JP2014051569A - 導電性銅インク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高導電性で微細な配線の形成に適する導電性インクを提供する。
【解決手段】 金属銅、銅塩、アミン並びにギ酸及び/又はギ酸塩からなる導電性インクであって、(アミンのモル数×アミン分子中の窒素数)≦(ギ酸のモル数+ギ酸イオンのモル数)であることを特徴とする導電性銅インク組成物を、導電性インクに用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は導電性銅インク組成物に関する。さらに詳しくは、高導電性で安定性に優れ、塗布又は印刷した後、加熱することにより銅電極、銅配線を形成するための導電性銅インク組成物に関するものである。
従来、基板、電子部品などに銅電極、銅配線を形成する方法として、基板、電子部品に銅をメッキした後、これをフォトレジストなどでマスクし、マスクしていない銅をエッチング除去する方法が広く使用されてきた。しかし、この方法は、高導電性の微細配線を形成するには好適だが、工程数が多く、銅資源を無駄にするという問題がある。
上記の方法以外にも、導電性インクを基材に塗布又は印刷した後、加熱して電極又は電気配線等を形成するという方法も、広く用いられている。この方法は、工程数が少なく、金属資源も有効に使われる。金属としては、銀、アルミなどが実用化され、広く使用されている。これらのインクの多くは、金属微粒子を使用しており、加熱で微粒子を凝集、融着させ、電極、配線を形成するものである。しかし、銅に関しては、導電性が低い、また微粒子の安定性に欠けるなどの問題がある。
そこで、導電性銅インクの改良について、銅系ナノ粒子と熱硬化性樹脂を含むインク(特許文献1、2参照)、銅ナノ粒子と銀ナノ粒子を含むインク(特許文献3参照)、粒子径100nm以下のナノ粒子と分散液からなるインク(特許文献4参照)、導電性微粒子、カーボンナノチューブを含むインク(特許文献5参照)、銅ナノ粒子、ギ酸、アルコールを含むインク(特許文献6参照)、金属ナノ粒子、無水物基を有する高分子を含むインク(特許文献7参照)、金属粒子、ポリグリセリンを含むインク(特許文献8参照)、金属微粒子、カーボネートを含むインク(特許文献9、10参照)、金属微粒子を有機酸で処理したインク(特許文献11参照)、金属、酸化防止剤、還元剤を含むインク(特許文献12参照)、金属ナノ粒子と、カルボン酸系、チオール系、フェノール系、アミン系分散剤を含むインク(特許文献13参照)、表面処理した導電物質、バインダーを含むインク(特許文献14参照)、金属ナノ粒子、ジオールを含むインク(特許文献15参照)、金属ナノ粒子、金属前駆体アミン系化合物を含むインク(特許文献16参照)、銅ナノ粒子、スズ粒子を含むインク(特許文献17参照)、コアシェル構造のナノ粒子を含むインク(特許文献18参照)、金属前駆体と銅化合物、アミンから得られるナノ粒子インク(特許文献19参照)、金属アルカノアートから得られるナノ粒子インク(特許文献20参照)、導電性微粒子、イオン性液体を含むインク(特許文献21参照)、金属化合物、アミン、アルカノイック酸、チオール化合物から得られるナノ粒子インク(特許文献22参照)、金属粉、金属塩を含むインク(特許文献23参照)、金属コロイド、イソシアネート化合物を含むインク(特許文献24参照)、金属粒子、分散剤、高分子樹脂を含むインク(特許文献25参照)、金属ナノ粒子、アミン化合物を含むインク(特許文献26参照)など多くの提案がなされている。これらは、導電性、安定性に優れた金属微粒子の製造法、あるいはこの微粒子を含むインクについての提案であるが、銅インクに関しては、工業的に満足する水準の導電性、インクの安定性には達していない。
特開2011−142052号公報 特開2009−99561号公報 特開2011−44509号公報 特開2010−196150号公報 特開2010−165594号公報 特開2010−59535号公報 特開2009−74054号公報 特開2009−37880号公報 特開2008−274096号公報 特開2008−208285号公報 特開2008−198595号公報 特開2008−166590号公報 特開2008−150601号公報 特開2008−94995号公報 特開2007−332347号公報 特開2006−332051号公報 特開2007−207577号公報 特開2007−63662号公報 特開2007−46162号公報 特開2007−31835号公報 特開2006−335995号公報 特開2006−328532号公報 特開2006−210301号公報 特開2006−193594号公報 特開2005−235533号公報 特開2004−273205号公報
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高導電性で安定性に優れた導電性銅インク組成物を提供することにある。
本発明者は、銅配線を形成するインク組成物について鋭意検討した結果、金属銅、銅塩、アミン、並びにギ酸及び/又はギ酸塩を含むインク、その中でも、アミン、ギ酸及び/又はギ酸塩の量を制御したインク組成物が、安定性に優れており、しかも高導電性で微細な配線を形成できるという新規な事実を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下に示すとおりの導電性銅インク組成物である。
[1]金属銅、銅塩、アミン並びにギ酸及び/又はギ酸塩からなる導電性インクであって、(アミンのモル数×アミン分子中の窒素数)≦(ギ酸のモル数+ギ酸イオンのモル数)であることを特徴とする導電性銅インク組成物。
[2]金属銅の平均粒径が5μm以下であることを特徴とする上記[1]に記載の導電性銅インク組成物。
[3]金属銅の表面の酸化銅の膜厚が平均膜厚0.5μm以下であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の導電性銅インク組成物。
[4]銅塩が、銅の無機酸塩、銅の有機酸塩、銅水酸化物、銅酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
[5]銅塩が、硝酸銅、炭酸水素銅、炭酸銅、シュウ酸銅、酢酸銅、ギ酸銅、くえん酸銅、スルホサリチル酸銅、酸化銅、水酸化銅からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
[6]銅塩が、2価の銅イオンの塩であることを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
[7]アミンが、アルカノールアミンであることを特徴とする上記[1]〜[6]のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
[8]アミンがエタノールアミンであることを特徴とする上記[1]〜[7]のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
[9]アミンが、モノエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジンからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記[1]〜[8]のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
[10]ギ酸塩が、ギ酸銅、ギ酸アンモニウム、アミンのギ酸塩からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記[1]〜[9]のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
[11]銅塩中の銅イオンの量が、(2価の銅イオンのモル数×2+1価の銅イオンのモル数)≦(ギ酸のモル数+ギ酸イオンのモル数)であることを特徴とする上記[1]〜[10]のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
[12]さらにアルコールを含むことを特徴とする上記[1]〜[11]のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
[13]基板に塗布後、温度100℃以上で加熱し銅膜を形成することを特徴とする上記[1]〜[12]のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
本発明の導電性銅インク組成物は、プリント配線基板、太陽電池などの電子デバイスの製造において、少ない工程で配線が形成でき、しかも高導電性の微細配線を形成できるため、工業的に極めて有用である。
本発明の導電性銅インク組成物の必須成分は、金属銅、銅塩、アミン、ギ酸及び/又はギ酸塩である。
本発明の導電性銅インク組成物は、アミンよりギ酸及びギ酸イオンの方が多い場合、大気中で安定である。すなわち、(アミンのモル数×アミン分子中の窒素数)≦(ギ酸のモル数+ギ酸イオンのモル数)である必要がある。前記範囲を満たさない場合、大気中で金属銅が酸化され、導電性が低下する。また炭酸ガスの吸収が起こり、導電性インクの物性が変化する。
本発明の導電性銅インク組成物において、ギ酸及びギ酸イオンがアミン以上に存在することを判断するために、導電性銅インク組成物に水を添加し、そのpHを測定することが有効である。すなわち、本発明の導電性銅インク組成物に水を加えたとき、そのpHが7以下になることが必要である。
本発明の導電性銅インク組成物においては、金属銅を使用する。金属銅を使用することで、インク中の銅濃度を高めることができ、厚膜の金属銅膜、配線を形成することが可能になる。本発明の導電性銅インク組成物において、金属銅としては、銅微粒子を使用することが好ましく、その粒径は小さい方が好ましい。インク中で分離、沈降の観点から、特に平均粒径5μm以下の微粒子を使用することが好ましい。
一般に金属銅は酸化されやすいため、表面が酸化されている(酸化膜)か、酸化されないよう表面を防食剤などで保護してある。本発明の導電性銅インク組成物においては、導電性の観点から、金属銅表面の酸化膜の膜厚は、平均膜厚0.5μm以下であること好ましい。
表面の酸化膜、防食剤を除去するため、金属銅は前処理して使用する必要がある。前処理として、最も簡便なのは、金属銅を酸と混合処理する方法である。この際、アルコールなどの有機溶媒、水を酸と併用して、銅微粒子の保護膜、酸化膜の除去を促進しても良い。また加熱しても良い。使用する酸としては特に制限はなく、酸化銅のみを溶解し、金属銅にダメージを与えない酸が好ましい。好ましい酸を例示すると、例えばギ酸、酢酸などの有機カルボン酸;希硝酸、希塩酸、希硫酸などの希薄無機酸;等があげられる。
金属銅を酸で処理した後、生成した不要な銅塩をN−メチルエタノールアミン等のアミンと混合処理し、除去する事が好ましく、アミンと混合する前にエタノール等のアルコールなどで洗浄し、不純物をできるだけ除いておいても良い。アミンと混合処理した後も、エタノール等のアルコールなどで洗浄し、不純物をさらに除去しても良い。この際、ベンゾトリアゾール、ピラゾール、チオールなどの銅の防食剤を添加しても良く、添加しなくても特に差支えない。
本発明の導電性銅インク組成物において、銅塩は金属銅粒子間を充填する。銅塩は加熱時に還元され、金属銅となり、導電性を発現する。なお、インク組成物の銅塩、アミン、ギ酸及び/又はギ酸塩を混合すると、銅塩の一部又は全部が、ギ酸銅、銅のアミン錯塩に変化し、加熱時に還元されやすくなる。
本発明の導電性銅インク組成物において、使用する銅塩には特に制限はなく、例えば銅の無機酸塩、銅の有機酸塩、銅水酸化物、銅酸化物等が使用できる。本発明の導電性銅インク組成物において使用できる銅塩の陰イオン成分は、加熱により除去しやすい成分が好ましい。好ましい銅塩を例示すると、例えば硝酸銅、炭酸水素銅、炭酸銅、シュウ酸銅、酢酸銅、ギ酸銅、くえん酸銅、スルホサリチル酸銅、酸化銅、水酸化銅等が挙げられる。この中でも、ギ酸銅が最も高い導電性を発現するため特に好ましい。
これらの銅塩は単独で使用しても良いし、二種類以上を混合して使用しても良い。
本発明の導電性銅インク組成物において、銅塩は、1価の銅イオンの塩、2価の銅イオンの塩のいずれでも用いることができ、その中でも安定性、溶解性の観点から、2価の銅イオンの塩を使用することが好ましい。
本発明の導電性銅インク組成物において、アミンは銅塩の還元を促進するため、また金属銅を保護するため添加する。アミンとしてはアルカノールアミンが好ましく、工業的に入手が容易で安価なエタノールアミがさらに好ましい。アルカノールアミンを使用することで、大気中でも安定性の良いインクとすることができる。また、アルカノールアミンは空気中の炭酸ガスを吸収しても固体になりにくく、インクの物性が損なわれないし、空気中の酸素による銅の酸化も抑制することができる。
本発明の導電性銅インク組成物において、アルカールアミンとは、アルキレン鎖にアミノ基と、水酸基が存在する化合物をいう。アルカノールアミンの中でも最も工業的に多く生産されている、エタノールアミンはエチレン鎖の両端にアミノ基と水酸基を有する化合物である。エタノールアミンを例示すると、例えばモノエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン等が挙げられる。これらのエタノールアミンのいずれを使用しても良く、二種類以上を混合して使用しても良い。
本発明の導電性銅インク組成物において、ギ酸及び/又はギ酸塩としては、特に制限はなく、一般に流通しているものを使用することができる。ギ酸は、通常、含水品、あるいは無水品として流通しており、いずれを使用しても一向に差支えなく、水の含有量が少ないギ酸を使用する方が、高導電性の銅膜、銅配線が形成できるし、インクの安定性が良いため好ましい。
ギ酸塩としては、加熱した後、銅以外の残渣を形成しないものが好ましい。好ましいギ酸塩を例示すると、例えばギ酸銅、ギ酸アンモニウム、上記アミンのギ酸塩等が挙げられる。ギ酸及び/又はギ酸塩は、単独で使用しても良いし、二種類以上を混合して使用しても良い。
本発明の導電性銅インク組成物において、金属銅の量は、膜形成能の観点から、5〜95重量%が好ましく、10〜90重量%がさらに好ましい。
本発明の導電性銅インク組成物において、銅塩の量は、導電性の観点から、1〜50重量%が好ましく、2〜50重量%がさらに好ましい。
本発明の導電性銅インク組成物において、アミンの量は、溶解あるいは分散性の観点から、1〜50重量%が好ましく、5〜50重量%がさらに好ましい。
本発明の導電性銅インク組成物において、ギ酸及び/又はギ酸塩の量は、銅塩の量により規定される。ギ酸は銅塩を還元するのに使用されるため、銅塩以上必要である。ギ酸及び/又はギ酸塩が少ないと、銅塩の還元が不完全となり、導電性が低下する。銅塩の銅が2価のイオンであるとき、ギ酸は銅の2倍モル以上必要である。銅が1価のイオンであるとき、ギ酸及び/又はギ酸塩は等モル以上必要となる。すなわち、銅塩中の銅イオンの量が、(2価の銅イオンのモル数×2+1価の銅イオンのモル数)≦(ギ酸のモル数+ギ酸イオンのモル数)であることが必要である。
なお銅塩として、ギ酸銅(II)を使用した場合、ギ酸銅(II)に含まれるギ酸成分は銅イオンの2倍となるため、別に添加するギ酸/ギ酸塩は微量で効果を発揮する。
本発明の導電性銅インク組成物は、アルコールを含んでいても良い。アルコールは導電性インクの粘度を調整することができ、またアミンの揮発を抑制することもでき、基板への密着性を改善することもできる。添加するアルコールとしては特に制限はなく、インクに一般に添加されているものが使用できる。敢えて例示すると、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、シクロヘキサノール、ターピネオールなどのモノアルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、ソルビトールなどの多価アルコール;ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、ブトキシエタノールなどのエーテルアルコール;等が挙げられる。
本発明の導電性銅インク組成物には、防食剤、溶剤、増粘剤、界面活性剤、エタノールアミン以外のアミンも添加することができる。これらの添加剤には一般に使用されているものを使用することができ、特に制限はない。防食剤は、銅膜、銅配線を形成した後、銅の酸化を抑制するのに有効であり、溶剤、増粘剤、界面活性剤は、インクの塗布性、安定性を改良できる。エタノールアミン以外のアミンは、インクの揮発性、粘度の調整やギ酸銅、銅金属を安定化に使われる。
本発明の導電性銅インク組成物は、高導電性を有することからプリント配線基板、太陽電池などの配線を形成する銅膜に好適に使用され、微細配線化が可能であるなどの効果が期待できる。また、タッチパネルなどの透明導電膜にも適用できる。
銅膜の製造方法としては、本発明の導電性銅インク組成物を基板に塗布した後、加熱することで製造することができる。用いる基板に特に制限はなく、例えば、セラミックス、ガラス、プラスチック等が挙げられる。インクを塗布する方法として、インクジェット、スクリーン印刷など多くの方法が知られているが、どの方法でも問題なく塗布できる。
加熱する際の加熱温度は、ギ酸銅などのギ酸塩を分解するため、100℃以上が好ましく、好ましくは120〜200℃である。高温ほど導電性に優れた膜、配線が形成できるが、基板の耐熱温度以下の温度にする必要がある。加熱する際、酸素、水分、炭酸ガスなどが存在しても、導電性の高い銅膜、銅配線を形成できる。しかし、酸素、水分、炭酸ガスなどが少ない不活性ガス雰囲気又は水素ガス雰囲気で加熱すると、さらに導電性が高くなる。
本発明を以下の実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、表記を簡潔にするため、以下の略記号を使用した。
CA:酢酸銅(II)
CF:ギ酸銅(II)
CO:酸化銅(II)
CN:硝酸銅(II)
DEA:ジエタノールアミン
MEA:モノエタノールアミン、
MMEA:N−メチルエタノールアミン、
MDEA:N−メチルジエタノールアミン、
HEM:N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、
AEEA:N−(2−アミノエチル)エタノールアミン
実施例1〜5
平均粒径1μm、酸化銅の平均膜厚150nmの金属銅粒子にギ酸を加え処理した後、MMEA、エタノールで洗浄することで酸化膜を除去した金属銅(平均粒径0.85μm)を調製した。
この金属銅、銅塩、アミン及びギ酸を表1記載の重量比で混合し、インクを調製した。いずれも、ギ酸成分は、銅(II)イオンに対して2倍モル以上、アミンに対して等モル以上添加した。表1にギ酸成分と銅(II)イオンのモル比をHCOO/Cu2+、ギ酸成分とアミンのモル数に窒素数を乗じた比をHCOO/Nで示した。
こうして得られたインクをガラス基板上に10mm角にスクリーン印刷し、窒素気流下、加熱した。形成された銅膜のシート抵抗を四端子法で、膜厚を段差計で測定し、体積抵抗を算出した。その結果を表に示す。
比較例1〜4
実施例1と同じ方法で調製した金属銅に、表記載の組成になるよう成分を添加した。比較例1は、アミンを増量し、ギ酸を減らして、HCOO/Nを1より小さくした[(アミンのモル数×アミン分子中の窒素数)>(ギ酸のモル数+ギ酸イオンのモル数)]。比較例2は、アミン成分を加えずにインクを調製した。比較例3は、銅塩を加えずにインクを調製した。比較例4は、ギ酸を加えずにインクを調製した。いずれのインクも実施例より体積抵抗が高くなり、導電性は低下した。
Figure 2014051569
実施例6
酸化銅の平均膜厚0.3μm、平均粒径2.5μmの金属銅粒子8gに、酸化銅の平均膜厚0.1μm、平均粒径0.5μmの金属銅粒子2gを混合した。これに、ギ酸10g、エタノール10gを加え、室温で1時間攪拌した。銅微粒子を分離した後、これをエタノールで洗浄した。これにエタノール10g、ギ酸4g、ギ酸アンモニウム16gを加え、室温で1時間攪拌した。銅微粒子を分離した後、銅微粒子をエタノールで洗浄し、窒素気流下、乾燥した。こうして得られた銅微粒子1gに、ギ酸のAEEA塩 0.35g(2.33mmol)、MDEA 0.22g(1.85mmol)、CF 0.24g(1.56mmol)、ギ酸0.19g(4.13mmol)、ジプロピレングリコール0.1gを添加し、室温で混練し、導電性インクとした。なお、HCOO/Cu2+=6.1,HCOO/N=1.5だった。
この導電性インクをガラス上に塗布し、窒素気流下、140℃で30分加熱した。その後、室温まで冷却し、生成した銅薄膜の体積抵抗率を四端子法で測定した。この銅膜の体積抵抗率は、10μΩ・cmだった。

Claims (13)

  1. 金属銅、銅塩、アミン並びにギ酸及び/又はギ酸塩からなる導電性インクであって、(アミンのモル数×アミン分子中の窒素数)≦(ギ酸のモル数+ギ酸イオンのモル数)であることを特徴とする導電性銅インク組成物
  2. 金属銅の平均粒径が、5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の導電性銅インク組成物。
  3. 金属銅の表面の酸化銅の膜厚が平均膜厚0.5μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性銅インク組成物。
  4. 銅塩が、銅の無機酸塩、銅の有機酸塩、銅水酸化物、銅酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
  5. 銅塩が、硝酸銅、炭酸水素銅、炭酸銅、シュウ酸銅、酢酸銅、ギ酸銅、くえん酸銅、スルホサリチル酸銅、酸化銅、水酸化銅からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
  6. 銅塩が、2価の銅イオンの塩であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
  7. アミンが、アルカノールアミンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
  8. アミンがエタノールアミンであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
  9. アミンが、モノエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジンからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
  10. ギ酸塩が、ギ酸銅、ギ酸アンモニウム、アミンのギ酸塩からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
  11. 銅塩中の銅イオンの量が、(2価の銅イオンのモル数×2+1価の銅イオンのモル数)≦(ギ酸のモル数+ギ酸イオンのモル数)であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
  12. さらにアルコールを含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
  13. 基板に塗布後、温度100℃以上で加熱し銅膜を形成することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
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