JP2016034917A - ノルマルパラフィンまたはパラキシレンの分離方法およびゼオライト膜複合体 - Google Patents

ノルマルパラフィンまたはパラキシレンの分離方法およびゼオライト膜複合体 Download PDF

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Abstract

【課題】実用上十分な分離性能を備えたゼオライト膜複合体を用いたノルマルパラフィンまたはパラキシレンの分離方法およびノルマルパラフィンまたはパラキシレン分離用ゼオライト膜複合体を提供する。
【解決手段】本発明にかかるノルマルパラフィンまたはパラキシレンの分離方法は、多孔質支持体上にゼオライトを成膜したゼオライト膜複合体により、2種以上の化合物の混合流体からノルマルパラフィンまたはパラキシレンを選択的に分離する分離方法であって、前記ゼオライトは、結晶構造に由来する細孔より大きな細孔の割合が20%以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ノルマルパラフィンまたはパラキシレンの分離方法およびゼオライト膜複合体に関する。
従来、有機物を含有する気体または液体の混合物からの含有成分の分離、濃縮は、対象となる物質の性質に応じて、蒸留法、共沸蒸留法、溶媒抽出/蒸留法、吸着剤などにより行われている。
しかしながら、これらの方法は、多くのエネルギーを必要とする、あるいは分離、濃縮対象の適用範囲が限定的であるといった欠点がある。
これらの方法に代わる分離方法として、高分子膜や無機膜などの膜を用いた膜分離、濃縮方法が提案されている。しかし、高分子膜は加工性に優れる特徴をもつ一方で、熱や化学物質、圧力により劣化して性能が低下することが問題であった。
近年、これらの問題を解決すべく耐薬品性、耐酸化性、耐熱安定性、耐圧性が良好な種々の無機膜が提案されてきている。無機膜を用いた分離、濃縮は、蒸留や吸着剤による分離に比べ、エネルギーの使用量を削減できるほか、高分子膜よりも広い温度範囲で分離、濃縮を実施でき、更に劣化の問題により高分子膜では分離できない有機物を含む混合物の分離にも適用できるという利点を有している。その中でもゼオライト膜は、サブナノメートルの規則的な細孔を有しているため、分子ふるいとしての働きをもつので選択的に特定の分子を透過でき、高分離性能を示すことが期待されている。
ゼオライトと総称される結晶性アルミノケイ酸塩は、一つの結晶内に分子サイズの微空間(ナノスペース)を有しており、「分子ふるい」の名で呼ばれている。また、その結晶構造により、LTA(A型)、MFI(ZSM−5型)、MOR、FER、FAU(X型、Y型)といった数多くの種類が存在する。このような特異な高次構造を備えたゼオライトは、形状選択機能(分子ふるい機能)、吸着/分離精製機能、イオン交換機能、固体酸機能、触媒機能などを発揮するので、広い産業分野で利用されている。
ゼオライト膜を分離、濃縮に使用する場合、通常、支持体上に膜状にゼオライトを形成させたゼオライト膜複合体が用いられている。
ゼオライト膜複合体を用いた分離法として、例えば、有機物と水との混合物をA型ゼオライト膜複合体でパーベーパレーション法により水を選択的に透過させてアルコールを濃縮する技術(例えば、特許文献1参照)や、モルデナイト型ゼオライト膜複合体を用いてアルコールと水の混合系から水を選択的に透過させてアルコールを濃縮する技術(例えば、特許文献2参照)、アルコールとMTBE等を分離しうるNaX型ゼオライト膜の製膜方法(例えば、特許文献3参照)などが提案されている。
また、支持体を炭化水素ワックス等の含浸材料に浸漬後ゼオライト膜を成膜したMFI型ゼオライト膜複合体により、高温領域でパラキシレンを選択的に分離しうる技術(例えば、特許文献4および非特許文献1参照)や、支持体上にゼオライト膜を成膜後、低温で焼成したゼオライト膜複合体によりパラキシレンを選択的に分離しうる技術(例えば、特許文献5参照)が開示されている。
さらに、ゼオライト膜が結晶固有の細孔以外に、結晶粒界に起因する10nm以下の細孔を有するゼオライト膜複合体により直鎖炭化水素と側鎖炭化水素とを分離する技術(例えば、特許文献6参照)や、MFI型ゼオライト膜複合体により直鎖炭化水素と芳香族炭化水素とを分離する技術(例えば、特許文献7参照)が開示されている。
ところで、ゼオライトは、分子レベルの細孔径を有する無機酸化物の結晶であり、均一な大きさの細孔をもち,その細孔径分布は非常に狭い。そのようなゼオライトを膜状に合成したゼオライト膜は高性能分離膜として有望な素材となりうる。しかし、ゼオライト膜は多結晶体であり、結晶の間に粒界やピンホールが存在する。また、ゼオライト膜は、熱的、または物理的衝撃を受けることにより、ゼオライト膜に亀裂を生じる。これら粒界、ピンホール、および亀裂により、高い分離性能が得られないことが多い。
粒界等を修復する方法として、C8以上の長い直鎖アルキル基を有するアルキルトリクロロシランを用いてゼオライト膜を処理する技術が開示されている(例えば非特許文献2参照)。非特許文献2では、処理剤にオクタデシルトリクロロシランを用いた場合、α(エタノール/水)は13から45まで向上している。しかし、長い直鎖アルキル基を有するアルキルトリクロロシランは高価で工業的使用には適さない。また、クロロ基が3つあることで、シラン同士の重合が進行しやすく、ゼオライト膜表面にシリコーン膜を生成し、透過率を低下させるといった問題があった。
また、界面オゾンアシスト方式化学蒸着を利用したゼオライト膜の修正方法(例えば、特許文献8)や、ゼオライト膜上にシリカ膜を順次積層することにより、形状選択性を制御する技術(例えば、特許文献9)が開示されている。特許文献8および9によれば、パラキシレンの選択率を向上しうるものの透過度が満足できるレベルではない。また、プラズマ放電などを利用したオゾン発生器を必要とし、反応装置には、耐オゾン腐食性の高い材料を用いなければならない。さらに、オゾンの寿命は短く、オゾン発生装置からゼオライト膜まで到達する前に、生成したオゾンがほとんど酸素に分解すること、ゼオライト膜を担持した多孔質支持体内を拡散中にもオゾンの分解が進行し、ゼオライト膜の粒界、亀裂、およびピンホールにおける反応性金属化合物との反応効率は著しく低いといった問題があった。
特開平7−185275号公報 特開2003−144871号公報 特許第3754520号公報 特表2002−537990号公報 特開2010−180080号公報 特開2002−348579号公報 特開2008−188564号公報 特開平10−502573号公報 特開2007−203241号公報
H. Sakai, T. Tomita, T. Takahashi, Separation Purification Technology, 25 (2001) 297−306 Micrporous Materials,5(1995) 179−184
上記に記載のゼオライト膜複合体を使用したノルマルパラフィンとイソパラフィン混合流体からのノルマルパラフィンの分離や、ミックスキシレンからのパラキシレンの分離技術は、分離係数が十分満足できるものではないために、工業的に要求される純度のものを得ることが困難であるか、または透過度が満足しうるものではなかった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高い分離性能と透過度とを有するとともに、簡便に製膜可能なゼオライト膜複合体を用いた、ノルマルパラフィン/イソパラフィン混合流体からのノルマルパラフィンの分離またはミックスキシレンからのパラキシレンの分離方法およびゼオライト膜複合体を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ゼオライトの結晶構造に由来する細孔より大きな径の細孔の割合が20%以下であるゼオライトを製膜したゼオライト膜複合体が、ノルマルパラフィン/イソパラフィンの混合流体からのノルマルパラフィンの分離、またはミックスキシレンからのパラキシレンの分離を高い選択性および透過度で行いうることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて成し遂げられたものである。
すなわち本発明にかかるノルマルパラフィンまたはパラキシレンの分離方法は、多孔質支持体上にゼオライトを成膜したゼオライト膜複合体により、2種以上の化合物の混合流体からノルマルパラフィンまたはパラキシレンを選択的に分離する分離方法であって、前記ゼオライトは、ゼオライト細孔より大きな細孔の割合が20%以下であることを特徴とする。前記ゼオライトは、MFI型ゼオライトで構成されることが好ましく、前記MFI型ゼオライトがsilicalite−1であることがさらに好ましい。
また、本発明にかかるノルマルパラフィンまたはパラキシレンの分離方法は、上記発明において、前記ゼオライト膜複合体が、多孔質支持体上にゼオライトを成膜した後、オルトケイ酸エステル含有溶液に浸漬させ修復したものであることを特徴とする。
さらに、本発明にかかるノルマルパラフィンまたはパラキシレンの分離方法は、上記発明において、前記ゼオライト膜のX線回折スペクトルにおいて、結晶面/結晶面((101)/(020))ピーク強度比は1.10以上であることを特徴とする。
さらにまた、本発明にかかるゼオライト膜複合体は、2種以上の化合物の混合流体からノルマルパラフィンまたはパラキシレンを選択的に分離する、多孔質支持体上にゼオライトを成膜したゼオライト膜複合体であって、前記ゼオライトは、結晶構造に由来する細孔より大きな細孔の割合が20%以下であることを特徴とする。
本発明によれば、ノルマルパラフィンやパラキシレンの分離に優れたゼオライト膜複合体及びそれを用いたノルマルパラフィンまたはパラキシレンの分離方法により、工業規模のスケールで高純度のノルマルパラフィンやパラキシレンを得ることが可能となる。
図1は、ゼオライト膜複合体の細孔径分布を示す図である。 図2は、ゼオライト膜複合体の液相修復処理を行う装置の概略図である。 図3は、ゼオライト膜複合体を用いたベーパーパーミエーション装置の概略図である。
本発明に係るゼオライト膜複合体及びノルマルパラフィン、パラキシレンの分離方法の好適な実施形態について、更に詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
(ゼオライト膜)
本発明において、ゼオライト膜を構成する成分としては、ゼオライト以外にシリカ、アルミナなどの無機バインダー、ポリマーなどの有機物、あるいはゼオライト表面を修飾するシリル化剤などを必要に応じ含んでいてもよい。ゼオライト膜は、一部アモルファス成分などが含有されていてもよいが、好ましくは実質的にゼオライトのみで構成されるゼオライト膜である。
ゼオライト膜の厚さは特に限定されないが、通常0.1μm以上、好ましくは0.6μm以上、より好ましくは1.0μm以上である。また、通常100μm以下、好ましくは60μm以下、より好ましくは20μm以下の範囲である。ゼオライト膜の膜厚が大きすぎると透過量が低下する傾向があり、小さすぎると選択性が低下したり、膜強度が低下する傾向がある。
ゼオライト膜を構成するゼオライトの粒子径は特に限定されないが、小さすぎると粒界が大きくなるなどして透過選択性などを低下させる傾向がある。それ故、通常30nm以上、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上であり、上限は膜の厚さ以下、例えば、100μm以下である。さらに、ゼオライトの粒子径がゼオライト膜の厚さと同じである場合がより好ましい。ゼオライトの粒子径がゼオライト膜の厚さと同じであるとき、ゼオライトの粒界が最も小さくなる。後に述べる水熱合成で得られたゼオライト膜は、ゼオライトの粒子径とゼオライト膜の厚さが同じになる場合があるので好ましい。
(ゼオライト)
本発明において、ゼオライト膜を構成するゼオライトの種類は特に限定されないが、MFI型ゼオライトが好ましい。MFI型ゼオライトは、SiとAlの酸化物を主成分とするものであり、本発明の効果を損なわない限り、それ以外の元素が含まれていてもよい。
MFI構造を有するゼオライトには、ZSM−5以外に実質的に骨格内にアルミニウムを含まないシリカライト−1構造なども含まれる。
本発明のゼオライト膜を構成する原料は、特に限定されるものではないが、シリカ源としては、無定形シリカ、アモルファスシリカ、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム等、アルミニウム源としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム等を使用することができる。
また、構造規定剤としては、所望のゼオライトにより種々選択すればよいが、MFI型ゼオライトの場合は、例えば、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(TPAOH)、テトラプロピルアンモニウムボロミド(TPABr)が使用される。また、目的とするゼオライトの種類に応じて、鉱化剤、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物を使用してもよい。
また、本発明のゼオライト膜複合体において、ゼオライト中の細孔の割合は、ゼオライトの結晶構造に由来する細孔より大きな径の細孔の割合が20%以下である。ゼオライトの結晶構造に由来する細孔より大きな径の細孔、すなわち、ゼオライトの結晶構造に由来する細孔より大きな粒界やピンホールの割合を20%以下とすることにより、ノルマルパラフィンやパラキシレンを選択的に分離することができる。ゼオライト細孔より大きな細孔の割合は、5%以下であることが特に好ましい。
また、ゼオライト膜のX線回折スペクトルにおいて、結晶面/結晶面((101)/(020))ピーク強度比は1.10以上であることが好ましい。ゼオライト膜複合体のゼオライト膜のX線回折スペクトルにおいて、結晶面/結晶面((101)/(020))ピーク強度比が1.10以上であると、ノルマルパラフィンまたはパラキシレンの選択性を向上することができる。結晶面/結晶面((101)/(020))ピーク強度比が2.0以上であると特に好ましい。
本発明において、下記の条件によりX線回折スペクトルを取得した。なお、下記条件でX線回折スペクトルを取得できればよく、X線回折装置を限定するものではない。
装置:Rigaku Ultima IV
X線源:Cu-Kα
管電圧:40 kV
管電流:40 mA
スキャン速度:3°/min
(多孔質支持体)
多孔質支持体は、その表面などにゼオライトを膜状に結晶化できるような化学的安定性がある多孔質の無機物質であれば如何なるものであってもよい。具体的には、例えば、シリカ、α−アルミナ、γ−アルミナ、ムライト、ジルコニア、チタニア、イットリア、窒化珪素、炭化珪素などのセラミックス焼結体、鉄、ブロンズ、ステンレスなどの焼結金属や、ガラス、カーボン成型体などが挙げられる。このうち、耐熱性、機械的強度、耐薬品性、支持体作成の容易さや、入手容易性の点から、α−アルミナ、ステンレスが好ましい。
多孔質支持体の形状は、ノルマルパラフィン/イソパラフィン混合流体、ミックスキシレン混合流体からノルマルパラフィンまたはオルトキシレンを有効に分離できるものであれば特に制限されず、具体的には、例えば、平板状、管状のもの、または円筒状、円柱状や角柱状の孔が多数存在するハニカム状のものやモノリスなどが挙げられる。本発明においては、無機多孔質支持体の表面などにゼオライト膜を形成、好ましくはゼオライトを膜状に結晶化させる。
多孔質支持体が有する平均細孔径は特に制限されないが、細孔径が制御されているものが好ましく、通常0.02μm以上、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上であり、通常20μm以下、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。平均細孔径が小さすぎると透過量が小さくなる傾向があり、大きすぎると支持体自体の強度が不十分になったり、緻密なゼオライト膜が形成されにくくなる傾向がある。
また、多孔質支持体の気孔率は特に制限されず、また特に制御する必要は無いが、気孔率は、通常20%以上60%以下であることが好ましい。気孔率は、気体や液体を分離する際の透過流量を左右し、前記下限未満では透過物の拡散を阻害する傾向があり、前記上限超過では支持体の強度が低下する傾向がある。
(ゼオライト膜複合体)
本発明にかかるゼオライト膜複合体は、多孔質支持体の表面などにゼオライトが膜状に固着しているものであり、例えば、多孔質支持体の表面などにゼオライトを水熱合成や、水蒸気処理により膜状に結晶化させたものが用いられる。
多孔質支持体上にゼオライトを成膜する場合、多孔質支持体上にゼオライト種晶を付着させた後、ゼオライト膜を水熱合成により形成することが好ましい。一般的に、多孔質支持体にゼオライト種晶を付着させるためには、ゼオライト種晶の粉末を溶剤に分散させた分散液を多孔質支持体上に塗布することが好ましいが、その他、多孔質支持体製造時に原料の一部としてゼオライト種晶粉末を混入させることで、多孔質支持体にゼオライト種晶を付着させることもできる。塗布の方法としては、ゼオライト種晶を含む分散液を多孔質支持体に単純に滴下するだけでも良く、ゼオライト種晶を含む分散液に多孔質支持体を浸漬することでも得られる。また、スピンコート、スプレーコート、ロールコート、スラリーの塗布、濾過など汎用されている方法を用いることもできる。多孔質支持体上の種晶の付着量を再現性よく制御する観点から、ゼオライト種晶を含む分散液を調製し、該分散液に多孔質支持体を浸漬する方法が好ましい。
ゼオライト種晶は、市販のものを用いてもよく、原料から製造してもよい。原料から製造する場合には、例えばシリカ原料としてケイ酸ナトリウム、シリカゲル、シリカゾル又はシリカ粉末、アルミナ原料としてアルミン酸ナトリウム又は水酸化アルミニウム、構造規定剤としてはTPAOH、TPABr、硬化剤として水酸化ナトリウムなどから既知の方法で製造することができる。
ゼオライト種晶として市販のものを用いる場合には、所望の大きさに粉砕機で粉砕した後、水に分散させ、分散液を調製する。調製した分散液は、適宜上記の方法で多孔質支持体に付着させる。該分散液は、スラリー、ゾル、溶液など、いずれの状態としても良く、採用する塗布方法に応じて適宜調製することができる。多孔質支持体を浸漬してゼオライト種晶を付着する方法を採用する場合には、付着の容易性からスラリー状の分散液であることが好ましい。
多孔質支持体上へのゼオライト種晶の付着量は、0.5〜20g/mとすることが好ましい。多孔質支持体上へのゼオライト種晶の付着量を上記範囲とすることにより、ゼオライトの結晶構造に由来する細孔より大きな径の細孔の割合を低減することができる。ゼオオライト種晶の付着量は、1〜10g/mであることが特に好ましい。
上記方法により得られるゼオライト種晶を付着させた多孔質支持体を用いて水熱合成することで、多孔質支持体上にゼオライト膜を形成する。
本発明において、水熱合成によるゼオライトの成膜は、一般的な方法をとることができるが、例えば、シリカ源、アルミニウム源、鉱化剤、構造規定剤を水またはアルコール水溶液と混合して前駆液とし、得られた前駆液中にゼオライト種晶を付着した多孔質支持体を浸漬させた状態で、オートクレーブ等で加熱して水熱合成すればよい。
水熱合成処理の温度は、例えば、80〜130℃とすることが好ましく、80〜120℃で水熱合成することが特に好ましい。80℃より低い温度では、ゼオライトの結晶化が進行しにくく、130℃より高い温度では、ゼオライト結晶の結晶間隙が大きくなる、すなわち、ゼオライトの結晶構造に由来する細孔より大きな径の細孔の割合が大きくなるためである。
また、水熱合成処理の時間は、80〜240時間とすることが好ましく、100〜200時間とすることが特に好ましい。80時間より短いとノルマルパラフィンまたはパラキシレンの選択性が低下するおそれがあり、240時間より長いと透過量が低下するおそれがある。
多孔質支持体上にゼオライトを成膜後、ゼオライト膜複合体は450〜700℃で2〜10時間焼成される。焼成処理は、0.1〜10℃/分の昇温速度で所望の温度まで昇温し、所定時間焼成の後、0.1〜10℃/分の降温速度で降温して、細孔内の構造規定剤を除去することが好ましい。昇温速度および降温速度を上記範囲とすることにより、ゼオライトの結晶構造に由来する細孔より大きな径の細孔の割合を低減することができる。焼成温度への昇温速度は、0.5〜5℃/分とすることが特に好ましく、降温速度は0.5〜5℃/分とすることが特に好ましい。
ゼオライト膜の細孔の割合が、結晶構造に由来する細孔より大きな細孔の割合が20%以下であるゼオライト膜複合体は、多孔質支持体上へのゼオライト種晶の付着量、水熱合成時の温度、時間、焼成時の昇温速度、降温速度等を適宜調整してゼオライトを成膜することにより製造することができる。
本発明にかかるゼオライト膜複合体の形状は特に限定されず、管状、中空糸状、モノリス型、ハニカム型などあらゆる形状を採用できる。また大きさも特に限定されず、例えば、管状の場合は、通常長さ2cm以上200cm以下、内径0.05cm以上2cm以下、厚さ0.5mm以上4mm以下が実用的で好ましい。
本発明のゼオライト膜複合体は、パーベーパレーション法、及びベーパーパーミエーション法による液体混合物の分離に極めて有効に使用することができる。本発明のゼオライト膜複合体が分離の対象とするノルマルパラフィン/イソパラフィン混合流体の具体例としては、ブタン/イソブタン、ペンタン/メチルブタン、ヘキサン/メチルペンタン、ヘキサン/ジメチルブタン、オクタン/イソオクタン、デカン/イソデカン、ドデカン/イソドデカン、ヘキサデカン/イソヘキサデカン、オクタデカン/イソオクタデカンなどが挙げられる。混合流体としては2成分に限定されず、3成分以上であっても構わない。また、キシレン混合流体としては、オルトキシレン/メタキシレン/パラキシレンのほか、オルトキシレン/パラキシレン、メタキシレン/パラキシレン、メタキシレン/パラキシレン/エチルベンゼン/トリメチルベンゼンなどが挙げられる。
本発明のゼオライト膜複合体は、ノルマルパラフィンを含む混合流体からのベーパーパーミエーション試験において、ノルマルパラフィンの分圧が34kPaで300℃におけるノルマルパラフィンの透過度が1×10-8mol・m−2・s−1・Pa−1以上、かつノルマルパラフィン/イソパラフィンの分離係数が100以上であることが好ましい。透過度および分離係数が上記の値を満たすことにより、工業規模のスケールで高純度のノルマルパラフィンを得ることが可能となる。ノルマルパラフィンの分圧が34kPaで300℃におけるノルマルパラフィンの透過度が5×10-8mol・m−2・s−1・Pa−1以上、かつ分離係数が500以上であることが特に好ましい。
また、本発明のゼオライト膜複合体は、パラキシレンを含む混合流体からのベーパーパーミエーション試験において、パラキシレンの分圧が25kPaで300℃におけるパラキシレンの透過度が1×10-9mol・m−2・s−1・Pa−1以上、かつパラキシレン/メタキシレンの分離係数が20以上であることが好ましい。透過度および分離係数が上記の値を満たすことにより、工業規模のスケールで高純度のパラキシレンを得ることが可能となる。パラキシレンの分圧が25kPaで300℃におけるパラキシレンの透過度が5×10-9mol・m−2・s−1・Pa−1以上、かつ分離係数が50以上であることが特に好ましい。
(ゼオライト膜の修復処理)
また、本発明にかかるゼオライト膜複合体は、多孔質支持体にゼオライトを成膜後に、オルトケイ酸エステル含有する水溶液やアルコール溶液に浸漬させたものが好ましい。ゼオライト膜複合体をオルトケイ酸エステル溶液に浸漬することにより、粒界やピンホールを修復することができる。
オルトケイ酸エステルとしては、特に制限されないが、オルトケイ酸テトラメチル、オルトケイ酸テトラエチルなどが挙げられる。オルトケイ酸エステル溶液による修復処理は、ゼオライト膜複合体をオルトケイ酸エステル溶液に浸漬した状態で、温度40〜90℃、 1〜48時間、撹拌することにより行うことが好ましい。オルトケイ酸エステル溶液による修復処理後、ゼオライト膜複合体を洗浄、焼成することが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(細孔分布の測定)
ゼオライト膜複合体の細孔分布の測定を、以下の条件で行った。
・装置名: 分離膜欠陥構造解析装置 Porometer nano
・測定方式: ケルビンの毛管凝縮式を利用
・測定範囲:0.3〜2.0nm
・凝縮性ガス:ノルマルヘキサン
・非凝縮性ガス:ヘリウム
ゼオライト膜複合体に凝縮性ガスと非凝縮性ガスの混合ガスを供給し、非凝縮性ガスの透過量を測定した。凝縮性ガス濃度を徐々に上げていくことで、凝縮性ガスの毛管凝縮による細孔の閉塞が進行し、この際の非凝縮性ガスの透過量の変化から、細孔分布を算出した。測定温度は60℃、凝縮性ガス濃度は0−20%の範囲で測定を行った。この時、凝縮性ガス濃度0%での非凝縮性ガス透過量に対する凝縮性ガス濃度1%での非凝縮性ガス透過量の割合をゼオライト細孔より大きな細孔の割合とした。
(実施例1)
・種晶の調製
水酸化ナトリウム、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(TPAOH)、純水を混合し、24時間室温で撹拌することで、合成溶液を得た。溶液の組成は0.004NaO:SiO:0.176TPAOH:43.9HOであった。得られた合成溶液を100℃で24時間、撹拌条件下で水熱合成を行った。合成後の溶液をろ過し、回収した粉末を530℃で8時間焼成を行うことでsilicalite−1種晶を得た。
・種晶付多孔質支持体の調製
種晶として準備したsilicalite−1粉末を純水中に分散させ、スラリー中の種晶の濃度が10g/Lとなるように種晶懸濁液1を調製した。次に、多孔質支持体として、直径1cm、長さ3cmの円筒型のα−アルミナ支持体を準備した。支持体の平均孔径は150nmであり、気孔率は37%であった。α−アルミナ支持体を種晶スラリーに1分間浸漬し、種晶付多孔質支持体1を得た。種晶付多孔質支持体の種晶担持量を測定したところ5.6g/mであり、多孔質支持体の表面及び断面をSEMにて観察したところ、種晶は支持体上に主に担持されていた。
・ゼオライト膜の形成
オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(TPAOH)、エタノール、純水を混合し、60℃で4時間エージングすることで、合成溶液を得た。溶液の組成はSiO:0.12TPAOH:66HO:8EtOHであった。得られた合成溶液に種晶付多孔質支持体1を浸漬し、100℃で7日間、水熱合成を行った後、500℃で8時間焼成を行い、ゼオライト膜複合体を得た。焼成は1℃/minで昇温し、500℃で8時間保持した後、1℃/minで降温した。実施例1にかかるゼオライト膜複合体の細孔径分布を図1に示す。図1中、○が実施例1にかかるゼオライト膜複合体の細孔分布である。実施例1にかかるゼオライト膜複合体のゼオライトの構造は、XRD測定におけるピークパターンからsilicalite−1と決定した。実施例1にかかるゼオライト膜複合体の性状を表1に示す。
(実施例2)
・液相修復処理
実施例1のゼオライト膜複合体に対して、液相修復処理を行った。修復に用いた溶液はTEOS、純水、エタノールを混合することで調製した。修復液の組成はSiO:10HO:EtOHであった。修復液にゼオライト膜複合体を浸漬させ、60℃で24時間撹拌することで液相修復処理を行い、修復ゼオライト膜複合体を得た。液相修復処理は、図2に示すような装置で行った。容器10は、固定部3を備えた回転テーブル2と、図示しない加熱部とを備える。ゼオライト膜複合体1は固定部3により回転テーブル2に固定し、容器10内に修復液4を仕込んだ状態で、加熱部により修復液を60℃に加温し、回転テーブル2を回転させて、24時間撹拌処理した。処理後、温水で洗浄し、350℃で 4時間焼成を行い、修復ゼオライト膜複合体を得た。実施例2にかかる修復ゼオライト膜複合体の性状を表2に示す。修復層重量は修復処理前後の重量変化から算出した。
(比較例1)
・ゼオライト膜の形成
オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(TPAOH)、エタノール、純水を混合し、60℃で4時間エージングすることで、合成溶液を得た。溶液の組成はSiO:0.12TPAOH:66HO:8EtOHであった。得られた合成溶液に、実施例1と同様にして調整した種晶付多孔質支持体を浸漬し、100℃で3日間、水熱合成を行った後、500℃で8時間焼成を行い、ゼオライト膜複合体を得た。比較例1にかかるゼオライト膜複合体の細孔径分布を図1に示す。図1中、□が比較例1にかかるゼオライト膜複合体の細孔分布である。比較例1のゼオライト膜複合体のゼオライトの構造は、XRD測定におけるピークパターンからsilicalite−1と決定した。比較例1にかかるゼオライト膜複合体の性状を表3に示す。
(比較例2)
・液相修復処理
比較例1のゼオライト膜複合体に対して、実施例2と同様の液相修復処理を行った。修復に用いた溶液はTEOS、純水、エタノールを混合することで調製した。修復液の組成はSiO:10HO:EtOHであった。修復液に比較例1のゼオライト膜複合体を浸漬させ、60℃で24時間撹拌することで液相修復処理を行い、修復ゼオライト膜複合体を得た。比較例2にかかる修復ゼオライト膜複合体の性状を表4に示す。修復層重量は修復処理前後の重量変化から算出した。
(ベーパーパーミエーション試験)
実施例1、2、ならびに比較例1、2のゼオライト膜複合体および修復ゼオライト膜複合体を用い、図3に概略を示すベーパーパーミエーション装置により分離試験を行った。試験1〜4、試験9〜12、試験17および18では、混合流体としてヘキサン異性体(ノルマルヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン)を用い、分離膜の温度を変更して混合流体からのノルマルヘキサンの分離性能を評価した。また、試験5〜8、試験13〜1.1、試験19および20では、混合流体としてキシレン異性体(オルトキシレン、メタキシレン、パラキシレン)を用い、分離膜の温度を変更して混合流体からのパラキシレンの分離性能を評価した。供給液タンク20内の混合流体をヒーターにより加熱して気体とし、ポンプ21により大気圧に保持した分離セル23内に供給した。分離セル23は、図示しないオーブン内に設置されて、透過試験中所定温度に加熱され、円筒型のゼオライト膜複合体1の外側表面に分離する混合流体を供給し、内側表面から透過ガスを得る構造をとる。透過側にはキャリアガスとしてアルゴンガスを300mL/minの速度で流した。ゼオライト膜複合体1を透過したガスを含む回収ガスを分取し、ガスクロマトグラフ24にて分析を行ない、膜を透過してきたガスの透過率(mol・m−2・s−1・Pa−1)を評価した。その結果を表1〜4に示す。なお、分離係数とは、下記式で示されるように、供給ガス中の成分A(モル%)と成分B(モル%)との比に対する透過ガス中の成分A(モル%)と成分B(モル%)との比の値をいう。
分離係数=(PN−H/PDMB)/(FN−H/FDMB
N−H:透過ガス中のノルマルヘキサン濃度
DMB:透過ガス中の2,2−ジメチルブタン濃度
N−H:供給ガス中のノルマルヘキサン濃度
DMB:供給ガス中の2,2−ジメチルブタン濃度
分離係数=(PP−X/PM−X)/(FP−X/FM−X
P−X:透過ガス中のパラキシレン濃度
M−X:透過ガス中のメタキシレン濃度
P−X:供給ガス中のパラキシレン濃度
M−X:供給ガス中のメタキシレン濃度
Figure 2016034917
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Figure 2016034917
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本発明にかかるゼオライト膜複合体は、ゼオライト膜が結晶構造に由来する細孔より大きな細孔の割合が20%以下であるため、ノルマルパラフィン/イソパラフィン混合流体からのノルマルパラフィンの選択的な分離やミックスキシレンからのパラキシレンの選択的な分離に有用である。
1 ゼオライト膜複合体
2 回転テーブル
3 固定部
4 修復液
10 容器
20 供給液タンク
21 ポンプ
23 分離セル
24 ガスクロマトグラフ

Claims (10)

  1. 多孔質支持体上にゼオライトを成膜したゼオライト膜複合体により、2種以上の化合物の混合流体からノルマルパラフィンまたはパラキシレンを選択的に分離する分離方法であって、前記ゼオライトは、結晶構造に由来する細孔より大きな細孔の割合が20%以下であることを特徴とするノルマルパラフィンまたはパラキシレンの分離方法。
  2. 前記ゼオライト膜複合体は、多孔質支持体上にゼオライトを成膜した後、オルトケイ酸エステル含有溶液に浸漬させたものであることを特徴とする請求項1に記載のノルマルパラフィンまたはパラキシレンの分離方法。
  3. 前記ゼオライトは、MFI型ゼオライトであることを特徴とする請求項1または2に記載のノルマルパラフィンまたはパラキシレンの分離方法。
  4. 前記ゼオライトは、silicalite−1であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のノルマルパラフィンまたはパラキシレンの分離方法。
  5. 前記オルトケイ酸エステルは、オルトケイ酸テトラエチルであることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載のノルマルパラフィンまたはパラキシレンの分離方法。
  6. 前記ゼオライト膜のX線回折スペクトルにおいて、結晶面/結晶面((101)/(020))ピーク強度比は1.10以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のノルマルパラフィンまたはパラキシレンの分離方法。
  7. 前記ゼオライト膜複合体は、ノルマルパラフィンの分圧が34kPaで300℃におけるノルマルパラフィンの透過度が1×10-8mol・m−2・s−1・Pa−1以上、かつノルマルパラフィン/イソパラフィンの分離係数が100以上、またはパラキシレンの分圧が25kPaで300℃におけるパラキシレンの透過度が1×10-9mol・m−2・s−1・Pa−1以上、かつパラキシレン/メタキシレンの分離係数が20以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のノルマルパラフィンまたはパラキシレンの分離方法。
  8. 2種以上の化合物の混合流体からノルマルパラフィンまたはパラキシレンを選択的に分離する、多孔質支持体上にゼオライトを成膜したゼオライト膜複合体であって、前記ゼオライトは、結晶構造に由来する細孔より大きな細孔の割合が20%以下であることを特徴とするゼオライト膜複合体。
  9. 前記ゼオライト膜中の結晶面/結晶面((101)/(020))ピーク強度比は、1.10以上であることを特徴とする請求項8に記載のゼオライト膜複合体。
  10. ノルマルパラフィンの分圧が34kPaで300℃におけるノルマルパラフィンの透過度が1×10-8mol・m−2・s−1・Pa−1以上、かつノルマルパラフィン/イソパラフィンの分離係数が100以上、またはパラキシレンの分圧が25kPaで300℃におけるパラキシレンの透過度が1×10-9mol・m−2・s−1・Pa−1以上、かつパラキシレン/メタキシレンの分離係数が20以上であることを特徴とする請求項8または9に記載のゼオライト膜複合体。
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