JP2007112949A - 異方導電性接着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性、耐湿性の優れた異方導電性接着剤を提供する。本発明の異方導電性接着剤は実装時の硬化収縮率が小さく、硬化後の残留応力を低減して良好な接着性能を有すると共に、高温高湿条件下で長時間使用されても特性の変化が少なく、高い信頼性が要求される用途に使用することができる。
【解決手段】エポキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂、硬化剤、無機フィラー及び導電性粒子を必須成分とし、前記エポキシ基含有アクリル樹脂のエポキシ当量が2000以下であることを特徴とする異方導電性接着剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電極、回路等を設けた基板や電子部品等を接着し、かつ電気的に接続するための異方導電性接着剤に関するものである。
近年の電子機器の小型化、高機能化の流れの中で、構成部品間の接続端子の狭小化が進んでいる。このため、エレクトロニクス実装分野においては、そのような端子間の接続を容易に行える種々の異方導電性接着剤が広く使用されている。例えばICチップとフレキシブルプリント配線板(FPC)、ICチップとITO(Indium-Tin-Oxide)電極回路が形成されたガラス基板、等の接合に使用されている。
異方導電性接着剤は絶縁性の樹脂組成物中に導電性粒子を分散させたフィルム状またはペースト状の接着剤であり、接続対象の間に挟まれ、加熱、加圧されて接続対象を接着する。すなわち、加熱、加圧により接着剤中の樹脂が流動し、それぞれの接続対象上の相対峙する電極間の間隙を封止すると同時に導電性粒子の一部が対峙する電極間に噛み込まれて電気的接続が達成される。異方導電性接着剤においては、厚み方向に相対峙する電極間の抵抗(接続抵抗)を低くするという導通性能と、面方向に隣り合う電極間の抵抗(絶縁抵抗)を高くするという絶縁性能が必要とされている。
異方導電性接着剤は液晶表示装置(LCD)等の精密機器周辺の接続に使用されるため高い接続信頼性が要求されている。そこで導通/絶縁性能に加え、耐環境性が求められており、たとえば高温高湿試験やヒートサイクル試験等によりその性能を評価している。
異方導電性接着剤を構成する絶縁性の樹脂組成物としては、主にエポキシ系の熱硬化性樹脂組成物が用いられている。例えばエポキシ樹脂、フェノキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と硬化剤を組み合わせた樹脂組成物が広く使用されている。
ここでエポキシ系の熱硬化性樹脂は、接続時の熱により硬化収縮することで接着力を発現するが、この硬化収縮によって接着界面や接着剤内部に応力が発生する。硬化収縮時の応力は接着剤の熱膨張係数と貯蔵弾性率に比例して増大するが、エポキシ樹脂は硬化後の貯蔵弾性率が高いことから硬化収縮時の応力が高くなり、接着界面や接着剤内部に残留応力が残ることとなる。この残留応力が高温、高湿試験時に解放されることにより、界面剥離等の不都合が生じていた。
残留応力を低減するため、特許文献1には、接着剤成分に平均粒径30nm〜300nmのエラストマー微粒子を含み、硬化後の引張り伸び率が5%以上であるCOG接続用材料が開示されている。このような構成とすることにより、接着強度を大きくしても界面への応力集中を少なくでき、しかも優れた接着強度と電気的接続性を有すると記載されている。
また特許文献2には、グリシジル(メタ)アクリレート0.5〜6重量%を含むTg(ガラス転移温度)が−10℃以上でかつ重量平均分子量が10万以上であるエポキシ基含有アクリル共重合体を含むエポキシ樹脂系の接着剤が開示されている。高分子量のエポキシ基含有アクリル共重合体を添加することで接着剤の弾性率が低減し、熱応力を緩和する。
特開2001−85083号公報 特開2001−220565号公報
熱硬化性接着剤の内部応力は、当該熱硬化性接着剤の熱膨張係数と貯蔵弾性率に比例して増大するため、上記従来の接着剤においては硬化時の内部応力を低減することができる。しかし、一般に、熱硬化性接着剤においては、貯蔵弾性率を低下させると熱膨張係数が大きくなる傾向がある。よって上記従来の熱硬化性接着剤においては、貯蔵弾性率を低下させることはできるものの、熱膨張係数が大きくなり、高温高湿条件下で接着剤が熱膨張することで界面剥離等の問題を生じる可能性があり、高い接続信頼性の必要な用途への使用が難しいという問題がある。
また、特許文献1に記載のように接着剤中にエラストマー微粒子のような弾性粒子を添加すると、接続時に電極間に絶縁材料である弾性粒子が噛み込まれ、接続不良の原因となる可能性がある。さらに特許文献2に記載の高分子量のエポキシ基含有アクリル共重合体樹脂成分はエポキシ樹脂との相溶性が悪く、充分な内部応力の低減効果が得られない。特許文献2において、重量平均分子量が10万以上であるエポキシ基含有アクリル共重合体樹脂成分はBステージ状態でエポキシ樹脂と相分離し、エポキシ基含有アクリル共重合体を主成分とする連続相中に、エポキシ樹脂及び硬化剤を主成分とする分散相が分散した、いわゆる海島構造となっていることが記載されている。
本発明は、上記の問題を解決し、高温高湿条件下での熱膨張を抑制できる程度の貯蔵弾性率及び熱膨張係数を保ちつつ、硬化収縮による内部応力の残留を低減して接続安定性を向上することのできる異方導電性接着剤を提供することを課題とする。
本発明は、エポキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂、硬化剤、無機フィラー及び導電性粒子を必須成分とし、前記エポキシ基含有アクリル樹脂のエポキシ当量が2000以下であることを特徴とする異方導電性接着剤である(請求項1)。
エポキシ基含有アクリル樹脂は異方導電性接着剤の弾性率を低減し、硬化後の内部応力を低減する効果がある。更に側鎖にエポキシ基を有する枝分かれ構造を取っていることにより、エポキシ樹脂との相溶性が高くなり相分離が起こりにくくなると共に、硬化時にエポキシ樹脂と反応して網目構造をつくることがでる。その結果、高温高湿条件下での熱膨張を抑制でき、長期接続信頼性に優れた異方導電性接着剤を得ることができる。また無機フィラーを添加することで、更に高温高湿条件下での熱膨張抑制効果が得られる。
本発明に使用するエポキシ基含有アクリル樹脂は、例えばアクリル酸エステルやメタクリル酸エステル、及びアクリロニトリル等の共重合体であるアクリルゴムに、官能基としてグリシジル基またはエポキシ基を含むものが挙げられる。エポキシ基含有アクリル樹脂の分子量は特に制限されないが、エポキシ樹脂との相溶性を考慮すると、重量平均分子量が5万以下のものが好ましい。
ここで、エポキシ基含有アクリル樹脂のエポキシ当量を3000以下とする必要がある。エポキシ当量が3000より大きいと、エポキシ樹脂との反応点が少ないことから効果的な網目構造をつくることができなくなり、耐熱、耐湿性が劣る結果となる。更にエポキシ樹脂とのエポキシ樹脂との相溶性を向上するためには、エポキシ当量を2000以下とすることが好ましい。
エポキシ基含有アクリル樹脂の含有量は、樹脂成分の合計重量の0.1重量%以上30重量%以下であることが好ましい。請求項2はこの好ましい態様に該当する。エポキシ基含有アクリル樹脂の含有量が30%を超えると、硬化後の耐熱性が不充分となるからである。また0.1重量%未満であると、充分な硬化収縮低減効果が得られず、内部応力が高くなる。なお、ここでいう樹脂成分とは、エポキシ基含有アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂を指すものとする。
本発明に使用するエポキシ樹脂は、加熱時に速やかに硬化剤と反応し接着性能を発現するものである。エポキシ樹脂の種類は特に限定されないが、ビスフェノールA、F、S、AD等を骨格とするビスフェノール型エポキシ樹脂等の他、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等が例示される。エポキシ樹脂の分子量は、異方導電性接着剤に要求される性能を考慮して適宜選択することができ、高分子量エポキシ樹脂であるフェノキシ樹脂を用いることもできる。
エポキシ樹脂としてナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂を使用すると、硬化後の樹脂成分のガラス転移温度(Tg)を下げることなく、硬化収縮を抑えることができ、好ましい。硬化後のガラス転移温度(Tg)が高いことで接続後の耐熱、耐湿性が向上する。請求項3はこの好ましい態様に該当する。
本発明に使用する硬化剤としては、エポキシ樹脂の硬化剤として公知のものを適宜選択して使用することができる。その中でも潜在性硬化剤を使用すると、保存安定性に優れ好ましい。潜在性硬化剤は低温での貯蔵安定性に優れ、室温ではほとんど硬化反応を起こさないが、加熱等により所定の条件とすると速やかに硬化反応を行う硬化剤である。潜在性硬化剤としては、イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素-アミン錯体、アミンイミド、ポリアミン系、第3級アミン、アルキル尿素系等のアミン系、ジシアンジアミド等、及びこれらの変性物が例示され、これらは単独または2種以上の混合物として使用できる。
前記の潜在性硬化剤の中でも、イミダゾール系潜在性硬化剤が好ましく使用される。イミダゾール系潜在性硬化剤としては、公知のイミダゾール系潜在性硬化剤を使用することができ、具体的にはイミダゾール化合物のエポキシ樹脂との付加物が例示される。イミダゾール化合物としては、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-プロピルイミダゾール、2-ドデシルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェ
ニル-4-メチルイミダゾール、4-メチルイミダゾールが例示される。
さらに、これらの潜在性硬化剤をポリウレタン系、ポリエステル系等の高分子物質や、ニッケル、銅等の金属薄膜及びケイ酸カルシウム等の無機物で被覆してマイクロカプセル化したものは長期保存性と速硬化性という矛盾した特性の両立をより充分に達成するため好ましい。従って、マイクロカプセル型イミダゾール系潜在性硬化剤が特に好ましい。
前記エポキシ樹脂及びエポキシ基含有アクリル樹脂と潜在性硬化剤の配合割合は、エポキシ樹脂及びエポキシ基含有アクリル樹脂の合計重量に対し、5〜40重量%とするのが好ましい。潜在性硬化剤の割合が5重量%より少ない場合、硬化速度が低下し、硬化が不十分になる場合がある。また40重量%より多い場合、未反応の硬化剤が残留しやすくなり、耐熱、耐湿性を低下させる場合がある。
本発明に使用する無機フィラーは異方導電性接着剤の熱膨張率を抑制し、また吸水率を低減することで耐熱性及び耐湿性を向上するものである。無機フィラーとしてはシリカ、アルミナ、酸化チタン等の金属酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、複合酸化物、等公知のものを使用することができる。無機フィラーとしてシリカフィラーを使用すると、熱膨張率低減効果と絶縁性向上効果が優れ、好ましい。
無機フィラーの平均粒径は500nm以下とすることが好ましい。無機フィラーの平均粒径が小さくなるにつれて表面積が大きくなり、エポキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂等の樹脂成分との相互作用を高めることができ、結果として少ない含有量で耐湿性向上効果が得られるからである。平均粒径の下限は特に制限しないが、作業性を考慮すると3nm以上とするのが好ましい。更に無機フィラーの平均粒径が100nm以下であると、耐湿性向上効果に優れ、好ましい。請求項4はこの好ましい態様に該当する。更に無機フィラーの最大粒径が5μm以下であると好ましい。
無機フィラーの含有量が多いほど接着剤の吸水率は低くなり、耐湿性を向上することができる。しかし無機フィラーの含有量が多すぎると接着性が低下し、また接続時の加熱、加圧条件で充分な流動性を得られず、接続信頼性が低下するという問題が生じる。このため無機フィラーの含有量は樹脂成分の合計重量の0.5重量%以上30重量%以下であることが好ましい。更に好ましい無機フィラーの含有量は樹脂成分の合計重量の5重量%以上20重量%以下である。
本発明に使用する導電性粒子としては、金、銀、銅、ニッケル及びそれらの合金などの金属粒子、カーボン、等が挙げられる。又、非導電性のガラス、セラミック、プラスチック、金属酸化物等の核の表面に、金属やITO等を被覆して導電層を形成したものでも良い。導電性粒子の形状は特に限定されず、球状の粒子や細長い針状の粒子を使用することができる。
針状の導電性粒子として、径と長さの比(アスペクト比)が5以上の導電性粒子を用いると、導電性粒子の含有量を増やすことなく接続抵抗を低くすることができ、良好な電気的接続を達成出来ると共に、面方向の絶縁抵抗をより高く保つことができ、好ましい。請求項5はこの好ましい態様に該当する。導電性粒子のアスペクト比は、CCD顕微鏡観察等の方法により直接測定する。断面が円でない粒子の場合は、長さ方向に垂直な断面の最大長さを径としてアスペクト比を求める。また、導電性粒子は必ずしもまっすぐな形状を有する必要はなく、多少の曲がりや枝分かれがあっても問題なく使用できる。この場合は導電性粒子の最大長を長さとしてアスペクト比を求める。アスペクト比が5以上の導電性粒子としては、市販の針状導電性粒子を使用することができる。また微細な金属粒子を多数つなげて針状に形成したものも好ましく使用できる。アスペクト比が10〜100であると更に好ましい。また導電性粒子の径が1μm以下であると、いわゆるファインピッチ電極の接続が可能となり好ましい。
微細な金属粒子を形成する金属としては、Fe、Ni、Co等の強磁性を有する金属の単体又は強磁性を含む金属を含む複合体が挙げられる。強磁性を有する金属を用いると、それ自体が有する磁性により配向し、また後述するように磁場を用いて導電性粒子の配向を行うことができる。
異方導電性接着剤の形状をフィルム状とし、上記のアスペクト比が5以上の導電性粒子がフィルムの厚み方向に配向していると、異方導電性がさらに向上するので好ましい。請求項6はこの好ましい態様に該当する。なお、厚み方向に配向とは、導電性粒子の長手方向がフィルムの面に対して垂直方向に並んだ状態になっていることをいう。導電性粒子をフィルムの厚み方向に配向させる方法は特に限定されないが、前記のような強磁性を有する導電性粒子を用いる場合は、導電性粒子を樹脂用液中に分散し、得られた分散溶液を下地面と交差する方向に磁場を印加した下地上に塗布して、該導電性粒子を配向させ、下地上で溶媒の除去等により固化、硬化させて配向を固定する方法が好ましく例示される。
導電性粒子の含有量は、異方導電性接着剤の全体積に対して0.01〜30体積%の範囲から選ばれ、用途により使い分ける。過剰な導電性粒子による面方向の絶縁性能低下を防ぐためには、0.01〜10体積%とするのがより好ましい。
本発明の異方導電性接着剤には、本発明の趣旨を損なわない範囲で、前記の必須成分に加えて、他の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を添加することが可能である。また硬化促進剤、重合抑制剤、増感剤、シランカップリング剤、難燃化剤、チキソトロピック剤等の添加剤を含有しても良い。
本発明の異方導電性接着剤は、前記の各成分を混合することにより得ることができる。例えば前記エポキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂、潜在性硬化剤等を溶媒に溶解した溶液中に無機フィラーと導電性粒子を分散させることで液状の異方導電性接着剤が得られる。またこの分散溶液をロールコーター等で塗工して薄い膜を形成し、その後溶媒を乾燥等により除去することによりフィルム状の異方導電性接着剤が得られる。膜の厚みは特に限定されないが、通常10〜50μmである。
本発明は、硬化収縮による内部応力の残留を低減して接続安定性を向上し、かつ耐環境性に優れる異方導電性接着剤を提供する。本発明の異方導電性接着剤は、硬化収縮による内部応力の残留が少ないため、良好な耐熱、耐湿特性を有し、ガラス基板と半導体素子の接続等、高い信頼性が要求される用途に使用することができる。
次に発明を実施するための最良の形態を実施例により説明する。実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
(実施例1)
(塗工溶液の作製)
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型の液状エポキシ樹脂[ジャパンエポキシレジン(株)製エピコートYL828US]、ビスフェノールA型の固形エポキシ樹脂[ジャパンエポキシレジン(株)製エピコート1004]及びナフタレン型エポキシ樹脂[大日本インキ化学工業(株)製、エピクロンHX4032]、フェノキシ樹脂[東都化成(株)製フェノトートYP−55]、エポキシ基含有アクリル樹脂としてエポキシ当量310のアクリル樹脂[日本油脂(株)製ブレンマーCP50S]、潜在性硬化剤としてマイクロカプセル型イミダゾール系硬化剤[旭化成エポキシ(株)製、ノバキュアHX3941]とを、重量比で15/30/20/30/5/30の割合で用い、これらをγ−ブチロラクトンに溶解し固形分60%の樹脂組成物溶液を作製した。ここに無機フィラーとして平均粒径20nmの球状シリカ粒子をエポキシ樹脂、フェノキシ樹脂及びアクリル樹脂の合計重量に対して5重量%となるように加え、3本ロールによる混練を行って均一な溶液とした。更に導電性粒子として、1μmから8μmまでの鎖長分布を有する針状ニッケル粒子(平均粒径200nmのニッケル微粒子が針形状に連結したもの。アスペクト比:15〜55)を、固形分の総量(樹脂組成物+無機フィラー+ニッケル粉末)に対して1体積%となるように添加し、遠心ミキサーを用いて攪拌することで均一分散し、接着剤用の塗工溶液を調製した。
(異方導電性接着剤の作製)
上記で調整した塗工溶液を、離型処理したPETフィルム上にドクターナイフを用いて塗布した後、磁束密度100mTの磁場中、65℃で30分間乾燥、固化させることによって、厚み25μmのフィルム状の異方導電性接着剤を得た。
(貯蔵弾性率測定)
得られた異方導電性接着剤を180℃で60分加熱処理して硬化させた後、幅3mm、長さ5mmのサンプルを作成した。このサンプルを、動的粘弾性測定装置(セイコーインスツルメンツ社製、DMS6100)を使用して、温度35℃、周波数1Hzの条件の下、動的粘弾性測定法(DMA)により貯蔵弾性率を測定した。その結果を表1に示す。
(接続抵抗評価)
幅15μm、長さ100μm、高さ16μmの金メッキバンプが15μm間隔で726個配列されたICチップと、幅20μm、スペース10μmで同数のITO電極が形成されたガラス基板とを用意した。このICチップと回路基板との間に前記で得られた異方導電性接着剤フィルムを挟み、180℃に加熱しながら、1バンプ当たり20gfの圧力で30秒間加圧して熱接着させ、ICとガラス基板との接合体を得た。この接合体の726個の電極のうち、ITO電極、異方導電性接着剤、及び金バンプを介して接続された連続する32個の抵抗値を四端子法により求め、その値を32で除することによって1電極当たりの接続抵抗を求めた。この評価を10回繰り返し、接続抵抗の平均値を求めた。
(耐熱・耐湿試験)
前記のICとガラス基板との接合体を温度60℃、湿度90%に設定した恒温恒湿槽内に投入し、200時間経過後に取り出し、再び前記と同様にして接続抵抗の平均値を求めた。接続抵抗が20Ω以上のものを不良品として、
不良率(%)=(不良品の数)/(総サンプル数)×100
として不良率を求めた。なお総サンプル数は10とした。
(実施例2)
エポキシ基含有アクリル樹脂として、エポキシ当量530のアクリル樹脂[日本油脂(株)製ブレンマーCP30]を用いたこと以外は実施例1と同様にして厚みが25μmのフィルム状の異方導電性接着剤を作製し、一連の評価を行った。その結果を表1に示す。
(比較例1)
エポキシ基含有アクリル樹脂として、エポキシ当量3330のアクリル樹脂[日本油脂(株)製マープルーフG−1005S]を用いたこと以外は実施例1と同様にして厚みが25μmのフィルム状の異方導電性接着剤を作製し、一連の評価を行った。その結果を表1に示す。
(比較例2)
アクリル樹脂として、エポキシ変性をしていないアクリル樹脂[三菱レイヨン(株)製ダイヤナールLR−248]を用いたこと以外は実施例1と同様にして厚みが25μmのフィルム状の異方導電性接着剤を作製し、一連の評価を行った。その結果を表1に示す。
(比較例3)
エポキシ基含有アクリル樹脂を使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして厚みが25μmのフィルム状の異方導電性接着剤を作製し、一連の評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2007112949
表1の結果は、本発明(実施例)の異方導電性接着剤を用いて接着された場合は、初期の接続抵抗が低く、また高温高湿の環境下に長時間置かれた場合でも不良率が少なく、優れた耐熱・耐湿性が達成できることを示している。一方、エポキシ当量の大きいエポキシ基含有アクリル樹脂を用いた比較例1では初期の接続抵抗は低いが、耐熱・耐湿試験後の不良率が10%(1個/総サンプル数)となり、信頼性がやや劣る結果となった。またエポキシ基を含有しないアクリル樹脂を用いた比較例2では、実施例に比べると初期の抵抗が高く、更に耐熱、耐湿試験後の不良率も高い。エポキシ基含有アクリル樹脂を使用していない比較例3は初期の接続抵抗は良好であるが、耐熱・耐湿試験後の不良率が30%であり、耐熱、耐湿性が劣る結果となった。これは接着剤の貯蔵弾性率が高いため、接着剤の内部残留応力が高いことに起因していると考えられる。この結果から明らかなように、本発明例の異方導電性接着剤を用いることにより、優れた接続性能及び耐熱耐湿性を達成することができる。

Claims (6)

  1. エポキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂、硬化剤、無機フィラー及び導電性粒子を必須成分とし、前記エポキシ基含有アクリル樹脂のエポキシ当量が3000以下であることを特徴とする異方導電性接着剤。
  2. 前記エポキシ基含有アクリル樹脂の含有量が、樹脂成分の合計重量の0.1重量%以上30重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の異方導電性接着剤。
  3. 前記エポキシ樹脂として、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の異方導電性接着剤。
  4. 前記無機フィラーの平均粒径が100nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の異方導電性接着剤。
  5. 前記導電性粒子が、径と長さの比(アスペクト比)が5以上の導電性粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の異方導電性接着剤。
  6. 形状がフィルム状であり、前記導電性粒子がフィルムの厚み方向に配向していることを特徴とする請求項5に記載の異方導電性接着剤。
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