JP2002201448A - 導電性接着剤 - Google Patents

導電性接着剤

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JP2002201448A
JP2002201448A JP2000399586A JP2000399586A JP2002201448A JP 2002201448 A JP2002201448 A JP 2002201448A JP 2000399586 A JP2000399586 A JP 2000399586A JP 2000399586 A JP2000399586 A JP 2000399586A JP 2002201448 A JP2002201448 A JP 2002201448A
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conductive
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Takeshi Sano
武 佐野
Masahiro Yanai
將浩 谷内
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性金属のマイグレーション防止作用を有
する化合物の分散性を向上させ、該化合物の添加量を低
減することにより体積当りの導電性の向上を図ることを
目的とする。 【解決手段】 エポキシ樹脂、マイグレーション防止作
用を有するエポキシ樹脂硬化剤、及び導電性フィラーを
含有する導電性接着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子や各種
電気電子部品の組立て、基板への接着などに用いられる
導電性接着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、IC、LSI、その他の半導体素
子及び各種電気電子部品の組立あるいは基板への接着に
は、優れた導電性や高い信頼性の点からSn−Pb共晶
はんだが広く使用されてきた。ところで、近年機器の軽
薄短小化に伴い、LSI等の半導体素子の小型、高機能
化が進み、接続端子の幅及び間隔を狭めた微細ピッチの
多数接続端子が必要となってきている。しかしながら、
はんだは、接続端子の微細ピッチ化が進むと、はんだ付
け時にブリッジ現象を起こす危険性を有し、微細ピッチ
化への対応には限界があった。それに加えてはんだはリ
フロー温度が高いために接合できる部材に制約があり、
更に鉛を含有しているという点が環境保護の観点から問
題とされている。即ち、最近の環境問題への認識の高ま
りから、エレクトロニクス実装の分野において、はんだ
合金中の鉛に対する規制が行われようとしており、電子
部品の実装に鉛を用いない接合技術の確立が急務となっ
ている。
【0003】鉛フリー実装技術としては、主として鉛フ
リーはんだ及び導電性接着剤が挙げられるが、鉛フリー
はんだよりも、接合部の柔軟性や実装温度の低温化等の
メリットが期待できる導電性接着剤に注目が集まってい
る。従来の導電性接着剤は、一般的に、樹脂系接着成分
中に導電性粒子を分散させたものであり、接着剤により
電極を接続した後に樹脂を硬化させ、粒子同士の接触に
より、接続部の導通を確保するものである。従って、接
合部が樹脂で接着されるため、熱や外力による変形に対
して柔軟に対応でき、導通部が合金であるはんだと比較
して、接合部に亀裂が発生し難いというメリットを有し
ていることから、はんだの代替材料として期待されてい
る。
【0004】しかしながら、従来の導電性接着剤はマイ
グレーションが発生し易いものであった。マイグレーシ
ョンとは、高湿度下において電極に直流電圧が印加され
ると銀粉などの導電性接着剤中の導電性金属成分がイオ
ン化して析出し、側方へ成長していく現象であり、相隣
る電極の短絡を惹起し易く問題となっている。電極に塗
布された導電性ペーストが長期間のうちにマイグレーシ
ョンを発生しイオン析出跡が生じ、相隣るイオン析出跡
同士がつながることにより短絡を生じるものである。こ
のようなマイグレーションは、特に高温高湿環境下で発
生し易い。マイグレーションの発生を抑制する方法とし
ては、回路パターンに水分を与えないようにタフィーや
ヒュームシールなどの防水塗膜を施す方法、導電性ペー
ストの硬化後、表面をマイグレーション性の小さいAl
やCrなどの金属で覆う方法、溶融ガラスフリットで防
湿保護する方法などが知られている。しかし、これら従
来の方法は、何れも多大な手間とコストを要するもので
あり、高温の加熱処理を必要とするためプリント基板に
ダメージを与え易いものであった。
【0005】また、従来から銀マイグレーション防止に
トリアジン骨格を持つ化合物が有効であることが知られ
ており、例えば、鎌形一夫ら、電子通信学会論文誌19
86/1.Vol.J69−C、No.1、p.126
等に開示されている。この技術を利用した特許として
は、特公昭62−53531号公報、特公昭63−54
300号公報、特公昭63−39424号公報、特公平
1−23313号公報、特公平1−19834号公報、
特開昭61−210076号公報が挙げられるが、これ
らは導電性ペーストとして使用されているものではな
い。更に、特開平11−144527号公報では、2,
4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン・イソシア
ヌル酸付加物、又は2,4−ジアミノ−6−メタクリロ
イルオキシエチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付
加物を使用した導電性ペーストに銀マイグレーション防
止作用があることを開示しているが、これらの化合物は
固形であって、エポキシ樹脂などの導電性接着剤の主剤
となる樹脂には相溶し難く、マイグレーション防止作用
を発揮するために必要な分散性が課題となっており、分
散性の一層の向上が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら導電
性金属のマイグレーション防止作用を有する化合物の分
散性を向上させ、該化合物の添加量を低減することによ
り体積当りの導電性の向上を図ることを目的とするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、エポキシ
樹脂を主剤とする導電性接着剤において、導電性金属の
マイグレーション防止作用を有するエポキシ樹脂硬化剤
を使用すれば、該硬化剤がエポキシ樹脂と反応して硬化
する際に、マイグレーション防止作用を有する化合物
(以下、マイグレーション防止化合物という)が硬化物
中に均一に分散されるので、マイグレーション防止効果
が向上すると共に、該硬化剤は硬化物中の導電性向上に
も寄与するので、長期に亘って安定な導電性を発揮し得
る導電性接着剤が提供できることを見出した。即ち、上
記課題は次の1)〜9)の発明によって解決される。 1) エポキシ樹脂、マイグレーション防止作用を有す
るエポキシ樹脂硬化剤、及び導電性フィラーを含有する
導電性接着剤。 2) 前記マイグレーション防止作用を有するエポキシ
樹脂硬化剤が、トリアジン環を有する化合物である1)
記載の導電性接着剤。 3) 前記エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂である1)又は2)記載の導電性接着剤。 4) 更に1分子中に1個以上のグリシジル基を有する
液状エポキシ化合物を含有する1)〜3)の何れかに記
載の導電性接着剤。 5) 前記液状エポキシ化合物が、1分子中に2個以上
のグリシジル基を有するものである4)記載の導電性接
着剤。 6) 前記導電性フィラーが、銀である1)〜5)の何
れかに記載の導電性接着剤。 7) 前記導電性フィラーが、球状粉末とリン片状粉末
の混合物からなる1)〜6)の何れかに記載の導電性接
着剤。 8) 更にマイグレーション防止作用を有する化合物と
してトリアジン化合物又はトリアジン骨格を有する樹脂
を含有する1)〜7)の何れかに記載の導電性接着剤。 9) エポキシ樹脂、マイグレーション防止作用を有す
るエポキシ樹脂硬化剤、及び導電性フィラーの含有量
が、それぞれ、有機バインダー全体の5〜70重量%、
5〜30重量%、65〜90重量%である1)〜8)の
何れかに記載の導電性接着剤。
【0008】以下、上記本発明について詳しく説明す
る。本発明の導電性接着剤は、少なくともエポキシ樹
脂、マイグレーション防止作用を有するエポキシ樹脂硬
化剤及び導電性フィラーを含有し、これらの成分の他
に、各用途に応じて、或いは必要に応じて、マイグレー
ション防止化合物、他のエポキシ樹脂硬化剤、硬化促進
剤、エポキシ樹脂希釈剤、粘度調整や硬化性付与用樹
脂、充填剤、(シラン)カップリング剤、レベリング
剤、酸化防止剤、酸化促進剤、難燃剤、チクソ性付与
剤、沈降防止剤、顔料、消泡剤、腐食防止剤、粘着性付
与剤、希釈用溶媒などの各種添加剤を含有しても良い。
【0009】本発明に使用されるエポキシ樹脂は、固形
でも液状でもよく、固形エポキシ樹脂としては、例え
ば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられ
るが、特にこれらに限定されるわけではない。本発明に
使用される液状エポキシ樹脂としては、常温で液状であ
れば良く、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
アルキル置換ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂、アルキル置換ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹
脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジル
アミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エ
ポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、ポリスルフィ
ド変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ポリアル
キレングリコール型エポキシ樹脂等が挙げられるが、特
にこれらに限定されるわけではない。上記固形又は液状
エポキシ樹脂は、単独で用いても混合して用いても良
い。また、これら固形エポキシ樹脂と液状エポキシ樹脂
を混合するには、例えば、加熱した液状エポキシ樹脂中
に粉砕した固形エポキシ樹脂を投入し溶解した後、放冷
すればよく、場合によっては、放冷過程で反応性希釈剤
などを混合することもある。固形エポキシ樹脂と液状エ
ポキシ樹脂の混合比は特に限定されない。
【0010】本発明では、上記エポキシ樹脂の中でも、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いることが好まし
く、その配合量は、有機バインダー全体の5〜70重量
%とすることが好ましい。5重量%未満では充分な強度
を得ることが難しく、70重量%を超えると粘度が高く
なって作業性が悪くなる。更に好ましくは10〜60重
量%である。なお、本発明において有機バインダーとは
導電性接着剤に含まれる成分の内、導電性フィラーを除
く樹脂成分をいう。
【0011】本発明の好ましい態様では、1分子中に1
個以上のグリシジル基を有する液状エポキシ化合物を含
有させる。この化合物は、通常エポキシ樹脂の希釈剤と
して使用されるものであるが、これを用いることにより
硬化時にボイドの発生がない安定な硬化物を得ることが
できる。その具体例としては、フェノキシアルキルモノ
グリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエ
ーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオ
ペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセリン
ジグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジルアニリ
ン、N,N−ジグリシジルトルイジン、トリメチロール
プロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリ
シジルエーテル及び液状の各種ポリシロキサンジグリシ
ジルエーテルなどが挙げられる。更に安定した導電性を
与えるためには2個以上のグリシジル基を有することが
好ましく、中でもネオペンチルグリコールジグリシジル
エーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチ
ロールプロパントリグリシジルエーテルが好ましく、特
にネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルが好ま
しい。
【0012】この液状エポキシ化合物は、25℃におけ
る粘度が1cP以上200cP以下のものが好ましく、
より好ましくは1cP以上100cP以下、特に好まし
くは1cP以上50cP以下のものである。粘度が20
0cPを超えると、接着剤組成物全体を適切な粘度にす
るため大量に加える必要があるので好ましくない。液状
エポキシ化合物の添加量は、好ましくは有機バインダー
全体の5〜70重量%である。5重量%未満では粘度が
高くなって作業性が悪くなる上に導電性も不安定になる
傾向があり、70重量%を超えると充分な強度を得るこ
とが難かしい。更に好ましくは10〜60重量%であ
る。
【0013】本発明に使用されるマイグレーション防止
作用を有するエポキシ樹脂硬化剤としては、トリアジン
骨格を持つものが好ましく、特に下記2MZ−A、C1
1Z−A、2E4MZ−A、2MA−OKのような硬化
剤化合物は、硬化反応と同時にマイグレーション防止作
用を有するトリアジン骨格部分を遊離するので、このト
リアジン骨格部分がエポキシ樹脂硬化物中に均一に分散
され、マイグレーション防止効果が発揮される。また、
これらのマイグレーション防止作用を有する硬化剤化合
物は、硬化剤として導電性接着剤中に配合されている故
に、他のマイグレーション防止作用を有しない硬化剤と
硬化剤ではないマイグレーション防止化合物とを併用し
た導電性接着剤に比べ、体積当りの導電性が向上する効
果もある。これらマイグレーション防止作用を有するエ
ポキシ樹脂硬化剤の添加量は、有機バインダー全体の5
〜30重量%が好ましい。5重量%より少ないとマイグ
レーション防止効果に乏しく、30重量%を超えるとマ
イグレーション防止効果が飽和し、硬化物の連鎖長が短
くなり、硬化性に問題を生じる上に、体積当りの導電性
も低下することになるので好ましくない。
【0014】次にトリアジン骨格を持つエポキシ樹脂硬
化剤の具体例を示す。2,4−ジアミノ−6−〔2′−
メチルイミダゾリル−(1′)〕−エチル−s−トリア
ジン(略称2MZ−A)、
【化1】 2,4−ジアミノ−6−〔2′−ウンデシルイミダゾリ
ル−(1′)〕−エチル−s−トリアジン(略称C11
Z−A)、
【化2】 2,4−ジアミノ−6−〔2′−エチル−4−メチルイ
ミダゾリル−(1′)〕−エチル−s−トリアジン(略
称2E4MZ−A)、
【化3】 2,4−ジアミノ−6−〔2′−メチルイミダゾリル−
(1′)〕−エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸
付加物(略称2MA−OK)
【化4】
【0015】また、これらマイグレーション防止作用を
有するエポキシ樹脂硬化剤の分解生成物は、次の[化
5]に示す2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリア
ジンであるが、この化合物は熱により更に重合すること
も可能であり、末端アミンはエポキシ樹脂と反応する可
能性もあり、より均一な硬化物を与えるので、マイグレ
ーション防止効果を更に促進することができる。
【化5】
【0016】本発明で併用される他の硬化剤としては、
イミダゾールアダクト型硬化剤、ジシアンジアミド、ジ
シアンジアミド変性硬化剤、ヒドラジド系硬化剤、イミ
ダゾール系硬化剤、アミンアダクト型硬化剤、アミン/
酸無水物アダクト型硬化剤などが挙げられるが、特にこ
れらに限定されるものではない。これらは単独で用いて
も混合して用いてもよく、その配合量は、有機バインダ
ー全体の3〜20重量%が好ましい。上記以外の併用可
能な硬化剤として、脂肪族ポリアミン系では、トリエチ
レンテトラミン、m−キシレンジアミンなど、芳香族ア
ミン系では、m−フェニレンジアミンジアミノジフェニ
ルスルフォンなど、第三級アミン系では、ベンジルジメ
チルアミン、ジメチルアミノメチルフェノールなど、酸
無水物系では、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル
酸など、三フッ化ホウ素アミンコンプレックス系では、
BF−ピペリジンコンプレックスなどが挙げられる。
また、ビスフェノールAなどのビスフェノール化合物、
2−エチル−4−メチルイミダゾール、トリス(メチル
アミノ)シランなども用いることができる。これらは単
独で用いても良いし2種以上組み合わせて用いても良
い。これらの硬化剤の室温での反応性が高い場合は、使
用直前に硬化剤を含む液を導電性接着剤に混合したり、
硬化剤を100μm程度のゼラチンなどのカプセルに封
入してマイクロカプセルにするなどの工夫をして用いれ
ばよい。
【0017】本発明に使用される導電性フィラーとして
は、金、銀、銅、ニッケルなどの導電性金属;アルミ
ナ、ガラスなどの無機絶縁体やポリエチレン、ポリスチ
レンなどの有機高分子の表面を導電性物質でコートした
もの;カーボン;グラファイトなどが挙げられる。これ
らは単独で用いても2種以上を併用しても良い。導電性
フィラーとして特開平7−179832号公報に記載の
低融点金属をコーティングしたものを用いることもでき
る。これらの導電性フィラーの形状については、球状、
リン片状又は樹枝状のものがあり、単独又は2種以上の
混合系で用いられる。粗粉と細粉を混合して用いてもよ
い。特に球状粉末とリン片状粉末の混合系は好ましい態
様である。酸混合系においては、リン片状粉末が通電経
路を形成し、球状粉末が樹脂層のマトリックスを強固に
することにより、導電性と強度のバランスを取ることが
できるので、好ましい導電性接着剤が得られると推測さ
れる。更に高融点金属粉末と低融点金属粉末を混合して
用いることも可能である。
【0018】導電性フィラーの配合量は、導電性接着剤
の用途に応じて適切な範囲で選択することができる。加
圧プロセスのない通常の導電性接着剤として用いる際の
配合率は導電性接着剤全体の65〜90重量%とするこ
とが好ましい。65重量%未満では十分な導電性を得る
ことが難しく、90重量%を超えると作業性が劣る。よ
り好ましくは70〜90重量%である。本発明の導電性
接着剤には、本発明の特徴を損なわない範囲で適当な溶
剤又は希釈剤を用いることもできる。これは、ペースト
状にした場合に十分な粘度とチキソ性を与えるものであ
る。溶剤は公知のものでよく、例えば、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−ピロリド
ン、カルビトール、メチルカルビトール、カルビトール
アセテート、酢酸ブチルセロソルブ、酢酸エチルセロソ
ルブ、酢酸メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、メチルセロソルブ等が挙げられる。これ
らは単独で用いても複数の溶剤を適当量混合して用いて
もよい。
【0019】本発明の導電性接着剤には、他のマイグレ
ーション防止化合物を添加することもできる。その例と
しては、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジ
ン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メ
タクリロイルオキシエチル−s−トリアジン・イソシア
ヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−ト
リアジン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキ
シエチル−s−トリアジン、下記[化7]〜[化9]に
示すようなトリアジン化合物、及びトリアジン骨格を持
つ樹脂(BTレジン:三菱ガス化学)などが挙げられ
る。これらの化合物の添加量は、前記マイグレーション
防止作用を有するエポキシ樹脂硬化剤から遊離されるマ
イグレーション防止化合物との合計が導電性接着剤全体
の30重量%を超えないように添加することが好まし
い。この値を超えると、マイグレーション防止効果が上
がらないばかりか、体積当りの導電性が低下することに
なり好ましくない。
【0020】下記〔化7〕〜〔化9〕中のAは、次の
〔化6〕の基を表わす。
【化6】
【0021】
【化7】
【化8】
【化9】NC−(CH−A HN−(CH−A CHCOO−(CH−A CH=CH−COO−(CH−A CH−O−(CH−A CH−(CH−O−(CH−A CH−(CH−O−(CH−A CH−(CH17−O−(CH−A CH−(CH−NH−(CH−A CH−(CH11−NH−(CH−A CH−(CH17−NH−(CH−A CH=CH−CH−NH−(CH−A CH−CHOH−CH−NH−(CH−A NH−(CH−NH−(CH−A
【0022】本発明に使用される酸化防止剤としては、
脂肪酸及びその金属塩、ジカルボン酸、オキシカルボン
酸、フェノール類、金属キレート剤、高級脂肪族アミ
ン、有機チタネート化合物、ロジン、アントラセン及び
その誘導体などが挙げられ、市販のはんだ用フラックス
も使用できる。中でもプロピオン酸、リノール酸、ステ
アリン酸、ラウリン酸、ペンタデシル酸などの脂肪酸又
はレゾルシン、カテコール、ハイドロキノンなどの多価
フェノールが特に好ましい。酸化防止剤の添加量は一般
的には導電性フィラーに対して、0.1〜20重量%が
好ましいが、添加量が少な過ぎると導電性フィラーが酸
化を受け易く、また多過ぎると接着性や導電性が低下し
たり、接着剤ペーストの吸湿性が高くなるので0.3〜
10重量%が特に好ましい。
【0023】本発明の導電性接着剤は、上記の各種成分
をボールミル、ロールミル、プラネタリーミキサー等の
各種混練機を用いて、常法により、例えば10〜60分
間混練することにより得られる。混練した導電性接着剤
は、スクリーン印刷、ディスペンサー塗布等の方法によ
り、絶縁基体やリードフレームに塗布する。本発明の導
電性接着剤の加熱硬化条件は、樹脂が十分硬化すると共
に、熱による劣化が問題にならない範囲であれば特に制
限はない。一般的な温度範囲としては、150〜240
℃であるが、固形の硬化剤を溶融する目的又はボイドの
生成を防ぐ目的でこれよりも低い温度で予備加熱を行っ
ても良い。上記本発明において、例えば銀フィラーを用
いた場合、特に高温高湿環境下では銀がイオン化して銀
イオンとなるが、この銀イオンはマイグレーション防止
化合物と錯体を形成するので、銀析出が抑制される。従
って、この導電性接着剤をプリント基板の電極に塗布
し、電子部品を接着しても、銀イオンの析出による短絡
の発生は抑制されることになる。
【0024】
〔R:抵抗値、t:膜厚(μm)〕
導電率は、1×10−4Ω/cm以上のものを○、1×
10−4Ω/cm未満のものを×とした。
【0025】実施例1〜2、比較例1〜2 次の表1に示す配合比の導電性接着剤を使用し、上記手
段により各種物性の測定及び評価を行った。
【表1】
【0026】評価結果を表2に示す。
【表2】 表1及び表2から明らかなように、マイグレーション防
止作用を有するエポキシ樹脂硬化剤を加えるとマイグレ
ーション抑制効果は顕著となる。なお比較例では、30
0時間でマイグレーションが発生し、以後急速に増大し
た。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、マイグレーション防止
化合物を均一分散できるので、プリント基板等に発生す
る導電性フィラーイオンのマイグレーションを効果的に
抑制して電極同士の短絡を防止することができ、体積当
りの導電率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】導電テスト手段の平面図である。
【符号の説明】
10 ガラエポ基盤 11 電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 1/20 H01B 1/20 D 1/22 1/22 D H01L 21/52 H01L 21/52 E Fターム(参考) 4J036 AA01 AA05 AD08 DC45 FA02 JA06 4J040 EC061 EC071 EC091 EC121 EC251 EC261 EC351 EC401 EC451 HA066 HC25 JA01 KA01 KA03 KA16 KA32 LA09 NA20 5F047 BA21 BA51 5G301 DA03 DA42 DA57 DD03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂、マイグレーション防止作
    用を有するエポキシ樹脂硬化剤、及び導電性フィラーを
    含有する導電性接着剤。
  2. 【請求項2】 前記マイグレーション防止作用を有する
    エポキシ樹脂硬化剤が、トリアジン環を有する化合物で
    ある請求項1記載の導電性接着剤。
  3. 【請求項3】 前記エポキシ樹脂が、ビスフェノールA
    型エポキシ樹脂である請求項1又は2記載の導電性接着
    剤。
  4. 【請求項4】 更に1分子中に1個以上のグリシジル基
    を有する液状エポキシ化合物を含有する請求項1〜3の
    何れかに記載の導電性接着剤。
  5. 【請求項5】 前記液状エポキシ化合物が、1分子中に
    2個以上のグリシジル基を有するものである請求項4記
    載の導電性接着剤。
  6. 【請求項6】 前記導電性フィラーが、銀である請求項
    1〜5の何れかに記載の導電性接着剤。
  7. 【請求項7】 前記導電性フィラーが、球状粉末とリン
    片状粉末の混合物からなる請求項1〜6の何れかに記載
    の導電性接着剤。
  8. 【請求項8】 更にマイグレーション防止作用を有する
    化合物としてトリアジン化合物又はトリアジン骨格を有
    する樹脂を含有する請求項1〜7の何れかに記載の導電
    性接着剤。
  9. 【請求項9】 エポキシ樹脂、マイグレーション防止作
    用を有するエポキシ樹脂硬化剤、及び導電性フィラーの
    含有量が、それぞれ、有機バインダー全体の5〜70重
    量%、5〜30重量%、65〜90重量%である請求項
    1〜8の何れかに記載の導電性接着剤。
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