JP2002294075A - 高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物 - Google Patents
高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物Info
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Abstract
晒される条件下でも耐候性、耐トラッキング性等の電気
特性に優れると共に、硬化物の機械的物性にも優れた高
電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物を提供する。 【解決手段】(A)下記平均組成式(1) RnSiO(4-n)/2 (1) (但し、式中Rは同一又は異種の非置換又は置換の1価
炭化水素基であり、nは1.98〜2.02の正数であ
る。)で示されるオルガノポリシロキサン 100重量
部 (B)シリカ微粉末 1〜100重量部 (C)不飽和基を有するケイ素含有化合物及び不飽和基
を有さないケイ素含有化合物により表面処理された、平
均粒子径が1.5〜5.0μmのアルミニウム水酸化物
50〜300重量部 (D)有機過酸化物 0.01〜10重量部 を含有する高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物で
ある。
Description
電圧電気絶縁体となるシリコーンゴムを与える高電圧電
気絶縁体用シリコーンゴム組成物に関する。
子に使用される高電圧電気絶縁体は、一般に磁器製又は
ガラス製であるが、海岸沿いの地域や工業地帯のように
汚染を受けやすい環境下では、高電圧電気絶縁体の表面
を微粒子や塩類、霧等が通ることにより、漏れ電流が発
生したり、フラッシュオーバーにつながるドライバンド
放電等が起こるという問題があった。
の欠点を改良するために、各種のポリオルガノシロキサ
ン系の高電圧電気絶縁体が提案されている。
縁体材料は、耐トラッキング性や耐アーク性の向上のた
めに一般にアルミニウム水酸化物を含有するものである
が、アルミニウム水酸化物自身の吸湿性により湿潤状態
での電気特性が低下したり、耐コロナ特性が低下すると
いう問題がある。そこで、シラザン類などで表面処理し
たアルミニウム水酸化物を配合する方法(特開平8−2
59820号公報)、アルケニル基を有するシランなど
で表面処理したアルミニウム水酸化物を配合する方法
(特開平9−208828号公報)、各種オルガノシラ
ンで表面処理したアルミニウム水酸化物を配合する方法
(特開平9−316337号公報)、ケイ素含有化合物
で表面処理した異なる平均粒子径を有する2種類以上の
アルミニウム水酸化物を配合する方法(特開2000−
38511号公報)が提案されている。
化物の吸湿による電気特性の低下という問題は解決でき
るものの、組成物の引張強さが弱く、伸びが小さいとい
う欠点があり、例えばCV差込端末拡径方式での作業性
を満足できないという問題があった。
で、加熱硬化後に過酷な大気汚染あるいは気候に晒され
る条件下でも耐候性、耐トラッキング性等の電気特性に
優れると共に、硬化物の機械的物性にも優れた高電圧電
気絶縁体用シリコーンゴム組成物を提供することを目的
とする。
検討を重ねた結果、アルミニウム水酸化物として、特定
のオルガノシランで表面処理された、特定の平均粒子径
を有するものの使用が極めて有効であることを見出し、
本発明を完成するに至った。
炭化水素基であり、nは1.98〜2.02の正数であ
る。)で示されるオルガノポリシロキサン 100重量
部 (B)シリカ微粉末 1〜100重量部 (C)不飽和基を有するケイ素含有化合物及び不飽和基
を有さないケイ素含有化合物により表面処理された、平
均粒子径が1.5〜5.0μmのアルミニウム水酸化物
50〜300重量部 (D)有機過酸化物 0.01〜10重量部 を含有してなることを特徴とする高電圧電気絶縁体用シ
リコーンゴム組成物である。
する。本発明の高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成
物の第一必須成分である(A)オルガノポリシロキサン
は、下記平均組成式(1)で示されるものである。
化水素基であり、nは1.98〜2.02の正数であ
る。
ル%、特に0.01〜0.05モル%がアルケニル基で
あることが好ましく、残りのRはメチル基又はフェニル
基であることが好ましく、この場合、全R基のうち95
モル%以上、特に99.95モル%以上がメチル基であ
ることが好ましい。
しては、その分子構造は別に限定されないが、特にその
分子鎖末端がトリメチルシリル基、ジメチルビニルシリ
ル基、ジビニルメチルシリル基、トリビニルシリル基等
のトリオルガノシリル基等で封鎖されたものが好まし
い。また、分子主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り
返しから基本的になる直鎖状のジオルガノポリシロキサ
ンであることが好ましいが、分子中にモノオルガノシロ
キサン単位やSiO2単位等の分岐状シロキサン単位を
少量含んだものであってもよく、また分子構造の異なる
1種又は2種以上の混合物であってもよい。
度(又は分子中のケイ素原子の数)が100〜100,
000、特に4,000〜20,000であることが好
ましい。
(B)成分のシリカ微粉末は、機械的強度の優れたシリ
コーンゴムを得るために必須とされるものであるが、こ
の目的のためには比表面積(BET法)が50m2/g
以上、通常50〜500m2/g、特に100〜300
m2/gであることが好ましい。比表面積が50m2/g
に満たないと硬化物の機械的強度が低下してしまう場合
がある。
煙霧質シリカ、沈降性シリカ及びこれらの表面をオルガ
ノクロルシラン、オルガノアルコキシシラン、オルガノ
シラザン、ジオルガノシクロポリシロキサン、1,3−
ジシロキサンジオール等で処理された疎水性シリカ等が
挙げられる。
分のオルガノポリシロキサン100部(重量部、以下同
じ)に対し1〜100部、特に30〜50部とすること
が好ましく、1部未満では添加量が少なすぎて補強効果
が得られない場合があり、100部を超えると加工性が
悪く、得られたシリコーンゴムの機械的強度が低下する
場合がある。
素含有化合物で表面処理されたアルミニウム水酸化物を
配合する。このアルミニウム水酸化物は、基本的に下記
の組成式で表されるものである。
1.5〜5.0μmの上記表面処理されたアルミニウム
水酸化物を用いることにより、特に耐コロナ特性を改善
し、シリコーンゴムの耐アーク性、耐トラッキング性を
改善でき且つ拡径方式での作業性の良いシリコーンゴム
を与えることができるもので、この(C)成分は本発明
組成物において必須のものである。
光回折法等の分析手段を使用した粒度分布計により、重
量平均値(メジアン径)等として求めることができる。
て、不飽和基を有するケイ素含有化合物及び不飽和基を
有さないケイ素含有化合物の双方により表面処理された
ものを用いることが必須条件である。ここで、アルミニ
ウム水酸化物のケイ素含有化合物による表面処理は、ア
ルミニウム水酸化物に疎水性を持たせるために必要な処
理であり、その表面処理方法に特に制限はなく、通常の
方法で行うことができる。
合物としては、例えばビニルトリアルコキシシラン等の
オルガノアルコキシシラン、テトラメチルジビニルジシ
ラザン、テトラビニルジメチルジシラザン、ヘキサビニ
ルジシラザン等のヘキサオルガノジシラザン、ヘキサメ
チルジビニルトリシラザン等のオクタオルガノトリシラ
ザン等が挙げられる。また、不飽和基を有さないケイ素
含有化合物としては、トリメトキシシラン、トリエトキ
シシラン等のオルガノアルコキシシラン等が挙げられ
る。
水酸化物表面にビニル基等の不飽和基が存在することに
よって耐コロナ性が改善されるのみならず、耐パワーア
ーク特性、耐水性、電気特性等のポリマー碍子として必
要な特性を向上させることができる。ここで、不飽和基
を有するケイ素含有化合物と不飽和基を有さないケイ素
含有化合物との併用比率は、1:99〜99:1さらに
好ましくは5:95〜90:10である。不飽和基を有
するケイ素含有化合物単体で処理した場合伸びがでなく
なり、不飽和基を有さないケイ素含有化合物単体で処理
した場合は引っ張り強度が弱くなる。
有するケイ素含有化合物と不飽和基を有さないケイ素含
有化合物の量はアルミニウム水酸化物100重量部あた
り0.2〜5重量部である。0.2重量部より少ないと
耐パワーアーク特性、耐水性、電気特性等のポリマー碍
子として必要な特性が得られず、5重量部より多いと成
形性がおちる。
含有化合物で表面処理されたアルミニウム水酸化物を用
いても良く、また、材料配合時にアルミニウム水酸化物
と共に不飽和基を有するケイ素含有化合物と不飽和基を
有さないケイ素含有化合物とを併用配合し混練する方法
で、アルミニウム水酸化物を表面処理する手法をとって
もよい。
上記の通り、平均粒子径が1.5〜5.0μmであるこ
とが必要であり、特に粒子径1.0μm以下のものが2
0重量%以下、粒子径5.0μm以上のものが20重量
%以下の粒子分布を持つものが望ましい。粒子径1.0
μm以下のものが20%以上の場合、規定添加量ができ
なくなり耐アーク性が落ちる場合がある。粒子径5.0
μm以上のものが20%以上の場合、補強性が落ちる可
能性がある。
ガノポリシロキサン100部に対して50〜300部、
特に100〜200部の範囲が好ましい。配合量が50
部未満では、硬化後の組成物が必要な耐アーク性や耐ト
ラッキング性を得られない場合があり、300部を超え
ると組成物への添加が困難となり、加工性も悪くなる場
合がある。
公知のものを使用することができ、例えばベンゾイルパ
ーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサ
イド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、o−メチ
ルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオ
キサイド、2,5−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーベンゾエート、1,1−ビス(t−
ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サン、1,6−ビス(t−ブチルパーオキシカルボキ
シ)ヘキサン等が挙げられる。
ルガノポリシロキサン100部に対して0.01〜10
部、あるいはシリコーンゴム組成物中において0.01
〜3重量%とすることがよい。
上記必須成分に加え、必要に応じ任意成分として増量剤
としての粉砕石英、珪藻土、炭酸カルシウムなどの充填
剤を本発明の効果を妨げない範囲で添加してもよい。
燃化剤、耐火性向上剤、増感剤、着色剤、耐熱向上剤、
還元剤等の各種添加剤や反応抑制剤、離型剤あるいは充
填剤用分散剤などを添加することができる。なお、この
充填剤用分散剤として使用される各種アルコキシシラ
ン、カーボンファンクショナルシラン、シラノール基含
有低分子シロキサンなどは、本発明の効果を損なわない
ように最小限の添加量にとどめることが好ましい。
記した成分を二本ロール、バンバリーミキサー、ドウミ
キサー(ニーダー)などのゴム混練り機を用いて均一に
混合して、必要に応じて加熱処理を施すことにより得る
ことができる。この場合、例えば(A)成分のオルガノ
ポリシロキサン、(B)成分のシリカ微粉末等を予め混
合してベースコンパウンドを調製しておき、これに任意
成分を混合しても差し支えない。
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。 実施例1 ジメチルシロキサン単位99.975モル%、ジメチル
ビニルシロキシ単位0.025モル%からなり、平均重
合度が約6,000であるゴム状オルガノポリシロキサ
ン100部に、分散剤として末端シラノール基ジメチル
ポリシロキサン(平均重合度6)3部、ジメチルジクロ
ロシラン処理された比表面積が200m 2/gであるフ
ュームドシリカ(日本エアロジル(株)製R976)4
0部を均一になるまで混合し、さらに160℃で1時間
加熱処理した後、平均粒子径が2.5μmの水酸化アル
ミニウム(住友化学工業(株)製、C-303)150
部、トリメトキシシラン1.5部、ビニルテトラエトキ
シシラン0.2部を添加し、室温で1時間混練りした
後、コンパウンドを調製した。
ス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサンの50%
ペースト(GE東芝シリコーン(株)製、TC-8)
0.5部を添加し、二本ロールにて均一に分散させた
後、170℃にて10分間プレスキュアーさせ、2mm
及び1mmのシリコーンゴムシートを得た。 実施例2 実施例1において、トリメトキシシランの添加量を1.
0部、ビニルテトラエトキシシランの添加量を0.7部
とした以外は同様にしてコンパウンドを調製し、シリコ
ーンゴムシートを得た。 実施例3 実施例1において、トリメトキシシランの添加量を0.
7部、ビニルテトラエトキシシランの添加量を1.0部
とした以外は同様にしてコンパウンドを調製し、シリコ
ーンゴムシートを得た。 比較例1 実施例1において、ビニルテトラエトキシシランのみを
1.7部添加した以外は同様にしてコンパウンドを調製
し、シリコーンゴムシートを得た。 比較例2 実施例1において、トリメトキシシランのみを1.7部
添加した以外は同様にしてコンパウンドを調製し、シリ
コーンゴムシートを得た。 比較例3 実施例1において、トリメトキシシラン1.5部及びビ
ニルテトラエトキシシラン0.2部に代えてメチルビニ
ルシロキサン1.7部(ビニル基量:10重量%)を添
加した以外は同様にしてコンパウンドを調製し、シリコ
ーンゴムシートを得た。 比較例4 実施例1において、トリメトキシシラン1.5部及びビ
ニルテトラエトキシシラン0.2部を配合しない以外は
同様にしてコンパウンドを調製し、シリコーンゴムシー
トを得た。 比較例5 実施例1において、水酸化アルミニウムとして平均粒子
径が8.0μmの水酸化アルミニウム(昭和電工(株)
製、H32)150部を用い、トリメトキシシラン1.
5部及びビニルテトラエトキシシラン0.2部を配合し
ない以外は同様にしてコンパウンドを調製し、シリコー
ンゴムシートを得た。 比較例6 実施例1において、水酸化アルミニウムとして平均粒子
径が1.0μmであり、表面がビニルシラン処理された
水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製、ハイジライト
H42)150部を用い、トリメトキシシラン1.5部
及びビニルテトラエトキシシラン0.2部を配合しない
以外は同様にしてコンパウンドを調製したが、混練りで
きなかった。 比較例7 実施例1において、水酸化アルミニウムとして平均粒子
径が1.0μmであり、表面がビニルシラン処理された
水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製、ハイジライト
H42)100部を用い、トリメトキシシラン1.5部
及びビニルテトラエトキシシラン0.2部を配合しない
以外は同様にしてコンパウンドを調製し、シリコーンゴ
ムシートを得た。 比較例8 実施例1において、平均粒子径が8μmであり、表面が
ビニルシラン処理された水酸化アルミニウム(昭和電工
(株)製、ハイジライトH32STV)75部、平均粒
子径が1μmであり、表面がビニルシラン処理された水
酸化アルミニウム(昭和電工(株)製、ハイジライトH
42STV)75部を用い、トリメトキシシラン1.5
部及びビニルテトラエトキシシラン0.2部を配合しな
い以外は同様にしてコンパウンドを調製し、シリコーン
ゴムシートを得た。
ンゴムシートを下記方法で評価した。結果を表1に示
す。 ゴム物性:JIS K6301に準じてゴム物性(硬
さ、引裂き強さ、伸び)を測定した。
て、荷電圧4kV、電極間距離50mmの間に、塩化ア
ンモニウム0.1%とノニオン性界面活性剤0.02%
の水溶液を、滴下速度0.6ml/minで上部電極か
ら滴下して、トラッキングが発生して導通するまでの時
間と、滴下によって生ずる侵食による重量減少を測定し
た。
組成物(実施例1〜3)は、耐トラッキング性を損なわ
ず、且つ優れた機械特性を示した。
Claims (2)
- 【請求項1】(A)下記平均組成式(1) RnSiO(4-n)/2 (1) (但し、式中Rは同一又は異種の非置換又は置換の1価
炭化水素基であり、nは1.98〜2.02の正数であ
る。)で示されるオルガノポリシロキサン 100重量
部 (B)シリカ微粉末 1〜100重量部 (C)不飽和基を有するケイ素含有化合物及び不飽和基
を有さないケイ素含有化合物により表面処理された、平
均粒子径が1.5〜5.0μmのアルミニウム水酸化物
50〜300重量部 (D)有機過酸化物 0.01〜10重量部 を含有してなることを特徴とする高電圧電気絶縁体用シ
リコーンゴム組成物。 - 【請求項2】 (C)成分のアルミニウム水酸化物が、
粒子径1.0μm以下のものが20重量%以下、粒子径
5.0μm以上のものが20重量%以下の粒子分布を持
つものである請求項1記載の高電圧電気絶縁体用シリコ
ーンゴム組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001099352A JP2002294075A (ja) | 2001-03-30 | 2001-03-30 | 高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001099352A JP2002294075A (ja) | 2001-03-30 | 2001-03-30 | 高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物 |
Publications (1)
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JP2001099352A Pending JP2002294075A (ja) | 2001-03-30 | 2001-03-30 | 高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2002294075A (ja) |
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