JP2004075912A - 導電性接着剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】抵抗値が低く電気的特性が優れ、安価であると同時に、高い接着強度を有し、しかも耐熱性に優れた導電性接着剤を提供する。
【解決手段】金属粉60〜90質量%、レゾール型フェノール樹脂4〜30質量%、分子量10,000〜50,000のポリビニルブチラール樹脂0.3〜10質量%、及び溶剤からなり、レゾール型フェノール樹脂の質量%がポリビニルブチラール樹脂の質量%以上である。この導電性接着剤は、電子部品の組立や実装、特に積層プリント配線板の配線間の接続に好適であり、鉛フリー系のハンダのような高温での使用にも適している。
【選択図】 なし
【解決手段】金属粉60〜90質量%、レゾール型フェノール樹脂4〜30質量%、分子量10,000〜50,000のポリビニルブチラール樹脂0.3〜10質量%、及び溶剤からなり、レゾール型フェノール樹脂の質量%がポリビニルブチラール樹脂の質量%以上である。この導電性接着剤は、電子部品の組立や実装、特に積層プリント配線板の配線間の接続に好適であり、鉛フリー系のハンダのような高温での使用にも適している。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品の組立や実装時に用いられる導電性接着剤、特に積層プリント配線板の配線間の接続に好適な導電性接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、半導体装置、抵抗器、コンデンサ等の電子部品を実装する基板として、表面に銅配線が形成されたプリント配線板が広く用いられている。また、近年では、電子機器の小型化、高機能化に伴って、プリント配線板にも配線の高密度化が要求されるようになり、複数の配線層を重ね合わせた積層プリント配線板が実現している。
【0003】
かかる積層プリント配線板においては、積層された複数の配線間の接続に導電性接着剤が用いられ、例えばジャンパー回路やスルーホール、ビアホール、バンプ等が形成されている。このような導電性接着剤は、一般に、エポキシ樹脂を接着成分として用いるエポキシ系と、フェノール樹脂を接着成分として用いるフェノール系とに大別することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記導電性接着剤のうち、エポキシ系の接着剤は比較的抵抗値が高いため電気的損失が大きく、しかも高価であるという問題があった。一方、フェノール系の接着剤はエポキシ系と比較して電気的損失が小さく、安価であるが、銅との接着強度が低く且つ耐熱性が低いという問題があった。
【0005】
また、近年では環境問題が重要視され、鉛フリー系のハンダを用いることが多くなり、従来の錫−鉛系ハンダと比較して使用温度が高温になっている。このようなハンダの使用温度の上昇に伴って、導電性接着剤にもより一層の耐熱性が望まれている。
【0006】
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたものであり、電気的特性が優れ、且つ安価であると同時に、高い接着強度を有し、しかも耐熱性に優れた導電性接着剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明が提供する導電性接着剤は、金属粉60〜90質量%、レゾール型フェノール樹脂4〜30質量%、分子量10,000〜50,000のポリビニルブチラール樹脂0.3〜10質量%、及び溶剤からなり、レゾール型フェノール樹脂の質量%がポリビニルブチラール樹脂の質量%以上であることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の導電性接着剤では、接着成分として、レゾール型フェノール樹脂とポリビニルブチラール樹脂を併用する。レゾール型フェノール樹脂は、主に接着機能を果たすと共に、硬化反応時に発生するアルデヒド成分が金属粉表面に生成した酸化膜を除去する作用を有する。そのため、レゾール型フェノール樹脂を用いることにより、表面に酸化物を生成しやすい銅等の金属粉を用いた場合でも、他の樹脂に比べ低抵抗値が得られやすい利点がある。
【0009】
レゾール型フェノール樹脂には分子構造上の制限は特にないが、分子構造中にジメチレン結合を有しているものは保存性が向上するため好ましい。レゾール型フェノール樹脂の添加量は、導電性接着剤全体の4〜30質量%の範囲とする。このレゾール型フェノール樹脂の添加量が4質量%未満では接着力が低下して接着剤としての機能を果たさず、30質量%を超えるとフェノール樹脂成分が多くなり導電性が低下するためである。
【0010】
一方、ポリビニルブチラール樹脂は、導電性接着剤の硬化反応時にレゾール型フェノール樹脂と反応し、被着物であるプリント回路板の銅箔をはじめとする金属との接着強度を向上させ、耐熱性を向上させる働きがある。かかるポリビニルブチラール樹脂の添加量は、0.3質量%未満では金属配線層との接着強度を向上させる効果がなく、10質量%を超えると導電性が低下するため、導電性接着剤全体の0.3〜10質量%の範囲とする。
【0011】
また、上記のごとくポリビニルブチラール樹脂は、レゾール型フェノール樹脂と反応して接着強度や耐熱性を向上させる作用があるため、両者の混合比率によって、得られる導電性接着剤の特性を変えることができる。しかし、レゾール型フェノール樹脂とポリビニルブチラール樹脂の比率、即ち(レゾール型フェノール樹脂の質量%)/(ポリビニルブチラール樹脂の質量%)が1未満になると、導電性、耐熱性、接着強度の低下をもたらす。
【0012】
用いるポリビニルブチラール樹脂については、ブチラール化度は特に限定はなく、全てのポリビニルブチラール樹脂が使用できるが、その分子量は10,000〜50,000の範囲とする。分子量が10,000未満では接着力の向上に殆ど効果がなく、逆に50,000を越えると樹脂を溶解させるために多量の溶剤が必要となり、導電性接着剤を硬化させる際にボイドが発生して品質上問題となるからである。
【0013】
本発明で用いる金属粉は、導電性接着剤として必要な導電性が得られるものであれば特に限定されず、例えば、銀、銅、ニッケル、パラジウム、金、白金、あるいはこれらの混合物を適宜選択して用いることができる。金属粉の金属粒子については、形状は鱗片状、球状、不定形状等いずれの形状でも良いが、接着剤中に均一に分散させるためには粒径30μm以下が好ましく、0.1〜10μmが更に好ましい。
【0014】
導電性接着剤中の金属粉の添加量は、導電性接着剤全体の60〜90質量%とする。金属粉の添加量が60質量%より少ないと、抵抗値が上昇して導電性接着剤の電気的特性が低下するからである。また、金属粉の添加量が90質量%を超えると、相対的に接着成分である樹脂の量が少なくなり、導電性接着剤の接着力が低下する。
【0015】
また、使用する溶剤としては特に制限がなく、例えば、導電性接着剤に用いられている公知のものであって良い。具体的には、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート等を使用することができる。尚、本発明の導電性接着剤中には、所望に応じて、求められる特性を向上させる物質、例えば分散剤や粘度調整剤等を、有機物又は無機物を問わず添加することができる。
【0016】
【実施例】
金属粉である銀粉又は金粉、レゾール型フェノール樹脂(A)、ポリビニルブチラール樹脂(B)、及び溶剤のブチルセロソルブを、下記表1の試料1〜10に示す配合にて混合し、3本ロール型混合機を用いて混錬することにより、それぞれ導電性接着剤を作製した。尚、表1では、ポリビニルブチラール樹脂(B)のうち、分子量19,000のものをB1及び分子量59,000のものをB2と表示した。
【0017】
【表1】
【0018】
得られた試料1〜10の各導電性接着剤について、体積抵抗値、接着強度、熱間強度、及び印刷性を下記の方法で評価し、その結果を下記表2に示した。尚、導電性接着剤では、一般的に、体積抵抗値は300μΩ・cm以下、接着強度は30N以上、熱間強度は8N以上が、それぞれ良品とされている。
【0019】
1:体積抵抗値
アルミナ基板上に幅0.6mm×長さ6mmの長方形状に導電性接着剤を印刷し、180℃のオーブン中に60分間放置して硬化させ、室温まで冷却した後、導電性接着剤の両端の抵抗値を測定した。続いて、硬化後の導電性接着剤の膜厚を測定し、単位体積当たりの抵抗値を求めた。
【0020】
2:接着強度
縦横2.5cmの銅基板上に導電性接着剤を滴下し、その上に1.5mm□のシリコンチップを載せ、180℃のオーブン中で60分間放置して硬化させた後、室温まで冷却した。この銅基板に対し水平方向からシリコンチップに力を加え、銅基板からシリコンチップが剥がれた時の力を接着強度として測定した。
【0021】
3:熱間強度
縦横2.5cmの銅基板上に導電性接着剤を滴下し、その上に1.5mm□のシリコンチップを載せ、180℃のオーブン中で60分間放置して硬化させた後、室温まで冷却した。次に、この銅基板を250℃に加熱したホットプレート上に2分間載せ、引き続き加熱したまま銅基板に対し水平方向からシリコンチップに力を加え、銅基板からシリコンチップが剥がれた時の力を熱間の接着強度として測定した。
【0022】
4:印刷性
400メッシュのスクリーンパターンを用いて、導電性接着剤で幅100μm×長さ20mmの直線を10本印刷し、印刷面に欠けや擦れ、ダレ等が観察されないものを良品(〇)とした。
【0023】
【表2】
【0024】
上記表1から分るように、本発明による試料1〜5の導電性接着剤は、体積抵抗値が300μΩ・cm以下であると共に、接着強度が30N以上と高く、且つ耐熱性についても熱間強度で8N以上と優れ、印刷性も良好であった。
【0025】
一方、比較例の各試料では、試料6は金属粉が60質量%未満のため、体積抵抗値が高く、熱間強度及び印刷性にも劣っていた。試料7はポリビニルブチラール樹脂の分子量が50,000より大きく且つその添加量も10質量%を超えているため、樹脂量が多すぎて抵抗値は測定不可能であり、また樹脂の分子量が大きいため粘度が下がらず、印刷性が極めて悪かった。
【0026】
また、試料8はポリビニルブチラール樹脂を使用していないため、接着強度及び熱間強度ともに弱かった。試料9ではポリビニルブチラール樹脂が多すぎるため、体積抵抗値が高かった。また、試料10は金属粉が90質量%を超えているため、接着強度及び熱間強度ともに弱く、且つ樹脂量が少なく粘度が高いため、印刷性にも劣っていた。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、エポキシ系接着剤を用いないため安価であって、抵抗値が低低く電気的特性に優れると共に、接着強度が高く、しかも高い熱処理温度においても接着強度を維持することが可能な導電性接着剤を提供することができる。従って、本発明の導電性接着剤は、電子部品の組立や実装、特に積層プリント配線板の配線間の接続に好適であり、鉛フリー系のハンダのような高温での使用にも適している。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品の組立や実装時に用いられる導電性接着剤、特に積層プリント配線板の配線間の接続に好適な導電性接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、半導体装置、抵抗器、コンデンサ等の電子部品を実装する基板として、表面に銅配線が形成されたプリント配線板が広く用いられている。また、近年では、電子機器の小型化、高機能化に伴って、プリント配線板にも配線の高密度化が要求されるようになり、複数の配線層を重ね合わせた積層プリント配線板が実現している。
【0003】
かかる積層プリント配線板においては、積層された複数の配線間の接続に導電性接着剤が用いられ、例えばジャンパー回路やスルーホール、ビアホール、バンプ等が形成されている。このような導電性接着剤は、一般に、エポキシ樹脂を接着成分として用いるエポキシ系と、フェノール樹脂を接着成分として用いるフェノール系とに大別することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記導電性接着剤のうち、エポキシ系の接着剤は比較的抵抗値が高いため電気的損失が大きく、しかも高価であるという問題があった。一方、フェノール系の接着剤はエポキシ系と比較して電気的損失が小さく、安価であるが、銅との接着強度が低く且つ耐熱性が低いという問題があった。
【0005】
また、近年では環境問題が重要視され、鉛フリー系のハンダを用いることが多くなり、従来の錫−鉛系ハンダと比較して使用温度が高温になっている。このようなハンダの使用温度の上昇に伴って、導電性接着剤にもより一層の耐熱性が望まれている。
【0006】
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたものであり、電気的特性が優れ、且つ安価であると同時に、高い接着強度を有し、しかも耐熱性に優れた導電性接着剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明が提供する導電性接着剤は、金属粉60〜90質量%、レゾール型フェノール樹脂4〜30質量%、分子量10,000〜50,000のポリビニルブチラール樹脂0.3〜10質量%、及び溶剤からなり、レゾール型フェノール樹脂の質量%がポリビニルブチラール樹脂の質量%以上であることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の導電性接着剤では、接着成分として、レゾール型フェノール樹脂とポリビニルブチラール樹脂を併用する。レゾール型フェノール樹脂は、主に接着機能を果たすと共に、硬化反応時に発生するアルデヒド成分が金属粉表面に生成した酸化膜を除去する作用を有する。そのため、レゾール型フェノール樹脂を用いることにより、表面に酸化物を生成しやすい銅等の金属粉を用いた場合でも、他の樹脂に比べ低抵抗値が得られやすい利点がある。
【0009】
レゾール型フェノール樹脂には分子構造上の制限は特にないが、分子構造中にジメチレン結合を有しているものは保存性が向上するため好ましい。レゾール型フェノール樹脂の添加量は、導電性接着剤全体の4〜30質量%の範囲とする。このレゾール型フェノール樹脂の添加量が4質量%未満では接着力が低下して接着剤としての機能を果たさず、30質量%を超えるとフェノール樹脂成分が多くなり導電性が低下するためである。
【0010】
一方、ポリビニルブチラール樹脂は、導電性接着剤の硬化反応時にレゾール型フェノール樹脂と反応し、被着物であるプリント回路板の銅箔をはじめとする金属との接着強度を向上させ、耐熱性を向上させる働きがある。かかるポリビニルブチラール樹脂の添加量は、0.3質量%未満では金属配線層との接着強度を向上させる効果がなく、10質量%を超えると導電性が低下するため、導電性接着剤全体の0.3〜10質量%の範囲とする。
【0011】
また、上記のごとくポリビニルブチラール樹脂は、レゾール型フェノール樹脂と反応して接着強度や耐熱性を向上させる作用があるため、両者の混合比率によって、得られる導電性接着剤の特性を変えることができる。しかし、レゾール型フェノール樹脂とポリビニルブチラール樹脂の比率、即ち(レゾール型フェノール樹脂の質量%)/(ポリビニルブチラール樹脂の質量%)が1未満になると、導電性、耐熱性、接着強度の低下をもたらす。
【0012】
用いるポリビニルブチラール樹脂については、ブチラール化度は特に限定はなく、全てのポリビニルブチラール樹脂が使用できるが、その分子量は10,000〜50,000の範囲とする。分子量が10,000未満では接着力の向上に殆ど効果がなく、逆に50,000を越えると樹脂を溶解させるために多量の溶剤が必要となり、導電性接着剤を硬化させる際にボイドが発生して品質上問題となるからである。
【0013】
本発明で用いる金属粉は、導電性接着剤として必要な導電性が得られるものであれば特に限定されず、例えば、銀、銅、ニッケル、パラジウム、金、白金、あるいはこれらの混合物を適宜選択して用いることができる。金属粉の金属粒子については、形状は鱗片状、球状、不定形状等いずれの形状でも良いが、接着剤中に均一に分散させるためには粒径30μm以下が好ましく、0.1〜10μmが更に好ましい。
【0014】
導電性接着剤中の金属粉の添加量は、導電性接着剤全体の60〜90質量%とする。金属粉の添加量が60質量%より少ないと、抵抗値が上昇して導電性接着剤の電気的特性が低下するからである。また、金属粉の添加量が90質量%を超えると、相対的に接着成分である樹脂の量が少なくなり、導電性接着剤の接着力が低下する。
【0015】
また、使用する溶剤としては特に制限がなく、例えば、導電性接着剤に用いられている公知のものであって良い。具体的には、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート等を使用することができる。尚、本発明の導電性接着剤中には、所望に応じて、求められる特性を向上させる物質、例えば分散剤や粘度調整剤等を、有機物又は無機物を問わず添加することができる。
【0016】
【実施例】
金属粉である銀粉又は金粉、レゾール型フェノール樹脂(A)、ポリビニルブチラール樹脂(B)、及び溶剤のブチルセロソルブを、下記表1の試料1〜10に示す配合にて混合し、3本ロール型混合機を用いて混錬することにより、それぞれ導電性接着剤を作製した。尚、表1では、ポリビニルブチラール樹脂(B)のうち、分子量19,000のものをB1及び分子量59,000のものをB2と表示した。
【0017】
【表1】
【0018】
得られた試料1〜10の各導電性接着剤について、体積抵抗値、接着強度、熱間強度、及び印刷性を下記の方法で評価し、その結果を下記表2に示した。尚、導電性接着剤では、一般的に、体積抵抗値は300μΩ・cm以下、接着強度は30N以上、熱間強度は8N以上が、それぞれ良品とされている。
【0019】
1:体積抵抗値
アルミナ基板上に幅0.6mm×長さ6mmの長方形状に導電性接着剤を印刷し、180℃のオーブン中に60分間放置して硬化させ、室温まで冷却した後、導電性接着剤の両端の抵抗値を測定した。続いて、硬化後の導電性接着剤の膜厚を測定し、単位体積当たりの抵抗値を求めた。
【0020】
2:接着強度
縦横2.5cmの銅基板上に導電性接着剤を滴下し、その上に1.5mm□のシリコンチップを載せ、180℃のオーブン中で60分間放置して硬化させた後、室温まで冷却した。この銅基板に対し水平方向からシリコンチップに力を加え、銅基板からシリコンチップが剥がれた時の力を接着強度として測定した。
【0021】
3:熱間強度
縦横2.5cmの銅基板上に導電性接着剤を滴下し、その上に1.5mm□のシリコンチップを載せ、180℃のオーブン中で60分間放置して硬化させた後、室温まで冷却した。次に、この銅基板を250℃に加熱したホットプレート上に2分間載せ、引き続き加熱したまま銅基板に対し水平方向からシリコンチップに力を加え、銅基板からシリコンチップが剥がれた時の力を熱間の接着強度として測定した。
【0022】
4:印刷性
400メッシュのスクリーンパターンを用いて、導電性接着剤で幅100μm×長さ20mmの直線を10本印刷し、印刷面に欠けや擦れ、ダレ等が観察されないものを良品(〇)とした。
【0023】
【表2】
【0024】
上記表1から分るように、本発明による試料1〜5の導電性接着剤は、体積抵抗値が300μΩ・cm以下であると共に、接着強度が30N以上と高く、且つ耐熱性についても熱間強度で8N以上と優れ、印刷性も良好であった。
【0025】
一方、比較例の各試料では、試料6は金属粉が60質量%未満のため、体積抵抗値が高く、熱間強度及び印刷性にも劣っていた。試料7はポリビニルブチラール樹脂の分子量が50,000より大きく且つその添加量も10質量%を超えているため、樹脂量が多すぎて抵抗値は測定不可能であり、また樹脂の分子量が大きいため粘度が下がらず、印刷性が極めて悪かった。
【0026】
また、試料8はポリビニルブチラール樹脂を使用していないため、接着強度及び熱間強度ともに弱かった。試料9ではポリビニルブチラール樹脂が多すぎるため、体積抵抗値が高かった。また、試料10は金属粉が90質量%を超えているため、接着強度及び熱間強度ともに弱く、且つ樹脂量が少なく粘度が高いため、印刷性にも劣っていた。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、エポキシ系接着剤を用いないため安価であって、抵抗値が低低く電気的特性に優れると共に、接着強度が高く、しかも高い熱処理温度においても接着強度を維持することが可能な導電性接着剤を提供することができる。従って、本発明の導電性接着剤は、電子部品の組立や実装、特に積層プリント配線板の配線間の接続に好適であり、鉛フリー系のハンダのような高温での使用にも適している。
Claims (1)
- 金属粉60〜90質量%、レゾール型フェノール樹脂4〜30質量%、分子量10,000〜50,000のポリビニルブチラール樹脂0.3〜10質量%、及び溶剤からなり、レゾール型フェノール樹脂の質量%がポリビニルブチラール樹脂の質量%以上であることを特徴とする導電性接着剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002240180A JP2004075912A (ja) | 2002-08-21 | 2002-08-21 | 導電性接着剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002240180A JP2004075912A (ja) | 2002-08-21 | 2002-08-21 | 導電性接着剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004075912A true JP2004075912A (ja) | 2004-03-11 |
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Family Applications (1)
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JP2002240180A Pending JP2004075912A (ja) | 2002-08-21 | 2002-08-21 | 導電性接着剤 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2004075912A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009132798A (ja) * | 2007-11-30 | 2009-06-18 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 電極接続用接着剤とその製造方法 |
CN111019565A (zh) * | 2019-12-02 | 2020-04-17 | 广东微应变传感科技有限公司 | 一种酚醛胶及其制备方法 |
-
2002
- 2002-08-21 JP JP2002240180A patent/JP2004075912A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009132798A (ja) * | 2007-11-30 | 2009-06-18 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 電極接続用接着剤とその製造方法 |
CN111019565A (zh) * | 2019-12-02 | 2020-04-17 | 广东微应变传感科技有限公司 | 一种酚醛胶及其制备方法 |
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