JP2007536296A - アンブロキソール含有局所用製剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、アンブロキソール、又はその医薬的に適合する塩の1種を好ましくは塩酸塩の状態で含み、皮膚及び/又は粘膜への直接塗布又は投与用の局所用医薬組成物であって、抗炎症性及び局部的麻酔作用を有する局所用医薬組成物に関する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、アンブロキソール又はその医薬的に許容される塩の1種、好ましくは塩酸塩の状態で含み、皮膚及び/又は粘膜への直接塗布又は投与用の抗炎症性及び局部麻酔性を有する局所投与用医薬組成物に関する。
医薬品の中には、皮膚や粘膜に医薬製剤を投与するための様々な基剤処方が知られている。概要については、製薬技術の標準的なテキストである、例えば、U Schoffing「Arzneiformenlehre」 Deutscher Apotheker Verlag Stuttgart、第4版(2003)又はGurny/Junginger「Bioadhesion - Possibilities and Future Trends」、Wissenschaftliche Verlagsgesellschaft Stuttgart(1990)に記載されている。WO00/38653には、コルチコステロイド類を経皮投与するために改良した処方が記載されているが、この中に、アンブロキソールが、酸化による劣化防止のための好適な賦形剤として、他の多くの酸化防止剤と並んで記載されている。咽喉や咽頭腔の痛みの治療用として吸引可能なアンブロキソール錠剤が知られている(EP1200070、WO03/072094)。しかしながら、皮膚又は粘膜に直接的に局所投与して治療する目的でアンブロキソール又はその塩を有効成分として含有する医薬的に有効な製剤については、従来技術には記載がみられない。
麻酔効果又は抗炎症作用を有する化合物の局所用製剤には、副作用がみられることがよくある。
そこで、本発明の目的は、抗炎症作用及び麻酔効果が良好であるだけでなく、副作用のない又は最小限に副作用を抑えた局所用製剤を提供することである。
(発明の詳細)
驚くべきことに、アンブロキソール又はその医薬的に許容される塩の1種を含む、皮膚及び/又は粘膜への直接投与用の局所用医薬組成物には抗炎症性及び局所的麻酔作用を有することがわかった。
アンブロキソールの毒性プロフィールが例外的であることからも、前記のような組成物を広い範囲に長い期間にわたって投与することができる。
本発明は、アンブロキソール又はその医薬的に許容される塩の1種を含む、皮膚及び/又は粘膜、好ましくは皮膚又は口腔粘膜、さらに好ましくは皮膚への直接塗布又は投与用の、抗炎症性及び局部的麻酔作用を有する局所用医薬組成物に関する。
アンブロキソールが塩酸塩の状態である局所用医薬組成物が好ましい。
また、ゲル、親水性のペースト、ローション及び溶液、好ましくはゲル及び親水性ペーストのなかから選択される製剤形態の局所用医薬組成物が好ましい。
特に好ましいのは、ゲル、親水性のペースト、ローション及び溶液から選択される製剤形態であって、アンブロキソールの含有量が0.1〜20質量%、好ましくは0.5〜5質量%である局所用医薬組成物である。
座薬、疎水性のペースト、軟膏、クリーム、ローション及びスティック状、好ましくは座薬、疎水性のペースト及びスティック状から選択される製剤形態である局所用医薬組成物がとりわけ好ましい。
本発明の好ましい実施形態の1つは、粘膜付着性膏薬、口腔ストリップ(buccal strips)又は粘膜付着性錠剤状態の局所用医薬組成物であり、好ましくは、粘膜付着性膏薬又は口腔ストリップ状の局所用医薬組成物である。
本発明の別の好ましい実施形態は、粘膜付着性膏薬中のアンブロキソール含有量が、親水性支持層の総質量を基準として1〜50質量%、好ましくは5〜40質量%、さらに好ましくは10〜30質量%の局所用組成物である。
アンブロキソール又はその医薬的に許容される塩の皮膚及び/又は粘膜上に保持される時間が、ドイツ薬局方2003年版によるアンブロキソール0.1%含有非イオン系親水性クリームの場合よりも長い、前記局所用組成物が特に好ましい。
本発明は、さらに、皮膚及び/又は粘膜の痛み、灼熱痛(burning)又は刺激の局所治療用、好ましくは、粘膜の痛み及び灼熱痛又は皮膚の刺激又は灼熱痛の局所治療用、さらに好ましくは粘膜の痛み及び灼熱痛の局所的治療用の医薬組成物を製造するための、アンブロキソール又はその医薬的に許容される塩1種の使用に関する。
また、本発明は、炎症の局所的治療用医薬組成物を製造するための、アンブロキソール又はその医薬的に許容される塩1種の使用に関する。
本発明は、さらに、口腔内又は膣の痛みを伴う炎症、蚊に刺されたあと、アレルギー性の皮膚のかぶれ、免疫性又は特発性の原因及び痒み又は灼けつく痛みを伴う痔疾から選択される症状の局所的治療用の医薬組成物を製造するための、好ましくは、口腔内又は膣の痛みを伴う炎症及び痒み又は灼けつく痛みを伴う痔疾から選択される症状の局所的治療用の医薬組成物を製造するための、アンブロキソール又はその医薬的に許容される塩1種の使用に関する。
アンブロキソールの塩を形成するための酸として好適なのは、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、シュウ酸、マロン酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸及びメタンスルホン酸が挙げられるが、塩酸が好ましい。
ゲル、親水性のペースト、ローション及び溶液
本発明によるゲル、親水性のペースト、ローション及び溶液の水分含有量は様々であり、天然、半合成又は合成ポリマー、無機のゲル形成化合物、香味剤、香料、甘味剤、着色剤、防腐剤、低級アルコール類、ポリオール類、pH調整剤、浸透促進剤及び溶解補助剤から選択される賦形剤を1種以上含む。
好適なポリマーとしては、アラビアゴム、セルロース、セルロース誘導体、好ましくは非イオン系かつ粘膜付着性のセルロース誘導体、特に好ましくは、メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)もしくはその塩、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)又はメチルエチルセルロール(MEC)、ポリビニルアルキルエーテルと無水マレイン酸の共重合体もしくはその塩、ゼラチン、ペクチン、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、トラガカントゴム、カラゲーナン、キサン、キトサン、塩化キトサン、アガロース、寒天、アルギナート、ポロキサマー、デンプン、デンプン誘導体、グアーガム、ガラクトマンナン、ポリアクリレート、架橋アクリル重合体、ポリ(ヒドロキシエチル)メタクリレート、ポリ(ヒドロキシプロピル)メタクリレート、ポリ(ヒドロキシプロピルメチル)メタクリレートを含む群から選択される医薬的に許容される化合物である。
好適な無機ゲル形成物質としては、コロイド状二酸化ケイ素又はベントナイトが挙げられる。
本発明における低級アルコールという用語は、エタノール、1−プロパノール及び2−プロパノールを指す。
好適なポリオールとは、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール及び糖アルコール類から選択される化合物であるが、グリセロール、ソルビトロール(sorbitolol)及びマルチトールが好ましい。
pH調整剤及び浸透促進剤として好ましい化合物は、親水性軟膏、ペースト、クリーム及びローションについてのセクションに列挙された賦形剤が相当する。
溶解補助剤、香料、着色剤、甘味剤及び防腐剤は、製薬的許容量を添加することができる。
前記親水性のペースト又はローションを調製するには、微粉化した不溶性無機化合物、例えば酸化亜鉛や二酸化チタンを加えることができる。
本発明の粘膜付着性膏薬は少なくとも1層の親水層を有するものであり、さらに疎水性被覆層を有していてもよく、この被覆層は別個の結合層を介して粘膜付着層と結合していてもよい。親水層にはアンブロキソール又はその医薬的に許容される塩1種を含むもので、例えば、乾燥させた親水層の総質量を基準として1〜50質量%、好ましくは5〜40質量%、とりわけ好ましくは10〜30質量%含む。
親水性粘膜付着層は1種以上の天然、半合成又は合成の親水コロイドポリマーを含み、さらに1種以上の可塑剤を含んでもよい。また、医薬的に許容される賦形剤、例えば、付着性及び/又は柔軟性に作用する賦形剤、結晶化抑制剤、香味剤、香料、甘味剤、着色剤、防腐剤、低級アルコール類、浸透促進剤、pH調整剤及び/又は溶解補助剤を含んでもよい。
被覆層には天然、半合成又は合成の膜形成用化合物が含まれ、この化合物は水には不溶又は難溶であり、かつ、粘膜付着性が親水層の親水コロイドポリマーの粘膜付着性より小さい化合物で、好ましくは、ポリアクリレート類及びセルロース誘導体から選択されるとよい。また、被覆層には1種以上の可塑剤が含まれてもよく、さらに香味剤、香料、甘味剤、着色剤も任意で含有されてもよい。
被覆層を作製するには、膜形成用成分を水性分散液状態にして使用することができ、この中に、分散液の安定化及び/又は膜形成の補助をする他の添加剤、例えば、界面活性剤、防腐剤又は消泡剤が加えられる。
被覆層は別個に作製することができ、医薬用途に適した可塑性材料として、例えばポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン及び/又はポリ塩化ビニルを含有させることができる。
粘膜付着性膏薬は、前記の機能層を固定するための結合層を有してもよい。結合層は、接着性を有する適当なポリマーを含み、さらに任意で可塑剤、着色剤ならびに付着性及び/又は柔軟性に作用する他の賦形剤を含んでもよい。
好適な親水コロイドポリマーとしては、粘膜接着性セルロース誘導体、例えばメチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルエチルセルロール(MEC)、ゼラチン、可溶性デンプン及びその医薬的に許容される誘導体、ペクチン、トラガカントゴム、アルギン酸及びその医薬的に許容される塩、グアーガム、カラヤゴム、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルキルエーテルと無水マレイン酸の共重合体及びその医薬的に許容される塩、ポリアクリレート、架橋アクリル重合体、ポリ(ヒドロキシエチル)メタクリレート、ポリ(ヒドロキシプロピル)メタクリレート、ポリ(ヒドロキシプロピルメチル)メタクリレートならびにこれらの化合物とポリイソブチレンとの混合物から選択される化合物が挙げられる。
使用される膜形成化合物は、再生セルロース(セロハン)、疎水性セルロース誘導体、例えばヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、エチルセルロース(EC)もしくは酢酸セルロース、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ(ヒドロキシエチル)メタクリレート、ポリ(ヒドロキシプロピル)メタクリレート又はポリ(ヒドロキシプロピルメチル)メタクリレートがよい。
使用できる可塑剤としては、フタル酸エステル(例えばフタル酸ジブチル)、セバシン酸エステル(例えばセバシン酸ジブチル)、アジピン酸エステル(例えばアジビン酸ジブチル)、ポリオール類(例えばアルキレングリコール類、グリセロール又はポリエチレングリコール)、糖アルコール類(例えば、ソルビトロール又はマルチトール)、トリアセチンあるいはクエン酸トリエチルが挙げられる。
高分子結合剤は、アガロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ(ヒドロキシエチル)メタクリレート、ポリ(ヒドロキシプロピル)メタクリレート又はポリ(ヒドロキシプロピルメチル)メタクリレート、ならびに、例えばメチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)又はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等のセルロース誘導体を挙げることができる。
好適なpH調整剤及び浸透促進剤としては、親水性の軟膏、ペースト、クリーム及びローションのセクションで説明した化合物がある。
本発明で使用の溶解補助剤、香味剤、着色剤、甘味剤及び防腐剤は医薬的に許容できる賦形剤である。
粘膜付着性錠剤
本発明の粘膜付着性錠剤は、アンブロキソール又はその医薬的に許容される塩の1種を、アンブロキソール濃度が0.1〜30質量%、好ましくは1〜20質量%で含む。また、粘膜付着性錠剤は、少なくとも1種の粘着付着性ポリマーを含み、さらにこの他の賦形剤として結合剤、充填剤、フロー剤及び滑剤等を含んでもよい。また、pH調整剤及び/又は浸透促進剤を含んでもよい。さらに、香料、香味剤、甘味剤及び/又は着色剤を添加してもよい。
本発明の好適な粘膜付着性ポリマーは、セルロース又はその誘導体、好ましくは非イオン系セルロース誘導体で、例えば、メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)又はメチルエチルセルロール(MEC)、ポリビニルアルキルエーテルと無水マレイン酸の共重合体もしくはその塩、ゼラチン、ペクチン、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリ酢酸ビニル、トラガカントゴム、カラゲーナン、キサン、キトサン、塩化キトサン、アガロース、寒天、アルギン酸もしくはその塩、ポロキサマー、デンプン、デンプン誘導体、グアーガム、ガラクトマンナン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ(ヒドロキシエチル)メタクリレート、ポリ(ヒドロキシプロピル)メタクリレートあるいはポリ(ヒドロキシプロピルメチル)メタクリレートが挙げられる。
使用する結合剤及び充填剤は医薬的に許容できる賦形剤であり、例えば、デンプン又はデンプン誘導体、セルロース又はその誘導体、デキストリン、トラガカントゴム、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、蔗糖又はラクトース等の糖類、糖アルコール類あるいはリン酸カルシウムが挙げられる。
フロー剤及び滑剤としては、タルク、コロイド状シリカ、ステアリン酸又はその塩、トリベヘン酸グリセリル等の脂肪類、ワックス類、ポリエチレングリコール類及びフマル酸を含む群の医薬的に許容できる化合物から選択されることが好ましい。
本発明で使用する香味剤、着色剤及び甘味剤は医薬的に許容される賦形剤である。
好適なpH調整剤及び浸透促進剤としては、親水性の軟膏、ペースト、クリーム及びローションのセクションで説明した化合物である。
疎水性の軟膏、ペースト及び座剤
本発明の軟膏、ペースト及び座剤は親油性の基剤を含み、その中にアンブロキソール又はその医薬的に許容される塩1種が溶解又は分散されている。さらに、粘膜付着性の向上及び/又は再結晶性の抑制を目的として、医薬的に許容される親水コロイド状物質を含有させてもよい。また、医薬的に許容できる香料、甘味剤、着色剤、浸透促進剤ならびに防腐剤及び/又は酸化防止剤を含有させてもよい。
親油性の基剤は、合成又は天然の炭化水素化合物、例えば、パラフィン類、ポリエチレン又はワセリンゲル、植物性又は動物性油脂、硬化脂、合成グリセリド類、ワックス類及び液状ポリアルキルシロキサンから選択される。
医薬的に許容される親水コロイド物質は、セルロース又はその誘導体、好ましくは非イオン系で粘膜付着性のセルロース誘導体で、例えば、メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)及びメチルエチルセルロール(MEC)から、また、アルキルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体とその塩、ゼラチン、ペクチン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、トラガカントゴム、カラゲーナン、キサン、キトサン、塩化キトサン、アガロース、寒天、アルギン酸及びその塩、ポロキサマー、デンプン、デンプン誘導体、グアーガム、カラヤガム、ガラクトマンナン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ(ヒドロキシエチル)メタクリレート、ポリ(ヒドロキシプロピル)メタクリレート及びポリ(ヒドロキシプロピルメチル)メタクリレートから選択される。
好適な防腐剤、酸化防止剤及び浸透促進剤は、下記の親水性の軟膏、ペースト、クリーム及びローションのセクションで列挙する化合物である。
親水性の軟膏、ペースト、クリーム及びローション
本発明の親水性の軟膏、ペースト、クリーム及びローションは、親油性基剤と、水中油型乳化剤及び/又は油中水型乳化剤タイプの界面活性剤物質とを含む。さらに、所望により水を様々な量で含ませることができる。水の量と乳化剤の種類によって、その系は水中油型又は油中水型エマルジョンにすることができる。本発明の製品は、アンブロキソール又はその塩を、0.1〜50%、好ましくは1〜40%、とりわけ好ましくは水系の場合は1.5〜5%、無水系の場合は5〜30%の濃度で含有する。アンブロキソール及びその医薬的に許容される塩の他に、防腐剤、酸化防止剤、浸透促進剤、ポリオール類、展着剤、増粘剤、着色剤、香味剤、ならびに、香料及びpH調整剤も混合することができる。
下記の医薬的に許容できる賦形剤又はそこから選択した混合物は、親油性基剤に適している。
−炭化水素化合物。例えば、白色ワセリン、黄色ワセリン、低粘度及び高粘度の流動パラフィン、固形パラフィン、マイクロクリスタリンパラフィン、パラフィン油、ポリエチレン、スクアレン又はペルヒドロスクアレン。
−グリセリド類。例えば、部分グリセリド、ポリグリセリド、モノグリセリド、ジグリセリド又はトリグリセリド。
−脂肪酸類。例えば、ステアリン酸、パルミチン酸又はオレイン酸。
−植物由来の脂肪油類。例えば、ボラージシード(ルリヂサの種)、シスル(アザミ)、ラッカセイ、ココナッツ又はトウモロコシ油。(半)合成物質由来の脂肪油。例えば、中鎖トリグリセリド。
−植物由来の脂肪及び硬化グリセリド類。例えば、硬化ラッカセイ油、ひまし油又はカカオ脂。
−例えば、豚脂等の動物由来の脂肪、あるいは、例えば硬脂(hard fat)又はシアバター等の半合成原料由来の脂肪。
−天然及び合成原料由来のワックス類。例えば、黄蝋、晒蝋、マイクロクリスタリンワックス、蜜蝋、パルミチン酸セチル又はその誘導体、好ましくはアセチル化ワックス、ポリエチレンワックス、セチルエステルワックス又はTHGワックス。
−樹脂類。例えば、コロホニー。あるいは、
−シリコーン類。例えば、シリコーン油、ジメチコン、シメチコン又はシクロメチコン。
以下の医薬的に許容される賦形剤は界面活性剤物質として使用することができる。
−アニオン活性乳化剤。例えば、ステアリン酸アルカリ金属塩(好ましくはステアリン酸カリウム)又はステアリン酸金属塩(好ましくはモノステアリン酸アルミニウム)、アミン石鹸(好ましくはトリエタノールアミン又はラウリル硫酸トリエタノールアミン)、ならびに、アルキル硫酸塩(好ましくはドデシル硫酸ナトリウム)。
−カチオン活性乳化剤。例えば、第四アンモニウム化合物、好ましくは、塩化ベンザルコニウム又は塩化セチルピリジニウム)。
−両性乳化剤。例えば、天然もしくは合成リン脂質で、とりわけレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセリド、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン又はスフィンゴミエリンあるいはベタイン類。
−非イオン系乳化剤。例えば、高級脂肪アルコール(好ましくは、セチルアルコール、ステアリルアルコールもしくはセチルステアリルアルコール)、多価アルコールの部分エステル類(好ましくは、エチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、特に好ましくはエチレングリコールモノステアリン酸エステル、エチレングリコールジステアリン酸エステル、プロピレングリコールモノステアリン酸エステル)、グリセロール脂肪酸エステル類(好ましくは、グリセロールモノパルミテート、グリセロールジパルミテート、グリセロールトリパルミテート、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノイソステアレート、グリセロールジステアレート、グリセロールジイソステアレート、グリセロールトリステアレート、グリセロールトリヒドロキシステアレート、グリセロールモノオレエート又はグリセロールジオレエート)、ソルビタン脂肪酸エステル類(好ましくは、ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート又はソルビタントリオレエート)、ポリエチレングリコールのエーテル類及びエステル類(好ましくは、ポリエチレングリコール脂肪酸エーテル類、好ましくはポリエチレングリコールラウリルエーテル、ポリエチレングリコールセチルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルエーテル、ポリエチレングリコールセチルステアリルエーテル又はポリエチレングリコールミリスチルセチルステアリルエーテル)、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類(好ましくは、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールステアリルステアレート又はポリエチレングリコールリシノレエート)、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル類(好ましくは、ポリソルベート)、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル類(好ましくは、ポリエチレングリコールグリセロールモノステアレート、ポリエチレングリコールグリセロールジステアレート、ポリエチレングリコールグリセロールヒドロキシステアレート、ポリエチレングリコールグリセロールトリパルミテート、ポリエチレングリコールグリセロールトリリノレート、ポリエチレングリコールグリセロールトリオレエート、ポリエチレングリコールグリセロールリシノレエート又はポリエチレングリコールグリセロールコッコーエート(polyethyleneglycol glycerolcoccoate)、ステアリンアルコール類(stearic alcohols)(好ましくは、コレステロール又はウールアルコール)、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロック共重合体(好ましくは、ポリオキサマー)、羊毛脂又は羊毛アルコール類ならびに上記乳化剤2種以上の混合物。
本発明の好適な防腐剤は以下のとおりである。
−エタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、フェニルエチルアルコール、フェノキシエタノール、フェノール、クロロクレゾール、チモール又はトリクロサン等のアルコール類及びフェノール類。
−安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム等のカルボン酸及びその塩、PHBエステル類(4-ヒドロキシ安息香酸エステル類)、好ましくは、4-ヒドロキシ安息香酸メチル、4-ヒドロキシ安息香酸エチル、4-ヒドロキシ安息香酸プロピル又は4-ヒドロキシ安息香酸ブチル及びそのナトリウム化合物。
−塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、ピリチオン亜鉛又はシス1-(3-クロロアリル)-3,5,7-トリアザ-1-アゾニア−アダマンタンクロリド等の窒素化合物、あるいは、
−炭酸プロピレン、
ならびに、上記防腐剤2種以上の混合物。
本発明による好適な酸化防止剤は、アスコルビン酸、サリチル酸又はα-トコフェロール等の天然の酸化防止剤、アスコルビン酸又は没食子酸エステル類、とりわけパルミトイルアスコルビン酸又は没食子酸プロピル等の半合成酸化防止剤、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン又は亜流酸塩、特に、重亜硫酸ナトリウム等の合成酸化防止剤、エデト酸又はEDTAナトリウム等の錯化剤、ならびに、上記酸化防止剤2種以上の混合物が挙げられる。
本発明の好適なポリオールとは、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール又はイソマルト等の糖アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、へキシレングリコール又はポリエチレングリコール類である。
本発明の好適な展着剤とは、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソプロピルラノエート(isopropyllanoate)、アジピン酸ジイソプロピル及びアジピン酸ジブチルが挙げられる。
本発明の好適なpH調整剤としては、酢酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、塩酸、硫酸又はリン酸等の酸類、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化アルミニウム又はトロメタモール等の塩基類、ならびに、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素一ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素一カリウム、リン酸水素二カリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カルシウム、硫酸マグネシウム、クエン酸水素一アンモニウム又はクエン酸水素二アンモニウム等の塩が挙げられる。
本発明の好適な浸透促進剤は、尿素、ジメチルスルホキシド、ヒアルロン酸ナトリウム塩、ラウリルアルコール又はオレイルアルコール等のアルカノール類、オレイン酸等のアルカン酸、1-ドデシルアザシクロヘプタン-2-オン、エチレングリコール、プロピレングリコール又はメントール、ならびに、1-アシルグリコシド、1-アシル-ポリオキシエチレン、1-アシル-サッカリド、2-n-アシル-シクロヘキサノン、2-n-アシル-1,3-ジオキソラン(SEPA)、1,2,3-トリアシル-グリセロール、1-アルカノール、1-アルカン酸、1-アルキル-アセテート、1-アルキル-アミン、1-アルキル-n-アルキル-ポリオキシエチレン、1-アルキル-アルキレート、n-アルキル-β-D-チオグリコシド、1-アルキル-グリセリド、1-アルキル-プロピレングリコール、1-アルキル-ポリオキシエチレン、1-アルキル-2-ピロリドン、アルキル-アセトアセテート、アルキレングリコール、アルキルメチルスルホキシド、アルキル-プロピオネート、アルキルスルフェート、ジアシルスクシネート、ジアシル-N,N-ジメチルアミノアセテート(DDAA)、ジアシル-N,N-ジメチルアミノイソプロピオネート(DDAIP)及びフェニルアルキルアミンから選択される他の浸透補助剤が挙げられる。
使用する増粘剤は、前記ゲル及び親水性ペーストの説明で記載した、天然もしくは半合成ポリマー類、合成ポリマー類、無機ゲル形成化合物がよい。
本発明で使用の香味剤、着色剤及び香料は、医薬的に許容できる賦形剤である。
スティック剤
本発明の範囲におけるスティック剤は、アンブロキソール又はその医薬的に有用な塩を0.1〜50質量%、好ましくは1〜45質量%、さらに好ましくは2〜40質量%含有する。また、ナトリウム石鹸、好ましくはパルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸アミド及びステアリン酸モノエタノールアミンのナトリウム石鹸を4〜8質量%含み、エタノール、イソプロパノール及び/又は水を様々な質量比で含む。あるいは、鎖長の異なる1種以上のポリエチレングリコールを含む基剤に有効成分を混和させ、スティック状にすることもできる。
さらに、乳化剤、防腐剤、酸化防止剤、展着剤、ポリオール、浸透促進剤及び香料を含有してもよい。本願明細書中、親水性の軟膏、ペースト、クリーム及びローションのセクションで記載したような賦形剤を、所定の群から選択することができる。
本発明の製剤は、文献から公知の方法に従って調製することができる。
本発明の製剤は、下記の実施例で例示する。
実施例は例示を目的とし、限定を意図するものではない。
実施例
実施例1
Figure 2007536296
実施例2
Figure 2007536296
実施例3
Figure 2007536296
実施例4
Figure 2007536296
非膨潤性成分を水に溶解する。ゲル形成成分を加え膨潤させる。混合物をゆっくり攪拌して均一な溶液又は均一なゲルを作製する。




実施例5
Figure 2007536296
実施例6
Figure 2007536296
構成成分を好適な溶媒、例えばイソプロパノール及び/又は水に溶解し、適当な非粘着基材上に流し、所望の膜厚を有するフィルムを形成し乾燥させる。親水コロイド層と被覆層は別々に調製して結合剤溶液を用いて貼り合わせてもよいし、あるいは、1層の上にもう1層を直接注出して作製することもできる。
前記記載の実施例では、親水コロイド層は、乾燥後の単位面積あたり質量が約0.02g/cm2となるように塗布液を流した。被覆層の方は、実施例5では約0.015g/cm2、実施例6では約0.06g/cm2とした。結合層は0.02g/cm2とした。
層の膜厚は、単位面積あたりの加減や、例えば接着性又は柔軟性等のフィルムの技術的特性を最適に調整できるように変えることができる。
実施例7
Figure 2007536296
錠剤製造機で構成成分を混合圧縮し、所望の形状の錠剤、好ましくは厚みが約0.5〜2mmまでの平型又は若干凸状の錠剤に形成する。
実施例8
Figure 2007536296
硬脂を水浴中に溶かす。塩酸アンブロキソールを前記溶解基剤に懸濁させ、好適な型の中に注ぎ座剤が固まるまで放冷する。
実施例9
Figure 2007536296
実施例10
Figure 2007536296
親水コロイドを混合し、ポリエチレンとパラフィン成分からなるゲルに加える。この基剤中に、塩酸アンブロキソールを懸濁させる。
実施例11
Figure 2007536296
白色ワセリン、流動パラフィン、セトステアリルアルコール及びセトステアリル硫酸ナトリウムとを水浴中に溶かす。塩酸アンブロキソールをその中に懸濁させ、この混合物が冷えるまで攪拌する。
実施例12
Figure 2007536296
白色ワセリン、流動パラフィン、セトステアリルアルコール及びセトステアリル硫酸ナトリウムとを水浴中に溶かす。水を加熱した中に塩酸アンブロキソールを溶解し、前記混合物に添加し、冷えるまで攪拌する。
実施例13
Figure 2007536296
白色ワセリン、中鎖トリグリセリド、セチルアルコール及びグリセロールモノステアレートを水浴中に溶かす。精製水、プロピレングリコール及びポリエチレングリコール100-グリセロールモノステアレートを混合し、油相の温度くらいに加熱する。塩酸アンブロキソールを水性混合物中に溶解する。その後、親水相を親油相に加える。できた混合物が冷えるまで攪拌する。
実施例14
Figure 2007536296
ステアリン酸、グリセロール及び水酸化ナトリウムをエタノール(96%)に溶解する。
塩酸アンブロキソールを加え、溶液を適当な型に流し込む。
実施例15
Figure 2007536296
ポリエチレングリコール1000及びポリエチレングリコール600を水浴中に溶解する。そこに塩酸アンブロキソールを懸濁させ、得られた溶液を適当な型に流し込む。

Claims (11)

  1. アンブロキソール又はその医薬的に許容される塩の1種を含み、皮膚及び/又は粘膜への直接塗布又は投与用の、抗炎症性及び局部的麻酔作用を有する局所用医薬組成物。
  2. 前記アンブロキソールが塩酸塩の状態で含有されている請求項1記載の局所用医薬組成物。
  3. 製剤形態が、ゲル、親水性のペースト、ローション及び溶液から選択される請求項1又は2記載の局所用医薬組成物。
  4. アンブロキソールの含有量が0.1〜20質量%である請求項3記載の局所用医薬組成物。
  5. 製剤形態が、座薬、疎水性のペースト、軟膏、クリーム、ローション及びスティックから選択される請求項1又は2記載の局所用医薬組成物。
  6. 製剤形態が、粘膜付着性膏薬、口腔ストリップ(buccal strips)又は粘膜付着性錠剤である請求項1又は2記載の局所用医薬組成物。
  7. 前記粘膜付着性膏薬中のアンブロキソール含有量が、親水性支持層の総質量を基準として1〜50質量%である請求項6記載の局所用組成物。
  8. 前記アンブロキソール又はその医薬的に許容される塩の皮膚及び/又は粘膜上に保持される時間が、ドイツ薬局方2003年版によるアンブロキソール0.1%含有非イオン系親水性クリームの場合よりも長い、請求項1〜7のいずれか1項記載の局所用組成物。
  9. 皮膚及び/又は粘膜の痛み、灼熱痛(burning)又は痒み(itching)の局所治療用の、請求項1〜7のいずれか1項記載の組成物を製造するための、アンブロキソール又はその医薬的に許容される塩1種の使用。
  10. 炎症の局所的治療用の、請求項1〜7のいずれか1項記載の組成物を製造するための、アンブロキソール又はその医薬的に許容される塩1種の使用。
  11. 口腔内の痛み又は痒みを伴う炎症、膣近辺の灼熱痛又は痒みを伴う炎症、蚊に刺されたあと、アレルギー性のかぶれ、免疫性又は特発性の原因及び痒み又は灼熱痛を伴う痔疾から選択される症状の局所的治療用の、請求項1〜7のいずれか1項記載の組成物を製造するための、アンブロキソール又はその医薬的に許容される塩1種の使用。
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