JP2008031072A - イミンおよびエナミンの製造方法 - Google Patents

イミンおよびエナミンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カルボニル化合物とアミン化合物との脱水縮合反応において、特定の分離膜を用いる事により、使用する溶媒による制限無く、反応系から水を連続的に分離して、エネルギー消費量を抑えたイミンおよびエナミンの製造方法を提供する。
【解決手段】カルボニル化合物とアミン化合物とを水を選択的に透過することが可能な分離膜(例えば、ゼオライト膜)によって水を連続的に除去しながら反応させることを特徴とするイミン又はエナミンの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、カルボニル化合物とアミン化合物との脱水縮合反応によりイミンおよびエナミンを製造する方法に関する。
一般にイミンおよびエナミンは、ケトンまたはアルデヒドと、アミン化合物との脱水縮合反応によって合成される。このため水1分子がイミンまたはエナミン1分子と共に生成する。この反応は平衡反応であることから、イミンおよびエナミンの収率を上げるためには発生する水を反応系内から除く必要がある。通常、ディーン・スタークなどの装置を用いて反応系中の水を有機溶媒と共沸させることで取り除く操作を行うため(非特許文献1)、反応に使用する有機溶媒は水と共沸し、水と分相するものに限定される。従って、反応原料であるイミンおよびエナミンは、この有機溶媒や水に溶解するものに限られる。
近年、共沸に代わる方法として分離膜を用いる方法が提案されている。中でも、ゼオライト膜を用いる方法は、高分子膜を用いる方法に比べ膜の耐熱性、耐溶媒性が優れるため、各種有機溶媒を用いる化学反応プロセスに適している。しかし、ゼオライト膜の化学反応への適用としては、アルコールとカルボン酸からエステルを合成する反応において発生する水を取り除く方法に限られており(特許文献1)、エステル化以外でのゼオライト膜の適用は報告されていない。
特開2002−47213号公報 「第5版 実験化学講座(14)有機化合物の合成 II」、日本化学会編、第432頁から第437頁 Atlas of Zeolite Structure types(W.M.Meier,D.H.Olson,Ch.Baerlocher,Zeolites,17(1/2),1996)
本発明は、カルボニル化合物とアミン化合物との脱水縮合反応において、使用する溶媒による制限無く、反応系からの水の分離を行い、エネルギー消費量を抑えたイミンおよびエナミンの製造方法を提供することを課題とする。
本発明の上記課題は、カルボニル化合物とアミン化合物とを水を選択的に透過することが可能な分離膜によって水を除去しながら反応させることを特徴とするイミン又はエナミンの製造方法によって解決される。
本発明により、カルボニル化合物とアミン化合物との脱水縮合反応において、反応溶媒に制限される事無く水を分離することができる。また、パーベーパレーション法の場合、環流させる必要がないことから、原料の分解や副反応を生じさせる事無く、経済的、且つエネルギー消費量を抑えたイミン又はエナミンの製造を行う事ができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用するカルボニル化合物は、一般式(I)で示されるケトン化合物もしくはアルデヒド化合物である。
Figure 2008031072
(式中、R及びRは、共に水素原子である場合を除き、それぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいアルケニル基を示す)
ここでケトン化合物とは、一般式(I)中、R及びRが、それぞれ独立して置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいアルケニル基によって示される。
またアルデヒドとは、一般式(I)中、R又はRが水素原子で、残るRもしくはRが置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいアルケニル基によって示される。
具体的に、置換基を有してもよいアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロドデシル基等の炭素数1〜12の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基、或いは当該アルキル基が有する水素原子の1個以上を、フッ素原子、置換基を有してもよいアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基など)、置換基を有してもよいアルケニル基(2−ブテニル基、3−ブテニル基、ビニル基など)、置換基を有してもよいアリール基(フェニル基、ナフチル基など)、置換基を有してもよいシクロアルキル基(シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基など)からなる群より選ばれる置換基に置換したものが挙げられる。
置換基を有してもよいアリール基としては、例えば、炭素数6〜20の縮合多環式炭化水素基(フェニル基、ナフチル基など)、或いは、当該縮合多環式炭化水素基が有する水素原子の1個以上を、フッ素原子、置換基を有してもよいアルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基など)、置換基を有してもよいアルコキシ基(前記と同義)、置換基を有してもよいアルケニル基(2−ブテニル基、3−ブテニル基、ビニル基など)、置換基を有してもよいエステル基(メチルエステル基、エチルエステル基、n−プロピルエステル基、イソプロピルエステル基、n−ブチルエステル基、イソブチルエステル基、ペンチルエステル基、ヘキシルエステル基など)、ニトロ基からなる群より選ばれる置換基に置換したものが挙げられる。
置換基を有してもよいアルケニル基としては、例えば、2−ブテニル基、3−ブテニル基、ビニル基等の炭素数2〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基、或いは当該アルケニル基が有する水素原子の1個以上を、フッ素原子、置換基を有してもよいアルキル基(前記と同義)、置換基を有してもよいアルコキシ基(前記と同義)、置換基を有してもよいアリール基(前記と同義)、置換基を有してもよいシクロアルキル基(前記と同義)からなる群より選ばれる置換基に置換したものが挙げられる。
なお、R及びRが結合して、5〜14員環の環状アルキル基、または、1もしくは2個のヘテロ原子を含む5〜14員環のヘテロ環、或いは、これら置換基が有する水素原子の1個以上を、フッ素原子、置換基を有していてもよいアルコキシ基(前記と同義)、置換基を有してもよいアルケニル基(前記と同義)、置換基を有してもよいアリール基(前記と同義)、置換基を有してもよいシクロアルキル基(前記と同義)からなる群より選ばれる置換基に置換したものが挙げられる。
本発明で使用するアミン化合物は、一般式(II)で表される一級アミンもしくは二級アミン化合物である。
Figure 2008031072
(式中、R及びRは、共に水素原子である場合を除き、それぞれ独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいアルケニル基を示す)
ここで一級アミンは、一般式(II)中、R又はRが水素原子で、残るRもしくはRが水酸基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいアルケニル基によって示される。
二級アミンは、一般式(II)中、R及びRが、それぞれ独立して置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいアルケニル基によって示される。
具体的に置換基を有してもよいアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロドデシル基等の炭素数1〜12の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基、或いは当該アルキル基が有する水素原子の1個以上を、フッ素原子、置換基を有していてもよいアルコキシ基(前記と同義)、置換基を有してもよいアルケニル基(前記と同義)、置換基を有してもよいアリール基(前記と同義)、置換基を有してもよいシクロアルキル基(前記と同義)からなる群より選ばれる置換基に置換したものが挙げられる。
置換基を有していてもよいアリール基としては、例えば、炭素数6〜20の縮合多環式炭化水素基(フェニル基、ナフチル基など)、或いは当該縮合多環式炭化水素基が有する水素原子の1個以上を、フッ素原子、置換基を有してもよいアルキル基(前記と同義)、置換基を有してもよいアルコキシ基(前記と同義)、置換基を有してもよいアルケニル基(前記と同義)、置換基を有してもよいエステル基(前記と同義)、ニトロ基からなる群より選ばれる置換基に置換したものが挙げられる。
置換基を有してもよいアルケニル基としては、例えば、2−ブテニル基、3−ブテニル基、ビニル基等の炭素数2〜4の直鎖状及び分岐鎖状のアルケニル基、或いは当該アルケニル基が有する水素原子の1個以上を、フッ素原子、置換基を有していてもよいアルキル基(前記と同義)、置換基を有していてもよいアルコキシ基(前記と同義)、置換基を有していてもよいアリール基(前記と同義)、置換基を有していてもよいシクロアルキル基(前記と同義)からなる群より選ばれる置換基に置換したものが挙げられる。
なお、R及びRが結合して、5〜14員環の環状アルキル基、または、1もしくは2個のヘテロ原子を含む5〜14員環のヘテロ環或いはこれらが有する水素原子の1個以上を、フッ素原子、置換基を有していてもよいアルコキシ基(前記と同義)、置換基を有していてもよいアルケニル基(前記と同義)、置換基を有していてもよいアリール基(前記と同義)、置換基を有していてもよいシクロアルキル基(前記と同義)からなる群より選ばれる置換基に置換したものが挙げられる。
アミン化合物の使用量は、カルボニル化合物に対して1〜5倍モルであり、好ましくは、1〜2倍モル、さらに好ましくは1〜1.2倍モルである。
本発明の脱水縮合反応は、無溶媒または有機溶媒の存在下に行われる。有機溶媒としては、基質(カルボニル化合物と、第一級または第二級アミン化合物)および生成物(イミンおよびエナミン)と反応しないものであれば良い。また、水の分離操作が溶媒との共沸を利用するものではない為、溶媒は水と共沸混合物を形成するものに限定されない。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、テトラヒドフラン、tert−ブチルメチルエーテル、エチレングリコールメチル、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。また、本反応に使用する基質を過剰量使用することで過剰量分を溶媒として利用する事もできる。これらの溶媒は、単独または組み合わせて用いる事ができる。
有機溶媒の使用量は、カルボニル化合物に対して0〜10重量倍であり、好ましくは、0〜5重量倍、さらに好ましくは0〜1重量倍である。
水を選択的に透過することが可能な分離膜としては、無機膜、特に、耐溶媒性、選択性などの観点から、ゼオライトを多孔質支持体上に膜状に形成させたゼオライト膜が好ましい。
反応液から反応によって生じる水を取り除く必要があることから、ゼオライト膜は水と有機化合物(基質の過剰量分を溶媒として利用する場合は基質と生成物であり、有機溶媒を使用する場合は、これに加えて有機溶媒である。)との混合溶液において選択的に水を透過できる親水性のゼオライト膜が好ましい。ゼオライトの親水性や疎水性はゼオライトを構成するSi/Al比(原子比)によって規定する事ができ、好ましくはSi/Al(原子比)=1〜10であり、より好ましくはSi/Al(原子比)=1〜5である。
ゼオライトの種類(構造)としては、A型(LTA構造)、X、Y型(FAU構造)、T型(ERI,OFF構造)、モルデナイト型(MOR構造)、ZSM−5型(MFI構造)が挙げられ、より好ましくはA型、X型、Y型である。
なおゼオライトの構造とは、非特許文献2に掲載されているゼオライト構造である。ゼオライトは陽イオンを交換させるサイトがあるが、ここに交換されている陽イオンには特に制限がなく、例えば、H+、Li+、Na+、K+、Ca+、Cs+、NH4 +、遷移金属陽イオンなどが挙げられ、これらの陽イオンが混合しても構わない。ゼオライト膜を形成する支持体は、アルミナ、ステンレス、ジルコニア、ムライト、シリカ、チッ化珪素、炭化珪素、有機高分子などの多孔質支持体が用いられる。
本発明の脱水縮合反応は、空気又は不活性ガスの雰囲気下で行う事ができるが、好ましくは、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスの雰囲気下で行う事が好ましい。
本発明の脱水縮合反応の反応温度は、10〜200℃であり、好ましくは、25〜150℃である。また、反応圧力は、特に限定されるものではなく、常圧下、加圧下いずれでも実施される。なお、環流はしても、しなくても良い。
反応形式はバッチ反応、連続流通反応のいずれでも良い。反応時間或いは滞留時間は上記反応条件により異なるが、1分〜24時間である。
分離膜による水の除去方法としては、水を含む混合溶液から水蒸気として混合溶液から水を選択的に透過させて除去するパーベーパレーション法、または、水蒸気と混合溶液を形成する成分の蒸気から水蒸気を選択的に水蒸気を取り込み、水を選択的に除去するベーパーパーミエーション法が挙げられるが、好ましくはパーベーパレーション法である。また、分離膜は、分離方法に適した任意の場所に取り付けることができ、例えば、反応器に直接取り付けても、反応液を循環させるラインに組み込んでも良い。
反応終了後、濃縮により有機溶媒、又は過剰に用いた基質を除去した後、カラムクロマトグラフィーなどの定法にて精製することにより目的とするイミン、又はエナミンを得ることができる。
本発明で得られるイミン及びエナミンは、例えば、上記アミン化合物とカルボニル化合物の組合わせで得られるイミン及びエナミンが挙げられる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、シクロヘキサノンの転化率およびイミンまたはエナミンの収率は、内部標準法(内部標準にドデカンを使用)により、反応液の一部を抜き取り、ガスクロマトグラフィーを用いて分析し、算出した。
NaY型ゼオライト膜の透過性能は、パーベーパレーション法により50℃に加熱したメタノール/tert−ブチルメチルエーテル(10/90 wt/wt)混合液からメタノールを選択的に透過させる分離を行うことで評価を行った。なお、分離係数は次式によって算出した。
Figure 2008031072
ここで、PMは、透過液中のメタノールの重量%、PEは透過液中のtert−ブチルメチルエーテルの重量%であり、FMは、混合溶液中のメタノールの重量%、FEは混合溶液中のtert−ブチルメチルエーテルの重量%を表わす。
NaA型ゼオライト膜の透過性は、パーベーパレーション法により75℃に加熱した水/エタノール(10/90 wt/wt)混合液から水を選択的に透過させる分離を行うことで評価を行った。なお、分離係数は次式によって算出した。
Figure 2008031072
ここで、PMは、透過液中の水の重量%、PEは透過液中のエタノールの重量%であり、FMは、混合溶液中の水の重量%、FEは混合溶液中のエタノールの重量%を表わす。
[参考例1]
NaY型ゼオライト膜:
ケイ酸ナトリウム水溶液、アルミン酸ナトリウム、水酸化ナトリウムそして水をSiO/Al=26、NaO/SiO=0.89、HO/NaO=78の組成になるように混合した。混合溶液中にあらかじめNaY型ゼオライトの結晶を表面に塗布したムライトチューブ(細孔径約1.5ミクロン、外径12mm、内径9mm、長さ100mm)を浸漬し、100℃で6時間加熱を行った。反応終了後、蒸留水を用いて洗浄し、80℃で20時間乾燥を行った。
[参考例2]
NaA型ゼオライト膜:
ケイ酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、水酸化ナトリウムそして水をSiO/Al=2、NaO/SiO=1、HO/NaO=65の組成になるように混合した。混合溶液中にあらかじめNaA型ゼオライトの結晶を表面に塗布したムライトチューブ(細孔径約1.5ミクロン、外径12mm、内径9mm、長さ100mm)を浸漬し、105℃で3.5時間加熱を行った。反応終了後、蒸留水を用いて洗浄し、80℃で20時間乾燥を行った。
[実施例1]
使用前のNaY型ゼオライト膜を用いてパーベーパレーション法により50℃のメタノール/tert−ブチル メチルエーテル(10/90 wt/wt)混合液からメタノールを選択的に透過させる分離を行った結果、分離係数は10000以上、透過流速は1.50(kg/m・h)であった。
100mlのガラス製試験管にシクロヘキサノン15.0g(0.153mol)、シクロヘキシルアミン15.2g(0.153mol)、トルエン15.0g、ドデカン1.85g(内部標準)を充填し、NaY型ゼオライト膜を溶液中に浸漬して50℃で加熱攪拌を行った。反応により発生する水は、パーベーパレーション法によりNaY型ゼオライト膜を用いて連続的に系外へ取り除いた。6時間後、反応溶液の一部を取り出し、ガスクロマトグラフィーを用いて反応溶液の分析を行った。シクロヘキサノンの転化率は88.5%、イミンの選択率は>99%であった。
[実施例2]
100mlのガラス製試験管にシクロヘキサノン20.0g(0.204mol)、シクロヘキシルアミン20.5g(0.207mol)、トルエン5.02g、ドデカン2.52g(内部標準)を充填し、反応温度を90℃に変更した以外は実施例1と同様の操作で行った。なお、分離に使用したゼオライト膜は実施例1で使用した後、ポリプロピレン製のボトルにエタノールと共に入れて80℃で一晩加熱洗浄を行い、取り出したあと80℃で乾燥したNaY型ゼオライト膜を用いた。6時間後、反応溶液の一部を取り出し、ガスクロマトグラフィーを用いて反応溶液の分析を行った。シクロヘキサノンの転化率は90.9%、イミンの選択率は>99%であった。
[実施例3]
溶媒をシクロヘキサン、反応温度を90℃に変更した以外は、実施例1と同様の操作で行った。なお、分離に使用したゼオライト膜は実施例2で使用した後、ポリプロピレン製のボトルにエタノールと共に入れて80℃で一晩加熱洗浄を行い、取り出したあと80℃で乾燥したNaY型ゼオライト膜を用いた。6時間後、反応溶液の一部を取り出してガスクロマトグラフィーを用いて反応溶液の分析を行った。シクロヘキサノンの転化率は91.9%、イミンの選択率は>99%であった。
反応に使用したNaY型膜は、ポリプロピレン製のボトルにエタノールと共に入れ、80度で一晩加熱洗浄を行い、取り出したあと80℃で乾燥した。
[実施例4]
溶媒をtert−ブチルメチルエーテルに変更した以外は、実施例1と同様の操作で行った。なお、分離に使用したゼオライト膜は実施例3で使用したものを用いた。6時間後、反応溶液の一部を取り出してガスクロマトグラフィーを用いて反応溶液の分析を行った。シクロヘキサノンの転化率は90.5%で、イミン選択率は91.7%であった。
反応に使用したNaY型ゼオライト膜は、ポリプロピレン製のボトルにエタノールと共に入れ、80℃で一晩加熱洗浄を行った。次いで、80℃で乾燥したNaY型ゼオライト膜を用いてパーベーパレーション法により、50℃のメタノール/tert−ブチルメチルエーテル(10/90 wt/wt)混合液からメタノールを選択的に透過させる分離を行った。分離係数は10000以上、透過流速は1.23(kg/m・h)を示し、膜の劣化が起きていないことを確認した。
[実施例5]
ゼオライト膜をNaA型ゼオライト膜、反応温度を90℃に変更した以外は、実施例1と同様の操作で行った。なお、反応に使用する前のNaA型膜をパーベーパレーション法により75℃の水/エタノール(10/90 wt/wt)混合液から水を選択的に透過させる分離を行った結果、分離係数は4314、透過流速は2.511(kg/m・h)であった。
反応6時間後、反応溶液の一部を取り出してガスクロマトグラフィーを用いて反応溶液の分析を行った。シクロヘキサノンの転化率は88.7%、イミンの選択率は>99%であった。
反応に使用したNaA型ゼオライト膜は、ポリプロピレン製のボトルにエタノールと共に入れ、80℃で一晩加熱洗浄を行った。次いで、80℃で乾燥したNaA型膜を用いてパーベーパレーション法により、75℃の水/エタノール(10/90 wt/wt)混合液から水を選択的に透過させる分離を行った。分離係数は1471、透過流速は2.194(kg/m・h)であった。
[実施例6]
溶媒を1−プロパノール、反応温度を90℃にした以外は、実施例1と同様の操作で行った。6時間後、反応溶液の一部を取り出してガスクロマトグラフィーを用いて反応溶液の分析を行った。シクロヘキサノンの転化率は88.9%、イミンの選択率は>99%であった。
[実施例7]
溶媒をテトラヒドロフラン、反応温度を60℃に変更した以外は、実施例1と同様の操作で行った。6時間後、反応溶液の一部を取り出してガスクロマトグラフィーを用いて反応溶液の分析を行った。シクロヘキサノンの転化率は88.2%、イミンの選択率は>99%であった。
[実施例8]
溶媒をジメチルホルムアミド、反応温度を90℃に変更した以外は、実施例1と同様の操作で行った。6時間後、反応溶液の一部を取り出してガスクロマトグラフィーを用いて反応溶液の分析を行った。シクロヘキサノンの転化率は69.4%、イミンの選択率は98.3%であった。
[実施例9]
無溶媒、シクロヘキサノンの使用量を30.0g(0.306mol)、反応温度を90℃に変更した以外は、実施例1と同様の操作で行った。6時間後、反応溶液の一部を取り出してガスクロマトグラフィーを用いて反応溶液の分析を行った。シクロヘキサノンの転化率は48.1%、イミンの選択率は92.7%であった。
[比較例1]
100mlのガラス製試験管にシクロヘキサノン15.3g(0.156mol)、シクロヘキシルアミン15.5g(0.156mol)、トルエン15.1g、ドデカン1.93g(内部標準)を充填して90℃で加熱攪拌を行った(環流無し)。6時間後、反応溶液の一部を取り出し、ガスクロマトグラフィーを用いて反応溶液の分析を行った。シクロヘキサノンの転化率は45.3%、イミンの選択率は95.0%であった。
[比較例2]
ディーン・スターク蒸留装置を取り付けた100mlのフラスコにシクロヘキサノン15.1g(0.154mol)、シクロヘキシルアミン15.6g(0.157mol)、ベンゼン15.0g、ドデカン1.94g(内部標準)を充填して加熱還流(80℃)を行った。6時間後、反応溶液の一部を取り出し、ガスクロマトグラフィーを用いて反応溶液の分析を行った。シクロヘキサノンの転化率は95.3%、イミンの選択率は>99%であった。
Figure 2008031072
Figure 2008031072
[実施例10]
100mlのガラス製試験管にシクロヘキサノン15.0g(0.153mol)、モルフォリン15.0g(0.172mol)、トルエン15.0g、ドデカン1.92g(内部標準)を充填し、NaY型ゼオライト膜を溶液中に浸漬して90℃で加熱攪拌を行った。反応により発生する水は、パーベーパレーション法によりNaY型ゼオライト膜を用いて連続的に系外へ取り除いた。8時間後、反応溶液の一部を取り出し、ガスクロマトグラフィーを用いて反応溶液の分析を行った。シクロヘキサノンの転化率は55.1%、エナミンの選択率は>99%であった。
[比較例3]
30mlのガラス製試験管にシクロヘキサノン1.5g(0.0150mol)、シクロヘキシルアミン1.52g(0.0174mol)、トルエン1.51g、ドデカン0.198g(内部標準)を充填して90℃で加熱攪拌を行った。8時間後、反応溶液の一部を取り出し、ガスクロマトグラフィーを用いて反応溶液の分析を行った。シクロヘキサノンの転化率は29.4%、エナミンの選択率は>99%であった。
Figure 2008031072

Claims (8)

  1. カルボニル化合物とアミン化合物とを水を選択的に透過することが可能な分離膜によって水を除去しながら反応させることを特徴とするイミン又はエナミンの製造方法。
  2. 分離膜が無機膜である請求項1記載のイミン又はエナミンの製造方法。
  3. 無機膜がゼオライト膜である請求項2記載のイミン又はエナミンの製造方法。
  4. カルボニル化合物が一般式(I)に示されるケトン化合物もしくはアルデヒド化合物であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のイミン又はエナミンの製造方法。
    Figure 2008031072
    (式中、R及びRは、共に水素原子である場合を除き、それぞれ独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいアルケニル基を示す)
  5. アミン化合物が一般式(II)で表される1級アミンもしくは2級アミンであることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載のイミン又はエナミンの製造方法。
    Figure 2008031072
    (式中、R及びRは、共に水素原子である場合を除き、それぞれ独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいアルケニル基を示す)
  6. パーベーパレーション法もしくはベーパーパーミエーション法によって行うことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載のイミン又はエナミンの製造方法。
  7. ゼオライト膜がA型、X型、Y型のいずれかであることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載のイミン又はエナミンの製造方法。
  8. 非還流下で行うことを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載のイミンおよびエナミンの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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