JP2002263457A - ゼオライト膜の処理方法および分離方法 - Google Patents
ゼオライト膜の処理方法および分離方法Info
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- JP2002263457A JP2002263457A JP2001064256A JP2001064256A JP2002263457A JP 2002263457 A JP2002263457 A JP 2002263457A JP 2001064256 A JP2001064256 A JP 2001064256A JP 2001064256 A JP2001064256 A JP 2001064256A JP 2002263457 A JP2002263457 A JP 2002263457A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】ゼオライト膜の粒界、亀裂、およびピンホール
を選択的に補修する方法、および処理されたゼオライト
膜を用いた分離方法を提供する。 【解決手段】ゼオライト膜の片面にカップリング剤を接
触させ、もう一方の面に水を接触させる。
を選択的に補修する方法、および処理されたゼオライト
膜を用いた分離方法を提供する。 【解決手段】ゼオライト膜の片面にカップリング剤を接
触させ、もう一方の面に水を接触させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゼオライト膜の処
理方法に関するものである。ゼオライトは、分子レベル
の細孔径を有する無機酸化物の結晶であり、その細孔分
布は完全に均一である。そのようなゼオライトを膜状に
合成したゼオライト膜は高性能分離膜として有望な素材
となりうる。しかし、ゼオライト膜は多結晶体であり、
結晶の間に粒界やピンホールが存在する。また、ゼオラ
イト膜は、熱的、または物理的衝撃を受けることによ
り、ゼオライト膜に亀裂を生じる。これら粒界、ピンホ
ール、および亀裂により、高い分離性能が得られないこ
とが多い。本発明にある処理方法では、ゼオライト膜中
に存在する粒界、ピンホール、および亀裂を選択的に補
修し、かつ、ゼオライト膜上に高分子状化合物を生成し
ないため、高い透過率を維持したまま、透過選択性を高
めることができる。本発明にある処理を施したゼオライ
ト膜を用いれば、ゼオライト細孔径に起因する分子ふる
い能を利用することができる。例えば、混合キシレン中
から最も分子径が小さいパラ体だけを選択的に透過しう
る膜や、燃料改質ガス中から水素を選択的に透過する膜
として利用することができる。また、ゼオライト膜中に
存在する粒界、ピンホール、および亀裂を選択的に補修
し、かつ、高い透過率を維持できるため、分子ふるい能
だけでなく、ゼオライト細孔に起因する親和性を利用し
た分離においても有用となりうる。例えば、水中の脱気
膜、電解コンデンサー用水素透過膜、水中に存在する微
量有機溶媒を選択的に除去する膜、発酵法を利用したア
ルコール製造における低濃度のアルコールを選択的に系
外に除去する膜として利用することができる。
理方法に関するものである。ゼオライトは、分子レベル
の細孔径を有する無機酸化物の結晶であり、その細孔分
布は完全に均一である。そのようなゼオライトを膜状に
合成したゼオライト膜は高性能分離膜として有望な素材
となりうる。しかし、ゼオライト膜は多結晶体であり、
結晶の間に粒界やピンホールが存在する。また、ゼオラ
イト膜は、熱的、または物理的衝撃を受けることによ
り、ゼオライト膜に亀裂を生じる。これら粒界、ピンホ
ール、および亀裂により、高い分離性能が得られないこ
とが多い。本発明にある処理方法では、ゼオライト膜中
に存在する粒界、ピンホール、および亀裂を選択的に補
修し、かつ、ゼオライト膜上に高分子状化合物を生成し
ないため、高い透過率を維持したまま、透過選択性を高
めることができる。本発明にある処理を施したゼオライ
ト膜を用いれば、ゼオライト細孔径に起因する分子ふる
い能を利用することができる。例えば、混合キシレン中
から最も分子径が小さいパラ体だけを選択的に透過しう
る膜や、燃料改質ガス中から水素を選択的に透過する膜
として利用することができる。また、ゼオライト膜中に
存在する粒界、ピンホール、および亀裂を選択的に補修
し、かつ、高い透過率を維持できるため、分子ふるい能
だけでなく、ゼオライト細孔に起因する親和性を利用し
た分離においても有用となりうる。例えば、水中の脱気
膜、電解コンデンサー用水素透過膜、水中に存在する微
量有機溶媒を選択的に除去する膜、発酵法を利用したア
ルコール製造における低濃度のアルコールを選択的に系
外に除去する膜として利用することができる。
【0002】
【従来の技術】ゼオライトは、分子レベルの細孔径を有
する無機酸化物の結晶であり、その細孔分布は完全に均
一である。そのようなゼオライトを膜状に合成したゼオ
ライト膜は高性能分離膜として有望な素材となりうる。
しかし、ゼオライト膜は多結晶体であり、結晶の間に粒
界やピンホールが存在する。また、ゼオライト膜は、熱
的、または物理的衝撃を受けることにより、ゼオライト
膜に亀裂を生じる。これら粒界、ピンホール、および亀
裂により、高い分離性能が得られないことが多い。
する無機酸化物の結晶であり、その細孔分布は完全に均
一である。そのようなゼオライトを膜状に合成したゼオ
ライト膜は高性能分離膜として有望な素材となりうる。
しかし、ゼオライト膜は多結晶体であり、結晶の間に粒
界やピンホールが存在する。また、ゼオライト膜は、熱
的、または物理的衝撃を受けることにより、ゼオライト
膜に亀裂を生じる。これら粒界、ピンホール、および亀
裂により、高い分離性能が得られないことが多い。
【0003】このような問題に対し、Micrporo
us Materials、5(1995)179−1
84には、C8以上の長い直鎖アルキル基を有するアル
キルトリクロロシランをヘキサンで希釈した溶液中にゼ
オライト膜を浸漬し、ゼオライト膜を処理する方法が記
載されている。該処理により、ゼオライト膜表面、粒
界、および支持体表面のOH基とシランカップリング剤
が加水分解反応する。また、シランカップリング剤にク
ロロ基が3つあることで、シラン同士の重合が進行しや
すく、ゼオライト膜表面、粒界中にシリコーンを生成す
る。例えば、処理剤にオクタデシルトリクロロシランを
用いた場合、α(エタノール/水)は13から45まで
向上する。しかし、長い直鎖アルキル基を有するアルキ
ルトリクロロシランは高価で工業的使用には適さない。
また、ゼオライト膜表面にシリコーン膜が生成すること
により、透過率を低下させるといった問題があった。
us Materials、5(1995)179−1
84には、C8以上の長い直鎖アルキル基を有するアル
キルトリクロロシランをヘキサンで希釈した溶液中にゼ
オライト膜を浸漬し、ゼオライト膜を処理する方法が記
載されている。該処理により、ゼオライト膜表面、粒
界、および支持体表面のOH基とシランカップリング剤
が加水分解反応する。また、シランカップリング剤にク
ロロ基が3つあることで、シラン同士の重合が進行しや
すく、ゼオライト膜表面、粒界中にシリコーンを生成す
る。例えば、処理剤にオクタデシルトリクロロシランを
用いた場合、α(エタノール/水)は13から45まで
向上する。しかし、長い直鎖アルキル基を有するアルキ
ルトリクロロシランは高価で工業的使用には適さない。
また、ゼオライト膜表面にシリコーン膜が生成すること
により、透過率を低下させるといった問題があった。
【0004】また、特開平10−502573には、界
面オゾンアシスト方式化学蒸着を利用した膜の修正方法
が記載されている。界面オゾンアシスト方式化学蒸着法
とは、半導体業界において、低温で基盤上の目的箇所を
選択的に化学処理する方法として、広く用いられている
方法である。界面オゾンアシスト方式化学蒸着法を利用
した膜の修正方法とは、膜の片面に反応性金属化合物
を、膜の他方の面にオゾンを供給し、膜の欠陥、および
ピンホール部で金属化合物とオゾンを反応させ、金属酸
化物を堆積させる方法である。該方法をゼオライト膜に
適用する前後において、メタキシレン異性体またはオル
トキシレン異性体のいずれかからパラ異性体の分離選択
率を測定した結果、未処理品の選択率はいずれも1.7
5未満(パラ/オルトまたはパラ/メタ)であったのに
対し、処理品の選択率は、3.5〜5の範囲を示した。
しかし、該方法を用いるためには、プラズマ放電などを
利用したオゾン発生器を必要とし、反応装置には、耐オ
ゾン腐食性の高い材料を用いなければならない。また、
オゾンの寿命は短く、オゾン発生装置からゼオライト膜
まで到達する前に、生成したオゾンがほとんど酸素に分
解すること、また、ゼオライト膜を担持した多孔質支持
体内を拡散中にもオゾンの分解が進行し、ゼオライト膜
の粒界、亀裂、およびピンホールにおける反応性金属化
合物との反応効率は著しく低いといった問題があった。
面オゾンアシスト方式化学蒸着を利用した膜の修正方法
が記載されている。界面オゾンアシスト方式化学蒸着法
とは、半導体業界において、低温で基盤上の目的箇所を
選択的に化学処理する方法として、広く用いられている
方法である。界面オゾンアシスト方式化学蒸着法を利用
した膜の修正方法とは、膜の片面に反応性金属化合物
を、膜の他方の面にオゾンを供給し、膜の欠陥、および
ピンホール部で金属化合物とオゾンを反応させ、金属酸
化物を堆積させる方法である。該方法をゼオライト膜に
適用する前後において、メタキシレン異性体またはオル
トキシレン異性体のいずれかからパラ異性体の分離選択
率を測定した結果、未処理品の選択率はいずれも1.7
5未満(パラ/オルトまたはパラ/メタ)であったのに
対し、処理品の選択率は、3.5〜5の範囲を示した。
しかし、該方法を用いるためには、プラズマ放電などを
利用したオゾン発生器を必要とし、反応装置には、耐オ
ゾン腐食性の高い材料を用いなければならない。また、
オゾンの寿命は短く、オゾン発生装置からゼオライト膜
まで到達する前に、生成したオゾンがほとんど酸素に分
解すること、また、ゼオライト膜を担持した多孔質支持
体内を拡散中にもオゾンの分解が進行し、ゼオライト膜
の粒界、亀裂、およびピンホールにおける反応性金属化
合物との反応効率は著しく低いといった問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記欠
点を全て解消する物であり、ゼオライト膜の粒界、亀
裂、およびピンホールを選択的に補修し、かつ、ゼオラ
イト膜表面に透過率低下の原因となる膜状物を生成しな
い物である。
点を全て解消する物であり、ゼオライト膜の粒界、亀
裂、およびピンホールを選択的に補修し、かつ、ゼオラ
イト膜表面に透過率低下の原因となる膜状物を生成しな
い物である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、下記の構成を有する。「ゼオライト膜の一
方の面に、下記一般式(1)または(2)で示されるカ
ップリング剤を供給し、ゼオライト膜の他方の面に水ま
たは水蒸気を供給することを特徴とするゼオライト膜の
処理方法。
するために、下記の構成を有する。「ゼオライト膜の一
方の面に、下記一般式(1)または(2)で示されるカ
ップリング剤を供給し、ゼオライト膜の他方の面に水ま
たは水蒸気を供給することを特徴とするゼオライト膜の
処理方法。
【0007】R4−y−M1−Xy ・・・(1) (ここで、M1はSi、GeまたはTi、Xはハロゲ
ン、OH、H、アルコキシ基またはアセトアミド基のい
ずれか、Rはアルキル基またはアリール基、y=2、3
または4である)R3−z−M2−Xz ・・・(2) (ここで、M2はAlまたはB、Xは、ハロゲン、O
H、H、アルコキシ基またはアセトアミド基のいずれ
か、Rは、アルキル基またはアリール基、zは2または
3である)」 「上記の方法で処理されたゼオライト膜を用いた分離方
法。」本発明者らは、ゼオライト膜の緻密性を上げるた
めにゼオライト膜の後処理方法を鋭意検討した結果、本
発明に至った。特定の処理剤を用い、本発明の処理法を
適用した場合に、ゼオライト膜の透過率を下げることな
く、ゼオライト膜中の粒界、亀裂、およびピンホールを
補修でき、ゼオライト細孔径に起因する分子ふるい能を
利用した分離や、ゼオライトの親和性を利用した分離に
有用なゼオライト膜とできる。
ン、OH、H、アルコキシ基またはアセトアミド基のい
ずれか、Rはアルキル基またはアリール基、y=2、3
または4である)R3−z−M2−Xz ・・・(2) (ここで、M2はAlまたはB、Xは、ハロゲン、O
H、H、アルコキシ基またはアセトアミド基のいずれ
か、Rは、アルキル基またはアリール基、zは2または
3である)」 「上記の方法で処理されたゼオライト膜を用いた分離方
法。」本発明者らは、ゼオライト膜の緻密性を上げるた
めにゼオライト膜の後処理方法を鋭意検討した結果、本
発明に至った。特定の処理剤を用い、本発明の処理法を
適用した場合に、ゼオライト膜の透過率を下げることな
く、ゼオライト膜中の粒界、亀裂、およびピンホールを
補修でき、ゼオライト細孔径に起因する分子ふるい能を
利用した分離や、ゼオライトの親和性を利用した分離に
有用なゼオライト膜とできる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】第一の発明は、ゼオライト膜の一方の面
に、下記一般式(1)または(2)で示されるカップリ
ング剤を供給し、ゼオライト膜の他方の面に水または水
蒸気を供給することを特徴とするゼオライト膜の処理方
法である。
に、下記一般式(1)または(2)で示されるカップリ
ング剤を供給し、ゼオライト膜の他方の面に水または水
蒸気を供給することを特徴とするゼオライト膜の処理方
法である。
【0010】R4−y−M1−Xy ・・・(1) (ここで、M1はSi、GeまたはTi、Xはハロゲ
ン、OH、H、アルコキシ基またはアセトアミド基のい
ずれか、Rはアルキル基またはアリール基、y=2、3
または4である) R3−z−M2−Xz ・・・(2) (ここで、M2はAlまたはB、Xは、ハロゲン、O
H、H、アルコキシ基またはアセトアミド基のいずれ
か、Rは、アルキル基またはアリール基、zは2または
3である) 本発明でいうゼオライト膜とはゼオライトまたはゼオラ
イト類似物を主成分とした膜のことである。ゼオライト
とは分子サイズの細孔径を有した結晶性無機酸化物であ
る。分子サイズとは、本発明においては0.2から2ナ
ノメートル程度の範囲を意味する。ゼオライトまたはゼ
オライト類似物とは、結晶性シリケート、結晶性アルミ
ノシリケート、結晶性メタロシリケート、結晶性アルミ
ノフォスフェート、結晶性メタロアルミノフォスフェー
ト等で構成された結晶性マイクロポーラス物質のことで
ある。シリカ成分を含んだゼオライト、即ち、結晶性シ
リケート、結晶性アルミノシリケート、結晶性メタロシ
リケートは、ヘテロ原子の数を変えることによって、ゼ
オライト細孔内の親水性/疎水性を制御できる。ゼオラ
イト細孔内が疎水性である場合、多くの有機化合物との
親和性が高く、有機化合物の分離に好適に用いることが
できる。一方、ゼオライト細孔内が親水性である場合、
疎水性物質の中から親水性物質を分離する用途に好適に
用いられる。
ン、OH、H、アルコキシ基またはアセトアミド基のい
ずれか、Rはアルキル基またはアリール基、y=2、3
または4である) R3−z−M2−Xz ・・・(2) (ここで、M2はAlまたはB、Xは、ハロゲン、O
H、H、アルコキシ基またはアセトアミド基のいずれ
か、Rは、アルキル基またはアリール基、zは2または
3である) 本発明でいうゼオライト膜とはゼオライトまたはゼオラ
イト類似物を主成分とした膜のことである。ゼオライト
とは分子サイズの細孔径を有した結晶性無機酸化物であ
る。分子サイズとは、本発明においては0.2から2ナ
ノメートル程度の範囲を意味する。ゼオライトまたはゼ
オライト類似物とは、結晶性シリケート、結晶性アルミ
ノシリケート、結晶性メタロシリケート、結晶性アルミ
ノフォスフェート、結晶性メタロアルミノフォスフェー
ト等で構成された結晶性マイクロポーラス物質のことで
ある。シリカ成分を含んだゼオライト、即ち、結晶性シ
リケート、結晶性アルミノシリケート、結晶性メタロシ
リケートは、ヘテロ原子の数を変えることによって、ゼ
オライト細孔内の親水性/疎水性を制御できる。ゼオラ
イト細孔内が疎水性である場合、多くの有機化合物との
親和性が高く、有機化合物の分離に好適に用いることが
できる。一方、ゼオライト細孔内が親水性である場合、
疎水性物質の中から親水性物質を分離する用途に好適に
用いられる。
【0011】ゼオライトの種類は特に制限が無く、例え
ば、アトラス オブ ゼオライトストラクチュア タイ
プス(マイヤー、オルソン、バエロチャー著、ゼオライ
ツ、17(1/2)、1996):Atlas of Zeolite St
ructure types(W. M. Meier, D. H. Olson, Ch. Baerlo
cher, Zeolites, 17(1/2), 1996)に掲載されている構
造を持つゼオライトが挙げられる。
ば、アトラス オブ ゼオライトストラクチュア タイ
プス(マイヤー、オルソン、バエロチャー著、ゼオライ
ツ、17(1/2)、1996):Atlas of Zeolite St
ructure types(W. M. Meier, D. H. Olson, Ch. Baerlo
cher, Zeolites, 17(1/2), 1996)に掲載されている構
造を持つゼオライトが挙げられる。
【0012】また、ゼオライト膜は、ゼオライトのみの
単独膜でもよいが、支持体上に形成された膜の方が強度
が高く好ましい。支持体の材質、形態は特に限定されな
いが多孔質支持体を使用するのが望ましい。多孔質支持
体の材質は特に限定されないが、一例として金属、金属
酸化物、有機ポリマーが挙げられる。耐熱性の観点か
ら、金属、金属酸化物が好ましく用いられる。金属の例
としては、ステンレス性の多孔質支持体(燒結金属)等
が挙げられる。金属酸化物としては特に限定されない
が、アルミナ、ジルコニア、シリカ、ムライト、チタニ
ア、ゼオライトまたはゼオライト類似物が好ましく用い
られる。
単独膜でもよいが、支持体上に形成された膜の方が強度
が高く好ましい。支持体の材質、形態は特に限定されな
いが多孔質支持体を使用するのが望ましい。多孔質支持
体の材質は特に限定されないが、一例として金属、金属
酸化物、有機ポリマーが挙げられる。耐熱性の観点か
ら、金属、金属酸化物が好ましく用いられる。金属の例
としては、ステンレス性の多孔質支持体(燒結金属)等
が挙げられる。金属酸化物としては特に限定されない
が、アルミナ、ジルコニア、シリカ、ムライト、チタニ
ア、ゼオライトまたはゼオライト類似物が好ましく用い
られる。
【0013】支持体の形状も特に限定されることなく、
球状、平板状、チューブ状モノリス状、ハニカム状等通
常市販で得られる物が利用できる。
球状、平板状、チューブ状モノリス状、ハニカム状等通
常市販で得られる物が利用できる。
【0014】本発明に用いるゼオライト膜は、従来既知
の方法により合成できる。例えば、シリカ源、アルミナ
源、アルカリ源、有機テンプレート、水の混合物に支持
体を浸しそのまま80から200℃程度に加熱すること
により合成できる(水熱合成法)。この時に種結晶とし
て予めゼオライトを支持体に塗布しておくことが好まし
い。支持体に、ゼオライト前駆体であるシリカ源、アル
ミナ源、アルカリ源、有機テンプレート、水の混合物を
塗布しておき、それを80〜200℃程度の水蒸気で処
理してゼオライトとする方法もある。この場合も、種結
晶として予めゼオライトを支持体に塗布しておくことが
好ましい(水蒸気合成法)。即ち、水熱合成法は支持体
をゼオライトの原料の中に浸して合成する方法であり、
水蒸気合成法は支持体上にゼオライトの原料を塗布し、
乾燥させた後に、水蒸気を当てながら合成する方法であ
る。水蒸気合成法は水熱合成法と比べて欠陥の少ない結
晶が得られ好ましい。
の方法により合成できる。例えば、シリカ源、アルミナ
源、アルカリ源、有機テンプレート、水の混合物に支持
体を浸しそのまま80から200℃程度に加熱すること
により合成できる(水熱合成法)。この時に種結晶とし
て予めゼオライトを支持体に塗布しておくことが好まし
い。支持体に、ゼオライト前駆体であるシリカ源、アル
ミナ源、アルカリ源、有機テンプレート、水の混合物を
塗布しておき、それを80〜200℃程度の水蒸気で処
理してゼオライトとする方法もある。この場合も、種結
晶として予めゼオライトを支持体に塗布しておくことが
好ましい(水蒸気合成法)。即ち、水熱合成法は支持体
をゼオライトの原料の中に浸して合成する方法であり、
水蒸気合成法は支持体上にゼオライトの原料を塗布し、
乾燥させた後に、水蒸気を当てながら合成する方法であ
る。水蒸気合成法は水熱合成法と比べて欠陥の少ない結
晶が得られ好ましい。
【0015】シリカ源としてはコロイダルシリカ、ヒュ
ームドシリカ、水ガラス、沈降シリカ、シリコンアルコ
キシド等が使われる。アルカリ源は、水酸化ナトリウ
ム、水酸化リチウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金
属の水酸化物等である。
ームドシリカ、水ガラス、沈降シリカ、シリコンアルコ
キシド等が使われる。アルカリ源は、水酸化ナトリウ
ム、水酸化リチウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金
属の水酸化物等である。
【0016】アルカリ源としては、水酸化ナトリウム、
水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属や、
水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ
土類金属や、四級アンモニウムヒドロキサイド等が挙げ
られる。
水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属や、
水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ
土類金属や、四級アンモニウムヒドロキサイド等が挙げ
られる。
【0017】有機テンプレートは、ゼオライトの孔を構
築する有機化合物の型剤であり、テトラエチルアンモニ
ウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロ
キシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の4
級アンモニウム塩やクラウンエーテル、アルコールなど
が用いられる。
築する有機化合物の型剤であり、テトラエチルアンモニ
ウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロ
キシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の4
級アンモニウム塩やクラウンエーテル、アルコールなど
が用いられる。
【0018】アルミナ源は、結晶性アルミノシリケート
ゼオライトを作るときは必要であるが、硝酸アンモニウ
ム、硫酸アンモニウム、塩化アルミニウム、酢酸アンモ
ニウム等のアルミニウム塩、水酸化アルミニウム、酸化
アルミニウム、アルミニウムアルコキシド等が利用でき
る。
ゼオライトを作るときは必要であるが、硝酸アンモニウ
ム、硫酸アンモニウム、塩化アルミニウム、酢酸アンモ
ニウム等のアルミニウム塩、水酸化アルミニウム、酸化
アルミニウム、アルミニウムアルコキシド等が利用でき
る。
【0019】本発明におけるゼオライト膜処理方法の特
徴は、ゼオライト膜の一方の面に、下記一般式(1)ま
たは(2)で示されるカップリング剤を供給し、ゼオラ
イト膜の他方の面に水、または水蒸気を供給することに
ある。本発明のカップリング剤は、水と接触すること
で、加水分解反応、および重合反応をおこすものが好ん
で用いられる。重合反応をおこすためには、分子内に反
応活性基が二つ以上あることが必須である。処理剤の状
態は、常温で液体のものが取り扱い上好ましい。
徴は、ゼオライト膜の一方の面に、下記一般式(1)ま
たは(2)で示されるカップリング剤を供給し、ゼオラ
イト膜の他方の面に水、または水蒸気を供給することに
ある。本発明のカップリング剤は、水と接触すること
で、加水分解反応、および重合反応をおこすものが好ん
で用いられる。重合反応をおこすためには、分子内に反
応活性基が二つ以上あることが必須である。処理剤の状
態は、常温で液体のものが取り扱い上好ましい。
【0020】本発明に用いるカップリング剤は、下記一
般式(1)または(2)で表されるものである。
般式(1)または(2)で表されるものである。
【0021】R4−y−M1−Xy ・・・(1) (ここで、M1はSi、GeまたはTi、Xはハロゲ
ン、OH、H、アルコキシ基またはアセトアミド基のい
ずれか、Rはアルキル基またはアリール基、y=2、3
または4である) R3−z−M2−Xz ・・・(2) (ここで、M2はAlまたはB、Xは、ハロゲン、O
H、H、アルコキシ基またはアセトアミド基のいずれ
か、Rは、アルキル基またはアリール基、zは2または
3である) M1は4価のイオンとなりうる元素であり、珪素、ゲル
マニウム、またはチタンから選ばれる少なくとも一つの
元素である。一方、M2は3価のイオンとなりうる元素
であり、アルミニウム、および/またはホウ素から選ば
れる少なくとも一つの元素を含む。
ン、OH、H、アルコキシ基またはアセトアミド基のい
ずれか、Rはアルキル基またはアリール基、y=2、3
または4である) R3−z−M2−Xz ・・・(2) (ここで、M2はAlまたはB、Xは、ハロゲン、O
H、H、アルコキシ基またはアセトアミド基のいずれ
か、Rは、アルキル基またはアリール基、zは2または
3である) M1は4価のイオンとなりうる元素であり、珪素、ゲル
マニウム、またはチタンから選ばれる少なくとも一つの
元素である。一方、M2は3価のイオンとなりうる元素
であり、アルミニウム、および/またはホウ素から選ば
れる少なくとも一つの元素を含む。
【0022】Rはアルキル基またはアリール基であり、
好ましくはアルキル基である。アルキル基は炭素と水素
を含む化合物なら特に限定されない。炭素と水素以外に
フッ素を含むものであってもよい。一つの分子内に存在
するRは全て同じ基であっても異なる基であってもよ
い。
好ましくはアルキル基である。アルキル基は炭素と水素
を含む化合物なら特に限定されない。炭素と水素以外に
フッ素を含むものであってもよい。一つの分子内に存在
するRは全て同じ基であっても異なる基であってもよ
い。
【0023】Xは水と加水分解反応を起こしうるハロゲ
ン、アルコキシ基、またはアセトアミド基や、分子間で
縮合反応を起こしうる水酸基、プロトンである。特に、
ハロゲン、アルコキシ基は、加水分解反応を起こしやす
いため、縮合反応を起こしうる水酸基を分子内に生成し
やすく、ゼオライト膜の粒界、亀裂、およびピンホール
部分で選択的に重合することができる点で好ましい。ア
ルコキシ基は特に限定されないが、水との加水分解反応
性が高いものほど、水と接触した部分で重合反応を開始
できるため好ましい。また、カップリング剤をガス化し
てゼオライト膜に供給する場合、分子量が大きすぎると
ガス化が困難となるため、適度な蒸気圧を有するカップ
リング剤が好ましい。適度な蒸気圧とは、常圧、80℃
で1〜104Paの範囲にあるものが好ましい。以上の
理由から、アルコキシ基の炭素数は10以下が好んで用
いられる。特に好ましくは5以下であり、最も好ましく
は、2または3である。
ン、アルコキシ基、またはアセトアミド基や、分子間で
縮合反応を起こしうる水酸基、プロトンである。特に、
ハロゲン、アルコキシ基は、加水分解反応を起こしやす
いため、縮合反応を起こしうる水酸基を分子内に生成し
やすく、ゼオライト膜の粒界、亀裂、およびピンホール
部分で選択的に重合することができる点で好ましい。ア
ルコキシ基は特に限定されないが、水との加水分解反応
性が高いものほど、水と接触した部分で重合反応を開始
できるため好ましい。また、カップリング剤をガス化し
てゼオライト膜に供給する場合、分子量が大きすぎると
ガス化が困難となるため、適度な蒸気圧を有するカップ
リング剤が好ましい。適度な蒸気圧とは、常圧、80℃
で1〜104Paの範囲にあるものが好ましい。以上の
理由から、アルコキシ基の炭素数は10以下が好んで用
いられる。特に好ましくは5以下であり、最も好ましく
は、2または3である。
【0024】yは一般式(1)中の反応活性基の数を表
す。yが2の場合、カップリング剤は直線的に連結し、
繊維状堆積物を生成する。この繊維状堆積物がゼオライ
ト膜の粒界、亀裂、およびピンホール部に充満すること
で、膜の緻密性を向上させうる。一方、yが3,4の場
合、カップリング剤は3次元網目構造を有する重合物を
形成し、この重合物がゼオライト膜の粒界、亀裂、およ
びピンホール部に充満することで、膜の緻密性を向上さ
せうる。繊維状堆積物に比べ、3次元網目構造を有する
重合物の方が、ゼオライト膜の粒界、亀裂、およびピン
ホール部を効率よく埋めることができるため、好んで用
いられる。
す。yが2の場合、カップリング剤は直線的に連結し、
繊維状堆積物を生成する。この繊維状堆積物がゼオライ
ト膜の粒界、亀裂、およびピンホール部に充満すること
で、膜の緻密性を向上させうる。一方、yが3,4の場
合、カップリング剤は3次元網目構造を有する重合物を
形成し、この重合物がゼオライト膜の粒界、亀裂、およ
びピンホール部に充満することで、膜の緻密性を向上さ
せうる。繊維状堆積物に比べ、3次元網目構造を有する
重合物の方が、ゼオライト膜の粒界、亀裂、およびピン
ホール部を効率よく埋めることができるため、好んで用
いられる。
【0025】zは一般式(2)中の反応活性基の数を表
す。zが2の場合、yの場合と同様に繊維状堆積物を生
じ、膜の緻密性を向上させうる。また、zが3の場合も
yの場合と同様に、3次元網目構造を有する重合物を形
成し、膜の緻密性を向上しうる。zが2の場合よりも3
の場合の方が、ゼオライト膜の粒界、亀裂、およびピン
ホール部を効率よく埋めることができるため、好んで用
いられる。
す。zが2の場合、yの場合と同様に繊維状堆積物を生
じ、膜の緻密性を向上させうる。また、zが3の場合も
yの場合と同様に、3次元網目構造を有する重合物を形
成し、膜の緻密性を向上しうる。zが2の場合よりも3
の場合の方が、ゼオライト膜の粒界、亀裂、およびピン
ホール部を効率よく埋めることができるため、好んで用
いられる。
【0026】また、本発明は、ゼオライト膜に供給する
カップリング剤の最小分子径がゼオライト細孔よりも大
きいことを特徴とするゼオライト膜の処理方法に関する
ものである。ゼオライト細孔の大きさは、例えば、アト
ラス オブ ゼオライト ストラクチュア タイプス
(マイヤー、オルソン、バエロチャー著、ゼオライツ、
17(1/2)、1996):Atlas of Zeolite Struct
ure types(W. M. Meier,D. H. Olson, Ch. Baerlocher,
Zeolites, 17(1/2), 1996)に掲載されている。これに
よれば、例えばMFI型ゼオライトの細孔径は、0.5
6×0.53nmと0.55×0.51nmであり、M
OR型ゼオライトの細孔径は、0.70×0.65nm
である。ゼオライトがMFI型のように2種類以上の異
なった細孔を有する場合、ゼオライト膜が完全配向して
いない限り、2種類以上の細孔入り口がゼオライト膜表
面に存在するため、用いるカップリング剤は最も大きい
細孔長径よりも大きいことが必須である。一方、カップ
リング剤の最小分子径を求める方法は、例えば、分子模
型を組み、ノギスでその最小径を測り、実測値から最小
分子径へ換算する方法や、レナード・ジョーンズポテン
シャルを用いる方法などがある。なお、表1に示したカ
ップリング剤はゼオライト細孔の最大長径が0.75n
m未満のいかなるゼオライトの処理にも用いることがで
きる。しかし、カップリング剤の種類は以下に示される
ものに限定されるわけではなく、ゼオライト細孔の最大
長径より最小分子径が大きいカップリング剤であれば、
いかなるカップリング剤も好ましく使用することができ
る。
カップリング剤の最小分子径がゼオライト細孔よりも大
きいことを特徴とするゼオライト膜の処理方法に関する
ものである。ゼオライト細孔の大きさは、例えば、アト
ラス オブ ゼオライト ストラクチュア タイプス
(マイヤー、オルソン、バエロチャー著、ゼオライツ、
17(1/2)、1996):Atlas of Zeolite Struct
ure types(W. M. Meier,D. H. Olson, Ch. Baerlocher,
Zeolites, 17(1/2), 1996)に掲載されている。これに
よれば、例えばMFI型ゼオライトの細孔径は、0.5
6×0.53nmと0.55×0.51nmであり、M
OR型ゼオライトの細孔径は、0.70×0.65nm
である。ゼオライトがMFI型のように2種類以上の異
なった細孔を有する場合、ゼオライト膜が完全配向して
いない限り、2種類以上の細孔入り口がゼオライト膜表
面に存在するため、用いるカップリング剤は最も大きい
細孔長径よりも大きいことが必須である。一方、カップ
リング剤の最小分子径を求める方法は、例えば、分子模
型を組み、ノギスでその最小径を測り、実測値から最小
分子径へ換算する方法や、レナード・ジョーンズポテン
シャルを用いる方法などがある。なお、表1に示したカ
ップリング剤はゼオライト細孔の最大長径が0.75n
m未満のいかなるゼオライトの処理にも用いることがで
きる。しかし、カップリング剤の種類は以下に示される
ものに限定されるわけではなく、ゼオライト細孔の最大
長径より最小分子径が大きいカップリング剤であれば、
いかなるカップリング剤も好ましく使用することができ
る。
【0027】
【表1】 本発明で使用されるカップリング剤の具体例としては、
一般式(1)でXが4つである、テトラクロロシラン、
シラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトライソプロポキシシラン、4塩化チタン、テト
ラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、チタンテト
ライソプロポキシド、塩化ゲルマニウムなどがあげられ
る。また、一般式(1)でXが3つであるメチルトリク
ロロシラン、メチルシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポ
キシシラン、エチルトキクロロシラン、エチルシラン、
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラ
ン、エチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリクロ
ロチタン、メチルトリメトキシチタン、メチルトリエト
キシチタン、メチルトリイソプロポキシチタン、エチル
トキクロロチタン、エチルトリメトキシチタン、エチル
トリエトキシチタン、エチルトリイソプロポキシチタン
などがあえられる。また、一般式(2)でXが3つであ
る塩化アルミニウム、アルミニウムトリイソプロポキシ
ド、アルミニウムトリt−ブトキサイド、アルミニウム
トリイソブトキサイド、アルミニウムトリエトキシド、
ホウ素トリイソプロポキシド、ホウ素トリt−ブトキサ
イド、ホウ素トリイソブトキサイド、ホウ素トリエトキ
シドなどがあげられる。特に、テトラクロロシラン、シ
ラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、
テトライソプロポキシシラン、4塩化チタン、チタンテ
トライソプロポキシド、塩化アルミニウム、アルミニウ
ムトリイソプロポキシドが好ましく使用できる。
一般式(1)でXが4つである、テトラクロロシラン、
シラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトライソプロポキシシラン、4塩化チタン、テト
ラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、チタンテト
ライソプロポキシド、塩化ゲルマニウムなどがあげられ
る。また、一般式(1)でXが3つであるメチルトリク
ロロシラン、メチルシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポ
キシシラン、エチルトキクロロシラン、エチルシラン、
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラ
ン、エチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリクロ
ロチタン、メチルトリメトキシチタン、メチルトリエト
キシチタン、メチルトリイソプロポキシチタン、エチル
トキクロロチタン、エチルトリメトキシチタン、エチル
トリエトキシチタン、エチルトリイソプロポキシチタン
などがあえられる。また、一般式(2)でXが3つであ
る塩化アルミニウム、アルミニウムトリイソプロポキシ
ド、アルミニウムトリt−ブトキサイド、アルミニウム
トリイソブトキサイド、アルミニウムトリエトキシド、
ホウ素トリイソプロポキシド、ホウ素トリt−ブトキサ
イド、ホウ素トリイソブトキサイド、ホウ素トリエトキ
シドなどがあげられる。特に、テトラクロロシラン、シ
ラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、
テトライソプロポキシシラン、4塩化チタン、チタンテ
トライソプロポキシド、塩化アルミニウム、アルミニウ
ムトリイソプロポキシドが好ましく使用できる。
【0028】また、一般式(1)および(2)中のXが
塩素であることが好ましい。カップリング剤の構造の中
で、反応活性部位であるXは、反応性が高いほど穏やか
な処理条件で処理することができ好ましい。カップリン
グ剤一分子中のXの一つ以上が塩素であるクロロシラ
ン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、四塩化チタ
ン、塩化アルミニウム、または塩化ゲルマニウムは、反
応性が高く好んで用いられる。
塩素であることが好ましい。カップリング剤の構造の中
で、反応活性部位であるXは、反応性が高いほど穏やか
な処理条件で処理することができ好ましい。カップリン
グ剤一分子中のXの一つ以上が塩素であるクロロシラ
ン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、四塩化チタ
ン、塩化アルミニウム、または塩化ゲルマニウムは、反
応性が高く好んで用いられる。
【0029】また、本発明で使用するカップリング剤
は、チタンテトライソプロポキシドまたは四塩化チタン
が好ましい。チタンテトライソプロポキシドや四塩化チ
タンは、比較的安価で、かつ、加水分解されやすく、水
または水蒸気と接触すると直ちに反応する。そのため、
穏やかな処理条件で処理でき、好ましく用いられる。
は、チタンテトライソプロポキシドまたは四塩化チタン
が好ましい。チタンテトライソプロポキシドや四塩化チ
タンは、比較的安価で、かつ、加水分解されやすく、水
または水蒸気と接触すると直ちに反応する。そのため、
穏やかな処理条件で処理でき、好ましく用いられる。
【0030】本発明のゼオライト膜の処理方法は、ゼオ
ライト膜の一方の面にカップリング剤を供給し、もう一
方の面に水、または水蒸気を供給する方法であり、カッ
プリング剤の最小分子径がゼオライト細孔の最大長径よ
り大きければ、カップリング剤はゼオライト細孔に吸着
することができず、ゼオライト膜の粒界、亀裂、および
ピンホール部分にのみ吸着し、膜の反対側から供給され
た水と加水分解反応を起こすことができる。また、水は
用いるゼオライトの親和性に従い、ゼオライト細孔に吸
着しうる。しかし、カップリング剤がゼオライト細孔径
より大きければ、ゼオライト細孔内で加水分解反応は進
行せず、ゼオライト細孔を閉塞することはない。ゼオラ
イト細孔への水の吸着を防ぐために、予めゼオライト細
孔を閉塞し、本処理を行ってもよい。その場合、ゼオラ
イト細孔を予め閉塞しておく物質は、水で置換されにく
いもの、または置換されないものが好んで用いられる。
また、ゼオライト細孔を予め閉塞しておく物質は、加熱
処理および/または減圧処理することでゼオライト細孔
内から除去されることが好ましい。細孔を閉塞しておく
物質としては、芳香族化合物であるベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ク
ロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン、ジ
クロロトルエンや、アルコール類であるプロパノ−ル、
ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールや、アミン類
であるトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロ
ピルアミン、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチ
ルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩など
があげられるが、水で置換されにくいもの、または置換
されないものであり、加熱処理および/または減圧処理
することでゼオライト細孔内から除去されるものであれ
ば特に限定されない。
ライト膜の一方の面にカップリング剤を供給し、もう一
方の面に水、または水蒸気を供給する方法であり、カッ
プリング剤の最小分子径がゼオライト細孔の最大長径よ
り大きければ、カップリング剤はゼオライト細孔に吸着
することができず、ゼオライト膜の粒界、亀裂、および
ピンホール部分にのみ吸着し、膜の反対側から供給され
た水と加水分解反応を起こすことができる。また、水は
用いるゼオライトの親和性に従い、ゼオライト細孔に吸
着しうる。しかし、カップリング剤がゼオライト細孔径
より大きければ、ゼオライト細孔内で加水分解反応は進
行せず、ゼオライト細孔を閉塞することはない。ゼオラ
イト細孔への水の吸着を防ぐために、予めゼオライト細
孔を閉塞し、本処理を行ってもよい。その場合、ゼオラ
イト細孔を予め閉塞しておく物質は、水で置換されにく
いもの、または置換されないものが好んで用いられる。
また、ゼオライト細孔を予め閉塞しておく物質は、加熱
処理および/または減圧処理することでゼオライト細孔
内から除去されることが好ましい。細孔を閉塞しておく
物質としては、芳香族化合物であるベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ク
ロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン、ジ
クロロトルエンや、アルコール類であるプロパノ−ル、
ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールや、アミン類
であるトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロ
ピルアミン、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチ
ルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩など
があげられるが、水で置換されにくいもの、または置換
されないものであり、加熱処理および/または減圧処理
することでゼオライト細孔内から除去されるものであれ
ば特に限定されない。
【0031】カップリング剤や、水、水蒸気の供給方法
は特に限定されるものではない。カップリング剤の供給
方法は、例えば、液状のカップリング剤を直接接触させ
る方法、溶媒に希釈して接触させる方法、蒸気圧濃度の
気体状カップリング剤を接触させる方法、カップリング
剤液中に乾燥ガスをバブリングし、蒸気圧のカップリン
グ剤を含むガスを供給する方法、などがあげられる。
は特に限定されるものではない。カップリング剤の供給
方法は、例えば、液状のカップリング剤を直接接触させ
る方法、溶媒に希釈して接触させる方法、蒸気圧濃度の
気体状カップリング剤を接触させる方法、カップリング
剤液中に乾燥ガスをバブリングし、蒸気圧のカップリン
グ剤を含むガスを供給する方法、などがあげられる。
【0032】一方、水、または水蒸気の供給方法は、例
えば、水を直接接触させる方法、水を不活性溶液に希釈
して供給する方法、蒸気圧の水蒸気を接触させる方法、
水、または水を含む溶液にガスをバブリングし、水蒸気
を含むガスを接触させる方法などがあげられる。水を加
水分解反応促進剤とともに、液状、またはガス状で接触
させる方法も好んで用いられる。カップリング剤の供給
方法と、水、または水蒸気の供給方法の組み合わせは、
いかなる組み合わせでもよく、ここに記載していない方
法との組み合わせでもよい。
えば、水を直接接触させる方法、水を不活性溶液に希釈
して供給する方法、蒸気圧の水蒸気を接触させる方法、
水、または水を含む溶液にガスをバブリングし、水蒸気
を含むガスを接触させる方法などがあげられる。水を加
水分解反応促進剤とともに、液状、またはガス状で接触
させる方法も好んで用いられる。カップリング剤の供給
方法と、水、または水蒸気の供給方法の組み合わせは、
いかなる組み合わせでもよく、ここに記載していない方
法との組み合わせでもよい。
【0033】ゼオライト膜の一方の面に、気体状のカッ
プリング剤を供給する方法は好ましく採用される。カッ
プリング剤を気体状にする方法は特に限定されない。例
えば、ゼオライト膜の一方の面を密閉容器内部に曝し、
その密閉容器内にカップリング剤を共存させ、蒸気圧濃
度に相当するガス状カップリング剤をゼオライト膜に供
給する方法や、カップリング剤液中に乾燥空気、窒素、
ヘリウム等の乾燥ガスをバブリングし、蒸気圧濃度のカ
ップリング剤を含むこれらガスをゼオライト膜に供給す
る方法、などがあげられる。
プリング剤を供給する方法は好ましく採用される。カッ
プリング剤を気体状にする方法は特に限定されない。例
えば、ゼオライト膜の一方の面を密閉容器内部に曝し、
その密閉容器内にカップリング剤を共存させ、蒸気圧濃
度に相当するガス状カップリング剤をゼオライト膜に供
給する方法や、カップリング剤液中に乾燥空気、窒素、
ヘリウム等の乾燥ガスをバブリングし、蒸気圧濃度のカ
ップリング剤を含むこれらガスをゼオライト膜に供給す
る方法、などがあげられる。
【0034】ゼオライト膜の他方の面に供給する水また
は水蒸気が塩基性物質を含む方法が好ましく採用でき
る。塩基性物質としては、水、または水蒸気中に共存す
ることで、カップリング剤の加水分解反応の反応速度を
高められるものが好んで用いられる。ゼオライト膜に水
を供給する場合は、水に可溶性の塩基性物質や、水と混
和できる液状の塩基性物質が好んで用いられる。一方、
ゼオライト膜に水蒸気を供給する場合は、気体状の塩基
性物質が好んで用いられる。塩基性物質は特に限定され
ないが、例えば、アルカリ金属元素やアルカリ土類金属
元素の水酸化物、アミン、アンモニア、4級アンモニウ
ム塩、などがあげられる。塩基性物質と水の混合比率も
特に限定されない。それは、処理に用いるカップリング
剤の種類により、塩基性物質と水の混合比率は異なるか
らである。
は水蒸気が塩基性物質を含む方法が好ましく採用でき
る。塩基性物質としては、水、または水蒸気中に共存す
ることで、カップリング剤の加水分解反応の反応速度を
高められるものが好んで用いられる。ゼオライト膜に水
を供給する場合は、水に可溶性の塩基性物質や、水と混
和できる液状の塩基性物質が好んで用いられる。一方、
ゼオライト膜に水蒸気を供給する場合は、気体状の塩基
性物質が好んで用いられる。塩基性物質は特に限定され
ないが、例えば、アルカリ金属元素やアルカリ土類金属
元素の水酸化物、アミン、アンモニア、4級アンモニウ
ム塩、などがあげられる。塩基性物質と水の混合比率も
特に限定されない。それは、処理に用いるカップリング
剤の種類により、塩基性物質と水の混合比率は異なるか
らである。
【0035】また、ゼオライト膜の一方の面にカップリ
ング剤を供給し、ゼオライト膜の他方の面に水、または
水蒸気を供給した後に、ゼオライト膜を加熱処理および
/または減圧処理することが好ましい。加熱処理とは、
処理をしたゼオライト膜を室温以上の温度に曝すことを
言い、その温度は特に限定されない。加熱する目的は、
処理時に反応に用いられなかった水などの未反応物、処
理中に発生する副生物、溶媒、および予めゼオライト細
孔を閉塞していた物質などがゼオライト細孔内にとどま
り、透過特性を低下させることを防ぐことにある。この
目的から、加熱温度は80℃以上が好ましく、さらに好
ましくは120℃以上である。また、処理中にカップリ
ング剤の反応活性基が加水分解されて生じた水酸基同士
を十分に反応させる目的で、300℃以上まで加熱する
方法も好んで用いられる。この目的からは、加熱温度は
400℃以上がより好ましく、さらに好ましくは500
℃以上である。加熱に要する時間は特に限定されない
が、上記目的を満たすために、10分以上加熱すること
が好ましい。さらに好ましくは、30分以上である。な
お、ゼオライト膜は急激な温度変化を受けると、膜内に
亀裂を生じるため、亀裂を生じさせないような昇温速
度、および降温速度が好んで用いられる。その速度は特
に限定されないが、昇温速度は5℃/分以下が好んで用
いられ、さらに好ましくは、3℃/分である。降温速度
も5℃/分以下が好んで用いられ、さらに好ましくは、
3℃/分である。一方、減圧する目的も、処理時に発生
する副生物や溶媒がゼオライト細孔内にとどまり、透過
特性を低下させることを防ぐことにある。その真空度
は、上記目的を満たすことができれば、特に限定されな
いが、1000Pa未満が好んで用いられる。さらに好
ましくは100Pa未満である。減圧下に置く時間は特
に限定されないが、上記目的を満たすために、10分以
上加熱することが好ましい。さらに好ましくは、30分
以上である。加熱処理と減圧処理を同時に行うことは、
上記目的を達成するために好んで用いられる。
ング剤を供給し、ゼオライト膜の他方の面に水、または
水蒸気を供給した後に、ゼオライト膜を加熱処理および
/または減圧処理することが好ましい。加熱処理とは、
処理をしたゼオライト膜を室温以上の温度に曝すことを
言い、その温度は特に限定されない。加熱する目的は、
処理時に反応に用いられなかった水などの未反応物、処
理中に発生する副生物、溶媒、および予めゼオライト細
孔を閉塞していた物質などがゼオライト細孔内にとどま
り、透過特性を低下させることを防ぐことにある。この
目的から、加熱温度は80℃以上が好ましく、さらに好
ましくは120℃以上である。また、処理中にカップリ
ング剤の反応活性基が加水分解されて生じた水酸基同士
を十分に反応させる目的で、300℃以上まで加熱する
方法も好んで用いられる。この目的からは、加熱温度は
400℃以上がより好ましく、さらに好ましくは500
℃以上である。加熱に要する時間は特に限定されない
が、上記目的を満たすために、10分以上加熱すること
が好ましい。さらに好ましくは、30分以上である。な
お、ゼオライト膜は急激な温度変化を受けると、膜内に
亀裂を生じるため、亀裂を生じさせないような昇温速
度、および降温速度が好んで用いられる。その速度は特
に限定されないが、昇温速度は5℃/分以下が好んで用
いられ、さらに好ましくは、3℃/分である。降温速度
も5℃/分以下が好んで用いられ、さらに好ましくは、
3℃/分である。一方、減圧する目的も、処理時に発生
する副生物や溶媒がゼオライト細孔内にとどまり、透過
特性を低下させることを防ぐことにある。その真空度
は、上記目的を満たすことができれば、特に限定されな
いが、1000Pa未満が好んで用いられる。さらに好
ましくは100Pa未満である。減圧下に置く時間は特
に限定されないが、上記目的を満たすために、10分以
上加熱することが好ましい。さらに好ましくは、30分
以上である。加熱処理と減圧処理を同時に行うことは、
上記目的を達成するために好んで用いられる。
【0036】第2の発明は、ゼオライト膜を用いた分離
方法に関するものである。膜を利用して分離するとは、
2成分以上の成分を含む気体又は液体混合物の組成比を
膜の透過前後で変えることである。本発明にある処理さ
れたゼオライト膜も透過前後で組成比を変えることがで
きるので、これを用いて物質を分離することができる。
分離のためには、ゼオライト膜を物質が透過する必要が
ある。透過の駆動力は、一般的には圧力差、濃度差であ
る。分離の方法は、公知のいかなる方法も利用できる
が、液体の場合は、パーベーパレーション法、逆浸透法
等の方法が採用できる。気体の場合は、ガス供給側とガ
ス透過側の圧力差を付けることによって分離することが
できる。また、液体成分の場合も気体成分の場合も膜の
透過側にスウィープガスを流して濃度勾配を利用して分
離する方法もある。通常、分離する場合、表面積を大き
くするためにモジュール化する。モジュール化は、通常
セラミックス膜に用いられているような公知のモジュー
ル化の方法が適用できる。
方法に関するものである。膜を利用して分離するとは、
2成分以上の成分を含む気体又は液体混合物の組成比を
膜の透過前後で変えることである。本発明にある処理さ
れたゼオライト膜も透過前後で組成比を変えることがで
きるので、これを用いて物質を分離することができる。
分離のためには、ゼオライト膜を物質が透過する必要が
ある。透過の駆動力は、一般的には圧力差、濃度差であ
る。分離の方法は、公知のいかなる方法も利用できる
が、液体の場合は、パーベーパレーション法、逆浸透法
等の方法が採用できる。気体の場合は、ガス供給側とガ
ス透過側の圧力差を付けることによって分離することが
できる。また、液体成分の場合も気体成分の場合も膜の
透過側にスウィープガスを流して濃度勾配を利用して分
離する方法もある。通常、分離する場合、表面積を大き
くするためにモジュール化する。モジュール化は、通常
セラミックス膜に用いられているような公知のモジュー
ル化の方法が適用できる。
【0037】本発明のゼオライト膜は、ゼオライト膜中
の粒界、亀裂、およびピンホールが低減されていること
から、透過選択性を有しない流路が未処理膜に比べ少な
い。また、ゼオライト膜表面に高分子から成る層を形成
しないため、処理後も高い透過率を維持できる。これら
の理由から、高い透過率を維持しつつ、かつ、ゼオライ
ト細孔径に起因する分子ふるい能を利用することができ
る。例えば、混合キシレン中から最も分子径が小さいパ
ラ体だけを選択的に透過しうる膜や、燃料改質ガス中か
ら水素を選択的に透過する膜として利用することができ
る。また、ゼオライト膜中に存在する粒界、ピンホー
ル、および亀裂を選択的に補修し、かつ、高い透過率を
維持できるため、分子ふるい能だけでなく、ゼオライト
細孔に起因する親和性を利用した分離においても有用と
なりうる。例えば、水中の脱気膜、電解コンデンサー用
水素透過膜、水中に存在する微量有機溶媒を選択的に除
去する膜、発酵法を利用したアルコール製造における低
濃度のアルコールを選択的に系外に除去する膜として利
用することができる。
の粒界、亀裂、およびピンホールが低減されていること
から、透過選択性を有しない流路が未処理膜に比べ少な
い。また、ゼオライト膜表面に高分子から成る層を形成
しないため、処理後も高い透過率を維持できる。これら
の理由から、高い透過率を維持しつつ、かつ、ゼオライ
ト細孔径に起因する分子ふるい能を利用することができ
る。例えば、混合キシレン中から最も分子径が小さいパ
ラ体だけを選択的に透過しうる膜や、燃料改質ガス中か
ら水素を選択的に透過する膜として利用することができ
る。また、ゼオライト膜中に存在する粒界、ピンホー
ル、および亀裂を選択的に補修し、かつ、高い透過率を
維持できるため、分子ふるい能だけでなく、ゼオライト
細孔に起因する親和性を利用した分離においても有用と
なりうる。例えば、水中の脱気膜、電解コンデンサー用
水素透過膜、水中に存在する微量有機溶媒を選択的に除
去する膜、発酵法を利用したアルコール製造における低
濃度のアルコールを選択的に系外に除去する膜として利
用することができる。
【0038】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に
説明する。もっとも、下記の実施例は例示のために示す
ものであって、いかなる意味においても限定的に解釈し
てはならない。
説明する。もっとも、下記の実施例は例示のために示す
ものであって、いかなる意味においても限定的に解釈し
てはならない。
【0039】
【実施例】参考例1(ゼオライト膜の合成) 20gのテトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイ
ド(TPAOH)の20〜25%水溶液(東京化成20〜25
%水溶液)に0.28gのNaOH(片山試薬一級)を添加
して撹拌した。それに5gのヒュームドシリカ(Aldrich)
を添加して80℃に加熱し透明な水溶液を得た。これを
テフロン(登録商標)ラインのオートクレーブに入れ、
125℃で8時間加熱したところ、シリカライトの微粒
子(80nm)が得られた。これを水で希釈して1%のコ
ロイドにした。
ド(TPAOH)の20〜25%水溶液(東京化成20〜25
%水溶液)に0.28gのNaOH(片山試薬一級)を添加
して撹拌した。それに5gのヒュームドシリカ(Aldrich)
を添加して80℃に加熱し透明な水溶液を得た。これを
テフロン(登録商標)ラインのオートクレーブに入れ、
125℃で8時間加熱したところ、シリカライトの微粒
子(80nm)が得られた。これを水で希釈して1%のコ
ロイドにした。
【0040】直径10mm、厚み3mmの円柱形のαアルミナ
多孔質支持体(日本碍子製:片面のみアルミナ微粒子を
厚さ約50μm分コーティングしたもの、平均細孔径は
0.1μm)に乳酸(片山化学製)約0.15gを滴下
し、表面の乳酸が支持体内に染み込んだ後、シリカライ
トコロイド0.1gをアルミナ微粒子で処理された面上
に、なるべく均一に滴下してコーティングした。その
後、室温で風乾後、600℃で2時間焼成した。
多孔質支持体(日本碍子製:片面のみアルミナ微粒子を
厚さ約50μm分コーティングしたもの、平均細孔径は
0.1μm)に乳酸(片山化学製)約0.15gを滴下
し、表面の乳酸が支持体内に染み込んだ後、シリカライ
トコロイド0.1gをアルミナ微粒子で処理された面上
に、なるべく均一に滴下してコーティングした。その
後、室温で風乾後、600℃で2時間焼成した。
【0041】この支持体を、LUDOX HS40と21.9% TPAOH
水溶液1:1の混合ゾルに2分間浸した。取り出した
後、五酸化二リンを入れたデシケーター中で24時間乾
燥した。その後、50mlオートクレーブに0.5gの水を
入れ、水蒸気加圧下で120℃で24時間加熱した。該
膜状試料を550℃で2時間焼成した。なお、昇温速度
は0.6℃/min、降温速度は1.2℃/minとした。シリ
カライトの薄膜が支持体上に形成していることを、X線
回折と電子顕微鏡で確認した。
水溶液1:1の混合ゾルに2分間浸した。取り出した
後、五酸化二リンを入れたデシケーター中で24時間乾
燥した。その後、50mlオートクレーブに0.5gの水を
入れ、水蒸気加圧下で120℃で24時間加熱した。該
膜状試料を550℃で2時間焼成した。なお、昇温速度
は0.6℃/min、降温速度は1.2℃/minとした。シリ
カライトの薄膜が支持体上に形成していることを、X線
回折と電子顕微鏡で確認した。
【0042】得られたシリカライト膜に水素ボンベから
0.2MPaの水素を供給し、透過した水素ガス量から
水素透過率を算出した。その結果を表2に示した。
0.2MPaの水素を供給し、透過した水素ガス量から
水素透過率を算出した。その結果を表2に示した。
【0043】次にシリカライト膜に、エタノール/水混
合液(モル比 10:90)を供給し、膜の反対側から
真空ポンプで減圧し、膜を透過した成分を液体窒素で捕
集した。透過選択性α(エタノール/水)を以下の式か
ら算出した。結果を表2に示す。 α=9×(透過液中のエタノール重量濃度)/(透過液
中の水重量濃度) 次に、膜を再び焼成した。今回は焼成温度を400℃と
し、2時間焼成した。なお、昇温速度は0.6℃/min、
降温速度は1.2℃/minとし、焼成後に水素透過率に変
化がないことを確認した。この膜に、トリイソプロピル
ベンゼン/ヘキサン(モル比 10:90)を供給し、
膜の反対側から真空ポンプで減圧し、膜を透過した成分
を液体窒素で捕集した。透過選択性α(トリイソプロピ
ルベンゼン/ヘキサン)を以下の式から算出した。結果
を表2に示す。
合液(モル比 10:90)を供給し、膜の反対側から
真空ポンプで減圧し、膜を透過した成分を液体窒素で捕
集した。透過選択性α(エタノール/水)を以下の式か
ら算出した。結果を表2に示す。 α=9×(透過液中のエタノール重量濃度)/(透過液
中の水重量濃度) 次に、膜を再び焼成した。今回は焼成温度を400℃と
し、2時間焼成した。なお、昇温速度は0.6℃/min、
降温速度は1.2℃/minとし、焼成後に水素透過率に変
化がないことを確認した。この膜に、トリイソプロピル
ベンゼン/ヘキサン(モル比 10:90)を供給し、
膜の反対側から真空ポンプで減圧し、膜を透過した成分
を液体窒素で捕集した。透過選択性α(トリイソプロピ
ルベンゼン/ヘキサン)を以下の式から算出した。結果
を表2に示す。
【0044】
【数1】 実施例1(チタンテトライソプロポキシドを用いた処理
−1) 図1を用いて、本実施例を説明する。
−1) 図1を用いて、本実施例を説明する。
【0045】実施例1で合成したゼオライト膜を処理用
セルの所定の位置にセットした。このとき、ゼオライト
膜側をカップリング剤側に向け、支持体側を水蒸気側に
向けた。次に、容器1内にチタンテトライソプロポキシ
ド(片山化学製)を約30g入れ、密閉した。その容器
をオイルバスに浸し、オイルバスの温度を100℃に設
定した。その容器内に窒素ボンベから窒素ガスを毎分3
0ccの流量でバブリングし、100℃での飽和蒸気圧
濃度のチタンテトライソプロポキシドを含んだ窒素ガス
を、ゼオライト膜に接触させた。この作業と平行して、
容器2内に蒸留水を30g入れ、密閉した。その容器内
に窒素ボンベから窒素ガスを毎分30ccの流量でバブ
リングし、室温での飽和蒸気圧濃度の水蒸気を含んだ窒
素ガスを、ゼオライト膜の支持体側に接触させた。それ
ぞれのガスは、逆止弁を介して系外に排出した。この操
作を20時間継続して行った。処理後に膜を取り出し、
400℃で2時間焼成した。なお、昇温速度は0.6℃
/min、降温速度は1.2℃/minとした。この膜を用い
て、実施例1と同様な手法でエタノール/水混合液の透
過実験、およびトリイソプロピルベンゼン/ヘキサン混
合液の透過実験を行った。結果を表2に示す。
セルの所定の位置にセットした。このとき、ゼオライト
膜側をカップリング剤側に向け、支持体側を水蒸気側に
向けた。次に、容器1内にチタンテトライソプロポキシ
ド(片山化学製)を約30g入れ、密閉した。その容器
をオイルバスに浸し、オイルバスの温度を100℃に設
定した。その容器内に窒素ボンベから窒素ガスを毎分3
0ccの流量でバブリングし、100℃での飽和蒸気圧
濃度のチタンテトライソプロポキシドを含んだ窒素ガス
を、ゼオライト膜に接触させた。この作業と平行して、
容器2内に蒸留水を30g入れ、密閉した。その容器内
に窒素ボンベから窒素ガスを毎分30ccの流量でバブ
リングし、室温での飽和蒸気圧濃度の水蒸気を含んだ窒
素ガスを、ゼオライト膜の支持体側に接触させた。それ
ぞれのガスは、逆止弁を介して系外に排出した。この操
作を20時間継続して行った。処理後に膜を取り出し、
400℃で2時間焼成した。なお、昇温速度は0.6℃
/min、降温速度は1.2℃/minとした。この膜を用い
て、実施例1と同様な手法でエタノール/水混合液の透
過実験、およびトリイソプロピルベンゼン/ヘキサン混
合液の透過実験を行った。結果を表2に示す。
【0046】実施例2(テトラエトキシシランを用いた
処理) 実施例1で合成したゼオライト膜を処理用セルの所定の
位置にセットした。このとき、ゼオライト膜側をカップ
リング剤側に向け、支持体側を水蒸気側に向けた。次
に、容器1内にテトラエトキシシラン(チッソ製)を約
30g入れ、密閉した。その容器内に窒素ボンベから窒
素ガスを毎分30ccの流量でバブリングし、室温での
飽和蒸気圧濃度のテトラエトキシシランを含んだ窒素ガ
スを、ゼオライト膜に接触させた。この作業と平行し
て、容器2内に蒸留水を30g入れ、密閉した。その容
器内に窒素ボンベから窒素ガスを毎分30ccの流量で
バブリングし、室温での飽和蒸気圧濃度の水蒸気を含ん
だ窒素ガスを、ゼオライト膜の支持体側に接触させた。
それぞれのガスは、逆止弁を介して系外に排出した。こ
の操作を20時間継続して行った。処理後に膜を取り出
し、400℃で2時間焼成した。なお、昇温速度は0.
6℃/min、降温速度は1.2℃/minとした。この膜を用
いて、実施例1と同様な手法でエタノール/水混合液の
透過実験、およびトリイソプロピルベンゼン/ヘキサン
混合液の透過実験を行った。結果を表2に示す。
処理) 実施例1で合成したゼオライト膜を処理用セルの所定の
位置にセットした。このとき、ゼオライト膜側をカップ
リング剤側に向け、支持体側を水蒸気側に向けた。次
に、容器1内にテトラエトキシシラン(チッソ製)を約
30g入れ、密閉した。その容器内に窒素ボンベから窒
素ガスを毎分30ccの流量でバブリングし、室温での
飽和蒸気圧濃度のテトラエトキシシランを含んだ窒素ガ
スを、ゼオライト膜に接触させた。この作業と平行し
て、容器2内に蒸留水を30g入れ、密閉した。その容
器内に窒素ボンベから窒素ガスを毎分30ccの流量で
バブリングし、室温での飽和蒸気圧濃度の水蒸気を含ん
だ窒素ガスを、ゼオライト膜の支持体側に接触させた。
それぞれのガスは、逆止弁を介して系外に排出した。こ
の操作を20時間継続して行った。処理後に膜を取り出
し、400℃で2時間焼成した。なお、昇温速度は0.
6℃/min、降温速度は1.2℃/minとした。この膜を用
いて、実施例1と同様な手法でエタノール/水混合液の
透過実験、およびトリイソプロピルベンゼン/ヘキサン
混合液の透過実験を行った。結果を表2に示す。
【0047】実施例3(チタンテトライソプロポキシド
を用いた処理−2) 実施例1で合成したゼオライト膜を処理用セルの所定の
位置にセットした。このとき、ゼオライト膜側をカップ
リング剤側に向け、支持体側を水蒸気側に向けた。次
に、容器1内にチタンテトライソプロポキシド(片山化
学製)を約30g入れ、密閉した。その容器をオイルバ
スに浸し、オイルバスの温度を100℃に設定した。そ
の容器内に窒素ボンベから窒素ガスを毎分30ccの流
量でバブリングし、100℃での飽和蒸気圧濃度のチタ
ンテトライソプロポキシドを含んだ窒素ガスを、ゼオラ
イト膜に接触させた。この作業と平行して、容器2内に
25〜28%アンモニア水(和光純薬製、特級)を30
g入れ、密閉した。その容器内に窒素ボンベから窒素ガ
スを毎分30ccの流量でバブリングし、アンモニア蒸
気と室温での飽和蒸気圧濃度の水蒸気を含んだ窒素ガス
を、ゼオライト膜の支持体側に接触させた。それぞれの
ガスは、逆止弁を介して系外に排出した。この操作を1
0時間継続して行った。処理後に膜を取り出し、400
℃で2時間焼成した。なお、昇温速度は0.6℃/min、
降温速度は1.2℃/minとした。この膜を用いて、実施
例1と同様な手法でエタノール/水混合液の透過実験、
およびトリイソプロピルベンゼン/ヘキサン混合液の透
過実験を行った。結果を表2に示す。
を用いた処理−2) 実施例1で合成したゼオライト膜を処理用セルの所定の
位置にセットした。このとき、ゼオライト膜側をカップ
リング剤側に向け、支持体側を水蒸気側に向けた。次
に、容器1内にチタンテトライソプロポキシド(片山化
学製)を約30g入れ、密閉した。その容器をオイルバ
スに浸し、オイルバスの温度を100℃に設定した。そ
の容器内に窒素ボンベから窒素ガスを毎分30ccの流
量でバブリングし、100℃での飽和蒸気圧濃度のチタ
ンテトライソプロポキシドを含んだ窒素ガスを、ゼオラ
イト膜に接触させた。この作業と平行して、容器2内に
25〜28%アンモニア水(和光純薬製、特級)を30
g入れ、密閉した。その容器内に窒素ボンベから窒素ガ
スを毎分30ccの流量でバブリングし、アンモニア蒸
気と室温での飽和蒸気圧濃度の水蒸気を含んだ窒素ガス
を、ゼオライト膜の支持体側に接触させた。それぞれの
ガスは、逆止弁を介して系外に排出した。この操作を1
0時間継続して行った。処理後に膜を取り出し、400
℃で2時間焼成した。なお、昇温速度は0.6℃/min、
降温速度は1.2℃/minとした。この膜を用いて、実施
例1と同様な手法でエタノール/水混合液の透過実験、
およびトリイソプロピルベンゼン/ヘキサン混合液の透
過実験を行った。結果を表2に示す。
【0048】実施例4(四塩化チタンを用いた処理) 実施例1で合成したゼオライト膜の作製方法において、
水蒸気存在下、120℃で2時間処理したゼオライト膜
を250℃で2時間焼成した。なお、昇温速度は0.6
℃/min、降温速度は1.2℃/minとした。250℃で焼
成した膜を処理用セルの所定の位置にセットした。この
とき、ゼオライト膜側をカップリング剤側に向け、支持
体側を水蒸気側に向けた。次に、容器1内に四塩化チタ
ン(片山化学製)を約30g入れ、密閉した。その容器
内に窒素ボンベから窒素ガスを毎分30ccの流量でバ
ブリングし、室温での飽和蒸気圧濃度の四塩化チタンを
含んだ窒素ガスを、ゼオライト膜に接触させた。この作
業と平行して、容器2内に蒸留水を30g入れ、密閉し
た。その容器内に窒素ボンベから窒素ガスを毎分30c
cの流量でバブリングし、室温での飽和蒸気圧濃度の水
蒸気を含んだ窒素ガスを、ゼオライト膜の支持体側に接
触させた。それぞれのガスは、逆止弁を介して系外に排
出した。この操作を20時間継続して行った。処理後に
膜を取り出し、550℃で2時間焼成した。なお、昇温
速度は0.6℃/min、降温速度は1.2℃/minとした。
この膜を用いて、実施例1と同様な手法でエタノール/
水混合液の透過実験、およびトリイソプロピルベンゼン
/ヘキサン混合液の透過実験を行った。結果を表2に示
す。
水蒸気存在下、120℃で2時間処理したゼオライト膜
を250℃で2時間焼成した。なお、昇温速度は0.6
℃/min、降温速度は1.2℃/minとした。250℃で焼
成した膜を処理用セルの所定の位置にセットした。この
とき、ゼオライト膜側をカップリング剤側に向け、支持
体側を水蒸気側に向けた。次に、容器1内に四塩化チタ
ン(片山化学製)を約30g入れ、密閉した。その容器
内に窒素ボンベから窒素ガスを毎分30ccの流量でバ
ブリングし、室温での飽和蒸気圧濃度の四塩化チタンを
含んだ窒素ガスを、ゼオライト膜に接触させた。この作
業と平行して、容器2内に蒸留水を30g入れ、密閉し
た。その容器内に窒素ボンベから窒素ガスを毎分30c
cの流量でバブリングし、室温での飽和蒸気圧濃度の水
蒸気を含んだ窒素ガスを、ゼオライト膜の支持体側に接
触させた。それぞれのガスは、逆止弁を介して系外に排
出した。この操作を20時間継続して行った。処理後に
膜を取り出し、550℃で2時間焼成した。なお、昇温
速度は0.6℃/min、降温速度は1.2℃/minとした。
この膜を用いて、実施例1と同様な手法でエタノール/
水混合液の透過実験、およびトリイソプロピルベンゼン
/ヘキサン混合液の透過実験を行った。結果を表2に示
す。
【0049】比較例1(カップリング剤と水蒸気を同一
側に接触) 参考例1で合成したゼオライト膜を処理用セルの所定の
位置にセットした。このとき、ゼオライト膜側をカップ
リング剤側に向け、支持体側を水蒸気側に向けた。次
に、容器1内にチタンテトライソプロポキシド(片山化
学製)を約30g入れ、密閉した。その容器をオイルバ
スに浸し、オイルバスの温度を100℃に設定した。そ
の容器内に窒素ボンベから窒素ガスを毎分30ccの流
量でバブリングし、100℃での飽和蒸気圧濃度のチタ
ンテトライソプロポキシドを含んだ窒素ガスを、ゼオラ
イト膜に接触させた。この作業を20時間継続して行っ
た。次に、ゼオライト膜をセルから取り出し、ゼオライ
ト膜表面を蒸留水で洗浄した後、400℃で2時間焼成
した。なお、昇温速度は0.6℃/min、降温速度は1.
2℃/minとた。この膜を用いて、実施例1と同様な手法
でエタノール/水混合液の透過実験、およびトリイソプ
ロピルベンゼン/ヘキサン混合液の透過実験を行った。
結果を表2に示す。
側に接触) 参考例1で合成したゼオライト膜を処理用セルの所定の
位置にセットした。このとき、ゼオライト膜側をカップ
リング剤側に向け、支持体側を水蒸気側に向けた。次
に、容器1内にチタンテトライソプロポキシド(片山化
学製)を約30g入れ、密閉した。その容器をオイルバ
スに浸し、オイルバスの温度を100℃に設定した。そ
の容器内に窒素ボンベから窒素ガスを毎分30ccの流
量でバブリングし、100℃での飽和蒸気圧濃度のチタ
ンテトライソプロポキシドを含んだ窒素ガスを、ゼオラ
イト膜に接触させた。この作業を20時間継続して行っ
た。次に、ゼオライト膜をセルから取り出し、ゼオライ
ト膜表面を蒸留水で洗浄した後、400℃で2時間焼成
した。なお、昇温速度は0.6℃/min、降温速度は1.
2℃/minとた。この膜を用いて、実施例1と同様な手法
でエタノール/水混合液の透過実験、およびトリイソプ
ロピルベンゼン/ヘキサン混合液の透過実験を行った。
結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明のゼオライト膜の処理法は、ゼオ
ライト膜の粒界、亀裂、およびピンホールを選択的に補
修することができる。
ライト膜の粒界、亀裂、およびピンホールを選択的に補
修することができる。
【図1】実施例1で使用した処理装置を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA02 GA03 GA12 GA25 GA41 MA02 MA03 MA04 MA21 MB01 MB04 MC03 MC03X MC65 NA54 PA01 PA03 PB04 PB12 PB20 PB32 PB66 PB68 4G073 BA20 BA63 BA64 BB02 BB57 BB65 BC05 BD16 BD18 DZ04 FB30 UB40
Claims (8)
- 【請求項1】ゼオライト膜の一方の面に、下記一般式
(1)または(2)で示されるカップリング剤を供給
し、ゼオライト膜の他方の面に水または水蒸気を供給す
ることを特徴とするゼオライト膜の処理方法。 R4−y−M1−Xy ・・・(1) (ここで、M1はSi、GeまたはTi、Xはハロゲ
ン、OH、H、アルコキシ基またはアセトアミド基のい
ずれか、Rはアルキル基またはアリール基、y=2、3
または4である) R3−z−M2−Xz ・・・(2) (ここで、M2はAlまたはB、Xは、ハロゲン、O
H、H、アルコキシ基またはアセトアミド基のいずれ
か、Rは、アルキル基またはアリール基、zは2または
3である) - 【請求項2】ゼオライト膜に供給するカップリング剤の
最小分子径がゼオライト細孔よりも大きいことを特徴と
する請求項1に記載のゼオライト膜の処理方法。 - 【請求項3】ゼオライト膜の一方の面に供給するカップ
リング剤が気体状であることを特徴とする請求項1また
は2に記載のゼオライト膜の処理方法。 - 【請求項4】ゼオライト膜の他方の面に供給する水また
は水蒸気が、塩基性物質を含むことを特徴とする請求項
1から3のいずれか1項に記載のゼオライト膜の処理方
法。 - 【請求項5】一般式(1)および(2)中のXが塩素で
あることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記
載のゼオライト膜の処理方法。 - 【請求項6】カップリング剤が、チタンテトライソプロ
ポキシドまたは四塩化チタンであることを特徴とする請
求項1から4のいずれか1項記載のゼオライト膜の処理
方法。 - 【請求項7】ゼオライト膜の一方の面にカップリング剤
を供給し、ゼオライト膜の他方の面に水または水蒸気を
供給した後に、ゼオライト膜を加熱処理および/または
減圧処理することを特徴とする請求項1から6のいずれ
か1項記載のゼオライト膜の処理方法。 - 【請求項8】請求項1から7のいずれか1項に記載の方
法で処理されたゼオライト膜を用いた分離方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001064256A JP2002263457A (ja) | 2001-03-08 | 2001-03-08 | ゼオライト膜の処理方法および分離方法 |
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---|---|---|---|
JP2001064256A JP2002263457A (ja) | 2001-03-08 | 2001-03-08 | ゼオライト膜の処理方法および分離方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002263457A true JP2002263457A (ja) | 2002-09-17 |
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---|---|---|---|
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---|---|
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Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012002181A1 (ja) * | 2010-07-02 | 2012-01-05 | 日本碍子株式会社 | シリカ膜フィルタ、およびシリカ膜フィルタの製造方法 |
WO2014069676A1 (ja) | 2012-11-01 | 2014-05-08 | 日本碍子株式会社 | セラミック分離膜構造体、およびその補修方法 |
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