JP2004277444A - 導電性接着剤 - Google Patents

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JP2004277444A JP2003066681A JP2003066681A JP2004277444A JP 2004277444 A JP2004277444 A JP 2004277444A JP 2003066681 A JP2003066681 A JP 2003066681A JP 2003066681 A JP2003066681 A JP 2003066681A JP 2004277444 A JP2004277444 A JP 2004277444A
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Masahiro Yanai
將浩 谷内
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Abstract

【課題】本発明は、多大な手間とコストを必要とすることがなく、リワーク性に優れ、導電性金属のマイグレーションを抑制することができ、バランスをとって接着力を向上させることができ、しかもプリント基板にダメージを与えることがない導電性接着剤を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の導電性接着剤は、少なくとも熱可塑性樹脂、熱硬化性化合物、導電性フィラーからなり、該熱硬化性化合物が少なくとも2価のイオウ原子を有する化合物を含有する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子や各種電気電子部品の組立て、基板への接着などに用いられる導電性接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、IC、LSI、その他の半導体素子及び各種電気電子部品の組立あるいは基板への接着には、優れた導電性を有する上に信頼性が高いことからSn−Pb共晶はんだが広く使用されてきた。
ところが、近年機器の軽薄短小化に伴い、LSI等の半導体素子の小型、高機能化が進み、接続端子の幅及び間隔を狭めた微細ピッチの多数接続端子が必要となってきている。しかしながら、はんだは、接続端子の微細ピッチ化が進むと、はんだ付け時にブリッジ現象を起こす危険性を有し、微細ピッチ化への対応には限界があった。それに加えてはんだはリフロー温度が高いために接合できる部材に制約があり、更に鉛を含有している点が環境保護の観点から問題とされている。即ち、最近の環境問題への認識の高まりから、エレクトロニクス実装の分野において、はんだ合金中の鉛に対する規制が行われようとしており、電子部品の実装に鉛を用いない接合技術の確立が急務となっている。
【0003】
鉛フリー実装技術としては、主として鉛フリーはんだ及び導電性接着剤が挙げられるが、鉛フリーはんだよりも、接合部の柔軟性や実装温度の低温化等のメリットが期待できる導電性接着剤に注目が集まっている。
【0004】
上記導電性接着剤は、一般的に、樹脂系接着成分中に導電性粒子を分散させたものであり、接着剤で電極を接続した後に樹脂を硬化させ、導電性粒子同士の接触により、接続部の導通を確保するものである。従って、接合部が樹脂で接着されるため、熱や外力による変形に対して柔軟に対応でき、導通部が合金であるはんだと比較して、接合部に亀裂が発生し難いというメリットを有していることから、はんだの代替材料として期待されている。
【0005】
しかしながら、従来の導電性接着剤はマイグレーションが発生し、その結果短絡が生じ易いものであった。マイグレーションとは、高湿度下において電極に直流電圧が印加されると銀粉などの導電性接着剤中の導電性金属成分がイオン化して析出し、側方へ成長していく現象である。電極に塗布された導電性ペーストが長期間経過する間にマイグレーションが発生すると、導電性金属成分がイオン化して析出することによりイオン析出跡が形成され、その結果、相隣るイオン析出跡同士がつながることにより短絡を生じていた。このようなマイグレーションは、特に高温高湿環境下で発生し易い傾向がある。
【0006】
マイグレーションの発生を抑制する方法としては、回路パターンに水分を与えないようにタフィーやヒュームシールなどの防水塗膜を施す方法、導電性ペーストの硬化後、表面をマイグレーション性の小さいAlやCrなどの金属で覆う方法、溶融ガラスフリットで防湿保護する方法などが知られている。例えば、特開2000−357715号公報(特許文献1)では、導電性フィラーに水不溶性溶出防止膜を形成することで、硫化による接触抵抗の上昇の防止や高温高湿環境でマイグレーションを防止することが開示されている。
しかし、これら従来の方法は、いずれも多大な手間とコストを要するものであり、高温の加熱処理を必要とするためプリント基板にダメージを与え易いものであった。
【0007】
また、従来から銀マイグレーション防止にトリアジン骨格を持つ化合物が有効であることが知られており、例えば、鎌形一夫等、電子通信学会論文誌1986/1.Vol.J69−C、No.1、p.126(非特許文献1)等に開示されている。
この技術を利用した特許としては、特公昭62−53531号公報、特公昭63−54300号公報、特公昭63−39424号公報、特公平1−23313号公報、特公平1−19834号公報、特開昭61−210076号公報が挙げられるが、これらは導電性ペーストとして使用されているものではない。
【0008】
又、導電性接着剤の導電性向上を目指した場合、内部応力などによる接着強度が低下することも課題となっており、導電性を維持したまま接着強度保持という一層の性能向上が望まれている。
【0009】
更に、最近新たな要求品質として、導電性接着剤には環境問題からリワーク性が要求されつつある。即ち、従来のエポキシ樹脂系の熱硬化型導電性接着剤は接着強度が非常に強い上に、耐熱性が要求されていたことから硬い硬化物となるものであった。従って、このエポキシ樹脂系の導電性接着剤は部材を破壊せずにリワークするには困難なものであった。
【0010】
この問題を解決するために、熱可塑型導電性接着剤が商品化されており、該接着剤は加熱、溶剤などによるリワークが可能である。しかし、この熱可塑型導電性接着剤は、熱硬化型導電性接着剤よりも接着強度が弱いという問題を有していた。この対策として、エポキシ樹脂にハンダを混合し、リワーク性を付与することが開示されているが、ハンダが溶融する高温でしかリワークが可能ではないなどの問題があった。他に特開平10−241461(特許文献2)、特開2001−254067等も挙げられるが、これらはマイグレーション防止効果を付与するものではなかった。
【0011】
【特許文献1】
特開2000−357715号公報
【特許文献2】
特開平10−241461号公報
【非特許文献1】
「鎌形一夫等、電子通信学会論文誌」1986/1.Vol.J69−C、No.1、p.126
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、多大な手間とコストを必要とすることがなく、リワーク性に優れ、導電性金属のマイグレーションを抑制することができ、バランスをとって接着力を向上させることができ、しかもプリント基板にダメージを与えることがない導電性接着剤を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の問題点を解決するために鋭意検討した結果、少なくとも熱可塑性樹脂、熱硬化性化合物、導電性フィラーからなり、熱硬化性化合物が少なくとも2価のイオウ原子を持つ化合物を含有する導電性接着剤が、リワーク性に優れ、導電性金属のマイグレーションを抑制することができ、更に接着力もバランスをとって向上させることができることを見出し、本発明に至った。本発明によれば、以下に示す導電性接着剤が提供される。
〔1〕少なくとも熱可塑性樹脂、熱硬化性化合物、導電性フィラーからなり、該熱硬化性化合物が少なくとも2価のイオウ原子を有する化合物を含有することを特徴とする導電性接着剤。
〔2〕該2価のイオウ原子を有する化合物がスルフィド構造を有する化合物であることを特徴とする前記〔1〕に記載の導電性接着剤。
〔3〕該2価のイオウ原子を有する化合物がアルキレンスルフィド型エピスルフィド化合物であることを特徴とする前記〔1〕に記載の導電性接着剤。
〔4〕該2価のイオウ原子を有する化合物がフェニルスルフィド型エポキシ化合物であることを特徴とする前記〔1〕に記載の導電性接着剤。
〔5〕該熱硬化性化合物が、エポキシ化合物及び/又はエピスルフィド系化合物を含有し、該2価のイオウ原子を持つ化合物が該エピスルフィド化合物及び/又はエポキシ化合物と反応することを特徴とする前記〔1〕に記載の導電性接着剤。
〔6〕該2価のイオウ原子を持つ化合物がチオール系化合物であることを特徴とする前記〔5〕に導電性接着剤。
〔7〕該チオール系化合物が、ポリチオール化合物又は多官能チオール系化合物であることを特徴とする請前記〔6〕に記載の導電性接着剤。
〔8〕該導電性フィラーが、銀であることを特徴とする前記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の導電性接着剤。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明の導電性接着剤は、少なくとも熱可塑性樹脂、熱硬化性化合物、導電性フィラーからなり、該熱硬化性化合物が少なくとも2価のイオウ原子を有する化合物を含有する。かかる構成の導電性接着剤は、安価且つ簡便に製造可能であり、リワーク性に優れ、導電性金属のマイグレーションを抑制することができ、接着力にも優れている。
【0015】
本発明の導電性接着剤がマイグレーション防止効果を発現する理由としては、熱硬化性化合物に含まれる、2価のイオウ原子の持つ不対電子が、金属に配位し、弱い結合の錯形成をするためではないかと考えられる。
【0016】
また、本発明の導電性接着剤は、熱可塑性樹脂と熱硬化性化合物との混合物なので、熱硬化性化合物の架橋反応により強い接着強度を有する。また、熱可塑性樹脂はガラス転移点以上の温度になると加熱溶融し、ワーク性が発現する。更に溶剤等を使用することにより、熱架橋硬化物による接着強度を低下させれば、リワーク性がより優れたものとなる。
【0017】
本発明の導電性接着剤を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリエステル、フェノキシ樹脂、熱可塑性ポリウレタン、ポリビニルブチラール、ポリアミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリビニルエーテル、ポリスルホン、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、メタクリル樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、アイオノマー樹脂、シロキサン、シロキサン−アリルエーテル共重合体などが挙げられる。
【0018】
本発明で使用される熱可塑性樹脂としては、上記の熱可塑性樹脂の中でも、そのガラス転移温度が300℃以下(好ましくはハンダ溶融温度以下)のものが好ましい。300℃を越えると、接着時及びリワーク時に300℃以上に加熱する必要があり、接着する部材劣化等に繋がる可能性があるので、好ましくない。
【0019】
本発明における熱可塑性樹脂の配合量は、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を合わせた全樹脂に対して3〜97重量%であることが好ましい。熱可塑性樹脂の割合が3重量%よりも少ないとリワークすることができない虞があり、熱可塑性樹脂の割合が97重量%を超えると充分な接着強度が発現しない虞がある。
【0020】
本発明の導電性接着剤を構成する熱硬化性化合物としては、エポキシ樹脂、エピスルフィド樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、メラミン樹脂、ウレア樹脂が挙げられる。
【0021】
上記エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、(クレゾール)ノボラック型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノール型、レゾルシン型、テトラヒドロキシフェノルエタン型、ポリアルコールポリグリコール型、グリセリントリエーテル型、ポリオレフィン型、エポキシ化大豆油、シクロペンタジエンジオキシド、ビニルシクロヘキセンジオキシドなどが挙げられる。また、エピスルフィド樹脂としては、例えば、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルチオ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルチオ)−3−メチルフェニル]スルフィド、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド等が挙げられる。
【0022】
本発明の導電性接着剤を構成する熱硬化性化合物は、上記のもの以外に、少なくとも2価のイオウ原子を有する化合物を含有する。かかる熱硬化性化合物が導電性接着剤の主剤として用いられることにより、本発明の導電性接着剤はリワーク性に優れ、導電性金属のマイグレーションを抑制することができ、接着力にも優れているものとなる。
【0023】
本発明で用いられる2価のイオウ原子を持つ化合物としては、スルフィド構造を持つ化合物、アルキレンスルフィド型エピスルフィド化合物、フェニルスルフィド型エピスルフィド化合物、フェニルスルフィド型エポキシ化合物、フェニルスルフィド型不飽和二重結合を持つ化合物、ポリチオール化合物、多官能チオール系化合物等のチオール系化合物等などが挙げられる。尚、ポリチオール化合物、多官能チオール系化合物等のチオール系化合物は、エピスルフィド化合物及び/又はエポキシ樹脂と反応・硬化させることにより、好ましく使用される。
【0024】
2価のイオウ原子を持つ化合物として、スルフィド構造を持つ化合物を含有する導電性接着剤は、リワーク性に優れ、導電性金属のマイグレーションを抑制することができ、接着力を向上させることができる。該スルフィド構造を持つ化合物としては、例えば、4,4’−ビス(メルカプトメチル)フェニルスルフィド、2,4’−ビス(メルカプトメチル)フェニルスルフィド、2,4,4’−トリ(メルカプトメチル)フェニルスルフィド、2,2’,4,4’−テトラ(メルカプトメチル)フェニルスルフィド、4,4’−ビス(4−メルカプト−2−チアブチル)フェニルスルフィド、2,4’−ビス(4−メルカプト−2−チアブチル)フェニルスルフィド、2,4,4’−トリ(4−メルカプト−2−チアブチル)フェニルスルフィド、2,2’,4,4’−テトラ(4−メルカプト−2−チアブチル)フェニルスルフィド、4,4’−ビス(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)フェニルスルフィド、2,4’−ビス(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)フェニルスルフィド、2,4,4’−トリ(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)フェニルスルフィド、2,2’,4,4’−テトラ(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)フェニルスルフィド、4−メルカプトメチル−4’−(4−メルカプト−2−チアブチル)フェニルスルフィド、2−メルカプトメチル−4’−(4−メルカプト−2−チアブチル)フェニルスルフィド、4−メルカプトメチル−2’−(4−メルカプト−2−チアブチル)フェニルスルフィド、4−(4−メルカプト−2−チアブチル)−4’−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)フェニルスルフィド、2−(4−メルカプト−2−チアブチル)−4’−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)フェニルスルフィド、4−(4−メルカプト−2−チアブチル)−2’−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)フェニルスルフィド、4−メルカプトメチル−4’−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)フェニルスルフィド、2−メルカプトメチル−4’−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)フェニルスルフィド、4−メルカプトメチル−2’−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)フェニルスルフィド、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、ビス(3−メルカプトプロピル)スルフィド、ビス(4−メルカプトブチル)スルフィド、ビス(8−メルカプトオクチル)スルフィド等が挙げられる。
【0025】
2価のイオウ原子を持つ化合物として、アルキレンスルフィド型エピスルフィド化合物を用いた導電性接着剤は、リワーク性に優れ、導電性金属のマイグレーションを抑制することができ、硬化物に可撓性を与えることができ、硬化による歪が少なく、接着力を向上させることができる。該アルキレンスルフィド型エピスルフィド化合物としては、脂肪族骨格を有するものであれば、直鎖状または分岐状または環状のいずれでもかまわない。直鎖状や分岐状のものとしては、例えば、ビス(β−エピチオプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)エタン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−2−(β−エピチオプロピルチオメチル)プロパン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ブタン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−3−(β−エピチオプロピルチオメチル)ブタン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ペンタン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−4−(β−エピチオプロピルチオメチル)ペンタン、1,6−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ヘキサン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−5−(β−エピチオプロピルチオメチル)ヘキサン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−2−〔(2−β−エピチオプロピルチオエチル)チオ〕エタン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−2−[〔2−(2−β−エピチオプロピルチオエチル)チオエチル〕チオ]エタン等や、テトラキス(β−エピチオプロピルチオメチル)メタン、1,1,1−トリス(β−エピチオプロピルチオメチル)プロパン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2−(β−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−2,2−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス(β−エピチオプロピルチオ)−4−(β−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアヘキサン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4−(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4,5ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2,4,5−トリス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,9−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−5−(β−エピチオプロピルチオメチル)−5−〔(2−β−エピチオプロピルチオエチル)チオメチル〕−3,7−ジチアノナン、1,10−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−5,6−ビス〔(2−β−エピチオプロピルチオエチル)チオ〕−3,6,9−トリチアデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4,8−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−5,7−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−5,7−〔(2−β−エピチオプロピルチオエチル)チオメチル〕−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4,7−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン等が挙げられる。また、環状脂肪族系としては、1,3および1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン、1,3および1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)シクロヘキサン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキシル〕メタン、2,2−ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキシル〕プロパン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキシル〕スルフィド、2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオエチルチオメチル)−1,4−ジチアン等が挙げられる。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。また、これらは単独でも、2種類以上を混合して使用してもかまわない。
【0026】
これらのアルキレンスルフィド型エピスルフィド化合物の中では、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド、ビス(β−エピチオプロピルチオ)エタンが好ましい。
【0027】
2価のイオウ原子を持つ化合物として、フェニルスルフィド型エポキシ化合物を用いた導電性接着剤は、リワーク性に優れ、導電性金属のマイグレーションを抑制することができ、硬化による歪が少なく、接着力を向上させることができ、耐熱性を向上させることができる。該フェニルスルフィド型エポキシ化合物としては、例えば、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)−3−メチルフェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)−3,5−ジメチルフェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)−2,3,5,6−テトラメチルフェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)−3−ヘキシルフェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)−3,5−ジヘキシルフェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)−3−クロロフェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)−3,5−ジクロロフェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)−2,3,5,6−テトラクロロフェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)−3−ブロモフェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)−3,5−ジブロモフェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)−2,3,5,6−テトラブロモフェニル]スルフィド等が挙げられる。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。また、これらは単独でも、2種類以上を混合して使用してもかまわない。
【0028】
これらのフェニルスルフィド型エポキシ化合物の中では、接着性を向上させる効果に優れているので、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)−3−メチルフェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)−3,5−ジメチルフェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)−3,5−ジブロモフェニル]スルフィドが好ましい。
【0029】
本発明の導電性接着剤を構成する熱硬化性化合物は、エピスルフィド化合物及び/又はエポキシ化合物を含有すると共に、前記2価のイオウ原子を持つ化合物がエピスルフィド化合物及び/又はエポキシ化合物と反応するものが好ましく挙げられる。かかる構成の熱硬化性化合物を含有する導電性接着剤は、リワーク性に優れ、導電性金属のマイグレーションを抑制することができる。
【0030】
本発明の熱硬化性化合物を構成する、エピスルフィド化合物及び/又はエポキシ化合物と反応する2価のイオウ原子を持つ化合物としては、チオール系化合物が挙げられる。チオール系化合物を含有する導電性接着剤は、リワーク性に優れ、導電性金属のマイグレーションを効率よく抑制することができ、硬化物に可撓性を与えると共に、硬化性を向上させることにより、接着力を強力にすることができる。該チオール系化合物としては、ポリチオール化合物又は多官能チオール系化合物が挙げられる。
【0031】
本発明の熱硬化性化合物を構成する上記ポリチオール化合物としては、次のものが挙げられる。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
脂肪族ポリチオールとして、例えば、1,2−エタンジチオール、l,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,6−へキサンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオブロピオネート、ブタンジオールビスチオグリコレート、ブタンジオールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ぺンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ぺンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでは、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ぺンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネートは、本発明において好適に使用しうるものである。
【0032】
また、主鎖骨格に下記構造式(1)を持つポリチオール化合物は、より優れたマイグレーション効果を有するので好ましい。例えば、テトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタン、ビス(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチルフェニル)スルフィド等が挙げられる。テトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタンは硬化物に更に可撓性が付与され、接着強度向上をもたらす効果もある。
【化1】
Figure 2004277444
構造式(1)において、nは1以上の整数を表す。
【0033】
本発明の熱硬化性化合物を構成する前記多官能チオール系化合物としては、例えば、3官能チオール系化合物、2,4,6−トチオキソ−1,3,5−トリイルトリエチル−トリス(3−メルカプトプロピオナート)は硬化性を向上させることができ、接着性が向上し好ましい。
【0034】
本発明における熱硬化性化合物を構成するチオール系化合物は、エポキシ化合物及び/又はエピスルフィド系化合物の当量よりやや過剰に加えると、マイグレーション抑制効果が向上することが期待されるため、添加量はマイグレーションとの相関が重要となる。
【0035】
また、該チオール系化合物は反応・硬化する上に、マイグレーション抑制作用を有するので、マイグレーション抑制作用を有しない化合物と反応しないマイグレーション抑制化合物とを併用した導電性接着剤に比べ、体積当りの導電性が向上する効果がある。該反応当量比は1:1から1:5であることが好ましい。1:1以下であると未反応のチオール系化合物が硬化物中に存在し、硬化が不十分となり、好ましくない。また1:5以上であるとエポキシ化合物及び/又はエピスルフィド系化合物との重合が優先され、硬化物に可撓性が乏しくなり、接着強度が低下するので、好ましくない。
【0036】
又、2価のイオウ原子を持つ化合物と反応・硬化するエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、アルキル置換ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、アルキル置換ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、ポリスルフィド変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ポリアルキレングリコール型エポキシ樹脂、環状脂肪族基を有する脂環式エポキシ化合物等が挙げられる。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。これらのエポキシ樹脂は、固形でも液状でもよく、固形エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられるが、特にこれらに限定されるわけではない。固形又は液状エポキシ樹脂は、単独で用いても混合して用いても良い。
【0037】
また、これら固形エポキシ樹脂と液状エポキシ樹脂を混合するには、例えば、加熱した液状エポキシ樹脂中に粉砕した固形エポキシ樹脂を投入し溶解した後、放冷すればよく、放冷過程で反応性希釈剤などを混合することもできる。
【0038】
又、2価のイオウ原子を持つ化合物と反応し、硬化するエピスルフィド系化合物としては、アルキレンスルフィド型エピスルフィド化合物、フェニルスルフィド型エピスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルチオ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルチオ)−3−メチルフェニル]スルフィド、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド等が挙げられる。
なお、本発明においては、エポキシ化合物とエピスルフィド系化合物は混合して使用しても構わない。
【0039】
本発明の導電性接着剤には反応性希釈剤を用いることが好ましい。該反応性希釈剤としては、低粘度な反応性希釈剤であれば使用することができ、例えばn−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、o−クレジルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、フェニルグリシジリエーテル、クレジルグリシジルエーテル、p−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、ジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、アルキレンジグリシジルエーテル、ポリグリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは単独でも用いても、混合して用いても良い。更に安定した導電性を与えるためには反応性基が2官能以上であることが好ましく、例えば、ジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、アルキレンジグリシジルエーテル、ポリグリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらは単独でも用いても、混合して用いても良い。
【0040】
反応性希釈剤を添加することで、導電性接着剤の粘度調整が容易にでき、種々の工程に対して対応が可能となる。また、2官能以上の反応性希釈剤であれば、架橋密度を向上させ、接着強度を向上させることができるので、より好ましい。また、理由は不明だが、これら反応性希釈剤を導電性接着剤に添加して用いた場合、ポットライフが長くなる傾向にあり、作業性を向上させることができる。反応性希釈剤の添加量は、熱硬化性化合物(特に、エポキシ樹脂)100重量部に対して100重量部以下が好ましい。この量が100重量部を越えると、希釈効果はあるものの、接着強度が低下するので好ましくない。
尚、ポットライフとは、可使時間のことであり、通常、硬化反応や溶媒揮発などの諸条件によって接着剤の粘度が2倍になるまでの時間を指す。但し、作業により可使時間に繋がる粘度上昇値は変化するので、この限りではない。
【0041】
本発明において、熱硬化性化合物を硬化させるために用いられる硬化剤としては、例えば芳香族アミン系硬化剤、脂肪族アミン系硬化剤、脂環族アミン系硬化剤、エポキシ変性アダクトアミン系硬化剤、ポリオキシアルキレンアミン系硬化剤、複素環式アミン系硬化剤、ポリアミドアミン系硬化剤、ポリアミン系硬化剤、3官能チオール系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、潜在性硬化剤、マイクロカプセル型硬化剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いても、混合して用いても良い。
【0042】
これら硬化剤の添加量は、配合当量以上に添加することは、硬化性に問題を生じる上に、体積当りの導電性も低下することになるのであまり好ましくない。当量以下の場合は硬化不十分で接着強度が不足するが、他硬化剤、硬化促進剤添加によって硬化させることで、接着強度を保持することができる。また、液状硬化剤を使用した場合は保存特性が低下するので、冷蔵あるいは冷凍保存が必要となる。
【0043】
本発明において、熱硬化性化合物を硬化させるために使用される硬化促進剤としては、具体的には例えば、3級アミン化合物や尿素化合物や通常潜在性硬化剤として使用されている硬化剤、例えばジシアンジアミド、アミンアダクト化合物や尿素アダクト化合物などが挙げられる。3級アミン化合物としては、2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−{2’−メチルイミドゾリル−(1’)}−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−{2’−メチルイミドゾリル−(1’)}−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物などが挙げられ、尿素化合物としては、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素及び又は3−p−クロロフェニル−1,1−ジメチル尿素などが挙げられる。更に他の硬化促進剤、潜在性硬化剤として使用されているもの等も使用できる、例えばジシアンジアミド、アミンアダクト化合物、尿素アダクト化合物なども挙げられる。特にこれらに限定されるものではない。
【0044】
上記硬化促進剤の中でも、2,4−ジアミノ−6−{2’−メチルイミドゾリル−(1’)}−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−{2’−メチルイミドゾリル−(1’)}−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物及びジシアンジアミドは、硬化促進化が認められ、接着強度を高くすることができ、硬化温度低下、硬化時間短縮をもたらすため、特に好ましい。
【0045】
また、2,4−ジアミノ−6−{2’−メチルイミドゾリル−(1’)}−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−{2’−メチルイミドゾリル−(1’)}−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物は、硬化促進に寄与する上に、それ自体がマイグレーション抑制効果を有し、マイグレーション抑制剤の添加量を減らすことができるので、特に好ましい。硬化促進剤の量は、主剤100重量部に対して5重量部以下が好ましい。この量が5重量部を越えると、硬化性はよいものの、接着強度不足及び耐湿性等の信頼性に悪影響を及ぼすことになる。
【0046】
本発明の導電性接着剤は、部材の劣化温度以下で熱可塑性樹脂のガラス転移点以上に加熱することにより、又は溶剤を使用することにより、リワークが可能である。
リワークに使用される溶剤としては接着強度を低下させるものであれば良く、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−ピロリドン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、メチルカルビトール、カルビトール、カルビトールアセテート、酢酸ブチルセロソルブ、酢酸エチルセロソルブ、酢酸メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ等の溶媒を単独あるいは混合して使用しても良い。
【0047】
本発明の導電性接着剤は導電性フィラーを含有する。該導電性フィラーとしては、金、銀、銅、ニッケルなどの導電性金属;アルミナ、ガラスなどの無機絶縁体やポリエチレン、ポリスチレンなどの有機高分子の表面を導電性物質でコートしたもの;カーボン;グラファイトなどが挙げられる。又、導電性フィラーとして特開平7−179832号公報に記載の低融点金属をコーティングしたものを用いることもできる。これらは単独で用いても2種以上を併用しても良い。
【0048】
本発明においては、上記導電性フィラーの中でも、導電性接着剤に高い導電率を付与できるという点で銀が好ましい。
【0049】
又、本発明で用いられる導電性フィラーの形状は、球状、リン片状、又は樹枝状があり、これらの形状のものを単独で用いることもできれば、2種以上の混合系で用いることもできる。又、粗粉と細粉を混合して用いることもできれば、高融点金属粉末と低融点金属粉末を混合して用いることもできる。
【0050】
本発明においては、上記形状の導電性フィラーの中でも、球状粉末とリン片状粉末の混合物を用いることが好ましい。かかる混合物を導電性フィラーとして用いると、導電性接着剤の導電率が向上し、更に、リン片状粉末が通電経路を形成し、球状粉末が樹脂層のマトリックスを強固にし、導電性と強度のバランスを取ることができる。
【0051】
本発明における導電性フィラーの配合量は、導電性接着剤の用途に応じて適切な範囲で選択することができる。加圧プロセスのない通常の導電性接着剤として用いる際の配合率は導電性接着剤全体の65〜90重量%とすることが好ましい。65重量%未満では十分な導電性を得ることが難しく、90重量%を超えると作業性が劣る。より好ましくは70〜90重量%である。
【0052】
本発明の導電性接着剤においては、本発明の特徴を損なわない範囲で適当な溶剤又は希釈剤を用いることもできる。これは、導電性接着剤をペースト状にした場合に十分な粘度とチキソ性を与えるものである。
【0053】
上記溶剤は公知のものでよく、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−ピロリドン、カルビトール、メチルカルビトール、カルビトールアセテート、酢酸ブチルセロソルブ、酢酸エチルセロソルブ、酢酸メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ等が挙げられる。これらは単独で用いても複数の溶剤を適当量混合して用いてもよい。但し、保存特性は低下するので使用時には注意を要する。
【0054】
本発明の導電性接着剤には、マイグレーション防止化合物を添加することもできる。
その例としては、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン、下記に示すようなトリアジン化合物、及びトリアジン骨格を持つ樹脂(BTレジン:三菱ガス化学)などが挙げられる。
【0055】
本発明におけるマイグレーション防止化合物の添加量は、前記マイグレーション防止作用を有するイオウ原子を有する化合物から遊離されるマイグレーション防止化合物との合計が導電性接着剤全体の30重量%を超えないように添加することが好ましい。この値を超えると、マイグレーション防止効果が上がらないばかりか、体積当りの導電性が低下するので好ましくない。
【0056】
次に、マイグレーション防止効果を有するトリアジン化合物の具体例を表1〜表3に構造式で示す。尚、下記1〜表3に示す構造式中のAは、次の構造式(2)で表される。
【0057】
【化2】
Figure 2004277444
【0058】
【表1】
Figure 2004277444
【0059】
【表2】
Figure 2004277444
【0060】
【表3】
Figure 2004277444
【0061】
本発明の導電性接着剤においては、酸化防止剤を含有させることが好ましい。該酸化防止剤としては、プロピオン酸、リノール酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ペンタデシル酸などの脂肪酸及びその金属塩、ジカルボン酸、オキシカルボン酸、フェノール類、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノンなどの多価フェノール、金属キレート剤、高級脂肪族アミン、有機チタネート化合物、ロジン、アントラセン及びその誘導体などが挙げられ、市販のはんだ用フラックスも使用できる。これらの酸化防止剤の中では、プロピオン酸、リノール酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ペンタデシル酸などの脂肪酸、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノンなどの多価フェノールが好ましい。
【0062】
本発明おける酸化防止剤の添加量は一般的には導電性フィラーに対して、0.1〜20重量%が好ましいが、添加量が少な過ぎると導電性フィラーが酸化を受け易く、また多過ぎると接着性や導電性が低下したり、接着剤ペーストの吸湿性が高くなるので0.3〜10重量%が特に好ましい。
【0063】
また、本発明の導電性接着剤における他の配合物としては、接着強度向上のために添加されるシランカップリング剤やチタンカップリング剤等のカップリング剤が挙げられる。上記シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ユレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノシランカップリング剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシシランカップリング剤、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等のビニルシランカップリング剤、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシランカップリング剤、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリルシランカップリング剤、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン等の一般式
RSi(OR’)
〔式中、Rは1個又は2個以上のハロゲン原子が置換してもよい炭素数1〜4程度の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示し、R’は炭素数1〜4程度の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示す。〕
で表されるアルキルトリアルコキシシラン等を挙げることができる。
【0064】
前記チタンカップリング剤の具体例としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス−イソデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス−n−デシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート、テトライソプロピル−ビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチル−ビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)−ビス(ジ−トリデシルホスファイト)チタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等を挙げることができる。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0065】
これらのカップリング剤の添加量は、本発明に用いる導電性接着剤の組成により大きく変化するが、導電性接着剤全体を100重量部とした場合、5重量部以下が好ましい。5重量部を越えると、樹脂の凝集力が低下し、結果として接着力や信頼性が低下する。
【0066】
本発明の導電性接着剤においては、前記成分の他に、その用途に応じて、或いは必要に応じて、粘度調整や硬化性付与用樹脂、充填剤、レベリング剤、酸化促進剤、難燃剤、チクソ性付与剤、沈降防止剤、顔料、消泡剤、腐食防止剤、粘着性付与剤、希釈用溶媒などの各種添加剤を含有しても良い。
【0067】
本発明の導電性接着剤は、上記の各種成分をボールミル、ロールミル、プラネタリーミキサー等の各種混練機を用いて、常法により、例えば10〜60分間混練することにより得られる。
【0068】
上記混練した導電性接着剤は、スクリーン印刷、ディスペンサー塗布等の方法により、絶縁基体やリードフレームに塗布する。なお、これらが液状硬化剤を使用している場合や溶剤を使用している場合は、混練した導電性接着剤は、スクリーン印刷、ディスペンサー塗布等の方法により、絶縁基体やリードフレームに塗布する。なお、これらは液状硬化剤を使用している場合や溶剤を使用している場合は、保存には冷凍あるいは冷蔵保存が必要である。
【0069】
本発明の導電性接着剤の加熱硬化条件は、樹脂が十分硬化すると共に、熱による劣化が問題にならない範囲であれば特に制限はない。
【0070】
上記本発明において、例えば銀フィラーを用いた場合、特に高温高湿環境下では銀がイオン化して銀イオンとなるが、この銀イオンはマイグレーション抑制化合物によって銀析出が抑制される。従って、この導電性接着剤をプリント基板の電極に塗布し、電子部品を接着しても、銀イオンの析出による短絡の発生は抑制される。
【0071】
なお、本発明の2価のイオウ原子を持つ化合物は、導電性金属に弱い配位をする可能性があるので、酸性気体環境下での硫化を防止できる可能性もある。
【0072】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
なお、下記の実施例及び比較例における「部」は、「重量部」である。
【0073】
実施例1〜8、比較例1〜6において、以下に示す配合比の導電性接着剤を作製した。
【0074】
(実施例1)
ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)フェニル]スルフィド
(住友精化製) 80重量部
2−エチルー4−メチルイミダゾール(四国化成製) 4重量部
ポリアミド樹脂(三和化学社製:サンマイドHT−180) 20重量部
キシレン 20重量部
銀フィラー 600重量部
キシレンを揮発させながら、段階的に180℃で1時間反応させて、導電性接着剤を作製した。
【0075】
(比較例1)
ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)フェニル]スルフィドの代りに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(日本エポキシ社製、YL980)を使用する以外は、実施例1と同様に導電性接着剤を作製した。
【0076】
(実施例2)
ビス[4−(2,3−エピチオプロピルチオ)フェニル]スルフィド
(住友精化製) 10重量部
ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)フェニル]スルフィド
(住友精化製) 10重量部
ポリオキシアルキレンアミン
(HUNTSMAN社製、ジェファーミンD230) 5重量部
ポリアミド樹脂
(三和化学社製:サンマイドHT−180) 80重量部
キシレン 60重量部
銀フィラー 600重量部
キシレンを揮発させながら、段階的に180℃1時間反応させて、導電性接着剤を作製した。
【0077】
(比較例2)
ビス[4−(2,3−エピチオプロピルチオ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)フェニル]スルフィドの代わりに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(日本エポキシ社製、YL980)100重量部を使用する以外は、実施例2と同様に導電性接着剤を作製した。
【0078】
(実施例3)
ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド 95重量部
2−エチルー4−メチルイミダゾール(四国化成製) 4重量部
フェノキシ樹脂 5重量部
DMF 10重量部
銀フィラー 600重量部
DMFを揮発させながら、段階的に180℃1時間反応させて、導電性接着剤を作製した。
【0079】
(比較例3)
ビス(β−エピチオプロピル)スルフィドの代わりに、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(日本エポキシ社製、#806)を使用する以外は、実施例3と同様に導電性接着剤を作製した。
【0080】
(実施例4)
ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)フェニル]スルフィド
(住友精化製) 20重量部
マイクロカプセル潜在性状硬化剤
(旭チバ社製) 5重量部
フェノキシ樹脂 80重量部
DMF 190重量部
銀フィラー 600重量部
DMFを揮発させながら、段階的に180℃1時間反応させて、導電性接着剤を作製した。
【0081】
(比較例4)
ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)フェニル]スルフィド(住友精化製)の代わりに、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学社製、セロキサイド2081)を使用する、実施例4と同様に導電性接着剤を作製した。
【0082】
(実施例5)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(油化シェルエポキシ社製、YL980) 80重量部
テトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタン
(住友精化製) 40重量部
ポリアミド樹脂(三和化学社製:サンマイドHT−180) 20重量部
キシレン 20重量部
銀フィラー 600重量部
キシレンを揮発させながら、段階的に180℃1時間反応させて、導電性接着剤を作製した。
【0083】
(比較例5)
テトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタン(住友精化製)の代わりに、ポリオキシアルキレンアミン(HUNTSMAN社製、ジェファーミンD400)28重量部を使用し、ポリアミド樹脂(三和化学社製:サンマイドHT−180)20重量部を使用しない以外は、実施例5と同様に導電性接着剤を作製した。
【0084】
(実施例6)
ビス[4−(2,3−エピチオプロピルチオ)フェニル]スルフィド
(住友精化製) 24重量部
ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)フェニル]スルフィド
(住友精化製) 56重量部
テトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタン
(住友精化製) 40重量部
ポリアミド樹脂(三和化学社製:サンマイドHT−180) 20重量部
キシレン 20重量部
銀フィラー 600重量部
シランカップリング剤(信越シリコーン社製:KBM803)全重量に対して3重量%キシレンを揮発させながら、段階的に180℃1時間反応させて、導電性接着剤を作製した。
【0085】
(比較例6)
実施例6のテトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタン(住友精化製)の代わりに、EH−4070S(アデカ社製)60重量部を使用し、ポリアミド樹脂(三和化学社製:サンマイドHT−180)20重量部を使用しない以外は、実施例1と同様に導電性接着剤を作製した。
【0086】
(実施例7)
ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)フェニル]スルフィド
(住友精化製) 67重量部
ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(油化シェルエポキシ社製、YL980) 28重量部
2,4,6−トチオキソ−1,3,5−トリイルトリエチル−トリス
(3−メルカプトプロピオナート)(淀化学製) 81重量部
硬化促進剤:2,4−ジアミノ−6−{2′−メチル
イモダゾリル−(1′)}−エチル−s−トリアジン 1重量部
フェノキシ樹脂 5重量部
DMF 10重量部
銀フィラー 600重量部
シランカップリング剤(信越シリコーン社製:KBM803)全重量に対して3重量%
DMFを揮発させながら、段階的に180℃1時間反応させて、導電性接着剤を作製した。
【0087】
(実施例8)
ビス[4−(2,3−エピチオプロピルチオ)フェニル]スルフィド
(住友精化製) 24重量部
ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)フェニル]スルフィド
(住友精化製) 40重量部
2,4,6−トチオキソ−1,3,5−トリイルトリエチル
−トリス(3−メルカプトプロピオナート)(淀化学製) 90重量部
反応性希釈剤(ダイセル化学社製、セロキサイド3000) 16重量部
硬化促進剤:2,4−ジアミノ−6−{2′−メチル
イモダゾリル−(1′)}−エチル−s−トリアジン 1重量部
ポリアミド樹脂(三和化学社製:サンマイドHT−180) 20重量部
キシレン 20重量部
銀フィラー 600重量部
シランカップリング剤(信越シリコーン社製:KBM403)全重量に対して3重量%
キシレンを揮発させながら、段階的に180℃1時間反応させて、導電性接着剤を作製した。
【0088】
実施例1〜8、比較例1〜6で作製した導電性接着剤について、接着強度(剪断強度)、リワーク性、体積固有抵抗、導電率の測定、及びマイグレーション発生の評価を行った。結果を表4に示す。
【0089】
【表4】
Figure 2004277444
【0090】
各種物性の測定及び評価は次のようにして行った。
接着強度(剪断強度)は、銅板上に導電性接着剤を膜厚70〜100μm、幅2mm、長さ2mmに塗布し、銅チップ(2mm×2mm×1mm)を5つ載せて所定温度で硬化させ、作成した硬化物にプッシュプルゲージの先端を押し込みチップ脱落等の強度を読み取ることにより測定した。
接着強度(剪断強度)が5Kgf/cm以上のものを○、5Kgf/cm未満のものを×とした。
【0091】
リワーク性は、上記作成した硬化物をオーブンで180℃×10分加熱した直後に銅チップをピンセットで引張り、脱落するかどうかで評価した。
リワーク性があったものを○、リワーク性の無かったものを×とした。
【0092】
体積固有抵抗は、基盤上に導電性接着剤を膜厚50〜100μm、幅1cm、長さ7cmに塗布し、所定温度で硬化させ、作成した硬化物の1cm当りの抵抗値(R)をデジタルマルチメーターで測定し、その数値を下記(1)式に代入することにより算出した。
【数1】
体積固有抵抗値=R×t×10−4Ω・cm (1)
〔R:抵抗値、t:膜厚(μm)〕
導電率は、1×10−4Ω/cm以上のものを○、1×10−4Ω/cm未満のものを×とした。
【0093】
マイグレーション発生は、図1に示す手段により測定し評価した。
図1は、導電性テスト手段の平面図であり、ガラエポ基盤10上に針状先端部を有する電極11を500μmピッチで2個形成し、30ボルトの直流電圧を加えたものである。電極11の素材は銅であり、その面積は0.3mmである。
テスト環境温度は60℃、湿度は95%である。
【0094】
マイグレーション発生の観察はJIS Z 3284に従って行い、1000時間通電して観察した結果、マイグレーションが発生しなかったものを○、発生したものを×とした。
【0095】
【発明の効果】
本発明の導電性接着剤は、少なくとも熱可塑性樹脂、熱硬化性化合物、導電性フィラーからなり、該熱硬化性化合物が少なくとも2価のイオウ原子を有する化合物を含有することにより、リワーク性に優れ、導電性金属のマイグレーションを抑制し、更に接着力をバランスをとって向上させることができ、プリント基板にダメージを与えることがなく、しかも多大な手間とコストを必要とせずに製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】導電テスト手段の平面図。
【符号の説明】
10 ガラエポ基盤
11 電極

Claims (8)

  1. 少なくとも熱可塑性樹脂、熱硬化性化合物、導電性フィラーからなり、該熱硬化性化合物が少なくとも2価のイオウ原子を有する化合物を含有することを特徴とする導電性接着剤。
  2. 該2価のイオウ原子を有する化合物がスルフィド構造を有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載の導電性接着剤。
  3. 該2価のイオウ原子を有する化合物がアルキレンスルフィド型エピスルフィド化合物であることを特徴とする請求項1に記載の導電性接着剤。
  4. 該2価のイオウ原子を有する化合物がフェニルスルフィド型エポキシ化合物であることを特徴とする請求項1に記載の導電性接着剤。
  5. 該熱硬化性化合物が、エポキシ化合物及び/又はエピスルフィド系化合物を含有し、該2価のイオウ原子を持つ化合物が該エピスルフィド系化合物及び/又はエポキシ化合物と反応することを特徴とする請求項1に記載の導電性接着剤。
  6. 該2価のイオウ原子を持つ化合物がチオール系化合物であることを特徴とする請求項5に記載の導電性接着剤。
  7. 該チオール系化合物が、ポリチオール化合物又は多官能チオール系化合物であることを特徴とする請求項6に記載の導電性接着剤。
  8. 該導電性フィラーが、銀であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の導電性接着剤。
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