JP2008230886A - 微小フォージャサイト型ゼオライトの合成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 粒子径が小さく、比較的均一な粒子径分布のフォージャサイト型ゼオライトを再現性よく製造する。
【解決手段】 酸化物モル比が[M2O/Al23=2.0〜5.0、SiO2/Al23=5〜16、H2O/Al23=2000〜5000]の範囲にあるマトリックスヒドロゲルスラリーと、酸化物モル比が[M2O/Al23=12〜18、SiO2/Al23=4〜20、H2O/Al23=100〜2000]の範囲にある透明性シード溶液とを混合した、酸化物モル比が[M2O/Al23=5.0〜15.0、SiO2/Al23=6.0〜20.0、H2O/Al23=1000〜3000]の範囲にある混合ヒドロゲルスラリーを、水熱処理するフォージャサイト型ゼオライトの合成方法において、前記透明性シード溶液を、混合する前に0〜50℃で100〜1000時間熟成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フォージャサイト型ゼオライトおよびその製造方法に関し、さらに詳しくは、ゼオライトの粒子径が非常に小さくて、粒子径分布が均一なフォージャサイト型ゼオライトの製造方法に関するものである。
フォージャサイト型ゼオライトは、クラッキング反応、ハイドロクラッキング反応、その他炭化水素変換反応などの触媒や吸着剤などに広く利用されている。特に、シリカ/アルミナモル比(以下、ケイバン比ということがある。)が3.0以上のフォージャサイト型ゼオライトは、耐熱性、耐酸性などに優れているため、クラッキング触媒やハイドロクラッキング触媒などに好適である。
また、反応物質の種類によっては、ゼオライトの外部比表面積が大きいほど高い反応活性を示すことが知られているため、小粒子径で大きい外部比表面積を有するフォージャサイト型ゼオライトが望まれている。しかしながら、小粒子径のゼオライトは熱的な安定性に劣ることも知られている。
一方、フォージャサイト型ゼオライトの製造には、ゼオライトの結晶化を容易にするために従来から種子を使用する方法が行なわれており、例えば、特許文献1には、(a)12〜19Na2O:1〜10Al23:12〜19SiO2:220〜900H2Oなる範囲内のモル組成を有する核発生中心のスラリーを調製し、(b)該核発生中心を1.2〜8Na2O:Al23:4〜7SiO2:40〜200H2Oなる範囲内のモル組成を有するゼオライト合成混合物と混合し、(c)得られる混合物を結晶化を確実にするのに十分な温度並びに時間で加熱し、そして(d)その生成物を洗浄し、乾燥することを特徴とするフォージャサイト型ゼオライトの製造方法が記載されている。しかし、この方法では、結晶化度が高く、粒子径が小さくて、大きい外部比表面積を有するフォージャサイト型ゼオライトを得ることは困難であった。
一方、小粒子径で平板状のゼオライトは膜の形成に有効で、このため平板状の微細なゼオライトの合成が試みられている。
粒子径が小さいフォージャサイト型ゼオライトとしては、例えば、特許文献2に、サブミクロンY型ゼオライトおよびその製造法、特許文献3には平均粒子径が0.5μm以下で、アスペクト比2以上の板状体であるフォージャサイト型ゼオライトが開示されているが、粒子径分布が不均一で緻密な膜の形成に必ずしも有効ではなかった。
そこで、本願特許出願人は特許文献4に、粒子径が小さくてアスペクト比の大きい(薄い)平板状のフォージャサイト型ゼオライトの製造方法を開示している。この製造方法では、シードがゲル状凝集物である為か、平均粒子径が小さい場合は結晶性が不充分となり、吸着に関する触媒性能が不充分となることがあった。また、結晶性が高い粒子では粒子径分布が不均一となり、緻密なゼオライト薄膜の形成が難しくなることがあった。
特開昭52−94899号公報 特開平2−116614号公報 特開平10−67514号公報 特開2004−315338号公報
本発明の目的は、粒子径が小さく、比較的均一な粒子径分布のフォージャサイト型ゼオライトを再現性よく製造する方法を提供することにある。
本発明は、酸化物モル比が下記の範囲にあるマトリックスヒドロゲルスラリーと、
2O/Al23 = 2.0〜5.0(Mはアルカリ金属を示す)
SiO2/Al23 = 5〜16
2O/Al23 = 2000〜5000
酸化物モル比が下記の範囲にある透明性シード溶液とを混合した、
2O/Al23 = 12〜18(Mはアルカリ金属を示す)
SiO2/Al23 =14〜20
2O/Al23 = 100〜2000
酸化物モル比が下記の範囲にある混合ヒドロゲルスラリーを、
2O/Al23 =5.0〜15.0(Mはアルカリ金属を示す)
SiO2/Al23 =6.0〜20.0
2O/Al23 =1000〜3000
水熱処理するフォージャサイト型ゼオライトの合成方法において、前記透明性シード溶液を、混合する前に0〜50℃で100〜1000時間熟成することを特徴とする。
前記水熱処理条件は、50〜120℃で12〜200時間であることが好ましい。
前記熟成後の透明性シード溶液中に含まれるシリカ・アルミナゲル粒子の平均粒子径が0.01〜0.5μmの範囲にあることが好ましい。
前記マトリックスヒドロゲルスラリーと前記透明性シード溶液の混合割合が、Al23モル比で1/0.5〜1/1.5の範囲であることが好ましい。
得られるフォージャサイト型ゼオライトの平均粒子径は、0.01〜0.5μmの範囲にあることが好ましい。
前記フォージャサイト型ゼオライトは、平均粒子径の0.5〜2.0倍の範囲にある粒子の割合が80〜99重量%の範囲にあることが好ましい。
本発明によれば、粒子径が小さく、比較的均一な粒子径分布のフォージャサイト型ゼオライトを再現性よく製造することができる。
本発明方法によって得られるフォージャサイト型ゼオライトは、ハイドロクラッキング、アルキレーションなどの触媒、金属、金属酸化物などの担持用触媒担体、あるいは各種樹脂成形体のフイラー、各種ガスおよび液などの分離膜、燃料電池などの電解質膜、メンブランリアクター等として好適に用いることができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、詳細に説明する。
本発明は、酸化物モル比が下記の範囲にあるマトリックスヒドロゲルスラリーと、
2O/Al23 = 2.0〜5.0(Mはアルカリ金属を示す)
SiO2/Al23 = 5〜16
2O/Al23 = 2000〜5000
酸化物モル比が下記の範囲にある透明性シード溶液とを混合した、
2O/Al23 = 12〜18(Mはアルカリ金属を示す)
SiO2/Al23 =14〜20
2O/Al23 = 100〜2000
酸化物モル比が下記の範囲にある混合ヒドロゲルスラリーを、
2O/Al23 =5.0〜15.0(Mはアルカリ金属を示す)
SiO2/Al23 =6.0〜20.0
2O/Al23 =1000〜3000
水熱処理するフォージャサイト型ゼオライトの合成方法において、前記透明性シード溶液を、混合する前に0〜50℃で100〜1000時間熟成することを特徴とする。
マトリックスヒドロゲルスラリー
マトリックスヒドロゲルスラリーのM2O/Al23モル比は2.0〜5.0、さらには2.5〜4.5の範囲にあることが好ましい。
マトリックスヒドロゲルスラリーのM2O/Al23モル比が2.0未満の場合は、フォージャサイト型ゼオライトが得られないか、得られたとしても結晶化に長時間を要し、マトリックスヒドロゲルスラリーのM2O/Al23モル比が5.0を越えてもフォージャサイト型ゼオライトが得られないか、他の結晶型のゼオライトが生成したり、得られたとしてもSiO2/Al23モル比の低いフォージャサイト型ゼオライトが生成する傾向がある。
マトリックスヒドロゲルスラリーのSiO2/Al23モル比は5〜16、さらには8〜11の範囲にあることが好ましい。
マトリックスヒドロゲルスラリーのSiO2/Al23モル比が5未満の場合はフォージャサイト型ゼオライトが生成しないか、生成しても他の結晶型のゼオライトが生成が混在することがある。
マトリックスヒドロゲルスラリーのSiO2/Al23モル比が16を越えると結晶化に長時間を要したり、結晶化しても結晶性が不充分となる傾向がある。
マトリックスヒドロゲルスラリーのH2O/Al23モル比は2000〜5000、さらには3000〜4000の範囲にあることが好ましい。
マトリックスヒドロゲルスラリーのH2O/Al23モル比が2000未満の場合は、微細なフォージャサイト型ゼオライトの凝集体として得られ、実質的に粒子径が大きく、かつ粒子径分布が広範囲にわたることがある。
マトリックスヒドロゲルスラリーのH2O/Al23モル比が5000を越えると結晶化に長時間を要したり、結晶化しても結晶性が不充分となる傾向がある。
マトリックスヒドロゲルスラリー中のSiO2−Al23としての濃度は0.1〜20重量%、さらには0.5〜5重量%の範囲にあることが望ましい。
マトリックスヒドロゲルスラリーのシリカ、アルミナ源としては、SiO2−Al23複合酸化物ゾルを用いることが好ましい。
このようなSiO2−Al23複合酸化物ゾルは、例えば、特開平5−132309号公報に記載されている方法で製造される。即ち、アルカリ金属、アンモニウムまたは有機塩基の珪酸塩と、アルカリ可溶のアルミナ化合物とを、それぞれ所定の割合でpH10以上のアルカリ水溶液中に同時に添加し、この反応液のpHを制御せずにコロイド粒子を生成させて、SiO2−Al23複合酸化物ゾルを調製することができる。
本発明で使用されるSiO2−Al23複合酸化物ゾルの分散質である微粒子は、その粒子径が5〜200nmの範囲にあるのが望ましい。該微粒子の粒子径が5nmより小さい場合には、該複合酸化物ゾルは安定性が劣ることがあり、また、200nmより大きい場合には、反応性が低くなるためか所望のゼオライトが得られないことがある。該微粒子の望ましい粒子径は10〜100nmの範囲である。
透明性シード溶液
透明性シード溶液のM2O/Al23モル比は12〜18、さらには13〜17の範囲にあることが好ましい。
透明性シード溶液のM2O/Al23モル比が12未満の場合は、透明性シード溶液の透明性が低く、即ち、大きなゲル状粒子が残存し、このようなシードを用いて結晶化を行っても所望の微細なフォージャサイト型ゼオライトが得られないことがある。
透明性シード溶液のM2O/Al23モル比が18を越えると透明性はあるもののシード機能が無いためかフォージャサイト型ゼオライトが得られないことがある。
透明性シード溶液のSiO2/Al23モル比は14〜20、さらには15〜19の範囲にあることが好ましい。
透明性シード溶液のSiO2/Al23モル比が前記範囲にない場合はフォージャサイト型ゼオライトが生成しないか、生成しても他の結晶型のゼオライトが生成し混在することがある。
透明性シード溶液のH2O/Al23 モル比は100〜2000、さらには200〜1000の範囲にあることが好ましい。
透明性シード溶液のH2O/Al23 モル比が100未満の場合は透明性シード溶液の透明性が低く、即ち、大きなゲル状粒子が残存し、このようなシードを用いて結晶化を行っても所望の微細なフォージャサイト型ゼオライトが得られないことがある。
透明性シード溶液のH2O/Al23 モル比が2000を越えると得られるフォージャサイト型ゼオライトの粒子径が所望の範囲を超えて大きくなる傾向がある。
透明性シード溶液を調製するには、前記酸化物モル比の範囲内にあり、後述する透明性の溶液が得られれば特に制限はないが、アルカリ源としては、水酸化ナトリウムが常用され、アルミナ源としてはアルミン酸ソーダ、アルミナゾル、アルミナゲル、アルミナ微粉末等、シリカ源としてはケイ酸ソーダ、シリカゾル、シリカゲル、シリカ微粉末等が好適に用いられる。
これらの原料は混合した後、0〜50℃の温度範囲で100〜1000時間熟成することが必要である。
熟成温度が0℃未満の場合は、原料を混合した直後に白濁したヒドロゲルスラリー(ゲル状凝集物分散液)が透明化するのに長時間を要し、これを用いて混合ヒドロゲルスラーとし結晶化させても、平均粒子径が0.01〜0.5μmの微細で比較的均一な粒子径分布を有するフォージャサイト型ゼオライトを得ることは困難である。
熟成温度が50℃を越えると、白濁したヒドロゲルスラリー(ゲル状凝集物分散液)が透明化することもなく、これを用いて混合ヒドロゲルスラーとし結晶化をしても平均粒子径が0.5μmを越え、微細なフォージャサイト型ゼオライトを得ることは困難である。
好ましい熟成温度は、10〜40℃であり、特に、20〜30℃が最適である。
熟成時間が100時間未満の場合は、前記した白濁したヒドロゲルスラリーが透明化しない場合があり、これを用いて混合ヒドロゲルスラーとし結晶化をしても平均粒子径が0.5μmを越え、微細なフォージャサイト型ゼオライトを得ることは困難である。
熟成時間が1000時間を越えると、透明性シード溶液中のシリカ・アルミナ粒子が粒子成長するためか、これを用いて混合ヒドロゲルスラーとし結晶化をしても平均粒子径が0.5μmを越えることがある。
上記条件で熟成した後の透明性シード溶液中のシリカ・アルミナゲル粒子の平均粒子径は0.01〜0.5μm、さらには0.1〜0.5μmの範囲にあることが好ましい。
シリカ・アルミナゲルの平均粒子径が0.01μm未満の場合は、シード機能を有しないためかフォージャサイト型ゼオライトが得られない場合がある。
シリカ・アルミナゲル粒子の平均粒子径が0.5μmを越えると所望の微細なフォージャサイト型ゼオライトを得ることは困難である。
混合ヒドロゲルスラリー
本発明では前記マトリックスヒドロゲルスラリーと前記透明性シード溶液とを混合する。混合する際の比率は、前記マトリックスヒドロゲルスラリー中のAl23のモル数と前記透明性シード溶液中のAl23のモル数とのモル比が1/0.5〜1/1.5の範囲であることが望ましい。
この割合が1/0.5を超える場合は、ゼオライトの結晶化に長時間を要し、また1/1.5未満の場合は、結晶化は短時間でできるもののゼオライトのシリカ・アルミナ源の利用率が低下し経済的でない。
混合後のヒドロゲルスラリーのM2O/Al23モル比が5.0〜15.0、さらには7.0〜12.0の範囲にあることが好ましい。
混合ヒドロゲルスラリーのM2O/Al23モル比が5.0未満の場合は、フォージャサイト型ゼオライトが得られないか、得られたとしても結晶化に長時間を要し、混合ヒドロゲルスラリーのM2O/Al23モル比が15.0を越えてフォージャサイト型ゼオライトが得られないか、他の結晶型のゼオライトが生成し、得られたとしてもSiO2/Al23モル比の低いフォージャサイト型ゼオライトが生成する傾向がある。
なお、このとき、M2O/Al23モル比が5.0未満の場合は、アルカリ金属水酸化物を加えて前記酸化物モル比の範囲とすることもできる。
混合ヒドロゲルスラリーのSiO2/Al23モル比が6.0〜20.0、さらには8.0〜18.0の範囲にあることが好ましい。
混合ヒドロゲルスラリーのSiO2/Al23モル比が6.0未満の場合は、フォージャサイト型ゼオライトが得られない場合がある。
混合ヒドロゲルスラリーのSiO2/Al23モル比が20.0を越えると、フォージャサイト型ゼオライトが得られないか、得られたとしても結晶度が不充分となる傾向がある。
混合ヒドロゲルスラリーのH2O/Al23モル比が1000〜3000、さらには1500〜2500の範囲にあることが好ましい。
混合ヒドロゲルスラリーのH2O/Al23モル比が1000未満の場合は、得られるフォージャサイト型ゼオライトが凝集体となることがあり、結果的に所望の微細で比較的均一な粒子径分布を有するフォージャサイト型ゼオライトが得られない場合がある。
混合ヒドロゲルスラリーのH2O/Al23モル比が3000を越えると結晶化に長時間を要したり、結晶化しても結晶性が不充分となる傾向がある。
本発明では、混合ヒドロゲルスラリーを、周知の方法で結晶化が生起する温度で結晶化に充分な時間水熱処理する。具体的には、50〜120℃、さらには60〜100℃で12〜200時間水熱処理することが好ましい。
水熱処理温度が50℃未満の場合は、結晶度が不充分であったり、結晶度の高いフォージャサイト型ゼオライトを得るには長時間を必要とする。
水熱処理温度が120℃を越えると、粒子径が所望の範囲を超えて大きくなる場合がある。
水熱処理後、周知の方法によりスラリーを濾過し、固形分を分離し、洗浄し、乾燥してゼオライト粒子を回収する。
本発明の方法により得られるフォージャサイト型ゼオライトは、粒子径が非常に小さく、その平均粒子径は0.01〜0.5μm、好ましくは0.05〜0.4μmの範囲にある。
このフォージャサイト型ゼオライトは、各種樹脂成形体のフイラー、各種ガスおよび液などの分離膜、燃料電池などの電解質膜およびメンブランリアクターなどの用途に用いる場合、ゼオライト粒子が小さいので膜の強度を低下させたり、クラックの原因になることがなく、また、膜中で高分散させることができるので好適に用いることができる。
なお、平均粒子径が0.5μmよりも大きいゼオライトでは、ハイドロクラッキング、アルキレーションなどの触媒、金属、金属酸化物などの担持用触媒担体等に用いた場合、拡散が不利になり選択性、寿命等が不充分になる。
本発明において、ゼオライト粒子の粒子径は電子顕微鏡写真を撮影し、100個の粒子について粒子径を測定して、その平均値として求めることができる。また、本発明のフォージャサイト型ゼオライトの形状は、板状体と立方体の混合物であり、そのうちの多くは六角形板状体様のものであり、板状体のアスペクト比が7以上であることが観察された。
本発明では、前記フォージャサイト型ゼオライトが、平均粒子径の0.5〜2.0倍の範囲にある粒子の割合が概ね80〜99重量%、さらには90〜99重量%の範囲にあることが好ましい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
透明性シード溶液(S1)の調製
Na2O17wt%、Al2322wt%を含有するアルミン酸ナトリウム溶液57.0gに、37.2wt%の水酸化ナトリウム水溶液187.4gを攪拌しながら加えた。この溶液を攪拌しながら、シリカ濃度24wt%の3号水硝子549.8gを純水205.8gで希釈した水溶液に20℃、8.1g/minで添加した。その組成は酸化物モル比で次の通りである。
Na2O/Al23 = 16.0
SiO2/Al23 = 17.9
2O/Al23 = 332
これを約1時間攪拌した後30℃で16時間静置し、この水溶液を20℃で400時間熟成を行い透明性シード溶液(S1)の調製を行った。透明性シード溶液(S1)中のシリカ・アルミナ粒子の平均粒子径は0.3μmであった。
マトリックスヒドロゲルスラリー(M1)の調製
平均粒子径50Å、シリカ濃度20wt%のシリカゾル40.4gを純水2864.0gで希釈したものを80℃に加温した。この希釈ゾルに、SiO2として24.0wt%の3号水硝子279.5gを純水3356.4gで希釈した溶液と、Al23として22.0wt%のアルミン酸ナトリウム62.9gを純水3574.0gで希釈した溶液を、4時間かけて同時添加した。
さらに、Na2Oとして3wt%の水酸化ナトリウム111.0gを1時間かけて添加した。その間、希釈ゾルの温度を80℃に保持した。
添加終了後、このゾルを室温まで冷却し、マトリックスヒドロゲルスラリー(M1)9000gを得た。
このマトリックスヒドロゲルスラリー(M1)の組成は酸化物モル比で次の通りである。
Na2O/Al23 = 4.3
SiO2/Al23 = 9.3
2O/Al23 = 3660
マトリックスヒドロゲルスラリー(M1)中のシリカ・アルミナ粒子の粒子径は0.02〜0.04μmであった。
混合ヒドロゲルスラリー(MH1)の調製
マトリックスヒドロゲルスラリー(M1)9000gを攪拌しながら、前記透明性シード溶液(S1)1000gを加え、30分室温で攪拌混合して混合ヒドロゲルスラリー(MH1)を調製した。混合ヒドロゲルスラリー(MH1)の組成は酸化物モル比で次の通りである。
Na2O/Al23 = 9.9
SiO2/Al23 = 13.4
2O/Al23 = 2072
この混合ヒドロゲルスラリー(MH1)を結晶化槽に移し、攪拌することなく95℃で48時間水熱処理を行って結晶化させた。水熱処理後、結晶生成物を取り出し、濾過、洗浄、乾燥してフォージャサイト型ゼオライト(FZ1)を得た。
ゼオライト(FZ1)についてX線回折法によリ結晶化度、格子定数を測定し、電子顕微鏡による平均粒子径および粒子径分布を求め、化学分析により組成を分析し、BET法により比表面積を測定し、これらの結果を表1に示した。
また、図1にゼオライト(FZ1)の電子顕微鏡写真を示した。
結晶化度は、X線回折で(331)、(511)、(440)、(533)、(642)および(555)面の総ピーク高さ(H)を求め、基準に市販のフオージャサイト型ゼオライト(ユニオンカーバイド社製、SK-40)について同様に総ピーク高さ(H。)を求め、次式により求めた。
結晶化度=H/H。X100(%)
粒子径分布は、電子顕微鏡写真による平均粒子径を求めた後、次の基準で評価した。
○:平均粒子径の0.5〜2.0倍の範囲にある粒子の割合が80〜99重量%
×:平均粒子径の0.5〜2.0倍の範囲にある粒子の割合が80重量%未満
透明性シード溶液(S2)の調製
実施例1において、透明性シード水溶液を20℃で900時間熟成した以外は同様にして透明性シード溶液(S2)の調製を行った。透明性シード溶液(S2)中のシリカ・アルミナ粒子の平均粒子径は0.3μmであった。
ついで、透明性シード溶液(S2)を用いた以外は実施例1と同様にしてフォージャサイト型ゼオライト(FZ2)を得た。
ゼオライト(FZ2)について結晶化度、格子定数、平均粒子径、粒子径分布、組成、比表面積を測定し、結果を表1に示した。
透明性シード溶液(S3)の調製
実施例1において、透明性シード水溶液を20℃で200時間熟成した以外は同様にして透明性シード溶液(S3)の調製を行った。透明性シード溶液(S3)中のシリカ・アルミナ粒子の平均粒子径は0.4μmであった。
ついで、透明性シード溶液(S3)を用いた以外は実施例1と同様にしてフォージャサイト型ゼオライト(FZ3)を得た。
ゼオライト(FZ3)について結晶化度、格子定数、平均粒子径、粒子径分布、組成、比表面積を測定し、結果を表1に示した。
透明性シード溶液(S4)の調製
実施例1において、透明性シード水溶液を30℃で400時間熟成した以外は同様にして透明性シード溶液(S4)の調製を行った。透明性シード溶液(S4)中のシリカ・アルミナ粒子の平均粒子径は0.45μmであった。
ついで、透明性シード溶液(S4)を用いた以外は実施例1と同様にしてフォージャサイト型ゼオライト(FZ4)を得た。
ゼオライト(FZ4)について結晶化度、格子定数、平均粒子径、粒子径分布、組成、比表面積を測定し、結果を表1に示した。
透明性シード溶液(S5)の調製
実施例1において、透明性シード水溶液を3℃で400時間熟成した以外は同様にして透明性シード溶液(S5)の調製を行った。透明性シード溶液(S5)中のシリカ・アルミナ粒子の平均粒子径は0.35μmであった。
ついで、透明性シード溶液(S5)を用いた以外は実施例1と同様にしてフォージャサイト型ゼオライト(FZ5)を得た。
ゼオライト(FZ5)について結晶化度、格子定数、平均粒子径、粒子径分布、組成、比表面積を測定し、結果を表1に示した。
実施例1において、95℃で120時間水熱処理した以外は同様にしてフォージャサイト型ゼオライト(FZ6)を得た。
ゼオライト(FZ6)について結晶化度、格子定数、平均粒子径、粒子径分布、組成、比表面積を測定し、結果を表1に示した。
実施例1において、60℃で48時間水熱処理した以外は同様にしてフォージャサイト型ゼオライト(FZ7)を得た。
ゼオライト(FZ7)について結晶化度、格子定数、平均粒子径、粒子径分布、組成、比表面積を測定し、結果を表1に示した。
透明性シード溶液(S8)の調製
Na2O17wt%、Al2322wt%を含有するアルミン酸ナトリウム溶液57.0gに、37.2wt%の水酸化ナトリウム水溶液187.4gを攪拌しながら加えた。この溶液を攪拌しながらシリカ濃度24wt%の3号水硝子604.6gを純水150.8gで希釈した水溶液に20℃、8.1g/minで添加した。その組成は酸化物モル比で次の通りである。
Na2O/Al23 = 16.5
SiO2/Al23 = 19.6
2O/Al23 = 323
これを約1時間攪拌した後30℃で16時間静置し、この水溶液を20℃で400時間熟成を行い透明性シード溶液(S8)の調製を行った。透明性シード溶液(S8)中のシリカ・アルミナ粒子の平均粒子径は0.35μmであった。
ついで、透明性シード溶液(S8)を用いた以外は実施例1と同様にしてフォージャサイト型ゼオライト(FZ8)を得た。
ゼオライト(FZ8)について結晶化度、格子定数、平均粒子径、粒子径分布、組成、比表面積を測定し、結果を表1に示した。
透明性シード溶液(S9)の調製
実施例1において、透明性シード水溶液を40℃で200時間熟成した以外は同様にして透明性シード溶液(S9)の調製を行った。透明性シード溶液(S9)中のシリカ・アルミナ粒子の平均粒子径は0.40μmであった。
ついで、透明性シード溶液(S9)を用いた以外は実施例1と同様にしてフォージャサイト型ゼオライト(FZ9)を得た。
ゼオライト(FZ9)について結晶化度、格子定数、平均粒子径、粒子径分布、組成、比表面積を測定し、結果を表1に示した。
比較例1
透明性シード溶液(RS1)の調製
実施例1において、透明性シード水溶液を20℃で40時間熟成した以外は同様にして透明性シード溶液(RS1)の調製を行った。透明性シード溶液(RS1)中のシリカ・アルミナ粒子の平均粒子径は2.6μmであった。
ついで、透明性シード溶液(RS1)を用いた以外は実施例1と同様にしてフォージャサイト型ゼオライト(RFZ1)を得た。
ゼオライト(RFZ1)について結晶化度、格子定数、平均粒子径、粒子径分布、組成、比表面積を測定し、結果を表1に示した。
比較例2
透明性シード溶液(RS2)の調製
実施例1において、透明性シード水溶液を20℃で1300時間熟成した以外は同様にして透明性シード溶液(RS2)の調製を行った。透明性シード溶液(RS2)中のシリカ・アルミナ粒子の平均粒子径は2.1μmであった。
ついで、透明性シード溶液 (RS2)を用いた以外は実施例1と同様にしてフォージャサイト型ゼオライト(RFZ2)を得た。
ゼオライト(RFZ2)について結晶化度、格子定数、平均粒子径、粒子径分布、組成、比表面積を測定し、結果を表1に示した。
比較例3
透明性シード溶液 (RS3)の調製
実施例1において、透明性シード溶液を60℃で40時間熟成した以外は同様にして透明性シード溶液 (RS3)の調製を行った。透明性シード溶液 (RS3)中のシリカ・アルミナ粒子の平均粒子径は5.3μmであった。
ついで、透明性シード溶液 (RS3)を用いた以外は実施例1と同様にしてフォージャサイト型ゼオライト(RFZ3)を得た。
ゼオライト(RFZ3)について結晶化度、格子定数、平均粒子径、粒子径分布、組成、比表面積を測定し、結果を表1に示した。
実施例1で得られたフォージャサイト型ゼオライト(FZ1)の電子顕微鏡写真である。

Claims (6)

  1. 酸化物モル比が下記の範囲にあるマトリックスヒドロゲルスラリーと、
    2O/Al23 = 2.0〜5.0(Mはアルカリ金属を示す)
    SiO2/Al23 = 5〜16
    2O/Al23 = 2000〜5000
    酸化物モル比が下記の範囲にある透明性シード溶液とを混合した、
    2O/Al23 = 12〜18(Mはアルカリ金属を示す)
    SiO2/Al23 =14〜20
    2O/Al23 = 100〜2000
    酸化物モル比が下記の範囲にある混合ヒドロゲルスラリーを、
    2O/Al23 =5.0〜15.0(Mはアルカリ金属を示す)
    SiO2/Al23 =6.0〜20.0
    2O/Al23 =1000〜3000
    水熱処理するフォージャサイト型ゼオライトの合成方法において、前記透明性シード溶液を、混合する前に0〜50℃で100〜1000時間熟成することを特徴とするフォージャサイト型ゼオライトの合成方法。
  2. 前記水熱処理条件が50〜120℃で12〜200時間であることを特徴とする請求項1に記載のフォージャサイト型ゼオライトの合成方法。
  3. 前記熟成後の透明性シード溶液中に含まれるシリカ・アルミナゲル粒子の平均粒子径が0.01〜0.5μmの範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載のフォージャサイト型ゼオライトの合成方法。
  4. 前記マトリックスヒドロゲルスラリーと前記透明性シード溶液の混合割合が、Al23モル比で1/0.5〜1/1.5の範囲であることを特徴とする請求項1〜3に記載のフォージャサイト型ゼオライト製造方法。
  5. 得られるフォージャサイト型ゼオライトの平均粒子径が0.01〜0.5μmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフォージャサイト型ゼオライト製造方法。
  6. 前記フォージャサイト型ゼオライトが、平均粒子径の0.5〜2.0倍の範囲にある粒子の割合が80〜99重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のフォージャサイト型ゼオライト製造方法。
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