JP2014024970A - 樹脂組成物、プリプレグ、樹脂シート、金属箔張積層板及びプリント配線板 - Google Patents

樹脂組成物、プリプレグ、樹脂シート、金属箔張積層板及びプリント配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】プリント配線板材料における絶縁層に使用した場合に、粗化条件によらず絶縁層表面に低粗度な粗化面を形成でき、該粗化面に形成される導体層の密着性、耐熱性、吸湿耐熱性、熱膨張性および耐薬品性にも優れた樹脂組成物、これを用いたプリプレグ及び樹脂シート並びに該プリプレグを用いた金属箔張積層板、およびプリント配線板を提供することを課題とする。
【解決手段】エポキシ化合物(A)及びシアン酸エステル化合物(B)を含んでなる樹脂組成物であり、該エポキシ化合物(A)が、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド型エポキシ化合物(A−1)を少なくとも含んだものである、樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、プリント配線板材料における絶縁層に使用した場合に有用な樹脂組成物に関する。
近年、電子機器の小型化、高性能化が進み、多層プリント配線板は、電子部品の実装密度を向上させるため、導体配線の微細化が進んでおり、その配線形成技術が望まれている。絶縁層上に高密度の微細配線を形成する方法としては、無電解めっきのみで導体層を形成するアディティブ法や、無電解めっきで全面に薄い銅層を形成した後に電解めっきで導体層を形成し、そのあとに薄い銅層をフラッシュエッチングするセミアディティブ法などが知られている。
絶縁層表面の粗度は、後工程のフラッシュエッチング処理において、物理アンカー深部のめっきを除去しきれなくなってしまうため、極力小さくすることが望ましい。一方、絶縁層表面の粗度が小さいことで導体層と絶縁層間の密着強度は小さくなる傾向にある。よって、絶縁層表面の粗度が小さくても導体層との界面密着強度が高い絶縁層樹脂組成物とする必要がある。
また、多層プリント配線板の小型化、高密度化により、多層プリント配線板に用いられる積層板を薄型化する検討が盛んに行われている。薄型化に伴い、実装信頼性の低下及び多層プリント配線板の反りの拡大という問題が生じるため、絶縁層の材料となる樹脂組成物には、低熱膨張化、高ガラス転移温度が求められている。
この問題を解決するものとして、絶縁層樹脂組成物の成分にエポキシ樹脂、ポリビニルアセタール、特定のフェノール系硬化剤を配合した材料が知られている(特許文献1参照)。他にも、シアン酸エステル化合物とナフトールアラルキル型エポキシを配合した材料(特許文献2参照)、シアン酸エステル化合物とナフチレンエーテル型エポキシを配合した材料(特許文献3参照)、デスミア処理時の酸化剤であるアルカリ性過マンガン酸溶液に分解、脱落又は溶解するゴム成分及び/又はフィラーを用いる技術が知られている(特許文献4〜6参照)。
しかしながら、これらの樹脂組成物においても、導体配線の微細化に必要なめっき銅密着性は達成できたが、積層板の薄型化に必要な低熱膨張化、高ガラス転移温度および、積層板に必要な耐熱性を満足させることはできなかった。
特開2007−254710号公報 特開2010−90237号公報 特開2011−144361号公報 特開2007−294487号公報 特開平9−148748号公報 特開2007−254709号公報
本発明の課題は、プリント配線板材料における絶縁層に使用した場合に、絶縁層表面に低粗度な粗化面を形成でき、該粗化面に形成される導体層の密着性、高ガラス転移温度、吸湿耐熱性及び低熱膨張性にも優れた樹脂組成物を得ることであり、これを用いたプリプレグ、樹脂シート、該プリプレグを用いた金属箔張積層板、プリント配線板を提供することである。
本発明者らは鋭意検討した結果、エポキシ化合物(A)及びシアン酸エステル化合物(B)を含有し、かつ該エポキシ化合物(A)が少なくとも芳香族炭化水素ホルムアルデヒド型エポキシ化合物(A−1)を含んでなる樹脂組成物を用いることにより上記課題が解決されることを見出し本発明に到達した。
本発明の樹脂組成物を用いた絶縁層を有する金属箔張積層板及び樹脂シートは、その表面に形成される導体層の密着性、高ガラス転移温度、吸湿耐熱性及び熱膨張性に優れるため、プリント配線板材料に好適であり、工業的な実用性は極めて高いものである。
本発明の一態様によれば、エポキシ化合物(A)及びシアン酸エステル化合物(B)を含んでなる樹脂組成物であり、該エポキシ化合物(A)が、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド型エポキシ化合物(A−1)を少なくとも含んでなる樹脂組成物である。
また、本発明の別の態様においては、前記樹脂組成物成分に加え、マレイミド化合物(C)を含有する樹脂組成物である。
さらに、本発明の別の態様においては、前記樹脂組成物成分に加え、無機充填材(D)を含有する樹脂組成物である。
さらに本発明の別の態様においては、前記樹脂組成物からなるプリプレグおよび樹脂シート並びに該プリプレグを用いた金属箔張積層板、プリント配線板も提供される。
本発明に使用されるエポキシ化合物(A)は、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド型エポキシ化合物(A−1)を少なくとも含んでなる。芳香族炭化水素ホルムアルデヒド型エポキシ化合物(A−1)は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素をホルムアルデヒドと重合して得られた芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂を、フェノール、キシレノール等の水酸基含有芳香族炭化水素で変性し、更に当該水酸基をエポキシ化した化合物や、フェノール、キシレノール等の水酸基含有芳香族炭化水素をホルムアルデヒドと重合して得られた芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の当該水酸基をエポキシ化した化合物であり、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2014024970

式中、各構成単位はランダムに結合するものである。
式中、Rは、各々独立に、メチレン基、メチレンオキシ基、メチレンオキシメチレン基、又はオキシメチレン基を表す。
式中、R2〜R4は、各々独立して、水素原子、炭素数が1〜3のアルキル基、水酸基又はヒドロキシメチレン基を表す。
式中、Tは、水素原子、水酸基、又はヒドロキシメチレン基を表す。
式中、xは、各々独立に、0〜4の整数を表し、y及びzは、各々独立して、0〜3の整数を表し、wは、0又は1の整数を表す。
式中、mは、0以上の整数を表す。mの上限値は、通常は50以下、好ましくは20以下である。
式中、nは、1以上の整数を表す。nの上限値は、通常は20以下である。
式中、nは、1以上の整数を表す。nの上限値は、通常は20以下である。
式(1)の化合物の質量平均分子質量は、通常は250〜5000、好ましくは300〜3000である。
該芳香族炭化水素ホルムアルデヒド型エポキシ化合物(A−1)は、市販のものを使用してもよく、例えば、YL−7771(三菱化学(株)製)等を好適に使用することができる。
また、本発明におけるエポキシ化合物(A)は、前記芳香族炭化水素ホルムアルデヒド型エポキシ化合物(A−1)以外のエポキシ化合物を1種又は2種以上を用いることができる。このエポキシ化合物としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、分子骨格内にハロゲン原子を有しない化合物であれば特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、3官能フェノール型エポキシ樹脂、4官能フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、アラルキルノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ポリオール型エポキシ樹脂、グリシジルアミン、グリシジルエステル、ブタジエンなどの2重結合をエポキシ化した化合物、水酸基含有シリコーン樹脂類とエピクロルヒドリンとの反応により得られる化合物等が挙げられる。
本発明におけるエポキシ化合物(A)の含有量は特に限定されないが、耐熱性、めっき銅ピール強度の観点から(A)〜(B)成分の合計100質量部に対し、20〜80質量部の範囲が好ましく、30〜70質量部の範囲が特に好適である。特に、本発明の樹脂組成物中に成分(C)が存在する場合には、成分(A)〜(C)の合計100質量部に対し、エポキシ化合物(A)の含有量が通常20〜80質量部、中でも30〜70質量部の範囲であることが好ましい。
また、本発明における芳香族炭化水素ホルムアルデヒド型エポキシ化合物(A−1)のエポキシ化合物(A)全体に対する含有量としては、エポキシ化合物(A)100質量部に対し、めっき銅ピール強度の観点から、通常60〜100質量部、中でも70〜100質量部の範囲であることが好ましい。
本発明に使用されるシアン酸エステル化合物(B)は、耐薬品性、接着性などに優れた特性を有し、その優れた耐薬品性により、絶縁層表面に低粗度で均一な粗化面を形成することが可能であるため、本発明における樹脂組成物の成分として好適に使用することができる。シアン酸エステル化合物(B)としては、例えば式(2)で表されるナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物、式(3)で表されるノボラック型シアン酸エステル、式(4)で表されるビフェニルアラルキル型シアン酸エステル、ビス(3,5−ジメチル4−シアナトフェニル)メタン、ビス(4−シアナトフェニル)メタン、1,3−ジシアナトベンゼン、1,4−ジシアナトベンゼン、1,3,5−トリシアナトベンゼン、、1,3−ジシアナトナフタレン、1,4−ジシアナトナフタレン、1,6−ジシアナトナフタレン、1,8−ジシアナトナフタレン、2,6−ジシアナトナフタレン、2、7−ジシアナトナフタレン、1,3,6−トリシアナトナフタレン、4、4’−ジシアナトビフェニル、ビス(4−シアナトフェニル)エーテル、ビス(4−シアナトフェニル)チオエーテル、ビス(4−シアナトフェニル)スルホン、2、2’−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、等が挙げられる。
この中でも式(2)で表されるナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物、式(3)で表されるノボラック型シアン酸エステル、式(4)で表されるビフェニルアラルキル型シアン酸エステルが難燃性に優れ、硬化性が高く、かつ硬化物の熱膨張係数が低いことから特に好ましい。
Figure 2014024970
式中、Rは各々独立に水素原子又はメチル基を表し、中でも水素原子が好ましい。
式中、nは1以上の整数を示す。nの上限値は、通常は10、好ましくは6である。
Figure 2014024970
式中、Rは各々独立に水素原子又はメチル基を表し、中でも水素原子が好ましい。
式中、nは1以上の整数を示す。nの上限値は、通常は10、好ましくは7である。
Figure 2014024970
式中、Rは各々独立に水素原子又はメチル基を表し、中でも水素原子が好ましい。
式中、nは1以上の整数を示す。nの上限値は、通常は10、好ましくは7である。
本発明におけるシアン酸エステル化合物(B)の樹脂組成物における含有量は特に限定されないが、耐熱性と硬化性の観点から(A)〜(B)成分の合計100質量部に対し、10〜90質量部の範囲が好ましく、30〜70質量部の範囲が特に好適である。特に、本発明の樹脂組成物中に成分(C)が存在する場合には、成分(A)〜(C)の合計100質量部に対し、シアン酸エステル化合物(B)の含有量が通常20〜80質量部、中でも30〜70質量部の範囲であることが好ましい。
本発明においては、プリント配線板の絶縁層の吸湿耐熱性を向上させる場合に、マレイミド化合物(C)が使用される。使用されるマレイミド化合物(C)としてはマレイミド基を有する化合物であれば、特に限定されず、具体的には、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス{4−(4−マレイミドフェノキシ)−フェニル}プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、一般式(5)で表されるマレイミド化合物等が挙げられる。
Figure 2014024970
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、nは平均値として1から10までの整数を示す。)
この中でも吸湿耐熱性、耐燃性の観点から、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、一般式(5)で表されるマレイミド化合物が特に好ましい。なお、これらマレイミド化合物のプレポリマー、もしくはマレイミド化合物とアミン化合物のプレポリマーなどの形で配合する事もでき、1種もしくは2種以上を適宜混合して使用することも可能である。
マレイミド化合物(C)の樹脂組成物における含有量は、エポキシ化合物(A)シアン酸エステル化合物(B)及びマレイミド化合物(C)の合計100質量部に対し、5〜50質量部が好ましく、より好ましくは、5〜20質量部である。マレイミド化合物の含有量が5〜50質量部の範囲であれば、良好な吸湿耐熱性と耐燃性を得ることができる。
本発明においては、プリント配線板の絶縁層の難燃性、熱膨張性を低下させる等の目的に、無機充填材(D)が使用される。無機充填材(D)としては、例えば、天然シリカ、溶融シリカ、アモルファスシリカ、中空シリカ等のシリカ類、ベーマイト、酸化モリブデン、モリブデン酸亜鉛等のモリブデン化合物、アルミナ、タルク、焼成タルク、マイカ、ガラス短繊維、球状ガラス(EガラスやTガラス、Dガラスなどのガラス微粉末類)、などが挙げられる。これらの無機充填材(D)は、1種もしくは2種以上を適宜混合して使用することが可能である。これらの中でも溶融シリカが熱膨張性の低減に優れるため好ましい。
また絶縁層の導体層に対するピール強度を向上させる狙いがある場合には、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムが好適に使用される。これらは絶縁層表面のデスミア処理において中和液に溶出し、均一な粗化面を形成してめっきピール強度を向上させる効果がある。
これらは市販のものを使用してもよく、例えば、水酸化マグネシウムとしてタテホ化学工業(株)製のエコーマグZ−10、エコーマグPZ−1、神島化学工業(株)製のマグシーズN、マグシーズS、マグシーズEP、マグシーズEP2−A、堺化学工業(株)製のMGZ−1、MGZ−3、MGZ−6R、協和化学工業(株)製のキスマ5、キスマ5A、キスマ5P等が挙げられ、酸化マグネシウムとしてタテホ化学工業(株)製のFNM−G、堺化学工業(株)製のSMO、SMO−0.1、SMO−S−0.5等が挙げられ、水酸化アルミニウムとして河合石灰工業(株)製のALH−1、昭和電工(株)製のH42I等が挙げられる。
前記無機充填材(D)の平均粒子径は特に限定されないが、分散性を考慮すると平均粒子径が0.1〜5μmであることが好ましい。
前記無機充填材(D)の樹脂組成物における含有量は特に限定されないが、耐熱性、硬化性及び成形性の観点から(A)〜(B)成分の合計100質量部に対し、20〜350質量部の範囲が好ましく、50〜300質量部の範囲が特に好適である。特に、本発明の樹脂組成物中に成分(C)が存在する場合には、成分(A)〜(C)の合計100質量部に対し、無機充填材(D)の含有量が通常20〜350質量部、中でも50〜300質量部、とりわけ100〜300質量部の範囲であることが好ましい。
前記無機充填材(D)に関して、シランカップリング剤や湿潤分散剤を併用することも可能である。これらのシランカップリング剤としては、一般に無機物の表面処理に使用されているシランカップリング剤であれば、特に限定されるものではない。具体例としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン系、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシシラン系、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのビニルシラン系、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩などのカチオニックシラン系、フェニルシラン系などが挙げられ、1種もしくは2種以上を適宜組み合わせて使用することも可能である。また湿潤分散剤とは、塗料用に使用されている分散安定剤であれば、特に限定されるものではない。例えばビッグケミー・ジャパン(株)製のDisperbyk−110、111、180、161、BYK−W996、W9010、W903等の湿潤分散剤が挙げられる
本発明の樹脂組成物には、必要に応じ硬化速度を適宜調整するために硬化促進剤を併用することも可能である。これらはシアン酸エステル化合物やエポキシ樹脂の硬化促進剤として公知であり一般に使用されるものであれば、特に限定されるものではない。これらの具体例として、銅、亜鉛、コバルト、ニッケル等の有機金属塩類(例えばオクチル酸亜鉛、オクチル酸マンガン等)、イミダゾール類及びその誘導体(例えばトリフェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、第3級アミン等が挙げられる。これらは何れか1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
硬化促進剤を使用する場合、その使用量は、硬化促進剤の種類によっても異なるが、(A)〜(B)成分の合計100質量部に対し、0.01〜2質量部の範囲が好ましく、0.1〜1質量部の範囲が特に好適である。特に、本発明の樹脂組成物中に成分(C)が存在する場合には、成分(A)〜(C)の合計100質量部に対し、0.01〜2質量部、中でも0.1〜1質量部の範囲であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物には、所期の特性が損なわれない範囲において、他の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂及びそのオリゴマー、エラストマー類などの種々の高分子化合物、他の難燃性化合物、添加剤などの併用も可能である。これらは一般に使用されているものであれば、特に限定されるものではない。例えば、難燃性の化合物では、リン酸エステル、リン酸メラミン、リン含有エポキシ樹脂、メラミンやベンゾグアナミンなどの窒素化合物、オキサジン環含有化合物、シリコーン系化合物等が挙げられる。添加剤としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤、光増感剤、染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、光沢剤等、所望に応じて適宜組み合わせて使用することも可能である。
本発明の樹脂組成物は、上述の成分、即ちエポキシ化合物(A)及びシアン酸エステル化合物(B)、並びに必要に応じて使用されるビスマレイミド(C)、無機充填材(D)、及びその他の成分を混合することにより調製される。本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、有機溶剤に溶解した樹脂組成物の溶液として用いることも可能である。有機溶剤としては、上述の各成分を溶解するものであれば、特に限定されるものではない。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等の極性溶剤類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤類等が例示され、これらは単独或いは2種以上混合して用いられる。
[プリプレグ]
本発明の別の態様によれば、基材と、基材に添着された本発明の樹脂組成物からなる絶縁層(樹脂組成物層)とを含むプリプレグも提供される。
本発明においてプリプレグを製造する際に使用する基材としては、各種プリント配線板材料に用いられている公知のものを使用することができる。例えば、Eガラス、Dガラス、Sガラス、Tガラス、NEガラス、クォーツ等の無機繊維、ポリイミド、ポリアミド、液晶ポリエステル等の有機繊維等が挙げられ、目的とする用途や性能により適宜選択できる。形状としては、織布、不織布、ロービング、チョップドストランドマット、サーフェシングマット等が挙げられる。基材の厚みは特に限定されないが、通常は0.01〜0.3mmの範囲の積層板用途に使用されるものが好ましい。これらの中でも、強度や吸水性、吸湿耐熱性の面からは、ガラス繊維が好ましく、電気特性の面からは、液晶ポリエステル織布が好ましい。特に超開繊処理や目詰め処理を施した織布が、寸法安定性の面から好適である。また、吸湿耐熱性の面から、エポキシシラン処理、アミノシラン処理などのシランカップリング剤などで表面処理したガラス織布が好ましい。
本発明のプリプレグの製造方法は、上記の樹脂組成物と基材とを組み合わせてプリプレグを製造することが可能な方法であれば、特に限定されない。具体的には、本発明の樹脂組成物を基材に含浸または塗布させ、100〜200℃の乾燥機中で、1〜60分加熱させる方法などにより半硬化させ、プリプレグを製造する方法などが挙げられる。基材に対する樹脂組成物の付着量は、プリプレグの樹脂量(無機充填材を含む)で20〜95質量%の範囲が好ましい。
本発明のプリプレグは、プリント配線板のビルドアップ材料として使用することが可能である。ここで、ビルドアップとは、プリプレグ又は樹脂シートを積層すると共に、一層毎に孔あけ加工、配線形成などを繰り返すことによって、多層構造のプリント配線板を作製することを意味する。本発明のプリプレグを用いて形成されたプリント配線板においては、本発明のプリプレグ(基材及びこれに添着された本発明の樹脂組成物)が、絶縁層を構成することになる。なお、プリント配線板については後述する。
[樹脂シート]
本発明の別の態様によれば、金属箔又はフィルムからなる外層と、外層上に積層された本発明の樹脂組成物からなる絶縁層(樹脂組成物層)とを含む樹脂シートも提供される。
外層として使用される金属箔又は金属フィルムは特に限定されないが、例えば銅やアルミニウム等の金属からなる箔又はフィルムが挙げられる。中でも銅箔又は銅フィルムが好ましく、特に電解銅箔、圧延銅箔、銅合金フィルム等が好適に使用できる。金属箔又は金属フィルムには、例えばニッケル処理やコバルト処理等、公知の表面処理が施されていてもよい。金属箔又は金属フィルムの厚さは、使用用途によって適宜調整することができるが、例えば5〜70μmの範囲が好適である。
本発明の樹脂シートは、当業者に公知の方法、例えば、有機溶剤に本発明の樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを調製し、上述の金属箔又は金属フィルムを支持体として、この樹脂ワニスを塗布し、更に加熱、あるいは熱風吹きつけ等により有機溶剤を乾燥させて樹脂組成物層を形成させることにより製造することができる。
乾燥条件は特に限定されないが、樹脂組成物層への有機溶剤の含有割合が通常10質量部以下、好ましくは5質量部以下となるように乾燥させる。ワニス中の有機溶媒量によっても異なるが、例えば30〜60質量部の有機溶剤を含むワニスの場合、50〜150℃で3〜10分程度乾燥させることができる。
樹脂シートにおいて形成される樹脂組成物層の厚さは、通常、樹脂シートを用いて作製されるプリント回路基板が有する導体層の厚さ以上とする。回路基板が有する導体層の厚さは、上述の金属箔又は金属フィルムと同様に、通常5〜70μmの範囲であるので、樹脂組成物層の厚さは10〜100μmの厚みを有するのが好ましい。
本発明の樹脂シートも、プリント配線板のビルドアップ材料として使用可能である。本発明の樹脂シートを用いて形成されたプリント配線板においては、樹脂シートの金属箔又はフィルムを剥離し、本発明の樹脂組成物からなる層が、絶縁層を構成することになる。プリント配線板については後述する。
[金属箔張積層板]
本発明の別の態様によれば、本発明のプリプレグと、当該プリプレグの片面又は両面に積層された金属箔とを含む金属箔張積層板も提供される。本発明のプリプレグは一枚でもよく、二枚以上を積層して用いてもよい。
本発明の金属箔張積層板は、具体的には、前述のプリプレグを一枚あるいは複数枚重ね、その片面または両面の絶縁層表面に金属箔を配置して、例えば温度180〜220℃、加熱時間100〜300分、面圧20〜40kgf/cm2(約2〜3.9N/mm2)で積層成形することにより製造する。使用する金属箔の厚みは、プリント配線板材料に使用されるものであれば特に限定はないが、好適には2〜35μmである。
また、金属箔マット面を絶縁層表面に転写させ、絶縁層表面に転写された凹凸のアンカー効果によって絶縁層上に形成するめっき導体層との密着を高めることができる観点から、マット面の表面粗さ(Rz)が通常1.5〜2.5μmの金属箔が好適である。また、金属箔マット面から凹凸が転写された絶縁層表面の表面粗さ(Rz)は、1.5〜5.0μm中であることが好ましく、1.5〜3.0μm以下であることが特に好適である。ここで、表面粗さ(Rz)とは、金属箔マット面又は絶縁層の表面粗さを表す指標であり、通常はレーザー顕微鏡により測定対象面の粗さ曲線を測定し、平均線を越える山頂を高い順に5つ、平均線に届かない谷底を低い順に5つ夫々抽出し、抽出された山頂の高さ及び谷底の低さの絶対値の平均を算出して表す。
本発明の金属箔張積層板も、プリント配線板のビルドアップ材料として使用することが可能である。本発明の金属箔張積層板を用いて形成されたプリント配線板においては、本発明のプリプレグ(基材及びこれに添着された本発明の樹脂組成物)が、絶縁層を構成することになる。プリント配線板については以下に説明する。
[プリント配線板]
本発明の別の態様によれば、絶縁層と、前記絶縁層の表面に形成された導体層とを含むプリント配線板であって、前記絶縁層が上述の本発明の樹脂組成物を含むプリント配線板も提供される。
斯かるプリント配線板は、上述の本発明のプリプレグ、樹脂シート又は金属箔張積層板をビルドアップ材料として使用して作製することができる。これにより、本発明のプリプレグ(基材及びこれに添着された本発明の樹脂組成物)、又は、本発明の樹脂シートの樹脂組成物層(本発明の樹脂組成物からなる層)が、本発明の樹脂組成物を含む絶縁層を構成することになる。ここで、ビルドアップとは、プリプレグ、樹脂シート又は金属箔張積層板を、一層ごとに孔あけ加工、配線形成などを繰り返すことによって、プリント配線板を作製する作業をいう。
本発明のプリプレグ又は樹脂シートをビルドアップ材料として用いる場合は、例えば、当該プリプレグ又は樹脂シートの樹脂組成物層(絶縁層)を常法により表面処理し、絶縁層表面にめっきにより配線パターン(導体層)を形成することにより、本発明のプリント配線板が得られる。
また、本発明の金属箔張積層板をビルドアップ材料として用いる場合は、例えば、当該金属箔張積層板の金属箔を常法によりエッチングした後、樹脂組成物層(絶縁層)を常法により表面処理し、絶縁層表面にめっきにより配線パターン(導体層)を形成することにより、本発明のプリント配線板が得られる。
以下、本発明のプリント配線板を製造するための各工程について説明する。
穴加工処理は、ビアホール、スルーホール等の形成のために実施される。穴加工処理は、NCドリル、炭酸ガスレーザー、UVレーザー、YAGレーザー、プラズマ等の公知の方法のうち何れか一種を用い、または必要によりこれらのうち二種以上の方法を組み合わせて行う。
その後、絶縁層表面にめっきをするが、めっきの密着性、スミア除去の観点から絶縁層に表面処理をすることが好ましい。表面処理としては、粗化処理、シランカップリング処理等があるが、特にめっきの密着性を高める観点から、粗化処理を行う。この場合、樹脂組成物の硬化度の違いにより、粗化状態が異なるため、積層成形条件は、その後の粗化処理条件やめっき条件との組み合わせで最適な条件を選ぶことが好ましい。
次に、前記粗化処理について詳細に説明する。該工程は、孔あけ工程により生じたスミア除去も兼ねる。粗化処理としては、濡れ性を向上させるための膨潤剤による表面絶縁層膨潤工程、酸化剤による表面粗化及びスミア溶解工程及び還元剤による中和工程からなる。
膨潤工程における膨潤剤としては表面絶縁層の濡れ性が向上し、次の粗化工程において酸化分解が促進する程度にまで膨潤させることができるものであればよく、例えばアルカリ溶液、界面活性剤溶液等が用いられる。
酸化剤による表面粗化及びスミア溶解工程における酸化剤としては、過マンガン酸塩溶液が用いられる。また、これらのウェットデスミアと呼ばれる方法に加えて、プラズマ処理やUV処理によるドライデスミア、バフ等による機械研磨、サンドブラスト等、公知の粗化処理も組み合わせて使用できる。過マンガン酸塩溶液の具体例としては、過マンガン酸カリウム水溶液、過マンガン酸ナトリウム水溶液が好適に用いられる。
中和工程における還元剤としては、アミン系還元剤を用いることができ、例えばヒドロキシルアミン硫酸塩水溶液、エチレンジアミン四酢酸水溶液、ニトリロ三酢酸水溶液等の酸性還元剤が挙げられる。
微細配線を形成する上で、粗化処理後の表面凹凸は小さいほうが好ましい。具体的には、Rz値で1.5〜5.0μmの範囲が好ましく、より好ましくは1.5〜3.0μmが特に好ましい。粗化処理後の表面凹凸は、樹脂組成物の硬化度と、粗化処理条件で決まるため、所望の表面凹凸を得るための最適条件を選ぶことが好ましい。
次に、粗化処理後のめっき工程について詳細に説明する。めっきによるパターン形成方法としては、セミアディティブ法、フルアディティブ法、予めめっきで導体層を形成しておきサブトラクティブ法でパターンを形成する方法など、公知の方法が利用できるが、微細配線形成には、セミアディティブ法が好ましい。
めっきによるパターン形成は、めっき後に乾燥を行うことにより、接着強度が増すため、めっき後に乾燥を行うことが好ましい。セミアディティブ法によるパターン形成では、無電解めっきと電解めっきを組み合わせて行うが、その際、無電解めっきの後と、電解めっきの後に、それぞれ乾燥を行うことが好ましい。無電解後の乾燥は80〜180℃で10〜120分の温度で行うことが好ましく、電解めっき後の乾燥は130〜220℃で10〜120分の温度で行うことが好ましい。
本発明のプリント配線板は、多層プリント配線板とすることも可能である。例えば、上記手順により、本発明のプリプレグの両面に金属箔(例えば銅やアルミニウム等)を配置した本発明の金属箔張積層板を形成した後、これに内層回路を形成し、得られた回路に黒化処理を実施して、内層回路板とする。こうして得られた内層回路板、又は、金属箔(例えば銅やアルミニウム等)の片面又は両面に、本発明のプリプレグ又は樹脂シートを配置し、更に金属箔(例えば銅やアルミニウム等)又は離型フィルム(ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体フィルム等の表面に離型剤を塗布したフィルム)をその外側に配置する、という操作を繰り返して積層成形し、適宜上述の各種工程を施すことにより、多層プリント配線板が製造される。
積層成形は、通常のプリント配線板用積層板の積層成形に一般に使用される手法、例えば、多段プレス、多段真空プレス、ラミネーター、真空ラミネーター、オートクレーブ成形機等を使用し、温度は例えば100〜300℃、圧力は例えば0.1〜100kgf/cm2(約9.8kPa〜約38MPa)、加熱時間は例えば30秒〜5時間の範囲で適宜選択して行う。また、必要に応じて、例えば150〜300℃の温度で後硬化を行い、硬化度を調整してもいい。
以下に合成例、実施例、比較例を示し、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
合成例1 α−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物の合成
温度計、攪拌器、滴下漏斗及び還流冷却器を取りつけた反応器を予めブラインにより0〜5℃に冷却しておき、そこへ塩化シアン7.47g(0.122mol)、35%塩酸9.75g(0.0935mol)、水76ml、及び塩化メチレン44mlを仕込んだ。
この反応器内の温度を−5〜+5℃、pHを1以下を保ちながら、撹拌下、α−ナフトールアラルキル樹脂(SN485、OH基当量:214g/eq.軟化点:86℃、新日鐵化学(株)製)20g(0.0935mol)、及びトリエチルアミン14.16g(0.14mol)を塩化メチレン92mlに溶解した溶液を滴下漏斗により1時間かけて滴下し、滴下終了後、更にトリエチルアミン4.72g(0.047mol)を15分間かけて滴下した。
滴下終了後、同温度で15分間撹拌後、反応液を分液し、有機層を分取した。得られた有機層を水100mlで2回洗浄した後、エバポレーターにより減圧下で塩化メチレンを留去し、最終的に80℃で1時間濃縮乾固させて、式(2)におけるRがすべて水素原子であるα−ナフトールアラルキル樹脂のシアン酸エステル化物(α−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物)が23.5g得られた。
実施例1
芳香族炭化水素ホルムアルデヒド型エポキシ化合物として、フェノール変性キシレンホルムアルデヒドエポキシ化合物(YL7771,エポキシ当量:293g/eq.)50部、三菱化学(株)製)、合成例1により得られたα−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物(シアネート当量:237g/eq.)50部、シリカ(SFP−130MC,平均粒子径0.7μm 電気化学工業(株)製)120部をメチルエチルケトンで溶解混合して、オクチル酸亜鉛0.2部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で4分間加熱乾燥して、樹脂含有量50質量%のプリプレグを得た。得られたプリプレグを4枚重ねて12μm厚の電解銅箔(F1−WS、マット面の表面粗さ:1.9〜2.5μm、古河電気工業(株)製)のマット面をプリプレグ側に配置し、圧力30kgf/cm、温度220℃で120分間の積層成形を行い、絶縁層厚さ0.4mmの銅張積層板を得た。
実施例2
実施例1で使用したフェノール変性キシレンホルムアルデヒドエポキシ化合物を40部、α−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物を40部に変更し、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−70、ケイ・アイ化成(株)製)20部を混合した以外は実施例1と同様にして銅張積層板を得た。
実施例3
実施例2で使用したビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタンの代わりに一般式(5)のRがHであるマレイミド化合物(BMI−2300、大和化成(株)製)を20部使用した以外は実施例2と同様にして銅張積層板を得た。
実施例4
α−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物の代わりに式(3)におけるRがすべて水素原子であるノボラック型シアネート(PT―30、ロンザジャパン(株)製)を40部使用した以外は、実施例2と同様にして銅張積層板を得た。
実施例5
α−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物の代わりにビスフェノールA型ジシアネート(BPA−CN、三菱ガス化学(株)製)を30部用い、フェノール変性キシレンホルムアルデヒドエポキシ化合物の使用量を50部に変更した以外は実施例3と同様にして銅張積層板を得た。
実施例6
シリカの部数を200部に変更した以外は、実施例2と同様にして銅張積層板を得た。
実施例7
シリカの部数を50部に変更した以外は、実施例2と同様にして銅張積層板を得た。
実施例8
シリカの代わりに酸化マグネシウム(平均粒子径0.1μm、SMO―0.1,堺化学工業(株))を70部使用した以外は、実施例2と同様にして銅張積層板を得た。
実施例9
シリカの代わりにベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)を70部使用した以外は、実施例2と同様にして銅張積層板を得た。
実施例10
Eガラス織布の代わりにTガラス織布を使用した以外は実施例2と同様にして銅張積層板を得た。
実施例11
Eガラス織布の代わりに石英ガラス織布を使用した以外は実施例2と同様にして銅張積層板を得た。
比較例1
フェノール変性キシレンホルムアルデヒドエポキシ化合物の代わりにフェノールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH,エポキシ当量:320g/eq.、日本化薬(株)製)を50部使用した以外は、実施例1と同様にして銅張積層板を得た。
比較例2
フェノール変性キシレンホルムアルデヒドエポキシ化合物の代わりにナフタレン4官能型エポキシ樹脂(EXA4710,エポキシ当量170g/eq.,大日本インキ化学工業(株)製)を50部使用した以外は、実施例1と同様にして銅張積層板を得た。
比較例3
フェノール変性キシレンホルムアルデヒドエポキシ化合物の代わりにナフトールアラルキル型エポキシ樹脂(ESN−475V,エポキシ当量280g/eq.,新日鐵化学(株)製)を50部使用した以外は、実施例1と同様にして銅張積層板を得た。
比較例4
α−ナフトールアラルキル型シアン酸エステルの代わりにビスフェノールA(三菱化学(株)製)を40部使用した以外は実施例2と同様にして銅張積層板を得た。
比較例5
α−ナフトールアラルキル型シアン酸エステルの代わりにナフトールアラルキル型フェノール樹脂(SN495V2(SN−OH)、新日鐵化学(株)製)を40部使用した以外は実施例2と同様にして銅張積層板を得た。
湿式粗化処理と導体層めっき
実施例1〜9及び比較例1〜5で得られた銅張積層板の表層銅箔をエッチングにより除去し、奥野製薬工業製の膨潤処理液(OPC−B103プリエッチ400ml/L、水酸化ナトリウム13g/L)に60℃で5分間浸漬した。次に、奥野製薬工業製の粗化処理液(OPC−1540MN100ml/L、OPC−1200エポエッチ100ml/L)に80℃で25分間浸漬した。最後に、奥野製薬工業製の中和処理液(OPC−1300ニュートライザー200ml/L)に45℃で5分間し、デスミア処理を行った。
その後、奥野製薬工業製の無電解銅めっきプロセス(使用薬液名:OPC−370コンディクリーンM、OPC−SAL M、OPC−80キャタリスト、OPC−555アクセレーターM、ATSアドカッパーIW)にて、約0.5μmの無電解銅めっきを施し、130℃で1時間の乾燥を行った。続いて、電解銅めっきをめっき銅の厚みが20μmになるように施し、180℃で1時間の乾燥を行った。
測定方法
1)めっき銅接着力
めっき銅を施した積層板を準備し、めっき銅の接着力をJIS C6481に準じて測定した。3回測定した平均値を表1、2に示した。電解銅めっき後の乾燥で膨れたサンプルに関しては、膨れていない部分を用いて評価を行った。
2)めっき銅吸湿耐熱性
めっき銅接着力の測定と同様にして、めっき銅を施した積層板を準備し、50mm×50mm角にカットした後、片面の半分以外のめっき銅をエッチングにより除去したサンプルを作製した。そのサンプルを、プレッシャークッカー試験機(平山製作所製PC−3型)で、121℃、2気圧で1、3、5時間処理した後、260℃の半田槽に30秒間浸漬させて、外観変化の異常の有無を目視にて観察した。3枚試験を行い、一枚ごとに、異常が無いものを○、膨れが発生したものを×と表記した。結果を表1、表2に示した。
3)表面粗さ
作製した銅張積層板の表層銅箔をエッチングにより除去し、上のデスミア処理を行ったサンプルを、130℃で1時間乾燥した。続いて、電解銅めっきをめっき銅の厚みが20μmになるように施し、180℃で1時間の乾燥を行った。レーザー顕微鏡(キーエンス製VK−9500)を用いて、3000倍の画像により、絶縁層表面のRz(10点平均粗さ)を求めた。結果を表1、表2に示した。
4)線膨張係数
作製した銅張積層板の表層銅箔をエッチングにより除去し、線膨張係数:熱機械分析装置(TAインスツルメント製)で40℃から340℃まで毎分10℃で昇温し、60℃から120℃での面方向の線膨張係数を測定した。測定方向はガラスクロス面の縦方向(X)を測定した。結果を表1、表2に示した。
5)ガラス転移温度
金属箔張り積層板をエッチングにより銅箔を除去した後、DMA法にて測定した。結果を表1、表2に示した。
Figure 2014024970
Figure 2014024970

Claims (24)

  1. エポキシ化合物(A)及びシアン酸エステル化合物(B)を含んでなる樹脂組成物であり、該エポキシ化合物(A)が、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド型エポキシ化合物(A−1)を少なくとも含んでなる樹脂組成物。
  2. 前記芳香族炭化水素ホルムアルデヒド型エポキシ化合物(A−1)が式(1)で表されるものである、請求項1に記載の樹脂組成物。
    Figure 2014024970

    (式中、各構成単位はランダムに結合するものであり、Rは、各々独立して、メチレン基、メチレンオキシ基、メチレンオキシメチレン基又はオキシメチレン基を表し、R〜Rは、各々独立して、水素原子、炭素数が1〜3のアルキル基、水酸基又はヒドロキシメチレン基を表し、Tは、水素原子、水酸基又はヒドロキシメチレン基を表し、xは、各々独立して、0〜4の整数を表し、y及びzは、各々独立して、0〜3の整数を表し、wは、0又は1の整数を表し、mは、0以上の整数を表し、n及びnは、各々独立して、1以上の整数を表す。)
  3. 前記シアン酸エステル化合物(B)が、式(2)で表されるナフトールアラルキル型シアン酸エステル、式(3)で表されるノボラック型シアン酸エステル及び式(4)で表されるビフェニルアラルキル型シアン酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
    Figure 2014024970
    (式中、Rは各々独立に水素原子又はメチル基を表す。
    nは、1以上の整数を示す。)
    Figure 2014024970
    (式中、Rは各々独立に水素原子又はメチル基を表す。
    nは、1以上の整数を示す。)
    Figure 2014024970
    (式中、Rは各々独立に水素原子又はメチル基を表す。
    nは、1以上の整数を示す。)
  4. マレイミド化合物(C)をさらに含む請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 無機充填材(D)をさらに含む請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 前記芳香族炭化水素ホルムアルデヒド型エポキシ化合物(A−1)のエポキシ化合物(A)中における含有量が、エポキシ化合物(A)100質量部に対し、60〜100質量部である、請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. 前記エポキシ化合物(A)の含有量が、エポキシ化合物(A)、シアン酸エステル化合物(B)及びマレイミド化合物(C)の合計100質量部に対し20〜80質量部である、請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
  8. 前記シアン酸エステル化合物(B)の含有量が、前記エポキシ化合物(A)、シアン酸エステル化合物(B)及びマレイミド化合物(C)の合計100質量部に対し10〜90質量部である請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物。
  9. 前記無機充填材(D)の含有量が、前記エポキシ化合物(A)、シアン酸エステル化合物(B)及びマレイミド化合物(C)の合計100質量分に対し20〜300質量部である請求項5〜8のいずれかに記載の樹脂組成物。
  10. 前記無機充填材(D)が、シリカ類、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムからなる群のうち、いずれか一種以上である、請求項5〜9のいずれかに記載の樹脂組成物。
  11. 前記無機充填材(D)が、シランカップリング剤で表面処理されたものである請求項5〜10に記載の樹脂組成物。
  12. 基材と、当該基材に添着された、請求項1〜11のいずれかに記載の樹脂組成物とを含むプリプレグ。
  13. 金属箔又はフィルムからなる外層と、当該外層上に積層された、請求項1〜12のいずれかに記載の樹脂組成物からなる絶縁層とを含む樹脂シート。
  14. 絶縁層として請求項12に記載のプリプレグと、当該プリプレグの片面又は両面に金属箔とを含む金属箔張積層板。
  15. 前記金属箔マット面の表面粗さRzが1.5μm〜2.5μmである請求項14に記載の金属箔張積層板。
  16. 前記絶縁層の表面粗さRzが1.5μm〜5.0μmである、請求項14又は15に記載の金属箔張積層板。
  17. 請求項12に記載のプリプレグをビルドアップ材料に用いて作製されたプリント配線板。
  18. 請求項14〜16のいずれかに記載の金属箔張積層板の金属箔をエッチングし、表面処理してめっきによりパターン形成した、プリント配線板。
  19. 請求項13に記載の樹脂シートをビルドアップ材料に用いて作製されたプリント配線板。
  20. 請求項13に記載の樹脂シートを表面処理してめっきによりパターン形成した、プリント配線板。
  21. 前記表面処理が、膨潤剤、アルカリ性酸化剤による粗化処理、酸性還元剤による中和処理からなるデスミア処理である請求項18又は請求項20に記載のプリント配線板。
  22. めっきによるパターン形成が、無電解銅めっき後、電解銅めっきを行い、その後、セミアディティブ法によりパターン形成を行う、請求項18又は20に記載のプリント配線板。
  23. めっきによるパターン形成が、無電解銅めっき後、電解銅めっきを行い、その後、サブトラクティブ法によりパターン形成を行う、請求項18又は20に記載のプリント配線板。
  24. 絶縁層と、前記絶縁層の表面に形成された導体層とを含むプリント配線板であって、前記前記絶縁層が請求項1〜11のいずれかに記載の樹脂組成物を含むプリント配線板。
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