JP2000008011A - 水系導電性接着剤組成物 - Google Patents

水系導電性接着剤組成物

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JP2000008011A JP21024698A JP21024698A JP2000008011A JP 2000008011 A JP2000008011 A JP 2000008011A JP 21024698 A JP21024698 A JP 21024698A JP 21024698 A JP21024698 A JP 21024698A JP 2000008011 A JP2000008011 A JP 2000008011A
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Toshinori Nanba
稔則 難波
Kazuo Watanabe
一雄 渡辺
Yukio Kurogaki
幸夫 黒柿
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、電子回路製造に使用する水系導電
性接着剤で、調製が容易で取扱性や作業環境上に特別の
設備や制約されることがなく、かつ実用上十分な接着性
と導電性を有した水系導電性接着剤組成物を提供するこ
とにある。 【解決手段】 水溶性樹脂および/または水分散性樹脂
を接着剤の基材とし、導電性微粉粒体、金属メッキした
導電性微粉粒体または疎水性物質で処理した導電性微粉
粒体から選ばれた1種類または2〜3種類の導電性微粉
粒体、水または水を主体とした混合溶媒、および必要に
応じて分散安定剤、接着補助剤、可塑剤から選ばれた物
質でなる水系導電性接着剤組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性接着剤の調
製が容易で、その取り扱いが簡単である水系導電性接着
剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子部品を基板の配線回路に接続
固定する方法として、従来の半田付けに代わって導電性
接着剤を用いる方法が開発され、半田付けの温度よりも
低温で接着固定ができるため、電子回路の製作に大きな
利点をもたらすことが知られている。現在開発されてい
る導電性接着剤の主体は、接着剤の基材にエポキシ系樹
脂、エポキシ基を有する化合物や変性エポキシ樹脂を含
む接着剤組成物、あるいはエポキシ系樹脂とアクリル系
樹脂の接着剤組成物が使用されている。そうした導電性
接着剤に関する最近の提案としては、例えば、特開平8
−3529号公報、特開平8−20758号公報、特開
平8−176409号公報、特開平8−176521号
公報、特開平8−188760号公報、特開平8−30
2312号公報、特開平9−31427号公報、特開平
9−59586号公報、特開平9−95651号公報、
特開平9−310057号公報、特開平10−3680
5号公報などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、エポキシ系
樹脂を基材とした接着剤の場合、2液型接着剤では主剤
となるエポキシ化合物の選択および使用条件に適した硬
化剤の選択、使用に先立っての主剤と硬化剤を正確に所
定量を均一に混合し、更に、導電性微粉粒体や助剤など
を配合してエポキシ系接着剤組成物が得られるという繁
雑な操作を要する。加えて、調製したエポキシ系接着剤
組成物は非常に高粘度のペースト状で、それを用いた接
着作業では接着剤の液切れが悪く、特に小面積の接着に
は細心の注意と手間がかかる。更に、調製した接着剤は
使用可能時間に限りがあることと、接着剤組成物を硬化
させるのに時間がかかるという問題がある。一方、1液
型接着剤では前者のような繁雑な接着剤の調製は必要と
しないものの、調製された接着剤組成物の状態は前記の
2液型と同様非常に高粘度のペースト状であって、作業
性の問題に加えて、硬化に比較的高温度と長時間を必要
とする。そうした課題を解決するためにさまざまな提案
がなされているが、エポキシ系樹脂を基材とする場合、
根本的な解決には難しいものがある。
【0004】本発明の目的は、電子回路製造時に半田に
代わる接着剤として大量調製はもとより、小規模試験や
学校などでの実験で使用する少量調製までが容易で、そ
の取り扱いや作業性、後始末が容易であり、長時間の保
存が可能な水系導電性接着剤組成物を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、水溶性樹脂お
よび/または水分散性樹脂を接着剤の基材とし、導電性
微粉粒体、金属メッキした導電性微粉粒体および疎水性
物質で処理した導電性微粉粒体から選ばれた1種類また
は2〜3種類の導電性微粉粒体、水または水を主体とし
た混合溶媒、必要に応じて分散安定剤、接着補助剤およ
び可塑剤から選ばれた物質でなることを特徴とする水系
導電性接着剤組成物である。
【0006】また、本発明は、接着剤の基材の水溶性樹
脂がα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体系樹脂、
クロトン酸−酢酸ビニル共重合体系樹脂、カルボキシメ
チルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースであ
り、また水分散性樹脂が酢酸ビニル系樹脂、エチレン−
酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−酢酸ビニル−ア
クリル酸共重合体系樹脂、ポリビニルアルコール−酢酸
ビニル共重合体系樹脂、(メタ)アクリル酸または(メ
タ)アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体系樹脂で
あり、これらの樹脂から選ばれた1種類または2〜3種
類の混合物である水系導電性接着剤組成物である。
【0007】すなわち、本発明の接着剤の基材である水
溶性樹脂がイソブチレン−無水マレイン酸共重合体系樹
脂、イソブチレン−無水マレイン酸イミド共重合体系樹
脂(イミド化率25〜45%)などのα−オレフィン−
無水マレイン酸共重合体系樹脂、クロトン酸−酢酸ビニ
ル共重合体系樹脂、置換度0.45モル以上のカルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピレンセル
ロースなどのセルロース誘導体であり、また水分散性樹
脂が酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体
系樹脂、エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体系
樹脂、ポリビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体系樹
脂、アクリル酸またはアクリル酸エステル−酢酸ビニル
共重合体系樹脂、メタクリル酸エステル−酢酸ビニル共
重合体系樹脂などの酢酸ビニル共重合体系樹脂であり、
これらの樹脂から選ばれた1種類または2〜3種類の混
合樹脂である。
【0008】また、本発明の導電性微粉粒体が、(1)
銀、銅、金、ニッケル、亜鉛、真ちゅう(Cu:Z
n)、燐青銅(Cu:Sn:P)、ジュラルミン(A
l:Cu)などの金属微粉粒体。(2)カーボン、銅、
金属アルミニウム、アルミナ、窒化アルミニウム、酸化
チタン、炭化ケイ素、コロイダルシリカ、ガラスなどの
微粉粒体に銀、金またはニッケルをメッキした金属メッ
キ微粉粒体。(3)前記導電性微粉粒体を疎水性物質、
例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウ
ム、パラフィンワックスなどで処理した微粉粒体であ
り、これら導電性微粉粒体から選ばれた1種類または2
〜3種類の混合物の導電性微粉粒体である。そして、基
材樹脂と導電性微粉粒体の混合比は導電性微粉粒体の形
状や比重によって異なるが、通常は基材樹脂100容量
部に対して導電性微粉粒体50〜150容量部、好まし
くは60〜140容量部の範囲である。導電性微粉粒体
量が50容量部に満たないと、固化した接着剤組成物中
の導電性微粉粒体相互の接触や会合が十分でなく、良好
な導電性を確保できない場合がある。一方、導電性微粉
粒体量が150容量部を越えて多量に存在させると、良
好な導電性を確保できるが十分な接着強度を確保できな
い場合があり好ましくない。
【0009】また、樹脂の溶媒は水を用いるが、基材樹
脂の種類やその分子構造によっては良好な水溶液にはな
らないことがある。その場合、イオン解離性の無機塩ま
たは有機塩を溶解した水溶液を用いるまたは水に有機溶
剤を混合した溶媒を用いる。例えば、α−オレフィン−
無水マレイン酸共重合体系樹脂の場合、アンモニア水や
アンモニウム塩水溶液、セロソルブ、エタノールやプロ
パノールなどを混合することによって樹脂の溶解性を高
める。一方、樹脂の水エマルジョン液の場合、例えば、
酢酸ビニル系樹脂では、酢酸エチル、メチルエチルケト
ンなどの樹脂と水の双方に親和性を有する有機溶媒を混
合することによって樹脂の被接着面への濡れ性や接着性
などの改善を図ることができる。
【0010】更に、必要に応じて基材樹脂や接着剤組成
物には分散安定剤や接着補助剤または可塑剤などを配合
することも好ましい場合がある。まず、分散安定剤につ
いては、樹脂水溶液や樹脂水分散液中に導電性微粉粒体
を配合することによって樹脂の溶解挙動や分散挙動が変
化する場合があり、そうした組成物系の安定化のために
安定剤を用いるとよい。安定剤は使用基材樹脂とその分
子構造、配合した導電性微粉粒体のイオン化状態、混合
溶媒ではその組成、樹脂の水系エマルジョンにおける分
散剤などの要因によって支配されるため、予め接着剤組
成物について実験で確認して決定することがよい。例え
ば、酢酸ビニル系樹脂または酢酸ビニル共重合体系樹脂
の水エマルジョン系の場合、非イオン活性剤、ポリビニ
ルアルコールを添加することもよい。
【0011】また、水系接着剤組成物では被接着面の状
態で付着状態に斑を生ずる場合があるので、接着補助剤
を併用して被接着面との接触面積を大きくしたり、基材
樹脂と被接着物の双方に親和性を持たせる第3成分や架
橋性化合物の添加によって安定な接着状態に導くことも
よい。例えば、酢酸ビニル系樹脂や酢酸ビニル共重合体
系樹脂の場合には、前記の水系樹脂の分散安定化を兼ね
てポリビニルアルコールやポリビニルブチラール系樹脂
の添加、またはブロックしたイソシアネート化合物など
の架橋性化合物の添加などがある。また、α−オレフィ
ン−無水マレイン酸共重合体系樹脂の場合には、ジグリ
シジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエー
テルやグリセリントリ(またはジー)グリシジルエーテ
ルなどの架橋性化合物を添加することもよい。
【0012】更に、調製した水系導電性接着剤組成物の
粘性が高くなって作業性が低下したり、接着剤が硬くて
接着後の接着剤に亀裂や剥離が生じたり好ましくない状
態を生ずるような場合には、接着剤組成物に可塑剤また
は可塑剤的作用をする物質を使用することもよい。例え
ば、酢酸ビニル系樹脂や酢酸ビニル共重合体系樹脂の場
合、エチレングリコールやグリセリン、脂肪酸エステル
系可塑剤やフタル酸エステル系可塑剤の添加、前記の水
系樹脂の分散安定化を兼ねて鹸化度80〜90モル%程
度の低鹸化度のポリビニルアルコールやポリビニルブチ
ラール系樹脂の添加する、あるいは硬い酢酸ビニル系樹
脂に柔軟な酢酸ビニル共重合体系樹脂、例えば、酢酸ビ
ニル−アクリル酸エステル(またはアクリル酸)共重合
体系樹脂や酢酸ビニル−エチレン共重合体系樹脂を併用
することもよい。また、α−オレフィン−無水マレイン
酸共重合体系樹脂の場合には、例えば、酢酸ビニル−ア
クリル酸エステル(またはアクリル酸)共重合体系樹脂
や酢酸ビニル−エチレン共重合体系樹脂を併用すること
もよい。
【0013】本発明で調製した水系導電性接着剤組成物
は、使用目的や作業性、例えば、被接着物に付けた接着
剤の液切れ状態や垂れ状態などによって所望の粘稠度の
接着剤組成物に再調製することも必要である。しかし、
媒体量の調節だけでは所望の粘稠度が得られない場合に
は増粘剤を用いる。増粘剤としては、例えば、高粘度ポ
リビニルアルコール、ポリオキシエチレンアルコールや
ポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子などの非イオ
ン系増粘剤、またはアンモニア水や金属塩などのイオン
架橋剤などが用いられる。また、増粘剤の選択とその使
用量は調製した接着剤組成物の基材樹脂の種類や分子構
造などを考慮して実験的に定めることである。高分子増
粘剤の場合には、通常の使用量は接着剤組成物中の水量
に対して0.1〜2重量%程度で十分である。
【0014】調製した水系導電性接着剤組成物は、被接
着物に付けて接着剤表面が固化する数分間放置し、必要
があれば70°C以下の加温雰囲気で数分間程度乾燥し
て製品化する。一方、接着作業に使用した設備や器具は
温水洗浄や弱アルカリ水溶液に浸漬処理した後に水洗す
ることで容易に掃除ができる。また余った導電性接着剤
は水分が乾燥しないように密封して保存ができるが、黴
が心配の場合には市販の防黴剤を添加しておくとよい。
【0015】
【実施例】次に、本発明の実施態様を具体的な実施例に
て説明する。なお、実施例中の部および%は断りのない
限り容量に関するものである。
【0016】実施例1 酢酸ビニルの乳化重合で得たポリ酢酸ビニル樹脂エマル
ジョン300部(固形分量100部、水200部)、こ
のエマルジョン液中に10μm以下の鱗片フレーク状銀
粉体(比表面積1.21m/g)100容量部を撹拌
しながら添加し、十分に混合してペースト状導電性接着
剤組成物を得た。このペースト状接着剤組成物は室温下
で乾燥する場合にはこのまま使用できるが、乾燥速度を
速めるために加温雰囲気下で乾燥する場合にはやや緩い
ペースト状であるため、接着剤の塗布形態の変形や垂れ
を生ずることがある。そうした場合には増粘剤としてポ
リビニルピロリドン0.3部を添加して撹拌・混合し、
粘稠なペースト状導電性接着剤組成物を調製した。
【0017】この水系導電性接着剤組成物をガラス板上
で製膜したフィルムの導電性を4線式抵抗測定器デジタ
ルマルチメータで測定した体積抵抗率は1.7×10
−4Ω・cm、また引張剪断試験法で測定した重ね接着
強度は15Kgf/cmで、実用上十分な導電性と接
着強度を有した接着剤組成物であった。
【0018】実施例2 実施例1の接着剤組成物において、導電性微粉粒体を鱗
片フレーク状銀粉末に替えて平均粒径2.4μmの銀微
粒体(比表面積0.15m/g)を用いて実施例1と
同様に調製した粘稠なペースト状導電性接着剤組成物を
ガラス板上で製膜したフィルムを測定した体積抵抗率は
1.3×10−Ω・cm)また重ね接着強度は9Kg
f/cmであり、実用上十分な導電性と接着強度を有
した接着剤であった。
【0019】次いで、実施例1および2で調製した水系
導電性接着剤組成物を瓶詰して水分の蒸発を防止した状
態で1カ月間接着剤組成物を目視観察し、1カ月後に接
着強度を測定した結果、いずれも殆ど変化が見られな
い。この水系導電性接着剤組成物を用いてプリント基板
に電子部品を配置・接着して電子回路を組み立てたが、
接着剤組成物の表面が硬化するまでの時間が約2.5〜
3分と短く、接着状態は良好であった。また、接着剤の
付着した器具や工具の後始末は温水で容易に掃除がで
き、残留接着剤は密封容器に回収して再使用に備えた。
作業性や使用環境上に特に指摘する問題となるところは
なかった。
【0020】後日、残った接着剤組成物や回収した接着
剤組成物の状態を観察したところ、調製して長時間経過
したために水分が蒸発してかなり固化した状態になった
が、蒸発した水分量を追加して加温再調製し、粘稠度を
調節したものについて製膜状態を調べ、導電性と接着強
度を測定したが調製時と殆ど変化が見られなかった。そ
こで、この回収導電性接着剤組成物を新規に調製した水
系導電性接着剤組成物に混ぜて再使用することができ
た。
【0021】実施例3 イソブチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂のアンモニ
ウム塩〔(株)クラレ製イソバン〕100部を200部
の水に分散させ、溶解状態を確認しながらアンモニア水
を滴下して撹拌溶解した。得られた樹脂水溶液中に10
μm以下の鱗片フレーク状銀粉末(比表面積1.21m
/g)100部を撹拌しながら添加して混合し、ペー
スト状の水系導電性接着剤組成物を調製した。このペー
スト状の水系導電性接着剤組成物は室温下で使用する場
合にはこのままでよいが、加温雰囲気下で乾燥する場合
には、鹸化度約86〜89モル%のポリビニルアルコー
ルを0.5部程度添加して粘稠なペースト状の水系導電
性接着剤組成物とした。
【0022】調製した水系導電性接着剤組成物は実施例
1と同様にガラス板上で製膜して測定した体積抵抗率は
1.2×10−4Ω・cm、また引張剪断試験法で測定
した重ね接着強度は15.5Kgf/cmであり、実
用上十分な導電性と接着強度を有した接着剤であった。
そこで、この接着剤組成物を用いてプリント基板に電子
部品を接着して電子回路を組み立てたが、接着剤組成物
の表面が硬化するまでの時間が約3〜3.5分と短く、
接着状態は良好であった。更に、接着剤が付着した器具
や工具の後始末は温水で容易に掃除ができたが、器具な
どに固着した接着剤組成物は希薄水酸化ナトリウム水溶
液中に浸漬処理することで容易に溶解除去ができ、残留
接着剤は密封容器に回収して再使用に備えた。また、作
業性や使用環境上に特に指摘する問題となるところがな
かった。
【0023】実施例4 酢酸ビニル−アクリル酸共重合体樹脂エマルジョン30
0部(固形分量100部、水200部)に低鹸化度のポ
リビニルアルコール2部を溶解した。次いで、平均粒径
2.4μmの銀微粒体(比表面積0.15m/g)を
ステアリン酸亜鉛処理で疎水性化したものを100部を
撹拌しなから添加して混合し、粘稠なペースト状の水系
導電性接着剤組成物を調製した。この水系導電性接着剤
組成物を実施例1と同様に製膜して測定した体積抵抗率
は平均1.0×10−4Ω・cm、また接着強度は10
Kgf/cmであり、実施例2の導電性よりやや良い
導電性と接着強度を有したものであった。そこで、この
試験フィルムを切断して断面の銀微粒体分散状態を観察
した結果、製膜時の表面側より裏側がやや多い銀微粒体
分布になっていた。このことを推考するに、接着剤組成
物中の銀微粒体が内部固化までの間に移行して接着面付
近に多少多く存在するようになり、導電性と接着強度に
好ましい傾向の条件があるものとみられる。
【0024】この水系導電性接着剤組成物を用いてプリ
ント基板に電子部品を接着して電子回路を組み立てた
が、接着剤組成物の表面が硬化するまでの時間が約2.
5〜3分と短く、接着状態は良好であった。更に、接着
剤の付着した器具や工具の後始末は温水で容易に掃除が
でき、残留接着剤は密封容器に回収して再使用が可能な
ものであった。
【0025】比較例1 1液型エポキシ樹脂に銀微粒体を配合したN社製の導電
性接着剤(カタログ仕様;粘度1500ポイズ、比重
3.9cm/g、固有抵抗×10−4Ω・cm、硬化
条件130°C−30分、固着強度3.4Kgf)を用
いて実施例1と同様に製膜したフィルムの体積抵抗率は
3.4×10−4Ω・cm、また接着強度は5Kgfで
あった。
【0026】この導電性接着剤を用いてプリント基板に
電子部品を接着し、電子回路を組み立てたが、接着面に
付けた接着剤表面が硬化して次の作業ができるまでの時
間は約22〜25分であつた。次いでカタログ仕様の硬
化条件130°C−30分で熱処理して製品とした。こ
の接着剤は粘度が高くて取り扱いや作業性が極端に悪
く、特に小面積への接着剤塗布作業が困難であり、更に
作業中や作業後の接着剤の付着した器具や工具の始末、
残留接着剤の処理など作業環境上に問題となるところが
多かった。
【0027】
【発明の効果】本発明の水系導電性接着剤組成物は量の
規模にかかわらず容易に調製ができ、その接着作業は熱
処理などの繁雑な工程を必要とせずに乾燥固化ができ
て、半田接着に代わる電子回路製作の接着剤として実用
上十分な接着性と導電性を有する。また接着剤の長期保
存や回収しての再使用が可能で、かつ作業性や後始末が
容易であると共に作業環境上に特別の設備や制約を必要
としない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J040 BA081 DA051 DA161 DD021 DD022 DD072 DE021 DE031 DF011 DF041 DF051 DH032 EC022 EC032 EE022 EF181 EF332 GA07 HA026 HA066 HA076 HA136 HA206 HA216 HA296 HA306 HA346 HB10 HB11 HB31 HB34 JA02 JA03 JB10 KA03 KA07 KA16 KA25 KA31 KA32 KA38

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性樹脂および/または水分散性樹脂
    を接着剤の基材とし、導電性微粉粒体、金属メッキした
    導電性微粉粒体および疎水性物質で処理した導電性微粉
    粒体から選ばれた1種類または2〜3種類の導電性微粉
    粒体、水または水を主体とした混合溶媒、必要に応じて
    分散安定剤、接着補助剤および可塑剤から選ばれた物質
    でなることを特徴とする水系導電性接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 接着剤の基材の水溶性樹脂がα−オレフ
    ィン−無水マレイン酸共重合体系樹脂、クロトン酸−酢
    酸ビニル共重合体系樹脂、カルボキシメチルセルロー
    ス、ヒドロキシアルキルセルロースであり、また水分散
    性樹脂が酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重
    合体系樹脂、エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸共重合
    体系樹脂、ポリビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体
    系樹脂、(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸
    エステル−酢酸ビニル共重合体系樹脂であり、これらの
    樹脂から選ばれた1種類または2〜3種類の混合物であ
    る請求項1に記載の水系導電性接着剤組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001316655A (ja) * 2000-04-28 2001-11-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd 導電性接着剤およびその製造方法
JP2016183270A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 株式会社タムラ製作所 導電性接着剤および電子基板

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