JP2004359957A - コロナ抵抗性複合充填剤を含む耐熱ポリマー材料およびその製造方法 - Google Patents

コロナ抵抗性複合充填剤を含む耐熱ポリマー材料およびその製造方法 Download PDF

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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K9/00Use of pretreated ingredients
    • C08K9/04Ingredients treated with organic substances

Abstract

【課題】 優れたコロナ抵抗性および/または機械的特性を有する(ワイヤコーティングまたは類似型の用途用)温度抵抗性ポリマー組成物の提供。
【解決手段】 高電圧ワイヤ絶縁材または類似型の用途に一般的に有用な、コロナ抵抗性の耐熱ポリマー材料を開示する。該材料は、特定の有機溶媒において優れた分散特性を有し、選択された特定の実施態様による有機成分および優れたコロナ耐性特性を有する無機セラミック酸化物成分を有する複合充填剤を含む。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高電圧ワイヤのコーティングおよび類似型の用途に有用な、高度に充填されるコロナ抵抗性ポリマー材料を指向する。より具体的には、本発明のポリマー材料は、無機セラミック酸化物成分および有機成分を有する複合充填剤材料を含み、それら2つの複合充填剤成分は、少なくとも部分的に、オルガノシロキサンまたはオルガノメタロキサン型部分によって互いに架橋される。
セラミック酸化物粒子、とりわけシリカ、アルミナ、チタニアおよびジルコニアは、コロナ抵抗性特性を有することで知られている。サブミクロンのアルミナは、しばしばそのような(コロナ抵抗性)用途に商業的に使用されている。
Urbanらの特許文献1は、「粒子が蒸留水中でスラリーにされたときに酸pHを有する懸濁液を与える」タイプのアルミナ粒子を含むフィルムコーティングを用いて向上したコロナ抵抗性を教示している。
Johnstonらの特許文献2は、ワイヤ絶縁(コロナ抵抗性)充填剤として、未改質セラミック酸化物粒子、オルガノシリケートまたはオルガノアルミネートの使用を教示し、これらの複合充填剤をオルガノシロキサン誘導体から区別している。
米国特許第4,308,312号明細書 米国特許第4,760,296号明細書 米国特許第2,324,483号明細書 米国特許第2,444,333号明細書 米国特許第2,494,295号明細書 米国特許第2,500,600号明細書 米国特許第2,511,913号明細書 米国特許第3,776,978号明細書 米国特許第3,812,214号明細書 米国特許第5,166,308号明細書 米国特許第5,298,331号明細書
ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホンおよびポリフタルアミドを含む多数の耐熱ポリマーが、高電圧ワイヤ絶縁材として用いるために検討されてきた。しかしながら、そのようなポリマーに、最適な所望のコロナ抵抗性を実現するのに十分な量で、セラミック酸化物充填剤を効率的におよび経済的に分散することは、非実用的または不可能ではないにせよ、困難である。
(コロナ抵抗性)複合充填剤の効果的でない分散は、不十分なコロナ抵抗性および/または減少した機械的特性をもたらす可能性がある。それ故に、優れたコロナ抵抗性および/または機械的特性を有する(ワイヤコーティングまたは類似型の用途用)耐熱ポリマー組成物の必要性が存在する。
本発明は、ワイヤーラップ型の用途に有用な耐熱ポリマー材料を指向しており、該耐熱ポリマー材料は、少なくとも50、60、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99または100重量パーセントの、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフタルアミドおよび/またはそれらの組み合わせまたは誘導体などの耐熱ポリマーを含むポリマー材料を含む。
本発明の耐熱ポリマー材料は、以下の重量パーセント:2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、18、20、24、25、28、30、32、34、35、36、38、40、42、44、46、48および50重量パーセントのいずれか2つの間(両端を含む)の範囲の量で、コロナ抵抗性複合充填剤を含む。
本発明のコロナ抵抗性複合充填剤は、以下のサイズ:5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450および500ナノメートルのいずれか2つの間(両端を含む)範囲の(ポリマー材料内に分散される)平均粒子サイズを有し、分散された複合充填剤の少なくとも80、85、90、92、94、95、96、98、99または100パーセントが上記に定義されたサイズの範囲内である。
本発明のコロナ抵抗性複合充填剤は、アルミナ、シリカまたはチタニアなどのセラミック酸化物成分および有機成分を含み、それら2つの成分の間の境界の少なくとも一部分がオルガノシロキサン、オルガノメタロキサン(例えばオルガノジルコネート、オルガノチタネート、オルガノアルミネート)または類似型の部分である。
有機成分は、耐熱ポリマー材料(またはそれらの前駆体)に複合充填剤を分散するために選択される特定の溶媒系にしたがって選択される。1または複数の段階で、耐熱ポリマー材料(またはそれらの前駆体)を十分な低粘度(典型的に、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1.5、1、または0.5キロポイズ)まで溶媒和し、(同様に、同時に、または続く1または複数の段階で溶媒系中に懸濁可能な)複合充填剤を、過度の凝集、境界面の空隙または耐熱ポリマー材料中に分散される無機粒子複合充填剤にしばしば関連する他の問題なしに、ポリマーまたはポリマー前駆体内に分散させる。得られる充填剤入りポリマー材料は、機械的特性を過度に損なうことなしに(およびいくつかの場合には実際に向上している)顕著なコロナ抵抗性を有することが見出された。
本発明のコロナ抵抗性耐熱ポリマー材料は、高電圧アプリケーションにおけるワイヤ絶縁材に適する。例えば、本発明のコロナ抵抗性組成物を用いて絶縁されるワイヤは、大規模な工業用ダイナモエレクトリック機械などに見出される回転子、固定子などに組み合わせて(または一体型部品として)用いることができる。
(概略)
本発明の組成物は、i)耐熱ポリマーマトリックスおよびii)複合、コロナ抵抗性複合充填剤を含む。これらの成分を別個に記載し、次に組み合わせる。
(耐熱ポリマーマトリックス)
本発明の有用な耐熱ポリマーマトリックスは、主要成分として(すなわち、少なくとも50、60、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99または100重量パーセント)ポリマーを含み、該ポリマーは1または複数の以下の部分を有する:アミド、イミド、スルホン、エポキシ、カーボネート、エステル。好ましい耐熱ポリマーマトリックスは、
1.ポリイミド、
2.ポリエステル、
3.ポリエステルアミド、
4.ポリエステルアミドイミド、
5.ポリアミド、
6.ポリアミドイミド、
7.ポリエーテルイミド、
8.ポリカーボネート、
9.ポリスルホン、
10.ポリエーテル、
11.ポリエーテルケトン、
12.ポリエーテルスルホン、
13.ポリフタルアミド、および
14.エポキシ樹脂
15.およびその他、それらの誘導体および組み合わせを含むもの
を含む。
1つの実施態様において、ポリマーマトリックスは、E.I.du Pont de Nemours and company(Wilmington, DE, USA)から入手可能なKAPTON(登録商標)ブランドのポリイミドのような熱硬化性ポリイミドである。本明細書で使用される際に、用語「熱可塑性」ポリイミドは、材料のガラス転移温度が375、350、325または300℃未満のポリアミド組成物を意味することを意図する。反対に、「熱硬化性」ポリアミドは、ガラス転移温度が、上記に規定された熱可塑性ポリイミドの(上限)ガラス転移温度以上のポリイミド組成物か、そうでなければ可測ガラス転移温度を有さないポリイミドを含むことを意図する。
本発明の1つの実施態様において、ポリマーバインダーは、1または複数のジアミンモノマーと1または複数の二無水物モノマーとを(溶媒系中で)反応させることによって作製される、ポリイミド前駆体(ポリアミック酸溶液)を第一に形成することによって合成されるポリイミドである。コロナ抵抗性複合充填剤がポリアミック酸溶液中に十分に分散可能な限り、ポリアミック酸溶液を作製する前、間または後で、少なくとも重合、イミド化、溶媒除去、または他の続く処理が、材料内に複合充填剤を分散するのに必要とされる粘度を超えて粘度を上昇させるまでは、複合充填剤を分散することが可能である。最終的に前駆体(ポリアミック酸)を転換して99.5重量パーセントより大きい固形分含有量を有する耐熱ポリアミド材料とし、この処理のある時点で、粘度は複合充填剤をポリイミドまたはポリイミド前駆体に混合するのに必要な粘度を超えて上昇する。選択される特有の実施態様に依存して、材料を溶媒和することによって、粘度を、おそらく材料に複合充填剤を分散させるのに十分なくらいに再び低下させることが可能である。
ある実施態様において、1または複数の芳香族および/または脂肪族ジアミンモノマーおよび1または/複数の芳香族および/または脂肪族二無水物モノマーからポリアミック酸溶液を形成する。別の実施態様において、二無水物およびジアミンモノマーは、双方ともに芳香族であり、さらに任意選択的に脂肪族ジアミンを含む。
加熱および/または慣用のポリイミド転換化学反応などの当該技術において一般的に知られる方法および技術を用いて、ポリアミック酸溶液を転換して耐熱ポリイミドとすることが可能である。そのようなポリイミド製造方法は数十年にわたって実施されてきており、ポリイミド製造における公開文献は多数であり、ゆえにここでの更なる討論は不要である。本発明に用いるいかなる慣用または非慣用ポリイミド製造方法が利用可能であるが、前駆体材料が本発明の複合充填剤粒子をその中で混合させるのに十分な低粘度を有して利用可能であることを条件とする。
本明細書において、「芳香族」モノマーは、少なくとも1つの芳香環を有するジアミンまたは二無水物であり、該芳香環は、単独(すなわち、置換または無置換、官能基化または非官能基化ベンゼンまたは類似型の芳香環)または別個の環(芳香環または脂肪族環)に結合されるかのいずれかである。
本明細書で用いられる用語「ジアミンモノマー」は、二無水物モノマーと(相補的に)反応して中間体ポリアミック酸を形成するモノマーを意味することを意図する。次にポリアミック酸は、典型的に加熱下で硬化され、ポリイミドを形成する。
状況によって、用語ジアミンモノマーは、(i.)未反応モノマー(すなわちジアミンモノマー);(ii.)部分的に反応したモノマー(すなわち、アミン官能基を有するオリゴマーまたは他のポリアミド前駆体であり、それによって部分的にジアミンモノマーから誘導される);(iii.)完全に反応したポリマーのジアミン部分(ジアミンモノマーに帰因するポリイミドの1または複数の部分);を意味することができる。ジアミンモノマーは、本発明の実施において選択される特定の実施態様によって、1または複数の部分で官能基化されることが可能である。
実際に、用語「ジアミン」は、ジアミンモノマーにおけるアミン部分の数に関して制限する(すなわち文字通りに解釈する)ことを意図しない。例えば、上記(ii.)および(iii.)は2、1または0のアミン部分を有してもよいポリマー材料を含む。あるいはまた、ジアミンモノマーを、(二無水物と反応してポリイミド鎖を与えるアミン部分に加えて)追加のアミン部分で官能基化してもよい。そのような追加のアミン部分を用いてポリマーを架橋することもできるし、またはポリマーに対して他の官能基を提供することもできる。
同様に、本明細書で用いられる用語「二無水物モノマー」は、ジアミンモノマーと(相補的に)反応してポリアミック酸を形成し、次に熱および/または放射線で硬化しポリイミドとなるモノマーを意味することを意図する。
本明細書に用いられる用語「無水物」は、それが用いられる状況によって、無水部分それ自体だけでなく、(i.)一対のカルボン酸基(脱水または類似型反応によって無水物へと転換されることが可能である);または(ii.)無水物官能基への転換が可能な酸−酸エステル官能基(または現在知られているか、または将来開発されるその他の官能基)のような無水物部分の前駆体をも意味することができる。
状況によって、「二無水物」は、(i.)未反応形態(すなわち、二無水物ポリマー、前術の段落において議論されたように、無水官能基が真の無水物形態または無水物形態前駆体であるかに関わらず);(ii.)部分的に反応した形態(すなわち、オリゴマーの1または複数の部分、または二無水物モノマーから反応されるか、さもなければ帰因する、他の部分的に反応したポリイミド組成物またはその前駆体)または(iii.)完全に反応した形態(二無水物モノマーから得られるか、さもなければ帰因する、ポリイミドの1または複数の部分)を意味することができる。
本発明の実施において選択される特定の実施態様によって、二無水物モノマーを1または複数の部分で官能基化することができる。実際に、用語「二無水物」は、二無水物モノマー中の無水部分の数に関して制限する(すなわち文字通りに解釈する)ことを意図しない。例えば、(上記段落の)(i.)(ii.)および(iii.)は、無水物が前駆体状態か、または反応した状態であるかに依存して1または0個の無水物部分を有する有機物質を含む。あるいはまた、二無水物モノマーは、(ジアミンと反応してポリイミドを与える無水物部分に加えて)追加の無水物型部分で官能基化されてもよい。そのような付加的な無水部分を用いてポリマーを架橋するか、または他の官能基を与えてポリマーになる。
本発明において有用な二無水物モノマーの例は、ピロメリト酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホキシド二無水物(DSDA)、1,1,1,3,3,3,−ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、ビスフェノールA二無水物(BPADA)、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(トリフルオロメチルベンジジン)、2,3,3’ ,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’、3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス−1,3−イソベンゾフランジオン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)チオエーテル二無水物、ビシクロ−[2,2,2]−オクテン(7)−2,3,5,6−テトラカルボン酸−2,3,5,6−二無水物、2−(3’,4’−ジカルボキシフェニル)5,6−ジカルボキシベンズイミダゾール二無水物、2−(3’,4’−ジカルボキシフェニル)5,6−ジカルボキシベンズオキサゾール二無水物、2−(3’,4’−ジカルボキシフェニル)5,6−ジカルボキシベンズチアゾール二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)2,5−オキサジアゾール1,3,4−二無水物、ビス2,5−(3’,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル)1,3,4−オキサジアゾール二無水物、それらの酸エステルおよびそれらの酸塩化物誘導体を含む。ピロメリト酸二無水物(PMDA)が好ましい。
適当なジアミンモノマーの例は、2,2−ビス−(4−アミノフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−ODA)、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(3,4−ODA)、1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(APB−134)、1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(APB−133)、1,2−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルジエチルホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノジフェニル−N−メチルアミン、4,4’−ジアミノジフェニル−N−フェニルアミン、1,2−ジアミノベンゼン(OPD)、1,3−ジアミノベンゼン(MPD)、1,4−ジアミノベンゼン(PPD)、2,5−ジメチル−1,4−ジアミノベンゼン、2,5−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン(DPX)、トリフルオロメチル−2,4−ジアミノベンゼン、トリフルオロメチル−3,5−ジアミノベンゼン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ベンジジン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、m−キシリレンジアミン、p−キシレンジアミン、ビスアミノフェノキシフェニルスルホン、4,4’−イソプロピリデンジアニリン、N,N−ビス−(4−アミノフェニル)メチルアミン、N,N−ビス−(4−アミノフェニル)アニリン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4−アミノフェニル−3−アミノベンゾエート、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、2,4−ジアミン−5−クロロトルエン、2,4−ジアミン−6−クロロトルエン、2,4−ビス−(β−アミノ−t−ブチル)トルエン、ビス−(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、p−ビス−2−(2−メチル−4−アミノペンチル)ベンゼン、1−(4−アミノフェノキシ)−3−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1−(4−アミノフェノキシ)−4−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)−ヘキサフルオロプロパン(6Fジアミン)、2,2’−ビス(4−フェノキシアニリン)イソプロピリデン、2,4,6−トリメチル−1,3−ジアミノベンゼン、4,4’−ジアミノ−2,2’−トリフルオロメチルジフェニルオキシド、3,3’−ジアミノ−5,5’−トリフルオロメチルジフェニルオキシド、2,2’−トリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−オキシ−ビス−[(2−トリフルオロメチル)ベンゼンアミン]、4,4’−オキシ−ビス−[(3−トリフルオロメチル)ベンゼンアミン]、4,4’−チオ−ビス−[(2−トリフルオロメチル)ベンゼン−アミン]、4,4’−チオビス−[(3−トリフルオロメチル)ベンゼンアミン]、4,4’−スルホキシル−ビス−[(2−トリフルオロメチル)ベンゼンアミン]、4,4’−スルホキシル−ビス−[(3−トリフルオロメチル)ベンゼンアミン]、および4,4’−ケト−ビス−[(2−トリフルオロメチル)ベンゼンアミン]を含む。4,4’−オキシジアニリン(4,4−ODA)が好ましい。
脂肪族ジアミンもまた有用なジアミンモノマーであり、本発明のポリアミック酸前駆体(そして次のポリアミド)を作製するために用いられる。有用な脂肪族ジアミンは、1,4−テトラメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン(PMD)、1,6−ヘキサメチレンジアミン(HMD)、1,7−ヘプタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン、1,10−デカメチレンジアミン(DMD)、1,11−ウンデカメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミン(DDD)、1,16−ヘキサデカメチレンジアミンである。好ましい脂肪族ジアミンは、1,6−ヘキサメチレンジアミン(HMD)である。1,6−ヘキサメチレンジアミン(HMD)が好ましい。
別の実施態様において、エポキシ樹脂は、耐熱ポリマーマトリックスとして用いられる。1つの実施態様において、エポキシ樹脂は、ビスフェノール−Aジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ジグリシジルエステル樹脂、ポリフェノールのグリシジルエーテルなどから得られる。これらの樹脂は、好ましくは約130〜1500のエポキシ当量重量平均分子量を有する。そのような樹脂は、当業者によく知られており、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6および特許文献7に記載されている。
先に記載されたエポキシ樹脂の硬化触媒または硬化剤は、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムジ−s−ブトキシドアセト酢酸エステルキレートまたはテトラオクチレングリコールチタネートを含み、レゾルシノール、カテコールまたはヒドロキノンおよび相当するヒドロキシナフタレン化合物を含むフェノール促進剤と組み合わせる。このタイプの組成物は、特許文献8および特許文献9に記載されている。
(コロナ抵抗性複合充填剤:概略)
本発明の好ましいコロナ抵抗性組成物充填剤は、以下のサイズ:5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450および500ナノメートルのいずれか2つの間(両端を含む)の範囲の(ポリマー材料内に分散される)平均サイズを有し、分散された複合充填剤の少なくとも80、85、90、92、94、95、96、98、99または100パーセントが上記に定義されたサイズの範囲内である。日本のOtsuka Electronics、Company、Ltdから入手可能な、「PAR III」ブランドのレーザー粒子分析器のようなレーザー粒子分析器により、複合充填剤粒子サイズを決定することができる。
いくつかの実施態様において、平均粒子サイズが20ナノメートルよりも小さい場合には、複合充填剤粒子は凝集する傾向にあり、および平均粒子サイズが500ナノメートルを越える場合には、複合充填剤の分散が不安定になる可能性があり、それによって、耐熱ポリマーマトリックス内で複合充填剤が不均一な分散をする危険がある。
本発明にしたがって、複合充填剤材料の有機成分は、主として特定の溶媒和されたポリマーマトリックスまたはポリマーマトリックス前駆体への複合充填剤材料の分散性を付与または向上するために選択される。一般的に言って、(選択された溶媒と)類似した極性および比較的低分子量の有機成分が、それ以外のものより容易に溶媒に分散する。したがって、本発明の有機成分は、その中に複合充填剤が分散されるか、または他の方法で混合されることが意図される特定の溶媒系を考慮して選択される。
同様に、複合充填剤の無機成分は、主としてコロナ抵抗性を付与または向上するために選択される。アルミナは広く受け入れられているコロナ抵抗性無機セラミック酸化物であるので、本明細書で特別に言及されている。しかし、当業界は他のタイプのコロナ抵抗性無機セラミック酸化物が好む、または他の方法で適用する可能性がある。それ故に、本発明の無機成分は、広範に定義されることを意図する。
特定の理論に拘束されることを意図することなしに、少なくとも1つの実施態様において、有機成分が無機成分の表面エネルギーを低下させ、したがって有機溶媒中に容易に分散することを可能にすることが信じられている。本発明の複合充填剤はより容易に分散可能であるため、多くの場合に付加的な剪断力またはろ過をほとんど、あるいは全く必要とすることなく、これらのスラリーは、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0または10ミクロンより大きいサイズ幅の極めて望ましくない凝集物を、多くの場合ほとんどあるいはおそらく全く(または本質的に全く、すなわち100、50、20、10、8、6、5、4、3、2、または1ppm未満)形成しない。それ故に、本発明の組成物を用いて、高度に向上した絶縁耐力および/または高度に向上した機械的フィルム特性を有するフィルムを形成することができる。
さらにいくつかの実施態様において、本発明のフィルムは、しばしばポリマーに組み込まれる無機セラミック酸化物粒子を用いることなく作製されたフィルム(すなわち金属酸化物またはシリカ充填剤なしの純粋なポリイミドポリマー)よりも高い絶縁耐力を有することが、意外にも発見された。いずれかの特定の理論に拘束されることを意図することなしに、本発明の複合充填剤が、ポリマーマトリックス内で非凝集小粒子のそのような効果的な分散を付与し、本発明の複合充填剤が、少なくとも無充填の純粋なポリマーで観察されるよりも大きい程度まで(およびさらに慣用の不完全に分散され、より高度に凝集したセラミック酸化物充填剤で観察されるよりも大きい程度まで)フィルムのx−y平面に沿って電荷を弱め、おそらくそれによってz方向の電気抵抗を向上させる能力を有し得ることが理論化されている。
典型的に、本発明の複合充填剤は、ナノサイズの慣用のセラミック酸化物充填剤をポリマーマトリックスに分散することを試みるときのような、望ましくない粒子の凝集を破壊するための大規模な粉砕およびろ過を、一般的に必要としない。そのような粉砕およびろ過は、コストが高く、かつ全ての望ましくない凝集物を除去する能力がない場合がある。
実際に1つの実施態様において、複合充填剤は、(少なくとも99重量パーセントの純度の)ジメチルアセトアミド溶媒中で、20重量パーセントで分散および懸濁可能であり、高剪断機械力で溶媒中に充填材を分散および懸濁した後、20℃で72時間静止状態に保持したときに、15、10、8、6、4、2または1質量パーセントの充填剤が溶液から沈殿する。
(複合、コロナ抵抗性複合充填剤:セラミック酸化物成分)
本発明の複合充填剤は、Al、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Zr、Nb、Mo、Sn、Sb、Ta、W、PbまたはCeのセラミック酸化物のような無機セラミック酸化物成分を有する。いくつかの実施態様において、セラミック酸化物成分は、シリカ、アルミナ、チタニアおよび/またはジルコニアである。いくつかの実施態様において、無機セラミック酸化物はシリカおよび/またはアルミナを含む。いくつかの実施態様において、無機セラミック酸化物成分はアルミナを含む。
無機セラミック酸化物成分は、主としてコロナ抵抗性を付与または強化するために選択され、無機セラミック酸化物成分の他の見地、不純物の濃度、結晶構造、水和度(もしあれば)、製造技術(例えば発煙または他の耐火性加熱などの加熱、プラズマ、コロイド沈殿または他の慣用の、または非慣用の無機セラミック酸化物を製造する方法によるかどうか)などはあまり重要でない。
水性アルカリ溶液中のセラミック酸化物成長または金属(またはシリコン)アルコキシドの重縮合、または気相法によって、無機成分を調製することが可能である。そのような方法は、公開文献にあり、従来既知である。しかしながら、広い意味で言えば、本発明に有用な無機セラミック酸化物は、全部ではないが多くは、おそらく別の方法で達成するより品質が良くコストが低い商品としてか、または特注によってのいずれかとしてそのような粒子の商業的供給業者から入手可能である。
本明細書により、複合充填剤組成物はA:Bの重量比を有するものとしてさらに定義される。ここで、Aは複合充填剤の有機部分を表し、およびBは複合充填剤の無機部分を表すか、またはA:Bは、Aが1であり、Bが以下の数字:0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.2、1.5、1.7、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0および10のいずれかの間の範囲(両端を含む)である。無機成分の相対量が大きい(Bが約10より大きい)複合充填剤の使用量は、望ましいレベルのコロナ抵抗性を達成するには極端に高くなってしまい、そのような高レベルの使用量は最終(充填された)耐熱ポリマー材料の機械的特性を達成するのは困難である可能性があり、かつ有害である可能性がある。無機充填剤の相対量が小さい(Bが0.01未満)無機充填剤では、複合充填剤はポリマーマトリックス内で分散するのが困難である可能性がある。いずれの本発明の特定の実施態様を実施する場合において、通常のスキルと実験が不可欠である。
(複合、コロナ抵抗性充填剤:有機成分)
本発明のコロナ抵抗性複合充填剤の有機成分は、実質的に任意のモノマーを用いた(慣用かまたは非慣用の技術による)重合であってもよく、選択される実施態様による。有機成分はしばしば、少なくとも部分的に無機成分に反応する(有機−無機)カップリング剤の有機部分である。有機成分の選択においては、選択された特定の耐熱ポリマーマトリックスのために選択される特定の溶媒と有機成分の分散性が適合することに適切な配慮がなされるべきである。
一般的に言えば、有機成分は、有機成分の極性とより類似した(または無極性)溶媒ほど容易に分散可能である。さらに分子量が低いほど、一般的に有機成分の分散性が大きい。それ故に、有機成分は、溶媒の極性と複合充填剤の極性を最適化する方法で選択され、また一方で有機成分の剰余量を最小限にするべきである(それによって分散性に有害であるバルクが過度に付加される一方でさらに極性を適合化することはほとんどない)。有機成分を、選択されたいずれの特定の溶媒系と適合することにおいて通常のスキルと実験は不可欠である。
潜在的に有用なモノマーは:
1.スチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチレンおよびジビニルベンゼンのような不飽和芳香族化合物;
2.酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニルのような不飽和エステル
3.アクリロニトリルのような不飽和ニトリル
4.アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸アクリル、メタクリル酸アリルのようなアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル;
5.エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、イソプレンなどのC〜C20のアルケンまたはビニルモノマー
6.アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの誘導体;
7.アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど;
8.ヒドロキシル、エポキシ、カルボキシル、無水物、アミノ、ハロゲン化物などのような1または複数の重合可能な反応サイトを有するモノマー;および
9.それらの組み合わせおよび誘導体
を含む。
しかしながら、有機成分は官能基化されているか、またはそうでなければオルガノ−シロキサン(およびあまり好ましくないがオルガノメタロキサン)部分によって複合充填剤の無機セラミック酸化物成分に結合する能力がなければならない。これは、2つの成分間のシロキサン(またはメタロキサン)結合を作製する方法で、無機セラミック酸化物成分と反応する能力を有する官能基を用いて有機成分を官能基化することによって行うことができる。たとえば、有機成分を、−Si(R、R、R)で官能基化することができる。ここで:
1.−Si−R
2.−Si−R、および
3.−Si−R
は、同一または別個のものであり、それらの少なくとも1つはさらに−SiORと定義され、Rは、
1.水素(すなわち−SiORは−SiOH);または
2.加水分解を受けて−ORから−OHに転換することができる置換または無置換アルキル(すなわち、SiORは−SiOHに対する前駆体であり、それは加水分解でSiOHに転換される)
のいずれかである。
本実施態様において、−SiOH官能基化有機成分を無機成分に対して反応させることができ、有機および無機成分を一緒に結合し、それによって、2つの成分の境界で−Si−O−X−結合を形成する。ここでXは、無機成分の原子であり、それはSiまたは金属のいずれかであり、選択される特定の無機成分による。
2つの複合充填剤成分の境界でのオルガノ−シロキサン(またはオルガノ−メタロキサン)結合の形成は、同様にR’−Si−O−X部分(またはR’−M−O−X部分)で無機成分を官能基化することによってすることができる。ここでXは、無機成分の(および無機成分と共有結合される)原子であり、Siまたは金属のいずれかであり、選択される特定の無機成分による。R’は有機成分全体、または次に1または複数の追加の有機反応剤と反応して有機成分を形成する有機成分の一部分のいずれかである有機部分である。
1つの実施態様において、複合充填剤の有機成分と無機成分との間のオルガノシロキサン結合は、オルガノ−シランカップリング剤を用いて達成することができる。ここでカップリング剤のシラン基は、(シロキサン結合を形成する)無機成分と結合し、カップリング剤の有機部分は有機成分と結合ために選択される。そのような有用なカップリング剤は、(a)ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメトキシシランおよびγ−クロロプロピルトリメトキシシラン;
(b)γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランおよびγ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン;および
(c)N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランおよびγ−アミノプロピルトリエトキシシラン
を含んでもよい。
本発明のシランカップリング剤は、好ましくは有機成分の官能基と容易に反応することができる官能基を有する。例えば、そこに導入されるカルボキシル基を有する有機成分にとって、エポキシ基およびアミノ基を有する上記(b)および(c)のシランカップリング剤が好ましい。これらの間で、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランおよびN−(β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。
アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネートなどのオルガノ−メタロキサンカップリング剤を含む代替のカップリング剤はあまり好ましくない。別個のカップリング材を単独で、または2以上を組み合わせて使用してもよく、別個のタイプのカップリング剤を一緒に用いてもよい。
1つの実施態様において、カップリング剤の有機部分は、複合充填剤の有機成分の全てまたは一部分である。商業的または別の方法で入手可能なカップリング剤が特定の望ましい溶媒系に関して優れた分散性を提供する適当な有機部分を有することがわかった場合、複合充填剤の有機成分は、一般的にカップリング剤の手段によって得られるのが好ましい。そのような事情において(または別の方法で)、ドイツのDeGussa AGのような熟達した無機粒子供給業者は、(オルガノ−シロキサンまたはオルガノ−メタロキサンで結合される)本発明の適当な無機/有機複合充填剤を注文生産することが可能である。
別の方法では、別個の有機成分に対する各々のカップリング剤の結合は、有機成分および無機成分を含む分散物中でカップリング剤を分散することによって達成することができる。選択される本発明の特定の実施態様に依存して、適当な溶媒系は、水、有機溶媒および多くのアルコールなどの(水混和性)有機溶媒と組み合わせた水を含むことができる。選択される特定の実施態様によって、非相溶性(すなわち多相)溶媒系を用いてもよいが、十分な攪拌または混合を与えてカップリング剤と複合充填剤の有機および無機双方の成分との間を反応させることを条件とする。水が分散媒体中に含まれるとき、分散系中の有機成分を安定化し、均一の分散を達成するために、ヒドロキシル基、エポキシ基またはカルボキシル基のような親水性官能基を有機成分に導入することが好ましい。また、これらの官能基の導入は、カップリング剤のより容易な化学的結合および/または非化学的結合を強化することができる。そのような使用に好ましいアルコールは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノールなどの低級飽和脂肪族アルコールを含む。それらのアルコールを単独で、または2またはそれ以上の組み合わせで用いることができる。アルコールに加えて、メチルエチルケトンおよびジメチルホルムアミドのような他の有機溶媒を用いることができ、これらの有機溶媒、水およびアルコールを適当な重量比で組み合わせて用いることも可能である。
複合充填剤を作製するための上記反応において、分散媒体中の有機成分含有量は、好ましくは0.0001〜70重量%(これ以後全てのパーセント値は他に記載しない限り重量パーセントを意味する)、より好ましくは0.001〜50%および特に0.01〜25%である。含有量が0.0001%を下回る場合、複合充填剤の収率は低く、70%を越える場合、1または複数の成分が懸濁物から脱落するか、さもなければ分散安定性が問題となる可能性がある。さらに、複合充填剤を形成するための反応を、熱または触媒を用いることにより促進することができる。加熱に関しては、反応系温度は好ましくは40〜100℃である。触媒としては、酸、塩基、アルミニウム化合物、スズ化合物などを用いることが可能である。酸触媒およびアルミニウム触媒は、無機酸化物粒子を用いたオルガノ−シロキサンまたはオルガノ−メタロキサン反応を促進させることがよく知られている。
(耐熱ポリイミドマトリックスへの複合充填剤の組み込み)
ポリイミドの形成において極性非プロトン性溶媒が特に有用である。それ故に、本発明の複合充填剤は、好ましくは、極性非プロトン性溶媒中に容易に分散するように設計される。該極性非プロトン性溶媒は、例えば、N−メチルピロリジノン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、γ−ブチロラクトン、N,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、およびテトラメチルウレア(TMU)などである。1つの実施態様において、好ましい溶媒は、ジメチルアセトアミドである(DMAc)。
一般的に、溶媒総量の約5〜50重量パーセントで共溶媒も用いることができる。有用な共溶媒は、キシレン、トルエン、ベンゼン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(モノグリム)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、1,2−ビス−(2−メトキシエトキシ)エタン(トリグリム)、ビス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]エーテル(テトラグリム)、ビス−(2−メトキシエチル)エーテル、テトラヒドロフラン、「セロソルブ(商標)」(グリコールエチルエーテル)および「セロソルブ(商標)アセテート」(ヒドロキシエチルアセテートグリコールモノアセテート)である。
極性非プロトン性溶媒の存在下で、ジアミンおよび二無水物のモノマーを一緒に組み合わせて、ポリアミック酸溶液(ポリアミド酸溶液とも呼ばれる)を形成することによって、本発明に関するコロナ抵抗性ポリイミドフィルムを製造することができる。二無水物およびジアミンのモノマーを、芳香族ジアミンモノマーに対して芳香族二無水物モノマーが、約0.90〜1.10のモル比で典型的に組み合わせる。二無水物とジアミンのモノマーのモル比を調整することによって、ポリアミック酸の分子量を調整することができる。
1つの実施態様において、ポリアミック酸溶液は、以下のパーセント:5、10、12、15、20、25、27、30、40、45、50、55、または60重量パーセントのいずれか2つの間(両端を含む)の範囲の濃度で極性非プロトン性溶媒中に溶解されるポリアミック酸を含む。1つの実施態様において、ポリアミック酸溶液の溶媒含有量は、約10、12、14、16、18、20または22から約24、26、28または30重量パーセントの範囲内である。
1つの実施態様において、本発明に関するナノサイズの複合充填剤(すなわち、有機シロキサン結合を通じてアルミナと結合するC〜C12アルキル有機成分を含むアルミナ酸化物粒子)は、最初に溶媒中で分散してスラリーを形成し、そして次にスラリーをポリアミック酸前駆体溶液中に分散する。その混合物を、充填されたポリアミック酸キャスティング溶液と呼ぶ。(最終フィルム中の)ポリイミドに対する複合充填剤の濃度は、5、10、15、20、25、30、35または40から45、50、55、60、65または70重量パーセントの範囲内である。複合充填剤の濃度が上昇するにつれ、複合ポリイミドのコロナ抵抗性も大きくなる。
充填されたポリアミック酸キャスティング溶液は、典型的に、スラリーを形成するための予め形成されたポリアミック酸溶液と複合充填剤とのブレンドであり、少なくとも1つの実施態様において、複合充填剤が約1、3、5、7、9または10重量パーセントから約15、20、25、30、35、40、45または50重量パーセントの範囲内で存在する。1つの実施態様において、複合充填剤は、最初に、ポリアミック酸溶液を作製するのに用いられるのと同一の極性非プロトン性溶媒(たとえばDMAc)を用いて分散される。任意選択的に、少量のポリアミック酸溶液を複合充填剤スラリーに添加して、スラリーの粘度を増大させるか、または望まれていない粒子凝集からスラリーを安定化させてもよい。
1つの実施態様において、複合充填剤スラリーをポリアミック酸溶液とブレンドして、充填されたポリアミック酸キャスティング溶液を形成する。このブレンド操作は高剪断混合を含むことができる。好ましくは、スラリー、キャスティング溶液および最終ポリイミドフィルム中の複合充填剤の平均粒子サイズは、以下のサイズ:5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450および500ナノメートルのいずれか2つの間の範囲(両端を含む)内である。1つの実施態様において、平均粒子サイズは100〜300ナノメートルである。
ポリアミック酸対複合充填剤の比を比A:Bで表すことが可能である。ここで、Aはポリアミック酸ポリマーの重量であり、Bは複合充填剤の重量である。1つの実施態様において、Aは、以下:0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、および0.9のいずれか2つの間の範囲(両端を含む)内であり、Bは1である。この実施態様において、Aが0.1を下回る場合、形成されるフィルムは一般的に過度にもろく、導電性ワイヤをラップすることが可能な、自立して、機械的に強靭な、柔軟性のあるシートを形成するほど十分に柔軟でない可能性がある。また、本実施態様において、Aが0.9を上回る場合、それから形成されたフィルムは、十分にコロナ抵抗性ではない可能性がある。
前述のポリアミック酸キャスティング溶液は、任意選択的にさらに、加工助剤(例えばオリゴマー)、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、静電防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、無機充填剤または種々の強化材を含む付加的な添加物を含むことができる。一般的な無機充填剤は、粒状金属酸化物のような熱伝導性充填剤、および金属および導電性ポリマーのような導電性充填剤を含む。他の一般的な無機充填剤は、粒状アルミナ、粒状シリカ、ヒュームドシリカ、炭化ケイ素、ダイヤモンド、クレー、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、二酸化チタン、リン酸二カルシウム、ヒュームド金属酸化物を含む。一般的な有機充填剤は、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン、ポリジアルキルフルオレン、カーボンブラックおよびグラファイトを含む。
1つの実施態様において、ポリアミック酸キャスティング溶液は、エンドレスベルトまたは回転ドラムのような支持体上にキャスト、すなわち塗布される。次に溶液を加熱して溶媒の一部を除去することによって、湿潤フィルムを形成する。適当な温度でベークすることにより、時々「未加工」フィルムと呼ばれる湿潤フィルムを、固形分が60、65、70、75、80、85および90重量パーセントの自立フィルムに転換する。未加工フィルムは、支持体から分離され、連続した熱硬化および放射硬化で幅出ししながら分子配向され、固形分重量パーセントが98.5%を上回る完全に硬化されたポリイミドフィルムが得られる。
本発明に関するポリイミドフィルムを製造する他の有用な方法は、特許文献10および特許文献11に見出すことができ、これらの全ての教示は参照により本明細書に組み込まれるものとする。以下のような多様な変型も可能である:
(a)ジアミンモノマーと二無水物モノマーと予備的に一緒に混合して、次にその混合物を、攪拌しながら一部分ずつ溶媒に添加する方法。
(b)ジアミンと二無水物モノマーとの攪拌混合物に溶媒を添加する方法(上記(a)の逆)
(c)ジアミンのみ溶媒に溶解し、次に反応速度を制御させるような比率でそこに二無水物を添加する方法。
(d)二無水物モノマーのみを溶媒に溶解し、次にアミン成分を、反応速度を制御させるような比率でそこに添加する方法。
(e)ジアミンモノマーと二無水物モノマーを別個に溶媒に溶解し、次にこれらの溶液を反応器中で混合する方法。
(f)過剰のアミン成分を有するポリアミック酸と過剰の無水物成分を有する別個のポリアミック酸を予備的に形成して、反応器中で、非ランダムまたはブロックコポリマーを作製するような方法で、互いを反応させる方法。
(g)アミン成分と二無水物成分の特定の部分を最初に反応させ、次に残りの二無水物モノマーを反応させるか、またはその反対の方法。
(h)シランでコーティングされたヒュームドアルミナ酸化物粒子を溶媒中に分散し、次にポリアミック酸の流れに注入して、充填されたポリアミック酸キャスティング溶液を形成し、次にキャストして未加工フィルムを形成する方法。
(i)成分を、一部または全部のいずれかの溶媒に、任意の順序で一部または全部添加し、また一部または全部の溶媒中に溶液として一部また全てのいずれかの成分を添加することが可能である方法。
(j)第1のポリアミック酸を与えるジアミンモノマーの1つで二無水物モノマーの1つを最初に反応させ、次に他のアミン成分で他の二無水物モノマーを反応させて第2のポリアミック酸を与え、次にフィルム形成の前に多数の方法のいずれかでそれらアミック酸を組み合わせる方法。
複数の加熱区域または加熱ゾーンを有する加熱システムを用いることが好ましい。また、最高加熱温度を制御して、炉の空気(または窒素)の最高温度を約200〜600℃、より好ましくは350〜500℃にすることが一般的に好ましい。上記に規定されたような範囲内に未加工フィルムの最高硬化温度を調整することにより、優れた機械的強度、接着特性、熱寸法安定性を有するポリイミドフィルムを得ることが可能である。
あるいはまた、加熱時間を変動させると同時に、加熱温度を200〜600℃に設定することができる。硬化時間に関しては、本発明のポリイミドフィルムを、約1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45または50秒から約60、70、80、90、100、200、400、500、700、800、900、1000、1100または1200秒にわたって最高加熱温度にさらすことが好ましい。加熱温度は、急速に乾燥することによりフィルムしわがよらないように、段階的に変化することが可能である。
フィルムの用途または最終適用規格に応じてポリイミドフィルムの厚さを調整することが可能である。選択されるいずれかの特定の実施態様の設計基準によって、膜厚を以下の膜厚:8、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、80、100、125、150、175、200、300、400および500ミクロンのいずれか2つの間の範囲(両端を含む)であることが可能である。1つの実施態様において、厚さは約12から約125ミクロンであり、好ましくは25から75ミクロンである。
本明細書に用いられる際に、用語「コロナ抵抗性」は、特定の期間にわたって長期間の電気プラズマの攻撃に耐えることが可能な物理的特性を有する材料を意味する。フィルムの場合、典型的に、約千分の1インチ(〜1.0ミル)すなわち25ミクロンの厚さのフィルム試料を用いてコロナ抵抗性を測定する。1ミル(25ミクロン)フィルムが、200時間を越える期間にわたって(測定用直径1/4インチの銅プローブを用いてフィルムに対して適用される)、1050Hz、750ボルトの電気に耐える能力を有する場合に、そのフィルムは「コロナ抵抗性」と言われる。1つの実施態様において、本発明のポリイミドフィルムは、1000時間を越えるコロナ試験に耐え抜く。
本明細書に用いられるように、用語「絶縁耐力」は、材料が短時間耐えることができる電圧量を記載するために用いられる用語である。1ミルの厚さの慣用の無充填(非コロナ抵抗性)ポリイミドフィルムの絶縁耐力は、典型的に約7800ボルト/ミルである。慣用のコロナ抵抗性フィルムは、一般に約7400ボルト/ミルの絶縁耐力を提供する。1つの実施態様において、本発明に関するフィルムの1つのクラスは、7400、7500、7600、7700、7800、7900または8000ボルト/ミルよりも大きい絶縁耐力を有するものとして定義される。
本明細書に用いられる際に、用語「伸び率」は、破壊することなく、物理的引張力下で引き伸ばすことが可能なフィルムの能力を記載するために用いられる。伸び率試験において、フィルム試料を2つの保持クランプの間に設置する。クランプを反対方向に引っ張る。材料が破壊する前に移動することが可能なクランプの距離が、フィルムに存在する機械的伸び率の値を決定する。フィルムの伸び率が高いほど、絶縁の用途で電気ワイヤの周りを容易にラップすることができる。典型的な1ミルの厚さのポリイミドは、一般的に約90から100パーセントの伸び率を有する。Du Pont KAPTON CR(登録商標)のような典型的なコロナ抵抗性ポリイミドフィルムは、一般的に約40〜60パーセントの機械的伸び率を有する。1つの実施態様において、本発明に関するコロナ抵抗性フィルムの1クラスは、60、65または70パーセントよりも大きい機械的伸び率を有する。
本発明にしたがって、本発明のコロナ抵抗性フィルムは、導電または伝導ワイヤをラップまたはコーティングするために用いられる。また、これらのフィルムは、積層した絶縁材を含浸するために用いられ、したがって優れた絶縁系を提供する。加えて、そのようなコロナ抵抗性フィルムでラップされた導電ワイヤの複数のストランドを一緒に曲げて、回およびコイルを形成する。これらの用途において、および選択される特定の実施態様によって、コロナ抵抗性は、この目的のために用いられる慣用の絶縁材よりも少なくとも10倍大きくなる。さらに、そのような新規なコイルは、トランスおよびダイナモエレクトリック機の回転子/固定子の構築において特別な有用性を有する。
(実施例1)
100部のアルミナあたり約10部の割合で、酸化アルミニウム粒子をオクチルトリメトキシシランでコーティングした。約2時間の調節時間を伴う約120℃の温度における気相コーティング処理を用いた。BET表面積は約98m/gであり、粒子は約45g/lの密度、約0.6%の乾燥損失、約6.3%の強熱減量、約3.7のpHおよび約4%の炭素含有量であった。
ピロメリト酸(PMDA)および4,4’−オキシジアニリン(4,4’−ODA)から得られた固形分19重量(%)パーセント溶液のポリアミック酸を調製した。ポリアミック酸の粘度は、約98%化学量論で約1000ポイズであった。次にポリアミック酸を脱気して24時間にわたって平衡化させた。
前記シランでコーティングされたヒュームド酸化アルミニウムをDMAcに添加して10重量%のスラリーを形成した。低剪断力を用いてスラリーを約5分にわたって剪断して粒子を分散した。次に、脱気したポリアミック酸溶液に対して、ポリマーに対するアルミナの濃度が15重量%に到達するまで、シランが表面にコーティングされたアルミナスラリーを添加した。粘度が約1000ポイズになるように、さらに二無水物を添加することによって混合物の粘度を調整した。
次に、ポリアミック酸およびアルミナ混合物をガラスプレートに注ぎ、60℃から150℃まで温度を上昇させる加熱炉で15分かけて乾燥した。固形分70重量%の半硬化未加工フィルムを製造した。次に半硬化フィルムを300℃の炉中で3分にわたって硬化し、約99.5%の固形分を有する約1ミルの厚さのポリイミドフィルムを得た。次に試料を、ハイポトロニクス上昇電圧絶縁材試験機(Hypotronics ramping voltage dielectric tester)で試験した。20回の絶縁材試験の平均は、以下の表1に実施例1として列挙されている。
(比較例1)
ピロメリト酸(PMDA)および4,4’−オキシジアニリン(4,4’−ODA)から得られるポリアミック酸の固形分19重量%溶液で開始してポリイミドフィルムを製造した。ポリアミック酸の粘度は、約98%の化学量論で約1000ポイズであった。次にポリアミック酸を脱気して、24時間にわたって平衡化させた。
次に、ポリアミック酸をガラスプレートに注ぎ、60℃から150℃までの温度上昇炉で15分かけて乾燥して、固形分70重量%の半硬化未加工フィルムを得た。次に半硬化フィルムを300℃の炉中で3分にわたって硬化し、約99.5%の固形分を有する約1ミルの厚さのポリイミドフィルムを得た。次に試料を、ハイポトロニクス上昇電圧絶縁材試験機で試験した。20回の絶縁材試験の平均は、以下の表1に比較例1として列挙されている。
Figure 2004359957
(実施例2)
商業的規模の製造ラインを用いてポリイミドフィルムを製造した。PMDAおよび4,4’−ODAから得られるポリアミック酸の19重量%溶液を用いてポリイミドを調製した。ポリアミック酸の粘度は、約1500ポイズであり、ポリマーの化学量論は約98%であった。10重量%の、低剪断され、シランがコーティングされたヒュームドアルミナ酸化物のスラリーを、ポリアミック酸に添加した。混合物を本質的に均質になるまで剪断し、付加的な二無水物を添加して混合物の粘度を約1500ポイズまで上昇させた。
ポリアミック酸、シランがコーティングされたヒュームドアルミナ酸化物の混合物をベルト上にキャストして、約70重量%の固形分まで熱的に硬化させた。湿潤フィルムを400℃のテンター炉で約99.5重量%の固形分まで硬化させた。ポリアミック酸はポリイミドに転換された。ポリイミドフィルムをハイポトロニクス上昇電圧絶縁材試験機で試験した。約100試験の平均絶縁耐力を以下の表2に列挙する。フィルムの機械的特性を以下の表3に示す。
(比較例2)
商業的規模の製造ラインを用いてポリイミドフィルムを製造した。PMDAおよび4,4’−ODAから得られるポリアミック酸の固形分19重量%溶液を用いてポリイミドを作製した。ポリアミック酸の粘度は、約1500ポイズであり、ポリマーの化学量論は約98%であった。ポリアミック酸をベルト上にキャストして、約70重量%の固形分まで熱的に硬化させた。湿潤フィルムを400℃のテンター炉で約99.5重量%の固形分まで硬化させ、ここでポリアミック酸はポリイミドに転換された。ポリイミドフィルムをハイポトロニクス上昇電圧絶縁材試験機で試験した。約100試験の平均絶縁耐力を以下の表2に列挙する。フィルムの機械的特性を以下の表3に示す。
(比較例3)
商業的規模の製造ラインを用いてポリイミドフィルムを製造した。PMDAおよび4,4’−ODAから得られるポリアミック酸の固形分19重量%溶液を用いてポリイミドを作製した。ポリアミック酸の粘度は、約1500ポイズであり、ポリマーの化学量論は約98%であった。高剪断され、表面が処理されていないヒュームドアルミナ酸化物の10重量%のスラリーを、実施例2と同様の量および濃度でポリアミック酸に添加した。混合物を本質的に均質になるまで剪断し、付加的な二無水物を添加して混合物の粘度を約1500ポイズまで上昇した。
ポリアミック酸、表面が処理されていないヒュームドアルミナ酸化物の混合物をベルト上にキャストして、約70重量%の固形分まで熱的に硬化させた。湿潤フィルムを400℃のテンター炉で約99.5重量%の固形分まで硬化させた。ポリアミック酸はポリイミドに転換された。ポリイミドフィルムをハイポトロニクス上昇電圧絶縁材試験機で試験した。約100試験の平均絶縁耐力を以下の表2に列挙する。フィルムの機械的特性を以下の表3に示す。
Figure 2004359957
Figure 2004359957

Claims (21)

  1. コロナ抵抗性組成物であって、
    A.少なくとも50、60、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99または100重量パーセントの耐熱ポリマーを含むポリマーマトリックスであって、該耐熱ポリマーが、アミド、イミド、エーテル、スルホン、エポキシ、炭酸塩およびエステルからなる群の1または複数の部分を有するポリマーマトリックスと、
    B.コロナ抵抗性複合充填剤であって、
    i.以下の重量パーセント:2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、18、20、24、25、28、30、32、34、35、36、38、40、42、44、46、48および50重量パーセントのいずれか2つの間(両端を含む)の範囲の量(コロナ抵抗性組成物の総重量に基づいて)で、
    ii.以下のサイズ:5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450および500ナノメートルのいずれか2つの間(両端を含む)の範囲の(ポリマー材料内に分散される)平均粒子サイズを有し、分散された複合充填剤の少なくとも80、85、90、92、94、95、96、98、99または100パーセントが上記に定義されたサイズの範囲内であり、
    iii.セラミック酸化物成分および有機成分を含み、それら2つの成分の間の境界の少なくとも一部がオルガノシロキサン部分またはオルガノメタロキサン部分を含む
    コロナ抵抗性複合充填剤と
    を含むことを特徴とするコロナ抵抗性組成物。
  2. 前記耐熱ポリマーが、
    i.ポリイミド、
    ii.ポリエステル、
    iii.ポリエステルアミド、
    iv.ポリエステルアミドイミド、
    v.ポリアミド、
    vi.ポリアミドイミド、
    vii.ポリエーテルイミド、
    viii.ポリカーボネート、
    ix.ポリスルホン、
    x.ポリエーテル、
    xi.ポリエーテルケトン、
    xii.ポリエーテルスルホン、
    xiii.ポリフタルアミド、および
    xiv.エポキシ樹脂
    からなる群の1または複数の構成要素であることを特徴とする請求項1に記載のコロナ抵抗性組成物。
  3. 前記耐熱ポリマーが、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフタルアミドまたはそれらの組み合わせであることを特徴とする請求項2に記載のコロナ抵抗性組成物。
  4. 前記耐熱ポリマーが熱硬化性ポリイミドであることを特徴とする請求項3に記載のコロナ抵抗性組成物。
  5. 前記組成物が、少なくともワイヤの一部分を取り囲むワイヤ絶縁材であることを特徴とする請求項1に記載のコロナ抵抗性組成物。
  6. 前記ワイヤ絶縁材が、ダイナモエレクトリック機の回転子または固定子の一部分であることを特徴とする請求項5に記載のコロナ抵抗性組成物。
  7. 前記ポリイミドを、
    A.溶媒系中で、1または複数のジアミンと1または複数の二無水物を接触させることによって、50重量パーセント未満の固形分含有量を有する溶液を、1または複数の段階で形成する工程と、
    B.コロナ抵抗性複合充填剤と前記溶液(反応した形態、部分的に反応した形態または未反応の形態)を、1または複数の段階で組み合わせ、該溶液中に充填剤の少なくとも一部分を懸濁させる工程と、
    C.前記溶液を99.5重量パーセントより大きい固形分含有量を有するポリイミドフィルムに転換する工程であって、それによって、前記溶液が99.5重量パーセント未満の固形分含有量を有する間に充填剤の少なくとも一部分を前記溶液中に分散する工程
    とによって合成することを特徴とする請求項4に記載のコロナ抵抗性組成物。
  8. 前記複合充填剤が、(少なくとも99重量パーセントの純度の)ジメチルアセトアミド溶媒中に20重量パーセントで分散可能および懸濁可能であり、高剪断機械力を用いて前記溶媒に充填剤を分散および懸濁した後、20℃で72時間静止状態で保持した時に、前記充填剤の15、10、8、6、4、2または1重量パーセント未満が溶液から沈殿すること特徴とする請求項4に記載のコロナ抵抗性組成物。
  9. 前記複合充填剤が、(少なくとも99重量パーセントの純度の)ジメチルアセトアミド溶媒中に20重量パーセント分散可能および懸濁可能であり、および高剪断機械力を用いて前記溶媒に充填剤を分散および懸濁した後、20℃で72時間静止状態で保持した時に、前記充填剤の2重量パーセント未満が溶液の外に沈殿すること特徴とする請求項8に記載のコロナ抵抗性組成物。
  10. 前記複合充填剤が、サイズ分布を有し、ここで、100、50、20、10、8、6、5、4、3、2または1ppmの充填剤が、少なくとも1つの寸法において、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0および10ミクロンより大きいことを特徴とする請求項1に記載のコロナ抵抗性組成物。
  11. 前記複合充填剤がA:Bの重量比を有し、ここでAは複合充填剤の有機部分を表し、Bは複合充填剤の無機部分を表し、Aが1であり、Bが以下の数字:0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.2、1.5、1.7、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0および10のいずれかの間の範囲(両端を含む)内であることを特徴とする請求項1に記載のコロナ抵抗性組成物。
  12. 前記複合充填剤の有機部分が、シロキサンまたはメタロキサン部分によって無機成分に結合された置換または無置換のC〜C20アルキルであることを特徴とする請求項1に記載のコロナ抵抗性組成物。
  13. 前記複合充填剤が、有機シロキサン結合を通じてアルミナに結合されるC〜C12アルキル有機成分を有するアルミナ粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載のコロナ抵抗性組成物。
  14. 前記複合充填剤が、有機シロキサン結合を通じてアルミナに結合されるC〜C12アルキル有機成分を有するアルミナ粒子から本質的になることを特徴とする請求項1に記載のコロナ抵抗性組成物。
  15. ポリアミック酸対複合充填剤の初期比率を比A:Bによって表し、ここでAはポリアミック酸ポリマーの重量であり、Bは複合充填剤の重量であり、Aが以下:0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8および0.9のいずれか2つの間の範囲(両端を含む)内であり、Bが1であることを特徴とする請求項7に記載のコロナ抵抗性組成物。
  16. 7400、7500、7600、7700、7800、7900または8000ボルト/ミルよりも大きい絶縁耐力を有することを特徴とする請求項1に記載のコロナ抵抗性組成物。
  17. 60、65または70パーセントより大きい機械的伸び率を有することを特徴とする請求項1に記載のコロナ抵抗性組成物。
  18. 前記ポリイミドが少なくとも一部分はジアミンおよび二無水物から得られ、前記ジアミンは、2,2−ビス−(4−アミノフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−ODA)、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(3,4−ODA)、1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(APB−134)、1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(APB−133)、1,2−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノジフェニル−N−メチルアミン、4,4’−ジアミノジフェニル−N−フェニルアミン、1,2−ジアミノベンゼン(OPD)、1,3−ジアミノベンゼン(MPD)、1,4−ジアミノベンゼン(PPD)、2,5−ジメチル−1,4−ジアミノベンゼン、および2,5−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン(DPX)からなる群から選択されることを特徴とする請求項4に記載のコロナ抵抗性組成物。
  19. 前記ポリイミドがジアミンおよび二無水物から得られ、前記二無水物は、ピロメリト酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホキシド二無水物(DSDA)、1,1,1,3,3,3,−ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)およびビスフェノールA二無水物(BPADA)からなる群から選択されることを特徴とする請求項4に記載のコロナ抵抗性組成物。
  20. 100ppm未満の複合充填剤が、(少なくとも一方向において)50から500ナノメートルのサイズの範囲外であることを特徴とする請求項1に記載のコロナ抵抗性組成物。
  21. 10ppm未満の複合充填剤が、(少なくとも一方向において)50から500ナノメートルのサイズの範囲外であることを特徴とする請求項1に記載のコロナ抵抗性組成物。
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