JP4840097B2 - 導電性銅ペースト - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、下記の各項に係る発明を提供するものである。
項2.前記熱硬化性樹脂の配合量が、銅粉100重量部に対して、10〜30重量部である前記項1記載の導電性銅ペースト。
項3.前記熱硬化性樹脂がアルカリ触媒下でフェノール類とアルデヒド類を反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂である前記項1又は2記載の導電性銅ペースト。
項4.前記有機カルボン酸化合物の配合量が、銅粉100重量部に対して、0.1〜5.0重量部である前記項1〜3いずれか記載の導電性銅ペースト。
項5.前記有機カルボン酸化合物が、サリチル酸、安息香酸、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸及びマロン酸から選ばれる少なくとも1種である前記項1〜4いずれか記載の導電性銅ペースト。
項6.前記キレート剤の配合量が、銅粉100重量部に対して、0.1〜5.0重量部である前記項1〜5いずれか記載の導電性銅ペースト。
項7.前記キレート剤が、アセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタン、8−キノリノール、2−メチル−8−キノリノール、10−ベンゾキノリノール、2,2’−ビピリジル、2,2’−ビキノリン、1,10−フェナントロリン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンから選ばれる少なくとも1種である前記項1〜6いずれか記載の導電性銅ペースト。
項8.前記導電性銅ペーストが、更に、ポリブタジエンを必須成分とし含有することを特徴とする前記項1〜7いずれか記載の導電性銅ペースト。
項9.前記ポリブタジエンの配合量が、銅粉100重量部に対して、0.3〜5.0重量部である前記項8記載の導電性銅ペースト。
項10.前記ポリブタジエンが、エポキシ当量150〜250のエポキシ化ポリブタジエンである前記項8又は9記載の導電性銅ペースト。
本発明で用いる銅粉は、導電性の重要な要素となる銅粉同士の接触面積を大きくできる観点から、樹枝状の電解銅粉が好ましい。更には、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定した体積基準の球相当径が、10%粒子径4.0〜6.0μm、50%粒子径7.0〜9.0μm、90%粒子径13.0〜15.0μmの粒度分布を有し、且つ、タップ密度が、3.5〜5.5g/cm3の樹枝状銅粉がより好ましい。粒度分布において、10%粒子径が前記下限値未満では、微粉が多すぎ、接触抵抗の増加により導電性が低下し、90%粒子径が前記上限値を超えるようでは粗粉が多すぎ、スクリーン印刷時の目詰まりの原因になりやすい。一方、タップ密度が前記下限値未満では、樹枝状銅粉の枝葉が大きすぎて銅粉一粒に存在する隙間が多くなり、銅粉同士が押し付けられたときの接触面積が小さくなるので導通抵抗値が高くなる。また、タップ密度が前記上限値を越えると隙間は少なくなるが樹枝状の枝葉が小さくなる(即ち、球状に近づく)ため、やはり接触面積が小さくなり導通抵抗値が高くなる。
本発明でバインダーとして用いる熱硬化性樹脂は、特に制限されず、例えば、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。更には、本発明では特に、熱硬化収縮が大きく、また密着性が高いことからアルカリ触媒下でフェノール類とアルデヒド類を反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂を使用することがより好ましい。
本発明で用いる有機カルボン酸化合物は、銅粉表面の酸化膜に対して、プロトンを供与し、その溶出を可能とするものであれば特に制限はなく、モノカルボン酸類、オキシカルボン酸類、多価カルボン酸類等を使用することができる。具体例としては、サリチル酸、安息香酸、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、マロン酸等が挙げられ、これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明では特に安息香酸が好ましい。
本発明で用いるキレート剤は、前記有機カルボン酸化合物の効果により溶出した銅イオンを固定化することが目的である。よって二価の銅イオンに対して、キレート形成が可能な金属イオンキレート剤であれば特に制限はない。例えば、アセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタン等のジケトン類、8−キノリノール、2−メチル−8−キノリノール、10−ベンゾキノリノール、2,2’−ビピリジル、2,2’−ビキノリン、1,10−フェナントロリン等の含窒素複素環化合物、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類等を使用することができる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明では特にアセチルアセトン又は8−キノリノールが好ましい。
本発明の導電性銅ペーストは、更に、ポリブタジエンを必須成分として含有することにより、硬化物に可撓性を付与して低応力化を図ることが可能となる。本発明に用いるポリブタジエンは、分子内にエポキシ基を有するエポキシ当量150〜250のエポキシ化ポリブタジエンであることがより好ましい。エポキシ基がバインダーである熱硬化性樹脂と結合することで硬化物の耐衝撃性が大きく改善され、また、銅粉と樹脂界面、及びペーストと回路の銅箔との密着性を向上させる作用をも有する。エポキシ当量が下限値未満では架橋密度が上がるために硬くて脆い硬化物となる。一方、エポキシ当量が上限値を超えるようでは可撓性が逆に強すぎ、導通抵抗値が高くなる。
ガラスエポキシ樹脂基板上に導電性銅ペーストを硬化後の厚みが100μmとなるように、幅1cm×長さ10cmの帯状に塗布し、熱風循環式乾燥機で60℃×1時間、150℃×30分間加熱処理して硬化させた。得られた硬化塗膜層の抵抗値を4端子法にて測定し、体積抵抗率を算出した。
試験例1
10%粒子径2.5μm、50%粒子径7.4μm、90%粒子径16.8μmの粒度分布を有し、タップ密度4.9g/cm3の樹枝状銅粉を、気流式分級機を用いて粒度分布を調整した。回収した銅粉は、10%粒子径5.1μm、50%粒子径8.5μm、90%粒子径14.5μmの粒度分布を有し、タップ密度4.4g/cm3であった。
試験例1と同様の樹枝状銅粉を、気流式分級機を用いて粒度分布を調整した。回収した銅粉は、10%粒子径2.3μm、50%粒子径3.5μm、90%粒子径5.1μmの粒度分布を有し、タップ密度3.8g/cm3であった。
前記試験例1の銅粉100重量部、重量平均分子量3000のレゾール型フェノール樹脂15重量部、安息香酸0.8重量部、アセチルアセトン2.0重量部、エポキシ当量205のエポキシ化ポリブタジエン0.8重量部、及びブチルセロソルブ8.0重量部を自転公転式攪拌装置を用いて均一に混合し、導電性銅ペーストを調整した。得られた導電性銅ペーストの硬化物の体積抵抗率は3.9×10−5Ωcmであった。
前記試験例1の銅粉100重量部、重量平均分子量3000のレゾール型フェノール樹脂15重量部、安息香酸0.8重量部、8−キノリノール0.6重量部、エポキシ当量205のエポキシ化ポリブタジエン0.8重量部、及びブチルセロソルブ10.0重量部を自転公転式攪拌装置を用いて均一に混合し、導電性銅ペーストを調整した。得られた導電性銅ペーストの硬化物の体積抵抗率は4.5×10−5Ωcmであった。
前記試験例2の銅粉を使用する以外は、実施例1と同様にして導電性銅ペーストを調整した。得られた導電性銅ペーストの硬化物の体積抵抗率は3.5×10−4Ωcmであった。
有機カルボン酸化合物である安息香酸を必須成分として含有しない以外は、実施例1と同様にして導電性銅ペーストを調整した。得られた導電性銅ペーストの硬化物の体積抵抗率は2.8×10−4Ωcmであった。
キレート剤である8−キノリノールを必須成分として含有しない以外は、実施例2と同様にして導電性銅ペーストを調整した。得られた導電性銅ペーストの硬化物の体積抵抗率は2.5×10−4Ωcmであった。
Claims (10)
- 銅粉、熱硬化性樹脂、有機カルボン酸化合物、及びキレート剤を必須成分とする導電性銅ペーストであって、前記銅粉のレーザー回折式粒度分布測定装置で測定した体積基準の球相当径が、10%粒子径4.0〜6.0μm、50%粒子径7.0〜9.0μm、90%粒子径13.0〜15.0μmの粒度分布を有し、且つ、タップ密度3.5〜5.5g/cm3の樹枝状銅粉であることを特徴とする導電性銅ペースト。
- 前記熱硬化性樹脂の配合量が、銅粉100重量部に対して、10〜30重量部である請求項1記載の導電性銅ペースト。
- 前記熱硬化性樹脂がアルカリ触媒下でフェノール類とアルデヒド類を反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂である請求項1又は2記載の導電性銅ペースト。
- 前記有機カルボン酸化合物の配合量が、銅粉100重量部に対して、0.1〜5.0重量部である請求項1〜3いずれか記載の導電性銅ペースト。
- 前記有機カルボン酸化合物が、サリチル酸、安息香酸、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸及びマロン酸から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4いずれか記載の導電性銅ペースト。
- 前記キレート剤の配合量が、銅粉100重量部に対して、0.1〜5.0重量部である請求項1〜5いずれか記載の導電性銅ペースト。
- 前記キレート剤が、アセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタン、8−キノリノール、2−メチル−8−キノリノール、10−ベンゾキノリノール、2,2’−ビピリジル、2,2’−ビキノリン、1,10−フェナントロリン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜6いずれか記載の導電性銅ペースト。
- 前記導電性銅ペーストが、更に、ポリブタジエンを必須成分として含有することを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の導電性銅ペースト。
- 前記ポリブタジエンの配合量が、銅粉100重量部に対して、0.3〜5.0重量部である請求項8記載の導電性銅ペースト。
- 前記ポリブタジエンが、エポキシ当量150〜250のエポキシ化ポリブタジエンである請求項8又は9記載の導電性銅ペースト。
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