JPH10273596A - 高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物及びポリマー碍子 - Google Patents

高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物及びポリマー碍子

Info

Publication number
JPH10273596A
JPH10273596A JP2665498A JP2665498A JPH10273596A JP H10273596 A JPH10273596 A JP H10273596A JP 2665498 A JP2665498 A JP 2665498A JP 2665498 A JP2665498 A JP 2665498A JP H10273596 A JPH10273596 A JP H10273596A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicone rubber
aluminum hydroxide
weight
voltage electrical
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2665498A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4334632B2 (ja
Inventor
Shiyuuichi Azechi
秀一 畔地
Noriyuki Meguriya
典行 廻谷
Susumu Sekiguchi
晋 関口
Takeo Yoshida
武男 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP02665498A priority Critical patent/JP4334632B2/ja
Publication of JPH10273596A publication Critical patent/JPH10273596A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4334632B2 publication Critical patent/JP4334632B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (イ)有機過酸化物硬化型又は付加硬化
型のオルガノポリシロキサン組成物100重量部、
(ロ)シリカ微粉末1〜100重量部、(ハ)水溶性N
aイオン含有量が0.01重量%以下であり、30重量
%水スラリーが6.5≦pH≦8.0でかつ電気電導度
50μs/cm以下である水酸化アルミニウム、好まし
くは疎水化処理したもの30〜500重量部を含有して
なることを特徴とする高電圧電気絶縁体用シリコーンゴ
ム組成物。 【効果】 本発明の高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム
組成物は、過酷な大気汚染、塩害あるいは気候に晒され
た条件下でも、耐吸水性、耐電気特性、耐候性、撥水
性、防汚性、耐電圧性、耐トラッキング性、耐アーク
性、耐エロージョン性等の高電圧電気特性に優れたシリ
コーンゴムを与え、このシリコーンゴムは碍子等の高電
圧電気絶縁体として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低吸水率で優れた
電気特性を有する加熱硬化型シリコーンゴムを与える高
電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物並びに該シリコ
ーンゴム組成物をプラスチック製コアの外周に被覆、硬
化させてなるポリマー碍子に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】送・配
電線等に用いる碍子、変電所等に用いる碍管に使用され
る高電圧電気絶縁体は、一般に磁器製又はガラス製であ
る。しかし、これらは重量が重く又壊れ易い欠点があっ
た。更に海岸沿いの地域や工業地帯のように汚染を受け
易い環境下では、絶縁体の表面を微粒子や塩類、塵等が
付着することにより、漏れ電流が発生したり、フラッシ
ュオーバーにつながるドライバンド放電等が起こり易い
という問題があった。
【0003】そこで、これらの磁器製又はガラス製の絶
縁体の欠点を改良するために従来より種々の解決法が提
案されている。例えば、米国特許第3511698号公
報には、硬化性樹脂からなる部材と白金触媒含有オルガ
ノポリシロキサンエラストマーとからなる耐候性の高電
圧電気絶縁体が提案されている。また、特開昭59−1
98604号公報には、一液性の室温硬化性オルガノポ
リシロキサン組成物をガラス製又は磁器製の電気絶縁体
の外側表面に塗布することにより、湿気、大気汚染、紫
外線等の野外におけるストレスの存在下においても前記
電気絶縁体の有する高性能を維持させる技術が提案され
ている。
【0004】更に、特公昭53−35982号公報、米
国特許第3965065号公報及び特開平4−2096
55号公報には、加熱硬化によりシリコーンゴムとなる
オルガノポリシロキサンとアルミニウム水和物との混合
物を100℃よりも高い温度で30分以上加熱すること
によって、電気絶縁性が改良されたシリコーン組成物が
得られることが提案され、また特開平7−57574号
公報には、シリコーンゴムにメチルアルキルポリシロキ
サン油を配合することにより、経時での接触角回復特性
が得られ、閃絡防止に効果があることが提案されてい
る。
【0005】しかしながら、上述の従来技術では、いず
れも使用されているシリコーンゴム材料の高電圧電気特
性能が不十分であり、かつ電気絶縁性能を向上するため
に多量のアルミニウム水酸化物を使用しなければなら
ず、そのためゴムの機械的強度が弱くなるという欠点が
生じる。更に長時間の暴露試験では汚れが付き易くな
り、それが原因で破壊に至る可能性もある。
【0006】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
加熱硬化後に過酷な大気汚染あるいは気候に晒される条
件下での耐候性、耐電圧性、耐トラッキング性、耐アー
ク性及び耐エロージョン性等の高電圧電気絶縁特性に優
れたシリコーンゴムを与える高電圧電気絶縁体用シリコ
ーンゴム組成物並びにガラス繊維強化プラスチックなど
の熱可塑性樹脂製のコアの外周に、該シリコーンゴム組
成物を被覆、硬化させてなる碍子、碍管等の形状に成形
された高電圧電気絶縁体(いわゆるポリマー碍子)を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、有機過酸化物硬化型又は付加硬化型のオルガノポリ
シロキサン組成物に、シリカ微粉末と、水溶性Naイオ
ン含有量が0.01重量%以下であり、30重量%水ス
ラリーが6.5≦pH≦8.0でかつ電気電導度50μ
s/cm以下である水酸化アルミニウムとを添加するこ
とにより、低吸水性、特に浸水後の電気特性に優れ、ま
た耐候性、耐電圧性、耐トラッキング性、耐エロージョ
ン性、耐アーク性等の高電圧電気絶縁特性に優れたシリ
コーンゴムを与えるシリコーンゴム組成物が得られるこ
とを知見した。またこの場合、このような高純度の水酸
化アルミニウムを表面に疎水性を与える表面処理剤で疎
水化処理を施した水酸化アルミニウムを添加することに
より、上記効果がより顕著に発揮されることを知見し
た。即ち、水酸化アルミニウムは、元来製造工程上から
くるイオン成分、特に水溶性のNaイオンを含有してお
り、このNaイオンが電気特性に悪影響を及ぼしている
ことを見出すと共に、このイオン成分を除去し、上記性
状とした水酸化アルミニウム、特に上記のように疎水化
処理を施した水酸化アルミニウムを用いることにより、
本発明の目的を効果的に達成したものである。
【0008】従って、本発明は、(イ)有機過酸化物硬
化型又は付加硬化型のオルガノポリシロキサン組成物1
00重量部、(ロ)シリカ微粉末
1〜100重量部、(ハ)水溶性Na
イオン含有量が0.01重量%以下であり、30重量%
水スラリーが6.5≦pH≦8.0でかつ電気電導度5
0μs/cm以下である水酸化アルミニウム、特にこれ
を表面に疎水性を与える表面処理剤で疎水化処理を施し
た水酸化アルミニウム
30〜500重量部を含有してなることを特徴とする
高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物並びに該シリ
コーンゴム組成物をプラスチック製コアの外周に被覆、
硬化させてなるポリマー碍子を提供する。
【0009】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明の高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物
の第一成分は、有機過酸化物硬化型又は付加硬化型のオ
ルガノポリシロキサン組成物である。
【0010】有機過酸化物硬化型オルガノポリシロキサ
ン組成物としては、 (I)下記平均組成式(1) R1 aSiO(4-a)/2 (1) (但し、R1は置換又は非置換の一価炭化水素基である
が、R1の0.01〜20モル%はアルケニル基であ
る。aは1.9〜2.4の正数である。)で示される1
分子中に少なくとも平均2個以上のアルケニル基を有す
るオルガノポリシロキサン (II)有機過酸化物 を主成分とするオルガノポリシロキサン組成物が好適に
使用される。
【0011】上記式(1)のアルケニル基含有オルガノ
ポリシロキサンにおいて、R1は、好ましくは炭素数1
〜12、より好ましくは1〜8の置換又は非置換の一価
炭化水素基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、
tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、
オクチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロ
ペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基等のアルケニ
ル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール
基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基、
クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフ
ロロプロピル基、3−クロロプロピル基、シアノエチル
基等のハロゲン置換、シアノ基置換炭化水素基などが挙
げられる。なお、各置換基はそれぞれ異なっていても同
一であってもよいが、R1中の0.01〜20モル%、
より好ましくは0.1〜10モル%がアルケニル基であ
ることが好ましく、また分子中に少なくとも平均2個の
アルケニル基を有していることが必要である。なおま
た、R1は上記のいずれでもよいが、アルケニル基とし
てはビニル基、他の置換基としてはメチル基、フェニル
基の導入が好ましい。また、aは1.9〜2.4、好ま
しくは1.95〜2.2の範囲の正数である。
【0012】上記式(1)のオルガノポリシロキサン
は、その分子構造が直鎖状であっても、あるいはR1
iO3/2単位やSiO4/2単位を含んだ分岐状であっても
よいが、通常は主鎖部分が基本的にR1 2SiO2/2のジ
オルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両
末端がR1 3SiO1/2のトリオルガノシロキシ単位で封
鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンであること
が一般的である。また、分子中のアルケニル基は分子鎖
末端あるいは分子鎖途中のケイ素原子のいずれに結合し
たものであっても、また、両方に結合したものであって
もよいが、硬化性、硬化物の物性等の点から少なくとも
分子鎖両末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を有
するものであることが好ましい。
【0013】上記アルケニル基含有オルガノポリシロキ
サンは平均重合度が50〜100000、特に100〜
20000であることが好ましく、また25℃における
粘度が100cps以上、通常100〜1000000
0cps、特に500〜1000000cps、更には
800〜500000cpsであることが好ましい。
【0014】上記アルケニル基含有オルガノポリシロキ
サンは、公知の方法によって製造することができ、具体
的にはオルガノシクロポリシロキサンとヘキサオルガノ
ジシロキサンとをアルカリ又は酸触媒の存在下に平衡反
応を行うことによって得ることができる。
【0015】また、有機過酸化物は、上記アルケニル基
含有オルガノポリシロキサンの架橋反応を促進するため
の触媒として使用されるものであり、具体例としては次
に示す化合物を挙げることができる。
【0016】
【化1】
【0017】有機過酸化物の添加量は触媒量であり、硬
化速度に応じて適宜選択することができるが、通常は上
記式(1)のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン
100部(重量部、以下同様)に対して0.1〜10
部、好ましくは0.2〜3部の範囲である。
【0018】なお、上記有機過酸化物硬化型オルガノポ
リシロキサン組成物には、基本的にシリカ微粉末、その
他の無機充填剤は配合されない。
【0019】次に、付加硬化型のオルガノポリシロキサ
ン組成物としては、(I)上記式(1)のアルケニル基
含有オルガノポリシロキサン (III)下記平均組成式(2) R2 bcSiO(4-b-c)/2 (2) (但し、式中R2は炭素数1〜10の置換又は非置換の
一価炭化水素基である。また、bは0.7〜2.1、好
ましくは1〜2、cは0.002〜1、好ましくは0.
01〜0.5で、かつb+cは0.8〜3、好ましくは
1.5〜2.6を満足する正数である。)で示されるケ
イ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個、好まし
くは3個以上有する常温で液体のオルガノハイドロジェ
ンポリシロキサン (IV)付加反応触媒 を主成分とするオルガノポリシロキサン組成物が好適に
使用される。
【0020】上記式(1)のアルケニル基含有オルガノ
ポリシロキサンは、上記有機過酸化物硬化型のオルガノ
ポリシロキサン組成物で説明したものと同様のものが使
用される。
【0021】また、上記式(2)のオルガノハイドロジ
ェンポリシロキサンにおいて、R2はR1と同様である
が、脂肪族不飽和結合を有しないものであることが好ま
しい。bは0.7〜2.1、好ましくは1〜2、cは
0.002〜1、好ましくは0.01〜0.5で、かつ
b+cは0.8〜3、好ましくは1.5〜2.6を満足
する正数である。
【0022】このオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ンは、付加反応触媒の存在下に前記(I)成分の主剤に
対する架橋剤として作用するものであり、1分子中に少
なくとも平均2個、好ましくは3個以上のケイ素原子に
結合した水素原子(即ち、SiH基)を有するものであ
り、このSiH基は分子鎖末端あるいは分子鎖途中のい
ずれに位置するものであっても、また両方に位置するも
のであってもよい。
【0023】このようなオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンとしては、メチルハイドロジェン環状ポリシロ
キサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイド
ロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基
封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンポリシ
ロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロ
キシ基封鎖ジメチルシロキサン、両末端ジメチルハイド
ロジェンポリシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン、両末
端ジメチルハイドロジェンポリシロキシ基封鎖ジメチル
シロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン共重
合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロ
ジェンポリシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチ
ルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位と
SiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSi
1/2単位とSiO4/2単位と(C65)SiO3/2単位
とからなる共重合体などを挙げることができる。
【0024】上記式(2)のオルガノハイドロジェンポ
リシロキサンは、その分子構造が直鎖状であっても、環
状あるいは分岐状であってもよいが、常温で液体である
ことが必要であり、その粘度は25℃において0.1〜
10000cps、特に0.5〜5000cpsである
ことが望ましく、また分子中のSiH基の数が平均で通
常2.01〜300個、好ましくは2.5〜100個程
度のものであればよい。
【0025】なお、上記オルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンは、公知の方法によって製造することができ
る。
【0026】上記オルガノハイドロジェンポリシロキサ
ンの配合量は、通常(イ)成分のオルガノポリシロキサ
ン100部に対して0.1〜300部、好ましくは0.
3〜200部、特に0.5〜100部の範囲である。
【0027】また、このオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンは、分子中のケイ素原子に結合した水素原子
(SiH基)が(I)成分のオルガノポリシロキサン中
のアルケニル基に対してモル比で0.5〜5モル/モ
ル、好ましくは0.8〜3モル/モルとなるように配合
することもできる。
【0028】また、付加反応触媒としては、白金黒、塩
化第二白金、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、
塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトア
セテート、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等が挙げ
られる。この付加反応触媒の添加量は触媒量であり、通
常(I)成分に対して白金、パラジウム又はロジウム金
属として0.1〜500ppm、特に1〜100ppm
である。
【0029】上記付加硬化型オルガノポリシロキサン組
成物には、基本的にシリカ微粉末、その他の無機充填剤
は配合されないが、上記主成分以外に任意成分としてエ
チニルシクロヘキサノール等のアセチレンアルコール化
合物などの付加反応制御剤等を本発明の効果を妨げない
範囲で添加することができる。
【0030】次に、(ロ)成分のシリカ微粉末として
は、その種類に特に限定はなく、従来のシリコーンゴム
組成物に使用されているものを使用できる。このような
シリカ微粉末としては、例えばBET法による比表面積
が50m2/g以上、特に50〜400m2/gの沈澱シ
リカ、ヒュームドシリカ、焼成シリカや、平均粒径が5
0μm以下、特に0.1〜20μmの粉砕石英、珪藻土
などが好適に使用される。シリカ微粉末は、ゴムの補強
材として必要なものである。
【0031】なお、これらのシリカ微粉末はそのまま用
いてもよいが、ヘキサメチルジシラザン等の有機シラザ
ン類、トリメチルクロロシラン等のシランカップリング
剤、ポリメチルシロキサン等の有機ケイ素化合物で表面
処理し、疎水性シリカ微粉末として用いてもよいし、配
合時に疎水化処理してもよい。なお、この表面処理剤と
しての有機シラザン類、シランカップリング剤、有機ケ
イ素化合物としては後述する(ハ)成分の水酸化アルミ
ニウムの疎水化処理に使用する表面処理剤として例示し
たものと同じものを採用することもできる。
【0032】(ロ)成分の配合量は、(イ)成分100
部に対して1〜100部が好適であり、1部未満では機
械的強度が弱くなり、100部を超えると(ハ)成分の
水酸化アルミニウムの充填が困難となり作業性が悪くな
る。好ましくは2〜50部がよい。
【0033】次に(ハ)成分の水酸化アルミニウムはA
23・3H2O又はAl(OH)3で表されるもので、
これは電気特性や耐熱性を改良するものであるが、この
場合、通常使用されている未処理の水酸化アルミニウム
では、製造工程上水溶性のイオン成分、特に水溶性Na
イオン分が残存するため吸水特性、電気特性に悪影響を
及ぼしている。これら悪影響のあるイオン成分を取り除
くことが、長期的に使用するにあたり水分の侵入を防
ぎ、また侵入しても電気的特性を低下することなく維持
できるものであり、必要不可欠である。この未処理の水
酸化アルミニウムを脱イオン水、メタノール、エタノー
ル、ブタノール等の低分子アルコール類、低分子エーテ
ル類、または水溶性Naイオンとその他不用なイオン成
分を取り除くことのできる極性溶媒で洗浄、精製して用
いることにより上記目的を達成できる。或いは、上記未
処理の水酸化アルミニウムを精製して用いる代わりに、
高純度アルミン酸ナトリウム溶液から析出した高純度水
酸化アルミニウムを用いることもできる。
【0034】精製された又は高純度水酸化アルミニウム
は、水溶性Naイオン含有量が0.01重量%以下であ
り、即ち0〜0.01重量%であり、通常は1ppb〜
0.01重量%、好ましくは0.1ppm〜0.005
重量%であり、30重量%水スラリーが6.5≦pH≦
8.0、好ましくは7.0≦pH≦8.0でかつ電気電
導度50μs/cm以下、即ち0〜50μs/cm、好
ましくは0.01〜10μs/cmであることが特徴で
ある。
【0035】水溶性Naイオン含有量が、0.01重量
%を超えると組成物の吸水率が高くなり、長期にわたる
使用で侵入した水分により電気特性が低下する。30重
量%水スラリーのpHが6.5未満でも、8.0を超え
ても同様に電気特性が低下するし、電気電導度が50μ
s/cmを超えても同じである。Naイオン含有量、電
気電導度の下限値については、いずれも0(ゼロ)であ
ることが理想的であるが、精製工程の煩雑さ、精製限界
などを考慮して、実際的には上記の下限値を採用し得る
ものである。
【0036】なお、上記未処理の水酸化アルミニウムの
精製方法としては、未処理の水酸化アルミニウム100
部に対し極性溶媒を200部以上で希釈し、室温から各
極性溶媒の沸点までの温度で3時間以上撹拌洗浄し、上
記条件が満たされるまで繰り返す方法が好適であり、通
常はこの操作を3回程繰り返せばよい。その後150℃
以下の温度で乾燥して使用する。
【0037】極性溶媒は、特に好ましくは脱イオン水が
好ましいが、その他の極性溶媒を併用すると特に好まし
く、この場合不用な有機物も除去できる。
【0038】また、高純度アルミン酸ナトリウム溶液か
ら析出した高純度の水酸化アルミニウムとしては、H3
20,H320I,HS320,HS330(昭和電工
(株)製商品名)などの市販品を用いることができる。
【0039】上記水酸化アルミニウムは、0.3μm以
下の微細な粒子が多くあると、比表面積が大きくなり、
吸湿・吸水し易くなるおそれがあり、電気特性に悪影響
を及ぼす場合があるため、水酸化アルミニウムの平均粒
径は、特に制限されないものの、好ましくは1〜100
μm、より好ましくは1.5〜50μm、特に2〜20
μmである。この平均粒径は、例えばレーザー光回折に
よる粒度分布計などを用いて重量平均値等として求めら
れる。この場合、沈殿析出により得られた粒子は微細な
粒子ができにくいため、好ましい。
【0040】上記精製された又は高純度水酸化アルミニ
ウムはそのまま用いてもよいが、疎水化処理することが
好ましい。この水酸化アルミニウムに疎水性を与える表
面処理剤として、シラン系カップリング剤又はその部分
加水分解物、有機シラザン類、チタネート系カップリン
グ剤、オルガノポリシロキサンオイル或いはオルガノハ
イドロジェンポリシロキサンオイル等が挙げられる。
【0041】使用される表面処理剤において、シラン系
カップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、
エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラ
ン、ブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシ
ラン、ジエチルジメトキシシラン、ビニルトリクロロシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキ
シシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン、
トリメチルクロロシラン、トリメチルアミノシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ジメ
チルジメトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン及び
γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のオルガノア
ルコキシシラン、オルガノクロロシランなどの加水分解
性基又は原子を1個以上、好ましくは2〜3個有するオ
ルガノシラン化合物が例示されるが、シラン系であれば
特に限定はなく使用でき、また上記シランの部分加水分
解物も使用できる。
【0042】使用される有機シラザン類としてはヘキサ
メチルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン、
ジフェニルテトラメチルジシラザン等のヘキサオルガノ
ジシラザンや、オクタメチルトリシラザン等のトリシラ
ザンなどが例示される。
【0043】使用されるチタネート系カップリング剤と
しては、テトラiプロピルチタネート、テトラnブチル
チタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラステア
リルチタネート、トリエタノールアミンチタネート、チ
タニウムアセチルアセトネート、チタニウムエチルアセ
トアセテート、チタニウムラクテート及びオクチレング
リコールチタネート、イソプロピルトリステアロイルチ
タネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニ
ルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホ
スフェート)チタネート、ビス(ジオチクルピロホスフ
ェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチ
ルピロホスフェート)エチレンチタネート等が例示され
る。
【0044】使用されるオルガノポリシロキサンオイル
としては、環状、鎖状、分岐状、網目状のいずれでもよ
く、粘度0.65〜100000センチストークス(2
5℃)のものが好適に使用される。
【0045】使用されるオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンオイルとしては、分子構造が環状、鎖状、分岐
状、網目状のいずれでもよいが、ケイ素原子に結合した
一価炭化水素基としてメチル基のみあるいはメチル基と
フェニル基とを有する不活性なオルガノポリシロキサン
が好ましく、下記平均組成式(3)で示されるものが望
ましく使用される。
【0046】
【化2】
【0047】なお、式中rは0〜50、sは1〜50の
範囲である。rが50を超えると粘度が高く処理しにく
くなる。sが50を超えても同様に粘度が高く、表面が
濡れ難く好ましくない。
【0048】処理剤としては、シラン系カップリング剤
が好ましく、中でも加水分解性基を有するケイ素化合物
が有効である。これらを用いることにより、吸水率も更
に低下し、電気特性も向上するし、長期又は浸水後の心
材との接着性がよく、また耐トラッキング性も向上す
る。シラン系カップリング剤では特にメチルトリメトキ
シシラン、エチルトリメトキシシランが好ましく、また
ヘキサメチルジシラザンも好適に用いられる。
【0049】処理剤の配合量は、水酸化アルミニウム1
00部に対して0.3部未満では、処理剤としての効果
がなく、50部を超えると工程上無駄となりコスト的に
も不利である。従って、0.3〜50部となるような量
であり、好ましくは0.3〜30部、より好ましくは
0.3〜20部、特に0.5〜10部となる量である。
【0050】処理法は、水酸化アルミニウムに直接処理
しても、他の成分と混練しながら処理してもどちらでも
よいが、一般的周知の技術により処理することができ、
好ましくは予め直接処理したものが好ましい。例えば、
常圧で密閉された機械混練装置に或いは流動層に水酸化
アルミニウムと処理剤を入れ、必要に応じて不活性ガス
存在下において室温或いは熱処理にて混練処理する。場
合により触媒を使用して処理を促進してもよいが、混練
後乾燥することにより調製することができる。
【0051】この(ハ)成分の水酸化アルミニウムとし
ては、水溶性Naイオン含有量及び30重量%水スラリ
ーのpH、電気電導度を上述した値に特定したものを用
いる以外は、水酸化アルミニウムの性状は特に限定され
るものではないが、平均粒径が1〜100μm、好まし
くは1.5〜50μm、特に2〜20μm、BET比表
面積が0.1〜20m2/g、特に0.2〜10m2/g
のものが好適に用いられる。
【0052】(ハ)成分の配合量は、(イ)成分100
部に対して30〜500部であり、30部未満では硬化
後の組成物が必要な高電圧電気特性、特には耐アーク性
や耐トラッキング性を得られないものとなり、500部
を超えると充填が困難となり加工性が悪くなり、またゴ
ム物性も低下する。好ましくは50〜300部がよい。
【0053】本発明のシリコーンゴム組成物には、上記
した成分以外に撥水性を付与する目的でフリーのシリコ
ーンオイル、例えば直鎖状のジメチルポリシロキサン、
水酸基含有ジメチルポリシロキサンを添加することがで
き、また目的に応じて各種の添加剤、例えば酸化チタ
ン、酸化鉄、酸化セリウム、酸化バナジウム、酸化コバ
ルト、酸化クロム、酸化マンガン等の金属酸化物、カー
ボン等を添加することができ、また目的とする特性を損
なわない限り顔料、耐熱剤、難燃剤、可塑剤、反応制御
剤等を添加してもよい。なお、これら任意成分の添加量
は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることが
できる。
【0054】本発明のシリコーンゴム組成物は、上記し
た(イ)〜(ハ)成分、任意成分を常温で均一に混合す
るだけでも得ることが可能であるが、必要に応じて(I
I)、(III)、(IV)成分を除きプラネタリーミ
キサーやニーダー等で100〜200℃の範囲で2〜4
時間熱処理し、その後(II)、(III)、(IV)
成分を混合して硬化成型してもよい。成型方法は、混合
物の粘度により自由に選択することができ、注入成型、
圧縮成型、射出成型、押出成型、トランスファー成型等
いずれの方法を採用してもよい。その硬化条件は、通常
80〜200℃で3分〜3時間加熱する条件とすること
ができる。
【0055】
【発明の効果】本発明の高電圧電気絶縁体用シリコーン
ゴム組成物は、過酷な大気汚染、塩害あるいは気候に晒
された条件下でも、耐吸水性、耐電気特性、耐候性、撥
水性、防汚性、耐電圧性、耐トラッキング性、耐アーク
性、耐エロージョン性等の高電圧電気特性に優れたシリ
コーンゴムを与え、このシリコーンゴムは碍子等の高電
圧電気絶縁体として有用である。
【0056】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。なお、各例中の部はいずれも重量部であ
り、%はいずれも重量%である。水酸化アルミニウムの精製方法 平均粒径8μm、BET比表面積2m2/gの未処理の
水酸化アルミニウムを100部に対して200部の脱イ
オン水で煮沸撹拌しながら3時間洗浄した後、濾過する
という工程を2回繰り返した後、105℃×5時間で乾
燥、粉砕して精製水酸化アルミニウムを得た。
【0057】この精製した水酸化アルミニウムが30%
となるように純水を加え、そのスラリーのpH、電気電
導度を測定したところ、pH=7.0、電気電導度0.
43μs/cmであった。更にその抽出水から炎光法に
よりNa定量分析(%:水酸化アルミニウム中)を行っ
た。その結果を高純度アルミン酸ナトリウムから析出し
た水酸化アルミニウム(析出水酸化アルミニウム)、未
処理の一般の標準水酸化アルミニウムと比較したものと
併せて表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】〔実施例1〕表2に示すように、(イ)成
分中の(I)成分(a)として両末端がそれぞれジメチ
ルビニルシロキシ基で封鎖された25℃の粘度が100
00cpsのジメチルポリシロキサン、(ロ)成分のシ
リカ微粉末として湿式シリカ(ニプシルLP、日本シリ
カ工業社製、BET比表面積180m2/g)、(ハ)
成分の水酸化アルミニウムは上記精製品を配合し、15
0℃でプラネタリーミキサーにて2時間撹拌混合し、そ
の後に室温に冷却後、残りの(イ)成分中の(III)
成分として下記平均式(4)で示されるメチルハイドロ
ジェンポリシロキサン、(IV)成分として塩化白金酸
の1%2−エチルヘキサノール溶液、更に反応制御剤と
してエチニルシクロヘキサノールを加え、均一に混合
し、シリコーンゴム組成物を得た。この組成物を120
℃で10分間加熱硬化してそれぞれ80mm×80mm
×2mm(厚み)のシリコーンゴムシート及び1mm
(厚み)のゴムシートを得た。2mmシートより初期重
量を測定後、純水に25℃で100時間浸漬した後の重
量を測定し、その重量変化率を吸水率として表2に示
す。1mmシートよりJIS K6911に準じて初期
の体積抵抗、誘電率、誘電損失、絶縁破壊電圧を測定
し、同様に純水に25℃で100時間浸漬した後の体積
抵抗、誘電率、誘電損失、絶縁破壊電圧を測定した結果
を表2に示す。
【0060】
【化3】
【0061】〔実施例2〕(イ)成分中の(I)成分
(b)として両末端がそれぞれトリビニルシロキシ基で
封鎖された25℃の粘度が30000cpsのジメチル
ポリシロキサンと、実施例1に記載の(ロ)成分を同様
にして加熱混合し、実施例1に記載の(ハ)成分とジク
ミルパーオキサイドを加え、室温にて均一になるまで混
合し、シリコーンゴム組成物を得た。この組成物を16
5℃で10分間加熱硬化させた後、更に200℃で4時
間二次硬化させ、それぞれ実施例1と同様のシートを得
た。同様の測定をした結果を表2に示す。
【0062】〔比較例1,2〕上記した未処理の水酸化
アルミニウムをそのまま使用した以外は、表2に示す成
分を使用し、実施例1と同様にしてシリコーンゴムシー
トを得た。同様の測定をした結果を表2に示す。
【0063】
【表2】 *“初期”の物性値は、シリコーンゴムシートの製造直
後で、純水等に浸漬する以前の各物性値を意味する。
【0064】表2の結果により、本発明の高電圧電気絶
縁体用シリコーンゴム組成物は、浸漬後の低吸水性、耐
電気特性、耐電圧性に優れているもので、長期の風雨、
その他厳しい環境下においても水の侵入を抑制し、電気
特性を維持できるものであることが認められる。
【0065】〔実施例3〕表3に示すように、(イ)成
分中の(I)成分(a)として両末端がそれぞれジメチ
ルビニルシロキシ基で封鎖された25℃の粘度が500
0cpsのジメチルポリシロキサン、(ロ)成分のシリ
カ微粉末として湿式シリカ(ニプシルLP、日本シリカ
工業社製、BET比表面積180m2/g)、(ハ)成
分の水酸化アルミニウムは上記精製水酸化アルミニウム
をメチルトリメトキシシラン(水酸化アルミニウム10
0部に対して1部混合し、100℃で1時間熱処理し
た)で疎水化処理したものを配合し、室温でプラネタリ
ーミキサーにて1時間撹拌混合し、その後に残りの
(イ)成分中の(III)成分として上記平均式(4)
で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン、(I
V)成分として塩化白金酸の1%2−エチルヘキサノー
ル溶液、更に反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノ
ールを加え、均一に混合し、シリコーンゴム組成物を得
た。この組成物を120℃で10分間加熱硬化してそれ
ぞれ80mm×80mm×2mm(厚み)のシリコーン
ゴムシート及び1mm(厚み)のゴムシートを得た。2
mmシートより初期重量を測定後、純水に25℃で20
0時間浸漬した後の重量を測定し、その重量変化率を吸
水率として表3に示す。1mmシートよりJIS K6
911に準じて初期の体積抵抗、誘電率、誘電損失、絶
縁破壊電圧を測定し、同様に純水に25℃で200時間
浸漬した後の体積抵抗、誘電率、誘電損失、絶縁破壊電
圧を測定した結果を表3に示す。
【0066】〔実施例4〕(イ)成分中の(I)成分
(b)として両末端がそれぞれトリビニルシロキシ基で
封鎖された25℃の粘度が5000cpsのジメチルポ
リシロキサンと、実施例3に記載の(ロ)成分を同様に
して加熱混合し、実施例3に記載の(ハ)成分とジクミ
ルパーオキサイドを加え、室温にて均一になるまで混合
し、シリコーンゴム組成物を得た。この組成物を165
℃で10分間加熱硬化させた後、更に200℃で4時間
二次硬化させ、それぞれ実施例3と同様のシートを得
た。同様の測定をした結果を表3に示す。
【0067】〔実施例5〕実施例3に記載の(ハ)成分
に上記析出水酸化アルミニウムのメチルトリメトキシシ
ラン処理品(処理方法は、実施例3と同様にした)を用
いた以外は実施例3と同様の成分を同様の方法で室温に
て均一になるまで混合し、シリコーンゴム組成物を得
た。この組成物を120℃で10分間加熱硬化させ、そ
れぞれ実施例3と同様のシートを得て、同様の測定をし
た結果を表3に示す。
【0068】〔実施例6〕実施例3に記載の(ハ)成分
に上記析出水酸化アルミニウムのエチルトリメトキシシ
ラン処理品(処理方法は、実施例3と同様にした)を用
いた以外は実施例3と同様の成分を同様の方法で室温に
て均一になるまで混合し、シリコーンゴム組成物を得
た。この組成物を120℃で10分間加熱硬化させ、そ
れぞれ実施例3と同様のシートを得て、同様の測定をし
た結果を表3に示す。
【0069】〔比較例3〕実施例3に記載の(ハ)成分
の未処理の一般の水酸化アルミニウムのメチルトリメト
キシシラン処理品(処理方法は、実施例3と同様にし
た)を用いた以外は表2に示す成分を使用し、実施例3
と同様にしてシリコーンゴムシートを得て、同様の測定
をした結果を表3に示す。
【0070】
【表3】
【0071】表3の結果により、本発明の高電圧電気絶
縁体用シリコーンゴム組成物は、浸漬後の低吸水性、耐
電気特性、耐電圧性に優れているもので、純水に200
時間浸漬した後でも水の侵入を抑制し、電気特性を維持
できるものであることが認められる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関口 晋 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 吉田 武男 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)有機過酸化物硬化型又は付加硬化
    型のオルガノポリシロキサン組成物
    100重量部、(ロ)シリ
    カ微粉末 1〜1
    00重量部、(ハ)水溶性Naイオン含有量が0.01
    重量%以下であり、30重量%水スラリーが6.5≦p
    H≦8.0でかつ電気電導度50μs/cm以下である
    水酸化アルミニウム
    30〜500重量部を含有してなることを特徴
    とする高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物。
  2. 【請求項2】 (ハ)成分の水酸化アルミニウムが、極
    性溶媒により洗浄、精製されたもの又は高純度アルミン
    酸ナトリウム溶液から析出されたものである請求項1記
    載の組成物。
  3. 【請求項3】 (ハ)成分の水酸化アルミニウムが、表
    面に疎水性を与える表面処理剤で疎水化処理を施された
    ものである請求項1又は2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 上記表面処理剤がシラン系カップリング
    剤又はその部分加水分解物である請求項1、2又は3記
    載の組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項記載のシリ
    コーンゴム組成物をプラスチック製コアの外周に被覆、
    硬化させてなるポリマー碍子。
JP02665498A 1997-02-03 1998-01-23 ポリマー碍子用シリコーンゴム組成物及びポリマー碍子 Expired - Lifetime JP4334632B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02665498A JP4334632B2 (ja) 1997-02-03 1998-01-23 ポリマー碍子用シリコーンゴム組成物及びポリマー碍子

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3438197 1997-02-03
JP9-34381 1997-02-03
JP02665498A JP4334632B2 (ja) 1997-02-03 1998-01-23 ポリマー碍子用シリコーンゴム組成物及びポリマー碍子

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007030517A Division JP2007180044A (ja) 1997-02-03 2007-02-09 ポリマー碍子の高電圧電気絶縁特性を改善する方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10273596A true JPH10273596A (ja) 1998-10-13
JP4334632B2 JP4334632B2 (ja) 2009-09-30

Family

ID=26364460

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02665498A Expired - Lifetime JP4334632B2 (ja) 1997-02-03 1998-01-23 ポリマー碍子用シリコーンゴム組成物及びポリマー碍子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4334632B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002294075A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Ge Toshiba Silicones Co Ltd 高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物
JP2006111881A (ja) * 2004-10-14 2006-04-27 Wacker Chemie Ag 改善された耐久性を有するシリコーンゴム組成物
JP2006111882A (ja) * 2004-10-14 2006-04-27 Wacker Chemie Ag 処理されていない水酸化アルミニウムを充填剤として含むシリコーンゴム組成物
JP2013234311A (ja) * 2012-04-09 2013-11-21 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物及びポリマー碍子
CN114910520A (zh) * 2022-07-04 2022-08-16 华北电力大学(保定) 一种用于斜面白腐真菌对于硅橡胶染污程度的表征方法
WO2023206652A1 (zh) * 2022-04-25 2023-11-02 叶金蕊 耐特高电压绝缘树脂及其制备方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002294075A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Ge Toshiba Silicones Co Ltd 高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物
JP2006111881A (ja) * 2004-10-14 2006-04-27 Wacker Chemie Ag 改善された耐久性を有するシリコーンゴム組成物
JP2006111882A (ja) * 2004-10-14 2006-04-27 Wacker Chemie Ag 処理されていない水酸化アルミニウムを充填剤として含むシリコーンゴム組成物
JP2013234311A (ja) * 2012-04-09 2013-11-21 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物及びポリマー碍子
WO2023206652A1 (zh) * 2022-04-25 2023-11-02 叶金蕊 耐特高电压绝缘树脂及其制备方法
CN114910520A (zh) * 2022-07-04 2022-08-16 华北电力大学(保定) 一种用于斜面白腐真菌对于硅橡胶染污程度的表征方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4334632B2 (ja) 2009-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1746132B1 (en) Silicon-containing curable composition and cured object obtained by thermally curing the same
US4273697A (en) Electrically conductive curable liquid organopolysiloxane compositions
JP3104568B2 (ja) 高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物
KR20090074758A (ko) 실리콘 수지 필름 및 이의 제조방법
EP1227133A1 (en) Room temperature curable silicone rubber composition
KR20030040090A (ko) 실온 경화성 실리콘 고무 조성물
JP4780256B2 (ja) ポリマー碍子用シール材及びポリマー碍子用補修材
EP2441803B1 (en) Flame retardant organopolysiloxane composition
JP3436141B2 (ja) 高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物及びポリマー碍子
US6063487A (en) Silicone rubber compositions for high-voltage electrical insulators and polymer insulators
JP3154208B2 (ja) シリコーンゴム組成物
US6106954A (en) Silicone rubber compositions for high-voltage electrical insulators and polymeric bushings
KR101362573B1 (ko) 축합 반응 경화형 실리콘 고무 조성물
JP2007180044A (ja) ポリマー碍子の高電圧電気絶縁特性を改善する方法
JPH10273596A (ja) 高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物及びポリマー碍子
JP3385895B2 (ja) 高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物及びその製造方法
JP4386981B2 (ja) 高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物及びポリマー碍子
JP3119261B2 (ja) 高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物
JPH0841347A (ja) 高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物
JP3360264B2 (ja) 高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物
JP3230437B2 (ja) 高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物
EP1052655B1 (en) Silicone rubber compositions for high-voltage electrical insulators
JP2003331653A (ja) 電力ケーブル接続部用シリコーンゴム組成物
JP3669387B2 (ja) 高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物
JP3246385B2 (ja) 高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041026

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060802

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060929

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061213

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070209

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070221

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20070330

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090624

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120703

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130703

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130703

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140703

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term