JP5273514B2 - 電極接続用接着剤とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電極、回路等を設けた配線板や電子部品等を接着し、かつ電気的に接続するための電極接続用接着剤に関する。
近年の電子機器の小型化、高機能化の流れの中で、構成部品(例えば、液晶製品における電子部品)内の接続端子の微小化が進んでいる。このため、エレクトロニクス実装分野においては、そのような端子間の接続を容易に行える種々の電極接続用接着剤として、フィルム状の接着剤が広く使用されている。例えば、金メッキされた銅電極からなる金属電極が形成されたフレキシブルプリント配線板(FPC)と、ITO電極からなる配線電極が形成されたガラス基板等の配線基板の接合や、ICチップ等の電子部品と配線基板の接合に使用されている。
この電極接続用接着剤は、例えば、エポキシ樹脂等の絶縁性の樹脂組成物中に導電性粒子を分散させた接着剤であり、接続対象の間に挟まれ、加熱、加圧されて、接続対象を接着する。即ち、加熱、加圧により接着剤中の樹脂が流動し、例えば、フレキシブルプリント配線板の表面に形成された銅電極と、配線基板の表面に形成されたITO電極の隙間を封止すると同時に、導電性粒子の一部が対峙する銅電極とITO電極の間に噛み込まれて電気的接続が達成される。そして、電極接続用接着剤においては、当該電極接続用接着剤の厚み方向に相対峙する、接続された電極間の抵抗(接続抵抗、または導通抵抗)を低くするという導通性能と、電極接続用接着剤の面方向に隣り合う電極間の抵抗(絶縁抵抗)を高くするという絶縁性能が必要とされている。
また、この電極接続用接着剤を作製する際には、一般に、まず、主成分であるエポキシ樹脂等の絶縁性の熱硬化性樹脂を、所定の溶媒中に溶解した溶液に、導電性粒子を添加して、接着剤用の複合材料を作製する。次いで、当該複合材料を攪拌して、導電性粒子を均一に分散させた後、離形処理したフィルム上に、当該複合材料を塗布し、乾燥、固化させることにより、作製される。
ここで、一度接続した電極間の破損または損傷を生じることなく剥離して、接着剤を溶剤等で除去した後、再度、接着剤を用いて、電極間を接続すること(以下、「リペア」という。)を容易に行うとの観点から、接着剤の作製の際に、熱可塑性樹脂であるポリビニルブチラール(PVB)を添加することが一般的に知られている(例えば、特許文献1参照)。
このポリビニルブチラールは、室温では固化しているが、ガラス転移温度以上(例えば、60℃)に加熱することにより軟化して加工し易くなる。その結果、フレキシブルプリント配線板と配線基板等の接合体が位置ずれによる不良部品であっても、ポリビニルブチラールを含有する電極接続用接着剤を加熱することで、この接合体の配線板等を損傷なく剥離でき、剥離されたフレキシブルプリント配線板や配線基板等は再び電子機器の構成部品として使用することができる。
特開平5−117419号公報
しかし、上記従来の電極接続用接着剤においては、リペア性を向上させるためポリビニルブチラールを含有させているが、従来使用されているポリビニルブチラールは硬化作用に影響をおよぼさないため、必然的にその存在が接着力の低下を引き起こす。一方高い接着性を得ようとすれば、ポリビニルブチラールを出来る限り含ませないようにする。従って従来の電極接続用接着剤においては、接着性とリペア性を両立させることが困難になるという問題があった。さらに前記問題点に加えて、従来の製造方法によってポリビニルブチラールを使用すると、保存中に硬化反応が進行するため長期保存が困難であるという問題点もあった。
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、ポリビニルブチラールに特徴を持たせることによって、接着性とリペア性を両立することができるとともに、長期の保存安定性を有する電極接続用接着剤を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、潜在性硬化剤、及び導電性粒子を含有する電極接続用接着剤において、前記ポリビニルブチラールは、分子量が10000以上70000以下であり、かつ水酸基濃度が20mol%以上40mol%以下であることを特徴とする。
同構成によれば、エポキシ樹脂を主成分とし、熱可塑性樹脂、導電性粒子、および潜在性硬化剤を含有する電極接続用接着剤を介して、加熱加圧処理を行うことにより、例えば、フレキシブルプリント配線板の金属電極(例えば、金メッキが施された銅電極)を配線基板の配線電極(例えば、金メッキが施された銅電極)に接続する際に、ポリビニルブチラールの分子量が10000以上と大きいため樹脂の凝集力を低下させることがないので、接着力が高い。また70000以下とすることによって、多様な溶剤に溶解することができリペアを容易にする。
また、ポリビニルブチラールは水酸基を有しており、この水酸基の親和性を利用して接着力を向上させることが可能になる。一方水酸基は水分と結合する性質ももつため、吸水によっておこる接続性能の悪化、絶縁性低下といった性能不良が発生することもある。よってポリビニルブチラールに含まれる水酸基濃度を20mol%以上40mol%以下にすることによって、接着力の向上、吸水による性能不良防止を両立させることができ、配線基板とフレキシブルプリント配線板の接続信頼性を向上させることが可能になる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電極接続用接着剤であって、電極接続用接着剤の全体に対する前記ポリビニルブチラールの含有量は、1重量%以上30重量%以下であることを特徴とする。
同構成によれば、ポリビニルブチラールによる、電極接続用接着剤と、配線電極、および金属電極の接着力の向上効果、およびリペア性の向上効果を十分に発揮させた状態で、電極間の接続信頼性を向上させることが可能になる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の電極接続用接着剤であって、硬化後の電極接続用接着剤は、ケトン系溶剤を重量比率で20%以上含む混合溶剤を使用することで接着面から除去可能であることを特徴とする。同構成によれば、配線電極や金属電極上の接着剤を確実に除去することが可能になる。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電極接続用接着剤であって、導電性粒子が、微細な金属粒子が多数、直鎖状に繋がった形状、または針形状を有する金属粉末であることを特徴とする。
同構成によれば、電極接続用接着剤の面方向においては、隣り合う電極間の絶縁を維持して短絡を防止しつつ、電極接続用接着剤の厚み方向においては、多数の配線電極−金属電極を一度に、かつ各々を独立して導電接続して、低抵抗を得ることが可能になる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の電極接続用接着剤であって、導電性粒子のアスペクト比が5以上であることを特徴とする。同構成によれば、電極接続用接着剤を使用する場合に、導電性粒子間の接触確率が高くなる。その結果、導電性粒子の配合量を増やすことなく、配線電極と金属電極を電気的に接続することが可能になる。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の電極接続用接着剤であって、フィルム形状を有することを特徴とする。同構成によれば、電極接続用接着剤の取り扱いが容易になるとともに、例えば、電極接続用接着剤を介して、加熱加圧処理を行うことにより、配線電極と金属電極を接続する際の作業性が向上する。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の電極接続用接着剤であって、導電性粒子の長径方向を、フィルム形状を有する接着剤の厚み方向に配向させたことを特徴とする。同構成によれば、隣り合う電極間の絶縁を維持して短絡を防止しつつ、多数の配線電極−金属電極間を一度に、かつ各々を独立して導電接続することが可能になるという効果が、より一層向上する。
請求項8に記載の発明では、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、潜在性硬化剤、及び導電性粒子を含有し、前記ポリビニルブチラールは、分子量が10000以上70000以下であり、かつ水酸基濃度が20mol%以上40mol%以下である電極接続用接着剤の製造方法であって、前記ポリビニルブチラールに含まれる水分量を0.8重量%以下としたのち、前記ポリビニルブチラール、前記エポキシ樹脂、前記フェノキシ樹脂、前記潜在性硬化剤、及び前記導電性粒子を混合することを特徴とする。
上述したように、ポリビニルブチラールは水酸基を持つため、水分と結合しやすい。水分が存在すると、接続不良を起こす。また水分と熱硬化性樹脂が保存中に反応してしまい硬化することがあり、長期安定性に乏しくなる。そこでブチラールを各種樹脂や導電性粒子と混合する前に、その含有水分量を0.8重量%以下なるよう減じておけば、上記の接続不良や保存中の硬化を回避できる。ブチラールから水分を除去するのは、各種樹脂との混合後では困難であり、混合前の単体原料時が効果的である。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の電極接続用接着剤の製造方法であって、前記ポリビニルブチラール、前記エポキシ樹脂、前記潜在性硬化剤、及び前記導電性粒子をエステル系溶剤が含まれる溶液中で混合することを特徴とする。
混合する溶液中にエステル系溶剤が含まれることにより、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラールの溶解性が高くなり、相分離することなく均一に樹脂が分散した状態となり、接着力の高い接着剤が得られる。またエステル系溶剤は硬化剤を溶解しにくい。硬化剤が溶解すると熱硬化性樹脂との反応が進行する。そのため保存中に硬化してしまう。エステル系溶剤の使用はこの保存中の硬化反応抑制にも効果がある。
本発明によれば、接着力向上とリペア性を両立できるとともに、長期の保存安定性を有する電極接続用接着剤が実現できる。
以下に、本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る電極接続用接着剤により、フレキシブルプリント配線板を実装した配線基板を示す断面図である。本実施形態の電極接続用接着剤を用いたフレキシブルプリント配線板等の配線板の実装方法としては、例えば、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を主成分とする電極接続用接着剤を介して、加熱加圧処理を行うことにより、当該エポキシ樹脂を硬化させ、フレキシブルプリント配線板の金属電極を配線基板の配線電極に接続する。
より具体的には、図1を用いて説明すると、ガラス基板等の配線基板1上に、絶縁性の熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を主成分とし、熱可塑性樹脂と、潜在性硬化剤と、導電性粒子を含有する導電性の電極接続用接着剤2を載置し、当該電極接続用接着剤2を所定の温度に加熱した状態で、配線基板1の方向へ所定の圧力で加圧し、電極接続用接着剤2を配線基板1上に仮接着する。なお、電極接続用接着剤2は、ペースト状で使用することができるが、フィルム形状を有する電極接続用接着剤2も好適に使用できる。次いで、フレキシブルプリント配線板3を下向きにした状態で、配線基板1の表面に形成された配線電極4と、フレキシブルプリント配線板3の表面に形成された金属電極5との位置合わせをしながら、フレキシブルプリント配線板3を電極接続用接着剤2上に載置することにより、配線基板1とフレキシブルプリント配線板3との間に電極接続用接着剤2を介在させる。次いで、電極接続用接着剤2を所定の温度に加熱した状態で、フレキシブルプリント配線板3を介して、当該電極接続用接着剤2を配線基板1の方向へ所定の圧力で加圧することにより、電極接続用接着剤2を加熱溶融させる。なお、上述のごとく、電極接続用接着剤2は、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を主成分としているため、当該電極接続用接着剤2は、上述の温度にて加熱をすると、一旦、軟化するが、当該加熱を継続することにより、硬化することになる。そして、予め設定した電極接続用接着剤2の硬化時間が経過すると、電極接続用接着剤2の硬化温度の維持状態、および加圧状態を開放し、冷却を開始することにより、導電性の電極接続用接着剤2を介して、配線電極4と金属電極5を接続し、フレキシブルプリント配線板3を配線基板1上に実装する。
また、本発明の金属電極5としては、例えば、フレキシブルプリント配線板3の表面に、銅箔等の金属箔を積層し、当該金属箔を、常法により、露光、エッチング、メッキ処理することにより形成された金属製の金メッキが施された銅電極が使用される。また、配線電極4としては、例えば、上述の金属製の金メッキが施された銅電極や、配線基板1上に形成された金属製のITO電極が使用される。
ここで、本実施形態においては、電極接続用接着剤2に熱可塑性樹脂を含有させたものを使用する構成としており、当該熱可塑性樹脂として、ポリビニルブチラールを含有する点に特徴がある。このようなポリビニルブチラールを使用することにより、ポリビニルブチラールは、リペアを行う際に使用する溶剤、メチルエチルケトン、トルエン、アセトン、アルコール等に可溶であり、電極接続用接着剤2において、溶剤による膨潤性が向上するため、電極接続用接着剤2のリペア性を向上させることが可能になる。
ポリビニルブチラールは水酸基を有しており、配線電極4、および金属電極5に対するポリビニルブチラール中の水酸基の親和性が高いため、電極接続用接着剤2を介して配線電極4−金属電極5間を接続する際の接着力を向上させることが可能になる。
本実施形態において、含有するポリビニルブチラールは、分子量が10000以上70000以下である点に特徴がある。分子量が10000以上70000以下のポリビニルブチラールを使用することで以下の効果が得られる。分子量が10000以上と大きいため含有される樹脂の凝集力を低下させることがないので、高い接着力が得られる。また分子量が大きいとポリビニルブチラールの溶解性が乏しくなるので、接着剤製造時に溶液の高濃度化が困難になり、フィルム状の形態を得にくい。さらには溶剤への溶解性が乏しくなるため、リペア性も低下する。これを解消するためにポリビニルブチラールの分子量を70000以下としている。
さらに、本実施形態において、含有するポリビニルブチラールは、水酸基濃度が20mol%以上40mol%以下である点に特徴がある。ここでいう水酸基濃度とは、使用するポリビニルブチラールに含まれる、ブチラール基、アセチル基、水酸基の個数をそれぞれA、B、C個とし、C/(A+B+C)×100で表される数値のことをいう。上記したように水酸基の親和性を利用して接着力を向上させることが可能であるが、水酸基は水分との結合力が強く、吸水性もあり、水酸基濃度を過度に高くすることは好ましくない。よって吸水性を抑え、接着力を向上させるためにポリビニルブチラールに含まれる水酸基濃度を20mol%以上40mol%以下としている。
本発明のポリビニルブチラールとしては、例えば、ポリビニルアルコールとブチルアルデヒドを反応させたもの等を使用することができる。
また、電極接続用接着剤2の全体に対するポリビニルブチラールの配合量を、1重量%以上30重量%以下とすることが好ましい。これは、ポリビニルブチラールの配合量が、1重量%より小さい場合は、ポリビニルブチラールによる、リペア性の向上効果が十分に発揮されない場合があるためである。また、ポリビニルブチラールの配合量が、30重量%より大きい場合は、接着性が十分に発揮されない場合があるためである。より効果的であるのは2重量%以上、15重量%以上である。
本発明に使用される電極接続用接着剤2としては、従来、配線基板1とフレキシブルプリント配線板3の接続に使用されてきた、絶縁性の熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を主成分とし、当該樹脂中に導電性粒子が分散されたものが使用できる。例えば、エポキシ樹脂に、ニッケル、銅、銀、金あるいは黒鉛等の導電性粒子の粉末が分散されたものが挙げられる。
なお、使用するエポキシ樹脂の種類は、特に制限はなく、上述の平均分子量を有するエポキシ樹脂であれば、どのようなものでも使用できる。例えば、ビスフェノールA型、F型、S型、AD型、またはビスフェノールA型とビスフェノールF型との共重合型のエポキシ樹脂や、ナフタレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等を使用することができる。また、高分子量エポキシ樹脂であるフェノキシ樹脂を用いることもできる。
また、本発明に使用される電極接続用接着剤2として、潜在性硬化剤を含有する接着剤が使用できる。この潜在性硬化剤は、低温での貯蔵安定性に優れ、室温では殆ど硬化反応を起こさないが、熱や光等により、速やかに硬化反応を行う硬化剤である。この潜在性硬化剤としては、イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素−アミン錯体、アミンイミド、ポリアミン系、第3級アミン、アルキル尿素系等のアミン系、ジシアンジアミド系、酸無水物系、フェノール系、および、これらの変性物が例示され、これらは単独または2種以上の混合物として使用できる。
また、これらの潜在性硬化剤中でも、低温での貯蔵安定性、および速硬化性に優れているとの観点から、イミダゾール系潜在性硬化剤が好ましく使用される。イミダゾール系潜在性硬化剤としては、公知のイミダゾール系潜在性硬化剤を使用することができる。より具体的には、イミダゾール化合物のエポキシ樹脂との付加物が例示される。イミダゾール化合物としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−ドデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾールが例示される。
また、特に、これらの潜在性硬化剤を、ポリウレタン系、ポリエステル系等の高分子物質や、ニッケル、銅等の金属薄膜およびケイ酸カルシウム等の無機物で被覆してマイクロカプセル化したものは、長期保存性と速硬化性という矛盾した特性の両立を図ることができるため、好ましい。従って、マイクロカプセル型イミダゾール系潜在性硬化剤が、特に好ましい。
また、電極接続用接着剤2として、図2に示すように、導電性粒子6を含む異方導電性接着剤も使用することができる。図2は本発明の実施形態に係る電極接続用接着剤として、導電性粒子を含有する異方導電性接着剤を使用し、異方導電性接着剤を介して、フレキシブルプリント配線板を配線基板に実装した状態を示す断面図である。また、図3は本発明の実施形態に係る電極接続用接着剤において使用される導電性粒子を説明するための図である。当該異方導電性接着剤として、例えば、上述のエポキシ樹脂を主成分とし、当該樹脂中に、微細な金属粒子(例えば、球状の金属微粒子や金属でメッキされた球状の樹脂粒子からなる金属微粒子)が多数、直鎖状に繋がった形状、または針形状を有する、所謂アスペクト比が大きい形状を有する金属粉末により形成された導電性粒子6が分散されたものを使用することができる。なお、ここで言うアスペクト比とは、図3に示す、導電性粒子6の短径(導電性粒子6の断面の長さ)Rと長径(導電性粒子6の長さ)Lの比のことを言う。
このような導電性粒子6を使用することにより、異方導電性接着剤として、電極接続用接着剤2の面方向(厚み方向Xに直交する方向であって、図2の矢印Yの方向)においては、隣り合う電極間の絶縁を維持して短絡を防止しつつ、厚み方向Xにおいては、多数の配線電極4−金属電極5間を、一度にかつ各々を独立して接続し、低抵抗を得ることが可能になる。
また、導電性粒子6のアスペクト比が5以上であることが好ましい。このような導電性粒子6を使用することにより、電極接続用接着剤2として、異方導電性接着剤を使用する場合に、導電性粒子6間の接触確率が高くなる。従って、導電性粒子6の配合量を増やすことなく、配線電極4と金属電極5を電気的に接続することが可能になる。
また、この異方導電性接着剤において、導電性粒子6の長径Lの方向を、フィルム状の異方導電性接着剤を形成する時点で、異方導電性接着剤の厚み方向Xにかけた磁場の中を通過させることにより、当該厚み方向Xに配向させて用いるのが好ましい。このような配向にすることにより、上述の、隣り合う電極間の絶縁を維持して短絡を防止しつつ、多数の配線電極4−金属電極5間を一度に、かつ各々を独立して導電接続することが可能になるという効果が、より一層向上する。
また、本発明に使用される金属粉末は、その一部に強磁性体が含まれるものが良く、強磁性を有する金属単体、強磁性を有する2種類以上の合金、強磁性を有する金属と他の金属との合金、および強磁性を有する金属を含む複合体のいずれかであることが好ましい。これは、強磁性を有する金属を使用することにより、金属自体が有する磁性により、磁場を用いて導電性粒子6を配向させることが可能になるからである。例えば、ニッケル、鉄、コバルトおよびこれらを含む2種類以上の合金等を挙げることができる。
なお、導電性粒子6のアスペクト比は、CCD顕微鏡観察等の方法により直接測定するが、断面が円でない導電性粒子6の場合は、断面の最大長さを短径としてアスペクト比を求める。また、導電性粒子6は、必ずしもまっすぐな形状を有している必要はなく、多少の曲がりや枝分かれがあっても、問題なく使用できる。この場合、導電性粒子6の最大長さを長径としてアスペクト比を求める。
本発明の電極接続用接着剤は以下のように製造される。エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、潜在性硬化剤を所定の比率になるよう用意し、これを溶剤に溶解して三本ロール等の手段で混合し、溶液を得る。この溶液に導電性粒子である、例えば直鎖状ニッケル微粒子を添加し遠心ミキサーで撹拌し各成分を均一に分散させる。これをフィルム状に成型し、乾燥、固化させ電極接続用接着剤として用いる。
本製造工程において、ポリビニルブチラールは混合前に真空乾燥炉等で脱水処理され、含有する水分量が0.8重量%以下にされることが好ましい。ポリビニルブチラールは水酸基を持つため、水分と結合しやすい。脱水処理をしないポリビニルブチラールは平均的に1.5重量%程度の水分を含む。前記したように接着剤中に水分が存在すると、接続不良や絶縁不良を起こす。また水分と熱硬化性樹脂が保存中に反応してしまい硬化することがあり、長期安定性に乏しくなる。そこでポリビニルブチラールを各種樹脂や導電性粒子と混合する前に、その含有水分量を0.8重量%以下なるよう減じておけば、上記の接続不良や保存中の硬化を回避できる。ブチラールから水分を除去するのは、各種樹脂との混合後では困難であり、混合前の単体原料時が効果的である。
また本製造工程において、各種樹脂を混合する溶剤は、エステル系溶剤が含まれる溶液中で混合することが好ましい。混合する溶液中にエステル系溶剤が含まれることにより、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラールの溶解性が高くなり、相分離することなく均一に樹脂が分散した状態となり、接着力の高い接着剤が得られる。またエステル系溶剤は硬化剤を溶解しにくい。硬化剤が溶解すると熱硬化性樹脂との反応が進行するそのため保存中に硬化してしまう。エステル系溶剤の使用はこの保存中の硬化反応抑制にも効果がある。
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。電極接続用接着剤2を介して、フレキシブルプリント配線板3の金属電極5を配線基板1の配線電極4に接続する構成としたが、本発明の電極接続用接着剤2を、例えば、ICチップ等の電子部品の突起電極(または、バンプ)と配線基板1の配線電極4との接続に使用する構成としても良い。
以下に、本発明を実施例、比較例に基づいて説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、これらの実施例を本発明の趣旨に基づいて変形、変更することが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
(実施例1)
(接着剤の作製)
導電性粒子として、長径Lの分布が1μmから8μm、短径Rの分布が0.1μmから0.4μmである直鎖状ニッケル微粒子を用いた。また、エポキシ樹脂としては、(1)フェノキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1256〕、(2)ビスフェノールA型の固形エポキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1002〕、および(3)ナフタレン型エポキシ樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製、商品名エピクロン4032D〕を使用した。また、熱可塑性樹脂としては、(4)ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学工業(株)製、商品名エスレックBM−1、分子量約40000、水酸基濃度34mol%、水分量0.8重量%〕を使用し、潜在性硬化剤としては、(5)マイクロカプセル型イミダゾール系硬化剤〔旭化成エポキシ(株)製、商品名ノバキュアHX3941〕を使用し、これら(1)〜(5)を重量比で(1)30/(2)40/(3)20/(4)10/(5)35の割合で配合した。ポリビニルブチラールの含有量は7.4重量%である。
これらのエポキシ樹脂、熱可塑性樹脂、および潜在性硬化剤を、2−エトキシエチルアセタート(沸点:156℃)に溶解して、分散させた後、三本ロールによる混練を行い、固形分が40重量%である溶液を作製した。この溶液に、固形分の総量(Ni粉末+樹脂)に占める割合で表される金属充填率が、0.2体積%となるように上記Ni粉末を添加した後、遠心攪拌ミキサーを用いて攪拌することによりNi粉末を均一に分散し、接着剤用の複合材料を作製した。次いで、この複合材料を離型処理したPETフィルム上にドクターナイフを用いて塗布した後、磁束密度100mTの磁場中、60℃で30分間、乾燥、固化させることにより、膜中の直鎖状粒子が磁場方向に配向した、厚さ35μmのフィルム形状の異方導電性をもつ電極接続用接着剤を作製した。
(リペア性評価)
幅25μm、高さ18μmの、金メッキが施された銅電極が25μm間隔で、50個配列されたフレキシブルプリント配線板と、幅25μm、高さ35μmの、ITO電極が25μm間隔で50個配列されたガラス基板とを用意した。次いで、このフレキシブルプリント配線板とガラス基板の間に作製した接着剤を挟み、200℃に加熱しながら、4MPaの圧力で15秒間加圧して接着させ、フレキシブルプリント配線板とガラス基板の接合体を得た。次いで、当該接合体を200℃に加熱した状態で、ガラス基板からフレキシブルプリント配線板を剥離し、ガラス基板の銅電極上に残存している接着剤を、メチルエチルケトンとエタノールの混合溶媒(混合重量比率は20/80)を浸漬させた綿棒で拭き取り、ガラス基板のITO電極上に残存している接着剤を除去した。次いで、上述のフレキシブルプリント配線板と、接着剤を除去したガラス基板の間に、上述の、作製した接着剤を、再度、挟み、200℃に加熱しながら、4MPaの圧力で15秒間加圧して接着させ、フレキシブルプリント配線板とガラス基板の接合体を得た。次いで、この接合体において、1mAの定電流を印加した場合の、接着剤、および銅電極を介して接続された連続する10箇所の抵抗値を四端子法により求め、求めた値を10で除することにより、接続された1箇所あたりの接続抵抗(以下、「初期接続抵抗」という。)を求めた。そして、この評価を10回繰り返し、初期接続抵抗の平均値を求めた。そして、当該初期接続抵抗が1Ω以下の場合を、リペア性が良好なものとして判断した。また、上述の混合溶媒を浸漬させた綿棒で拭き取る際の拭き取り回数(即ち、ガラス基板の銅電極上に残存している接着剤に対する擦過回数)を、リペアに必要な時間の指標として使用し、リペアを行う際の作業時間を評価した。なお、上記拭き取り回数が、50回以下の場合を、リペアを行う際の作業時間が短く、良好なものとして判定した。以上の結果を表1に示す。
(接着力評価)
接着力評価として、上記の接合体(ガラス基板からフレキシブルプリント配線板を剥離する前のもの)を用意し、50mm/分の速度で90°ピール試験を行い、接着力を評価した。その結果を表1に示す。
(接続信頼性評価)
また、接続信頼性評価として、まず、上記の接合体(ガラス基板からフレキシブルプリント配線板を剥離する前のもの)を用意し、温度を85℃、湿度を85%に設定した恒温恒湿槽中に500時間放置した後、接合体を恒温恒湿槽から取り出し、再び、上記と同様にして、接続抵抗の平均値を求めた。そして、当該接続抵抗が1Ω以下の場合を、電極間の接続信頼性が良好なものとして判断した。その結果を表1に示す。
(保存安定性評価)
上記の接着剤を4℃に冷蔵し、3ヶ月保存した後、上述と同一条件により、リペア性評価および接続安定性評価を行うことにより、保存安定性評価を行った。以上の全評価結果を表1に示す。
(実施例2)
上述の実施例1と同じく、(1)フェノキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1256〕、(2)ビスフェノールA型の固形エポキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1002〕、(3)ナフタレン型エポキシ樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製、商品名エピクロン4032D〕、(4)ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学工業(株)製、商品名エスレックBL−1、分子量約19000、水酸基濃度36mol%、水分量0.7重量%〕、および(5)マイクロカプセル型イミダゾール系硬化剤〔旭化成エポキシ(株)製、商品名ノバキュアHX3941〕の配合量を、重量比で(1)30/(2)40/(3)20/(4)10/(5)35の割合で混合した。ポリビニルブチラール樹脂を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、厚さが35μmであるフィルム状の異方導電性をもつ電極接続用接着剤を作製し、フレキシブルプリント配線板とガラス基板の接合体を得た。その後、上述の実施例1と同一条件により、リペア性評価、接着力評価、接続信頼性評価および保存安定性評価を行った、以上の結果を表1に示す。なお、ポリビニルブチラールの含有量は7.4重量%である。
(実施例3)
上述の実施例1と同じく、(1)フェノキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1256〕、(2)ビスフェノールA型の固形エポキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1002〕、(3)ナフタレン型エポキシ樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製、商品名エピクロン4032D〕、(4)ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学工業(株)製、商品名エスレックBH−S、分子量約66000、水酸基濃度22mol%、水分量0.5重量%〕、および(5)マイクロカプセル型イミダゾール系硬化剤〔旭化成エポキシ(株)製、商品名ノバキュアHX3941〕の配合量を、重量比で(1)30/(2)40/(3)20/(4)10/(5)35の割合で混合した。ポリビニルブチラール樹脂を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、厚さが35μmであるフィルム状の異方導電性をもつ電極接続用接着剤を作製し、フレキシブルプリント配線板とガラス基板の接合体を得た。その後、上述の実施例1と同一条件により、リペア性評価、接着力評価、接続信頼性評価および保存安定性評価を行った、以上の結果を表1に示す。なお、ポリビニルブチラールの含有量は7.4重量%である。
(実施例4)
上述の実施例1と同じく、(1)フェノキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1256〕、(2)ビスフェノールA型の固形エポキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1002〕、(3)ナフタレン型エポキシ樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製、商品名エピクロン4032D〕、(4)ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学工業(株)製、商品名エスレックBM−1、分子量約40000、水酸基濃度34mol%、水分量0.7重量%〕、および(5)マイクロカプセル型イミダゾール系硬化剤〔旭化成エポキシ(株)製、商品名ノバキュアHX3941〕の配合量を、重量比で(1)30/(2)40/(3)20/(4)3/(5)35の割合に混合した。ポリビニルブチラールの割合を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、厚さが35μmであるフィルム状の異方導電性をもつ電極接続用接着剤を作製し、フレキシブルプリント配線板とガラス基板の接合体を得た。その後、上述の実施例1と同一条件により、リペア性評価、接着力評価、接続信頼性評価および保存安定性評価を行った、以上の結果を表1に示す。なお、ポリビニルブチラールの含有量は2.3重量%である。
(実施例5)
上述の実施例1と同じく、(1)フェノキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1256〕、(2)ビスフェノールA型の固形エポキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1002〕、(3)ナフタレン型エポキシ樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製、商品名エピクロン4032D〕、(4)ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学工業(株)製、商品名エスレックBM−1、分子量約40000、水酸基濃度34mol%、水分量0.8重量%〕、および(5)マイクロカプセル型イミダゾール系硬化剤〔旭化成エポキシ(株)製、商品名ノバキュアHX3941〕の配合量を、重量比で(1)30/(2)40/(3)20/(4)35/(5)35の割合に混合した。ポリビニルブチラールの割合を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、厚さが35μmであるフィルム状の異方導電性をもつ電極接続用接着剤を作製し、フレキシブルプリント配線板とガラス基板の接合体を得た。その後、上述の実施例1と同一条件により、リペア性評価、接着力評価、接続信頼性評価および保存安定性評価を行った、以上の結果を表1に示す。なお、ポリビニルブチラールの含有量は21.9重量%である。
(実施例6)
上述の実施例1と同じく、(1)フェノキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1256〕、(2)ビスフェノールA型の固形エポキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1002〕、(3)ナフタレン型エポキシ樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製、商品名エピクロン4032D〕、(4)ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学工業(株)製、商品名エスレックBM−1、分子量約40000、水酸基濃度34mol%、水分量0.7重量%〕、および(5)マイクロカプセル型イミダゾール系硬化剤〔旭化成エポキシ(株)製、商品名ノバキュアHX3941〕の配合量を、重量比で(1)30/(2)40/(3)20/(4)1/(5)35の割合に混合した。ポリビニルブチラールの割合を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、厚さが35μmであるフィルム状の異方導電性をもつ電極接続用接着剤を作製し、フレキシブルプリント配線板とガラス基板の接合体を得た。その後、上述の実施例1と同一条件により、リペア性評価、接着力評価、接続信頼性評価および保存安定性評価を行った、以上の結果を表1に示す。なお、ポリビニルブチラールの含有量は0.8重量%である。
(実施例7)
上述の実施例1と同じく、(1)フェノキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1256〕、(2)ビスフェノールA型の固形エポキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1002〕、(3)ナフタレン型エポキシ樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製、商品名エピクロン4032D〕、(4)ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学工業(株)製、商品名エスレックBM−1、分子量約40000、水酸基濃度34mol%、水分量0.7重量%〕、および(5)マイクロカプセル型イミダゾール系硬化剤〔旭化成エポキシ(株)製、商品名ノバキュアHX3941〕の配合量を、重量比で(1)30/(2)40/(3)20/(4)60/(5)35の割合に混合した。ポリビニルブチラールの割合を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、厚さが35μmであるフィルム状の異方導電性をもつ電極接続用接着剤を作製し、フレキシブルプリント配線板とガラス基板の接合体を得た。その後、上述の実施例1と同一条件により、リペア性評価、接着力評価、接続信頼性評価および保存安定性評価を行った、以上の結果を表1に示す。なお、ポリビニルブチラールの含有量は32.4重量%である。
(実施例8)
上述の実施例1と同じく、(1)フェノキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1256〕、(2)ビスフェノールA型の固形エポキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1002〕、(3)ナフタレン型エポキシ樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製、商品名エピクロン4032D〕、(4)ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学工業(株)製、商品名エスレックBM−1、分子量約40000、水酸基濃度34mol%、水分量0.7重量%〕、および(5)マイクロカプセル型イミダゾール系硬化剤〔旭化成エポキシ(株)製、商品名ノバキュアHX3941〕の配合量を、重量比で(1)30/(2)40/(3)20/(4)10/(5)35の割合に混合した。実施例1と同様にして、厚さが35μmであるフィルム状の異方導電性をもつ電極接続用接着剤を作製し、フレキシブルプリント配線板とガラス基板の接合体を得た。その後、上述の実施例1と同一条件により、リペア性評価、接着力評価、接続信頼性評価および保存安定性評価を行った。但し、拭き取り用の混合溶剤をメチルエチルケトンとエタノールの混合重量比率を10/90とした。以上の結果を表1に示す。なお、ポリビニルブチラールの含有量は7.4重量%である。
(実施例9)
上述の実施例1と同じく、(1)フェノキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1256〕、(2)ビスフェノールA型の固形エポキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1002〕、(3)ナフタレン型エポキシ樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製、商品名エピクロン4032D〕、(4)ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学工業(株)製、商品名エスレックBM−1、分子量約40000、水酸基濃度34mol%、水分量0.7重量%〕、および(5)マイクロカプセル型イミダゾール系硬化剤〔旭化成エポキシ(株)製、商品名ノバキュアHX3941〕の配合量を、重量比で(1)30/(2)40/(3)20/(4)10/(5)35の割合に混合した。但し、混合用溶剤としてシクロへキサンを用いた。その後は実施例1と同様にして、厚さが35μmであるフィルム状の異方導電性をもつ電極接続用接着剤を作製し、フレキシブルプリント配線板とガラス基板の接合体を得た。その後、上述の実施例1と同一条件により、リペア性評価、接着力評価、接続信頼性評価および保存安定性評価を行った、以上の結果を表1に示す。なお、ポリビニルブチラールの含有量は7.4重量%である。
(比較例1)
上述の実施例1と同じく、(1)フェノキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1256〕、(2)ビスフェノールA型の固形エポキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1002〕、(3)ナフタレン型エポキシ樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製、商品名エピクロン4032D〕、(4)ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学工業(株)製、商品名エスレックBH−6、分子量約92000、水酸基濃度30mol%、水分量0.7重量%〕、および(5)マイクロカプセル型イミダゾール系硬化剤〔旭化成エポキシ(株)製、商品名ノバキュアHX3941〕の配合量を、重量比で(1)30/(2)40/(3)20/(4)10/(5)35の割合で混合した。ポリビニルブチラール樹脂を変更したこと以外は、実施例1と同様であるが、フィルム化は不可であった。
(実施例10)
上述の実施例1と同じく、(1)フェノキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1256〕、(2)ビスフェノールA型の固形エポキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1002〕、(3)ナフタレン型エポキシ樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製、商品名エピクロン4032D〕、(4)ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学工業(株)製、商品名エスレックBM−1、分子量約40000、水酸基濃度34mol%、水分量を1.5重量%〕、および(5)マイクロカプセル型イミダゾール系硬化剤〔旭化成エポキシ(株)製、商品名ノバキュアHX3941〕の配合量を、重量比で(1)30/(2)40/(3)20/(4)10/(5)35の割合で混合した。ポリビニルブチラール樹脂の含有水分量を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、厚さが35μmであるフィルム状の異方導電性をもつ電極接続用接着剤を作製し、フレキシブルプリント配線板とガラス基板の接合体を得た。その後、上述の実施例1と同一条件により、リペア性評価、接着力評価、接続信頼性評価および保存安定性評価を行った、以上の結果を表1に示す。なお、ポリビニルブチラールの含有量は7.4重量%である
Figure 0005273514
表1に示すように、実施例1〜5においては、保存安定性、接着力、拭き取り回数、初期接続抵抗、500時間後の接続抵抗いずれの性能も良好である。ポリビニルブチラールの含有量が1重量%以下である実施例6では、拭き取り回数がやや多くなる。また、ポリビニルブチラールの含有量が30重量%以上である実施例7では、接着力がやや低くなり、500時間後の接続抵抗も高い。混合溶剤がシクロへキサンである実施例9では、保存安定性がほぼ3ヶ月であり、他の実施例に比べやや短い。拭き取り用溶剤のメチルエチルケトン量が少ない実施例8では他の実施例にくらべ、拭き取り回数が多くなっている。
一方、比較例1は、ポリビニルブチラールの分子量が大きいため、フィルム形状を形成できなかった。また、ポリビニルブチラールに含まれる水分量が多い実施例10では、保存安定性の点で他の実施例に比べ、大きく劣る。
今回開示された実施の形態および実施例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の活用例としては、電極、回路等を設けた配線板や電子部品等を接着し、かつ電気的に接続するための電極接続用接着剤が挙げられる。
本実施形態に係る電極接続用接着剤により、フレキシブルプリント配線板を実装した配線基板を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る電極接続用接着剤として、導電性粒子を含有する異方導電性接着剤を使用し、異方導電性接着剤を介して、フレキシブルプリント配線板を配線基板に実装した状態を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る電極接続用接着剤において使用される導電性粒子を説明するための図である。
符号の説明
1 配線基板
2 電極接続用接着剤
3 フレキシブルプリント配線板
4 配線電極(ITO電極)
5 金属電極(銅電極)
6 導電性粒子
L 導電性粒子の長径
R 導電性粒子の短径
X フィルム形状を有する電極接続用接着剤の厚み方向
Y フィルム形状を有する電極接続用接着剤の面方向

Claims (2)

  1. ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、潜在性硬化剤、及び導電性粒子を含有し、前記ポリビニルブチラールは、分子量が10000以上70000以下であり、かつ水酸基濃度が20mol%以上40mol%以下である電極接続用接着剤の製造方法であって、前記ポリビニルブチラールに含まれる水分量を0.8重量%以下としたのち、前記ポリビニルブチラール、前記エポキシ樹脂、前記潜在性硬化剤、及び前記導電性粒子を混合することを特徴とする電極接続用接着剤の製造方法。
  2. 前記ポリビニルブチラール、前記エポキシ樹脂、前記潜在性硬化剤、及び前記導電性粒子をエステル系溶剤が含まれる溶液中で混合することを特徴とする請求項1に記載の電極接続用接着剤の製造方法。
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