JP2019014873A - 光造形用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】造形物において高温環境下での機械的物性を高くでき、且つ、造形時においては、粘度を十分に低くすることが可能な光造形用組成物を提供する。【解決手段】光造形用組成物は、光硬化性樹脂と、層状ケイ酸塩化合物と、を含む。層状ケイ酸塩化合物としては、マイカ、タルク、シリカ、及び、これらを組み合わせた混合物からなる群から選択するとよい。造形物の高温環境下において、貯蔵弾性率を2400MPa以上とすることができ、また、造形時において、粘度を1800mPa・s未満とすることが可能となる。【選択図】 なし

Description

本発明は、光硬化性樹脂に無機フィラーを含有させて、造形物の高温環境下での貯蔵弾性率を向上させると共に、造形時の粘度を低く抑えることが可能な光造形用組成物に関する。
光造形においては、造形テーブルを昇降自在に配置したビルトトレイ内に液状の光硬化性樹脂を充填し、この造形テーブルに沿って供給された光硬化性樹脂に光を照射することにより硬化させ、造形テーブルをZ方向(鉛直方向)に積層ピッチ分移動させて次の層の液状光硬化樹脂を硬化層の表面に流動供給し、以後同様の操作を繰り返して積層造形していく。
このような光造形としては、特許文献1に示されるように、造形テーブルを光硬化性樹脂の液面から積層ピッチ分降下(沈降)させることにより、硬化層の上面に光硬化性樹脂を流動供給して液状薄層を形成し、この薄層に対して光を照射させることで順次硬化層を形成する方式や、図1に示されるように、造形テーブル1をビルトトレイ2の底面から積層ピッチ分上昇させることにより、硬化層3の下面(硬化層3とビルトトレイ2との間の間隙)に光硬化性樹脂4を流動供給して液状薄層を形成し、この薄層に対して光(レーザ)を照射させることで順次硬化層を形成する方式等が考えられている。
上述した光造形に用いられる液状の光硬化性樹脂は、造形物の高温環境下での貯蔵弾性率等の機械的物性を向上させるためにフィラーを添加させるが、フィラーを添加すると、通常においては、機械的物性の向上効果に伴い造形材料自体の粘度も上昇してしまう。このため、上述したいずれの造形方式においても、造形テーブルをZ方向(鉛直方向)に積層ピッチ分移動させた際に光硬化性樹脂を硬化層の表面にスムーズに流動供給できなくなり(新たな液状層を形成できなくなり)、光造形材料としては使用できなくなる。
そこで、従来においては、高温環境下での機械的物性を高くしつつ光造形用組成物の粘度を比較的低くするために、特許文献2又は3に示される光造形用組成物が提案されている。
これは、液状光硬化性樹脂に、アミノシラン、エポキシシラン、アクリルシラン等のシランカップリング剤で処理されたものを配合して、高温時において高い機械的特性を持たせつつ、光造形用組成物の粘度を5000cps〜10000cpsの範囲としたり(特許文献2)、1000cps〜10000cpsの範囲としたりするものである(特許文献3)。
特開2008−248026号公報 特開平7−26060号公報 特開平7−26062号公報
しかしながら、造形時における光造形用組成物の粘度は、造形速度や造形精度を高める観点からは、できるだけ低くすることが望ましい。例えば、造形テーブルを数10μmの積層ピッチでZ方向に移動させた場合に、硬化層の表面に光造形用組成物をスムーズに流動供給させるためには、光造形用組成物の粘度は、1800mPa・s(1800cps)未満、より好ましくは1000mPa・s未満とすることが望ましい。このため、従来の光造形用組成物では、必ずしも十分に低い粘度が得られるものではなかった。
本発明は、係る事情に鑑みてなされたものであり、造形物において高温環境下での機械的物性を高くでき、且つ、造形時において、十分に低い粘度が得られる光造形用組成物を提供することを主たる課題としている。
本発明者は、造形物の高温環境下での機械的物性の向上と、造形時における光造形用組成物の低粘度化という二律背反の要請を満たすために、光硬化性樹脂にフィラーを添加させた組成物の諸特性について鋭意研究を重ねた結果、光硬化性樹脂に、所定の無機フィラーを配合したところ、造形物の高温環境下での機械的特性が向上する一方、造形時の組成物の粘度が予想を超えて著しく低下することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる光造形用組成物は、光硬化性樹脂と、層状ケイ酸塩化合物と、を含むことを特徴としている。
ここで、層状ケイ酸塩化合物は、マイカ、タルク、シリカ、及び、これらの混合物からなる群から選択されるものであることが望ましい。
このような層状ケイ酸塩化合物を用いれば、20℃での粘度を1800mPa・s未満とし、且つ、150℃での貯蔵弾性率を2400MPa以上にすることが可能となる。
以上述べたように、本発明に係る光造形用組成物を用いれば、造形物の高温環境下での機械的物性を高くしつつ、造形時においては、十分に低い粘度にすることが可能となり、造形テーブルをZ方向(鉛直方向)に積層ピッチ分移動させた際に、新たな液状層を迅速に形成することが可能となる。
図1は、既存の光造形用装置の一例を示す概念図である。
本実施例に係る光造形用組成物は、液状の光硬化性樹脂と、層状ケイ酸塩化合物とを配合したものである。
(光硬化性樹脂)
ベースレジンとなる液状の光硬化性樹脂としては、エポキシ系の光硬化性樹脂又はアクリル系の光硬化性樹脂を用いることができる。中でもアクリル系の光硬化性樹脂を用いることが好ましい。
エポキシ系の光硬化性樹脂としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、トリメチルカプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、β−メチル−δ−バレロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシシクロへキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシシクロヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種又は2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類;脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル類;脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル類;フェノール、クレゾール、ブチルフェノール又はアルキレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル類;高級脂肪酸のグリシジルエステル類等のエポキシ系モノマーが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。また、これらを重合したオリゴマーやポリマーを使用してもよい。
アクリル系光硬化性樹脂としては、例えば、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジンクロペンタニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、プロピレングリコールアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ビス(オキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジアクリレート、ビス(オキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタクリレート、ビス(オキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカンジメタクリレート、ビス(オキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカンジメタクリレート、2,2−ビス(4−(アクリルオキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタクリルオキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3,8−ジイルジメチルジアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3,8−ジイルジメチルジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネートトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリメタクリレート等のアクリル系モノマーが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。また、これらを重合したオリゴマーやポリマーを使用してもよい。
光硬化性樹脂の実際の製品としては、例えば、ディーメック社のSCR712X、SCR735、SCR737、SCR780、SCR785、SCR955、KC1281、シーフォース社のDWS用樹脂であるDL360、シーメット社のTSR−883W、TSR−884B、TSR−832、DMS社のSomos NanoToolなどが挙げられる。
光硬化性樹脂の含有量は、光造形用組成物の全質量に対して、75質量%〜95質量%が好ましく、78質量%〜90質量%がより好ましい。
(層状ケイ酸塩化合物)
層状ケイ酸塩化合物は、ケイ酸塩化合物のうち、板状の結晶が層状になった粒子、又は、層が剥がれて板状になった粒子であり、例えば、マイカ、タルク、シリカ、モンモリロナイト、ベントナイト、有機ベントナイト、ヘクトライト、バイデライト、バーミキュライト、サポナイト、ノントロナイト、ボルコンスコアイト、マガタイト、ケニアイト、セリサイト、カオリナイト、ハロイサイト、ディッカイト、ナクライト、アロフェン、イモゴライト、パイロフィライト、スメクタイト、クロライト、サーペンティン、セピオライトおよびパリゴルスカイト等があげられる。このうち、マイカ、タルク、シリカ、及び、これらを適宜組み合わせた混合物からなる群から選択されたものが好ましい。
球状のシリカや球状のシリコーン樹脂など球状の粒子であって粒子中に層と層の境界が無いものは除外される。また、ウォラストナイトのような針状のものも除外される。
層状ケイ酸塩化合物は、粒子径が1μm〜200μmであることが好ましく、4μm〜50μmであることがより好ましく、5μm〜30μmであることがさらに好ましい。
層状ケイ酸塩化合物の粒子径が1μm以上であると、光造形用組成物の粘度が高くなりすぎることを抑制する点で有利である。一方、層状ケイ酸塩化合物の粒子径が200μm以下であると、造形物の1層あたりの厚みを薄くする点で有利である。
層状ケイ酸塩化合物は、粒子のアスペクト比が5〜100であることが好ましく、20〜90であることがより好ましい。
アスペクト比が上記範囲内であると、造形物の高温環境下における機械的物性を高くしつつ、光造形用組成物の粘度が高くなりすぎることを抑制する点で有利である。
層状ケイ酸塩化合物の含有量は、光造形用組成物の全質量に対して、5質量%〜25質量%が好ましく、10質量%〜22質量%がより好ましい。
層状ケイ酸塩化合物の含有量が5質量%以上であると、造形物の高温環境下における機械的物性を高くする点で有利である。一方、層状ケイ酸塩化合物の含有量が25質量%以下であると、光造形用組成物の粘度が高くなりすぎることを抑制する点で有利である。
(光重合開始剤)
光造形用組成物は、光重合開始剤を含んでいてもよい。
光重合開始剤は、光を吸収して重合開始種(例えば、ラジカル、カチオン)を生成する化合物である。
光重合開始剤としては、公知の化合物を使用することができる。光重合開始剤の例としては、芳香族ケトン類等のカルボニル化合物、アシルホスフィンオキシド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物、オキシムエステル化合物、アゾ化合物、アルキルアミン化合物、オニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、およびピリジニウム塩等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、光重合開始剤は、光硬化性樹脂と別々に添加してもよく、例えば、光重合開始剤を含む光硬化性樹脂として市販されているものであれば、光硬化性樹脂と光重合開始剤を同時に添加してもよい。
(光造形用組成物の製造方法)
光造形用組成物を製造するためには、液状の光硬化性樹脂に層状ケイ素塩化合物を粉粒状の形態で機械的に混合させるとよい。例えば、タンブラー、リボンミキサー、ヘンシェルミキサー等の混合装置を用いて行っても、容器内に液状の光硬化性樹脂と粉状体の層状ケイ素塩化合物を入れて手動で攪拌、振動等を行って均一に混ぜてもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例においては、光硬化性樹脂として、アクリル系光硬化性樹脂を用いた場合について説明する。
[光造形用組成物の評価方法]
光造形用組成物の物性を測定するにあたり、光硬化性樹脂に各種層状ケイ酸塩化合物を配合させた組成物について、造形時の環境下である20℃の環境下で粘度(mPa・s)を測定し、また、それぞれの組成物を用いて造形した後に150℃の大気雰囲気で貯蔵弾性率を測定した。同様に、板状ケイ酸塩化合物でないフィラーを配合させた場合においても、20℃の環境下で粘度(mPa・s)を測定し、また、それぞれの組成物を用いて造形した後に150℃の大気雰囲気で貯蔵弾性率を測定した。
それぞれのフィラーに対して同じ条件にて粘度と貯蔵弾性率を測定するために、同じ光硬化性樹脂に対してフィラー含有量をほぼ20質量%とした。
<粘度の測定方法>
測定機種:回転粘度計 TV−22形粘度計 コーンプレートタイプ(東機産業(株)製)
測定方式:コーンロータとプレートとの間に試料を満たし、所定の回転速度における抵抗値を計測することで試料の粘度を測定した。
測定条件:コーン回転数 2.5rpm
数値読取条件 回転を始めてから90sec経過し、数値が安定していること
温度条件 20.0℃
<貯蔵弾性率の測定方法>
測定機種:固体粘弾性測定装置DMA Q800(TA Instrument製)
測定方式:3点曲げモードで、試料に周期的(Sinカーブ、1Hz)に変化する歪を与え、その時の変位量と負荷を計測することで貯蔵弾性率を算出した。
測定条件:試料形状 14.0mm×3.0mm×1.0mmt
温度条件 150℃
雰囲気 大気雰囲気
上記測定方法で得られた粘度と貯蔵弾性率に基づき、以下の基準によって評価した。
まず、造形速度や造形精度を高める観点から、造形時の環境下では、粘度はできるだけ低いことが望ましい。このため、造形テーブルを積層ピッチである数10μm降下(沈降)、又は、上昇させた場合において、硬化層の表面(上面または下面)に光造形用組成物をスムーズに流動供給させて均一な厚みの液状層を形成できるようにするために、造形時の環境下である20℃での粘度が1800mPa・s未満となることを適合条件とした。なお、粘度は、500mPa・s未満をA、500mPa・s以上1000mPa・s未満をB、1000mPa・s以上1800未満mPa・sをC、1800以上mPa・sをDとして評価した。
次に、それぞれの光造形用組成物を用いて造形した造形物が高温下(150℃下)で実用上問題がない機械的物性を備える必要があることから、造形物の150℃での貯蔵弾性率が、2400MPa以上であることを適合条件とした。なお、貯蔵弾性率は、3200MPa以上をA、2800MPa以上3200MPa未満をB、2400MPa以上2800MPa未満をC、2400MPa未満をDとして評価した。
評価結果は、Aを優、Dを劣として、粘度および貯蔵弾性率の劣る方を結果として採用し、造形時の光造形用組成物の20℃での粘度が1800mPa・s未満であり、且つ、造形物の150℃での貯蔵弾性率が2400MPa以上である場合(評価結果がA、B又はCである場合)を合格とし、粘度が1800mPa・s以上か、貯蔵弾性率が2400MPa未満であるか、又はその両方である場合(評価がDの場合)を不合格とした。
以上の評価をフィラーとして層状ケイ酸塩化合物を用いた光造形用組成物(実施例1〜5)と、フィラーとして層状ケイ酸塩化合物以外のフィラーを用いた光造形用組成物(比較例1〜3)に対して行った結果を表1に示す。
なお、下記表1におけるアクリル系光硬化性樹脂は、アクリル系モノマーを60質量%、光重合開始剤を5質量%、その他の成分を35質量%含む樹脂組成物である。
Figure 2019014873
表1中のフィラーの種類は、以下の通りである。
SJ−005:白雲母(マスコバイト MUSCOVITE)、平均粒子サイズ5μm、平均アスペクト比20:株式会社ヤマグチマイカ製
SJ−010:白雲母(マスコバイト MUSCOVITE)、平均粒子サイズ10μm、平均アスペクト比20;株式会社ヤマグチマイカ製
SYA−21R:白雲母(マスコバイト MUSCOVITE)、平均粒子サイズ27μm、平均アスペクト比90;株式会社ヤマグチマイカ製
FH105: タルク 平均粒子サイズ5μm;富士タルク工業株式会社製
SUNLOVELY:シリカ微粒子、平均粒子径4.1μm;AGCエスアイテック株式会社製
ウォラストナイトKGP−H40:ウォラストナイト、平均粒子径3.8μm;株式会社丸東製
AEROSIL200:シリカ、平均粒子径0.007μm;日本アエロジル社製
TOSPEARL145:シリコーン樹脂、平均粒子径4.5μm;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製
(評価)
表1から分かるように、層状ケイ酸塩化合物であるマイカ、タルク、シリカは、光硬化性樹脂のフィラーとして用いると、高温化での機械的物性(貯蔵弾性率)を2400MPa以上に高めることができ、また、造形時の粘度を1800mPa・s未満に低くできることが確認できた。
特に、マイカやタルクにあっては、粘度を1000mPa・s未満にすることができ、マイカにあっては、粒子径が大きくなるほど粘度が低下する傾向が見られた。
これに対して、針状粒子のウォラストナイトや球状粒子のシリコーン樹脂にあっては、粘度は十分に低くなるが、高温時の機械的物性(貯蔵弾性率)を規定値以上に高めることができなかった。また、球状粒子のシリカにあっては、光造形用組成物の粘度が異常に高くなり、造形不能により貯蔵弾性率の測定ができないものであった。

Claims (3)

  1. 光硬化性樹脂と、層状ケイ酸塩化合物と、を含むことを特徴とする光造形用組成物。
  2. 層状ケイ酸塩化合物は、マイカ、タルク、シリカ、及び、これらを組み合わせた混合物からなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項1記載の光造形用組成物。
  3. 20℃での粘度が1800mPa・s未満であり、且つ、150℃での貯蔵弾性率が2400MPa以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の光造形用組成物。
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