JP5915674B2 - 多孔質支持体−ゼオライト膜複合体及び分離方法 - Google Patents

多孔質支持体−ゼオライト膜複合体及び分離方法 Download PDF

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本発明は有機物を含有する気体または液体の混合物の分離、濃縮に好適な多孔質支持体―ゼオライト膜複合体、及び該多孔質支持体―ゼオライト膜複合体を用いた有機化合物を含む液体または気体混合物の分離方法に関するものである。
従来、有機物を含有する気体または液体の混合物の分離、濃縮は、対象となる物質の性質に応じて、蒸留法、共沸蒸留法、溶媒抽出/蒸留法、吸着剤などにより行われている。しかしながら、これらの方法は、多くのエネルギーを必要とする、あるいは分離、濃縮対象の適用範囲が限定的であるといった欠点がある。
近年、これらの方法に代わる分離方法として、高分子膜やゼオライト膜などの膜を用いた膜分離、濃縮方法が提案されている。高分子膜は加工性に優れるものであり、例えば平膜や中空糸膜などがある。しかし高分子膜は、耐熱性が低く、また耐薬品性が低く、特に有機溶媒や有機酸といった有機物との接触で膨潤するものが多いため、分離、濃縮対象の適用範囲が限定的である。
また、ゼオライト膜は、通常、支持体上に膜状にゼオライトを形成させたゼオライト膜複合体として分離、濃縮に用いられている。例えば有機物と水との混合物を、ゼオライト膜複合体に接触させ、水を選択的に透過させることにより、有機物を分離し、濃縮することができる。無機材料の膜を用いた分離、濃縮は、蒸留や吸着剤による分離に比べ、エネルギーの使用量を削減できるほか、高分子膜よりも広い温度範囲で分離、濃縮を実施でき、更に有機物を含む混合物の分離にも適用できる。
ゼオライト膜を用いた分離法として、例えば、A型ゼオライト膜複合体を用いて水を選択的に透過させてアルコールを濃縮する方法(特許文献1)、モルデナイト型ゼオライト
膜複合体を用いてアルコールと水の混合系から水を選択的に透過させてアルコールを濃縮する方法(特許文献2)や、フェリエライト型ゼオライト膜複合体を用いて酢酸と水の混合系から水を選択的に透過させて酢酸を分離・濃縮する方法(特許文献3)などが提案されている。
特開平7−185275号公報 特開2003−144871号公報 特開2000−237561号公報
しかしながら、実用化に十分な処理量と分離性能を両立し、かつ有機物、特に有機酸への耐性をもつゼオライト膜はいまだ見出せていない。例えば、特許文献2のモルデナイト型ゼオライト膜複合体や特許文献3のフェリエライト型ゼオライト膜複合体は、透過流束が小さく、実用化には処理量が不十分である。また、酸性条件下で脱Al化反応が進行するので、使用時間が長くなるにつれ分離性能が変化し、有機酸存在条件下での使用は望ましくない。特許文献1のA型ゼオライトは、酸と接触すると構造が破壊されるため、有機酸存在下では分離膜として用いることができなかった。
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点が解決された、無機材料分離膜による分離、
濃縮において、実用上十分な処理量と分離性能を両立する多孔質支持体−ゼオライト膜複合体、該ゼオライト膜複合体を用いる分離、濃縮方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、水熱合成により多孔質支持体上にゼオライト膜を形成する際に、特定の組成の反応混合物を用いれば、支持体上に結晶化するゼオライトの結晶配向性が向上し、緻密なゼオライト膜が形成することを見出した。また、斯かる方法により調製されたゼオライト膜は、実用上十分な処理量と分離性能を両立する膜分離手段として用い得ることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて成し遂げられたものである。
即ち、本発明の要旨は、下記の[1]〜[]に存する。
[1]無機多孔質支持体上に、CHA型ゼオライトを水熱合成により膜状に形成することにより多孔質支持体―ゼオライト膜複合体を製造する方法であって、無機多孔質支持体の平均厚さが0.3mm以上であり、水熱合成が有機テンプレートの存在下で行われ、ゼオライト膜複合体が下記(3)の性質を有し、同時に下記(1)及び(2)何れか一方又は両方の性質を有していてもよいものであることを特徴とする多孔質支持体―ゼオライト膜複合体。
(1)含水率30質量%の2−プロパノールと水の混合物を、温度70℃、1気圧(1.01×10Pa)の圧力差で透過させた場合の透過流束が1kg/(m・h)以上20kg/(m・h)以下である。
(2)含水率30質量%の2−プロパノールと水の混合物を、温度70℃、1気圧(1.01×10Pa)の圧力差で透過させた場合の水のパーミエンスが3×10−7mol/(m・s・Pa)以上1×10−4mol/(m・s・Pa)以下である。
(3)含水率30質量%の2−プロパノールと水の混合物を、温度70℃、1気圧(1.01×10Pa)の圧力差で透過させた場合の分離係数が1000以上10000000以下である。
[2]ゼオライト膜複合体が下記(1)及び(2)の何れか一方又は両方の性質を有するものである、[1]に記載の多孔質支持体―ゼオライト膜複合体の製造方法
(1)含水率30質量%の2−プロパノールと水の混合物を、温度70℃、1気圧(1.01×10Pa)の圧力差で透過させた場合の透過流束が1kg/(m・h)以上20kg/(m・h)以下である。
(2)含水率30質量%の2−プロパノールと水の混合物を、温度70℃、1気圧(1.01×10Pa)の圧力差で透過させた場合の水のパーミエンスが3×10−7mol/(m・s・Pa)以上1×10−4mol/(m・s・Pa)以下である。
[3]ゼオライトのSiO/Alモル比が5以上である、[1]又は[2]に記載の多孔質支持体―ゼオライト膜複合体の製造方法
]水熱合成に用いるアルカリ源が、カリウム(K)又はナトリウム(Na)とカリウム(K)である、[1]ないし[]の何れかに記載の多孔質支持体−ゼオライト膜複合体の製造方法
]上記[1]ないし[]の何れかに記載の方法により製造された多孔質支持体―ゼオライト膜複合体に、有機化合物を含む気体または液体の混合物を接触させて、該混合物から、透過性の高い物質を透過させて分離することを特徴とする分離方法。
本発明により、有機物を含む気体または液体の混合物から特定の化合物を分離、濃縮する際に、実用上も十分に大きい処理量を有し、かつ十分な分離性能を有する多孔質支持体−ゼオライト膜複合体が提供される。このゼオライト膜複合体を分離手段として用いることにより、十分な処理量と分離性能を両立する、有機物を含む気体または液体の混合物から透過性の高い物質の分離、混合物の濃縮が可能となる。
本発明により提供される多孔質支持体−ゼオライト膜複合体は、結晶の配向性が向上した緻密なゼオライト膜が形成されているものである。また、耐酸性、耐水性に優れ、高含水率の有機化合物の分離/濃縮に特に好適に使用することができる。
パーベーパレーション測定装置の概略図である。 製造例2に記載のゼオライト膜のXRDスペクトルある。 製造例5に記載のゼオライト膜のXRDスペクトルである。 製造例6に記載のゼオライト膜のXRDスペクトルである。 試験例2および比較例1に記載の水/酢酸分離能の測定結果(透過流束の経時変化)を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について更に詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではな
く、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。なお、本明細書において、本発明の「多孔質支持体−ゼオライト膜複合体」を単に「ゼオライト膜複合体」または「膜複合体」と、また「多孔質支持体」を単に「支持体」と略称することがある。
本発明のゼオライト膜複合体の製造方法は、Si元素源、Al元素源、アルカリ源および有機テンプレートを含む水性反応混合物を用いて、水熱合成により、CHA型ゼオライトを有するゼオライト膜を多孔質支持体上に形成することにより多孔質支持体―ゼオライト膜複合体を製造する方法であって、アルカリ源が、少なくともカリウムを含むものであることに特徴を有するものである。先ず、この発明について、その詳細を説明する。
(ゼオライト膜)
本発明において、ゼオライト膜とは、後に詳述するとおり、多孔質支持体上に固着されている膜状のゼオライトを意味する。該ゼオライト膜は、支持体を有する(支持体上に固着される)ことによって機械的な強度が増し、取り扱いが容易になり、種々の装置設計が可能であるほか、全て無機物で構成されるため、耐熱性、耐薬品性に優れる。
ゼオライト膜は、一部アモルファス成分などが含有されていてもよいが、好ましくは実質的にゼオライトのみで構成されるゼオライト膜である。
ゼオライト膜の厚さは特に限定されないが、通常0.1μm以上、好ましくは0.6μm以上、より好ましくは1.0μm以上であり、通常100μm以下、好ましくは60μm以下、より好ましくは20μm以下である。膜厚が大きすぎると透過量が低下する傾向があり、小さすぎると選択性が低下する傾向がある。
ゼオライト膜を形成するゼオライトの粒子径は特に限定されないが、小さすぎると粒界が大きくなるなどして透過選択性などを低下させる傾向がある。それ故、通常30nm以上、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上であり、上限は膜の厚さ以下である。さらに、ゼオライトの粒子径が膜の厚さと同じである場合がより好ましい。ゼオライトの粒子径が膜の厚さと同じであるとき、ゼオライトの粒界が最も小さくなる。後に述べる水熱合成で得られたゼオライト膜は、ゼオライトの粒子径と膜の厚さが同じになる場合があるので特に好ましい。
ゼオライト膜の形状は特に限定されず、管状、中空糸状、モノリス型、ハニカム型などあらゆる形状を採用できる。また大きさも特に限定されず、例えば、管状の場合は、通常長さ2cm以上200cm以下、内径0.5cm以上2cm以下、厚さ0.5mm以上4mm以下が実用的で好ましい。
ゼオライト膜の分離機能の一つは、分子ふるいとしての分離であり、用いるゼオライトの有効細孔径以上の大きさを有する気体分子または液体分子とそれ以下の気体または液体分子とを好適に分離することができる。なお分離に供される分子に上限はないが、分子の大きさは、通常100Å程度以下である。
(ゼオライト)
本発明において、ゼオライト膜を構成するゼオライトのSiO/Alモル比は、通常5以上、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、さらに好ましくは12以上である。また上限は、通常2000以下、好ましくは1000以下、より好ましくは500以下、さらに好ましくは100以下である。
SiO/Alモル比が下限未満では耐久性が低下する傾向があり、上限を超過すると疎水性が強すぎるため、透過流束が小さくなる傾向がある。SiO/Alモル比は、後に述べる水熱合成の反応条件により調整することができる。
なお、SiO/Alモル比は、走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光
法(SEM−EDX)により得られた数値である。数ミクロンの膜のみの情報を得るために通常はX線の加速電圧を10kVで測定する。
(CHA型ゼオライト)
本発明において、CHA型ゼオライトとは、International Zeolite Association(I
ZA)が定めるゼオライトの構造を規定するコードでCHA構造のものであり、天然に産出するチャバサイトと同等の結晶構造を有するゼオライトである。CHA型ゼオライトは3.8×3.8Åの径を有する酸素8員環からなる3次元細孔を有することを特徴とする構造をとり、その構造はX線回折データにより特徴付けられる。
CHA型ゼオライトのフレームワーク密度(T/1000Å)は14.5である。また、SiO/Alモル比は上記と同様である。
ここで、フレームワーク密度(T/1000Å)とは、ゼオライトの1000Åあたりの、骨格を構成する酸素以外の元素(T元素)の数を意味し、この値はゼオライトの構造により決まるものである。なお、フレームワーク密度とゼオライトの構造との関係はATLAS OF ZEOLITE FRAMEWORK TYPES Fifth Revised Edition 2001 ELSEVIERに示されている。
(多孔質支持体)
本発明において、多孔質支持体としては、その表面などにゼオライトを膜状に固着、好ましくは結晶化できるような化学的安定性があり、多孔質であれば如何なるものであってもよい。例えば、シリカ、α−アルミナ、γ−アルミナ、ムライト、ジルコニア、チタニア、イットリア、窒化珪素、炭化珪素などのセラミックス焼結体(セラミックス支持体)、鉄、ブロンズ、ステンレス等の焼結金属や、ガラス、カーボン成型体などが挙げられる。
多孔質支持体の中でも基本的成分あるいはその大部分が無機の非金属物質から構成されている固体材料であるセラミックスを焼結したもの(セラミックス支持体)を含む無機多孔質支持体は、その一部がゼオライト膜合成中にゼオライト化することで界面の密着性を高める効果があるために特に好ましい。
具体的には、例えば、シリカ、α−アルミナ、γ−アルミナ、ムライト、ジルコニア、チタニア、イットリア、窒化珪素、炭化珪素などを含むセラミックス焼結体(セラミックス支持体)が挙げられる。その中でもアルミナ、シリカ、ムライトのうち少なくとも1種を含む無機多孔質支持体は、多孔質支持体の部分的なゼオライト化が容易であるため、支持体とゼオライトの結合が強固になり緻密で分離性能の高い膜が形成されやすくなるのでより好ましい。
多孔質支持体の形状は、気体混合物や液体混合物を有効に分離できるものであれば特に制限されず、具体的には、例えば、平板状、管状のもの、または円筒状、円柱状や角柱状の孔が多数存在するハニカム状のものやモノリスなどが挙げられる。
本発明において、多孔質支持体上、すなわち支持体の表面などにゼオライトを結晶化させるのが好ましい。
多孔質支持体の表面が有する平均細孔径は特に制限されないが、細孔径が制御されているものが好ましく、通常0.02μm以上、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上であり、通常20μm以下、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。
平均細孔径が小さすぎると透過量が小さくなる傾向があり、大きすぎると支持体自体の強度が不十分になることがあり、支持体表面の細孔の割合が増えて緻密なゼオライト膜が形成されにくくなることがある。
支持体の平均厚さ(肉厚)は、通常0.1mm以上、好ましくは0.3mm以上、より好ましくは0.5mm以上であり、通常7mm以下、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下である。支持体はゼオライト膜に機械的強度を与える目的で使用しているが、支持体の平均厚さが薄すぎるとゼオライト膜複合体が十分な強度を持たずゼオライト膜複合体が衝撃や振動等に弱くなる傾向がある。支持体の平均厚さが厚すぎると透過した物質の拡散が悪くなり透過流束が低くなる傾向がある。
多孔質支持体の表面は滑らかであることが好ましく、必要に応じて表面をやすり等で研磨してもよい。なお、多孔質支持体の表面とはゼオライトを結晶化させる無機多孔質支持体の表面部分を意味し、表面であればそれぞれの形状のどこの表面であってもよく、複数の面であっても良い。例えば円筒管の支持体の場合には外側の表面でも内側の表面でもよく、場合によっては外側と内側の両方の表面であってよい。
多孔質支持体の気孔率は、通常20%以上、好ましくは25%以上、より好ましくは30%以上であり、通常70%以下、好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下である。支持体の気孔率は、気体や液体を分離する際の透過流量を左右し、下限未満では透過物の拡散を阻害する傾向があり、上限を超えると支持体の強度が低下する傾向がある。
(多孔質支持体−ゼオライト膜複合体)
本発明において、多孔質支持体−ゼオライト膜複合体とは、多孔質支持体上にゼオライトが膜状に固着しているものである。ゼオライトは、支持体の表面のみならず、ゼオライトの一部が、多孔質支持体の内部にまで固着している状態のものが好ましい。
ゼオライト膜複合体としては、多孔質支持体上にCHA型ゼオライトを水熱合成により膜状に結晶化させたものが特に好ましい。
ゼオライト膜の多孔質支持体上の位置は特に限定されず、管状の多孔質支持体を用いる場合、外表面にゼオライト膜をつけてもよいし、内表面につけてもよく、さらに適用する系によっては両面につけてもよい。また、多孔質支持体の表面に積層させてもよいし、多孔質支持体の細孔内を埋めるように結晶化させてもよい。この場合、結晶化した膜層の内部に亀裂や連続した微細孔が無いことが重要であり、いわゆる緻密膜を形成させることが分離性を向上することになる。
本発明において、ゼオライト膜複合体は、ゼオライト膜がCHA型ゼオライトを含む場合、X線回折パターンにおいて、2θ=17.9°付近のピークの強度が2θ=20.8
°付近のピークの強度の0.5倍以上の大きさであることが好ましい。
ここで、ピークの強度とは、測定値からバックグラウンドの値を引いたものをさす。(2θ=17.9°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°付近のピークの強度)で表
されるピーク強度比(以下これを「ピーク強度比A」ということがある。)でいえば、通常0.5以上、好ましくは1以上、より好ましくは1.2以上、特に好ましくは1.5以上である。上限は特に限定されないが、通常1000以下である。
また、ゼオライト膜複合体は、ゼオライト膜がCHA型ゼオライトを含む場合、X線回折パターンにおいて、2θ=9.6°付近のピークの強度が2θ=20.8°付近のピー
クの強度の4倍以上の大きさであることが好ましい。
(2θ=9.6°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°付近のピークの強度)で
表されるピーク強度比(以下これを「ピーク強度比B」ということがある。)でいえば、通常4以上、好ましくは6以上、より好ましくは8以上、特に好ましくは10以上である。上限は特に限定されないが、通常1000以下である。
ここでいうX線回折パターンとは、ゼオライトが主として付着している側の表面にCu
Kαを線源とするX線を照射して、走査軸をθ/2θとして得るものである。測定するサンプルの形状としては、膜複合体のゼオライトが主として付着している側の表面にX線が照射できるような形状なら何でもよく、膜複合体の特徴をよく表すものとして、作成した膜複合体そのままのもの、あるいは装置によって制約される適切な大きさに切断したものが好ましい。
ここでいうX線回折パターンは、ゼオライト膜複合体の表面が曲面である場合には自動可変スリットを用いて照射幅を固定して測定してもかまわない。自動可変スリットを用いた場合のX線回折パターンとは、可変→固定スリット補正を実施したパターンを指す。
ここで、2θ=17.9°付近のピークとは基材に由来しないピークのうち17.9°±0.6°の範囲に存在するピークのうち最大のものを指す。
2θ=20.8°付近のピークとは基材に由来しないピークのうち20.8°±0.6°の範囲に存在するピークで最大のものを指す。
2θ=9.6°付近のピークとは基材に由来しないピークのうち9.6°±0.6°の範囲に存在するピークのうち最大のものを指す。
X線回折パターンで2θ=9.6°付近のピークはCOLLECTION OF SIMULATED XRD POWDER PATTERNS FOR ZEOLITE Third Revised Edition 1996 ELSEVIERによればrhombohedral settingで空間群を
Figure 0005915674
(No.166)とした時にCHA構造において指数が(1,0,0)の面に由来するピークである。
また、X線回折パターンで2θ=17.9°付近のピークはCOLLECTION OF SIMULATED XRD POWDER PATTERNS FOR ZEOLITE Third Revised Edition 1996 ELSEVIERによればrhombohedral settingで空間群を
Figure 0005915674
(No.166)とした時にCHA構造において指数が(1,1,1)の面に由来するピークである。
X線回折パターンで2θ=20.8°付近のピークはCOLLECTION OF SIMULATED XRD POWDER PATTERNS FOR ZEOLITE Third Revised Edition 1996 ELSEVIERによればrhombohedral settingで空間群を
Figure 0005915674
(No.166)とした時にCHA構造において指数が(2,0,−1)の面に由来するピークである。
(1,0,0)面由来のピークの強度と(2,0,−1)の面に由来のピーク強度の典型的な比(ピーク強度比B)は、COLLECTION OF SIMULATED XRD POWDER PATTERNS FOR ZEOLITE Third Revised Edition 1996 ELSEVIERによれば2.5である。
そのため、この比が4以上であるということは、例えば、CHA構造をrhombohedral settingとした場合の(1,0,0)面が膜複合体の表面と平行に近い向きになるようにゼオライト結晶が配向して成長していることを意味すると考えられる。ゼオライト膜複合体においてゼオライト結晶が配向して成長することは分離性能の高い緻密な膜が出来るという点で有利である。
(1,1,1)面由来のピークの強度と(2,0,−1)の面に由来のピーク強度の典型的な比(ピーク強度比A)は、COLLECTION OF SIMULATED XRD POWDER PATTERNS FOR ZEOLITE Third Revised Edition 1996 ELSEVIERによれば0.3である。
そのため、この比が0.5以上であるということは、例えば、CHA構造をrhombohedral settingとした場合の(1,1,1)面が膜複合体の表面と平行に近い向きになるようにゼオライト結晶が配向して成長していることを意味すると考えられる。ゼオライト膜複合体においてゼオライト結晶が配向して成長することは分離性能の高い緻密な膜が出来るという点で有利である。
このように、ピーク強度比A、Bのいずれかが、上記した特定の範囲の値であるということは、ゼオライト結晶が配向して成長し、分離性能の高い緻密なゼオライト膜が形成されていることを示すものである。
CHA型ゼオライト結晶が配向して成長している緻密なゼオライト膜は、次に述べる通り、ゼオライト膜を水熱合成により形成する際に、例えば、特定の有機テンプレートを用い、水性反応混合液中にKイオンを共存させることにより達成することができる。
(多孔質支持体−ゼオライト膜複合体の製造方法)
本発明において、上記支持体上に、水熱合成によりゼオライトを膜状に固着、好ましくは結晶化させ、ゼオライト膜を形成する。結晶化の方法に特に制限はないが、多孔質支持体を、ゼオライト製造に用いる水熱合成用の反応混合物(以下これを「水性反応混合物」ということがある。)中に入れて、直接水熱合成することで支持体上にゼオライトを結晶化させる方法が好ましい。
具体的には、例えば、組成を調整して均一化した水性反応混合物を、多孔質支持体を内部に緩やかに固定した、オートクレーブなどの耐熱耐圧容器に入れて密閉して、一定時間加熱すればよい。
水性反応混合物としては、Si元素源、Al元素源、有機テンプレート(構造規定剤)、および水を含み、さらにアルカリ源を含むものであり、アルカリ源としては、少なくともカリウム(K)を含むものである。
水性反応混合物に用いるSi元素源としては、例えば、無定形シリカ、コロイダルシリカ、シリカゲル、ケイ酸ナトリウム、無定形アルミのシリケートゲル、テトラエトキシシラン(TEOS)、トリメチルエトキシシラン等を用いることができる。
Al元素源としては、例えば、アルミン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、酸化アルミニウム、無定形アルミノシリケートゲル等を用いることができる。なお、Al元素源以外に他の元素源、例えばGa、Fe、B、Ti、Zr、Sn、Znなどの元素源を含んでいてもよい。
ゼオライトの結晶化において、必要に応じて有機テンプレートを用いることができるが、有機テンプレートを用いて合成したものが好ましい。有機テンプレートを用いて合成することにより、結晶化したゼオライトのアルミニウム原子に対するケイ素原子の割合が高くなり、耐酸性が向上する。
有機テンプレートとしては、CHA型ゼオライト膜を形成しうるものであれば種類は問わず、如何なるものであってもよい。また、テンプレートは1種類でも、2種類以上を組
み合わせて使用してもよい。
有機テンプレートとしては、通常、アミン類、4級アンモニウム塩類が用いられる。例えば、米国特許第4544538号明細書、米国特許公開第2008/0075656号明細書に記載の有機テンプレートが好ましいものとして挙げられる。
具体的には、例えば、1−アダマンタンアミンから誘導されるカチオン、3−キナクリジナールから誘導されるカチオン、3−exo−アミノノルボルネンから誘導されるカチオン等の脂環式アミンから誘導されるカチオンが挙げられる。これらの中で、1−アダマンタンアミンから誘導されるカチオンがより好ましい。
1−アダマンタンアミンから誘導されるカチオンを有機テンプレートとしたとき、緻密な膜を形成しうるCHA型ゼオライトが結晶化する。また、膜が水を選択的に透過するのに十分な親水性を有するCHA型ゼオライトが生成し得るほか、耐酸性に優れたCHA型ゼオライトが得られる。
1−アダマンタンアミンから誘導されるカチオンのうち、N,N,N−トリアルキル−1−アダマンタンアンモニウムカチオンがさらに好ましい。N,N,N−トリアルキル−1−アダマンタンアンモニウムカチオンの3つのアルキル基は、通常、それぞれ独立したアルキル基であり、好ましくは低級アルキル基、より好ましくはメチル基である。それらの中で最も好ましい化合物は、N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウムカチオンである。
このようなカチオンは、CHA型ゼオライトの形成に害を及ぼさないアニオンを伴う。このようなアニオンを代表するものには、Cl、Br、Iなどのハロゲンイオンや水酸化物イオン、酢酸塩、硫酸塩、およびカルボン酸塩が含まれる。これらの中で、水酸化物イオンが特に好適に用いられる。
また、その他の有機テンプレートとしては、N,N,N−トリアルキルベンジルアンモニウムカチオンも用いることができる。この場合もアルキル基は、それぞれ独立したアルキル基であり、好ましくは低級アルキル基、より好ましくはメチル基である。それらの中で、最も好ましい化合物は、N,N,N−トリメチルベンジルアンモニウムカチオンである。また、このカチオンが伴うアニオンは上記と同様である。
水性反応混合物に用いるアルカリ源としては、有機テンプレートのカウンターアニオンの水酸化物イオン、NaOH、KOHなどのアルカリ金属水酸化物、Ca(OH)などのアルカリ土類金属水酸化物などを用いることができる。
アルカリ源としては、少なくともKを含むものであれば特に限定されず、通常、Kと、Na、Li、Rb、Cs、Ca、Mg、Sr及びBaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むものである。これらの中で、NaとKが好ましく、Kがより好ましい。また、アルカリは2種類以上を併用してもよく、具体的には、NaとKを併用するのが好ましい。
水性反応混合物中のSi元素源とAl元素源の比は、通常、それぞれの元素の酸化物のモル比、すなわちSiO/Alモル比として表わす。
SiO/Al比は特に限定されないが、通常5以上、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは15以上であり、通常10000以下、好ましくは1000以下、より好ましくは500以下、更に好ましくは300以下、特に好ましくは100以下である。
SiO/Al比がこの範囲にあるときゼオライト膜が緻密に生成し更に生成したゼオライトが強い親水性を示し、有機物を含有する混合物中から親水性の化合物、特に水を選択的に透過することができる。また耐酸性に強く脱Alしにくいゼオライト膜が得
られる。
特に、SiO/Al比がこの範囲にあるとき、緻密な膜を形成しうるCHA型ゼオライトを結晶化させることができる。また、膜が水を選択的に透過するのに十分な親水性を有するCHA型ゼオライトが生成し得るほか、耐酸性に優れたCHA型ゼオライトが得られる。
水性反応混合物中のシリカ源と有機テンプレートの比は、SiOに対する有機テンプレートのモル比(有機テンプレート/SiO比)で、通常0.005以上、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.02以上であり、通常1以下、好ましくは0.4以下、より好ましくは0.2以下である。
有機テンプレート/SiO比がこの範囲にあるとき、緻密なゼオライト膜が生成しうることに加えて、生成したゼオライトが耐酸性に強くAlが脱離しにくい。また、この条件において、特に緻密で耐酸性のCHA型ゼオライトを形成させることができる。
Si元素源とアルカリ源の比は、M(2/n)O/SiO(ここで、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を示し、nはその価数1または2を示す。)モル比で、通常0.02以上、好ましくは0.04以上、より好ましくは0.05以上であり、通常0.5以下、好ましくは0.4以下、より好ましくは0.3以下である。
水性反応混合物中のアルカリ源とカリウムの比は、アルカリ源となる金属(アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属)の全量に対するカリウムのモル比で、通常0.01以上、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上であり、通常1以下、好ましくは0.8以下である。
水性反応混合物中へのKの添加は、前記のとおり、rhombohedral settingで空間群を
Figure 0005915674
(No.166)とした時に、CHA構造において指数が(1,0,0)の面に由来するピークである2θ=9.6°付近のピークの強度と(2,0,−1)の面に由来するピークである2θ=20.8°付近のピークの強度との比(ピーク強度比B)、または、(1,1,1)の面に由来するピークである2θ=17.9°付近のピークの強度と(2,0,−1)の面に由来するピークである2θ=20.8°付近のピークの強度との比(ピーク強度比A)を大きくする傾向がある。
Si元素源と水の比は、SiOに対する水のモル比(HO/SiOモル比)で、通常10以上、好ましくは30以上、より好ましくは40以上、特に好ましくは50以上であり、通常1000以下、好ましくは500以下、より好ましくは200以下、特に好ましくは150以下である。
水性反応混合物中の物質のモル比がこれらの範囲にあるとき、緻密なゼオライト膜が生成しうる。水の量は緻密なゼオライト膜の生成においてとくに重要であり、粉末合成法の一般的な条件よりも水がシリカに対して多い条件のほうが細かい結晶が生成して緻密な膜ができやすい傾向にある。
一般的に、粉末のCHA型ゼオライトを合成する際の水の量は、HO/SiOモル比で15〜50程度である。HO/SiOモル比が高い(50以上1000以下)、すなわち水が多い条件にすることにより、支持体上にCHA型ゼオライトが緻密な膜状に結晶化した分離性能の高いゼオライト膜複合体を得ることができる。
さらに、水熱合成に際して、必ずしも反応系内に種結晶を存在さる必要は無いが、種結晶を加えることで、支持体上にゼオライトの結晶化を促進できる。種結晶を加える方法と
しては特に限定されず、粉末のゼオライトの合成時のように、水性反応混合物中に種結晶を加える方法や、支持体上に種結晶を付着させておく方法などを用いることができる。ゼオライト膜複合体を製造する場合は、支持体上に種結晶を付着させておくことが好ましい。支持体上に予め種結晶を付着させておくことで緻密で分離性能良好なゼオライト膜が生成しやすくなる。
使用する種結晶としては、結晶化を促進するゼオライトであれば種類は問わないが、効率よく結晶化させるためには形成するゼオライト膜と同じ結晶型であることが好ましい。CHA型ゼオライト膜を形成する場合は、CHA型ゼオライトの種結晶を用いることが好ましい。
種結晶の粒子径は小さいほうが望ましく、必要に応じて粉砕して用いても良い。粒径は、通常0.5nm以上、好ましくは1nm以上、より好ましくは2nm以上であり、通常20μm以下、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下である。
支持体上に種結晶を付着させる方法は特に限定されず、例えば、種結晶を水などの溶媒に分散させてその分散液に支持体を浸けて種結晶を付着させるディップ法や、種結晶を水などの溶媒と混合してスラリー状にしたものを支持体表面上に塗りこむ方法などを用いることができる。種結晶の付着量を制御し、再現性良く膜複合体を製造するにはディップ法が望ましい。
種結晶を分散させる溶媒は特に限定されないが、特に水が好ましい。分散させる種結晶の量は特に限定されず、分散液の全質量に対して、通常0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上であり、通常20質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは4質量%以下、とくに好ましくは3質量%以下である。
分散させる種結晶の量が少なすぎると、支持体上に付着する種結晶の量が少ないため、水熱合成時に支持体上に部分的にゼオライトが生成しない箇所ができ、欠陥のある膜となる可能性がある。ディップ法によって支持体上に付着する種結晶の量は分散液中の種結晶の量がある程度以上でほぼ一定となるため、分散液中の種結晶の量が多すぎると、種結晶の無駄が多くなりコスト面で不利である。
支持体にディップ法あるいはスラリーの塗りこみによって種結晶を付着させ、乾燥した後にゼオライト膜の形成を行うことが望ましい。
支持体上に予め付着させておく種結晶の量は特に限定されず、基材1mあたりの質量で、通常0.01g以上、好ましくは0.05g以上、より好ましくは0.1g以上であり、通常100g以下、好ましくは50g以下、より好ましくは10g以下、更に好ましくは8g以下である。
種結晶の量が下限未満の場合には、結晶ができにくくなり、膜の成長が不十分になる場合や、膜の成長が不均一になったりする傾向がある。また、種結晶の量が上限を超える場合には、表面の凹凸が種結晶によって増長されたり、支持体から落ちた種結晶によって自発核が成長しやすくなって支持体上の膜成長が阻害されたりする場合がある。何れの場合も、緻密なゼオライト膜が生成しにくくなる傾向となる。
水熱合成により支持体上にゼオライト膜を形成する場合、支持体の固定化方法に特に制限はなく、縦置き、横置きなどあらゆる形態をとることができる。この場合、静置法でゼオライト膜を形成させてもよいし、水性反応混合物を攪拌させてゼオライト膜を形成させてもよい。
ゼオライト膜を形成させる際の温度は特に限定されないが、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは150℃以上であり、通常200℃以下、好ましくは190℃以下、より好ましくは180℃以下である。反応温度が低すぎると、ゼオライトが結晶化し難くなることがある。また、反応温度が高すぎると、本発明におけるゼオライトとは異なるタイプのゼオライトが生成し易くなることがある。
加熱時間は特に限定されないが、通常1時間以上、好ましくは5時間以上、更に好ましくは10時間以上であり、通常10日間以下、好ましくは5日以下、より好ましくは3日以下、さらに好ましくは2日以下である。反応時間が短すぎるとゼオライトが結晶化し難くなることがある。反応時間が長すぎると、本発明におけるゼオライトとは異なるタイプのゼオライトが生成し易くなることがある。
ゼオライト膜形成時の圧力は特に限定されず、密閉容器中に入れた水性反応混合物を、この温度範囲に加熱したときに生じる自生圧力で十分である。さらに必要に応じて、窒素などの不活性ガスを加えても差し支えない。
水熱合成により得られたゼオライト膜複合体は、水洗した後に、加熱処理して、乾燥させる。ここで、加熱処理とは、熱をかけてゼオライト膜複合体を乾燥又はテンプレートを使用した場合にテンプレートを焼成することを意味する。
加熱処理の温度は、乾燥を目的とする場合は通常50℃以上、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上、通常200℃以下、好ましくは150℃以下である。加熱処理の温度はテンプレートの焼成を目的とする場合通常350℃以上、好ましくは400℃以上、より好ましくは430℃以上、更に好ましくは480℃以上であり、通常900℃以下、好ましくは850℃以下、さらに好ましくは800℃以下、特に好ましくは750℃以下である
加熱時間は、ゼオライト膜が十分に乾燥、またはテンプレートが焼成する時間であれば特に限定されず、好ましくは0.5時間以上、より好ましくは1時間以上である。上限は特に限定されず、通常200時間以内、好ましくは150時間以内、より好ましくは100時間以内である。
水熱合成を有機テンプレートの存在下で行った場合、得られたゼオライト膜複合体を、水洗した後に、例えば、加熱処理や抽出などにより、好ましくは加熱処理、すなわち焼成により有機テンプレートを取り除くことが適当である。
焼成温度は、通常350℃以上、好ましくは400℃以上、より好ましくは430℃以上、特に好ましくは480℃以上であり、通常900℃以下、好ましくは850℃以下、より好ましくは800℃以下、特に好ましくは750℃以下である。焼成温度が低すぎると有機テンプレートが残っている割合が多くなる傾向があり、ゼオライトの細孔が少なく、そのために分離濃縮の際の透過流束が減少する可能性がある。焼成温度が高すぎると支持体とゼオライトの熱膨張率の差が大きくなるためゼオライト膜に亀裂が生じやすくなる可能性があり、ゼオライト膜の緻密性が失われ分離性能が低くなることがある。
焼成時間は、昇温速度や降温速度により変動するが、有機テンプレートが十分に取り除かれる時間であれば特に限定されず、好ましくは1時間以上、より好ましくは5時間以上である。上限は特に限定されず、例えば、通常200時間以内、好ましくは150時間以内、より好ましくは100時間以内、最も好ましくは24時間以内である。焼成は空気雰囲気で行えばよいが、酸素を付加した雰囲気で行ってもよい。
焼成の際の昇温速度は、支持体とゼオライトの熱膨張率の差がゼオライト膜に亀裂を生じさせることを少なくするために、なるべく遅くすることが望ましい。昇温速度は、通常5℃/分以下、好ましくは2℃/分以下、より好ましくは1℃/分以下、特に好ましくは
0.5℃/分以下である。通常、作業性を考慮し0.1℃/分以上である。
また、焼成後の降温速度もゼオライト膜に亀裂が生じることを避けるためにコントロールする必要があり、昇温速度と同様、遅ければ遅いほど望ましい。降温速度は、通常5℃/分以下、好ましくは2℃/分以下、より好ましくは1℃/分以下、特に好ましくは0.5℃/分以下である。通常、作業性を考慮し0.1℃/分以上である。
ゼオライト膜は、必要に応じてイオン交換しても良い。イオン交換は、テンプレートを用いて合成した場合は、通常、テンプレートを除去した後に行う。イオン交換するイオンとしては、プロトン、Na、K、Liなどのアルカリ金属イオン、Ca2+、Mg2+、Sr2+、Ba2+などのアルカリ土類金属イオン、Fe、Cu、Znなどの遷移金属のイオンなどが挙げられる。これらの中で、プロトン、Na、K、Liなどのアルカリ金属イオンが好ましい。
イオン交換は、焼成後(テンプレートを使用した場合など)のゼオライト膜を、NHNO、NaNOなどアンモニウム塩あるいは交換するイオンを含む水溶液、場合によっては塩酸などの酸で、通常、室温から100℃の温度で処理後、水洗する方法などにより行えばよい。さらに、必要に応じて200℃〜500℃で焼成してもよい。
加熱処理後のゼオライト膜複合体の空気透過量は、通常1400L/(m・h)以下、好ましくは1000L/(m・h)以下、より好ましくは700L/(m・h)以下、より好ましくは600L/(m・h)以下、さらに好ましくは500L/(m・h)以下、特に好ましくは300L/(m・h)以下、もっとも好ましくは200L/(m・h)以下である。透過量の下限は特に限定されないが、通常0.01L/(m・h)以上、好ましくは0.1L/(m・h)以上、より好ましくは1L/(m・h)以上である。
ここで、空気透過量とは、後に詳述するとおり、ゼオライト膜複合体を絶対圧5kPaの真空ラインに接続した時の空気の透過量[L/(m・h)]である。
かくして製造されるゼオライト膜複合体は、優れた分離性能をもつものであり、本発明における膜分離手段として好適に用いることができる。
(分離性能、分離方法)
本発明の分離方法は、上記ゼオライト膜複合体を膜分離手段として用いるものであり、さらに詳しくは、有機化合物を含む気体または液体の混合物を、上記多孔質支持体―ゼオライト膜複合体に接触させて、該混合物から、透過性の高い物質を透過させて分離することに特徴をもつものである。この発明において、多孔質支持体―ゼオライト膜複合体は、上記と同様のものが用いられる。また、好ましいものも上記と同様である。
本発明の分離方法において、ゼオライト膜を備えた多孔質支持体を介し支持体側又はゼオライト膜側の一方の側に、有機化合物を含む気体または液体の混合物を接触させ、その逆側を混合物が接触している側よりも低い圧力とすることによって混合物から、ゼオライト膜に透過性が高い物質(透過性が相対的に高い混合物中の物質)を選択的に、すなわち透過物質の主成分として透過させる。これにより、混合物から透過性の高い物質を分離することができる。その結果、混合物中の特定の有機化合物(透過性が相対的に低い混合物中の物質)の濃度を高めることで、特定の有機化合物を分離回収、あるいは濃縮することができる。
例えば、水と有機化合物の混合物の場合、通常水がゼオライト膜に対する透過性が高いので、混合物から水が分離され、有機化合物は元の混合物中で濃縮される。パーベーパレーション法(浸透気化法)、ベーパーパーミエーション法(蒸気透過法)と呼ばれる分離・濃縮方法は、本発明の分離方法におけるひとつの実施形態である。
前記多孔質支持体−ゼオライト膜複合体は、含水率が20質量%以上の含水有機化合物を処理した場合でも、高い透過性能、選択性を発揮し、耐久性に優れた分離膜としての性能を持つ。
ここでいう高い透過性能とは、十分な処理量を示し、例えば、膜を透過する物質の透過流束が、例えば含水率30%の2−プロパノールと水の混合物を、70℃において、1気圧(1.01×10Pa)の圧力差で透過させた場合、通常1kg/(m・h)以上、好ましくは3kg/(m・h)以上、より好ましくは5kg/(m・h)以上であることをいう。透過流束の上限は特に限定されず、通常20kg/(m・h)以下、好ましくは15kg/(m・h)以下である。
また、高い透過性能をパーミエンスで表す事もできる。パーミエンスとは、透過する物質量を膜面積と時間と水の分圧差の積で割ったものである。パーミエンスの単位で表した場合、水のパーミエンスとしては、例えば含水率30%の2−プロパノールと水の混合物を、70℃において、1気圧(1.01×10Pa)の圧力差で透過させた場合、通常3×10−7mol/(m・s・Pa)以上、好ましくは5×10−7mol/(m・s・Pa)以上、より好ましくは1×10−6mol/(m・s・Pa)以上、とくに好ましくは2×10−6mol/(m・s・Pa)以上である。パーミエンスの上限は特に限定されず、通常1×10−4mol/(m・s・Pa)以下、好ましくは5×10−5mol/(m・s・Pa)以下である。
選択性は分離係数により表される。分離係数は膜分離で一般的に用いられる選択性を表す以下の指標である。
分離係数=(Pα/Pβ)/(Fα/Fβ)
[ここで、Pαは透過液中の主成分の質量パーセント濃度、Pβは透過液中の副成分の質
量パーセント濃度、Fαは透過液において主成分となる成分の被分離混合物中の質量パーセント濃度、Fβは透過液において副成分となる成分の被分離混合物中の質量パーセント濃度である。]
分離係数は、例えば含水率30%の2−プロパノールと水の混合物を、70℃において、1気圧(1.01×10Pa)の圧力差で透過させた場合、通常1000以上、好ましくは4000以上、より好ましくは10000以上、特に好ましくは20000以上である。分離係数の上限は完全に水しか透過しない場合でありその場合は無限大となるが、好ましくは10000000以下、より好ましくは1000000以下である。
上記した高い透過性能と選択性をもち、耐久性に優れた分離膜は、前記のとおり、特定の有機テンプレートと、アルカリ源としてカリウム(K)を含む水熱合成用の反応混合物を用いることにより得ることができる。カリウム(K)を含まないアルカリ源を用いる場合は、SiO/Alモル比を高く(例えばSiO/Alモル比で50以上2000以下)設定し、かつ水を相対的に少なめ(例えばHO/SiOモル比で40以上100以下)とすることにより、上記のとおり、空気透過量が小さく、かつ優れた分離性能をもつ緻密なCHA型ゼオライト膜を得ることができる。
かくして、本発明の別の態様により、上記した透過流束、水のパーミエンス、分離係数の少なくとも一つの性質を有する多孔質支持体−ゼオライト膜複合体が提供される。
本発明において、分離対象が、水と有機化合物の混合物(以下これを「含水有機化合物」ということがある。)の場合、混合物中の含水率は、通常20質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは45質量%以上であり、通常95質量%以下、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。
本発明の分離方法では、ゼオライト膜を透過する物質は、通常水であるため、含水率が
少なくなると処理量が低下するため効率的でない。また含水率が多すぎると濃縮に必要な膜が大面積となり(膜が管状に形成されている場合は数が多くなり)経済的な効果が小さくなる。
含水有機化合物としては、適当な水分調節方法により、予め含水率を調節したものであってもよい。この場合、好ましい含水率は上記と同様である。また、水分調節方法としては、それ自体既知の方法、例えば、蒸留、圧力スイング吸着(PSA)、温度スイング吸着(TSA)、デシカントシステムなどが挙げられる。
さらに、ゼオライト膜複合体によって水が分離された含水有機化合物から、さらに水を分離してもよい。これにより、より高度に水を分離し、含水有機化合物をさらに高度に濃縮することができる。
有機化合物としては、例えば、酢酸、アクリル酸、プロピオン酸、蟻酸、乳酸、シュウ酸、酒石酸、安息香酸などのカルボン酸類や、スルフォン酸、スルフィン酸、ハビツル酸、尿酸、フェノール、エノール、ジケトン型化合物、チオフェノール、イミド、オキシム、芳香族スルフォンアミド、第1級および第2級ニトロ化合物などの有機酸類;メタノール、エタノール、イソプロパノール(2−プロパノール)などのアルコール類;アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;アセトアルデヒドなどのアルデヒド類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミドなどの窒素を含む有機化合物(N含有有機化合物);酢酸エステル、アクリル酸エステル等のエステル類などが挙げられる。
これらの中で、特にアルコール、エーテル、ケトン、アルデヒド、アミドから選ばれる少なくとも一種を含有する有機化合物が望ましい。これら有機化合物の中で、炭素数が2から10のものが好ましく、炭素数が3から8のものがより好ましい。
また有機化合物としては、水と混合物(混合溶液)を形成し得る高分子化合物でもよい。かかる高分子化合物としては、分子内に極性基を有するもの、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールなどのポリオール類;ポリアミン類;ポリスルホン酸類;ポリアクリル酸などのポリカルボン酸類;ポリアクリル酸エステルなどのポリカルボン酸エステル類;グラフト重合等によってポリマー類を変性させた変性高分子化合物類;オレフィンなどの非極性モノマーとカルボキシル基等の極性基を有する極性モノマーとの共重合によって得られる共重合高分子化合物類などが挙げられる。
さらに、含水有機化合物としては、水とポリマーエマルジョンとの混合物でもよい。ここで、ポリマーエマルジョンとは、接着剤や塗料等で通常使用される、界面活性剤とポリマーとの混合物である。ポリマーエマルジョンに用いられるポリマーとしては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ポリオレフィン、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのオレフィン−極性モノマー共重合体、ポリスチレン、ポリビニルエーテル、ポリアミド、ポリエステル、セルロース誘導体等の熱可塑性樹脂;尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等の熱硬化性樹脂;天然ゴム、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、スチレン−ブタジエン共重合体などのブタジエン共重合体等のゴム等が挙げられる。また界面活性剤としては、それ自体既知のものを用いればよい。
本発明のゼオライト膜複合体は、耐酸性を有するため、水と酢酸など有機酸の混合物からの水分離、エステル化反応促進のための水分離などにも有効に利用できる。
本発明の分離方法は、前記ゼオライト膜複合体を用いて、適当な分離装置を作製し、それに有機化合物を含む気体または液体の混合物を導入することにより行えばよい。これら分離装置は、それ自体既知の部材により作製することができる。
以下、実験例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例により限定されるものではない。
<ゼオライト膜の物性及び分離性能の測定>
以下の実験例において、ゼオライト膜の物性及び分離性能は、次の方法で測定した。
(1)X線回折(XRD)測定
XRD測定は以下の条件に基づき行った。
・装置名:オランダPANalytical社製X’PertPro MPD
・光学系仕様 入射側:封入式X線管球(CuKα)
Soller Slit (0.04rad)
Divergence Slit (Valiable Slit)
試料台:XYZステージ
受光側:半導体アレイ検出器(X’ Celerator)
Ni−filter
Soller Slit (0.04rad)
ゴニオメーター半径:240mm
・測定条件 X線出力(CuKα):45kV、40mA
走査軸:θ/2θ
走査範囲(2θ):5.0−70.0°
測定モード:Continuous
読込幅:0.05°
計数時間:99.7sec
自動可変スリット(Automatic−DS):1mm(照射幅)
横発散マスク:10mm(照射幅)
なお、X線は円筒管の軸方向に対して垂直な方向に照射した。またX線は、できるだけノイズ等がはいらないように、試料台においた円筒管状の多孔質支持体―ゼオライト膜複合体と、試料台表面と平行な面とが接する2つのラインのうち、試料台表面ではなく、試料台表面より上部にあるもう一方のライン上に主にあたるようにした。
また、照射幅を自動可変スリットによって1mmに固定して測定し、Materials Data, Inc.のXRD解析ソフトJADE 7.5.2(日本語版)を用いて可変ス
リット→固定スリット変換を行ってXRDパターンを得た。
(2)SEM−EDX測定
SEM−EDX測定は以下の条件に基づき行った。
・装置名:SEM:FE−SEM Hitachi:S−4800
EDX:EDAX Genesis
・加速電圧:10kV
倍率5000倍での視野全面(25μm×18μm)を走査し、X線定量分析を行った。
(3)SEM測定
SEM測定は以下の条件に基づき行った。
・装置名:SEM:FE−SEM Hitachi:S−4100
・加速電圧:10kV
(4)空気透過量
多孔質支持体―ゼオライト膜複合体の一端を封止し、他端を、密閉状態で5kPaの真空ラインに接続して、真空ラインとゼオライト膜複合体の間に設置したマスフローメーターで空気の流量を測定し、空気透過量[L/(m・h)]とした。マスフローメーターと
してはKOFLOC社製8300、Nガス用、最大流量500ml/min(20℃、
1気圧換算)を用いた。KOFLOC社製8300においてマスフローメーターの表示が10ml/min(20℃、1気圧換算)以下であるときはLintec社製MM−21
00M、Airガス用、最大流量20ml/min(0℃、1気圧換算)を用いて測定し
た。
(5)パーベーパレーション法
パーベーパレーション法に用いた装置の概略図を図1に示す。図1において多孔質支持体―ゼオライト膜複合体5は真空ポンプ9によって内側が減圧され、被分離液4が接触している外側と圧力差が約1気圧(1.01×10Pa)になっている。この圧力差によって、被分離液4中の透過物質(水)が多孔質支持体―ゼオライト膜複合体5に浸透気化して透過する。透過した物質はトラップ7で捕集される。一方、被分離液4中の有機化合物は、多孔質支持体―ゼオライト膜複合体5の外側に滞留する。
一定時間ごとに、トラップ7に捕集した透過液の質量測定および組成分析、被分離液4の組成分析を行い、それらの値を用いて各時間の分離係数、透過流束、水のパーミエンスなどを前記のとおり算出した。なお、組成分析はガスクロマトグラフにより行った。また、透過開始から約5時間で、透過流束、分離係数、透過液中の水の濃度などが安定してくるので、特に明記しない限り、透過成績は5時間後の値である。
<無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体の製造>
以下の製造例1〜12において、CHA型ゼオライトを無機多孔質支持体上に直接水熱合成することで、無機多孔質支持体−ゼオライト膜複合体を製造した。
[製造例1]
CHA型ゼオライト膜の作成のために、N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウムヒドロキシド(以下これを「TMADAOH」ということがある。)水溶液を、米国特許第4544538明細書に記載の方法に準じて次のとおり調製した。
5.5gの1−アダマンタンアミン(アルドリッチ社製)を75mlのメタノールに溶解し、24.2gの炭酸カリウムを加え、30分攪拌した。これに、10mlのヨードメタンを滴下させ、1昼夜攪拌した。その後、塩化メチレンを50ml加えて固体をろ過した。得られた溶液の溶媒をエバポレーターにより除去して固体を得た。この固体に塩化メチレン130ml加えてろ過、溶媒の除去を2回繰り返した。その後、得られた固体をメタノールを用いて再結晶した。再結晶された固体をろ過し、ジエチルエーテルで洗浄後、乾燥してN,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウムヨーダイド(TMADI)を得た。
このTMADIを水に溶解させ、アニオン交換樹脂(三菱化学社製 SA−10A)によりイオン交換し、エバポレーターで濃縮しTMADAOH水溶液を得た。滴定により求めた、水溶液中のTMADAOH濃度は0.75mmol/gであった。また、この水溶液中に含まれるK量は1.84質量%であった。
水熱合成用の反応混合物として、以下のものを調製した。
1mol/L−NaOH水溶液6.9gと水103.6gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al 53.5質量%含有、アルドリッチ社製)0.43gを加えて撹拌し溶解させ、透明溶液とした。これに有機テンプレートとして、上記のTMADAOH水溶液9.2gを加え(この溶液中にKとして0.17g含有している。)、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)10.4gを加えて3時間撹拌し、水性反応混合物とした。
この反応混合物の組成(モル比)は、SiO/Al/NaOH/KOH/HO/TMADAOH=1/0.033/0.1/0.06/100/0.1、SiO/Al=30である。
無機多孔質支持体としては、ニッカトー社製のムライトチューブPM(外径12mm、内径9mm)を80mmの長さに切断した後、外表面を耐水性紙やすりを用いて滑らかにして、超音波洗浄機で洗浄したのち乾燥させたものを用いた。
種結晶として、SiO/Al/NaOH/HO/TMADAOH=1/0.
033/0.1/40/0.1のゲル組成(モル比)で、160℃、2日間水熱合成して結晶化させたものを、ろ過、水洗、乾燥して得られたCHA型ゼオライトを用いた。種結晶の粒径は0.5μm程度であった。
この種結晶を1質量%水中に分散させたものに、上記支持体を所定時間浸した後、100℃で5時間以上乾燥させて種結晶を付着させた。付着した種結晶の質量は3g/mであった。
種結晶を付着させた支持体を、上記水性反応混合物の入ったテフロン(登録商標)製内筒(200ml)に垂直方向に浸漬して、オートクレーブを密閉し、160℃で48時間、静置状態で、自生圧力下で加熱した。所定時間経過後に放冷し、多孔質支持体−ゼオライト膜複合体を反応混合物から取り出し、洗浄後、100℃で5時間以上乾燥させた。
テンプレート焼成前の状態(以下これを「as−made」ということがある。)のゼオライト膜複合体を、電気炉で、550℃、10時間焼成した。このときの昇温速度と降温速度はともに0.5℃/分とした。
焼成後の膜複合体の質量と支持体の質量の差から求めた、支持体上に結晶化したCHA型ゼオライトの質量は120g/mであった。SEM観察から、膜厚は15μmであった。
焼成後のゼオライト膜複合体の空気透過量は50L/(m・h)であった。
生成した膜のXRD測定をしたところCHA型ゼオライトが生成していることがわかった。
XRDパターンから、(2θ=17.9°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°
付近のピークの強度)=2.9であり、rhombohedral settingにおける(1,1,1)面への配向が推測された。
短冊状に切断した無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体をSEMで観測した結果、表面に結晶が緻密に生成していた。
SEM−EDXにより測定した、ゼオライト膜のSiO/Alモル比は22であった。
[製造例2]
水熱合成用の反応混合物として、以下のものを調製した。
1mol/L−NaOH水溶液10.5gと1mol/L−KOH水溶液7.0gと水100.0gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al 53.5質量%含有、アルドリッチ社製)0.88gを加えて撹拌し溶解させ、透明溶液とした。これに有機テンプレートとしてTMADAOH水溶液(TMADAOH25質量%含有、セイケム社製)2.95gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)10.5gを加えて2時間撹拌し、反応混合物とした。
この反応混合物の組成(モル比)は、SiO/Al/NaOH/KOH/HO/TMADAOH=1/0.066/0.15/0.1/100/0.05、SiO/Al=15である。
無機多孔質支持体としては、製造例1と同様のものを、同様に処理して用いた。
種結晶として、製造例1と同様の条件で水熱合成して結晶化させた粒径0.5μm程度のCHA型ゼオライトを用いた。
この種結晶を、製造例1と同様の方法で、上記支持体に付着させた。付着した種結晶の質量は5g/mであった。
種結晶を付着させた支持体を、製造例1と同様に、上記反応混合物の入ったテフロン(登録商標)製内筒(200ml)に垂直方向に浸漬してオートクレーブを密閉し、160℃で48時間、静置状態で、自生圧力下で加熱した。所定時間経過後、放冷した後に支持体−ゼオライト膜複合体を反応混合物から取り出し、洗浄後、100℃で5時間以上乾燥させた。
as−madeのゼオライト膜複合体を、電気炉で、500℃、5時間焼成した。焼成後の膜複合体の質量と支持体の質量の差から求めた、支持体上に結晶化したCHA型ゼオライトの質量は120g/mであった。SEM観察から、膜厚は15μmであった。
焼成後のゼオライト膜複合体の空気透過量は50L/(m・h)であった。
生成した膜のXRDパターンと種結晶として使用した粉末のCHA型ゼオライト[米国特許第4544538号明細書においてSSZ−13と呼称されるゼオライト(以下これを「SSZ−13」ということがある。)]のXRDパターンを図2に示す。図2において、a)は製造例2の膜のXRDパターン、b)はSSZ−13のXRDパターンである。また、図中の*は支持体由来のピークである。
図2から、生成した膜のXRDパターンでは、粉末のCHA型ゼオライトであるSSZ−13のXRDパターンにくらべ2θ=17.9°付近のピークの強度が顕著に大きいことがわかる。粉末のCHA型ゼオライトであるSSZ−13の(2θ=17.9°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°付近のピークの強度)=0.2に対し、生成した膜
の(2θ=17.9°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°付近のピークの強度)
=12.6であり、rhombohedral settingにおける(1,1,1)
面への配向が推測された。
このように、XRDパターンから、生成したゼオライト膜は、SSZ−13とは異なる配向面をもつ、CHA型ゼオライトであることがわかった。
SEM−EDXにより測定した、ゼオライト膜のSiO/Alモル比は17であった。
[製造例3]
水熱合成用の反応混合物として、以下のものを調製した。
1mol/L−NaOH水溶液10.5gと1mol/L−KOH水溶液7.0gと水100.4gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al53.5質量%含有、アルドリッチ社製)0.88gを加えて撹拌し溶解させ、透明溶液とした。これに有機テンプレートとしてTMADAOH水溶液(TMADAOH25質量%含有、セイケム社製)2.37gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)10.5gを加えて2時間撹拌し、反応混合物とした。
この反応混合物の組成(モル比)は、SiO/Al/NaOH/KOH/HO/TMADAOH=1/0.066/0.15/0.1/100/0.04、SiO/Al=15である。
無機多孔質支持体としては、製造例1と同様のものを、同様に処理して用いた。
種結晶として、TMADAOH水溶液(TMADAOH25質量%含有、セイケム社製)を用いて、SiO/Al/NaOH/KOH/HO/TMADAOH=1/
0.066/0.15/0.1/100/0.1のゲル組成(モル比)で、160℃、2日間水熱合成をして結晶化させたものを、ろ過、水洗、乾燥して得られたCHA型ゼオライトを用いた。この種結晶の粒径は2μm程度であった。
この種結晶を、製造例1と同様の方法で、上記支持体に付着させた。付着した種結晶の質量は2g/mであった。
種結晶を付着させた支持体を、製造例1と同様に、上記反応混合物の入ったテフロン(登録商標)製内筒(200ml)に垂直方向に浸漬してオートクレーブを密閉し、160℃で48時間、静置状態で、自生圧力下で加熱した。所定時間経過後に放冷し、多孔質支持体−ゼオライト膜複合体を反応混合物から取り出し、洗浄後、100℃で5時間以上乾燥させた。
as−madeのゼオライト膜複合体を、電気炉で、500℃、5時間焼成した。焼成後の膜複合体の質量と支持体の質量の差から求めた、支持体上に結晶化したCHA型ゼオライトの質量は130g/mであった。
焼成後のゼオライト膜複合体の空気透過量は432L/(m・h)であった。
生成した膜のXRD測定をしたところCHA型ゼオライトが生成していることがわかった。
XRDパターンから、2θ=17.9°付近のピークの強度が顕著に大きいことがわかった。生成した膜の(2θ=17.9°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°付近
のピークの強度)=1.0であった。
SEM−EDXにより測定した、ゼオライト膜のSiO/Alモル比は20であった。
[製造例4]
無機多孔質支持体として多孔質アルミナチューブ(外径12mm、内径9mm)を用いた以外は、製造例3と同様の方法で、無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体を作製した。
焼成後のゼオライト膜複合体の空気透過量は285L/(m・h)であった。
XRDパターンから、(2θ=17.9°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°
付近のピークの強度)=1.2であることがわかった。
SEM−EDXにより測定した、ゼオライト膜のSiO/Alモル比は17であった。
[製造例5]
水熱合成用の反応混合物として、以下のものを調製した。
1mol/L−NaOH水溶液32gと1mol/L−KOH水溶液48gと水457gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al 53.5質量%含有、アルドリッチ社製)4.0gを加えて撹拌し溶解させ、ほぼ透明溶液とした。これに有機テンプレートとして、TMADAOH水溶液(TMADAOH25
質量%含有、セイケム社製)13.5gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製
スノーテック−40)48gを加えて2時間撹拌し、反応混合物とした。
この反応混合物の組成(モル比)は、SiO/Al/NaOH/KOH/HO/TMADAOH=1/0.066/0.1/0.15/100/0.1、SiO/Al=15である。
無機多孔質支持体としては、製造例1と同様のものを、同様に処理して用いた。
種結晶として、製造例3と同様の条件で水熱合成して結晶化させた粒径が2μm程度のCHA型ゼオライトを用いた。
この種結晶を、製造例1と同様の方法で、上記支持体に付着させた。付着した種結晶の質量は5g/mであった。
種結晶を付着させた支持体を、上記反応混合物の入ったテフロン(登録商標)製内筒に垂直方向に浸漬して、このテフロン(登録商標)製内筒を1Lのステンレス製オートクレーブに入れ、オートクレーブを密閉し、昇温に5時間をかけたのち、160℃で48時間、自生圧力下で加熱した。反応の間、200rpmで回転する撹拌翼によって反応混合物を混合した。所定時間経過後に放冷し、多孔質支持体−ゼオライト膜複合体を反応混合物から取り出し、洗浄後、100℃で4時間以上乾燥させた。
as−madeのゼオライト膜複合体を、電気炉で、500℃、5時間焼成した。焼成後のゼオライト膜複合体の質量と支持体の質量の差から求めた、支持体上に結晶化したCHA型ゼオライトの質量は120g/mであった。
生成した膜のXRD測定をしたところCHA型ゼオライトが生成していることがわかった。生成した膜のXRDパターンを図3に示す。図中の*は支持体由来のピークである。
XRDパターンから、粉末のCHA型ゼオライトであるSSZ−13のXRDパターンにくらべ2θ=9.6°付近のピークの強度が顕著に大きいことがわかった。また、(2θ=9.6°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°付近のピークの強度)=6.8
とCOLLECTION OF SIMULATED XRD POWDER PATTERNS FOR ZEOLITE Third Revised Edition 1996 ELSEVIERに記載の粉末のCHA型ゼオライトのXRDパターンにおけるピーク強度
比(2θ=9.6°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°付近のピークの強度)=
2.5にくらべ著しく大きく、rhombohedral settingにおける(1,0,0)面への配向が推測された。
SEM−EDXにより測定した、ゼオライト膜のSiO/Alモル比は17であった。
[製造例6]
水熱合成用の反応混合物として、以下のものを調製した。
1mol/L−NaOH水溶液30.1gと水66.0gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al 53.5質量%含有、アルドリッチ社製)0.057gを加えて撹拌し溶解させ、ほぼ透明溶液とした。これに有機テンプレートとして、TMADAOH水溶液(TMADAOH25質量%含有、セイケム社製)12.7gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)23.6gを加えて2時間撹拌し、水性反応混合物とした。
この反応混合物の組成(モル比)は、SiO/Al/NaOH/HO/TMADAOH=1/0.002/0.2/44/0.1、SiO/Al=500である。
無機多孔質支持体としては、製造例1と同様のものを、同様に処理して用いた。
種結晶として、製造例1と同様の条件で水熱合成して結晶化させた粒径0.5μm程度のCHA型ゼオライトを用いた。
この種結晶を、製造例1と同様の方法で、上記支持体に付着させた。付着した種結晶の質量は3g/mであった。
種結晶を付着させた支持体を、上記反応混合物の入ったテフロン(登録商標)製内筒(200ml)に垂直方向に浸漬して、オートクレーブを密閉し、160℃で48時間、静置状態で、自生圧力下で加熱した。所定時間経過後に放冷し、多孔質支持体−ゼオライト膜複合体を反応混合物から取り出し、洗浄後、100℃で4時間以上乾燥させた。
as−madeのゼオライト膜複合体を、電気炉で、500℃、5時間焼成した。焼成後の膜複合体の質量と支持体の質量の差から求めた、支持体上に結晶化したCHA型ゼオライトの質量は100g/mであった。
焼成後のゼオライト膜複合体の空気透過量は500L/(m・h)であった。
生成した膜のXRD測定をしたところCHA型ゼオライトが生成していることがわかった。生成した膜のXRDパターンを図4に示す。図中の*は支持体由来のピークである。
XRDパターンから、(2θ=9.6°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°付
近のピークの強度)=1.7であり、(2θ=17.9°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°付近のピークの強度)=0.3であることがわかった。
このように、生成した膜のXRDピークに特異な強度を示すものはなかった。これから例えば、生成した膜がrhombohedral settingにおける(1,0,0)面、(1,1,1)面のいずれにも配向していないことが推測される。
SEM−EDXにより、ゼオライト膜のSiO/Alモル比の測定を試みたが、正確な値が得られなかった。この原因は、反応混合物のSiO/Alモル比が500であることから、ゼオライト膜のSiO/Alモル比も非常に高くなったことによると考えられる。ゼオライト膜のSEM−EDXでは、通常、SiO/Alモル比の測定限界値が100程度と考えられるため、少なくともこのゼオライト膜のSiO/Alモル比は100以上であると推測される。
[製造例7]
水熱合成用の反応混合物として、以下のものを用いた以外は製造例2と同様の条件で無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体を作製した。
水熱合成用の反応混合物は、1mol/L−NaOH水溶液12.9gと1mol/L−KOH水溶液8.6gと水92.4gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al53.5質量%含有、アルドリッチ社製)1.16gを加えて撹拌し溶解させ、ほぼ透明溶液とし、これにTMADAOH水溶液(TMADAOH25質量%含有、セイケム社製)2.91gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)12.9gを加えて2時間撹拌することにより調製した。
この反応混合物の組成(モル比)は、SiO/Al/NaOH/KOH/HO/TMADAOH=1/0.071/0.15/0.1/80/0.04、SiO/Al=14である。
得られたゼオライト膜複合体の焼成後の質量と支持体の質量の差から求めた、支持体上に結晶化したCHA型ゼオライトの質量は150g/mであった。
XRDパターンから、(2θ=9.6°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°付
近のピークの強度)=12.8であることがわかった。
SEM−EDXにより測定した、ゼオライト膜のSiO/Alモル比は15であった。
[製造例8]
水熱合成用の反応混合物を次のとおり調製した。
1mol/L−NaOH水溶液3.5gと1mol/L−KOH水溶液14.0gと水100.5gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al 53.5重量%含有、アルドリッチ社製)0.88gを加えて撹拌し溶解させ、透明溶液とした。これにTMADAOH水溶液(TMADAOH25重量%含有、セイケム社製)2.37gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)10.5gを加えて2時間撹拌し、反応混合物とした。
この反応混合物の組成(モル比)は、SiO/Al/NaOH/KOH/HO/TMADAOH=1/0.066/0.05/0.2/100/0.04、SiO/Al=15である。
無機多孔質支持体として、製造例1と同様のものを同様に処理して用いた。
製造例1で用いた種結晶を3質量%で水に分散させたスラリーに、上記支持体を浸漬した後、100℃で5時間以上乾燥させて種結晶を付着させた。付着した種結晶の質量は1.4g/mであった。
種結晶を付着させた支持体を、上記反応混合物の入ったテフロン(登録商標)製内筒(200ml)に垂直方向に浸漬してオートクレーブを密閉し、静置状態で、160℃で48時間、自生圧力下で加熱した。所定時間経過後に放冷し、支持体−ゼオライト膜複合体を反応混合物から取り出し、洗浄後、100℃で5時間以上乾燥させた。
テンプレート焼成前のゼオライトの膜複合体を電気炉に入れ、500℃で5時間焼成した。焼成後のゼオライト膜複合体1の質量と支持体の質量の差から求めた、支持体上に結晶化したCHA型ゼオライトの質量は130g/mであった。
焼成後のゼオライト膜複合体の空気透過量は280L/(m・h)であった。
生成したゼオライト膜のXRDを測定したところ、CHA型ゼオライトが生成していることがわかった。
XRDパターンから、(2θ=17.9°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°付近のピークの強度)=2.1であり、種結晶に用いた粉末のCHA型ゼオライトのXRDに比べ2θ=17.9°付近のピークの強度が顕著に大きく、rhombohedral settingにおける(1,1,1)面への配向が推測された。
SEM−EDXにより測定した、ゼオライト膜のSiO/Alモル比は17であった。
[製造例9]
(1)種結晶の合成
組成(モル比)が、SiO/Al/NaOH/KOH/HO/TMADAOH=1/0.033/0.1/0.06/40/0.07の水熱合成用の反応混合物を次の
とおり調製した。
1mol/L−NaOH水溶液50gと1mol/L−KOH水溶液30gと水213gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al 53.5質量%含有、アルドリッチ社製)3.2gを加えて撹拌し溶解させ、透明溶液とした。これにTMADAOH水溶液(TMADAOH25質量%含有、セイケム社製)29.6gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)75gを加えさらに、製造例1で種結晶として用いたゼオライト結晶を0.6g加え2時間撹拌し、反応混合物とした。
上記反応混合物の入ったテフロン(登録商標)製内筒(1L)を、1Lの誘導攪拌式オートクレーブに入れて密閉し、アンカー翼を用いて100rpmで攪拌し、160℃で48時間、自生圧力下で加熱した。所定時間経過後に放冷し、反応混合物を取り出して濾過、洗浄し、100℃で5時間以上乾燥させ、ゼオライト結晶35gを得た。このゼオライト結晶を、メノウ乳鉢を用いて粉砕し、ゼオライト膜複合体製造用の種結晶とした。この種結晶のD50(メディアン径)は3.3μm、(D90−D10)/D50は1.8であった。なお、D90、D50、D10は、レーザー回折式粒度分布計測装置LA−500(堀場製作所社製)で粒度分布測定を行うことで得られる。D90、D50、D10は、それぞれ、粒度分布測定により得られた累積分布図(体積基準、粒子径の小さいものから積算)で、90%の高さを与える直径、10%の高さを与える直径および50%の高さを与える直径(メジアン径)を示す。
(2)無機多孔質支持体CHA型ゼオライト膜複合体の作製
水熱合成用の反応混合物を次のとおり調製した。
1mol/L−NaOH水溶液10.5gと1mol/L−KOH水溶液7.0gと水100.4gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al 53.5重量%含有、アルドリッチ社製)0.88gを加えて撹拌し溶解させ、透明溶液とした。これにTMADAOH水溶液(TMADAOH25重量%含有、セイケム社製)2.36gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)10.5gを加えて2時間撹拌し、反応混合物とした。
この反応混合物の組成(モル比)は、SiO/Al/NaOH/KOH/HO/TMADAOH=1/0.066/0.15/0.1/100/0.04、SiO/Al=15である。
無機多孔質支持体として、ニッカトー社製のムライトチューブPM(外径12mm、内径9mm)を、80mmの長さに切断した後、超音波洗浄機で洗浄し、乾燥させたものを用いた。
上記で合成した種結晶を1質量%で水に分散させたスラリーに、上記支持体を浸漬した後、製造例1と同様の条件で乾燥させて種結晶を付着させた。付着した種結晶の質量は0.9g/mであった。
種結晶を付着させた支持体上に、製造例2と同様の条件で、ゼオライト膜を形成させた後に焼成することにより、ゼオライト膜複合体を得た。焼成後の膜複合体の質量と支持体の質量の差から求めた、支持体上に結晶化したCHA型ゼオライトの質量は130g/mであった。
焼成後のゼオライト膜複合体の空気透過量は50L/(m・h)であった。
生成した膜のXRDを測定したところCHA型ゼオライトが生成していることがわかった。
XRDパターンから、(2θ=17.9°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°付近のピークの強度)=2.9であり、種結晶に用いた粉末のCHA型ゼオライトのXRDに比べ2θ=17.9°付近のピークの強度が顕著に大きく、rhombohedral settingにおける(1,1,1)面への配向が推測された。
[製造例10]
(1)種結晶の合成
組成(モル比)が、SiO/Al/NaOH/KOH/HO/TMADAOH=1/0.033/0.1/0.06/40/0.07の水熱合成用の反応混合物を次の
とおり調製した。
1mol/L−NaOH水溶液15gと1mol/L−KOH水溶液9gと水64gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al 53.5質量%含有、アルドリッチ社製)0.94gを加えて撹拌し溶解させ、透明溶液とした。これにTMADAOH水溶液(TMADAOH25質量%含有、セイケム社製)8.9gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)22.5gを加え、さらに製造例1で種結晶として用いたゼオライト結晶を0.2g加え2時間撹拌し、反応混合物とした。
上記反応混合の入ったテフロン(登録商標)製内筒(200ml)を、オートクレーブに入れて密閉し、160℃で48時間、自生圧力下で加熱した。オートクレーブを、所定時間、15rpmで撹拌した後に放冷した。反応混合物を取り出して濾過、洗浄し、100℃で5時間以上乾燥させ、ゼオライト結晶10gを得た。このゼオライト結晶を、メノ
ウ乳鉢を用いて粉砕し、ゼオライト膜複合体製造用の種結晶とした。この種結晶のD50(メディアン径)は2.6μm、(D90−D10)/D50は1.4であった。なお、D90、D50、D10は、製造例9と同様の方法で測定した値である。
(2)多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体の作製
水熱合成用の反応混合物を次のとおり調製した。
1mol/L−NaOH水溶液8.8gと1mol/L−KOH水溶液17.6gと水90.2gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al 53.5重量%含有、アルドリッチ社製)1.68gを加えて撹拌し溶解させ、透明溶液とした。これにTMADAOH水溶液(TMADAOH25重量%含有、セイケム社製)2.99gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)13.2gを加えて2時間撹拌して調製した。
この反応混合物の組成(モル比)は、SiO/Al/NaOH/KOH/HO/TMADAOH=1/0.1/0.1/0.2/80/0.04、SiO/Al=10である。
無機多孔質支持体として、製造例9と同様のものを同様に処理したものを用いた。
上記で合成した種結晶を1質量%で水に分散させたスラリーに、上記支持体を浸漬した後、製造例1と同様の条件で乾燥させて種結晶を付着させた。付着した種結晶の質量は1.6g/mであった。
種結晶を付着させた支持体上に、製造例2と同様の条件で、ゼオライト膜を形成させた後に焼成することにより、ゼオライト膜複合体を得た。焼成後の膜複合体の質量と支持体の質量の差から求めた、支持体上に結晶化したCHA型ゼオライトの質量は90g/mであった。
焼成後のゼオライト膜複合体の空気の透過量は440L/(m・min)であった。
生成した膜のXRDを測定したところCHA型ゼオライトが生成していることがわかった。
XRDパターンから、(2θ=17.9°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°
付近のピークの強度)=0.7であり、種結晶に用いた粉末のCHA型ゼオライトのXRDに比べ2θ=17.9°付近のピークの強度が顕著に大きく、rhombohedral settingにおける(1,1,1)面への配向が推測された。
また短冊状に切断した無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体をSEMで観測した結果、表面に結晶が緻密に生成していた。
[製造例11]
水熱合成用の反応混合物を次のとおり調製した。
1mol/L−KOH水溶液10.5gと水107.5gを混合したものに水酸化リチウム1水和物(LiOH・HO キシダ化学社製)0.30g、水酸化アルミニウム(Al 53.5重量%含有、アルドリッチ社製)0.88gを加えて撹拌して白濁したスラリーとした。これにTMADAOH水溶液(TMADAOH25重量%含有、セイケム社製)2.37gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)10.5gを加えて2時間撹拌し、反応混合物とした。
この反応混合物の組成(モル比)は、SiO/Al/LiOH/KOH/HO/TMADAOH=1/0.066/0.1/0.15/100/0.04、SiO/Al=15である。
無機多孔質支持体として製造例9と同様のものを同様に処理して用いた。
製造例9で用いた種結晶を1質量%で水に分散させたスラリーに、上記支持体を浸漬し
た後、100℃で5時間以上乾燥させて種結晶を付着させた。付着した種結晶の質量は0.7g/mであった。
種結晶を付着させた支持体を、上記反応混合物の入ったテフロン(登録商標)製内筒(200ml)に垂直方向に浸漬してオートクレーブを密閉し、静置状態で、160℃で48時間、自生圧力下で加熱した。所定時間経過後に放冷し、支持体−ゼオライト膜複合体を反応混合物から取り出し、洗浄後、100℃で5時間以上乾燥させた。
テンプレート焼成前のゼオライトの膜複合体を電気炉に入れ、500℃で5時間焼成した。焼成後のゼオライト膜複合体の質量と支持体の質量の差から求めた、支持体上に結晶化したCHA型ゼオライトの質量は170g/mであった。
焼成後のゼオライト膜複合体の空気透過量は60L/(m・h)であった。
生成したゼオライト膜のXRDを測定したところ、CHA型ゼオライトが生成していることがわかった。
[製造例12]
水熱合成用の反応混合物を次のとおり調製した。
1mol/L−NaOH水溶液17.5gと水100.1gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al 53.5重量%含有、アルドリッチ社製)0.88gを加えて撹拌し溶解させ、透明溶液とした。これに有機テンプレートとして、N,N,N−トリメチル−1−アダ5マンタンアンモニウムヒドロキシド(TMADOH)水溶液(TMADAOH2重量%含有、セイケム社製)2.96gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)10.5gを加えて2時間撹拌し、水熱合成用混合物とした。
この反応混合物の組成(モル比)は、SiO/Al/NaOH/HO/TMADAOH=1/0.066/0.25/100/0.05、SiO/Al=15である。
無機多孔質支持体として製造例1と同様のものを同様に処理して用いた。
製造例1と同様にして合成した種結晶を1質量%で水に分散させたスラリーに、上記支持体を浸漬した後、製造例1と同様の条件で乾燥させて種結晶を付着させた。付着した種結晶の質量は2.1g/mであった。
種結晶を付着させた支持体を、上記反応混合物の入ったテフロン(登録商標)製内筒(200ml)に垂直方向に浸漬してオートクレーブを密閉し、製造例2と同様にしてゼオライト膜複合体を得た。
焼成後のゼオライト膜複合体の質量と支持体の質量の差から求めた、支持体上に結晶化したCHA型ゼオライトの質量は70g/mであった。
焼成後のゼオライト膜複合体の空気透過量は10000L/(m・h)であった。
製造例12と6は、ともにアルカリ源としてKを含まない水熱合成用の反応混合物を用いてゼオライト膜を形成したものである。この場合、空気透過量の結果のとおり、反応混合物のSiO/Alモル比を高くすれば(製造例6のモル比=500)空気透過量の少ない膜が形成されるが、SiO/Alモル比が低い(製造例12のモル比=15)と、膜に欠陥が生じ、空気透過量が多くなると推測される。
Figure 0005915674
<分離性能の測定>
以下の試験例1〜22において、上記製造例1〜12で作製した無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体の分離性能を、パーベーパレーション法で測定した。
[試験例1]
製造例1で得られたゼオライト膜複合体を用いて、70℃の水/酢酸混合溶液(50/
50質量%)から、水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は4.0kg/(m・h)、分離係数は384、透過液中の水の濃度は99.74質量%であった。水のパーミエンスであらわすと、2.5×10−6mol/(m・s・Pa)であった。
[試験例2]
製造例2で得られたゼオライト膜複合体を用いて、70℃の水/酢酸混合溶液(50/
50質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は4.8kg/(m・h)、分離係数は544、透過液中の水の濃度は99.81質量%であった。水のパーミエンスであらわすと、3.1×10−6mol/(m・s・Pa)であった。
また、分離を長時間継続し、透過流束の経時変化を調べた。開始から約10時間後の変化を開始60分後の透過流束を1としてプロットしたものを図5に示した。これから透過流束は、約5時間後はほぼ安定していることがわかる。
[試験例3]
製造例2で得られたゼオライト膜複合体を用いて、80℃の水/酢酸混合溶液(50/
50質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は6.0kg/(m・h)、分離係数は649、透過液中の水の濃度は99.84質量%であった。水のパーミエンスであらわすと、2.5×10−6mol/(m・s・Pa)であった。
[試験例4]
製造例3で得られたゼオライト膜複合体を用いて、70℃の水/酢酸混合溶液(50/
50質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は5.6kg/(m・h)、分離係数は230、透過液中の水の濃度は99.57質量%であった。水のパーミエンスであらわすと、3.5×10−6mol/(m・s・Pa)であった。
[試験例5]
製造例4で得られたゼオライト膜複合体を用いて、70℃の水/2−プロパノール水溶液(30/70質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は7.7kg/(m・h)、分離係数は3000、透過液中の水の濃度は99.92質量%であった。水のパーミエンスであらわすと、4.3×10−6mol/(m・s・Pa)であった。
[試験例6]
製造例5で得られたゼオライト膜複合体を用いてパーベーパレーション法により70℃の水/酢酸混合溶液(50/50質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は4.6kg/(m・h)、分離係数は64、透過液中の水の濃度は98.46質量%であった。水のパーミエンスであらわすと、2.9×10−6mol/(m・s・Pa)であった。
[試験例7]
製造例6で得られたゼオライト膜複合体を用いて、70℃の水/酢酸混合溶液(50/
50質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。この例では、透過開始から約3
時間で、透過流束、分離係数、透過液中の水の濃度が安定したので、3時間後の透過成績を示す。
透過流束は0.9kg/(m・h)、分離係数は26、透過液中の水の濃度は96.30質量%であった。水のパーミエンスであらわすと、5.5×10−7mol/(m・s・Pa)であった。
[試験例8]
製造例7で得られたゼオライト膜複合体を用いてパーベーパレーション法により70℃の水/酢酸混合溶液(50/50質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は4.5kg/(m・h)、分離係数は180、透過液中の水の濃度は99.43質量%であった。水のパーミエンスであらわすと、2.8×10−6mol/(m・s・Pa)であった。
[試験例9]
製造例2と同様にして得られたゼオライト膜複合体を用いてパーベーパレーション法により70℃の水/2−プロパノール溶液(30/70質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は5.8kg/(m・h)、分離係数は31000、透過液中の水の濃度は99.99質量%であった。水のパーミエンスであらわすと、3.3×10−6mol/(m・s・Pa)であった。
[試験例10]
製造例2と同様にして得られたゼオライト膜複合体を用いて、50℃の水/2−プロパノール溶液(30/70質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は2.5kg/(m・h)、分離係数は29000、透過液中の水の濃度は99.99質量%であった。水のパーミエンスであらわすと、3.6×10−6mol/(m・s・Pa)であった。
[試験例11]
製造例2と同様にして得られたゼオライト膜複合体を用いて、50℃の水/テトラヒドロフラン溶液(50/50質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は3.1kg/(m・h)、分離係数は3100、透過液中の水の濃度は99.97質量%であった。水のパーミエンスであらわすと、4.2×10−6mol/(m・s・Pa)であった。
[試験例12]
製造例2と同様にして得られた膜複合体を用いて、40℃の水/アセトン溶液(50/
50質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は1.6kg/(m・h)、分離係数は14600、透過液中の水の濃度は99.99質量%であった。水のパーミエンスであらわすと、3.8×10−6mol/(m・s・Pa)であった。
[試験例13]
製造例2と同様にして得られたゼオライト膜複合体を用いて、70℃の水/N−メチル−2−ピロリドン溶液(50/50質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は5.6kg/(m・h)、分離係数は10300、透過液中の水の濃度は99.99質量%であった。水のパーミエンスであらわすと、3.3×10−6mol/(m・s・Pa)であった。
[試験例14]
製造例2と同様にして得られたゼオライト膜複合体を用いて、70℃の水/エタノール溶液(86/14質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は1.3kg/(m・h)、分離係数は500、透過液中の水の濃度は99.97質量%であった。水のパーミエンスであらわすと、6.8×10−7mol/(m・s・Pa)であった。
[試験例15]
製造例2と同様にして得られたゼオライト膜複合体を用いて、70℃の水/N−メチル−2−ピロリドン溶液(30/70質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
その結果、透過流束は4.3kg/(m・h)、分離係数は23100、透過液中の水の濃度は99.99質量%であった。水のパーミエンスであらわすと、3.1×10−6mol/(m・s・Pa)であった。
[試験例16]
製造例2と同様にして得られたゼオライト膜複合体を用いて、有機酸を添加することによりpH4〜5に調整した70℃の水/N−メチル−2−ピロリドン溶液(30/70質
量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は4.3kg/(m・h)、分離係数は23600、透過液中の水の濃度は99.99質量%であった。水のパーミエンスであらわすと、3.1×10−6mol/(m・s・Pa)であった。
[試験例17]
製造例4で得られたゼオライト膜複合体を用いて、70℃の水/N−メチル−2−ピロリドン溶液(30/70質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は7.7kg/(m・h)、分離係数は25100、透過液中の水の濃度は99.99質量%であった。水のパーミエンスであらわすと、5.7×10−6mol/(m・s・Pa)であった。
[試験例18]
製造例8で得られたゼオライト膜複合体を用いて、パーベーパレーション法により70℃の水/酢酸混合溶液(50/50質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は4.5kg/(m・h)、分離係数は230、透過液中の水の濃度は99.56質量%であった。水のパーミエンスであらわすと、2.8×10−6mol/(m・s・Pa)であった。
[試験例19]
製造例9で得られたゼオライト膜複合体を用いて、パーベーパレーション法により70℃の水/酢酸混合溶液(50/50質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は5.5kg/(m・h)、分離係数は2100、透過液中の水の濃度は99.95質量%であった。水のパーミエンスであらわすと、3.5×10−6mol/(m・s・Pa)であった。
[試験例20]
製造例10で得られたゼオライト膜複合体をもちいてパーベーパレーション法により70℃の水/酢酸混合溶液(50/50重量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は5.4kg/(m・h)、分離係数は420、透過液中の水の濃度は99.76重量%であった。水のパーミエンスであらわすと、3.4×10−6mol/(m・s・Pa)であった。
[試験例21]
製造例11で作製したゼオライト膜複合体を用いて、パーベーパレーション法により70℃の水/酢酸混合溶液(50/50質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は1.9kg/(m・h)、分離係数は520、透過液中の水の濃度は99.81質量%であった。水のパーミエンスであらわすと、1.2×10−6mol/(m・s・Pa)であった。
[試験例22]
製造例6と同様にして得られたゼオライト膜複合体を用いてパーベーパレーション法により70℃の水/2−プロパノール溶液(30/70質量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は2.5kg/(m・h)、
分離係数は550、透過液中の水の濃度は99.57質量%であった。水のパーミエンスであらわすと、1.4×10−6mol/(m・s・Pa)であった。
上記試験例1〜22における測定結果を表2に示す。表2中、2−PrOHは2−プロパノールを、NMPはN−メチルピロリドンを、EtOHはエタノールを示す。なお、上記の測定において、試験例16を除いて、含水有機物のpH調整は行っていない。
Figure 0005915674
<従来技術のゼオライト膜複合体の作製と分離性能の測定>
[比較例1]
無機多孔質支持体−MOR型ゼオライト膜複合体を、MOR型ゼオライトをムライトチューブ上に直接水熱合成することで作製し、70℃の水/酢酸混合溶液(50/50質量
%)から水を選択的に透過させる分離評価を次のとおり行った。
水熱合成用の反応混合物として、以下のものを調製した。
水酸化ナトリウム(97.0質量%、純正化学社製)14.9gと水69.5gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al 53.5質量%含有、Aldrich社製)1.09gを加えて撹拌し溶解させ、透明溶液とした。これにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)90.0gを加えて2時間撹拌し、水性反応混合物とした。
無機多孔質支持体としては、製造例1と同様のものを、同様に処理して用いた。
種結晶として、MOR型ゼオライトTSZ−640NAA(東ソー社製)を用いた。この種結晶を5質量%水に分散させたスラリーを、上記支持体上に塗りこんで付着させた。付着した種結晶の質量は6g/mであった。
種結晶を付着させた支持体を上記反応混合物の入ったテフロン(登録商標)製内筒(200ml)に垂直方向に浸漬してオートクレーブを密閉し、160℃で8時間、静置状態で、自生圧力下で加熱した。所定時間経過後に放冷し、多孔質支持体−ゼオライト膜複合体を反応混合物から取り出し、洗浄後、100℃で5時間以上乾燥させた。
ゼオライト膜のXRD測定をしたところ、MOR型ゼオライト膜が生成していることが分かった。なお、MOR型ゼオライトは、骨格構造として酸素12員環構造を有し、フレームワーク密度(T/1000Å)が17.2である。
乾燥後の膜複合体の質量と支持体の質量の差から求めた、支持体状に結晶化したMOR型ゼオライトの質量は35g/mであった。
分離評価の結果、透過流束は0.38kg/(m・h)、分離係数は2300、透過液中の水の濃度は99.96質量%であった。水のパーミエンスであらわすと、2.4×1
−7mol/(m・s・Pa)であった。
この比較例1と試験例2(製造例2のゼオライト膜)の結果から、CHA型ゼオライト膜複合体はMOR型ゼオライト膜複合体と同等の高い選択透過性を有し、かつMOR型ゼオライト膜複合体の10倍以上の高い透過流束を持つことがわかる。
さらに、試験例2の場合と同様に分離を長時間継続し、透過流束の経時変化を調べた。開始から約10時間後の変化を開始60分後の透過流束を1としてプロットしたものを図5に示した。試験例2に比べて経時的な低下が大きく、安定性という点でもCHA型ゼオライト膜複合体が優れていることがわかる。
[比較例2]
無機多孔質支持体−A型ゼオライト膜複合体を、特開平7−185275の実施例1(合成例1)の記載に準じて、無機多孔質支持体上に直接水熱合成することで作製し、70℃の水/2−プロパノール溶液(50/50質量%)から水を選択的に透過させる分離評価を、次のとおり行った。
水熱合成用の反応混合物として、ケイ酸ナトリウム水溶液とアルミン酸ナトリウム水溶液をモル比として、HO/NaO=60、NaO/SiO=1、SiO/Al=2となる組成の溶液を調製した。
無機多孔質支持体として、多孔質アルミナチューブ(外径12mm、内径9mm)を用い、あらかじめ支持体上にA型ゼオライトの種結晶を担持させた。
種結晶を担持させた支持体を、上記反応混合物の入ったテフロン(登録商標)製内筒(200ml)に垂直方向に浸漬してオートクレーブを密閉し、100℃で6時間、静置状態で、自生圧力下で加熱した。所定時間経過後に放冷し、多孔質支持体−ゼオライト膜複合体を反応混合物から取り出し、洗浄後、60℃で4時間乾燥させた。
ゼオライト膜のXRD測定をしたところ、A型ゼオライト膜が生成していることが分かった。なお、A型ゼオライトは、SiO/Alモル比が2、骨格構造として酸素8員環構造を有し、フレームワーク密度(T/1000Å)が12.9である。
分離評価の結果、3時間後の透過液中の水の濃度は53.0質量%となり、選択性が非常に低下していた。
本発明は産業上の任意の分野に使用可能であるが、例えば、化学プラント、発酵プラント、精密電子部品工場、電池製造工場等の、含水有機化合物から水を分離し、有機化合物の回収などが必要とされる分野において、特に好適に使用できる。
1 スターラー
2 湯浴
3 撹拌子
4 被分離液
5 無機多孔質支持体―ゼオライト膜複合体
6 ピラニゲージ
7 透過液捕集用トラップ
8 コールドトラップ
9 真空ポンプ

Claims (5)

  1. 無機多孔質支持体上に、CHA型ゼオライトを水熱合成により膜状に形成することにより多孔質支持体―ゼオライト膜複合体を製造する方法であって、無機多孔質支持体の平均厚さが0.3mm以上であり、水熱合成が有機テンプレートの存在下で行われ、ゼオライト膜複合体が下記(3)の性質を有し、同時に下記(1)及び(2)の何れか一方又は両方の性質を有していてもよいものであることを特徴とする多孔質支持体―ゼオライト膜複合体の製造方法
    (1)含水率30質量%の2−プロパノールと水の混合物を、温度70℃、1気圧(1.01×10Pa)の圧力差で透過させた場合の透過流束が1kg/(m・h)以上20kg/(m・h)以下である。
    (2)含水率30質量%の2−プロパノールと水の混合物を、温度70℃、1気圧(1.01×10Pa)の圧力差で透過させた場合の水のパーミエンスが3×10−7mol/(m・s・Pa)以上1×10−4mol/(m・s・Pa)以下である。
    (3)含水率30質量%の2−プロパノールと水の混合物を、温度70℃、1気圧(1.01×10Pa)の圧力差で透過させた場合の分離係数が1000以上10000000以下である。
  2. ゼオライト膜複合体が下記(1)及び(2)の何れか一方又は両方の性質を有するものである、請求項1に記載の多孔質支持体―ゼオライト膜複合体の製造方法
    (1)含水率30質量%の2−プロパノールと水の混合物を、温度70℃、1気圧(1.01×10Pa)の圧力差で透過させた場合の透過流束が1kg/(m・h)以上20kg/(m・h)以下である。
    (2)含水率30質量%の2−プロパノールと水の混合物を、温度70℃、1気圧(1.01×10Pa)の圧力差で透過させた場合の水のパーミエンスが3×10−7mol/(m・s・Pa)以上1×10−4mol/(m・s・Pa)以下である。
  3. ゼオライトのSiO/Alモル比が5以上である、請求項1又は2に記載の多孔質支持体―ゼオライト膜複合体の製造方法
  4. 水熱合成に用いるアルカリ源が、カリウム(K)又はナトリウム(Na)とカリウム(K)である、請求項1ないし4の何れか1項に記載の多孔質支持体−ゼオライト膜複合体の製造方法
  5. 請求項1ないしの何れか1項に記載の方法により製造された多孔質支持体―ゼオライト膜複合体に、有機化合物を含む気体または液体の混合物を接触させて、該混合物から、透過性の高い物質を透過させて分離することを特徴とする分離方法。
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