JPH05310415A - ゼオライト微粒子体の製造方法 - Google Patents

ゼオライト微粒子体の製造方法

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JPH05310415A
JPH05310415A JP4141131A JP14113192A JPH05310415A JP H05310415 A JPH05310415 A JP H05310415A JP 4141131 A JP4141131 A JP 4141131A JP 14113192 A JP14113192 A JP 14113192A JP H05310415 A JPH05310415 A JP H05310415A
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JP
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slurry
ray diffraction
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water
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JP4141131A
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Hiroshi Ishida
浩 石田
Koji Nakagawa
幸治 中川
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B39/00Compounds having molecular sieve and base-exchange properties, e.g. crystalline zeolites; Their preparation; After-treatment, e.g. ion-exchange or dealumination
    • C01B39/02Crystalline aluminosilicate zeolites; Isomorphous compounds thereof; Direct preparation thereof; Preparation thereof starting from a reaction mixture containing a crystalline zeolite of another type, or from preformed reactants; After-treatment thereof
    • C01B39/36Pentasil type, e.g. types ZSM-5, ZSM-8 or ZSM-11
    • C01B39/38Type ZSM-5
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S423/00Chemistry of inorganic compounds
    • Y10S423/22MFI, e.g. ZSM-5. silicalite, LZ-241

Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種吸着剤や触媒として有用なZSM−5類
の微粒子体を再現性よく、簡便な方法で製造することを
目的とする。 【構成】 次の2工程からなるZSM−5類微粒子体の
製造法である。 1) 水熱合成途中のスラリーを原料混合物に加えて、
スラリー中の固形物の乾燥後のX線回折パターンが少な
くとも表1に示す面間距離のピークを含み、窒素吸着B
ET表面積が100〜200m2 /gである前駆スラリ
ーを合成する工程。 2) 1)で得られた前駆スラリーを原料混合物に加え
て製品スラリーを合成する工程。 【効果】 前駆スラリー合成における結晶化速度の良好
な再現性が得られ、結果として前駆スラリーの物性制御
が容易になる。それによって、ZSM−5類の微粒子体
製造を再現性良く簡便な方法で行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸着剤、触媒として有
用なゼオライト微粒子体の改良された製造法に関するも
のである。さらに詳しくは、表1に示す特徴的な面間距
離のピークを含むX線回折パターンを有するZSM−5
類のゼオライトの製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ZSM−5は、モービルオイル社によっ
て開発された合成ゼオライトであり(米国特許3,70
2,886号明細書参照)、当初は、シリカ、アルミ
ナ、アルカリ金属、テトラプロピルアンモニウム塩、お
よび水からなる原料混合物から結晶化させることによっ
て合成されていた。その後、高価なテトラプロピルアン
モニウム塩の代わりに、安価なアルコール(特開昭52
−43800号公報参照)、低級アルキル尿素(特開昭
61−68319号公報参照)、アミノアルコール(特
開昭57−7818号公報参照)等を用いる方法が提案
されている。
【0003】さらに、高価な有機鉱化剤の使用量を減ら
すために種結晶を用いる方法(米国特許4,175,1
14号明細書参照)や、有機鉱化剤の代わりに種結晶を
用いる方法(特公昭61−59246号公報参照)、種
結晶を用いる連続的な製造法(特開昭60−71519
号公報、特開昭60−77123号公報参照)等が提案
されている。
【0004】一方、微粒子体のZSM−5を製造する方
法としては、結晶化の際に強攪拌する方法(特開昭56
−54222号公報参照)、結晶化前に90〜110℃
の温度に数日間保って熟成する方法(特開昭50−53
35号公報参照)が提案されている。また、特開昭61
−58812号公報には、有機カチオンを含まない原料
混合物を結晶化させることによって得られたある特定の
X線回折パターンを有する結晶性アルミノシリケート粉
末を種結晶として用い、有機カチオンの存在する系で微
粒子のZSM−5を合成する方法が提案されている。
【0005】さらに、本出願人は、特開昭63−315
512号公報により、有機物として低級アルキル尿素を
用いる系において、低結晶化度のZSM−5前駆スラリ
ーを用いる微粒子のZSM−5の製造法を開示してい
る。また、同じく本出願人は、特開平1−180835
号公報により、有機物を用いない系において、結晶化途
中のZSM−5スラリーを前駆スラリーとして用いる微
粒子のZSM−5の合成法についても開示している。
【0006】また、近年、以下に示すZSM−5類似の
ゼオライトが数多く報告されている。 ZSM−8(ドイツ特許2,049,755号明細書参
照) ZETA−1(ドイツ特許2,548,697号明細書
参照) ZETA−3(英国特許1,553,209号明細書参
照) NU−4(ドイツ特許3,268,503号明細書参
照) NU−5(ドイツ特許3,169,606号明細書参
照) TZ−01(米国特許4,581,216号明細書参
照) Crystalline aluminosilicate (米国特許4,954,
326号明細書参照) TRS(ドイツ特許2,924,870号明細書参照) MB−28(欧州特許21,445号明細書参照) TSZ(特開昭58−45111号明細書参照) AZ−1(欧州特許113,116号明細書参照)
【0007】これらのゼオライトは、X線回折パターン
が微妙にZSM−5と異なるが、すべて表1に示すZS
M−5特有の特徴的な面間距離の回折ピークを有してお
り、ZSM−5類と呼ばれている。これらのZSM−5
類似ゼオライトの微粒子体の製造法に関する報告はほと
んどなく、わずかに、特公平3−57049号に、ある
特定の原料組成範囲で約0.1〜2μのTSZゼオライ
トを合成する方法が記載されているだけである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、種結晶
を用いる方法は、高価な有機鉱化剤の使用量を減らすこ
とが目的であり、微粒子体のZSM−5を得ることは困
難であった。一方、微粒子体を得るために、強攪拌をす
る方法や結晶化前に熟成する方法も工程が煩雑であり、
再現性が得られ難いと言う問題があった。また、特定の
X線回折パターンを有する結晶性アルミノシリケート粉
末を種結晶として用いる方法は、粉末を分離する煩雑さ
があった。
【0009】さらに、本出願人が開示した前駆スラリー
を用いる方法は、操作の容易さ、微粒子が得られるとい
う点で優れた方法であるが、前駆スラリーの結晶化速度
の再現性が出難いため、結晶化度を制御することが極め
て困難であった。その結果として、微粒子体のZSM−
5合成の再現性も得られ難いという問題があった。ま
た、ある特定の原料組成範囲で約0.1〜2μのTSZ
ゼオライトを製造する方法は、1μ程度の粒子を製造す
るには適しているが、さらに小さい粒子を製造する際に
は、再現性が出難いと言う問題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、シリカ源、ア
ルミナ源、アルカリ金属源と水を含む混合物から、X線
回折パターンが、少なくとも表1に示す面間距離のピー
クを含むゼオライト微粒子体を製造する際に、水熱合成
途中のスラリーを原料混合物に加えて結晶化させること
によって、スラリー中の固形物の乾燥後のX線回折パタ
ーンが少なくとも表1に示す面間距離のピークを含み、
窒素吸着BET表面積が100〜200m2 /gの前駆
スラリーが再現性よく得られ、しかも、この前駆スラリ
ーを原料混合物に加えて製品スラリーを合成することに
よって、X線回折パターンが少なくとも表1に示す面間
距離のピークを含むゼオライトの微粒子体が極めて再現
性よく合成できることを見いだし、本発明を完成するに
至った。
【0011】すなわち、本発明は、シリカ源、アルミナ
源、アルカリ金属源と水を含む混合物から、X線回折パ
ターンが、少なくとも表1に示す面間距離のピークを含
むゼオライト微粒子体を製造する方法において、先ず、
水熱合成途中のスラリーを原料混合物に加えて、スラリ
ー中の固形物の乾燥後のX線回折パターンが少なくとも
表1に示す面間距離を含み、窒素吸着BET表面積が1
00〜200m2 /gである前駆スラリーを合成し、次
いで、該前駆スラリーを原料混合物に加えて製品スラリ
ーを合成することを特徴とするゼオライト微粒子体の製
造法に関するものである。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
目的とするのは、ZSM−5類の微粒子体の製造であ
る。ここで言うZSM−5類とは、X線回折パターンが
少なくとも表1に示す面間距離のピークを含むゼオライ
トである。この表1のピークは、ZSM−5類特有の回
折ピークであり、その他のピークが、それぞれ微妙に異
なっていても本発明の対象とするZSM−5類に含まれ
る。例えば、先の従来技術の項に記載されているZSM
−8、ZETA−1、NU−4、NU−5、TZ−0
1、TSZ等は、表1に記載されている面間距離d=
3.85±0.07Åのメインピークがダブルピークで
記載されているが、このようなゼオライトも本発明に含
まれる。
【0013】本発明に含まれるZSM−5類としては、
例えば ZSM−5(米国特許3,702,886号明細書参
照) ZSM−8(ドイツ特許2,049,755号明細書参
照) ZETA−1(ドイツ特許2,548,697号明細書
参照) ZETA−3(英国特許1,553,209号明細書参
照) NU−4(ドイツ特許3,268,503号明細書参
照) NU−5(ドイツ特許3,169,606号明細書参
照) TZ−01(米国特許4,581,216号明細書参
照) Crystalline aluminosilicate (米国特許4,954,
326号明細書参照) TRS(ドイツ特許2,924,870号明細書参照) MB−28(欧州特許21,445号明細書参照) TSZ(特開昭58−45111号明細書参照) AZ−1(欧州特許113,116号明細書参照) 等が挙げられる。
【0014】本発明における微粒子体とは、走査型電子
顕微鏡で見た一次粒子の粒径が1μm以下、好ましくは
0.5μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下のも
のを言う。これら一次粒子の形状は種々のものがある
が、ここで言う粒径とは、粒子の中央部で最も幅の狭い
ところの径を言う。例えば、図19のような米粒状の粒
子の場合は、楕円球としてとらえた短軸の長さを言い、
この場合は約0.05μmである。図23のような球状
の粒子の場合は、その直径を言い、この場合は約12μ
mである。また、板状の粒子の場合は、当然、板の厚み
を言う。これらの一次粒子は、単独で存在しても、二次
凝集していてもかまわない。ただし、ここで言う微粒子
体とは、上記の粒径を持つ粒子が少なくとも全体の50
重量%以上あるものを言う。さらに、粒子によっては、
大きな粒子の表面に凹凸があるのか、一次粒子が凝集し
ているのかが、走査型電子顕微鏡写真からは判断できな
い場合もある。この場合、微粒子体とは、H型にした場
合の全酸点に対する外表面酸点の割合が0.03以上、
好ましくは0.05以上、さらに好ましくは0.1以上
のものを指す。この全酸点に対する外表面酸点の割合を
測定する方法は、以下の方法による。
【0015】〔酸点測定方法〕まず、酸点を測定する前
に、本発明で得られたゼオライトをH型にする必要があ
る。ゼオライトをH型にする方法は、合成系に有機物を
用いるか、あるいは用いないか、また、有機物を用いる
場合も有機物の種類によって種々の方法があるが、ここ
では以下の方法によってH型にする。本発明の方法で得
られたスラリーを濾過した後に5倍量の水で水洗する。
合成系で有機物を用いる場合は、得られたケークを12
0℃で8時間乾燥した後、500℃で6時間空気流通下
に焼成を行い、有機物を除去した後、1規定の硝酸中に
加えて10重量%スラリーとし、60℃で4時間イオン
交換を行い、そのスラリーを濾過し、さらに5倍量の水
で水洗した後、120℃で10時間乾燥して、H型のゼ
オライトとする。
【0016】また、合成系に有機物を用いない場合は、
濾過水洗して得られたケークを直接1規定の硝酸に加
え、以下上記と同じ方法でH型とする。このようにして
得られたH型のゼオライトの酸点を以下の方法で測定す
る。〔参考文献;触媒、vol.25,p461(19
83)〕酸点の測定装置としては、島津製作所製ガスク
ロマトグラフGC−7Aおよびデータ処理装置CR−1
Aを用いた。すなわち、内径4mm、全長80mmのSUS
製短カラムへ試料(0.2〜1g)を充填し、前記ガス
クロマトグラフ装置の恒温槽内の試料側流路へ取り付け
る。キャリヤガスとしてヘリウムガスを50ミリリット
ル/分の流速で流し、同時に恒温槽内の温度を325℃
に設定する。次に、アミン(ピリジン、4−メチルキノ
リン)の一定量(0.2〜2マイクロリットル)をマイ
クロシリンジを用いて、試料側流路の注入口へ一定期間
(2〜5分)をおいて断続的に注入し続ける。
【0017】一方、充填カラムを通ったキャリヤガス
は、FID型検出器を用いて分析し、周期的にピークが
現れる経時的なアミン濃度変化のクロマトグラムを得
る。注入回数の増加と共に試料に対するアミン吸着量が
飽和に近づき、それに伴って非吸着アミン量が増加す
る。したがって、前記クロマトグラムにおいて、アミン
の第i回の注入に対応するピーク面積Siは、次第に注
入したアミンの量に対応した面積So に近づく。試料単
位重量当りのアミン吸着量Ao(μmol /g)は、下記
数1によって求めることができる。
【0018】
【数1】
【0019】本発明においては、Si/So>0.98
となるような第n回の注入まで繰り返し注入を行い、下
記数2によりアミン吸着量A(μmol /g)を算出し
た。
【0020】
【数2】
【0021】本発明における全酸点とは、アミンとして
ピリジンを用いて測定した場合のピリジン吸着量で表
し、外表面酸点としては、アミンとして4−メチルキノ
リンを用いて測定した場合の4−メチルキノリン吸着量
で表される。本発明中の水熱合成途中のスラリーとは、
前駆スラリー合成の結晶化速度の制御のために加えられ
るものであり、また、前駆スラリーとは、製品スラリー
合成において、ZSM−5の結晶化を促進し、かつ、微
粒子体を生成させる目的で加えられるものである。そし
て、この水熱合成途中のスラリーと前駆スラリーは、同
じものであってもよい。ここで言うスラリーとは、濾過
分離して得られる含水ケークを、120℃で8時間乾燥
した後の乾燥物の重量から求められるスラリー濃度が1
〜50重量%のものを言う。
【0022】本発明中の前駆スラリーの合成の際に加え
られる水熱合成途中のスラリーとは、ZSM−5類の結
晶化途中のスラリーである。ここで言う結晶化途中と
は、完全な非晶質でもなく、また、完全な結晶でもない
と言う意味である。このような状態は、スラリー中の固
形物の乾燥後のX線回折パターンから判断できる。完全
な非晶質とは、X線回折パターン中に結晶特有の鋭い回
折ピークが全く観測されない状態を言い、また、完全な
結晶とは、ゼオライトの結晶化の際に、経時的にスラリ
ーを抜き出し、スラリー中の固形物のX線回折分析を行
った際に、回折ピーク強度の増加がほとんど止まった状
態を言う。
【0023】また、ゼオライトの結晶化の状態を判断す
るもう一つの方法として、窒素吸着BET表面積があ
る。このBET表面積とは、ブルナウアー、エメット、
テラーによって導かれた多分子層吸着等温式から求めら
れる表面積である〔JACS60、309(1938)
参照〕。この方法は、多孔性物質の表面積の測定法とし
て最も一般的な方法である。先に述べた完全な非晶質の
BET表面積は、およそ100m2 /g未満であり、ま
た、完全な結晶のBET表面積は、ZSM−5類の場
合、およそ250m2/g以上である。
【0024】本発明中の前駆スラリーの合成の際に加え
られる水熱合成途中のスラリーのBET表面積は、10
0〜250m2 /gの範囲であり、さらに好ましくは1
00〜200m2 /gの範囲である。最も好ましい実施
態様は、生成した前駆スラリーの一部をリサイクルして
使用することである。このような水熱合成途中のスラリ
ーを、原料混合物に加えて前駆スラリーを合成すること
の利点は、結晶化の速度の再現性が極めて良くなるため
に、前駆スラリーを目的のBET表面積の範囲に入れる
ための物性制御が容易になり、極めて良い再現性が得ら
れることである。
【0025】次に、本発明中の製品スラリーの合成の際
に原料混合物に加えられる前駆スラリーの物性は、先に
述べたごとく、スラリー中の固形物の乾燥後のX線回折
パターンが少なくとも表1に示す面間距離のピークを含
み、窒素吸着BET表面積が100〜200m2 /gで
ある必要がある。このBET表面積が100m2 /g未
満でX線回折的にもほとんど非晶質である場合は、結晶
化速度が遅く、生成する粒子も不均一となり好ましくな
い。また、BET表面積が200m2 /gを超える場合
も、やはり結晶化の速度が遅くなり、しかも、生成する
粒子が数μmから数十μmと大きくなり、先に述べた全
酸点に対する外表面酸点の割合も0.03未満となり好
ましくない。特に、従来、種結晶として用いられてきた
完全に結晶化した製品は、生成する粒子が大きくなるの
で、本発明では用いることはできない。このように本発
明においては、前駆スラリーの物性が重要である。
【0026】しかし、本発明においては、単ににBET
表面積やX線回折パターンが同じスラリーを用いればよ
いのではなく、先に述べた前駆スラリー合成工程で得ら
れる水熱合成途中のスラリーが必須である。本発明の前
駆スラリー合成工程で得られるスラリー中の固形物は、
単なる非晶質と高結晶性結晶の混合物とは、形態的にも
効果の点でも異なる。図1は、本発明に用いられる前駆
スラリー中の固形物の乾燥後の走査型電子顕微鏡写真の
一例であるが、図から明らかなように、全体が均質一様
な低結晶性の物質であり、表面が滑らかで、丸みのある
物質である。一方、図2は、高結晶性の結晶を結晶化前
の非晶質と混合して、図1のものとほぼ同じBET表面
積にしたものの乾燥後の走査型電子顕微鏡写真の一例で
あるが、図から明らかなように、不均一な単なる非晶質
と結晶の混合物であり、結晶の表面を粒状のゲルが覆っ
ていることが分かる。
【0027】そして、このような非晶質と結晶の混合物
を前駆スラリー合成時の、水熱合成途中のスラリーの代
わりに用いると、結晶の生成速度が極めて遅くなり、し
かも、生成速度の再現性が出難くなるため、前駆スラリ
ー合成時の物性制御が困難となる。また、このような混
合物を、製品スラリー合成時の前駆スラリーとして用い
ると、生成する粒子が不均一になり、効果の点でも大き
く異なる。上記のような物性を持つ水熱合成途中のスラ
リーを前駆スラリー合成時に加えると、なぜ結晶化速度
の制御が容易になるのか、また、製品スラリー合成時に
加えると、なぜ微粒子体が生成するのかはよく分からな
いが、次のように考えられる。
【0028】本発明の前駆スラリーは、おそらく水熱合
成系で一部溶解して、ごく小さな結晶核または結晶の前
駆体を発生させていると考えられる。すなわち、本発明
の前駆スラリーは、造核剤として働いていると考えられ
る。この場合、微粒子を生成させるためには、多くの核
を素早く発生させることが有利である。この点で、結晶
性の高いものを素早く溶解させることが最も有利である
が、実際には、結晶は溶解速度が遅いため、結果として
先に述べたごとく、生成速度が遅くなり、生成する粒子
も大きくなる。一方、溶解速度の点では、非晶質は非常
に早いが、非晶質中には溶解しても核になるものが少な
いため、やはり先に述べたごとく、生成速度が遅くな
り、結晶化の再現性も得られにくい。
【0029】このように考えると、本発明の前駆スラリ
ーは、適度の結晶性を有するため溶解する際の核が多
く、しかも、完全な結晶ほど結晶成長していないため溶
解速度も速く、結果として多量の核が素早く生成するこ
とになるものと考えられる。さらに、本発明の前駆スラ
リーは、スラリー中の固形物だけでなく、溶液中の溶解
成分も重要な役割を果たしていることが、本発明者らの
検討により明らかになった。ここで言う溶解成分とは、
先に述べた20〜50℃でスラリーを濾過分離した際の
濾液中の成分を指すが、驚くべきことに、固形物を除い
た濾液だけでも微粒子化に効果があることが判明した。
おそらく、溶液中にZSM−5類の前駆体的な核が含ま
れているためと考えられるが、さらに驚くべきことに
は、溶液中のSiO2 の濃度が0.5〜5重量%にある
時に、特に本発明の効果が顕著に現れ、さらに、濃度が
1〜3重量%の範囲にある時が好ましいことが判明し
た。以上のごとく、本発明の前駆スラリーは、従来の種
結晶とは明らかに効果の点で異なると考えられる。
【0030】本発明中の前駆スラリー合成時に加えられ
る水熱合成途中のスラリー、および製品合成時に加えら
れる前駆スラリーの量は、特に制限はないが、あまり少
ないと結晶化速度の再現性を高める効果ならびに微粒子
化の効果が小さくなり、また、あまり多いと生産性が低
くなり好ましくない。したがって、本発明においては、
これらのスラリーの添加量は、原料混合物全体の10〜
40重量%の範囲であり、好ましくは15〜37重量%
の範囲であり、さらに好ましくは20〜35重量%の範
囲である。ただし、ここで言う原料混合物とは、加えら
れたスラリーも含む全ての原料混合物を指す。
【0031】本発明の前駆スラリー合成に用いられる水
熱合成途中のスラリーを得る方法としては、例えば、従
来から知られているZSM−5類の合成方法を用いて結
晶化を途中で止める方法も考えられるが、本発明の目的
の一つである前駆スラリー合成の再現性を高めると言う
点からは、先に述べたように、本発明で得られた前駆ス
ラリーの一部をリサイクルして前駆スラリー合成に用い
ることが好ましい。この場合、上記物性を有する前駆ス
ラリーを得る方法としては、水熱合成の途中で結晶化を
止める方法がとられる。
【0032】さらに好ましい実施態様は、前駆スラリー
合成中に経時的にスラリーを少量抜き出し、スラリー中
の固形物のX線回折分析により、結晶化度を経時的に追
っていく方法である。この場合の結晶化度を求める方法
としては、ZSM−5類のX線回折のメインピークであ
る面間距離d=3.85±0.07Åのピーク強度を、
完全に結晶化した製品スラリーを100%基準として相
対的に表す方法が好ましい。この結晶化度は、BET表
面積と相関しているが、X線回折のピーク強度は、結晶
性以外にも、粒子径の影響も受けるためBET表面積と
完全に1対1に対応するわけではない。したがって、こ
の結晶化度は、結晶化を途中で止めるためのおよその目
安として使われる。
【0033】目的とする前駆スラリーのBET表面積を
100〜200m2 /gにするためには、結晶化度をお
よそ5〜60%の範囲に制御することが必要である。さ
らに、前駆スラリーの組成は、上記物性を満足していれ
ば、特に制限はないが、再現性よく連続的にZSM−5
類の微粒子体を製造すると言う点では、前駆スラリーの
組成とそれを加えた原料混合物の組成がほとんど同じで
あることが好ましい。
【0034】本発明における製品スラリーとは、スラリ
ー中の固形物の乾燥後のBET表面積が250m2 /g
以上の高結晶性のZSM−5類のスラリーである。本発
明中の原料混合物は、有機物を含んでいても含んでいな
くてもかまわない。有機物を含む場合には、有機物とし
ては、従来のZSM−5類の合成に用いられているもの
であれば特に制限はないが、例えば、テトラプロピルア
ンモニウム塩等の四級アンモニウム塩、ヘキサメチレン
ジアミン等のジアミン、エタノール、エチレングリコー
ル等のアルコール類、低級アルキル尿素、低級アルキル
チオ尿素等が挙げられる。これらの中で好ましいのは、
低級アルキル尿素および低級アルキルチオ尿素であり、
さらに好ましいのは低級アルキル尿素である。
【0035】一般に、前駆スラリーを用いずにZSM−
5類を合成する場合、有機物を用いない場合は、上記の
ような有機物を用いる場合に比べて、粒子径を小さくす
ることが困難であることが知られている。その点で、本
発明の前駆スラリーの微粒子化の効果は、有機物を用い
ない系でより顕著に現れる。通常、有機物を用いない系
で、前駆スラリーも用いないでZSM−5類を合成した
場合、1μm以下の微粒子体を得ることは極めて困難で
あるが、本発明の方法を用いると1μm以下、さらに
0.1μm以下の微粒子体を得ることが可能になる。本
発明の原料混合物のSiO2 /Al2 3 モル比は、Z
SM−5類が生成する範囲であれば特に制限はないが、
通常20〜500、好ましくは20〜100、さらに好
ましくは25〜40の範囲である。
【0036】本発明に用いられるシリカ源は、通常ゼオ
ライトの製造に用いられるものであれば特に制限はない
が、例えば、ケイ酸ナトリウム水溶液、シリカゾル、シ
リカゲル、有機ケイ酸エステル等が挙げられる。中でも
好ましいのはケイ酸ナトリウム水溶液である。本発明に
用いられるアルミナ源は、通常ゼオライトの製造に用い
られるものであれば特に制限はないが、例えば、硫酸ア
ルミニウム、硝酸アルミニウムの塩、アルミン酸ナトリ
ウム、アルミナ粉末等が挙げられる。なかでも好ましい
のは硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウムであり、
さらに好ましいのは硫酸アルミニウムである。
【0037】本発明に用いられるアルカリ金属源は、通
常、ゼオライトの製造に用いられるものであれば特に制
限はないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等のアルカリ金属水酸化物、塩化ナトリウム、硝酸ナ
トリウム等のアルカリ金属塩等が挙げられる。中でも好
ましいのは水酸化ナトリウムである。本発明における水
の量は、ZSM−5類が生成する範囲であれば特に制限
はないが、あまり少ないと原料混合物がゲル化したとき
に粘度が高くなりすぎて好ましくない。また、あまり多
いと生産性が低下するので好ましくない。通常、水の量
は、結晶化終了後のスラリー濃度で2〜15重量%、好
ましくは3〜10重量%、さらに好ましくは3〜8重量
%になるような量である。
【0038】本発明の原料混合物は、ZSM−5類が生
成するようにpH調整がなされる。このpHは、通常、
10〜12の範囲であり、好ましくは10.5〜12の
範囲である。pH調整を行う場合には、必要に応じて硫
酸、硝酸、塩酸等の酸が加えられる。これらの酸の中で
も好ましいのは硫酸である。これらの酸の量は、上記p
Hの範囲に入るように原料混合物中のアルカリの量との
兼ね合いで決められる。本発明中の最も好ましい原料混
合物の組合せは、シリカ源としてケイ酸ナトリウム水溶
液、アルミナ源として硫酸アルミニウム、アルカリ金属
源として水酸化ナトリウム、pH調整剤として硫酸を用
いる場合である。この場合の原料混合物中の各成分のモ
ル比は、以下の範囲が好ましい。
【0039】
【数3】 さらに好ましい範囲は、以下の範囲である。
【0040】
【数4】
【0041】本発明における水熱合成温度は、一般にZ
SM−5類を合成する温度であれば特に制限はないが、
前駆スラリー合成の温度は、あまり高いと結晶化が速す
ぎて途中で止めることが難しくなるので、通常、100
〜180℃、好ましくは120〜170℃、さらに好ま
しくは130〜170℃の範囲である。また、製品スラ
リーの合成の際の温度は、通常、100〜200℃、好
ましくは120〜190℃、さらに好ましくは130〜
180℃の範囲である。本発明の前駆スラリー合成を実
施するに当り、原料混合物は良く混合されなければなら
ない。そのために、結晶化前に攪拌によって混合するこ
とが好ましい。その際の攪拌の仕方には特に制限はない
が、好ましいのは単位体積当りの攪拌動力が0.1〜1
0KW/m3 の範囲であり、さらに好ましいのは0.4
〜3KW/m3 の範囲である。
【0042】さらに、本発明における製品スラリー合成
の際は、攪拌を行っても、静置で行ってもかまわない。
攪拌を行う場合の攪拌動力は特に制限はないが、好まし
くは、単位体積当りの攪拌動力が0.1〜10KW/m
3 の範囲であり、さらに好ましくは0.4〜3KW/m
3 の範囲である。
【0043】本発明で得られるZSM−5類の微粒子体
は、各種吸着剤や触媒として有用である。特に微粒子で
あることの特徴は、触媒として用いた場合の触媒活性の
向上ならびに触媒寿命の延長に効果を示す。そのような
例としては、炭化水素のアルキル化、不均化、環化、ク
ラッキング、異性化、またはハロゲン化、アミノ化、ニ
トロ化、水和、脱水反応等が挙げられる。これらの反応
においては、気相、液相どちらにおいても触媒活性の向
上や触媒寿命の延長効果が期待できる。特に、微粒子で
あることの特徴は、拡散が問題となる比較的低温の液相
反応において、特に活性の向上に効果がある。
【0044】その例としては、オレフィンの液相水和反
応、酸とアルコールからのエステル化反応、エステルの
加水分解反応、ホルマリンを用いる縮合反応、ホルマリ
ンからのトリオキサン合成反応、フェノールとアセトン
からのビスフェノールAを合成する反応、アセタール化
反応等が挙げられる。これらの中でも、オレフィンの液
相水和反応において、本発明の微粒子の効果は顕著に現
れる。さらに、オレフィンの中でも拡散が最も問題とな
るシクロヘキセン等の環状オレフィンの水和反応におい
て、本発明の微粒子化の効果は最も顕著に現れる。
【0045】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を説明する。 実施例1 (1)水熱合成途中のスラリー合成 ケイ酸ナトリウム水溶液(SiO2 :26重量%、Na
2 O:7.0重量%)8.0kgに水酸化ナトリウム0.
05kgと水4kgを加えた溶液に、硫酸アルミニウム16
水塩0.61kgと1,3−ジメチル尿素0.1kgを水1
5kgに溶かした溶液を攪拌しながら加え、5重量%の硫
酸10kgを加えて均質なゲルを得た。このゲルを50リ
ットルのオートクレーブに仕込み、攪拌動力0.5〜1
KW/m3 で攪拌しながら、160℃、10時間水熱合
成反応を行った。得られたスラリーの一部を30℃で濾
過した後のケークを、120℃で8時間乾燥したものの
X線回折図を図3に示す。この回折パターンは、表1の
ピークを含み、実質的にZSM−5類のピークのみから
なることが判る。さらに、このものの窒素吸着BET表
面積は120m2 /gであった。また、濾液中のSiO
2の濃度をICP(プラズマ発光分析)で測定したとこ
ろ、1.5重量%であった。
【0046】(2)前駆スラリー合成 (1)で得られた水熱合成途中のスラリー12.6kg
に、上記と同じケイ酸ナトリウム5.3kgと水酸化ナト
リウム0.03kgおよび水2.67kgを加える。さら
に、硫酸アルミニウム16水塩0.41kgと1,3−ジ
メチル尿素0.06kgを水10kgに溶かした溶液を、攪
拌しながら加え、5重量%の硫酸6.67kgを加え均質
なゲルを得た。このゲルを50リットルのオートクレー
ブに仕込み、攪拌動力0.5〜1KW/m3 で攪拌しな
がら、150℃で8時間水熱合成反応を行った。得られ
たスラリーの一部を30℃で濾過した後のケークを、1
20℃で8時間乾燥したもののX線回折図を図4に示
す。この回折パターンは、表1のピークを含み、実質的
にZSM−5類のピークのみからなることが判る。さら
に、このものの窒素吸着BET表面積は150m2 /g
であった。また、濾液中のSiO2の濃度は1.6重量
%であった。
【0047】(3)製品スラリー合成 (2)で得られた前駆スラリー12.6kgを用いて、
(2)と同じ原料組成でゲルを調製した。このゲルを5
0リットルのオートクレーブに仕込み、攪拌動力0.5
〜1KW/m3 で攪拌しながら、150℃で30時間水
熱合成を行い、結晶化させた。得られたスラリーを濾過
した後5倍量の水で洗浄した後、120℃で8時間乾燥
したもののX線回折図を図5に示す。この回折パターン
は、表1のピークを含み、この生成物がZSM−5類で
あることが判る。
【0048】また、このものの走査型電子顕微鏡写真を
図6に示す。図から明らかなように、生成したZSM−
5は棒状であり、最も幅の狭い部分の厚さは0.4μm
以下であることが判る。さらに、この乾燥物を500℃
で6時間空気流通下に焼成した後、1規定の硝酸中10
重量%スラリーで60℃、4時間イオン交換した後、濾
過して5倍量の水で水洗し、さらに、120℃で10時
間乾燥した。このものの酸点を先に述べたアミン吸着法
で測定した結果、全酸点に対する外表面酸点の割合は
0.10であった。
【0049】実施例2 (1)前駆スラリー合成 実施例1の(2)で得られた前駆スラリー11.6kg
に、実施例1で用いたのと同じケイ酸ナトリウム水溶液
5.6kgと水6.9kgを加え、50リットルのオートク
レーブで攪拌動力0.5〜0.8KW/m3 で攪拌しな
がら、硫酸アルミニウム16水塩0.3kgと1,3−ジ
メチル尿素10gを水10kgに溶かした溶液をポンプで
20分かけて供給し、さらに、4.6重量%の硫酸7.
6kgをポンプで10分かけて供給して均質なゲルを得
た。これを180℃で4時間水熱合成反応を行った。得
られたスラリーを30℃まで冷却し、一部を濾過して1
20℃で8時間乾燥した。このもののX線回折パターン
は、表1のピークを含み、ZSM−5類と一致した。ま
た、このものの窒素吸着BET表面積は180m2 /g
であった。
【0050】(2)製品スラリー合成 (1)で得られた前駆スラリー11.6kgに、ケイ酸ナ
トリウム水溶液5.6kgと水6.9kgを加え、50リッ
トルのオートクレーブで攪拌動力0.4〜0.7KW/
3 で攪拌しながら、硫酸アルミニウム16水塩0.3
kgと1,3−ジメチル尿素10gを水10kgに溶かした
溶液をポンプで15分かけて供給し、さらに、4.6重
量%の硫酸7.6kgをポンプで10分かけて供給して均
質なゲルを得た。このゲルを155℃で22時間水熱合
成反応によって結晶化させた。得られたスラリーを濾過
した後、5倍量の水で水洗して120℃で8時間乾燥し
た。このもののX線回折図を図7に示す。この回折パタ
ーンは、表1のピークを含み、ZSM−5類と一致し
た。また、このもののBET表面積を測定したところ、
300m2 /gであった。さらに、走査型電子顕微鏡写
真を図8に示す。図からこの生成物は、0.5μm程度
の表面に凹凸のある粒子であることが判る。そこで、実
施例1と同様の操作により、この生成物をH型にした
後、アミン吸着法により全酸点に対する外表面酸点の割
合を測定したところ、0.15であった。
【0051】実施例3 (1)前駆スラリー合成 実施例2の(1)で得られた前駆スラリー11.6kg
に、実施例1で用いたのと同じケイ酸ナトリウム水溶液
5.7kgと水2.2kgを加えて均質なスラリーとした
後、水10kgに硫酸アルミニウム16水塩0.42kgを
溶かした溶液を攪拌下にポンプで15分供給して、さら
に、水6kgに硫酸0.26kgを溶かした溶液をポンプで
10分供給した。得られたゲルを50リットルのオート
クレーブ中で、168℃で8時間水熱合成した。得られ
たスラリーを30℃まで冷却して一部を濾過し、120
℃で8時間乾燥した。このもののX線回折図を図9に示
す。この回折パターンより、このものがZSM−5類で
あることが判る。また、このものの窒素吸着BET表面
積は153m2 /gであった。さらに、濾液中のSiO
2 濃度は1.25重量%であった。
【0052】(2)製品スラリー合成 (1)で得られた前駆スラリー11.6kgに、ケイ酸ナ
トリウム水溶液5.7kgと水2.2kgを加えて均質なス
ラリーとした後、水10kgに硫酸アルミニウム16水塩
0.42kgを溶かした溶液を攪拌下にポンプで20分か
けて供給し、さらに、水6kgに硫酸0.26kgを溶かし
た溶液をポンプで10分かけて供給した。得られたゲル
を50リットルのオートクレーブに仕込み、160℃で
20時間、250rpmで結晶化させた。得られたスラ
リーを濾過後、5倍量の水で水洗して、120℃で8時
間乾燥した。このもののX線回折図を図10に示す。こ
の回折図より、回折パターンは表1のピークを含み、生
成物はZSM−5類と同定された。このものの走査型電
子顕微鏡写真を図11に示す。この図から、生成物は1
μm程度の表面が凹凸の粒子であることが判る。そこ
で、この濾過水洗したケークを1規定の硝酸に加えて1
0重量%スラリーで60℃、4時間イオン交換を行っ
た。得られたスラリーを濾過し、5倍量の水で水洗し、
120℃で乾燥してH型のZSM−5類を得た。このH
−ZSM−5類のX線回折図を図12に示す。また、こ
のもののアミン吸着法によって求めた全酸点に対する外
表面酸点の割合は0.20であった。さらに、このもの
のケイ光X線分析より求めたSiO2 /Al2 3 モル
比は28であり、また、窒素吸着BET表面積は325
2 /gであった。
【0053】実施例4 (1)水熱合成途中のスラリー合成 実施例1で用いたのと同じケイ酸ナトリウム水溶液5.
35kgに水2.5kgを加えた溶液に、攪拌しながら、水
15kgに硫酸アルミニウム16水塩0.4kgと硫酸0.
26kgを溶かした溶液を室温で約30分かけてポンプで
供給して均質なゲルを得た。このゲルを170℃、30
時間、250rpmの攪拌条件下に結晶化させた。得ら
れたスラリーを30℃まで冷却して、一部を濾過して1
20℃で8時間乾燥した。このもののX線回折図を図1
3に示す。この回折パターンはZSM−5類のものであ
る。また、このものの窒素吸着BET表面積は120m
2 /gであった。
【0054】(2)前駆スラリー合成 (1)で得られた水熱合成途中のスラリー11.6kg
に、ケイ酸ナトリウム水溶液5.65kgと水酸化ナトリ
ウム30gおよび水2.2kgを加えて均質なスラリーと
した。このスラリーを50リットルのオートクレーブに
仕込み、アンカー型攪拌翼で200rpmで攪拌しなが
ら、水10kgに硫酸アルミニウム16水塩0.42kgを
溶かした溶液をポンプで約20分かけて供給した。さら
に、水5kgに硫酸0.3kgを溶かした溶液を15分かけ
て供給した。この間の攪拌動力は、0.3〜0.8KW
/m3 の範囲で変化した。その後、温度を170℃まで
上げて8時間水熱合成を行った。得られたスラリーを3
0℃まで冷却して、一部を濾過して120℃で8時間乾
燥した。このもののX線回折図を図14に示す。この回
折パターンはZSM−5類のものである。また、このも
ののBET表面積は170m2 /gであった。
【0055】(3)前駆スラリー合成 (2)で得られた前駆スラリー11.6kgを用いて、
(2)と同じ各原料仕込み量、条件で水熱合成を行っ
た。得られたスラリーを30℃まで冷却し、一部を濾過
して120℃で8時間乾燥した。このもののX線回折図
はZSM−5類であった。また、BET表面積は165
2 /gであった。
【0056】(4)前駆スラリー合成 (3)で得られた前駆スラリー11.6kgを用いて、
(2)と同じ各原料仕込み量、条件で水熱合成を行っ
た。得られたスラリーを30℃まで冷却し、一部を濾過
して120℃で8時間乾燥した。このもののX線回折図
はZSM−5類であった。また、BET表面積は170
2 /gであった。この(2)、(3)、(4)の結果
より、本発明の前駆スラリー合成の再現性が極めて良い
ことが判る。
【0057】(5)製品スラリー合成 (4)で得られた前駆スラリー11.6kgを用いて、
(2)と同じ各原料仕込み量で均質なゲルを得た。この
ゲルの組成モル比は
【0058】
【数5】 であった。このゲルを50リットルのオートクレーブに
仕込み、0.5〜0.8KW/m3 の攪拌動力で攪拌し
ながら、150℃で30時間結晶化した。得られたスラ
リーを濾過後、5倍量の水で水洗して、120℃で8時
間乾燥したもののX線回折図を図15に示す。この回折
パターンは、表1のピークを含み、生成物はZSM−5
類と同定された。また、ケイ光X線分析より求めたSi
2 /Al2 3 モル比は、28であった。
【0059】また、このもののBET表面積は280m
2 /gであった。このものの走査型電子顕微鏡写真を図
16に示す。この図から、生成物は0.5〜1μm程度
の表面が凹凸の粒子であることが判る。そこで、この濾
過水洗後のケークを1規定の硝酸に加えて、10重量%
のスラリーとして、60℃、4時間イオン交換を行っ
た。得られたスラリーを濾過し、5倍量の水で水洗して
H型のZSM−5類を得た。このH−ZSM−5類のX
線回折図を図17に示す。さらに、アミン吸着法で測定
した全酸点に対する外表面酸点の割合は0.18であっ
た。
【0060】実施例5 (1)前駆スラリー合成 実施例4の(3)で得られた前駆スラリー10.5kg
に、実施例1で用いたのと同じケイ酸ナトリウム水溶液
5.65kgと水酸化ナトリウム28gおよびアルミン酸
ナトリウム45gを水2.21kgに溶かした溶液を加え
て均質なスラリーを得た。このスラリーを50リットル
のオートクレーブに仕込み、150rpmで攪拌しなが
ら、水10kgに硫酸アルミニウム16水塩0.424kg
を溶かした溶液を約30分かけてポンプで供給した。さ
らに、水5.84kgに硫酸0.2kgを溶かした溶液を約
15分かけてポンプで供給して均質なゲルを得た。その
後、温度を180℃まで上げて5時間水熱合成を行っ
た。得られたスラリーを30℃まで冷却して、一部を濾
過、120℃で8時間乾燥した後のもののX線回折パタ
ーンは、ZSM−5類と一致した。このもののBET表
面積は155m2 /gであった。また、濾液中の溶存S
iO2 濃度は2.5重量%であった。
【0061】(2)製品スラリー合成 (1)で得られた前駆スラリー10.5kgに、ケイ酸ナ
トリウム水溶液5.65kgと水酸化ナトリウム28gお
よびアルミン酸ナトリウム20gを水2.21kgに溶か
した溶液を加えて均質なスラリーを得た。このスラリー
を50リットルのオートクレーブに仕込み、150rp
mで攪拌しながら、水10kgに硫酸アルミニウム16水
塩0.424kgを溶かした溶液を約30分かけてポンプ
で供給した。さらに、水5.84kgに硫酸0.2kgを溶
かした溶液を約15分かけてポンプで供給して均質なゲ
ルを得た。その後、165℃に温度を上げて20時間結
晶化させた。
【0062】得られたスラリーを濾過し、5倍量の水で
水洗した後、1規定の硝酸に加えて10重量%スラリー
で60℃、4時間イオン交換を行った。このスラリーを
濾過し、5倍量の水で水洗して、120℃で8時間乾燥
し、H型のZSM−5類を得た。このH−ZSM−5類
のX線回折図を図18に示す。また、走査型電子顕微鏡
写真を図19に示す。図から明らかなように、生成物は
0.05μm程度の極めて微粒子であることが判る。さ
らに、このもののアミン吸着法より求めた全酸点に対す
る外表面酸点の割合は0.3であり、また、BET表面
積は360m2 /gであった。
【0063】実施例6 実施例4の(5)で得られたH−ZSM−5類を触媒に
用いて、シクロヘキセンの水和反応を以下の条件で行っ
た。 反応装置:内容積1リットルのステンレス製オートクレ
ーブ 反応器内保持量 オイル:240cc スラリー:240cc スラリー濃度:触媒30重量% シクロヘキセン供給量:166cc/hr 反応温度:120℃
【0064】反応器内にオイルとスラリーを分離するた
めのセトラーを設置し、攪拌条件下にオーバーフローノ
ズルよりオイルだけを連続的に抜き出し、反応消費分の
水は、ポンプで24時間ごとにパルス的に供給した。反
応開始後500時間までの流出オイル中のシクロヘキサ
ノール濃度を表2に示す。
【0065】
【表2】 この表2から明らかなように、本発明の微粒子の触媒を
用いると活性が高く、かつ、活性低下が非常に小さいこ
とが判る。
【0066】比較例1 再現性テスト (1)前駆スラリー合成 実施例4の(1)とまったく同じ仕込み組成、条件で水
熱合成を行った。得られたスラリーを30℃まで冷却し
て濾過し、5倍量の水で水洗を行い、120℃で8時間
乾燥した。このもののX線回折図を図20に示す。この
図から明らかなように、ほとんど結晶化していないこと
が判る。また、このもののBET表面積は80m2 /g
であった。
【0067】(2)前駆スラリー合成 再度、実施例4と全く同じ仕込み組成、条件で水熱合成
を行った。得られたスラリーを30℃まで冷却して濾過
し、5倍量の水で水洗を行い、120℃で8時間乾燥し
た。このもののX線回折図を図21に示す。このX線回
折パターンから、生成物はZSM−5類とモルデナイト
とα−石英であることが判る。また、このもののBET
表面積は205m2 /gであった。以上のごとく、実施
例4の(1)、上記比較例1の(1)と(2)より、前
駆スラリー合成時に水熱合成途中のスラリーを用いない
と、再現性が得られにくいことが判る。
【0068】比較例2 (1)製品スラリー合成 比較例1の(1)で得られたほとんど結晶化していない
前駆スラリーを用いて、実施例4の(5)と同じ仕込み
組成、条件で水熱合成を行った。得られたスラリーを3
0℃まで冷却して濾過、水洗し、120℃で8時間乾燥
した。このもののX線回折図を図22に示す。この回折
パターンより明らかなように、結晶化がまだ完了してい
ないことが判る。また、このもののBET表面積は20
0m2 /gであった。このように、BET表面積が10
0m2 /g以下の前駆スラリーを用いると、結晶化速度
が極めて遅くなることが判る。
【0069】比較例3 比較例1の(2)で得られたZSM−5類とモルデナイ
トとα−石英の混合物の前駆スラリーを用いて、実施例
4の(5)と同じ仕込み組成、条件で水熱合成を行っ
た。得られたスラリーを30℃まで冷却して濾過、水洗
し、120℃で8時間乾燥した。このもののX線回折図
から、この生成物はZSM−5類とモルデナイトとα−
石英の混合物であることが判った。
【0070】比較例4 実施例3の(2)で得られた製品スラリー(従来技術で
言う種結晶)を前駆スラリーの代わりに用いて、実施例
3の(2)と同じ仕込み組成、条件で水熱合成を行っ
た。得られたスラリーを30℃まで冷却して濾過、水洗
し、120℃で8時間乾燥した。このもののX線回折図
から、この生成物はZSM−5類であることが判った。
また、走査型電子顕微鏡写真を図23に示す。図から明
らかなように、生成物は表面が凹凸の約10μmの粒子
であった。
【0071】そこで、濾過、水洗したケークを1規定の
硝酸に加え、10重量%スラリーとして60℃、4時間
イオン交換、濾過、水洗を行い、H型とした。得られた
ケークを120℃で8時間乾燥して得たH−ZSM−5
類のアミン吸着法から求めた全酸点に対する外表面酸点
の割合は0.028であった。このことから、BET表
面積が200m2 /g以上の前駆スラリーでは、微粒子
体が得られないことが判る。
【0072】比較例5 実施例3の(1)で得られた前駆スラリー2kgに、ケイ
酸ナトリウム水溶液5.7kgと水2.2kgを加えて均質
なスラリーとした後、水10kgに硫酸アルミニウム16
水塩0.42kgを溶かした溶液を攪拌下にポンプで供給
し、さらに、水6kgに硫酸0.26kgを溶かした溶液を
ポンプで供給した。得られたゲルを50リットルのオー
トクレーブに仕込んで、160℃で20時間、250r
pmで攪拌しながら結晶化させた。得られたスラリーを
30℃まで冷却して、濾過、水洗した後、120℃で8
時間乾燥を行った。
【0073】このもののX線回折図を図24に示す。こ
の回折パターンから、生成物はZSM−5類と同定され
た。また、このものの走査型電子顕微鏡写真を図25に
示す。この図から生成物は表面が凹凸の2μm程度の粒
子であることが判る。そこで、濾過、水洗後のケークを
1規定の硝酸に加え、10重量%スラリーで60℃、4
時間イオン交換を行った。得られたスラリーを濾過、水
洗後、120℃、8時間乾燥してH型のZSM−5類を
得た。このH−ZSM−5類のアミン吸着法によって求
めた全酸点に対する外表面酸点の割合は0.025であ
った。これは、前駆スラリーの全体に対する仕込み量が
7.5重量%と少ないためと考えられる。
【0074】比較例6 比較例4で得られたH−ZSM−5類を触媒として用
い、実施例6と同じ条件でシクロヘキセンの水和反応を
行った。反応開始後500時間までの流出オイル中のシ
クロヘキサノール濃度を表3に示す。
【0075】
【表3】 表3から明らかなように、粒子径の大きい触媒を用いる
と活性が低く、また、活性低下が大きいことが判る。
【0076】参考例 実施例1に用いたのと同じケイ酸ナトリウム水溶液5.
65kgと水酸化ナトリウム28gおよびアルミン酸ナト
リウム20gを水2.21kgに加え、均一な溶液を得
た。この溶液に、実施例5の(1)で得た前駆スラリー
を濾過した濾液8kgを加え、均一な溶液を得た。この溶
液を50リットルのオートクレーブに仕込み、150r
pmで攪拌しながら、水10kgに硫酸アルミニウム16
水塩0.424kgを溶かした溶液を約30分かけてポン
プで供給した。さらに、水5.84kgに硫酸0.2kgを
溶かした溶液を約15分かけてポンプで供給して均質な
ゲルとし、その後165℃に上げて20時間結晶化させ
た。
【0077】得られたスラリーを濾過した後、5倍量の
水で水洗して120℃で8時間乾燥したもののX線回折
分析より、この生成物は、微量のモルデナイトを含むZ
SM−5類であることが判った。このものの走査型電子
顕微鏡写真を図26に示す。この写真より、生成物は表
面に凹凸のある1μm程度の粒子であることが判る。さ
らに、このものを実施例5の(2)と同様の操作でH型
とした後、アミン吸着法で測定した全酸点に対する外表
面酸点の割合は0.04であった。このことから、前駆
スラリーは濾液だけでも微粒子化の効果があることが判
る。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、各種吸着剤や触媒とし
て有用なゼオライトZSM−5類の微粒子体を再現性良
く簡便な操作で得ることができる。これは、工業的に実
施する上で極めて有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に用いられる前駆スラリーの乾燥後
の走査型電子顕微鏡写真。
【図2】結晶化前の非晶質と高結晶性粒子との混合物の
走査型電子顕微鏡写真。
【図3】実施例1の(1)の水熱合成途中のスラリー中
の固形物の乾燥後のX線回折図。
【図4】実施例1の(2)の前駆スラリー中の固形物の
乾燥後のX線回折図。
【図5】実施例1の(3)の製品スラリーの濾過、水
洗、乾燥後のX線回折図。
【図6】実施例1の(3)の製品スラリー中の粒子の走
査型電子顕微鏡写真。
【図7】実施例2の(2)の製品スラリーの濾過、水
洗、乾燥後のX線回折図。
【図8】実施例2の(2)の製品スラリー中の粒子の走
査型電子顕微鏡写真。
【図9】実施例3の(1)の前駆スラリー中の固形物の
乾燥後のX線回折図。
【図10】実施例3の(2)の製品スラリーの濾過、水
洗、乾燥後のX線回折図。
【図11】実施例3の(2)の製品スラリー中の粒子の
走査型電子顕微鏡写真。
【図12】実施例3の(2)の製品スラリーをH型にし
たものの濾過、水洗、乾燥後のX線回折図。
【図13】実施例4の(1)の水熱合成途中のスラリー
中の固形物の乾燥後のX線回折図。
【図14】実施例4の(2)の前駆スラリー中の固形物
の乾燥後のX線回折図。
【図15】実施例4の(5)の製品スラリーの濾過、水
洗、乾燥後のX線回折図。
【図16】実施例4の(5)の製品スラリー中の粒子の
走査型電子顕微鏡写真。
【図17】実施例4の(5)の製品スラリーをH型にし
たものの濾過、水洗、乾燥後のX線回折図。
【図18】実施例5の(2)の製品スラリーをH型にし
たものの濾過、水洗、乾燥後のX線回折図。
【図19】実施例5の(2)の製品スラリーをH型にし
たものの濾過、水洗、乾燥後の走査型電子顕微鏡写真。
【図20】比較例1の(1)の前駆スラリー中の固形物
の乾燥後のX線回折図。
【図21】比較例1の(2)の前駆スラリー中の固形物
の乾燥後のX線回折図。
【図22】比較例2の(1)の製品スラリーの濾過、水
洗、乾燥後のX線回折図。
【図23】比較例4の(1)の製品スラリーの濾過、水
洗、乾燥後の走査型電子顕微鏡写真。
【図24】比較例5の(1)の製品スラリーの濾過、水
洗、乾燥後のX線回折図。
【図25】比較例5の(1)の製品スラリーの濾過、水
洗、乾燥後の走査型電子顕微鏡写真。
【図26】参考例の製品スラリーの濾過、水洗、乾燥後
の走査型電子顕微鏡写真。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に用いられる前駆スラリーの乾燥後
粒子構造の走査型電子顕微鏡写真。
【図2】結晶化前の非晶質と高結晶性粒子との混合物の
粒子構造の走査型電子顕微鏡写真。
【図3】実施例1の(1)の水熱合成途中のスラリー中
の固形物の乾燥後のX線回折図。
【図4】実施例1の(2)の前駆スラリー中の固形物の
乾燥後のX線回折図。
【図5】実施例1の(3)の製品スラリーの濾過、水
洗、乾燥後のX線回折図。
【図6】実施例1の(3)の製品スラリー中の粒子の
子構造の走査型電子顕微鏡写真。
【図7】実施例2の(2)の製品スラリーの濾過、水
洗、乾燥後のX線回折図。
【図8】実施例2の(2)の製品スラリー中の粒子の
子構造の走査型電子顕微鏡写真。
【図9】実施例3の(1)の前駆スラリー中の固形物の
乾燥後のX線回折図。
【図10】実施例3の(2)の製品スラリーの濾過、水
洗、乾燥後のX線回折図。
【図11】実施例3の(2)の製品スラリー中の粒子の
粒子構造の走査型電子顕微鏡写真。
【図12】実施例3の(2)の製品スラリーをH型にし
たものの濾過、水洗、乾燥後のX線回折図。
【図13】実施例4の(1)の水熱合成途中のスラリー
中の固形物の乾燥後のX線回折図。
【図14】実施例4の(2)の前駆スラリー中の固形物
の乾燥後のX線回折図。
【図15】実施例4の(5)の製品スラリーの濾過、水
洗、乾燥後のX線回折図。
【図16】実施例4の(5)の製品スラリー中の粒子の
粒子構造の走査型電子顕微鏡写真。
【図17】実施例4の(5)の製品スラリーをH型にし
たものの濾過、水洗、乾燥後のX線回折図。
【図18】実施例5の(2)の製品スラリーをH型にし
たものの濾過、水洗、乾燥後のX線回折図。
【図19】実施例5の(2)の製品スラリーをH型にし
たものの濾過、水洗、乾燥後の粒子構造の走査型電子顕
微鏡写真。
【図20】比較例1の(1)の前駆スラリー中の固形物
の乾燥後のX線回折図。
【図21】比較例1の(2)の前駆スラリー中の固形物
の乾燥後のX線回折図。
【図22】比較例2の(1)の製品スラリーの濾過、水
洗、乾燥後のX線回折図。
【図23】比較例4の(1)の製品スラリーの濾過、水
洗、乾燥後の粒子構造の走査型電子顕微鏡写真。
【図24】比較例5の(1)の製品スラリーの濾過、水
洗、乾燥後のX線回折図。
【図25】比較例5の(1)の製品スラリーの濾過、水
洗、乾燥後の粒子構造の走査型電子顕微鏡写真。
【図26】参考例の製品スラリーの濾過、水洗、乾燥後
粒子構造の走査型電子顕微鏡写真。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカ源、アルミナ源、アルカリ金属源
    と水を含む混合物から、X線回折パターンが少なくとも
    表1に示す面間距離のピークを含むゼオライト微粒子体
    を製造する方法において、先ず、水熱合成途中のスラリ
    ーを原料混合物に加えて、スラリー中の固形物の乾燥後
    のX線回折パターンが少なくとも表1に示す面間距離の
    ピークを含み、窒素吸着BET表面積が100〜200
    2 /gである前駆スラリーを合成し、次いで、該前駆
    スラリーを原料混合物に加えて製品スラリーを合成する
    ことを特徴とするゼオライト微粒子体の製造法。 【表1】面間距離d (Å) 11.1 ±0.2 10.1 ±0.2 3.85±0.07 3.74±0.05 3.72±0.05
  2. 【請求項2】 水熱合成途中のスラリーが、スラリー中
    の固形物の乾燥後のX線回折パターンが少なくとも表1
    に示す面間距離のピークを含み、窒素吸着BET表面積
    が100〜200m2 /gであることを特徴とする請求
    項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 合成された前駆スラリーの一部を、次の
    前駆スラリー合成の水熱合成スラリーとして用いること
    を特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 原料混合物が有機物を含むことを特徴と
    する請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 原料混合物が有機物を含まないことを特
    徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 原料混合物のSiO2 /Al2 3 モル
    比が25〜40の範囲であることを特徴とする請求項1
    に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前駆スラリーの固形物を除いた溶液中の
    SiO2 の濃度が0.5〜5重量%であることを特徴と
    する請求項1に記載の方法。
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