JP2000199956A - 感光性ペ―スト - Google Patents

感光性ペ―スト

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JP2000199956A
JP2000199956A JP116499A JP116499A JP2000199956A JP 2000199956 A JP2000199956 A JP 2000199956A JP 116499 A JP116499 A JP 116499A JP 116499 A JP116499 A JP 116499A JP 2000199956 A JP2000199956 A JP 2000199956A
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paste
acrylate
photosensitive paste
powder
photosensitive
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Nobuo Matsumura
宣夫 松村
Takenori Kamioka
武則 上岡
Yoshiki Masaki
孝樹 正木
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】感光性ペースト法において、感光性樹脂として
多く用いられるアクリル系共重合体が、無機粉末と反応
し粘度上昇や固形化してしまうという問題があり、増粘
や固形化の生じない感光性ペーストを供給することにあ
る。 【解決手段】本発明は、無機粉末と、感光性有機成分と
して少なくともアルカリ可溶性のアクリル系共重合体
と、光重合開始剤を必須成分とする感光性ペーストにお
いて、前記アクリル系共重合体の酸価が50〜80であ
ることを特徴とする感光性ペーストである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセラミックス基板や
ガラス基板上に導体パターンを形成するための感光性導
電ペースト、および絶縁層を形成するための感光性ガラ
スペースト、感光性ガラスセラミックペースト、感光性
セラミックペーストに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パソコンおよびPCカードに搭載
するマルチチップモジュール、チップサイズパッケー
ジ、あるいは携帯電話などの移動体通信機器用途の高周
波用フィルター、チップインダクター、積層コンデンサ
ーなどの電子部品あるいはセラミックス多層基板に対し
て、小型化や高密度化、高精細化、高信頼性の要求が高
まってきている。また、プラズマディスプレイなどの表
示装置の高精細化に伴い、電極の微細化への要求も高ま
ってきている。これらの要求に対して、各種の微細な導
体膜形成方法が提案されている。
【0003】代表的な方法としては、薄膜法、メッキ法
および厚膜印刷法がある。薄膜法は、スパッタ、蒸着な
どで成膜した後に、フォトリソグラフィー技術で解像度
L/S=20/20μm以上のパターニングが可能であ
るが、この方法では導体膜の膜厚はスパッタや蒸着のプ
ロセス時間に比例し、厚くするためには長時間を有する
ために薄い膜しか得られず、その結果回路としてのイン
ピーダンスが高くなるという欠点がある。またメッキ法
では、焼成工程において抵抗体などの厚膜受動素子の形
成が困難であるという問題がある。
【0004】一方、スクリーン印刷で成膜される厚膜印
刷法では、導体膜を厚くすることや、抵抗体などの受動
素子を同時形成することが容易であるが、その反面、L
/S=50/50μm以下の解像度で、一定幅のライン
形成が困難であり、また断面形状が蒲鉾上になり電気的
特性面の設計が困難であるという問題があった。
【0005】また、セラミックス基板上に多層配線層を
形成する場合、配線が微細になると共に絶縁層の層間を
結合するスルーホールにも微細なものが求められる。セ
ラミックス基板上に、ガラス、ガラスセラミック、セラ
ミック等の絶縁層を形成する際には、厚膜印刷法、グリ
ーンシート法があるが、いずれの方法でも100μm以
下のスルーホールを形成するのは困難である。
【0006】厚膜印刷法の解像性、断面形状を改善する
ものとして、感光性ペースト法がある。これは、厚膜印
刷用の導体ペースト、あるいは絶縁ペーストとして感光
性を有するものを使用し、印刷後にマスク露光、現像の
工程を経ることで高解像度の厚膜導体パターンやスルー
ホールを形成し得るものである。感光性導体ペーストと
しては、金属やカーボンなどの導体粉末を光硬化性樹脂
に混合したものが、感光性絶縁ペーストとしては、ガラ
ス、セラミックス等の粉末を光硬化性樹脂に混合したも
のが多く用いられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】感光性ペースト法はこ
のように優れた方法ではあるが、感光性樹脂として多く
用いられるアクリル系共重合体が、ある種の金属と反応
し、粘度上昇や、酷い場合には固形化してしまうという
問題があった。導体粉末が、金、銀のような化学的に安
定な貴金属である場合は反応は生じないが、卑金属、特
に安価で電気抵抗の低い、配線材料としては非常に好適
な金属である銅を用いた場合はこの問題が顕著であっ
た。また、ガラスやセラミックスの成分には金属酸化物
が多く含まれ、この金属酸化物の種類に依ってはやはり
銅と同様の増粘、固形化の問題が発生することがあっ
た。
【0008】本発明の目的は、銅や、あるいはガラス、
セラミックスなどの粉末を用いても、増粘や固形化の生
じない感光性ペーストを供給することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、無機粉末と、
感光性有機成分として少なくともアルカリ可溶性のアク
リル系共重合体と、光重合開始剤を必須成分とする感光
性ペーストにおいて、前記アクリル系共重合体の酸価が
50〜80であることを特徴とする感光性ペーストであ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらの説明によってなんらの制限を受け
るものではない。
【0011】本発明は、感光性ペーストにおける感光性
樹脂と無機粉末の反応性を抑制し、増粘や固形化を防
ぎ、安定な感光性ペーストが得られるようにするもので
ある。
【0012】アルカリ可溶性のアクリル系共重合体と
は、アクリル酸、メタクリル酸などの酸モノマーと、ア
クリレート、メタクリレートなどのモノマーの共重合体
であり、酸価は共重合体中の酸モノマーの量によって決
定される。発明者らは、研究によって、銅などの金属と
反応する点がこの酸モノマーにあることを突き止め、ア
クリル系共重合体中の酸モノマーの量、つまりは酸価を
規定することによって無機粉末との反応を抑制し、安定
な感光性ペーストを完成させるに至ったものである。
【0013】本発明で用いられる感光性有機成分とは、
アルカリ可溶性のポリマーと、1分子中に2つ以上の炭
素−炭素2重結合を有する多官能モノマーと、光重合開
始剤を必須成分とする、感光性ペースト中の感光性を担
う有機成分のことである。
【0014】アルカリ可溶性のポリマーとしては、アク
リル系共重合体が用いられる。アクリル系共重合体と
は、共重合成分に少なくともアクリル系モノマーを含む
共重合体であり、アクリル系モノマーとは、具体的な例
としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレ
ート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアク
リレート、n−ペンチルアクリレート、アリルアクリレ
ート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレ
ート、ブトキシトリエチレングリコールアクリレート、
シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアク
リレート、ジシクロペンテニルアクリレート、2−エチ
ルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、
グリシジルアクリレート、ヘプタデカフロロデシルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボ
ニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレ
ート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアク
リレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、
メトキシジエチレングリコールアクリレート、オクタフ
ロロペンチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレ
ート、ステアリルアクリレート、トリフロロエチルアク
リレート、アクリルアミド、アミノエチルアクリレー
ト、フェニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレ
ート、1−ナフチルアクリレート、2−ナフチルアクリ
レート、チオフェノールアクリレート、ベンジルメルカ
プタンアクリレートなどのアクリル系モノマー、および
これらのアクリレートをメタクリレートに代えたものな
どが挙げられる。望ましくはアクリル酸アルキルあるい
はメタクリル酸アルキル、より好ましくは少なくともメ
タクリル酸メチルを含むことで、熱分解性の良好な重合
体を得ることが出来る。アクリル系モノマー以外の共重
合成分としては、炭素炭素2重結合を有する全ての化合
物が使用可能であるが、好ましくはスチレン、p−メチ
ルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、ヒド
ロキシメチルスチレンなどのスチレン類、γ−メタクリ
ロシキプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−
ピロリドン等が挙げられる。
【0015】ポリマーがアルカリ可溶性を有すること
で、現像液として環境に問題のある有機溶媒ではなく、
アルカリ水溶液を用いることが出来る。アクリル系共重
合体にアルカリ可溶性を付与するためには、モノマーと
して不飽和カルボン酸等の不飽和酸を加えることにより
達成される。不飽和酸の具体的な例としては、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン
酸、フマル酸、酢酸ビニル、またはこれらの酸無水物等
が挙げられる。
【0016】これらを加えることによるポリマーの酸価
は、50〜80の範囲であることが好ましい。より好ま
しい範囲は、70〜80である。酸価が80より大きい
と、銅やガラスとの反応性が著しく高く、ペーストの増
粘や固形化を引き起こす。また、酸価が50未満である
と、アルカリ水溶液に対する溶解性が低く、アルカリ現
像液で現像を行う場合に現像時間が著しく長いか、ある
いは全く現像できなくなる。
【0017】酸価を下げることによって、樹脂と無機粉
末の反応性は低下するが、アルカリに対する溶解性が低
下し現像時間が長くなってしまうので、良好なペースト
の安定性と良好な現像性を両立させるためには、アクリ
ル系共重合体は前述の範囲の酸価であることに加えて、
分子量が低いことが望ましい。望ましい分子量として
は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー)によるポリスチレン換算分子量より求めた重量平均
平均分子量にして3000〜20000であり、より望
ましくは5000〜12000である。分子量が200
00を超えると、アルカリ現像液に対する溶解性が低下
し、現像時間が長くなってしまう。また分子量が300
0未満であると、アルカリ溶解性が高すぎて良好なパタ
ーンが得られないばかりか、ペーストを基板に塗布乾燥
した場合にべたつきが生じてしまい、取扱いが困難にな
ってしまう。
【0018】多官能モノマーとしては、1分子中に炭素
−炭素2重結合を2つ以上有する化合物が用いられ、そ
の具体的な例としては、アリル化シクロヘキシルジアク
リレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、
1,3−ブチレングリコールジアクリレート、エチレン
グリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジア
クリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、
ポリエチレングリコールジアクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトー
ルモノヒドロキシペンタアクリレート、ジトリメチロー
ルプロパンテトラアクリレート、グリセロールジアクリ
レート、メトキシ化シクロヘキシルジアクリレート、ネ
オペンチルグリコールジアクリレート、プロピレングリ
コールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジア
クリレート、トリグリセロールジアクリレート、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、ビスフェノールA
ジアクリレート、ビスフェノールA−エチレンオキサイ
ド付加物のジアクリレート、ビスフェノールA−プロピ
レンオキサイド付加物のジアクリレート、または上記化
合物のアクリル基を1部または全てメタクリル基に代え
た化合物等が挙げられるが本発明はこれらのモノマーに
限定されるものではない。
【0019】本発明で用いられる導電粉末としては、カ
ーボン粉末、金属粉末などがあり、金属粉末としては、
金、銀、銅、ニッケル、タングステン、モリブデンなど
があるが、これらに限定されるものではない。本発明
は、銅などの反応性の高い金属、またはその酸化物を含
む粉末を用いた場合に特に大きな効果を発揮するもので
はあるが、本発明はこれら金属の種類に限定されるもの
ではない。導電粉末の平均粒子径は、2〜5μmの範囲
であることが望ましい。平均粒子径が2μmより小さい
と樹脂に対して同体積の導体粉末を添加した場合に、粉
末の表面積が大きくなるためにより多くの光を遮り、ペ
ースト内部への光線透過率を低下させる。5μmより大
きい場合は、塗布した場合の表面粗さが大きくなり、さ
らにパターン精度や寸法精度が低下するため好ましくな
い。
【0020】本発明で用いられる絶縁粉末としては、フ
ェライト、コーディエライト、フォルステライト、アル
ミナ、シリカ、ムライト、クリストバライト、コランダ
ム(αアルミナ)、ジルコニア、酸化カルシウム、酸化
マグネシウム、酸化クロム、酸化リチウム、酸化鉛、酸
化ホウ素、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ニッケル、およびホ
ウケイ酸ガラス等が上げられ、特に酸化鉛や酸化カルシ
ウムを含む絶縁粉末においてその効果を発揮するもので
あるが、これらに限定されるものではない。
【0021】絶縁粉末の平均粒子径は、分散性の観点か
らは0.5〜7μmであることが好ましい。平均粒子径
が0.5μm未満では、ペースト中での分散が低下し、
7μmより大きいと、パターンの寸法精度や塗布膜面の
表面粗さが低下するため好ましくない。またフォトリソ
グラフィーの観点からは、散乱が少なく膜中を透過する
光が多い法が好ましく、その場合は1μm以上が好まし
い。これらを考え合わせると好ましい絶縁粉末の平均粒
子径は1〜7μmである。
【0022】光重合開始剤としては、長波長まで感度を
有するものが好適である。長波長まで利用することによ
り感度が向上するばかりでなく、光線の波長が短くなる
ほど吸収や散乱の影響を受けやすいため、厚膜の内部ま
で硬化させるためには長波長まで感度を有することが好
ましい。通常、露光には水銀灯が用いられるために、水
銀灯の長波長輝線スペクトルのg線である436nmの
波長まで感度を有することが好ましい。また、短波長に
しか感度を有さない光重合開始剤に増感剤を加えること
でg線感度を持たせた複合開始剤系も好適に使用でき
る。
【0023】このような開始剤としては、例えばg線に
感度を有する開始剤としては、2−ベンジル−2−ジメ
チルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタ
ノン−1、あるいはビス(2,4,6−トリメチルベン
ゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどがあ
り、g線に感度を有しない開始剤として、2−メチル−
1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ
プロパン−1−オンに、2,4−ジエチルチオキサント
ンを増感剤として作用させてg線感度を付与する開始剤
系などが例として挙げられるが、本発明に使用できる光
重合開始剤系はこれらに限定されるものではない。
【0024】また、膜内部を硬化させるべく光線を多く
照射した場合に、表面近傍のパターンが散乱光により広
がりパターンが大きくなることを防ぐために、有機染料
からなる紫外線吸光剤を添加することが好ましい。ま
た、吸光剤による吸収で光線が厚膜内部に到達出来なく
なることを防ぐために、吸光剤は光線の照射によって吸
光度を減少させることが望ましい。有機系染料として
は、アゾ系、ベンゾフェノン系が好ましく、例えば、ア
ゾ系染料としてはスダンブルー、スダンR、スダンII、
スダンIII 、スダンIV、オイルオレンジSS、オイルバ
イオレット、オイルイエローOBなどがあり、ベンゾフ
ェノン系染料としては、ユビナールD−50、ユビナー
ルMS40、ユビナールDS49等があるがこれらに限
定されるものではない。
【0025】紫外線吸光剤の添加は、0.01〜1重量
%が好ましい。0.01重量%未満では添加によるパタ
ーン広がりを抑える効果が低く、1重量%を越えると吸
収が大きすぎて膜内部の硬化が妨げられる。
【0026】本発明のペーストは、上記構成物を、例え
ば3本ロールミル、コボールミルなどの混練装置や分散
装置によって均一に混合することで得られる。一例を上
げて説明する。有機成分をミキサーやスターラーで完全
に均一に混合した後、導体粉末を加え、更に混合して予
備分散を行う。その後、3本ロールミルを通して混練す
る。3本ロールミルは2回から8回連続して通すことが
好ましい。
【0027】次に本発明による感光性ペーストを用いた
導電パターンの形成例について説明するが、本発明はこ
れに限定されるものではない。
【0028】アルミナ基板、ガラス基板等の上にスクリ
ーン印刷でペーストを塗布し、乾燥する。70℃〜10
0℃で数分から1時間加熱して乾燥した後。マスクを介
して露光する。マスクは、所望するパターン形状に対し
てネガ型のものを使用し、露光は高圧水銀灯等により、
露光量は例えばi線(365nm)における測定で10
〜300mJ/cm2 照射する。露光後、アルカリ水溶
液を現像液として現像を行う。アルカリ水溶液は、金属
分の残留を防ぐためにテトラメチルアンモニウムヒドロ
キシドやエタノールアミンなどの有機アルカリが好まし
い。現像液で所定時間現像した後、水洗を行う。これら
現像と水洗は、浸漬、スプレー、パドルなどで行うこと
が出来るが、高い解像度が得られ、矩形断面形状のパタ
ーンが得られるのでスプレー現像が好ましい。現像液の
スプレー時間は20秒から200秒であり、水洗は同じ
くスプレーで10秒から60秒で行う。スプレーする際
に、基板を回転させておくことが現像の均一性の点から
好ましい。回転速度は100〜1000rpmが好まし
い。水洗後、回転を上げて余分な水を振り切り、乾燥さ
せる。このときの回転数は1000〜4000回転であ
る。必要であればオーブンなどで完全に水分を除去した
後、電気炉、ベルト炉等で焼成を行い、有機成分を揮発
させると共に無機粉末を焼結させることにより導体膜あ
るいは絶縁膜を形成できる。焼成雰囲気や温度は導体や
基板の種類により異なるが、大気雰囲気、窒素雰囲気、
酸素を10〜100ppm含有する窒素雰囲気、水素雰
囲気等で、500〜1600℃の温度で1〜60分保持
して焼成する。
【0029】本発明の感光性ペーストにより形成するパ
ターンは、ノートパソコンや携帯電話に実装されるMC
M(マルチチップモジュール)用基板や、CSP(チッ
プサイズパッケージ)用基板をはじめ、チップインダク
ター、チップコンデンサーなどのチップ部品、モジュー
ル基板等の電極や絶縁層、またプラズマアドレス液晶、
プラズマディスプレイパネル用電極や絶縁体パターンな
どに好適に用いられるが、これらの用途に限定されるも
のではない。
【0030】
【実施例】以下の実施例で本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例により何等の制限を受けるも
のではない。表1に示した各組成について、以下に述べ
る要領でペーストの調整を行い、パターン加工性の試験
を行った。使用した原料類を以下に示す。
【0031】A.無機粉末 a.導体ペースト用 銅粉末 単分散粒状 平均粒子径3.6μm 比表面積
1.0(m2/g)タップ密度 4.5(g/cm3
(同和鉱業製)粉末メーカーによる前処理あり b.絶縁粉末用 ガラス粉末 単分散球状 平均粒子径2.7μm 比表
面積1.91(m2/g) ガラス転移点 670℃ B.ポリマー グリシジルメタクリレート変性メタクリル酸−メタクリ
ル酸メチル共重合体 a.酸価74 重量平均分子量 10000 b.酸価100 重量平均分子量 23000 c.酸価48 重量平均分子量 10000 d.酸価66 重量平均分子量 10000 e.酸価74 重量平均分子量 2800 f.酸価74 重量平均分子量 4000 g.酸価74 重量平均分子量 15000 h.酸価74 重量平均分子量 23000 (なお、実施例、比較例における重量平均分子量はゲル
パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)でポリ
スチレン換算によって得られた)。
【0032】C.多官能モノマー プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリア
クリレート 3官能モノマー 2重結合当量 157g/mol T
PA−330(日本化薬) D.光開始剤 2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフ
ォリノフェニル)−ブタノン−1(チバスペシャリティ
ケミカルズのイルガキュア369:以下IC369とす
る) E.溶剤 γブチロラクトン F.分散剤 分散剤a:“ノプコスパース092”(サンノプコ製) G.吸光剤 スダンIV(東京化成) H.レベリング剤 LC−951(楠本化成)(有効濃度は10重量%、残
りは溶剤) I.ガラスフリット ガラスフリットa:ZrO2(42)、B23(2
4)、SiO2(21)、Li2O(7)、Al2
3(4)、その他酸化物(2) 単位:重量% J.現像液 テトラエチルアンモニウムヒドロキシド 0.1重量%
水溶液。
【0033】以下の作業は、全て黄色灯下で行った。 ペースト調整 (1)ポリマーと溶剤を混合し、60℃で3時間加熱し
て溶解させた。 (2)ポリマー溶液を室温に冷却し、その他の組成を全
て混合し、モーターと撹拌羽を用いて200rpmで3
0分室温で完全に均一に混合した。 (3)得られたスラリーを、3本ロール(EXACT
model 50)で混練し、ペーストを得た。
【0034】パターン加工 (1)ペーストを7.5cm角の96%アルミナ基板上
(ニッコー製)にスクリーン印刷で全面塗布した。スク
リーンはSUS#325メッシュを使用する。導体ペー
ストは1回印刷、絶縁ペーストは1回目印刷後に80℃
で10分の仮乾燥後、2回目の重ね印刷を行った。 (2)印刷した基板を熱風オーブンで80℃で40分乾
燥した。乾燥後の膜厚は導体ペーストでは15μm、絶
縁ペーストは35μmであった。 (3)高圧水銀灯(15mW/cm2)を用いて、パタ
ーンマスクを介してペーストの露光を行った。導体ペー
スト用のパターンマスクはline/spaceパター
ンで、線幅/線間がそれぞれ30/30、40/40、
50/50、60/60、70/70、および80/8
0(単位:μm)のものを用いた。30μmのパターン
が解像できた場合を◎、50μmのパターンが解像でき
た場合を○、80μmのパターンが解像できた場合を△
とし、それ以下の解像度もしくは現像不可であった場合
は×として表1に記載した。絶縁ペースト用のパターン
マスクは50μmφのスルーホールマスクである。50
μmφが解像できた場合は◎と評価した。 (4)アルカリ現像液(0.1%TMAH水溶液)を用
いて、露光後の基板を浸漬し、揺動させて現像し、その
後水シャワーでリンスした。 (5)光学顕微鏡でパターンの観察を行った。
【0035】安定性試験 (1)ペースト作成直後に粘度を測定した。 (2)室温で1週間静置後、再び粘度を測定した。 結果は全て表1に示した。
【0036】実施例1から7は、銅粉末を用いたペース
トの例である。比較例1および2は、本発明の範囲外の
酸価を有するポリマーを用いた例である。比較例1で
は、ポリマーの酸価が高く銅との反応性が高いため、保
存安定性が悪い。比較例2では、ポリマーの酸価が低い
ため、保存安定性は良好であるがアルカリ現像性が低下
し、アルカリ水溶液による現像では露光部・未露光部と
も全く溶解せず、現像不能であった。
【0037】これに対し実施例1では保存安定性、現像
性ともに良好なペーストが得られている。実施例2で
は、保存安定性、パターン加工性とも良好であった。し
かしアルカリ溶解性がやや低くパターン解像性はやや劣
っていた。
【0038】実施例3および実施例4は、実施例1と同
等な酸価で、分子量が低いポリマーを用いた場合であ
る。実施例5および6は、実施例1と酸価が同等であ
り、分子量が高いポリマーを用いた場合の例である。ペ
ーストの保存安定性は良好であるが、アルカリ現像性が
低かった。実施例7および比較例3は、ガラス粉末を用
いたペーストの例である。比較例3は、本発明の範囲外
の高い酸価のポリマーbを用いている。実施例7は保存
安定性は良好であるが、比較例3では室温1週間で粘度
が著しく増大している。
【0039】表1に得られた結果より、本発明によれ
ば、銅粉末やガラス粉末などと感光性樹脂の反応が抑制
され、安定でかつ現像性に優れた感光性ペーストが得ら
れることが明らかである。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明は上述のような構成を有すること
により、感光性ペーストにおける感光性樹脂と無機粉末
の反応性が抑制され、効果的に増粘や固形化が防止さ
れ、安定な感光性ペーストを得ることが出来る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/004 501 G03F 7/004 501 5G303 7/027 502 7/027 502 H01B 1/22 H01B 1/22 A 3/00 3/00 A // H05K 1/09 H05K 1/09 D Fターム(参考) 2H025 AA00 AA19 AA20 AB15 AB17 AC01 AD01 BC42 CA01 CB14 CB51 CB52 CB55 CC08 CC09 FA03 FA17 4E351 AA07 AA13 BB01 BB31 CC11 CC22 DD04 DD05 DD06 DD17 DD19 DD29 DD41 DD52 EE02 EE03 EE13 EE21 GG16 4G062 AA09 AA10 BB05 DA04 DB03 DC04 DD01 DE01 DF01 EA03 EB01 EC01 ED01 EE01 EF01 EG01 FA01 FB01 FC05 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM28 MM36 NN40 PP12 PP15 4J040 DF021 GA07 HA066 HA346 JB08 KA03 KA13 LA01 5G301 DA06 DA42 DD01 5G303 AA10 AB20 BA07 CA01 CA02 CA09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機粉末と、感光性有機成分として少なく
    ともアルカリ可溶性のアクリル系共重合体と、光重合開
    始剤を必須成分とする感光性ペーストであり、前記アク
    リル系共重合体の酸価が50〜80であることを特徴と
    する感光性ペースト。
  2. 【請求項2】アクリル系共重合体の酸価が70〜80で
    あることを特徴とする請求項1記載の感光性ペースト。
  3. 【請求項3】無機粉末として、少なくとも銅粉末を含む
    ことを特徴とする請求項1記載の感光性ペースト。
  4. 【請求項4】無機粉末として、少なくともガラス粉末を
    含むことを特徴とする請求項1記載の感光性ペースト。
  5. 【請求項5】無機粉末として、少なくともセラミックス
    粉末を含むことを特徴とする請求項1記載の感光性ペー
    スト。
  6. 【請求項6】アクリル系共重合体が、GPCによるポリ
    スチレン換算分子量より求めた重量平均分子量にして3
    000〜20000であることを特徴とする請求項1記
    載の感光性ペースト。
  7. 【請求項7】アクリル系共重合体が、GPCによるポリ
    スチレン換算分子量より求めた重量平均分子量にして5
    000〜12000であることを特徴とする請求項1記
    載の感光性ペースト。
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