JP3246385B2 - 高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物 - Google Patents

高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物

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JP3246385B2
JP3246385B2 JP06535197A JP6535197A JP3246385B2 JP 3246385 B2 JP3246385 B2 JP 3246385B2 JP 06535197 A JP06535197 A JP 06535197A JP 6535197 A JP6535197 A JP 6535197A JP 3246385 B2 JP3246385 B2 JP 3246385B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱硬化により優
れた高電圧電気絶縁体となるシリコーンゴムを与える高
電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】送電線
等に用いる碍子に使用される高電圧電気絶縁体は、一般
に磁器製又はガラス製である。しかし、海岸沿いの地域
や工業地帯のように汚染を受けやすい環境下では、高電
圧電気絶縁体の表面を微粒子や塩類、霧等が通ることに
より、漏れ電流が発生したり、フラッシュオーバーにつ
ながるドライバンド放電等が起こるという問題があっ
た。
【0003】そこで、これらの磁器製又はガラス製の絶
縁体の欠点を改良するために種々の解決法が提案されて
いる。例えば、米国特許第3511698号公報には、
硬化性樹脂からなる部材と白金触媒含有オルガノポリシ
ロキサンエラストマーとからなる耐候性の高電圧電気絶
縁体が提案されている。また、特開昭59−19860
4号公報には、一液性の室温硬化性オルガノポリシロキ
サン組成物をガラス製又は磁器製の電気絶縁体の外側表
面に塗布することにより、湿気、大気汚染、紫外線等の
野外におけるストレスの存在下においても前記電気絶縁
体の有する高性能を維持させる技術が提案されている。
【0004】更に、特公昭53−35982号公報、米
国特許第3965065号公報及び特開平4−2096
55号公報には、加熱硬化によりシリコーンゴムとなる
オルガノポリシロキサンとアルミニウム水和物との混合
物を100℃よりも高い温度で30分以上加熱すること
によって、電気絶縁性が改良されたシリコーン組成物を
得ることが提案され、また特開平7−57574号公報
には、シリコーンゴムにメチルアルキルポリシロキサン
油を配合することにより、経時での接触角回復特性が得
られ、閃絡防止に効果があることが提案されている。
【0005】しかしながら、前記の従来技術では、いず
れも使用されているシリコーンゴム材料の高電圧電気特
性能が未だ十分満足できるものでなかったり、また、電
気絶縁性能を向上するためには多量のアルミニウム水酸
化物を使用しなければならず、ゴムの機械的強度が弱く
なったり、過酷な環境条件では塩害,塵,ほこり、又は
紫外線により表面汚染、ゴム劣化が生じ、更に長時間の
暴露試験では汚れが付き易くなり、しまいには破壊に至
る可能性がある。この場合、アルキルポリシロキサン油
を添加すれば、滲みだし効果により撥水性は保てるが、
雨や紫外線等に長期に亘り暴露した直後は撥水性の回復
までに時間がかかり、その間劣化が生じ、粗い表面状態
となり、汚染が蓄積し易く、無機質の高充填系では十分
な効果が期待できないものである。
【0006】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
加熱硬化後に過酷な大気汚染あるいは気候に晒される条
件下での耐候性、耐汚損性、耐電圧性、耐トラッキング
性、耐エロージョン性、耐アーク性等の高電圧電気絶縁
特性に優れたシリコーンゴム組成物を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、有機過酸化物硬化型又は付加反応硬化型のオルガノ
ポリシロキサンに無機充填剤と、光触媒用酸化チタン粉
体を添加することにより、耐候性、耐汚染性、耐電圧
性、耐トラッキング性、耐エロージョン性、耐アーク性
等の高電圧電気絶縁特性に優れたシリコーンゴム組成物
が得られることを知見した。
【0008】即ち、光触媒用酸化チタンは、紫外線エネ
ルギーにより活性化されて有機物を酸化分解し、シリコ
ーンゴム表面にSiOH基を形成し、このことにより接
触角が低下し、親水性をゴム表面に付与でき、従って、
屋外での暴露において付着した汚れを雨により洗い流せ
ると同時に汚れの分解効果を与え、それ故、上記シリコ
ーンゴム組成物が特に過酷な大気汚染や気候に晒される
条件下でも良好な高電圧電気絶縁特性を与えることを見
出し、本発明をなすに至った。
【0009】従って、本発明は、 (A)有機過酸化物硬化型又は付加反応硬化型のオルガノポリシロキサン組成物 100重量部 (B)無機充填剤 1〜500重量部 (C)平均粒子径が0.3μm以下であり、結晶単位格子がアナタース型の光触 媒用酸化チタン粉体 1〜100重量部 を含有することを特徴とする高電圧電気絶縁体用シリコ
ーンゴム組成物を提供する。
【0010】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明の高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物
の第一成分は、有機過酸化物硬化型又は付加反応硬化型
のオルガノポリシロキサン組成物である。
【0011】ここで、有機過酸化物硬化型オルガノポリ
シロキサン組成物としては、 (イ)下記平均組成式(1) R1 aSiO(4-a)/2 (1) (但し、R1は置換又は非置換の一価炭化水素基である
が、R1の0.01〜20モル%はアルケニル基であ
る。aは1.9〜2.4の正数である。)で示される1
分子中に少なくとも平均2個以上のアルケニル基を有す
るオルガノポリシロキサン (ロ)有機過酸化物 を主成分とするオルガノポリシロキサン組成物が好適に
使用される。
【0012】上記式(1)のアルケニル基含有オルガノ
ポリシロキサンにおいて、R1は、好ましくは炭素数1
〜12、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜
8の置換又は非置換の一価炭化水素基であり、具体的に
はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、
ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシ
ル基、シクロヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、
ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル
基、ブテニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル
基、キシリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニル
エチル基等のアラルキル基、クロロメチル基、ブロモエ
チル基、3,3,3−トリフロロプロピル基、3−クロ
ロプロピル基、シアノエチル基等のハロゲン置換、シア
ノ基置換炭化水素基などが挙げられる。なお、各置換基
はそれぞれ異なっていても同一であってもよいが、R1
中の0.01〜20モル%、好ましくは0.1〜10モ
ル%がアルケニル基であり、また分子中に少なくとも平
均2個のアルケニル基を有していることが必要である。
なおまた、R1は上記のいずれでもよいが、アルケニル
基としてはビニル基、他の置換基としてはメチル基、フ
ェニル基の導入が好ましい。また、aは1.9〜2.
4、好ましくは1.95〜2.2の範囲の正数である。
【0013】上記式(1)のオルガノポリシロキサン
は、その分子構造が直鎖状であっても、あるいはR1
iO3/2単位やSiO4/2単位を含んだ分岐状であっても
よいが、通常は主鎖部分が基本的にR1 2SiO2/2のジ
オルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両
末端がR1 3SiO1/2のトリオルガノシロキシ単位で封
鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンであること
が一般的である。また、分子中のアルケニル基は分子鎖
末端あるいは分子鎖途中のケイ素原子のいずれに結合し
たものであっても、また両方に結合したものであっても
よいが、硬化性、硬化物の物性等の点から少なくとも分
子鎖両末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を有す
るものであることが好ましい。
【0014】上記アルケニル基含有オルガノポリシロキ
サンの粘度は、25℃において100〜1000000
cps、特に500〜500000cpsであることが
望ましい。
【0015】上記アルケニル基含有オルガノポリシロキ
サンは、公知の方法によって製造することができ、具体
的にはオルガノシクロポリシロキサンとヘキサオルガノ
ジシロキサンとをアルカリ又は酸触媒の存在下に平衡反
応を行うことによって得ることができる。
【0016】また、有機過酸化物は、上記アルケニル基
含有オルガノポリシロキサンの架橋反応を促進するため
の触媒として使用されるものであり、具体例としては次
に示す化合物を挙げることができる。
【0017】
【化1】
【0018】有機過酸化物の添加量は触媒量であり、硬
化速度に応じて適宜選択することができるが、通常は上
記式(1)のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン
100部(重量部、以下同様)に対して0.1〜10
部、好ましくは0.2〜3部の範囲である。
【0019】なお、上記有機過酸化物硬化型オルガノポ
リシロキサン組成物には、基本的に無機充填剤は配合さ
れない。
【0020】次に、付加反応硬化型のオルガノポリシロ
キサン組成物としては、 (イ)上記式(1)のアルケニル基含有オルガノポリシ
ロキサン (ハ)下記平均組成式(2) R2 bcSiO(4-b-c)/2 (2) (式中、R2は炭素数1〜10の置換又は非置換の一価
炭化水素基である。また、bは0.7〜2.1、好まし
くは1〜2、cは0.002〜1、好ましくは0.01
〜0.5で、かつb+cは0.8〜3、好ましくは1.
5〜2.6を満足する正数である。)で示されるケイ素
原子に結合した水素原子を少なくとも2個、好ましくは
3個以上有する常温で液体のオルガノハイドロジェンポ
リシロキサン (ニ)付加反応触媒 を主成分とするオルガノポリシロキサン組成物が好適に
使用される。
【0021】上記式(1)のアルケニル基含有オルガノ
ポリシロキサンは、上記有機過酸化物硬化型のオルガノ
ポリシロキサンで説明したものと同様のものが使用され
る。
【0022】また、上記式(2)のオルガノハイドロジ
ェンポリシロキサンにおいて、R2はR4と同様である
が、脂肪族不飽和結合を有しないものであることが好ま
しい。bは0.7〜2.1、好ましくは1〜2、cは
0.002〜1、好ましくは0.01〜0.5で、かつ
b+cは0.8〜3、好ましくは1.5〜2.6を満足
する正数である。
【0023】このオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ンは、付加反応触媒の存在下に前記(イ)成分の主剤に
対する架橋剤として作用するものであり、1分子中に少
なくとも平均2個、好ましくは3個以上のケイ素原子に
結合した水素原子(即ち、SiH基)を有するものであ
り、このSiH基は分子鎖末端あるいは分子鎖途中のい
ずれに位置するものであっても、また両方に位置するも
のであってもよい。
【0024】このようなオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンとしては、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メ
チルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチル
シロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジ
ェンポリシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロ
ジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン、両末端ジメ
チルハイドロジェンポリシロキシ基封鎖ジメチルシロキ
サン、両末端ジメチルハイドロジェンポリシロキシ基封
鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロ
キサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチ
ルハイドロジェンポリシロキサン・ジフェニルシロキサ
ン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH32HSiO
1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(C
32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C65)S
iO3/2単位とからなる共重合体などを挙げることがで
きる。
【0025】上記式(2)のオルガノハイドロジェンポ
リシロキサンは、その分子構造が直鎖状であっても、環
状あるいは分岐状であってもよいが、常温で液体である
ことが必要であり、その粘度は25℃において0.1〜
500cps、特に0.5〜300cpsであることが
望ましく、また分子中のケイ素原子の数が通常3〜30
0個、好ましくは4〜100個程度のものであればよ
い。
【0026】なお、上記オルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンは、公知の方法によって製造することができ
る。
【0027】上記オルガノハイドロジェンポリシロキサ
ンの配合量は、通常(A)成分のオルガノポリシロキサ
ン100部に対して0.1〜100部、好ましくは0.
3〜50部、特に0.5〜30部の範囲である。
【0028】また、このオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンは、分子中のケイ素原子に結合した水素原子
(SiH基)が(イ)成分のオルガノポリシロキサン中
のアルケニル基に対してモル比で0.5〜5モル/モ
ル、好ましくは0.8〜3モル/モルとなるように配合
することもできる。
【0029】付加反応触媒としては、白金黒、塩化第二
白金、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白
金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテー
ト、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等が挙げられ
る。この付加反応触媒の添加量は触媒量であり、通常
(イ)成分に対して白金、パラジウム又はロジウム金属
として0.1〜500ppm、特に1〜100ppmで
ある。
【0030】上記付加反応硬化型オルガノポリシロキサ
ン組成物には、基本的に無機充填剤は配合されないが、
上記主成分以外に任意成分としてエチニルシクロヘキサ
ノール等のアセチレンアルコール化合物などの付加反応
制御剤等を本発明の効果を妨げない範囲で添加すること
ができる。
【0031】次に、(B)成分の無機充填剤としては、
シリカ微粉末、球状溶融シリカ、酸化アルミニウム、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシ
ウム、カルシウムアルミネート、ハイドロタルサイト
類、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等が使用され、
これらの1種又は2種以上を使用することができる。
【0032】シリカ微粉末としては、その種類に特に限
定はなく、従来のシリコーンゴム組成物に使用されてい
るものを使用できる。このようなシリカ微粉末として
は、例えばBET法による比表面積が50m2/g以
上、特に50〜400m2/gの沈澱シリカ、ヒューム
ドシリカ、焼成シリカや、平均粒子径が50μm以下、
特に0.1〜20μmの粉砕石英、珪藻土などが好適に
使用される。
【0033】球状溶融シリカとしては、平均粒子径が
0.1〜40μmのものが使用され、例えばAdma
Fine(Admatechs社製商品名)などが挙げ
られる。シリカ微粉末は、ゴムの補強材として必要なも
のである。
【0034】水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム、カルシウムアルミネート、ハイ
ドロタルサイト類、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム
などは電気特性や耐熱性を改良するものであり、特に限
定されるものではなく通常使用されているものでよく、
これらから選択して使用できる。特には水酸化アルミニ
ウム、石英粉が好ましい。
【0035】なお、無機充填剤はそのまま用いてもよい
が、疎水化処理して用いてもよい。
【0036】この無機充填剤に疎水性を与える表面処理
剤としては、シラン系やチタネート系カップリング剤や
ジメチルポリシロキサンオイル或いはジメチルハイドロ
ジェンポリシロキサンオイル等が挙げられる。
【0037】使用される表面処理剤においてシラン系カ
ップリング剤としては、ヘキサメチルジシラザン、ジビ
ニルテトラメチルジシラザン、ジフェニルテトラメチル
ジシラザン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメ
トキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ビニルトリ
ス(メトキシエトキシ)シラン、トリメチルクロロシラ
ン、トリメチルアミノシラン、グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジエト
キシシラン、(エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ジ
メチルジメトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン及
びクロロプロピルトリメトキシシランが例示される。
【0038】使用されるチタネート系カップリング剤と
しては、テトラiプロピルチタネート、テトラnブチル
チタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラステア
リルチタネート、トリエタノールアミンチタネート、チ
タニウムアセチルアセトネート、チタニウムエチルアセ
トアセテート、チタニウムラクテート及びオクチレング
リコールチタネート、イソプロピルトリステアロイルチ
タネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニ
ルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホ
スフェート)チタネート、ビス(ジオチクルピロホスフ
ェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチ
ルピロホスフェート)エチレンチタネート等が例示され
る。
【0039】使用されるジメチルポリシロキサンオイル
としては、環状又は鎖状の粘度0.65〜100センチ
ストークスのものであればよい。
【0040】使用されるジメチルハイドロジェンポリシ
ロキサンオイルとしては、下記平均組成式(3)で示さ
れるものが望ましく使用される。
【0041】
【化2】
【0042】なお、式中rは0〜50、sは1〜50の
範囲である。rが50を超えると粘度が高く処理しにく
くなる。sが50を超えても同様に粘度が高く表面が濡
れ難く好ましくない。
【0043】表面処理剤としては、シラザン類が好まし
く、長期又は浸水後の心材との接着性が良く、また耐ト
ラッキング性も向上する。シラザン類では特にヘキサメ
チルジシラザンが良い。
【0044】表面処理剤の配合量は、無機充填剤100
部に対して1部未満では、処理剤としての効果がなく、
50部を超えると工程上無駄となりコスト的にも不利で
ある。従って、1〜50部となるような量であり、好ま
しくは5〜30部となる量である。
【0045】処理法は、予めアルミニウム水酸化物に直
接処理しても、他の成分と混練しながら処理してもどち
らでもよいが、一般的周知の技術により処理することが
でき、好ましくは予め直接処理したものが好ましい。例
えば、常圧で密閉された機械混練装置に、或いは流動層
にアルミニウム水酸化物と処理剤を入れ、必要に応じて
不活性ガス存在下において室温或いは熱処理にて混合処
理され、場合により触媒を使用して処理を促進してもよ
いが、混練後乾燥することにより調製することができ
る。
【0046】(B)成分の配合量は、(A)成分100
部に対して1〜500部、好ましくは3〜300部配合
することができ、1部未満では機械的強度が弱くなり、
500部を超えると充填が困難となり、作業性が悪くな
る。
【0047】(C)成分としての光触媒用酸化チタン粉
体は、本組成物に必須なもので、光(紫外線)エネルギ
ーにより活性化されて有機物を酸化分解し、シリコーン
ゴム表面にSiOH基を生成させて接触角を低下させる
ことができ、ある程度の親水性をゴム表面に与え、長期
の屋外の暴露において付着した汚れを雨により洗い流す
効果を有すると共に、汚れも分解し得るもので、それに
より耐電圧特性を長期間維持できるものとなる。この触
媒機能は、弱い紫外線でも半永久的に持続できる。
【0048】酸化チタンの結晶構造としては、一般的に
単位格子でルチル型とアナタース型及びブルカイト型と
があるが、光触媒用酸化チタンとしては、光触媒機能を
保有しているアナタース型のものが好適である。
【0049】このような酸化チタン粉体としては、平均
粒子径(例えばレーザー光回折法による重量平均とし
て)が0.3μm以下、通常0.005〜0.3μm、
特に0.01〜0.2μmで、BET法による比表面積
が10m2/g以上、通常10〜1000m2/g、特に
50〜600m2/g程度の、結晶単位格子がアナター
ス型のものであり、例えばタイペークST(石原産業社
製商品名)などが挙げられる。この平均粒子径が0.3
μmを超えると光触媒活性能が十分得られないため、シ
リコーンゴム表面への親水性付与効果や耐電圧特性に劣
るものとなる。また、結晶構造がルチル型やブルカイト
型のものを使用しても、光触媒活性能は十分得られない
ため同様の不都合が生じる。
【0050】(C)成分の光触媒用酸化チタン粉体の配
合量は、(A)成分100部に対して1〜100部、好
ましくは3〜80部配合することができ、1部未満で
は、十分な光触媒活性能が得られず、シリコーンゴム表
面の接触角を低下させるのが困難であり、またこの配合
量が100部を超えるとシリコーンゴムの機械的強度が
低下する。
【0051】本発明の高電圧電気絶縁体用シリコーンゴ
ム組成物には、上記した成分以外に目的に応じて各種の
添加剤、例えば酸化鉄、酸化セリウム、酸化バナジウ
ム、酸化コバルト、酸化クロム等の金属酸化物、カーボ
ン等を添加することができる。また目的とする特性を損
なわない限り顔料、耐熱剤、難燃剤、可塑剤、反応制御
剤等を添加してもよい。なお、これら任意成分の添加量
は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることが
できる。
【0052】本発明のシリコーンゴム組成物は、上記し
た(A)〜(C)成分、任意成分を常温で均一に混合す
るだけでも得ることが可能であるが、必要に応じて、
(C)、(ロ)、(ハ)、(ニ)成分を除きプラネタリ
ーミキサーやニーダー等で100〜200℃の範囲で2
〜4時間熱処理し、その後、(C)、(ロ)、(ハ)、
(ニ)成分を混合して硬化成型してもよい。成型方法
は、混合物の粘度により自由に選択することができ、注
入成型、圧縮成型、射出成型、押出成型、トランスファ
ー成型等いずれの方法を採用してもよい。その硬化条件
は、室温でもよいが通常60〜200℃で3分〜3時間
加熱する条件とすることができる。
【0053】
【発明の効果】本発明の高電圧電気絶縁体用シリコーン
ゴム組成物は、過酷な大気汚染、塩害あるいは気候に晒
された条件下でも、耐候性、防汚性、耐電圧性、耐トラ
ッキング性、耐アーク性、耐エロージョン性等の高電圧
電気特性に優れたシリコーンゴムを与え、このシリコー
ンゴムは碍子等の高電圧電気絶縁体として有用である。
【0054】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。なお、各例中の部はいずれも重量部であ
り、%はいずれも重量%である。
【0055】〔実施例1〕表1に示すように、(A)成
分中の(イ)成分として両末端がそれぞれジメチルビニ
ルシロキシ基で封鎖された25℃の粘度が10000c
psのジメチルポリシロキサン(a)、(B)成分の無
機充填剤にシリカ微粉末として湿式シリカ(ニプシルL
P、日本シリカ工業社製、BET比表面積180m2
g)、また平均粒子径8μm、BET比表面積2m2
gの水酸化アルミニウムを配合し、150℃でプラネタ
リーミキサーにて2時間撹拌混合し、その後室温に冷却
後、残りの(A)成分中の(ハ)成分として下記平均式
(4)で示されるジメチルハイドロジェンポリシロキサ
ン、(ニ)成分として塩化白金酸の1%2−エチルヘキ
サノール溶液、(C)成分として光触媒用酸化チタン粉
体:タイペークST−11(石原産業社製商品名、平均
粒子径0.2μm、BET比表面積60m2/g、結晶
構造がアナタース型)、更に反応制御剤としてエチニル
シクロヘキサノールを加え、均一に混合し、シリコーン
ゴム組成物を得た。この組成物を120℃で10分間加
熱硬化してそれぞれ128mm×44mm×6mm(厚
み)のシリコーンゴムシートを得た。
【0056】
【化3】
【0057】〔実施例2〕実施例1の(B)成分の水酸
化アルミニウムに変えて平均粒子径8μmの球状溶融シ
リカを使用して同様にシリコーンゴムシートを得た。
【0058】〔実施例3〕実施例1の(B)成分の水酸
化アルミニウムに変えて平均粒子径8μmの粉砕石英を
使用して同様にシリコーンゴムシートを得た。
【0059】〔実施例4〕(A)成分中の(イ)成分と
して両末端がそれぞれトリビニルシロキシ基で封鎖され
た25℃の粘度が30000cpsのジメチルポリシロ
キサン(b)と、実施例1に記載の(B)成分を同様に
して加熱混合し、実施例1に記載の(C)成分とジクミ
ルパーオキサイドを加え、室温にて均一になるまで混合
し、シリコーンゴム組成物を得た。この組成物を165
℃で10分間加熱硬化させた後、更に200℃で4時間
二次硬化させ、それぞれ128mm×44mm×6mm
(厚み)のシリコーンゴムシートを得た。
【0060】〔比較例1〜3〕表1に示す成分を使用
し、実施例1と同様にしてシリコーンゴムシートを得
た。
【0061】なお、比較例3において使用した酸化チタ
ン粉体は、タイペークR−680(石原産業社製商品
名、平均粒子径0.2μm、結晶構造がルチル型)であ
る。
【0062】次に、上記実施例、比較例で得られたシリ
コーンゴムシートについて下記の方法で紫外線暴露試験
後に接触角、トラッキング試験及び汚損耐電圧試験を行
った。その結果を表1,2に併記する。紫外線暴露試験方法 サンシャインカーボンウェザーメーター(63℃,We
t)に1000hr暴露した。トラッキング試験方法 ASTM D−2303−64Tの規格に準じて行っ
た。即ち、荷電圧4kVで電極間距離50mmの間に汚
染液(0.1%NH4Clと0.02%非イオン界面活
性剤の水溶液)を0.6ml/minの速さで上部電極
から滴下して、トラックが発生し導通するまでの時間
と、それによって起こる侵食損失重量(重量%)を測定
した。 〈侵食損失重量〉ゴムシートの一部が上記試験をする
間、熱やアークにより劣化し、侵食される。この侵食量
は次式で算出した。 (侵食により失った重量/試験前のシート全体の重量)
×100汚損耐電圧試験方法 サンドペーパで表面を磨いた上記ゴムシートを45度に
傾けて固定した。そのシートに汚損液(14%NaCl
+4%トの粉の水溶液)を等価塩分付着量0.35mg
/cm2になるように吹きかけ、3分常温で乾燥後、電
極間距離45mmで電極を取り付け、電圧を0Vから約
1kV/30secの速度で印加し、6kV迄上げる。
この操作を1サイクルとし、10サイクル迄繰り返し行
った。6kVに達する直前で閃絡した時のサイクル数を
測定値とした。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】表1,2の結果より、本発明のシリコーン
ゴム組成物は、紫外線暴露後、接触角が低下することに
より、濡れ性が上り、汚損耐電圧性、耐トラッキング性
及び耐エロージョン性に優れているものである。これに
対し、(C)成分として結晶構造がアナタース型の光触
媒用酸化チタン粉体を配合しない(比較例1,2)もの
は、侵食量が大きく又は耐トラッキング性に劣り、更に
汚損耐電圧が悪いことが確認された。
【0066】また、酸化チタン粉体として結晶構造がル
チル型のものを配合した(比較例3)ものも、本発明の
シリコーンゴム組成物に比べて、侵食量が大きく耐トラ
ッキング性に劣り、更に汚損耐電圧が悪いことが確認さ
れた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 83/04 C08L 83/07 C08K 3/00 C08K 3/22 C08K 5/14 C08L 83/05

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)有機過酸化物硬化型又は付加反応硬化型のオルガノポ リシロキサン組成物 100重量部 (B)無機充填剤 1〜500重量部 (C)平均粒子径が0.3μm以下であり、結晶単位格子がアナタース型の光触 媒用酸化チタン粉体 1〜100重量部 を含有してなることを特徴とする高電圧電気絶縁体用シ
    リコーンゴム組成物。
  2. 【請求項2】 上記無機充填剤が水酸化アルミニウム、
    粉砕石英、球状溶融シリカから選ばれる1種又は2種以
    上である高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物。
  3. 【請求項3】 上記有機過酸化物硬化型のオルガノポリ
    シロキサン組成物が、 (イ)下記平均組成式(1) R1 aSiO(4-a)/2 (1) (但し、R1は置換又は非置換の一価炭化水素基である
    が、R1の0.01〜20モル%はアルケニル基であ
    る。aは1.9〜2.4の正数である。)で示される1
    分子中に少なくとも平均2個以上のアルケニル基を有す
    るオルガノポリシロキサン (ロ)触媒量の有機過酸化物を主成分としてなる請求項
    1又は2記載の高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成
    物。
  4. 【請求項4】 上記付加反応硬化型のオルガノポリシロ
    キサン組成物が、 (イ)下記平均組成式(1) R1 aSiO(4-a)/2 (1) (但し、R1は置換又は非置換の一価炭化水素基である
    が、R1の0.01〜20モル%はアルケニル基であ
    る。aは1.9〜2.4の正数である。)で示される1
    分子中に少なくとも平均2個以上のアルケニル基を有す
    るオルガノポリシロキサン (ハ)下記平均組成式(2) R2 bcSiO(4-b-c)/2 (2) (式中、R2は炭素数1〜10の置換又は非置換の一価
    炭化水素基である。また、bは0.7〜2.1、cは
    0.002〜1で、かつb+cは0.8〜3を満足する
    正数である。)で示されるケイ素原子に結合した水素原
    子を少なくとも2個有する常温で液体のオルガノハイド
    ロジェンポリシロキサン (ニ)触媒量の付加反応触媒 を主成分とするものである請求項1又は2記載の高電圧
    電気絶縁体用シリコーンゴム組成物。
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