JP2005194491A - 樹脂組成物及びこれを用いた樹脂フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 流出開始温度が260〜450℃の範囲にある熱可塑性樹脂(A)50〜95質量%及び(B)下記一般式(1)
Rm SiX4-m (1)
(式中、mは1又は2であり、mが1のとき、Rは、炭素数4〜12の炭化水素基であり、mが2のとき、2個のRのうちの一方は炭素数4〜12の炭化水素基であり、他方は炭素数 1〜12の炭化水素基である。Xは、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、アセトキシ基及びヒドロキシル基から選ばれる1種以上の加水分解性基である。)
で表される有機珪素化合物により表面処理された充填材50〜5質量%の組み合わせを含む樹脂組成物、及びこの樹脂組成物を製膜してなる樹脂フィルムである。
【選択図】 なし
Description
しかしながら、充填材の補強に伴い、機械的強度、例えば引張り伸度の低下が目立つため用途が限定される。このため、充填材の表面を表面処理剤により改質して流出開始温度が高い熱可塑性樹脂に混合分散させる試みがなされてきた。しかしながら、この混合分散は充填材表面の表面処理剤と樹脂との親和性に基づくので相性の問題があり、効果が得られる表面処理剤が限られるため、その選択が重要となる。また、流出開始温度が高い熱可塑性樹脂は成形加工温度が約300〜450℃の領域にあるため、充填材表面に反応ないし付着した表面処理剤が高温で劣化して本来の性能を発揮できないことが多く、その結果、得られる成形体、例えばフィルムの引張り伸度が低くなりやすい。このため、300℃を超える混練温度や成形温度でも効果が発揮される表面処理剤が求められてきた。
特許文献1,2に挙げられている、有機珪素化合物と加熱反応させて得られた充填材として、市販のマイカ粉末に珪素化合物として例示されたオクタデシルトリメトキシシランやメチルトリメトキシシランを加熱反応させて得られた充填材を用い、この充填材をポリエーテルイミド樹脂に溶融混練してなる樹脂組成物をプレス成形して得られる、フィルムの引張り伸度は、未処理のマイカ粉末を含有する樹脂組成物から得られるフィルムの引張り伸度と同様でレベルが低いものである。
また、充填材を含有する樹脂組成物として、熱溶融性ポリイミド100質量部に芳香族ポリカルボン酸エステル0.002〜2質量部とエポキシ基含有シラン処理剤で表面処理されたガラス繊維5〜50質量%を配合してなる樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
さらにまた、充填材を含有する樹脂組成物として、熱溶融成形可能なポリイミド100質量部と、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、芳香族ポリアミド繊維などの繊維状補強材5〜100質量部よりなるポリイミド樹脂組成物が提案され、繊維状補強材の表面処理剤として、アミノシラン、エポキシシランなどが例示されている(例えば、特許文献5参照)。
すなわち、本発明は、(A)流出開始温度が260〜450℃の範囲にある熱可塑性樹脂50〜95質量%及び(B)下記一般式(1)
Rm SiX4-m (1)
(式中、mは1又は2であり、mが1のとき、Rは、炭素数4〜12の炭化水素基であり、mが2のとき、2個のRのうちの一方は炭素数4〜12の炭化水素基であり、他方は炭素数 1〜12の炭化水素基である。Xは、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、アセトキシ基及びヒドロキシル基から選ばれる1種以上の加水分解性基である。)
で表される有機珪素化合物により表面処理された充填材50〜5質量%の組み合わせを含むことを特徴とする樹脂組成物を提供するものである。また、本発明は、この樹脂組成物を製膜してなる樹脂フィルムを提供するものである。
本発明で用いる熱可塑性樹脂(A)の流出開始温度は260〜450℃の範囲であることを要し、好ましくは270〜400℃である。流出開始温度を260℃以上とすることにより、熱可塑性樹脂(A)含む樹脂組成物及びフィルムの高温における変形が起こりにくく、また、450℃以下とすることにより、成形加工が容易となる。
ポリエーテルイミド樹脂の製造方法は特に限定されるものではないが、 通常、上記構造式(2)で表される繰り返し単位を有する非晶性ポリエーテルイミド樹脂は、4, 4´−[ イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)ジフタル酸二無水物とm−フェニレンジアミンとの重縮合物として、また上記構造式(3)で表される繰り返し単位を有する非晶性ポリエーテルイミド樹脂は、4, 4´−[ イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)ジフタル酸二無水物とp−フェニレンジアミンとの重縮合物として公知の方法によって合成される。
また、 本発明で用いるポリエーテルイミド樹脂は、本発明の主旨を超えない範囲でアミド基、エステル基、スルホニル基など共重合可能な他の単量体単位を含むものであってもかまわない。 なお、 ポリエーテルイミド樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱可塑性樹脂(A)としては、上記構造式(2)又は(3)で表される繰り返し単位を有するポリエーテルイミド、上記構造式(4)で表される繰り返し単位を有するポリエーテルエーテルケトンが好ましく、上記構造式(2)で表される繰り返し単位を有するポリエーテルイミド、上記構造式(4)で表される繰り返し単位を有するポリエーテルエーテルケトンがより好ましい。
このフィルムの水接触角は、市販の表面接触角測定装置、例えば協和界面科学株式会社製の型式CA−A等を用い、フィルム状の試料上に市販の試薬グレードの蒸留水を滴下して、水滴下後5秒後に測定されるもので、8回以上繰り返し測定して得られる平均値である。また、5秒後の水接触角は、滴下されて徐々に充填材上に広がる水滴の形状をビデオカメラ、スチルカメラなどを使用して記録し、静止画像として取り出して測定することもできる。
熱可塑性樹脂(A)をTダイキャスト法で成形して得たフィルムの水接触角測定値を例示すると、上記構造式(2)で表される繰り返し単位を有するポリエーテルイミド[ゼネラルエレクトリック社製の商品名「Ultem1000」については84度、上記構造式(3)で表される繰り返し単位を有するポリエーテルイミド[ゼネラルエレクトリック社製の商品名「UltemCRS5001」については80度、上記構造式(4)で表される繰り返し単位を有するポリエーテルエーテルケトン[VICTREX社製の商品名「PEEK450G」]については81度であった。
充填材(B)の形状としては、 板状が好ましく、平均粒径は0.01〜20μm程度、 好ましくは1〜10μm、平均アスペクト比(粒径/厚み)は20〜30程度以上、 好ましくは50以上のものが好適に用いられる。ここで、表面処理される前の充填材と処理された後の充填材(B)の形状は、同じものとして取り扱う。
Rm SiX4-m (1)
(式中、mは1又は2であり、mが1のとき、Rは、炭素数4〜12の炭化水素基であり、mが2のとき、2個のRのうちの一方は炭素数4〜12の炭化水素基であり、他方は炭素数 1〜12の炭化水素基である。Xは、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、アセトキシ基及びヒドロキシル基から選ばれる1種以上の加水分解性基である。)
で表される有機珪素化合物が挙げられる。上記一般式(1)においてmが2のとき、2個のRは互いに同一でも異なっていてもよい。また、複数のXも互いに同一でも異なっていてもよい。
この有機珪素化合物としては、Rが炭素数4〜12の直鎖又は分岐状のアルキル基、Xが炭素数1〜6のアルコキシ基及び/又はヒドロキシル基であるものが好ましく、より好ましくは、Rが炭素数6〜10の直鎖アルキル基、Xが炭素数が1〜3のアルコキシ基、mが1のものである。
本発明で使用する充填材の表面処理剤(上記有機珪素化合物)は、充填材と樹脂の双方に反応して両者を結びつける、いわゆる「カップリング剤」としての作用を示すものではなく、充填材表面に付着、反応してその表面状態を樹脂に対して親和性を高めるように作用するものである。炭素数4〜12の炭化水素基を有する上記有機珪素化合物は、シランカップリング剤と呼ばれる、エポキシ基やメタクリロキシ基を含むアルコキシシラン化合物に比べて、樹脂組成物及びそれを使用して得られるフィルムの引張り伸度を向上させる効果が高い。また、いわゆるチタネートカップリング剤は、本発明に係る熱可塑性樹脂と充填材の組合せに対して充分な効果を発揮しない。
表面処理剤の使用量は、充填材100質量部に対して、通常0.1〜8質量部程度、好ましくは0.5〜5質量部、より好ましくは1〜3質量部の範囲である。この使用量を0.1質量部以上とすることにより、充分な表面処理の効果が得られるため、樹脂組成物の機械的強度が充分となる。また、表面処理剤の使用量が8質量部を超えても表面処理の効果が向上するものでもないので、8質量部までで充分である。
溶媒中の表面処理剤(上記有機珪素化合物)の濃度は、0.1〜90質量%程度とすることができる。溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール、エタノール、メタノール、ヘキサン等の除去しやすいものが好ましい。この溶媒は、少量の水や、加水分解を促進する少量の酸成分を含むものであってもよい。
上記表面処理方法により、充填材と、溶媒で希釈した表面処理剤を接触混合した後、数時間から数日間空気中に放置し、空気中の水分と接触させて加水分解を起こさせるとともに、使用した溶媒を蒸発除去することが推奨される。
この蒸発除去の処理は、アルコキシシリル基の加水分解反応や生成したヒドロキシルシリル基を充填材表面のヒドロキシル基と脱水縮合反応させ、かつ、発生したアルコールや使用した溶媒除去のため、常圧下ないし減圧下に、通常、温度80〜150℃程度、好ましくは100〜130℃に行なう。処理時間は通常4〜200時間程度であり、好ましくは24〜100時間である。
充填材(B)の水接触角は、得られる樹脂組成物及びこれを使用して得られるフィルムの引張り伸度が低下するのを防ぐために、通常70〜128度、好ましくは75度〜125度である。
混合された樹脂組成物は、ストランドないしはシート状に押し出され、カッティングされてペレット、顆粒、粉体等の成形加工に適した形態で得られる。
本発明のフィルムの製膜方法としては、公知の方法、例えばTダイを用いる押出キャスト法やカレンダー法等を採用することができ、特に限定されるものではないが、フィルムの製膜性や安定生産性等の面から、Tダイを用いる押出キャスト法が好ましい。Tダイを用いる押出キャスト法での成形温度は、組成物の流動特性や製膜性等によって適宜調整されるが、概ね流出開始温度、ガラス転移温度ないしは融点以上、具体的には450℃以下、好ましくは340℃〜400℃である。また、本発明のフィルムの厚みは、特に制限されるものではないが、 通常10〜800μm程度である。
また、本発明の樹脂組成物及びフィルムの用途としては、配線基板、 リジッドフレックス基板、 ビルドアップ多層基板、 一括多層基板、 金属ベース基板などのエレクトロニクス用基板の基材、フレキシブルプリント基板の保護板、熱遮蔽板、サーモフォーミングや真空成形によるトレー、各種電子機器の筐体、自動車エンジンルーム内部品や隔壁などが挙げられる。
以下の実施例及び比較例に示された熱可塑性樹脂(A)、表面処理された充填材(B)、未処理の充填材、(A)と(B)を含む樹脂組成物の諸物性を、以下の方法により測定した。
(1)流出開始温度
株式会社島津製作所製の高化式フローテスター(型式:CFT−500C)を使用し、下部に流出ノズル(長さ2mm、内径1mm)を装着したシリンダー(長さ40mm、内径11.329mm)にペレット状の樹脂約1.8gを充填し、上部にピストン(全長57mm、有効長20mm、外径11.282mm)を装着し、荷重40kg/cm2 (3.923MPa)下で、室温より昇温速度3℃/分の条件で昇温し、軟化温度やガラス転移温度に到達して荷重下で樹脂が変形してシリンダー内部空隙が消失することによりピストンが下降した後、荷重とつり合って停止し、続いて樹脂の昇温膨張に伴うわずかな上昇が起こった後、再びピストンが明らかに降下し始める温度(流出開始温度)を装置に付属のピストンの上下動と温度を検出する装置により検出した。
充填材(B)及び未処理の充填材の水接触角は、以下の操作により測定した。すなわち、顕微鏡用のスライドグラスの上に、両面テープ(紙両面テープ、ニチバン株式会社製、商品名「ナイスタック ブンボックス NWBB−15」)を貼り付け、紙両面テープの表面に、表面処理された充填材(B)を乗せて、ステンレス製スパーテルの柄(断面は円状)でスライドグラスの長手方向に同じ向きに5〜6回こすり、充填材を固定し、同時に余分な充填材を除去した。このようにして作製した測定用試料を、協和界面科学株式会社製の表面接触角測定装置(型式:CA−A)を用い、試料上に市販の試薬グレードの蒸留水を滴下して、滴下後5秒後に接触角を測定した。8〜10回繰り返し測定して得られた値を平均して得た。
また、熱可塑性樹脂(A)の水接触角は、Tダイよりフィルム状に押し出され、クロムメッキロールに接触して急冷された面につき測定したものである。このフィルムの水接触角は、上記の表面接触角測定装置と同様のものを用い、水滴下後5秒後に測定して、8回繰り返し測定して得られた平均値である。
ASTM D638−1980に準じ、引張り速度50mm/分にて測定した。
(4)線膨張係数
セイコーインスツルメンツ株式会社製の熱応力歪み測定装置(型式:TMA/SS6100)を用いて、 フィルムから切り出した短冊状の試験片(長さ10mm、幅2mm)を引張荷重9.807×10-4Nで固定し、30℃から5℃/分の割合で300℃まで昇温させた後同様の速度で降温し寸法の温度変化を測定した。降温時の寸法変化量を温度に対してプロットし、約60℃〜約110℃付近の領域の比較的直線性が良い部分の傾きより線膨張係数を求めた。
(1)表面処理された合成マイカの作製
市販の料理用ミキサー(株式会社テスコム製、型式:TM3、容量780ミリリットル、回転数10,000回/分)に、トピー工業株式会社製の合成マイカPDM−5B(平均粒子径6μm、アスペクト比25)50gを入れた。その上から、表面処理剤ヘキシルトリメトキシシラン(信越化学株式会社製、商品名KBM−3063、表1において略号S6)1g(マイカ100質量部に対して2質量部)を水分約5質量%のイソプロピルアルコール4gに溶解して得た20質量%溶液5gを振りかけ、ミキサー上部に蓋をした。ミキサーを1分間作動させて撹拌混合した後、回転を止めて混合部を外し、上下に数回振り、再びミキサーに戻し、さらにミキサーを2分間作動させて混合し、ミキサーの回転を止めて混合部を外し、数回上下に振り、さらにミキサーに戻してミキサーを2分間作動させ、計5分間撹拌混合した。
この混合物を、室内にて4日間放置した後、120℃のオーブン中で48時間加熱処理し、室温まで冷却して表面処理された合成マイカ(略号F1とする)を得た。表面処理された合成マイカの水接触角は105度であった。
株式会社東洋精機製作所製ラボプラストミル(型式:20C200)を用いて、非晶性ポリエーテルイミド樹脂[ゼネラルエレクトリック社製、商品名:Ultem1000、流出開始温度:274〜289℃、ガラス転移温度Tg:216℃](以下、単にPEI−1と略記することがある)44.8gと上記合成マイカ(F1)11.2gを350℃にて混練し、塊状の樹脂組成物を得た。混練前に、PEI−1を160℃16時間通風オーブンにて乾燥した。混練においては、スクリュー回転数50回転/分にて約7分間かけてPEI−1とF1を、交互に徐々に混練部に投入し、投入完了直後にスクリュー回転数150回転/分にて5分間混練した。なお、PEI−1の水接触角は84度であった。
次いで、このものを2〜5mm程度の粒状に粉砕し、2.2gを厚さ18μmの電解銅箔2枚の平滑面の間に挟み、北川精機株式会社製の高性能高温真空プレス成形機(成型プレス、型式:VH1−1747)を使用し、最高温度350℃、最高温圧力保持時間10分間、プレス圧力1.3MPaにて2枚の銅箔の間に挟まれたプレス成形フィルムを得た。このものを、銅貼りプリント回路基板の銅箔エッチング用塩化第二鉄水溶液(濃度約40質量%)に、室温にて2〜3時間浸漬し、両面の銅箔を除去し、水にて洗浄し、表面の水を拭き取った後、風乾して厚さ約80μmのプレス成形フィルムを得た。このフィルムの引張り伸度は12%、引張り破断点強度は124MPa、線膨張係数は20.5×10-6/℃であった。評価結果を表1に示す。
ヘキシルトリメトキシシランの使用量を0.65g(充填材100質量部に対して1.3質量部)、イソプロピルアルコールを2.6gとした以外は実施例1と同様の操作を行い、樹脂組成物及びフィルムを作製した。このものの評価結果を表1に示す。
(実施例3)
ヘキシルトリメトキシシランに代えて、表面処理剤としてオクチルトリメトキシシラン(Sigma−Aldrich Co.製、試薬グレード、表1において略号S8)を使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、樹脂組成物及びフィルムを作製した。このものの評価結果を表1に示す。
(実施例4)
PEI−1の量を47.6g(85質量%)、表面処理した充填材の量を8.4g(15質量%)とした以外は実施例1と同様の操作を行い、樹脂組成物及びフィルムを作製した。このものの評価結果を表1に示す。
実施例1で使用したPEI−1のペレット2gを実施例1と同様のプレス成形によりフィルムとし、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
表面処理をせず、充填材11.2gを直接PEI−1と溶融混練したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、樹脂組成物及びフィルムを作製した。このものの評価結果を表1に示す。
(比較例3)
ヘキシルトリメトキシシランに代えて、表面処理剤としてメチルトリメトキシシラン(信越化学株式会社製、商品名:KBM−13、表1において略号S1)を使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、樹脂組成物及びフィルムを作製した。このものの評価結果を表1に示す。
ヘキシルトリメトキシシランに代えて、表面処理剤としてプロピルトリメトキシシラン(東京化成工業株式会社製、試薬グレード、本明細書中略号S3)を使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、樹脂組成物及びフィルムを作製した。このものの評価結果を表1に示す。
(比較例5)
ヘキシルトリメトキシシランに代えて、表面処理剤としてオクタデシルトリメトキシシラン(東京化成工業株式会社、試薬グレード、表1において略号S18)を使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、樹脂組成物及びフィルムを作製した。このものの評価結果を表1に示す。
(比較例6)
ヘキシルトリメトキシシランに代えて、表面処理剤として 3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(ナカライテスク株式会社、試薬グレード、表1において略号SEP)を使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、樹脂組成物及びフィルムを作製した。このものの評価結果を表1に示す。
(比較例7)
ヘキシルトリメトキシシランに代えて、表面処理剤として 3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東京化成工業株式会社、試薬グレード、表1において略号SM)を使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、樹脂組成物及びフィルムを作製した。このものの評価結果を表1に示す。
(比較例8)
ヘキシルトリメトキシシランに代えて、表面処理剤として 3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン(信越化学株式会社製、商品名:KBE−585、50質量%メタノール溶液、表1において略号SU)2gを使用した以外は実施例1と同様の操作を行い樹脂組成物及びフィルムを作製した。このものの評価結果を表1に示す。
(比較例9)
ヘキシルトリメトキシシランに代えて、表面処理剤として イソプロピルトリ(ドデシルベンゼンスホニル)チタネート(味の素ファインテクノ株式会社製、商品名:プレンアクト9SA、表1において略号T9)を使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、樹脂組成物及びフィルムを作製した。このものの評価結果を表1に示す。
株式会社東洋精機製作所製ラボプラストミル(型式:20C200)を用いて、ポリエーテルエーテルケトン樹脂[VICTREX社製、商品名:PEEK450G、流出開始温度:345℃、ガラス転移温度Tg:143℃、融点:334℃](以下、単にPEEK−1と略記することがある)44.8gと上記合成マイカ(F1)11.2gを390℃にて混練し、塊状の樹脂組成物を得た。混練前に、PEEK−1を160℃16時間通風オーブンにて乾燥した。混練においては、スクリュー回転数50回転/分にて約7分間かけてPEEK−1とF1を、交互に徐々に混練部に投入し、投入完了直後にスクリュー回転数150回転/分にて5分間混練した。なお、PEEK−1の水接触角は81度であった。
次いで、このものを2〜5mm程度の粒状に粉砕し、2.2gを厚さ約18μmの電解銅箔2枚の平滑面の間に挟み、北川精機株式会社製の高性能高温真空プレス成形機(成型プレス、型式:VH1−1747)を使用し、最高温度380℃、最高温圧力保持時間10分間、プレス圧力1.3MPaにて2枚の銅箔に挟まれたプレス成形フィルムを得た。銅貼りプリント回路基板の銅箔エッチング用塩化第二鉄溶液(濃度約40質量%)に、室温において2時間浸漬してプレス成形フィルム両面の銅箔を除去し、水にて洗浄し、表面の水分を拭き取った後、風乾して厚さ約80μmのプレス成形フィルムを得た。このものの引張り伸度は12%、引張り破断点強度は124MPa、線膨張係数は20.5×10-6/℃であった。評価結果を表2に示す。
実施例5で使用したPEEK−1のペレット2gを実施例5と同様のプレス成形によりフィルムとし、評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例11)
表面処理をせず、充填材11.2gを直接PEEK−1と溶融混練したこと以外は実施例5と同様の操作を行い、樹脂組成物及びフィルムを作製した。このものの評価結果を表2に示す。
また、表2より、本発明の樹脂組成物を使用した成形された実施例5のフィルムは、引張り伸度が優れ、線膨張係数も充填材無添加の比較例10に比べて小さく、いずれも引張り伸度と寸法安定性とのバランスに優れていることが分かる。また、 実施例5と比較例11との対比より、本発明の樹脂組成物を使用したフィルムは表面処理剤を使用しない場合に比べ、引張り伸度に優れていることが分かる。
Claims (9)
- (A)流出開始温度が260〜450℃の範囲にある熱可塑性樹脂50〜95質量%及び(B)下記一般式(1)
Rm SiX4-m (1)
(式中、mは1又は2であり、mが1のとき、Rは、炭素数4〜12の炭化水素基であり、mが2のとき、2個のRのうちの一方は炭素数4〜12の炭化水素基であり、他方は炭素数 1〜12の炭化水素基である。Xは、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、アセトキシ基及びヒドロキシル基から選ばれる1種以上の加水分解性基である。)
で表される有機珪素化合物により表面処理された充填材50〜5質量%の組み合わせを含むことを特徴とする樹脂組成物。 - (A)成分の熱可塑性樹脂が、ポリアリールケトン樹脂及びポリエーテルイミド樹脂から選ばれる樹脂である請求項1記載の樹脂組成物。
- (B)成分の表面処理された充填材が、無機充填材を表面処理したものである請求項1又は2記載の樹脂組成物。
- (B)成分の表面処理された充填材の形状が板状である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
- (B)成分の表面処理された充填材の平均粒子径が0.01〜20μmの範囲にある請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
- (B)成分の表面処理された充填材の水接触角が70〜128度の範囲にある請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
- (B)成分の表面処理された充填材が、充填材100質量部に対して0.1〜8質量部の一般式(1)で表される有機珪素化合物で表面処理されたものである請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
- (A)成分の熱可塑性樹脂をフィルム状にした場合の表面の水接触角が70〜150度の範囲にある請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物を製膜してなる樹脂フィルム。
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