JP2016222894A - 導電性接着剤および電子基板 - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献1に記載のような導電性接着剤を用いて電子部品と電子基板とを接合する場合には、はんだにより接合した場合と比較して、抵抗値が高くなる傾向にあり、また、高温高湿試験後やヒートサイクル試験後における導通性が劣る傾向にある。
本発明の導電性接着剤は、(A)導電性粒子と、(B)樹脂と、(C)活性剤と、を含有し、前記(A)導電性粒子が、(A1)融点が300℃以上の導電性粒子と、(A2)融点が230℃以下のはんだ粉末と、を含有することを特徴とするものである。
本発明の導電性接着剤においては、前記(A1)成分の形状が、球状であってもよく、フレーク状であってもよい。
本発明の導電性接着剤においては、前記(A2)成分が、融点が150℃以下のはんだ粉末であることが好ましい。
本発明の導電性接着剤においては、前記(B)樹脂が、(B1)熱硬化性樹脂を含有し、当該導電性接着剤が、(D)樹脂硬化剤を、さらに含有することが好ましい。
本発明の導電性接着剤においては、前記(B1)熱硬化性樹脂が、エポキシ基およびイソシアネート基のうちの少なくともいずれかの基を有することが好ましい。
本発明の導電性接着剤においては、前記(B)樹脂が、ロタキサン構造を有することが好ましい。
本発明の導電性接着剤においては、前記(C)活性剤が、炭素数4〜10のジカルボン酸、および、炭素数4〜10のジカルボン酸のアミン塩のうちの少なくとも1つを含有することが好ましい。
本発明の導電性接着剤においては、当該導電性接着剤が、(E)溶剤および(F)チクソ剤を、さらに含有してもよい。
本発明の電子基板は、前記導電性接着剤を用いて、電子部品を電子基板に実装したことを特徴とするものである。
まず、本発明の導電性接着剤について説明する。本発明の導電性接着剤は、以下説明する(A)導電性粒子、(B)樹脂および(C)活性剤を含有するものである。また、この導電性接着剤は、具体的には、(B)樹脂および(C)活性剤を含有する樹脂組成物をバインダーとして、(A)導電性粒子を分散させたものである。
本発明に用いる(A)導電性粒子は、(A1)融点が300℃以上の導電性粒子と、(A2)融点が230℃以下のはんだ粉末と、を含有するものである。
前記(A1)融点が300℃以上の導電性粒子としては、導電性を有する粒子(粉末)であれば、適宜公知のものを用いることができる。この(A)成分としては、無機物粒子(ニッケル、銅、銀、カーボンなど)、無機物粒子の表面に導電性の高い金属(銀、金など)をコーティングした粒子、有機物粒子の表面に導電性の高い金属(銀、金など)をコーティングした粒子などが挙げられる。これらの導電性粒子の中でも、導電性の観点から、銀粒子が好ましい。
この(A1)成分の平均粒子径は、通常0.5μm以上40μm以下であるが、導電性の観点と、パッドのピッチが狭い電子基板にも対応するという観点から、1μm以上20μm以下であることがより好ましく、2μm以上15μm以下であることがさらにより好ましく、3μm以上12μm以下であることが特に好ましい。また、(A1)成分の形状が球状である場合、その平均粒子径は、0.5μm以上20μm以下であることがより好ましく、0.7μm以上4μm以下であることがさらにより好ましく、0.8μm以上2μm以下であることが特に好ましい。なお、平均粒子径は、(A1)成分の形状が球状などである場合には、動的光散乱式の粒子径測定装置により測定できる。また、(A)成分の形状がフレーク状、針状などである場合には、電子顕微鏡による観察により測定できる(長軸方向の長さの平均値)。
この(A2)成分は、無鉛のはんだ粉末のみからなることが好ましいが、有鉛のはんだ粉末であってもよい。このはんだ粉末におけるはんだ合金としては、スズを主成分とする合金が好ましい。また、この合金の第二元素としては、銀、銅、亜鉛、ビスマス、アンチモンなどが挙げられる。さらに、この合金には、必要に応じて他の元素(第三元素以降)を添加してもよい。他の元素としては、銅、銀、ビスマス、アンチモン、アルミニウム、インジウムなどが挙げられる。
この(A2)成分の平均粒子径は、通常1μm以上40μm以下であるが、導電性の観点と、パッドのピッチが狭い電子基板にも対応するという観点から、1μm以上20μm以下であることがより好ましく、2μm以上15μm以下であることがさらにより好ましく、3μm以上12μm以下であることが特に好ましい。なお、平均粒子径は、動的光散乱式の粒子径測定装置により測定できる。
本発明の導電性接着剤は、以下説明する樹脂組成物と、前記(A)成分とを含有するものである。
前記樹脂組成物の配合量は、導電性接着剤100質量%に対して、5質量%以上50質量%以下であることが好ましく、10質量%以上40質量%以下であることがより好ましく、15質量%以上30質量%以下であることが特に好ましい。樹脂組成物の配合量が5質量%未満の場合(導電性粒子の配合量が95質量%を超える場合)には、バインダーとしての樹脂組成物が足りないため、樹脂組成物と導電性粒子とを混合しにくくなる傾向にあり、他方、樹脂組成物の配合量が50質量%を超える場合(導電性粒子の配合量が50質量%未満の場合)には、得られる導電性接着剤を用いた場合に、十分な導電性を得られにくくなる傾向にある。
本発明に用いる(B)樹脂としては、(B1)熱硬化性樹脂および(B2)熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記(B1)熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂、熱硬化性エラストマーなどが挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、電子部品の接着強度の観点から、エポキシ基およびイソシアネート基のうちの少なくともいずれかの基を有することが好ましい。また、硬化物の柔軟性(繰り返し変形に対する耐性)や強靭性の観点から、これらの熱硬化性樹脂はエラストマー変性されていてもよい。さらに、硬化物の柔軟性の更なる向上という観点から、これらの熱硬化性樹脂は、ロタキサン構造を有することが好ましい。
(B1)成分のうちエポキシ基を有するエポキシ樹脂としては、公知のエポキシ樹脂を適宜用いることができる。このようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビフェニル型、ナフタレン型、クレゾールノボラック型、フェノールノボラック型、およびジシクロペンタジエン型などのエポキシ樹脂が挙げられる。
(B1)成分のうちイソシアネート基を有する樹脂としては、公知のウレタン樹脂が挙げられる。このようなウレタン樹脂は、イソシアネート基を有する化合物と、水酸基を有する化合物との反応により硬化する。
(B1)成分のうちロタキサン構造を有する樹脂(熱硬化性エラストマー)としては、例えば、アドバンストソフトマテリアルズ社製の「セルム スーパーポリマー」が挙げられる。
これらの熱硬化性樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。例えば、電子部品の接着強度、硬化物の柔軟性や強靭性などの物性のバランスの観点から、エポキシ樹脂と、熱硬化性エラストマーとを併用してもよい。
また、これらの熱硬化性樹脂は、常温(25℃)で液状のものを含有することが好ましく、常温で固形のものを用いる場合には、常温で液状のものと併用することが好ましい。
なお、(B)成分として、(B1)熱硬化性樹脂と(B2)熱可塑性樹脂とを併用する場合には、電子部品の接着強度、硬化物の柔軟性や強靭性などの物性のバランスの観点から、(B1)成分としてエポキシ樹脂などを用い、(B2)成分として熱可塑性エラストマーを用いてもよい。
また、(B)成分として、(B1)熱硬化性樹脂を用いずに、(B2)熱可塑性樹脂のみを用いることも可能であるが、このような場合、他に重合性化合物および重合開始剤などが必要となる。
本発明に用いる(C)活性剤としては、有機酸、有機酸アミン塩、非解離性のハロゲン化化合物からなる非解離型活性剤、アミン系活性剤などが挙げられる。これらの活性剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なお、これらの中でも、活性作用の観点からは、炭素数4〜10のジカルボン酸、炭素数4〜10のジカルボン酸のアミン塩などが好ましい。
炭素数4〜10のジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などが挙げられる。これらの中でも、炭素数6〜8のジカルボン酸がより好ましい。
炭素数4〜10のジカルボン酸のアミン塩は、炭素数4〜10(好ましくは、炭素数6〜8)のジカルボン酸と、アミンとの塩である。このアミンは、適宜公知のアミンを用いることができる。このようなアミンは、芳香族アミンであってもよく、脂肪族アミンであってもよい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。このようなアミンとしては、有機酸アミン塩の安定性などの観点から、炭素数3〜13のアミンを用いることが好ましく、炭素数4〜7の1級アミンを用いることがより好ましい。
本発明に用いる樹脂組成物には、前記(B)成分として(B1)熱硬化性樹脂を用いる場合に、(D)樹脂硬化剤を用いることが好ましい。
この(D)樹脂硬化剤としては、適宜公知の硬化剤を用いることができる。例えば、(B1)熱硬化性樹脂として、エポキシ樹脂を用いる場合には、以下のようなものを用いることができる。これらの硬化剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
潜在性硬化剤としては、例えば、ノバキュアHX−3722、HX−3721、HX−3748、HX−3088、HX−3613、HX−3921HP、HX−3941HP(旭化成エポキシ社製、商品名)、ジシアンジアミド(DICY)が挙げられる。
脂肪族ポリアミン系硬化剤としては、フジキュアFXR−1020、FXR−1030、FXR−1050、FXR−1080、FXR−1081(T&K TOKA社製、商品名)などが挙げられる。
アミンアダクト系硬化剤としては、例えば、アミキュアPN−23、PN−F、MY−24、VDH、UDH、PN−31、PN−40(味の素ファインテクノ社製、商品名)、EH−3615S、EH−3293S、EH−3366S、EH−3842、EH−3670S、EH−3636AS、EH−4346S、EH−5016S(ADEKA社製、商品名)が挙げられる。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2P4MHZ、1B2PZ、2MZA、2PZ、C11Z、C17Z、2E4MZ、2P4MZ、C11Z−CNS、2PZ−CN(四国化成工業社製など、商品名)が挙げられる。
本発明に用いる樹脂組成物には、導電性接着剤の塗布性の観点から、(E)溶剤を用いてもよい。
この(E)溶剤としては、適宜公知の溶剤を用いることができ、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、n−ドデカンなどの脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、メタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノールなどのアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサなどの石油系溶剤類、セロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトールなどのカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、エチルジグリコールアセテート(EDGAC)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル類が挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明に用いる樹脂組成物には、導電性接着剤の塗布性の観点から、(F)チクソ剤を用いてもよい。
この(F)チクソ剤としては、公知のチクソ剤を適宜用いることができ、例えば、脂肪酸アマイド、水添ヒマシ油、オレフィン系ワックス、無機微粒子(アモルファスシリカなど)、有機微粒子(アクリル系樹脂など)が挙げられる。
本発明に用いる樹脂組成物には、前記(B)成分、前記(C)成分、前記(D)成分、前記(E)成分および前記(F)成分の他に、必要に応じて、その他の添加剤を加えることができる。その他の添加剤としては、重合性化合物(重合性オリゴマー、反応性希釈剤など)、重合開始剤(有機過酸化物など)、消泡剤、酸化防止剤、改質剤、つや消し剤などが挙げられる。
本発明の導電性接着剤は、上記説明した樹脂組成物と上記説明した(A)導電性粒子とを上記所定の割合で配合し、撹拌混合することで製造できる。
次に、本発明の電子基板について説明する。本発明の電子基板は、以上説明した導電性接着剤を用いて電子部品を電子基板(プリント配線基板など)に実装したことを特徴とするものである。そのため、本発明の電子基板では、導電性接着剤を用いて電子部品を電子基板に実装でき、また、接合部分の抵抗値を十分に低くでき、しかも優れた導通信頼性を有する。
ここで用いる塗布装置としては、スクリーン印刷機、メタルマスク印刷機、ディスペンサー、ジェットディスペンサーなどが挙げられる。
また、前記塗布装置にて塗布した導電性接着剤上に電子部品を配置し、加熱炉などにより所定条件にて加熱して、導電性接着剤を硬化させることにより、前記電子部品を電子基板に実装できる。
導電性接着剤の硬化条件は、導電性接着剤の硬化成分の種類や、はんだ粉末の溶融温度に応じて適宜設定すればよい。例えば、エポキシ樹脂やロタキサン構造を有する樹脂を含有する導電性接着剤を用いる場合には、130〜170℃に設定した加熱炉にて0.5〜8時間の加熱処理をすればよい。なお、前記加熱処理により、はんだ粉末の溶融温度以上とならない場合には、前記加熱処理の前後または処理間に、はんだ粉末の溶融温度以上とするリフロー処理をすればよい。このリフロー処理は、前記加熱処理の前に行うことが好ましい。
例えば、前記導電性接着剤では、(B)樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合を中心に説明したが、これに限定されない。例えば、(B)樹脂として熱硬化性樹脂に代えて熱可塑性樹脂を用いてもよい。このような場合、熱可塑性樹脂と、重合性化合物(重合性オリゴマー、反応性希釈剤など)と、重合開始剤(有機過酸化物など)とを併用することにより、熱硬化性を有する導電性接着剤が得られる。
((A1)成分)
導電性粒子A:銀粉末(フレーク状)、平均粒子径3.5μm、DOWA社製、商品名「FA−8−1」
導電性粒子B:銀粉末(球状)、平均粒子径0.8μm、DOWA社製、商品名「AG2−1C」
導電性粒子C:銀粉末(球状)、平均粒子径1.3μm、三井金属鉱業社製、商品名「SL01」
導電性粒子D:銀粉末(球状)、平均粒子径2.1μm、三井金属鉱業社製、商品名「SL02」
導電性粒子E:銀粉末(球状)、平均粒子径4.6μm、三井金属鉱業社製、商品名「MD30」
((A2)成分)
はんだ粉末A:平均粒子径は4μm、はんだの融点は139℃、はんだの組成は42Sn/58Bi
はんだ粉末B:平均粒子径は10μm、はんだの融点は216〜220℃、はんだの組成は96.5Sn/3.0Ag/0.5Cu
((B1)成分)
熱硬化性エラストマー:1液硬化型熱硬化性エラストマー、アドバンストソフトマテリアルズ社製、商品名「セルム スーパーポリマーSH3400S」
エポキシ樹脂:ビスフェノールF型エポキシ樹脂、DIC社製、商品名「EXA−830LVP」
((C)成分)
活性剤A:アジピン酸、東京化成工業社製
活性剤B:n−ブチルアミンアジピン酸塩、昭和化学社製
((D)成分)
樹脂硬化剤:2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、四国化成工業社製、商品名「キュアゾール2P4MHZ−PW」
((E)成分)
溶剤:n−ドデカン、キシダ化学社製
熱硬化性エラストマー91.5質量部、活性剤A3.5質量部および活性剤B5質量部を容器に投入し、らいかい機を用いて混合して樹脂組成物を得た。その後、得られた樹脂組成物20質量%、導電性粒子75質量%およびはんだ粉末5質量%(合計で100質量%)を容器に投入し、混練機にて混合することで導電性接着剤を調製した。
そして、基板の電極(大きさ:1mm×1mm)に、電極に対応するパターンを有するマスク(厚み:150μm)を用い、得られた導電性接着剤を印刷した。その後、電子部品(チップ部品、大きさ:2.0mm×1.2mm、チップ抵抗:0Ω)を搭載し、150℃に設定した熱風乾燥炉にて5時間の加熱処理を行い、電子部品を基板に接合した。
下記表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、導電性接着剤を得た。
そして、得られた導電性接着剤を用いた以外は実施例1と同様にして、電子部品を基板に接合した。
[実施例7]
下記表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、導電性接着剤を得た。
そして、得られた導電性接着剤を用い、加熱処理の前にリフロー処理(プリヒート温度を150〜200℃で90〜120秒間、220℃以上の保持時間を30〜60秒間、ピーク温度を260℃とする条件)を行った以外は実施例1と同様にして、電子部品を基板に接合した。
導電性接着剤の評価(抵抗値、導通信頼性(高温高湿試験後の抵抗値変化、ヒートサイクル試験後の抵抗値変化))を以下のような方法で行った。得られた結果を表1に示す。(1)抵抗値
実施例および比較例で得られた基板を評価基板とし、デジタルマルチメーター(岩通計測社製SC−7401)を用いて接続抵抗値を測定した。そして、接続抵抗値を以下の基準に従って評価した。
○:接続抵抗値が、0.1Ω未満である。
△:接続抵抗値が、0.1Ω以上0.5Ω未満である。
×:接続抵抗値が、0.5Ω以上である。
(2)高温高湿試験後の抵抗値変化
前記(1)において抵抗値(初期抵抗値)を測定した基板を用いて評価する。この評価基板を85℃85%RH(相対湿度)に設定した恒温恒湿槽内に300時間放置する高温高湿試験を施した。高温高湿試験後の評価基板の接続抵抗値を、デジタルマルチメーター(岩通計測社製SC−7401)を用いて測定した。そして、高温高湿試験後の抵抗値変化を以下の基準に従って評価した。
○:高温高湿試験後の抵抗値が、初期抵抗値の2倍以下である。
△:高温高湿試験後の抵抗値が、初期抵抗値の2倍超10倍以下である。
×:高温高湿試験後の抵抗値が、初期抵抗値の10倍超である。
(3)ヒートサイクル試験後の抵抗値変化
前記(1)において抵抗値(初期抵抗値)を測定した基板を用いて評価する。この評価基板をヒートサイクル試験機に投入し、温度−40℃にて30分間放置した後に温度125℃にて30分間放置するのを1サイクルとして、これを300サイクル繰り返すヒートサイクル試験を施した。ヒートサイクル試験後の接続抵抗値を、デジタルマルチメーター(岩通計測社製SC−7401)を用いて測定した。そして、ヒートサイクル試験後の抵抗値変化を以下の基準に従って評価した。
◎:ヒートサイクル試験後の抵抗値が、初期抵抗値の1.5倍以下である。
○:ヒートサイクル試験後の抵抗値が、初期抵抗値の1.5倍超2倍以下である。
△:ヒートサイクル試験後の抵抗値が、初期抵抗値の2倍超10倍以下である。
×:ヒートサイクル試験後の抵抗値が、初期抵抗値の10倍超である。
これに対し、本発明における(A2)成分を含有しない場合(比較例1および2)には、抵抗値、高温高湿試験後の抵抗値変化、およびヒートサイクル試験後の抵抗値変化のうちのいずれかが不十分となることが分かった。
下記表2に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、導電性接着剤を得た。
そして、得られた導電性接着剤を用いた以外は実施例1と同様にして、電子部品を基板に接合した。
導電性接着剤の評価(抵抗値、導通信頼性(高温高湿試験後の抵抗値変化、ヒートサイクル試験後の抵抗値変化))を前述のような方法で行った。得られた結果を表2に示す。
Claims (11)
- (A)導電性粒子と、(B)樹脂と、(C)活性剤と、を含有し、
前記(A)導電性粒子が、(A1)融点が300℃以上の導電性粒子と、(A2)融点が230℃以下のはんだ粉末と、を含有する
ことを特徴とする導電性接着剤。 - 請求項1に記載の導電性接着剤において、
前記(A1)成分が、銀粒子である
ことを特徴とする導電性接着剤。 - 請求項1または請求項2に記載の導電性接着剤において、
前記(A1)成分の形状が、球状である
ことを特徴とする導電性接着剤。 - 請求項1または請求項2に記載の導電性接着剤において、
前記(A1)成分の形状が、フレーク状である
ことを特徴とする導電性接着剤。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の導電性接着剤において、
前記(A2)成分が、融点が150℃以下のはんだ粉末である
ことを特徴とする導電性接着剤。 - 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の導電性接着剤において、
前記(B)樹脂が、(B1)熱硬化性樹脂を含有し、
当該導電性接着剤が、(D)樹脂硬化剤を、さらに含有する
ことを特徴とする導電性接着剤。 - 請求項6に記載の導電性接着剤において、
前記(B1)熱硬化性樹脂が、エポキシ基およびイソシアネート基のうちの少なくともいずれかの基を有する
ことを特徴とする導電性接着剤。 - 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の導電性接着剤において、
前記(B)樹脂が、ロタキサン構造を有する
ことを特徴とする導電性接着剤。 - 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の導電性接着剤において、
前記(C)活性剤が、炭素数4〜10のジカルボン酸、および、炭素数4〜10のジカルボン酸のアミン塩のうちの少なくとも1つを含有する
ことを特徴とする導電性接着剤。 - 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の導電性接着剤において、
当該導電性接着剤が、(E)溶剤および(F)チクソ剤を、さらに含有する
ことを特徴とする導電性接着剤。 - 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の導電性接着剤を用いて、電子部品を電子基板に実装したことを特徴とする電子基板。
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