JP6548933B2 - 導電性接着剤および電子基板の製造方法 - Google Patents

導電性接着剤および電子基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、導電性接着剤および電子基板の製造方法に関する。
鉛フリーはんだ合金は、Sn−Ag系、Sn−Cu系、Sn−Ag−Cu系とこれまでのSn−Pb系共晶はんだの融点183℃より、約40℃高い融点を有する。そのため、電子部品が特に熱に弱いICやLSIなどの半導体素子であるときには、耐熱性の点で電子基板にはんだ接合できない場合があった。
そこで、はんだに代わる接合材料として、導電性接着剤が検討されている。例えば、特許文献1には、1つの炭素にグリシジル基を3個有する三官能エポキシ樹脂、潜在性硬化剤、反応抑制剤からなる有機バインダーと、導電性粒子とを含有する導電性接着剤が記載されている。
特開2005−132854号公報
特許文献1に記載のような導電性接着剤によれば、Sn−Ag−Cu系などの鉛フリーはんだ合金を用いたはんだ組成物と比較して低い温度で電子部品と電子基板とを接合できる。しかしながら、特許文献1に記載のような導電性接着剤を用いて電子部品と電子基板とを接合する場合において、電極がスズまたはニッケルを主成分とする金属からなる場合には、高温加湿条件下における導通性が劣るという問題があった。
そこで、本発明は、電極金属の種類によらずに優れた導通信頼性を有する導電性接着剤、並びに、この導電性接着剤を用いた電子基板の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決すべく、本発明は、以下のような導電性接着剤および電子基板の製造方法を提供するものである。
本発明の導電性接着剤は、スズまたはニッケルを主成分とする金属からなる電極を接合する場合に用いる導電性接着剤であって、(A)導電性粒子と、(B)樹脂と、(C)有機金属化合物と、を含有し、前記(C)有機金属化合物は、(C1)標準電極電位が−0.25V以下の金属と、(C2)1分子中に1つ以上のカルボキシル基を有する有機化合物との塩またはキレートであることを特徴とするものである。
本発明の導電性接着剤においては、前記(C1)標準電極電位が−0.25V以下の金属が、リチウム、セシウム、ルビジウム、カリウム、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、トリウム、ベリリウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、タンタル、亜鉛、クロム、鉄、カドミウム、コバルトおよびニッケルからなる群から選択される少なくとも1種の金属であることが好ましい。
本発明の導電性接着剤においては、前記(C2)1分子中に1つ以上のカルボキシル基を有する有機化合物が、炭素数が1以上30以下のモノカルボン酸であることが好ましい。
本発明の導電性接着剤においては、前記(B)樹脂が、(B1)熱硬化性樹脂を含有し、当該導電性接着剤が、(D)樹脂硬化剤を、さらに含有することが好ましい
発明の電子基板の製造方法は、前記導電性接着剤を用いて、電子部品を電子基板に実装することを特徴とする方法である。
本発明の導電性接着剤を用いた場合に、電極金属の種類によらずに優れた導通信頼性を有する理由は必ずしも定かではないが、本発明者は以下のように推察する。
すなわち、高温加湿条件下において導電性接着剤を用いた電子回路の抵抗値が上昇(劣化)する理由は次の通りであると本発明者は推察する。例えば、スズからなる金属電極同士を、(A)導電性粒子として銀粒子を用いた導電性接着剤で接合した電子基板を高温加湿条件下に放置した場合を想定する。このような場合、導電性接着剤の(B)樹脂中を水が拡散することになるので、電極金属や導電性粒子が腐食することになるが、いわゆるガルバニック腐食により、電位の卑な金属であるスズからなる金属電極の腐食が促進される。つまり、スズ側では、下記(1a)式または(1b)式のように反応し、樹脂中では、下記(2)式のように反応する。そして、スズ側の表面では、下記(3a)式または(3b)式のように反応して、スズの酸化物が形成される。これによる酸化膜形成や、酸化物とスズとの界面におけるボイドの形成により、電子回路の抵抗値が劣化するものと本発明者は推察する。
(1a)Sn−2e→Sn2+
(1b)Sn−4e→Sn4+
(2)2HO+4e+O→4OH
(3a)Sn2++2OH→Sn(OH)→SnO+H
(3b)Sn4++4OH→Sn(OH)→SnO+2H
本発明の導電性接着剤においては、(C1)標準電極電位が−0.25V以下の金属と、(C2)1分子中に1つ以上のカルボキシル基を有する有機化合物との塩またはキレートである(C)有機金属化合物が(B)樹脂中に分散している。そして、(C1)標準電極電位が−0.25V以下の金属は、標準電極電位がスズ(−0.1375V)よりも低く、イオン化傾向が高い。そのため、電子基板を高温加湿条件下に放置した場合に、(C1)成分が犠牲となってイオン化することで、ガルバニック腐食によるスズからなる金属電極の腐食を抑制できるものと推察される。
以上のようにして、上記本発明の効果が達成されるものと本発明者は推察する。
本発明によれば、電極金属の種類によらずに優れた導通信頼性を有する導電性接着剤、並びに、この導電性接着剤を用いた電子基板の製造方法を提供できる。
[導電性接着剤]
まず、本発明の導電性接着剤について説明する。本発明の導電性接着剤は、以下説明する(A)導電性粒子、(B)樹脂および(C)有機金属化合物を含有するものである。また、この導電性接着剤は、具体的には、(B)樹脂および(C)有機金属化合物を含有する樹脂組成物をバインダーとして、(A)導電性粒子を分散させたものである。
[(A)成分]
本発明に用いる(A)導電性粒子としては、導電性を有する粒子(粉末)であれば、適宜公知のものを用いることができる。この(A)成分としては、無機物粒子(ニッケル、銅、銀、カーボンなど)、無機物粒子の表面に導電性の高い金属(銀、金など)をコーティングした粒子、有機物粒子の表面に導電性の高い金属(銀、金など)をコーティングした粒子などが挙げられる。この(A)成分の形状は、特に限定されず、球状、フレーク状、針状などが挙げられる。
前記(A)成分の平均粒子径は、通常1μm以上40μm以下であるが、導電性の観点と、パッドのピッチが狭い電子基板にも対応するという観点から、1μm以上20μm以下であることがより好ましく、2μm以上15μm以下であることがさらにより好ましく、3μm以上12μm以下であることが特に好ましい。なお、平均粒子径は、(A)成分の形状が球状などである場合には、動的光散乱式の粒子径測定装置により測定できる。また、(A)成分の形状がフレーク状、針状などである場合には、電子顕微鏡による観察により測定できる。
[樹脂組成物]
本発明の導電性接着剤は、以下説明する樹脂組成物と、前記(A)成分とを含有するものである。
前記樹脂組成物の配合量は、導電性接着剤100質量%に対して、5質量%以上35質量%以下であることが好ましく、10質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、15質量%以上25質量%以下であることが特に好ましい。樹脂組成物の配合量が5質量%未満の場合(導電性粒子の配合量が95質量%を超える場合)には、バインダーとしての樹脂組成物が足りないため、樹脂組成物と導電性粒子とを混合しにくくなる傾向にあり、他方、樹脂組成物の配合量が35質量%を超える場合(導電性粒子の配合量が65質量%未満の場合)には、得られる導電性接着剤を用いた場合に、十分な導通性を得られにくくなる傾向にある。
[(B)成分]
本発明に用いる(B)樹脂としては、(B1)熱硬化性樹脂および(B2)熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記(B1)熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂、熱硬化性エラストマーなどが挙げられる。これらの中でも、電子部品の接着強度の観点から、エポキシ樹脂が好ましい。さらに、電子部品の接着強度の観点、および硬化物の柔軟性や強靭性の観点からは、エポキシ樹脂と熱硬化性エラストマーとを併用することが好ましい。
このエポキシ樹脂としては、公知のエポキシ樹脂を適宜用いることができる。このようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビフェニル型、ナフタレン型、クレゾールノボラック型、フェノールノボラック型、およびジシクロペンタジエン型などのエポキシ樹脂が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらのエポキシ樹脂は、常温(25℃)で液状のものを含有することが好ましく、常温で固形のものを用いる場合には、常温で液状のものと併用することが好ましい。また、これらのエポキシ樹脂の型の中でも、硬化物の柔軟性や強靭性の観点から、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型などが好ましい。また、硬化物の柔軟性や強靭性の観点から、これらのエポキシ樹脂は、エラストマー変性がされていてもよい。
前記(B2)熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリヒドロキシポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ブタジエン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、アクリル酸共重合体が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、飽和物であってもよく、不飽和物であってもよい。また、これらの熱可塑性樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、(B)成分として、(B1)熱硬化性樹脂を用いずに、(B2)熱可塑性樹脂のみを用いることも可能であるが、このような場合、他に重合性化合物および重合開始剤などが必要となる。
(B)成分として、(B1)熱硬化性樹脂を用いる場合、前記(B)成分の配合量としては、樹脂組成物100質量%に対して、60質量%以上99質量%以下であることが好ましく、70質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。熱硬化性樹脂の配合量が前記下限未満では、電子部品を固着させるために十分な強度が得られないため、落下衝撃に対する耐性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、樹脂組成物中の硬化成分の含有量が減少し、熱硬化性樹脂を硬化せしめる速度が遅延しやすい傾向にある。
[(C)成分]
本発明に用いる(C)有機金属化合物は、(C1)標準電極電位が−0.25V以下の金属と、(C2)1分子中に1つ以上のカルボキシル基を有する有機化合物との塩またはキレートである。
本発明に用いる(C1)標準電極電位が−0.25V以下の金属としては、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、ルビジウム(Rb)、カリウム(K)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、トリウム(Th)、ベリリウム(Be)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、マンガン(Mn)、タンタル(Ta)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、カドミウム(Cd)、コバルト(Co)およびニッケル(Ni)が挙げられる。これらの中でも、得られる導電性接着剤の体積抵抗値および導通信頼性の観点から、アルカリ金属およびアルカリ土類金属以外の金属であることが好ましく、具体的には、トリウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、タンタル、亜鉛、クロム、鉄、カドミウム、コバルト、ニッケルがより好ましく、亜鉛が特に好ましい。なお、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明に用いる(C2)1分子中に1つ以上のカルボキシル基を有する有機化合物としては、前記(C1)成分と塩を形成するカルボン酸、および、前記(C1)成分とキレートを形成するキレート剤が挙げられる。
前記(C1)成分と塩を形成するカルボン酸としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、(C1)成分が遊離して金属イオンとなり易いという観点から、モノカルボン酸が好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらのカルボン酸は、飽和カルボン酸であっても、不飽和カルボン酸であってもよいが、得られる導電性接着剤の導通信頼性の観点から、飽和カルボン酸であることがより好ましい。
また、これらのカルボン酸の炭素数は、特に限定されないが、(C1)成分が遊離して金属イオンとなり易いという観点から、1〜30であることが好ましく、6〜30であることがより好ましく、12〜30であることがさらにより好ましく、18〜30であることが特に好ましい。
モノカルボン酸としては、飽和モノカルボン酸および不飽和モノカルボン酸が挙げられる。
飽和モノカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸などが挙げられる。
不飽和モノカルボン酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられる。
前記(C1)成分とキレートを形成するキレート剤としては、公知のキレート剤を適宜用いることができる。このキレート剤としては、アセチルアセトン、グルコン酸、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記(C)成分の配合量は、樹脂組成物100質量%に対して、0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上10質量%以下であることが特に好ましい。前記(C)成分の配合量が前記下限未満では、得られる導電性接着剤の導通信頼性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、硬化物が脆くなり、接着剤としての強度が低下する傾向にある。
[(D)成分]
本発明に用いる樹脂組成物には、前記(B)成分として(B1)熱硬化性樹脂を用いる場合に、(D)樹脂硬化剤を用いることが好ましい。
この(D)樹脂硬化剤としては、適宜公知の硬化剤を用いることができる。例えば、(B1)熱硬化性樹脂として、エポキシ樹脂を用いる場合には、以下のようなものを用いることができる。これらの硬化剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
潜在性硬化剤としては、例えば、ノバキュアHX−3722、HX−3721、HX−3748、HX−3088、HX−3613、HX−3921HP、HX−3941HP(旭化成エポキシ社製、商品名)、ジシアンジアミド(DICY)などが挙げられる。
脂肪族ポリアミン系硬化剤としては、例えば、フジキュアFXR−1020、FXR−1030、FXR−1050、FXR−1080、FXR−1081(T&K TOKA社製、商品名)が挙げられる。
エポキシ樹脂アミンアダクト系硬化剤としては、例えば、アミキュアPN−23、PN−F、MY−24、VDH、UDH、PN−31、PN−40(味の素ファインテクノ社製、商品名)、EH−3615S、EH−3293S、EH−3366S、EH−3842、EH−3670S、EH−3636AS、EH−4346S、EH−5016S(ADEKA社製、商品名)が挙げられる。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2P4MHZ、1B2PZ、2MZA、2PZ、C11Z、C17Z、2E4MZ、2P4MZ、C11Z−CNS、2PZ−CNZ(四国化成工業社製など、商品名)が挙げられる。
(D)成分を配合する場合、(D)成分の配合量としては、樹脂組成物100質量%に対して、0.5質量%以上25質量%以下であることが好ましく、2質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。(D)成分の配合量が前記下限未満では、熱硬化性樹脂を硬化せしめる速度が遅延しやすい傾向にあり、他方、前記上限を超えると、反応性が速くなり、ポットライフが短くなる傾向にある。
[他の成分]
本発明に用いる樹脂組成物には、前記(B)成分、前記(C)成分および前記(D)成分の他に、必要に応じて、その他の添加剤を加えることができる。その他の添加剤としては、重合性化合物(重合性オリゴマー、反応性希釈剤など)、重合開始剤(有機過酸化物など)、溶剤、チクソ剤、消泡剤、酸化防止剤、改質剤、つや消し剤などが挙げられる。
[導電性接着剤の製造方法]
本発明の導電性接着剤は、上記説明した樹脂組成物と上記説明した(A)導電性粒子とを上記所定の割合で配合し、撹拌混合することで製造できる。
[電子基板]
次に、本発明の電子基板について説明する。本発明の電子基板は、以上説明した導電性接着剤を用いて電子部品を電子基板(プリント配線基板など)に実装したことを特徴とするものである。そのため、本発明の電子基板では、耐熱性の低い電子部品を実装でき、また、電極金属の種類によらずに優れた導通信頼性を確保できる。例えば、本発明の電子基板では、スズまたはニッケルを主成分とする金属からなる電極を接合する場合に、優れた導通信頼性を確保できる。なお、スズまたはニッケルを主成分とするとは、スズを50質量%以上(好ましくは80質量%以上)含有するか、或いは、ニッケルを50質量%以上(好ましくは80質量%以上)含有することをいう。
ここで用いる塗布装置としては、スクリーン印刷機、メタルマスク印刷機、ディスペンサー、ジェットディスペンサーなどが挙げられる。
また、前記塗布装置にて塗布した導電性接着剤上に電子部品を配置し、加熱炉などにより所定条件にて加熱して、導電性接着剤を硬化させることにより、前記電子部品を電子基板に実装できる。
導電性接着剤の硬化条件は、導電性接着剤の硬化成分の種類に応じて適宜設定すればよい。例えば、エポキシ樹脂を含有する導電性接着剤を用いる場合には、60〜90℃に設定した加熱炉にて30〜90分間の加熱処理をした後に、130〜170℃に設定した加熱炉にて20〜60分間の加熱処理をすればよい。
また、本発明の導電性接着剤および電子基板は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
例えば、前記導電性接着剤では、(B)樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合を中心に説明したが、これに限定されない。例えば、(B)樹脂としてエポキシ樹脂に代えて熱可塑性樹脂を用いてもよい。このような場合、熱可塑性樹脂と、重合性化合物(重合性オリゴマー、反応性希釈剤など)と、重合開始剤(有機過酸化物など)とを併用することにより、熱硬化性を有する導電性接着剤が得られる。
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例および比較例にて用いた材料を以下に示す。
((A)成分)
導電性粒子:銀粉末、平均粒子径4μm、DOWA社製、商品名「FA8−1」
((B1)成分)
エポキシ樹脂:エラストマー変性エポキシ樹脂、DIC社製、商品名「EXA−4850−150」
熱硬化性エラストマー:アドバンストソフトマテリアルズ社製、商品名「スーパーポリマーSH3400P」
((C)成分)
有機金属化合物A:ステアリン酸亜鉛
有機金属化合物B:オレイン酸亜鉛
有機金属化合物C:アセチルアセトン亜鉛
有機金属化合物D:ステアリン酸カリウム
有機金属化合物E:ステアリン酸ナトリウム
有機金属化合物F:モンタン酸リチウム
有機金属化合物G:ベヘン酸リチウム
有機金属化合物H:ステアリン酸リチウム
((D)成分)
樹脂硬化剤:変性脂肪族ポリアミン、T&K TOKA社製、商品名「FXR−1081」
[実施例1]
エポキシ樹脂72質量部、熱硬化性エラストマー8質量部、有機金属化合物A4質量部、および樹脂硬化剤16質量部を容器に投入し、らいかい機を用いて混合して樹脂組成物を得た。その後、得られた樹脂組成物20質量%および導電性粒子80質量%(合計で100質量%)を容器に投入し、混練機にて混合することで導電性接着剤を調製した。
そして、基板の電極(スズメッキ処理、大きさ:1mm×1mm)に、電極に対応するパターンを有するマスク(厚み:150μm)を用い、得られた導電性接着剤を印刷した。その後、電子部品(チップ部品、大きさ:2.0mm×1.2mm、チップ抵抗:0Ω)を搭載し、80℃に設定した熱風乾燥炉にて60分間の加熱処理をした後に、150℃に設定した熱風乾燥炉にて30分間の加熱処理を行い、電子部品を基板に接合した。
[実施例2〜10および比較例1]
下記表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、導電性接着剤を得た。
そして、得られた導電性接着剤を用いた以外は実施例1と同様にして、電子部品を基板に接合した。
<導電性接着剤の評価>
導電性接着剤の評価(導通信頼性、体積抵抗値)を以下のような方法で行った。得られた結果を表1に示す。
(1)導通信頼性
実施例および比較例で得られた基板を評価基板とし、この評価基板の回路の抵抗値(単位:Ω)を初期抵抗値として測定した。その後、この評価基板を85℃85%RH(相対湿度)に設定した恒温恒湿槽内に放置する高温加湿試験を施し、(i)24時間後および(ii)48時間後の評価基板の回路の抵抗値を測定した。そして、導通信頼性を以下の基準に従って評価した。
◎:高温加湿試験後の抵抗値が、初期抵抗値の10倍以下である。
○:高温加湿試験後の抵抗値が、初期抵抗値の10倍超20倍以下である。
△:高温加湿試験後の抵抗値が、初期抵抗値の20倍超50倍以下である。
×:高温加湿試験後の抵抗値が、初期抵抗値の50倍超である。
(2)体積抵抗値
テフロン(登録商標)シート上に、マスク(厚み:150μm、開口:10mm×50mm)を用い、導電性接着剤を印刷した。その後、80℃に設定した熱風乾燥炉にて60分間の加熱処理をした後に、150℃に設定した熱風乾燥炉にて30分間の加熱処理を行い、導電性接着剤からなるフィルムを作製した。
得られたフィルムについて、抵抗率計(ロレスタGP、三菱化学アナリテック社製)で4端子法により、体積抵抗値(単位:Ω・cm)を測定した。そして、体積抵抗値を以下の基準に従って評価した。
◎:体積抵抗値が、1×10−2Ω・cm未満である。
○:体積抵抗値が、1×10−2Ω・cm以上1×10−1Ω・cm未満である。
△:体積抵抗値が、1×10−1Ω・cm以上1Ω・cm未満である。
×:体積抵抗値が、1Ω・cm以上である。
Figure 0006548933
表1に示す結果からも明らかなように、有機金属化合物A〜Hを含有する導電性接着剤を用いた場合(実施例1〜10)には、有機金属化合物を含有しない導電性接着剤を用いた場合(比較例1)と比較して、導通信頼性が向上することが確認された。従って、本発明によれば、電極金属の種類によらずに優れた導通信頼性を有することが確認された。
なお、例えば、実施例1〜4のように亜鉛を含む有機金属化合物を含有する導電性接着剤を用いた場合には、体積抵抗値も維持しつつ、導通信頼性を向上できることが確認された。
本発明の導電性接着剤は、電子機器のプリント配線基板などの電子基板に電子部品を実装するための技術として特に好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. スズまたはニッケルを主成分とする金属からなる電極を接合する場合に用いる導電性接着剤であって、
    (A)導電性粒子と、(B)樹脂と、(C)有機金属化合物と、を含有し、
    前記(C)有機金属化合物は、(C1)標準電極電位が−0.25V以下の金属と、(C2)1分子中に1つ以上のカルボキシル基を有する有機化合物との塩またはキレートである
    ことを特徴とする導電性接着剤。
  2. 請求項1に記載の導電性接着剤において、
    前記(C1)標準電極電位が−0.25V以下の金属が、リチウム、セシウム、ルビジウム、カリウム、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、トリウム、ベリリウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、タンタル、亜鉛、クロム、鉄、カドミウム、コバルトおよびニッケルからなる群から選択される少なくとも1種の金属である
    ことを特徴とする導電性接着剤。
  3. 請求項1または請求項2に記載の導電性接着剤において、
    前記(C2)1分子中に1つ以上のカルボキシル基を有する有機化合物が、炭素数が1以上30以下のモノカルボン酸である
    ことを特徴とする導電性接着剤。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の導電性接着剤において、
    前記(B)樹脂が、(B1)熱硬化性樹脂を含有し、
    当該導電性接着剤が、(D)樹脂硬化剤を、さらに含有する
    ことを特徴とする導電性接着剤。
  5. 請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の導電性接着剤を用いて、電子部品を電子基板に実装することを特徴とする電子基板の製造方法
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