JP5580639B2 - 新規zsm−5型ゼオライト粒子およびその合成方法 - Google Patents
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Description
例えば、触媒としては、灯油、軽油、残さ油等の流動接触分解において生成するガソリン留分中のn-パラフィン等の低オクタン価炭化水素を分解して減少させ、ブテン等のオレフィンガスを生成させて、ガソリンのオクタン価を向上させるために使用されている。
このようなZSM−5型ゼオライトは通常、テトラプロピルアンモニウム塩等の有機構造規程剤を使用して構成される。しかしながら、有機構造規程剤は高価であり、また、有機物は環境問題から排水等に流出させることが規制されている。
さらに、触媒としてゼオライトを用いるには有機構造規程剤を除去する必要があり、通常、焼成によって、除去されるが、この焼成にかかるエネルギーコストの捻出、排ガス処理設備の必要等の問題の他に、加熱による触媒変性などの問題点もあった。
すなわち、本発明の目的は、有機構造規程剤を含まない粒状ないし棒状のZSM-5型ゼオライト粒子およびその製造方法を提供することを目的としている。
[1]SiO2、Al2O3およびM2O(Mはアルカリ金属を示す)からなり、SiO2/Al2O3モル比が15〜800の範囲にあり、M2O/Al2O3モル比が1±0.2の範囲にあり、アスペクト比が1〜2.5の範囲にある粒状粒子または棒状粒子であり、かつ、有機構造規程剤を使用することなく得られたものであることを特徴とするZSM−5型ゼオライト粒子。
[2]前記粒状粒子の平均粒子径が0.5〜2.5μmの範囲にあり、前記棒状粒子の平均長軸長さが0.5〜2.5μmの範囲にあり、平均短軸長が0.25〜1μmの範囲にある[1]のZSM−5型ゼオライト粒子。
[3]下記の工程(a)〜(e)からなることを特徴とするZSM−5型ゼオライト粒子の製造方法。
(a)アルミン酸アルカリ水溶液と珪酸アルカリ水溶液と水酸化アルカリ水溶液とを混合して下記酸化物組成範囲の透明性アルミノシリケート溶液を調製する工程
M2O/Al2O3 =13〜20 (Mはアルカリ金属を示す)
SiO2/Al2O3 =12〜18
H2O/Al2O3 =150〜400
(Al2O3を1モルとした)
(b)得られた透明性アルミノシリケート溶液に、さらにSiO2/Na2Oモル比が1〜5の範囲にある珪酸アルカリ水溶液を、透明性アルミノシリケート溶液のSiO21モルに対し、珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル比が0.5〜3となる範囲で混合する工程
(c)ついで、下記モル比範囲となるように硫酸水溶液を混合して混合ヒドロゲルスラリーを調製する工程
M2O/Al2O3 =2〜5 (Mはアルカリ金属を示す)
SiO2/Al2O3 =18〜1000
H2O/Al2O3 =300〜2000
M2SO4/Al2O3 =15〜30
(Al2O3を1とした)
(e)混合ヒドロゲルスラリーを120〜300℃で5〜200時間、水熱処理する工程
[5]前記工程(c)についで、下記工程(d)を行う[3]または[4]のZSM−5型ゼオライト粒子の製造方法。
(d)0〜50℃で1〜100時間熟成する工程
[6]SiO2、Al2O3およびM2Oからなり、有機構造規程剤(有機テンプレート)を含まず、SiO2/Al2O3モル比が15〜800の範囲にあり、M2O/Al2O3モル比が1±0.2の範囲にあり、平均粒子径が0.1〜5μmの範囲にある[3]〜[5]のZSM−5型ゼオライト粒子の製造方法。
まず、本発明に係るZSM−5型ゼオライト粒子について説明する。
ZSM−5型ゼオライト粒子
本発明に係るZSM−5型ゼオライト粒子は、SiO2、Al2O3およびM2O(Mはアルカリ金属を示す)からなり、有機構造規程剤(有機テンプレート)を含まない。
ZSM−5型ゼオライトのSiO2/Al2O3モル比が、前記範囲にあると、結晶性が高く、触媒として、高い活性を発揮できる。なお、該モル比が小さすぎるとZSM−5型ゼオライトを得ることが困難であり、得られたとしても結晶度が低く、触媒として用いても充分な活性が得られない場合がある。SiO2/Al2O3モル比が大きすぎると、ZSM−5型ゼオライトとならない。
通常、ZSM−5型ゼオライトの合成には、有機構造規程剤(有機テンプレートともいう)としてテトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイド(TAAH)、あるいは界面活性剤等が用いられる。この様な有機構造規程剤を用いない場合は通常ZSM−5型ゼオライトを得ることが困難である。別途、これら有機構造規程剤を用いる代わりにNaCl等の鉱化剤を大量に用いると通常ZSM−5型ゼオライトが得られるが、粒子の大きさが大きくなりすぎて触媒に用いた場合に活性、選択性が不充分になる場合があった。
アスペクト比が1となるのは粒状の粒子であり、従ってアスペクト比が1未満のものは無く、アスペクト比が大きすぎると、流動触媒として用いた場合、耐摩耗性が不充分となる場合がある。
棒状ZSM−5型ゼオライト粒子は、平均長軸長さが0.5〜2.5μm、さらには0.8〜2.0の範囲にあり、平均短軸長が0.25〜1μm、さらには0.4〜0.8μmの範囲にあることが好ましい。
つぎに、本発明に係るZSM−5型ゼオライト粒子の製造方法について説明する。
本発明に係るZSM−5型ゼオライト粒子の製造方法は、下記の工程(a)〜(e)からなることを特徴としている。
(a)アルミン酸アルカリ水溶液と珪酸アルカリ水溶液と水酸化アルカリ水溶液と水とを混合して下記酸化物組成範囲の透明性アルミノシリケート溶液を調製する。
M2O/Al2O3=13〜20(Mはアルカリ金属を示す)
SiO2/Al2O3 =12〜18
H2O/Al2O3 =150〜400
(いずれも、Al2O3を1モルとした時のモル比)
このとき、アルミン酸ナトリウムを水酸化アルカリで溶解して水酸化アルカリ・アルミン酸ナトリウム混合水溶液を調製して用いることが好ましい。
M2O/Al2O3 モル比はより好ましくは14〜18の範囲にある。この範囲にあると、透明性アルミノシリケート溶液の透明性が高く、ゲル状粒子が存在せず、高い結晶性のZSM−5型ゼオライト粒子が得られる。なお、M2O/Al2O3モル比が小さ過ぎると、透明性アルミノシリケート溶液の透明性が低く、大きなゲル状粒子が残存することがあり、このような透明性アルミノシリケート溶液を用いて結晶化を行っても所望のZSM−5型ゼオライト粒子が得られないことがある。M2O/Al2O3モル比が大きすぎても透明性はあるもののZSM−5型ゼオライト粒子が得られないことがある。
(b)SiO2/Na2Oモル比が1〜5の範囲にある珪酸アルカリ水溶液を、透明性アルミノシリケート溶液のSiO2を1モルとしたときに珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル比が0.5〜3、好ましくは1〜3となる範囲で混合する。
珪酸アルカリ水溶液のSiO2/Na2Oモル比は前記範囲にあれば、本発明のZSM−5型ゼオライトの合成に好適に用いることができる。
(c)ついで、下記モル比範囲となるように硫酸水溶液を混合して混合ヒドロゲルスラリーを調製する。
M2O/Al2O3 =2〜5 (Mはアルカリ金属を示す)
SiO2/Al2O3 =18〜1000
H2O/Al2O3 =300〜2000
M2SO4/Al2O3 =15〜30
(Al2O3を1モルとした)
混合ヒドロゲルスラリーのM2O/Al2O3 モル比の好ましい範囲は2.2〜4.0である。混合ヒドロゲルスラリーのSiO2/Al2O3 モル比のより好ましい範囲は20〜800である。なお、M2O/Al2O3 モル比およびSiO2/Al2O3モル比が前記範囲にあると、結晶性が高いゼオライトが得られる。また、M2O/Al2O3モル比およびSiO2/Al2O3 モル比が低すぎると、結晶化に長時間を要したり、場合によっては結晶度が不充分となる場合がある。また、M2O/Al2O3モル比およびSiO2/Al2O3モル比が高すぎても、ZSM−5型ゼオライト粒子が得られないことがある。
前記工程(c)についで、下記工程(d)を行うことが好ましい。
(d)0〜50℃、好ましくは10〜40℃で1〜100時間熟成する。熟成温度が前記範囲にあれば、再現性よく粒状または棒状のZSM−5型ゼオライト粒子が得られる。
(e)120〜300℃、好ましくは140〜250℃で5〜200時間、水熱処理する。
本発明の製造方法により得られるZSM−5型ゼオライト粒子は上記した特性を有する。かかるZSM−5型ゼオライト粒子は、各種樹脂成形体のフイラー、各種ガスおよび液などの分離膜、燃料電池などの電解質膜およびメンブランリアクターなどの用途に用いることができ、また、炭化水素の吸着・分離剤、炭化水素(特にn−パラフィン)のクラッキング触媒、異性化触媒あるいは触媒担体として有用である。
本発明に係るZSM−5型ゼオライト粒子の製造方法において、上記のように、調製時の各成分のモル比を値を特定の範囲とすることで、有機構造規程剤(有機テンプレート)を全く使用することなくZSM−5型ゼオライトが生成する。また、結晶化時間を短縮する、結晶度を向上させる、粒子の大きさを変更する等の目的で少量の有機構造規程剤を使用することは可能であり、これを排除するものではない。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
[実施例1]
透明性アルミノシリケート溶液(S1)の調製
Al2O3濃度22wt%、Na2O濃度17wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液51gを、濃度42wt%の水酸化ナトリウム水溶液211gに撹拌しながら加えて溶解し、30℃まで冷却した。この溶液を、撹拌しながらSiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液413gに撹拌しながら添加した。このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al2O3=16
SiO2/Al2O3=15
H2O/Al2O3=230
であった。ついで、この溶液を35℃で15時間静置して熟成し透明性アルミノシリケート溶液(S1)を調製した。
SiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液550gに水11gと、前記透明性アルミノシリケート溶液(S1)675gを加え攪拌混合した。このとき、珪酸ナトリウム水溶液のSiO2のモル数と透明性アルミノシリケート溶液(S1)のSiO2のモル数との比は1.33であった。
これに濃度25wt%の硫酸水溶液846gを加え、室温で3時間攪拌熟成して、混合ヒドロゲルスラリー(M1)を調製した。
Na2O/Al2O3=2.60
SiO2/Al2O3=35.0
H2O/Al2O3=920
Na2SO4/Al2O3=19.6
であった。
混合ヒドロゲルスラリー(M1)をオートクレーブに充填し、170℃で50時間、撹拌しながら水熱処理を行った。その後、70℃まで冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5型ゼオライト(1)を合成した。
結晶化度=H/H0×100(%)
Na型ZSM−5(2)の合成
実施例1において、水熱処理を150℃で100時間行った以外は同様にしてNa型ZSM−5(2)を合成した、
Na型ZSM−5(2)について、結晶形、結晶化度、SiO2/Al2O3モル比、Na2O/Al2O3モル比、比表面積および平均粒子径等を測定し、結果を表1に示した。
Na型ZSM−5(3)の合成
実施例1において、水熱処理を200℃で40時間行った以外は同様にしてNa型ZSM−5(3)を合成した、
Na型ZSM−5(3)について、結晶形、結晶化度、SiO2/Al2O3モル比、Na2O/Al2O3モル比、比表面積および平均粒子径等を測定し、結果を表1に示した。
混合ヒドロゲルスラリー(M2)の調製
SiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液450gに水26gと、実施例1と同様にして調製した透明性アルミノシリケート溶液(S1)736g を加え攪拌混合した。このとき、珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル数と透明性アルミノシリケート溶液(S1)のSiO2のモル数との比は1.0であった。
これに濃度25wt%の硫酸水溶液849gを加え、室温で3時間攪拌熟成して、混合ヒドロゲルスラリー(M2)を調製した。
Na2O/Al2O3=2.6
SiO2/Al2O3=30
H2O/Al2O3=840
Na2SO4/Al2O3=18.1
であった。
混合ヒドロゲルスラリー(M2)をオートクレーブに充填し、170℃で40時間、攪拌しながら水熱処理を行った後、冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5(4)を合成した。
Na型ZSM−5(4)について、結晶形、結晶化度、SiO2/Al2O3モル比、Na2O/Al2O3モル比、比表面積および平均粒子径等を測定し、結果を表1に示した。
混合ヒドロゲルスラリー(M3)の調製
SiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液780gに水27gと、実施例1と同様にして調製した透明性アルミノシリケート溶液(S1)478g を加え攪拌混合した。このとき、珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル数と透明性アルミノシリケート溶液(S1)のSiO2のモル数との比は2.68であった。
このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al2O3=2.6
SiO2/Al2O3=55
H2O/Al2O3=1280
Na2SO4/Al2O3=25.8 、
であった。
混合ヒドロゲルスラリー(M3)をオートクレーブに充填し、170℃で60時間、攪拌しながら水熱処理を行った後、冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5(5)を合成した。
Na型ZSM−5(5)について、結晶形、結晶化度、SiO2/Al2O3モル比、Na2O/Al2O3モル比、比表面積および平均粒子径等を測定し、結果を表1に示した。
透明性アルミノシリケート溶液(S2)の調製
Al2O3濃度22wt%、Na2O濃度17wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液51gを、濃度35.9wt%の水酸化ナトリウム水溶液197.6gに撹拌しながら加えて溶解し、30℃まで冷却した。この溶液を、撹拌しながらSiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液413gに撹拌しながら添加した。このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al2O3=14
SiO2/Al2O3=15
H2O/Al2O3=230
であった。
ついで、この溶液を35℃で15時間静置して透明性アルミノシリケート溶液(S2)を調製した。
ついで、SiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液550gに水111gと、前記透明性アルミノシリケート溶液(S2)661gを加え攪拌混合した。このとき、珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル数と透明性アルミノシリケート溶液(S2)のSiO2のモル数との比は1.33であった。これに濃度25wt%の硫酸水溶液759gを加え、室温で3時間攪拌熟成して、混合ヒドロゲルスラリー(M4)を調製した。
Na2O/Al2O3=2.60
SiO2/Al2O3=35.0
H2O/Al2O3=920
Na2SO4/Al2O3=17.6
であった。
混合ヒドロゲルスラリー(M4)をオートクレーブに充填し、170℃で60時間、攪拌しながら水熱処理を行った後、冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5(6)を合成した。
Na型ZSM−5(6)について、結晶形、結晶化度、SiO2/Al2O3モル比、Na2O/Al2O3モル比、比表面積および平均粒子径等を測定し、結果を表1に示した。
透明性アルミノシリケート溶液(S3)の調製
Al2O3濃度22wt%、Na2O濃度17wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液51gを、濃度47.2wt%の水酸化ナトリウム水溶液224.9gに撹拌しながら加えて溶解し、30℃まで冷却した。この溶液を、撹拌しながらSiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液413gに撹拌しながら添加した。このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al2O3=18
SiO2/Al2O3=15
H2O/Al2O3=230
であった。
ついで、この溶液を35℃で15時間静置して透明性アルミノシリケート溶液(S3)を調製した。
得られた、SiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液550gに、水10gと、前記透明性アルミノシリケート溶液(S3)688gを加え攪拌混合した。このとき、珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル数と透明性アルミノシリケート溶液(S3)のSiO2のモル数との比は1.33であった。
このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al2O3=2.60
SiO2/Al2O3=35.0
H2O/Al2O3=970
Na2SO4/Al2O3=21.6
であった。
混合ヒドロゲルスラリー(M7)をオートクレーブに充填し、170℃で60時間、攪拌しながら水熱処理を行った後、冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5(7)を合成した。
Na型ZSM−5(7)について、結晶形、結晶化度、SiO2/Al2O3モル比、Na2O/Al2O3モル比、比表面積および平均粒子径等を測定し、結果を表1に示した。
透明性アルミノシリケート溶液(RS1)の調製
Al2O3濃度22wt%、Na2O濃度17wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液51gを、濃度21.0wt%の水酸化ナトリウム水溶液170.3gに撹拌しながら加えて溶解し、30℃まで冷却した。この溶液を、撹拌しながらSiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液413gに撹拌しながら添加した。このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al2O3=10
SiO2/Al2O3=15
H2O/Al2O3=230
であった。
ついで、この溶液を35℃で15時間静置して透明性アルミノシリケート溶液(RS1)を調製した。
ついで、SiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液650gに水16gと、前記透明性アルミノシリケート溶液(RS1)749gを加え攪拌混合した。このとき、珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル数と透明性アルミノシリケート溶液(RS1)のSiO2のモル数との比は1.33であった。
このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al2O3=2.60
SiO2/Al2O3=35.0
H2O/Al2O3=770
Na2SO4/Al2O3=13.6
であった。
混合ヒドロゲルスラリー(RM1)をオートクレーブに充填し、170℃で60時間、攪拌しながら水熱処理を行った後、冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5(R1)を合成した。
Na型ZSM−5(R1)について、結晶形、結晶化度、SiO2/Al2O3モル比、Na2O/Al2O3モル比、比表面積および平均粒子径などを測定し、結果を表1に示した。
透明性アルミノシリケート溶液(RS2)の調製
Al2O3濃度22wt%、Na2O濃度17wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液51gを、濃度45.4wt%の水酸化ナトリウム水溶液311.6gに撹拌しながら加えて溶解し、30℃まで冷却した。この溶液を、撹拌しながらSiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液413gに撹拌しながら添加した。このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al2O3=22
SiO2/Al2O3=15
H2O/Al2O3=260
であった。
ついで、この溶液を35℃で15時間静置して透明性アルミノシリケート溶液(RS2)を調製した。
ついで、SiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液500gに水8gと、前記透明性アルミノシリケート溶液(RS2)705gを加え攪拌混合した。
Na2O/Al2O3=2.60
SiO2/Al2O3=35.0
H2O/Al2O3=1100
Na2SO4/Al2O3=25.6
であった。
混合ヒドロゲルスラリー(RM2)をオートクレーブに充填し、170℃で60時間、攪拌しながら水熱処理を行った後、冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5(R2)を合成した。
Na型ZSM−5(R2)について、結晶形、結晶化度、SiO2/Al2O3モル比、Na2O/Al2O3モル比、比表面積および平均粒子径などを測定し、結果を表1に示した。
透明性アルミノシリケート溶液(RS3)の調製
Al2O3濃度22wt%、Na2O濃度17wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液79gを、濃度42wt%の水酸化ナトリウム水溶液327gに撹拌しながら加えて溶解し、30℃まで冷却した。この溶液を、撹拌しながらSiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液638gに撹拌しながら添加した。このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al2O3=16
SiO2/Al2O3=15
H2O/Al2O3=230
であった。
ついで、この溶液を35℃で15時間静置して透明性アルミノシリケート溶液(RS3)を調製した。
ついで、SiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液85gに水23gと、前記透明性アルミノシリケート溶液(RS3)1043gを加えて攪拌混合した。このとき、珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル数と透明性アルミノシリケート溶液(RS3)のSiO2のモル数との比は0.13であった。
このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al2O3=2.60
SiO2/Al2O3=17.0
H2O/Al2O3=610
H2SO4/Al2O3=14.0
であった。
混合ヒドロゲルスラリー(RM3)をオートクレーブに充填し、170℃で40時間、撹拌しながら水熱処理を行った。その後、70℃まで冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5(R3)を合成した。
Na型ZSM−5(R3)について結晶形を測定したが、モルデナイト型ゼオライトが混晶していた。従って、その他の物性は測定しなかった。
透明性アルミノシリケート溶液(RS4)の調製
Al2O3濃度22wt%、Na2O濃度17wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液26gを、濃度42wt%の水酸化ナトリウム水溶液105.6gに撹拌しながら加えて溶解し、30℃まで冷却した。この溶液を、撹拌しながらSiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液206gに撹拌しながら添加した。このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al2O3=16
SiO2/Al2O3=15
H2O/Al2O3=230
であった。
ついで、この溶液を35℃で15時間静置して透明性アルミノシリケート溶液(RS4)を調製した。
ついで、SiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液1361gに水29gと、前記透明性アルミノシリケート溶液(RS4)34gを加え攪拌混合した。このとき、珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル数と透明性アルミノシリケート溶液(RS4)のSiO2のモル数との比は66.0であった。これに濃度25wt%の硫酸水溶液692gを加え、室温で3時間攪拌熟成して、混合ヒドロゲルスラリー(RM4)を調製した。
Na2O/Al2O3=2.60
SiO2/Al2O3=1005
H2O/Al2O3=18000
Na2SO4/Al2O3=320.8
であった。
混合ヒドロゲルスラリー(RM4)をオートクレーブに充填し、170℃で50時間、攪拌しながら水熱処理を行った。その後、70℃まで冷却し、生成物を取り出し濾過、洗浄、乾燥してNa型ZSM−5(R4)を合成した。
Na型ZSM−5(R4)について結晶形を測定したが、無定型であった。従って、その他の物性は測定しなかった。
Na型ZSM−5(R5)の合成
Al2O3濃度22wt%、Na2O濃度17wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液27.8gを水391.4gで稀釈し、これをSiO2濃度24wt%、Na2O濃度7.7wt%の珪酸ナトリウム水溶液525.0gと水138.2gの稀釈珪酸ナトリウム水溶液に添加し、均一溶液とした。(A液)
別途、濃度11.2wt%の塩酸水溶液59.7gを準備した。(B液)
つぎに、濃度12.3wt%の塩化ナトリウム水溶液970.3gを調製し、撹拌しながらA液およびB液を添加し、水性反応混合物を調製した。
Na2O/Al2O3=2.6
SiO2/Al2O3=35.0
H2O/Al2O3=1830
HCl/Al2O3=9.5
NaCl/Al2O3=34.0
であった。
Na型ZSM−5(R6)の合成
SiO2濃度20wt%のシリカゾル(日揮触媒化成社製:SI−550)水溶液1500gを水472gで稀釈し、これに濃度40wt%のテトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド190gを添加し、均一溶液とした。この溶液を撹拌しながらAl2O3濃度22wt%、Na2O濃度17wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液23.2gを添加し、水性反応混合物を調製した。
Na2O/Al2O3=5.1
SiO2/Al2O3=100
H2O/Al2O3=2000
TPAOH/Al2O3=7.5
であった。
Claims (6)
- SiO2、Al2O3およびM2O(Mはアルカリ金属を示す)からなり、SiO2/Al2O3モル比が15〜800の範囲にあり、M2O/Al2O3モル比が1±0.2の範囲にあり、アスペクト比が1〜2.5の範囲にある粒状粒子または棒状粒子であり、かつ、有機構造規程剤を使用することなく得られたものであることを特徴とするZSM−5型ゼオライト粒子。
- 前記粒状粒子の平均粒子径が0.5〜2.5μmの範囲にあり、前記棒状粒子の平均長軸長さが0.5〜2.5μmの範囲にあり、平均短軸長さが0.25〜1μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のZSM−5型ゼオライト粒子。
- 下記の工程(a)〜(e)からなることを特徴とするZSM−5型ゼオライト粒子の製造方法。
(a)アルミン酸アルカリ水溶液と珪酸アルカリ水溶液と水酸化アルカリ水溶液とを混合して下記酸化物組成範囲の透明性アルミノシリケート溶液を調製する工程
M2O/Al2O3=13〜20 (Mはアルカリ金属を示す)
SiO2/Al2O3=12〜18
H2O/Al2O3=150〜400
(Al2O3を1モルとした)
(b)得られた透明性アルミノシリケート溶液に、さらにSiO2/Na2Oモル比が1〜5の範囲にある珪酸アルカリ水溶液を、透明性アルミノシリケート溶液のSiO21モルに対し、珪酸アルカリ水溶液のSiO2のモル比が0.5〜3となる範囲で混合する工程
(c)ついで、下記モル比範囲となるように硫酸水溶液を混合して混合ヒドロゲルスラリーを調製する工程
M2O/Al2O3=2〜5 (Mはアルカリ金属を示す)
SiO2/Al2O3=18〜1000
H2O/Al2O3=300〜2000
M2SO4/Al2O3=15〜30
(Al2O3を1とした)
(e)混合ヒドロゲルスラリーを120〜300℃で5〜200時間、水熱処理する工程 - 前記透明性アルミノシリケート溶液を、前記工程(b)で珪酸アルカリ水溶液と混合する前に0〜50℃で1〜1000時間熟成することを特徴とする請求項3に記載のZSM−5型ゼオライト粒子の製造方法。
- 前記工程(c)についで、下記工程(d)を行うことを特徴とする請求項3または4に記載のZSM−5型ゼオライト粒子の製造方法。
(d)0〜50℃で1〜100時間熟成する工程 - 製造されるZSM−5型ゼオライト粒子が、SiO2、Al2O3およびM2Oからなり、有機構造規程剤(有機テンプレート)を含まず、SiO2/Al2O3モル比が15〜800の範囲にあり、M2O/Al2O3モル比が1±0.2の範囲にあり、平均粒子径が0.1〜5μmの範囲にあることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のZSM−5型ゼオライト粒子の製造方法。
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