JP2005133055A - 樹脂組成物、基板用材料及び基板用フィルム - Google Patents

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Mitsuharu Yonezawa
光治 米澤
Koichi Shibayama
晃一 柴山
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Abstract

【課題】 熱成形性、力学的物性、寸法安定性、耐熱性等に優れ、特に微細成形性および高温物性に優れた樹脂組成物並びに基板用材料及び基板用フィルムを提供する。
【解決手段】 熱硬化性樹脂及び/または光硬化性樹脂100重量部と、層状珪酸塩0.1〜100重量部とからなる樹脂組成物であって、温度と溶融粘度との関係において、60℃から250℃までの温度範囲における溶融粘度の下限が1.0×103Pa・s
である、樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱成形性、力学的物性、寸法安定性及び耐熱性等に優れ、特に微細成形性及び高温物性に優れた樹脂組成物並びに該樹脂組成物からなる基板用材料及び基板用フィルムに関する。
近年、電子機器の高性能化、高機能化、小型化が急速に進んでおり、電子機器に用いられる電子部品の小型化、軽量化の要請が高まっている。これに伴い、電子部品の素材についても、耐熱性、機械的強度、電気特性等の諸物性の更なる改善が求められており、例えば、半導体素子のパッケージや半導体素子を実装する配線板についても、より高密度、高機能、かつ、高性能なものが求められている。
電子機器に用いられる多層プリント基板は、複数層の絶縁基板により構成されており、従来、この層間絶縁基板としては、例えば、熱硬化性樹脂をガラスクロスに含浸させた熱硬化性樹脂プリプレグや、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂からなるフィルムが用いられてきた。上記多層プリント基板においても高密度化、薄型化のために層間を極めて薄くすることが望まれており、薄型のガラスクロスを用いた層間絶縁基板やガラスクロスを用いない層間絶縁基板が必要とされている。そのような層間絶縁基板としては、例えば、(1)ゴム(エラストマー)類、(2)アクリル樹脂等で変性した熱硬化性樹脂材料及び(3)無機充填剤を大量に配合した熱可塑性樹脂材料等からなるものが知られている。
下記特許文献1には、高分子量エポキシ重合体及び多官能エポキシ樹脂等を主成分とするワニスに、所定の粒子径を有する無機充填剤を配合し、支持体に塗布して絶縁層とする多層絶縁基板の製造方法が開示されている。
しかしながら、上記製造方法により作製された多層絶縁基板では、無機充填剤と高分子量エポキシ重合体や多官能エポキシ樹脂との界面面積を確保して機械的強度等の力学的物性を充分に向上させるために、多量の無機充填剤を配合する必要があった。そのため、製造工程の増加等の加工上の不具合が生じたり、層間を薄くすることが困難であったりするという問題があった。
また、薄型のガラスクロスを用いた層間絶縁基板やガラスクロスを用いない層間絶縁基板では、耐熱性や寸法安定性等が不充分であったり、脆く割れやすいために製造工程で不具合が生じがちであった。
上記多層プリント基板は、層上での回路形成と積層とを繰り返すことにより多層積層板を得るビルドアップ法や、回路が形成された層を一括して積層する一括積層法等により製造されている。いずれの製造方法においても、工程数が多いため材料の品質が歩留りに大きく影響し、メッキ工程、硬化工程、ハンダリフロー工程等の工程を含むことから、材料には、耐溶剤性、耐水性、耐熱性及び高温での寸法安定性等が要求される。具体的には、例えば、酸、アルカリ及び有機溶剤への耐性;電気特性に影響を与える吸湿が少ないこと;上下層間の高精度な回路接続に影響を与える高温時及び加熱後の寸法安定性;鉛フリーハンダでの実装に必要な260℃までの耐熱性;接続信頼性に影響を与える銅のマイグレーションが起こりにくいこと等が要求される。
例えば、ICパッケージに用いられるビルドアップ基板やプリント多層基板では、発熱による高温条件下にさらされることがあり、このような環境下でも高い信頼性を維持でき
ることが求められる。しかし、高温時の樹脂寸法変化が大きいと、回路を形成する銅等の金属配線と剥離が発生し、ショートや断線を起こすという問題があった。また、最近、薄層基板として注目されているフレキシブル多層基板でも、単層のフレキシブル基板同士を接着する接着層とフレキシブル基板を形成するポリイミドフィルム及び回路を形成する銅等の金属配線との熱寸法変化の差が大きいと、同様の問題が発生する。
下記特許文献2には、優れた耐熱性を有するエポキシ樹脂と、無機化合物とを併用することで高温物性を改善する技術が開示されている。しかしながら、エポキシ樹脂のガラス転移温度以上の温度では物性の改善効果はほとんど見られず、ガラス転移温度以下の温度でも改善効果は小さい。また、吸湿性や耐溶剤性の改善効果についても期待できない。
従来、ガラス転移温度以下の温度での線膨張率を低下させる方法としては、無機充填材を用いる方法が知られていたが、ハンダリフロー等の高温処理に対応したものではなかった。また、近年、環境に配慮して鉛フリーハンダが用いられるようになり、ハンダリフロー工程の更なる高温化が進んだため、単に耐熱性の高い樹脂を用いても、ガラス転移温度以上での線膨張率が大きく高温処理時に不具合が生じるという問題点があった。
また、上記の目的で無機充填材を用いた場合、熱成形による積層時の流動性が低下し、銅箔等で構成される微細配線によって形成された凹凸への形状追従性(埋込性)が悪くなることがある。このように形状追従性(埋込性)が悪いと、積層された絶縁材が銅箔と剥離したり、吸湿性が高まることによるマイグレーションの発生等、信頼性の低下を招くという問題点があった。
また、近年、電子デバイス、通信デバイスの光化を目指した開発が進んでいるが、このような光通信用高分子材料の現状での課題は、低損失、耐熱性、熱線膨張係数、透湿性、屈折制御などである。ここで、材料の低損失性とは、光通信に使用する波長帯に材料吸収帯を有しないことである。
熱線膨張については、下記特許文献3において、従来の高分子材料は熱線膨張係数が、半導体や金属材料の熱膨張係数の10倍近い値であり、シリコン等の熱膨張係数の小さい基板上に形成したポリマー光通信材料では、応力が加わり、光通信材料の偏波依存性の原因となったり、光通信材料と基板の反りが発生したり、ポリマー光通信材料端部が基板から剥離するといった不具合が発生することが記載されている。
特許文献4には、ファイバ素線(石英ガラス)と樹脂ケースの熱膨張係数差により、ファイバ素線がジャケットから突き出たり、応力集中によってファイバ素線にクラックが発生したりするという問題が記載されている。また、特許文献5では光導波路基板と光ファイバーを接着剤を用いて接続する際に、光導波路基板と接続用部品との熱膨張差が大きいと、熱膨張による位置ずれが発生し、安定な光導波路との接続が実現できないことが記載されている。
透湿性については、特許文献4において、中空のケースの内部に水蒸気が浸透すると、光素子やファイバ素線の表面に結露し、光素子の腐食を引き起こしたり、クラックの成長を進行させてファイバ素線を破断させるという問題点があり、熱膨張と併せて、これらの要因は総合的に高分子材料を用いた光通信用部品の信頼性を低下させていることが記載されている。また、吸湿性が高いと、水分のO−H結合に起因する光吸収が起こり易く、このことからも低吸湿性である材料が必要とされる。
耐熱性については、光通信を端末機器まで導入しようとすると、光信号から電気信号への変換や電気信号から光信号への変換が必要となるため、プリント配線板また、その近傍
で光通信用高分子材料は使用されることになる。従って、光通信用高分子材料は、プリント基板製造時のプロセス温度に対する耐熱性や使用時の電気回路からの発熱に対する耐熱性は必要である。非特許文献1にははんだ耐熱性が要求特性として記載されている。
光通信用材料として、非特許文献2に「複製ポリマー光導波路」が紹介されており、これは所望のコアパターンを型取った金型(スタンパ)を光硬化性樹脂に押しつけUV照射することによってコアパターンを転写しているが、例えば同様の工法を熱硬化性樹脂に用いた場合、軟化状態で金型(スタンパ)を押しつけた後、熱硬化反応で樹脂を硬化させるまでに、樹脂の粘度が大きく低下して流動するのでコアパターンを転写することができない、あるいは実用に耐えうる転写精度が得られないという問題があった。
上述のように、透明性、耐熱性、低線膨張率、低吸湿性等の物性、並びに幅広い工程適性(溶融粘度挙動)を有する材料が、光通信材料として望まれている。
特開2000−183539号公報 特開2000−183539号公報 特開2001−183539号公報 WO98/45741号公報 特開平9−152522号公報 日立テクニカルレポートNo.37(2001年7月)、第7頁〜第16頁 電子材料2002年12月号P.27〜30
本発明は、熱成形性、力学的物性、寸法安定性、耐熱性等に優れ、特に微細成形性、高温物性に優れた樹脂組成物並びに基板用材料及び基板用フィルムを提供することを目的とするものである。
本発明は、熱硬化性樹脂及び/又は光硬化性樹脂100重量部と層状珪酸塩0.1〜100重量部からなる樹脂組成物であり、温度と溶融粘度の関係において、周波数10rad/sにおける60℃から250℃までの動的粘度(Eta’)の下限が1.0×103
Pa・sであることを特徴とする樹脂組成物並びに該樹脂組成物を用いて構成された基板用材料及び基板用フィルムである。
好ましくは、樹脂が軟化している温度領域の動的粘弾性試験での周波数と溶融粘度の関係において、0.1rad/sでの動的粘度(Eta’)の下限が1.0×104Pa・
sであり、かつ、100rad/sでの動的粘度(Eta’)の上限が5.0×103
a・sである。また、好ましくは、樹脂組成物から得られる硬化物のガラス転移温度以下の平均線膨張率(α1)、樹脂組成物から得られる硬化物のガラス転移温度以上の平均線膨張率(α2)、α1とα2の比(α2/α1)が7.5以下と小さく、かつ熱成形における微細加工性に優れる。
また、本発明は、熱硬化性樹脂及び/又は光硬化性樹脂100重量部と層状珪酸塩0.1〜100重量部からなる樹脂組成物であり、温度と溶融粘度の関係において、周波数10rad/sにおける60℃から250℃までの複素粘度(Eta*)の下限が1.0×
103Pa・sであることを特徴とする樹脂組成物並びに該樹脂組成物を用いて構成され
た基板用材料及び基板用フィルムである。
好ましくは、樹脂が軟化している温度領域の動的粘弾性試験での周波数と溶融粘度の関
係において、0.1rad/sでの複素粘度(Eta*)の下限が1.0×104Pa・sであり、かつ、100rad/sでの複素粘度(Eta*)の上限が5.0×103Pa・sである。また、好ましくは、樹脂組成物から得られる硬化物のガラス転移温度以下の平均線膨張率(α1)、樹脂組成物から得られる硬化物のガラス転移温度以上の平均線膨張率(α2)、α1とα2の比(α2/α1)が7.5以下と小さく、かつ熱成形における微細加工性に優れる。
以下に本発明を詳述する。
本発明の樹脂組成物は、温度と溶融粘度との関係において、周波数10rad/sにおける60℃から250℃までの動的粘度(Eta’)あるいは複素粘度(Eta*)の下
限が1.0×103Pa・sであることにより、「エンジニアリングプラスチックの成形
・加工技術」(監修:大柳 康、シーエムシー出版発行)や「プラスチック読本」(大阪市立工業研究所/プラスチック読本編集委員会/プラスチック技術協会共編、プラスチックエージ発行)に記載されているような一般的な熱硬化性樹脂の熱成形、例えば、圧縮成形法、トランスファ成形法、熱積層成形法、SMC成形法等において、急激な温度や圧力の変化に伴う樹脂の絞り出しや、浸み出し、成形体の割れが生じにくい。
一般的に熱成形において、エポキシ樹脂のような硬化性樹脂は、昇温に伴う流動性の増加と硬化反応による増粘とが同時に起こるので、熱成形中の温度/圧力の調整による溶融粘度の制御が重要となるので、急速な昇温や加圧による生産効率の向上が困難であった。しかし、本発明の樹脂組成物を用いるならば、加温速度を上げたり、増圧が容易であるので成形効率を高めることができる。
また、本発明の樹脂組成物は、好ましくは樹脂が軟化している温度領域の動的粘弾性試験での周波数と溶融粘度の関係において、0.1rad/sでの動的粘度(Eta’)の下限が1.0×104Pa・sであり、かつ、100rad/sでの動的粘度(Eta’
)の上限が5.0×103Pa・sであることにより、または、軟化状態で賦形した形状
が、硬化過程において加温された場合にも賦形された形状が維持されたまま硬化される。すなわち周波数の高い領域での粘度特性は高剪断速度がかかる熱成形時に相当し、周波数の低い領域の粘度特性は、形状を維持したままでの硬化過程に相当する。
このような溶融粘度特性により、上述した金型(スタンパ)を用いてパターンを転写する方法(「電子材料2002年12月号P.27〜30」)に好適である。また、シボ、エンボスなどの形状賦形容易で、かつ、保持しやすくなる。
上記の溶融粘度は、粘弾性レオメーターによって測定することができ、例えば、Rheometrics社製のRMS−800を用いて、溶融粘度の温度依存性あるいは周波数依存性を測定することができる。
また、本発明の樹脂組成物では、好ましくは、樹脂組成物から得られる硬化物のガラス転移温度(以下、Tgともいう)よりも50℃低い温度から、ガラス転移温度よりも10℃低い温度までの平均線膨張率(α1)が7.0×10-5/℃以下である。7.0×10-5/℃以下であることにより、本発明の樹脂組成物からなる樹脂材料は、熱処理されたとき、冷熱サイクル試験等の冷却時、加熱時の寸法変化が小さく、銅箔等と張り合わせた際に収縮率の違いから反りが発生したり、剥がれたりすることがない。より好ましくは、6.0×10-5/℃以下、より好ましくは5.0×10-5/℃以下である。なお、上記平均線膨張率は、JIS K7197に準じた方法により測定することができ、例えば、TMA(ThermomechanicalAnalysis)装置(セイコー電子社製、TMA/SS120C)を用いて、約3mm×15mmの試験片を昇温速度5℃/分で昇温
することにより求めることができる。
本発明の樹脂組成物では、好ましくは、樹脂組成物から得られる硬化物のTgよりも10℃高い温度から、Tgよりも50℃高い温度までの平均線膨張率(α2)が1.5×10-4/℃以下である。1.5×10-4/℃以下であることにより、本発明の樹脂組成物からなる樹脂材料は、Tg以上に熱処理されたとき、冷熱サイクル試験等の冷却時、加熱時の寸法変化が小さく、銅箔等と張り合わせた際に収縮率の違いから反りが発生したり、剥がれたりすることがない。より好ましくは、1.0×10-4/℃以下、好ましくは7.0×10-5/℃以下である。
本発明の樹脂組成物では、好ましくは、樹脂組成物から得られる硬化物のTgよりも50℃低い温度から、Tgよりも10℃低い温度までの平均線膨張率(α1)と、樹脂組成物から得られる硬化物のTgよりも10℃高い温度から、Tgよりも50℃高い温度までの平均線膨張率(α2)の比であるα2/α1が7.5以下である。7.5以下であることにより、本発明の樹脂組成物からなる樹脂材料は、Tg以下からTg以上に熱処理されたとき、加熱時の寸法変化が小さく、銅箔等と張り合わせた際に収縮率の違いから反りが発生したり、剥がれたりすることがない。より好ましくは、5.0以下、さらに好ましくは3.0以下である。
本発明の樹脂組成物は、上述の優れた高温物性を有するものであって、熱硬化性樹脂及び/または光硬化性樹脂と層状珪酸塩、さらには無機化合物とを含有するものである。上記熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂とは、常温では液状、半固形状又は固形状等であって常温下又は加熱下で流動性を示す比較的低分子量の物質が、硬化剤、触媒、熱又は光の作用によって硬化反応や架橋反応等の化学反応を起こして分子量を増大させながら網目状の三次元構造を形成してなる不溶不融性の樹脂になりうる樹脂を意味する。
上記熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、アルキド樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、アニリン樹脂等が挙げられる。なかでも、エポキシ樹脂、熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、及び、メラミン樹脂等が好適である。これらの熱硬化性樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記エポキシ樹脂とは、少なくとも1個のエポキシ基を有する有機化合物をいう。上記エポキシ樹脂中のエポキシ基の数としては、1分子当たり1個以上であることが好ましく、1分子当たり2個以上であることがより好ましい。ここで、1分子当たりのエポキシ基の数は、エポキシ樹脂中のエポキシ基の総数をエポキシ樹脂中の分子の総数で除算することにより求められる。
上記エポキシ樹脂としては、従来公知のエポキシ樹脂を用いることができ、例えば、以下に示したエポキシ樹脂(1)〜エポキシ樹脂(11)等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記エポキシ樹脂(1)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等の芳香族エポキシ樹脂、及び、これらの水添化物や臭素
化物等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂(2)としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル等の脂環族エポキシ樹脂等が挙げられる。かかるエポキシ樹脂(2)のうち市販されているものとしては、例えば、ダイセル化学工業社製の商品名「EHPE−3150」(軟化温度71℃)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂(3)としては、例えば、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、炭素数が2〜9(好ましくは2〜4)のアルキレン基を含むポリオキシアルキレングリコールやポリテトラメチレンエーテルグリコール等を含む長鎖ポリオールのポリグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂(4)としては、例えば、フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジル−p−オキシ安息香酸、サリチル酸のグリシジルエーテル−グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等のグリシジルエステル型エポキシ樹脂及びこれらの水添化物等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂(5)としては、例えば、トリグリシジルイソシアヌレート、環状アルキレン尿素のN,N’−ジグリシジル誘導体、p−アミノフェノールのN,N,O−トリグリシジル誘導体、m−アミノフェノールのN,N,O−トリグリシジル誘導体等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂及びこれらの水添化物等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂(6)としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートと、エチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル等のラジカル重合性モノマーとの共重合体等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂(7)としては、例えば、エポキシ化ポリブタジエン等の共役ジエン化合物を主体とする重合体又はその部分水添物の重合体における不飽和炭素の二重結合をエポキシ化したもの等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂(8)としては、例えば、エポキシ化SBS等のような、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック又はその部分水添物の重合体ブロックとを同一分子内にもつブロック共重合体における、共役ジエン化合物の不飽和炭素の二重結合をエポキシ化したもの等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂(9)としては、例えば、1分子当たり1個以上、好ましくは2個以上のエポキシ基を有するポリエステル樹脂等が挙げられる。 上記エポキシ樹脂(10)としては、例えば、上記エポキシ樹脂(1)〜(9)の構造中にウレタン結合やポリカプロラクトン結合を導入した、ウレタン変成エポキシ樹脂やポリカプロラクトン変成エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂(11)としては、例えば、上記エポキシ樹脂(1)〜(10)にNBR、CTBN、ポリブタジエン、アクリルゴム等のゴム成分を含有させたゴム変成エポキシ樹脂等が挙げられる。また、エポキシ樹脂以外に、少なくとも1つのオキシラン環を有する樹脂又はオリゴマーが添加されていてもよい。
上記エポキシ樹脂の硬化反応に用いる硬化剤としては特に限定されず、従来公知のエポキシ樹脂用の硬化剤を用いることができ、例えば、アミン化合物、アミン化合物から合成されるポリアミノアミド化合物等の化合物、3級アミン化合物、イミダゾール化合物、ヒドラジド化合物、メラミン化合物、酸無水物、フェノール化合物、熱潜在性カチオン重合触媒、光潜在性カチオン重合開始剤、ジシアンジアミド及びその誘導体等が挙げられる。これらの硬化剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記アミン化合物としては特に限定されず、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン等の鎖状脂肪族アミン及びその誘導体;メンセンジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−アミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等の環状脂肪族アミン及びその誘導体;m−キシレンジアミン、α−(m/pアミノフェニル)エチルアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、α,α−ビス(4−アミノフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン等の芳香族アミン及びその誘導体等が挙げられる。
上記アミン化合物から合成される化合物としては特に限定されず、例えば、上記アミン化合物と、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカ二酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ジヒドロイソフタル酸、テトラヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等のカルボン酸化合物とから合成されるポリアミノアミド化合物及びその誘導体;上記アミン化合物と、ジアミノジフェニルメタンビスマレイミド等のマレイミド化合物とから合成されるポリアミノイミド化合物及びその誘導体;上記アミン化合物とケトン化合物とから合成されるケチミン化合物及びその誘導体;上記アミン化合物と、エポキシ化合物、尿素、チオ尿素、アルデヒド化合物、フェノール化合物、アクリル化合物等の化合物とから合成されるポリアミノ化合物及びその誘導体等が挙げられる。
上記3級アミン化合物としては特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルピペラジン、ピリジン、ピコリン、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビスシクロ(5,4,0)ウンデセン−1及びその誘導体等が挙げられる。
上記イミダゾール化合物としては特に限定されず、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール及びその誘導体等が挙げられる。
上記ヒドラジド化合物としては特に限定されず、例えば、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン、7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボヒドラジド、エイコサン二酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド及びその誘導体等が挙げられる。
上記メラミン化合物としては特に限定されず、例えば、2,4−ジアミノ−6−ビニル
−1,3,5−トリアジン及びその誘導体等が挙げられる。 上記酸無水物としては特に限定されず、例えば、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセロールトリスアンヒドロトリメリテート、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸−無水マレイン酸付加物、ドデセニル無水コハク酸、ポリアゼライン酸無水物、ポリドデカン二酸無水物、クロレンド酸無水物及びその誘導体等が挙げられる。
上記フェノール化合物としては特に限定されず、例えば、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、t−ブチルフェノールノボラック、ジシクロペンタジエンクレゾール及びその誘導体等が挙げられる。
上記熱潜在性カチオン重合触媒としては特に限定されず、例えば、6フッ化アンチモン、6フッ化リン、4フッ化ホウ素等を対アニオンとした、ベンジルスルホニウム塩、ベンジルアンモニウム塩、ベンジルピリジニウム塩、ベンジルホスホニウム塩等のイオン性熱潜在性カチオン重合触媒;N−ベンジルフタルイミド、芳香族スルホン酸エステル等の非イオン性熱潜在性カチオン重合触媒が挙げられる。
上記光潜在性カチオン重合開始剤としては特に限定されず、例えば、6フッ化アンチモン、6フッ化リン、4フッ化ホウ素等を対アニオンとした、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩及び芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩類、並びに、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体及びアリールシラノール−アルミニウム錯体等の有機金属錯体類等のイオン性光潜在性カチオン重合開始剤;ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドスルホナート等の非イオン性光潜在性カチオン重合開始剤が挙げられる。
上記熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル樹脂としては、例えば、上記ポリフェニレンエーテル樹脂をグリシジル基、イソシアネート基、アミノ基等の熱硬化性を有する官能基で変性した樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱硬化性ポリイミド樹脂としては、分子主鎖中にイミド結合を有する樹脂であり、具体的には、例えば、芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸との縮合重合体、芳香族ジアミンとビスマレイミドとの付加重合体であるビスマレイミド樹脂、アミノ安息香酸ヒドラジドとビスマレイミドとの付加重合体であるポリアミノビスマレイミド樹脂、ジシアネート化合物とビスマレイミド樹脂とからなるビスマレイミドトリアジン樹脂等が挙げられる。なかでもビスマレイミドトリアジン樹脂が好適に用いられる。これらの熱硬化性ポリイミド樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ケイ素樹脂としては、分子鎖中にケイ素−ケイ素結合、ケイ素−炭素結合、シロキサン結合又はケイ素−窒素結合を含むものであり、具体的には、例えば、ポリシロキサン、ポリカルボシラン、ポリシラザン等が挙げられる。
上記ベンゾオキサジン樹脂としては、ベンゾオキサジンモノマーのオキサジン環の開環重合によって得られるものである。上記ベンゾオキサジンモノマーとしては特に限定されず、例えば、オキサジン環の窒素にフェニル基、メチル基、シクロヘキシル基等の官能基が結合したもの等が挙げられる。
上記ユリア樹脂としては、尿素とホルムアルデヒドとの付加縮合反応で得られる熱硬化性樹脂である。上記ユリア樹脂の硬化反応に用いられる硬化剤としては特に限定されず、例えば、無機酸、有機酸、酸性硫酸ナトリウムのような酸性塩からなる顕在性硬化剤;カルボン酸エステル、酸無水物、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム等の塩類のような潜在性硬化剤が挙げられる。なかでも、貯蔵寿命等から潜在性硬化剤が好ましい。
上記アリル樹脂としては、ジアリルフタレートモノマーの重合及び硬化反応によって得られるものである。上記ジアリルフタレートモノマーとしては、例えば、オルソ体、イソ体、テレ体が挙げられる。硬化反応の触媒としては特に限定されないが、例えば、t−ブチルパーベンゾエートとジ−t−ブチルパーオキシドとの併用が好適である。
本発明の樹脂組成物には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で、熱可塑性エラストマー類が配合されても良い。熱可塑性エラストマー類としては特に限定されず、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等が挙げられる。樹脂との相溶性を高めるために、これらの熱可塑性エラストマーを官能基変性したものであってもよい。これらの熱可塑性エラストマー類は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明の樹脂組成物には本発明の課題達成を阻害しない範囲で、架橋ゴム類が配合されても良い。架橋ゴム類としては特に限定されず、例えば、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。樹脂との相溶性を高めるために、これらの架橋ゴムを官能基変性したものであることが好ましい。上記官能基変性した架橋ゴムとしては特に限定されず、例えば、エポキシ変性ブタジエンゴムやエポキシ変性ニトリルゴム等が挙げられる。これらの架橋ゴム類は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明の樹脂組成物は層状珪酸塩を含有するものである。上記層状珪酸塩としては、例えば、モンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、バイデライト、スティブンサイト及びノントロナイト等のスメクタイト系粘土鉱物、膨潤性マイカ、バーミキュライト、ハロイサイト等が挙げられる。なかでも、モンモリロナイト、ヘクトライト、膨潤性マイカ、及び、バーミキュライトからなる群より選択される少なくとも1種が好適に用いられる。これらの層状珪酸塩は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記層状珪酸塩の結晶形状としては特に限定されないが、平均長さの好ましい下限は0.01μm、上限は3μm、厚さの好ましい下限は0.001μm、上限は1μm、アスペクト比の好ましい下限は20、上限は500であり、平均長さのより好ましい下限は0.05μm、上限は2μm、厚さのより好ましい下限は0.01μm、上限は0.5μm、アスペクト比のより好ましい下限は50、上限は200である。
上記層状珪酸塩において、平均長さは長径と短径の平均で求めるが、長径が3μmを超える層状珪酸塩の比率が20%以下であり、好ましくは1μm超える層状珪酸塩の比率が20%以下であり、より好ましくは0.5μm超える層状珪酸塩の比率が20%以下である。また、上記層状珪酸塩の長径は500μm以下であり、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは10μm以下である。2μmを超える層状珪酸塩の比率が20%以下であり、最大長さが500μm以下であると、透明性が向上し、作業時に、下部基板などとの位置合わせを容易にすることができると共に、レーザー加工時に残渣が残り難く、レーザー加工性が良好となる。すなわち、本発明の樹脂組成物からなる基板等に炭酸ガスレーザ等のレーザーにより穿孔加工を施した場合、樹脂成分と層状珪酸塩成分とが同時に
分解蒸発し、低エネルギーのレーザー加工で目的とするサイズの孔をあけることができる。通常の無機充填剤を用いた樹脂組成物の場合と比べると、レーザー加工のショット数を減じることができる。また、部分的に残存する樹脂組成物からなる残渣も数μm以下の小さなもののみとなり、デスミア加工により容易に除去できる。これにより、穿孔加工により発生する残渣によってメッキ不良等が発生するのを防止することができる。
更に長さの短い層状珪酸塩の比率が増加し、最大長さが短くなると共に、上記樹脂組成物の透明性及びレーザー加工性は向上し、特に、0.5μm超える層状珪酸塩の比率が20%以下で、長径が10μm以下であると、優れた光学材料となり、光導波路用の材料として使用することも可能となる。
上記層状珪酸塩は、下記式(A)で定義される形状異方性が大きいことが好ましい。形状異方性の大きい層状珪酸塩を用いることにより、本発明の樹脂組成物から得られる樹脂は優れた力学的物性を有するものとなる。
形状異方性=薄片状結晶の積層面の表面積/薄片状結晶の積層側面の表面積 …(A)
上記層状珪酸塩の層間に存在する交換性金属カチオンとは、層状珪酸塩の薄片状結晶表面に存在するナトリウムやカルシウム等の金属イオンを意味し、これらの金属イオンは、カチオン性物質とのカチオン交換性を有するため、カチオン性を有する種々の物質を上記層状珪酸塩の結晶層間に挿入(インターカレート)することができる。
上記層状珪酸塩のカチオン交換容量としては特に限定されないが、好ましい下限は50ミリ当量/100g、上限は200ミリ当量/100gである。50ミリ当量/100g未満であると、カチオン交換により層状珪酸塩の結晶層間にインターカレートされるカチオン性物質の量が少なくなるために、結晶層間が充分に非極性化(疎水化)されないことがある。200ミリ当量/100gを超えると、層状珪酸塩の結晶層間の結合力が強固になりすぎて、結晶薄片が剥離し難くなることがある。
上記層状珪酸塩としては、化学処理されることにより樹脂中への分散性を向上されたものが好ましい。かかる層状珪酸塩を、以下、有機化層状珪酸塩ともいう。上記化学処理としては、例えば、以下に示す化学修飾(1)法〜化学修飾(6)法によって実施することができる。これらの化学修飾法は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記化学修飾(1)法は、カチオン性界面活性剤によるカチオン交換法ともいい、具体的には、低極性樹脂を用いて本発明の樹脂組成物を得る際に予め層状珪酸塩の層間をカチオン性界面活性剤でカチオン交換し、疎水化しておく方法である。予め層状珪酸塩の層間を疎水化しておくことにより、層状珪酸塩と低極性樹脂との親和性が高まり、層状珪酸塩を低極性樹脂中により均一に微分散させることができる。
上記カチオン性界面活性剤としては特に限定されず、例えば、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等が挙げられる。なかでも、層状珪酸塩の結晶層間を充分に疎水化できることから、炭素数6以上のアルキルアンモニウムイオン、芳香族4級アンモニウムイオン又は複素環4級アンモニウムイオンが好適に用いられる。
上記4級アンモニウム塩としては特に限定されず、例えば、トリメチルアルキルアンモニウム塩、トリエチルアルキルアンモニウム塩、トリブチルアルキルアンモニウム塩、ジメチルジアルキルアンモニウム塩、ジブチルジアルキルアンモニウム塩、メチルベンジルジアルキルアンモニウム塩、ジベンジルジアルキルアンモニウム塩、トリアルキルメチルアンモニウム塩、トリアルキルエチルアンモニウム塩、トリアルキルブチルアンモニウム
塩;ベンジルメチル{2−[2−(p−1,1,3,3−テトラメチルブチルフェノオキシ)エトキシ]エチル}アンモニウムクロライド等の芳香環を有する4級アンモニウム塩;トリメチルフェニルアンモニウム等の芳香族アミン由来の4級アンモニウム塩;アルキルピリジニウム塩、イミダゾリウム塩等の複素環を有する4級アンモニウム塩;ポリエチレングリコール鎖を2つ有するジアルキル4級アンモニウム塩、ポリプロピレングリコール鎖を2つ有するジアルキル4級アンモニウム塩、ポリエチレングリコール鎖を1つ有するトリアルキル4級アンモニウム塩、ポリプロピレングリコール鎖を1つ有するトリアルキル4級アンモニウム塩等が挙げられる。なかでも、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジ硬化牛脂ジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジベンジルアンモニウム塩、N−ポリオキシエチレン−N−ラウリル−N,N−ジメチルアンモニウム塩等が好適である。これらの4級アンモニウム塩は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記4級ホスホニウム塩としては特に限定されず、例えば、ドデシルトリフェニルホスホニウム塩、メチルトリフェニルホスホニウム塩、ラウリルトリメチルホスホニウム塩、ステアリルトリメチルホスホニウム塩、トリオクチルメチルホスホニウム塩、ジステアリルジメチルホスホニウム塩、ジステアリルジベンジルホスホニウム塩等が挙げられる。これらの4級ホスホニウム塩は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記化学修飾(2)法は、化学修飾(1)法で化学処理された有機化層状珪酸塩の結晶表面に存在する水酸基を、水酸基と化学結合し得る官能基または水酸基との化学親和性の大きい官能基を分子末端に1個以上有する化合物で化学処理する方法である。
上記化学修飾(3)法は、化学修飾(1)法で化学処理された有機化層状珪酸塩の結晶表面に存在する水酸基を、片末端に水酸基と化学結合し得る官能基または水酸基と化学的親和性の大きい官能基を有し、反応性官能基を他末端にそれぞれ1個以上有する化合物で化学処理する方法である。
上記水酸基と化学結合し得る官能基または水酸基との化学的親和性の大きい官能基としては特に限定されず、例えば、アルコキシ基、グリシジル基、カルボキシル基(二塩基性酸無水物も包含する)、水酸基、イソシアネート基、アルデヒド基等が挙げられる。
上記水酸基と化学結合し得る官能基を有する化合物または水酸基との化学的親和性の大きい官能基を有する化合物としては特に限定されず、例えば、上記官能基を有する、シラン化合物、チタネート化合物、グリシジル化合物、カルボン酸類、アルコール類等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記化学修飾(2)法または(3)法に用いられるシラン化合物を例示すれば、化学修飾(2)法では、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシランが挙げられ、化学修飾(3)法では、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらのシラン化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記化学修飾(4)法は、化学修飾(1)法で化学処理された有機化層状珪酸塩の結晶表面を、アニオン性界面活性を有する化合物で化学処理する方法である。
上記アニオン性界面活性を有する化合物としては、イオン相互作用により層状珪酸塩を化学処理できるものであれば特に限定されず、例えば、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、不飽和アルコール硫酸エステル塩等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記化学修飾(5)法は、上記アニオン性界面活性を有する化合物のうち、分子鎖中のアニオン部位以外に反応性官能基を1個以上有する化合物で化学処理する方法である。
上記化学修飾(6)法は、化学修飾(1)法〜化学修飾(5)法のいずれかの方法で化学処理された有機化層状珪酸塩に、更に、例えば、無水マレイン酸変性ポリフェニレンエーテル樹脂のような層状珪酸塩と反応可能な官能基を有する樹脂を用いる方法である。
上記層状珪酸塩は、本発明の樹脂組成物中に、広角X線回折測定法により測定した(001)面の平均層間距離が3nm以上であり、かつ、一部又は全部の積層体が5層以下であるように分散していることが好ましい。上記平均層間距離が3nm以上であり、かつ、一部又は全部の積層体が5層以下であるように層状珪酸塩が分散していることにより、樹脂と層状珪酸塩との界面面積は充分に大きく、かつ、層状珪酸塩の薄片状結晶間の距離は適度なものとなり、高温物性、力学的物性、耐熱性、寸法安定性等において分散による改善効果を充分に得ることができる。
上記平均層間距離の好ましい上限は5nmである。5nmを超えると、層状珪酸塩の結晶薄片が層毎に分離して相互作用が無視できるほど弱まるので、高温での束縛強度が弱くなり、充分な寸法安定性が得られないことがある。なお、本明細書において、層状珪酸塩の平均層間距離とは、層状珪酸塩の薄片状結晶を層とみなした場合における層間の距離の平均を意味し、X線回折ピークを利用した広角X線回折測定法により算出することができるものである。
上記一部又は全部の積層体が5層以下であるように層状珪酸塩が分散しているとは、具体的には、層状珪酸塩の薄片状結晶間の相互作用が弱められて薄片状結晶の積層体の一部又は全部が分散していることを意味する。好ましくは、層状珪酸塩の積層体の10%以上が5層以下にして分散されており、層状珪酸塩の積層体の20%以上が5層以下にして分散されていることがより好ましい。なお、5層以下の積層体として分散している層状珪酸塩の割合は、樹脂組成物を透過型電子顕微鏡により5万〜10万倍に拡大して観察し、一定面積中において観察できる層状珪酸塩の積層体の全層数X及び5層以下の積層体として分散している積層体の層数Yを計測することにより、下記式(B)から算出することができる。
5層以下の積層体として分散している割合(%)=(Y/X)×100 …(B)
また、層状珪酸塩の積層体における積層数としては、層状珪酸塩の分散による効果を得るためには5層以下であることが好ましく、より好ましくは3層以下であり、更に好ましくは1層である。
本発明の樹脂組成物では、広角X線回折測定法により測定した(001)面の平均層間距離が3nm以上であり、かつ、一部又は全部の積層体が5層以下である層状珪酸塩が分散されている場合には、樹脂と層状珪酸塩との界面面積が充分に大きくなって、樹脂と層状珪酸塩の表面との相互作用が大きくなり、溶融粘度が高まり熱プレスなどの熱成形性が向上することに加え、シボ、エンボスなど賦形した形状も保持しやすく、また、常温から高温までの広い温度領域で弾性率等の力学的物性が向上し、樹脂のTg又は融点以上の高温でも力学的物性を保持することができ、高温時の線膨張率も低く抑えることができる。かかる理由は明らかではないが、Tg又は融点以上の温度領域においても、微分散状態の層状珪酸塩が一種の疑似架橋点として作用しているためにこれら物性が発現すると考えられる。また、この疑似架橋点は共有結合を含むものではないので、一定の剪断速度のもとではこの疑似架橋点は維持されず、従って、熱成形においては充分な流動性を保持するものと考えられる。一方、層状珪酸塩の薄片状結晶間の距離も適度なものとなるので、燃焼時に、層状珪酸塩の薄片状結晶が移動して難燃被膜となる焼結体を形成しやすくなる。この焼結体は、燃焼時の早い段階で形成されるので、外界からの酸素の供給を遮断するのみならず、燃焼により発生する可燃性ガスをも遮断することができ、本発明の樹脂組成物は優れた難燃性を発現する。
更に、本発明の樹脂組成物では、ナノメートルサイズで層状珪酸塩が微分散していることから、本発明の樹脂組成物からなる基板等に炭酸ガスレーザ等のレーザにより穿孔加工を施した場合、樹脂成分と層状珪酸塩成分とが同時に分解蒸発し、部分的に残存する層状珪酸塩の残渣も数μm以下の小さなもののみでありデスミア加工により容易に除去できる。これにより、穿孔加工により発生する残渣によってメッキ不良等が発生するのを防止することができる。
樹脂中に層状珪酸塩を分散させる方法としては特に限定されず、例えば、有機化層状珪酸塩を用いる方法、樹脂と層状珪酸塩とを常法により混合した後に樹脂を発泡剤により発泡させる方法、分散剤を用いる方法、層状珪酸塩を溶剤に分散させた状態で樹脂又は単量体と混合させる方法等が挙げられる。これらの分散方法を用いることにより、樹脂中に層状珪酸塩をより均一かつ微細に分散させることができる。
上記樹脂と層状珪酸塩とを常法により混合した後に樹脂を発泡剤により発泡させる方法は、発泡によるエネルギーを層状珪酸塩の分散に用いるものである。上記発泡剤としては特に限定されず、例えば、気体状発泡剤、易揮発性液状発泡剤、加熱分解型固体状発泡剤等が挙げられる。これらの発泡剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記樹脂と層状珪酸塩とを常法により混合した後に樹脂を発泡剤により発泡させる方法としては特に限定されず、例えば、樹脂と層状珪酸塩とからなる樹脂組成物に気体状発泡剤を高圧下で含浸させた後、この気体状発泡剤を上記樹脂組成物内で気化させて発泡体を形成する方法;層状珪酸塩の層間に予め加熱分解型発泡剤を含有させ、その加熱分解型発泡剤を加熱により分解させて発泡体を形成する方法等が挙げられる。
上記層状珪酸塩の上記熱硬化性樹脂及び/又は光硬化性樹脂100重量部に対する配合量の下限は0.1重量部、上限は100重量部である。0.1重量部未満であると、高温物性や吸水性の改善効果が小さくなる。100重量部を超えると、本発明の樹脂組成物の密度(比重)が高くなり、機械的強度も低下することから実用性に乏しくなる。好ましい下限は1重量部、上限は80重量部である。1重量部未満であると、本発明の樹脂組成物を薄く成形した際に充分な高温物性の改善効果が得られないことがある。80重量部を超えると、成形性が低下することがある。より好ましい下限は5重量部、上限は70重量部である。5〜70重量部であると、力学的物性、工程適性において問題となる領域はなく
、充分な高温物性、低吸水性が得られる。
本発明の樹脂組成物は、上述のようにTg以下のみならずTg以上における平均線膨張率が低いことから、高温での寸法安定性等の高温物性を向上させて、メッキ工程、硬化工程、鉛フリーハンダのリフロー工程等の高温処理工程においても反りや剥がれを生じることがない樹脂材料に用いることができる。
本発明において、層状珪酸塩を除く無機化合物が、上記熱硬化性樹脂及び/又は光硬化性樹脂100重量部配合されていてもよい。この無機化合物がウィスカ及び、又はシリカのうち少なくとも1つである場合は、Tg以下、Tg以上の平均線膨張率の低減に特に効果的であることがある。また、シリカを添加すると、誘電正接を低下させることも可能である。
本発明の樹脂組成物は、更に、ハロゲン系組成物を含有しない難燃剤を含有することもできる。なお、難燃剤の製造工程上の都合等により微量のハロゲンが混入することはかまわない。
上記難燃剤としては特に限定されず、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドーソナイト、アルミン酸化カルシウム、2水和石こう、水酸化カルシウム等の金属水酸化物;金属酸化物;赤リンやポリリン酸アンモニウム等のリン系化合物;メラミン、メラミンシアヌレート、メラミンイソシアヌレート、リン酸メラミン及びこれらに表面処理を施したメラミン誘導体等の窒素系化合物;フッ素樹脂;シリコーンオイル;ハイドロタルサイト等の層状複水和物;シリコーン−アクリル複合ゴム等が挙げられる。なかでも、金属水酸化物及びメラミン誘導体が好適である。上記金属水酸化物のなかでも、特に水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムが好ましく、これらは各種の表面処理剤により表面処理が施されたものであってもよい。上記表面処理剤としては特に限定されず、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、PVA系表面処理剤、エポキシ系表面処理剤等が挙げられる。これらの難燃剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
本発明の樹脂組成物には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で特性を改質することを目的に、必要に応じて、オリゴマー類、造核剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、難燃助剤、帯電防止剤、防曇剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、着色剤等の添加剤が配合されてもよい。これらはそれぞれ単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明の樹脂組成物を製造する方法としては特に限定されず、例えば、樹脂と層状珪酸塩の各所定量と、必要に応じて配合される1種又は2種以上の添加剤の各所定量とを、常温下又は加熱下で、直接配合して混練する直接混練法、及び、溶媒中で混合した後、溶媒を除去する方法;予め上記樹脂又は上記樹脂以外の樹脂に所定量以上の無機化合物を配合して混練したマスターバッチを作製しておき、このマスターバッチ、樹脂の所定量の残部、及び、必要に応じて配合される1種又は2種以上の添加剤の各所定量を、常温下又は加熱下で、混練又は溶媒中で混合するマスターバッチ法等が挙げられる。
上記マスターバッチ法において、上記樹脂又は上記樹脂以外の樹脂に無機化合物を配合したマスターバッチと、マスターバッチを希釈して所定の無機化合物濃度とする際に用いる上記樹脂を含有するマスターバッチ希釈用樹脂組成物は同一の組成であっても、異なる組成であってもよい。
上記マスターバッチとしては特に限定されないが、例えば、無機化合物の分散が容易で
あるポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、及び、ポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含有することが好ましい。上記マスターバッチ希釈用樹脂組成物としては特に限定されないが、例えば、高温物性に優れた熱硬化性ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含有することが好ましい。
上記マスターバッチにおける、層状珪酸塩を含む無機化合物の配合量は特に限定されないが、樹脂100重量部に対する好ましい下限は1重量部、上限は500重量部である。1重量部未満であると、任意の濃度に希釈可能なマスターバッチとしての利便性が薄れる。500重量部を超えると、マスターバッチ自体における分散性や、特にマスターバッチ希釈用樹脂組成物によって所定の配合量に希釈する際の無機化合物の分散性が悪くなることがある。より好ましい下限は5重量部、上限は300重量部である。
また、例えば、遷移金属錯体類のような重合触媒(重合開始剤)を含有する無機化合物を用い、熱可塑性樹脂のモノマーと無機化合物とを混練し、上記モノマーを重合させることにより、熱可塑性樹脂の重合と樹脂組成物の製造とを同時に一括して行う方法を用いてもよい。
本発明の樹脂組成物の製造方法における混合物を混練する方法としては特に限定されず、例えば、押出機、2本ロール、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練する方法等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、樹脂と無機化合物とが組み合わせられ、分子鎖の拘束によるTgや耐熱変形温度の上昇が図られていることにより、高温での低い線膨張率を有し、耐熱性、力学的物性、透明性等に優れている。
また、通常、無機化合物の添加量が多いと、耐熱性や低い線膨張率を得ることができるが、その場合、熱成形性および微細加工性が低下したり、樹脂組成物が脆弱化したり、伸びが低下することがあったが、本発明における樹脂組成物では、添加化合物を加えることで、熱成形性および微細加工性、柔軟性、常態での伸び性と、耐熱性や低い線膨張率を両立することができる。
更に、樹脂中では無機化合物に比べて気体分子の方がはるかに拡散しやすく、樹脂中を拡散する際に気体分子は無機化合物を迂回しながら拡散するので、ガスバリア性も向上している。同様にして気体分子以外に対するバリア性も向上し、耐溶剤性、吸湿性、吸水性等が向上している。これにより、例えば、多層プリント配線板での銅回路からの銅のマイグレーションを抑制することができる。更に、樹脂中の微量添加物が表面にブリードアウトしてメッキ不良等の不具合が発生することも抑制できる。
本発明の樹脂組成物においては、上記無機化合物として層状珪酸塩が用いられているため、該層状珪酸塩は、多量に配合されなくとも優れた力学的物性が得られるる。従って、薄い絶縁基板とすることができ、多層プリント基板の高密度化、薄型化が可能となる。また、結晶形成における層状珪酸塩の造核効果や耐湿性の向上に伴う膨潤抑制効果等に基づく寸法安定性の向上等が図られている。更に、燃焼時に層状珪酸塩による焼結体が形成されるので燃焼残渣の形状が保持され、燃焼後も形状崩壊が起こらず、延焼を防止することができ、優れた難燃性を発現する。
また、本発明の樹脂組成物において、ノンハロゲン難燃剤を用いれば、環境にも配慮しつつ、高い力学的物性と高い難燃性とを両立することができる。 本発明の樹脂組成物の用途としては特に限定されないが、適当な溶媒に溶解したり、フィルム状に成形したりし
て加工することにより、例えば、多層基板のコア層やビルドアップ層等を形成する基板用材料、シート、積層板、樹脂付き銅箔、銅張積層板、TAB用フィルム、プリント基板、プリプレグ、ワニス、光導波路材料等に好適に用いられる。かかる本発明の樹脂組成物を用いてなる基板用材料もまた本発明の1つである。
また、本発明の基板用材料では、熱硬化性及び/または光硬化性樹脂中に層状珪酸塩がナノメートルサイズで微分散していることから低線膨張率、耐熱性、低吸水率であることに加え、高い透明性をも実現できる。従って、本発明の基板用材料は、光パッケージの形成材料、光導波路材料、接続材料、封止材料等の光回路形成材料、光通信用材料としても好適に使用することができる。
本発明の樹脂組成物の成形方法としては特に限定されず、例えば、押出機にて、溶融混練した後に押出し、Tダイやサーキュラーダイ等を用いてフィルム状に成形する押出成形法;有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散させた後、キャスティングしてフィルム状に成形するキャスティング成形法;有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散して得たワニス中に、ガラス等の無機材料や有機ポリマーからなるクロス状又は不織布状の基材をディッピングしてフィルム状に成形するディッピング成形法等が挙げられる。なお、上記ディッピング成形法において用いる基材としては特に限定されず、例えば、ガラスクロス、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾオキサゾール繊維等が挙げられる。
また、多層基板の薄型化を図るためには、押出成形法やキャスティング成形法が好適である。また、上記の方法で得られた本発明の樹脂組成物は圧縮成形法、トランスファ成形法、熱積層成形法、SMC成形法など一般的な硬化性樹脂の成形に非常に適しているし、また金型(スタンパ)を用いて所望のコアパターンを転写させるような成形法にも好適である。
本発明によれば、熱成形性、力学的物性、寸法安定性、耐熱性等に優れ、特に微細成形性、高温物性に優れた樹脂組成物並びに該樹脂組成物を用いた基板用材料及びフィルムを提供することができる。従って、本発明の樹脂組成物及び基板用フィルムを用いることにより、物性や耐熱性に優れた、しかも薄形の多層基板等の回路基板を構成することが可能となる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成社製、YD−8125)35重量部、及び、固形エポキシ樹脂(東都化成社製、YP−55)35重量部からなるエポキシ樹脂組成物70重量部、ジシアンジアミド(旭電化社製、アデカハードナーEH−3636)2.7重量部、変性イミダゾール(旭電化社製、アデカハードナーEH−3366)1.2重量部、層状珪酸塩としてトリオクチルメチルアンモニウム塩で有機化処理が施された合成ヘクトライト(コープケミカル社製、ルーセンタイトSTN)30重量部、並びに有機溶媒としてジメチルホルムアミド(和光純薬社製、特級)400重量部をビーカーに加え、撹拌機にて1時間撹拌した後、脱泡し、樹脂/層状珪酸塩溶液を得た。次いで、得られた樹脂/層状珪酸塩溶液をポリエチレンテレフタレートのシート上に塗布した状態で溶媒を除去した後、100℃で15分間加熱し、樹脂組成物からなる試験用シートの未硬化体を作成した。この試験用シートを厚さ1mmに積層ラミネートし、未硬化の溶融粘度測定用の板状成形体を作成した。更に未硬化の試験シートおよびその積層体を170℃で1時間
加熱して硬化させ、樹脂組成物からなる厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
(実施例2)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成社製、YD−8125)45重量部、及び、固形エポキシ樹脂(東都化成社製、YP−55)45重量部からなるエポキシ樹脂組成物90重量部、ジシアンジアミド(旭電化社製、アデカハードナーEH−3636)3.4重量部、変性イミダゾール(旭電化社製、アデカハードナーEH−3366)1.5重量部、層状珪酸塩としてトリオクチルメチルアンモニウム塩で有機化処理が施された合成ヘクトライト(コープケミカル社製、ルーセンタイトSTN)10重量部、合成シリカ(アドマテックス社製、アドマファインSO−E2)40重量部、並びに有機溶媒としてジメチルホルムアミド(和光純薬社製、特級)400重量部をビーカーに加え、撹拌機にて1時間撹拌した後、脱泡し、樹脂/層状珪酸塩溶液を得た。次いで、得られた樹脂/層状珪酸塩溶液をポリエチレンテレフタレートのシート上に塗布した状態で溶媒を除去した後、100℃で15分間加熱し、樹脂組成物からなる試験用シートの未硬化体を作成した。この試験用シートを厚さ1mmに積層ラミネートし、未硬化の溶融粘度測定用の板状成形体を作成した。更に未硬化の試験シートおよびその積層体を170℃で1時間加熱して硬化させ、樹脂組成物からなる厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
(実施例3)
エポキシ樹脂(大日本インキ化学社製、YX−8000)24重量部、及び、エポキシ変性ポリブタジエン樹脂(日本曹達社製、「EPB−13)56重量部からなるエポキシ樹脂組成物80重量部、ジシアンジアミド(旭電化社製、アデカハードナーEH−3636)3.9重量部、変性イミダゾール(旭電化社製、アデカハードナーEH−3366)1.7重量部、層状珪酸塩としてトリオクチルメチルアンモニウム塩で有機化処理が施された合成ヘクトライト(コープケミカル社製、ルーセンタイトSTN)40重量部、並びに有機溶媒としてジメチルホルムアミド(和光純薬社製、特級)333重量部をビーカーに加え、撹拌機にて1時間撹拌した後、脱泡し、樹脂/層状珪酸塩溶液を得た。次いで、得られた樹脂/層状珪酸塩溶液をポリエチレンテレフタレートのシート上に塗布した状態で溶媒を除去した後、100℃で15分間加熱し、樹脂組成物からなる試験用シートの未硬化体を作成した。この試験用シートを厚さ1mmに積層ラミネートし、未硬化の溶融粘度測定用の板状成形体を作成した。更に未硬化の試験シートおよびその積層体を170℃で1時間加熱して硬化させ、樹脂組成物からなる厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
(実施例4)
エポキシ樹脂(大日本インキ社製、YX−8000)36重量部、及び、固形エポキシ樹脂(東都化成社製、YP−55)8重量部,及び、エポキシ変性ポリブタジエン樹脂(日本曹達社製、「EPB−13)36重量部からなるエポキシ樹脂組成物80重量部、ジシアンジアミド(旭電化社製、アデカハードナーEH−3636)2.9重量部、変性イミダゾール(旭電化社製、アデカハードナーEH−3366)1.3重量部、層状珪酸塩としてトリオクチルメチルアンモニウム塩で有機化処理が施された合成ヘクトライト(コープケミカル社製、ルーセンタイトSTN)40重量部、並びに有機溶媒としてジメチルホルムアミド(和光純薬社製、特級)333重量部をビーカーに加え、撹拌機にて1時間撹拌した後、脱泡し、樹脂/層状珪酸塩溶液を得た。次いで、得られた樹脂/層状珪酸塩溶液をポリエチレンテレフタレートのシート上に塗布した状態で溶媒を除去した後、100℃で15分間加熱し、樹脂組成物からなる試験用シートの未硬化体を作成した。この試験用シートを厚さ1mmに積層ラミネートし、未硬化の溶融粘度測定用の板状成形体を作成した。更に未硬化の試験シートおよびその積層体を170℃で1時間加熱して硬化させ、樹脂組成物からなる厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
(実施例5)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成社製、YD−8125)64重量、エポキシ変性ポリブタジエン樹脂(日本曹達社製、「EPB−13)16重量部からなるエポキシ樹脂組成物80重量部、ジシアンジアミド(旭電化社製、アデカハードナーEH−3636)2.5重量部、変性イミダゾール(旭電化社製、アデカハードナーEH−3366)1.1重量部、層状珪酸塩としてトリオクチルメチルアンモニウム塩で有機化処理が施された合成ヘクトライト(コープケミカル社製、ルーセンタイトSTN)20重量部、並びに有機溶媒としてジメチルホルムアミド(和光純薬社製、特級)250重量部をビーカーに加え、撹拌機にて1時間撹拌した後、脱泡し、樹脂/層状珪酸塩溶液を得た。次いで、得られた樹脂/層状珪酸塩溶液をポリエチレンテレフタレートのシート上に塗布した状態で溶媒を除去した後、100℃で15分間加熱し、樹脂組成物からなる試験用シートの未硬化体を作成した。この試験用シートを厚さ1mmに積層ラミネートし、未硬化の溶融粘度測定用の板状成形体を作成した。更に未硬化の試験シートおよびその積層体を170℃で1時間加熱して硬化させ、樹脂組成物からなる厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
(実施例6)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成社製、YD−8125)32重量、固形エポキシ樹脂(東都化成社製、「YP−55」16重量部及びエポキシ変性ポリブタジエン樹脂(日本曹達社製、「EPB−13」32重量部からなるエポキシ樹脂組成物80重量部、ジシアンジアミド(旭電化社製、アデカハードナーEH−3636)2.9重量部、変性イミダゾール(旭電化社製、アデカハードナーEH−3366)1.2重量部、層状珪酸塩としてトリオクチルメチルアンモニウム塩で有機化処理が施された合成ヘクトライト(コープケミカル社製、ルーセンタイトSTN)10重量部、並びに有機溶媒としてジメチルホルムアミド(和光純薬社製、特級)167重量部をビーカーに加え、撹拌機にて1時間撹拌した後、脱泡し、樹脂/層状珪酸塩溶液を得た。次いで、得られた樹脂/層状珪酸塩溶液をポリエチレンテレフタレートのシート上に塗布した状態で溶媒を除去した後、100℃で15分間加熱し、樹脂組成物からなる試験用シートの未硬化体を作成した。この試験用シートを厚さ1mmに積層ラミネートし、未硬化の溶融粘度測定用の板状成形体を作成した。更に未硬化の試験シートおよびその積層体を170℃で1時間加熱して硬化させ、樹脂組成物からなる厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
(比較例1)
合成ヘクトライト(コープケミカル社製、ルーセンタイトSTN)を配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物、及び、樹脂組成物からなる成形体を作製した。
(比較例2)
合成ヘクトライト(コープケミカル社製、ルーセンタイトSTN)を配合せず、合成シリカ(アドマテックス社製、アドマファインSO−E2)の添加量を180重量部にしたこと以外は実施例2と同様にして樹脂組成物、及び、樹脂組成物からなる成形体を作製した。
(比較例3)
合成ヘクトライト(コープケミカル社製、ルーセンタイトSTN)を配合しなかったこと以外は実施例3と同様にして樹脂組成物、及び、樹脂組成物からなる成形体を作製した。
(比較例4)
合成ヘクトライト(コープケミカル社製、ルーセンタイトSTN)を配合しなかったこと以外は実施例4と同様にして樹脂組成物、及び、樹脂組成物からなる成形体を作製した。
(比較例5)
合成ヘクトライト(コープケミカル社製、ルーセンタイトSTN)を配合しなかったこと以外は実施例5と同様にして樹脂組成物、及び、樹脂組成物からなる成形体を作製した。
(比較例6)
合成ヘクトライト(コープケミカル社製、ルーセンタイトSTN)を配合しなかったこと以外は実施例6と同様にして樹脂組成物、及び、樹脂組成物からなる成形体を作製した。
<評価>
実施例1〜6及び比較例1〜6で作製した板状成形体の性能を以下の項目について評価した。結果は表1及び2に示した。
(1)溶融粘度の測定
樹脂組成物の未硬化体によって作成された板状成形体を直径25mm、厚み1mmの円板状に裁断した試験片を、Rheometrics社製の粘弾性レオメーターRMS−800を用いて、
[1]周波数10rad/s、昇温速度5℃/minで60℃から250℃までの固体状態あるいは溶融状態における粘弾性挙動の測定を行い、動的粘度[Eta’]、複素粘度[Eta*]をそれぞれ下記式から求め、この温度範囲における溶融粘度の最小値を求めた

[2]温度120℃のもと周波数0.1rad/s〜100rad/sの範囲における粘弾性挙動の測定を行い、0.1rad/sならびに100rad/sにおける動的粘度[Eta’]、複素粘度[Eta*]をそれぞれ下記式から求めた。
Eta’=G’’/(測定周波数)
Eta*=(G2’+G’’2)0.5/(測定周波数)
(2)熱膨張係数の測定
硬化させた板状成形体を裁断して3mm×25mmにした試験片を、TMA(thermomechanical Analysis)装置(セイコー電子社製、TMA/SS
120C)を用いて、昇温速度5℃/分で昇温し、平均線膨張率の測定を行い、以下の項目について評価を行った。
・硬化物のガラス転移温度よりも10℃〜50℃高い温度での平均線膨張率(α2)
・硬化物のガラス転移温度よりも10℃〜50℃高い温度での平均線膨張率(α2)を、硬化物のガラス転移温度よりも50℃〜10℃低い温度での平均線膨張率(α1)で除して求めた平均線膨張率比(α2/α1)
(3)層状珪酸塩の平均層間距離
X線回折測定装置(リガク社製、RINT1100)を用いて、厚さ2mmの板状成形体中の層状珪酸塩の積層面の回折より得られる回折ピークの2θを測定し、下記のブラッグの回折式により、層状珪酸塩の(001)面間隔dを算出し、得られたdを平均層間距離(nm)とした。
λ=2dsinθ
上記式(5)中、λは測定波長0.154nmであり、θは回折角を表す。
(4)5層以下の積層体として分散している層状珪酸塩の割合
厚さ100μmの板状成形体を透過型電子顕微鏡により10万倍で観察し、一定面積中において観察できる層状珪酸塩の積層体の全層数X及び5層以下で分散している層状珪酸塩の層数Yを計測し、下記式(B)により5層以下の積層体として分散している層状珪酸塩の割合(%)を算出した。
5層以下の積層体として分散している割合(%)=(Y/X)×100 ・・・(B)
(5)吸水率の測定
厚さ100μmの板状成形体を30mm×50mmの短冊状にした試験片を作製し、150℃で5時間乾燥させた後の重さ(W1)を測定した。次いで、試験片を水に浸漬し、100℃の沸騰水中に1時間放置した後取り出し、ウエスで丁寧に拭き取った後の重さ(W2)を測定した。下記式により吸水率を求めた。
吸水率(%)={(W2−W1)/W1}×100
(6)形状追従性(埋込性)の評価
ライン/スペース=20/20で銅配線を形成したFR−4基板上に実施例及び比較例中で作成した厚さ40μmの試験用シートを120℃で熱ラミネートした。試験用シートをラミネートした基板を切断し、断面を走査型電子顕微鏡により、銅配線によって形成されている凹凸に対する試験用シートの形状追従性(埋込性)を観察した。評価は以下のように行った。
○:空隙なく凹凸に密着している。
×:銅配線や基板と試験シートとの間に空隙が見られる。
Figure 2005133055
Figure 2005133055

Claims (17)

  1. 熱硬化性樹脂及び/又は光硬化性樹脂100重量部と層状珪酸塩0.1〜100重量部とからなる樹脂組成物であり、温度と溶融粘度の関係において、60℃から250℃までの温度範囲における動的粘度(Eta’)の下限が1.0×103Pa・sであることを
    特徴とする樹脂組成物。
  2. 樹脂が軟化している温度領域の動的粘弾性試験での周波数と溶融粘度の関係において、0.1rad/sでの動的粘度(Eta’)の下限が1.0×104Pa・sであり、か
    つ、100rad/sでの動的粘度(Eta’)の上限が5.0×103Pa・sである
    ことを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 熱硬化性樹脂及び/又は光硬化性樹脂100重量部と層状珪酸塩0.1〜100重量部とからなる樹脂組成物であり、温度と溶融粘度の関係において、60℃から250℃までの温度範囲における複素粘度(Eta*)の下限が1.0×103Pa・sであることを特徴とする樹脂組成物。
  4. 樹脂が軟化している温度領域の動的粘弾性試験での周波数と溶融粘度の関係において、0.1rad/sでの複素粘度(Eta*)の下限が1.0×104Pa・sであり、かつ、100rad/sでの複素粘度(Eta*)の上限が5.0×103Pa・sであることを特徴とする請求項3に記載の樹脂組成物。
  5. 樹脂組成物から得られる硬化物のガラス転移温度よりも50℃低い温度から、ガラス転移温度よりも10℃低い温度までの平均線膨張率(α1)が7.0×10-5/℃以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 樹脂組成物から得られる硬化物のガラス転移温度よりも10℃高い温度から、ガラス転移温度よりも50℃高い温度までの平均線膨張率(α2)が1.5×10-4/℃以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 樹脂組成物から得られる硬化物のガラス転移温度よりも10℃高い温度から、ガラス転移温度よりも50℃高い温度までの平均線膨張率(α2)を、樹脂組成物から得られる硬化物のガラス転移温度よりも50℃低い温度から、ガラス転移温度よりも10℃低い温度までの平均線膨張率(α1)で除して求めた平均線膨張率比(α2/α1)が7.5以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 樹脂組成物から得られる硬化物吸水率が2%以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  9. 無機化合物が合計で1〜100重量部配合されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物。
  10. 無機化合物が層状珪酸塩であることを特徴とする請求項9に記載の樹脂組成物。
  11. 無機化合物の比表面積が50〜500m2/gであることを特徴とする請求項9に記載
    の樹脂組成物。
  12. 熱硬化性樹脂及び/又は光硬化性樹脂が、エポキシ系樹脂、熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、アクリル系樹脂及びメラミン樹脂からなる群から選択された少なくとも1種であることを特徴と
    する請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  13. 層状珪酸塩がモンモリロナイト、ヘクトライト、膨潤性マイカ及びバーミキュライトからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  14. 層状珪酸塩が、炭素数6以上のアルキルアンモニウムイオン、芳香族4級アンモニウムイオン及び複素環4級アンモニウムイオンからなる群から選択された少なくとも1種のイオンを含有することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  15. 広角X線回折測定法により測定した上記層状珪酸塩の(001)面の平均層間距離が3nm以上であり、かつ、一部又は全部の積層体が5層以下である層状珪酸塩が分散していることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の樹脂組成物を用いたことを特徴とする基板用材料。
  17. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の樹脂組成物を用いて形成されたことを特徴とする基板用フィルム。
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