JP2009245648A - 導電ペースト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (メタ)アクリル樹脂、有機溶剤及び導電粉末を含有する導電ペーストであって、前記(メタ)アクリル樹脂は、重量平均分子量が5000〜50000であり、前記有機溶剤は、炭酸プロピレン又はγ−ブチロラクトンである導電ペースト。
【選択図】なし
Description
しかしながら、このような方法では、塗工・乾燥後に得られる導電ペースト層の表面に凹凸が生じ、いわゆるレベリング性に劣るという問題や、焼結後の残留炭素分が多くなるという問題があった。
また、特許文献4には、所定の有機溶剤とバインダー樹脂であるアクリル樹脂とを含有する導電ペーストが開示されている。しかしながら、このような導電ペーストは、使用するバインダー樹脂の分子量が高いために、印刷時において糸引きが発生し、所定の形状を印刷できないという問題があった。
以下に本発明を詳述する。
なかでも、少ない量で高い粘度を得ることができ、かつ、低温脱脂性にも優れるメチルメタクリレートが好適である。
なお、上記重量平均分子量は、カラムとして例えばSHOKO社製カラムLF−804を用い、ポリスチレン重合体を標準物質としてGPC測定により測定することができる。
上記(メタ)アクリル樹脂の重合に重合開始剤を用いる場合、重合開始剤としては特に限定されない。上記重合開始剤は、上記(メタ)アクリル樹脂の重合時に全量を一度に添加されてもよいし、数回に分割して添加されてもよい。上記重合開始剤を数回に分割して添加した場合、残留オリゴマー等の低分子量成分を含まない上記(メタ)アクリル樹脂を得ることができる。
なかでも、特にシートアタックを生じにくいことから誘電率が25以上であることが好ましく、誘電率が25以上の溶剤としては、ジエチレングリコール、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N−メチルアセトアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミドが挙げられる。
なお、これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記導電粉末の材質としては導電性を示すものであれば特に限定されず、例えば、ニッケル、パラジウム、白金、金、銀、銅やこれらの合金等からなる粉末等が挙げられる。これらの金属粉末は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
((メタ)アクリル樹脂の合成)
攪拌機、冷却器、温度計、湯浴及び窒素ガス導入口を備えた2Lセパラプルフラスコに、メチルメタクリレート(MMA)100重量部、連鎖移動剤としてドデシルメルカプタン0.9重量部、有機溶剤として炭酸プロピレン100重量部とを混合し、モノマー混合液を得た。
得られた(メタ)アクリル樹脂の炭酸プロピレン溶液をニッケル粉(JFEミネラル社製、「NFP201」)と混合し、三本ロールに数回通して導電ペーストを作製した。
なお、導電ペースト中の組成比率はニッケル粉55重量%、(メタ)アクリル樹脂6重量%となるように調整した。
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業社製、エスレックB「BM−2」、重合度850)10重量部を、トルエン30重量部とエタノール15重量部との混合溶剤に加え、攪拌溶解し、更に、可塑剤としてジブチルフタレート3重量部を加え、攪拌溶解した。得られた樹脂溶液に、セラミック粉末としてチタン酸バリウム(堺化学工業社製「BT−02(平均粒子径0.2μm)」)100重量部を加え、ボールミルで48時間混合してセラミックスラリー組成物を得た。得られたスラリー組成物を、離型処理したポリエステルフィルム上に、乾燥後の厚みが約1μmになるように塗布し、常温で1時間風乾し、熱風乾燥機、80℃で3時間、続いて120℃で2時間乾燥させてセラミックグリーンシートを得た。
得られたグリーンシートの片面に、調製した導電ペーストを乾燥後の厚みが約1.5μmになるように、スクリーン印刷法により印刷し、乾燥させて導電層を形成した。
グリーンシートを5cm角に切断し、100枚積重ねて、温度70℃、圧力150kg/cm2、10分間熱圧着させてグリーンシート積層体を得た。
得られたグリーンシート積層体を窒素雰囲気下で400℃まで昇温速度3℃/分の速度で昇温して5時間保持後、再び5℃/分の速度で1350℃まで昇温して10時間保持することで焼結し積層体を得た。
((メタ)アクリル樹脂の合成)
ドデシルメルカプタンの添加量を1.5重量部に変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて重合した。得られた(メタ)アクリル樹脂について、実施例1と同様にしてポリスチレン換算による重量平均分子量を測定したところ、3万であった。
得られた(メタ)アクリル樹脂のγ−ブチロラクトン溶液を用いた以外は実施例1と同様にして導電ペースト、積層体を作製した。
なお、導電ペースト中の組成比率はニッケル粉55重量%、(メタ)アクリル樹脂8重量%となるように調整した。
((メタ)アクリル樹脂の合成)
ドデシルメルカプタンの添加量を2.1重量部に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で重合した。得られた(メタ)アクリル樹脂について、実施例1と同様にしてポリスチレン換算による重量平均分子量を測定したところ、1万であった。
得られた(メタ)アクリル樹脂の炭酸プロピレン溶液を用いた以外は実施例1と同様にして導電ペースト、積層体を作製した。
なお、導電ペースト中の組成比率はニッケル粉60重量%、(メタ)アクリル樹脂10重量%となるように調整した。
((メタ)アクリル樹脂の合成)において、メチルメタクリレート(MMA)100重量部に代えて、イソブチルメタクリレート(IBMA)100重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、(メタ)アクリル樹脂、導電ペースト及び積層体を作製した。
((メタ)アクリル樹脂の合成)において、メチルメタクリレート(MMA)100重量部に代えて、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)100重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、(メタ)アクリル樹脂、導電ペースト及び積層体を作製した。
((メタ)アクリル樹脂の合成)において、メチルメタクリレート(MMA)100重量部に代えて、MMA80重量部及びラウリルメタクリレート(LMA)20重量部の混合物を用いた以外は実施例1と同様にして、(メタ)アクリル樹脂、導電ペースト及び積層体を作製した。
((メタ)アクリル樹脂の合成)において、メチルメタクリレート(MMA)100重量部に代えて、MMA80重量部及びプロピレンオキサイドユニットを持つアクリルモノマー(ポリプロピレングリコールモノメタクリレート:PPGMA)(日本油脂社製、ブレンマーPP1000)20重量部の混合物を用いた以外は実施例1と同様にして、(メタ)アクリル樹脂、導電ペースト及び積層体を作製した。
(導電ペーストの作製)において、(メタ)アクリル樹脂の炭酸プロピレン溶液に代えて、エチルセルロース(ダウ社製、STD100)15重量部に対してテルピネオールを85重量部加えたエチルセルロースのテルピネオール溶液を用いた以外は実施例1と同様にして、導電ペースト及び積層体を作製した。
なお、導電ペースト中の組成比率はニッケル粉55重量%、エチルセルロース樹脂2.5重量%となるように調整した。
((メタ)アクリル樹脂の合成)
ドデシルメルカプタンの添加量を0.4重量部に変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて重合を行った。得られた(メタ)アクリル樹脂について、実施例1と同様にしてポリスチレン換算による重量平均分子量を測定したところ、10万であった。
得られた(メタ)アクリル樹脂のテルピネオール溶液を用いた以外は実施例1と同様にして導電ペースト、積層体を作製した。
(導電ペーストの作製)において、(メタ)アクリル樹脂の炭酸プロピレン溶液に代えて、エチルセルロース(ダウ社製、STD100)15重量部に対して炭酸プロピレンを85重量部加えたエチルセルロースの炭酸プロピレン溶液を用いた。
なお、この場合は、エチルセルロースが炭酸プロピレンに充分に溶解せず、導電ペースト及び積層体を得ることができなかった。
(導電ペーストの作製)において、(メタ)アクリル樹脂の炭酸プロピレン溶液に代えて、エチルセルロース(ダウ社製、STD100)15重量部に対してγ−ブチロラクトンを85重量部加えたエチルセルロースのγ−ブチロラクトン溶液を用いた。
なお、この場合は、エチルセルロースがγ−ブチロラクトンに充分に溶解せず、導電ペースト及び積層体を得ることができなかった。
(導電ペーストの作製)において、(メタ)アクリル樹脂の炭酸プロピレン溶液に代えて、ポリビニルブチラール(積水化学製、BHS)15重量部に対して炭酸プロピレンを85重量部加えたポリビニルブチラールの炭酸プロピレン溶液を用いた。
なお、この場合は、ポリビニルブチラールが炭酸プロピレンに充分に溶解せず、導電ペースト及び積層体を得ることができなかった。
(導電ペーストの作製)において、(メタ)アクリル樹脂の炭酸プロピレン溶液に代えて、ポリビニルブチラール(積水化学製、BHS)15重量部に対してγ−ブチロラクトンを85重量部加えたポリビニルブチラールのγ−ブチロラクトン溶液を用いた。
なお、この場合は、ポリビニルブチラールがγ−ブチロラクトンに充分に溶解せず、導電ペースト及び積層体を得ることができなかった。
実施例及び比較例で得られた(メタ)アクリル樹脂、導電ペースト及び積層体について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。なお、各実施例及び比較例で使用する樹脂の構成単量体における単独重合体のガラス転移温度(Tg)、及び、各実施例及び比較例で使用した有機溶剤の比重、沸点についても表1に示した。
導電ペーストを印刷したセラミックグリーンシートの表面(印刷面)及び裏面(ポリエステルフィルム面)を目視及び拡大顕微鏡で観察し、以下の基準により評価を行った。
皺やクラックは認められなかったものを○、皺やクラックが認められたものを×とした。
実施例及び比較例において形成された導電層について、JIS B 0601に準拠した方法で表面の中心線平均粗さ(Ra)を測定した。なお、測定には、触針式粗さ計(東京精密社製、サーフコム1400D)を用いた。
測定の結果、Raが0.07μm以下である場合を○、0.07μmより大きく、0.1μm以下である場合を△、0.1μmを超える場合を×とした。Raが0.1μmを超えると、積層時に誘電体を突き破り製品の歩留まりの悪化や、突起部により圧迫された誘電体層が使用中に圧電破壊されることによる品質不良の原因になる
実施例及び比較例で得られた積層体を常温まで冷却し、中央部を積層面に対し垂直方向に切断して、50層目付近のシート状態を電子顕微鏡で観察することにより、導電層におけるクラックの有無を確認した。
クラックが無く、黒色の点状物が確認されないものを○、クラックがあるか、黒色の点状物があるものを×とした。
実施例及び比較例で得られた積層体を常温まで冷却し、中央部を積層面に対し垂直方向に切断して、50層目付近のシート状態を電子顕微鏡で観察することにより、セラミック層と導電層とのデラミネーションの有無を観察した。
デラミネーションが確認できない場合を○、デラミネーションが確認できた場合を×とした。
Claims (1)
- (メタ)アクリル樹脂、有機溶剤及び導電粉末を含有する導電ペーストであって、
前記(メタ)アクリル樹脂は、重量平均分子量が5000〜50000であり、
前記有機溶剤は、炭酸プロピレン又はγ−ブチロラクトンである
ことを特徴とする導電ペースト。
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