JP2010085457A - 着色硬化性組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに固体撮像素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)アルキレンオキシ鎖を含有するモノマー、(B)バインダーポリマー、(C)光重合開始剤、及び(D)グメントレッド166を含む顔料と、を含む。
【選択図】なし
Description
このようなカラーフィルタは複数の色相の着色パターンから構成され、通常は、少なくとも、赤色、緑色、及び、青色の着色領域(以下、「着色パターン」や「着色画素」ともいう)を形成する。この形成方法としては、まず、第1の色相において、赤色、緑色、青色の何れかの着色剤を有する硬化性組成物を塗布し、露光、現像、必要に応じて加熱処理を行って当該色相の着色パターンを形成した後、第2の色相、第3の色相において同様の塗布、露光、現像、必要に応じた加熱処理のプロセスを繰り返すことになる。
上記のような微細な着色パターンを有するカラーフィルタを用いた固体撮像素子においては、色再現性、混色によるノイズが問題となり、特に赤色フィルターにおいて530nm付近の透過率が局所的に上昇する「コブ」(以下コブと呼ぶ)が原因となり、画質の劣化を引き起こすことが知られている。
このように、着色硬化性組成物においては、カラーフィルタ、特に固体撮像素子用のカラーフィルタにおける透過率特性を満足し、且つ分散均一性、経時粘度安定性等に優れ、現像性が良好で、微細な面積の画像を形成するのに好適な硬化性組成物が熱望されている。
即ち、本発明の目的は、所望の透過率特性を満足し、且つ分散の均一性、経時粘度安定性といった薬液状態での安定性を保ち、且つ現像性にも優れる、高解像度の着色パターンを形成しうる着色硬化性組成物、特には、カラーフィルタの着色領域形成に有用な着色硬化性組成物を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、高解像度の着色領域を有するカラーフィルタ、その製造方法、及び、色特性(色再現性)に優れたカラーフィルタを備える固体撮像素子を提供することにある。
<1> (A)アルキレンオキシ鎖を含有するモノマーと、(B)バインダーポリマーと、(C)光重合開始剤と、(D)ピグメントレッド166を含む顔料と、を含む着色硬化性組成物である。
<3> 前記(D)ピグメントレッド166を含む顔料が、更に、黄色顔料を含む<1>又は<2>に記載の着色硬化性組成物である。
<4> 前記黄色顔料が、ピグメントイエロー139である<3>に記載の着色硬化性組成物である。
<6> 支持体上に、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の着色硬化性組成物を塗布して着色層を形成する着色層形成工程と、前記着色層を露光する露光工程と、露光後の前記着色層を現像する現像工程と、を含むカラーフィルタの製造方法である。
<7> <5>に記載のカラーフィルタを備えた固体撮像素子である。
また、本発明によれば、高解像度の着色領域を有するカラーフィルタ、その製造方法、及び、色特性(色再現性)に優れたカラーフィルタを備える固体撮像素子を提供することができる。
本発明の着色硬化性組成物は、(A)アルキレンオキシ鎖を含有するモノマーと、(B)バインダーポリマーと、(C)光重合開始剤と、(D)ピグメントレッド166を含む顔料と、を含む。
着色硬化性組成物を上記本発明の構成とすることにより、530nm付近のコブを低減することができ、所望の透過率特性を満足することができ、しかも、経時粘度安定性及び解像力を保つことができる。
本発明の着色硬化性組成物を用い、530nm付近のコブが低減された赤色カラーフィルタを作製することができる。この赤色カラーフィルタと、青色カラーフィルタと、緑色カラーフィルタと、を含む3色以上のカラーフィルタを備えた固体撮像素子は、特に、肌色の色再現性に優れる。
以下、本発明の着色硬化性組成物に用いられる各構成成分について順次説明する。
本発明の着色硬化性組成物は、必須成分として、(A)アルキレンオキシ鎖(以下、「AO鎖」ともいう)を含有するモノマー(以下、「特定モノマー」ともいう)の少なくとも1種を含有する。
酸性官能基を有する特定モノマーを着色硬化性組成物に配合すると、当該モノマーの光硬化性官能基により架橋密度が上がり、当該モノマーの酸性官能基によりアルカリ可溶性が大きくなる。そのため、着色硬化性組成物において、着色剤や光重合開始剤等、硬化反応性をもたず、かつ、アルカリ可溶性でない成分を増量しても、酸性官能基を有する特定モノマーを添加することによって架橋密度及びアルカリ可溶性が上がるので、優れた硬化性とアルカリ現像性が得られる。
また、前記架橋密度の観点から、AO鎖を有する特定モノマー中の前記光硬化性官能基の数は、3以上であることが好ましく、3〜30がより好ましく、3〜15が特に好ましい。
また、前記架橋密度の観点から、酸性官能基を有する特定モノマー中の光硬化性官能基の数は、3以上であることが好ましい。
式(1)、(2)で表される化合物の中でも、ペンタエリスリトール誘導体及び/又はジペンタエリスリトール誘導体がより好ましい。
具体的には、下記構造式(3)〜(14)で表される化合物(以下、「例示化合物(3)〜(14)」ともいう)が挙げられ、中でも例示化合物(3)、(4)、(5)、(7)および(9)が好ましい。
前記一般式(i)中、アクリロイル基及びメタクリロイル基の合計は3個又は4個であり、mは各々独立に0〜10の整数を表し、各mの合計は0〜40の整数である。但し、各mの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
前記一般式(ii)中、アクリロイル基及びメタクリロイル基の合計は5個又は6個であり、nは各々独立に0〜10の整数を表し、各nの合計は0〜60の整数である。但し、各nの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
前記一般式(ii)中、nは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。また、各nの合計は、3〜60の整数が好ましく、3〜24の整数がより好ましく、6〜12の整数が特に好ましい。
また、一般式(i)又は一般式(ii)中の−((CH2)yCH2O)−又は−((CH2)yCH(CH3)O)−は、酸素原子側の末端がXに結合する形態が好ましい。
具体的には、下記式(a)〜(f)で表される化合物(以下、「例示化合物(a)〜(f)」ともいう。)が挙げられ、中でも、例示化合物(a)、(b)、(e)、(f)が好ましい。
更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7(300〜308頁)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用できる。
本発明の着色硬化性組成物は、バインダーポリマーを少なくとも1種含有する。
バインダーポリマーとしては、特に限定はないが、線状有機高分子重合体で、有機溶剤に可溶で、弱アルカリ水溶液で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられ、また同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が挙げられる。この他に水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたものなども有用である。特にこれらのなかでベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/および他のモノマーとの多元共重合体が好適である。この他に水溶性ポリマーとして、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール等も有用である。
上記バインダーポリマーの、着色硬化性組成物の全固形分に対する含有量としては、20〜60質量%が好ましく、より好ましくは10〜40質量%である。
尚、本発明において全固形分とは、溶剤を除いた全成分を指す。
前記含有量が前記範囲内であれば、本発明による効果を損なうことなく顔料の含有量をさらに増加させることができ、パターンのさらなる薄膜化及びさらなる微細化を図ることができる。
本発明の着色硬化性組成物は、光重合開始剤の少なくとも一種を含有する。光重合開始剤は、光により分解し、前記特定モノマー等の重合を開始、促進する化合物であり、波長300〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。
また、光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
以下、これらの各化合物について詳細に述べる。
オキシム系の光重合開始剤としては、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノンが最も好ましい。このようなオキシム系光重合性開始剤としては、CGI−124、CGI−242(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)が挙げられる。
また、その他の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩の1つの置換基がクマリン、アントアキノン構造を有し、300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。別の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩が、アリーロキシ基、アリールチオ基を置換基に有する300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。
本発明の着色硬化性組成物は、(D)ピグメントレッド166を含む顔料を含有する。
ここで、ピグメントレッド166(「C.I.Pigment Red 166」「CIPR166」「PR166」とも表記する。他の顔料についても同じ。)は縮合アゾ顔料である。
本発明の着色硬化性組成物では、ピグメントレッド166と、ピグメントレッド166以外のその他の顔料と、を併用してもよい。
特に、本発明による効果をより効果的に得る観点より、前記(D)ピグメントレッド166を含む顔料は、更に、ピグメントレッド224を含むことが好ましい。
また、本発明による効果をより効果的に得る観点より、前記(D)ピグメントレッド166を含む顔料が、更に、黄色顔料(好ましくは、ピグメントイエロー139)を含むことが好ましい。
特に好ましくは、前記(D)ピグメントレッド166を含む顔料が、更に、ピグメントレッド224及び黄色顔料(好ましくは、ピグメントイエロー139)を含む形態である。
本発明においてピグメントレッド166と併用できる前記その他の顔料は、従来公知の種々の無機顔料又は有機顔料を適宜選択して用いることができる。顔料の粒子サイズとしては、本発明の顔料分散組成物が好適に用いられるカラーフィルタが、高透過率であることが好ましいこと等を考慮すると、有機顔料が好ましく、また、なるべく粒子サイズの小さいものを使用することが好ましい。顔料分散組成物及びこれを含有する着色硬化性組成物のハンドリング性を考慮すると、顔料の平均1次粒子径としては、100nm以下が好ましく、30nm以下がより好ましく、5〜25nmが最も好ましい。該粒径が前記範囲内であると、透過率が高く、色特性が良好であると共に、高いコントラストのカラーフィルタを形成するのに有効である。平均1次粒子径は、SEMあるいはTEMで観察し、粒子が凝集していない部分で粒子サイズを100個計測し、平均値を算出することによって求める。
前記無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で示される金属化合物を挙げることができ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、及び前記金属の複合酸化物を挙げることができる。
C.I.Pigment Red 1、2、3、4、5、6、7、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、52:1、52:2、53:1、57:1、60:1、63:1、66、67、81:1、81:2、81:3、83、88、90、105、112、119、122、123、144、146、149、150、155、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、184、185、187、188、190、200、202、206、207、208、209、210、216、220、224、226、242、246、254、255、264、270、272、279、
C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214
C.I. Pigment Orange 2、5、13、16、17:1、31、34、36、38、43、46、48、49、51、52、55、59、60、61、62、64、71、73
C.I. Pigment Green 7、10、36、37
C.I.Pigment Blue 1、2、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、66、79、79のCl置換基をOHに変更したもの、80
C.I.Pigment Violet 1、19、23、27、32、37、42
C.I.Pigment Brown 25、28
C.I.Pigment Black 1、7 等を挙げることができる。
C.I.Pigment Yellow 11,24,108,109,110,138,139,150,151,154,167,180,185,
C.I.Pigment Orange 36,71,
C.I.Pigment Red 122,150,171,175,177,209,224,242,254,255,264,
C.I.Pigment Violet 19,23,32,
C.I.Pigment Blue 15:1,15:3,15:6,16,22,60,66,
C.I.Pigment Green 7,36,37;
C.I.Pigment Black 1、7
青色顔料と紫色顔料との質量比は、100:0〜100:100が好ましく、より好ましくは100:70以下である。
以上で説明した顔料は、公知のソルトミリング処理等により加工された状態(加工顔料の状態)で本発明の着色硬化性組成物に含まれていてもよい。
このような加工顔料(以下、「微細加工顔料」ともいう)の製造は、i)顔料と、ii)水溶性の無機塩と、iii)実質的にii)を溶解しない少量の水溶性の有機溶剤、およびiv)側鎖に複素環を有する高分子化合物を加え、ニーダー等で機械的に混練する工程(この工程をソルトミリングと称する)、この混合物を水中に投入し、ハイスピードミキサー等で攪拌しスラリー状とする工程、及び、このスラリーを濾過、水洗して必要により乾燥する工程を経て実施される。このような製造方法により、微細でかつ乾燥時の顔料の凝集が少ない加工顔料が得られる。
本発明においては、ソルトミリング時に上記iii)有機溶剤にiv)少なくとも一部可溶な樹脂を併用することにより、さらに微細で、表面がiv)少なくとも一部可溶な樹脂による被覆された、乾燥時の顔料の凝集が少ない加工顔料が得られる。
乾燥凝集を防ぐ方法として,上記スラリー中にアルカリ水溶液に溶解したアルカリ可溶性樹脂を添加し,充分攪拌混合した後に塩酸または硫酸等の酸性水溶液で中和して樹脂を顔料に沈着させるか,塩化カルシウムまたは塩化バリウム等の水溶性の多価金属塩の水溶液を添加して樹脂を析出させて顔料に沈着さることにより,乾燥凝集を防ぐことも可能である。
なお、iv)側鎖に複素環を有する高分子化合物を加えるタイミングは、ソルトミリング工程の初期にすべてを添加してもよく、分割して添加してもよい。
前記ii)水溶性の無機塩は、水に溶解するものであれば特に限定されず、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウムまたは硫酸ナトリウムを用いるのが好ましい。
ソルトミリングする際に用いる無機塩の量は、処理効率と生産効率の両面から、有機顔料の1〜30質量倍、特に5〜25質量倍であることが好ましい。有機顔料に対する無機塩の量比が大きいほど微細化効率が高いが、1回の顔料の処理量が少なくなるためである。
水溶性有機溶剤は、有機顔料、無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。但し、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。水溶性有機溶剤としては、例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。
iii)水溶性有機溶剤はソルトミリング初期に全てを添加しても良いし、分割して添加しても良い。水溶性有機溶剤は単独で使用しても良いし、2種以上を併用することも出来る。
前記iv)側鎖に複素環を有する高分子化合物としては特に制限はない。
このような高分子化合物としては、下記一般式(1)で表される単量体、または、マレイミド、マレイミド誘導体からなる単量体に由来する重合単位を含む重合体であることが好ましく、下記一般式(1)で表される単量体に由来する重合単位を含む重合体であることが特に好ましい。
R1で表されるアルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
R1で表されるアルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5、より好ましくは炭素数1〜3がより好ましい。)メトキシ基、エトキシ基、シクロヘキシロキシ基等が挙げられる。
R1としては、水素原子又はメチル基が最も好ましい。
R2で表されるアルキレン基は、ヘテロ原子(例えば、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子)を介して2以上連結したものであってもよい。
R2で表される好ましいアルキレン基として具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基が挙げられる。
R2で表される好ましいアルキレン基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、等が挙げられる。
上記した中でも、一般式(2)におけるXとしては、単結合、メチレン基、−O−、又は−C(=O)−が好ましく、−C(=O)−が特に好ましい。
上記した中でも、一般式(4)における、Y及びZとしては、−N=、−NH−、及び−N(RB)−が特に好ましい。Y及びZの組み合わせとしては、Y及びZのいずれか一方が−N=であり他方が−NH−である組み合わせ、イミダゾリル基が挙げられる。
前記iv)側鎖に複素環を有する高分子化合物において、一般式(1)で表される単量体、マレイミド、マレイミド誘導体に由来する共重合単位の含有量は、特に制限はないが、側鎖に複素環を有する高分子化合物に含有される全構造単位を100質量%とした場合に、一般式(1)で表される単量体、マレイミド、マレイミド誘導体に由来する共重合単位を5質量%以上含有することが好ましく、10〜50質量%含有することがより好ましい。一般式(1)で表される単量体、マレイミド、マレイミド誘導体の中でも、一般式(1)で表される単量体が顔料への吸着性が高いことから好ましい。
酸基を有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸またはその無水物類;3価以上の不飽和多価カルボン酸またはその無水物類;こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、こはく酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)等の2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル類;ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノメタクリレート等の両末端カルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。前記高分子化合物は、酸基を有する単量体に由来する共重合単位を、1種のみ含むものであってもよいし、2種以上を含んでもよい。
顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体の生成を効果的に抑制、あるいは、2次凝集体の凝集力を効果的に弱めるためには、酸基を有する単量体に由来する共重合単位の含有量は上記範囲が好ましい。
ここで使用可能なビニルモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。このようなビニルモノマーの具体例としては、例えば以下のような化合物が挙げられる。なお、本明細書において「アクリル、メタクリル」のいずれか或いは双方を示す場合「(メタ)アクリル」と記載することがある。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。
後述の顔料分散組成物中、前記iv)側鎖に複素環を有する高分子化合物の含有量としては質量比で、i)顔料:iv)側鎖に複素環を有する高分子化合物=1:0.01〜1:2が好ましく、より好ましくは、1:0.05〜1:1であり、さらに好ましくは、1:0.1〜1:0.6である。
該ラジカル重合の際、ラジカル重合開始剤を使用することができ、また、さらに連鎖移動剤(例、2−メルカプトエタノールおよびドデシルメルカプタン)を使用することができる。
前記加工顔料を1−メトキシ−2−プロパノールで洗浄して、例えば以下のようにして遊離量を算出することができる。その方法は、加工顔料10gを1−メトキシ−2−プロパノール100ml中に投入し、振とう機で室温で3時間、振とうさせる。その後遠心分離機で80,000rpmで8時間かけて顔料を沈降させ、上澄み液部分の固形分を乾燥法から求める。顔料から遊離した高分子化合物の質量を求め、初期の処理に使用した高分子化合物の質量との比から、遊離率(%)を算出する。
遊離率は小さいほど顔料への被覆率が高く、分散性、分散安定性が良好である。遊離率の好ましい範囲は30%以下、より好ましくは20%以下、最も好ましくは15%以下である。理想的には0%である。
乾燥した処理顔料を用いる場合には,用いる化合物は室温で固体であることが好ましい。天然樹脂としてはロジンが代表的であり,変性天然樹脂としては,ロジン誘導体,繊維素誘導体,ゴム誘導体,タンパク誘導体およびそれらのオリゴマーが挙げられる。合成樹脂としては,エポキシ樹脂,アクリル樹脂,マレイン酸樹脂,ブチラール樹脂,ポリエステル樹脂,メラミン樹脂,フェノール樹脂,ポリウレタン樹脂等が挙げられる。天然樹脂で変性された合成樹脂としては,ロジン変性マレイン酸樹脂,ロジン変性フェノール樹脂等が挙げられる。
本発明における顔料は、公知の顔料分散剤や顔料誘導体によって溶剤中に分散された、顔料分散組成物(以下、「顔料分散物」ともいう)の状態で、本発明の着色硬化性組成物に含まれていてもよい。
前記顔料分散組成物は、本発明における顔料(例えば、上記加工顔料)を有機溶剤中に分散してなる。
また、顔料を分散する際、顔料誘導体及び/又は分散剤を適宜必要に応じて使用することも好ましい態様である。
前記顔料分散組成物における溶剤としては、有機溶剤であれば特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルおよびこれらの酢酸エステル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルキレングリコールモノアルキルエーテル類、およびその酢酸エステル類、酢酸エステル類、メチルエチルケトン、などが好ましい。
顔料分散組成物は、必要に応じて、顔料誘導体が添加される。分散剤と親和性のある部分、あるいは極性基を導入した顔料誘導体を顔料表面に吸着させ、これを分散剤の吸着点として用いることで、顔料を微細な粒子として光硬化性組成物中に分散させ、その再凝集を防止することができ、コントラストが高く、透明性に優れたカラーフィルタを構成するのに有効である。
顔料の分散性をより向上させる目的で、従来から公知の顔料分散剤や界面活性剤等の分散剤、その他成分を加えることもできる。
公知の分散剤(顔料分散剤)としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、および、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン、顔料誘導体等を挙げることができる。
高分子分散剤は、その構造からさらに直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
前記、高分子分散剤は、前記側鎖に複素環を有する重量平均分子量1,000以上の高分子化合物と同様に、分散工程において、顔料の表面に吸着し、再凝集を防止する様に作用する。そのため、顔料表面へのアンカー部位を有するブロック型高分子、グラフト型高分子、末端変性型高分子が好ましい構造として挙げることができる。一方で、顔料誘導体は顔料表面を改質することで、高分子分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
顔料吸着ブロックを構成する単量体としては、特に制限されないが、例えば、顔料に吸着し得る官能基を有するモノマーが挙げられる。具体的には、有機色素構造あるいは複素環構造を有するモノマー、酸性基を有するモノマー、塩基性窒素原子を有するモノマーなどを挙げることができる。
カルボキシル基を有するビニルモノマーとして、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単量体と無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物のような環状無水物との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなども利用できる。また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの無水物含有モノマーを用いてもよい。なおこれらの内では、共重合性やコスト、溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、および安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、およびマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、およびフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、およびイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
ビニルケトン類の例としては、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどが挙げられる。
オレフィン類の例としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。
マレイミド類の例としては、マレイミド、ブチルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミドなどが挙げられる。
(メタ)アクリロニトリルの例としては、メタクリロニトリル、アクリロニトリルなどが挙げられる。
カルボキシル基を有するビニルモノマーとして、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単量体と無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物のような環状無水物との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなども利用できる。また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの無水物含有モノマーを用いてもよい。なおこれらの内では、共重合性やコスト、溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
更に、酸性基を有するビニルモノマーとして、フェノール性ヒドロキシル基を含有するビニルモノマーやスルホンアミド基を含有するビニルモノマーなども利用することができる。
このような一般式(5)で表される構成単位を枝部に少なくとも有するグラフト型高分子の枝部の具体的な例としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリ−i−ブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレートとベンジル(メタ)アクリレートとの共重合体、メチル(メタ)アクリレートとスチレンとの共重合体、メチル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体、メチル(メタ)アクリレートとアクリロニトリルとの共重合体などが挙げられる。
具体的には、一般式(5)で表される構成単位を少なくとも有するマクロモノマーと、該マクロモノマーと共重合可能なエチレン性不飽和モノマーと、の共重合が挙げられる。
一般式(6)中、R76は、水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、Wは単結合または、
このような一般式(6)で表されるマクロモノマーの具体的な例としては、以下に示すものが挙げられる。
市販品として入手できるこのようなマクロモノマーとしては、片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー(Mn=6,000、商品名:AA−6、東亜合成化学工業(株)製)及び片末端メタクリロイル化ポリ−n−ブチルアクリレートオリゴマー(Mn=6,000、商品名:AB−6、東亜合成化学工業(株)製)、片末端メタクリロイル化ポリスチレンオリゴマー(Mn=6,000、商品名:AS−6、東亜合成化学工業(株)製)を挙げることができる。
末端変性型高分子としては、例えば、特開平9−77994号公報や、特開2002−273191号公報などに記載されているポリマーの末端に官能基を有する高分子を挙げることができる。
1.官能基含有の重合開始剤を用いて重合(例えば、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合など)で合成する方法
2.官能基含有の連鎖移動剤を用いてラジカル重合で合成する方法
ここで導入する官能基は、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、水酸基およびイオン性官能基から選択される部位などが挙げられる。また、これらの吸着部位に誘導できる官能基であっても構わない。
分散剤としては、前記の側鎖に複素環を有する高分子化合物、グラフト型高分子、末端変性型高分子が好ましく、中でも有機色素構造あるいは複素環構造を有する単量体に由来する共重合単位を含有するグラフト型高分子、末端基として有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、またはウレタン基を有する末端変性型高分子が特に好ましい。
顔料を被覆した前記の側鎖に複素環を有する高分子化合物と分散剤の比率は、特に制限されないが、分散剤が高分子分散剤である場合は、10/90〜90/10質量比が好ましく、特に20/80〜80/20質量比が好ましい。
本発明の好ましい態様は、側鎖に複素環を有する高分子化合物で被覆処理した加工顔料と溶剤とを、さらに必要によって分散剤、もしくはアルカリ可溶性樹脂とを分散してなる顔料分散組成物である。
本発明の着色硬化性組成物は、ラジカル開始剤のラジカル発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、増感剤を含有していてもよい。本発明に用いることができる増感剤としては、前記した光重合開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ330nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
例えば、多核芳香族類(例えば、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、9,10−ジアルコキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、チオキサントン類(イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、クロロチオキサントン)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、フタロシアニン類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリジンオレンジ、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)、ケトクマリン、フェノチアジン類、フェナジン類、スチリルベンゼン類、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン類、カルバゾール類、ポルフィリン、スピロ化合物、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーズケトンなどの芳香族ケトン化合物、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物等が挙げられ、更に欧州特許第568,993号明細書、米国特許第4,508,811号明細書、同5,227,227号明細書、特開2001−125255号公報、特開平11−271969号公報等に記載の化合物等などが挙げられる。
本発明の着色硬化性組成物中における増感剤の含有量は、深部への光吸収効率と開始分解効率の観点から、固形分換算で、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。
本発明の着色硬化性組成物は、共増感剤を含有することも好ましい。本発明において共増感剤は、増感色素や開始剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合性化合物(特定モノマー等)の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
この様な共増感剤の例としては、アミン類、例えばM. R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
本発明においては、着色硬化性組成物の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる熱重合防止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
本発明の顔料分散組成物には、熱重合成分を含有させることも有効である。必要によっては、塗膜の強度を上げるために、エポキシ化合物を添加することができる。エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型、クレゾールノボラック型、ビフェニル型、脂環式エポキシ化合物などのエポキシ環を分子中に2個以上有する化合物である。例えばビスフェノールA型としては、エポトートYD−115、YD−118T、YD−127、YD−128、YD−134、YD−8125、YD−7011R、ZX−1059、YDF−8170、YDF−170など(以上東都化成製)、デナコールEX−1101、EX−1102、EX−1103など(以上ナガセ化成製)、プラクセルGL−61、GL−62、G101、G102(以上ダイセル化学製)の他に、これらの類似のビスフェノールF型、ビスフェノールS型も挙げることができる。またEbecryl 3700、3701、600(以上ダイセルユーシービー製)などのエポキシアクリレートも使用可能である。クレゾールノボラック型としては、エポトートYDPN−638、YDPN−701、YDPN−702、YDPN−703、YDPN−704など(以上東都化成製)、デナコールEM−125など(以上ナガセ化成製)、ビフェニル型としては3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’ジグリシジルビフェニルなど、脂環式エポキシ化合物としては、セロキサイド2021、2081、2083、2085、エポリードGT−301、GT−302、GT−401、GT−403、EHPE−3150(以上ダイセル化学製)、サントートST−3000、ST−4000、ST−5080、ST−5100など(以上東都化成製)などを挙げることができる。また1,1,2,2−テトラキス(p−グリシジルオキシフェニル)エタン、トリス(p−グリシジルオキシフェニル)メタン、トリグリシジルトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、o−フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、他にアミン型エポキシ樹脂であるエポトートYH−434、YH−434L、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の骨格中にダイマー酸を変性したグリシジルエステル等も使用できる。
本発明の顔料分散組成物には、塗布性を改良する観点から、各種の界面活性剤を用いて構成することが好ましく、前述のフッソ系界面活性剤の他にノニオン系、カチオン系、アニオン系の各種界面活性剤を使用できる。中でも、前記のフッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤が好ましい。
着色硬化性組成物には、支持体などの硬質表面と形成された硬化被膜との密着性を向上させるために、密着向上剤を添加することができる。密着向上剤としては、シラン系カップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。
上記以外に、本発明の着色硬化性組成物には各種の添加物を添加できる。添加物の具体例としては、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤、ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤、ガラス、アルミナ等の充填剤;イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの、アルコール可溶性ナイロン、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとから形成されたフェノキシ樹脂などのアルカリ可溶の樹脂などがある。
可塑剤としては例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物と結合剤との合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
本発明の着色硬化性組成物は、既述の(A)アルキレンオキシ鎖を含有するモノマーと、(B)バインダーポリマーと、(C)光重合開始剤と、(D)ピグメントレッド166を含む顔料と、必要に応じ用いられる分散剤等とを、好ましくは溶剤と共に含有させ、これに必要に応じて界面活性剤等の添加剤を混合し、各種の混合機、分散機を使用して混合分散する混合分散工程を経ることによって調製することができる。
また、予め(D)ピグメントレッド166を含む顔料を分散させた分散液を調製しておき、該分散液に他の成分と混合してもよい。
なお、混合分散工程は、混練分散とそれに続けて行なう微分散処理からなるのが好ましいが、混練分散を省略することも可能である。
本発明のカラーフィルタは、前記本発明の着色硬化性組成物を用いて形成されたものである。
例えば、後述の支持体上に、既述の本発明の着色硬化性組成物を用いてなる1色以上(好ましくは、3色または4色)の着色パターンを有して構成される。
本発明のカラーフィルタは、所望の透過率特性を満足し(赤色カラーフィルタとしたときに530nm付近のコブを抑えることができ)、解像力に優れ、現像残渣が抑制され、経時粘度安定性に優れる本発明の着色硬化性組成物を用いて形成されるため、色特性に優れ、解像度が高い。
本発明のカラーフィルタは、液晶表示装置用カラーフィルタであっても固体撮像素子用カラーフィルタであってもよいが、色特性及び高解像度の観点からは、固体撮像素子用カラーフィルタであることが好ましい。
例えば、青色カラーフィルタと、緑色カラーフィルタと、本発明の着色硬化性組成物を用いて作製された530nm付近のコブが低減された赤色カラーフィルタと、を含む3色以上のカラーフィルタを備えた固体撮像素子は、画像を撮影した際、撮影された画像において、特に肌色の色再現性に優れる。
また、前記着色パターンの膜厚としては、高解像度の観点から、0.1〜2.0μmが好ましく、0.2〜1.0μmがより好ましい。
本発明において、ベイヤー配列とは、複数の正方形が市松模様状に配置された配列をいう。前記ベイヤー配列は、例えば、固体撮像素子用カラーフィルタにおける緑色画素の配列に適用される。
本発明のカラーフィルタを製造する方法には特に限定はないが、例えば、後述する本発明のカラーフィルタの製造方法を用いて好適に製造できる。
前述の本発明のカラーフィルタの製造する方法には特に限定はないが、下記の本発明のカラーフィルタの製造方法が好適である。
即ち、本発明のカラーフィルタの製造方法は、支持体上に、前述の本発明の着色硬化性組成物を塗布して着色層を形成する着色層形成工程と、前記着色層を露光する露光工程と、露光後の前記着色層を現像する現像工程と、を含むことを特徴とする。
以下、本発明の製造方法における各工程について説明する。
前記着色層形成工程は、支持体上に、直接若しくは他の層を介して、前述の本発明の着色硬化性組成物を、例えばスリット塗布によって塗布し、必要に応じ塗布して得られた塗膜を乾燥させて着色層を形成する工程である。
プラスチック基板には、その表面にガスバリヤー層及び/又は耐溶剤性層を有していることが好ましい。このほかに、薄膜トランジスター(TFT)方式カラー液晶表示装置の薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板(以下、「TFT方式液晶駆動用基板」という。)上にも本発明の着色硬化性組成物からなるパターン状皮膜を形成し、カラーフィルタを作製することができる。その際に使用されるフォトマスクには、画素を形成するためのパターンのほか、スルーホールあるいはコの字型の窪みを形成するためのパターンも設けられている。TFT方式液晶駆動用基板における基板としては、例えば、ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等を挙げることができる。これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。例えば、TFT方式液晶駆動用基板の表面上、あるいは該駆動基板の表面に窒化ケイ素膜等のパッシベーション膜を形成した基板等を挙げることができる。
前記スリット塗布は、スリットノズルを用いる方法(以下、スリットノズル塗布法ともいう)であり、例えば、スリット・アンド・スピン法、スピンレス塗布法を挙げることができる。
スリットノズル塗布法において、スリット・アンド・スピン塗布法とスピンレス塗布法は、塗布基板の大きさによって条件は異なるが、例えばスピンレス塗布法により第五世代のガラス基板(1100mm×1250mm)を塗布する場合、スリットノズルからの着色硬化性組成物の吐出量は、通常、500〜2000マイクロリットル/秒、好ましくは800〜1500マイクロリットル/秒であり、また塗工速度は、通常、50〜300mm/秒、好ましくは100〜200mm/秒である。着色硬化性組成物の固形分としては通常、10〜20%、好ましくは13〜18%である。基板上に本発明の着色硬化性組成物による塗膜を形成する場合、該塗膜の厚み(プリベーク処理後)としては、一般に0.3〜5.0μmであり、望ましくは0.5〜4.0μm、最も望ましくは0.8〜3.0μmである。
なお、本発明の着色硬化性組成物を高解像度の固体撮像素子用カラーフィルタの形成に適用する場合には、膜厚は最も好ましくは0.4〜2.0μmの範囲である。
本発明の着色硬化性組成物は、特に0.4〜1.0μm、0.45〜0.8μmのごとき薄層の着色膜を形成する際に有効である。
プリベーク処理は、ホットプレート、オーブン等を用いて50〜140℃の温度範囲で、好ましくは70〜110℃程度であり、10〜300秒の条件にて行なうことができる。高周波処理などを併用しても良い。高周波処理は単独でも使用可能である。
露光工程では、前記着色層形成工程において形成された着色層を、(好ましくはパターン状に)露光する。パターン状の露光は、所定のマスクパターンを有するマスクを介して露光する方法であってもよく、レーザーなどによる走査露光であってもよい。
本工程における露光は、例えば、塗布膜のパターン露光を、所定のマスクパターンを介して行い、光照射された塗布膜部分だけを硬化させ、現像液で現像して未硬化部を除去して着色パターンを形成し、この操作を各色(3色あるいは4色)繰り返しで、各色の画素からなるパターン状皮膜を形成することにより行うことができる。
露光に際して用いることができる放射線としては、特に、g線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。照射量は5〜1500mJ/cm2が好ましく10〜1000mJ/cm2がより好ましく、10〜500mJ/cm2が最も好ましい。
固体撮像素子用のカラーフィルタを作製する場合には、高精細のパターン形成が必要とされるため、ステッパー露光機で主としてi線を使用することが好ましい。
本発明における現像工程は、露光された着色層を現像する(現像処理する)工程である。
前記現像処理では、例えば、露光後の未硬化部を現像液に溶出させ、硬化部分のみを残存させる。現像温度としては、通常20〜30℃が好ましく、現像時間としては20〜90秒が好ましい。
現像液としては、未硬化部における光硬化性の着色硬化性組成物の塗膜を溶解する一方、硬化部を溶解しないものであれば、いずれのものも用いることができる。具体的には、種々の有機溶剤の組合せやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
前記アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように溶解したアルカリ性水溶液が挙げられる。アルカリ性水溶液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。
現像方式は、デイップ方式、シャワー方式、スプレー方式などいずれでもよく、これにスウィング方式、スピン方式、超音波方式などを組み合わせても良い。現像液に触れる前に、被現像面を予め水等で湿しておいて、現像むらを防ぐこともできる。また基板を傾斜させて現像することもできる。
固体撮像素子用カラーフィルタを作製する場合にはパドル現像を用いてもよい。
リンス工程は通常は純水で行うが、省液のために、最終洗浄で純水を用い、洗浄はじめは使用済の純水を使用したり、基板を傾斜させて洗浄したり、超音波照射を併用したりできる。
以上の操作を所望の色相数に合わせて各色毎に順次繰り返し行なうことにより、複数色の着色された硬化膜が形成されてなるカラーフィルタを作製することができる。
前記ブラックマトリックスは、顔料としてカーボンブラック、チタンブラックなどの黒色顔料を用いた本発明の顔料分散組成物を露光、現像し、その後必要に応じて更にポストベークして膜の硬化を促進させることで形成できる。
本発明の固体撮像素子は、本発明のカラーフィルタを備えて構成される。
本発明の固体撮像素子は、色特性に優れ、解像度が高い本発明のカラーフィルタが備えられているため、色特性(色再現性)に優れる。
例えば、青色カラーフィルタと、緑色カラーフィルタと、本発明の着色硬化性組成物を用いて作製された530nm付近のコブが低減された赤色カラーフィルタと、を含む3色以上のカラーフィルタを備えた固体撮像素子は、画像を撮影した際、撮影された画像において、特に肌色の色再現性に優れる。
支持体上に、固体撮像素子(CCDイメージセンサー、CMOSイメージセンサー、等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオード及びポリシリコン等からなる転送電極を有し、前記フォトダイオード及び前記転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口したタングステン等からなる遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面及びフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、前記デバイス保護膜上に、本発明のカラーフィルタを有する構成である。
更に、前記デバイス保護層上であってカラーフィルタの下(支持体に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、カラーフィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。
1)下塗り液の調製
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・19.20部
(PGMEA)
・エチルラクテート ・・・36.67部
・バインダー ・・・30.51部
〔メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重
合体(モル比=60:20:20)の41%PGMEA溶液〕
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート ・・・12.20部
(光重合性化合物)
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール) ・・・0.0061部
・フッ素系界面活性剤 ・・・ 0.83部
(F−475、大日本インキ化学工業(株)製)
・光重合開始剤 ・・・ 0.586部
(TAZ−107(トリハロメチルトリアジン系の光重合開始剤)、みどり化学社製)
以上の成分を混合して溶解し、下塗り液を調製した。
6インチシリコンウエハ上に、前記1)で得た下塗り液をスピンコートで均一に塗布して塗布膜を形成し、形成された塗布膜を120℃のホットプレート上で120秒間加熱処理した。ここで、スピンコートの塗布回転数は、前記加熱処理後の塗布膜の膜厚が約2μmとなるように調整した。
上記加熱処理後の塗布膜を、更に、220℃のオーブンで1時間処理して塗布膜を硬化させ、下塗り層とした。
以上のようにして、6インチシリコンウエハ上に下塗り層が形成された、下塗り層付シリコンウエハ基板を得た。
・ベンジルメタアクリレート/メタアクリル酸共重合体(モル比=70/30)〔バインダーポリマー〕 ・・・ 2.64部
・後述する化合物MA−2〔特定モノマー〕 ・・・ 4.00部
・後述する化合物I−1〔オキシム系光重合開始剤〕 ・・・ 0.5部
・顔料(Pigment Red 166)使用の顔料分散液(固形分20%(顔料12%を含む)) ・・・24.0部
・顔料(Pigment Red 224)使用の顔料分散液(固形分20%(顔料12%を含む)) ・・・20.0部
・顔料(Pigment Yellow 139)使用の顔料分散液(固形分25.0%(顔料12%を含む)) ・・・17.0部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート〔溶剤〕・・・ 16.7部
・3−エトキシプロピオン酸エチル〔溶剤〕 ・・・ 17.9部
以上の成分を攪拌機で混合し、固形分15質量%のカラーレジスト液(着色硬化性組成物A−1)を調製した。
上記下塗り層シリコンウエハ基板の下塗り層上に、上記で得られたカラーレジスト液をスピンコートで均一に塗布して塗布膜を形成し、形成された塗布膜を、表面温度100℃のホットプレート上で120秒間加熱処理してカラーレジスト層を形成した。ここで、スピンコートの塗布回転数は、前記加熱処理後の塗布膜の膜厚が1.0μmとなるように調整した。
フォトマスクとしては、図1に示すような、1.5μm角の正方形ピクセルパターンが、3mm*4mmの範囲内に配列されたマスクパターンを有するフォトマスクを用いた。
パドル現像後、20秒スピンシャワーにて純水でリンスを行い、更に純水にて20秒間水洗を行った。その後、ウエハ上に残った水滴を高圧のエアーで飛ばし、基板を自然乾燥させ、更に、表面温度200℃のホットプレート上で5分間加熱処理して正方形ピクセルパターンを形成した。
<分光特性(530nm透過率)>
上記で調製した着色硬化性組成物A−1を、上記カラーフィルタの作製と同様の条件でガラス基板(Cornig 1737)上に塗布し、加熱処理して分光特性評価用カラーレジスト層を形成した。形成されたカラーレジスト層の膜厚は1.0μmであった。
得られた分光特性評価用カラーレジスト層の透過率および吸光度を分光光度計(MCPD−2000)にて測定を行った。
得られた分光特性評価用カラーレジスト層の530nmにおける透過率を表1に示す。
上記カラーフィルタの作製において、フォトマスクを、正方形パターンの一辺の長さが種々異なる、複数種の正方形パターンを有する解像力調査用フォトマスクに変更し、露光量1500J/m2でパターン露光を行った以外は上記カラーフィルタの作製と同様にして、解像力調査用カラーフィルタを作製した。
形成された解像力調査用カラーフィルタ(着色パターン)を、測長SEM(日立S−9260S)で25000倍にて観察し、解像できている正方形パターンのうち、一辺の長さが最小である正方形パターンの該一辺の長さを解像力とした。
測長SEM(日立S−9260S)を用い、露光量1500J/m2のときの1.5μm角の正方形ピクセルパターンのパターン周辺部、およびパターン間を観察し、何らかの付着物や溶け残り、すなわち現像残渣の発生具合を観察した。
現像残渣の発生具合の観察結果を表1に示す。
ここで、着色硬化性組成物A−1の溶液の経時粘度安定性について、保存する前(初期)と室温で1ヶ月保存後、45℃で3日保存後の粘度をそれぞれE型粘度計(東機産業(株)製)を用いて測定し、下記判定基準に従って評価した。評価結果は下記表1に示す。
〜判定基準〜
◎:粘度上昇は認められなかった。
○:5%未満の粘度変動が認められた。
△:5%以上10%未満の粘度変動が認められた。
×:10%以上の粘度変動が認められた。
実施例1中、着色硬化性組成物の調製において、「顔料(Pigment Red 166)使用の顔料分散液」を用いず、かつ、化合物MA−2の代わりに同質量の化合物MA−1を用いた以外は実施例1と同様にして着色硬化性組成物を調製し、さらにカラーフィルタを作製し、実施例1と同様の評価を行った。
評価結果を表1に示す。
実施例1中、着色硬化性組成物の調製において、化合物MA−2の代わりに同質量の化合物MA−1を用いた以外は実施例1と同様にして着色硬化性組成物を調製し、さらにカラーフィルタを作製し、実施例1と同様の評価を行った。
評価結果を表1に示す。
実施例1中、着色硬化性組成物の調製において、「顔料(Pigment Red 166)使用の顔料分散液(固形分20%(顔料12%を含む))24.0部」の代わりに、顔料(Pigment Orange 38)使用の顔料分散液(固形分20%(顔料12%を含む))24.0部を用いた以外は実施例1と同様にして着色硬化性組成物を調製し、さらにカラーフィルタを作製し、実施例1と同様の評価を行った。
評価結果を表1に示す。
また、表1中の化合物MA−1、化合物MA−2、化合物I−1の構造は以下の通りである。
また、以上の実施例では、シリコンウエハー上にカラーフィルタを形成したが、シリコンウエハーを、フォトダイオード等の受光素子が形成された固体撮像素子用基板に変更することで、色特性に優れた固体撮像素子を作製することができる。
具体的には、青色カラーフィルタと、緑色カラーフィルタと、実施例1に記載の光硬化性組成物を用いた赤色カラーフィルタと、を有する固体撮像素子を用いて撮影した画像は、赤色カラーフィルタにおいて530nm付近のコブが抑えられているため、特に、肌色の再現性に優れている。
Claims (7)
- (A)アルキレンオキシ鎖を含有するモノマーと、(B)バインダーポリマーと、(C)光重合開始剤と、(D)ピグメントレッド166を含む顔料と、を含む着色硬化性組成物。
- 前記(D)ピグメントレッド166を含む顔料が、更に、ピグメントレッド224を含む請求項1に記載の着色硬化性組成物。
- 前記(D)ピグメントレッド166を含む顔料が、更に、黄色顔料を含む請求項1又は請求項2に記載の着色硬化性組成物。
- 前記黄色顔料が、ピグメントイエロー139である請求項3に記載の着色硬化性組成物。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物を用いて形成されたカラーフィルタ。
- 支持体上に、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物を塗布して着色層を形成する着色層形成工程と、
前記着色層を露光する露光工程と、
露光後の前記着色層を現像する現像工程と、
を含むカラーフィルタの製造方法。 - 請求項5に記載のカラーフィルタを備えた固体撮像素子。
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