JP2011246339A - 新規ペンタシル型ゼオライトおよびその合成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】薄片状結晶片の厚さが20〜100nm、幅が0.5〜5μmの範囲にあるペンタシル型ゼオライト粒子は、SiO2、Al2O3およびM2O(Mはアルカリ金属)からなるZSM−5型ゼオライトであり、SiO2/Al2O3モル比が15〜500の範囲にあり、M2O/Al2O3モル比が1±0.2の範囲にある。下記の工程(a)〜(f)により製造される。(a)アルミン酸アルカリ水溶液と珪酸アルカリ水溶液と水酸化アルカリ水溶液と水とを混合して透明性アルミノシリケート溶液を調製する工程、(b)珪酸アルカリ水溶液を混合する工程、(c)グルテンを混合する工程、(d)硫酸水溶液を混合して混合ヒドロゲルスラリーを調製する工程、(f)120〜300℃で5〜200時間、水熱処理する工程。
【選択図】図1
Description
ペンタシル型ゼオライトは通常、有機構造規程剤を使用して構成されるが、有機構造規程剤は高価であり、また、有機物は環境問題から排水等に流出させることが規制されている。このため、有機構造規程剤を回収して再利用することが検討されている。さらに、触媒として用いるには有機構造規程剤を焼成して除去する必要があった。
上記問題点に鑑み、従来になかった形状のペンタシル型ゼオライトの製造を目的に鋭意検討した結果、アルミン酸ナトリウムと珪酸ナトリウムと水酸化ナトリウムと水とを混合した所定組成範囲の透明性アルミノシリケート溶液と、珪酸ナトリウム水溶液とを混合し、これに少量のグルテンを混合し、ついで硫酸を加えて所定モル比範囲の混合ヒドロゲルスラリーとして水熱処理すると、薄片状ZSM−5型ゼオライト粒子が得られることを見出して本発明を完成するに至った。
本発明に係るペンタシル型ゼオライト粒子は、薄片状結晶片粒子からなり、薄片状結晶片粒子の厚さが20〜100nmの範囲にあり、薄片面の幅が0.5〜5μmの範囲にあることを特徴としている。
(a)アルミン酸アルカリ水溶液と珪酸アルカリ水溶液と水酸化アルカリ水溶液と水とを混合して下記酸化物組成範囲の透明性アルミノシリケート溶液を調製する工程
M2O/Al2O3 =13〜20 (Mはアルカリ金属を示す)
SiO2/Al2O3 =12〜18
H2O/Al2O3 =150〜400 (Al2O3を1とした)
(b)SiO2/M2Oモル比が1〜5の範囲にある珪酸アルカリ水溶液を、透明性アルミノシリケート溶液のSiO2を1モルとしたときに珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル比が1〜3となる範囲で混合する工程
(c)グルテンを、Al2O3の重量を1としたときに0.01〜0.4の範囲で混合する工程
(d)ついで、下記モル比範囲となるように硫酸水溶液を混合して混合ヒドロゲルスラリーを調製する工程
M2O/Al2O3 =2〜5
(Mはアルカリ金属を示す。なお、硫酸添加により、中和されたM2Oは、M2SO4となっている)
SiO2/Al2O3 =18〜1000
H2O/Al2O3 =300〜2000
M2SO4/Al2O3 =15〜30 (Al2O3を1とした)
(f)120〜300℃で5〜200時間、水熱処理する工程
前記透明性アルミノシリケート溶液を、前記工程(b)で混合する前に0〜50℃で1〜1000時間熟成することが好ましい。
(e)0〜50℃で1〜100時間熟成する工程
前記工程(c)における透明性アルミノシリケート溶液と珪酸アルカリ水溶液との混合比率が、透明性アルミノシリケート溶液のSiO2のモル数を1としたときに珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル数が0.5〜3の範囲であることが好ましい。
まず、本発明に係るペンタシル型ゼオライト粒子について説明する。
本発明に係るペンタシル型ゼオライト粒子は、薄片状結晶片粒子からなる。
薄片状結晶片粒子の厚さは20〜100nm、さらには25〜80nmの範囲にあることが好ましい。薄片状結晶片粒子の厚さが前記範囲を越えて薄いものは、本発明の方法では得ることが困難である。また厚さが前記範囲を越えるものは、本発明の方法では得ることが困難であり、得られたとしても、薄片形状と異なるものとなることが多い。このような、薄片状であると、拡散性に優れるために活性、選択性に優れるという効果が発現される。
本発明では、薄片状結晶片集合体の平均粒子径(二次粒子径)は0.5〜20μm、1〜15μmの範囲にあることが好ましい。
つぎに、本発明に係るペンタシル型ゼオライト粒子の製造方法について説明する。
本発明に係るペンタシル型ゼオライト粒子の製造方法は、下記の工程(a)〜(f)からなることを特徴としている。
アルミン酸アルカリ水溶液と珪酸アルカリ水溶液と水酸化アルカリ水溶液と水とを混合して下記酸化物組成範囲の透明性アルミノシリケート溶液を調製する。
M2O/Al2O3 =13〜20 (Mはアルカリ金属を示す)
SiO2/Al2O3 =12〜18
H2O/Al2O3 =150〜400
(Al2O3を1モルとした)
M2O/Al2O3 モル比は13〜20、さらには14〜18の範囲にあることが好ましい。この比率にあれば、所望のペンタシル型ゼオライト粒子を調製できる。なお、透明性アルミノシリケート溶液のM2O/Al2O3モル比が低すぎると、透明性アルミノシリケート溶液の透明性が低く、大きなゲル状粒子が残存することがあり、このような透明性アルミノシリケート溶液を用いて結晶化を行っても所望のペンタシル型ゼオライト粒子が得られないことがある。また、M2O/Al2O3モル比が大きすぎても、ペンタシル型ゼオライト粒子が得られないことがある。
透明性アルミノシリケート溶液のH2O/Al2O3 モル比が低すぎると、透明性アルミノシリケート溶液の透明性が低く、大きなゲル状粒子が残存することがあり、このような透明性アルミノシリケート溶液を用いて結晶化を行っても所望のペンタシル型ゼオライト粒子が得られないことがある。H2O/Al2O3 モル比が高すぎても、得られるペンタシル型ゼオライト粒子の粒子径が大きくなるとともに結晶性が低下する場合がある。
次に、SiO2/Na2Oモル比が1〜5の範囲にある珪酸アルカリ水溶液を、透明性アルミノシリケート溶液のSiO2を1モルとしたときに珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル比が1〜3、好ましくは1.1〜2.5となる範囲で混合する。
珪酸アルカリ水溶液のSiO2/Na2Oモル比は前記範囲にあれば、本発明のペンタシル型ゼオライトが合成される。
ついで、珪酸アルカリ水溶液を添加した透明性アルミノシリケート溶液にグルテンを混合する。なお、グルテンは、予め珪酸アルカリ水溶液に混合されても、透明性アルミノシリケート溶液に混合されても、さらに双方に混合されていてもよい。
グルテンの混合量が少なすぎると、粒状あるいは棒状のペンタシル型ゼオライトの混合物が生成する場合がある。グルテンの混合量が多すぎても、次工程(d)で均一な混合ヒドロゲルスラリーにならず、スラリーの粘度が高くなるためか、結晶性が不充分になったり、薄片状結晶片粒子が得られず、塊状の粒子となる場合がある。
ついで、下記モル比範囲となるように硫酸水溶液を混合して混合ヒドロゲルスラリーを調製する。
(Mはアルカリ金属を示す。なお、硫酸添加により、中和されたM2Oは、M2SO4となっているので、この比には含まれない)
SiO2/Al2O3 =18〜1000
H2O/Al2O3 =300〜2000
M2SO4/Al2O3 =15〜30
(Al2O3を1モルとした)
混合ヒドロゲルスラリーのM2O/Al2O3 モル比が小さすぎると、結晶化に長時間を要したり、場合によっては結晶度が不充分となる場合がある。M2O/Al2O3 モル比が高すぎても、ペンタシル型ゼオライト粒子が得られないことがある。
前記工程(c)についで、下記工程(e)を行うことが好ましい。
(e)0〜50℃、好ましくは10〜40℃で1〜100時間熟成する。
熟成温度が前記範囲にあれば、再現性よく薄片状結晶片粒子および/または薄片状結晶片集合体粒子であるペンタシル型ゼオライト粒子が得られる。
工程(d)(工程(e)を行なった場合は、工程(e))の後、120〜300℃、好ましくは140〜250℃で5〜200時間、水熱処理する。
本発明の製造方法により得られるペンタシル型ゼオライト粒子は、前記した特性を有する。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
[実施例1]
透明性アルミノシリケート溶液(S1)の調製
Al2O3濃度22wt%、Na2O濃度17wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液51gを、濃度42wt%の水酸化ナトリウム水溶液211gに撹拌しながら加えて溶解し、30℃まで冷却した。この溶液を、撹拌しながらSiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液413gに撹拌しながら添加した。このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al2O3=16
SiO2/Al2O3=15
H2O/Al2O3=230
であった。ついで、この溶液を35℃で15時間静置熟成して透明性アルミノシリケート溶液(S1)を調製した。
ついで、SiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液550gに水11gと、前記透明性アルミノシリケート溶液(S1)675gを加え攪拌混合した。このとき、珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル数と透明性アルミノシリケート溶液(S1)のSiO2のモル数との比は1.33であった。
Na2O/Al2O3=2.60
SiO2/Al2O3=35.0
H2O/Al2O3=920
H2SO4/Al2O3=19.6
グルテン/Al2O3 重量比=0.2
であった。
混合ヒドロゲルスラリー(M1)をオートクレーブに充填し、170℃で50時間、撹拌しながら水熱処理を行った。その後、70℃まで冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5型ゼオライト(1)を合成した。
Na型ZSM−5型ゼオライト(1)のSEM写真を図1に、これの拡大写真を図2に示した。
混合ヒドロゲルスラリー(M2)の調製
実施例1において、小麦粉(日清フーズ(株)製:薄力粉、グルテン含有量12重量%)を4.7g用いた以外は同様にして混合ヒドロゲルスラリー(M2)を調製した。
Na2O/Al2O3=2.60
SiO2/Al2O3=35.0
H2O/Al2O3=920
H2SO4/Al2O3=19.6
グルテン/Al2O3 重量比=0.05
であった。
実施例1において、混合ヒドロゲルスラリー(M2)を用いた以外は同様にしてNa型ZS
M−5型ゼオライト(2)を合成した。
Na型ZSM−5(2)について、結晶形・結晶化度、組成、比表面積および形状サイズを測定し、結果を表1に示した。
混合ヒドロゲルスラリー(M3)の調製
実施例1において、小麦粉(日清フーズ(株)製:薄力粉、グルテン含有量12重量%)28.1g用いた以外は同様にして混合ヒドロゲルスラリー(M3)を調製した。
このときの組成は酸化物モル比で 、
Na2O/Al2O3=2.60
SiO2/Al2O3=35.0
H2O/Al2O3=920
H2SO4/Al2O3=19.6
グルテン/Al2O3 重量比=0.3
であった。
実施例1において、混合ヒドロゲルスラリー(M3)を用いた以外は同様にしてNa型ZSM−5型ゼオライト(3)を合成した。
Na型ZSM−5(2)について、結晶形・結晶化度、組成、比表面積および形状サイズを測定し、結果を表1に示した。
Na型ZSM−5(4)の合成
実施例1において、水熱処理を150℃で100時間行った以外は同様にしてNa型ZSM−5(4)を合成した。
Na型ZSM−5(2)について、結晶形・結晶化度、組成、比表面積および形状サイズを測定し、結果を表1に示した。
Na型ZSM−5(5)の合成
実施例1において、水熱処理を200℃で40時間行った以外は同様にしてNa型ZSM−5(5)を合成した、
Na型ZSM−5(5)について、結晶形・結晶化度、組成、比表面積および形状サイズを測定し、結果を表1に示した。
混合ヒドロゲルスラリー(M6)の調製
SiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液450gに水26gと、実施例1と同様にして調製した透明性アルミノシリケート溶液(S1)736g を加え攪拌混合した。このとき、珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル数と透明性アルミノシリケート溶液(S1)のSiO2のモル数との比は1.0であった。
Na2O/Al2O3=2.6
SiO2/Al2O3=30
H2O/Al2O3=840
H2SO4/Al2O3=18.1
グルテン/Al2O3 重量比=0.2
であった。
混合ヒドロゲルスラリー(M6)をオートクレーブに充填し、170℃で40時間、撹拌しながら水熱処理を行った後、冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5(6)を合成した。
Na型ZSM−5(6)について、結晶形・結晶化度、組成、比表面積および形状サイズを測定し、結果を表1に示した。
混合ヒドロゲルスラリー(M7)の調製
SiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液780gに水27gと、実施例1と同様にして調製した透明性アルミノシリケート溶液(S1)478g を加え攪拌混合した。このとき、珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル数と透明性アルミノシリケート溶液(S1)のSiO2のモル数との比は2.68であった。
Na2O/Al2O3=2.6
SiO2/Al2O3=55
H2O/Al2O3=1280
H2SO4/Al2O3=25.8
グルテン/Al2O3 重量比=0.2
であった。
混合ヒドロゲルスラリー(M7)をオートクレーブに充填し、170℃で60時間、撹拌しながら水熱処理を行った後、冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5(7)を合成した。
Na型ZSM−5(7)について、結晶形・結晶化度、組成、比表面積および形状サイズを測定し、結果を表1に示した。
透明性アルミノシリケート溶液(S8)の調製
Al2O3濃度22wt%、Na2O濃度17wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液51gを、濃度35.9wt%の水酸化ナトリウム水溶液197.6gに撹拌しながら加えて溶解し、30℃まで冷却した。この溶液を、撹拌しながらSiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液413gに撹拌しながら添加した。このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al2O3=14
SiO2/Al2O3=15
H2O/Al2O3=230
であった。
ついで、この溶液を35℃で15時間静置熟成して透明性アルミノシリケート溶液(S8)を調製した。
ついで、SiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液550gに水111gと、前記透明性アルミノシリケート溶液(S2)661gを加え攪拌混合した。このとき、珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル数と透明性アルミノシリケート溶液(S2)のSiO2のモル数との比は1.33であった。
Na2O/Al2O3=2.60
SiO2/Al2O3=35.0
H2O/Al2O3=920
H2SO4/Al2O3=17.6
グルテン/Al2O3 重量比=0.2
であった。
混合ヒドロゲルスラリー(M8)をオートクレーブに充填し、170℃で60時間、撹拌しながら水熱処理を行った後、冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5(8)を合成した。
Na型ZSM−5(8)について、結晶形・結晶化度、組成、比表面積および形状サイズ
を測定し、結果を表1に示した。
透明性アルミノシリケート溶液(S9)の調製
Al2O3濃度22wt%、Na2O濃度17wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液51gを、濃度47.2wt%の水酸化ナトリウム水溶液224.9gに撹拌しながら加えて溶解し、30℃まで冷却した。この溶液を、撹拌しながらSiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液413gに撹拌しながら添加した。このとき
の組成は酸化物モル比で
Na2O/Al2O3=18
SiO2/Al2O3=15
H2O/Al2O3=230
であった。
ついで、この溶液を35℃で15時間静置熟成して透明性アルミノシリケート溶液(S9)を調製した。
ついで、SiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液550gに水10gと、前記透明性アルミノシリケート溶液(S3)688gを加え攪拌混合した。このとき、珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル数と透明性アルミノシリケート溶液(S3)のSiO2のモル数との比は1.33であった。
Na2O/Al2O3=2.60
SiO2/Al2O3=35.0
H2O/Al2O3=970
H2SO4/Al2O3=21.6
グルテン/Al2O3 重量比=0.2
であった。
混合ヒドロゲルスラリー(M9)をオートクレーブに充填し、170℃で60時間、撹拌しながら水熱処理を行った後、冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5(9)を合成した。
Na型ZSM−5(9)について、結晶形・結晶化度、組成、比表面積および形状サイズを測定し、結果を表1に示した。
混合ヒドロゲルスラリー(RM1)の調製
実施例1において、小麦粉を混合しなかった以外は同様にして混合ヒドロゲルスラリー(RM1)を調製した。
Na2O/Al2O3=2.60
SiO2/Al2O3=35.0
H2O/Al2O3=920
H2SO4/Al2O3=19.6
であった。
混合ヒドロゲルスラリー(RM1)をオートクレーブに充填し、170℃で60時間、撹拌しながら水熱処理を行った後、冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5(R1)を合成した。
混合ヒドロゲルスラリー(RM2)の調製
実施例1において、小麦粉(日清フーズ(株)製:薄力粉、グルテン含有量12重量%)0.08gを混合した以外は同様にして混合ヒドロゲルスラリー(RM2)を調製した。
Na2O/Al2O3=2.60
SiO2/Al2O3=35.0
H2O/Al2O3=920
H2SO4/Al2O3=19.6
グルテン/Al2O3 重量比=0.001
であった。
混合ヒドロゲルスラリー(RM2)をオートクレーブに充填し、170℃で60時間、撹拌しながら水熱処理を行った後、冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5(R2)を合成した。
混合ヒドロゲルスラリー(RM3)の調製
実施例1において、小麦粉(日清フーズ(株)製:薄力粉、グルテン含有量12重量%)42gを混合した以外は同様にして混合ヒドロゲルスラリー(RM3)を調製した。
Na2O/Al2O3=2.60
SiO2/Al2O3=35.0
H2O/Al2O3=920
H2SO4/Al2O3=19.6
グルテン/Al2O3 重量比=0.45
であった。
混合ヒドロゲルスラリー(RM3)をオートクレーブに充填し、170℃で60時間、撹拌しながら水熱処理を行った後、冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5(R3)を合成した。
Na型ZSM−5(R3)について、結晶形・結晶化度、組成、比表面積を測定し、結果を表1に示した。なお、Na型ZSM−5(R3)は明確な薄片状粒子は認められず、約10μmの凝集粒子であった。
透明性アルミノシリケート溶液(RS4)の調製
Al2O3濃度22wt%、Na2O濃度17wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液51gを、濃度21.0wt%の水酸化ナトリウム水溶液170.3gに撹拌しながら加えて溶解し、30℃まで冷却した。この溶液を、撹拌しながらSiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液413gに撹拌しながら添加した。このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al2O3=10
SiO2/Al2O3=15
H2O/Al2O3=230
であった。
ついで、この溶液を35℃で15時間静置熟成して透明性アルミノシリケート溶液(RS4)を調製した。
ついで、SiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液650gに水16gと、前記透明性アルミノシリケート溶液(RS1)749gを加え攪拌混合した。このとき、珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル数と透明性アルミノシリケート溶液(RS1)のSiO2のモル数との比は1.33であった。
Na2O/Al2O3=2.60
SiO2/Al2O3=35.0
H2O/Al2O3=770
H2SO4/Al2O3=13.6
グルテン/Al2O3 重量比=0.2
であった。
混合ヒドロゲルスラリー(RM4)をオートクレーブに充填し、170℃で60時間、撹拌しながら水熱処理を行った後、冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5(R4)を合成した。
透明性アルミノシリケート溶液(RS5)の調製
Al2O3濃度22wt%、Na2O濃度17wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液51gを、濃度45.4wt%の水酸化ナトリウム水溶液311.6gに撹拌しながら加えて溶解し、30℃まで冷却した。この溶液を、撹拌しながらSiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液413gに撹拌しながら添加した。このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al2O3=22
SiO2/Al2O3=15
H2O/Al2O3=260
であった。
ついで、この溶液を35℃で15時間静置熟成して透明性アルミノシリケート溶液(RS5)を調製した。
ついで、SiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液500gに水8gと、前記透明性アルミノシリケート溶液(S1)705gを加え攪拌混合した。
ついで、小麦粉(日清フーズ(株)製:薄力粉、グルテン含有量12重量%)18.7gを混合し、充分撹拌した後、これに濃度25wt%の硫酸水溶液1004gを加え、室温で3時間攪拌熟成して、混合ヒドロゲルスラリー(RM5)を調製した。
Na2O/Al2O3=2.60
SiO2/Al2O3=35.0
H2O/Al2O3=1100
H2SO4/Al2O3=25.6
グルテン/Al2O3 重量比=0.2
であった。
混合ヒドロゲルスラリー(RM5)をオートクレーブに充填し、170℃で60時間、撹拌しながら水熱処理を行った後、冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5(R5)を合成した。
透明性アルミノシリケート溶液(RS6)の調製
Al2O3濃度22wt%、Na2O濃度17wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液79gを、濃度42wt%の水酸化ナトリウム水溶液327gに撹拌しながら加えて溶解し、30℃まで冷却した。この溶液を、撹拌しながらSiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液638gに撹拌しながら添加した。このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al2O3=16
SiO2/Al2O3=15
H2O/Al2O3=230
であった。
ついで、この溶液を35℃で15時間静置熟成して透明性アルミノシリケート溶液(RS6)を調製した。
ついで、SiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液85gに水23gと、前記透明性アルミノシリケート溶液(S1)1043gを加えて攪拌混合した。このとき、珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル数と透明性アルミノシリケート溶液(RS3)のSiO2のモル数との比は0.13であった。
Na2O/Al2O3=2.60
SiO2/Al2O3=17.0
H2O/Al2O3=610
H2SO4/Al2O3=14.0
グルテン/Al2O3 重量比=0.2
であった。
混合ヒドロゲルスラリー(RM6)をオートクレーブに充填し、170℃で40時間、撹拌しながら水熱処理を行った。その後、70℃まで冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5(R6)を合成した。
Na型ZSM−5(R6)について結晶形を測定したが、モルデナイト型ゼオライトが混晶していた。従って、その他は測定しなかった。
透明性アルミノシリケート溶液(RS7)の調製
Al2O3濃度22wt%、Na2O濃度17wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液26gを、濃度42wt%の水酸化ナトリウム水溶液105.6gに撹拌しながら加えて溶解し、30℃まで冷却した。この溶液を、撹拌しながらSiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液206gに撹拌しながら添加した。このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al2O3=16
SiO2/Al2O3=15
H2O/Al2O3=230
であった。
ついで、この溶液を35℃で15時間静置熟成して透明性アルミノシリケート溶液(RS7)を調製した。
ついで、SiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液1361gに水29gと、前記透明性アルミノシリケート溶液(RS4)34gを加え攪拌混合した。このとき、珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル数と透明性アルミノシリケート溶液(RS7)のSiO2のモル数との比は66.0であった。
Na2O/Al2O3=2.60
SiO2/Al2O3=1005
H2O/Al2O3=18000
H2SO4/Al2O3=320.8
グルテン/Al2O3 重量比=0.2
であった。
混合ヒドロゲルスラリー(RM7)をオートクレーブに充填し、170℃で50時間、撹拌しながら水熱処理を行った。その後、70℃まで冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5(R4)を合成した。
Na型ZSM−5(R4)について結晶形を測定したが、無定型であった。従って、その他は測定しなかった。
Na型ZSM−5(R8)の合成
Al2O3濃度22wt%、Na2O濃度17wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液17.3gを水298.4gで稀釈し、これをSiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液326.3gと水83.6gの稀釈珪酸ナトリウム水溶液に添加し、均一溶液とし、これに小麦粉(日清フーズ(株)製:薄力粉、グルテン含有量12wt%)6.3gを混合し、充分撹拌した。(A液)
別途、濃度11.2wt%の塩酸水溶液115.9gを準備した。(B液)
つぎに、濃度16.6wt%の塩化ナトリウム水溶液372gを調製し、撹拌しながらA液およびB液を添加し、水性反応混合物を調製した。
Na2O/Al2O3=2.6
SiO2/Al2O3=35
H2O/Al2O3=1830
HCl/Al2O3=9.5
NaCl/Al2O3=34.0
グルテン/Al2O3 重量比=0.2
であった。
ZSM−5(R9)の合成
SiO2濃度20wt%のシリカゾル(日揮触媒化成社製:SI−550)水溶液1500gを水472gで稀釈し、これに濃度40wt%のテトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド190gを添加し、均一溶液とした。この溶液を撹拌しながらAl2O3濃度22wt%、Na2O濃度17wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液23.2gを添加し、これに小麦粉(日清フーズ(株)製:薄力粉、グルテン含有量12重量%)8.5gを混合し、充分撹拌して水性反応混合物を調製した。
Na2O/Al2O3=5.1
SiO2/Al2O3=100
H2O/Al2O3=2000
TPAOH/Al2O3=7.5
グルテン/Al2O3 重量比=0.2
であった。
Claims (8)
- 薄片状結晶片からなり、
薄片状結晶片の厚さが20〜100nmの範囲にあり、
薄片面の幅が0.5〜5μmの範囲にあることを特徴とするペンタシル型ゼオライト粒子。 - 前記ペンタシル型ゼオライト粒子がSiO2、Al2O3およびM2O(Mはアルカリ金属)からなるZSM−5型ゼオライトであり、SiO2/Al2O3モル比が15〜500の範囲にあり、M2O/Al2O3モル比が1±0.2の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のペンタシル型ゼオライト粒子。
- 下記の工程(a)〜(f)からなることを特徴とするペンタシル型ゼオライト粒子の製造方法。
(a)アルミン酸アルカリ水溶液と珪酸アルカリ水溶液と水酸化アルカリ水溶液と水とを混合して下記酸化物組成範囲の透明性アルミノシリケート溶液を調製する工程
M2O/Al2O3 =13〜20 (Mはアルカリ金属を示す)
SiO2/Al2O3 =12〜18
H2O/Al2O3 =150〜400 (Al2O3を1モルとした)
(b)SiO2/M2Oモル比が1〜5の範囲にある珪酸アルカリ水溶液を、透明性アルミノシリケート溶液のSiO2を1モルとしたときに珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル比が1〜3となる範囲で混合する工程
(c)グルテンを、Al2O3の重量を1としたときに0.01〜0.4の範囲で混合する工程
(d)ついで、下記モル比範囲となるように硫酸水溶液を混合して混合ヒドロゲルスラリーを調製する工程
M2O/Al2O3 =2〜5
(Mはアルカリ金属を示す。なお、硫酸添加により、中和されたM2Oは、M2SO4となっている)
SiO2/Al2O3 =18〜1000
H2O/Al2O3 =300〜2000
M2SO4/Al2O3 =15〜30 (Al2O3を1モルとした)
(f)120〜300℃で5〜200時間、水熱処理する工程 - 前記透明性アルミノシリケート溶液を、前記工程(b)で珪酸アルカリ水溶液と混合する前に0〜50℃で1〜1000時間熟成することを特徴とする請求項3に記載のペンタシル型ゼオライト粒子の製造方法。
- 前記工程(d)についで、下記工程(e)を行うことを特徴とする請求項3または4に記載のペンタシル型ゼオライト粒子の製造方法。
(e)0〜50℃で1〜100時間熟成する工程 - 前記工程(c)における透明性アルミノシリケート溶液と珪酸アルカリ水溶液との混合比率が、透明性アルミノシリケート溶液のSiO2のモル数を1としたときに珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル数が0.5〜3の範囲であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のペンタシル型ゼオライト粒子の製造方法。
- 得られたペンタシル型ゼオライト粒子が、薄片状結晶片粒子であり、薄片状結晶片粒子の厚さが20〜100nmの範囲にあり、薄片面の幅が0.5〜5μmの範囲にあることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載のペンタシル型ゼオライト粒子の製造方法。
- 得られたペンタシル型ゼオライト粒子が、SiO2、Al2O3およびM2OからなるZSM−5型ゼオライトであり、SiO2/Al2O3モル比が15〜500の範囲にあり、M2O/Al2O3モル比が1±0.2の範囲にあることを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載のペンタシル型ゼオライト粒子の製造方法。
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