よりもアルコールや
ベンゼンなどの炭化水素を優先的に細孔内に吸着するた
め、疎水性ゼオライト膜は水中のアルコールやベンゼン
の抽出に有用である。一方、親水性ゼオライトは、アル
コールやベンゼンより水を優先的に細孔内に吸着するた
め、有機溶媒中の水分の抽出に有用である。
【0068】具体的用途の一つである脱気膜について以
下に詳述する。脱気膜とは、容器中で内容物が分解し発
生したガスを抜いたり、液中にとけ込んだ気体成分を抜
いたりする膜である。ゼオライトは疎水性ゼオライトと
親水性ゼオライトが存在し、結晶性アルミノシリケート
系ゼオライトの場合、シリカ/アルミナモル比が高いと
疎水性細孔を有し、親水性蒸気や、液体の存在下での脱
気に適している。使用例としては、水中の溶存酸素の脱
気や、アルミ電解コンデンサーの水素透過膜である。ア
ルミ電解コンデンサーは、使用中に水素が発生するが、
水素が蓄積すると内圧上昇によりやがて爆発に至る。電
解液成分の透過を抑え水素のみを透過する脱気膜が、こ
の問題を解消する。
【0069】また、分離膜は、2成分以上の成分を含む
気体又は液体混合物の組成比を膜の透過前後で変える膜
である。透過前後で組成比が変わることを利用して2成
分を分離することができる。分離のためには、ゼオライ
ト膜を物質が透過する必要がある。透過の駆動力は、一
般的には圧力差、濃度差である。分離の方法は、公知の
いかなる方法も利用できるが、液体の場合は、パーベー
パレーション法、逆浸透法等の方法が採用できる。気体
の場合は、ガス供給側とガス透過側の圧力差を付けるこ
とによって分離することができる。通常、分離する場
合、表面積を大きくするためにモジュール化する。モジ
ュール化は、通常セラミックス膜に用いられているよう
なモジュール化の方法が適用できる。
【0070】以下に実施例を用いて、本発明を詳細に説
明する。
【0071】
【実施例】(実施例1)[MFI型ゼオライトの合成
(TEOS、トリエチルアミン)] 和光純薬工業社製特級のテトラエチルオルソシリケート
(TEOS)2.8gと和光純薬工業社製特級のトリエチ
ルアミン2.7gを蒸留水48.8 gに加え、室温で3時間攪
拌し、透明溶液を得た。ここへ、和光純薬工業社製特級
のテトラプロピルアンモニウムブロマイド(TPAB
r)5.8gを加え、90℃で3時間還流し、透明溶液を
得た。得られた透明溶液をオートクレーブに入れ、13
0℃で12時間水熱合成した。オートクレーブから取り
出し、水洗した。X線回折の結果、MFI型ゼオライト
に起因するピークのみを示した。また、SEM観察の結
果、MFI型ゼオライトに典型的なコフィン型が見られ
た。本実施例に関する数値データを表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】(実施例2)[MFI型ゼオライトの合成
(シリカゾル、シクロヘキシルアミン)] DuPont社製シリカゾル(LudoxHS−30)
10gと東京化成製シクロヘキシルアミン5.0gとを
蒸留水170gに加え、室温で3時間攪拌し、透明溶液
を得た。ここへ、東京化成製のテトラプロピルアンモニ
ウムブロマイド(TPABr)13gを加え、90℃で
3時間還流し、透明溶液を得た。得られた透明溶液をオ
ートクレーブに入れ、130℃で24時間水熱合成し
た。オートクレーブから取り出し、水洗した。X線回折
の結果、MFI型ゼオライトに起因するピークのみを示
した。また、SEM観察の結果、MFI型ゼオライトに
典型的なコフィン型が見られた。本実施例に関する数値
データを表2に示す。
【0074】
【表2】
【0075】(実施例3)[配向塗布した基材] 蒸留水100mlに東京化成製テトラプロピルアンモニ
ウムヒドロキシドをpHが12になるまで加えた。ここ
へ、実施例1で合成したMFI型ゼオライトを重量%濃
度が1wt%になるように加えた。超音波洗浄機で10
分以上超音波処理し、ゼオライト粉末を溶液中に懸濁さ
せた。
【0076】ノリタケカンパニーリミテド製α−アルミ
ナ円板(直径18.5mm、厚さ3mm、2層構造(粒
径700nm:2.95mm厚、粒径60nm:0.0
5mm厚)上に、上記MFI型ゼオライトの懸濁液を数
滴滴下した。これを空気中600℃で焼成した。次に、
薄膜X線回折を行った。結果を表3に示す。(010)
面に起因するピークの比率が特異的に大きくなり、ゼオ
ライト結晶が配向して塗布されていることを確認した。
【0077】
【表3】
【0078】(実施例4)[配向単層塗布した基材] 蒸留水100mlに東京化成製テトラプロピルアンモニ
ウムヒドロキシドをpHが12になるまで加えた。ここ
へ、実施例1で合成したMFI型ゼオライトを重量%濃
度が10wt%になるように加えた。超音波洗浄機で1
0分以上超音波処理し、ゼオライト粉末を溶液中に懸濁
させた。この懸濁液中にスライドグラスを液面から30
°の角度で浸漬させた後、毎分1cmの速さで引き上げ
た。乾燥後、薄膜X線回折を行った。結果を表4に示
す。(010)面に起因するピークの比率が特異的に大
きくなり、ゼオライト結晶が配向して塗布されているこ
とを確認した。次に、スライドグラスを中心付近で割
り、その断面をSEMで観察した。結果を図3に示す。
MFI型結晶が単層で塗布されていることを確認した。
【0079】
【表4】
【0080】(実施例5)[水熱合成法によるシリカラ
イト膜の製造] テフロン(登録商標)ラインされた内容積25ccのオ
ートクレーブに4 SiO2: TPAOH(テトラプロピルアンモ
ニウムハイドロオキサイド(東京化成製)) :420H2Oの
組成のゾル約12gを入れた。なお、SiO2源にはLud
ox HS−40(Du Pont製)を用いた。その
ゾル中に実施例3で得られたゼオライト結晶粒子がコー
トされた多孔質支持体を浸し、オートクレーブを密封し
た。オートクレーブを120℃のオーブンに入れ、24
時間加熱した。オートクレーブ開封後、支持体を取り出
し、水洗、乾燥後、550℃で24時間焼成した。な
お、焼成時の昇温速度を、0.6℃/min.とし、降温速度を
1.2℃/min.とした。X線回折と電子顕微鏡観察の結果、
多孔質支持体上に、シリカライトの薄膜が形成している
ことを確認した。
【0081】(実施例6)[水蒸気法によるシリカライ
ト膜の製造] 実施例3で得られたゼオライト結晶粒子がコートされた
多孔質支持体のシリカライト粒子がコーティングされた
面を上側にして、40 SiO2 : 12 TPAOH(テトラプロピ
ルアンモニウムハイドロオキサイド) : 430H2Oの組成
のゾル約20gの中に20分間浸した。なお、SiO2源に
はLudox HS−40(Du Pont製)を用い
た。支持体を取り出し、支持体表面に過剰に付着したゾ
ルが下に垂れ落ちるまで待ち、乾燥空気下で24時間放
置した。これを120℃で24時間、水蒸気に曝した。
水洗、乾燥後、550℃で24時間焼成した。なお、焼
成時の昇温速度を、0.6℃/min.とし、降温速度を1.2℃/
min.とした。X線回折と電子顕微鏡観察の結果、多孔質
支持体上に、シリカライトの薄膜が形成していることを
確認した。
【0082】(実施例7)[分離実験] 本実施例に用いる装置を図4を用いて説明する。この装
置は、ステンレス鋼製で、ガス供給口からガスを供給す
る。透過膜は、弾性体であるシリコーンゴムを介して固
定されており、ゼオライト膜のゼオライト層を有する面
がガス供給口に示すガス側を向いている。シリコーンゴ
ムとゼオライト膜の隙間からガスが漏れることを防ぐた
めに、透過膜のゼオライト層を有する面とは反対側の面
は、ステンレス鋼製の金具で押さえつけられている。ま
た、この金具は、Oリングで固定されているため、透過
膜を透過後のガスが、透過ガス出口以外から漏れ出るこ
とがない。また、膜に供給されたガスは、ガスが膜を透
過する速度の50倍以上の速さで排気口から排出され、
膜に供給されるガスの濃度が著しく変化することを防
ぐ。
【0083】本装置を用いて、実施例6で作製したシリ
カライト膜の窒素/ネオペンタン(体積比99:1)の
透過選択性を測定した。透過装置を20℃の雰囲気下に
設置し、装置のガス供給側、および透過下流側を真空ポ
ンプに接続し、約10分間減圧した。真空ポンプを止め
た後、ガス供給側、および透過下流側に窒素/ネオペン
タン混合ガスを供給した。次にガス供給側を2気圧と
し、膜を透過したガスをガスクロマトグラフィーに送り
ガス組成比を分析した。定常状態に達した後の窒素とネ
オペンタンの体積比は99.96:0.04であり、選
択性(窒素/ネオペンタン)は約25であった。
【0084】(比較例1)[MFI型ゼオライトの合成
(TEOS)] 和光純薬工業社製特級のテトラエチルオルソシリケート
(TEOS)2.8gと東京化成製の22%テトラプロ
ピルアンモニウムヒドロキシド(TPAOH)水溶液
9.7gを蒸留水41.2gに加え、室温で3時間攪拌
し、透明溶液を得た。得られた透明溶液をオートクレー
ブに入れ、130℃で48時間水熱合成した。オートク
レーブから取り出し、水洗した。X線回折の結果、MF
I型ゼオライトに起因するピークのみを示した。また、
SEM観察の結果、MFI型ゼオライトに典型的なコフ
ィン型が見られた。本実施例に関する数値データを表5
に示す。
【0085】
【表5】
【0086】
【発明の効果】本発明方法によると、μmオーダーの大
きさの薄片状MFI型ゼオライトを再現性良く合成する
ことができる。これを基板にコーティングしたものは、
それ自身で光学材料に利用できたり、または高性能ゼオ
ライト膜の原料として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】MFI型ゼオライト結晶の形態と細孔構造を示
す図である。
【図2】基盤上にMFI型ゼオライト結晶を細密充填さ
せた場合の表面形態と、断面形態を示す図である。
【図3】スライドグラス上に塗布されたMFI型ゼオラ
イト結晶の断面を示す図である。
【図4】透過実験に用いるセルを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 正人 愛知県名古屋市港区大江町9番地の1 東 レ株式会社名古屋事業場内 Fターム(参考) 4D006 GA02 GA03 GA41 MA06 MC03X NA46 NA50 4G073 BB02 BB42 BB48 BB66 BB69 BD05 CZ49 FB11 FB14 FB42 FC01 FC18 FE03 UA06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下に示す組成の反応液を密閉容器中で1
    00℃以上に加熱し、1時間以上静置することを特徴と
    するMFI型ゼオライトの合成方法。 SiO2:有機アミン:TPABr(テトラプロピルア
    ンモニウムブロマイド):H2O=1:x:y:z (組成比はモル比、x;0.25〜5、y;0.4〜
    8、z;100〜300)
  2. 【請求項2】請求項1に示す反応液のケイ素源がテトラ
    エチルオルソシリケート、コロイダルシリカ、ヒューム
    ドシリカから選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴
    とするMFI型ゼオライトの合成方法。
  3. 【請求項3】反応液に含まれる有機アミンのpKbが
    2.5以上かつ3.7以下であることを特徴とする請求
    項1または2記載のMFI型ゼオライトの合成方法。
  4. 【請求項4】有機アミンが式(1)で表されることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のMFI型ゼ
    オライトの合成方法。 NRz3-z ・・・(1) (R:炭素数2〜10のアルキル基 z:1〜3から選ばれる整数)
  5. 【請求項5】式(1)中の有機アミンのアルキル基が、
    エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノル
    マルブチル基のいずれかであることを特徴とする請求項
    4記載のMFI型ゼオライトの合成方法。
  6. 【請求項6】合成前の反応液のpHが11.0〜12.
    5の範囲内にあり、合成前後の反応液のpH変化が0.
    5以内であることを特徴とするMFI型ゼオライトの合
    成方法。
  7. 【請求項7】MFI型ゼオライト結晶のa軸長が350
    nm以上8μm未満、b軸長が200nm以上3μm未
    満、c軸長が500nm以上20μm未満であり、か
    つ、a軸長、b軸長、c軸長の比率が以下の関係を満た
    すことを特徴とするMFI型ゼオライト結晶。 1.75 < a軸長/b軸長 < 40 2.5 < c軸長/b軸長 < 100
  8. 【請求項8】請求項7に記載のMFI型ゼオライト結晶
    が配向して塗布された基材。
  9. 【請求項9】請求項7に記載のMFI型ゼオライト結晶
    が配向して、かつ単層で塗布された基材。
  10. 【請求項10】請求項8または9に記載の基材をゼオラ
    イト原料と接触させ、高温高圧下で基材上のゼオライト
    結晶を成長させることを特徴とするゼオライト膜の製造
    方法。
  11. 【請求項11】請求項10に記載の方法で製造されたゼ
    オライト膜を用いた分離方法。
JP2002033492A 2002-02-12 2002-02-12 Mfi型ゼオライトの合成方法、mfi型ゼオライト結晶、mfi型ゼオライトが塗布された基材、ゼオライト膜の製造方法、および分離方法 Withdrawn JP2003238147A (ja)

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