JP5580639B2 - 新規zsm−5型ゼオライト粒子およびその合成方法 - Google Patents

新規zsm−5型ゼオライト粒子およびその合成方法 Download PDF

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Description

本発明は、SiO2、Al23およびM2Oからなり、有機構造規程剤(有機テンプレート)を含まず、粒子径が小さいZSM−5型ゼオライト粒子およびその合成法とに関する。
ZSM型ゼオライトはクラッキング反応、ハイドロクラッキング反応、その他炭化水素変換反応、環境用触媒などの触媒や担体、吸着剤などに広く利用されている。
例えば、触媒としては、灯油、軽油、残さ油等の流動接触分解において生成するガソリン留分中のn-パラフィン等の低オクタン価炭化水素を分解して減少させ、ブテン等のオレフィンガスを生成させて、ガソリンのオクタン価を向上させるために使用されている。
特に、ZSM−5型ゼオライトは、疎水性が高く、細孔径もベンゼンの分子径と同レベルであるため、細孔が鋳型としての役割を果たし、高い分子形状選択性を有する。
このようなZSM−5型ゼオライトは通常、テトラプロピルアンモニウム塩等の有機構造規程剤を使用して構成される。しかしながら、有機構造規程剤は高価であり、また、有機物は環境問題から排水等に流出させることが規制されている。
このため、有機構造規程剤を回収して再利用することが検討されていたが、回収にかかる設備やその煩雑さを考えると、製造コストが高くなってしまうという問題点があった。
さらに、触媒としてゼオライトを用いるには有機構造規程剤を除去する必要があり、通常、焼成によって、除去されるが、この焼成にかかるエネルギーコストの捻出、排ガス処理設備の必要等の問題の他に、加熱による触媒変性などの問題点もあった。
このため有機構造規程剤を使用することなく、ゼオライトを合成する方法として特開昭59−78921号公報(特許文献1)には、NaClを硬化剤として使用してZSM−5型ゼオライトが合成できることが開示されているが、得られるZSM−5型ゼオライト粒子は数10μmと大きいものであった。また、このようにゼオライト粒子が大きいと外部表面積が小さくなり、活性が不充分になる傾向があった。
また、特開昭58−45111号公報(特許文献2)、特開昭61−74647号公報(特許文献3)にも有機構造規程剤を使用することなく、硬化剤を用いてZSM−5ゼオライトが合成できることが開示されており、粒子径は短軸が短いもので0.2μm、長軸が長いもので約2μm程度、アスペクト比が約3〜5の棒状ZSM−5型ゼオライト粒子が得られることが開示されている。しかしながら、アスペクト比が大きいと流動触媒として用いた場合、耐摩耗性が低下する問題があった。さらにこの方法では、結晶性が不充分であったり、モルデナイト型ゼオライトが副生する場合があった。
特開昭59−78921号公報 特開昭58−45111号公報 特開昭61−74647号公報
しかしながら、ゼオライト粒子が大きいと外部表面積が小さくなり、活性が不充分に傾向があり、加えて、流動触媒として用いる場合、耐摩耗性が低下する問題があった。
すなわち、本発明の目的は、有機構造規程剤を含まない粒状ないし棒状のZSM-5型ゼオライト粒子およびその製造方法を提供することを目的としている。
上記問題点に鑑み、粒子径の小さいZSM−5型ゼオライトの製造、有機構造規程剤を使用しないZSM−5型ゼオライトの製造を目的に鋭意検討した結果、アルミン酸ナトリウム水溶液と珪酸ナトリウム水溶液と水酸化ナトリウム水溶液とを混合した所定組成範囲の透明性アルミノシリケート溶液と、珪酸ナトリウム水溶液とを混合し、ついで硫酸を加えて所定モル比範囲のマトリックスヒドロゲルスラリーを混合して水熱処理すると、有機構造規程剤を用いることなく微粒のZSM−5型ゼオライト粒子が得られることを見出して本発明を完成するに至った。
本発明の構成は以下の通りである。
[1]SiO2、Al23およびM2O(Mはアルカリ金属を示す)からなり、SiO2/Al23モル比が15〜800の範囲にあり、M2O/Al23モル比が1±0.2の範囲にあり、アスペクト比が1〜2.5の範囲にある粒状粒子または棒状粒子であり、かつ、有機構造規程剤を使用することなく得られたものであることを特徴とするZSM−5型ゼオライト粒子。
[2]前記粒状粒子の平均粒子径が0.5〜2.5μmの範囲にあり、前記棒状粒子の平均長軸長さが0.5〜2.5μmの範囲にあり、平均短軸長が0.25〜1μmの範囲にある[1]のZSM−5型ゼオライト粒子。
[3]下記の工程(a)〜(e)からなることを特徴とするZSM−5型ゼオライト粒子の製造方法。
(a)アルミン酸アルカリ水溶液と珪酸アルカリ水溶液と水酸化アルカリ水溶液とを混合して下記酸化物組成範囲の透明性アルミノシリケート溶液を調製する工程
2O/Al23 =13〜20 (Mはアルカリ金属を示す)
SiO2/Al23 =12〜18
2O/Al23 =150〜400
(Al23を1モルとした)
(b)得られた透明性アルミノシリケート溶液に、さらにSiO2/Na2Oモル比が1〜5の範囲にある珪酸アルカリ水溶液を、透明性アルミノシリケート溶液のSiO21モルに対し、珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル比が0.5〜3となる範囲で混合する工程
(c)ついで、下記モル比範囲となるように硫酸水溶液を混合して混合ヒドロゲルスラリーを調製する工程
2O/Al23 =2〜5 (Mはアルカリ金属を示す)
SiO2/Al23 =18〜1000
2O/Al23 =300〜2000
2SO4/Al23 =15〜30
(Al23を1とした)
(e)混合ヒドロゲルスラリーを120〜300℃で5〜200時間、水熱処理する工程
[4]前記透明性アルミノシリケート溶液を、前記工程(b)で珪酸アルカリ水溶液と混合する前に0〜50℃で1〜1000時間熟成する[3]のZSM−5型ゼオライト粒子の製造方法。
[5]前記工程(c)についで、下記工程(d)を行う[3]または[4]のZSM−5型ゼオライト粒子の製造方法。
(d)0〜50℃で1〜100時間熟成する工程
[6]SiO2、Al23およびM2Oからなり、有機構造規程剤(有機テンプレート)を含まず、SiO2/Al23モル比が15〜800の範囲にあり、M2O/Al23モル比が1±0.2の範囲にあり、平均粒子径が0.1〜5μmの範囲にある[3]〜[5]のZSM−5型ゼオライト粒子の製造方法。
本発明によれば、有機構造規程剤を含まず、触媒、触媒担体、吸着剤等として有用なZSM−5型ゼオライト粒子およびその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、詳細に説明する。
まず、本発明に係るZSM−5型ゼオライト粒子について説明する。
ZSM−5型ゼオライト粒子
本発明に係るZSM−5型ゼオライト粒子は、SiO2、Al23およびM2O(Mはアルカリ金属を示す)からなり、有機構造規程剤(有機テンプレート)を含まない。
ゼオライト中のSiO2/Al23モル比が15〜800の範囲にあり、M2O/Al23モル比が1±0.2の範囲にあり、平均粒子径が0.1〜5μmの範囲にあることを特徴としている。
ZSM−5型ゼオライトのSiO2/Al23モル比は、好ましくは20〜500の範囲にある。
ZSM−5型ゼオライトのSiO2/Al23モル比が、前記範囲にあると、結晶性が高く、触媒として、高い活性を発揮できる。なお、該モル比が小さすぎるとZSM−5型ゼオライトを得ることが困難であり、得られたとしても結晶度が低く、触媒として用いても充分な活性が得られない場合がある。SiO2/Al23モル比が大きすぎると、ZSM−5型ゼオライトとならない。
2O/Al23モル比は、より好ましくは、1±0.1の範囲にある。M2O/Al23モル比が前記範囲にあると、結晶性が高いものが得られる。
通常、ZSM−5型ゼオライトの合成には、有機構造規程剤(有機テンプレートともいう)としてテトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイド(TAAH)、あるいは界面活性剤等が用いられる。この様な有機構造規程剤を用いない場合は通常ZSM−5型ゼオライトを得ることが困難である。別途、これら有機構造規程剤を用いる代わりにNaCl等の鉱化剤を大量に用いると通常ZSM−5型ゼオライトが得られるが、粒子の大きさが大きくなりすぎて触媒に用いた場合に活性、選択性が不充分になる場合があった。
有機構造規程剤を含むものは、粒子形状が多くの場合は長い棒状となるが、本発明の場合は粒状か比較的短い棒状である。また、有機構造規定剤を含むものは、組成範囲、原料の種類(シリカゾル)等を用いてもZSM−5型ゼオライト粒子を合成できるという特性を有し、従来、有機構造規程剤を含まないと、こういった特性は発現できなかったが、本発明によれば有機構造規程剤を含むものと同様の特性が発揮される。
なお、触媒として使用する場合、通常アルカリはないことが好ましい。このため、イオン交換、酸処理等従来公知の方法によって、ゼオライト中のアルカリを低減して用いることができる。本発明のZSM−5型ゼオライト粒子は、プロトン型にイオン交換されてもよく、アンモニウムイオン交換されてもよく、より好ましくは、アンモニウム型にイオン交換して用いることが好ましい。
本発明のZSM−5型ゼオライト粒子は、アスペクト比が1〜2.5、さらには1〜2.2の範囲にある粒状粒子または棒状粒子であることが好ましい。
アスペクト比が1となるのは粒状の粒子であり、従ってアスペクト比が1未満のものは無く、アスペクト比が大きすぎると、流動触媒として用いた場合、耐摩耗性が不充分となる場合がある。
なお、本発明で、有機構造規程剤を含まず従来より比較的小さい粒子で、アスペクト比が前記範囲のZSM−5型ゼオライト粒子が得られるかは明らかではないが、アスペクト比が前記範囲にあり、後述する平均粒子径等が後記範囲にあれば、結晶性に優れ、流動触媒に用いた場合に耐摩耗性に優れ、且つ活性、選択性に優れている。
粒状のZSM−5型ゼオライト粒子の平均粒子径は0.5〜2.5μm、さらには0.5〜2.0μmの範囲にあることが好ましい。
棒状ZSM−5型ゼオライト粒子は、平均長軸長さが0.5〜2.5μm、さらには0.8〜2.0の範囲にあり、平均短軸長が0.25〜1μm、さらには0.4〜0.8μmの範囲にあることが好ましい。
後述する本発明の製造方法によれば、前記範囲の粒径のZSM−5型ゼオライト粒子が得られる。この範囲を外れたものは本発明の方法では得ることが困難であり、得られたとしても結晶性が不充分になる場合があり、流動触媒として用いた場合、耐摩耗性が不充分となる場合があり、活性、選択性が不充分になる場合がある。
上記した、粒状ゼオライトの平均粒子径、棒状粒子の平均長軸長、平均短軸長は、ZSM−5型ゼオライト粒子の透過型電子顕微鏡写真(TEM)を撮影し、50個の粒子について粒子径、長軸長、短軸長を測定し、各々の平均値として求めることができる。また、アスペクト比は平均長軸長を平均短軸長で除して求めることができる。
つぎに、本発明に係るZSM−5型ゼオライト粒子の製造方法について説明する。
ZSM−5型ゼオライト粒子の製造方法
本発明に係るZSM−5型ゼオライト粒子の製造方法は、下記の工程(a)〜(e)からなることを特徴としている。
工程(a)
(a)アルミン酸アルカリ水溶液と珪酸アルカリ水溶液と水酸化アルカリ水溶液と水とを混合して下記酸化物組成範囲の透明性アルミノシリケート溶液を調製する。
透明性アルミノシリケート溶液を調製するには、下記酸化物モル比の範囲内にあり、透明性を有する溶液が得られれば特に制限はないが、アルカリ源としては、水酸化ナトリウムが常用され、アルミナ源としてはアルミン酸ソーダ、アルミナゾル、アルミナゲル、アルミナ微粉末等、シリカ源としてはケイ酸ソーダ、シリカゾル、シリカゲル、シリカ微粉末等が好適に用いられる。アルミナゾル、アルミナゲル、アルミナ微粉末を用いる場合は予め水酸化アルカリ水溶液に溶解して用いることが好ましい。また、シリカゾル、シリカゲル、シリカ微粉末を用いる場合も予め水酸化アルカリ水溶液に溶解して用いることが好ましい。
2O/Al23=13〜20(Mはアルカリ金属を示す)
SiO2/Al23 =12〜18
2O/Al23 =150〜400
(いずれも、Al23を1モルとした時のモル比)
これら原料の混合順序は特に制限はなく、通常、水酸化アルカリ水溶液にアルミン酸ナトリウム水溶液を加え攪拌溶解・冷却を行い、水酸化アルカリ・アルミン酸ナトリウム混合水溶液とする。ついで、この水溶液を珪酸アルカリ水溶液に混合する。
このとき、アルミン酸ナトリウムを水酸化アルカリで溶解して水酸化アルカリ・アルミン酸ナトリウム混合水溶液を調製して用いることが好ましい。
混合液は、混合後、直ちに使用することもできるが、後述する工程(b)で使用する前に、0〜50℃、さらには10〜40℃で100〜1000時間熟成することが好ましい。
このような熟成を行うことによって、混合物は透明性を有し、再現性よくZSM−5型ゼオライト粒子を得ることができる。
2O/Al23 モル比はより好ましくは14〜18の範囲にある。この範囲にあると、透明性アルミノシリケート溶液の透明性が高く、ゲル状粒子が存在せず、高い結晶性のZSM−5型ゼオライト粒子が得られる。なお、M2O/Al23モル比が小さ過ぎると、透明性アルミノシリケート溶液の透明性が低く、大きなゲル状粒子が残存することがあり、このような透明性アルミノシリケート溶液を用いて結晶化を行っても所望のZSM−5型ゼオライト粒子が得られないことがある。M2O/Al23モル比が大きすぎても透明性はあるもののZSM−5型ゼオライト粒子が得られないことがある。
また、SiO2/Al23 モル比は、より好ましくは13〜17の範囲にある。SiO2/Al23モル比が前記範囲にあれば、ZSM−5型ゼオライト粒子が生成する。なお、SiO2/Al23モル比が前記範囲にない場合はZSM−5型ゼオライト粒子が生成しないか、生成しても結晶度が低く、場合によっては他の結晶型の粒子が副生することがある。
さらに、H2O/Al23 モル比は、より好ましくは180〜350の範囲にある。H2O/Al23 モル比がこの範囲にあると、透明なアルミノシリケート溶液が得られ、所望の結晶性のZSM−5型ゼオライト粒子が得られる。H2O/Al23 モル比が低すぎると透明性アルミノシリケート溶液の透明性が低く、大きなゲル状粒子が残存することがあり、このような透明性アルミノシリケート溶液を用いて結晶化を行っても所望のZSM−5型ゼオライト粒子が得られないことがある。またH2O/Al23 モル比が高すぎても得られるZSM−5型ゼオライト粒子の粒子が大きくなるとともに結晶性が低下する場合がある。
工程(b)
(b)SiO2/Na2Oモル比が1〜5の範囲にある珪酸アルカリ水溶液を、透明性アルミノシリケート溶液のSiO2を1モルとしたときに珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル比が0.5〜3、好ましくは1〜3となる範囲で混合する。
珪酸アルカリ水溶液のSiO2/Na2Oモル比は前記範囲にあれば、本発明のZSM−5型ゼオライトの合成に好適に用いることができる。
工程(c)
(c)ついで、下記モル比範囲となるように硫酸水溶液を混合して混合ヒドロゲルスラリーを調製する。
2O/Al23 =2〜5 (Mはアルカリ金属を示す)
SiO2/Al23 =18〜1000
2O/Al23 =300〜2000
2SO4/Al23 =15〜30
(Al23を1モルとした)
上記において、加えた硫酸は全てアルカリと反応して硫酸アルカリを生成したものとした硫酸アルカリを意味し、M2Oは中和に関与しない過剰のアルカリを示す。
混合ヒドロゲルスラリーのM2O/Al23 モル比の好ましい範囲は2.2〜4.0である。混合ヒドロゲルスラリーのSiO2/Al23 モル比のより好ましい範囲は20〜800である。なお、M2O/Al23 モル比およびSiO2/Al23モル比が前記範囲にあると、結晶性が高いゼオライトが得られる。また、M2O/Al23モル比およびSiO2/Al23 モル比が低すぎると、結晶化に長時間を要したり、場合によっては結晶度が不充分となる場合がある。また、M2O/Al23モル比およびSiO2/Al23モル比が高すぎても、ZSM−5型ゼオライト粒子が得られないことがある。
混合ヒドロゲルスラリーのH2O/Al23 モル比のより好ましい範囲は500〜1500である。H2O/Al23 モル比がこの範囲にあれば、凝集の少ない、しかも結晶性が高いゼオライト粒子が得られる。H2O/Al23モル比が低すぎると、ZSM−5型ゼオライト粒子が得られず、不規則な凝集粒子が生成し、しかも結晶性が不充分となる場合があり、H2O/Al23モル比が高すぎても結晶化に長時間を要したり、結晶化しても結晶性が不充分となる傾向がある。
混合ヒドロゲルスラリーのM2SO4/Al23 モル比のより好ましい範囲は12〜28である。M2SO4/Al23 モル比がこの範囲にあると、結晶性の高いゼオライト粒子が得られる。なお、M2SO4/Al23 モル比が低いと、前記M2O/Al23 モル比が大きくなってしまい、ZSM−5型ゼオライト粒子が得られないことがある。またM2SO4/Al23 モル比が大きすぎても、M2O/Al23 モル比が範囲を越えて小さくなる場合があり、いずれも、結晶化に長時間を要したり、ZSM−5型ゼオライト粒子が得られないことがある。
なお、本発明では、上記混合ヒドロゲルスラリーにNa2SO4、K2SO4等の硫酸塩の他、NaCl等の塩を硬化剤(結晶化促進剤)として追加して使用することができる。
工程(d)
前記工程(c)についで、下記工程(d)を行うことが好ましい。
(d)0〜50℃、好ましくは10〜40℃で1〜100時間熟成する。熟成温度が前記範囲にあれば、再現性よく粒状または棒状のZSM−5型ゼオライト粒子が得られる。
工程(e)
(e)120〜300℃、好ましくは140〜250℃で5〜200時間、水熱処理する。
この温度で水熱処理することで、結晶化した、ゼオライト粒子が得られる。なお水熱処理温度が低すぎても、結晶化に長時間を要し、ZSM−5型ゼオライト粒子が得られない場合があり、得られたとしても結晶性が不充分となる場合がある。水熱処理温度が高すぎても、ZSM−5型ゼオライト粒子の結晶性が低下したり、他の結晶が副生する場合がある。
水熱処理後、周知の方法によりスラリーを濾過し、固形分を分離し、洗浄し、乾燥してゼオライト粒子を回収する。
本発明の製造方法により得られるZSM−5型ゼオライト粒子は上記した特性を有する。かかるZSM−5型ゼオライト粒子は、各種樹脂成形体のフイラー、各種ガスおよび液などの分離膜、燃料電池などの電解質膜およびメンブランリアクターなどの用途に用いることができ、また、炭化水素の吸着・分離剤、炭化水素(特にn−パラフィン)のクラッキング触媒、異性化触媒あるいは触媒担体として有用である。
また、ZSM−5型ゼオライト粒子を必要に応じて、円柱状、管状、ハニカム状などに成形してもよい。
本発明に係るZSM−5型ゼオライト粒子の製造方法において、上記のように、調製時の各成分のモル比を値を特定の範囲とすることで、有機構造規程剤(有機テンプレート)を全く使用することなくZSM−5型ゼオライトが生成する。また、結晶化時間を短縮する、結晶度を向上させる、粒子の大きさを変更する等の目的で少量の有機構造規程剤を使用することは可能であり、これを排除するものではない。
また、本発明によれば、有機構造規程剤を含まないので、これを焼成して除去する必要が無く、また、平均粒子径が小さい粒子あるいはアスペクト比の小さい棒状粒子であるために、活性、選択性等に優れた触媒という用途にも期待できる。
[実施例]
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
[実施例1]
透明性アルミノシリケート溶液(S1)の調製
Al23濃度22wt%、Na2O濃度17wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液51gを、濃度42wt%の水酸化ナトリウム水溶液211gに撹拌しながら加えて溶解し、30℃まで冷却した。この溶液を、撹拌しながらSiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液413gに撹拌しながら添加した。このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al23=16
SiO2/Al23=15
H2O/Al23=230
であった。ついで、この溶液を35℃で15時間静置して熟成し透明性アルミノシリケート溶液(S1)を調製した。
混合ヒドロゲルスラリー(M1)の調製
SiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液550gに水11gと、前記透明性アルミノシリケート溶液(S1)675gを加え攪拌混合した。このとき、珪酸ナトリウム水溶液のSiO2のモル数と透明性アルミノシリケート溶液(S1)のSiO2のモル数との比は1.33であった。
これに濃度25wt%の硫酸水溶液846gを加え、室温で3時間攪拌熟成して、混合ヒドロゲルスラリー(M1)を調製した。
このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al23=2.60
SiO2/Al23=35.0
2O/Al23=920
Na2SO4/Al23=19.6
であった。
Na型ZSM−5(1)の合成
混合ヒドロゲルスラリー(M1)をオートクレーブに充填し、170℃で50時間、撹拌しながら水熱処理を行った。その後、70℃まで冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5型ゼオライト(1)を合成した。
Na型ZSM−5(1)について、X線回折装置により結晶形・結晶化度、蛍光X線分析によりSiO2/Al23モル比、Na2O/Al23モル比、BET法による比表面積および、平均粒子径等を測定し、結果を表1に示した。
なお、結晶化度は、市販ZSM−5型ゼオライト(ZEOLYST社製:CBV8014)をNaイオン交換して乾燥したものを基準とし、X線回折装置で(101)、(011)、(501)、(303)および(133)面の総ピーク高さ(H0)を求め、同様にNa型ZSM−5型ゼオライト(1)について総ピーク高さ(H)を求め、次式により求めた。
結晶化度=H/H0×100(%)
[実施例2]
Na型ZSM−5(2)の合成
実施例1において、水熱処理を150℃で100時間行った以外は同様にしてNa型ZSM−5(2)を合成した、
Na型ZSM−5(2)について、結晶形、結晶化度、SiO2/Al23モル比、Na2O/Al23モル比、比表面積および平均粒子径等を測定し、結果を表1に示した。
[実施例3]
Na型ZSM−5(3)の合成
実施例1において、水熱処理を200℃で40時間行った以外は同様にしてNa型ZSM−5(3)を合成した、
Na型ZSM−5(3)について、結晶形、結晶化度、SiO2/Al23モル比、Na2O/Al23モル比、比表面積および平均粒子径等を測定し、結果を表1に示した。
[実施例4]
混合ヒドロゲルスラリー(M2)の調製
SiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液450gに水26gと、実施例1と同様にして調製した透明性アルミノシリケート溶液(S1)736g を加え攪拌混合した。このとき、珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル数と透明性アルミノシリケート溶液(S1)のSiO2のモル数との比は1.0であった。
これに濃度25wt%の硫酸水溶液849gを加え、室温で3時間攪拌熟成して、混合ヒドロゲルスラリー(M2)を調製した。
このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al23=2.6
SiO2/Al23=30
2O/Al23=840
Na2SO4/Al23=18.1
であった。
Na型ZSM−5(4)の合成
混合ヒドロゲルスラリー(M2)をオートクレーブに充填し、170℃で40時間、攪拌しながら水熱処理を行った後、冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5(4)を合成した。
Na型ZSM−5(4)について、結晶形、結晶化度、SiO2/Al23モル比、Na2O/Al23モル比、比表面積および平均粒子径等を測定し、結果を表1に示した。
[実施例5]
混合ヒドロゲルスラリー(M3)の調製
SiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液780gに水27gと、実施例1と同様にして調製した透明性アルミノシリケート溶液(S1)478g を加え攪拌混合した。このとき、珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル数と透明性アルミノシリケート溶液(S1)のSiO2のモル数との比は2.68であった。
これに濃度25wt%の硫酸水溶液789gを加え、室温で3時間攪拌熟成して、混合ヒドロゲルスラリー(M3)を調製した。
このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al23=2.6
SiO2/Al23=55
2O/Al23=1280
Na2SO/Al23=25.8 、
であった。
Na型ZSM−5(5)の合成
混合ヒドロゲルスラリー(M3)をオートクレーブに充填し、170℃で60時間、攪拌しながら水熱処理を行った後、冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5(5)を合成した。
Na型ZSM−5(5)について、結晶形、結晶化度、SiO2/Al23モル比、Na2O/Al23モル比、比表面積および平均粒子径等を測定し、結果を表1に示した。
[実施例6]
透明性アルミノシリケート溶液(S2)の調製
Al23濃度22wt%、Na2O濃度17wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液51gを、濃度35.9wt%の水酸化ナトリウム水溶液197.6gに撹拌しながら加えて溶解し、30℃まで冷却した。この溶液を、撹拌しながらSiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液413gに撹拌しながら添加した。このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al23=14
SiO2/Al23=15
2O/Al23=230
であった。
ついで、この溶液を35℃で15時間静置して透明性アルミノシリケート溶液(S2)を調製した。
混合ヒドロゲルスラリー(M4)の調製
ついで、SiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液550gに水111gと、前記透明性アルミノシリケート溶液(S2)661gを加え攪拌混合した。このとき、珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル数と透明性アルミノシリケート溶液(S2)のSiO2のモル数との比は1.33であった。これに濃度25wt%の硫酸水溶液759gを加え、室温で3時間攪拌熟成して、混合ヒドロゲルスラリー(M4)を調製した。
このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al23=2.60
SiO2/Al23=35.0
2O/Al23=920
Na2SO4/Al23=17.6
であった。
Na型ZSM−5(6)の合成
混合ヒドロゲルスラリー(M4)をオートクレーブに充填し、170℃で60時間、攪拌しながら水熱処理を行った後、冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5(6)を合成した。
Na型ZSM−5(6)について、結晶形、結晶化度、SiO2/Al23モル比、Na2O/Al23モル比、比表面積および平均粒子径等を測定し、結果を表1に示した。
[実施例7]
透明性アルミノシリケート溶液(S3)の調製
Al23濃度22wt%、Na2O濃度17wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液51gを、濃度47.2wt%の水酸化ナトリウム水溶液224.9gに撹拌しながら加えて溶解し、30℃まで冷却した。この溶液を、撹拌しながらSiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液413gに撹拌しながら添加した。このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al23=18
SiO2/Al23=15
2O/Al23=230
であった。
ついで、この溶液を35℃で15時間静置して透明性アルミノシリケート溶液(S3)を調製した。
混合ヒドロゲルスラリー(M7)の調製
得られた、SiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液550gに、水10gと、前記透明性アルミノシリケート溶液(S3)688gを加え攪拌混合した。このとき、珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル数と透明性アルミノシリケート溶液(S3)のSiO2のモル数との比は1.33であった。
これに濃度25wt%の硫酸水溶液932gを加え、室温で3時間攪拌熟成して、混合ヒドロゲルスラリー(M7)を調製した。
このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al23=2.60
SiO2/Al23=35.0
2O/Al23=970
Na2SO4/Al23=21.6
であった。
Na型ZSM−5(7)の合成
混合ヒドロゲルスラリー(M7)をオートクレーブに充填し、170℃で60時間、攪拌しながら水熱処理を行った後、冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5(7)を合成した。
Na型ZSM−5(7)について、結晶形、結晶化度、SiO2/Al23モル比、Na2O/Al23モル比、比表面積および平均粒子径等を測定し、結果を表1に示した。
[比較例1]
透明性アルミノシリケート溶液(RS1)の調製
Al23濃度22wt%、Na2O濃度17wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液51gを、濃度21.0wt%の水酸化ナトリウム水溶液170.3gに撹拌しながら加えて溶解し、30℃まで冷却した。この溶液を、撹拌しながらSiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液413gに撹拌しながら添加した。このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al23=10
SiO2/Al23=15
2O/Al23=230
であった。
ついで、この溶液を35℃で15時間静置して透明性アルミノシリケート溶液(RS1)を調製した。
混合ヒドロゲルスラリー(RM1)の調製
ついで、SiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液650gに水16gと、前記透明性アルミノシリケート溶液(RS1)749gを加え攪拌混合した。このとき、珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル数と透明性アルミノシリケート溶液(RS1)のSiO2のモル数との比は1.33であった。
これに濃度25wt%の硫酸水溶液694gを加え、室温で3時間攪拌熟成して、混合ヒドロゲルスラリー(RM1)を調製した。
このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al23=2.60
SiO2/Al23=35.0
2O/Al23=770
Na2SO4/Al23=13.6
であった。
Na型ZSM−5(R1)の合成
混合ヒドロゲルスラリー(RM1)をオートクレーブに充填し、170℃で60時間、攪拌しながら水熱処理を行った後、冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5(R1)を合成した。
Na型ZSM−5(R1)について、結晶形、結晶化度、SiO2/Al23モル比、Na2O/Al23モル比、比表面積および平均粒子径などを測定し、結果を表1に示した。
[比較例2]
透明性アルミノシリケート溶液(RS2)の調製
Al23濃度22wt%、Na2O濃度17wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液51gを、濃度45.4wt%の水酸化ナトリウム水溶液311.6gに撹拌しながら加えて溶解し、30℃まで冷却した。この溶液を、撹拌しながらSiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液413gに撹拌しながら添加した。このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al23=22
SiO2/Al23=15
2O/Al23=260
であった。
ついで、この溶液を35℃で15時間静置して透明性アルミノシリケート溶液(RS2)を調製した。
混合ヒドロゲルスラリー(RM2)の調製
ついで、SiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液500gに水8gと、前記透明性アルミノシリケート溶液(RS2)705gを加え攪拌混合した。
このとき、珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル数と透明性アルミノシリケート溶液(RS2)のSiO2のモル数との比は1.33であった。これに濃度25wt%の硫酸水溶液1004gを加え、室温で3時間攪拌熟成して、混合ヒドロゲルスラリー(RM2)を調製した。
このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al23=2.60
SiO2/Al23=35.0
2O/Al23=1100
Na2SO4/Al23=25.6
であった。
Na型ZSM−5(R2)の合成
混合ヒドロゲルスラリー(RM2)をオートクレーブに充填し、170℃で60時間、攪拌しながら水熱処理を行った後、冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5(R2)を合成した。
Na型ZSM−5(R2)について、結晶形、結晶化度、SiO2/Al23モル比、Na2O/Al23モル比、比表面積および平均粒子径などを測定し、結果を表1に示した。
[比較例3]
透明性アルミノシリケート溶液(RS3)の調製
Al濃度22wt%、NaO濃度17wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液79gを、濃度42wt%の水酸化ナトリウム水溶液327gに撹拌しながら加えて溶解し、30℃まで冷却した。この溶液を、撹拌しながらSiO濃度24wt%、NaO濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液638gに撹拌しながら添加した。このときの組成は酸化物モル比で
NaO/Al=16
SiO/Al=15
O/Al=230
であった。
ついで、この溶液を35℃で15時間静置して透明性アルミノシリケート溶液(RS3)を調製した。
混合ヒドロゲルスラリー(RM3)の調製
ついで、SiO濃度24wt%、NaO濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液85gに水23gと、前記透明性アルミノシリケート溶液(RS3)1043gを加えて攪拌混合した。このとき、珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル数と透明性アルミノシリケート溶液(RS3)のSiO2のモル数との比は0.13であった。
これに濃度25wt%の硫酸水溶液938gを加え、室温で3時間攪拌熟成して、撹拌しながら混合ヒドロゲルスラリー(RM3)を調製した。
このときの組成は酸化物モル比で
NaO/Al=2.60
SiO/Al=17.0
O/Al=610
2SO/Al=14.0
であった。
Na型ZSM−5(R3)の合成
混合ヒドロゲルスラリー(RM3)をオートクレーブに充填し、170℃で40時間、撹拌しながら水熱処理を行った。その後、70℃まで冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5(R3)を合成した。
Na型ZSM−5(R3)について結晶形を測定したが、モルデナイト型ゼオライトが混晶していた。従って、その他の物性は測定しなかった。
[比較例4]
透明性アルミノシリケート溶液(RS4)の調製
Al23濃度22wt%、Na2O濃度17wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液26gを、濃度42wt%の水酸化ナトリウム水溶液105.6gに撹拌しながら加えて溶解し、30℃まで冷却した。この溶液を、撹拌しながらSiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液206gに撹拌しながら添加した。このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al23=16
SiO2/Al23=15
2O/Al23=230
であった。
ついで、この溶液を35℃で15時間静置して透明性アルミノシリケート溶液(RS4)を調製した。
混合ヒドロゲルスラリー(RM4)の調製
ついで、SiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液1361gに水29gと、前記透明性アルミノシリケート溶液(RS4)34gを加え攪拌混合した。このとき、珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル数と透明性アルミノシリケート溶液(RS4)のSiO2のモル数との比は66.0であった。これに濃度25wt%の硫酸水溶液692gを加え、室温で3時間攪拌熟成して、混合ヒドロゲルスラリー(RM4)を調製した。
このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al23=2.60
SiO2/Al23=1005
2O/Al23=18000
Na2SO4/Al23=320.8
であった。
Na型ZSM−5(R4)の合成
混合ヒドロゲルスラリー(RM4)をオートクレーブに充填し、170℃で50時間、攪拌しながら水熱処理を行った。その後、70℃まで冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5(R4)を合成した。
Na型ZSM−5(R4)について結晶形を測定したが、無定型であった。従って、その他の物性は測定しなかった。
[比較例5]
Na型ZSM−5(R5)の合成
Al23濃度22wt%、Na2O濃度17wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液27.8gを水391.4gで稀釈し、これをSiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液525.0gと水138.2gの稀釈珪酸ナトリウム水溶液に添加し、均一溶液とした。(A液)
別途、濃度11.2wt%の塩酸水溶液59.7gを準備した。(B液)
つぎに、濃度12.3wt%の塩化ナトリウム水溶液970.3gを調製し、撹拌しながらA液およびB液を添加し、水性反応混合物を調製した。
このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al23=2.6
SiO2/Al23=35.0
2O/Al23=1830
HCl/Al23=9.5
NaCl/Al23=34.0
であった。
水性反応混合物をオートクレーブに充填し、1850℃で48時間、撹拌しながら水熱処理を行った。その後、70℃まで冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5型ゼオライト(R5)を合成した。
Na型ZSM−5型ゼオライト(R5)について結晶形、結晶化度、SiO2/Al23モル比、Na2O/Al23モル比、比表面積および平均粒子径などを測定し、結果を表1に示した。
[比較例6]
Na型ZSM−5(R6)の合成
SiO濃度20wt%のシリカゾル(日揮触媒化成社製:SI−550)水溶液1500gを水472gで稀釈し、これに濃度40wt%のテトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド190gを添加し、均一溶液とした。この溶液を撹拌しながらAl濃度22wt%、NaO濃度17wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液23.2gを添加し、水性反応混合物を調製した。
このときの組成は酸化物モル比で
NaO/Al=5.1
SiO/Al=100
O/Al=2000
TPAOH/Al=7.5
であった。
水性反応混合物をオートクレーブに充填し、150℃で60時間、撹拌しながら水熱処理を行った。その後、70℃まで冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5型ゼオライト(R6)を合成した。
Na型ZSM−5型ゼオライト(R6)について、結晶形、結晶化度、SiO2/Al23モル比、比表面積および平均粒子径などを測定し、結果を表1に示した。なおNa2O/Al23モル比は、テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイドを使用したため評価しなかった。
Figure 0005580639

Claims (6)

  1. SiO2、Al23およびM2O(Mはアルカリ金属を示す)からなり、SiO2/Al23モル比が15〜800の範囲にあり、M2O/Al23モル比が1±0.2の範囲にあり、アスペクト比が1〜2.5の範囲にある粒状粒子または棒状粒子であり、かつ、有機構造規程剤を使用することなく得られたものであることを特徴とするZSM−5型ゼオライト粒子。
  2. 前記粒状粒子の平均粒子径が0.5〜2.5μmの範囲にあり、前記棒状粒子の平均長軸長さが0.5〜2.5μmの範囲にあり、平均短軸長が0.25〜1μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のZSM−5型ゼオライト粒子。
  3. 下記の工程(a)〜(e)からなることを特徴とするZSM−5型ゼオライト粒子の製造方法。
    (a)アルミン酸アルカリ水溶液と珪酸アルカリ水溶液と水酸化アルカリ水溶液とを混合して下記酸化物組成範囲の透明性アルミノシリケート溶液を調製する工程
    2O/Al23=13〜20 (Mはアルカリ金属を示す)
    SiO2/Al23=12〜18
    2O/Al23=150〜400
    (Al23を1モルとした)
    (b)得られた透明性アルミノシリケート溶液に、さらにSiO2/Na2Oモル比が1〜5の範囲にある珪酸アルカリ水溶液を、透明性アルミノシリケート溶液のSiO21モルに対し、珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル比が0.5〜3となる範囲で混合する工程
    (c)ついで、下記モル比範囲となるように硫酸水溶液を混合して混合ヒドロゲルスラリーを調製する工程
    2O/Al23=2〜5 (Mはアルカリ金属を示す)
    SiO2/Al23=18〜1000
    2O/Al23=300〜2000
    2SO4/Al23=15〜30
    (Al23を1とした)
    (e)混合ヒドロゲルスラリーを120〜300℃で5〜200時間、水熱処理する工程
  4. 前記透明性アルミノシリケート溶液を、前記工程(b)で珪酸アルカリ水溶液と混合する前に0〜50℃で1〜1000時間熟成することを特徴とする請求項3に記載のZSM−5型ゼオライト粒子の製造方法。
  5. 前記工程(c)についで、下記工程(d)を行うことを特徴とする請求項3または4に記載のZSM−5型ゼオライト粒子の製造方法。
    (d)0〜50℃で1〜100時間熟成する工程
  6. 製造されるZSM−5型ゼオライト粒子が、SiO2、Al23およびM2Oからなり、有機構造規程剤(有機テンプレート)を含まず、SiO2/Al23モル比が15〜800の範囲にあり、M2O/Al23モル比が1±0.2の範囲にあり、平均粒子径が0.1〜5μmの範囲にあることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のZSM−5型ゼオライト粒子の製造方法。
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