JP5276152B2 - 樹脂組成物及び板状体 - Google Patents
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Description
本発明は、樹脂組成物、及びその樹脂組成物を用いてなる板状体に関する。
一般に、電気機器や電子機器に用いられる多層プリント基板、ビルドアップ基板等の回路基板の材料として樹脂組成物が用いられている。かかる樹脂組成物に対しては、近年の配線基板の高密度化及び薄膜化に伴い、無機充填材を充填することにより、強度、低熱膨張性、耐熱性等の性能向上が図られている。また、特許文献1には、エポキシ系樹脂を主成分とし、無機化合物を添加した樹脂組成物を多層プリント基板に塗布することによって、熱膨張率の低い多層プリント基板を製造する方法が開示されている。
さらに、近年の電子機器の小型化と高速化に対応すべく、電子部品に対しては、低誘電率化、低誘電損失化等の高周波特性の向上も求められている。これに対し、基板その他の電子部品の材料として、フッ素系樹脂を用いたものが知られている。また、特許文献2には、回路基板の低誘電率化を目的として、高分子樹脂と、無機多孔質体の空隙内に、アルコキシドを含む溶液を含浸させた後に、含浸したアルコキシドを加水分解することにより得られた多孔体粉末を構成成分とする基板材料としての樹脂組成物が開示されている。
しかし、上記従来のように無機充填材を充填したり無機化合物を添加したりしても、熱
膨張率の低減は図られるものの、形成される基板の高周波特性は十分なものとは言えなか
った。
膨張率の低減は図られるものの、形成される基板の高周波特性は十分なものとは言えなか
った。
一方、フッ素系樹脂を用いた電子部品は低誘電率化が可能であったが、高価であったり、加工性等が悪いという問題があった。また、本発明者が詳細に検討したところ、上記従来のアルコキシドを加水分解して得られる多孔体粉末を含む樹脂組成物を用いると、経時変化によって基板の誘電率が徐々に悪化してしまう場合があることが判明した。
そこで、本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、強度、低熱膨張性、及び耐熱性に優れるとともに、十分な高周波特性を有し且つその高周波特性を経時的に維持できる樹脂組成物、及び各種板状体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明による樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、シラン化合物により疎水化処理された無機多孔体とを含むものである。
このように構成すれば、熱硬化性樹脂に無機多孔体が混合された樹脂組成物となるので、強度、低熱膨張性、耐熱性、及び高周波特性の向上が図られる。また、無機多孔体が疎水化処理されていることにより、無機多孔体の吸湿・吸水が阻害され、このような吸湿・吸水に起因すると推定される誘電率の上昇が抑えられる。また、適宜の疎水化処理を施した無機多孔体を用いることにより、この樹脂組成物を用いて作製した回路基板やシート等の板状体の機械物性が向上され得る。その詳細な作用機序は未だ解明されていないものの、無機多孔体と熱硬化性樹脂との密着性が高められることが一因と推定される。
また、本発明の樹脂組成物における熱硬化性樹脂と無機多孔体との混合割合として、熱硬化性樹脂100質量部に対し、無機多孔体が0.1〜80質量部の割合で含まれると好ましい。
具体的には、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂又はポリイミド樹脂であるとより好適である。
さらに、無機多孔体は、一次粒子径が5μm以下であり且つ細孔径が100nm以下のものであるとより好ましく、一次粒子径が1μm以下であり且つ細孔径が10nm以下であると一層好適である。
またさらに、無機多孔体は、空隙率が10%以上のものである。
さらにまた、無機多孔体は、比表面積が400m2/g以上のものであると好ましい。
加えて、無機多孔体は、シラン化合物により疎水化処理されたものであると一層有用である。
また、樹脂組成物としての吸水率が1.0%以下であると好ましい。
さらに、1GHzにおける誘電率が3.4以下であるとより好ましい。なお、本発明における「誘電率」の値は、特に断らない限り、「比誘電率」の値を示す。
またさらに、1GHzにおける誘電正接が0.020以下であると更に好ましい。
さらにまた、ガラス転移温度が100℃以上であると一層好ましい。
加えて、23〜150℃における平均線膨張率(α)が、1.0×10-4/℃以下であると好適である。
また、本発明による板状体は、主として本発明の樹脂組成物からなる第1の層を備えるものである。
さらに、主として金属からなる第2の層を備えても好ましい。
またさらに、接着性を有する第3の層を備えても好適である。
また、本発明によるシート、接着シート、プリプレグ、積層板、樹脂付き銅箔、銅張り積層板は、本発明の板状体からなるものである。
さらに、本発明による、TAB(Tape Automated Bonding)用テープ、シート、及び回路基板も、本発明の板状体からなるものである。
ここで,回路基板とは、例えば、絶縁基板上に導電基材を積層し、その表面に所望のパターンの導体回路を形成したのち、絶縁基板及び導体回路の表面に絶縁層が形成されたものが挙げられる。さらに、前記絶縁層の表面に所望パターンの導体回路を形成する工程を反復して所望層数の積層体を形成した積層基板等も例示できる。なお、積層基板には、各層の導体回路を接続するビアホールが設けられてもよい。
また、TAB用テープとは回路基板と成り得るシートの一種であり、テープ状樹脂基材に銅等の金属めっき、あるいはテープ状接着性樹脂基材に銅等の金属箔を積層した2層テープ、テープ状基材に接着層を介して銅などの金属層を積層した3層テープ等がある。2層又は3層テープにおける金属層は、半導体素子と電気的に接続可能なパターンが形成されていても良く、半導体素子を例えばバンプ接続してTCP(Tape Carrier Package)を得ることもできる。さらに、2層又は3層テープの基材となるシート状樹脂基材も本願発明のシートの1つである。
本発明の樹脂組成物、及び各種板状体によれば、熱硬化性樹脂に無機多孔体が混合されているので、強度、低熱膨張性、耐熱性、及び高周波特性を向上できる。また、無機多孔体の吸湿・吸水に起因するような経時変化が抑止されるので、優れた高周波特性を長期にわたって維持することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明による樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、疎水化処理された無機多孔体とを含有してなるものである。
〈熱硬化性樹脂〉
本発明の樹脂組成物を構成する熱硬化性樹脂は、常温では液状、半固形状又は固形状等であって常温下又は加熱下で流動性を示す比較的低分子量の物質からなっており、この物質が加熱をすることにより硬化剤、触媒等の作用によって硬化反応や架橋反応等の化学反応を起こして分子量を増大させながら網目状の三次元構造を形成してなる不溶不融性の樹脂となりうる樹脂である。
本発明の樹脂組成物を構成する熱硬化性樹脂は、常温では液状、半固形状又は固形状等であって常温下又は加熱下で流動性を示す比較的低分子量の物質からなっており、この物質が加熱をすることにより硬化剤、触媒等の作用によって硬化反応や架橋反応等の化学反応を起こして分子量を増大させながら網目状の三次元構造を形成してなる不溶不融性の樹脂となりうる樹脂である。
具体的には、例えば、エポキシ系樹脂、熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、アルキド樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、アニリン樹脂等が挙げられる。これらのなかでは、エポキシ系樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂、等がより好適に用いられる。
これらの熱硬化性樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
これらの熱硬化性樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、これらの樹脂のうち、エポキシ系樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂を用いると、それらの耐熱性が高いため、積層基板やTAB用テープ等の用途に特に好適である。
上記エポキシ系樹脂としては、従来公知のエポキシ系樹脂を用いることができ、例えば、芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルアクリル型エポキシ樹脂、ポリエステル型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ系樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。また、エポキシ系樹脂として、これらのエポキシ系樹脂の誘導体又は水添加物が用いられてもよい。
より具体的に、上記芳香族エポキシ系樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ビスフェノール型エポキシ系樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等が挙げられる。また、ノボラック型エポキシ系樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。また、ナフタレン、ビフェニル等の芳香族環を主鎖中に有するエポキシ系樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂等も挙げられる。さらに、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等の芳香族化合物からなるエポキシ系樹脂等も挙げられる。
上記脂環族エポキシ系樹脂としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4 −エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル等が挙げらる。脂環族エポキシ系樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、商品名「EHPE−3150」(軟化温度71℃、ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエーテル型エポキシ系樹脂としては、例えば、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、炭素数が2〜9(好ましくは2〜4)のアルキレン基を有するポリオキシアルキレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等を含む長鎖ポリオールのポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
上記グリシジルエステル型エポキシ系樹脂としては、例えば、フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジル−p−オキシ安息香酸、サリチル酸のグリシジルエーテル−グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ系樹脂としては、例えば、トリグリシジルイソシアヌレート、環状アルキレン尿素のN,N'−ジグリシジル誘導体、p−アミノフェノールのN,N,O−トリグリシジル誘導体、m−アミノフェノールのN,N,O−トリグリシジル誘導体等が挙げられる。
上記グリシジルアクリル型エポキシ系樹脂としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートと、エチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル等のラジカル重合性モノマーとの共重合体等が挙げられる。
また、本明細書において、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートとは、グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートを意味する。
また、本明細書において、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートとは、グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートを意味する。
上記ポリエステル型エポキシ系樹脂としては、例えば、1分子当たり1個以上、好ましくは2個以上のエポキシ基を有するポリエステル樹脂等が挙げられる。
さらに、エポキシ系樹脂としては、例えば、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化ジシクロペンタジエン等の共役ジエン化合物を主体とする重合体又はその部分水添物の重合体における不飽和炭素の二重結合をエポキシ化した化合物が挙げられる。
またさらに、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック又はその部分水添物の重合体ブロックとを同一分子内にもつブロック共重合体において、共役ジエン化合物が有する不飽和炭素の二重結合部分をエポキシ化した化合物等が挙げられる。このような化合物としては、例えば、エポキシ化SBS等が挙げられる。
また、この他のエポキシ系樹脂としては、例えば、上記のエポキシ系樹脂の構造中にウレタン結合やポリカプロラクトン結合を導入した、ウレタン変成エポキシ樹脂やポリカプロラクトン変成エポキシ樹脂等が挙げられる。
さらにまた、これらのエポキシ樹脂以外に、少なくとも1つのオキシラン環を有する樹脂又はオリゴマーが添加されたものもエポキシ系樹脂のひとつである。
〈硬化剤〉
上述したエポキシ系樹脂の硬化反応に用いられる硬化剤としては、従来公知のエポキシ系樹脂用の硬化剤を用いることができ、例えば、アミン化合物、アミン化合物から合成される化合物、3級アミン化合物、イミダゾール化合物、ヒドラジド化合物、メラミン化合物、酸無水物、フェノール化合物、熱潜在性カチオン重合触媒、光潜在性カチオン重合開始剤、ジシアンジアミド及びそれらの誘導体等が挙げられる。これらの硬化剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上述したエポキシ系樹脂の硬化反応に用いられる硬化剤としては、従来公知のエポキシ系樹脂用の硬化剤を用いることができ、例えば、アミン化合物、アミン化合物から合成される化合物、3級アミン化合物、イミダゾール化合物、ヒドラジド化合物、メラミン化合物、酸無水物、フェノール化合物、熱潜在性カチオン重合触媒、光潜在性カチオン重合開始剤、ジシアンジアミド及びそれらの誘導体等が挙げられる。これらの硬化剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
エポキシ系樹脂の硬化剤に用いられるアミン化合物としては、例えば、鎖状脂肪族アミン化合物、環状脂肪族アミン、芳香族アミン等が挙げられる。
これらのなかで、鎖状脂肪族アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン等が挙げられる。
また、環状脂肪族アミン化合物としては、例えば、メンセンジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−アミノ3−メチルシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−アミノエチル(3−アミノプロピル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等が挙げられる。
さらに、芳香族アミン化合物としては、m−キシレンジアミン、α−(m/pアミノフェニル)エチルアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、α,α−ビス(4−アミノフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン等が挙げられる。
エポキシ系樹脂の硬化剤のひとつであるアミン化合物から合成される化合物としては、例えば、ポリアミノアミド化合物、ポリアミノイミド化合物、ケチミン化合物等が挙げられる。
これらのなかで、ポリアミノアミド化合物としては、例えば、上記のアミン化合物とカルボン酸とから合成される化合物等が挙げられる。カルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカ二酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ジヒドロイソフタル酸、テトラヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等が挙げられる。
また、ポリアミノイミド化合物としては、例えば、上記のアミン化合物とマレイミド化合物とから合成される化合物等が挙げられる。マレイミド化合物としては、例えば、ジアミノジフェニルメタンビスマレイミド等が挙げられる。
さらに、ケチミン化合物としては、例えば、上記のアミン化合物とケトン化合物とから合成される化合物等が挙げられる。
またさらに、アミン化合物から合成される化合物としては、例えば、上記のアミン化合物と、エポキシ化合物、尿素化合物、チオ尿素化合物、アルデヒド化合物、フェノール化合物、アクリル化合物等の化合物とから合成される化合物が挙げられる。
エポキシ系樹脂の硬化剤のひとつである3級アミン化合物としては、例えば、N,N−ジメチルピペラジン、ピリジン、ピコリン、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビスシクロ(5,4,0)ウンデセン−1等が挙げられる。
エポキシ系樹脂の硬化剤のひとつであるイミダゾール化合物としては、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−〔2'−メチルイミダゾリル−(1')〕−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2'−ウンデシルイミダゾリル−(1')〕−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2'−エチル−4'−メチルイミダゾリル−(1')〕−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2'−メチルイミダゾリル−(1')〕−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾリン、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール等が挙げられる。イミダゾール化合物は硬化剤としてだけではなく、他の硬化剤と併用して硬化促進剤としても使用できる。
エポキシ系樹脂の硬化剤のひとつであるヒドラジド化合物としては、例えば、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン、7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボヒドラジド、エイコサン二酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
エポキシ系樹脂の硬化剤のひとつであるメラミン化合物としては、例えば、2,4−ジアミノ−6−ビニル−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
エポキシ系樹脂の硬化剤のひとつである酸無水物としては、例えば、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセロールトリスアンヒドロトリメリテート、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸−無水マレイン酸付加物、ドデセニル無水コハク酸、ポリアゼライン酸無水物、ポリドデカン二酸無水物、クロレンド酸無水物等が挙げられる。
エポキシ系樹脂の硬化剤のひとつであるフェノール化合物としては、例えば、フェノールノボラック系樹脂、o−クレゾールノボラック系樹脂、p−クレゾールノボラック系樹脂、t−ブチルフェノールノボラック系樹脂、ジシクロペンタジエンクレゾール系樹脂、フェノールアラルキル樹脂等が挙げられる。
エポキシ系樹脂の硬化剤のひとつである熱潜在性カチオン重合触媒としては、例えば、イオン性熱潜在性カチオン重合触媒、非イオン性熱潜在性カチオン重合触媒等が挙げられる。
これらのなかで、イオン性熱潜在性カチオン重合触媒としては、例えば、対アニオンとして6フッ化アンチモン、6フッ化リン、4フッ化ホウ素等を用いたベンジルスルホニウム塩、ベンジルアンモニウム塩、ベンジルピリジニウム塩、ベンジルホスホニウム塩等が挙げられる。
また、非イオン性熱潜在性カチオン重合触媒としては、例えば、N−ベンジルフタルイミド、芳香族スルホン酸エステル等が挙げられる。
エポキシ系樹脂の硬化剤のひとつである光潜在性カチオン重合開始剤としては、例えば、イオン性光潜在性カチオン重合開始剤、非イオン性光潜在性カチオン重合開始剤等が挙げられる。
これらのなかで、イオン性光潜在性カチオン重合開始剤としては、例えば、オニウム塩、有機金属錯体等が挙げられる。オニウム塩としては、対アニオンとして6フッ化アンチモン、6フッ化リン、4フッ化ホウ素等を用いた芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩等が挙げられる。有機金属錯体としては、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体、アリルシラノール−アルミニウム錯体等が挙げられる。
非イオン性光潜在性カチオン重合開始剤としては、例えば、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドスルホナート等が挙げられる。
なお、光硬化性樹脂とは、これらの光潜在性カチオン重合開始剤を含有したエポキシ樹脂を意味する。
上記熱硬化性樹脂として好適に用いられる熱硬化性ポリイミド系樹脂としては、分子主鎖中にイミド結合を有する樹脂であれば特に限定されず、具体的には、例えば、芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸との縮合重合体、芳香族ジアミンとビスマレイミドとの付加重合体であるビスマレイミド樹脂、アミノ安息香酸ヒドラジドとビスマレイミドとの付加重合体であるポリアミノビスマレイミド樹脂、ジシアネート化合物とビスマレイミド樹脂とからなるビスマレイミドトリアジン樹脂等が挙げられる。これらのうち、ビスマレイミドトリアジン樹脂がより好適に用いられる。これらの熱硬化性ポリイミド系樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
熱硬化性系樹脂のひとつである熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、例えば、ポリフェニレンエーテル系樹脂を構成するモノマーの一部の官能基がアミノ基、グリシジル基、イソシアネート基等の熱硬化性を有する官能基の中から1種又は2種以上によって置換された樹脂等が挙げられる。官能基がこのように置換されることにより、熱硬化性が発現される。すなわち、官能基の熱硬化が開始されると、分子量を増大させながら不可逆的に3次元の網目状構造が形成されていき、熱硬化性を呈する。これらの熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル系樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
熱硬化性樹脂のひとつであるユリア系樹脂としては、尿素とホルムアルデヒドとの付加縮合反応で得られる熱硬化性樹脂であれば特に限定されない。
ユリア系樹脂の硬化反応に用いられる硬化剤としては、例えば、顕在性硬化剤、潜在性硬化剤等が挙げられる。顕在性硬化剤としては、例えば、無機酸、有機酸、酸性硫酸ナトリウム等の酸性塩が挙げられる。潜在性硬化剤としては、カルボン酸エステル、酸無水物、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム等の塩が挙げられる。これらのうち、潜在性硬化剤は、貯蔵寿命が長いので好適に用いられる。
熱硬化性樹脂のひとつであるアリル系樹脂としては、ジアリルフタレートモノマーの重合及び硬化反応によって得られるものであれば特に限定されない。ジアリルフタレートモノマーとしては、例えば、オルソ体、イソ体、テレ体が挙げられる。この硬化反応の触媒としては特に限定されないが、例えば、t−ブチルパーベンゾエートとジ−t−ブチルパーオキシドとの併用が好適である。
熱硬化性樹脂のひとつであるケイ素系樹脂としては、分子鎖中にケイ素−ケイ素結合、ケイ素−炭素結合、シロキサン結合、ケイ素−窒素結合等を含むであれば特に限定されない。このようなケイ素系樹脂としては、例えば、ポリシロキサン、ポリカルボシラン、ポリシラザン等が挙げられる。なお、これらのケイ素系樹脂の分子鎖中に含まれる結合は1種類のみであってもよく、2種類以上であってもよい。
熱硬化性樹脂のひとつであるベンゾオキサジン系樹脂としては、ベンゾオキサジンのモノマーあるいはオリゴマーがオキサジン環の開環重合によって得られるものであれば特に限定されない。このようなベンゾオキサジンとしては、例えば、オキサジン環の窒素に対して、フェニル基、メチル基、シクロヘキシル基等の官能基が結合した化合物、あるいはジベンゾオキサジン環の窒素間が、フェニレン基、メチレン基、シクロヘキシレン基等の官能基で結合した化合物等が挙げられる。
〈無機多孔体〉
本発明の樹脂組成物に含まれる無機多孔体は、概ねナノオーダーの大きさの細孔を有するシリカ等の無機物からなる多孔質材料であり、例えば、メソポーラスシリカ、ナノポーラスシリカ、シリカエアロゲル等と呼ばれるシリカ系多孔体が利用可能である。より具体的には、例えば、NPM(太陽化学社製のポーラスマテリアル)等が市販されており好適に用いられる。
本発明の樹脂組成物に含まれる無機多孔体は、概ねナノオーダーの大きさの細孔を有するシリカ等の無機物からなる多孔質材料であり、例えば、メソポーラスシリカ、ナノポーラスシリカ、シリカエアロゲル等と呼ばれるシリカ系多孔体が利用可能である。より具体的には、例えば、NPM(太陽化学社製のポーラスマテリアル)等が市販されており好適に用いられる。
このような無機多孔体を上述した熱硬化性樹脂に添加せしめることにより、樹脂組成物の機械的、熱的性質が高められ、樹脂組成物から形成される成形体(例えば、電子部品)の強度、低熱膨張性、及び耐熱性を向上させることができる。また、かかる無機多孔体が含まれることにより、誘電率や誘電正接等を低下せしめることができ、もって樹脂組成物から形成される成形体(例えば、電子部品)の高周波特性を向上させることが可能となる。
また、本発明で用いられる無機多孔体は、疎水化処理が施されたものである。疎水化の方法は特に限定されず、一般的な方法を採用でき、具体的には、例えば、シラン化合物、チタネート化合物、界面活性剤、樹脂等による処理方法が挙げられ、これらのなかでは、シラン化合物による疎水化処理が好ましい。
上記シラン化合物としては、シロキサン骨格のケイ素に結合する側鎖の一部又は全部が水素であるものであれば特に限定されず、例えば、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のシロキサン骨格のケイ素に結合する側鎖の一部又は全部が水素で置換されたものが挙げられ、このなかでは、例えば、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジメチルジメトキシシラン等のメチル基の一部又は全部が水素基に置換されたシラン化合物が樹脂との密着性に優れるため特に好ましい。これらのシラン化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
このような疎水化処理が施された無機多孔体を用いると、無機多孔体の吸湿・吸水を抑制することができ、ひいては誘電率及び誘電正接が経時的に上昇してしまうことを防止できる。よって、高周波特性の経時劣化を抑止でき、優れた高周波特性を長期にわたって維持できる。また、樹脂組成物の耐水性を高めることができるとともに、無機多孔体の熱硬化性樹脂中への分散性をも向上させることが可能となり、無機多孔体の添加効果を一層増進させることができる。さらに、疎水化処理を施した無機多孔体を添加することにより、樹脂組成物を用いて作製した成形体の機械物性をより一層向上させ得る。
かかる無機多孔体の一次粒子径は特に限定されないが、5μm以下が好ましく、1μm以下であるとより好ましい。ナノポーラスシリカの一次粒子径が5μmを超えると、樹脂組成物中における空隙の均一性が低下したり、機械的強度が低下し易くなる傾向にある。
なお、本発明における「一次粒子径」とは、凝集していない状態の原料粒子における平均粒子径であり、公知の方法によって測定することができ、例えば、島津製作所社製の粒度分布測定装置(製品番号:SALD-3100)を用い、測定評価することが可能である。
また、無機多孔体の細孔径は特に限定されないが、100nm以下が好ましく、さらに好ましくは、10nm以下である。この細孔径が100nmを超えるとナノポーラスシリカの強度が低下したり、樹脂組成物中における空隙の均一性が低下したり、樹脂組成物を調製する際に無機多孔体が破壊され易くなって良好な添加効果を得難い傾向にある。
なお、本発明における「細孔径」とは、公知の吸着法、圧入法等によって測定することができ、例えば、島津製作所社製の細孔分布測定装置(製品番号:オートボアIV9520)を用い、測定評価することが可能である。
さらに、無機多孔体の空隙率は特に限定されないが、10%以上であることが好ましく、25%以上であるとより好ましい。空隙率が10%未満の場合には、後述する熱硬化性樹脂と無機多孔体との好ましい混合割合の範囲において、誘電率や誘電正接を十分に低下せしめることが困難な傾向にある。また、誘電率や誘電正接を十分に低下させるために多量の無機多孔体を添加せしめると、無機多孔体を均一に分散させることが困難になったり、機械物性が不都合に低下したりする傾向にある。
なお、本発明における「空隙率」とは、例えば、上述の細孔分布測定器により計測された、細孔径と細孔容積分布から算出される細孔容積を、平均粒子径から算出される体積で割って%換算した値である。
またさらに、無機多孔体の比表面積は特に限定されないが、400m2/g〜3000m2/gであることが好ましく、400m2/g〜2500m2/gであるとより好ましい。この比表面積が400m2/g未満であると、無機多孔質と樹脂との接触面積が低下するため、無機多孔質と樹脂との密着性が低下してしまう傾向にある。一方、この比表面積が3000m2/gを超えると、無機多孔質の表面の凹凸に樹脂が入り込めず、樹脂との密着性が低下してしまうとともに、無機多孔体の強度が不都合に低下する傾向にある。
なお、本発明における「比表面積」とは、BET法により求めたものを示す。
〈樹脂組成物〉
本発明の樹脂組成物における熱硬化性樹脂と無機多孔体との含有割合としては、上述した熱硬化性樹脂100質量部に対し、疎水化処理された無機多孔体が、好ましくは0.1〜80質量部、より好ましくは1〜40質量部の割合で含まれると好適である。無機多孔体の含有割合が、熱硬化性樹脂100質量部に対して0.1質量部未満の場合には、無機多孔体を添加することによる効果を発現させ難い傾向にある。一方、この含有割合が80重量部を超えると、樹脂組成物中における無機多孔体の分散性が不十分となったり、或いは樹脂組成物の強度が不都合に低下したり、更には成形性が不十分となる傾向にある。
本発明の樹脂組成物における熱硬化性樹脂と無機多孔体との含有割合としては、上述した熱硬化性樹脂100質量部に対し、疎水化処理された無機多孔体が、好ましくは0.1〜80質量部、より好ましくは1〜40質量部の割合で含まれると好適である。無機多孔体の含有割合が、熱硬化性樹脂100質量部に対して0.1質量部未満の場合には、無機多孔体を添加することによる効果を発現させ難い傾向にある。一方、この含有割合が80重量部を超えると、樹脂組成物中における無機多孔体の分散性が不十分となったり、或いは樹脂組成物の強度が不都合に低下したり、更には成形性が不十分となる傾向にある。
また、樹脂組成物の23〜150℃における平均線膨張率(α)が1.0×10-4/℃以下であると好ましく、0.6×10-4/℃以下であるとより好ましい。この平均線膨張率(α)を1.0×10-4/℃以下にすることにより、高温で熱処理された際の寸法変化がより減少し、例えば、銅箔等の薄膜と貼り合わせたときに発生し易い'反り'や'剥がれ'等がさらに抑制される。
なお、本発明の樹脂組成物の23〜150℃における「平均線膨張率」は、JIS K7197に準じた公知の方法によって測定することができ、例えば、TMA(Thermomechanical Analysis)装置(セイコー電子社製、TMA/SS120C)を用いて、所定寸法(例えば平面寸法3mm×25mm)の試験片(樹脂組成物の成形体)を昇温速度5℃/分で昇温することにより、23〜150℃での平均膨張率を求めることができる。
さらに、樹脂組成物の1GHzにおける誘電率が、好ましくは3.4以下、より好ましくは3.2以下、及び/又は、樹脂組成物の1GHzにおける誘電正接が好ましくは0.020以下、より好ましくは0.015以下であると好適である。この誘電率を3.4以下、及び/又は、この誘電正接を0.020以下とすることにより、本発明の樹脂組成物を用いた電子部品等の成形体の高周波特性をより一層向上させることができ、部品や装置の信頼性及び高周波領域における信号の伝達速度をより高めることが可能となる。
なお、本発明における「誘電率」及び「誘電正接」は、例えば、HEWLETT PAKARD社製の 誘電率測定装置(製品番号:HP4291Bを用い、シート状成形体を15mm×15mmに切断し、誘電率測定装置に供給して23℃で測定し、1GHzにおける誘電率及び誘電正接として測定評価することが可能である。
またさらに、樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)が100℃以上であると好ましく、170℃以上であるとより好ましい。このガラス転移温度が、100℃未満であると、そのガラス点移転以上の温度での線膨張率が大きくなるため、積層板等に使用した場合、積層界面のはがれ等を生じ易くなるといった不都合がある。
なお、本発明における「ガラス転移温度」とは、一般に行われているTMA法によって測定された値を示す。例えば、セイコー電子社製のTMA装置(製品番号:TMA/SS120C)を用いて、3mm×25mmの試験片を23℃から昇温速度5℃/分で昇温し、線膨張量を測定していき、熱膨張量の変化曲線が大きく変化したと察せられる温度前後の接線を引き、この交点をガラス転移温度(Tg)とすることができる。
またさらに、本発明の樹脂組成物の吸水率は、1.0%以下であることが好ましく、0.8%以下であるとより好ましい。この吸水率が1.0%を超えると、本発明の樹脂組成物を用いて、例えば回路基板等を作製する場合に、乾燥時と吸水時(吸湿時)で不都合な寸法差が生じてしまい易く、こうなると微細配線が困難となったり、上述の如く、吸湿・吸水に起因する誘電特性の低下(誘電率や誘電正接の上昇)ひいては高周波特性が悪化したりすることがある。
なお、本発明における「吸水率」とは、以下の方法で求めることができる。すなわち、まず、厚さ100μmの板状成形体を3×5cmの短冊状にした試験片を作製し、150℃で5時間乾燥させた後の重さ(W1)を測定する。次いで、試験片を水に浸漬し、100℃の沸騰水中に1時間放置した後取り出し、ウエスで丁寧に拭き取った後の重さ(W2)を測定する。そして、下記式で表される関係にW1及びW2を代入することにより吸水率が算出される。
吸水率(%)=(W2−W1)/W1×100
吸水率(%)=(W2−W1)/W1×100
また、本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、その性能を阻害しない範囲において、難燃剤、造核剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、難燃助剤、帯電防止剤、防曇剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、着色剤等の添加剤を含有してもよい。これらはそれぞれ単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
添加剤のひとつである難燃剤としては、例えば、金属水酸化物、金属酸化物、リン系化合物、窒素系化合物、フッ素樹脂、シリコーンオイル、層状複水和物等が挙げられる。これらの難燃剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。なお、ハロゲン系組成物を含有しない難燃剤であることが好ましいが、難燃剤の製造工程上の都合等により不可避的に微量のハロゲンが混入することは構わない。
これらのなかで、金属水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドーソナイト、アルミン酸化カルシウム、2水和石こう、水酸化カルシウム等が挙げられる。
また、リン系化合物としては、例えば、赤リン、ポリリン酸アンモニウム等が挙げられる。
さらに、窒素系化合物としては、例えば、メラミン、メラミンシアヌレート、メラミンイソシアヌレート、リン酸メラミン及びこれらに表面処理が施したメラミン誘導体等が挙げられる。
またさらに、層状複水和物としては、例えば、ハイドロタルサイト等が挙げられる。
これらの難燃剤のなかでは、金属水酸化物、及びメラミン誘導体が好適に用いられる。また、金属水酸化物のうち、水酸化マグネシウム、及び水酸化アルミニウムがより好適に用いられ、これらは各種の表面処理剤により適宜の表面処理が施されたものでもよい。このような表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、PVA系表面処理剤、エポキシ系表面処理剤等が挙げられる。
さらにまた、樹脂組成物中の難燃剤の含有割合は、熱硬化性樹脂100質量部に対して0.1〜100質量部であると好ましく、5〜80質量部であるとより好ましく、10〜70重量部であると更に好ましい。難燃剤の含有割合がこの範囲内にあると、本発明の樹脂組成物は、力学的物性、電気物性、工程適性等に悪影響を与えずに充分な難燃性を発現することができる。
なお、本発明の樹脂組成物には、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルサルホン、ポリサルホン、ポリフェニレンスルフィドなどの熱可塑性樹脂が含まれていてもよく、これらの樹脂は単独で使用されてもよく、組成、成分、分子量等の異なる樹脂が2種類以上併用されてもよい。その場合には、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の全量に対して、上記の含有割合で難燃剤を添加することが望ましい。
〈製造方法〉
本発明の樹脂組成物を製造する方法としては特に限定されず、例えば、直接混練法、溶媒除去法、マスターバッチ法が挙げられる。
本発明の樹脂組成物を製造する方法としては特に限定されず、例えば、直接混練法、溶媒除去法、マスターバッチ法が挙げられる。
直接混練法とは、混合すべき成分(本発明では、熱硬化性樹脂、疎水化処理された無機多孔体、必要に応じて添加される添加剤等)の各所定量を直接配合して混練する方法である。
溶媒除去法とは、混合すべき成分(本発明では、熱硬化性樹脂、疎水化処理された無機多孔体、必要に応じて添加される添加剤等)の各所定量を、ジメチルホルムアミド等の溶媒中に添加して混合した後、その溶媒を除去する方法である。
マスターバッチ法とは、例えば、主原料となる熱硬化性樹脂に対して所定量以上の無機多孔体を添加して混練することにより予めマスターバッチを作製しておき、このマスターバッチに、主原料となる熱硬化性樹脂の所定量の残部と、必要に応じて添加剤等の各所定量とを添加した後、混練又は溶媒中で混合する方法である。
また、主原料となる熱硬化性樹脂以外の樹脂に対して所定量以上の無機多孔体を配合して混練することにより予めマスターバッチを作製しておき、このマスターバッチに、主原料となる熱硬化性樹脂の所定量と必要に応じて添加剤等の各所定量を添加した後、混練又は溶媒中で混合する方法もマスターバッチ法の1つである。
なお、マスターバッチ法において、マスターバッチの作製に用いられる樹脂とマスターバッチに添加される樹脂とはそれぞれ異なる組成であってもよく、同一の組成であってもよい。
マスターバッチ法によって本発明の樹脂組成物を製造する場合、マスターバッチの作製に用いられる樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエステル樹脂等を含有しているものが好ましい。これらの樹脂は単独で使用されてもよく、組成、成分、分子量等の異なる樹脂が2種類以上併用されてもよい。これらの樹脂を用いることにより、無機多孔体の分散性が高められる傾向にある。
また、マスターバッチに添加される樹脂としては、例えば、高温物性に優れた熱硬化性ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等を含有しているものが好ましい。これらの樹脂は単独で使用されてもよく、組成、成分、分子量等の異なる樹脂が2種類以上併用されてもよい。これらの樹脂を用いることにより、高温時における線膨張率が低い樹脂組成物を得易くなる。
マスターバッチを作製するときに用いられる無機多孔体の添加割合は、樹脂100質量部に対して1〜500質量部であることが好ましく、5〜300重量部であるとより好ましい。この無機多孔体の添加割合が1質量部未満であると、任意の濃度に希釈可能なマスターバッチとしての利便性が薄れてしまう。また、無機多孔体の添加割合が500質量部を超えると、無機多孔体の分散性が低下してしまう傾向にある。
また、本発明の樹脂組成物を製造する際に樹脂等を混練又は溶媒中で混合する方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、押出機、2本ロール、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練又は溶媒中で混合する方法等が挙げられる。
さらに、本発明による樹脂組成物は、加熱硬化させ、硬化体とすることができる。この硬化体は、Bステージと呼ばれる半硬化状態である半硬化体から、完全な硬化状態である硬化体までの状態を含む。
〈用途〉
本発明の樹脂組成物の用途は特に限定されないが、適当な溶媒に溶解したり、フィルム状に成形したりして加工することにより、例えば、多層基板のコア層やビルドアップ層等を形成する基板用材料、シート、接着シート、プリプレグ、積層板、樹脂付き銅箔、銅張積層板、TAB用テープ、回路基板(プリント基板、配線基板)、ワニス等に好適に用いられる。
本発明の樹脂組成物の用途は特に限定されないが、適当な溶媒に溶解したり、フィルム状に成形したりして加工することにより、例えば、多層基板のコア層やビルドアップ層等を形成する基板用材料、シート、接着シート、プリプレグ、積層板、樹脂付き銅箔、銅張積層板、TAB用テープ、回路基板(プリント基板、配線基板)、ワニス等に好適に用いられる。
これらの部材或いは成形体は、本発明による板状体(可撓性を有するシート状部材を含む)の一種であり、すなわち、主として本発明の樹脂組成物からなる第1の層を備えるものである。また、主として金属からなる第2の層を備えてもよく、接着性を有する第3の層を備えてもよい。なお、ここで「層」とは、平面的に連続的に延在する部分のみではなく、断続的に延在する部分、及び点在するように存在する部分も含む。また、本発明による板状体は、第1〜第3の層を単数備えていてもよく、例えば、交互積層するように複数備えていてもよい。さらに、第1〜第3の層とは異なる他の層を有していても構わない。
なお、上述した1層から3層あるいはそれ以上からなる積層体は、前記積層体と離型可能なフィルムと積層されてもよく、ごみ付着や傷の防止、また、ハンドリング性がよくなるため好ましい。このような離型性を有するフィルムとしては、樹脂コート紙、ポリエステルフィルム、PETフィルム、PPフィルム等が挙げられ、必要に応じて離型処理がされていてもよい。かかる離型処理としては、フィルムにシリコン系化合物、フッ素系化合物、界面活性剤等を含有させたり、離型性を有するように表面に凹凸を付与する処理、例えば梨地のエンボス加工等、シリコン系化合物、フッ素系化合物、界面活性剤等の離型性を有する物質を表面に塗布したりする処理、等を挙げることができる。
また、本発明の樹脂組成物を成形する方法としては公知の方法を用いることができ、例えば、押出成形法、キャスティング成形法、ディッピング成形法等が挙げられる。
押出成形法とは、押出し機によって溶融混練された樹脂組成物を押出し、Tダイやサーキュラーダイ等を用いてフィルム状に成形する方法である。
キャスティング成形法とは、樹脂組成物を有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散させて基板の上に塗布した後、溶媒を蒸発させることによってフィルムを成形する方法である。
ディッピング成形法とは、樹脂組成物を有機溶剤などの溶媒に溶解又は分散させて得られた溶液中に、ガラス等の無機材料や有機高分子からなる基材を浸漬させた後、基材を引き上げて基材表面に付着した溶媒を蒸発させることによってフィルムを成形する方法である。なお、ディッピング成形法に用いられる基材としては特に限定されず、例えば、ガラスクロス、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾオキサゾール繊維等が挙げられる。
これらの成形法のなかでも、配線用の回路基板のような薄い板状体を製造する際には、押出成形法やキャスティング成形法が好適に用いられる。このように押出成形法やキャスティング成形法を用いて成形すれば、より薄い板状体を製造することが一層容易となる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
〈実施例1〉
まず、ポーラスシリカ(太陽化学社製)10gを純水100gとともに、フェニルトリエトキシシラン(KBE−103信越シリコン社製)1L中に投入し、23℃の室温で超音波をかけながら12時間攪拌し処理した。処理したポーラスシリカをろ別し、120℃のギヤオーブン中で3時間乾燥して本発明における無機多孔体としての疎水化ポーラスシリカを得た。
まず、ポーラスシリカ(太陽化学社製)10gを純水100gとともに、フェニルトリエトキシシラン(KBE−103信越シリコン社製)1L中に投入し、23℃の室温で超音波をかけながら12時間攪拌し処理した。処理したポーラスシリカをろ別し、120℃のギヤオーブン中で3時間乾燥して本発明における無機多孔体としての疎水化ポーラスシリカを得た。
この疎水化ポーラスシリカの一次粒子径、空隙率、及び比表面積を上述した各装置及び各方法で測定したところ、それぞれ、約50nm、約75%、及び約820m2/gであった。
次に、下記熱硬化性樹脂、無機多孔体、及び硬化剤を以下に示す割合で、溶媒としてのジメチルホルムアミド(和光純薬社製;特級)480部に添加して溶解させ、撹拌機を用いて1時間均一に撹拌した後、脱泡して樹脂組成物の溶液を得た。
・熱硬化性樹脂
ビスフェノールA型エポキシ樹脂: 64.4質量部
・硬化剤
フェノールノボラック型硬化剤: 35.6質量部
2−エチル−4−メチルイミダゾール:1.1質量部
・無機多孔体
上記疎水化ポーラスシリカ: 30.0質量部
ビスフェノールA型エポキシ樹脂: 64.4質量部
・硬化剤
フェノールノボラック型硬化剤: 35.6質量部
2−エチル−4−メチルイミダゾール:1.1質量部
・無機多孔体
上記疎水化ポーラスシリカ: 30.0質量部
なお、本樹脂組成物におけるビスフェノールA型エポキシ樹脂100質量部に対する疎水化ポーラスシリカの割合は、46.6質量部である。
〈実施例2〉
ポーラスシリカ(太陽化学社製)の疎水化物を20.0質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物の溶液を得た。なお、本樹脂組成物におけるビスフェノールA型エポキシ樹脂100質量部に対する疎水化ポーラスシリカの割合は、31.1質量部である。
ポーラスシリカ(太陽化学社製)の疎水化物を20.0質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物の溶液を得た。なお、本樹脂組成物におけるビスフェノールA型エポキシ樹脂100質量部に対する疎水化ポーラスシリカの割合は、31.1質量部である。
〈比較例1〉
疎水化処理を施していないポーラスシリカ(太陽化学社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物の溶液を得た。
疎水化処理を施していないポーラスシリカ(太陽化学社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物の溶液を得た。
〈実施例3〉
実施例1で得た樹脂組成物の溶液をポリエチレンテレフタレート(PET)のシート上に塗布後、樹脂組成物の溶液を乾燥し、得られた樹脂組成物のシートを110℃で3時間加熱し、更に170℃で30分間加熱して熱硬化させることにより、厚さ100μmの板状体(本発明のシート及びプリプレグにも該当する。)を得た。
実施例1で得た樹脂組成物の溶液をポリエチレンテレフタレート(PET)のシート上に塗布後、樹脂組成物の溶液を乾燥し、得られた樹脂組成物のシートを110℃で3時間加熱し、更に170℃で30分間加熱して熱硬化させることにより、厚さ100μmの板状体(本発明のシート及びプリプレグにも該当する。)を得た。
〈実施例4〉
実施例2で得た樹脂組成物の溶液を用いたこと以外は、実施例3と同様にして厚さ100μmの板状体を得た。
実施例2で得た樹脂組成物の溶液を用いたこと以外は、実施例3と同様にして厚さ100μmの板状体を得た。
〈比較例2〉
実施例1で得た樹脂組成物の溶液の代わりに比較例1で得た樹脂組成物の溶液を用いたこと以外は、実施例3と同様にして厚さ100μmの板状体を得た。
実施例1で得た樹脂組成物の溶液の代わりに比較例1で得た樹脂組成物の溶液を用いたこと以外は、実施例3と同様にして厚さ100μmの板状体を得た。
〔評価〕
(吸水率)
実施例3、4、及び比較例2で得た板状体を、それぞれ3×5cmに裁断し、これらを試験片として、上述した方法で吸水率を測定した。
(吸水率)
実施例3、4、及び比較例2で得た板状体を、それぞれ3×5cmに裁断し、これらを試験片として、上述した方法で吸水率を測定した。
(誘電率及び誘電正接)
実施例3、4、及び比較例2で得た板状体及び吸水率測定直後の試験片を、それぞれ15mm×15mmに裁断し、これらを試験片として、上述した装置及び方法で誘電率及び誘電正接を測定した。
実施例3、4、及び比較例2で得た板状体及び吸水率測定直後の試験片を、それぞれ15mm×15mmに裁断し、これらを試験片として、上述した装置及び方法で誘電率及び誘電正接を測定した。
(ガラス転移温度)
実施例3、4、及び比較例2で得た板状体を、それぞれ3mm×25mmに裁断し、これらを試験片として、上述したTMA装置及び方法でガラス転移温度を測定した。
実施例3、4、及び比較例2で得た板状体を、それぞれ3mm×25mmに裁断し、これらを試験片として、上述したTMA装置及び方法でガラス転移温度を測定した。
(平均線膨張率)
実施例3、4、及び比較例2で得た板状体を、それぞれ3mm×25mmに裁断し、これらを試験片として、上述した装置及び方法で、硬化物のガラス転移温度よりも50℃〜10℃低い温度での平均線膨張率を測定した。
実施例3、4、及び比較例2で得た板状体を、それぞれ3mm×25mmに裁断し、これらを試験片として、上述した装置及び方法で、硬化物のガラス転移温度よりも50℃〜10℃低い温度での平均線膨張率を測定した。
上記各測定結果をまとめて表1に示す。
本発明の樹脂組成物及び各種板状体によれば、熱硬化性樹脂と、疎水化処理された無機多孔体とを含むので、強度、低熱膨張性、及び耐熱性に優れるとともに、十分な高周波特性を有し且つその高周波特性を経時的に維持でき、また、経済性及び加工性にも優れる。よって、電気機器や電子機器の構成部材として広く利用できる。
Claims (10)
- 繊維に、
熱硬化性樹脂と、シラン化合物により疎水化処理された無機多孔体とを含み、前記無機多孔体は、空隙率が10%以上であり、一次粒子径が5μm以下であり、比表面積が400m2/g〜3000m2/gである、樹脂組成物が含浸されてなる、プリプレグである板状体。 - 前記樹脂組成物を加熱硬化させてなる請求項1に記載の板状体。
- 金属からなる層を備える、請求項1又は2に記載の板状体。
- 接着性を有する層を備える、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の板状体。
- 前記接着性を有する層が、
熱硬化性樹脂と、シラン化合物により疎水化処理された無機多孔体とを含み、前記無機多孔体は、空隙率が10%以上であり、一次粒子径が5μm以下であり、比表面積が400m2/g〜3000m2/gである、樹脂組成物を含む板状体である、
請求項4に記載の板状体。 - 請求項3に記載の板状体からなる銅張り積層板。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の板状体からなる接着シート。
- 請求項2乃至5のいずれか1項に記載の板状体からなるTAB用テープ。
- 請求項2乃至5のいずれか1項に記載の板状体からなる積層板。
- 前記金属からなる層に回路が形成されてなる、請求項3に記載の板状体からなる回路基
板。
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